(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025065079
(43)【公開日】2025-04-17
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 17/04 20060101AFI20250410BHJP
H01F 1/147 20060101ALI20250410BHJP
H01F 27/24 20060101ALI20250410BHJP
【FI】
H01F17/04 F
H01F1/147 166
H01F27/24 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】35
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024175310
(22)【出願日】2024-10-04
(31)【優先権主張番号】10-2023-0133449
(32)【優先日】2023-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0181688
(32)【優先日】2023-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、ビェオン チェオル
(72)【発明者】
【氏名】リー、ハン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボウム セオック
【テーマコード(参考)】
5E041
5E070
【Fターム(参考)】
5E041AA02
5E041AC05
5E041BD13
5E041NN01
5E070AA01
5E070AB03
5E070BB03
5E070EA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】目標とする結合係数を効果的に実現するのに適しており、飽和電流などの特性を向上させるコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品100は、D1方向に向かい合う上面と下面及び側面を有する本体110と、本体内に配置される第1コイル部121C及び第1コイル部の両端部から延びる第1、第2引き出し部を含む第1巻線コイル、第1巻線コイルとD1方向に離隔する第2コイル部122C及び第2コイル部の両端部から延びる第3、第4引き出し部を含む第2巻線コイル並びに第1巻線コイル及び第2巻線コイルの間に配置され、第1コイル部及び第2コイル部の巻軸が通る第1領域R1及び第1領域を側方向に囲む第2領域R2を含むカップリング調節部130を有する。第1領域及び第2領域のそれぞれは、複数の磁性粒子及び複数の磁性粒子の間に介在した絶縁材を含み、第1領域の透磁率は第2領域の透磁率とは異なる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に向かい合う上面と下面、及び前記上面と下面を連結する側面を有する本体と、
前記本体内に配置され、少なくとも1つのターンを有する第1コイル部及び前記第1コイル部の両端部からそれぞれ延びる第1引き出し部及び第2引き出し部を含む第1巻線コイルと、
前記本体内に配置され、前記第1巻線コイルと前記第1方向に離隔し、少なくとも1つのターンを有する第2コイル部及び前記第2コイル部の両端部からそれぞれ延びる第3引き出し部及び第4引き出し部を含む第2巻線コイルと、
前記第1巻線コイル及び前記第2巻線コイルの間に配置され、前記第1コイル部及び前記第2コイル部の巻軸が通る第1領域及び前記第1領域を側方向に囲む第2領域を含むカップリング調節部と、
前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部とそれぞれ連結された第1外部電極及び第2外部電極と、
前記第3引き出し部及び前記第4引き出し部とそれぞれ連結された第3外部電極及び第4外部電極と、を含み、
前記第1領域及び前記第2領域のそれぞれは、複数の磁性粒子及び前記複数の磁性粒子の間に介在した絶縁材を含み、前記第1領域の透磁率は、前記第2領域の透磁率とは異なる、コイル部品。
【請求項2】
前記第1領域の透磁率は、前記第2領域の透磁率よりも高い、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1領域の磁性粒子充填率は、前記第2領域の磁性粒子充填率よりも高い、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第1領域の磁性粒子と前記第2領域の磁性粒子は、D50値の差が10%以下である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第1領域は、直径範囲が5~61μmの第1磁性粒子と、直径範囲が0.9~4.5μmの第2磁性粒子及び直径範囲が10~800nmの第3磁性粒子を含み、
前記第2領域は、直径範囲が5~61μmの第1磁性粒子と、直径範囲が0.9~4.5μmの第2磁性粒子を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記第1領域は、前記本体と一体構造を形成する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第2領域は、前記第1コイル部の側面の少なくとも一部を覆う、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第2領域は、前記第1コイル部の側面と離隔する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記第2領域は、前記第2コイル部の側面の少なくとも一部を覆う、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記第2領域は、前記第2コイル部の側面と離隔する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記第2領域は、前記第1コイル部の側面の少なくとも一部及び前記第2コイル部の側面の少なくとも一部を覆う、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記第2領域は、前記第1コイル部及び前記第2コイル部の外側に配置される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記第2領域は、前記本体の側面に延びる、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記第2領域は、前記第1コイル部及び前記第2コイル部が前記第1方向に重なる領域に配置される、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記第2領域は、前記第1コイル部及び前記第2コイル部の巻軸に向かって突出する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項16】
前記第1方向と並んだ断面上で、前記第1コイル部及び前記第2コイル部は、アスペクト比が1未満である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項17】
前記第1方向と並んだ断面上で、前記第1コイル部及び前記第2コイル部は、アスペクト比が1以上である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項18】
前記第1方向と並んだ断面上で、前記第1コイル部及び前記第2コイル部は円形である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項19】
前記第1方向と並んだ断面上で、前記第1コイル部及び前記第2コイル部は矩形である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項20】
