(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006437
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】減圧包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 31/02 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B65B31/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107229
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水口 健太
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 利隆
(72)【発明者】
【氏名】浅賀 琢磨
【テーマコード(参考)】
3E053
【Fターム(参考)】
3E053AA06
3E053BA09
3E053CA01
3E053CB02
3E053FA01
3E053GA20
3E053JA10
(57)【要約】
【課題】衣類類を圧縮パックする減圧包装機に改良を加え、時間や料金を表示する表示器を備え、運転開始時の制御と、運転終了時の制御が適切に行える減圧包装機を提供する。
【解決手段】実施形態の減圧包装機は、開閉可能な蓋部が取り付けられ、被包装物が収納された包装袋を収容可能な内部空間を有するチャンバーと、前記内部空間を減圧する減圧ポンプと、前記減圧ポンプによって前記チャンバーの内部空間を減圧することで脱気された前記包装袋の開口部をシールするシール装置と、筐体の正面に設けられ、全工程時間又は運転開始許可時間を表示する表示器と、を有し、前記蓋部が閉じられて、前記減圧ポンプにより前記チャンバー内の圧力が所定の設定値となった時、前記全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を開始することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な蓋部が取り付けられ、被包装物が収納された包装袋を収容可能な内部空間を有するチャンバーと、
前記内部空間を減圧する減圧ポンプと、
前記減圧ポンプによって前記チャンバーの内部空間を減圧することで脱気された前記包装袋の開口部をシールするシール装置と、
筐体の正面に設けられ、全工程時間又は運転開始許可時間を表示する表示器と、
を有し、
前記蓋部が閉じられて、前記減圧ポンプにより前記チャンバー内の圧力が所定の設定値となった時、前記全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を開始することを特徴とする減圧包装機。
【請求項2】
前記表示器は、少なくとも2つの7セグメント表示器と、少なくとも1つのドットと、で構成され、
前記全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新と共に、前記ドットを0.5秒点滅することを特徴とする請求項1の減圧包装機。
【請求項3】
包装機が待機中であることを、前記2つの7セグメント表示器を用いて回転表示して報知することを特徴とする請求項1の減圧包装機。
【請求項4】
開閉可能な蓋部が取り付けられ、被包装物が収納された包装袋を収容可能な内部空間を有するチャンバーと、
前記内部空間を減圧する減圧ポンプと、
前記減圧ポンプによって前記チャンバーの内部空間を減圧することで脱気された前記包装袋の開口部をシールするシール装置と、
筐体の正面に設けられ、前記蓋部が閉じられて前記減圧ポンプにより前記チャンバー内の圧力が所定の設定値となった時、全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を開始する表示器と、
を有し、
コインセレクタが接続されるコインセレクタ仕様モードであるとき、前記表示器を用いて料金を点滅表示することを特徴とする減圧包装機。
【請求項5】
前記表示器は、少なくとも2つの7セグメント表示器と、少なくとも1つのドットと、で構成され、
前記コインセレクタ仕様モードの待機中であるとき、前記7セグメント表示器に設定料金を点滅表示することを特徴とする請求項4に記載の減圧包装機。
【請求項6】
前記7セグメント表示器に前記コインセレクタからの入金額を点滅表示することを特徴とする請求項5に記載の減圧包装機。
【請求項7】
前記設定料金の入金が完了したとき、前記7セグメント表示器に前記運転開始許可時間を表示し、
運転許可中は前記全工程時間又は運転開始許可時間をカウント更新と共に、前記ドットを0.5秒点滅することを特徴とする請求項6に記載の減圧包装機。
【請求項8】
開閉可能な蓋部が取り付けられ、被包装物が収納された包装袋を収容可能な内部空間を有するチャンバーと、
前記内部空間を減圧する減圧ポンプと、
前記減圧ポンプによって前記チャンバーの内部空間を減圧することで脱気された前記包装袋の開口部をシールするシール装置と、
筐体の正面に設けられ、前記蓋部が閉じられて前記減圧ポンプにより前記チャンバー内の圧力が所定の設定値となった時、全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を開始する表示器と、
を有し、
外部オプションが接続されるオプション仕様モードであるとき、前記外部オプションからの信号により前記全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を開始することを特徴とする減圧包装機。
【請求項9】
前記表示器は、少なくとも2つの7セグメント表示器と、少なくとも1つのドットと、で構成され、
前記全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新と共に、前記ドットを0.5秒点滅することを特徴とする請求項8の減圧包装機。
【請求項10】
前記蓋部が閉じられて、前記減圧ポンプにより前記チャンバー内の圧力が所定の設定値となった時、運転開始を報知手段で報知し、
