(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006509
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】シャワーブース
(51)【国際特許分類】
A47K 3/30 20060101AFI20250109BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A47K3/30
E04H1/12 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107346
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】藤山 晴司
【テーマコード(参考)】
2D132
2E025
【Fターム(参考)】
2D132FA00
2D132FB01
2D132FH03
2D132FH06
2E025BA04
2E025BB00
(57)【要約】
【課題】 シャワーを浴びること以外の用途に利用可能なシャワーブースを提供する。
【解決手段】 本発明のシャワーブースB1は、ユーザUがシャワー使用時に利用する空間を囲む周壁部22を有し、ユーザUが空間に入る際に周壁部22が開いて空間が開放される内側ケース2と、内側ケース2を内部に収容し、開閉可能な扉14を側部12に有する外側ケース1と、扉14が閉じ、且つ周壁部22により空間が囲まれている期間に、鉛直方向に沿う回転軸を中心に内側ケース2を外側ケース1内で回転させる駆動機構6と、を備え、内側ケース2は、空間内に水を溜めた状態で回転可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがシャワー使用時に利用する空間を囲む周壁部を有し、前記ユーザが前記空間に入る際に前記周壁部が開いて前記空間が開放される内側ケースと、
前記内側ケースを内部に収容し、開閉可能な扉を側部に有する外側ケースと、
前記扉が閉じ、且つ前記周壁部により前記空間が囲まれている期間に、鉛直方向に沿う回転軸を中心に前記内側ケースを前記外側ケース内で回転させる駆動機構と、を備え、
前記内側ケースは、前記空間内に水を溜めた状態で回転可能であるシャワーブース。
【請求項2】
前記周壁部は、前記内側ケースの回転方向に沿って伸縮可能な機器によって構成されている、請求項1に記載のシャワーブース。
【請求項3】
前記内側ケース及び前記外側ケースのそれぞれの高さが、2m以上である、請求項1に記載のシャワーブース。
【請求項4】
前記空間内に向けて光を照射する照明機器と、
前記空間内の空気を、前記空間の外に排気する排気装置と、をさらに備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシャワーブース。
【請求項5】
前記内側ケースの底部に配置され、鉛直方向に沿う回転軸を中心に回転可能な回転体と、
前記空間内にユーザが居る間、前記空間内において前記回転体の上配置されて前記回転体を覆う蓋部材と、をさらに備え、
前記蓋部材は、着脱自在な状態で前記空間内に配置される、請求項4に記載のシャワーブース。
【請求項6】
前記駆動機構を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記空間内にユーザが存在するという第1停止条件、
前記照明機器がオンであるという第2停止条件、
前記空間内でユーザがシャワーを利用しているという第3停止条件、及び、
前記周壁部により前記空間が囲まれた状態で前記周壁部が前記空間内からロックされているという第4停止条件のうちのいずれかが満たされる場合には、前記駆動機構による前記内側ケースの回転を停止する、請求項5に記載のシャワーブース。
【請求項7】
前記回転体に対して取り外し自在な状態で取り付けられ、前記回転体に取り付けられることで前記回転体の回転を規制する回転規制部材をさらに備える、請求項6に記載のシャワーブース。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記周壁部により前記空間が囲まれた状態で前記周壁部が前記空間の外からロックされているという第1回転条件、
前記蓋部材が前記回転体の上に配置されていないという第2回転条件、及び、
前記回転規制部材が前記回転体から取り外されているという第3回転条件のすべてが満たされる場合に、前記駆動機構により前記内側ケースを回転させる、請求項7に記載のシャワーブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーブースに係り、特に、多機能を有するシャワーブースに関する。
【背景技術】
【0002】
住居等の建物において、風呂場の代わりに、シャワーブースが配置される場合がある(例えば、特許文献1参照)。一般的に、シャワーブースを利用する場合には、風呂場を配置する場合に比べて、建物での配置スペースを削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般的なシャワーブースは、シャワーを浴びるための機能しか有しておらず、シャワーを浴びること以外の用途に利用することができなかった。一方、住居内での各種設備の配置スペースを削減する観点では、シャワーブースがより多くの機能を備え、シャワーブースをより有効に活用できることが求められる。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以上に示す課題を解決することを目的とする。具体的には、本発明は、シャワーを浴びること以外の用途に利用可能なシャワーブースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を達成するために、本発明のシャワーブースは、ユーザがシャワー使用時に利用する空間を囲む周壁部を有し、ユーザが空間に入る際に周壁部が開いて空間が開放される内側ケースと、内側ケースを内部に収容し、開閉可能な扉を側部に有する外側ケースと、扉が閉じ、且つ周壁部により空間が囲まれている期間に、鉛直方向に沿う回転軸を中心に内側ケースを外側ケース内で回転させる駆動機構と、を備え、内側ケースは、空間内に水を溜めた状態で回転可能であることを特徴とする。
