(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006426
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】除菌装置及び温水装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/32 20230101AFI20250109BHJP
【FI】
C02F1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107215
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(71)【出願人】
【識別番号】523242701
【氏名又は名称】株式会社デコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀部 洋平
(72)【発明者】
【氏名】浜岡 益生
(72)【発明者】
【氏名】武田 泰樹
【テーマコード(参考)】
4D037
【Fターム(参考)】
4D037AA01
4D037AA09
4D037AB03
4D037BA18
(57)【要約】
【課題】流路を流れる水に対する除菌のバラつきを抑制することが可能な除菌装置を提供する。
【解決手段】除菌装置は、筐体と、流路部材と、紫外光源とを備える。流路部材は、筐体に収納されている。流路部材の内部には、流路が形成されている。流路部材は、流路へと除菌対象の水を流入させる流入口と、流路から水を流出させる流出口とを有している。紫外光源は、流出口側から流路部材の内部に紫外線を照射する。紫外線に対する流路部材の反射率は、紫外線に対する筐体の反射率よりも大きい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
流路部材と、
紫外光源とを備え、
前記流路部材は、前記筐体に収納されており、
前記流路部材の内部には、流路が形成されており、
前記流路部材は、前記流路へと除菌対象の水を流入させる流入口と、前記流路から前記水を流出させる流出口とを有しており、
前記紫外光源は、前記流出口側から前記流路部材の内部に紫外線を照射し、
前記紫外線に対する前記流路部材の反射率は、前記紫外線に対する前記筐体の反射率よりも大きい、除菌装置。
【請求項2】
仕切り部材をさらに備え、
前記仕切り部材は、前記流出口と対向している第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有し、
前記仕切り部材には、前記第1面から前記第2面に向かう方向に沿って前記仕切り部材を貫通している開口部が形成されており、
前記紫外光源は、前記第2面側から前記開口部に挿入されている発光部を有し、
前記紫外線に対する前記仕切り部材の反射率は、前記紫外線に対する前記筐体の反射率よりも大きい、請求項1に記載の除菌装置。
【請求項3】
平面視において、前記流出口の開口縁の形状は、前記開口部の外形に沿っている、請求項2に記載の除菌装置。
【請求項4】
前記流路は、前記流出口側において、前記流路の断面積が前記流出口側に近づくにつれて小さくなるテーパ部を有する、請求項1に記載の除菌装置。
【請求項5】
前記流路部材は、前記流入口を有する第1部材と、前記流出口を有する第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材の間にある第3部材とで構成されており、
前記テーパ部は、前記第2部材にある前記流路である、請求項4に記載の除菌装置。
【請求項6】
前記流路の内壁面には、前記流路を通る前記水を前記流路内において前記流路の延在方向に沿う旋回軸回りに旋回させる複数の旋回羽根が形成されている、請求項1に記載の除菌装置。
【請求項7】
前記流路部材は、前記流入口を有する第1部材と、前記流出口を有する第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材の間にある第3部材とで構成されており、
前記複数の旋回羽根は、前記第3部材にある前記流路の内壁面に形成されている、請求項6に記載の除菌装置。
【請求項8】
前記流路は、第1方向に沿っており、
前記流路部材は、前記第1方向において複数の部材に分割されており、
前記複数の部材のうちの1つは、前記第1方向に沿う回転軸回りに第2方向に回転されることにより、前記第1方向における下方から隣接している前記複数の部材のうちの他の1つに嵌合され、
