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特開2025-64959合金組成物及び該組成物から形成される物品
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  • 特開-合金組成物及び該組成物から形成される物品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025064959
(43)【公開日】2025-04-17
(54)【発明の名称】合金組成物及び該組成物から形成される物品
(51)【国際特許分類】
   C22C 19/05 20060101AFI20250410BHJP
   B22F 1/00 20220101ALN20250410BHJP
   B22F 10/00 20210101ALN20250410BHJP
【FI】
C22C19/05 B
C22C19/05 C
C22C19/05 L
B22F1/00 M
B22F10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024155482
(22)【出願日】2024-09-10
(31)【優先権主張番号】18/474,645
(32)【優先日】2023-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツイ、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】レイロック、マシュー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】アーネット、マイケル ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー、ジョン シー.
(72)【発明者】
【氏名】トリソン、ブライアン リー
(57)【要約】
【課題】良好な溶接性、高温での総合的機械的特性並びに耐食性及び耐酸化性が得られるニッケル基超合金を提供する。
【解決方法】本組成物は、約16重量%~約21重量%のCr、約3.5重量%~約6.0重量%のAl、約0.5重量%~約1.95重量%のFe、約9重量%~約12重量%のCo、約0.5重量%~約1.5重量%のMo、約0.03重量%~約0.18重量%のC、約0.5重量%~約1.5重量%のTi、約0.5重量%~約2.5重量%のW、約1.0重量%~約3.5重量%のNb、約0.25重量%未満のHf、及び残部のNi及び不可避不純物を含む。本合金組成物は、溶接プロセス、積層造形プロセス、金属鋳造プロセス、コーティングプロセス、補修プロセス、粉末冶金及び/又はそれらの組合せを始め、超合金を必要とする用途に広く適用できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約16重量%~約21重量%のクロム、
約3.5重量%~約6.0重量%のアルミニウム、
約0.5重量%~約1.95重量%の鉄、
約9重量%~約12重量%のコバルト、
約0.5重量%~約1.5重量%のモリブデン、
約0.03重量%~約0.18重量%の炭素、
約0.5重量%~約1.5重量%のチタン、
約0.5重量%~約2.5重量%のタングステン、
約1.0重量%~約3.5重量%のニオブ、
約0.25重量%未満のハフニウム、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む組成物。
【請求項2】
当該組成物が約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
当該組成物が約1.0重量%~約1.75重量%の鉄を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
当該組成物が約1.5重量%~約2.5重量%のニオブを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
当該組成物が約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウム、約1.0重量%~約1.75重量%の鉄及び約1.5重量%~約2.5重量%のニオブを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
約17重量%~約19重量%のクロム、
約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウム、
約1.0重量%~約1.75重量%の鉄、
約10重量%~約11重量%のコバルト、
約0.5重量%~約1.0重量%のモリブデン、
約0.05重量%~約0.10重量%の炭素、
約0.5重量%~約1.0重量%のチタン、
約1.0重量%~約2.0重量%のタングステン、
約1.5重量%~約2.5重量%のニオブ、
約0.25重量%未満のハフニウム、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
約17重量%~約19重量%のクロム、
約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウム、
約1.0重量%~約1.75重量%の鉄、
約10重量%~約11重量%のコバルト、
約0.5重量%~約1.0重量%のモリブデン、
約0.05重量%~約0.10重量%の炭素、
約0.5重量%~約1.0重量%のチタン、
約1.0重量%~約2.0重量%のタングステン、
約1.5重量%~約2.5重量%のニオブ、
約0.25重量%未満のハフニウム、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
当該組成物が約1700°F~約2100°F又は約1900°F~約2050°Fのγ′固溶温度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
当該組成物が約40%~約75%又は約45%~約70%のγ′体積分率を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
当該組成物が、溶接用組成物、積層造形用組成物、金属鋳造用組成物、コーティング用組成物及び補修用組成物の1種以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
組成物を含む物品であって、前記組成物が、
約16重量%~約21重量%のクロム、
約3.5重量%~約6.0重量%のアルミニウム、
約0.5重量%~約1.95重量%の鉄、
約9重量%~約12重量%のコバルト、
約0.5重量%~約1.5重量%のモリブデン、
約0.03重量%~約0.18重量%の炭素、
