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特開2025-6397電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006397
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/08 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A61F7/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107171
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】西村 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 諒
【テーマコード(参考)】
4C099
【Fターム(参考)】
4C099AA01
4C099CA02
4C099GA21
4C099JA01
(57)【要約】
【課題】日々変動する環境に応じて適切に電気治療を行うことができる電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る電気治療プログラムは、端末の位置を取得する取得ステップと、位置を含む地域の気象情報を取得する気象情報取得ステップと、寝具が搭載された電気治療器に少なくとも温熱治療を行わせる治療器制御ステップであって、気象情報に応じて電気治療器に行わせる温熱治療の時間を決定する治療器制御ステップと、をコンピュータに実行させる。
【選択図】図15

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末の位置を取得する位置取得ステップと、
前記位置を含む地域の気象情報を取得する気象情報取得ステップと、
寝具に搭載された電気治療器に少なくとも温熱治療を行わせる治療器制御ステップであって、前記気象情報に応じて前記電気治療器に行わせる前記温熱治療の時間を決定する治療器制御ステップと、
をコンピュータに実行させる、電気治療プログラム。
【請求項2】
前記気象情報は、前記地域の最低気温を含んでおり、
前記治療器制御ステップでは、前記地域の最低気温に応じて前記温熱治療の時間を決定する、請求項1に記載の電気治療プログラム。
【請求項3】
前記位置取得ステップ、前記気象情報取得ステップ、および前記治療器制御ステップを実行する第1電気治療コースと、
前記電気治療器に行わせる電位治療の時間、および前記電気治療器に行わせる温熱治療の時間が予め定められており、前記電位治療および前記温熱治療を予め定められた時間実行する第2電気治療コースと、
を有し、
前記第1電気治療コースおよび前記第2電気治療コースは、前記電気治療プログラムを使用する使用者によって選択可能とされており、
前記使用者による前記第1電気治療コースおよび前記第2電気治療コースの選択操作を受け付けるステップと、
前記使用者によって選択された前記第1電気治療コースおよび前記第2電気治療コースのいずれかを実行するステップと、を有する、請求項1または2に記載の電気治療プログラム。
【請求項4】
寝具に搭載された電気治療器と、
前記電気治療器に通信可能な端末と、を含む電気治療システムであって、
前記端末の位置を取得する位置取得部と、
前記位置を含む地域の気象情報を取得する気象情報取得部と、
前記電気治療器に少なくとも温熱治療を行わせる治療器制御部と、
を有し、
前記治療器制御部は、前記気象情報取得部によって取得された前記気象情報に応じて前記電気治療器に行わせる前記温熱治療の時間を決定する、電気治療システム。
【請求項5】
寝具を介して少なくとも温熱治療を行う電気治療器であって、
前記電気治療器の位置を取得する位置取得手段と、
前記位置を含む地域の気象情報を取得する気象情報取得手段と、
少なくとも前記温熱治療を実行する治療器制御手段と、
を備え、
前記治療器制御手段は、前記気象情報に応じて実行する前記温熱治療の時間を決定し、決定した時間前記温熱治療を実行する、電気治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電位治療器を備えた電位治療システムが記載されている。電位治療システムは、電位治療器と、電位治療器と通信可能とされるウェアラブルデバイスと、電位治療器が接続された導電シートとを備える。導電シートは、木製の椅子の座面に敷かれるシートである。
【0003】
電位治療器は、導電シートに高電圧の信号を出力し、導電シート上に座るユーザを周辺環境より高電位にする装置である。ウェアラブルデバイスは、ユーザの身体状態を測定するデバイスであり、手首に装着するためのバンドを有する。ウェアラブルデバイスは、無線通信により電位治療器に接続し、測定したユーザの身体状態を示す情報を電位治療器に送信する。複数のボタンを有する操作部をユーザが操作することによって、電位治療器の治療が開始される。
【0004】
特許文献2には、寝具として使用可能な緩衝体内に温熱手段と、電位手段と、送風手段とを備えた温熱電位治療器が記載されている。温熱電位治療器の各手段は、予めプログラムした制御プログラムにしたがって制御を行う制御手段により運転される。制御手段には複数の運転コースが登録されており、制御手段は複数の運転コースの中から使用者の操作によって選択された運転コースを運転する。
【0005】
温熱電位治療器は操作キーを備えている。この操作キーには季節に応じて選択できる複数の運転コース選択キーが設けられている。温熱電位治療器は、選択キーによって選択された運転コースに応じて温熱手段、電位手段および送風手段を制御する。この制御は、運転コースごとに運転方法が定められたプログラムによって実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-121062号公報
【特許文献2】特開2005-21465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
使用者に適した電気治療の内容は環境により異なる。しかしながら、環境は日々変動するため電気治療の内容をその都度判断することは煩雑である。誤って好適でない内容の電気治療が行われた場合には、使用者は治療効果を充分に得られない場合がある。
【0008】
本開示は、日々変動する環境に応じて適切に電気治療を行うことができる電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る電気治療プログラムは、端末の位置を取得する位置取得ステップと、位置を含む地域の気象情報を取得する気象情報取得ステップと、寝具に搭載された電気治療器に少なくとも温熱治療を行わせる治療器制御ステップであって、気象情報に応じて電気治療器に行わせる温熱治療の時間を決定する治療器制御ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0010】
本開示に係る電気治療システムは、寝具に搭載された電気治療器と、電気治療器に通信可能な端末と、を含む電気治療システムであって、端末の位置を取得する位置取得部と、位置を含む地域の気象情報を取得する気象情報取得部と、電気治療器に少なくとも温熱治療を行わせる治療器制御部と、を有し、治療器制御部は、気象情報取得部によって取得された気象情報に応じて電気治療器に行わせる温熱治療の時間を決定する。
【0011】
この電気治療プログラムおよび電気治療システムは、端末の位置を取得し、取得した端末の位置を含む地域の気象情報を取得する。さらに、取得した気象情報に応じて電気治療器に行わせる温熱治療の時間を決定する。同じ季節の中でも寒い日があったり暑い日があったりすることがあり、例えば季節ごとに電気治療のコースが一律に定まる場合には、寒い日に温熱治療の時間が足りなかったり、暑い日に温熱治療の時間が長すぎたりすることがある。この電気治療プログラムおよび電気治療システムでは、端末が存在する地域の気象情報に応じて温熱治療の時間が定められ、気象情報に応じて温熱治療の時間を適切な時間とすることができるので、日々変動する環境に応じて適切に電気治療を行うことができる。さらに、端末が存在する地域の気象情報に応じて温熱治療の時間が自動的に定まるので、電気治療の時間をどうするかその都度判断することを不要とすることができる。したがって、利便性が高い電気治療プログラムおよび電気治療システムとすることができる。
【0012】
気象情報は、地域の最低気温を含んでおり、治療器制御ステップでは、地域の最低気温に応じて温熱治療の時間を決定してもよい。この場合、端末が存在する地域の最低気温に応じて温熱治療の時間が決定され、最低気温に応じて温熱治療の時間を適切な時間とすることができる。例えば、最低気温が低いときに、最低気温が高いときと比較して温熱治療の時間を長く設定することが可能である。したがって、地域の最低気温に応じた温熱治療の時間が決定されることにより、最低気温の変動によって温熱治療の時間に過不足が生じることを抑制することができる。
【0013】
本開示に係る電気治療プログラムは、位置取得ステップ、気象情報取得ステップ、および治療器制御ステップを実行する第1電気治療コースと、電気治療器に行わせる電位治療の時間、および電気治療器に行わせる温熱治療の時間が予め定められており、電位治療および温熱治療を予め定められた時間実行する第2電気治療コースと、を有し、第1電気治療コースおよび第2電気治療コースは、電気治療プログラムを使用する使用者によって選択可能とされており、使用者による第1電気治療コースおよび第2電気治療コースの選択操作を受け付けるステップと、使用者によって選択された第1電気治療コースおよび第2電気治療コースのいずれかを実行するステップと、を有してもよい。
【0014】
この場合、端末が存在する地域の気象情報に応じて自動的に電気治療の内容が決定される第1電気治療コースと、使用者が任意に電気治療の内容を決定できる第2電気治療コースとのいずれかを、使用者が選択することができる。これにより、使用者は、その日の体調または気分によって電気治療の内容を決定することができ、より利便性を向上した電気治療プログラムとすることができる。
【0015】
本開示に係る電気治療器は、寝具を介して少なくとも温熱治療を行う電気治療器であって、電気治療器の位置を取得する位置取得手段と、位置を含む地域の気象情報を取得する気象情報取得手段と、少なくとも温熱治療を実行する治療器制御手段と、を備え、治療器制御手段は、気象情報に応じて実行する温熱治療の時間を決定し、決定した時間温熱治療を実行する。
【0016】
