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特開2025-6457鞍乗型車両用外装カバーの製造方法、鞍乗型車両用外装カバーおよび鞍乗型車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006457
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】鞍乗型車両用外装カバーの製造方法、鞍乗型車両用外装カバーおよび鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 23/00 20060101AFI20250109BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B62J23/00 C
B62J23/00 D
B62J23/00 F
B32B27/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107267
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(72)【発明者】
【氏名】大村 尚生
(72)【発明者】
【氏名】大石 武司
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AK01A
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100DC12B
4F100EH36A
4F100EJ30C
4F100EJ91C
4F100GB31
4F100HB00B
(57)【要約】
【課題】フィルムインサート成形の際の加飾フィルムの位置ずれが抑制される、鞍乗型車両用外装カバーおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態による製造方法は、樹脂基材層と、樹脂基材層上に設けられた加飾層とを含む鞍乗型車両用外装カバーの製造方法であって、(a)加飾フィルムを用意し、金型内に加飾フィルムをセットする工程と、(b)工程(a)の後、金型内に樹脂材料を注入して射出成形を行うことによって、樹脂基材層および加飾層を含む積層構造を形成する工程とを包含する。樹脂基材層は、外装カバーを車両本体に取り付けるための構造が形成された取付部を有し、金型の内表面は、樹脂基材層の前記取付部を形成するための突起部を有する。工程(a)は、工程(b)において加飾フィルムが樹脂材料の流動に伴って移動しようとしたときに金型の突起部に引っ掛かるように行われる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基材層と、前記樹脂基材層上に設けられた加飾層とを含む鞍乗型車両用外装カバーの製造方法であって、
(a)加飾フィルムを用意し、金型内に前記加飾フィルムをセットする工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記金型内に樹脂材料を注入して射出成形を行うことによって、前記樹脂基材層および前記加飾層を含む積層構造を形成する工程と、
を包含し、
前記樹脂基材層は、前記外装カバーを車両本体に取り付けるための構造が形成された取付部を有し、
前記金型の内表面は、前記樹脂基材層の前記取付部を形成するための突起部を有し、
前記工程(a)は、前記工程(b)において前記加飾フィルムが前記樹脂材料の流動に伴って移動しようとしたときに前記金型の前記突起部に引っ掛かるように行われる、製造方法。
【請求項2】
前記加飾フィルムは、前記金型内にセットされた状態において平面視で前記突起部を部分的に包囲する形状を有している、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記加飾フィルムは、孔を有しており、
前記工程(a)において、前記加飾フィルムは、前記孔に前記突起部が挿通されるようにセットされる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記金型の内表面は、前記突起部を複数有しており、
前記工程(a)は、前記工程(b)において前記加飾フィルムが移動しようとしたときに前記複数の突起部のうちの2つ以上の突起部に引っ掛かるように行われる、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
前記工程(a)において、一方の主面に保護フィルムが貼り付けられた状態の前記加飾フィルムが前記金型内にセットされ、
(c)前記工程(b)の後、前記保護フィルムを前記加飾層から剥離する工程をさらに包含する、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、前記加飾フィルムをプリフォームする工程を包含しない、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記保護フィルムは、厚さが互いに異なる複数の領域を含む、請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
前記工程(a)において前記加飾フィルムは複数用意され、前記金型内に前記複数の加飾フィルムが互いに離れてセットされる、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
樹脂基材層と、
前記樹脂基材層上に設けられた加飾層と、
を備えた鞍乗型車両用外装カバーであって、
前記樹脂基材層は、孔を有し、
前記加飾層は、平面視において前記孔を少なくとも部分的に包囲する形状を有している、鞍乗型車両用外装カバー。
【請求項10】
前記加飾層は、平面視において前記孔を部分的に包囲する部分を含む、請求項9に記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【請求項11】
前記加飾層は、平面視において前記孔全体を包囲する部分を含む、請求項9に記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【請求項12】
前記樹脂基材層は、前記孔を複数有しており、
前記加飾層は、平面視において前記複数の孔のうちの2つ以上の孔を少なくとも部分的に包囲する部分を含んでいる、請求項9から11のいずれかに記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【請求項13】
前記加飾層は、前記樹脂基材層の主面のうちの一部の領域である第1領域上に設けられており、
前記樹脂基材層の前記主面のうちの前記第1領域以外の領域である第2領域と、前記加飾層の表面との間に段差があり、前記第2領域と前記加飾層の表面とで、前記加飾層の表面の方が低い、請求項9から11のいずれかに記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【請求項14】
前記段差の深さが互いに異なる複数の領域を有する、請求項13に記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【請求項15】
