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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006412
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】回路遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/02 20060101AFI20250109BHJP
   H01H 83/02 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01H73/02 C
H01H83/02 D
H01H83/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107198
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】中山 祥太郎
(72)【発明者】
【氏名】山村 龍一郎
【テーマコード(参考)】
5G030
【Fターム(参考)】
5G030AA04
5G030FE24
5G030FE27
5G030FE28
5G030XX07
5G030XX12
5G030YY03
5G030YY05
5G030YY06
(57)【要約】
【課題】機械式或いは電子式の配線用遮断器及び漏電遮断器の全てに対応可能な接続板を備えたホルダユニットを使用することで、組み立て性及び生産性を向上させることができる回路遮断器を提供する。
【解決手段】可動接触子11を支持するホルダユニット12は、本体ケース2の底部2aに固定されて可動接触子の基端部11bを回動自在に支持する接触子支持部21と、過電流保護装置に連結ねじで接続される接続板20と、を備えており、接続板には、機械式過電流保護装置6の第1接続部品14に形成した第1ねじ穴14aに対向する第1貫通穴26aと、電子式過電流保護装置41の第2接続部品43に形成した第2ねじ穴43aに対向する第2貫通穴26bと、が形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースの内部に、固定接点を有する固定接触子と、前記固定接点に可動接点が接離する可動接触子と、前記可動接触子を支持するホルダユニットと、前記可動接触子を開閉させる開閉機構と、前記ホルダユニットの負荷側に接続する過電流保護装置とが搭載されている回路遮断器において、
前記ホルダユニットは、前記本体ケースの底部に固定されて前記可動接触子の基端部を回動自在に支持する接触子支持部と、前記過電流保護装置に連結ねじで接続される接続板と、を備えており、
前記接続板には、機械式過電流保護装置の第1接続部品に形成した第1ねじ穴に対向する第1貫通穴と、電子式過電流保護装置の第2接続部品に形成した第2ねじ穴に対向する第2貫通穴と、が形成されていることを特徴とする回路遮断器。
【請求項2】
前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴は、負荷側に延在する前記接続板の長手方向に互いの中心位置をずらし、重なって貫通することでダルマ形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
【請求項3】
開極動作を行う前記可動接触子が前記本体ケースのストッパに当接したときに、前記可動接触子からの反力で前記接触子支持部が浮き上がろうとするのを規制する浮き上がり規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の回路遮断器。
【請求項4】
前記浮き上がり規制手段は、前記本体ケースの前記底部に下面が設置されている前記接触子支持部に対して、前記底部から立ち上がって前記接触子支持部の上面に係合し、前記接触子支持部が前記底部から離れるのを規制している係合保持片であることを特徴とする請求項3記載の回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線用遮断器或いは漏電遮断器として使用される低電圧配電系統の回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
低電圧配電系統の回路遮断器として配線用遮断器がある。配線用遮断器は、本体ケースに、固定接触子及び可動接触子からなる主回路接触子、可動接触子を回動可能に支持するホルダユニット、可動接触子を開閉させる開閉機構、過電流保護装置が搭載されている。ホルダユニットは、可動接触子に接続して負荷側に延在する接続板を備えている。この接続板の負荷側の端部には、ねじ貫通孔が形成されている。また、負荷側に搭載した過電流保護装置には、ねじ穴を形成した接続部が設けられている。そして、接続板と接続部を重ね合わせてねじ貫通穴及びねじ穴を対向させ、接続板からねじ貫通穴を通過させた連結ねじを接続部のねじ穴にねじ込むことで、ホルダユニットの接続板と過電流保護装置の接続部とを接続している。
【0003】