この電気治療器は、電気治療器の位置を含む地域の気象情報を取得し、取得した気象情報に応じて温熱治療の時間を決定する。この電気治療器では、電気治療器が存在する地域の気象情報に応じて温熱治療の時間が定められ、気象情報に応じて温熱治療の時間を適切な時間とすることができる。したがって、前述した電気治療プログラムおよび電気治療システムと同様、日々変動する環境に応じて適切に電気治療を行うことができる。さらに、電気治療器が存在する地域の気象情報に応じて温熱治療の時間が自動的に定まるので、電気治療の時間をどうするかその都度判断することを不要とすることができる。したがって、利便性が高い電気治療器とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、日々変動する環境に応じて適切に電気治療を行うことができる電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る電気治療システムを模式的に示す平面図である。
図2図1の電気治療器の表裏を反転させた状態を示す平面図である。
図3】実施形態に係る電気治療システムの機能の構成を示すブロック図である。
図4】端末に表示される操作画面の例を示す図である。
図5】夏コース、春秋コースおよび冬コースの内容の例を示す図である。
図6】端末に表示される操作画面の例を示す図である。
図7】端末に表示される操作画面の例を示す図である。
図8】端末に表示される操作画面の例を示す図である。
図9】電気治療システムに追加できるコースの内容の例を示す図である。
図10】端末に表示される操作画面の例を示す図である。
図11】端末に表示される操作画面の例を示す図である。
図12】端末に表示される操作画面の例を示す図である。
図13】端末に表示される操作画面の例を示す図である。
図14】電気治療器のコントローラの例を示す平面図である。
図15】実施形態に係る電気治療プログラムの動作の例を示すフローチャートである。
図16】変形例に係る電気治療器の機能の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る電気治療器の実施形態について説明する。図面の説明において同一または相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化または誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0020】
「電気治療器」は電気治療を行う機器である。「電気治療」は、電気治療器の使用者の身体に電流を流して、身体の痛みの感覚を緩和したり、血行不良を改善したり、腰回りの痛み、または肩こりを緩和する治療を示している。
【0021】
電気治療は、電位治療および温熱治療の少なくともいずれかを含む。「電位治療」とは、使用者の身体の周囲に電界を生じさせ、当該電界によって頭痛、肩こり、便秘または不眠症を改善する治療を示している。例えば、「電位治療」では、負電位を身体に与えることによって頭痛、肩こり、不眠症および慢性便秘の少なくともいずれかを緩和する。「温熱治療」とは、電気による熱を用いて身体に熱刺激を与えることによって身体を治療することを示している。例えば、「温熱治療」は、温熱で身体の血行を良好にすることにより、胃腸の働きの活発化、または、筋肉のこり、疲れ、神経痛若しくは筋肉痛の緩和を促す治療を示している。
【0022】
本実施形態では、電気治療器が家庭用電気治療器である例について説明する。「家庭用」は、使用者の家庭で用いられることを示しており、例えば、業務用または医療用としては用いられないことを示している。本開示における電気治療器は、使用者が家庭で簡単に使うことができる電気治療器であり、端末およびコントローラによって高齢者でも容易に操作することが可能な電気治療器である。
【0023】
「寝具」とは、身体を休めるときに身体に当てられるものを示している。「寝具」としては、例えば、マットレス、敷き布団若しくはベッドパッド等の敷き寝具、掛け寝具、枕、クッション、または座布団が挙げられる。以下の実施形態の説明では、寝具が敷き寝具である例について説明する。
【0024】
「使用者」は、電気治療プログラム、電気治療システムまたは電気治療器の使用者を示している。「使用者」としては、例えば、電気治療が行われる対象の者またはその家族の構成員が挙げられる。「治療器」は、寝具に搭載された治療機器を含んでいる。「治療器」は、例えば、治療を行う通電体および発熱体の少なくともいずれかを示している。「コントローラ」とは、例えば、寝具に取り付けられた機器であって且つ治療器を制御する機器を示している。
【0025】
図1は、本実施形態に係る電気治療システム10を示す平面図である。電気治療システム10は、寝具2を備える電気治療器1と、電気治療器1に通信可能な端末5と、を含む。電気治療器1は、例えば、電位治療および温熱治療の双方を行う電位温熱治療器である。電気治療器1は、使用者の家庭で用いられる家庭用電位温熱治療器である。一例として、電気治療器1は、電位温熱組み合わせ家庭用医療機器(クラスII)であり、家庭用の電位治療器と温熱治療器の組み合わせ医療機器である。電気治療器1は、電位治療器として頭痛、肩こり、不眠症および慢性便秘の緩解を行うと共に、温熱治療器として電熱による温熱効果を付与する。例えば、電気治療器1は一般家庭で用いられる。
【0026】
電気治療器1は、寝具2と、治療器3と、コントローラ20とを備える。本実施形態において、寝具2は枕4が載せられる敷き寝具である。例えば、寝具2は長方形状を呈する。寝具2は、第1方向D1に延びる長辺2bと、第1方向D1に交差する第2方向D2に延びる短辺2cとを有する。第1方向D1は寝具2の長手方向、第2方向D2は寝具2の幅方向である。寝具2は、例えば、エアレイド製法によって製造された綿製のマットレスであってもよい。
【0027】
治療器3は、例えば、寝具2に内蔵された電位線によって構成されている。治療器3は、カーボン面発熱体を含んでいてもよい。治療器3は、加工されたカーボン素材によって構成された発熱体であってもよい。治療器3は、平板状を呈するヒータ(面発熱体)であってもよい。治療器3は、ニクロム線であってもよい。治療器3が面発熱体である場合、治療器3における温度の立ち上がりを早くすることが可能である。
【0028】
コントローラ20は、コントローラ20に接続された電源コードCを介して電力を受けると共に治療器3を制御する。コントローラ20は、例えば、寝具2の隅部2dに配置されている。すなわち、コントローラ20は、寝具2の第1方向D1の一端、且つ寝具2の第2方向D2の一端に設けられている。これにより、寝具2における使用者の睡眠時にコントローラ20を邪魔になりにくくすることができる。
【0029】
例えば、コントローラ20は、平面視における第1方向D1の枕4が置かれる側の端部であって且つ第2方向D2の端部に設けられる。この場合、寝具2に横たわった使用者の頭の横にコントローラ20が位置するので、寝具2に横たわる使用者であってもコントローラ20を容易に操作することができる。
【0030】
例えば、コントローラ20はタッチパネルである操作画面22を有する。コントローラ20の操作画面22が設けられる部位は、例えば、寝具2に対して着脱可能であってもよい。図1および図2に示されるように、コントローラ20は、操作画面22の表裏を逆にして寝具2に着脱可能であってもよい。この場合、寝具2の表裏を逆にしてもコントローラ20を操作することができ、寝具2に横たわった使用者から見てコントローラ20が右側に位置するのか左側に位置するのかを選択できる。しかしながら、コントローラ20は寝具2と一体(着脱不能)であってもよい。なお、コントローラ20の詳細については後述する。
【0031】
図3は、電気治療システム10の機能の構成を示すブロック図である。図3に示されるように、例えば、電気治療器1は寝具2を備える。寝具2はコントローラ20および治療器3を含む。コントローラ20は機能要素として接続部21と、通信部23と、治療器制御部24とを含む。なお、上記の例とは異なり、電気治療器は寝具2を備えないものであってもよく、電気治療器1は寝具に搭載されるものであってもよい。電気治療器1は、寝具2を介して少なくとも温熱治療を行う。例えば、端末5は機能要素として表示部11と、電位治療部12と、温熱治療部13と、通知部14と、時間計測部15と、コース設定部16と、タイマ設定部17と、乾燥部18と、アプリケーション19とを含む。
【0032】
電気治療システム10は、例えば、端末5にインストールされ使用者が操作可能な電気治療プログラムであるアプリケーション19を有する。アプリケーション19の種類は、特に限定されず、例えば、サーバからダウンロードされるダウンロードアプリケーション、またはSNS(ソーシャルネットワークサービス)のアプリケーションであってもよい。アプリケーション19には、通信用アプリケーションとしての機能が含まれていてもよい。アプリケーション19は、その機能要素として、通信部19aと、位置取得部19bと、気象情報取得部19cと、を有する。
【0033】
通信部19aは、端末5と端末5の外部機器との通信を行う。端末5は、通信部19aを備えることによりコントローラ20と通信可能とされている。通信部19aには端末5の外部コンピュータが通信可能とされている。通信部19aが通信する方法として、有線通信または無線通信が挙げられる。無線通信の種類としては、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、近距離無線通信(Near Field Communication)、Bluetooth(ブルートゥース)(登録商標)、モバイルデータ通信、または赤外線通信が挙げられる。
【0034】
位置取得部19bは、端末5の位置を取得する。「位置」とは、端末5が存在する場所の緯度および経度を含む情報である。位置取得部19bが端末5の位置を取得する方法として、例えば、衛星ネットワークを利用して位置情報を測定するGPS(Global Positoning System)が挙げられる。
【0035】
気象情報取得部19cは、位置取得部19bによって取得された位置を含む地域の気象情報を取得する。「地域」とは、例えば、位置取得部19bによって取得された位置を含む市または区以上の単位の領域である。「地域」は、町、村または番地の単位の地域であってもよい。「気象情報」とは、所定の時間帯における気温、湿度、風向き、風速、降水量、気圧、雲の状態、その他の大気の状態、またはその他の自然の状態(例えば、桜の開花情報、または積雪量)を含む情報である。気象情報は、気象予報データを含む。一例として、気象情報は気象情報提供サービスから気象情報API(Application Programming Interface)を通じて取得される。位置取得部19bによって取得された位置を含む地域が、気象情報APIに登録されていない地域である場合、気象情報取得部19cは、位置取得部19bが取得した位置から最も近い登録地域の気象情報を取得する。
【0036】
通信部19a、位置取得部19bおよび気象情報取得部19cはハードウェアとして端末5に備わっているものでもよいし、後付けされるソフトウェアであってもよい。例えば、通信部19a、位置取得部19bおよび気象情報取得部19cは、外部コンピュータ等からアプリケーション19とともにインストールされるものであってもよい。