約0.5重量%~約1.5重量%のチタン、
約0.5重量%~約2.5重量%のタングステン、
約1.0重量%~約3.5重量%のニオブ、
約0.25重量%未満のハフニウム、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む、物品。
【請求項12】
当該物品がガスタービンのブレード又はガスタービンのブレードのスキーラチップである、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
当該物品が、ノズル、シュラウド、ダイアフラム、燃焼器部品及びこれらの組合せからなる群から選択されるガスタービンの部品である、請求項11に記載の物品。
【請求項14】
当該物品が、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びこれらの組合せからなる群から選択される技術で製造される、請求項11に記載の物品。
【請求項15】
前記組成物が約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウム、約1.0重量%~約1.75重量%の鉄及び約1.5重量%~約2.5重量%のニオブを含む、請求項11に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示技術の分野は、広義には組成物に関し、さらに具体的には合金組成物、合金組成物の使用方法並びに合金組成物で形成された物品に関する。合金組成物は、溶接プロセス、積層造形プロセス、金属鋳造プロセス、コーティングプロセス、補修プロセス、粉末冶金及び/又はそれらの組合せを始めとする、超合金を必要とする用途に広く適用できる。
【0002】
ニッケル基超合金には、従前、アルミニウム含有量の低い比較的易溶接性の超合金と、アルミニウム含有量の高い難溶接性の超合金とがあった。難溶接性超合金は溶接性に劣るため、用途が限られている。。
【0003】
ニッケル基超合金は、米国特許出願公開第2016/0326613に記載されており、Al含有量が低く、良好な溶接性を示す合金が記載されている。ただし、この合金系はAl含有量を低くしており、そのため他の特性が制限されかねない。
【0004】
ニッケル基超合金は、米国特許第10640849号にも記載されており、Al含有量が高く、良好な溶接性を示す合金が記載されている。ただし、この合金系は単純である。この合金の特性を改善するには、合金系にもっと多くの元素を追加する必要がある。
【0005】
そこで、良好な溶接性、高温での総合的機械的特性並びに耐食性及び耐酸化性が得られるニッケル基超合金が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、組成物を提供する。本組成物は、約16重量%~約21重量%のクロム、約3.5重量%~約6.0重量%のアルミニウム、約0.5重量%~約1.95重量%の鉄、約9重量%~約12重量%のコバルト、約0.5重量%~約1.5重量%のモリブデン、約0.03重量%~約0.18重量%の炭素、約0.5重量%~約1.5重量%のチタン、約0.5重量%~約2.5重量%のタングステン、約1.0重量%~約3.5重量%のニオブ、約0.25重量%未満のハフニウム、残部のニッケル及び不可避不純物を含む。
【0007】
別の態様では、組成物を使用する方法を提供する。組成物は、約16重量%~約21重量%のクロム、約3.5重量%~約6.0重量%のアルミニウム、約0.5重量%~約1.95重量%の鉄、約9重量%~約12重量%のコバルト、約0.5重量%~約1.5重量%のモリブデン、約0.03重量%~約0.18重量%の炭素、約0.5重量%~約1.5重量%のチタン、約0.5重量%~約2.5重量%のタングステン、約1.0重量%~約3.5重量%のニオブ、約0.25重量%未満のハフニウム、残部のニッケル及び不可避不純物を含む。本方法は、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せから選択される目的に組成物を使用することを含む。
【0008】
さらに別の態様では、組成物を含む物品を提供する。組成物は、約16重量%~約21重量%のクロム、約3.5重量%~約6.0重量%のアルミニウム、約0.5重量%~約1.95重量%の鉄、約9重量%~約12重量%のコバルト、約0.5重量%~約1.5重量%のモリブデン、約0.03重量%~約0.18重量%の炭素、約0.5重量%~約1.5重量%のチタン、約0.5重量%~約2.5重量%のタングステン、約1.0重量%~約3.5重量%のニオブ、約0.25重量%未満のハフニウム、残部のニッケル及び不可避不純物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示技術の上記その他の特徴、態様及び利点については、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができよう。図面において、同様の符号は同様の部材を表す。
図1】本開示技術に係る組成物の例示的な状態図。
図2】本開示技術に係る組成物の金属学的評価の例示的な結果を示す図。
図3】本開示技術に係る組成物を用いた溶接試験の例示的な結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
今回、本開示技術に係る組成物は溶接に使用できるという予想外の知見が得られた。本組成物は、他の合金組成物と比較して、Al、Fe及びNbの元素含有量が異なる。本組成物は、優れた溶接特性、優れた鋳造特性、高いアルミニウム含有量に起因する優れた耐酸化性、良好な機械的特性、高いγ′(ガンマプライム)体積分率及び高いγ′固溶温度(ソルバス温度)を示す。本開示技術に係る組成物は、限定されるものではないが、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せを始めとして、超合金を必要とする用途に広く適用できる。
【0011】
本明細書に記載の実施形態は、公知のニッケル基超合金の短所を少なくともある程度解消する。本明細書に記載の例示的な実施形態は、組成物を包含する。本組成物は、約16重量%~約21重量%のクロム、約3.5重量%~約6.0重量%のアルミニウム、約0.5重量%~約1.95重量%の鉄、約9重量%~約12重量%のコバルト、約0.5重量%~約1.5重量%のモリブデン、約0.03重量%~約0.18重量%の炭素、約0.5重量%~約1.5重量%のチタン、約0.5重量%~約2.5重量%のタングステン、約1.0重量%~約3.5重量%のニオブ、約0.25重量%未満のハフニウム、残部のニッケル及び不可避不純物を含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量のクロム(Cr)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はCrを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約16重量%~約21重量%のクロムを含む。
