(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025063825
(43)【公開日】2025-04-16
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20250409BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 201N
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024115067
(22)【出願日】2024-07-18
(31)【優先権主張番号】10-2023-0131633
(32)【優先日】2023-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0171332
(32)【優先日】2023-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2024-0013673
(32)【優先日】2024-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビェオン、ギュ タエ
(72)【発明者】
【氏名】シン、スン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジ イェオン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、キュ オー
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC07
5E082AB03
5E082EE01
5E082EE11
(57)【要約】
【課題】積層型電子部品の信頼性を向上させ、内部電極による段差の発生を抑制し、誘電体層間のデラミネーション(delamination)の発生を抑制し、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させる。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含み、上記第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、上記第1面から第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体と、上記第5及び第6面に配置されるサイドマージン部と、上記第3及び第4面に配置される外部電極と、を含み、上記内部電極と第5面との間の領域、及び上記内部電極と第6面との間の領域の少なくとも1つには、上記内部電極と離隔した追加パターンが配置されることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、及び前記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含み、前記第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、前記第1面から前記第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、
前記第5面及び前記第6面に配置されるサイドマージン部と、
前記第3面及び前記第4面に配置される外部電極と、を含み、
前記内部電極と前記第5面との間の領域、及び前記内部電極と前記第6面との間の領域の少なくとも1つには、前記内部電極と離隔した追加パターンが配置される、積層型電子部品。
【請求項2】
前記内部電極の前記第3方向の両端部は、前記内部電極の前記第3方向の中央部よりも平均厚さが薄い、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記内部電極の前記第3方向の両端部は、前記本体の前記第1方向の中央に曲がった形状を有する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記追加パターンは、前記第3面及び前記第4面と離隔して配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記追加パターンと前記内部電極が離隔した距離は15~45μmである、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記追加パターンの両端部のうち、前記内部電極と近い端部は、前記追加パターンの前記第3方向の中央部よりも平均厚さが薄い、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記追加パターンの両端部のうち前記内部電極と近い端部は、前記本体の第1方向の中央に曲がった形状を有する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記サイドマージン部の前記第1方向の上端は、前記第2面と同一平面上に配置され、前記サイドマージン部の前記第1方向の下端は、前記第1面と同一平面上に配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記サイドマージン部の前記第1方向の上端は、前記第2面よりも前記第1方向の下部に配置され、前記サイドマージン部の前記第1方向の下端は、前記第1面よりも前記第1方向の上部に配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記サイドマージン部の前記第1方向の上端は、前記第2面よりも前記第1方向の上部に配置され、前記サイドマージン部の前記第1方向の下端は、前記第1面よりも前記第1方向の下部に配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記追加パターンは、前記内部電極と前記第5面との間の領域に配置される第1追加パターン及び前記内部電極と前記第6面との間の領域に配置される第2追加パターンを含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記第1追加パターンは前記第5面と接するように配置され、前記第2追加パターンは前記第6面と接するように配置される、請求項11に記載の積層型電子部品。