前記減圧ポンプによる減圧が停止され、前記チャンバー内が大気圧になったら圧縮パック完成を前記報知手段で報知すると共に、前記蓋部が開いたら前記表示器を待機状態に戻すことを特徴とする請求項1又は請求項4又は請求項7に記載の減圧包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば一般ホテルや旅館、ユースホステル、スポーツ合宿所、カプセルホテル、民宿等の各種の宿泊施設等に設置される衣類等を圧縮パックする減圧包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、出張や旅行をスマートに行うように、かさばる荷物を圧縮パックする宿泊施設向けの減圧包装機(真空包装機とも言う)を2021年から製造・販売している。
その減圧包装機は、半透明のランドリー用ポリ袋に滞在中の洗濯物・衣類を入れ、圧縮パック(ヒートシール)する商品である。そのため、難しい操作は一切不要のワンタッチで簡単ラクラク操作できるように構成されている。
【0003】
衣類等の減圧包装機は、フロント横、エレベーターホール、ランドリールームなどに設置される。利用者は、減圧包装機を用いて、かさばる荷物(衣類等)を素早く圧縮して、コンパクトにして持ち帰ることができるようになった。なお、減圧包装機の機構は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、衣類等を圧縮パックする減圧包装機に改良を加え、時間や料金を表示する表示器を備え、運転開始時の制御と、運転終了時の制御が適切に行える減圧包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の減圧包装機は、開閉可能な蓋部が取り付けられ、被包装物が収納された包装袋を収容可能な内部空間を有するチャンバーと、前記内部空間を減圧する減圧ポンプと、前記減圧ポンプによって前記チャンバーの内部空間を減圧することで脱気された前記包装袋の開口部をシールするシール装置と、筐体の正面に設けられ、全工程時間又は運転開始許可時間を表示する表示器と、を有し、前記蓋部が閉じられて、前記減圧ポンプにより前記チャンバー内の圧力が所定の設定値となった時、前記全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を開始することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る減圧包装機の正面図(a)と、側面図(b)である。
【
図2】実施形態に係る減圧包装機の蓋部をオープンした斜視図である。
【
図3】実施形態に係る減圧包装機の筐体正面に設けた表示器を示す図である。
【
図4】通常仕様における、表示器の背面に設けられる制御基板に組み込まれた表示制御に関連する制御回路の構成を示す図である。
【
図5】減圧包装機が待機中であることを、表示器を用いてグルグル回転表示する表示例を示す図である。
【
図6】コインセレクタ仕様における表示器の待機時の入力料金の表示例、および残り時間の表示例を示す図である。
【
図7】通常仕様およびコインセレクタ仕様における、減圧包装機の状態遷移を示す図である。
【
図8】表示器に運転回数を表示した時の表示例を示す図である。
【
図9】各仕様における待機モード、工程修正モード、料金修正モードの有無を示すテーブル、および表示器に表示されるモードコードの表示例を示す図である。
【
図10】(a)は真空度「60%」に設定した場合の表示器の表示例を示し、(b)はシール時間「1.6秒」に設定した場合の表示器の表示例を示す図である。
【
図11】(a)は設定料金「300円」に設定した場合の表示器の表示例を示し、(b)は設定時間「5分」に設定した場合の表示器の表示例を示す図である。
【
図12】(a)は運転開始許可時間(例えば、「設定時間」5分で設定)の場合の表示例を示し、(b)は運転開始許可時間の残り時間が29秒になった時の表示例を示す図である。
【
図13】(a)は残り時間が「1分10秒」の場合の表示例を示し、(b)は残り時間が「5秒」の場合の表示例を示し、(c)は残り時間が「0秒」又はチャンバー内が大気圧になった状態を示し、(d)は、真空停止中の残り時間が「58秒」の場合の表示例を示す図である。
【
図14】9段ボックス自動販売機をオプションとして減圧包装機に接続した構成例を示す図である。
【
図15】(a)オプション有り[ON]の設定、(b)オプション無し[OFF]の設定を示す図である。
【
図16】減圧包装機を用いた圧縮パックの作成動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1(a)は、実施形態に係る衣類等の減圧包装機(コインセレクタ付き)の正面図、同(b)はその側面図である。
図2は、減圧包装機の蓋部をオープンした斜視図である。
図3は、減圧包装機の筐体正面に取り付けられる表示器を拡大した図である。なお、
図2では、
図1に示したコインセレクタを省略している。
【0009】
図1~
図3に示すように、実施形態に係る減圧包装機10は、上面に包装袋を載置可能な本体部20及び当該本体部20の上面を上方から閉塞する蓋部30からなるチャンバー40と、本体部20に蓋部30を開閉可能に連結するヒンジ機構50と、衣類等の被包装物を収納する包装袋の開口部(被包装物の投入口)をシール(封止)するシール装置60とを備える。実施形態の減圧包装機10には、コインセレクタ500や、後述するオプションとして9段ボックス自動販売機600(
図14を参照)等を任意に接続することが出来る。
【0010】
実施形態においては、ヒンジ機構50側を減圧包装機10の背面側、その逆方を正面側とし、当該正面側に対向するように使用者が位置して減圧包装機10を使用するものとする。そして、その筐体正面20aには、表示器100が設けられる。また、筐体正面20aには、停止スイッチ(ランプ)110が設けられている。停止スイッチ110は、動作を停止するスイッチ機能と、待機中の表示を行うランプ機能とがある。
【0011】
チャンバー40は、本体部20の上面を蓋部30が閉塞した
図1に示される閉塞状態にあっては、本体部20の上面と蓋部30との間に気密な内部空間を画成する。本体部20の左側外壁には、溝部を有する回動可能な留め具70が設けられる。一方、蓋部30側の留め具70の上方位置に不図示の突起が設けられる。留め具70を回動させると、留め具70に形成された溝部に突起を嵌合させてロックする。これにより、本体部20に対して蓋部30を開放不能に固定することができ、未使用時又は持ち運び時等において、減圧包装機10の蓋部30の不要な開放を防止する。
