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特開2025-6446監視カメラ管理システムおよび監視カメラ管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006446
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】監視カメラ管理システムおよび監視カメラ管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20250109BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20250109BHJP
   G08B 29/04 20060101ALI20250109BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 B
H04Q9/00 311H
G08B29/04
G08B25/00 510M
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107249
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓮田 悠真
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5K048
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA09
5C054EA01
5C054FC12
5C054FE28
5C054HA04
5C087AA10
5C087AA19
5C087DD08
5C087DD14
5C087DD33
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG02
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG70
5C087GG83
5K048AA05
5K048BA34
5K048BA48
5K048EB13
5K048EB15
5K048GB05
(57)【要約】
【課題】異常検知に必要なデータ通信量を極力低減させつつ監視カメラの異常を検知することができる監視カメラ管理システムおよび監視カメラ管理方法を提供する。
【解決手段】無線通信機72は、ロボット40が自走する施設1内に設置され、ロボット40と通信可能な通信範囲102内をロボット40が走行している場合に、ロボット40を識別する識別情報(ロボットID)をロボット40から無線通信により取得する。サーバ装置10は、無線通信機72によって識別情報が取得されてから第1の時間内に監視カメラ70によって動体が検知されなかった場合に、設置状態が異常であると判断する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットが自走する施設内に設置され、前記ロボットと通信可能な所定の範囲内を前記ロボットが走行している場合に、前記ロボットを識別する識別情報を前記ロボットから無線通信により取得する通信装置と、
前記施設内を撮像するとともに動体を検知する機能を備えた監視カメラと、
通信回線を介して前記通信装置および前記監視カメラから取得した情報に基づき前記監視カメラの異常を検知する制御装置とを備え、
前記所定の範囲は、前記監視カメラの設置状態が正常である場合に前記監視カメラが撮像する範囲を含み、
前記制御装置は、前記通信装置によって前記識別情報が取得されてから第1の時間内に前記監視カメラによって動体が検知されなかった場合に、前記設置状態が異常であると判断する、監視カメラ管理システム。
【請求項2】
前記ロボットの表面には、前記ロボットを識別する識別画像が表示されており、
前記制御装置は、
前記通信装置によって前記識別情報が取得されてから前記第1の時間内に前記動体が検知された場合に、前記設置状態が正常であると判断し、
前記設置状態が正常であると判断された場合であって、前記動体が検知されてから第2の時間内に前記監視カメラの撮像画像から前記識別画像が抽出されなかったときに、前記監視カメラの異常として、前記監視カメラのレンズに汚れがあると判断する、請求項1に記載の監視カメラ管理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記設置状態が正常であると判断された場合であって、前記動体が検知されてから前記第2の時間内に前記監視カメラの撮像画像から前記識別画像が抽出され、かつ、前記識別画像から識別された前記ロボットと前記識別情報から識別された前記ロボットとが一致しなかったときに、前記監視カメラの異常として、前記レンズに汚れがあると判断する、請求項2に記載の監視カメラ管理システム。
【請求項4】
前記ロボットをさらに備え、
前記ロボットは、前記監視カメラの撮像範囲内を走行するとき、前記識別画像が撮像されるように方向を変える、請求項2または請求項3に記載の監視カメラ管理システム。
【請求項5】
情報を表示する表示装置をさらに備え、
前記表示装置は、前記監視カメラの異常を検知した場合に、前記監視カメラの異常が検知された旨を表示する、請求項1に記載の監視カメラ管理システム。
【請求項6】
ロボットが自走する施設内に設置され前記ロボットと通信可能な所定の範囲内を前記ロボットが走行している場合に、前記ロボットを識別する識別情報を前記ロボットから無線通信により通信装置が取得するステップと、