前記加飾層は、互いに離隔された複数の部分を含む、請求項9から11のいずれかに記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【請求項16】
請求項9から11のいずれかに記載の鞍乗型車両用外装カバーを備える、鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両用外装カバーおよびその製造方法に関する。また、本発明は、鞍乗型車両にも関する。
【背景技術】
【0002】
車両用の内外装部材や家電製品等の種々の用途に、樹脂成形品が広く用いられている。従来、樹脂成形品の意匠性を向上させるために、その表面に塗装や印刷による加飾が施されてきた。
【0003】
近年では、意匠性のさらなる向上や生産性の向上のため、フィルムインサート成形により樹脂成形品に加飾を施すことも行われている。フィルムインサート成形では、金型内に加飾フィルムをセットした状態で、金型内に樹脂材料を注入して射出成形が行われる。得られた樹脂成形品は、樹脂基材層と加飾層とを含む積層構造を有する。加飾フィルムは、例えば静電吸着により金型の内表面上にセットされる。フィルムインサート成形に用いられる加飾フィルムは、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-125645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フィルムインサート成形では、射出成形の際、樹脂材料の流動に伴って加飾フィルムの位置ずれが発生することがある。加飾フィルムの位置ずれは、樹脂成形品の美観の低下の原因となる。
【0006】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルムインサート成形の際の加飾フィルムの位置ずれが抑制される、鞍乗型車両用外装カバーおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書は、以下の項目に記載の鞍乗型車両用外装カバーの製造方法、鞍乗型車両用外装カバーおよび鞍乗型車両を開示している。
【0008】
[項目1]
樹脂基材層と、前記樹脂基材層上に設けられた加飾層とを含む鞍乗型車両用外装カバーの製造方法であって、
(a)加飾フィルムを用意し、金型内に前記加飾フィルムをセットする工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記金型内に樹脂材料を注入して射出成形を行うことによって、前記樹脂基材層および前記加飾層を含む積層構造を形成する工程と、
を包含し、
前記樹脂基材層は、前記外装カバーを車両本体に取り付けるための構造が形成された取付部を有し、
前記金型の内表面は、前記樹脂基材層の前記取付部を形成するための突起部を有し、
前記工程(a)は、前記工程(b)において前記加飾フィルムが前記樹脂材料の流動に伴って移動しようとしたときに前記金型の前記突起部に引っ掛かるように行われる、製造方法。
【0009】
本発明の実施形態による鞍乗型車両用外装カバーの製造方法は、加飾フィルムを用意して金型内に加飾フィルムをセットする工程(a)と、工程(a)の後、金型内に樹脂材料を注入して射出成形を行うことによって、樹脂基材層および加飾層を含む積層構造を形成する工程(b)とを包含する。本発明の実施形態による製造方法では、金型の内表面は、樹脂基材層の取付部を形成するための突起部を有しており、工程(a)は、工程(b)において加飾フィルムが樹脂材料の流動に伴って移動しようとしたときに金型の突起部に引っ掛かるように行われる。そのため、工程(b)における加飾フィルムの位置ずれが抑制されるので、加飾フィルムを所望の位置に正確に配置することができ、外装カバーの美観の低下が防止され得る。
【0010】
[項目2]
前記加飾フィルムは、前記金型内にセットされた状態において平面視で前記突起部を部分的に包囲する形状を有している、項目1に記載の製造方法。
【0011】
加飾フィルムが、金型内にセットされた状態において平面視で突起部を部分的に包囲する形状を有していると、加飾フィルムが突起部にフック状に引っ掛かり得るので、そのことによって加飾フィルムの位置ずれが抑制される。
【0012】
[項目3]
前記加飾フィルムは、孔を有しており、
前記工程(a)において、前記加飾フィルムは、前記孔に前記突起部が挿通されるようにセットされる、項目1に記載の製造方法。
【0013】
加飾フィルムが、孔を有しており、その孔に突起部が挿通されるようにセットされると、孔の内周面が突起部に引っ掛かることによって加飾フィルムの位置ずれが抑制される。
【0014】
[項目4]
前記金型の内表面は、前記突起部を複数有しており、
前記工程(a)は、前記工程(b)において前記加飾フィルムが移動しようとしたときに前記複数の突起部のうちの2つ以上の突起部に引っ掛かるように行われる、項目1から3のいずれかに記載の製造方法。
【0015】
金型の内表面が突起部を複数有している場合、工程(a)は、工程(b)において加飾フィルムが移動しようとしたときに2つ以上の突起部に引っ掛かるように行われることが好ましい。加飾フィルムが2つ以上の突起部に引っ掛かることにより、加飾フィルムの回転が抑制されるので、加飾フィルムの位置ずれがより確実に抑制される。
【0016】
[項目5]
前記工程(a)において、一方の主面に保護フィルムが貼り付けられた状態の前記加飾フィルムが前記金型内にセットされ、
(c)前記工程(b)の後、前記保護フィルムを前記加飾層から剥離する工程をさらに包含する、項目1から4のいずれかに記載の製造方法。
【0017】
工程(a)において、一方の主面に保護フィルムが貼り付けられた状態の加飾フィルムが金型内にセットされてもよい。その場合、工程(b)の後に行われる工程(c)において、加飾層から保護フィルムが剥離される。
【0018】
金型の内表面と加飾フィルムとの間にゴミ等の異物が存在すると、得られた外装カバーにおける加飾層に異物が付着して取れなくなったり、異物に起因する変形(傷)が生じたりすることがあり、外装カバーの美観が低下するおそれがある。そのため、異物に起因する美観の低下を防止するためには、例えば、工程(a)の前に異物除去作業が行われる。
【0019】
工程(a)において保護フィルムが貼り付けられた状態の加飾フィルムが金型の空間内にセットされ、その後、工程(c)において加飾層から保護フィルムが剥離されることにより、金型の内表面と保護フィルムとの間に異物が存在しても、異物は保護フィルムごと加飾層から剥離されるので、加飾層に異物が付着することが防止される。また、保護フィルムがクッションの役割を果たすことにより、加飾層に異物に起因する変形(傷)が生じることも防止される。そのため、異物除去作業を削減することができる。
【0020】
また、保護フィルムが加飾層から剥離されると、外装カバーの表面において加飾層が存在する領域と存在しない領域との間に、保護フィルムの厚さ分の段差が形成される。外装カバーがライダーの身体に接するものである場合には、この段差により、グリップ性の向上を図ることができる。
【0021】
[項目6]