【請求項13】
前記第1追加パターンは前記第5面と接するように配置され、前記第2追加パターンは前記第6面と離隔して配置される、請求項11に記載の積層型電子部品。
【請求項14】
前記第1追加パターンは前記第5面と離隔して配置され、前記第2追加パターンは前記第6面と離隔して配置される、請求項11に記載の積層型電子部品。
【請求項15】
前記追加パターンは、前記内部電極と前記第5面との間の領域及び前記内部電極と前記第6面との間の領域のうち一つにのみ配置される、請求項11に記載の積層型電子部品。
【請求項16】
前記外部電極は、前記第3面上に配置される第1外部電極及び前記第4面上に配置される第2外部電極を含み、
前記第1外部電極は前記サイドマージン部の前記第2方向の一端を覆い、前記第2外部電極は前記サイドマージン部の前記第2方向の他端を覆う、請求項1に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
かかる積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として用いられることができる。コンピュータ、モバイル機器など各種電子機器が小型化、高出力化されながら、積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
また、最近、自動車用電装部品に対する業界の関心が高まるにつれて、積層セラミックキャパシタも自動車やインフォテインメントシステムに用いられるために高信頼性及び高強度特性が求められている。
【0005】
成形シートに内部電極を印刷して積層する過程で、内部電極が印刷されていない部分と印刷された部分の微細な高さの差が累積して段差が生じるようになる。特に、幅方向にマージンを置いている従来技術である一般切断工法の場合、内部電極印刷部と未印刷部が交差で積層される長さ方向のマージンよりも内部電極未印刷部が積み重なる幅方向のマージン部の段差が非常にひどい。このような段差は各シートの端部分を曲げて応力を発生させ、これにより層が広がるデラミネーション(delamination)等の不良が発生するようになる。
【0006】
そこで、積層セラミックキャパシタを製造するにあたり、内部電極が本体の幅方向に露出するようにすることで、マージンのない設計により段差の発生原因を除去し、このようなチップ製作後の焼成前段階でチップの幅方向の電極露出面にサイドマージン部を別途付着して完成する方法が開発された。
【0007】
しかしながら、サイドマージン部と本体との間の水分浸透が容易で信頼性が低下することがあり、サイドマージン部が本体と良好に接することができず、サイドマージン部と本体との間が広がる場合、信頼性がさらに低下するおそれがあった。したがって、内部電極による段差を抑制しながらも信頼性を向上させることができる方案が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の様々な目的の一つは、積層型電子部品の信頼性を向上させることである。
【0009】
本発明の様々な目的の一つは、内部電極による段差の発生を抑制することである。
【0010】
本発明の様々な目的の一つは、誘電体層間のデラミネーション(delamination)の発生を抑制することである。
【0011】
本発明の様々な目的の一つは、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させることである。
【0012】
但し、本発明の目的は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、誘電体層、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含み、上記第1方向に対向する第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面、上記第1面から第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面を含む本体と、上記第5及び第6面に配置されるサイドマージン部と、上記第3及び第4面に配置される外部電極と、を含み、上記内部電極と第5面との間の領域、及び上記内部電極と第6面との間の領域の少なくとも1つには、上記内部電極と離隔した追加パターンが配置されることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態の様々な効果の一つは、積層型電子部品の信頼性を向上させたことである。
【0015】
本発明の実施形態の様々な効果の一つは、内部電極による段差の発生を抑制したことである。
【0016】
本発明の実施形態の様々な効果の一つは、誘電体層間のデラミネーション(delamination)の発生を抑制したことである。
【0017】
本発明の実施形態の様々な効果の一つは、積層型電子部品の単位体積当たりの容量を向上させたことである。
【0018】
但し、本発明の実施形態の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
【
図2】
図1の積層型電子部品において外部電極を除いて本体とサイドマージン部を分離して示した斜視図である。
【
図4】
図1のII-II'線に沿った断面図である。
【
図5】
図1のIII-III'線に沿った断面図である。
【
図7】他の一実施形態に係る
図6に対応する図面である。
【
図8】さらに他の一実施形態に係る
図6に対応する図面である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を製造するために用いられる内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを示したものである。
【
図10】