前記施設内を撮像するとともに動体を検知する機能を備えた監視カメラからの情報を取得するステップと、
通信回線を介して前記通信装置および前記監視カメラから取得した情報に基づき前記監視カメラの異常を検知するステップとを備え、
前記所定の範囲は、前記監視カメラの設置状態が正常である場合に前記監視カメラが撮像する範囲を含み、
前記検知するステップは、前記通信装置によって前記識別情報が取得されてから第1の時間内に前記監視カメラによって動体が検知されなかった場合に、前記監視カメラの設置状態が異常であると判断するステップをさらに備える、監視カメラ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視カメラ管理システムおよび監視カメラ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
施設内を監視する監視カメラにおいて、監視カメラの設置状態の異常(画角ずれ)あるいは監視カメラのレンズ汚れ等による異常が生じることがある。このような異常が生じているか否かは、施設の管理人が目視により確認することが多い。あるいは、監視カメラで撮像した画像を解析することで監視カメラの異常を自動で検知する装置も開発されている。
【0003】
たとえば、特開2018-26724号公報(特許文献1)には、マーカを保持したユーザが監視領域を歩き回り、監視カメラが各位置でのマーカを撮像し、撮像マーカの位置座標を用いて、カメラの位置と姿勢を調整する画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-26724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の画像処理装置のような装置を用いて、監視カメラの画角ずれまたはレンズ汚れ等の異常を検知する場合、監視カメラから取得した複数の画像(映像)情報を元に画像の解析を行うため、監視カメラから取得するデータのデータ容量が大きくなってしまう。
【0006】
たとえば、クラウドサーバにより遠隔地にある複数の施設を管理しているような場合、施設に設置された監視カメラが撮像した複数の画像を、通信回線を介して遠隔地にあるサーバ装置が取得し、取得した複数の画像をサーバ装置が解析して異常を検知する必要がある。この場合、画像を取得するための通信料が高額になっていた。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、異常検知に必要なデータ通信量を極力低減させつつ監視カメラの異常を検知することができる監視カメラ管理システムおよび監視カメラ管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る監視カメラ管理システムは、通信装置と、監視カメラと、制御装置とを備える。通信装置は、ロボットが自走する施設内に設置され、ロボットと通信可能な所定の範囲内をロボットが走行している場合に、ロボットを識別する識別情報をロボットから無線通信により取得する。監視カメラは、施設内を撮像するとともに動体を検知する機能を備えている。制御装置は、通信装置から取得した情報と監視カメラから取得した情報とに基づき監視カメラの異常を検知する。所定の範囲は、監視カメラの設置状態が正常である場合に監視カメラが撮像する範囲を含む。制御装置は、通信装置によって識別情報が取得されてから第1の時間内に監視カメラによって動体が検知されなかった場合に、設置状態が異常であると判断する。
【0009】
本開示に係る監視カメラ管理方法は、ロボットが自走する施設内に設置されロボットと通信可能な所定の範囲内をロボットが走行している場合に、ロボットを識別する識別情報をロボットから無線通信により通信装置が取得するステップと、施設内を撮像するとともに動体を検知する機能を備えた監視カメラからの情報を取得するステップと、通信装置から取得した情報と監視カメラから取得した情報とに基づき監視カメラの異常を検知するステップとを備える。所定の範囲は、監視カメラの設置状態が正常である場合に監視カメラが撮像する範囲を含む。監視カメラ管理方法は、検知するステップは、通信装置によって識別情報が取得されてから第1の時間内に監視カメラによって動体が検知されなかった場合に、監視カメラの設置状態が異常であると判断するステップをさらに備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、異常検知に必要なデータ通信量を極力低減させつつ監視カメラの異常を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】監視カメラ管理システムの構成を示す図である。
図2】監視カメラ管理システムのハードウェア構成を示す図である。
図3】通信範囲およびカメラ撮像範囲を説明するための図である。
図4】監視カメラのレンズが汚れていない場合のカメラ画像の一例である。
図5】監視カメラのレンズが汚れている場合のカメラ画像の一例である。
図6】監視カメラの設置状態が異常である場面を説明するための図である。
図7】監視カメラの設置状態が異常であるときのカメラ画像の一例である。
図8】検知結果データの一例である。
図9】サーバ側処理およびロボット側処理のフローチャートである。
図10】判定結果データの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