このような構成により、本発明では、洗濯機能を有し、シャワーを浴びること以外の用途に利用可能なシャワーブースが提供される結果、建物内におけるシャワーブース及び洗濯機の配置スペースを削減することができる。
【0007】
また、本発明のシャワーブースにおいて、周壁部は、内側ケースの回転方向に沿って伸縮可能な機器によって構成されているとよい。
上記の構成では、ユーザがシャワーブースを利用する際には、ユーザが居る空間を内側ケースの周壁部によって囲うことができ、ユーザがシャワーブースから退出する際には、内側ケースの周壁部を縮めることで、上記の空間を開放することができる。
【0008】
また、本発明のシャワーブースでは、内側ケース及び外側ケースのそれぞれの高さが、2m以上であるとよい。
上記の構成では、シャワーブースを洗濯の用途で利用する際、シャワーブースを、大容量の洗濯機として利用することができるため、例えば、毛布類等のように比較的大きい洗濯物を洗濯することができる。
【0009】
また、本発明のシャワーブースでは、空間内に向けて光を照射する照明機器と、空間内の空気を、空間の外に排気する排気装置と、をさらに備えるとよい。
上記の構成では、ユーザがシャワーブース内にてシャワーを浴びる際に、シャワーブース内を適切な環境(明るさ及び湿度)に設定することができる。
【0010】
また、本発明のシャワーブースでは、内側ケースの底部に配置され、鉛直方向に沿う回転軸を中心に回転可能な回転体と、空間内にユーザが居る間、空間内において回転体の上に配置されて回転体を覆う蓋部材と、をさらに備え、蓋部材は、着脱自在な状態で空間内に配置されるとよい。
上記の構成では、ユーザがシャワーブース内にてシャワーを浴びる際に、ユーザが回転体と接触する(干渉する)のを適切に回避することができる。
【0011】
また、本発明のシャワーブースでは、駆動機構を制御する制御装置を備え、制御装置は、空間内にユーザが存在するという第1停止条件、照明機器がオンであるという第2停止条件、空間内でユーザがシャワーを利用しているという第3停止条件、及び、周壁部により空間が囲まれた状態で周壁部が空間内からロックされているという第4停止条件のうちのいずれかが満たされる場合には、駆動機構による内側ケースの回転を停止するとよい。
上記の構成では、上記の第1停止条件~第4停止条件のいずれか1以上の条件が満たされた場合に、内側ケースの回転を停止するように駆動機構を制御することで、ユーザがシャワーブース内でシャワーを浴びる間に内側ケースが回転してしまう事態を回避することができる。
【0012】
また、本発明のシャワーブースでは、回転体に対して取り外し自在な状態で取り付けられ、回転体に取り付けられることで回転体の回転を規制する回転規制部材をさらに備えるとよい。
上記の構成では、ユーザがシャワーブース内にてシャワーを浴びる際には、回転規制部材を回転体に取り付けることで、回転体の回転が規制される結果、ユーザがシャワーブース内でシャワーを浴びる間に回転体が回転する事態を回避することができる。
【0013】
また、本発明のシャワーブースでは、制御装置は、周壁部により空間が囲まれた状態で周壁部が空間の外からロックされているという第1回転条件、蓋部材が回転体の上に配置されていないという第2回転条件、及び、回転規制部材が回転体から取り外されているという第3回転条件のすべてが満たされる場合に、駆動機構により内側ケースを回転させるとよい。
上記の構成では、上記の第1回転条件~第3回転条件のすべての条件が満たされた場合に限り、内側ケースの回転を許可するように駆動機構を制御する。これにより、シャワーブースを洗濯の用途で利用する際には、適正な状況で内側ケースを回転させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のシャワーブースによれば、シャワーを浴びること以外の用途に利用可能なシャワーブースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の1つの実施形態に係るシャワーブースの斜視図であり、ユーザがシャワーを浴びている状況を示す例である。
【
図2】本発明の1つの実施形態に係るシャワーブースの斜視図であり、洗濯物の洗濯が行われている状況を示す例である。
【
図3】本発明の1つの実施形態に係るシャワーブースの制御装置による停止制御処理フローを示す図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態に係るシャワーブースの制御装置による回転制御処理フローを示す図である。
【
図5】従来例に係るシャワーブース及び洗濯機の斜視図である。
【
図6】本発明の第1変形例に係るシャワーブースの斜視図である。
【
図7】本発明の第2変形例に係るシャワーブースの斜視図である。
【0016】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、各図では、図示の都合上、本来は内部に隠れて外部から確認することができない構造であっても、実線にて表すことがあり得る。
また、各図では、説明を分かり易くするために各部材を省略し、簡略化、及び模式化して図示しており、図中に示す各部材の寸法及び部材間の間隔等についても、実際のものとは異なっている場合がある。