図9のセラミックグリーンシートを積層した積層体の第1及び第3方向の断面を示したものである。
【
図11】第1変形例に係る
図4に対応する図面である。
【
図12】第2変形例に係る
図4に対応する図面である。
【
図13】第3変形例に係る
図4に対応する図面である。
【
図14】第4変形例に係る
図4に対応する図面である。
【
図15】第5変形例に係る
図4に対応する図面である。
【
図16】第6変形例に係る
図4に対応する図面である。
【
図17】第7変形例に係る
図4に対応する図面である。
【
図18】第8変形例に係る
図4に対応する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0021】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0022】
図面において、第1方向は積層方向または厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0023】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものであり、
図2は、
図1の積層型電子部品において外部電極を除いて本体とサイドマージン部を分離して示した斜視図であり、
図3は、
図1のI-I'線に沿った断面図であり、
図4は、
図1のII-II'線に沿った断面図であり、
図5は、
図1のIII-III'線に沿った断面図であり、
図6は、
図4のK1領域を拡大した図面である。
【0024】
以下、
図1~
図6を参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品について詳細に説明する。
【0025】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100は、誘電体層111、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極121、122を含み、上記第1方向に対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3及び第4面3、4、上記第1~第4面と連結され、第3方向に対向する第5及び第6面5、6を含む本体110と、上記第5及び第6面に配置されるサイドマージン部114、115と、上記第3及び第4面に配置される外部電極131、132と、を含み、上記内部電極と第5面との間の領域及び上記内部電極と第6面との間の領域の少なくとも1つには、上記内部電極と離隔した追加パターン141a、141b、142a、142bが配置されることができる。
【0026】
成形シートに内部電極を印刷して積層する過程で、内部電極が印刷されていない部分と印刷された部分の微細な高さの差が累積して段差が発生するようになる。特に幅方向にマージンを置いている従来技術である一般切断工法の場合、内部電極印刷部と未印刷部が交差で積層される長さ方向のマージンよりも内部電極未印刷部が積み重なる幅方向のマージン部の段差が非常にひどい。このような段差は、各シートの端部分を曲げて応力を発生させ、これにより層が広がるデラミネーション(delamination)等の不良が発生するようになる。
【0027】
これにより、積層セラミックキャパシタを製造することにおいて、内部電極が本体の幅方向に露出するようにすることで、マージンのない設計により段差の発生原因を除去し、このようなチップ製作後の焼成前段階でチップの幅方向の電極露出面にサイドマージン部を別途付着して完成する方法が開発された。
【0028】
しかしながら、サイドマージン部と本体との間に水分浸透が容易であり、信頼性が低下することがあり、サイドマージン部が本体と良好に接することができず、サイドマージン部と本体との間が広がる場合、信頼性がさらに低下するおそれがあった。
【0029】
本発明の一実施形態に係ると、内部電極121、122と第5面との間の領域及び内部電極121、122と第6面との間の領域の少なくとも1つに、内部電極121、122と離隔した追加パターン141a、141b、142a、142bを配置することにより、内部電極による段差を抑制しながらも外部衝撃等による応力を減少させることができ、サイドマージン部と本体との間に水分が浸透しても内部電極まで到達しにくくて、耐湿信頼性を向上させることができる。
【0030】
以下、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100の各構成について詳細に説明する。
【0031】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122が交互に積層されている。
【0032】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように本体110は六面体状やこれと類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体状ではないが、実質的に六面体状を有することができる。
【0033】
本体110は、第1方向に互いに対向する第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに対向する第3及び第4面3、4、第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、第3方向に互いに対向する第5及び第6面5、6を有することができる。
【0034】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0035】
本発明の一実施形態に係ると、上記誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料、またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO3系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末の例示として、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)等が一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3またはBa(Ti1-yZry)O3などが挙げられる。