図1は、監視カメラ管理システム100の構成を示す図である。図2は、監視カメラ管理システム100のハードウェア構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、監視カメラ管理システム100は、制御装置としてのサーバ装置10と、端末30と、ゲートウェイ29と、通信装置としての複数の無線通信機72と、複数の監視カメラ70と、ロボット40とを備える。
【0015】
このうち、ゲートウェイ29と、無線通信機72と、監視カメラ70と、ロボット40とは、施設1内に設置されている。施設1は、たとえば、オフィスビル、商業施設、公共施設等の施設である。
【0016】
サーバ装置10は、監視カメラ70を管理するサーバであって施設1とは別の監視センター2に設置されている。サーバ装置10は、監視カメラ70および無線通信機72等から取得された情報を、通信回線を介して取得することができる。サーバ装置10は、複数の施設に設置された監視カメラ70を管理可能に構成されている。端末30は、施設1内に設置されてもよいし、監視センター2内に設置されてもよいし、その他の施設内に設置されてもよい。
【0017】
ロボット40は、施設1内を自律移動する自律移動型のロボットである。ロボット40は、施設1内を巡回して監視する巡回ロボットである。なお、これに限らず、ロボット40は、施設1内で荷物を搬送する搬送ロボットであってもよいし、施設内を清掃する清掃ロボットであってもよいし、施設1内を自律移動するロボットであればどのようなロボットであってもよい。
【0018】
機器管理装置20は、複数の無線通信機72および複数の監視カメラ70と接続されている。機器管理装置20は、無線通信機72および監視カメラ70を制御するとともに、無線通信機72を介してロボット40を制御可能である。
【0019】
機器管理装置20は、ゲートウェイ29を介して通信網NWに接続可能である。サーバ装置10と、端末30と、機器管理装置20とは、通信網NWを介して互いに通信接続可能である。
【0020】
施設1内の各居室、廊下等の天井61には、複数の無線通信機72が設置されている。これらの無線通信機72は、ロボット40に備えられた無線通信機42と通信し、ロボット40の現在位置を特定することができる。
【0021】
監視カメラ70は、施設1内の各居室、廊下等の壁面62に設置されており、施設内を撮像する。図示しないが、監視カメラ70が撮像した画像は、施設1内の管理室に設置されたモニター上にて表示される。施設1の管理人は、このモニターに表示された画像により施設1内を監視することができる。
【0022】
ロボット40は、床63上を走行し施設1内を巡回する。ロボット40は、無線通信機72の通信範囲内に入ったときに無線通信機72により位置が特定され、監視カメラ70の撮像範囲内に入ったときに監視カメラ70により撮像される。また、監視カメラ70には、動体を検知する動体検知機能(後述する)が設けられており、撮像範囲内に入ったロボット40を動体として検知する。
【0023】
図2に示すように、サーバ装置10は、プロセッサ11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、通信IF(Interface)15とを含んで構成される。プロセッサ11は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)である。これらは、通信バス16を通じて各種データのやり取りをする。
【0024】
プロセッサ11は、HDD14またはROM12に格納されているプログラムをRAM13に展開して実行する。このプログラムには、サーバ装置10によって実行される処理が記述されている。
【0025】
通信IF15は、機器管理装置20および端末30と信号あるいはデータをやり取りするための入出力装置である。サーバ装置10は、通信IF15を介して、機器管理装置20からロボット40および監視カメラ70に関する情報、端末30からの情報を取得可能である。
【0026】
HDD14は、各種情報を記憶するストレージである。HDD14は、後述する検知結果データ81、判定結果データ82、施設1の情報、ロボット40の情報等が記憶されている。
【0027】
ロボット40は、制御部41と、無線通信機42と、二次元コード43と、記憶部44と、カメラ45と、バッテリ48と、駆動部47とを含む。
【0028】
ロボット40の表面には、ロボット40を識別する識別画像として、二次元コードが表示されている。二次元コード43は、たとえば、QRコード(登録商標)等である。二次元コードに限らず、バーコード等であってもよい。ロボット40の所定の場所に二次元コード43が印字されたもの(プレート、紙等)が付されるようにしてもよいし、ロボット40がディスプレイなどの表示装置を備え、表示装置上に二次元コードが表示されるようにしてもよいし、読み取り装置から読み取り可能なロボット40を識別可能な画像を提示するものであればどのようなものであってもよい。
【0029】
制御部41は、ロボット40全体を制御する。制御部41は、図示は省略するが、主な構成要素として、CPU、ROM、RAM、および通信IFを有している。CPUは、ROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行する。ROMに格納されているプログラムには、ロボット40によって実行される処理が記述されている。なお、処理については、ソフトウェアによるものに限られず、専用のハードウェア(電子回路)で実行することも可能である。
【0030】