また、以下の説明では、シャワーブースを利用してシャワーを浴び、また、シャワーブースを利用して洗濯を行う人を「ユーザ」と呼ぶこととする。
【0017】
<<本発明の1つの実施形態について>>
本発明の1つの実施形態(以下、本実施形態)に係るシャワーブース(以下、シャワーブースB1)について、
図1~5を参照しながら、説明する。
【0018】
本実施形態のシャワーブースB1は、例えば、建物のサニタリールーム等の水の利用場所(水回り)に配置される。ユーザUは、シャワーブースB1内でシャワーを浴びることができるとともに、シャワーブースB1を利用して衣類等の洗濯物Cを洗濯することができる。
【0019】
[本実施形態に係るシャワーブースの全体構成]
本実施形態に係るシャワーブースB1には、
図1及び2に示すように、シャワーを浴びる際に必要な機器である、シャワー専用の給水口を含むシャワー使用のための給水装置(以下、シャワー装置S1)、照明機器L、及び排気装置Hが配置されている。
【0020】
さらに、本実施形態に係るシャワーブースB1は、
図1及び2に示すように、洗濯用給水口S2、外側ケース1、内側ケース2、回転体3、蓋部材4、回転規制部材5、駆動機構6、各種センサ7、制御装置8、シャワー用操作パネル9、及び洗濯用操作パネル10を備える。センサ7には、第1センサ71、第2センサ72、第3センサ73、第4センサ74、第5センサ75、及び第6センサ76が含まれている。
以下に、シャワーブースB1のそれぞれの構成要素について、
図1及び2を参照しながら説明する。
【0021】
外側ケース1は、
図1及び2に示すように、内側ケース2を内部に収めることができる直方体の箱状のケースである。そして、外側ケース1は、天井部11、側部12、及び底面部13を備える。外側ケース1は、ケースの内(すなわち、内側ケース2を収容する空間)とケースの外とを隔てる、シャワーブースB1の筐体(ブース)としての機能を果たす。
外側ケース1の外形に関して説明すると、底面部13の大きさが約1m四方程度の広さであり、側部12の高さが2m程度の高さの四角柱の外形をなしている。
外側ケース1の材質については、十分な強度と耐熱性を有する材料であることが好ましい。
【0022】
外側ケース1の天井部11には、
図1及び2に示すように、照明機器L、排気装置H、シャワー装置S1、洗濯用給水口S2、第1センサ71、第2センサ72、及びシャワー用操作パネル9が配置されている。
シャワー装置S1、及びシャワー用操作パネル9は、
図1及び2に示すように、シャワーブースB1の内部に居るユーザUの手が届く範囲内にあるとよい。
また、照明機器L、排気装置H、洗濯用給水口S2、及び第1センサ71は、
図1及び2に示すように、内側ケース2の内側空間に臨んだ箇所に配置されているとよい。
【0023】
シャワー装置S1は、ユーザUがシャワーを浴びる際に、シャワーブースB1内に湯水等を散水することができる機器である。
また、シャワー装置S1には、
図1及び2に示すように、シャワー装置S1から湯水が吐出されていることを検出する第2センサ72が設けられており、第2センサ72の検出結果は、制御装置8に送信され、シャワー装置S1の利用(使用)状況は、制御装置8に認識される。第2センサ72としては、シャワー装置S1からの湯水の流れを検出するセンサ、例えば、シャワー装置S1への送水ラインに設けられた流量センサ又は水圧測定用のセンサ等が利用できる。
【0024】
洗濯用給水口S2は、ユーザUが洗濯物Cの洗濯を行う際に、内側ケース2の内側空間に対して、湯水を給水することができる機器である。なお、洗濯用給水口S2は、洗剤、漂白剤、及び柔軟剤等の薬品を内側ケース2の内側空間に投入することができる機構を備えていてもよい。
また、第1センサ71は、内側ケース2の内側空間に存在するユーザUを検出する人感センサであり、第1センサ71の検出結果は、駆動機構6を制御する制御装置8に送信され、内側ケース2の内側空間における人の存否は、制御装置8に認識される。
【0025】
照明機器Lは、シャワーブースB1内(特に、内側ケース2の内側空間)において光を照射する機器である。
排気装置Hは、シャワーブースB1内の換気、特に、シャワー装置S1の使用中にシャワーブースB1内に籠る多湿空気をファン等によって排出する装置である。
シャワー用操作パネル9は、シャワー装置S1、照明機器L、及び排気装置H等の各種機器に対するユーザUの操作を受け付け、また、各種機器の運転状況を表示するために使われる機器である。シャワー用操作パネル9は、制御装置8に対して、ユーザUの操作や各種機器の運転状況に関する情報の送受信を行うことができる。
【0026】
上述のように、シャワーブースB1内に設けられたシャワー装置S1、排気装置H、及び照明機器Lの利用状況、及び、シャワーブースB1内におけるユーザUの存在は、各種センサ7及びシャワー用操作パネル9によって検出され、制御装置8によって認識されている。具体的に説明すると、例えば、照明機器Lの利用状況は、シャワー用操作パネル9に設けられた照明スイッチのオン又はオフを検出することで、制御装置8に認識される。
【0027】
外側ケース1の側部12には、
図1及び2に示すように、洗濯用操作パネル10、及び扉14が配置されている。
洗濯用操作パネル10は、シャワーブースB1を洗濯の用途で利用する際にユーザUが各種機器に対して行う操作を受け付け、また、洗濯中の各種機器の運転状況を表示するために使われる機器である。洗濯用操作パネル10は、制御装置8に対して、ユーザUの操作や各種機器の運転状況に関する情報の送受信を行うことがでる。また、洗濯用操作パネル10は、洗濯に際してシャワーブースB1の外側から、ユーザUによって操作することができるように、外側ケース1の側部12の外側に配置されている。