前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、前記加飾フィルムをプリフォームする工程を包含しない、項目5に記載の製造方法。
【0022】
工程(a)において保護フィルムが貼り付けられた状態の加飾フィルムをセットする場合には、工程(a)の後、工程(b)の前に、加飾フィルムをプリフォームする工程が行われないことが好ましい。加飾フィルムをプリフォームする工程を行わないことにより、粘着剤が固着して保護フィルムが剥離しにくくなることが防止される。
【0023】
[項目7]
前記保護フィルムは、厚さが互いに異なる複数の領域を含む、項目5または6に記載の製造方法。
【0024】
保護フィルムが、厚さが互いに異なる複数の領域を含んでいると、外装カバーの表面において段差の深さが互いに異なる複数の領域を形成することができる。そのため、外装カバーのグリップ性を領域ごとに調整することができる。
【0025】
[項目8]
前記工程(a)において前記加飾フィルムは複数用意され、前記金型内に前記複数の加飾フィルムが互いに離れてセットされる、項目1から7のいずれかに記載の製造方法。
【0026】
工程(a)において加飾フィルムが複数用意され、金型内に複数の加飾フィルムが互いに離れてセットされてもよい。これにより、加飾層が互いに離隔された複数の部分を含む構成を実現することができる。
【0027】
[項目9]
樹脂基材層と、
前記樹脂基材層上に設けられた加飾層と、
を備えた鞍乗型車両用外装カバーであって、
前記樹脂基材層は、孔を有し、
前記加飾層は、平面視において前記孔を少なくとも部分的に包囲する形状を有している、鞍乗型車両用外装カバー。
【0028】
本発明の実施形態による鞍乗型車両用外装カバーは、樹脂基材層と、樹脂基材層上に設けられた加飾層とを備えており、加飾フィルムを用いたフィルムインサート成形により製造され得る。本発明の実施形態による鞍乗型車両用外装カバーでは、樹脂基材層が孔を有し、加飾層は、平面視において樹脂基材層の孔を少なくとも部分的に包囲する形状を有している。このような構造により、フィルムインサート成形の際の加飾フィルムの位置ずれが抑制されるので、加飾フィルムを所望の位置に正確に配置することができ、美観の低下が防止され得る。
【0029】
[項目10]
前記加飾層は、平面視において前記孔を部分的に包囲する部分を含む、項目9に記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【0030】
加飾層は、平面視において樹脂基材層の孔を部分的に包囲する部分を含んでいてもよい。
【0031】
[項目11]
前記加飾層は、平面視において前記孔全体を包囲する部分を含む、項目9に記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【0032】
加飾層は、平面視において樹脂基材層の孔全体を包囲する部分を含んでいてもよい。
【0033】
[項目12]
前記樹脂基材層は、前記孔を複数有しており、
前記加飾層は、平面視において前記複数の孔のうちの2つ以上の孔を少なくとも部分的に包囲する部分を含んでいる、項目9から11のいずれかに記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【0034】
樹脂基材層が孔を複数有している場合、加飾層は、平面視において2つ以上の孔を少なくとも部分的に包囲する部分を含んでいることが好ましい。これにより、フィルムインサート成形の際の加飾フィルムの回転が抑制されるので、加飾フィルムの位置ずれがより確実に抑制される。
【0035】
[項目13]
前記加飾層は、前記樹脂基材層の主面のうちの一部の領域である第1領域上に設けられており、
前記樹脂基材層の前記主面のうちの前記第1領域以外の領域である第2領域と、前記加飾層の表面との間に段差があり、前記第2領域と前記加飾層の表面とで、前記加飾層の表面の方が低い、項目9から12のいずれかに記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【0036】
樹脂基材層の主面のうちの加飾層が設けられている領域(第1領域)以外の領域(第2領域)と、加飾層の表面との間に段差があると、外装カバーがライダーの身体に接するものである場合には、この段差によってグリップ性の向上を図ることができる。
【0037】
[項目14]
前記段差の深さが互いに異なる複数の領域を有する、項目13に記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【0038】
外装カバーが、段差の深さが互いに異なる複数の領域を有していると、外装カバーのグリップ性を領域ごとに調整することができる。
【0039】
[項目15]
前記加飾層は、互いに離隔された複数の部分を含む、項目9から14のいずれかに記載の鞍乗型車両用外装カバー。
【0040】
加飾層は、互いに離隔された複数の部分を含んでいてもよい。
【0041】
[項目16]
項目9から15のいずれかに記載の鞍乗型車両用外装カバーを備える、鞍乗型車両。
【発明の効果】
【0042】
本発明の実施形態によると、フィルムインサート成形の際の加飾フィルムの位置ずれが抑制される、鞍乗型車両用外装カバーおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の実施形態による鞍乗型車両用外装カバー100を模式的に示す正面図である。
図2】外装カバー100を模式的に示す裏面図である。
図3】外装カバー100を模式的に示す断面図であり、図1中の3A-3A’線に沿った断面を示している。
図4図3中の点線の円で囲まれた領域Reを拡大して示す図である。
図5】外装カバー100が備える加飾層20の積層構造の例を示す断面図である。
図6】外装カバー100の製造方法の例を示すフローチャートである。
図7】外装カバー100の製造に用いられる加飾フィルム20’の例を示す断面図である。
図8】金型1内に加飾フィルム20’をセットする様子を示す図である。
図9】型閉じ状態にされた金型1内に樹脂材料が注入されて第1基材層10および加飾層20を含む積層構造が形成された状態を示す図である。
図10】外装カバー100の加飾層20から保護フィルム24を剥離する様子を示す図である。
図11】金型1の内表面(固定型2の成形面2a)上に加飾フィルム20’がセットされた状態を示す平面図である。
図12】加飾フィルム20’のセット後に金型1が型閉じ状態とされた状態を示す断面図であり、図11中の12A-12A’線に沿った断面を示している。
図13】加飾フィルム20’の他の例を示す平面図である。
図14図13に示した加飾フィルム20’を用いて製造された外装カバー100を示す図である。
図15】厚さが互いに異なる複数の領域を含む保護フィルム24の例を示す断面図である。
図16】段差の深さ(凹部rpの深さ)が互いに異なる複数の領域を有する外装カバー100の例を示す断面図である。
図17】第1基材層10の表面の第2領域R2と、加飾層20の表面との間に段差が存在しない外装カバー100の例を示す断面図である。
図18】工程S1において2つの加飾フィルム20A’ および20B’が用意され、金型1内に2つの加飾フィルム20A’ および20B’が互いに離れてセットされる態様を示す図である。