【0013】
幾つかの態様では、組成物は、約16.0重量%以上のCr、約16.1重量%以上のCr、約16.2重量%以上のCr、約16.3重量%以上のCr、約16.4重量%以上のCr、約16.5重量%以上のCr、約16.6重量%以上のCr、約16.7重量%以上のCr、約16.8重量%以上のCr、約16.9重量%以上のCr、約17.0重量%以上のCr、約17.1重量%以上のCr、約17.2重量%以上のCr、約17.3重量%以上のCr、約17.4重量%以上のCr、約17.5重量%以上のCr、約17.6重量%以上のCr、約17.7重量%以上のCr、約17.8重量%以上のCr、約17.9重量%以上のCr、約18.0重量%以上のCr、約18.1重量%以上のCr、約18.2重量%以上のCr、約18.3重量%以上のCr、約18.4重量%以上のCr、約18.5重量%以上のCr、約18.6重量%以上のCr、約18.7重量%以上のCr、約18.8重量%以上のCr、約18.9重量%以上のCr、約19.0重量%以上のCr、約19.1重量%以上のCr、約19.2重量%以上のCr、約19.3重量%以上のCr、約19.4重量%以上のCr、約19.5重量%以上のCr、約19.6重量%以上のCr、約19.7重量%以上のCr、約19.8重量%以上のCr、約19.9重量%以上のCr、約20.1重量%以上のCr、約20.2重量%以上のCr、約20.3重量%以上のCr、約20.4重量%以上のCr、約20.5重量%以上のCr、約20.6重量%以上のCr、約20.7重量%以上のCr、約20.8重量%以上のCr又は約20.9重量%以上のCrを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約16.1重量%以下のCr、約16.2重量%以下のCr、約16.3重量%以下のCr、約16.4重量%以下のCr、約16.5重量%以下のCr、約16.6重量%以下のCr、約16.7重量%以下のCr、約16.8重量%以下のCr、約16.9重量%以下のCr、約17.0重量%以下のCr、約17.1重量%以下のCr、約17.2重量%以下のCr、約17.3重量%以下のCr、約17.4重量%以下のCr、約17.5重量%以下のCr、約17.6重量%以下のCr、約17.7重量%以下のCr、約17.8重量%以下のCr、約17.9重量%以下のCr、約18.0重量%以下のCr、約18.1重量%以下のCr、約18.2重量%以下のCr、約18.3重量%以下のCr、約18.4重量%以下のCr、約18.5重量%以下のCr、約18.6重量%以下のCr、約18.7重量%以下のCr、約18.8重量%以下のCr、約18.9重量%以下のCr、約19.0重量%以下のCr、約19.1重量%以下のCr、約19.2重量%以下のCr、約19.3重量%以下のCr、約19.4重量%以下のCr、約19.5重量%以下のCr、約19.6重量%以下のCr、約19.7重量%以下のCr、約19.8重量%以下のCr、約19.9重量%以下のCr、約20.0重量%以下のCr、約20.1重量%以下のCr、約20.2重量%以下のCr、約20.3重量%以下のCr、約20.4重量%以下のCr、約20.5重量%以下のCr、約20.6重量%以下のCr、約20.7重量%以下のCr、約20.8重量%以下のCr、約20.9重量%以下のCr又は約21.0重量%以下のCrを含む。
【0014】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量のアルミニウム(Al)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は約3.5重量%~約6.0重量%のアルミニウムを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウムを含む。
【0015】
幾つかの実施形態では、組成物は約3.5重量%以上のAl、約3.6重量%以上のAl、約3.7重量%以上のAl、約3.8重量%以上のAl、約3.9重量%以上のAl、約4.0重量%以上のAl、約4.1重量%以上のAl、約4.2重量%以上のAl、約4.3重量%以上のAl、約4.4重量%以上のAl、約4.5重量%以上のAl、約4.6重量%以上のAl、約4.7重量%以上のAl、約4.8重量%以上のAl、約4.9重量%以上のAl、約5.0重量%以上のAl、約5.1重量%以上のAl、約5.2重量%以上のAl、約5.3重量%以上のAl、約5.4重量%以上のAl、約5.5重量%以上のAl、約5.6重量%以上のAl、約5.7重量%以上のAl、約5.8重量%以上のAl又は約5.9重量%以上のAlを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約3.6重量%以下のAl、約3.7重量%以下のAl、約3.8重量%以下のAl、約3.9重量%以下のAl、約4.0重量%以下のAl、約4.1重量%以下のAl、約4.2重量%以下のAl、約4.3重量%以下のAl、約4.4重量%以下のAl、約4.5重量%以下のAl、約4.6重量%以下のAl、約4.7重量%以下のAl、約4.8重量%以下のAl、約4.9重量%以下のAl、約5.0重量%以下のAl、約5.1重量%以下のAl、約5.2重量%以下のAl、約5.3重量%以下のAl、約5.4重量%以下のAl、約5.5重量%以下のAl、約5.6重量%以下のAl、約5.7重量%以下のAl、約5.8重量%以下のAl、約5.9重量%以下のAl又は約6.0重量%以下のAlを含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量の鉄(Fe)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は約0.5重量%~約1.95重量%の鉄を含む。
【0017】