【0012】
衣類等の被包装物を収納する包装袋の開口部をシールするシール装置60は、上シールブロック60aと、下シールブロック60bとで構成される。また、下シールブロック60bには、包装袋の開口部を熱溶解してシールするヒータ線が長手方向(ほぼ全長)に設けられる。なお、ヒータ線は上シールブロック60aに設けても良く、また、上シールブロック60aと下シールブロック60bの両方に設けても良い。シール装置60のヒンジ側には包装袋をチャンバー40の底面40aに案合する傾斜ガイド80が設けられる。傾斜ガイド80に代えて、下シールブロック60bの背面側外壁面に取り付けられ、シール装置60の延在方向である左右方向に沿って延在する側面視クランク状をなすプレート部材を設けても良い。
【0013】
本体部20には、減圧ポンプ(真空ポンプとも言う)120が内蔵されている。減圧ポンプ120によりチャンバー40の内部空間が減圧されている状態において、停止スイッチ110を押下すると減圧ポンプの作動が停止する。停止スイッチ110が押下された場合、後に詳述する減圧ポンプ120の作動(真空引き)が停止すると共に、内部空間の減圧が解除され、内部空間が大気圧に戻ることとなる。
【0014】
図3は、減圧包装機10の本体部20の筐体正面20aに設けた表示器100を拡大した図である。
図3に示すように、表示器100は、例えば2つの7セグメント表示器100a、100bと、例えば1つのドット(LED)100cとで構成される。
図3に示した「残り時間」「秒/数」「点滅:料金」「00円」のラベルは、筐体正面20aに貼付又は描画(印刷を含む)された文字である。
【0015】
7セグメント表示器100a、100bに表示される数字は、数字の点滅、非点滅、およびドット100cの点滅、非点滅の組み合わせにより複数の意味を持たせている。例えば、7セグメント表示器100a、100bで表示される数字が非点滅で、ドット100cが0.5秒点滅している時は、パック開始から蓋部開放までの「全行程時間」が「分」「秒」で表示される。また、後述するコイン投入や外部入力信号により運転可否を時間により制御する「運転開始許可時間」の経過時間が「分」、又は「秒」で表示される。これらの「全行程時間」の残り時間、「運転開始許可時間」の経過時間は、減圧包装機10の運転と共にカウント更新(カウントダウン又はカウントアップ)される。残り時間が1分を過ぎると「秒」表示に変わる。
一方、7セグメント表示器100a、100bに表示される数字が点滅している時は、設定料金又はコインセレクタ500(又は9段ボックス自動販売機600)等からの入金料金を表示する。
これにより、表示器100の表示内容が残り時間や入金料金に応じた表示形態となっているので、利用者は表示内容を確認(理解)しながら衣類等を圧縮パックすることが出来る。表示器100は1つなので、安いコストで構成できる。
【0016】
図4は、表示器100の背面に設けられる制御基板200に組み込まれた表示制御に関連する制御回路の構成を示す図である。制御基板200は、減圧ポンプ120、電磁弁、シールヒータ線等との接続線も有しているが、表示器100の制御には直接関係しないので、
図4からは省略している。
制御基板200は、筐体正面20aの背面に設けられているので、減圧包装機10の使用者には見えない。つまり、減圧包装機10の使用者には表示器100だけが見える構造となっている。減圧包装機10のオーナー又は管理者は、筐体正面20aを取り外して、露出した制御基板200からのパネル操作により、利用者に提供する動作環境を任意に設定することが出来る。
【0017】
図4に示すように、制御基板200には、表示制御プログラム210aを内蔵メモリに組み込んだCPU210(制御手段)と、表示器100と、第1ランプ(LED)220と、第2ランプ(LED)230と、スイッチSW1~SW6等が実装されている。またCPU210には、蓋部30の開閉信号300、チャンバー40内に設けられる圧力センサからの信号310、コインセレクタ500からの信号320、外部オプションからの信号330等が入力される。更に、CPU210からランプの表示信号340、ブザー報知信号350が出力される。なお、ブザー報知に代えて、他の報知手段(ランプ等の表示)に対する報知信号であっても良い。
CPU210は、表示制御プログラム210aに基づいて表示器100の表示制御を実行する。また、スイッチSW1~SW6の操作に応じて、減圧包装機10の動作環境を設定することが出来る。また、修正モードのとき、待機中を表示する停止スイッチ110のランプを消灯する表示信号340を出力する。
【0018】
以下、表示器100を有する減圧包装機10の仕様について説明する。
(機種仕様)
減圧包装機10には、通常仕様、コインセレクタ仕様、オプション、の少なくとも1つ以上が用意されている。それらの組み合わせが
図9(a)に例示している。オーナーは、これらの仕様環境を営業形態に合わせて設定することが出来る。減圧包装機10は、3つの仕様毎に待機中の表示器100の表示内容や、運転開始方法等が異なっている。
【0019】
(通常仕様)
通常仕様は、コインセレクタ500が接続されていない。9段ボックス自動販売機600等のオプションとの接続は、オーナーにより任意に選択できる。
通常仕様の待機中である時、CPU210は表示器100の7セグメント表示器100a、100bを用いて、
図5に示すようにグルグル回転表示する。利用者は、表示器100のグルグル回転表示を見ると、減圧包装機10が利用可能であると認識できる。利用者が、チャンバー40内に衣類等を入れた包装袋をセットした状態で蓋部30を閉じると、CPU210は、蓋部30が閉じられたことを閉信号300にて検出する。そして、減圧ポンプ120を作動してチャンバー40内の減圧を開始する。
【0020】
CPU210は、チャンバー40内の減圧を測定する圧力センサからの信号310を受信している。その圧力センサからの信号310から、チャンバー40の真空度が所定の設定値に到達(例えば、大気圧を0%としたならば、5%以上真空引きした時)したことを検出したならば、ブザー報知信号350を出力して利用者に報知すると共に、表示器100に予め設定される「全工程時間」(例えば、1つの圧縮パックを生成して取り出すまでの推定時間、例えば「29秒」)を表示し、圧縮パック動作を開始する。つまり、蓋部30を閉めた時の閉信号300だけでは動作せず、圧力センサからの信号310からチャンバー40内に圧力が設定値となった段階(つまり、蓋部30が完全に密着したと判断できる値)で動作を開始する。