【0037】
気象情報は、地域の最低気温を含んでいてもよい。「最低気温」とは、例えば、電気治療が行われる時刻の前後における所定の時間範囲での最低気温のことを言う。最低気温は、翌日の最低気温、当日の最低気温、前日の最低気温、当日を含む週の最低気温、または、当日を含む月の最低気温であってもよい。最低気温は、例えば、地域の翌日の最低気温であってもよい。一例として、最低気温は、当日の15時に気象情報APIが提供している翌日の最低気温である。
【0038】
端末5は、オペレーティングシステムおよびソフトウェア(アプリケーション)等を実行するプロセッサ(例えばCPU)と、記憶部と、通信制御部と、ボタン等の入力装置と、ディスプレイ等の出力装置とを備える。電気治療器1の各機能要素は、端末5のプロセッサまたは記憶部に電気治療器1のアプリケーション19を読み込ませて当該アプリケーション19を実行することによって実現される。
【0039】
電気治療器1の各機能要素は、端末5にダウンロードされたアプリケーション19によって実行されてもよい。また、電気治療器1の各機能要素は、複数のコンピュータによって構成される分散処理システム、クライアント-サーバシステム、またはクラウドシステムによって実行されてもよい。本実施形態において、「電気治療プログラム」は、アプリケーション19である。
【0040】
一例として、端末5のプロセッサは、前述した通信制御部または出力装置を動作させ、記憶部に対するデータの読み出しおよび書き出しを行う。電気治療器1の処理に用いられるデータまたはデータベースは端末5の記憶部に格納される。端末5は、電気治療器1の通信部23によってコントローラ20と通信可能とされている。
【0041】
端末5は、電気治療器1の機能を実行可能な機器である。端末5は、電気治療器1に接続可能な機器を示し、例えば、スマートフォンを含む携帯電話、タブレット、ノートパソコン、またはデスクトップ型パソコン等が挙げられる。
【0042】
図4に示されるように、表示部11は、端末5のディスプレイ5bに電気治療器1の操作画面50を表示する。操作画面50は、例えば、コース選択ボタン51と、設定内容表示部52と、温度設定ボタン53と、電源ボタン54と、身体部位選択ボタン55と、速暖選択ボタン56と、時間設定ボタン57と、コース追加ボタン59とを表示する。コース追加ボタン59は、予め設定される電気治療のコースを追加するためのボタンである。
【0043】
電位治療部12は治療器3への通電を行って使用者に対して電位治療を行い、温熱治療部13は治療器3を加熱して使用者に対して温熱治療を行う。通知部14は、電気治療器1の使用開始時からの時間が一定期間以上経過したことをコントローラ20に表示する。「電気治療器の使用開始時からの時間」とは、使用者が最初に電気治療器1を入手して最初に電気治療器1を稼動させたときからの時間を示している。例えば、時間計測部15は電気治療器1の使用開始時からの時間を計測し、通知部14は時間計測部15によって計測された時間が一定期間以上経過したときにコントローラ20への表示を行う。
【0044】
上記の「一定期間」は、電気治療器1の使用者に、電気治療器1のメンテナンス、または電気治療器1の買い替えを促すための時間である。「一定時間」は、例えば、14600時間である。14600時間は、1日8時間×365日×5年、電気治療器1の使用を継続したときの時間である。
【0045】
この場合、電気治療器1の使用開始時から5年以上経過した後に、一定期間が経過したことを通知部14がコントローラ20に表示するので、5年以上経過した時点で使用者に電気治療器1のメンテナンス等を促すことができる。なお、この「一定時間」の値は14600時間に限られず適宜変更可能である。通知部14によるコントローラ20への表示の方法については後述する。
【0046】
時間計測部15によって計測されている電気治療器1の使用開始時からの時間は、例えば、端末5の通信部19aを介して外部コンピュータによって受信される。外部コンピュータは、電気治療器1の使用状況を受信する。一例として、外部コンピュータは、電気治療器1が故障したタイミングを端末5から受信する。外部コンピュータは、電気治療器1の使用開始時からの時間と、電気治療器1が故障したタイミングとを比較してもよい。そして、外部コンピュータは、当該比較の結果、電気治療器1のメンテナンス等を促す「一定期間」を更新してもよい。
【0047】
図4を参照しながら、端末5のディスプレイ5bに表示された操作画面50について説明する。コース選択ボタン51、温度設定ボタン53、電源ボタン54、身体部位選択ボタン55、速暖選択ボタン56、時間設定ボタン57およびコース追加ボタン59は、一例として大人の指の指先と同程度の大きさのボタンとして表示される。この場合、コース選択ボタン51、温度設定ボタン53、電源ボタン54、身体部位選択ボタン55、速暖選択ボタン56、時間設定ボタン57およびコース追加ボタン59が大きく且つ見やすく表示されるので、お年寄りの方でも簡単に操作画面50を操作でき、押し間違いの可能性を低減させることができる。
【0048】
コース選択ボタン51は、例えば、温熱ボタン51b、交互ボタン51c、電位ボタン51dおよび季節選択ボタン51fを含む。季節選択ボタン51fは、冬ボタン51g、春秋ボタン51hおよび夏ボタン51jを含む。一例として、操作画面50の左端において、温熱ボタン51b、交互ボタン51c、電位ボタン51d、冬ボタン51g、春秋ボタン51hおよび夏ボタン51jは、この順で上から下に向かって並んでいる。
【0049】
例えば、温熱ボタン51b、交互ボタン51c、電位ボタン51d、冬ボタン51g、春秋ボタン51hおよび夏ボタン51jのそれぞれは、長方形状を呈する。操作画面50において使用者によってコース選択ボタン51が押されるとコース設定部16がコースを設定する。
【0050】
コース設定部16が設定するコースは、例えば、温熱治療コース、交互治療コース、電位治療コース、冬コース、春秋コースおよび夏コースである。温熱治療コースは寝具2に横たわった使用者に対して温熱治療部13が温熱治療を行うコースであり、電位治療コースは寝具2に横たわった使用者に対して電位治療部12が電位治療を行うコースである。
【0051】
交互治療コースは、寝具2に横たわった使用者に対して温熱治療および交互治療を交互に行うコースである。交互治療コースでは、例えば、温熱治療を行って寝具2の温度が第1閾値以上となったときに電位治療に切り替え、電位治療を行っている状態で寝具2の温度が第2閾値以下となったときに温熱治療に切り替える。第1閾値および第2閾値は適宜設定される温度設定値である。
【0052】
図5を参照しながら、夏コース、春秋コースおよび冬コースについて説明する。夏コース、春秋コースおよび冬コースは、温熱治療、電位治療、交互治療および保温の何れかの組み合わせによって構成されている。夏コースは、電位治療の時間が温熱治療の時間と比較して長いコースである。春秋コースは、温熱治療と電位治療とをバランスの良く行うコースである。冬コースは、温熱治療の時間が電位治療の時間と比較して長いコースである。
【0053】
夏コースでは、治療開始から6時間の電位治療と、2時間の交互治療と、2時間の保温とをこの順に連続して行う。夏コースにおける交互治療は、1分間の温熱治療と1分間の電位治療とを交互に切り替える治療である。夏コース全体における温熱治療の時間は60分であり、電位治療の時間は420分である。夏コースの合計治療時間(温熱治療および電位治療の合計時間)に対する温熱治療の時間割合は13%であり、電位治療の時間割合は87%である。
【0054】
春秋コースでは、治療開始から1時間の温熱治療と、5時間の交互治療と、2時間の温熱治療と、2時間の保温とをこの順に連続して行う。春秋コースにおける交互治療は、3分間の温熱治療と1分間の電位治療とを交互に切り替える治療である。春秋コース全体における温熱治療の時間は405分であり、電位治療の時間は75分である。春秋コースの合計治療時間に対する温熱治療の時間割合は84%であり、電位治療の時間割合は16%である。
【0055】
冬コースでは、治療開始から1時間の温熱治療と、5時間の交互治療と、2時間の温熱治療と、2時間の保温とをこの順に連続して行う。冬コースにおける交互治療は、4分間の温熱治療と1分間の電位治療とを交互に切り替える治療である。冬コース全体における温熱治療の時間は420分であり、電位治療の時間は60分である。冬コースの合計治療時間に対する温熱治療の時間割合は87%であり、電位治療の時間割合は13%である。
【0056】
上記のコースがコース設定部16によって治療の実行前に設定されてもよい。以上、電気治療器1において設定されるコース、およびコース選択ボタン51のボタンの種類の例について説明した。しかしながら、当該コースの種類、およびコース選択ボタン51のボタンの種類と並び順は、上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0057】
設定内容表示部52は、電気治療器1が稼動する残りの時間を表示する残り時間表示部52bと、設定された温度を表示する温度表示部52cと、治療の部位を表示する治療部位表示部52dと、速暖表示部52fと、ステータス表示部52gとを有する。例えば、残り時間表示部52bは、電気治療器1が稼動する残りの時間を分単位で表示する。温度表示部52cは、設定された温度を数値として表示する数値表示部52c1と、設定された温度をインジケータとして表示するインジケータ表示部52c2とを含む。
【0058】
数値表示部52c1は、例えば、設定された温度を9段階の数値で表示する。この場合、数値表示部52c1に表示される数値が1であるときに最も温度が低く、数値表示部52c1に表示される数値が9であるときに最も温度が高い。インジケータ表示部52c2は数値表示部52c1の数値と連動している。
【0059】
例えば、設定された温度に応じてインジケータ表示部52c2の着色部分の面積が変化する。インジケータ表示部52c2の着色部分の面積が最も小さいとき(例えば数値表示部52c1が1であるとき)最も温度が低く、インジケータ表示部52c2の着色部分の面積が最も大きいとき(例えば数値表示部52c1が9であるとき)最も温度が高い。
【0060】
治療部位表示部52dは、使用者の身体における治療の対象の部位を表示する。治療部位表示部52dの表示は、例えば、身体部位選択ボタン55の操作内容と連動している。一例として、身体部位選択ボタン55は全身ボタン55bと足部ボタン55cとを含んでおり、これにより、電気治療システム10では治療の対象の部位を全身または足部から選択可能とされている。
【0061】