無線通信機42は、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy、「Bluetooth」は登録商標)通信規格に従う通信方式を用いて、ロボット40の位置を検出するための信号を出力する。BLE通信規格に代えて、UWB(Ultra Wide Band)通信規格に従う通信方式を用いてもよい。また、無線通信機42は、例えばLTE(Long Term Evolution)などの無線通信規格に従う通信方式を用いて、ロボット40を識別するためのIDを示す信号などを機器管理装置20へ送信する。
【0031】
カメラ45は、ロボット40の周囲を撮像し、撮像画像を制御部41へ出力する。カメラ45に代えて、ロボット40の周辺に存在する物体とロボット40との距離を測定するレーザ距離計などが設けられてもよい。
【0032】
駆動部47は、ロボット40が移動するための駆動力を発生する。駆動部47は、たとえば、ロボット40が移動するための車輪と、車輪を駆動するためのモータとを含む。駆動部47は、バッテリ48から電力の供給を受けて作動することができる。
【0033】
制御部41は、カメラ45からの撮像画像に基づいて、ロボット40が自律的に移動するように駆動部47を制御する。バッテリ48は、駆動部47その他ロボット40の各機器が作動するための電力を供給する。記憶部44は、ロボット40が使用する各種情報を一時的に記憶する。
【0034】
複数の無線通信機72は、天井61に適当な距離を置いて設置され、ロボット40の無線通信機42と同じ通信規格に従う通信方式を用いて、ロボット40から発信される信号を受信するとともにその受信強度を検知する。各無線通信機72における受信強度から、施設内におけるロボット40の位置を検出することができる。無線通信機72は、ロボット40から受信した信号の受信強度を機器管理装置20へ出力する。無線通信機72は壁に設置されてもよい。
【0035】
機器管理装置20は、施設1内に設置された無線通信機72、監視カメラ70、ロボット40等の機器を制御する。機器管理装置20は、直接これらを制御してもよいし、サーバ装置10からの指令に基づいてこれらを制御するようにしてもよい。機器管理装置20は、各無線通信機72において受信される受信強度に基づき、ロボット40の位置を特定する。
【0036】
機器管理装置20は、通信網NWに接続されている。通信網NWには、サーバ装置10、端末30、および、ゲートウェイ29を介して接続される機器管理装置20が接続されている。
【0037】
サーバ装置10は、通信回線を介して無線通信機72および監視カメラ70から取得した情報に基づき監視カメラ70の異常を検知する。また、サーバ装置10は、ロボット40に対する指令等を出力可能であるとともに、ロボット40の位置情報等の情報を取得可能であるように構成してもよい。
【0038】
端末30は、たとえば、パーソナルコンピュータ、ノートパソコンである。端末30は、入力部34と、各種情報を表示するディスプレイ35とを備える。ディスプレイ35は、サーバ装置10が検知した監視カメラ70の異常情報を表示可能である。入力部34は、たとえば、キーボード、マウスである。入力部34の操作により、端末30に指示を与えることができる。
【0039】
端末30も、サーバ装置10と同様に、CPU、RAM、ROM、通信IFを含んで構成される。なお、ロボット40の管理および制御は、サーバ装置10が行ってもよいし、機器管理装置20が行ってもよいし、その他のサーバが行ってもよい。
【0040】
以下、具体的に説明する。図3は、通信範囲102およびカメラ撮像範囲101を説明するための図である。通信範囲102は、無線通信機72が通信可能な範囲を示す。カメラ撮像範囲101は、監視カメラ70が撮像する範囲を示す。
【0041】
図3において、通信範囲102を示す円の中心部に無線通信機72が設置されており、カメラ撮像範囲101を示す円の中心部に監視カメラ70が設置されている。なお、これらの範囲は、便宜上円形で例示したが、必ず円形になるわけではない。
【0042】
本実施の形態では、施設1の複数の箇所に監視カメラ70が設置されているが、設置された監視カメラ70の近傍(たとえば、1m以内の距離)には必ず無線通信機72が設置されている。また、通信範囲102(たとえば、直径20mの円内)は、カメラ撮像範囲101(たとえば、直径10mの円内)よりも広い。監視カメラ70の設置状態が正常である場合、通信範囲102は、監視カメラ70が撮像するカメラ撮像範囲101を含むように各機器が設置される。
【0043】
ロボット40が施設1内を巡回するとき、施設1内に設置された各監視カメラ70の前を通過する。この場合、ロボット40は、まず、通信範囲102に入り、次に、カメラ撮像範囲101に入るように走行する。
【0044】
無線通信機72は、通信範囲102内をロボット40が走行している場合、ロボット40を識別する識別情報としてロボットIDを含むロボット情報を、ロボット40から無線通信により取得する。機器管理装置20は、無線通信機72からロボットID等を受信し、これによりロボットが検知される。ロボット情報には、ロボットID以外にも、ロボット40の製造番号、ロボット40の機種等の情報が含まれる。
【0045】
さらにロボット40が走行し、カメラ撮像範囲101内に入ると、監視カメラ70はロボット40を撮像する。これにより、動体が検知されるとともに、ロボット40に付された二次元コードが検出される。そして、これらの情報に基づき、監視カメラに異常があるか否かが判断される。以下、詳細に説明する。
【0046】