ここで、配線用遮断器には、機械式配線用遮断器と電子式配線用遮断器がある(例えば特許文献1)。機械式配線用遮断器のホルダユニットに設けた接続板には、熱動引外し装置のバイメタルを加熱する板状のヒーターが連結ねじで接続されている。また、電子式配線用遮断器のホルダユニットに設けた接続板には、主回路を流れる電流を電流信号に変換する変流器の接続導体が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4-123740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ヒーターのねじ穴と、変流器の接続導体のねじ穴の位置は互いに異なった位置である。このため、一種類のホルダユニットの接続板を、機械式配線用遮断器及び電子式配線用遮断器の共用部品として使用することができない。したがって、機械式配線用遮断器及び電子式配線用遮断器のそれぞれにおいて専用の接続板を備えたホルダユニットが必要となり、部品数が増大して回路遮断器の組み立て性、生産性が悪化する。
【0006】
また、低電圧配電系統の回路遮断器として使用される漏電遮断器にも、機械式漏電遮断器と電子式漏電遮断器があり、それぞれにおいて専用の接続板を備えたホルダユニットが必要となるので、同様の課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、機械式或いは電子式の配線用遮断器と、機械式或いは電子式の漏電遮断器の全てに対応可能な接続板を備えたホルダユニットを使用することで、組み立て性及び生産性を向上させることができる回路遮断器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回路遮断器は、本体ケースの内部に、固定接点を有する固定接触子と、固定接点に可動接点が接離する可動接触子と、可動接触子を支持するホルダユニットと、可動接触子を開閉させる開閉機構と、ホルダユニットの負荷側に接続する過電流保護装置とが搭載されている回路遮断器において、ホルダユニットは、本体ケースの底部に固定されて前記可動接触子の基端部を回動自在に支持する接触子支持部と、過電流保護装置に連結ねじで接続される接続板と、を備えており、接続板には、機械式過電流保護装置の第1接続部品に形成した第1ねじ穴に対向する第1貫通穴と、電子式過電流保護装置の第2接続部品に形成した第2ねじ穴に対向する第2貫通穴と、が形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る回路遮断器によると、機械式或いは電子式の配線用遮断器と、機械式或いは電子式の漏電遮断器の全てに対応可能な接続板を備えたホルダユニットを使用することで、組み立て性及び生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る機械式配線用遮断器を、本体ケースの一部を外した状態で示した斜視図である。
図2】機械式配線用遮断器を構成するホルダユニットを示す斜視図である。
図3】ホルダユニットを構成するホルダ基部を示す斜視図である。
図4】を示す斜視図である。
図5図4のホルダケースを装着したホルダユニットを接続板側から示した図である。
図6】ホルダユニットの接触子支持部が、下部ケースに設けた係合保持片に保持されている状態を示す図である。
図7】本発明に係る電子式配線用遮断器を、本体ケースの一部を外した状態で示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0012】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
図1は、回路の電源側及び負荷側の間に接続した3相(R,S,T相)交流用の第1実施形態の機械式配線用遮断器1を示す断面図であり、本体ケース2に並列に組み込まれた各相のうちの1相の回路構造を示している。
【0014】
機械式配線用遮断器1は、本体ケース2の内部に、開閉接点3を開閉する開閉機構4と、開閉機構4を操作する開閉ハンドル5と、主回路に過電流が流れたときに開閉機構4にトリップ動作をさせる過電流引外し装置6と、消弧装置7と、が配置されている。
【0015】
本体ケース2は、下部ケース2aに電源側中間ケース2b及び負荷側中間ケース2cが重なって組付けられており、電源側中間ケース2b及び負荷側中間ケース2cにトップカバー2dが重なって組付けられて構成されている。下部ケース2aには、電源側主回路端子8及び負荷側主回路端子9が固定されている。開閉接点3は固定接点10aを有する固定接触子10及び可動接点11aを有する可動接触子11で構成されており、可動接触子11はホルダユニット12で回動自在に支持されている。固定接触子10は電源側主回路端子8に接続され、可動接触子11は、ホルダユニット12及び過電流引外し装置6を介して負荷側主回路端子9に接続されている。
【0016】
開閉機構4は、可動接触子11と開閉ハンドル5との間を連繋するトグルリンク機構(不図示)と、ラッチ(不図示)と、トリップクロスバー13とを組み合わせたラッチ機構で構成されている。トリップクロスバー13が反時計方向に回動すると、開閉機構4のトリップ動作により可動接触子11が開極動作を行う。
【0017】
過電流引外し装置6は、電源側主回路端子8及び負荷側主回路端子9の間を過電流が流れると加熱するヒーター14と、ヒーター14の下部が固定されたバイメタル15と、このバイメタル15の上部の自由端に係合し、トリップクロスバー13との間に所定のギャップを設けるように進退可能とした調整ねじ16と、を備えている。
【0018】
図2から図5は、可動接触子を回転自在に支持するホルダユニット12の構造を示している。
【0019】