扉14は、外側ケース1内の空間を開放し、外側の空間と出入り可能にするために設けられている。
【0028】
外側ケース1の底面部13には、
図1及び2に示すように、駆動機構6が配置されている。外側ケース1の内部において、駆動機構6の上方には内側ケース2が配置されている。
また、本実施形態では、制御装置8が、
図1及び2に示すように、外側ケース1の底面部13に配置されている。ただし、制御装置8の配置場所は、制御装置8の情報送受信機能が正常に発揮されれば、特に限定されず、例えば、制御装置8が外側ケース1の外側に配置されていてもよい。
【0029】
内側ケース2は、
図1及び2に示すように、外側ケース1の内側に配置され、シャワーを浴びるための空間を形成するとともに、洗濯槽を構成する筒状体である。すなわち、シャワーを浴びる際には、ユーザUが内側ケース2の内側空間に入ることができ、洗濯を行う際には、内側ケース2の内側空間に洗濯物Cを入れることができる。
本実施形態では、内側ケース2は、
図1及び2に示すように、シャワーを浴びるために上端が開放された円筒状の容器の形状であり、周壁部22、上端開口部23、及び底部21を備える。底部21は、平面視で約1m四方である外側ケース1内に収まる広さ(サイズ)を有し、周壁部22は、2m程度の高さを有する。
【0030】
内側ケース2は、駆動機構6が作動することにより、内側ケース2の内側空間に湯水を溜め、且つ、当該内側空間に洗濯物Cが投入された状態で、外側ケース1内で回転することができる。
なお、内側ケース2の材質については、十分な強度を有し、熱伝導率が低く、且つ耐熱性に優れた材料であることが好ましい。
【0031】
内側ケース2の上端開口部23は、常に開放されている。そのため、内側ケース2の内側空間に居るユーザUは、外側ケース1の天井部11に配置された照明機器L、排気装置H、シャワー装置S1、洗濯用給水口S2、第1センサ71、及びシャワー用操作パネル9を、上端開口部23を通じて直接利用することができる。
【0032】
内側ケース2の周壁部22は、
図1及び2に示すように、円柱形状の内側ケース2の側胴部分をなしている。具体的に説明すると、内側ケース2の周壁部22は、
図1及び2に示すように、内側ケース2の内側空間を囲んでおり、内側ケース2の周壁部22の少なくとも一部分には、内側ケース2の回転方向(以下、周方向)に沿って伸縮可能な機器が配置されている。本実施形態において、伸縮可能な機器は、所謂アコーディオンドア24である。
アコーディオンドア24は、蛇腹状の部分を伸縮させることで開閉する、折り畳み式の扉である。アコーディオンドア24によって、周壁部22が開いて内側ケース2の内側空間が開放され、ユーザUは、内側ケース2の内側空間を出入りすることができ、洗濯物Cは、内側ケース2の内側空間に投入されることができる。また、アコーディオンドア24が閉じることで、内側ケース2の内側空間は、周壁部22によって囲まれる。
【0033】
また、内側ケース2のアコーディオンドア24には、
図1に示すように、内側ロック機構25、及び外側ロック機構26を含むロック機構が備えられている。
内側ロック機構25は、周壁部22により内側ケース2の内側空間が囲まれた状態(つまり、アコーディオンドア24が閉じた状態)で、内側ケース2の内側からアコーディオンドア24をロックする機構である。
外側ロック機構26は、周壁部22により内側ケース2の内側空間が囲まれた状態(つまり、アコーディオンドア24が閉じた状態)で、内側ケース2の外側からアコーディオンドア24をロックする機構である。
【0034】
周壁部22のうち、アコーディオンドア24とそれ以外の部分との間の隙間には、防水機構やパッキン部材等の水漏れ防止用の部材が配置されている。これにより、アコーディオンドア24が、ロック機構(特に、外側ロック機構26)によってロックされると、内側ケース2の内側空間にある湯水が、内側ケース2の外へ漏れ出ないようになる。
【0035】
内側ロック機構25には、
図1及び2に示すように、内側ロック機構25がロックされていることを検出する第3センサ73が設けられている。第3センサ73の検出結果は、制御装置8に送信され、内側ロック機構25の利用状況、すなわち内側ケース2が内側からロックされているかどうかは、制御装置8に認識される。
外側ロック機構26には、
図1及び2に示すように、外側ロック機構26がロックされていることを検出する第4センサ74が設けられている。第4センサ74の検出結果は、制御装置8に送信され、外側ロック機構26の利用状況、すなわち内側ケース2が外側からロックされているかどうかは、制御装置8に認識される。
【0036】
なお、第3センサ73及び第4センサ74としては、ロック及びアンロックを検出するためのセンサ、例えば、ロック機構中の検出対象部がロック又はアンロックのために接近するのを検出する近接センサ等が利用できる。
【0037】
内側ケース2の底部21には、不図示の排水口が設けられている。排水口は、不図示の電磁弁によって開閉状態を切り替えることができる構成である。そして、排水口が開くことで、洗濯及びシャワーを浴びることによって内側ケース2内で生じた排水を、内側ケース2の外に排出することができる。
【0038】
内側ケース2の底部21には、
図1及び2に示すように、回転体3が回転可能な状態で載せられている。また、ユーザUがシャワーを浴びる間、回転体3の上には、
図1に示す蓋部材4が配置される。さらに、回転体3には、
図1に示すように、ユーザUがシャワーを浴びる間、回転規制部材5が回転体3に対して取り付けられる。
【0039】
