(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006518
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】映像再生装置、映像再生プログラム、及び映像再生方法
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107357
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100143960
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 早百合
(72)【発明者】
【氏名】阿瀬見 典昭
(72)【発明者】
【氏名】柘植 洋和
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA11
(57)【要約】
【課題】映像データをダウンロードしながら、映像を再生する映像再生装置において、映像データのダウンロード処理の負担を従来よりも軽減した映像再生装置、映像再生プログラム、及び映像再生方法を提供すること。
【解決手段】映像再生装置の制御部は、再生指示に応じ、記憶部に記憶された選択映像データに基づき表示装置で映像を再生する(S8:YES、S10)。制御部は、選択映像データが記憶部に記憶されていない場合(S8:NO)、選択映像データを外部装置からダウンロードし(S22)、ダウンロード中に、選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づく再生処理を開始する(S23)。制御部は、ダウンロード中に停止指示を受け付けた場合(S24:YES)、再生処理を停止し(S32)、且つダウンロードを継続し(S36)、ダウンロードされた選択映像データを記憶部に記憶する(S37)。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と通信可能な通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
入力部を介し、複数の映像データの中から選択された、選択映像データを再生する再生指示を受け付ける第一受付処理と、
前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの少なくとも一部が、記憶部に記憶されている場合に、前記記憶部に記憶された前記選択映像データの少なくとも一部に基づき、表示装置で映像を再生する第一再生制御処理と、
前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データが、前記記憶部に記憶されていない場合に、前記通信部を介して、前記選択映像データを前記外部装置からダウンロードするダウンロード処理と、
前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像を前記表示装置に再生する再生処理を開始する第二再生制御処理と、
前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記入力部を介し、前記選択映像データの前記再生処理を停止する停止指示を受け付ける第二受付処理と、
前記停止指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの前記再生処理を停止し、且つ、前記選択映像データの前記ダウンロード処理を継続する停止制御処理と、
前記ダウンロード処理で前記外部装置からダウンロードされた前記選択映像データの少なくとも一部を前記記憶部に記憶する記憶制御処理と
を実行することを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記停止制御処理で、所定条件を満たす場合に、前記選択映像データの前記ダウンロード処理を継続し、前記所定条件を満たさない場合に、前記選択映像データの前記ダウンロード処理を継続せず、前記選択映像データのうちの、前記ダウンロード済みの部分を破棄することを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記入力部を介し、前記第二再生制御処理中に、早送り再生する早送り指示を受け付ける第三受付処理と、
前記早送り指示を受け付けたことに応じて、前記第二再生制御処理中に、前記映像を早送り再生する早送り再生制御処理と
を実行し、
前記所定条件は、前記第二再生制御処理中に、前記早送り指示を受け付けていない条件を含むことを特徴とする請求項2に記載の映像再生装置。
【請求項4】
前記所定条件は、前記選択映像データが、前記複数の映像データのうちの、所定の映像データである条件を含むことを特徴とする請求項2に記載の映像再生装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記再生指示を受け付けたことに応じて、複数の楽曲データのうちの、前記選択映像データと同期して再生される選択楽曲データが、前記記憶部に記憶されていない場合に、前記通信部を介して、前記選択楽曲データを前記外部装置からダウンロードする楽曲ダウンロード処理と、
前記停止指示を受け付けたかによらず、前記楽曲ダウンロード処理でダウンロードした前記選択楽曲データを前記記憶部に記憶する楽曲記憶制御処理と
を更に実行し、