図4は、監視カメラ70のレンズが汚れていない場合のカメラ画像91の一例である。カメラ撮像範囲101内にロボット40が入ると、図4のカメラ画像91に示すように、監視カメラ70によってロボット40が撮像される。
【0047】
監視カメラ70には、動体を検知する動体検知機能が備えられている。カメラ画像91には、ロボット40の周囲に四角い動体検知範囲110が表示され、これにより、動体が検知されたことが示されている。監視カメラ70が撮像する範囲内には、ロボット40以外に動く物体がないため、周期的に撮像された複数の画像の差分によりロボット40が動体として抽出されている。監視カメラ70が動体を検知した場合、動体を検知した旨を機器管理装置20に通知する。
【0048】
ロボット40には、二次元コード43が付されている。監視カメラ70は、画像内に二次元コードが含まれる場合、二次元コード画像を抽出する。抽出した二次元コード画像は、機器管理装置20に送信される。なお、二次元コード画像ではなく、二次元コードに含まれる情報(ロボットID)を直接監視カメラ70が検出するようにしてもよい。
【0049】
図5は、監視カメラ70のレンズが汚れている場合のカメラ画像92の一例である。本例では、監視カメラ70のレンズが汚れており、図5のカメラ画像92に示すように、画像の中央部には、汚れ120が撮像されている。
【0050】
図4の例と同様に、カメラ撮像範囲101内にロボット40が入ると、監視カメラ70によってロボット40が撮像される。画像の差分情報により、ロボット40は動体として検知されている(動体検知範囲111)が、汚れ120によってロボット40の画像が不鮮明である。
【0051】
画像内の二次元コード部分は画像が不鮮明であるため、監視カメラ70は、画像内の二次元コード画像を抽出できていない。このため、監視カメラ70は、機器管理装置20に二次元コード画像を送信することができない。
【0052】
図6は、監視カメラ70の設置状態が異常である場面を説明するための図である。図7は、監視カメラ70の設置状態が異常であるときのカメラ画像93の一例である。図6に示すように、監視カメラ70が上方に傾いている(設置状態が異常である)ために、本来撮像すべき範囲が撮像できなくなっている。ロボット40は、図1と同じ位置にいるにも関わらず、図7に示すように、カメラ画像91にはロボット40が撮像されていない。
【0053】
監視カメラ70の設置状態が異常である場合、まず、ロボット40が通信範囲102内に入ることで無線通信機72によりロボット検知がされるが、その後、ロボット40がカメラ撮像範囲101に入らないため、動体検知がされない。
【0054】
以上説明したように、機器管理装置20は、無線通信機72からロボットIDを含むロボット情報を取得するとともに、監視カメラ70から動体検知情報(動体検知したか否か)および二次元コード情報(二次元コード画像)を取得する。さらに、機器管理装置20は、サーバ装置10に対して、ロボット情報、動体検知情報および二次元コード情報を送信する。
【0055】
サーバ装置10は、これらの情報を検知結果データ81として記録する。図8は、検知結果データ81の一例である。
【0056】
検知結果データ81には、「発生事象」として、「ロボット検知」、「動体検知」、「二次元コード検出」のいずれかの事象に関するデータが記録される。各データは、事象が発生した「時刻」、事象が検出された際の「検出装置」、その際に取得された「取得情報」がそれぞれ記録されている。
【0057】
たとえば、2023年5月18日13:00:00において、通信機器X1においてロボット40が検知され、ロボット情報として、ロボットID:0001、その他の情報が取得されている。
【0058】
5秒後の、2023年5月18日13:00:05において、カメラY1において動体が検知され、その5秒後の、2023年5月18日13:00:10において、カメラY1において二次元コード(ロボットID:0001)が検出されている。
【0059】
以上は、図3図4に示したように、ロボット40が通信範囲102に入った際にロボット40が検知され、その後、ロボット40がカメラ撮像範囲101に入った際にロボット40が動体の検知および二次元コードの検出がされたケースを示している。
【0060】
また、2023年5月19日15:10:20において、通信機器X1においてロボット40が検知され、ロボット情報として、ロボットID:0001、その他の情報が取得されている。5秒後の、2023年5月19日15:10:25において、カメラY1において動体が検知されている。ただし、その後、カメラY1において二次元コードが検出されていない。
【0061】
以上は、図4に示したように、ロボット40が通信範囲102に入った際にロボット40が検知され、その後、ロボット40がカメラ撮像範囲101に入った際にロボット40が動体の検知がされたが、レンズの汚れにより、二次元コードの検出がされなかったケースを示している。
【0062】
また、2023年5月25日14:05:30において、通信機器X1においてロボット40が検知され、ロボット情報として、ロボットID:0001、その他の情報が取得されている。ただし、その後、カメラY1において、動体の検知および二次元コードの検出のいずれもがされていない。
【0063】
これは、図6図7に示したように、ロボット40が通信範囲102に入った際にロボット40が検知されたものの、監視カメラ70の設置状態に異常があったために、その後、監視カメラ70にロボット40が映らなかったケースを示している。
【0064】