電気治療器1が使用者の全身を治療する場合、例えば、図1および図2に示される治療器3の全体が通電される。一方、電気治療器1が使用者の足部を治療する場合、例えば、治療器3の枕4とは反対側の部位3bのみが通電される。例えば、治療部位表示部52dは、全身ボタン55bが押されたときには全身という文字を表示し、足部ボタン55cが押されたときには足部という文字を表示する。
【0062】
一例として、速暖表示部52fは、電気治療器1が速暖運転を行っていることを表示する。例えば、速暖運転とは、電気治療器1の稼動開始時から温熱治療を1時間継続して行うことを示している。例えば、速暖表示部52fは、速暖選択ボタン56が押されると速暖運転が行われていることを示す速暖という文字を表示する。
【0063】
ステータス表示部52gは、電気治療器1の稼動内容を表示する。例えば、電気治療器1は、使用者を治療する機能、保温機能、および寝具2の乾燥機能を有する。一例として、ステータス表示部52gは、電気治療器1が温熱治療中であるか、電気治療器1が電位治療中であるか、電気治療器1が保温中であるか、および電気治療器1が乾燥中であるか、のいずれかを表示する。図4では、電気治療器1が温熱治療中である場合のステータス表示部52gの例を示している。
【0064】
一例として、設定内容表示部52は、操作画面50の上部且つコース選択ボタン51の右側に設けられる。設定内容表示部52において、残り時間表示部52bは、温度表示部52c、治療部位表示部52dおよび速暖表示部52fの上方に表示される。温度表示部52c、治療部位表示部52dおよび速暖表示部52fは、例えば、操作画面50において横方向に並んでいる。
【0065】
温度設定ボタン53は、電気治療器1が生じさせる熱の温度を設定するボタンである。温度設定ボタン53によって電気治療器1の設定温度が調整可能とされている。温度設定ボタン53は、例えば、プラスボタン53bとマイナスボタン53cとを含んでおり、プラスボタン53bおよびマイナスボタン53cは操作画面50において上下に並んでいる。
【0066】
プラスボタン53bが押されると電気治療器1の設定温度が高くなり、マイナスボタン53cが押されると電気治療器1の設定温度が低くなる。温度設定ボタン53は、コース選択ボタン51と身体部位選択ボタン55の間に表示される。温度設定ボタン53は、例えば、長方形状を呈する。
【0067】
電源ボタン54は、例えば、温度設定ボタン53の下方に表示される。電源ボタン54が押されることによって電気治療器1のオンオフが可能である。電源ボタン54は、例えば、円形状を呈する。身体部位選択ボタン55は、温度設定ボタン53から見てコース選択ボタン51とは反対側に表示される。全身ボタン55bおよび足部ボタン55cは、例えば、長方形状を呈する。
【0068】
速暖選択ボタン56は、例えば、身体部位選択ボタン55の下方に表示される。速暖選択ボタン56は、一例として、横長の長方形状を呈する。時間設定ボタン57は、設定される時間を表示する部位である。電気治療器1では、電気治療器1の稼動時間が設定可能とされており、例えば、1時間、6時間、8時間および10時間から電気治療器1の稼働時間を選択可能である。
【0069】
電気治療器1の稼動時間のうち、6時間、8時間および10時間は、使用者の生活リズムに応じた時間であり、これらの時間が設定可能であることにより、電気治療器1の稼働時間を使用者の生活リズムに近づけることができる。電気治療器1の稼動時間のうち、1時間は、使用者が少しだけ電気治療器1を使用したい場合に設定される時間である。
【0070】
電気治療器1の稼動時間のうち、1時間、6時間および8時間は電気治療器1による治療時間であり、電気治療器1による治療時間の上限は8時間とされている。電気治療器1の稼動時間のうち、10時間は、電気治療器1による治療時間8時間と、電気治療器1による治療後の保温時間2時間との和である。例えば、保温時における治療器3の温度は、治療時における治療器3の温度よりも低い。
【0071】
一例として、時間設定ボタン57は、1時間ボタン57bと、6時間ボタン57cと、8時間ボタン57dと、10時間ボタン57fとを含む。タイマ設定部17は、電気治療器1の稼動時間を設定する。例えば、タイマ設定部17は、1時間ボタン57bが押されると電気治療器1の稼動時間を1時間に設定し、6時間ボタン57cが押されると電気治療器1の稼動時間を6時間に設定し、8時間ボタン57dが押されると電気治療器1の稼動時間を8時間に設定し、10時間ボタン57fが押されると電気治療器1の稼動時間を10時間に設定する。
【0072】
例えば、コース選択ボタン51は、さらに、乾燥ボタン51kを含む。乾燥部18は、乾燥ボタン51kが押されると治療器3を加熱して寝具2の湿度を低減させる。乾燥ボタン51kは、一例として、夏ボタン51jの下方に表示される。例えば、乾燥ボタン51kは、長方形状を呈する。乾燥部18は、乾燥ボタン51kが一定時間以上(例えば3秒以上)長押しされなければ治療器3を加熱しなくてもよい。
【0073】
例えば、乾燥ボタン51kが長押しされると、表示部11は、図6に示されるように、操作画面50とは異なる操作画面50Aをディスプレイ5bに表示する。操作画面50Aは、前述したコース選択ボタン51、残り時間表示部52b、設定内容表示部52k、電源ボタン54およびコース追加ボタン59を有する。設定内容表示部52kには、電気治療器1が乾燥中であることが表示される。
【0074】
コース追加ボタン59は、例えば、コース選択ボタン51の下に表示される。一例として、コース追加ボタン59は、横長の長方形状を呈する。使用者は、コース追加ボタン59によって、コース選択ボタン51に表示されているコース以外のコースを実行することができる。コース追加ボタン59が押されると、表示部11は、図7に示されるように、コースを新規で追加するための操作画面50Bをディスプレイ5bに表示する。操作画面50Bは、前述したコース選択ボタン51、コース追加ボタン59および追加ボタン59bを有する。
【0075】
追加ボタン59bが押されると、表示部11は、図8に示されるように、追加コース選択メニュー60を操作画面50Bに重ねてディスプレイ5bに表示する。一例として、追加コース選択メニュー60には、ぐっすりコースボタン60b、ぐっすりコースライトボタン60c、バランスコースボタン60d、リカバリーコースライトボタン60e、リカバリーコースボタン60fおよびおまかせコースボタン60gが表示される。これらのボタンのそれぞれは、追加コース選択メニュー60において選択可能なコースに対応する。追加コース選択メニュー60には、OKボタン60hおよびキャンセルボタン60iが表示される。キャンセルボタン60iが押された場合には、ディスプレイ5bにおいて追加コース選択メニュー60が消える。
【0076】
電気治療器1では、第1電気治療コースおよび第2電気治療コースのいずれかが実行される。例えば、第1電気治療コースは、温熱治療および電位治療が自動的に行われるコースである。第2電気治療コースは、温熱治療の時間、および電位治療の時間が予め定められており電気治療器1の使用者が設定可能なコースである。本実施形態において、電気治療器1では、温熱治療の時間、および電位治療の時間が互いに異なる複数の第2電気治療コースのいずれかが設定される。当該複数の第2電気治療コースは、例えば、第1コース、第2コース、第3コース、第4コースおよび第5コースである。本実施形態において、第1コースはぐっすりコースであり、第2コースはぐっすりコースライトであり、第3コースはバランスコースであり、第4コースはリカバリーコースライトであり、第5コースはリカバリーコースである。第1電気治療コースは、例えば、後述するおまかせコースである。
【0077】
図9を参照しながら、ぐっすりコース、ぐっすりコースライト、バランスコース、リカバリーコースライトおよびリカバリーコース(以下、これらの5つのコースを「追加コース」と称することもある)の内容について説明する。ぐっすりコースは電位治療の時間が温熱治療の時間と比較して長いコースであり、リカバリーコースは温熱治療の時間が電位治療の時間と比較して長いコースである。バランスコースは、電位治療の時間と温熱治療の時間との差が最も小さいコースである。ぐっすりコースライトは、その温熱治療の時間の長さがぐっすりコースより長く、かつバランスコースより短いコースである。リカバリーコースライトは、その温熱治療の時間の長さがバランスコースより長く、かつリカバリーコースより短いコースである。このように、本実施形態に係る電気治療器1では、温熱治療の時間の長さが互いに異なる複数のコースが用意されている。
【0078】
ぐっすりコース(第1コース)では、治療開始から1時間の温熱治療と、6時間の電位治療と、1時間の温熱治療とをこの順に行う。一例として、ぐっすりコースにおいて実行される温熱治療の時間は120分であり、ぐっすりコースにおいて実行される電位治療の時間は360分である。例えば、ぐっすりコースの合計治療時間に対する温熱治療の時間割合は25%であり、ぐっすりコースの合計治療時間に対する電位治療の時間割合は75%である。ぐっすりコースは、他のコースと比較して電位治療の時間が長いため、頭痛、肩こり、不眠症または便秘等の症状を改善したい使用者に推奨される。
【0079】
ぐっすりコースライト(第2コース)では、治療開始から1時間の温熱治療と、1.5時間の電位治療と、0.5時間の温熱治療と、1.5時間の電位治療と、0.5時間の温熱治療と、1.5時間の電位治療と、0.5時間の温熱治療と、0.5時間の電位治療と、0.5時間の温熱治療とをこの順に行う。一例として、ぐっすりコースライトにおいて実行される温熱治療の時間は180分であり、ぐっすりコースライトにおいて実行される電位治療の時間は300分である。例えば、ぐっすりコースライトの合計治療時間に対する温熱治療の時間割合は38%であり、ぐっすりコースライトの合計治療時間に対する電位治療の時間割合は62%である。ぐっすりコースライトでは、電位治療の時間が、バランスコースより長く、かつぐっすりコースより短い。ぐっすりコースライトは、頭痛、肩こり、不眠症または便秘等の症状を改善したい使用者であって、ぐっすりコースよりも長く温熱治療を受けたい使用者に推奨される。
【0080】
バランスコース(第3コース)では、治療開始から1時間の温熱治療と、1時間の電位治療と、1時間の温熱治療と、1時間の電位治療と、1時間の温熱治療と、1時間の電位治療と、1時間の温熱治療と、0.5時間の電位治療と、0.5時間の温熱治療とをこの順に行う。一例として、バランスコースにおいて実行される温熱治療の時間は270分であり、バランスコースにおいて実行される電位治療の時間は210分である。例えば、バランスコースの合計治療時間に対する温熱治療の時間割合は56%であり、バランスコースの合計治療時間に対する電位治療の時間割合は44%である。バランスコースは頭痛、肩こり、不眠症、便秘、血行不良、疲労、神経痛または筋肉痛等の様々な症状を改善したい使用者に推奨される。
【0081】