【0036】
上記誘電体層111を形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などのパウダーに本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0037】
内部電極121、122は誘電体層111と交互に配置されることができる。
【0038】
内部電極121、122は、第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ露出することができる。
【0039】
一実施形態において、内部電極121、122は、誘電体層111を挟んで第1方向に交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含み、第1内部電極121は上記第3面と連結され、上記第2内部電極122は上記第4面と連結されることができる。
【0040】
図2~
図4を参照すると、第1内部電極121は、第4、第5及び第6面4、5、6と離隔し、第3面3を介して露出し、第2内部電極122は、第3、第5及び第6面3、5、6と離隔し、第4面4を介して露出することができる。
【0041】
このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離することができる。
【0042】
内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上を含み得る。
【0043】
一実施形態において、内部電極121、122の第3方向の両端部は、内部電極121、122の第3方向の中央部よりも平均厚さが薄いことができる。本発明の一実施形態によって、追加パターン141a、141b、142a、142bを配置しても、追加パターンと内部電極が離隔した領域には段差が形成されることができ、これにより圧着工程で内部電極121、122の第3方向の両端部は、内部電極121、122の第3方向の中央部よりも平均厚さが薄くなることができる。但し、追加パターンがない場合に比べて内部電極121、122の第3方向の両端部と中央部の平均厚さの差は小さいことができる。
【0044】
このとき、内部電極121、122を第3方向に10等分したとき、内部電極121、122の第3方向の両端部は最初及び最後の領域を意味することができ、内部電極121、122の第3方向の中央部は、2番目から9番目の領域を意味することができる。具体的な測定方法の例として、本体110の第2方向の中央で切断した第1及び第3方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。上記スキャンしたイメージから10個の内部電極を選定した後、1つの内部電極121、122の第3方向の両端部で均等な間隔を有する5個のポイント、内部電極121、122の第3方向の中央部で均等な間隔を有する5個のポイントで厚さを測定して、内部電極121、122の第3方向の両端部及び中央部のそれぞれ合計50個のポイントの値を平均して比較することができる。
【0045】
一実施形態において、内部電極121、122の第3方向の両端部は、上記本体の第1方向の中央に曲がった形状を有することができる。本発明の一実施形態によって、追加パターン141a、141b、142a、142bを配置しても、追加パターンと内部電極が離隔した領域には段差が形成されることができ、これによって圧着工程で内部電極121、122の第3方向の両端部は本体の第1方向の中央に曲がった形状を有することができる。但し、追加パターンがない場合に比べて内部電極121、122の第3方向の両端部が曲がった程度は小さいことができる。
【0046】
追加パターン141a、141b、142a、142bは、内部電極121、122と第5面との間の領域及び内部電極121、122と第6面との間の領域の少なくとも一つに内部電極121、122と離隔して配置されることができる。
【0047】
追加パターン141a、141b、142a、142bは、内部電極による段差を緩和する役割を果たすことができ、外部衝撃などによる応力を減少させる役割を果たすことができる。また、追加パターン141a、141b、142a、142bは、積層体をチップ単位で切断する工程で切断による応力を吸収する役割も行うことができる。また、追加パターン141a、141b、142a、142bは、内部電極121、122と離隔して内部電極121、122よりも本体110の外側に配置されることによって、水分等が内部電極まで到達することを防止して耐湿信頼性を向上させる役割を果たすことができる。
【0048】
一実施形態において、追加パターン141a、141b、142a、142bは、本体110の第3及び第4面と離隔して配置されることができる。これにより、追加パターン141a、141b、142a、142bは外部電極131、132と連結されず、水分等が浸透して追加パターン141a、141b、142a、142bに到達しても耐湿信頼性が低下しないことができる。また、追加パターン141a、141b、142a、142bを絶縁物質等の材料で形成する必要がなく、内部電極121、122と同じペーストを用いて一度に印刷することができるため、生産性が向上することができる。
【0049】
一実施形態において、追加パターン141a、141b、142a、142bと内部電極121、122が離隔した距離Wg1、Wg2は特に限定する必要はないが、例えば15~45μmであることができる。Wg1及びWg2が15μm未満の場合には、内部電極と追加パターンが電気的に連結されて、追加パターンによる耐湿信頼性の向上効果が不十分であることがあり、45μm超過である場合には、積層型電子部品の単位体積当たりの容量が低下するおそれがある。