ホルダユニット12は、図2に示すように、接続板20及び接触子支持部21を有するホルダ基部22と、接触子支持部21に装着されて可動接触子11を回動自在に支持する回動軸23、接触スプリング24及び圧縮スプリング25と、図4に示すホルダケース31と、を備えている。
【0020】
図3に示すように、ホルダ基部22は、長方形状の接続板20の長手方向の一端側に接触子支持部21が連続して形成されている。接続板20の長手方向の他端側にはダルマ形状の貫通穴26が形成されている。ダルマ形状の貫通穴26は、同一直径の第1貫通穴26a及び第2貫通穴26bが接続板20の長手方向に互いの中心位置をずらして重なって貫通することで形成されている。
【0021】
また、接触子支持部21は、接続板20の長手方向他端側から連続して形成され、ねじ穴27aが形成された長方形状の底板27と、底板27の幅方向両側から連続して形成され底板27の上面に重なって延在している一対の連結板28a,28bと、一対の連結板28a、28bの縁部から互いに平行に立ち上がっている一対の支持板29a,29bと、を備えており、一対の支持板29a,29bに軸穴30が形成されている。
【0022】
図2に示すように、可動接触子11の基端部11bが接触子支持部21の一対の支持板29a,29bの間に挿入され、基端部11bに形成した軸穴11c(図1参照)と、一対の支持板29a,29bの軸穴30とに回動軸23が挿入されることで、可動接触子11は接触子支持部21に回動自在に支持されている。接触スプリング24は、図2に示すように、一対の支持板29a,29bの外側で回動軸23を囲むように配置した一対のコイル部24a,24bと、一対のコイル部24a,24bの間を連結して可動接触子11の上部に係合する係合部24cと、を有している。圧縮スプリング25は、接触スプリングのコイル部24a,24bより内側において回動軸23を囲むように、一対の支持板29a,29bの外側に一対配置されている(図5参照)。
【0023】
図4に示すように、ホルダケース31が、ホルダ基部22の接触子支持部21、接触スプリング24、一対の圧縮スプリング25を覆った状態で装着されている。図5は、接続板20側からホルダケース31の内部を示すものであり、接触スプリング24は、その端部24a1,24b1がホルダケース31に係合することで、開極した可動接触子11に対して閉極方向(図4において反時計回り)にばね復元力を作用する。一対の圧縮スプリング25,25は、ホルダケース31内に圧縮バネ状態で配置されることで、一対の支持板29a,29bが可動接触子11の基端部11bに面接触状態で密着する方向にバネ力を作用する。これにより、図5に示すように、可動接触子11の基端部11b及び一対の支持板29a,29bの面接触状態で密着している部位が、摺動通電部32a,32bとされている。
【0024】
上記構成のホルダユニット12は、図1に示すように、下部ケース2aの貫通穴に下側から通過したケース固定ねじ33を、接触子支持部21の底板27に形成したねじ穴27aにねじ込んで固定されている。ホルダユニット12の接続板20は、過電流引外し装置6のヒーター14に連結ねじ35で接続されている。このとき、ヒーター14に形成したねじ穴14aは接続板20の第1貫通穴26aに対向し、連結ねじ35を第1貫通穴26aに下側から通過してヒーター14のねじ穴14aにねじ込むことで、接続板20及びヒーター14が接続されている。
【0025】
なお、本発明に係る機械式過電流保護装置が過電流引外し装置6に対応している。また、本発明に係る本体ケースの底部が、下部ケース2aに対応している。また、本発明に係る第1接続部品がヒーター14に対応し、本発明に係る第1ねじ穴がねじ穴14aに対応している。
【0026】
ここで、図6に示すように、下部ケース2aには係合保持片34が形成されており、この係合保持片34は、ホルダ基部22の連結板28bに上部から係合している。また、図6では示していないが、下部ケース2aには、ホルダ基部22の連結板28aに上部から係合する係合保持片34が形成されている。
【0027】
上記構成の機械式配線用遮断器1は、電源側主回路端子8及び負荷側主回路端子9の間を過電流が流れると、ヒーター14の加熱で湾曲したバイメタル15が開閉機構4のトリップクロスバー13に接触することで、トリップクロスバー13が反時計方向に回動し、開閉機構4のトリップ動作で可動接触子11が限流開極動作を行う。
【0028】
限流開極動作を行う可動接触子11は、図1に示す電源側中間ケース2bに設けたストッパとなる内壁2b1に当接して開極動作が停止する。可動接触子11が内壁2b1に当接したときの反力により、可動接触子11の基端部11bを支持しているホルダ基部22の接触子支持部21に対して下部ケース2aから離れて浮き上がろうとする外力が作用する。接触子支持部21に浮き上がりなどの外力が作用すると、摺動通電部32a,32bの損傷や変形が発生して可動接触子11の開極動作、通電機能に影響が出るおそれがある。しかし、本実施形態は、下部ケース2aに形成した係合保持片34が接触子支持部21の連結板28a,28bに上部から係合することで、可動接触子11が内壁2b1に当接したことによる接触子支持部21の浮き上がりが規制される。これにより、摺動通電部32a,32bの摺動部の損傷や変形が防止されるので、可動接触子11の開極動作、通電機能に影響を与えない。
【0029】