前記第1方向と並んだ断面上で、前記第1コイル部及び前記第2コイル部は、前記第1方向を基準に傾斜した形態である、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項21】
前記第2領域は、前記第1コイル部及び前記第2コイル部と離隔した、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項22】
前記本体は、前記第1巻線コイル及び前記第2巻線コイルが配置され、前記本体の上面に向かって突出するモールド部を含む、請求項1から21のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項23】
前記モールド部は、前記第2巻線コイルが直接配置されるベース部及び前記ベース部から突出して前記第1コイル部及び前記第2コイル部の中心を貫通するコア部を含み、
前記コア部と前記本体の上面との間の間隔は、前記第1コイル部と前記本体の上面との間の間隔よりも狭い、請求項22に記載のコイル部品。
【請求項24】
第1方向に向かい合う上面と下面、及び前記上面と下面を連結する側面を有する本体と、
前記本体内に配置され、少なくとも1つのターンを有する第1コイル部及び前記第1コイル部の両端部からそれぞれ延びる第1引き出し部及び第2引き出し部を含む第1巻線コイルと、
前記本体内に配置され、前記第1巻線コイルと前記第1方向に離隔し、少なくとも1つのターンを有する第2コイル部及び前記第2コイル部の両端部からそれぞれ延びる第3引き出し部及び第4引き出し部を含む第2巻線コイルと、
前記第1巻線コイル及び前記第2巻線コイルの間に配置され、前記第1コイル部及び前記第2コイル部の巻軸が通る第1領域及び前記第1領域を側方向に囲む第2領域を含むカップリング調節部と、
前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部とそれぞれ連結された第1外部電極及び第2外部電極と、
前記第3引き出し部及び前記第4引き出し部とそれぞれ連結された第3外部電極及び第4外部電極と、を含み、
前記第1領域及び前記第2領域のそれぞれは磁性粒子を含み、前記第1領域の磁性粒子充填率は、前記第2領域の磁性粒子充填率とは異なる、コイル部品。
【請求項25】
前記第1領域の磁性粒子充填率は、前記第2領域の磁性粒子充填率よりも高い、請求項24に記載のコイル部品。
【請求項26】
前記第1領域に含まれた磁性粒子の種類の数は、前記第2領域に含まれた磁性粒子の種類の数よりも多い、請求項24に記載のコイル部品。
【請求項27】
前記第1領域は、前記本体と一体構造を形成する、請求項24に記載のコイル部品。
【請求項28】
前記第2領域は、前記第1コイル部の側面及び前記第2コイル部の側面の少なくとも一部を覆う、請求項24から27のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項29】
前記第2領域は、前記第1コイル部及び前記第2コイル部の外側に配置される、請求項24から27のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項30】
前記第2領域は、前記第1コイル部及び前記第2コイル部の巻軸に向かって突出する、請求項24から27のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項31】
第1方向に向かい合う上面と下面、及び前記上面と下面を連結する側面を有する本体と、
前記本体内に配置され、少なくとも1つのターンを有する第1コイル部及び前記第1コイル部の両端部からそれぞれ延びる第1引き出し部及び第2引き出し部を含む第1巻線コイルと、
前記本体内に配置され、前記第1巻線コイルと前記第1方向に離隔し、少なくとも1つのターンを有する第2コイル部及び前記第2コイル部の両端部からそれぞれ延びる第3引き出し部及び第4引き出し部を含む第2巻線コイルと、
前記第1巻線コイル及び前記第2巻線コイルの間に配置され、前記第1コイル部及び前記第2コイル部の巻軸が通る第1領域及び前記第1領域を側方向に囲む第2領域を含むカップリング調節部と、
前記第1引き出し部及び前記第2引き出し部とそれぞれ連結された第1外部電極及び第2外部電極と、
前記第3引き出し部及び前記第4引き出し部とそれぞれ連結された第3外部電極及び第4外部電極と、を含み、
前記カップリング調節部は、Fe系合金を含み、前記第1領域に含まれたFe系合金と前記第2領域に含まれたFe系合金は互いに組成が異なる、コイル部品。
【請求項32】
前記第1領域に含まれたFe系合金は、前記第2領域に含まれたFe系合金よりもFeの含有量が多い、請求項31に記載のコイル部品。
【請求項33】
前記Fe系合金はFe-Si系合金であり、前記第1領域に含まれたFe-Si系合金は、前記第2領域に含まれたFe-Si系合金よりもSiの含有量が多い、請求項32に記載のコイル部品。
【請求項34】
前記第1領域に含まれたFe-Si系合金におけるSiの含有量は6.5wt%以上であり、前記第2領域に含まれたFe-Si系におけるSiの含有量は6.5wt%未満である、請求項33に記載のコイル部品。
【請求項35】
前記第2領域に含まれたFe-Si系におけるSiの含有量は、1wt%以上5wt%以下である、請求項34に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルTV、モバイルフォン、ノートブックなどの電子機器の小型化及び薄型化に伴い、これらの電子機器に適用されるコイル部品にも小型化及び薄型化が求められており、これらの要求に応えるために様々な形態の巻線タイプまたは薄膜タイプのコイル部品の研究開発が活発に行われている。
【0003】
コイル部品の小型化及び薄型化に伴う主なイシューは、このような小型化及び薄型化にもかかわらず、従来と同等の特性を実現することである。このような要求を満たすためには、磁性物質が充填されるコアで磁性物質の割合を増加させる必要があるが、インダクタ本体の強度、絶縁性による周波数特性の変化などの理由でその割合を増加させることに限界がある。
【0004】
一方、コイル部品の実装面積を減らすことができる利点を有するアレイ形態の部品に対する需要が増加している。このようなアレイ形態のコイル部品は、複数個のコイル間のカップリング係数または相互インダクタンスに応じて、非結合(Noncoupled)または結合(Coupled)インダクタの形態、または上記形態の混合形態を有することができる。このようなアレイ形態のインダクタでは、目標とする結合係数を実現しながらも飽和電流(Isat)などの特性を確保する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の1つは、目標とする結合係数を効果的に実現するのに適しており、飽和電流(Isat)などの特性が向上することができるコイル部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための方法で、本発明は一例を通じてコイル部品の新規な構造を提案し、具体的に、本発明の一実施形態によるコイル部品は、第1方向に向かい合う上面と下面、及び上記上面と下面を連結する側面を有する本体、上記本体内に配置され、少なくとも1つのターンを有する第1コイル部と上記第1コイル部の両端部からそれぞれ延びる第1引き出し部及び第2引き出し部を含む第1巻線コイル、上記本体内に配置され、上記第1巻線コイルと上記第1方向に離隔し、少なくとも1つのターンを有する第2コイル部と上記第2コイル部の両端部からそれぞれ延びる第3引き出し部及び第4引き出し部を含む第2巻線コイル、上記第1巻線コイル及び第2巻線コイル間に配置され、上記第1コイル部及び第2コイル部の巻軸が通る第1領域、並びに上記第1領域を側方向に囲む第2領域を含むカップリング調節部、上記第1引き出し部及び第2引き出し部とそれぞれ連結された第1外部電極及び第2外部電極、並びに上記第3引き出し部及び第4引き出し部とそれぞれ連結された第3外部電極及び第4外部電極を含み、上記第1領域及び上記第2領域のそれぞれは、複数の磁性粒子及び上記複数の磁性粒子間に介在した絶縁材を含み、上記第1領域の透磁率は上記第2領域の透磁率とは異なることができる。