図19】加飾層20が互いに離隔された複数の部分20Aおよび20Bを含む構成を示す図である。
図20】本発明の実施形態による外装カバーを備える自動二輪車200を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0045】
[外装カバーの構造]
図1から図4を参照しながら、本発明の実施形態による鞍乗型車両用外装カバー(以下では単に「外装カバー」と呼ぶ)100を説明する。図1および図2は、外装カバー100を模式的に示す正面図および裏面図である。図3は、外装カバー100を模式的に示す断面図であり、図1中の3A-3A’線に沿った断面を示している。図4は、図3中の点線の円で囲まれた領域Reを拡大して示す図である。
【0046】
図1から図4に例示している外装カバー100は、自動二輪車用である。具体的には、外装カバー100は、車体フレームの側方に配置されるリヤサイドカバーであり、より具体的には、車体フレームの左方に配置される左リヤサイドカバーである。以下の説明において、前、後、左、右、上、下は、外装カバー100が自動二輪車に取り付けられた状態における前、後、左、右、上、下を意味する。
【0047】
外装カバー100の表面のうち、外装カバー100が自動二輪車に取り付けられた状態において視認可能な部分を「外装面」と呼ぶ。外装面は、左方を向いている。外装カバー100は、図3に示すように、外装面を有するカバー本体101と、カバー本体101の外縁から右方に延びる縁壁部102とを有する。ここでは、縁壁部102は、図2に示すように、カバー本体101の外縁の大部分に対応して設けられているが、カバー本体101の外縁において縁壁部102が設けられている部分の割合は、図示している例に限定されない。
【0048】
また、外装カバー100は、図1図3および図4に示すように、樹脂基材層10と、樹脂基材層10上に設けられた加飾層20とを備える。
【0049】
樹脂基材層(後述する加飾層20の基材層と区別するため、以下では「第1基材層」と呼ぶ)10は、樹脂材料から形成されている。外装カバー100の全体形状は、主に第1基材層10によって規定される。
【0050】
加飾層20は、第1基材層10の表面(外装面側の主面)上に形成されており、外装面に位置するように配置されている。図示している例では、加飾層20は、第1基材層10の表面のうちの一部の領域(以下「第1領域」と呼ぶ)R1上に設けられている。ここでは、図4に示しているように、第1基材層10の表面のうちの第1領域R1以外の領域(以下「第2領域」と呼ぶ)R2と、加飾層20の表面との間に段差があり、第2領域R2と加飾層20の表面とで、加飾層20の表面の方が低い。従って、外装カバー100の外装面は、加飾層20に対応する位置に形成された凹部rpを有している。
【0051】
加飾層20は、積層構造を有し得る。図5に、加飾層20の積層構造の例を示す。図5に示す例では、加飾層20は、基材層21、インク層22および接着剤層23が、外装面側から第1基材層10側に向かってこの順に配置された積層構造を有している。
【0052】
基材層(第1基材層10と区別するために以下では「第2基材層」と呼ぶ)21は、透明な樹脂材料から形成されている。そのため、外部から第2基材層21を通してインク層22が視認され得る。インク層22は、加飾層20の装飾性を担っている。インク層22は、第2基材層21の2つの主面の一方(具体的には第1基材層10側の主面)上に設けられている。接着剤層23は、インク層22と第1基材層10との間に位置しており、第2基材層21とインク層22の積層体を第1基材層10に接合する役割を果たしている。
【0053】
第1基材層10および加飾層20を備えた外装カバー100は、後述するように、加飾フィルムを用いたフィルムインサート成形により製造され得る。加飾フィルムは、第2基材層21、インク層22および接着剤層23を含むフィルムである。
【0054】
本実施形態の外装カバー100では、第1基材層10は、複数の孔11A、11B、11C、11D、11E、11Fおよび11Gを有する。これらの孔11A~11Gは、それぞれ第1基材層10を厚さ方向に貫通する貫通孔である。孔11A~11Gは、カバー本体101から右方に突出した筒状の突出部103A、103B、103C、103D、103E、103Fおよび103Gの内壁面によって規定される(図2参照)。
【0055】
孔11A~11Gは、相対的に大径である第1の孔11Aおよび11Bと、相対的に小径である第2の孔11C、11D、11E、11Fおよび11Gとを含む。
【0056】
第1の孔11Aおよび11Bは、外装カバー100を車両本体に(例えば車体フレームに)取り付けるための孔である。そのため、第1の孔11Aおよび11Bは、外装カバー100を車両本体に取り付けるための構造が形成された部分(以下では「取付部」と呼ぶ)であるといえる。第1の孔11Aおよび11Bの一方11Aは、外装カバー100の前部に位置しており、他方11Bは、外装カバー100の後部に位置している。
【0057】
第2の孔11C~11Gも、外装カバー100を車両本体に取り付けるための孔(つまり取付部)である。第2の孔11C~11Gは、外装カバー100の下部に位置しており、前後に並ぶように配置されている。
【0058】
加飾層20は、図1に示すように、第1の孔11Aおよび11Bのそれぞれの近傍が切り欠かれた形状を有している。つまり、加飾層20は、平面視において第1の孔11Aおよび11Bを部分的に包囲する部分を含んでいる。このような構造により、後述するように、フィルムインサート成形の際の加飾フィルムの位置ずれが抑制されるので、加飾フィルムを所望の位置に正確に配置することができ、美観の低下が防止され得る。
【0059】
[外装カバーの製造方法]
図6を参照しながら、外装カバー100の製造方法を説明する。既に説明したように、外装カバー100は、加飾フィルムを用いたフィルムインサート成形により製造され得る。図6は、c方法の例を示すフローチャートである。
【0060】
まず、加飾フィルムを用意し、この加飾フィルムを金型内にセットする(工程S1)。図7に、この工程S1において用意される加飾フィルム20’の例を示す。
【0061】
図7に示す例では、加飾フィルム20’は、第2基材層21、インク層22および接着剤層23を有する。また、加飾フィルム20’の2つの主面の一方には、保護フィルム24が貼り付けられている。
【0062】
第2基材層21は、透明であり、インク層22等を支持する支持体として機能する。第2基材層21は、樹脂材料から形成されている。第2基材層21を形成するための樹脂材料は、第2基材層21が支持体として機能する限り、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂等を用いることができる。第2基材層21の厚さは、例えば40μm以上400μm以下である。第2基材層21は、単層でもよいし、積層構造を有していてもよい。積層構造の例としては、アクリル樹脂層とポリエチレンテレフタレート層の2層構造が挙げられる。
【0063】