回転体3は、
図1及び2に示すように、円盤状の回転羽根であり、詳しくは撹拌翼(パルセーター)であり、駆動機構6から伝達される回転力により、内側ケース2とは独立して、鉛直方向に沿う回転軸を中心に回転することができる。
回転体3の材質については、回転羽根に適した強度を有する材料であることが好ましい。
【0040】
蓋部材4とは、
図1に示すように、内側ケース2の内側空間の下側で、且つ、回転体3の上側に、内側ケース2の周壁部22に対して、取り付けて配置されることで、回転体3を覆う円盤状の平板部材である。蓋部材4は、内側ケース2に対して容易に取り付けることができ、また、内側ケース2から取り外すことが可能であり、着脱自在である。ユーザUがシャワーを浴びる際には、蓋部材4は、内側ケース2の内側空間の下部に配置されて、ユーザUの足が載る床をなす。他方、ユーザUがシャワーブースB1を利用して洗濯を行う際には、蓋部材4が内側ケース2から取り外される。
なお、蓋部材4の材質については、十分な強度を有し、熱伝導率が低く、且つ耐熱性に優れた材料であることが好ましい。
【0041】
回転規制部材5は、
図1に示すように、回転体3に対して取り付け及び取り外しが自在な、回転体3の回転を規制する部材である。
回転規制部材5は、
図1に示すように、棒状又はボルト状の留め具であり、回転体3に設けられた所定の孔に差し込まれることで、回転体3は、外側ケース1又は内側ケース2に対して固定され、これにより、回転体3の回転が規制される。
【0042】
ただし、回転規制部材5の構成、形状及び回転を規制する仕組みについては、特に限定されない。例えば、回転規制部材5がゴム状のパッキン部材からなり、回転体3にそのパッキン部材をかませることで、回転体3の回転が規制されてもよい。
また、回転体3を内側ケース2から取り外し可能にし、回転体3を内側ケース2から取り外すことで、回転体3が回転することを防ぐこともできる。
あるいは、回転体3に設けられた嵌合凹部(あるいは嵌合凸部)と、内側ケース2に設けられた嵌合凸部(あるいは嵌合凹部)とが嵌合することで、回転体3が回転することを防ぐことができる。例えば、上記の嵌合状態は、回転体3を回転軸に対して正回転又は逆回転に相対回転させて正規の取り付け位置からずれることで形成されてもよい。このような嵌合構造を利用すれば、回転体3とは別部材としての回転規制部材5を設けることなく、回転体3の回転を規制することができる。
【0043】
ユーザUがシャワーを浴びる際には、蓋部材4が、内側ケース2に対して取り付けられ、回転規制部材5が、回転体3に対して取り付けられる。一方、ユーザUが洗濯を行う際には、蓋部材4が内側ケース2から取り外され、回転規制部材5が回転体3から取り外される。
【0044】
内側ケース2の内側空間には、
図1及び2に示すように、蓋部材4が取り付けられていることを検出する第5センサ75が設けられている。第5センサ75の検出結果は、制御装置8に送信され、蓋部材4の利用状況、すなわち、内側ケース2の内側空間における蓋部材4の有無は、制御装置8に認識される。第5センサ75としては、蓋部材4の有無を検出するために内側ケース2の内側空間を撮影するカメラ、又は検出物体が近づいたことを検出する近接センサ等が利用できる。
【0045】
内側ケース2の内側空間には、
図1及び2に示すように、回転規制部材5が回転体3に取り付けられていることを検出する第6センサ76が設けられている。第6センサ76の検出結果は、制御装置8に送信され、回転規制部材5の利用状況、すなわち回転体3に対する回転規制部材5の取り付け状態は、制御装置8に認識される。第6センサ76としては、回転規制部材5の有無を検出するために回転体3及びその周辺を撮影するカメラ、又は検出物体が近づいたことを検出する近接センサ等が用いられるとよい。
【0046】
駆動機構6は、内側ケース2及び回転体3のそれぞれに対して、回転用の駆動力を付与する装置であり、
図1及び2に示すように、内側ケース2及び回転体3の近くに配置される。駆動機構6は、外側ケース1の扉14が閉じ、且つ、内側ケース2のアコーディオンドア24が閉じている期間に、鉛直方向に沿う回転軸を中心にして内側ケース2及び回転体3を外側ケース1内で回転させる。
【0047】
具体的に説明すると、駆動機構6は、内側ケース2及び回転体3に接続された不図示の軸を中心にして内側ケース2及び回転体3を回転させる装置であり、モータと、モータの回転を内側ケース2及び回転体3に伝達するための機構と、によって構成されている。モータの回転を内側ケース2及び回転体3に伝達させる機構は、特に限定されないが、例えば、ギア輪列、プーリ、又はカムリンク機構等を利用してもよい。
【0048】
駆動機構6は、内側ケース2及び回転体3を回転させる回転数を調整可能に構成されており、正方向及び逆方向の両方向に回転させることができてもよい。
また、駆動機構6は、制御装置8と、内側ケース2及び回転体3の回転に関する情報の送受信を行うことができ、制御装置8によって、内側ケース2及び回転体3の回転等の動力の付与が制御される。
本実施形態に係る駆動機構6は、回転体3を回転させる回転体用駆動機構と、内側ケース2を回転させる内側ケース用駆動機構とを別々に有している。このため、本実施形態では、回転体3及び内側ケース2を、それぞれ独立して回転させることができる。
【0049】
[本実施形態に係るシャワーブースの利用方法]
本実施形態に係るシャワーブースB1の利用方法として、シャワーブースB1を用いてシャワーを浴びる方法、及び洗濯を行う方法について、説明する。
【0050】