前記複数の部材のうちの前記第1方向において最も下方にある1つは、前記第2方向に回転されることにより、前記筐体に嵌合される、請求項1に記載の除菌装置。
【請求項9】
前記複数の部材は、前記流入口を有する第1部材と、前記流入口を有する第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材に挟み込まれている第3部材とで構成されており、
前記第1部材は、前記第2方向に回転されることにより前記筐体に嵌合され、
前記第2部材は、前記第2方向に回転されることにより前記第3部材に嵌合され、
前記第3部材は、前記第2方向に回転されることにより前記第1部材に嵌合される、請求項8に記載の除菌装置。
【請求項10】
前記第2部材は、前記第2方向に回転される際のみ前記第3部材に嵌合される、請求項9に記載の除菌装置。
【請求項11】
前記流路部材の構成材料は、フッ素樹脂である、請求項1に記載の除菌装置。
【請求項12】
前記紫外光源は、前記紫外線を発生させるLEDである、請求項1に記載の除菌装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の前記除菌装置を備える、温水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌装置及び温水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許第6080937号公報(特許文献1)には、流体殺菌装置が記載されている。特許文献1に記載の流体殺菌装置は、流路管と、光源とを有している。流路管の内部には、流路がある。流路の延在方向において、流路管は、流入口と、流出口とを有している。除菌対象となる水は、流入口において流路に流入し、流出口において流路から流出する。光源は、流出口から流路を流れる水に対して紫外線を照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の流体殺菌装置は、除菌対象となる水に対する除菌の程度にバラつきが生じることがある。本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、流路を流れる水に対する除菌のバラつきを抑制することが可能な除菌装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の除菌装置は、筐体と、流路部材と、紫外光源とを備える。流路部材は、筐体に収納されている。流路部材の内部には、流路が形成されている。流路部材は、流路へと除菌対象の水を流入させる流入口と、流路から水を流出させる流出口とを有している。紫外光源は、流出口側から流路部材の内部に紫外線を照射する。紫外線に対する流路部材の反射率は、紫外線に対する筐体の反射率よりも大きい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の除菌装置によると、流路を流れる水に対する除菌のバラつきを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1中のII-IIにおける除菌装置100の断面図である。
【
図3】
図1中のIII-IIIにおける除菌装置100の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。実施形態に係る除菌装置を、除菌装置100とする。
【0009】
(除菌装置100の構成)
以下に、除菌装置100の構成を説明する。
【0010】
図1は、除菌装置100の正面図である。
図2は、
図1中のII-IIにおける除菌装置100の断面図である。
図1及び
図2に示されているように、除菌装置100は、筐体10と、流路部材20と、透光板30と、ヒートシンク40と、紫外光源50と、仕切り部材60とを有している。
【0011】
筐体10は、第1方向DR1において、第1端10aと第2端10bとを有している。第1方向DR1は、後述する流路21に沿う方向である。筐体10は、流入口11と、流出口12とを有している。流入口11及び流出口12は、筐体10の側壁に形成されている。流入口11及び流出口12は、筐体10の内部空間に連通している。流入口11及び流出口12は、それぞれ第1端10a側及び第2端20b側にある。筐体10の構成材料は、例えば樹脂材料である。筐体10の構成材料の具体例としては、SPS(シンジオタクチックポリスチレン)が挙げられる。
【0012】