リカバリーコースライト(第4コース)では、治療開始から1時間の温熱治療と、1時間の電位治療と、1.5時間の温熱治療と、0.5時間の電位治療と、1.5時間の温熱治療と、0.5時間の電位治療と、2時間の温熱治療とをこの順に行う。一例として、リカバリーコースライトにおいて実行される温熱治療の時間は360分であり、リカバリーコースライトにおいて実行される電位治療の時間は120分である。例えば、リカバリーコースライトの合計治療時間に対する温熱治療の時間割合は75%であり、リカバリーコースライトの合計治療時間に対する電位治療の時間割合は25%である。リカバリーコースライトでは、温熱治療の時間がバランスコースよりも長いので、使用者の体をより十分に温めることができる。リカバリーコースライトは、血行不良、疲労、神経痛または筋肉痛の症状を改善したい使用者に推奨される。
【0082】
リカバリーコース(第5コース)では、治療開始から1時間の温熱治療と、1時間の電位治療と、3.5時間の温熱治療と、0.5時間の電位治療と、2時間の温熱治療とをこの順に行う。リカバリーコースにおいて実行される温熱治療の時間は390分であり、リカバリーコースにおいて実行される電位治療の時間は90分である。リカバリーコースの合計治療時間に対する温熱治療の時間割合は81%であり、リカバリーコースの合計治療時間に対する電位治療の時間割合は19%である。リカバリーコースでは、温熱治療の時間がリカバリーコースライトよりもさらに長いため、使用者の体をより十分に温めることができる。リカバリーコースは、血行不良、疲労、神経痛または筋肉痛の症状を改善したい使用者であって、リカバリーコースライトよりも体を長く温めたい使用者に推奨される。
【0083】
ぐっすりコースボタン60b、ぐっすりコースライトボタン60c、バランスコースボタン60d、リカバリーコースライトボタン60eおよびリカバリーコースボタン60fのいずれかのボタンが押され、さらにOKボタン60hが押されると、表示部11は、図10に示されるように、コースの詳細を設定するための操作画面50Cをディスプレイ5bに表示する。
【0084】
操作画面50Cには、コースの詳細を設定するときに用いられるコース設定メニュー61が表示されている。コース設定メニュー61には、治療時間表示部61bと、時刻設定部61cと、繰り返し設定部61dと、温熱レベル設定部61eと、保存ボタン61fと、戻るボタン61gとが表示されている。操作画面50Cに表示された治療時間表示部61bにおいて戻るボタン61gが押されると、ディスプレイ5bにおいて治療時間表示部61bが消える。
【0085】
治療時間表示部61bには、設定されているコースの開始時刻と終了時刻とが表示される。使用者は、時刻設定部61cからコースの開始時刻および終了時刻を選択することができる。例えば、時刻設定部61cにおいて選択された開始時刻および終了時刻は、治療時間表示部61bに、選択されているコースの開始時刻および終了時刻として表示される。
【0086】
繰り返し設定部61dでは、コースを繰り返し実行するか否かが設定される。繰り返し設定部61dが押されると、表示部11は、図11に示されるように、繰り返し設定メニュー62を、操作画面50Cに重ねてディスプレイ5bに表示する。繰り返し設定メニュー62は、一回実行ボタン62b、毎日ボタン62c、平日ボタン62d、週末ボタン62eおよびカスタムボタン62fを含む。
【0087】
一回実行ボタン62bを押すと、治療時間表示部61bに表示されている開始時刻から終了時刻までの間(以下、設定治療時間と呼ぶ)、一度だけコースを行う設定にすることができる。毎日ボタン62cを押すと、毎日設定治療時間にコースを行う設定にすることができる。平日ボタン62dを押すと、月曜日から金曜日までのみ設定治療時間にコースを行う設定にすることができる。週末ボタン62eを押すと、土曜日と日曜日のみ設定治療時間にコースを行う設定にすることができる。カスタムボタン62fを押すと、設定治療時間にコースを行う曜日を任意に設定することができる。すなわち、カスタムボタン62fを押すことによって月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日および日曜日のうち、どの曜日の設定治療時間にコースを実行するかを設定することが可能である。
【0088】
繰り返し設定メニュー62において一回実行ボタン62b、毎日ボタン62c、平日ボタン62d、週末ボタン62eおよびカスタムボタン62fのいずれかが選択されて押されると、図10に示されるように、繰り返し設定部61dに選択された設定が表示される。一例として、繰り返し設定メニュー62において一回実行ボタン62bが選択されて押された場合には、繰り返し設定部61dに「一回実行」と表示される。
【0089】
温熱レベル設定部61eでは、温熱治療における温熱レベルを設定することができる。「温熱レベル」とは、温熱治療を行うときにおける治療器3の温度を示している。温熱レベル設定部61eが押されると、表示部11は、図12に示されるように、温熱レベル設定メニュー63を、操作画面50Cに重ねてディスプレイ5bに表示する。温熱レベル設定メニュー63には、温熱レベル選択部63bと、OKボタン63cと、キャンセルボタン63dとが表示されている。
【0090】
温熱レベル選択部63bでは、コースの温熱治療における温熱レベルをスクロールによって選択することができる。一例として、温熱レベルは、1(約33℃)、2(約36℃)、3(約38℃)、4(約41℃)、5(約43℃)、6(約46℃)、7(約48℃)、8(約51℃)および9(約53℃)の9段階から選択することができる。デフォルトの温熱レベルは1(約33℃)である。図12では、このうち2~6段階が表示されており、4(約41℃)が選択されている。OKボタン63cが押されると、温熱レベル選択部63bで選択されている温熱レベルに設定される。キャンセルボタン63dが押されると、温熱レベル選択部63bでの選択がキャンセルされ、温熱レベル設定メニュー63が消える。
【0091】
温熱レベル設定メニュー63で設定された温熱レベル設定は、図10に示されるように、温熱レベル設定部61eに表示される。一例として、温熱レベル設定部61eには、「1」と表示されており、温熱レベル設定が1(約33℃)の段階であることが示されている。
【0092】
コース設定メニュー61において、設定治療時間、繰り返し設定および温熱レベル設定が決定されてから、保存ボタン61fが押されると、設定された内容のコースが追加され、決定された設定治療時間にコースが実行される。
【0093】
例えば、アプリケーション19を端末5にインストールすれば、電気治療器1の構成を変えることなく追加コースを新機能として追加することができる。おまかせコースについて詳細に説明する。おまかせコースは、端末5の位置を含む地域の気象情報に応じて、治療内容がアプリケーション19によって自動的に決定される第1電気治療コースである。端末5の位置は位置取得部19bによって取得され、地域の気象情報は気象情報取得部19cによって取得される。
【0094】
例えば、おまかせコースでは、端末5の位置を含む地域の翌日の最低気温に応じて、複数のコースの中から1つのコースが決定される。一例として、おまかせコースでは、端末5の位置を含む市区町村の翌日の最低気温に応じて、前述した夏コース、春秋コースおよび冬コースの3コースの中から1のコースが自動的に決定される。このように、第1電気治療コース(おまかせコース)は予め設定された複数のコース(夏コース、春秋コースおよび冬コース)を含んでおり、第1電気治療コースでは当該複数のコースのうちどのコースを実行するかを決定することによって温熱治療の時間を決定する。前述したように、各コースの温熱治療の時間は、冬コースが最も長く、夏コースが最も短い。翌日の最低気温は、例えば、当日の15時に気象情報APIが提供している最低気温である。
【0095】
本実施形態では、翌日の最低気温が15℃未満である場合には冬コース、15℃以上21℃未満である場合には春秋コース、21℃以上である場合には夏コースにそれぞれ自動的に決定される。翌日の最低気温が所定の温度閾値より低い場合には温熱治療の時間が一定時間より長いコース(一例として冬コース)が選択され、翌日の最高気温が当該温度閾値以上である場合には温熱治療の時間が当該一定時間以下であるコース(一例として夏コース)が選択される。このような選択が自動的になされることにより、翌日の最低気温に対応した治療を行うことができる。なお、コースを決定する条件は、上記の例に限られない。
【0096】
図8に示されるおまかせコースボタン60gが押され、さらにOKボタン60hが押されると、表示部11は、図13に示されるように、位置確認画面64を含む操作画面50Dをディスプレイ5bに表示する。位置確認画面64には、マップ64b、現在地64c、誤差円64d、次へボタン64eおよび戻るボタン64fが表示されている。位置確認画面64において戻るボタン64fが押されると、位置確認画面64が消えてコース選択ボタン51、コース追加ボタン59および追加ボタン59bを有する操作画面50B(図8参照)に遷移する。
【0097】
マップ64bは、位置取得部19bによって取得された端末5の位置の周辺を示す地図である。現在地64cは、位置取得部19bによって取得された端末5の位置をマップ64b上に表示したものである。誤差円64dは、位置取得部19bによって取得された端末5の位置の誤差範囲を半透明の円によって示すものである。使用者は、この位置確認画面64によって端末5の現在の位置を確認することができる。
【0098】
次へボタン64eが押されると、表示部11は、図10に示されるように、コース設定メニュー61を含む操作画面50Cをディスプレイ5bに表示する。おまかせコースにおいても、前述の5つの追加コースと同様にコースの詳細を設定することができる。すなわち、前述したように、コース設定メニュー61によっておまかせコースの設定治療時間、繰り返し設定および温熱レベルを設定することができる。
【0099】
コース設定メニュー61において、おまかせコースの設定治療時間、繰り返し設定および温熱レベル設定のいずれかが決定されてから、保存ボタン61fが押されると、おまかせコースの設定が完了する。このような手順により、おまかせコースの設定が完了した状態を「おまかせコースに設定されている」と称する場合がある。おまかせコースに設定されている場合、電気治療システム10は、定められた設定治療時間におまかせコースを実行する。
【0100】
電気治療システム10がおまかせコースに設定されている場合、設定治療時間に行われるコースはアプリケーション19によって当該設定治療時間ごとに決定される。例えば、次回の設定治療時間が4月1日の21:00から4月2日の7:00であり、4月1日の15時に気象情報APIによって提供された4月2日の最低気温の予報が12℃である場合には、当該設定治療時間に冬コースが行われる。電気治療システム10のこのような動作により、日々の最低気温に対応した内容のコースが行われる。