シャワーブースB1においてユーザUがシャワーを浴びる際には、先ず、回転規制部材5を、回転体3に対して取り付け、蓋部材4を、内側ケース2の内側空間の下部に配置して内側ケース2に対して取り付ける。これにより、回転体3が蓋部材4によって覆われ、且つ、回転体3の回転が規制される。その後、ユーザUは、内側ケース2の内側空間に入り、アコーディオンドア24を閉じ、内側ケース2が閉じた状態を、内側ロック機構25によって内側ケース2の内側でロックする。そして、ユーザUがシャワー用操作パネル9にて所定のボタン又はスイッチを操作することで、外側ケース1の天井部11に配置されたシャワー装置S1から、内側ケース2内に湯水が給水(散水)される。
以上の手順により、
図1に示すように、ユーザUは、シャワーブースB1の内側ケース2内でシャワーを浴びることができる。
【0051】
シャワーブースB1を用いて洗濯物Cを洗濯する際には、先ず、蓋部材4を内側ケース2から取り外し、回転規制部材5を回転体3から取り外す。その後、ユーザUは、内側ケース2の内側空間に洗濯物Cを投入した上で、アコーディオンドア24を閉じ、内側ケース2が閉じた状態を、外側ロック機構26によって内側ケース2の外側からロックする。そして、ユーザUが外側ケース1の外に出て外側ケース1の扉14を閉じ、洗濯用操作パネル10にて所定のボタン又はスイッチを操作することで、シャワー装置S1から給水される湯水及び洗剤等が内側ケース2の内側空間に投入される。また、洗濯用操作パネル10の操作時から所定時間が経過した時点で、内側ケース2及び回転体3が回転し、これにより、洗濯が開始される。
【0052】
以上の手順により、
図2に示すように、シャワーブースB1を利用して洗濯物Cの洗濯を行うことができる。
なお、洗剤の投入、並びに、内側ケース2及び回転体3を回転させて洗濯物Cを洗濯する仕組み等には、公知の洗濯機(より詳しくは、ドラム型洗濯機)の技術を応用した技術が利用されている。
【0053】
[本実施形態に係るシャワーブースの制御処理フロー]
第1実施形態に係る制御装置8に関する第1停止条件~第4停止条件、及び第1回転条件~第3回転条件、並びに回転制御処理フロー、及び停止制御処理フローについて、
図3及び4を参照しながら説明する。
【0054】
本実施形態に係る制御処理フローは、
図3及び4に示す流れに従って進行する。なお、以下に説明する制御処理フローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において不要なステップの削除、新たなステップの追加、及びステップの実施順序の入れ替えを行ってもよい。
【0055】
制御処理フローにおいて、制御装置8は、第1センサ71、第2センサ72、第3センサ73、第4センサ74、第5センサ75、及び第6センサ76等の各種センサ7との間で、入出力された情報の送受信を行うことができる。
また、制御装置8は、各種センサ7から受信した情報、並びにシャワー用操作パネル9、及び洗濯用操作パネル10から受信した情報に基づいて制御処理フローを実施し、各ステップを進める。
特に、上述の通り、制御装置8に対して、照明機器Lのオン又はオフの情報がシャワー用操作パネル9によって送信されることにより、照明機器Lの利用状況が検出される。
さらに、制御装置8は、駆動機構6を、回転可能又は回転不能な状態にすることができ、駆動機構6に対して、内側ケース2及び回転体3の回転の実行を制御することができる。
【0056】
以下では、主として、制御装置8の処理について、説明することとする。
以降に、停止制御処理フロー、及び回転制御処理フローのそれぞれについて説明する。
【0057】
[停止制御処理フロー]
まず、停止制御処理フローについて、
図3を参照しながら説明する。
停止制御処理フローとは、
図3に示すように、上述した第1停止条件~第4停止条件のいずれか一つが満たされた場合に、内側ケース2及び回転体3を回転不能な状態にする(回転を実行させない)ように、制御装置8が、駆動機構6を制御するフローである。
第1停止条件~第4停止条件が満たされている場合には、シャワーブースB1内(内側ケース2内)にユーザUが居る可能性が高い。よって、以下に説明するように、内側ケース2及び回転体3の回転を停止する制御条件を複数設定することで、ユーザUがシャワーブースB1に居る間に、内側ケース2及び回転体3が回転してしまう状況を確実に回避することができる。
【0058】
シャワーブースB1のユーザUがシャワーブースB1を利用する際に、シャワー用操作パネル9、及び洗濯用操作パネル10の所定のボタン又はスイッチの操作が行われると、停止制御処理フローが開始される。制御装置8は、シャワー用操作パネル9、及び洗濯用操作パネル10の所定のボタン又はスイッチ操作を受け付ける(S001)。
【0059】
その後、制御装置8が、シャワー用操作パネル9、及び洗濯用操作パネル10のいずれかのボタン操作を受け付けると、第1停止条件が満たされているか、制御装置8が判定する(S002)。
なお、第1停止条件とは、第1センサ71の検出結果に対して設定される条件である。第1停止条件は、シャワーブースB1の内側空間において、ユーザUが存在していることを、第1センサ71が検出した場合に満たされる。
【0060】
第1停止条件が満たされていなかった場合(S002:No)、制御装置8は、第2停止条件が満たされているかを判定する(S003)。
なお、第2停止条件とは、シャワーブースB1内に設けられた照明機器Lの利用状況に対して設定される条件である。第2停止条件は、シャワーブースB1内に設けられた照明機器Lが点灯されている場合に満たされる。
【0061】
その後、第2停止条件が満たされていなかった場合(S003:No)、制御装置8は、第3停止条件が満たされているかを判定する(S004)。