【0007】
一実施形態において、上記第1領域の透磁率は上記第2領域の透磁率よりも高いことができる。
【0008】
一実施形態において、上記第1領域及び第2領域のそれぞれは磁性粒子を含み、上記第1領域の磁性粒子充填率は上記第2領域の磁性粒子充填率よりも高いことができる。
【0009】
一実施形態において、上記第1領域の磁性粒子と上記第2領域の磁性粒子は、D50値の差が10%以下であり得る。
【0010】
上記第1領域は、直径範囲が5~61μmの第1磁性粒子と、直径範囲が0.9~4.5μmの第2磁性粒子及び直径範囲が10~800nmの第3磁性粒子を含み、上記第2領域は、直径範囲が5~61μmの第1磁性粒子と、直径範囲が0.9~4.5μmの第2磁性粒子を含むことができる。
【0011】
一実施形態において、上記第1領域は上記本体と一体構造を形成することができる。
【0012】
一実施形態において、上記第2領域は上記第1コイル部の側面の少なくとも一部を覆うことができる。
【0013】
一実施形態において、上記第2領域は上記第1コイル部の側面から離隔することができる。
【0014】
一実施形態において、上記第2領域は上記第2コイル部の側面の少なくとも一部を覆うことができる。
【0015】
一実施形態において、上記第2領域は上記第2コイル部の側面から離隔することができる。
【0016】
一実施形態において、上記第2領域は、上記第1コイル部の側面の少なくとも一部及び上記第2コイル部の側面の少なくとも一部を覆うことができる。
【0017】
一実施形態において、上記第2領域は、上記第1コイル部及び上記第2コイル部の外側に配置されることができる。
【0018】
一実施形態において、上記第2領域は上記本体の側面に延びることができる。
【0019】
一実施形態において、上記第2領域は、上記第1コイル部及び第2コイル部が上記第1方向に重なる領域に配置されることができる。
【0020】
一実施形態において、上記第2領域は、上記第1コイル部及び第2コイル部の巻軸に向かって突出することができる。
【0021】
一実施形態において、上記第1方向と並んだ断面上で、上記第1コイル部及び第2コイル部はアスペクト比が1未満であることができる。
【0022】
一実施形態において、上記第1方向と並んだ断面上で、上記第1コイル部及び第2コイル部はアスペクト比が1以上であることができる。
【0023】
一実施形態において、上記第1方向と並んだ断面上で、上記第1コイル部及び第2コイル部は円形であることができる。
【0024】
一実施形態において、上記第1方向と並んだ断面上で、上記第1コイル部及び第2コイル部は長方形であることができる。
【0025】
一実施形態において、上記第1方向と並んだ断面上で、上記第1コイル部及び第2コイル部は、上記第1方向を基準に傾斜した形態であることができる。
【0026】
一実施形態において、上記第2領域は上記第1コイル部及び第2コイル部と離隔することができる。
【0027】
一実施形態において、上記本体は、上記第1巻線コイル及び第2巻線コイルが配置され、上記本体の上面に向かって突出するモールド部を含むことができる。
【0028】
一実施形態において、上記モールド部は、上記第2巻線コイルが直接配置されるベース部及び上記ベース部から突出して上記第1コイル部及び第2コイル部の中心を貫通するコア部を含み、上記コア部と上記本体の上面との間の間隔は、上記第1コイル部と上記本体の上面との間の間隔よりも狭いことができる。
【0029】
本発明の他の実施形態によるコイル部品は、第1方向に向かい合う上面と下面、及び上記上面と下面を連結する側面を有する本体、上記本体内に配置され、少なくとも1つのターンを有する第1コイル部及び上記第1コイル部の両端部からそれぞれ延びる第1引き出し部及び第2引き出し部を含む第1巻線コイル、上記本体内に配置され、上記第1巻線コイルと上記第1方向に離隔し、少なくとも一つのターンを有する第2コイル部及び上記第2コイル部の両端部からそれぞれ延びる第3引き出し部及び第4引き出し部を含む第2巻線コイル、上記第1巻線コイル及び第2巻線コイル間に配置され、上記第1コイル部及び第2コイル部の巻軸が通る第1領域と上記第1領域を側方向に囲む第2領域を含むカップリング調節部、上記第1引き出し部及び第2引き出し部とそれぞれ連結された第1外部電極及び第2外部電極、並びに上記第3引き出し部及び第4引き出し部とそれぞれ連結された第3外部電極及び第4外部電極を含み、上記第1領域及び第2領域のそれぞれは磁性粒子を含み、上記第1領域の磁性粒子充填率は、上記第2領域の磁性粒子充填率とは異なることができる。
【0030】
一実施形態において、上記第1領域の磁性粒子充填率は、上記第2領域の磁性粒子充填率よりも高いことができる。
【0031】
一実施形態において、上記第1領域に含まれた磁性粒子の種類の数は、上記第2領域に含まれた磁性粒子の種類の数よりも多いことができる。
【0032】
一実施形態において、上記第1領域は、上記本体と一体構造を形成することができる。
【0033】
一実施形態において、上記第2領域は、上記第1コイル部の側面及び上記第2コイル部の側面の少なくとも一部を覆うことができる。
【0034】
一実施形態において、上記第2領域は、上記第1コイル部及び上記第2コイル部の外側に配置されることができる。
【0035】
一実施形態において、上記第2領域は、上記第1コイル部及び第2コイル部の巻軸に向かって突出することができる。
【0036】
一方、本発明のまた他の側面は、
第1方向に向かい合う上面と下面、及び上記上面と下面を連結する側面を有する本体と、上記本体内に配置され、少なくとも1つのターンを有する第1コイル部及び上記第1コイル部の両端部からそれぞれ延びる第1引き出し部及び第2引き出し部を含む第1巻線コイルと、上記本体内に配置され、上記第1巻線コイルと上記第1方向に離隔し、少なくとも1つのターンを有する第2コイル部及び上記第2コイル部の両端部からそれぞれ延びる第3引き出し部及び第4引き出し部を含む第2巻線コイルと、上記第1巻線コイル及び第2巻線コイル間に配置され、上記第1コイル部及び第2コイル部の巻軸が通る第1領域及び上記第1領域を側方向に囲む第2領域を含むカップリング調節部と、上記第1引き出し部及び第2引き出し部とそれぞれ連結された第1外部電極及び第2外部電極と上記第3引き出し部及び第4引き出し部とそれぞれ連結された第3外部電極及び第4外部電極と、を含み、上記カップリング調節部はFe系合金を含み、上記第1領域に含まれたFe系合金と上記第2領域に含まれたFe系合金は、互いに組成が異なるコイル部品を提供する。
【0037】
一実施形態において、上記第1領域に含まれたFe系合金は、上記第2領域に含まれたFe系合金よりもFeの含有量が多いことができる。
【0038】
一実施形態において、上記Fe系合金はFe-Si系合金であり、上記第1領域に含まれたFe-Si系合金は、上記第2領域に含まれたFe-Si系合金よりもSiの含有量が多いことができる。
【0039】
一実施形態において、上記第1領域に含まれたFe-Si系合金におけるSiの含有量は6.5wt%以上であり、上記第2領域に含まれたFe-Si系におけるSiの含有量は6.5wt%未満であることができる。
【0040】
一実施形態において、上記第2領域に含まれたFe-Si系におけるSiの含有量は、1wt%以上5wt%以下であることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明の一例によるコイル部品の場合、目標とする結合係数を効果的に実現するのに適しており、飽和電流(Isat)などの特性が向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明の第1実施例によるコイル部品を概略的に示した透過斜視図である。
【
図2】
図1のコイル部品におけるコイルとカップリング調節部に対する分解斜視図である。