【0101】
例えば、アプリケーション19を端末5にインストールすれば、電気治療器1の構成を変えることなくおまかせコースを新機能として追加することができる。本実施形態では、設定治療時間が重ならない限り、複数のコース、複数の温熱レベル、および複数種類の設定治療時間を設定することが可能である。例えば、月曜日と火曜日をぐっすりコース(温熱レベル=2)のカスタム繰り返し設定とし、水曜日をバランスコース(温熱レベル=3)の一回実行設定とし、木曜日と金曜日をおまかせコース(温熱レベル=1)のカスタム繰り返し設定とし、土日をリカバリーコースライト(温熱レベル=4)の週末設定としてもよい。また、設定したコースは保存することが可能であり、設定したコースを実行するかしないかを切り替えることが可能である。
【0102】
コントローラ20について説明する。図3に示されるように、コントローラ20は、端末5と通信可能な通信部23と、治療器3を制御する治療器制御部24とを有する。端末5において実行された操作は、操作信号としてコントローラ20に送信され、通信部23が当該操作信号を受信する。治療器制御部24は、通信部23が受信した操作信号に基づいて治療器3を制御する。端末5の通信部19aおよびコントローラ20の通信部23は、例えば、WiFiまたはBluetoothによって無線通信を行う機能を有する。
【0103】
図14は、一例としてのコントローラ20を示す平面図である。コントローラ20は操作画面22を有する。図3および図14に示されるように、コントローラ20は、操作画面22を有する本体部25と、本体部25を寝具2に固定する固定部材26とを備える。例えば、本体部25は、固定部材26に対して着脱可能とされている。この場合、操作画面22の表裏を逆にして固定部材26に本体部25を着脱することが可能である。しかしながら、本体部25は、固定部材26に対して一体(着脱不能)であってもよい。固定部材26は寝具2に固定されている。本体部25は、例えば、平面視において円形状を呈する。固定部材26は、本体部25の外周に沿って円弧状に延在する。
【0104】
上記のように本体部25が円形状、固定部材26が円弧状とされていることにより、寝具2の限られたスペースにコントローラ20を効率よく配置できる。例えば、本体部25の上面25b、および固定部材26の上面26bは、共に平坦状とされており突出する部位を有しない。この場合、寝具2に横たわる使用者がコントローラ20に接触しても、コントローラ20が使用者の寝心地を妨げることを抑制できる。
【0105】
操作画面22は、本体部25の上面25bに設けられており、例えば、ランプによって複数のボタン27を点灯させる。複数のボタン27、および端末5に表示される操作画面50におけるボタンの少なくともいずれかが押されると、治療器制御部24が治療器3を制御して電気治療器1が稼動する。
【0106】
例えば、複数のボタン27の種類は、端末5に表示される操作画面50におけるボタンの種類と同一であってもよい。この場合、使用者は、端末5の操作画面50において、コントローラ20の操作画面22で行う場合と同様の操作を行うことが可能である。複数のボタン27は、例えば、コース選択ボタン28と、温度設定ボタン29と、電源ボタン30と、身体部位選択ボタン31と、速暖選択ボタン32と、時間設定ボタン33とを表示する。コース選択ボタン28は、例えば、温熱ボタン28b、交互ボタン28c、電位ボタン28dおよび季節選択ボタン28fを含む。季節選択ボタン28fは、冬ボタン28g、春秋ボタン28hおよび夏ボタン28jを含む。
【0107】
例えば、通知部14は、電気治療器1の使用開始時からの時間が一定期間以上経過したことをコントローラ20に表示する。例えば、通知部14は、電気治療器1の使用開始時からの時間が一定期間(例えば14600時間)以上経過したときに、操作画面22にランプを点灯させる。
【0108】
具体例として、操作画面22はオート表示ランプ34とマニュアル表示ランプ35とを有し、通知部14は電気治療器1の使用開始時から一定期間以上経過したときにオート表示ランプ34およびマニュアル表示ランプ35を交互に点灯させる。このように通知部14がランプを点灯させることにより、使用者に電気治療器1のメンテナンスおよび買い替えを促すことができる。
【0109】
上記のように通知部14が操作画面22のランプを点灯させたときに、使用者は、当該ランプの点灯を解除することが可能である。例えば、使用者は、複数のボタン27のいずれかを一定時間長押しすることによって当該ランプの点灯を解除する。一例として、使用者は、冬ボタン28gと温熱ボタン28bを共に5秒間長押しすることによって当該ランプを解除する。
【0110】
以上、電気治療器1の使用開始時から一定期間以上経過したときにオート表示ランプ34およびマニュアル表示ランプ35を交互に点灯させる例、および冬ボタン28gと温熱ボタン28bを共に5秒間長押しすることによって当該点灯を解除する例について説明した。しかしながら、電気治療器1の使用開始時から一定期間以上経過したときに点灯させるランプの種類、および点灯の解除の方法については、上記の各例に限られず適宜変更可能である。
【0111】
操作画面22において、例えば、温熱ボタン28b、交互ボタン28c、電位ボタン28dおよび季節選択ボタン28fは、長方形状を成すように配置されている。温熱ボタン28b、交互ボタン28c、電位ボタン28dおよび季節選択ボタン28fのそれぞれは、円形状を呈する。操作画面22において使用者によってコース選択ボタン28が押されると、コース選択ボタン51が押されたときと同様、コース設定部16がコースを設定する。
【0112】
温度設定ボタン29は、前述した温度設定ボタン53と同様の機能を有する。すなわち、温度設定ボタン29によって電気治療器1の設定温度を調整可能とされている。温度設定ボタン29は、例えば、温度上昇ボタン29bと温度低下ボタン29cとを含んでおり、温度上昇ボタン29bおよび温度低下ボタン29cは操作画面22において上下に並んでいる。
【0113】
温度上昇ボタン29bが押されると電気治療器1の設定温度が高くなり、温度低下ボタン29cが押されると電気治療器1の設定温度が低くなる。一例として、温度上昇ボタン29bは三角形状を呈し、温度低下ボタン29cは逆三角形状を呈する。例えば、温度上昇ボタン29bおよび温度低下ボタン29cは、操作画面22の中心22bを挟む位置に配置されている。この場合、温度上昇ボタン29bと温度低下ボタン29cの間に操作画面22の中心22bが位置する。
【0114】
電源ボタン30は、例えば、温度設定ボタン29の上方に表示される。電源ボタン30の機能は、例えば、前述した電源ボタン54の機能と同一である。一例として、電源ボタン30は円形状を呈する。電源ボタン30は、例えば、一定時間以上長押しされることによって電気治療器1のオンオフを行う。身体部位選択ボタン31は、例えば、操作画面22の中心22bよりも下方に表示される。身体部位選択ボタン31は全身ボタン31bおよび足部ボタン31cを含んでおり、例えば、全身ボタン31bおよび足部ボタン31cは共に長方形状を呈する。
【0115】
例えば、電気治療器1は、端末5がコントローラ20と通信するとき(例えば、端末5がアプリケーション19を起動しているとき)に操作画面22に接続表示ランプ36を点灯させる。一例として、接続表示ランプ36は、身体部位選択ボタン31の上方において点灯する。接続表示ランプ36が点灯しているかどうかを使用者が視認することによって、使用者は端末5がコントローラ20と通信しているか否かを把握できる。
【0116】
速暖選択ボタン32は、例えば、コース選択ボタン28(交互ボタン28c)の右側に表示される。一例として、速暖選択ボタン32は、四角形状を呈する。時間設定ボタン33は、コース選択ボタン28(春秋ボタン28h)の左側に表示される。速暖選択ボタン32および時間設定ボタン33は、例えば、四角形状を呈する。
【0117】
時間設定ボタン33は、前述した時間設定ボタン57と同様、設定される時間を表示する部位である。例えば、電気治療器1は、時間設定ボタン33によって設定される時間を時間表示ランプ38に表示する。時間表示ランプ38は、1h、6h、8hおよび10hの4種類のランプを含んでおり、時間設定ボタン33によって設定される時間を表示する。
【0118】
例えば、時間設定ボタン33が押される度に時間表示ランプ38の1hのランプ、6hのランプ、8hのランプ、および10hのランプが交互に点灯する。時間表示ランプ38が1hを点灯しているときにはタイマ設定部17が電気治療器1の稼動時間を1時間に設定し、時間表示ランプ38が6hを点灯しているときにはタイマ設定部17が電気治療器1の稼動時間を6時間に設定する。そして、時間表示ランプ38が8hを点灯しているときにはタイマ設定部17が電気治療器1の稼動時間を8時間に設定し、時間表示ランプ38が10hを点灯しているときにはタイマ設定部17が電気治療器1の稼動時間を10時間に設定する。
【0119】
前述したように電気治療器1の稼動時間が10時間と設定される場合、電気治療器1は8時間治療を行った後に、2時間保温を行う。例えば、電気治療器1は、保温を行っているときに操作画面22に保温ランプ39を点灯させる。使用者は、保温ランプ39が点灯しているかどうかを見ることによって電気治療器1が保温をしている状態かどうかを把握できる。
【0120】
例えば、コース選択ボタン28は、さらに、乾燥ボタン28kを含む。乾燥ボタン28kが押されると、乾燥部18が治療器3を加熱して寝具2の湿度を低減させる。乾燥ボタン28kは、一例として、電位ボタン28dの右側に表示される。例えば、乾燥ボタン28kは、四角形状を呈する。前述と同様、乾燥ボタン28kが一定時間以上長押しされたときに乾燥部18が治療器3を加熱してもよい。
【0121】
操作画面22は、例えば、温度設定ボタン29によって設定された温度を表示する温度表示部40を有する。一例として、温度表示部40は、低表示部41と、中表示部42と、高表示部43と、複数の一般表示部44とを含む。例えば、温度設定ボタン29によって設定された温度が中間値であるときに中表示部42が点灯し、温度設定ボタン29によって設定された温度が当該中間値より低いときに低表示部41が点灯し、温度設定ボタン29によって設定された温度が当該中間値より高いときに高表示部43が点灯する。
【0122】
前述したように、温度設定ボタン29によって9段階の温度が設定可能であってもよい。また、低表示部41、中表示部42、高表示部43および一般表示部44は円弧状を成すように配置されていてもよい。例えば、低表示部41が温度上昇ボタン29bの左下、高表示部43が温度上昇ボタン29bの右下、中表示部42が温度上昇ボタン29bの上に配置されると共に、円弧を成すように複数の一般表示部44が低表示部41と中表示部42の間、および中表示部42と高表示部43の間のそれぞれに配置されていてもよい。