所定の設定値を5%以上の真空引きとする理由は、例えば蓋部30を開けた状態で真空引きすると4%程度になるので、5%以上の値であれば、蓋部が密着している状態となったと推定できるからである。
【0021】
そして、CPU210は、動作と連動して表示器100に表示される全工程時間を「残り時間」としてカウント更新(以下では、カウントダウンとする)を行う。そして、減圧包装機10の全工程(包装袋のセット-真空工程-シール工程-冷却工程-包装袋の取り出し)と共に表示器100の残り時間をカウントダウンして、例えば0秒になると動作を終了する。
このように、蓋部30が完全に密着したと判断できる減圧値で、圧縮パック動作を開始すると共に、ブザー報知信号350で利用者に報知する方式としたことで、蓋部30を閉めてから密着開始するまでの時間に作業者によりムラが生じるのを解消することが出来る。また、蓋部30が密着したという状態をブザーで報知する方式により、蓋部30を上から押圧した手を放して良いタイミングが明確になり、利用者の操作性を向上することが出来る。
【0022】
(コインセレクタ仕様)
図1に示すように、減圧包装機10にコインセレクタ500を接続し、コインセレクタ500と連動して運転を行う仕様である。9段ボックス自動販売機600等のオプションとの接続は、オーナーにより任意に選択できる。
図6は、コインセレクタ仕様における表示器100の待機時の入力料金の表示例、および残り時間の表示例を示している。
図6(a)、(b)に示すように、7セグメント表示器100a,100bの数字が点滅している表示形態では、利用者は表示器100の数字が料金であると認識できる。
【0023】
図6(a)に示すように、コインセレクタ仕様の待機時である時、CPU210は現在コースの設定金額(例えば、500円)を点滅表示する。同(b)に示すように、コインセレクタ500にお金が入金されると、コインセレクタ500からの信号320に従って、CPU210は投入金額(例えば、100円、200円、…、500円)をカウントアップして点滅表示する。CPU210は、設定金額の投入完了を検出すると、同(c)に示すように運転開始許可状態に一定時間(運転開始許可時間)移行する。このように、コインセレクタ500の入金料金管理は、減圧包装機10のCPU210で実行される。
【0024】
図6(c)に示すように、例えば運転開始許可時間を5分の場合、表示器100には直ちに「5分」の表示と、ドット100cを0.5秒点滅する表示形態となる。「5分」の表示は、4分59秒からカウントダウンが行われることを意味する。
コインセレクタ仕様においても、運転開始許可状態にてチャンバー40の減圧処理が開始される。運転中は、表示器100によって終了までの全行程時間をカウントダウンしていく。即ち、通常仕様と同様に、CPU210は、蓋部30の閉信号300と、圧力センサからの信号310とに基づいて、圧縮パックの作成動作を開始すると「全工程時間」(例えば、「29秒」)を7セグメント表示器100a,100bに表示し、全工程動作と共にカウントダウンする。
【0025】
圧縮パックの作成が終了した停止状態では、ドット100cの0.5秒点滅と共に、4分59秒から1回目の圧縮パック作成に要した作業時間(例えば、40秒)を引いた時間4分19秒を示す「4分」を表示器100に表示する。残り時間が十分残っている場合、チャンバー40内に次の包装袋をセットして、何回でも圧縮パック処理を行うことが出来る。
この操作を繰り返し実行して圧縮パックを作成する。残り時間が2分を切ると、
図6(d)に示すように、ドット100cを0.5秒点滅すると共に、7セグメント表示器100a,100bに「60」秒を表示して、カウントダウンする。併せて、「秒」表示の場合、「秒」ランプ(LED)100jを点灯表示する。ただし、「秒」ランプ100jは利用者には見えない。このように「分」単位の表示形態であっても、利用者はドットの0.5秒点滅により、カウントダウンが正常に行われていること認識できる。
【0026】
(状態遷移)
図7は、通常仕様およびコインセレクタ仕様における、減圧包装機10の状態遷移を示している。オーナー又は管理者は、以下の作業工程によって減圧包装機10の動作設定を行うことが出来る。
図7に示すように、電源が起動されると(S100)、表示器100に減圧包装機10のこれまでの運転回数を2秒間表示する(S110)。また、例えば9段ボックス自動販売機600をオプションとして接続する場合、電源起動後にオプション設定(S120)することが出来る。
【0027】
図8は、ステップS110において、表示器100に表示される減圧包装機10のこれまでの運転回数(例えば、「0105」)の表示例を示している。3~4桁の運転回数を、2つの7セグメント表示器100a、100bでは表示できない。そこで、
図8(a)のように最初に千の位「0」と、百の位「1」の2桁[01]を表示する。この時、ドット100cは点滅していないので、運転回数の上位2桁の表示であることが認識できる。
次に、
図8(b)のように十の位「0」と、一の位「5」の2桁[05]を表示する。この時、ドット100cを点滅表示することで、運転回数の下位2桁の表示であることが認識できる。これにより、[0]~[9999]迄の運転回数をオーナー又は管理者に提供表示することが出来る。
【0028】
図7に戻り、ステップS110で運転回数を表示した後、待機モードS130に移行する。運転の待機状態を示す待機モードS130から、工程修正モードS140、料金修正モードS150に移行することが出来る。
待機モードS130は、運転可能な状態のモードである。減圧包装機10が待機状態にあるとき、通常仕様の場合は、
図5に示すように表示器100をグルグル回転表示することで、オーナー又は管理者に待機中であることを報知する。また、コインセレクタ仕様の場合は、
図6(a)に示す設定金額の点滅表示を行うことで、待機中であることを報知する。
【0029】
待機モードS130にあるとき、
図4に示すスイッチSW6の押下に応じて、工程修正モードS140、料金修正モードS150に移行することが出来る。
工程修正モードS140では、各仕様の「真空」「シール」「冷却」の設定時間を変更することが出来る。料金修正モードS150では、各仕様の「設定料金」や「許可時間」を変更することが出来る。