【0050】
一実施形態において、追加パターン141a、141b、142a、142bの両端部のうち、内部電極121、122と近い端部は、上記追加パターンの第3方向の中央部よりも平均厚さが薄いことができる。上述したように、追加パターン141a、141b、142a、142bと内部電極121、122が離隔した領域には、段差が形成されることができ、これにより、圧着工程で追加パターンの両端部のうち内部電極と近い端部の厚さが薄くなることがある。
【0051】
また、追加パターン141a、141b、142a、142bの両端部のうち、上記内部電極121、122と近い端部は、上記本体の第1方向の中央に曲がった形状を有することができる。このとき、追加パターン141a、141b、142a、142bの他端部は、第1方向の中央に曲がった形状ではないことができる。
【0052】
追加パターン141a、141b、142a、142bを形成する材料は特に限定する必要はない。追加パターン141a、141b、142a、142bは絶縁物質を含んで形成することができ、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、及びこれらの合金のうち一つ以上を含むこともできる。また、内部電極121、122と同じ材料で構成されることができ、これにより内部電極パターンと共に印刷されて工程を簡素化して生産性を向上させることができる。また、応力緩和効果を向上させるために、追加パターン141a、141b、142a、142bはグラフェンなどを含むことができる。
【0053】
追加パターン141a、141b、142a、142bの第3方向の幅Wc1、Wc2は特に限定する必要はない。例えば、Wc1及びWc2はそれぞれ15~30μmであることができる。
【0054】
図4及び
図5を参照すると、一実施形態において、追加パターン141a、141b、142a、142bは、上記内部電極121、122と第5面との間の領域に配置される第1追加パターン141a、142a及び上記内部電極と第6面との間の領域に配置される第2追加パターン141b、142bを含むことができる。
【0055】
このとき、第1追加パターン141a、142aは第5面と接するように配置されることができ、第2追加パターン141b、142bは第6面と接するように配置されることができる。これにより、第1追加パターン141a、142aは第5面で第1サイドマージン部と接し、第2追加パターン141b、142bは第6面で第2サイドマージン部と接するように配置されることができる。また、積層工程において追加パターン141a、141b、142a、142bが応力を吸収して本体の変形を最小化することができる。
【0056】
但し、これに制限されず、追加パターン141a、141b、142a、142bは、後述する変形例のように様々な形態を有することができる。例えば、第1追加パターンは第5面と離隔して配置され、第2追加パターンは上記第6面と離隔して配置されることができる。また、第1追加パターンは第5面と離隔して配置され、第2追加パターンは上記第6面と離隔して配置されることができる。さらに、追加パターンは、内部電極と第5面との間の領域及び内部電極と第6面との間の領域のうち一つにのみ配置されることができる。
【0057】
誘電体層111の平均厚さtdは、特に限定する必要はないが、例えば0.05μm~3.0μmであることができる。内部電極121、122の平均厚さteは特に限定する必要はないが、例えば、0.05μm~3.0μmであることができる。また、誘電体層111の平均厚さtdと内部電極121、122の平均厚さteは、所望の特性や用途に応じて任意に設定することができる。例えば、小型化及び高容量化を達成するために、小型IT用電子部品の場合、誘電体層111の平均厚さtdは0.4μm以下であることができ、内部電極121、122の平均厚さteは、0.4μm以下であることができる。追加パターン141a、141b、142a、142bの平均厚さも特に限定する必要はなく、内部電極121、122と類似した厚さを有することができる。
【0058】
誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteは、それぞれ誘電体層111及び内部電極121、122の第1方向の大きさを意味する。誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。より具体的には、誘電体層111の平均厚さtdは、1つの誘電体層111の多数の地点、例えば第2方向に等間隔の30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。また、内部電極121、122の平均厚さteは、1つの内部電極121、122の多数の地点、例えば第2方向に等間隔の30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔の30個の地点は、容量形成部Acで指定されることができる。一方、このような平均値測定をそれぞれ10個の誘電体層111及び10個の内部電極121、122について実施した後に平均値を測定すると、誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteをさらに一般化することができる。
【0059】
本体110は本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される活性部Acと上記活性部Acの第1方向の上部及び下部に形成されたカバー部112、113を含むことができる。
【0060】
また、上記活性部Acは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であり、誘電体層111を挟んで複数の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層して形成されることができる。