以下、フローチャートを用いて説明する。図9は、サーバ側処理およびロボット側処理のフローチャートである。サーバ側処理は、サーバ装置10が実行する処理である。ロボット側処理は、ロボット40が実行する処理である。サーバ側処理は、サーバ装置10の起動時に実行し、ロボット側処理は、ロボット40の起動時に実行すればよい。以下、「ステップ」を単に「S」とも称する。
【0065】
ロボット側処理が開始すると、ロボット40は、S201において、無線通信機72との間の通信が確立したか否かを判定する。図3に示したように、ロボット40が通信範囲102に入ると、無線通信機72との間の通信が確立する。ロボット40は、無線通信機72との間の通信が確立しない場合(S201でNO)、通信が確立するまで待機する。
【0066】
ロボット40は、通信が確立した場合、S202において、無線通信機72に対してロボットIDを含むロボット情報を送信する。無線通信機72は、ロボット情報を受信すると、さらにロボット情報を機器管理装置20に送信する。機器管理装置20は、さらにロボット情報をサーバ装置10に送信する。
【0067】
ロボット40は、S203において、無線通信機72を介して、機器管理装置20から監視カメラ情報を取得する。監視カメラ情報は、監視カメラ70の位置を示す情報である。
【0068】
ロボット40は、監視カメラ70の撮像範囲(カメラ撮像範囲101)内を走行するとき、識別画像(二次元コード)が撮像されるように方向を変え、処理をS201に戻す。
【0069】
具体的には、ロボット40は、無線通信機72との通信が確立した後、監視カメラ70のカメラ撮像範囲101に入るように走行する。その際に、ロボット40に付された二次元コードが監視カメラ70に映るようにロボットの方向を変える。たとえば、監視カメラ70のカメラ撮像範囲101に入った後に、一時停止して監視カメラ70の方向を向くようにしてもよい。
【0070】
本実施の形態においては、ロボット40が施設1を巡回している場合、無線通信機72の通信範囲102に入った後、原則として、監視カメラ70の撮像範囲101に入るように移動する。ただし、無線通信機72の通信範囲102に入った後、監視カメラ70のカメラ撮像範囲101に入らないような巡回ルートである場合は、監視カメラ70の撮像範囲101に入るようにルートを修正するようにしてもよいし、ルートを修正しない場合は、異常の判定処理を行わないようにしてもよい。
【0071】
ロボット40が監視カメラ70の撮像範囲101に入った場合、監視カメラ70は、機器管理装置20に対して、動体検知情報および二次元コード情報を送信する。機器管理装置20は、これらの情報をさらにサーバ装置10に対して送信する。
【0072】
次に、サーバ側処理について説明する。サーバ側処理が開始すると、サーバ装置10は、機器管理装置20からロボット情報(ロボットID等)を取得するまで待機する(S101)。
【0073】
サーバ装置10は、ロボット情報を取得した場合、S102において、ロボット検知から第1の時間(本実施の形態では、30秒)内に動体検知したか否かを判定する。
【0074】
サーバ装置10は、ロボット検知から第1の時間(30秒)内に動体検知した場合(S102でYES)、画角ずれなし(監視カメラ70の設置状態が正常)と判定する(S103)。このように、サーバ装置10は、無線通信機72によって識別情報が取得されてから第1の時間内に動体が検知された場合に、設置状態が正常であると判断する。
【0075】
サーバ装置10は、ロボット検知から第1の時間(30秒)内に動体検知しなかった場合(S102でNO)、画角ずれあり(監視カメラ70の設置状態が異常)と判定する(S104)。このように、サーバ装置10は、無線通信機72によって識別情報が取得されてから第1の時間内に監視カメラ70によって動体が検知されなかった場合に、監視カメラ70の設置状態が異常であると判断する。
【0076】
サーバ装置10は、S105において、動体が検知されてから第2の時間(本実施の形態においては、30秒)内に二次元コードを検出(二次元コード画像を抽出)したか否かを判定する。本条件に該当する場合はS106に処理を進め、本条件に該当しない場合はS108に処理を進める。
【0077】
サーバ装置10は、S106において、監視カメラ70が検出した識別画像(二次元コード)から識別されたロボット40と、無線通信機72が受信した識別情報(ロボットID)から識別されたロボット40が一致したか否かを判定する。つまり、ロボットIDが一致するか否かが判定される。本条件に該当する場合はS107に処理を進め、本条件に該当しない場合はS108に処理を進める。
【0078】
サーバ装置10は、S107において、監視カメラ70のレンズに汚れなし(異常なし)と判定する。サーバ装置10は、S108において、監視カメラ70のレンズに汚れあり(異常なし)と判定する。
【0079】
このように、サーバ装置10は、設置状態が正常であると判断された場合であって、動体が検知されてから第2の時間内に監視カメラ70の撮像画像から識別画像(二次元コード)が抽出されなかったときに、監視カメラ70の異常として、監視カメラ70のレンズに汚れがあると判断する。
【0080】
また、サーバ装置10は、設置状態が正常であると判断された場合であって、動体が検知されてから第2の時間内に監視カメラ70の撮像画像から識別画像(二次元コード)が抽出され、かつ、識別画像(二次元コード)から識別されたロボット40と識別情報(ロボットID)から識別されたロボット40とが一致しなかったときに、監視カメラ70の異常として、レンズに汚れがあると判断する。