【0030】
図9は、通常仕様とコインセレクタ仕様の2つの仕様における待機モード、工程修正モード、料金修正モードの有無を示している。
図9において、外部信号OP無しとは、例えば9段ボックス自動販売機600からの信号が無いことを意味する。外部信号OP有りとは、例えば9段ボックス自動販売機600からの信号が有ることを意味する。そして、待機モードS130、工程修正モードS140、料金修正モードS150のモード切り替えは、
図4のスイッチSW6の押下に従いCPU210が実行する。
【0031】
即ち、CPU210は、待機モードS130である時、表示器100には
図9(b)に示すモードコード[A0]を表示する。そして、スイッチSW6を押下すると工程修正モードS140([A1])に切り替え、更に押下すると料金修正モードS150([A2])に切り替え、3回目の押下により元の待機モードS130に切り替える。
そして、
図9(b)に示すように、表示器100には、スイッチSW6の押下に応じて2秒間、対応するモードコード[A0]→[A1]→[A2]を表示し、モードコード表示後はそれぞれの選択動作へ移行する。
【0032】
また、現在のモードは、
図4に示す第1ランプ220と第2ランプ230によっても明示される。即ち、第1ランプ220および第2ランプ230が共に消灯していれば、待機モードS130を現わしている。また、第1ランプ220が点灯し、第2ランプ230が消灯していれば工程修正モードS140を現わしている。また、第1ランプ220が消灯し、第2ランプ230が点灯していれば料金修正モードS150を現わしている。
オーナー又は管理者は、表示器100又は第1ランプ220と第2ランプ230の表示内容によりモード状態(遷移)を認識することができるので、工程および料金等の修正作業をスムーズに行うことが出来る。
【0033】
(待機モード詳細)
通常仕様の場合、待機モード中であることを
図5に示した表示器100のグルグル回転表示にて認識できる。そして、外部オプション無しの場合には、減圧包装機10のチャンバー40に衣類等を入れた包装袋をセットして、蓋部30の閉信号300で減圧ポンプ120によるチャンバー40内の減圧(真空)を開始し、圧力センサからの信号310が所定の設定値(5%以上)になったことが検出(蓋部30の密閉状態)されると、運転状態(
図7の運転中S170)へ移行する。外部オプション有りの場合には、外部オプションからの信号330の受信にてCPU210は「運転開始許可状態」(
図7の運転中S170)に一定時間移行する。
【0034】
通常仕様の待機中、
図4のスイッチSW1とSW6に以下の機能を持たせている。
スイッチSW1の押下にて、コース切り替えを行う。例えば、季節に応じて衣類の大きさや素材が異なるので、その季節の衣類に応じた「真空時間」「シール時間」「冷却時間」等を設定したコースを予め複数用意して、このスイッチSW1の押下により最適なコースに設定することが出来る。
またスイッチSW6の押下にて、後述する工程修正モードおよび料金修正モードへの切り替えを実行する。
【0035】
コインセレクタ仕様の場合、コインセレクタ500からの入金は待機モード時のみ有効となる。
図6(a)に示したように、表示器100には予め設定した設定金額(例えば、500円)が点滅表示される。また、
図6(b)の示したように、コインセレクタ500からの入金料金は表示器100に点滅表示される。設定金額の到達で、CPU210は「運転開始許可状態」に一定時間移行する。
【0036】
(工程修正モードの詳細)
図7のステップS140の工程修正モードについて説明する。
この工程修正モードS140では、スイッチSW1にて選択したコースの「真空時間」「シール時間」「冷却時間」の修正を行うことが出来る。工程修正モードS140への移行時には、「真空設定」を初期表示とする。なお、修正モード終了時に変更された値はCPU210の内部メモリに記憶される。
工程修正モード中、
図4のスイッチSW2,SW3、SW4に以下の機能を持たせる。
スイッチSW2の押下にて、「真空時間」「シール時間」「冷却時間」の順に切り替えることが出来る。3回目の押下で最初の「真空時間」に戻る。
【0037】
スイッチSW3とSW4の押下にて、「真空時間」「シール時間」「冷却時間」の設定値を変更することが出来る。この場合、スイッチSW2で切り替えた項目の現在の値が表示器100に表示されるので、スイッチSW3でその値を加算(+1)し、スイッチSW4でその値を減算(-1)する。また、スイッチSW3の長押しにて、高速カウントアップを実行する。また、スイッチSW4の長押しにて、高速カウント更新を実行する。なお、真空設定時にあっては、スイッチSW3、SW4を同時押しにて、真空設定(減圧時間[秒]又は減圧率[%])に切り替えて、その値を修正することが出来る。
【0038】
図10(a)は、真空度「60%」に設定した場合の表示器100の表示例を示している。真空度の表示であることが分かるように、制御基板200に真空ランプ(LED)100eを設けても良い。
図10(b)は、シール時間「1.6秒」に設定した場合の表示器100の表示例を示している。シール時間の表示であることが分かるように、制御基板200にシールランプ(LED)100fを設けても良い。
【0039】
(料金修正モードの詳細)
次に、
図7の料金修正モードS150について説明する。
料金修正モードでは選択コースの「設定料金」、「運転開始許可時間」の修正を行うことが出来る。料金修正モードS150への移行の初期表示の項目として、
図6(a)に示した選択中コースの「設定料金」を表示する。なお、外部オプション有り時には、初期表示項目を「運転開始許可時間」とし、「設定料金」の設定には移行しない。
料金修正モードS150中は、
図4のスイッチSW2、SW3、SW4に以下の機能を持たせる。
スイッチSW2の押下にて、「設定料金」と「運転開始許可時間」の切り替えが出来る。
スイッチSW3、SW4の押下にて、「設定料金」および「運転開始許可時間」の設定値を変更することが出来る。この場合、スイッチSW2で切り替えた項目の現在の値が表示器100に表示されるので、スイッチSW3の押下でその値を加算(+1)し、スイッチSW4の押下でその値を減算(-1)する。同様に、スイッチSW3、SW4の長押しにて、高速カウントアップ/ダウンを実行する。