筐体10は、例えば、第1部材13と、第2部材14と、蓋部材15とを有している。第1部材13は流入口11を有しており、第2部材14は流出口12を有している。第1部材13の第1方向DR1における一方端は、第1端10aをなしている。第1部材13の第1方向DR1における他方端は、開口されている。第2部材14の第1方向DR1における一方端側は、第1部材13の第1方向DR1における他方端にある開口に挿入されている。第2部材14の第1方向DR1における他方端は、開口されている。蓋部材15は、第2部材14の第1方向DR1にある開口を閉塞している。蓋部材15は、第2端10bをなしている。
【0013】
流路部材20は、筐体10に収納されている。すなわち、流路部材20は、筐体10の内部に配置されている。流路部材20の内部には、流路21が形成されている。流路21は、第1方向DR1に沿っている。流路部材20は、第1方向DR1において、第1端20aと、第2端20bとを有している。流路部材20は、流入口22と流出口23とを有している。流入口22は、第1端20a側にある流路部材20の側壁に形成されている。流出口23は、第2端20bに形成されている。流入口22及び流出口23は、流路21に連通している。流入口22は、流入口11に接続されている。流出口23は、第2部材14の内部空間を介して流出口12に接続されている。
【0014】
流路部材20の構成材料は、例えば樹脂材料である。流路部材20の構成材料の反射率は、筐体10の構成材料の反射率よりも高い。筐体10の構成材料の反射率及び流路部材20の構成材料の反射率は、分光反射率計を用いて測定される。流路部材20の構成材料の具体例としては、フッ素樹脂が挙げられる。
【0015】
流路部材20は、第1方向DR1において、第1部材24と、第2部材25と、第3部材26とに分割されている。第1部材24及び第2部材25は、それぞれ、流入口22及び流出口23を有している。第3部材26は、第1方向DR1において第1部材24と第2部材25との間にある。第1部材24の第1方向DR1における一方端は、第1端20aをなしている。第1部材24の第1方向DR1における他方端は、第3部材26の第1方向DR1における一方端と接触している。第3部材26の第1方向DR1における他方端は、第2部材25の第1方向DR1における一方端と接触している。第2部材25の第1方向DR1における他方端は、第2端20bをなしている。
【0016】
第1部材24にある流路21は、流出口23に近づくにつれて、流路面積(第1方向DR1に直交する断面における流路21の面積)が小さくなっている。すなわち、流路21は、流出口23に近づくにつれて流路面積が小さくなるテーパ部を有している。
【0017】
流路21の内壁面には、複数の旋回羽根27が形成されている。より具体的には、旋回羽根27は、第3部材26にある流路21の内壁面に形成されている。
図3は、
図1中のIII-IIIにおける除菌装置100の断面図である。
図3に示されているように、複数の旋回羽根27は、周方向に並んでいる。ここで、周方向とは、第1方向DR1に沿って見た際に、第1方向DR1に沿う流路21の中心軸を中心とする円周の方向である。旋回羽根27は、周方向において第1端27aと第2端27bとを有している。旋回羽根27は、第1端27aの高さ位置が第2端27bの高さ位置よりも高くなるように傾斜している。ここで、高さ位置とは、第1方向DR1における位置であり、第1端10aから離れているほど高さ位置が高くなるものとする。
【0018】
図4は、流路部材20の分解斜視図である。
図4に示されているように、第1部材24の第1方向DR1における他方端には、凹部24aが形成されている。第3部材26の第1方向DR1における一方端には、凸部26aが形成されている。凹部24aに凸部26aが配置されることにより、第1部材24と第3部材26とが嵌合されている。
【0019】
周方向に沿う回転方向の一方を、第2方向DR2とする。周方向に沿う回転方向の他方を、第3方向DR3とする。図示されている例では、第2方向DR2が反時計回り方向であり、第3方向DR3が時計回り方向である。
【0020】
第3部材26の第1方向DR1における他方端には、凹部26bが形成されている。
図5は、第2部材25の底面図である。
図5に示されているように、第2部材25の第1方向DR1における一方端には、凸部25aが形成されている。凸部25aが凹部26bに配置されることにより、第2部材25は、第3部材26に嵌合される。
【0021】
図6は、第1部材24の底面図である。
図6に示されているように、第1部材24の外壁面には、凹部24bが形成されている。凹部24bは、第1部材24の底壁と側壁とが連なっている角部にある。