インク層22は、第2基材層21の2つの主面の一方上に設けられている。インク層22は、装飾性を加飾フィルム20’に付与し得る。インク層22は、種々の色であり得る。また、インク層22は、金属調であってもよい。さらに、インク層22は、図柄を含んでもよい。ここで、「図柄」は、文字、数字、記号、絵柄、模様およびこれらの組み合わせ等を含む。インク層22は、印刷法により形成され得る。インク層22の材料としては、公知の種々のインクを用いることができる。インク層22の厚さは、例えば1μm以上50μm以下である。
【0064】
接着剤層(バインダ層)23は、インク層22上に設けられている。接着剤層23の材料である接着剤としては、公知の種々の接着剤を用いることができる。本願明細書において、「接着剤」は、感圧接着剤(粘着剤とも呼ぶ)を含む意味で用いる。接着剤層23は、例えば、インク化された感圧接着剤を用いて印刷法により形成されてもよいし、印刷法以外の方法で接着剤をインク層22上に付与することよって形成されてもよい。接着剤層23の厚さは、例えば5μm以上30μm以下である。
【0065】
加飾フィルム20’全体の厚さは、例えば46μm以上480μm以下である。
【0066】
保護フィルム24は、第2基材層21の2つの主面のうち、インク層22が設けられていない方の主面に貼り付けられている。保護フィルム24の貼り付けは、例えば粘着剤(感圧接着剤)により行われる。保護フィルム24は、樹脂材料から形成されている。保護フィルム24を形成するための樹脂材料は、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ウレタン、ポリプロピレン等を用いることができる。保護フィルム24の厚さは、例えば20μm以上150μm以下である。保護フィルム24は、単層でもよいし、積層構造を有していてもよい。
【0067】
なお、加飾フィルム20’は、ここで例示した構成に限定されない。例えば、加飾フィルム20’は、インク層22に代えて、金属層を有していてもよい。金属層は、例えば、蒸着法により形成される。金属層の材料としては、種々の金属材料を用いることができる。金属層の厚さは、例えば5nm以上80nm以下である。
【0068】
図8に、金型1内に加飾フィルム20’をセットする様子を示す。金型1は、固定型2と、可動型3とを備えている。図8には、型開き状態の金型1が示されている。固定型2および可動型3は、それぞれ成形面2aおよび3aを有する。固定型2および可動型3の成形面2aおよび3aは、型閉じ状態においてキャビティを規定する表面であり、金型1の内表面である。
【0069】
加飾フィルム20’は、型開き状態において固定型2の成形面2a上にセットされる。このとき、加飾フィルム20’は、成形面2aに吸着されてもよい。加飾フィルム20’の成形面2aへの吸着は、例えば静電吸着法により行うことができる。
【0070】
なお、一般的なフィルムインサート成形では、加飾フィルムは、保護フィルムが剥離された後に金型内にセットされる。これに対し、本実施形態では、工程S1において、加飾フィルム20’は、一方の主面に保護フィルム24が貼り付けられた状態のまま金型1内にセットされる。
【0071】
次に、金型1内に樹脂材料を注入して射出成形を行うことによって、第1基材層10および加飾層20を含む積層構造を形成する(工程S2)。図9に、型閉じ状態にされた金型1内(より具体的には金型1のキャビティ内)に樹脂材料が注入されて上述した積層構造が形成された状態を示す。成形条件(樹脂温度、金型温度、充填圧力、射出速度等)は、用いられる樹脂材料や外装カバー100の仕様(サイズ、厚さ等)等に応じて適宜設定される。なお、本実施形態では、工程S1の後、工程S2の前に、加飾フィルム20’を真空成型や圧空成形などによりプリフォーム(賦形)する工程は行われない。
【0072】
その後、保護フィルム24を加飾層20から剥離する(工程S3)。図10は、金型1から取り出された外装カバー100の加飾層20から保護フィルム24を剥離する様子を示している。
【0073】
既に説明したように、外装カバー100の第1基材層10は、車両本体への取り付けのための構造が形成された取付部(孔11A~11G)を有している。そのため、金型1の内表面は、第1基材層10の取付部を形成するための突起部を有している。図11は、金型1の内表面(固定型2の成形面2a)上に加飾フィルム20’がセットされた状態を示す平面図である。図12は、加飾フィルム20’のセット後に金型1が型閉じ状態とされた状態を示す断面図であり、図11中の12A-12A’線に沿った断面を示している。
【0074】
図11および図12に示すように、金型1の内表面(ここでは固定型2の成形面2a)は、第1基材層10の取付部を形成するための複数の突起部1a、1b、1c、1d、1e、1fおよび1gを有している。これらの突起部1a~1gのそれぞれは、孔11A~11Gのそれぞれに対応している。そして、加飾フィルム20’は、金型1内にセットされた状態において平面視で、第1の孔11Aおよび11Bに対応する突起部1aおよび1bを部分的に包囲する形状を有している。工程S2において、金型1内に樹脂材料が注入されると、加飾フィルム20’が樹脂材料の流動に伴って移動するおそれがあるが、加飾フィルム20’が上述したような形状を有していることにより、加飾フィルム20’が移動しようとしたときに金型1の突起部1aおよび1bにフック状に引っ掛かる。つまり、本実施形態の製造方法では、工程S1は、工程S2において加飾フィルム20’が樹脂材料の流動に伴って移動しようとしたときに金型1の突起部1aおよび1bに引っ掛かるように行われるということができる。
【0075】
このように、本実施形態の製造方法では、工程S1が、工程S2において加飾フィルム20’が樹脂材料の流動に伴って移動しようとしたときに金型1の突起部1aおよび1bに引っ掛かるように行われる。そのため、工程S2における加飾フィルム20’の位置ずれが抑制されるので、加飾フィルム20’を所望の位置に正確に配置することができる。それ故、外装カバー100の美観の低下が防止され得る。
【0076】
なお、加飾フィルム20’は、図11に例示したような、突起部1aおよび1bを部分的に包囲する形状に限定されない。加飾フィルム20’は、図13に示すように、少なくとも1つの孔20aを有していてもよい。図13に示す例では、加飾フィルム20’は、複数の(より具体的には2つの)孔20aを有している。工程S1において、加飾フィルム20’は、これらの孔20aに突起部1aおよび1bが挿通されるようにセットされる。工程S2では、孔20aの内周面が突起部1aおよび1bに引っ掛かることによって加飾フィルム20’の位置ずれが抑制される。
【0077】
図13に示した加飾フィルム20’を用いて製造された外装カバー100を図14に示す。図14に示す外装カバー100では、加飾フィルム20’の孔20aが、そのまま加飾層20の孔20aとして存在しており、加飾層20は、平面視において第1基材層10の第1の孔11Aおよび11B全体を包囲する部分を含んでいる。
【0078】
このように、加飾フィルム20’は、金型1内にセットされた状態において平面視で突起部を少なくとも部分的に包囲する(つまり部分的に包囲するかまたは全体的に包囲する)形状を有していればよい。加飾フィルム20’が突起部を部分的に包囲する形状を有している場合、加飾フィルム20’の位置ずれの抑制の観点からは、加飾フィルム20’が引っ掛かる突起部の全周のうちの50%以上が加飾フィルム20’で包囲されていることが好ましい。