【0081】
サーバ装置10は、S109において、検知結果データ81(図8参照)および判定結果データ82(図10を用いて後述)を更新する。サーバ装置10は、S110において、端末30に判定結果データ82を送信し、処理をS101に戻す。
【0082】
これにより、端末30のディスプレイ35では、監視カメラ70の異常を検知した場合に、監視カメラ70の異常が検知された旨を表示可能となる。具体的には、ディスプレイ35には、判定結果データ82が表示され、判定結果データ82において、監視カメラ70の異常が検知された旨の表示がされる。図10は、判定結果データ82の表示例である。
【0083】
判定結果データ82における、「時刻」、「検出装置」、「発生事象」は、検知結果データ81のものと同じである。判定結果データ82には、検知結果データ81の情報に基づき判定された結果が「判定結果」として記録される。
【0084】
たとえば、5月18日のデータにおいて、ロボットID「0001」のロボット40が検知された5秒後(第1の時間以内)に動体が検知されているため、「画角ずれなし」と判断されている。さらに、動体の検知から5秒後(第2の時間以内)に、二次元コードが検出されている。この二次元コードから特定されるロボットIDは「0001」であり、ロボット40が検知された際のロボットIDと一致するため、「レンズの汚れなし」と判断されている。
【0085】
また、5月19日のデータにおいて、ロボットID「0001」のロボット40が検知された5秒後(第1の時間以内)に動体が検知されているため、「画角ずれなし」と判断されている。さらに、動体の検知から第2の時間(30秒)以内に、二次元コードが検出されなかったため、「レンズの汚れあり」と判断され、判定結果データ82に記録されるとともに、「レンズ汚れ」の異常が検知された旨がディスプレイ35に表示されている。
【0086】
また、5月25日のデータにおいて、ロボットID「0001」のロボット40が検知された第1の時間以内に動体が検知さなかったため、「画角ずれあり」と判断され、判定結果データ82に記録されるとともに、「画角ずれ」の異常が検知された旨がディスプレイ35に表示されている。
【0087】
本実施の形態においては、監視カメラ70および無線通信機72を備える構成としたが、監視カメラ70自身が無線通信機72の機能を備えるようにしてもよい。この場合、監視カメラ装置がロボット40との通信を確立した際に、監視カメラ70がロボット40のロボットIDを取得するように構成する。また、監視カメラ装置が動体を検知するとともに、画像中から二次元コード画像を抽出した場合に二次元コード画像からロボットIDを取得するようにしてもよい。この場合、監視カメラ装置が、機器管理装置20に対して、通信により取得したロボットID、動体検知情報、二次元コード画像から取得したロボットIDを送信するようにすればよい。
【0088】
また、図9に示したサーバ側処理は、機器管理装置20が実施するようにしてもよい。この場合、機器管理装置20は、図10で示した判定結果のみをサーバ装置10に送信するようにしてもよい。
【0089】
以上説明したように、監視カメラ管理システム100は、通信装置として無線通信機72と、監視カメラ70と、制御装置としてサーバ装置10とを備える。無線通信機72は、ロボット40が自走する施設1内に設置され、ロボット40と通信可能な所定の範囲(通信範囲102)内をロボット40が走行している場合に、ロボット40を識別する識別情報(ロボットID)をロボット40から無線通信により取得する。監視カメラ70は、施設1内を撮像するとともに動体を検知する機能(動体検知機能)を備えている。サーバ装置10は、通信回線を介して無線通信機72および監視カメラ70から取得した情報に基づき監視カメラ70の異常を検知する。所定の範囲(通信範囲102)は、監視カメラ70の設置状態が正常である場合に監視カメラ70が撮像する範囲(カメラ撮像範囲101)を含む。サーバ装置10は、無線通信機72によって識別情報が取得されてから第1の時間内に監視カメラ70によって動体が検知されなかった場合に、設置状態が異常であると判断する。
【0090】
このようにすることで、監視カメラ70が撮像した画像を確認することなく、監視カメラ70の設置状態の異常(画角ずれ)を検知することができる。また、監視カメラ70が撮像した画像をサーバ装置10に送信する必要がないため、サーバ装置10に送信するデータの通信量を低減することができ、通信料金を抑えることができる。これにより、異常検知に必要なデータ通信量を極力低減させつつ監視カメラ70の異常(画角ずれ)を検知することができる。
【0091】
ロボット40の表面には、ロボット40を識別する識別画像(二次元コード)が表示されている。サーバ装置10は、無線通信機72によって識別情報が取得されてから第1の時間内に動体が検知された場合に、設置状態が正常であると判断する。サーバ装置10は、設置状態が正常であると判断された場合であって、動体が検知されてから第2の時間内に監視カメラ70の撮像画像にから識別画像(二次元コード)が抽出されなかったときに、監視カメラ70の異常として、監視カメラ70のレンズに汚れがあると判断する。
【0092】
サーバ装置10は、設置状態が正常であると判断された場合であって、動体が検知されてから第2の時間内に監視カメラ70の撮像画像から識別画像(二次元コード)が抽出され、かつ、識別画像(二次元コード)から識別されたロボット40と識別情報(ロボットID)から識別されたロボット40とが一致しなかったときに、監視カメラ70の異常として、レンズに汚れがあると判断する。