なお、第3停止条件とは、シャワーブースB1内に設けられたシャワー装置S1から湯水が吐出されていることを検出する第2センサ72の検出結果に対して設定される条件である。第3停止条件は、シャワーブースB1内に設けられたシャワー装置S1から湯水が吐出されていることを、第2センサ72が検出した場合に満たされる。
【0062】
その後、第3停止条件が満たされていなかった場合(S004:No)、制御装置8は、第4停止条件が満たされているかを判定する(S005)。
なお、第4停止条件とは、内側ケース2の内側ロック機構25がロックされていることを検出する第3センサ73の検出結果に対して設定される条件である。第4停止条件は、内側ケース2の内側ロック機構25がロックされていることを、第3センサ73が検出した場合に満たされる。
【0063】
その後、第4停止条件が満たされていなかった場合(S005:No)、制御装置8は、駆動機構6を、回転可能な状態にする(S006)。
【0064】
また、第1停止条件、第2停止条件、第3停止条件、又は第4停止条件のいずれが満たされた場合(S002、S003、S004、又はS005のいずれでYes)、制御装置8は、駆動機構6を、回転不能な状態にする(S007)。
【0065】
上述に説明した一連のステップは、ユーザUがシャワーブースB1を、シャワーを浴びる目的で利用している期間中、繰り返し実施される。そして、ユーザUがシャワーを浴びることを終了してシャワーブースB1(詳しくは、外側ケース1)の外に出た場合、これに伴って、停止制御処理フローが終了する。
【0066】
[回転制御処理フロー]
次に、回転制御処理フローについて、
図4を参照しながら説明する。
回転制御処理フローとは、
図4に示すように、上述した第1回転条件~第3回転条件のすべてが満たされた場合に、内側ケース2及び回転体3の回転を実行させるように、制御装置8が、駆動機構6を制御するフローである。
第1回転条件~第3回転条件が満たされている場合には、シャワーブースB1内(内側ケース2内)にユーザUが居る可能性が低い。よって、以下に説明するように、内側ケース2及び回転体3の回転を実行させる制御条件を複数設定することで、ユーザUが洗濯を行う際には、適正な状況で内側ケース2及び回転体3を回転させることができる。
【0067】
ユーザUがシャワーブースB1を利用する際に、所定のボタン操作が行われると、回転制御処理フローが開始される。制御装置8は、内側ケース2及び回転体3の回転させるための所定のボタンが、押されたことを受け付ける(S011)。
【0068】
その後、制御装置8が、洗濯用操作パネル10より、所定のボタンが押されたことを受け付けると、第1回転条件が満たされているか、制御装置8が判定する(S012)。
なお、第1回転条件とは、内側ケース2の外側ロック機構26がロックされていることを検出する第4センサ74の検出結果に対して設定される条件である。第1回転条件は、外側ケース1の外側ロック機構26がロックされていることを、第4センサ74が検出した場合に満たされる。
【0069】
その後、第1回転条件が満たされていた場合(S012:Yes)、制御装置8は、第2回転条件が満たされているかを判定する(S013)。
なお、第2回転条件とは、内側ケース2の内側空間において蓋部材4が配置されていることを検出する第5センサ75の検出結果に対して設定される条件である。第2回転条件は、内側ケース2の内側空間において蓋部材4が配置されていることを第5センサ75が検出しない場合に満たされる。
【0070】
その後、第2回転条件が満たされていた場合(S013:Yes)、制御装置8は、第3回転条件が満たされているかを判定する(S014)。
なお、第3回転条件とは、回転体3に対して回転規制部材5が取り付けられていることを検出する第6センサ76の検出結果に対して設定される条件である。第3回転条件は、回転体3に対して回転規制部材5が取り付けられていることを第6センサ76が検出しない場合に満たされる。
【0071】
その後、第3回転条件が満たされていた場合(S014:Yes)、制御装置8は、駆動機構6に対して、内側ケース2及び回転体3の回転を実行させる(S015)。
【0072】
また、第1回転条件、第2回転条件、又は第3回転条件のいずれが満たされなかった場合(S012、S013、又はS014のいずれでNo)、制御装置8は、駆動機構6に対して、内側ケース2及び回転体3の回転を実行させないように制御する(S016)。
【0073】
上述に説明した一連のステップは、シャワーブースB1を用いた洗濯の実施期間中、繰り返し実施される。そして、シャワーブースB1を用いた洗濯が終了した場合、これに伴って、停止制御処理フローが終了する。
【0074】
[本実施形態に係るシャワーブースの効果]
本実施形態に係るシャワーブースB1が用いられることで得られる効果について、
図1、2及び5を参照しながら説明する。
【0075】
住居等の建物において、洗濯機X1及びシャワーブースX2を配置する際に、
図5に示すように、これらの機器を水の利用場所(水回り)の近くに配置する場合が考えられる。
【0076】
しかし、一般的な住居の例(すなわち、従来の例)では、
図5に示すように、洗濯機X1と、シャワーブースX2とが別々の機器として配置されていた。その結果、住居等の建物内において、洗濯機X1及びシャワーブースX2のそれぞれについて配置スペースを確保する必要があり、これらの機器の配置スペースが広くなっていた。
【0077】
これに対して、本実施形態に係るシャワーブースB1は、
図1及び2に示すように、洗濯物Cを洗濯する機能を有する。そのため、本実施形態に係るシャワーブースB1では、上述した一般的な例に比べて、洗濯機X1及びシャワーブースX2の配置スペースを削減することができる。
【0078】