【0079】
なお、ここまでの説明では、加飾フィルム20’が2つの突起部1aおよび1bに引っ掛かる場合を例示したが、加飾フィルム20’が引っ掛かる突起部の個数は2に限定されず、1であってもよいし、3以上であってもよい。金型1の内表面が突起部を複数有している場合、工程S1は、工程S2において加飾フィルム20’が移動しようとしたときに2つ以上の突起部に引っ掛かるように行われることが好ましい。加飾フィルム20’が2つ以上の突起部に引っ掛かることにより、加飾フィルム20’の回転が抑制されるので、加飾フィルム20’の位置ずれがより確実に抑制される。言い換えると、第1基材層10が孔を複数有している場合、加飾層20は、平面視において2つ以上の孔を少なくとも部分的に包囲する部分を含んでいることが好ましい。
【0080】
また、本実施形態の製造方法では、工程S1において、一方の主面に保護フィルム24が貼り付けられた状態の加飾フィルム20’が金型1の空間内にセットされ、工程S2の後に行われる工程S3において、加飾層20から保護フィルム24が剥離される。これにより、以下の利点が得られる。
【0081】
金型の内表面と加飾フィルムとの間にゴミ等の異物が存在すると、得られた外装カバーにおける加飾層に異物が付着して取れなくなったり、異物に起因する変形(傷)が生じたりすることがあり、外装カバーの美観が低下するおそれがある。そのため、異物に起因する美観の低下を防止するためには、例えば、加飾フィルムを金型内にセットする工程の前に異物除去作業が行われる。
【0082】
本実施形態のように、工程S1において保護フィルム24が貼り付けられた状態の加飾フィルム20’が金型1内にセットされ、その後、工程S3において加飾層20から保護フィルム24が剥離されることにより、金型1の内表面と保護フィルム24との間に異物が存在しても、異物は保護フィルム24ごと加飾層20から剥離されるので、加飾層20に異物が付着することが防止される。また、保護フィルム24がクッションの役割を果たすことにより、加飾層20に異物に起因する変形(傷)が生じることも防止される。そのため、異物除去作業を削減することができる。
【0083】
また、保護フィルム24が加飾層20から剥離されると、図4に示したように、外装カバー100の表面において加飾層20が存在する領域(第1領域R1)と存在しない領域(第2領域R2)との間に、保護フィルム24の厚さ分の段差が形成される。外装カバー100がライダーの身体に接するものである場合には、この段差により、グリップ性の向上を図ることができる。
【0084】
段差の深さ、つまり、凹部rpの深さ(言い換えると保護フィルム24の厚さ)dは、所望するグリップ性の程度に応じて適宜設定される。グリップ性の向上の観点からは、凹部rpの深さdは、20μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましい。
【0085】
工程S1において保護フィルム24が貼り付けられた状態の加飾フィルム20’をセットする場合には、工程S1の後、工程S2の前に、加飾フィルム20’をプリフォームする工程が行われないことが好ましい。加飾フィルム20’をプリフォームする工程を行うと、プリフォームの際の熱によって粘着剤が固着して保護フィルム24が剥離しにくくなるおそれがある。これに対し、加飾フィルム20’をプリフォームする工程を行わないことにより、粘着剤が固着して保護フィルム24が剥離しにくくなることが防止される。
【0086】
保護フィルム24は、厚さが互いに異なる複数の領域を含んでもよい。図15に、そのような保護フィルム24の例を示す。図15に示す保護フィルム24は、高積層領域RAと、低積層領域RBとを含んでいる。
【0087】
高積層領域RAは、第1層24aと、第1層24a上に設けられた第2層24bとを含んでいる。これに対し、低積層領域RBは、第1層24aのみを含んでいる。そのため、低積層領域RBの厚さt2は、高積層領域RAの厚さt1よりも小さい。
【0088】
保護フィルム24が、厚さが互いに異なる複数の領域を含んでいると、外装カバー100の表面において段差の深さ(凹部rpの深さ)が互いに異なる複数の領域を形成することができる。そのため、外装カバー100のグリップ性を領域ごとに調整することができる。図16に、そのような外装カバー100の例を示す。図16に示す例では、凹部rpのうち、保護フィルム24の高積層領域RAに対応して形成された領域rpaと、低積層領域RBに対応して形成された領域rpbとで、その深さが異なっている。具体的には、前者の領域rpaの深さd1は、後者の領域rpbの深さd2よりも大きい。
【0089】
なお、保護フィルム24の高積層領域RAおよび低積層領域RBのそれぞれにおける積層数は、図15に例示したもの(それぞれ2、1)に限定されない。また、保護フィルム24が厚さの互いに異なる複数の領域を有する構成は、例示したように、領域ごとに積層数が異なる態様に限定されない。
【0090】
なお、工程S1において、保護フィルム24が剥離された状態の加飾フィルム20’を金型1内にセットしてもよい。その場合、得られた外装カバー100では、図17に示すように、第1基材層10の表面の第2領域R2と、加飾層20の表面との間に段差が存在しない。
【0091】
また、工程S1において加飾フィルム20’が複数用意され、金型1内に複数の加飾フィルム20’が互いに離れてセットされてもよい。図18に、このような態様の例を示す。図18に示す例では、工程S1において2つの加飾フィルム20A’および20B’が用意され、金型1内に2つの加飾フィルム20A’および20B’が互いに離れてセットされる。これにより、図19に示すように、加飾層20が互いに離隔された複数の部分20Aおよび20Bを含む構成を実現することができる。
【0092】
[鞍乗型車両]
図20に、本発明の実施形態による外装カバーを備える鞍乗型車両の例を示す。図20には、鞍乗型車両として、モトクロッサーと呼ばれるオフロード型の自動二輪車200を例示している。ただし、鞍乗型車両は、オフロード型の自動二輪車200に限定されない。鞍乗型車両は、乗員が跨って乗車する車両である。鞍乗型車両は、オンロード型、スクータ型、モペット型等の他の型式の自動二輪車であってもよく、三輪車、四輪バギー(ATV:All Terrain Vehicle)、水上バイク、スノーモービル等の自動二輪車以外の車両であってもよい。
【0093】
自動二輪車200は、図20に示すように、車体フレーム50、前輪61および後輪62を備える。車体フレーム50は、エンジン63、ハンドル64、シート65、燃料タンク66を直接または間接的に支持している。
【0094】
車体フレーム50は、一対のメインフレーム51、ダウンフレーム52、一対の下部フレーム53、ヘッドパイプ54、一対のリヤアーム55およびシートレール56を含む。ヘッドパイプ54は、自動二輪車200の前部に配置されている。メインフレーム51は、ヘッドパイプ54から後斜め下に延びている。ダウンフレーム52は、メインフレーム51よりも下方に配置されており、ヘッドパイプ54から後斜め下に延びている。下部フレーム53は、ダウンフレーム52の下端と、メインフレーム51の下端とを接続している。シートレール56は、メインフレーム51から後方に延びている。