【0093】
このようにすることで、監視カメラ70が撮像した画像を確認することなく、監視カメラ70のレンズ汚れを検知することができる。また、監視カメラ70が撮像した画像をサーバ装置10に送信する必要がないため、サーバ装置10に送信するデータの通信量を低減することができ、通信料金を抑えることができる。これにより、異常検知に必要なデータ通信量を極力低減させつつ監視カメラ70の異常(画角ずれ、レンズ汚れ)を検知することができる。
【0094】
監視カメラ管理システム100は、ロボット40をさらに備える。ロボット40は、監視カメラ70の撮像範囲(カメラ撮像範囲101)内を走行するとき、識別画像(二次元コード)が撮像されるように方向を変える。これにより、監視カメラ管理システム100に識別画像を確実に認識させることができる。
【0095】
監視カメラ管理システム100は、情報を表示する表示装置としてディスプレイ35をさらに備える。ディスプレイ35は、監視カメラ70の異常を検知した場合に、監視カメラ70の異常が検知された旨を表示する。これにより、監視カメラ70が撮像した画像を確認することなく、監視カメラ70の異常を即座に把握することができる。
【0096】
[付記]
上述した実施形態は、以下の付記の具体例である。
【0097】
(付記1)
ロボットが自走する施設内に設置され、前記ロボットと通信可能な所定の範囲内を前記ロボットが走行している場合に、前記ロボットを識別する識別情報を前記ロボットから無線通信により取得する通信装置と、
前記施設内を撮像するとともに動体を検知する機能を備えた監視カメラと、
通信回線を介して前記通信装置および前記監視カメラから取得した情報に基づき前記監視カメラの異常を検知する制御装置とを備え、
前記所定の範囲は、前記監視カメラの設置状態が正常である場合に前記監視カメラが撮像する範囲を含み、
前記制御装置は、前記通信装置によって前記識別情報が取得されてから第1の時間内に前記監視カメラによって動体が検知されなかった場合に、前記設置状態が異常であると判断する、監視カメラ管理システム。
【0098】
(付記2)
前記ロボットの表面には、前記ロボットを識別する識別画像が表示されており、
前記制御装置は、
前記通信装置によって前記識別情報が取得されてから前記第1の時間内に前記動体が検知された場合に、前記設置状態が正常であると判断し、
前記設置状態が正常であると判断された場合であって、前記動体が検知されてから第2の時間内に前記監視カメラの撮像画像から前記識別画像が抽出されなかったときに、前記監視カメラの異常として、前記監視カメラのレンズに汚れがあると判断する、付記1に記載の監視カメラ管理システム。
【0099】
(付記3)
前記制御装置は、前記設置状態が正常であると判断された場合であって、前記動体が検知されてから前記第2の時間内に前記監視カメラの撮像画像から前記識別画像が抽出され、かつ、前記識別画像から識別された前記ロボットと前記識別情報から識別された前記ロボットとが一致しなかったときに、前記監視カメラの異常として、前記レンズに汚れがあると判断する、付記2に記載の監視カメラ管理システム。
【0100】
(付記4)
前記ロボットをさらに備え、
前記ロボットは、前記監視カメラの撮像範囲内を走行するとき、前記識別画像が撮像されるように方向を変える、付記2または付記3に記載の監視カメラ管理システム。
【0101】
(付記5)
情報を表示する表示装置をさらに備え、
前記表示装置は、前記監視カメラの異常を検知した場合に、前記監視カメラの異常が検知された旨を表示する、付記1~付記4のいずれかに記載の監視カメラ管理システム。
【0102】
(付記6)
ロボットが自走する施設内に設置され前記ロボットと通信可能な所定の範囲内を前記ロボットが走行している場合に、前記ロボットを識別する識別情報を前記ロボットから無線通信により通信装置が取得するステップと、
前記施設内を撮像するとともに動体を検知する機能を備えた監視カメラからの情報を取得するステップと、
通信回線を介して前記通信装置および前記監視カメラから取得した情報に基づき前記監視カメラの異常を検知するステップとを備え、
前記所定の範囲は、前記監視カメラの設置状態が正常である場合に前記監視カメラが撮像する範囲を含み、
前記検知するステップは、前記通信装置によって前記識別情報が取得されてから第1の時間内に前記監視カメラによって動体が検知されなかった場合に、前記監視カメラの設置状態が異常であると判断するステップをさらに備える、監視カメラ管理方法。
【0103】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0104】
1 施設、2 監視センター、10 サーバ装置、11,21 プロセッサ、12,22 ROM、13,23 RAM、14,24 HDD、15,25 通信IF、16,26,46 通信バス、20 機器管理装置、29 ゲートウェイ、30 端末、34 入力部、35 ディスプレイ、40 ロボット、41 制御部、42,72 無線通信機、43 二次元コード、44 記憶部、45 カメラ、47 駆動部、48 バッテリ、61 天井、62 壁面、63 床、70 監視カメラ、81 検知結果データ、82 判定結果データ、91~93 カメラ画像、100 監視カメラ管理システム、101 カメラ撮像範囲、102 通信範囲、110,111 動体検知範囲、120 汚れ、NW 通信網。
図1
図2
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図10