【
図4】カップリング調節部の第1領域に対する拡大断面図である。
【
図5】カップリング調節部の第2領域に対する拡大断面図である。
【
図6】変形された例においてカップリング調節部の第1領域に対する拡大断面図である。
【
図7】変形された例においてカップリング調節部の第1領域に対する拡大断面図である。
【
図8】変形された例においてカップリング調節部の第2領域に対する拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0044】
電子機器には、様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品間にはノイズ除去等を目的として様々な種類のコイル部品が適宜用いられることができる。すなわち、電子機器でコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、共通モードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0045】
図1は、本発明の第1実施例によるコイル部品を概略的に示した透過斜視図であり、
図2は、
図1のコイル部品におけるコイルとカップリング調節部に対する分解斜視図であり、
図3は、
図1のコイル部品に対する断面図である。
【0046】
なお、
図1及び
図2では、構成要素間の結合をより明確に示すために本実施形態に適用され得る第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122の表面のコーティング層CLは省略して示した。
【0047】
図1~
図3を参照すると、本実施形態によるコイル部品100は、本体110、第1巻線コイル121、第2巻線コイル122、カップリング調節部130、第1外部電極141、第2外部電極142、第3外部電極143及び第4外部電極144を含み、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122が磁気的に結合されたアレイ形態のインダクタで実現する。ここで、カップリング調節部130は、第1領域R1及びこれを側方向に囲む第2領域R2を含み、第1領域R1及び第2領域R2は互いに透磁率が異なる形態で実現することで、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122のカップリング程度が適宜調節され得る。これに対する詳細な内容は後述し、以下、本実施形態のコイル部品100を構成する主要要素を説明する。
【0048】
本体110は、その内部に第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122等が配置され、コイル部品100の全体的な外観をなすことができる。この場合、本体110は、第1方向D1に向かい合う上面と下面、そしてこれらを連結する複数の側面を含むことができる。本体110は、絶縁樹脂及び磁性物質を含むことができる。具体的には、本体110は、磁性物質が絶縁樹脂に分散された磁性複合シートを1つ以上積層して形成されることができる。磁性物質は、フェライトまたは金属磁性粉末であることができる。フェライトは、例として、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系等のスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト及びLi系フェライトの少なくとも1つ以上であることができる。金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか1つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末の少なくとも1つ以上であることができる。金属磁性粉末は非晶質または結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。フェライト及び金属磁性粉末は、それぞれ平均直径が約0.1μm~30μmであることができるが、これらに制限されない。本体110は、樹脂に分散された2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質が異なる種類とは、樹脂に分散した磁性物質が平均直径、組成、結晶性、及び形状のいずれか一つで互いに区別されることを意味する。絶縁樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独または混合して含むことができるが、これらに限定されない。
【0049】
製造方法の一例を
図21~
図24を参照して説明する。まず、
図21に示された形態のように断面が逆T字状の金型に磁性物質と絶縁樹脂を含む複合物質を充填した後、加熱、加圧して本体110の下部領域110Tを先に形成することができる。このように形成された本体110の下部領域110Tは、中心部が上部に突出した逆T字状であることができ、上記突出した領域に巻軸が通るように第2巻線コイル122を配置する。この後、下部領域110Tとは異なる磁気的特性を有する透磁率調節部が得られるように磁性粒子Pを第2巻線コイル122上にインクジェットやディスペンシング工程などを用いて塗布する。この場合、磁性粒子Pの間には絶縁材Iが介在することができ、必要に応じてソルベント等がさらに含まれ得る。磁性粒子Pを配置した後には、モールド200Aを用いて加圧成形し、これにより、
図22に示された形態のように透磁率調節部の第2領域R2が得られることができる。この後、第2領域R2上に第1巻線コイル121を配置する。続いて、
図23に示された形態のように、第1巻線コイル121上に磁性粒子Pをインクジェットやディスペンシング工程等を用いて塗布する。この場合、磁性粒子Pの間には絶縁材Iが介在することができ、必要に応じてソルベント等がさらに含まれ得る。磁性粒子Pを配置した後には、モールド200Bを用いて加圧成形し、これにより、
図24に示された形態のように本体の上部領域110Cが得られることができる。このような製造方法を用いることにより、第1巻線コイル121と第2巻線コイル122との間に第1領域R1及び第2領域R2を有する透磁率調節部を効率的に形成することができる。
【0050】
製造方法の他の例として、本体110は積層工法で形成されることができる。具体的には、本体110を製造するための単位積層体を多数個設けて、これらを第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122の上部と下部に積層することができる。ここで、上記単位積層体は、金属などの磁性粒子と熱硬化性樹脂、バインダー及び溶剤などの有機物を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法によりキャリアフィルム(carrier film)上に数十μmの厚さで塗布した後、乾燥してシート(sheet)状に製造することができる。これにより、単位積層体は、磁性粒子がエポキシ樹脂またはポリイミド(polyimide)などの熱硬化性樹脂に分散した形態で製造されることができる。
【0051】
再び
図1~
図3を参照すると、第1巻線コイル121は本体110内に配置され、第1方向D1を巻軸として少なくとも1つのターンを有する第1コイル部121C、及び第1コイル部121Cの両端部からそれぞれ延びる第1引き出し部121A及び第2引き出し部121Bを含む。また、第2巻線コイル122は、本体110内で第1コイル部121Cと第1方向D1に離隔し、第1方向D1を巻軸に少なくとも1つのターンを有する第2コイル部122C、及び第2コイル部122Cの両端からそれぞれ延びる第3引き出し部122A及び第4引き出し部122Bを含む。
【0052】