【0095】
メインフレーム51の下方かつダウンフレーム52の後方には、エンジン63が配置されている。ヘッドパイプ54の後方には、エアクリーナ67が配置されている。エアクリーナ67の後方かつメインフレーム51の上方には、シートレール56に支持されたシート65が配置されている。シート65の前部の下方には、燃料タンク66が配置されている。
【0096】
ヘッドパイプ54内にはステアリングシャフト(不図示)が挿入されており、ステアリングシャフトの上部にはハンドル64が接続されている。ステアリングシャフトと並んで一対のフロントフォーク68が配置されている。フロントフォーク68の下端には、前輪61が回転可能に取り付けられている。
【0097】
メインフレーム51の後部にはピボット軸51aが設けられている。リヤアーム55の前端部はピボット軸51aに支持されている。リヤアーム55は、ピボット軸51aによって、メインフレーム51に対して上下に揺動可能となっている。リヤアーム55の後端部には、後輪62が回転可能に取り付けられている。
【0098】
車体フレーム50には、車体フレーム50の一部を覆う各種の外装カバーが支持されている。例示している自動二輪車200は、外装カバーとして、一対のフロントサイドカバー71、一対のリヤサイドカバー72、フロントフェンダー73およびリヤフェンダー74を有する。
【0099】
フロントサイドカバー71は、シート65の前部の下方に配置され、メインフレーム51およびダウンフレーム52の上部に支持されている。リヤサイドカバー72は、シート65の後部の下方に配置され、シートレール56に支持されている。
【0100】
フロントフェンダー73は、前輪61の上方に配置され、フロントフォーク68に支持されている。リヤフェンダー74は、後輪62の上方に配置され、シートレール56に支持されている。
【0101】
本発明の実施形態による外装カバーは、上述したフロントサイドカバー71、リヤサイドカバー72、フロントフェンダー73およびリヤフェンダー74のいずれかであり得る。図19では、加飾層20の図示を省略している。
【0102】
上述したように、本発明の実施形態による鞍乗型車両用外装カバー100の製造方法は、樹脂基材層10と、前記樹脂基材層10上に設けられた加飾層20とを含む鞍乗型車両用外装カバー100の製造方法であって、(a)加飾フィルム20’を用意し、金型1内に前記加飾フィルム20’をセットする工程と、(b)前記工程(a)の後、前記金型1内に樹脂材料を注入して射出成形を行うことによって、前記樹脂基材層10および前記加飾層20を含む積層構造を形成する工程と、を包含する。前記樹脂基材層10は、前記外装カバー100を車両本体に取り付けるための構造が形成された取付部11Aを有し、前記金型1の内表面は、前記樹脂基材層10の前記取付部11Aを形成するための突起部1aを有する。前記工程(a)は、前記工程(b)において前記加飾フィルム20’が前記樹脂材料の流動に伴って移動しようとしたときに前記金型1の前記突起部1aに引っ掛かるように行われる。
【0103】
本発明の実施形態による鞍乗型車両用外装カバー100の製造方法は、加飾フィルム20’を用意して金型1内に加飾フィルム20’をセットする工程(a)と、工程(a)の後、金型1内に樹脂材料を注入して射出成形を行うことによって、樹脂基材層10および加飾層20を含む積層構造を形成する工程(b)とを包含する。本発明の実施形態による製造方法では、金型1の内表面は、樹脂基材層10の取付部11Aを形成するための突起部1aを有しており、工程(a)は、工程(b)において加飾フィルム20’が樹脂材料の流動に伴って移動しようとしたときに金型1の突起部1aに引っ掛かるように行われる。そのため、工程(b)における加飾フィルム20’の位置ずれが抑制されるので、加飾フィルム20’を所望の位置に正確に配置することができ、外装カバー100の美観の低下が防止され得る。
【0104】
ある実施形態では、前記加飾フィルム20’は、前記金型1内にセットされた状態において平面視で前記突起部1aを部分的に包囲する形状を有している。
【0105】
加飾フィルム20’が、金型1内にセットされた状態において平面視で突起部1aを部分的に包囲する形状を有していると、加飾フィルム20’が突起部1aにフック状に引っ掛かり得るので、そのことによって加飾フィルム20’の位置ずれが抑制される。
【0106】
ある実施形態では、前記加飾フィルム20’は、孔20aを有しており、前記工程(a)において、前記加飾フィルム20’は、前記孔20aに前記突起部1aが挿通されるようにセットされる。
【0107】
加飾フィルム20’が、孔20aを有しており、その孔20aに突起部1aが挿通されるようにセットされると、孔20aの内周面が突起部1aに引っ掛かることによって加飾フィルム20’の位置ずれが抑制される。
【0108】
ある実施形態では、前記金型1の内表面は、前記突起部を複数有しており、前記工程(a)は、前記工程(b)において前記加飾フィルム20’が移動しようとしたときに前記複数の突起部のうちの2つ以上の突起部に引っ掛かるように行われる。
【0109】
金型1の内表面が突起部を複数有している場合、工程(a)は、工程(b)において加飾フィルム20’が移動しようとしたときに2つ以上の突起部に引っ掛かるように行われることが好ましい。加飾フィルム20’が2つ以上の突起部に引っ掛かることにより、加飾フィルム20’の回転が抑制されるので、加飾フィルム20’の位置ずれがより確実に抑制される。
【0110】
ある実施形態では、前記工程(a)において、一方の主面に保護フィルム24が貼り付けられた状態の前記加飾フィルム20’が前記金型1内にセットされ、前記製造方法は、(c)前記工程(b)の後、前記保護フィルム24を前記加飾層20から剥離する工程をさらに包含する。
【0111】
工程(a)において、一方の主面に保護フィルム24が貼り付けられた状態の加飾フィルム20’が金型1内にセットされてもよい。その場合、工程(b)の後に行われる工程(c)において、加飾層20から保護フィルム24が剥離される。
【0112】
金型1の内表面と加飾フィルム20’との間にゴミ等の異物が存在すると、得られた外装カバー100における加飾層20に異物が付着して取れなくなったり、異物に起因する変形(傷)が生じたりすることがあり、外装カバー100の美観が低下するおそれがある。そのため、異物に起因する美観の低下を防止するためには、例えば、工程(a)の前に異物除去作業が行われる。
【0113】
工程(a)において保護フィルム24が貼り付けられた状態の加飾フィルム20’が金型1の空間内にセットされ、その後、工程(c)において加飾層20から保護フィルム24が剥離されることにより、金型1の内表面と保護フィルム24との間に異物が存在しても、異物は保護フィルム24ごと加飾層20から剥離されるので、加飾層20に異物が付着することが防止される。また、保護フィルム24がクッションの役割を果たすことにより、加飾層20に異物に起因する変形(傷)が生じることも防止される。そのため、異物除去作業を削減することができる。