【0040】
図11(a)は、設定料金「300円」に設定した場合の表示器100の表示例を示している。設定料金の表示であることが分かるように、制御基板200に設定料金ランプ(LED)100gを設けても良い。
図11(b)は、運転開始許可時間「5分」に設定した場合の表示器100の表示例を示している。運転開始許可時間の表示であることが分かるように、制御基板200に設定時間ランプ(LED)100hを設けても良い。
運転開始許可時間「5分」は、この時間内であれば何枚でも圧縮パックを行うことが出来るので、圧縮パック作業を要領良く行うと、設定料金「300円」内で沢山の圧縮パックを作成することが出来る。なお、設定料金ランプ100g、および設定時間ランプ100hは、利用者には見えない。
【0041】
(運転開始許可状態)
次に、
図7の運転開始許可S160について説明する。
コインセレクタ仕様、又は外部オプション有り(例えば、9段ボックス自動販売機600との接続)の場合では、「運転開始許可状態」が設けられる。即ち、コインセレクタ仕様では、コインセレクタ500からのコイン投入完了により一定時間「運転開始許可状態」とする。また、外部オプション有りの場合、外部信号30の受信により一定時間「運転開始許可状態」とする。この運転開始許可状態S160で蓋部30が閉じられると、蓋部30の閉信号300で減圧ポンプ120によるチャンバー40内の減圧(真空)を開始する。そして、圧力センサからの信号310が所定の設定値(5%以上)になったことが検出(蓋部30の密閉状態)されると、運転状態(
図7の運転中S170)へ移行する。
【0042】
運転開始許可S160は、表示器100に
図12に示す表示を行う。
図12(a)は、運転開始許可時間(例えば、5分)の表示例を示している。なお、運転開始許可時間は、包装袋の購入数に応じた料金で設定できるようにしても良い。例えば、1枚100円/40秒とすると、包装袋を3枚購入して300円を入金したら「2分」の運転開始許可時間が設定される。
表示器100のドット100cは、0.5秒点滅で表示する。7セグメント表示器100a、100bは、減圧包装機10の動作が開始すると時間経過と共にカウントダウンが行われる。
【0043】
図12(b)は、運転開始許可時間の残り時間が29秒になった時の表示例を示している。「秒」表示であるので、「秒」ランプ100jを点灯する。この状態で、コインセレクタ500からの信号320、又は外部オプションからの信号330が入力されると、開始許可の残り時間を再度初め(5分0秒)からカウントダウンするとしても良い。
運転終了後に運転開始許可時間が残っていた場合は、その残り時間内であれば圧縮パックしたい包装袋を入れて何度でも再運転が可能である。
【0044】
(運転中状態)
次に、
図7の運転中(S170)における、表示器100の表示形態について説明する。
運転中(S170)への状態移行は、利用者によって蓋部30が閉められた時である。蓋部30からの閉信号300はCPU210に通知される。CPU210は、蓋部30の閉信号300を検出し、圧力センサからの信号310の値が設定値であると判断すると、7セグメント表示器100a、100bに「全工程時間」又は「運転開始許可時間」を表示する。そして、CPU210は、チャンバー40内の圧力が設定値であること検出すると、「蓋部30が密着した」と判断してブザー報知信号350によりブザーを鳴らす。利用者は、ブザーを聞くと蓋部30から手を離して大丈夫であることを認識する。CPU210は、蓋部30の閉塞~開放までの「全行程時間」を残り時間として7セグメント表示器100a、100bにて表示する。
【0045】
運転中は、表示器100のドット100cを0.5秒点滅で表示する。減圧包装機10の全行程残時間は「真空途中」「真空完了」「真空開放開始」のタイミングにて誤差補正(カウントの一時停止、カウントのスキップ)を実施することが出来る。
【0046】
図13(a)は、残り時間が「1分10秒」の場合の表示例「2」を示している。即ち、利用者は「2」の表示と、ドット100cの0.5秒点滅にてカウントダウンが進行していることを分かる。
図13(b)は、残り時間が「5秒」の場合の表示例を示している。「秒」表示に切り替わったことを明示するため、「秒」ランプ100jを点灯する。ドット100cは、カウントダウンと共に0.5秒点滅している。
図13(c)は、残り時間が「0秒」又はチャンバー40内が大気圧になった状態を示している。この場合、蓋部30は未だ開ききっていない状態であるので、「秒」ランプ100jの点灯は継続するが、ドット100cは消灯している。
図13(d)は、動作を一時停止した時で、残り時間が「58秒」の場合の表示例を示している。この場合、「秒」ランプ100jの点灯は継続するが、ドット100cは停止中なので点滅していない。
運転終了後、機種設定に応じた表示状態(例えば、待機モードS130)へ戻る。
【0047】
(オプション)
オプションは、
図9(a)に示すように、通常仕様又はコインセレクタ仕様に付加されるオプションである。通常仕様でオプションの場合は、
図5のグルグル回転表示中に外部オプションからの信号330の受信で、運転許可状態となる。また、コインセレクタ仕様でオプションの場合は、設定料金表示で、設定料金が強制的に例えば100円となる。そして、外部オプションからの信号330の受信、又はコインセレクタ500から100円が入金されると運転許可状態となる。
図14に示すように、例えば9段ボックス自動販売機600をオプションとして減圧包装機10に接続することが出来る。この場合、9段ボックス自動販売機600において包装袋を購入するために入金した料金が減圧包装機10で管理されるように表示器100に表示される。即ち、CPU210は、外部オプションからの信号330を受信して、入金管理を行う。オプション仕様の場合の待機中は、
図5と同じグルグル回転表示としている。待機中に蓋部30が閉じられても運転は開始しない。
【0048】
即ち、蓋部30が閉じられた状態で、9段ボックス自動販売機600からの外部オプションからの信号330がCPU210に入力されと、これを受けてCPU210は、上述した「運転開始許可時間」(例えば、5分)を表示器100に設定する。CPU210は、9段ボックス自動販売機600からの信号と、蓋部が完全に密着したと判断できる減圧値で、圧縮パック動作を開始する。この後の動作は、上述したコインセレクタ仕様と同じであるので、その説明は省略する。