幾つかの実施形態では、組成物は約0.50重量%以上のFe、約0.55重量%以上のFe、約0.60重量%以上のFe、約0.65重量%以上のFe、約0.70重量%以上のFe、約0.75重量%以上のFe、約0.80重量%以上のFe、約0.85重量%以上のFe、約0.90重量%以上のFe、約0.95重量%以上のFe、約1.0重量%以上のFe、約1.05重量%以上のFe、約1.1重量%以上のFe、約1.15重量%以上のFe、約1.2重量%以上のFe、約1.25重量%以上のFe、約1.3重量%以上のFe、約1.35重量%以上のFe、約1.4重量%以上のFe、約1.45重量%以上のFe、約1.5重量%以上のFe、約1.55重量%以上のFe、約1.6重量%以上のFe、約1.65重量%以上のFe、約1.7重量%以上のFe、約1.75重量%以上のFe、約1.8重量%以上のFe、約1.85重量%以上のFe又は約1.9重量%以上のFeを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約0.55重量%以下のFe、約0.60重量%以下のFe、約0.65重量%以下のFe、約0.70重量%以下のFe、約0.75重量%以下のFe、約0.80重量%以下のFe、約0.85重量%以下のFe、約0.90重量%以下のFe、約0.95重量%以下のFe、約1.0重量%以下のFe、約1.05重量%以下のFe、約1.1重量%以下のFe、約1.15重量%以下のFe、約1.2重量%以下のFe、約1.25重量%以下のFe、約1.3重量%以下のFe、約1.35重量%以下のFe、約1.4重量%以下のFe、約1.45重量%以下のFe、約1.5重量%以下のFe、約1.55重量%以下のFe、約1.6重量%以下のFe、約1.65重量%以下のFe、約1.7重量%以下のFe、約1.75重量%以下のFe、約1.8重量%以下のFe、約1.85重量%以下のFe、約1.9重量%以下のFe又は約1.95重量%以下のFeを含む。
【0018】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量のコバルト(Co)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は約9重量%~約12重量%のコバルトを含む。
【0019】
幾つかの実施形態では、組成物は
約9.0重量%以上のCo、約9.1重量%以上のCo、約9.2重量%以上のCo、約9.3重量%以上のCo、約9.4重量%以上のCo、約9.5重量%以上のCo、約9.6重量%以上のCo、約9.7重量%以上のCo、約9.8重量%以上のCo、約9.9重量%以上のCo、約10.0重量%以上のCo、約10.1重量%以上のCo、約10.2重量%以上のCo、約10.3重量%以上のCo、約10.4重量%以上のCo、約10.5重量%以上のCo、約10.6重量%以上のCo、約10.7重量%以上のCo、約10.8重量%以上のCo、約10.9重量%以上のCo、約11.0重量%以上のCo、約11.1重量%以上のCo、約11.2重量%以上のCo、約11.3重量%以上のCo、約11.4重量%以上のCo、約11.5重量%以上のCo、約11.6重量%以上のCo、約11.7重量%以上のCo、約11.8重量%以上のCo又は約11.9重量%以上のCoを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約9.1重量%以下のCo、約9.2重量%以下のCo、約9.3重量%以下のCo、約9.4重量%以下のCo、約9.5重量%以下のCo、約9.6重量%以下のCo、約9.7重量%以下のCo、約9.8重量%以下のCo、約9.9重量%以下のCo、約10.0重量%以下のCo、約10.1重量%以下のCo、約10.2重量%以下のCo、約10.3重量%以下のCo、約10.4重量%以下のCo、約10.5重量%以下のCo、約10.6重量%以下のCo、約10.7重量%以下のCo、約10.8重量%以下のCo、約10.9重量%以下のCo、約11.0重量%以下のCo、約11.1重量%以下のCo、約11.2重量%以下のCo、約11.3重量%以下のCo、約11.4重量%以下のCo、約11.5重量%以下のCo、約11.6重量%以下のCo、約11.7重量%以下のCo、約11.8重量%以下のCo、約11.9重量%以下のCo又は約12.0重量%以下のCoを含む。
【0020】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量のモリブデン(Mo)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は約0.5重量%~約1.5重量%のモリブデンを含む。
【0021】
幾つかの態様では、組成物は約0.50重量%以上のMo、約0.55重量%以上のMo、約0.60重量%以上のMo、約0.65重量%以上のMo、約0.70重量%以上のMo、約0.75重量%以上のMo、約0.80重量%以上のMo、約0.85重量%以上のMo、約0.90重量%以上のMo、約0.95重量%以上のMo、約1.0重量%以上のMo、約1.05重量%以上のMo、約1.1重量%以上のMo、約1.15重量%以上のMo、約1.2重量%以上のMo、約1.25重量%以上のMo、約1.3重量%以上のMo、約1.35重量%以上のMo、約1.4重量%以上のMo又は約1.45重量%以上のMoを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約0.55重量%以下のMo、約0.60重量%以下のMo、約0.65重量%以下のMo、約0.70重量%以下のMo、約0.75重量%以下のMo、約0.80重量%以下のMo、約0.85重量%以下のMo、約0.90重量%以下のMo、約0.95重量%以下のMo、約1.0重量%以下のMo、約1.05重量%以下のMo、約1.1重量%以下のMo、約1.15重量%以下のMo、約1.2重量%以下のMo、約1.25重量%以下のMo、約1.3重量%以下のMo、約1.35重量%以下のMo、約1.4重量%以下のMo、約1.45重量%以下のMo又は約1.5重量%以下のMoを含む。
【0022】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量の炭素(C)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は約0.03重量%~約0.18重量%の炭素を含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、組成物は約0.03重量%以上のC、約0.04重量%以上のC、約0.05重量%以上のC、約0.06重量%以上のC、約0.07重量%以上のC、約0.08重量%以上のC、約0.09重量%以上のC、約0.10重量%以上のC、約0.11重量%以上のC、約0.12重量%以上のC、約0.13重量%以上のC、約0.14重量%以上のC、約0.15重量%以上のC、約0.16重量%以上のC又は約0.17重量%以上のCを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約0.04重量%以下のC、約0.05重量%以下のC、約0.06重量%以下のC、約0.07重量%以下のC、約0.08重量%以下のC、約0.09重量%以下のC、約0.10重量%以下のC、約0.11重量%以下のC、約0.12重量%以下のC、約0.13重量%以下のC、約0.14重量%以下のC、約0.15重量%以下のC、約0.16重量%以下のC、約0.17重量%以下のC又は約0.18重量%以下のCを含む。