【0123】
例えば、温度設定ボタン29によって最も温度が低い1段階目の温度が設定されるときに低表示部41のみが点灯する。例えば、温度上昇ボタン29bが押されることによって設定される温度の段階が1段階上がり、温度低下ボタン29cが押されることによって設定される温度の段階が1段階下がる。
【0124】
温度設定ボタン29によって2番目に温度が低い2段階目の温度が設定されるときに低表示部41と低表示部41に隣接する最下部の一般表示部44とが点灯し、温度設定ボタン29によって3段階目の温度が設定されるときに低表示部41と左側の下から2番目の一般表示部44とが点灯する。温度設定ボタン29によって4段階目の温度が設定されるときに低表示部41と左側の下から3番目の一般表示部44とが点灯する。
【0125】
温度設定ボタン29によって5段階目の温度が設定されるときに中表示部42が点灯する。温度設定ボタン29によって6段階目の温度が設定されるときに高表示部43と右側の下から3番目の一般表示部44とが点灯し、温度設定ボタン29によって7段階目の温度が設定されるときに高表示部43と下から2番目の一般表示部44とが点灯する。
【0126】
温度設定ボタン29によって8段階目の温度が設定されるときに高表示部43と高表示部43に隣接する最下部の一般表示部44とが点灯し、温度設定ボタン29によって9段階目(最も高温)の温度が設定されるときに高表示部43のみが点灯する。以上、温度設定ボタン29による温度設定と、温度表示部40による温度表示の態様の例について説明した。しかしながら、温度設定ボタン29による温度設定の態様と、温度表示部40による温度表示の態様は、前述した各例に限られず適宜変更可能である。
【0127】
例えば、コントローラ20の本体部25は、円板状を呈する。本体部25は上面25bと側面25cとを有する。さらに、本体部25は電源コード差し込み口25dを有し、電源コード差し込み口25dには電源コードCが接続される。電源コードCは、家庭用コンセントに接続される電気プラグC1と、電気プラグC1を端部に有するコード本体C2と、コード本体C2の電気プラグC1とは反対側の端部に位置する電源コネクタC3とを有する。
【0128】
電気プラグC1が家庭用コンセントに接続され、電源コネクタC3が電源コード差し込み口25dに差し込まれた状態でコントローラ20に電力が供給される。電源コード差し込み口25dは、例えば、本体部25の側面25cに形成されている。側面25cは、外部に露出する露出部25fと、固定部材26に対向する非露出部25gとを含んでおり、露出部25fに電源コード差し込み口25dが形成されている。一例として、コントローラ20の周方向D3における露出部25fの中央に電源コード差し込み口25dが形成されている。
【0129】
次に、本実施形態に係る電気治療プログラムによって実行される工程の例について図15に示されるフローチャートを参照しながら説明する。本実施形態に係る電気治療プログラムは、アプリケーション19の命令にしたがって端末5のプロセッサが動作することによって実行される。まず、電源コードCを介してコントローラ20に電力を供給可能な状態として、端末5にインストールされたアプリケーション19を起動する(アプリケーションを起動する工程、ステップS1)。
【0130】
アプリケーション19が起動した後には、電気治療プログラムの使用者が端末5を操作してコースの設定を行う。そして、アプリケーション19は、既にコースが設定されていて、かつ設定されたコースがおまかせコース(第1電気治療コース)であるかどうかを判定する(第1電気治療コースに設定されているか否かを判定する工程、ステップS2)。前述したように「おまかせコースに設定されている」とは、おまかせコースの設定治療時間が予約されている状態をいう。
【0131】
設定されたコースがおまかせコースであるとアプリケーション19が判定した場合(ステップS2においてYES)、位置取得部19bは、端末5の位置を取得する(端末の位置を取得する工程、ステップS3(位置取得ステップ))。
【0132】
端末5の位置が取得された後、気象情報取得部19cは、当該端末5の位置を含む地域の気象情報を取得する(地域の気象情報を取得する工程、ステップS4(気象情報取得ステップ))。
【0133】
本実施形態では、おまかせコースは、前述した夏コースと春秋コースと冬コースとを含んでいる。ステップS4において端末5の位置を含む地域の気象情報が取得された後、アプリケーション19は、当該気象情報に応じて電気治療器1に行わせるコースを決定する(コースを決定する工程、ステップS5)。このとき、アプリケーション19は、例えば取得された最低気温に応じて夏コース、春秋コースおよび冬コースのうちどのコースを実行するかを決定し、決定したコースを電気治療器1に実行させる(治療器制御ステップ)。
【0134】
すなわち、前述したコースが決定された後、アプリケーション19は、決定されたコースの時間配分で電気治療器1に温熱治療および電位治療を行わせる(コースを実行させる工程、ステップS8)。そして、決定されたコースが設定治療時間行われた後に一連の工程が完了する。
【0135】
ステップS2において、未だコースが設定されていないとアプリケーション19が判定した場合(ステップS2においてNO)、アプリケーション19は、使用者によるコースの選択を受け付ける(使用者がコースを選択する工程、ステップS6)。
【0136】
コースの選択を受け付けているときには、使用者によって複数のコースのいずれかが選択され、コースが選択された後に、アプリケーション19は、選択されたコースがおまかせコースであるかどうかを判定する(選択されたコースを判定するステップ、ステップS7)。
【0137】
ステップS7で使用者によって選択されたコースがおまかせコースである場合(ステップS7においてYES)、ステップS3に移行して、前述した端末5の位置の取得、気象情報の取得、およびコースの決定を経て治療が行われて一連の工程が完了する。
【0138】
ステップS7で使用者によって選択されたコースがおまかせコース(第1電気治療コース)でない場合(ステップS7においてNO)、アプリケーション19は、使用者によって選択されたコース(第2電気治療コース)を電気治療器1に行わせる(コースを実行させる工程、ステップS8)。そして、選択されたコースが設定治療時間行われた後に一連の工程が完了する。
【0139】
続いて、本実施形態に係る電気治療プログラム、電気治療システム10、および電気治療器1から得られる作用効果について説明する。電気治療プログラムおよび電気治療システム10は、端末5の位置を取得し、取得した端末5の位置を含む地域の気象情報を取得する。さらに、取得した気象情報に応じて電気治療器1に行わせる温熱治療の時間を決定する。
【0140】
同じ季節の中でも寒い日があったり暑い日があったりすることがあり、例えば季節ごとに電気治療のコースが一律に定まる場合には、寒い日に温熱治療の時間が足りなかったり、暑い日に温熱治療の時間が長すぎたりすることがある。この電気治療プログラムおよび電気治療システム10では、端末5が存在する地域の気象情報に応じて温熱治療の時間が定められ、気象情報に応じて温熱治療の時間を適切な時間とすることができるので、日々変動する環境に応じて適切に電気治療を行うことができる。さらに、端末5が存在する地域の気象情報に応じて温熱治療の時間が自動的に定まるので、電気治療の時間をどうするかその都度判断することを不要とすることができる。したがって、利便性が高い電気治療プログラムおよび電気治療システム10とすることができる。
【0141】
本開示に係る電気治療プログラムにおいて、気象情報は、地域の最低気温を含んでおり、治療器制御ステップ(ステップS5およびステップS6)では、地域の最低気温に応じて温熱治療の時間を決定してもよい。この場合、端末5が存在する地域の最低気温に応じて温熱治療の時間が決定され、最低気温に応じて温熱治療の時間を適切な時間とすることができる。例えば、最低気温が低いときに、最低気温が高いときと比較して温熱治療の時間を長く設定することが可能である。したがって、地域の最低気温に応じた温熱治療の時間が決定されることにより、最低気温の変動によって温熱治療の過不足が生じることを抑制できる。
【0142】
本実施形態に係る電気治療プログラムは、位置取得ステップ(ステップS3)、気象情報取得ステップ(ステップS4)、および治療器制御ステップ(ステップS5およびステップS6)を実行する第1電気治療コース(おまかせコース)と、電気治療器1に行わせる電位治療の時間、および電気治療器1に行わせる温熱治療の時間が予め定められており、電位治療および温熱治療を予め定められた時間実行する第2電気治療コース(おまかせコース以外のコース)と、を有する。第1電気治療コースおよび第2電気治療コースは、電気治療プログラムを使用する使用者によって選択可能とされている。本実施形態に係る電気治療プログラムは、使用者による第1電気治療コースおよび第2電気治療コースの選択操作を受け付けるステップ(ステップS6)と、使用者によって選択された第1電気治療コースおよび第2電気治療コースのいずれかを実行するステップ(ステップS8)と、を有する。
【0143】
この場合、端末5が存在する地域の気象情報に応じて自動的に電気治療の内容が決定される第1電気治療コースと、使用者が任意に電気治療の内容を決定できる第2電気治療コースとのいずれかを、使用者が選択することができる。これにより、使用者は、その日の体調や気分に応じて電気治療の内容を決定することができ、より利便性を向上した電気治療プログラムとすることができる。
【0144】
前述した実施形態では、第1電気治療コースは予め設定された複数のコース(夏コース、春秋コースおよび冬コース)を含んでおり、第1電気治療コースでは当該複数のコースのうちどのコースを実行するかを決定することによって温熱治療の時間を決定する。この場合、温熱治療の時間がコースの選択によって決定されるので、温熱治療の時間の決定を容易に行うことができる。
【0145】
次に、変形例に係る電気治療器1Aについて説明する。図16は、変形例に係る電気治療器1Aの機能の構成を示すブロック図である。この変形例は、端末5ではなく、電気治療器1Aが位置取得手段101および気象情報取得手段102を有する点で、前述した電気治療器1とは異なる。電気治療器1Aの一部の構成は、前述した電気治療器1の一部の構成と同一である。よって、以下の説明では、電気治療器1の説明と重複する説明を適宜省略する。
【0146】
位置取得手段101は、端末5の位置ではなく、電気治療器1Aの位置を取得する。変形例において、「位置」は、電気治療器1Aが存在する場所の緯度および経度を含む情報である。位置取得手段101が電気治療器1Aの位置を取得する方法として、例えば、衛星ネットワークを利用して位置情報を測定するGPSが挙げられる。
【0147】