運転終了後に運転開始許可時間が残っていた場合は、その残り時間内であれば圧縮パックしたい包装袋を入れて何度でも再運転が可能である。
【0049】
次に、9段ボックス自動販売機600をオプションとして設定する操作について説明する。
図4のスイッチSW5とSW6とを同時に押して、電源を起動する。そして、スイッチSW3を押下すると、
図15(a)に示すオプション有り[ON]が設定される。また、スイッチSW4を押下すると、
図15(b)に示すオプション無し[OFF]が設定される。
なお、ここではオプションとして9段ボックス自動販売機600を例示したが、それ以外のものでも良い。例えば、フロントや売店にて包装袋を販売し、利用者が包装袋を購入したとき、フロントや売店に設けられた用具(例えば、スイッチ、携帯端末、PC)から減圧包装機10に起動信号を送信するようにしても良い。
【0050】
被包装物が衣類等の洗濯物であるため、例えば被包装物の体積を90%程度減少させるといった過度に高い真空度が設定されると、被包装物を入れた包装袋が容易に折り曲がらない固い状態となる。このような固い被包装物は、スーツケース等に収納する際、折り曲げる等して隙間に収納するといった扱いが困難となる。したがって、圧縮パック包装条件として、圧縮パック包装された状態においても被包装物が固くならずに柔らかい状態を保つことができる凡そ70%~80%程度体積を減少可能な値に真空度が予め設定されていることが好ましい。
【0051】
次に、
図16のフローチャートを参照して減圧包装機10を用いた圧縮パックの作成動作を説明する。
利用者は、減圧包装機10の筐体正面20aに設けた表示器100の待機中表示(例えば、
図5又は
図6(a))を確認する(S200)。コインセレクタ仕様の場合、確認作業により、減圧包装機10が使用可能であると判断すると、コインセレクタ500からのコイン投入は信号320によって減圧包装機10に通知され、入金完了と判定すると表示器100に運転開始許可時間(例えば、5分)を表示する(S220)。オプション装置(例えば、9段ボックス自動販売機600)を接続する場合、オプションからの信号330を検知すると(S210)、表示器100に運転開始許可時間(例えば、5分)を表示する(S220)。
【0052】
利用者は、表示器100に表示される「運転開始許可時間」を確認して、衣類等を入れた包装袋をチャンバー40内にセットし、蓋部30を閉じて両手で押し付ける。表示器100には「全工程時間」が表示される(S230)。減圧包装機10は、蓋部30の閉信号300を受け、且つ圧力センサからの信号310が所定の設定値に達すると、ブザー報知を信号350により行うと共に、「全工程時間」の表示となった表示器100のカウント更新を開始する(S240)。減圧動作中の減圧包装機10は、全工程時間が0秒になるまでの間に真空工程、シール工程、冷却工程を順次実行して圧縮パックを生成する(S250)。なお、減圧包装機10における真空工程、シール工程、冷却工程等の動作制御につては、特許文献1に記載した技術をそのまま採用することが出来るので、その説明は省略する。
このように、蓋部30が閉じられて、減圧ポンプ120によりチャンバー30内の圧力が所定の設定値となった時、運転開始をブザーで報知するので、利用者に運転開始が分かる。
【0053】
減圧包装機10は、全工程時間が終了(0秒)するとブザー報知信号350で蓋部30が開くことを利用者に通知する。表示器100の表示は、「運転開始許可時間」に戻し、そのカウント更新を停止する(S260)。利用者は、蓋部30を開放して完成した圧縮パックを減圧包装機10から取り出す(S270)。そして、表示器100に表示される運転開始許可時間に残り時間が有るか否かを判断する(S280)。運転開始許可時間に残り時間から再び圧縮パックが得られ時間と判断すると(S280のYes)、ステップS230(待機中)に戻って、同じ作業を行う。運転開始許可時間の残り時間から圧縮パックが得られ時間でなければ(S280のNo)、処理を終了する。なお、初回の動作では、包装袋をチャンバー40にセットする動作だけをステップS210の前に実施するようにしても良い。
このように、減圧ポンプ120による減圧が停止され、チャンバー30内が大気圧になったら圧縮パック完成と蓋部30の開くことをブザーで報知すると共に、蓋部30が開いたら表示器100を待機状態に戻すので、利用者に圧縮パック完成が分かる。
【0054】
以上説明したように、実施形態の減圧包装機によれば、蓋部30を閉じて減圧開始時に、真空引きにより、チャンバー30内が設定減圧値以上(蓋密着圧)になったら、ブザーで報知すると共に、表示器に表示した「全工程時間」又は「運転開始許可時間」のカウントダウンを行う。また、真空開放後、大気圧になったらブザーで報知すると共に、蓋部30が開いたら表示を待機状態に戻す方式としている。
蓋部30が完全に密着したと判断できる減圧値で、圧縮パック動作を開始する方式であるので、誰もが同じような圧縮パックを得ることが出来る。また、表示器100の2つ7セグメント表示器100a、100bに表示される数字は、数字の点滅、非点滅、およびドット100cの点滅、非点滅の組み合わせにより時間や料金を表現して、利用者に分かり易い表示となっている。
また2つの7セグメント表示器100a、100bを用いて回転表示して、利用者に待機中であることを分かりやすく報知することが出来る。また、コインセレクタ仕様モードでは、1つの表示器100で残り時間と利用料金を表示するのでコストが削減できる。また利用者は、表示器100に表示される残りの時間を把握しながら、圧縮パック操作を実施することが出来る。
【0055】
実施形態の減圧包装機は、開閉可能な蓋部30が取り付けられ、被包装物が収納された包装袋を収容可能な内部空間を有するチャンバー40と、内部空間を減圧する減圧ポンプ120と、減圧ポンプ120によってチャンバー40の内部空間を減圧することで脱気された包装袋の開口部をシールするシール装置60と、筐体の正面20aに設けられ、全工程時間又は運転開始許可時間を表示する表示器100と、を有し、蓋部30が閉じられて、減圧ポンプ120によりチャンバー40内の圧力が所定の設定値となった時、全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を開始する構成である。これにより、蓋部が完全に密着したと判断できる減圧値で、圧縮パック動作を開始する方式であるので、蓋部を閉めてから密着開始するまでの時間に作業者によりムラが生じるのを解消することが出来る。