【0061】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一誘電体層または2つ以上の誘電体層を活性部Acの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0062】
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は内部電極を含まず、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。
【0063】
すなわち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113はセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系セラミック材料を含むことができる。
【0064】
一方、カバー部112、113の厚さは特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の厚さtcは80μm以下であることができる。
【0065】
カバー部112、113の平均厚さtcは、第1方向の大きさを意味することができ、容量形成部Acの上部または下部で等間隔の5個の地点で測定したカバー部112、113の第1方向の大きさを平均した値であることができる。
【0066】
サイドマージン部114、115は、本体110の第5及び第6面に配置されることができる。
【0067】
サイドマージン部114、115は、本体110の第5面5に配置された第1サイドマージン部114と第6面6に配置された第2サイドマージン部115を含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、本体110の第3方向の両端面(end surfaces)に配置されることができる。
【0068】
サイドマージン部114、115は、カバー部112、113の第3方向の両端面を覆うように配置されることができる。
【0069】
サイドマージン部114、115は、基本的に物理的または化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0070】
サイドマージン部114、115は、単一誘電体層または2つ以上の誘電体層を本体110の第3方向の両端面(end surfaces)に第3方向に積層して形成されることができる。サイドマージン部114、115は、誘電体層111と異なる組成を有することができ、誘電体層111と結晶粒径が異なることができ、誘電体層111と気孔率が異なることができる。但し、これに制限されるものではなく、サイドマージン部114、115は誘電体層111と同じ組成を有することもできる。
【0071】
図6を参照すると、サイドマージン部114、115の第1方向の上端は上記第2面と同一平面上に配置され、上記サイドマージン部の第1方向の下端は上記第1面と同一平面上に配置されることができる。
【0072】
しかし、サイドマージン部の製造誤差等を考慮するとき、必ずしもこのような形態を有する必要はない。
【0073】
例えば、本発明の他の一実施形態に係ると、
図7のように、サイドマージン部114'、115'の第1方向の上端は、上記第2面よりも第1方向の下部に配置され、サイドマージン部114'、115'の第1方向の下端は、上記第1面よりも第1方向の上部に配置されることができる。このとき、サイドマージン部114b'、115b'の第1方向の上端は、上記第3及び第4面で上記上部カバー部112と接し、上記サイドマージン部114b'、115b'の第1方向の下端は、上記第3及び第4面で上記下部カバー部113と接することができる。
【0074】
また、本発明のさらに他の一実施形態に係ると、
図8のように、サイドマージン部114''、115''の第1方向の上端は、上記第2面よりも第1方向の上部に配置され、サイドマージン部114''、115''の第1方向の下端は、上記第1面よりも第1方向の下部に配置されることができる。このとき、サイドマージン部114''、115''の少なくとも一部は、上記第1及び第2面上に配置されることができる。
【0075】
サイドマージン部114、115の第3方向の平均幅Wm1、Wm2は特に限定する必要はない。例えば、Wm1及びWm2はそれぞれ50μm以下であることができ、小型化及び高容量化のためにWm1及びWm2はそれぞれ20μm以下であることができる。ここで、サイドマージン部114、115の第3方向の幅は、サイドマージン部114、115の第3方向の大きさを意味することができる。
【0076】
一方、本発明の一実施形態に係ると、内部電極121、122が本体の第5及び第6面に露出せず、内部電極121、122と第5面との間の領域及び内部電極121、122と第6面との間の領域の少なくとも1つに内部電極121、122と離隔した追加パターン141a、141b、142a、142bが配置されるため、サイドマージン部114、115の第3方向の幅を薄くして単位体積当たりの容量を向上させながらも耐湿信頼性を確保することができる。例えば、サイドマージン部114、115の第3方向の平均幅Wm1、Wm2は、5μm以上15μm以下であることができ、5μm以上10μm以下であることができる。
【0077】
一方、サイドマージン部114、115の第1方向の位置別の幅は、実質的に同一であることができ、幅の偏差が5%以内であることができる。これは、サイドマージン部114、115をサイドマージン部用セラミックグリーンシートを本体110の側面に付着して形成することによるものである。
【0078】
外部電極131、132は、本体110の第3面3及び第4面4に配置されることができる。
【0079】
外部電極131、132は、本体110の第3及び第4面3、4にそれぞれ配置されて、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。
【0080】
図1を参照すると、外部電極131、132は、サイドマージン部114、115の第2方向の両端面を覆うように配置されることができる。
【0081】