気象情報取得手段102は、位置取得手段101によって取得された位置を含む地域の気象情報を取得する。「地域」は、例えば、位置取得手段101が取得した位置を含む都道府県または市区町村の単位の領域である。位置取得手段101によって取得された位置を含む地域が、気象情報APIに登録されていない地域である場合、気象情報取得手段102は、位置取得手段101が取得した位置から最も近い登録地域の気象情報を取得する。
【0148】
電気治療器1Aは、少なくとも温熱治療を行う。電気治療器1Aは、寝具2と、電気治療器1Aの位置を取得する位置取得手段101と、位置を含む地域の気象情報(例えば、最低気温)を取得する気象情報取得手段102と、温熱治療を実行する治療器制御手段103とを備える。治療器制御手段103は、前述した治療器制御部24と同様、気象情報に応じて実行する温熱治療の時間を決定し、決定した時間温熱治療を実行する。
【0149】
この電気治療器1Aによれば、前述した電気治療器1と同様、取得した位置を含む地域の気象情報(例えば、最低気温)に応じて実行する温熱治療の時間が決定される。したがって、電気治療器1Aからは、電気治療器1と同様の作用効果が得られる。さらに、電気治療器1Aは、電気治療器1Aの位置を取得する位置取得手段101と、位置取得手段101が取得した位置を含む地域の気象情報を取得する気象情報取得手段102と、治療器制御手段103とを有する。そして、治療器制御手段103は、電気治療器1Aの位置を含む地域の気象情報に応じて決定された時間だけ温熱治療を行う。よって、前述した端末5等、端末がなくても気象情報に応じた温熱治療の時間が設定され、気象変化による影響を受けずに適切に温熱治療の時間を設定できるので、電気治療器1Aが存在する地域の気象に応じて電気治療を実行させることができる。
【0150】
以上、本開示に係る電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器の実施形態および変形例について説明した。しかしながら、本開示に係る電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器は、前述した実施形態または変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、または他のものに適用されたものであってもよい。すなわち、電気治療プログラムの各ステップの順序および配置、または、電気治療システムおよび電気治療器の各部の形状、大きさ、数、材料および配置態様は、上記の要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【0151】
例えば、前述した実施形態では、第1電気治療コースが予め設定された複数のコース(夏コース、春秋コースおよび冬コース)を含んでおり、第1電気治療コースでは当該複数のコースのうちどのコースを実行するかを決定することによって温熱治療の時間を決定する例について説明した。しかしながら、温熱治療の時間は、コースの決定以外の方法で決定されてもよい。例えば、温熱治療の時間は、端末5が存在する地域の気温(一例として最低気温)に応じて都度決定されてもよい。この場合、温熱治療の時間は端末5が存在する地域の気温に応じて都度決定されるので、温熱治療の時間をより高精度に決定することが可能となる。
【0152】
例えば、前述した実施形態では、治療、保温および乾燥を端末5で実行可能な電気治療システム10について説明した。しかしながら、本開示に係る電気治療プログラム、電気治療システムまたは電気治療器は、保温および乾燥の少なくともいずれかを行わないものであってもよい。
【0153】
例えば、電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器は、電気治療器の稼動(一例として治療)の開始と共に使用者の入眠を促す音を出力してもよい。この場合、電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器による治療を開始すると共に、電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器の使用者に心地良い睡眠を提供できる。当該音を出力するスピーカは、例えば、コントローラ20に設けられていてもよいし、端末5に設けられていてもよく、スピーカの場所は特に限定されない。
【0154】
前述の実施形態では、端末5のディスプレイ5bに表示された操作画面50の操作によって電気治療器1が稼動する例について説明した。しかしながら、電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器のいずれかが音声操作機能を備えていてもよく、音声によって電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器が稼動してもよい。この場合、音声によって電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器を動作させることが可能となる。
【0155】
さらに、電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器は他の電気機器と連動してもよい。例えば、電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器は、照明機器と連動してもよく、照明機器からの光の明るさに応じて(一例として暗くなったときに)稼動してもよい。電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器は、空調機と連動してもよく、空調機に設定される温度に応じて電気治療器の設定温度が自動的に変化してもよい。
【0156】
電気治療システムおよび電気治療器のいずれかが温度計を備えていてもよく、温度計によって計測された温度に応じて電気治療器における設定温度が自動的に変えられてもよい。この場合、例えば、冬場の寒い時期により高温で治療器3を加熱したり、夏場の暑い時期に治療器3の温度を下げたり等の制御を自動的に行うことが可能となる。電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器は、寝具に横たわる使用者の体動を検出する体動センサと連動してもよい。この場合、例えば、使用者の睡眠が深くなって寝返りが減ったときに電気治療器の設定温度を下げたり、電気治療器をオフにしたりする制御を自動的に行うことができる。
【0157】
前述した実施形態では、温熱治療および電位治療の双方を行う電気治療プログラム、電気治療システム10および電気治療器1について説明した。しかしながら、本開示に係る電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器は、温熱治療のみを行うものであってもよいし、電位治療のみを行うものであってもよいし、温熱治療または電位治療以外の治療を行うものであってもよい。
【0158】
前述した実施形態では、敷き寝具である寝具2を備える電気治療器1および電気治療器1について説明した。しかしながら、本開示に係る電気治療プログラム、電気治療システムにおいて、電気治療器は、敷き寝具以外の寝具を備えていてもよい。例えば、電気治療器は、掛け寝具、枕、クッション、または座布団を備えた機器であってもよい。このように、本開示に係る電気治療プログラム、電気治療システムおよび電気治療器は、種々の寝具に適用させることが可能である。
【符号の説明】
【0159】
1…電気治療器、2…寝具、2b…長辺、2c…短辺、2d…隅部、3…治療器、3b…部位、4…枕、5…端末、5b…ディスプレイ、10…電気治療システム、11…表示部、12…電位治療部、13…温熱治療部、14…通知部、15…時間計測部、16…コース設定部、17…タイマ設定部、18…乾燥部、19…アプリケーション、19a…通信部、19b…位置取得部、19c…気象情報取得部、20…コントローラ、21…接続部、22…操作画面、22b…中心、23…通信部、24…治療器制御部、25…本体部、25b…上面、25c…側面、25d…電源コード差し込み口、25f…露出部、25g…非露出部、26…固定部材、26b…上面、27…ボタン、28…コース選択ボタン、28b…温熱ボタン、28c…交互ボタン、28d…電位ボタン、28f…季節選択ボタン、28g…冬ボタン、28h…春秋ボタン、28j…夏ボタン、28k…乾燥ボタン、29…温度設定ボタン、29b…温度上昇ボタン、29c…温度低下ボタン、30…電源ボタン、31…身体部位選択ボタン、31b…全身ボタン、31c…足部ボタン、32…速暖選択ボタン、33…時間設定ボタン、34…オート表示ランプ、35…マニュアル表示ランプ、36…接続表示ランプ、38…時間表示ランプ、39…保温ランプ、40…温度表示部、41…低表示部、42…中表示部、43…高表示部、44…一般表示部、50,50A,50B,50C,50D…操作画面、51…コース選択ボタン、51b…温熱ボタン、51c…交互ボタン、51d…電位ボタン、51f…季節選択ボタン、51g…冬ボタン、51h…春秋ボタン、51j…夏ボタン、51k…乾燥ボタン、52…設定内容表示部、52b…残り時間表示部、52c…温度表示部、52c1…数値表示部、52c2…インジケータ表示部、52d…治療部位表示部、52f…速暖表示部、52g…ステータス表示部、52k…設定内容表示部、53…温度設定ボタン、53b…プラスボタン、53c…マイナスボタン、54…電源ボタン、55…身体部位選択ボタン、55b…全身ボタン、55c…足部ボタン、56…速暖選択ボタン、57…時間設定ボタン、57b…1時間ボタン、57c…6時間ボタン、57d…8時間ボタン、57f…10時間ボタン、59…コース追加ボタン、60…追加コース選択メニュー、60b…ぐっすりコースボタン、60c…ぐっすりコースライトボタン、60d…バランスコースボタン、60e…リカバリーコースライトボタン、60f…リカバリーコースボタン、60g…おまかせコースボタン、60h…OKボタン、60i…キャンセルボタン、61…コース設定メニュー、61b…治療時間表示部、61c…時刻設定部、61d…繰り返し設定部、61e…温熱レベル設定部、61f…保存ボタン、62…繰り返し設定メニュー、62b…一回実行ボタン、62c…毎日ボタン、62d…平日ボタン、62e…週末ボタン、62f…カスタムボタン、63…温熱レベル設定メニュー、63b…温熱レベル選択部、63c…OKボタン、63d…キャンセルボタン、64…位置確認画面、64b…マップ、64c…現在地、64d…誤差円、101…位置取得手段、102…気象情報取得手段、103…治療器制御手段、C…電源コード、C1…電気プラグ、C3…電源コネクタ、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…周方向。
図1
図2
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