第1コイル部121Cと第2コイル部122Cは、同一方向に巻線されたターンを形成することができる。また、第1引き出し部121A及び第2引き出し部121Bは本体110の一側面に引き出されることができ、第3引き出し部122A及び第4引き出し部122Bは本体110の他側面に引き出されることができる。ここで、第1引き出し部121A及び第2引き出し部121Bが引き出される本体110の一側面と第3引き出し部122A及び第4引き出し部122Bが引き出される本体110の他側面は、互いに対向する面であることができる。
【0053】
図3を参照すると、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122は導電性金属が巻線されて形成され、第1外部電極141、第2外部電極142、第3外部電極143及び第4外部電極144と接する部分を除いた残りの部分の表面にはコーティング層CLが配置されることができる。コーティング層CLは、絶縁性を有する公知の物質を含むことができ、例えば、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系等の熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パラリン、SiOxまたはSiNxを含むことができる。
【0054】
図3を参照すると、本実施形態の第1コイル部121C及び第2コイル部122Cは、断面が矩形状の平角線を巻線して形成されることができ、D1-D2断面上で、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの線幅W1に対する厚さT1の比であるアスペクト比T1/W1は、1未満であることができる。
【0055】
第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの線幅W1とは、コイル部品100のD3方向の中央部からとったD1-D2断面に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示した第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの各ターンの第2方向D2に向かい合う2つの最外側境界線を、第2方向D2と平行に連結し、第1方向D1に互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値の少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、第2方向D2と平行な複数の線分は、第1方向D1で互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0056】
第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの厚さT1とは、コイル部品100のD3方向の中央部からとったD1-D2断面に対する光学顕微鏡イメージ又はSEM(Scanning Electron Microscope)イメージを基準に、上記イメージに示された第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの各ターンの第1方向D1に向かい合う2つの最外側境界線を、第1方向D1と平行に連結し、第2方向D2に互いに離隔した複数の線分のそれぞれの数値の少なくとも3つ以上の算術平均値を意味するものであることができる。ここで、第1方向D1と平行な複数の線分は、第2方向D2で互いに等間隔であることができるが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。
【0057】
第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122を構成する物質の例として、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれらの合金などの導電性物質があるが、これに限定されるものではない。
【0058】
第1外部電極141及び第2外部電極142は、第1巻線コイル121と連結され、具体的には第1引き出し部121A及び第2引き出し部121Bとそれぞれ連結される。第3外部電極143及び第4外部電極144は、第2巻線コイル122と連結され、具体的には第3引き出し部122A及び第4引き出し部122Bとそれぞれ連結される。この場合、第1外部電極141及び第2外部電極142は、本体110において互いに同じ側面に配置され、下面に延びることができ、同様に、第3外部電極143及び第4外部電極144は、本体110で互いに同じ側面に配置され、下面に延びることができる。
【0059】
第1外部電極141、第2外部電極142、第3外部電極143、及び第4外部電極144は、電気導電性に優れた金属を含むペーストを用いて形成することができ、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)または銀(Ag)等の単独またはこれらの合金などを含む導電性ペーストであることができる。また、第1外部電極141、第2外部電極142、第3外部電極143及び第4外部電極144のそれぞれを覆うようにめっき層が備えられることもできる。この場合、上記めっき層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びスズ(Sn)からなる群から選択されたいずれか1つ以上を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)層とスズ(Sn)層が順次形成されることができる。
【0060】
図1~
図3を参照すると、カップリング調節部130は、第1巻線コイル121と第2巻線コイル122との間に配置され、互いに透磁率が異なる第1領域R1及び第2領域R2を含む。第1領域R1及び第2領域R2のそれぞれは、複数の磁性粒子及び上記複数の磁性粒子の間に介在した絶縁材を含むことができ、第1領域R1の透磁率は第2領域R2の透磁率よりも高いことができる。
【0061】
カップリング調節部130の第1領域R1は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの巻軸が通る領域に該当し、第2領域R2は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cが第1方向D1に互いに重なる領域と第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの外側領域に配置されることができる。
【0062】
第1コイル部121C及び第2コイル部122Cは、第1領域R1の少なくとも一部で互いに結合(coupled)磁束(
図3の実線矢印)を形成することができる。第2領域R2は、第1領域R1を側方向に囲む領域の少なくとも一部の領域に位置し、第1領域R1と透磁率が異なる。第2領域R2の少なくとも一部は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cのそれぞれの漏れ(leaked)磁束経路(
図3の点線矢印)に位置することができる。このように、結合磁束経路と漏れ磁束経路にそれぞれ位置する第1領域R1及び第2領域R2の透磁率を互いに異ならせることにより、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122のカップリング係数(coupling coefficient)を効果的に調節することができる。例えば、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122のカップリング係数が絶対値基準で0.495以上0.605未満をターゲットとする場合、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122の間隔、本体110の磁性物質等を精密に調節してカップリング係数を合わせることが容易ではない。したがって、本発明の発明者らは、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122の間にカップリング調節部130を配置することによって、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122の間隔を過度に遠く、または近くすることなく、ターゲットカップリング係数値を実現することができるようにした。