図7は、第1部材13の平面図である。
図7に示されているように、第1端10aにある第1部材13の内壁面には、凸部13aが形成されている。凸部13aは、第1部材13の底壁と側壁とが連なっている角部にある。凸部13aは、第2方向DR2を向いている。第1部材24は、凸部13aが凹部24bに配置されることにより、第1部材13(筐体10)に嵌合される。
【0022】
筐体10(第1部材13)及び流路部材20は、以下の方法により組み立てられる。第1に、第1部材13内に、第1部材24、第3部材26及び第2部材25がこの順で落とされる。第2に、第2部材25が、第2方向DR2に回転される。これにより、凸部25aが凹部24bに挿入され、第2部材25が第3部材26に嵌合される。なお、第2部材25を第3方向DR3に回転させても、同様に第2部材25が第3部材26に嵌合されることになる。
【0023】
第3に、第2部材25が、第2方向DR2にさらに回転される。上記のとおり第2部材25と第3部材26とが嵌合されているため、第3部材26も第2部材25とともに第2方向DR2に回転する結果、凸部26aが凹部24aに挿入され、第3部材26が第1部材24と嵌合される。第4に、第2部材25が、第2方向DR2にさらに回転される。上記のとおり第2部材25、第3部材26及び第1部材24が互いに嵌合されているため、第1部材24も第2方向DR2に回転する。その結果、凸部13aが凹部24bに挿入され、第1部材24が第1部材13に嵌合される。このように、第2部材25を第2方向DR2に回転させていくことにより、第1部材13及び流路部材20組み立てが完了することになる。
【0024】
なお、上記のようにして流路部材20が正しく組み立てられない場合、流路部材20が第1部材13から過度に突出してしまい、第2部材14を第1部材13に取り付けることができなくなる。
【0025】
図2に示されているように、透光板30は、第2端20b(流出口23)と第1方向DR1において間隔を空けて対向するように筐体10に収納されている。より具体的には、透光板30は、第2部材14の内部に配置されている。透光板30の構成材料は、紫外線を透過させる材料である。ヒートシンク40は、筐体10に収納されている。より具体的には、ヒートシンク40は、第2部材14の内部に配置されている。ヒートシンク40には、凹部40aが形成されている。ヒートシンク40は、凹部40aを閉塞するように、透光板30を保持している。ヒートシンク40の構成材料は、例えば金属材料である。ヒートシンク40の構成材料の具体例としては、アルミニウム合金が挙げられる。
【0026】
紫外光源50は、例えば複数の発光部51を有している。発光部51は、例えば紫外線を発生させるLED(Light Emitting Diode)で構成されている。発光部51を構成しているLEDの数は、複数であってもよい。紫外光源50は、発光部51が透光板30と間隔を空けて対向するように、凹部40aの底面上に配置されている。紫外光源50において発生した紫外線は、透光板30を透過して流出口23から流路21を流れる水に照射される。図示されていないが、紫外光源50に接続されているハーネスは、ヒートシンク40に形成されている貫通穴を通って除菌装置100の外部に引き出され、電源に接続されている。
【0027】
図8は、第2部材25の平面図である。
図8に示されているように、流出口23の開口縁は、平面視において(第1方向DR1に沿って見た際に)開口部61の外形(
図9を参照)に沿っている。ここで、開口部61の外形は、発光部51の数が複数である場合、複数の開口部61全体の外形である。
【0028】
仕切り部材60は、透光板30と紫外光源50との間に配置されている。
図9には、紫外光源50が合わせて示されている。
図9は、仕切り部材60の斜視図である。
図9に示されているように、仕切り部材60には、複数の開口部61が形成されている。なお、開口部61の数は、発光部51の数に等しい。開口部61は、発光部51に対向配置されている。仕切り部材60は、第1面60aと、第2面60bとを有している。第1面60aは、流出口23(透光板30)と間隔を空けて対向している。第2面60bは、第1面60aの反対面である。開口部61は、第1面60aから第2面60bに向かう方向に仕切り部材60を貫通している。
【0029】