【0056】
また実施形態の減圧包装機の表示器100は、少なくとも2つの7セグメント表示器100a、100bと、少なくとも1つのドット100cと、で構成され、全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新と共に、前記ドットを0.5秒点滅する構成とする。これにより、ドットの0.5秒点滅によって、2つの7セグメント表示器に表示される全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を認識でき、残りの作業時間を知ることが出来る。
【0057】
また実施形態の減圧包装機の表示器100は、包装機10が待機中であることを、2つの7セグメント表示器100a、100bを用いて回転表示して報知する構成とする。これにより、利用者に待機中であることを分かり易く報知することができる。
【0058】
実施形態の減圧包装機は、開閉可能な蓋部30が取り付けられ、被包装物が収納された包装袋を収容可能な内部空間を有するチャンバー40と、内部空間を減圧する減圧ポンプ120と、減圧ポンプ120によってチャンバーの内部空間を減圧することで脱気された包装袋の開口部をシールするシール装置60と、筐体の正面20aに設けられ、蓋部30が閉じられて減圧ポンプ120によりチャンバー40内の圧力が所定の設定値となった時、全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を開始する表示器100と、を有し、コインセレクタ500が接続されるコインセレクタ仕様モードであるとき、表示器100を用いて料金を点滅表示する構成である。これにより、これにより、蓋部が完全に密着したと判断できる減圧値で、圧縮パック動作を開始する方式であるので、蓋部30を閉めてから密着開始するまでの時間に作業者によりムラが生じるのを解消することが出来る。また、1つの表示器で時間(ドットの点滅)と料金(金額を点滅)を表示しているのでコストが削減できる。
【0059】
また実施形態の減圧包装機の表示器100は、少なくとも2つの7セグメント表示器100a、100bと、少なくとも1つのドット100cと、で構成され、コインセレクタ仕様モードの待機中であるとき、7セグメント表示器100a、100bに設定料金を点滅表示する構成である。これにより、1つの表示器で全工程時間又は運転開始許可時間と設定料金を表示するのでコストが削減できる。また、7セグメント表示器100a、100bで表示される設定料金の点滅表示で料金の表示であることが分かる。
【0060】
また実施形態の減圧包装機は、7セグメント表示器100a、100bにコインセレクタ500からの入金額を点滅表示する構成である。これにより、7セグメント表示器100a、100bで表示される入金額の点滅表示で入金の表示であることが分かる。
【0061】
また実施形態の減圧包装機は、設定料金の入金が完了したとき、7セグメント表示器100a、100bに全工程時間又は運転開始許可時間を表示し、運転許可中は全工程時間又は運転開始許可時間をカウント更新と共に、ドットを0.5秒点滅する構成である。これにより、利用者は、表示器に表示される残りの時間を把握しながら、圧縮パック操作を実施することが出来る。
【0062】
実施形態の減圧包装機は、開閉可能な蓋部30が取り付けられ、被包装物が収納された包装袋を収容可能な内部空間を有するチャンバー40と、内部空間を減圧する減圧ポンプ120と、減圧ポンプ120によってチャンバー40の内部空間を減圧することで脱気された包装袋の開口部をシールするシール装置60と、筐体の正面20aに設けられ、蓋部30が閉じられて減圧ポンプ120によりチャンバー40内の圧力が所定の設定値となった時、全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を開始する表示器100と、を有し、外部オプション600が接続されるオプション仕様モードであるとき、外部オプションからの信号により全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新を開始する構成である。これにより、外部オプションからの信号と、蓋部が完全に密着したと判断できる減圧値で、圧縮パック動作を開始する方式であるので、蓋部30を閉めてから密着開始するまでの時間に作業者によりムラが生じるのを解消することが出来る。
【0063】
また実施形態の減圧包装機の表示器100は、オプション仕様モードであるとき、少なくとも2つの7セグメント表示器100a、100bと、少なくとも1つのドット100cと、で構成され、全工程時間又は運転開始許可時間のカウント更新と共に、ドット100cを0.5秒点滅する構成である。これにより、利用者は、表示器に表示される残りの時間を把握しながら、圧縮パック操作を実施することが出来る。
【0064】
また実施形態の減圧包装機は、蓋部30が閉じられて、減圧ポンプ120によりチャンバー内の圧力が所定の設定値となった時、運転開始を報知手段で報知(350)し、減圧ポンプ120による減圧が停止され、チャンバー30内が大気圧になったら圧縮パック完成を報知手段で報知(350)すると共に、蓋部30が開いたら表示器100を待機状態に戻す構成である。これにより、利用者は、報知手段による報知で、運転開始および圧縮パック完成を知ることが出来る。また、蓋部が空いたら、表示器の表示が待機状態となるので、次の圧縮パック作業に移行でき、操作性が良い。
【0065】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
10…衣類等の減圧包装機、 20…筐体、 20a…筐体の正面
30…蓋部、 40…チャンバー、 50…ヒンジ部、 60…シール装置
70…留め具、 80…傾斜ガイド、 100…表示部
100a、100b…7セグメント表示器、 100c…ドット(LED)
110…リセットランプ、 120…減圧ポンプ、 200…制御基板
210…CPU(制御手段)、 210a…表示制御プログラム
220…第1ランプ、 230…第2ランプ、 500…コインセレクタ
600…9段ボックス自動販売機(オプション装置)