本実施形態では、積層型電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造を説明しているが、外部電極131、132の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することができる。
【0082】
一実施形態において、外部電極131、132は本体110の第3面上に配置される第1外部電極131及び本体110の第4面上に配置される第2外部電極132を含み、第1外部電極131はサイドマージン部114、115の第2方向の一端を覆い、第2外部電極132はサイドマージン部114、115の第2方向の他端を覆うことができる。
【0083】
一方、外部電極131、132は、金属などの電気導電性を有するものであれば、如何なる物質を用いても形成されることができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して具体的な物質が決定されることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0084】
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層131a、132a及び電極層131a、132a上に形成されためっき層131b、132bを含むことができる。
【0085】
電極層131a、132aに対するより具体的な例を挙げると、電極層131a、132aは、導電性金属及びガラスを含む焼成(firing)電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0086】
また、電極層131a、132aは、本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であることができる。また、電極層131a、132aは、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであることができる。
【0087】
電極層131a、132aに含まれる導電性金属としては、電気導電性に優れた材料を用いることができるが、特に限定されない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びそれらの合金のうち1つ以上であることができる。
【0088】
めっき層131b、132bは実装特性を向上させる役割を果たす。めっき層131b、132bの種類は特に限定されず、Ni、Sn、Pd及びこれらの合金のうち1つ以上を含むめっき層であることができ、複数の層で形成されることができる。
【0089】
めっき層131b、132bに対するより具体的な例を挙げると、めっき層131b、132bは、Niめっき層またはSnめっき層であることができ、電極層131a、132a上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができ、Snめっき層、Niめっき層、及びSnめっき層が順次形成された形態であることができる。また、めっき層131b、132bは、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0090】
積層型電子部品100のサイズは特に限定する必要はない。
【0091】
但し、小型化及び高容量化を同時に達成するためには、誘電体層及び内部電極の厚さを薄くして積層数を増加させなければならないため、1005(長さ×幅、1.0mm×0.5mm)以下のサイズを有する積層型電子部品100で本発明による信頼性の向上効果がより顕著になり得る。
【0092】
製造誤差、外部電極の大きさ等を考慮すると、積層型電子部品100の長さが1.1mm以下であり、幅が0.55mm以下である場合、本発明による信頼性及び単位体積当たりの容量向上効果がより顕著になることができる。ここで、積層型電子部品100の長さは、積層型電子部品100の第2方向の最大大きさを意味し、積層型電子部品100の幅は、積層型電子部品100の第3方向の最大大きさを意味することができる。
【0093】
図9は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を製造するために用いられる内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを示したものであり、
図10は、
図9のセラミックグリーンシートを積層した積層体の第1及び第3方向の断面を示したものである。
【0094】
図9及び
図10を参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の製造方法について説明する。
【0095】
まず、
図9のようにセラミックグリーンシート10上に内部電極パターン120及び追加パターン140を印刷した後、セラミックグリーンシート10を複数個積層及び圧着して積層体10'を形成する。
【0096】
この後、
図10を参照すると、追加パターン140を基準に基準切断線C1、C2を選定して積層体10'を切断することで単位チップの本体を得ることができる。
図10の基準切断線C1、C2に合わせて正確に積層体10'を切断すると、追加パターン140が本体の第5及び第6面に露出する形態となり得る。
【0097】
この後、
図2のように本体の第5及び第6面にサイドマージン部用誘電体シートを1枚以上付着すると、第1追加パターン141a、142aは第5面で第1サイドマージン部と接し、第2追加パターン141b、142bは、第6面で第2サイドマージン部と接するように配置されることができる。
【0098】
続いて、焼結工程を進行した後、本体110の第3及び第4面に外部電極131、132を形成して積層型電子部品を得ることができる。
【0099】
一方、切断工程の散布が発生する場合、積層体10'が基準切断線C1、C2に正確に合わせて切断できず、第1基準切断線C1の左側A1で切断されるか、右側B1で切断されることがあり、第2基準切断線C2の左側A2で切断されるか、右側B2で切断されることがある。