発光部51は、第2面60b側から開口部61に挿入されている。発光部51は、第1面60aから突出していてもよい。仕切り部材60の構成材料の反射率は、例えば、筐体10の構成材料の反射率よりも高い。仕切り部材60の構成材料の反射率は、筐体10の構成材料の反射率及び流路部材20の構成材料の反射率と同様に測定される。仕切り部材60の構成材料は、例えば、樹脂材料である。仕切り部材60の構成材料の具体例としては、フッ素樹脂が挙げられる。
【0030】
<変形例1>
上記においては、流路部材20が第1方向DR1において3分割されている例を示したが、流路部材20の分割数は3に限られるものではない。流路部材20の分割数は2であってもよく、4以上であってもよい。この場合も、流路部材20を構成している部材のうちの1つは、第2方向DR2に回転することにより、下方から隣接している流路部材20を構成している部材のうちの他の1つに嵌合される。また、流路部材20を構成している部材のうちの最も下方にある1つは、第2方向DR2に回転されることにより、第1部材13に嵌合される。
【0031】
<変形例2>
第3部材26の第1方向DR1における他方端には、凹部26bに代えて、第1接触面と第2接触面とが形成されていてもよい。第1接触面及び第2接触面は、第3方向DR3を向いている。このことを別の観点から言えば、第3部材26の第1方向DR1における他方端の高さ位置は、第3方向DR3に沿って第1接触面から第2接触面に向かうにつれて高くなっているとともに、第3方向DR3に沿って第2接触面から第1接触面に向かうにつれて高くなっている。
【0032】
第2部材25の第1方向DR1における一方端には、凸部25aに代えて、第3接触面と第4接触面とが形成されていてもよい。第3接触面及び第4接触面は、第2方向DR2を向いている。このことを別の観点から言えば、第2部材25の第1方向DR1における他方端の高さ位置は、第3方向DR3に沿って第3接触面から第4接触面に向かうにつれて高くなっているとともに、第3方向DR3に沿って第4接触面から第3接触面に向かうにつれて高くなっている。第3接触面及び第4接触面がそれぞれ第1接触面及び第2接触面と接触することにより、第2部材25は第3部材26に嵌合される。この場合、第2部材25を第2方向DR2に回転させれば、第2部材25が第3部材26に嵌合される。しかしながら、第2部材25を第3方向DR3に回転させても、第2部材25が第3部材26に嵌合されることはない。
【0033】
(除菌装置100の動作)
以下に、除菌装置100の動作を説明する。
【0034】
除菌対象の水は、流入口11から供給される。流入口11は流入口22に接続されているため、除菌対象の水は、流入口11及び流入口22を通って、流路21に流入する。流路21に流入した水は、流路21を通って流出口23に向かう。流路21を流れた水は、流出口23から流出する。流出口23から流出した水は、第2部材14の内部空間、より具体的にはヒートシンク40の周囲を流れる。水がヒートシンク40の周囲を流れることにより、ヒートシンク40、ひいては紫外光源50が冷却される。第2部材14の内部空間を流れた水は、流出口12から流出する。
【0035】
紫外光源50において発生した紫外線が流入口22から流路21の内部に照射されるため、除菌対象の水は、流路21を流れることにより、紫外線に曝される。このような紫外線への曝露により、除菌装置100は、流入口11から流入し、かつ流出口12から流出する水に対して除菌を行うことができる。
【0036】
(除菌装置100を用いた温水装置)
以下に、除菌装置100を用いた温水装置を説明する。この温水装置を、温水装置200とする。
【0037】
図10は、温水装置200の模式図である。
図10に示されているように、温水装置200は、給湯管路201と、循環管路202と、注湯管路203とを有している。給湯管路201は、一方端において上水道に接続されている。給湯管路201は、他方端において給湯栓に接続されている。給湯管路201の経路上には、熱交換器201aがある。循環管路202は、一方端及び他方端において、循環アダプタ202aに接続されている。循環アダプタ202aは、浴槽204に取り付けられている。循環管路202の経路上には、ポンプ202b、熱交換器202c及び除菌装置100がある。注湯管路203は、一方端において給湯管路201に接続されており、他方端において循環管路202に接続されている。注湯管路203の経路上には、弁203aがある。
【0038】
給湯動作においては、給湯管路201の一方端に接続されている上水道から、給湯管路201に水が供給される。水は、熱交換器201aを通過する。水は、熱交換器201aを通過する際、バーナ201bが発生させる燃焼ガスとの間で熱交換を行うことにより、昇温される。昇温された水は、給湯管路201の他方端に接続されている給湯栓から出湯されることになる。