【0024】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量のチタン(Ti)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は約0.50重量%~約1.5重量%のTiを含む。
【0025】
幾つかの実施形態では、組成物は約0.50重量%以上のTi、約0.55重量%以上のTi、約0.60重量%以上のTi、約0.65重量%以上のTi、約0.70重量%以上のTi、約0.75重量%以上のTi、約0.80重量%以上のTi、約0.85重量%以上のTi、約0.90重量%以上のTi、約0.95重量%以上のTi、約1.0重量%以上のTi、約1.05重量%以上のTi、約1.1重量%以上のTi、約1.15重量%以上のTi、約1.2重量%以上のTi、約1.25重量%以上のTi、約1.3重量%以上のTi、約1.35重量%以上のTi、約1.4重量%以上のTi又は約1.45重量%以上のTiを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約0.55重量%以下のTi、約0.60重量%以下のTi、約0.65重量%以下のTi、約0.70重量%以下のTi、約0.75重量%以下のTi、約0.80重量%以下のTi、約0.85重量%以下のTi、約0.90重量%以下のTi、約0.95重量%以下のTi、約1.0重量%以下のTi、約1.05重量%以下のTi、約1.1重量%以下のTi、約1.15重量%以下のTi、約1.2重量%以下のTi、約1.25重量%以下のTi、約1.3重量%以下のTi、約1.35重量%以下のTi、約1.4重量%以下のTi、約1.45重量%以下のTi又は約1.5重量%以下のTiを含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量のタングステン(W)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は約0.50重量%~約2.5重量%Wを含む。
【0027】
幾つかの実施形態では、組成物は約0.50重量%以上のW、約0.55重量%以上のW、約0.60重量%以上のW、約0.65重量%以上のW、約0.70重量%以上のW、約0.75重量%以上のW、約0.80重量%以上のW、約0.85重量%以上のW、約0.90重量%以上のW、約0.95重量%以上のW、約1.0重量%以上のW、約1.05重量%以上のW、約1.1重量%以上のW、約1.15重量%以上のW、約1.2重量%以上のW、約1.25重量%以上のW、約1.3重量%以上のW、約1.35重量%以上のW、約1.4重量%以上のW、約1.45重量%以上のW、約1.50重量%以上のW、約1.55重量%以上のW、約1.60重量%以上のW、約1.65重量%以上のW、約1.70重量%以上のW、約1.75重量%以上のW、約1.80重量%以上のW、約1.85重量%以上のW、約1.90重量%以上のW、約1.95重量%以上のW、約2.0重量%以上のW、約2.05重量%以上のW、約2.10重量%以上のW、約2.15重量%以上のW、約2.2重量%以上のW、約2.25重量%以上のW、約2.3重量%以上のW、約2.35重量%以上のW、約2.4重量%以上のW又は約2.45重量%以上のWを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約0.55重量%以下のW、約0.60重量%以下のW、約0.65重量%以下のW、約0.70重量%以下のW、約0.75重量%以下のW、約0.80重量%以下のW、約0.85重量%以下のW、約0.90重量%以下のW、約0.95重量%以下のW、約1.0重量%以下のW、約1.05重量%以下のW、約1.1重量%以下のW、約1.15重量%以下のW、約1.2重量%以下のW、約1.25重量%以下のW、約1.3重量%以下のW、約1.35重量%以下のW、約1.4重量%以下のW、約1.45重量%以下のW、約1.50重量%以下のW、約1.55重量%以下のW、約1.60重量%以下のW、約1.65重量%以下のW、約1.70重量%以下のW、約1.75重量%以下のW、約1.80重量%以下のW、約1.85重量%以下のW、約1.90重量%以下のW、約1.95重量%以下のW、約2.0重量%以下のW、約2.05重量%以下のW、約2.10重量%以下のW、約2.15重量%以下のW、約2.2重量%以下のW、約2.25重量%以下のW、約2.3重量%以下のW、約2.35重量%以下のW、約2.4重量%以下のW、約2.45重量%以下のW又は約2.5重量%以下のWを含む。
【0028】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量のニオブ(Nb)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は約1.0重量%~約3.5重量%のNbを含む。
【0029】
幾つかの実施形態では、組成物は約1.0重量%以上のNb、約1.05重量%以上のNb、約1.1重量%以上のNb、約1.15重量%以上のNb、約1.2重量%以上のNb、約1.25重量%以上のNb、約1.3重量%以上のNb、約1.35重量%以上のNb、約1.4重量%以上のNb、約1.45重量%以上のNb、約1.50重量%以上のNb、約1.55重量%以上のNb、約1.60重量%以上のNb、約1.65重量%以上のNb、約1.70重量%以上のNb、約1.75重量%以上のNb、約1.80重量%以上のNb、約1.85重量%以上のNb、約1.90重量%以上のNb、約1.95重量%以上のNb、約2.0重量%以上のNb、約2.05重量%以上のNb、約2.10重量%以上のNb、約2.15重量%以上のNb、約2.2重量%以上のNb、約2.25重量%以上のNb、約2.3重量%以上のNb、約2.35重量%以上のNb、約2.4重量%以上のNb、約2.45重量%以上のNb、約2.50重量%以上のNb、約2.55重量%以上のNb、約2.60重量%以上のNb、約2.65重量%以上のNb、約2.70重量%以上のNb、約2.75重量%以上のNb、約2.80重量%以上のNb、約2.85重量%以上のNb、約2.90重量%以上のNb、約2.95重量%以上のNb、約3.0重量%以上のNb、約3.05重量%以上のNb、約3.10重量%以上のNb、約3.15重量%以上のNb、約3.2重量%以上のNb、約3.25重量%以上のNb、約3.3重量%以上のNb、約3.35重量%以上のNb、約3.4重量%以上のNb又は約3.45重量%以上のNbを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