【0063】
具体的な例として、第2領域R2は、第1領域R1よりも透磁率が低いことができる。そして、第1領域R1は本体110と一体構造を形成することができる。但し、第1領域R1は本体110とは別個に製造されて、これとは異なる種類や大きさを有する磁性粒子で形成されることもできる。本実施形態のように、第2領域R2の透磁率を相対的に低く設定することで、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの間隔を過度に減らさなくても、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cのそれぞれの漏れ磁束の大きさを減らすことができ、これにより飽和電流(Isat)が低減される効果も得ることができる。第1領域R1は、比較的高い透磁率を有するが、第1領域R1の透磁率が第2領域R2と類似したレベルに低くなる場合、結合磁束の大きさが減らすことがあり、これを補完するためには、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cのターン数を増やすか、これらの間隔を減らす必要がある。本実施形態のように、第1領域R1が比較的高いレベルの透磁率を有するようにすることで、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cのターン数を増やしたり、これらの間隔を過度に減らさなくても、結合磁束の大きさを十分に確保することができ、これによって目標とするカップリング係数を効果的に実現することができる。
【0064】
カップリング調節部130の具体的な形態を説明すると、まず、本実施形態のように、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cは、カップリング調節部130の第2領域R2で互いに対向する第1面及び第2面(図面を基準としてそれぞれ上面及び下面に該当)にそれぞれ配置されることができる。この場合、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122は、カップリング調節部130によって支持されることができる。また、カップリング調節部130の第2領域R2は、本体110の側面に延びることができる。これにより、第2領域R2は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの外側領域に配置されることができる。このように、カップリング調節部130で透磁率が比較的低い第2領域R2を第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの間に該当する領域と外部に該当する領域に配置することで、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122の漏れ磁束の大きさを効果的に減らすことができる。
【0065】
カップリング調節部130は、第1領域R1と第2領域R2の透磁率が異なり、一例として、第2領域R2の透磁率が第1領域R1の透磁率よりもさらに低いことができる。コイル部品100の状態で領域別に透磁率を測定しにくい場合には、第1領域R1及び第2領域R2に含まれた磁性物質の種類、粒子の大きさ、充填率(packing rate)等を分析することで、透磁率を比較することができる。以下、
図4~
図8を参照して、第1領域R1及び第2領域R2の透磁率が調節された形態を説明する。なお、第2領域R2における磁性粒子の充填率は第1領域R1よりもさらに低く調節された形態である。
【0066】
図4は、カップリング調節部の第1領域に対する拡大断面図であり、
図5は、カップリング調節部の第2領域に対する拡大断面図であり、
図6は、変形された例においてカップリング調節部の第1領域に対する拡大断面図であり、
図7は、変形された例においてカップリング調節部の第1領域に対する拡大断面図であり、
図8は、変形された例においてカップリング調節部の第2領域に対する拡大断面図である。
【0067】
まず、
図4及び
図5を参照すると、第1領域R1は磁性粒子P11を含み、ここで磁性粒子P11の間には樹脂などの絶縁材131が介在する。同様に、第2領域R2は磁性粒子P21を含み、ここで磁性粒子P12の間には樹脂などの絶縁材132が介在する。図示の形態のように、第1領域R1における磁性粒子P11の充填率は、第2領域R2における磁性粒子P21よりも磁性粒子の充填率が高いことができる。充填率を得る方法の例として、第1領域R1及び第2領域R2に対するSEMイメージを得た後、全体面積で磁性粒子P11、P21が占める面積の割合を計算することができ、この場合、より正確な値を得るために、複数の断面で充填率値を得ることができる。
【0068】
第1領域R1と第2領域R2において磁性粒子P11、P21の大きさに大きな差がない場合、例えば、第1領域R1の磁性粒子P11のD50と第2領域R2の磁性粒子P21のD50は、差が10%以下の場合には、磁性粒子P11、P21の充填率が当該領域における透磁率に影響を及ぼすことがある。ここで、D50の差が10%以下であるということは、D50の大きな値に対するD50の大きな値と小さい値との差の比が10%以下であることを意味する。一例として、第1領域R1に含まれた磁性粒子P11は直径範囲が5~61μmであることができ、同様に第2領域R2に含まれた磁性粒子P21は直径範囲が5~61μmであることができる。
【0069】
磁性粒子の充填率を高めるために、粒度分布が異なる磁性粒子を用いることができる。すなわち、第1領域R1は、D50の大きさが互いに異なる2種類以上の磁性粒子を含むことができ、
図6は、2種類の粒子P11、P12を用いた例を、
図7は、3種類の粒子P11、P12、P13を用いた例を示す。また、
図8は、第2領域R2がD50の大きさが互いに異なる2種類の磁性粒子P21、P22を含む例を示す。
【0070】
一方、D50の大きさが互いに異なる磁性粒子の種類は、第2領域R2が第1領域R1よりも少なく形成されることができる。制限されない例として、第1領域R1は、大きさが互いに異なる2種類以上の磁性粒子P11、P12を含み、第2領域R2は単一種類の磁性粒子P21を含むことができる。また他の例として、第1領域R1は、大きさが互いに異なる3種類以上の磁性粒子P11、P12、P13を含み、第2領域R2は、大きさが互いに異なる2種類以下の磁性粒子P21、P22を含むことができる。
【0071】
このように、D50の大きさが互いに異なる複数の磁性粒子を用いることで磁性粒子の充填率が向上することができ、これにより該当領域の透磁率が増加することができる。この場合、第1領域R1に含まれた第1磁性粒子P11は直径範囲が5~61μmであることができ、第2磁性粒子P12は直径範囲が0.9~4.5μmであることができ、第3磁性粒子P13は直径範囲が10~800nmであることができる。また、第2領域R2に含まれた第1磁性粒子P21は直径範囲が5~61μmであることができ、第2磁性粒子P22は直径範囲が0.9~4.5μmであることができる。
【0072】
一方、上記実施形態とは異なり、第1領域R1は3種類の磁性粒子を含み、第2領域R2は1種類の磁性粒子を含むこともできる。また他の例として、第1領域R1は2種類の磁性粒子を含み、第2領域R2は1種類の磁性粒子を含むことができる。
【0073】