【0039】
追い焚き動作においては、ポンプ202bが、循環アダプタ202aを介して、浴槽204に貯留されている水を、循環管路202の一方端から循環管路202の他方端に向かって循環させる。循環管路202の経路上には除菌装置100があるため、循環管路202を循環する水は、除菌装置100を通ることにより、除菌される。また、循環管路202を循環する水は、熱交換器202cを通過する際、バーナ202dが発生させる燃焼ガスとの間で熱交換を行うことにより、昇温される。昇温された水は、循環管路202の他方端に達し、循環アダプタ202aから浴槽204に戻される。
【0040】
注湯動作においては、弁203aが開状態とされる。そのため、熱交換器201aを通過して昇温された水は、注湯管路203を流れて循環管路202に達し、循環管路202の一方端から循環アダプタ202aを介して浴槽204に注湯される。
【0041】
(除菌装置100の効果)
以下に、除菌装置100の効果を説明する。
【0042】
除菌装置100では、流路部材20が筐体10よりも反射率の高い材料で構成されている。そのため、紫外光源50が流入口22から流路21に紫外線を照射すると、当該紫外線は、流路21の内壁面において乱反射される。そのため、流路21を流れる水は、満遍なく紫外線に曝露されることになり、流路21を流れる水に対する除菌のバラつきを抑制することが可能である。
【0043】
除菌装置100では、発光部51が第2面60b側から開口部61に挿入されているため、発光部51において発生する紫外線は、第2面60b側、すなわち紫外光源50が配置される側に照射されにくい。また、仕切り部材60が反射率の高い材料で構成されているため、流路21に対して直接照射されなかった紫外線も、仕切り部材60(第1面60a)で反射された上で流路21へと向かう。そのため、紫外光源50において発生した紫外線の除菌における利用効率が高まり、除菌装置100の除菌能力が改善されている。
【0044】
除菌装置100では、流路21がテーパ部を有している。また、流出口23の開口縁が開口部61の外形に沿っている。そのため、流路21を流れる水は、紫外線が照射されることなく流路21から流出しがたくなっている。このように、除菌装置100では、紫外線で除菌されていない水が発生しがたく、除菌ムラの発生を抑制できる。除菌装置100では、複数の旋回羽根27を通過することにより、流路21を流れる水が、第1方向DR1に平行な流路21の中心軸(旋回軸)回りに、渦巻き状に旋回される。そのため、除菌装置100では、水が流路21内を満遍なく流れることにより紫外線の曝露量が均一化され、除菌ムラの発生を抑制できる。
【0045】
除菌装置100では、流路部材20が第1方向DR1において複数の部材に分割されており、当該複数の部材のうちの1つが第2方向DR2に回転することにより、下方から隣接している当該複数の部材のうちの他の1つに嵌合される。また、上記複数の部材のうちの最も下方にある1つが第2方向DR2に回転することにより、第1部材13に嵌合される。そのため、上記複数の部材のうちの最も上方にある1つ、より具体的には第2部材25を第2方向DR2に回転させ続けることにより、流路部材20及び第1部材13の組み立てを完了することができる。なお、第2部材25を第3方向DR3に回転されると第3部材26に嵌合されない場合、流路部材20が過度に突出してしまい第2部材14を取り付けることができなくなるため、正しい組み立て手順が構造的に担保される。
【0046】
除菌装置100では、紫外光源50にLEDが用いられているため、紫外線を発生させるために必要な電力を低減することが可能である。
【0047】
(付記)
以下に、本実施形態に含まれている各構成を付記する。
【0048】
<付記1>
筐体と、
流路部材と、
紫外光源とを備え、
前記流路部材は、前記筐体に収納されており、
前記流路部材の内部には、流路が形成されており、
前記流路部材は、前記流路へと除菌対象の水を流入させる流入口と、前記流路から前記水を流出させる流出口とを有しており、
前記紫外光源は、前記流出口側から前記流路部材の内部に紫外線を照射し、
前記紫外線に対する前記流路部材の反射率は、前記紫外線に対する前記筐体の反射率よりも大きい、除菌装置。
【0049】
<付記2>
仕切り部材をさらに備え、
前記仕切り部材は、前記流出口と対向している第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有し、