【0100】
このような切断工程の散布に応じて、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品は、後述するように様々な形態の変形例を有することができる。
【0101】
図11は、第1変形例に係る
図4に対応する図面である。第1基準切断線C1の左側A1及び第2基準切断線C2の左側A2で切断される場合、
図11のように、追加パターン141a-1、142a-1が第1サイドマージン部114と内部電極121、122との間にのみ配置された積層型電子部品100-1を得ることができる。また、
図11に示したように、追加パターン141a-1、142a-1が第1サイドマージン部114と離隔した形態を有することができる。
【0102】
図12は、第2変形例に係る
図4に対応する図面である。第1基準切断線C1及び第2基準切断線C2の左側A2で切断される場合、
図12のように、追加パターン141a-2、142a-2が第1サイドマージン部114と内部電極121、122との間にのみ配置された積層型電子部品100-2を得ることができる。また、
図12に示したように、追加パターン141a-2、142a-2が第1サイドマージン部114と接する形態を有することができる。
【0103】
図13は、第3変形例に係る
図4に対応する図面である。第1基準切断線C1の右側B1及び第2基準切断線C2の右側B2で切断される場合、
図13のように、追加パターン141b-3、142b-3が第2サイドマージン部115と内部電極121、122との間にのみ配置された積層型電子部品100-3を得ることができる。また、
図13に示したように、追加パターン141b-3、142b-3が第2サイドマージン部115と離隔した形態を有することができる。
【0104】
図14は、第4変形例に係る
図4に対応する図面である。第1基準切断線C1の右側B1及び第2基準切断線C2で切断される場合、
図14のように、追加パターン141b-4、142b-4が第2サイドマージン部115と内部電極121、122との間にのみ配置された積層型電子部品100-4を得ることができる。また、
図14に示したように、追加パターン141b-4、142b-4が第2サイドマージン部115と接する形態を有することができる。
【0105】
図15は、第5変形例に係る
図4に対応する図面である。第1基準切断線C1の左側A1及び第2基準切断線C2で切断される場合、
図15のように、第1サイドマージン部114と内部電極121、122との間に第1追加パターン141a-5、142a-5が配置され、第2サイドマージン部115と内部電極121、122との間に第2追加パターン141b-5、142b-5が配置された積層型電子部品100-5を得ることができる。また、
図15に示したように、第1追加パターン141a-5、142a-5は第1サイドマージン部114と離隔し、第2追加パターン141b-5、142b-5が第2サイドマージン部115と接する形態を有することができる。
【0106】
図16は、第6変形例に係る
図4に対応する図面である。第1基準切断線C1及び第2基準切断線C2の右側B2で切断される場合、
図16のように、第1サイドマージン部114と内部電極121、122との間に第1追加パターン141a-6、142a-6が配置され、第2サイドマージン部115と内部電極121、122との間に第2追加パターン141b-6、142b-6が配置された積層型電子部品100-6を得ることができる。また、
図16に示したように、第1追加パターン141a-6、142a-6は第1サイドマージン部114と接し、第2追加パターン141b-6、142b-6が第2サイドマージン部115と離隔した形態を有することができる。
【0107】
図17は、第7変形例に係る
図4に対応する図面である。第1基準切断線C1の左側A1及び第2基準切断線C2の右側B2で切断される場合、
図17のように、第1サイドマージン部114と内部電極121、122との間に第1追加パターン141a-7、142a-7が配置され、第2サイドマージン部115と内部電極121、122との間に第2追加パターン141b-7、142b-7が配置された積層型電子部品100-7を得ることができる。また、
図17に示したように、第1追加パターン141a-7、142a-7は第1サイドマージン部114と離隔し、第2追加パターン141b-7、142b-7が第2サイドマージン部115と離隔した形態を有することができる。
【0108】
図18は、第8変形例に係る
図4に対応する図面である。第1基準切断線C1の右側B1及び第2基準切断線C2の左側A2で切断される場合、
図18のように追加パターンが配置されていない積層型電子部品100-8を得ることができる。積層型電子部品100-8が追加パターンを含まなくても、切断工程において追加パターン140が切断応力を吸収する役割を果たして、誘電体層間のデラミネーション(delamination)の発生を抑制する効果を有することができる。
【0109】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【0110】
また、本開示において用いられた「一実施形態」という表現は、互いに同一の実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態に説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解することができる。
【0111】
本開示で用いられた用語は、単に一実施形態を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0112】
100 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
112、113 カバー部
114、115 サイドマージン部
121、122 内部電極
141a、141b、142a、142b 追加パターン
131、132 外部電極
131a、132a 電極層
131b、132b めっき層