次に、図7に示す回路遮断器は、主回路の電源側及び負荷側の間に接続した3相(R,S,T相)交流用の電子式配線用遮断器40を示す断面図であり、本体ケース2に並列に組み込まれた各相のうちの1相の回路構造を示している。
【0030】
本実施形態の電子式配線用遮断器40は、図1から図6で示した機械式配線用遮断器1と同一構成の本体ケース2、開閉接点3、開閉機構4と、開閉ハンドル5と、消弧装置7及びホルダユニット12を備えているとともに、主回路の電流を検出する電流検出装置41と、トリップコイルユニット42と、を備えている。
【0031】
トリップコイルユニット42は、電流検出装置41の出力レベルから過電流の発生を検知する過電流検出回路の回路部品を実装したプリント基板が搭載されており、過電流を検知するとトリップクロスバー13を反時計方向に回動して開閉機構4のトリップ動作を開始する。
【0032】
電流検出装置41には、ホルダユニット12の接続板20に接続する接続導体43が形成されており、この接続導体43にはねじ穴43aが形成されている。下部ケース2aに電流検出装置41を組み込むと、接続導体43に形成したねじ穴43aが、接続板20の第2貫通穴26bに対向する。これにより、連結ねじ35を第2貫通穴26bに下側から通過して接続導体43のねじ穴43aにねじ込むことで、ホルダユニット12の接続板20及び電流検出装置41が接続される。
【0033】
なお、本発明に係る電子式過電流保護装置が電流検出装置41に対応している。また本発明に係る第2接続部品が接続導体43に対応し、本発明に係る第2ねじ穴がねじ穴43aに対応している。
【0034】
上記構成の電子式配線用遮断器40は、電源側主回路端子8及び負荷側主回路端子9の間を過電流が流れると、電流検出装置41が過電流の発生を検知することでトリップコイルユニット42が開閉機構4のトリップクロスバー13を反時計方向に回動させ、可動接触子11が限流開極動作を行う。
【0035】
ここで、本実施形態も、図1から図6で示した機械式配線用遮断器1と同一形状の本体ケース2及びホルダユニット12で構成されており、下部ケース2aに形成した係合保持片34が接触子支持部21の連結板28a,28bに上部から係合している。これにより、限流開極動作を行う可動接触子11が電源側中間ケース2bの内壁2b1に当接しても、下部ケース2aの係合保持片34がホルダ基部22の接触子支持部21の浮き上がりが規制されるので、摺動通電部32a,32bの摺動部の損傷や変形が防止され、可動接触子11の開極動作、通電機能に影響を与えない。
【0036】
したがって、ホルダユニット12の接続板20には、機械式配線用遮断器1の過電流引外し装置6のヒーター14が連結ねじ35で接続可能な第1貫通穴26aと、電子式配線用遮断器40の接続導体43が連結ねじ35で接続可能な第2貫通穴26bとが形成されており、機械式配線用遮断器1及び電子式配線用遮断器40の共用部品としてホルダユニット12を使用することができる。したがって、ホルダユニット12を使用することで、機械式配線用遮断器1及び電子式配線用遮断器40を製造するときの部品数が減少し、組み立て性、生産性を向上させることができる。
【0037】
また、下部ケース2aに形成されている係合保持片34が、ホルダユニット12の接触子支持部21(連結板28a,28b)に上部から係合し、限流開極動作を行う可動接触子11が電源側中間ケース2bの内壁2b1に当接したときの接触子支持部21の浮き上がりを規制する。このため、ホルダユニット12の摺動通電部32a,32bの摺動部の損傷や変形を防止し、可動接触子11の開極動作、通電機能に影響を与えることがない。
【0038】
なお、本実施形態では機械式配線用遮断器1及び電子式配線用遮断器40について説明したが、機械式漏電遮断器の過電流引外し装置のヒーター、或いは電子式漏電遮断器の電流検出装置の接続導体に接続する際にも、ホルダユニット12の接続板20を適用することができる。したがって、機械式漏電遮断器及び電子式漏電遮断器を製造するときの部品数も減少するので、機械式漏電遮断器及び電子式漏電遮断器の組み立て性、生産性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 機械式配線用遮断器
2 本体ケース
2a 下部ケース
2b 電源側中間ケース
2b1 内壁
2c 負荷側中間ケース
2d トップカバー
3 開閉接点
4 開閉機構
5 開閉ハンドル
6 過電流引外し装置
7 消弧装置
8 電源側主回路端子
9 負荷側主回路端子
10 固定接触子
10a 固定接点
11 可動接触子
11a 可動接点
11b 基端部
12 ホルダユニット
13 トリップクロスバー
14 ヒーター
14a ヒーターのねじ穴
15 バイメタル
16 調整ねじ
20 接続板
21 接触子支持部
22 ホルダ基部
23 回動軸
24 接触スプリング
24a,24b コイル部
24c 係合部
25 圧縮スプリング
26 ダルマ形状の貫通穴
26a 第1貫通穴
26b 第2貫通穴
27 底板
27a ねじ穴
28a,28b 連結板
29a,29b 支持板
30 軸穴
31 ホルダケース
32a,32b 摺動通電部
33 ケース固定ねじ
34 係合保持片
35 連結ねじ
40 電子式配線用遮断器
41 電流検出装置
42 トリップコイルユニット
43 接続導体
43a ねじ穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7