カップリング調節部130に存在する磁性粒子P11~P13、P21、P22の直径は、カップリング調節部130の断面で測定されることができる。具体的には、本体110の中心を通るD1-D3断面に対して、第2方向D2の等間隔の複数の領域(例:5個又は10個の領域)を走査電子顕微鏡で撮影した後、イメージ分析プログラムを用いて磁性粒子P11~P13、P21、P22の直径を得ることができる。この場合、具体的な例として、SEMイメージにおいてイメージピクセルサイズ(image pixel size)は10nm×10nmに固定し、作業距離(working distance)は8mmに固定することができる。そして、モードはバックスキャッタモード(back scattered mode)を用いることができる。この後、イメージ分析プログラム(例:ORS社Deep learning tool)を用いて直径の平均値を計算することができる。磁性粒子P11~P13、P21、P22は、球形またはほぼ球形に近い形状であることができるが、これらに制限されるものではない。すなわち、磁性粒子P11~P13、P21、P22は非球状を有することもできる。このような形状は、磁性粒子P11~P13、P21、P22の酸化過程で球形度が低くなるにつれて得られることができる。磁性粒子P11~P13、P21、P22が球状を維持しない任意の形状である場合、上述した直径はフェレット直径(Feret Diameter)に置き換えて解釈されることができ、直径の平均値もペレット直径の平均値に置き換えて解釈されることができる。直径平均値の計算方法として、イメージプロセスソフトウェアのツール(tool)を活用することができ、各領域別に粒径分析により大きさ分布を得ることができる。上記説明では、磁性部品で複数の断面をとって、磁性粒子P11~P13、P21、P22の直径を測定するとしたが、複数の断面をとりにくい場合には、1つの断面、例えば本体110の中心を通るD1-D3断面あるいはD1-D2断面等で測定されることもできる。
【0074】
一方、上記実施形態では、磁性粒子のカップリング調節部130の透磁率を異ならせて、このために各領域での充填率を調節した。これとは異なり、第1領域R1及び第2領域R2は、磁性粒子を構成する物質が異なる場合もでき、これによって透磁率が調節されることができる。具体的には、カップリング調節部130は、Fe系合金を含み、ここで、第1領域R1に含まれたFe系合金と第2領域R2に含まれたFe系合金は、互いに組成が異なることができる。この場合、第1領域R1に含まれたFe系合金は、第2領域R2に含まれたFe系合金よりもFeの含有量が多い場合があり、ここでFeの含有量はwt%であることができる。また、Feの他にSiも透磁率に影響を及ぼす可能性があることを考慮した場合に、Siの含有量もFeと一緒にあるいは独立して調節されることができる。例えば、カップリング調節部130に含まれたFe系合金はFe-Si系合金であり、第1領域R1に含まれたFe-Si系合金は第2領域R2に含まれたFe-Si系合金よりもSiの含有量が多い場合がある。具体的には、第1領域R1に含まれたFe-Si系合金におけるSiの含有量は6.5wt%以上であり、第2領域R2に含まれたFe-Si系合金におけるSiの含有量は6.5wt%未満であることができる。より具体的には、第2領域R2に含まれたFe-Si系合金におけるSiの含有量は、1wt%以上5wt%以下であることができる。また、第1領域R1に含まれたFe系合金と第2領域R2に含まれたFe系合金は、互いに組成が異なる場合、これらに含まれた元素の種類が互いに異なる場合もある。例えば、第1領域R1のFe系合金に含まれた元素が第2領域R2のFe系合金には含まれないことができ、これと反対の場合も可能である。
【0075】
一方、先の実施形態とは異なり、カップリング調節部130で磁性粒子ではなくシート状に第2領域R2を実現することも可能である。すなわち、第2領域R2は磁性シートを含むことができ、ここで上記磁性シートはフェライトを含むことができる。この場合、第1領域R1は、フェライトよりも比較的透磁率が高いFe系合金で形成された磁性粒子を含むことができる。
【0076】
カップリング調節部130が形成される領域は、目的とするカップリング係数の大きさや他の特性に応じて異なることができ、これを
図9~
図15の変形例を参照して説明する。まず、
図9の変形例のように、カップリング調節部130の第2領域R2は、側方向で本体110によって囲まれた形態で実現されることができる。この場合、第2領域R2は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cが形成された領域に制限されて形成されることができ、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの外側には形成されないことができる。カップリング調節部130がこのような配置方式を有する場合、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの外側で第1コイル121及び第2コイル122の結合磁束の大きさが増加することができる。
【0077】
次に、
図10の変形例のように、カップリング調節部130は、第1領域R1が拡張された形態であることができる。すなわち、第1領域R1は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cが第1方向D1に重なる領域に延びた形態であることができ、この場合、第2領域R2が形成される領域は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの外側に制限されることができる。
【0078】
次に、
図11を参照すると、カップリング調節部130の第2領域R2は、第1コイル部121Cの側面の少なくとも一部を覆うように配置されることができる。また、カップリング調節部130の第2領域R2は、第2コイル部122Cの側面とは離隔するように配置されることができる。カップリング調節部130がこのような配置方式を有する場合、第1コイル部121Cの外側を流れる漏れ磁束を減少させることによって目的としたカップリング係数に近く微細調整することができる。
【0079】
次に、
図12を参照すると、カップリング調節部130の第2領域R2が第2コイル部122Cの側面の少なくとも一部を覆うように配置されることができる。また、カップリング調節部130の第2領域R2は、第1コイル部121Cの側面とは離隔するように配置されることができる。カップリング調節部130がこのような配置方式を有する場合、第2コイル部122Cの外側を流れる漏れ磁束を減少させることによって目的としたカップリング係数に近く微細調整することができる。
【0080】
次に、
図13を参照すると、カップリング調節部130の第2領域R2は、第1コイル部121Cの側面の少なくとも一部及び第2コイル部122Cの側面の少なくとも一部を覆うように配置されることができる。すなわち、カップリング調節部130の第2領域R2は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの外側領域で第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの側面に沿って本体110の上面または下面に向かって延びることができる。カップリング調節部130がこのような配置方式を有する場合、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの外側を流れる漏れ磁束を減少させることによって、目的としたカップリング係数に近く微細調整することができる。
【0081】
次に、
図14を参照すると、カップリング調節部130の第2領域R2は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの巻軸に向かって突出するように配置されることができる。すなわち、カップリング調節部130の第2領域R2は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの中心コアが位置する方向に一部延びた形態で実現されることができる。カップリング調節部130がこのような配置方式を有する場合、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの間を流れる漏れ磁束を減少させることにより、目的としたカップリング係数に近く微細調整することができる。