前記仕切り部材には、前記第1面から前記第2面に向かう方向に沿って前記仕切り部材を貫通している開口部が形成されており、
前記紫外光源は、前記第2面側から前記開口部に挿入されている発光部を有し、
前記紫外線に対する前記仕切り部材の反射率は、前記紫外線に対する前記筐体の反射率よりも大きい、付記1に記載の除菌装置。
【0050】
<付記3>
平面視において、前記流出口の開口縁の形状は、前記開口部の外形に沿っている、付記2に記載の除菌装置。
【0051】
<付記4>
前記流路は、前記流出口側において、前記流路の断面積が前記流出口側に近づくにつれて小さくなるテーパ部を有する、付記1から付記3のいずれか1項に記載の除菌装置。
【0052】
<付記5>
前記流路部材は、前記流入口を有する第1部材と、前記流出口を有する第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材の間にある第3部材とで構成されており、
前記テーパ部は、前記第2部材にある前記流路である、付記4に記載の除菌装置。
【0053】
<付記6>
前記流路の内壁面には、前記流路を通る前記水を前記流路内において前記流路の延在方向に沿う旋回軸回りに旋回させる複数の旋回羽根が形成されている、付記1から付記5のいずれか1項に記載の除菌装置。
【0054】
<付記7>
前記流路部材は、前記流入口を有する第1部材と、前記流出口を有する第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材の間にある第3部材とで構成されており、
前記複数の旋回羽根は、前記第3部材にある前記流路の内壁面に形成されている、付記6に記載の除菌装置。
【0055】
<付記8>
前記流路は、第1方向に沿っており、
前記流路部材は、前記第1方向において複数の部材に分割されており、
前記複数の部材のうちの1つは、前記第1方向に沿う回転軸回りに第2方向に回転されることにより、前記第1方向における下方から隣接している前記複数の部材のうちの他の1つに嵌合され、
前記複数の部材のうちの前記第1方向において最も下方にある1つは、前記第2方向に回転されることにより、前記筐体に嵌合される、付記1から付記7のいずれか1項に記載の除菌装置。
【0056】
<付記9>
前記複数の部材は、前記流入口を有する第1部材と、前記流入口を有する第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材に挟み込まれている第3部材とで構成されており、
前記第1部材は、前記第2方向に回転されることにより前記筐体に嵌合され、
前記第2部材は、前記第2方向に回転されることにより前記第3部材に嵌合され、
前記第3部材は、前記第2方向に回転されることにより前記第1部材に嵌合される、付記8に記載の除菌装置。
【0057】
<付記10>
前記第2部材は、前記第2方向に回転される際のみ前記第3部材に嵌合される、付記9に記載の除菌装置。
【0058】
<付記11>
前記流路部材の構成材料は、フッ素樹脂である、付記1から付記10のいずれか1項に記載の除菌装置。
【0059】
<付記12>
前記紫外光源は、前記紫外線を発生させるLEDである、付記1から付記11のいずれか1項に記載の除菌装置。
【0060】
<付記13>
付記1から付記12のいずれか1項に記載の前記除菌装置を備える、温水装置。
【0061】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記の実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
100 除菌装置、10 筐体、10a 第1端、10b 第2端、11 流入口、12 流出口、13 第1部材、13a 凸部、14 第2部材、15 蓋部材、20 流路部材、20a 第1端、20b 第2端、21 流路、22 流入口、23 流出口、24 第1部材、24a 凹部、24b 凹部、25 第2部材、25a 凸部、26 第3部材、26a 凸部、26b 凹部、27 旋回羽根、27a 第1端、27b 第2端、30 透光板、40 ヒートシンク、40a 凹部、50 紫外光源、51 発光部、60 仕切り部材、60a 第1面、60b 第2面、61 開口部、DR1 第1方向、DR2 第2方向、DR3 第3方向、200 温水装置、201 給湯管路、201a 熱交換器、201b バーナ、202 循環管路、202a 循環アダプタ、202b ポンプ、202c 熱交換器、202d バーナ、203 注湯管路、203a 弁、204 浴槽。