前記第二再生制御処理において、前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記選択映像データのうちの前記ダウンロード済みの部分に基づき、前記映像を前記表示装置で再生し、前記楽曲ダウンロード処理でダウンロードされた前記選択楽曲データに基づき、前記映像と同期して楽曲をスピーカで再生する前記再生処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項6】
前記楽曲は、歌唱区間と、非歌唱区間とを含み、
前記制御部は、前記停止制御処理で、前記停止指示を受け付けた際の再生済み時間が、前記歌唱区間と、前記非歌唱区間との和である総再生時間、前記歌唱区間の和である総歌唱時間、及び前記楽曲の最初から再生順序が最後の前記歌唱区間の終わりまでの歌唱終了時間の少なくとも何れかの一定の割合以上である所定条件を満たす場合に、前記選択映像データの前記ダウンロード処理を継続し、前記所定条件を満たさない場合に、前記選択映像データの前記ダウンロード処理を継続せずに、前記ダウンロード処理の途中の前記選択映像データを破棄することを特徴とする請求項5に記載の映像再生装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記選択楽曲データが、前記記憶部に記憶されている場合、前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記楽曲ダウンロード処理を実行せず、
前記第二再生制御処理において、前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記選択映像データのうちの前記ダウンロード済みの部分に基づき、前記映像を前記表示装置に再生し、前記記憶部に記憶された前記選択楽曲データに基づき、前記映像と同期して前記楽曲を前記スピーカに再生する前記再生処理を開始することを特徴とする請求項5に記載の映像再生装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記選択映像データの終了点を決定する終点決定処理を更に実行し、
前記停止制御処理において、前記停止指示を受け付けたことに応じて、前記再生処理を停止し、且つ、前記ダウンロード処理を前記終了点まで継続することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の映像再生装置。
【請求項9】
外部装置と通信可能な通信部と、制御部とを備える映像再生装置の前記制御部に、
入力部を介し、複数の映像データの中から選択された、選択映像データを再生する再生指示を受け付ける第二受付処理と、
前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの少なくとも一部が、記憶部に記憶されている場合に、前記記憶部に記憶された前記選択映像データの少なくとも一部に基づき、表示装置で映像を再生する第一再生制御処理と、
前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データが、前記記憶部に記憶されていない場合に、前記通信部を介して、前記選択映像データを前記外部装置からダウンロードするダウンロード処理と、
前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像を前記表示装置に再生する再生処理を開始する第二再生制御処理と、
前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記入力部を介し、前記選択映像データの前記再生処理を停止する停止指示を受け付ける第二受付処理と、
前記停止指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの前記再生処理を停止し、且つ、前記選択映像データの前記ダウンロード処理を継続する停止制御処理と、
前記ダウンロード処理で前記外部装置からダウンロードされた前記選択映像データの少なくとも一部を前記記憶部に記憶する記憶制御処理と
を実行させる指示を含むことを特徴とする映像再生プログラム。
【請求項10】
外部装置と通信可能な通信部と、制御部とを備える映像再生装置の前記制御部によって実行される映像再生方法であって、
入力部を介し、複数の映像データの中から選択された、選択映像データを再生する再生指示を受け付ける第二受付処理と、
前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの少なくとも一部が、記憶部に記憶されている場合に、前記記憶部に記憶された前記選択映像データの少なくとも一部に基づき、表示装置で映像を再生する第一再生制御処理と、
前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データが、前記記憶部に記憶されていない場合に、前記通信部を介して、前記選択映像データを前記外部装置からダウンロードするダウンロード処理と、
前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像を前記表示装置に再生する再生処理を開始する第二再生制御処理と、
前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記入力部を介し、前記選択映像データの前記再生処理を停止する停止指示を受け付ける第二受付処理と、
前記停止指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの前記再生処理を停止し、且つ、前記選択映像データの前記ダウンロード処理を継続する停止制御処理と、