【0082】
図15を参照すると、カップリング調節部130の第2領域R2は、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cとそれぞれ離隔するように配置されることができる。すなわち、カップリング調節部130の第2領域R2の第1方向D1に沿った厚さを薄く形成することにより、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの間の間隔が一定であるとしても、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cとそれぞれ離隔することができる。カップリング調節部130がこのような配置方式を有する場合、カップリング係数の調整が可能でありながらも透磁率が低い第2領域R2の体積が減少されるにつれて、コイル部品300'の飽和電流(I
sat)が向上することができる。
【0083】
以下、先の実施形態と巻線コイル121、122の具体的な形態が異なる実施形態を説明する。具体的な説明がなくても、先の実施形態は全て以下の変形例にも適用されることができる。
【0084】
図16の例の場合、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cは、断面が矩形の平角線を巻線して形成することができ、D1-D2断面上で、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの線幅W2に対する厚さT2の比であるアスペクト比T2/W2は、1以上であることができる。具体的には、本実施形態の第1コイル部121C及び第2コイル部122Cのそれぞれは、断面のアスペクト比が1以上の矩形状の金属ワイヤを第1方向D1と並んだ巻軸を中心に少なくとも1つのターンを形成するように巻線した形態であることができる。一例として、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cのそれぞれは、外側から内側に3ターン巻線された1層、及び1層から延びて再び内側から外側に3ターン巻線される2層を含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0085】
第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122がこのような形態を有する場合、限られた本体110の空間内でターン数を増加させ易く、インダクタンス容量を向上させることができる。
【0086】
次に、
図17の例の場合、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cは、第1方向D1を基準に傾斜した形態を一部含むことができる。すなわち、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122でターンを形成する第1コイル部121C及び第2コイル部122Cは、各ターンのD1-D2断面を基準に、左側または右側に傾斜した形態のターンを一部含むことができる。
【0087】
次に、
図18の例の場合、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cは、D1-D2断面上で円形に形成されることができる。また、これにより、第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの表面を絶縁物質でコーティングするコーティング層CLもD1-D2断面上で円形状を有することができる。第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122がこのような形態を有する場合、限られた本体110の空間内でターン数を増加させ易く、インダクタンス容量を向上させることができる。また、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122のターン数及び引き出し方向の設計自由度が高いため、目的としたカップリング係数に近くなるように調整が可能である。
【0088】
次に、
図19の透過斜視図に示した例の場合、巻線コイル121、122が外部電極と連結される方式において違いがある。具体的には、本体110の下部領域110T上には第2巻線コイル122が配置され、第2巻線コイル122の引き出し部122A、122Bは、下部領域110Tに形成された溝Rに配置されることができる。この場合、第2巻線コイル122の引き出し部122A、122Bは折り曲げられて下部領域110Tの下面に配置されることができ、このために下部領域110Tの下面には追加的な溝が形成されることができる。第2巻線コイル122の上部には透磁率調節部の第2領域R2が配置され、その上には第1巻線コイル121が配置されることができる。第2巻線コイル122と類似して、第1巻線コイル121の引き出し部121A、121Bは、下部領域110Tに形成された溝Rに配置されることができる。この場合、第1巻線コイル121の引き出し部121A、121Bは折り曲げられて下部領域110Tの下面に配置されることができ、このために下部領域110Tの下面には追加的な溝が形成されることができる。図示の形態のように、第1巻線コイル121の引き出し部121A、121Bは、第2領域R2を貫通することができる。そして、第1巻線コイル121の上部には本体110の上部領域110Cが配置されることができる。
【0089】
次に、
図20の例の場合、本体110は、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122が配置され、本体110の上面に向かって突出するモールド部111を含むことができる。モールド部111は、本体110に含まれる一構成であり、断面が逆T字状の金型に磁性物質と絶縁樹脂を含む複合物質を充填した後に加熱、加圧して形成されることができるが、これに制限されるものではない。モールド部111は、第2巻線コイル122が直接配置されるベース部111B、及びベース部111Bから突出して第1コイル部121C及び第2コイル部122Cの中心を貫通するコア部111Cを含むことができる。コア部111Cと本体110の上面との間の間隔G1は、第1コイル部121Cと本体110の上面との間の間隔G2よりも狭く形成されることができる。すなわち、コア部111Cが第1コイル部121Cの上面よりも突出した形態で実現することができる。モールド部111がこのような形態を有する場合、第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122の安定した支持が可能であり、本体110の上部に磁性シート積層又は磁性物質の充填時に第1巻線コイル121及び第2巻線コイル122の変形を防止することができる。
【0090】
一方、説明の便宜上、本体110内でモールド部111の領域と残りの領域との間に実線境界線を示し、モールド部111内でベース部111Bの領域とコア部111Cの領域を区分する破線境界線を示したが、本発明の範囲がこれに制限されるものではなく、本体110の各構成は一体に形成されて相互間に界面が形成されないことができる。
【0091】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0092】
100 コイル部品
110 本体
111 モールド部
111B ベース部
111C コア部
121 第1巻線コイル
122 第2巻線コイル
121C 第1コイル部
122C 第2コイル部
121A 第1引き出し部
121B 第2引き出し部
122A 第3引き出し部
122B 第4引き出し部
CL コーティング層
130 カップリング調節部
131、132 絶縁材
R1 第1領域
R2 第2領域
141 第1外部電極
142 第2外部電極
143 第3外部電極
144 第4外部電極
C1 第1コア
C2 第2コア
P11、P12、P13、P21、P22 磁性粒子