約1.05重量%以下のNb、約1.1重量%以下のNb、約1.15重量%以下のNb、約1.2重量%以下のNb、約1.25重量%以下のNb、約1.3重量%以下のNb、約1.35重量%以下のNb、約1.4重量%以下のNb、約1.45重量%以下のNb、約1.50重量%以下のNb、約1.55重量%以下のNb、約1.60重量%以下のNb、約1.65重量%以下のNb、約1.70重量%以下のNb、約1.75重量%以下のNb、約1.80重量%以下のNb、約1.85重量%以下のNb、約1.90重量%以下のNb、約1.95重量%以下のNb、約2.0重量%以下のNb、約2.05重量%以下のNb、約2.10重量%以下のNb、約2.15重量%以下のNb、約2.2重量%以下のNb、約2.25重量%以下のNb、約2.3重量%以下のNb、約2.35重量%以下のNb、約2.4重量%以下のNb、約2.45重量%以下のNb、約2.50重量%以下のNb、約2.55重量%以下のNb、約2.60重量%以下のNb、約2.65重量%以下のNb、約2.70重量%以下のNb、約2.75重量%以下のNb、約2.80重量%以下のNb、約2.85重量%以下のNb、約2.90重量%以下のNb、約2.95重量%以下のNb、約3.0重量%以下のNb、約3.05重量%以下のNb、約3.10重量%以下のNb、約3.15重量%以下のNb、約3.2重量%以下のNb、約3.25重量%以下のNb、約3.3重量%以下のNb、約3.35重量%以下のNb、約3.4重量%以下のNb、約3.45重量%以下のNb又は約3.5重量%以下のNbを含む。
【0030】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量のハフニウム(Hf)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物はHfを含まない。幾つかの実施形態では、組成物は約0.25重量%未満のHfを含む。
【0031】
幾つかの実施形態では、組成物は約0.01重量%以上のHf、約0.05重量%以上のHf、約0.10重量%以上のHf、約0.15重量%以上のHf又は約0.20重量%以上のHfを含む。幾つかの実施形態では、組成物は約0.05重量%以下のHf、約0.10重量%以下のHf、約0.15重量%以下のHf、約0.20重量%以下のHf又は約0.24重量%以下のHfを含む。
【0032】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物に資する適量のニッケル(Ni)を含んでいてもよい。多くの実施形態では、組成物は残部のニッケルを含む。これらの実施形態では、ニッケルの量は、組成物の総重量%を100重量%にするのに十分である。
【0033】
幾つかの実施形態では、組成物は約49重量%以上のNi、約50重量%以上のNi、約51重量%以上のNi、約52重量%以上のNi、約53重量%以上のNi、約54重量%以上のNi、約55重量%以上のNi、約56重量%以上のNi、約57重量%以上のNi、約58重量%以上のNi、約59重量%以上のNi、約60重量%以上のNi、約61重量%以上のNi、約62重量%以上のNi、約63重量%以上のNi、約64重量%以上のNi、約65重量%以上のNi、約66重量%以上のNi、約67重量%以上のNi、約68重量%以上のNi又は約69重量%以上のNiを含む。

幾つかの実施形態では、組成物は約50重量%以下のNi、約51重量%以下のNi、約52重量%以下のNi、約53重量%以下のNi、約54重量%以下のNi、約55重量%以下のNi、約56重量%以下のNi、約57重量%以下のNi、約58重量%以下のNi、約59重量%以下のNi、約60重量%以下のNi、約61重量%以下のNi、約62重量%以下のNi、約63重量%以下のNi、約64重量%以下のNi、約65重量%以下のNi、約67重量%以下のNi、約68重量%以下のNi又は約69重量%以下のNiを含む。
【0034】
一般に、組成物は、組成物の材料特性を実質的に変えることのない不純物を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物は元素態不純物も含む。幾つかの実施形態では、組成物は不可避不純物も含む。
【0035】
幾つかの実施形態では、組成物は残部のニッケル及び付随的な不純物を含む。これらの実施形態では、ニッケル及び付随的な不純物の量は、組成物の総重量%を100重量%にするのに十分である。
幾つかの実施形態では、組成物は残部のニッケル及び不可避不純物を含む。これらの実施形態では、ニッケル及び不可避不純物の量は、組成物の総重量%を100重量%にするのに十分である。
【0036】
幾つかの実施形態では、組成物は合金組成物である。幾つかの実施形態では、組成物は超合金組成物である。
【0037】
幾つかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物の使用に資するγ′固溶温度を有することができる。幾つかの実施形態では、組成物は約1700°F~約2100°Fのγ′固溶温度を有する。幾つかの実施形態では、組成物は約1900°F~約2050°Fのγ′固溶温度を有する。
【0038】
幾つかの実施形態では、組成物は約1700°F以上、約1750°F以上、約1800°F以上、約1850°F以上、約1900°F以上、約1950°F以上、約2000°F以上又は約2050°F以上のγ′固溶温度を有する。幾つかの実施形態では、組成物は約1750°F以下、約1800°F以下、約1850°F以下、約1900°F以下、約1950°F以下、約2000°F以下、約2050°F以下又は約2100°F以下のγ′固溶温度を有する。
【0039】
幾つかの実施形態では、組成物は本明細書に記載の組成物の使用に資するγ′体積分率を有することができる。幾つかの実施形態では、組成物は約40%~約75%のγ′体積分率を有する。幾つかの実施形態では、組成物は約45%~約70%のγ′体積分率を有する。
【0040】
幾つかの実施形態では、組成物は約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上又は約70%以上のγ′体積分率を有する。幾つかの実施形態では、組成物は約45%以下、約50%以下、約55%以下、約60%以下、約65%以下、約70%以下又は約75%以下のγ′体積分率を有する。
【0041】
一般に、組成物は、本明細書に記載の組成物の使用に資する当技術分野で公知の適切な目的に則して使用し得る。幾つかの実施形態では、組成物は、溶接用組成物、積層造形用組成物、金属鋳造用組成物、コーティング用組成物及び/又は補修用組成物である。幾つかの実施形態では、組成物は、溶接用組成物、積層造形用組成物、金属鋳造用組成物、コーティング用組成物、粉末冶金組成物及び/又は補修用組成物に使用される。