前記ダウンロード処理で前記外部装置からダウンロードされた前記選択映像データの少なくとも一部を前記記憶部に記憶する記憶制御処理と
を含むことを特徴とする映像再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生装置、映像再生プログラム、及び映像再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信端末のカラオケ用プログラムは、ストリーミング配信されるカラオケ演奏情報に対する処理負担の軽減を図る処理を実行する指示を含む(例えば、特許文献1参照)。具体的には、通信端末は、任意のカラオケ楽曲の楽曲IDを予約待ち行列に登録し、登録された時点で、当該楽曲IDを通信カラオケサーバに送信して対応のリファレンスデータを要求する。通信端末は、通信カラオケサーバにより配信されたリファレンスデータを記憶する。通信端末は、予約待ち行列に登録されたカラオケ楽曲の中の一のカラオケ楽曲の楽曲IDを通信カラオケサーバに送信して、当該カラオケ楽曲の楽曲データのストリーミング配信を要求する。通信装置は、ストリーミング配信された楽曲データに基づきカラオケ楽曲をストリーミング再生し、再生時にカラオケ楽曲と同期して読み出したリファレンスデータに基づき採点して表示する。通信端末は、一のカラオケ楽曲のストリーミング再生が終了した後、当該カラオケ楽曲が前記予約待ち行列に登録されていないことを条件に、記憶した当該楽曲のリファレンスデータを消去する。通信装置は、同一の予約楽曲が残っている間はリファレンスデータを消去させず、楽曲の予約登録の都度リファレンスデータをダウンロードすることを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記通信端末のカラオケ用プログラムでは、映像データのダウンロードの処理負担の軽減については検討されていない。
【0005】
本発明の目的は、映像データをダウンロードしながら、映像を再生する映像再生装置において、映像データのダウンロード処理の負担を従来よりも軽減した映像再生装置、映像再生プログラム、及び映像再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る映像再生装置は、外部装置と通信可能な通信部と、制御部と、を備え、前記制御部は、入力部を介し、複数の映像データの中から選択された、選択映像データを再生する再生指示を受け付ける第一受付処理と、前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの少なくとも一部が、記憶部に記憶されている場合に、前記記憶部に記憶された前記選択映像データの少なくとも一部に基づき、表示装置で映像を再生する第一再生制御処理と、前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データが、前記記憶部に記憶されていない場合に、前記通信部を介して、前記選択映像データを前記外部装置からダウンロードするダウンロード処理と、前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像を前記表示装置に再生する再生処理を開始する第二再生制御処理と、前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記入力部を介し、前記選択映像データの前記再生処理を停止する停止指示を受け付ける第二受付処理と、前記停止指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの前記再生処理を停止し、且つ、前記選択映像データの前記ダウンロード処理を継続する停止制御処理と、前記ダウンロード処理で前記外部装置からダウンロードされた前記選択映像データの少なくとも一部を前記記憶部に記憶する記憶制御処理とを実行する。本発明の第一態様に係る映像再生装置は、停止指示を受け付けた場合に、再生処理を停止する一方で、ダウンロード処理を継続し、ダウンロードされた選択映像データの少なくとも一部を記憶部に記憶する。映像再生装置は、記憶部に記憶された選択映像データに関する再生指示を受け付けた場合に、再度ダウンロード処理をすることなく、記憶部に記憶された選択映像データの少なくとも一部に基づき、映像を再生できる。故に、映像再生装置は、映像データをダウンロードしながら、映像を再生する映像再生装置において、映像データのダウンロード処理の負担を従来よりも軽減することに貢献する。
【0007】
本発明の第二態様に係る映像再生プログラムは、外部装置と通信可能な通信部と、制御部とを備える映像再生装置の前記制御部に、入力部を介し、複数の映像データの中から選択された、選択映像データを再生する再生指示を受け付ける第二受付処理と、前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの少なくとも一部が、記憶部に記憶されている場合に、前記記憶部に記憶された前記選択映像データの少なくとも一部に基づき、表示装置で映像を再生する第一再生制御処理と、前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データが、前記記憶部に記憶されていない場合に、前記通信部を介して、前記選択映像データを前記外部装置からダウンロードするダウンロード処理と、前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像を前記表示装置に再生する再生処理を開始する第二再生制御処理と、前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記入力部を介し、前記選択映像データの前記再生処理を停止する停止指示を受け付ける第二受付処理と、前記停止指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの前記再生処理を停止し、且つ、前記選択映像データの前記ダウンロード処理を継続する停止制御処理と、前記ダウンロード処理で前記外部装置からダウンロードされた前記選択映像データの少なくとも一部を前記記憶部に記憶する記憶制御処理とを実行させる指示を含む。