また、本実施形態に係るシャワーブースB1では、外側ケース1及び内側ケース2のそれぞれの高さが、2m以上である。
これにより、シャワーブースB1を、シャワーを浴びるために利用する際には、ユーザUは、シャワーブースB1の2mある高さを生かし、シャワーブースB1内で適切にシャワーを浴びることができる。そして、シャワーブースB1を洗濯に利用する際には、シャワーブースB1の2mある高さを生かし、例えば、衣類より大きな寝具等(毛布類等)の洗濯物Cの洗濯を行うことも可能であり、シャワーブースB1を大容量の洗濯機として利用することができる。
【0079】
また、本実施形態に係るシャワーブースB1では、蓋部材4、及び回転規制部材5をさらに備える。
これにより、シャワーブースB1がシャワーを浴びる用途で利用される際、蓋部材4によって、ユーザUと回転体3とが接触しないように隔てられ、回転規制部材5によって、回転体3の回転が規制される。そのため、ユーザUが、回転する回転体3と接触する等の不具合が改善され、シャワーブースB1を適切に利用することができる。
【0080】
また、本実施形態に係るシャワーブースB1では、駆動機構6によって、回転体3と内側ケース2とは独立して回転する。
これにより、シャワーブースB1が洗濯に利用される際、回転体3の回転が、内側ケース2の回転に加わることで、内側ケース2内にある洗濯物Cをより効果的に回し、より効率よく洗濯することができる。
【0081】
また、本実施形態に係るシャワーブースB1では、アコーディオンドア24をさらに備え、アコーディオンドア24には、内側ロック機構25、及び外側ロック機構26が配置されている。
これにより、ユーザUがシャワーを浴びる際には、アコーディオンドア24を内側から閉じた状態でロックすることで、アコーディオンドア24が外側から開けられてしまうことを防ぐことができる。また、ユーザUが洗濯を行う際には、アコーディオンドア24をしっかりと閉じた状態で、外側からロックすることができるため、内側ケース2の回転により、内側ケース2の内側空間にある湯水が外側へ排出されてしまうことを防ぐことができる。よって、ユーザUがシャワーを浴びる又は洗濯を行う際に、内側ケース2の内側空間を、内側ケース2によって、より適切に囲うことができる。
【0082】
また、本実施形態に係るシャワーブースB1は、各種センサ7と、制御装置8と、シャワー用操作パネル9と、洗濯用操作パネル10とを、備える。
そして、制御装置8は、シャワーブースB1の利用状況を、各種センサ7、シャワー用操作パネル9、及び洗濯用操作パネル10より受信した情報から適切に認識する。
さらに、制御装置8は、第1停止条件~第3停止条件のうちのいずれか1以上の条件が満たされた場合に、駆動機構6を、回転不能な状態にし、第1回転条件~第3回転条件のすべての条件が満たされた場合に、駆動機構6に対して、内側ケース2及び回転体3の回転を実行するように制御する。
【0083】
以上の制御により、ユーザUがシャワーブースB1内でシャワーを浴びている間には、内側ケース2が回転してしまう事態を回避することができ、ユーザUがシャワーブースB1を洗濯の用途で利用する際には、適正な状況で内側ケース2を回転させることができる。
【0084】
<<その他の実施形態について>>
以上までに、本発明のシャワーブースに関して、具体的な実施形態を例に挙げて説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれることは勿論である。
【0085】
本発明の他の実施形態としては、
図6及び
図7に示すシャワーブースB2、B3が挙げられる。これらのシャワーブースB2、B3における基本的な構成は、上述の実施形態に係るシャワーブースB1と略同様の構成である。
【0086】
図6に図示のシャワーブースB2では、内側ケース2の内側空間に湯水を吐出する周壁部給水口(以下、周壁部シャワー装置S3)が、内側ケース2の周壁部22の周方向において1箇所又は複数箇所に設けられてもよい。
上述のように構成されたシャワーブースB2によれば、ユーザUがシャワーを浴びる際に、周壁部シャワー装置S3から吐出される湯水を利用することで、様々な方向からシャワーを浴びることができる。また、シャワーブースB2が洗濯用に利用される際には、周壁部シャワー装置S3から吐出される湯水を利用して、洗濯物Cを洗濯することができる。
【0087】
図7に図示のシャワーブースB3では、内側ケース2の高さが、公知の洗濯機と同程度の高さ、あるいは、成人男性が内側ケース2内に入った状態でその男性の腹部までの高さであってもよい。また、シャワーブースB3では、ユーザUが内側ケース2の周壁部22を簡単に跨げる高さであれば、アコーディオンドア24を配置しなくてもよい。
上述のように構成されたシャワーブースB3によれば、外側ケース1の側部12の内側の上側部分は、内側ケース2によって覆い隠されないので、
図7に示すように、外側ケース1の側部12の内側の上側部分に、シャワー装置S1及び蛇口F等のような機器を配置することができる。
【符号の説明】
【0088】
B1、B2、B3 シャワーブース
C 洗濯物
F 蛇口
H 排気装置
L 照明機器
S1 シャワー装置
S2 洗濯用給水口
S3 周壁部シャワー装置
U ユーザ
X1 洗濯機
X2 シャワーブース
1 外側ケース
2 内側ケース
3 回転体
4 蓋部材
5 回転規制部材
6 駆動機構
7 センサ
8 制御装置
9 シャワー用操作パネル
10 洗濯用操作パネル
11 天井部
12 側部
13 底面部
14 扉
21 底部
22 周壁部
23 上端開口部
24 アコーディオンドア
25 内側ロック機構
26 外側ロック機構
71 第1センサ
72 第2センサ
73 第3センサ
74 第4センサ
75 第5センサ
76 第6センサ