【0042】
本明細書では、組成物を使用する方法についても記載するが、本方法は、限定されるものではないが、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せのいずれかに組成物を使用することを含む。
【0043】
本明細書では、組成物を含む物品についても記載する。一般に、組成物は、本明細書に記載の組成物の使用に資する当技術分野で公知の適切な物品に含まれる。幾つかの実施形態では、物品は、限定されるものではないが、溶接プロセス、積層造形プロセス、金属鋳造プロセス、コーティングプロセス、補修プロセス、粉末冶金及びそれらの組合せを用いて製造される。
【0044】
幾つかの実施形態では、物品は、ガスタービン用のブレード又はガスタービンのブレードのスキーラチップである。幾つかの実施形態では、物品は、限定されるものではないが、ノズル、シュラウド、ダイアフラム、燃焼器部品及び/又はそれらの組合せのようなガスタービンの部品である。
【0045】
本開示技術のその他の態様を、以下の実施態様項に示す。
[実施態様1]
約16重量%~約21重量%のクロム、
約3.5重量%~約6.0重量%のアルミニウム、
約0.5重量%~約1.95重量%の鉄、
約9重量%~約12重量%のコバルト、
約0.5重量%~約1.5重量%のモリブデン、
約0.03重量%~約0.18重量%の炭素、
約0.5重量%~約1.5重量%のチタン、
約0.5重量%~約2.5重量%のタングステン、
約1.0重量%~約3.5重量%のニオブ、
約0.25重量%未満のハフニウム、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む組成物。
[実施態様2]
組成物が約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウムを含む、実施態様項1に記載の組成物。
[実施態様3]
組成物が約1.0重量%~約1.75重量%の鉄を含む、実施態様項1又は実施態様項2に記載の組成物。
[実施態様4]
組成物が約1.5重量%~約2.5重量%のニオブを含む、実施態様項1乃至実施態様項のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様5]
組成物が約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウム、約1.0重量%~約1.75重量%の鉄及び約1.5重量%~約2.5重量%のニオブを含む、実施態様項1乃至実施態様項4のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様6]
約17重量%~約19重量%のクロム、
約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウム、
約1.0重量%~約1.75重量%の鉄、
約10重量%~約11重量%のコバルト、
約0.5重量%~約1.0重量%のモリブデン、
約0.05重量%~約0.10重量%の炭素、
約0.5重量%~約1.0重量%のチタン、
約1.0重量%~約2.0重量%のタングステン、
約1.5重量%~約2.5重量%のニオブ、
約0.25重量%未満のハフニウム、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む、実施態様項1乃至実施態様項5のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様7]
約17重量%~約19重量%のクロム、
約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウム、
約1.0重量%~約1.75重量%の鉄、
約10重量%~約11重量%のコバルト、
約0.5重量%~約1.0重量%のモリブデン、
約0.05重量%~約0.10重量%の炭素、
約0.5重量%~約1.0重量%のチタン、
約1.0重量%~約2.0重量%のタングステン、
約1.5重量%~約2.5重量%のニオブ、
約0.25重量%未満のハフニウム、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
からなる、実施態様項1乃至実施態様項6のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様8]
組成物が約1700°F~約2100°Fのγ′固溶温度を有する、実施態様項1乃至実施態様項7のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様9]
組成物が約1900°F~約2050°Fのγ′固溶温度を有する、実施態様項1乃至実施態様項8のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様10]
組成物が約40%~約75%のγ′体積分率を有する、実施態様項1乃至実施態様項9のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様11]
組成物が約45%~約70%のγ′体積分率を有する、実施態様項1乃至実施態様項10のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様12]
組成物が、溶接用組成物、積層造形用組成物、金属鋳造用組成物、コーティング用組成物及び補修用組成物の1種以上である、実施態様項1乃至実施態様項11のいずれか1項に記載の組成物。
[実施態様13]
約16重量%~約21重量%のクロム、
約3.5重量%~約6.0重量%のアルミニウム、
約0.5重量%~約1.95重量%の鉄、
約9重量%~約12重量%のコバルト、
約0.5重量%~約1.5重量%のモリブデン、
約0.03重量%~約0.18重量%の炭素、
約0.5重量%~約1.5重量%のチタン、
約0.5重量%~約2.5重量%のタングステン、
約1.0重量%~約3.5重量%のニオブ、
約0.25重量%未満のハフニウム、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む組成物を使用する方法であって、当該方法が、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せからなる群から選択される目的に組成物を使用することを含む、方法。
[実施態様14]
組成物が約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウム、約1.0重量%~約1.75重量%の鉄及び約1.5重量%~約2.5重量%のニオブを含む、実施態様項13に記載の方法。
[実施態様15]