【0114】
また、保護フィルム24が加飾層20から剥離されると、外装カバー100の表面において加飾層20が存在する領域と存在しない領域との間に、保護フィルム24の厚さ分の段差が形成される。外装カバー100がライダーの身体に接するものである場合には、この段差により、グリップ性の向上を図ることができる。
【0115】
ある実施形態では、前記製造方法は、前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、前記加飾フィルム20’をプリフォームする工程を包含しない。
【0116】
工程(a)において保護フィルム24が貼り付けられた状態の加飾フィルム20’をセットする場合には、工程(a)の後、工程(b)の前に、加飾フィルム20’をプリフォームする工程が行われないことが好ましい。加飾フィルム20’をプリフォームする工程を行わないことにより、粘着剤が固着して保護フィルム24が剥離しにくくなることが防止される。
【0117】
ある実施形態では、前記保護フィルム24は、厚さが互いに異なる複数の領域RA、RBを含む。
【0118】
保護フィルム24が、厚さが互いに異なる複数の領域RA、RBを含んでいると、外装カバー100の表面において段差の深さが互いに異なる複数の領域を形成することができる。そのため、外装カバー100のグリップ性を領域ごとに調整することができる。
【0119】
ある実施形態では、前記工程(a)において前記加飾フィルム20’は複数用意され、前記金型1内に前記複数の加飾フィルム20A’、20B’が互いに離れてセットされる。
【0120】
工程(a)において加飾フィルム20’が複数用意され、金型1内に複数の加飾フィルム20A’、20B’が互いに離れてセットされてもよい。これにより、加飾層20が互いに離隔された複数の部分20A、20Bを含む構成を実現することができる。
【0121】
本発明の実施形態による鞍乗型車両用外装カバー100は、樹脂基材層10と、前記樹脂基材層10上に設けられた加飾層20と、を備えた鞍乗型車両用外装カバー100であって、前記樹脂基材層10は、孔11Aを有し、前記加飾層20は、平面視において前記孔11Aを少なくとも部分的に包囲する形状を有している。
【0122】
本発明の実施形態による鞍乗型車両用外装カバー100は、樹脂基材層10と、樹脂基材層10上に設けられた加飾層20とを備えており、加飾フィルム20’を用いたフィルムインサート成形により製造され得る。本発明の実施形態による鞍乗型車両用外装カバー100では、樹脂基材層10が孔11Aを有し、加飾層20は、平面視において樹脂基材層10の孔11Aを少なくとも部分的に包囲する形状を有している。このような構造により、フィルムインサート成形の際の加飾フィルム20’の位置ずれが抑制されるので、加飾フィルム20’を所望の位置に正確に配置することができ、美観の低下が防止され得る。
【0123】
ある実施形態では、前記加飾層20は、平面視において前記孔11Aを部分的に包囲する部分を含む。
【0124】
加飾層20は、平面視において樹脂基材層10の孔11Aを部分的に包囲する部分を含んでいてもよい。
【0125】
ある実施形態では、前記加飾層20は、平面視において前記孔11A全体を包囲する部分を含む。
【0126】
加飾層20は、平面視において樹脂基材層10の孔11A全体を包囲する部分を含んでいてもよい。
【0127】
ある実施形態では、前記樹脂基材層10は、前記孔を複数有しており、前記加飾層20は、平面視において前記複数の孔のうちの2つ以上の孔を少なくとも部分的に包囲する部分を含んでいる。
【0128】
樹脂基材層10が孔を複数有している場合、加飾層20は、平面視において2つ以上の孔を少なくとも部分的に包囲する部分を含んでいることが好ましい。これにより、フィルムインサート成形の際の加飾フィルム20’の回転が抑制されるので、加飾フィルム20’の位置ずれがより確実に抑制される。
【0129】
ある実施形態では、前記加飾層20は、前記樹脂基材層10の主面のうちの一部の領域である第1領域R1上に設けられており、前記樹脂基材層10の前記主面のうちの前記第1領域R1以外の領域である第2領域R2と、前記加飾層20の表面との間に段差があり、前記第2領域R2と前記加飾層20の表面とで、前記加飾層20の表面の方が低い。
【0130】
樹脂基材層10の主面のうちの加飾層20が設けられている領域(第1領域R1)以外の領域(第2領域R2)と、加飾層20の表面との間に段差があると、外装カバー100がライダーの身体に接するものである場合には、この段差によってグリップ性の向上を図ることができる。
【0131】
ある実施形態では、前記鞍乗型車両用外装カバー100は、前記段差の深さが互いに異なる複数の領域を有する。
【0132】
外装カバー100が、段差の深さが互いに異なる複数の領域を有していると、外装カバー100のグリップ性を領域ごとに調整することができる。
【0133】
ある実施形態では、前記加飾層20は、互いに離隔された複数の部分20A、20Bを含む。
【0134】
加飾層20は、互いに離隔された複数の部分20A、20Bを含んでいてもよい。
【0135】
本発明の実施形態による鞍乗型車両は、上述した構成を有する鞍乗型車両用外装カバー100を備える。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明の実施形態によると、フィルムインサート成形の際の加飾フィルムの位置ずれが抑制される、鞍乗型車両用外装カバーおよびその製造方法を提供することができる。本発明の実施形態による製造方法は、自動二輪車をはじめとする種々の鞍乗型車両用の外装カバーの製造に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0137】
1:金型、1a・1b・1c・1d・1e・1f・1g:突起部、2:固定型、2a:固定型の成形面、3:可動型、3a:可動型の成形面、10:樹脂基材層(第1基材層)、11A・11B:第1の孔、11C・11D・11E・11F・11G:第2の孔、20:加飾層、20’・20A’・20B’:加飾フィルム、21:基材層(第2基材層)、22:インク層、23:接着剤層、24:保護フィルム、24a:第1層、24b:第2層、50:車体フレーム、51:メインフレーム、51a:ピボット軸、52:ダウンフレーム、53:下部フレーム、54:ヘッドパイプ、55:リヤアーム、56:シートレール、61:前輪、62:後輪、63:エンジン、64:ハンドル、65:シート、66:燃料タンク、67:エアクリーナ、68:フロントフォーク、71:フロントサイドカバー、72:リヤサイドカバー、73:フロントフェンダー、74:リヤフェンダー、100:外装カバー、101:カバー本体、102:縁壁部、103A・103B・103C・103D・103E・103F・103G:突出部、200:自動二輪車、rp:凹部、R1:樹脂基材層の表面の第1領域、R2:樹脂基材層の表面の第2領域、RA:保護フィルムの高積層領域、RB:保護フィルムの低積層領域
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