組成物が約1700°F~約2100°Fのγ′固溶温度を有する、実施態様項13又は実施態様項14に記載の方法。
[実施態様16]
組成物を含む物品であって、組成物が、
約16重量%~約21重量%のクロム、
約3.5重量%~約6.0重量%のアルミニウム、
約0.5重量%~約1.95重量%の鉄、
約9重量%~約12重量%のコバルト、
約0.5重量%~約1.5重量%のモリブデン、
約0.03重量%~約0.18重量%の炭素、
約0.5重量%~約1.5重量%のチタン、
約0.5重量%~約2.5重量%のタングステン、
約1.0重量%~約3.5重量%のニオブ、
約0.25重量%未満のハフニウム、及び
残部のニッケル及び不可避不純物
を含む、物品。
[実施態様17]
物品がガスタービンのブレード又はガスタービンのブレードのスキーラチップである、実施態様項16に記載の物品。
[実施態様項18]
物品が、ノズル、シュラウド、ダイアフラム、燃焼器部品及びこれらの組合せからなる群から選択されるガスタービンの部品である、実施態様項16又は請求項17に記載の物品。
[実施態様項19]
物品が、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びこれらの組合せからなる群から選択される技術で製造される、実施態様項16乃至実施態様項18のいずれか1項に記載の物品。
[実施態様項20]
組成物が約4.0重量%~約5.0重量%のアルミニウム、約1.0重量%~約1.75重量%の鉄及び約1.5重量%~約2.5重量%のニオブを含む、実施態様項16乃至実施態様項19のいずれか1項に記載の物品。
【0046】
以上の説明で「幾つかの実施形態」という場合、記載された特徴が取り込まれた追加の実施形態の存在を除外するものではない。
【0047】
[実施例]
これ以上説明しなくても、当業者であれば、以上の説明から、本発明を最大限活用できると思料される。以下の実施例は、単なる例示にすぎず、本開示を限定するものではない。以下の実施例の出発材料は、必ずしも他の実施例に手順が記載された特定の調製例で調製したものとは限らない。また、本明細書に記載された数値範囲は、下限値から上限値までのすべての値を包含する。例えば、範囲が10~50と記載されている場合、本明細書では、12~30、20~40、30~50のような値が明示的に記載されているものとする。これらは、具体的に意図されているものの一例にすぎず、記載された下限と上限の間の数値のあらゆる可能な組合せが、本願に明示的に記載されていると解される。
【0048】
実施例1.模擬組成物
本開示技術に係る組成物の状態図をシミュレーションした。実施例E1の元素組成を以下の表に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
図1に状態図110を示す。この状態図は、Thermo-Calcソフトウェアで化学組成に基づいてシミュレートしたものである。
【0051】
図1において、領域112はFCC A1と液体の複合相であり、領域114は液体の相であり、領域116はFCC A1とFCC A1#2の複合相であり、領域118はFCC A1とFCC A1#2とγ′の複合相であり、領域120はFCC A1とγ′とM23C6の複合相であり、領域122はFCC A1とFCC A1#2とγ′とM7C3の複合相であり、領域124はFCC A1とγ′とM7C3の複合相であり、領域126はFCC A1とγ′とM23C6とM7C3の複合相である。
【0052】
実施例2.試験組成物
本発明の実施例E1の組成物を調製し、その特性を測定した。本発明の実施例E1は、約52%のγ′体積分率及び約2011°Fのγ′固溶温度を有することが判明した。
【0053】
実施例3.金属学的評価
本発明例E1の組成物を調製し、溶接溶加材として試験した。本組成物で溶接パッドを作成した。溶接パッドは4層含んでおり、長さ4.0インチ、幅1.5インチであった。溶接パッドは、溶接時及び溶接後熱処理(PWHT)条件での目視及び蛍光浸透探傷(FPI)に合格した。
【0054】
図2は溶接パッドを示す。驚くべきことに、評価した組成物は、割れ及び/又は微小亀裂のない均一な溶接ビードを生成することができた。
【0055】
図3は、溶接試験の結果を示す。驚くべきことに、2050°Fで2時間保持した後急冷した熱衝撃PWHT後の溶接材料に割れ及び亀裂は観察されず、このことは組成物が優れた溶接性を示すことを意味している。
【0056】
今回、本開示技術に係る組成物を溶接に用いることができるという予想外の知見が得られた。本組成物は、優れた溶接性、優れた鋳造性、高いアルミニウム含有量に起因する優れた耐酸化性、良好な機械的特性、高いγ′体積分率及び高いγ′固溶温度を示す。本開示技術に係る組成物は、溶接、積層造形、金属鋳造、コーティング、補修、粉末冶金及びそれらの組合せを始めとして、超合金を必要とする用途に広く適用できる。
【0057】
別途記載されていない限り、本明細書において、「略」、「実質的に」及び「約」などの近似的表現は、それらで修飾された用語が、絶対的又は厳密なものではなく、当業者に自明の近似的なものにすぎないことを示す。したがって、「約」、「略」及び「実質的に」のような用語で修飾された値はその厳密な数値に限定されない。少なくとも幾つかの事例では、近似的表現は、その値を測定する機器の精度に対応する。本明細書及び特許請求の範囲において、範囲が限定されていることがある。さらに、別途記載されていない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本願では単なる付票にすぎず、それらが付されたものに、数的、位置的又は階層的要件を課すものではない。さらに、例えば「第2」という場合、例えば「第1」以下又は「第3」以上のものの存在を必要とするものでも、排除するものでもない。
【0058】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴が、ある図面には記載され、他の図面には記載されていないこともあるが、これは便宜上のものにすぎない。本明細書において「幾つかの実施形態」という場合、記載された特徴を備える追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈すべきではない。本発明の原理に則して、ある図面に記載された特徴は、他の図面に記載されたいかなる特徴との組合せとして参照及び/又は特許請求の範囲に記載することができる。
【0059】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と非本質的な差しかない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
図1
図2
図3
【外国語明細書】