第二態様に係る映像再生プログラムは、映像再生装置の制御部に実行されることで、第一態様の映像再生装置と同様の効果を奏する。
【0008】
本発明の第三態様に係る映像再生方法は、外部装置と通信可能な通信部と、制御部とを備える映像再生装置の前記制御部によって実行される映像再生方法であって、入力部を介し、複数の映像データの中から選択された、選択映像データを再生する再生指示を受け付ける第二受付処理と、前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの少なくとも一部が、記憶部に記憶されている場合に、前記記憶部に記憶された前記選択映像データの少なくとも一部に基づき、表示装置で映像を再生する第一再生制御処理と、前記再生指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データが、前記記憶部に記憶されていない場合に、前記通信部を介して、前記選択映像データを前記外部装置からダウンロードするダウンロード処理と、前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像を前記表示装置に再生する再生処理を開始する第二再生制御処理と、前記選択映像データの前記ダウンロード処理実行中に、前記入力部を介し、前記選択映像データの前記再生処理を停止する停止指示を受け付ける第二受付処理と、前記停止指示を受け付けたことに応じて、前記選択映像データの前記再生処理を停止し、且つ、前記選択映像データの前記ダウンロード処理を継続する停止制御処理と、前記ダウンロード処理で前記外部装置からダウンロードされた前記選択映像データの少なくとも一部を前記記憶部に記憶する記憶制御処理とを含む。第三態様に係る映像再生方法は、第一態様の映像再生装置と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】カラオケ装置1により実行されるメイン処理のフローチャートである。
【
図3】メイン処理で参照されるテーブルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態のカラオケシステム2の構成を示す図である。カラオケシステム2は、例えば、カラオケ店舗に設置される業務用のカラオケシステムであり、カラオケシステム2のユーザから選択されたカラオケ楽曲(以下、単に楽曲という)を、歌詞を含む映像に合わせて再生する機能を有する。カラオケシステム2は、カラオケ装置1と、リモコン装置3とを備える。カラオケ装置1とリモコン装置3とは、アクセスポイント5及びLAN8を介してネットワークを形成し、通信接続される。カラオケ装置1は、LAN8及びルータ6を介して、ネットワーク9と接続し、ネットワーク9と接続された外部装置7との間でデータを送受信できる。
【0011】
カラオケ装置1は、リモコン装置3から受信した予約情報に応じた楽曲を、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ、歌詞データ、及び映像データに基づき、歌詞を含む映像に合わせて再生する装置である。MIDIデータは、MIDI規格によって、一つの楽曲の楽譜を表したデータである。MIDIデータには、MIDI音源から出力される個々の再生音について、少なくとも、音高(いわゆるノートナンバー)と、MIDI音源が再生音を出力する期間とが規定される。楽曲は、歌詞が割り当てられた歌唱区間と、歌詞が割り当てられていない非歌唱区間とを含む。歌詞データは、楽曲の歌詞に関するデータであり、歌詞を構成する文字と、文字を出力させるタイミングとを含む。映像データは、楽曲の再生と同期して表示される背景映像を表すデータである。
【0012】
カラオケ装置1は、制御部11、記憶部20、赤外線通信部16、無線LAN通信部17、LAN通信部18、操作部19、及び切替器21を備える。制御部11は、メインSoC13、サブSoC14、エフェクト・ミキシング部12、及びインターフェイス15を有する。メインSoC13及びサブSoC14は各々、CPU及びメモリを有するSoC(System on a Chip)であり、カラオケ装置1を制御するために必要な機能を統合したチップである。メインSoC13及びサブSoC14は各々、インターフェイス15を介して、エフェクト・ミキシング部12、赤外線通信部16、無線LAN通信部17、LAN通信部18、操作部19、切替器21、及び記憶部20に接続されている。メインSoC13及びサブSoC14は、インターフェイス15を介して互いに通信可能である。
【0013】
本実施形態のメインSoC13で起動するOS(Operating System)は、第一OS(本実施形態では、Linux(登録商標))であり、サブSoC14で起動するOSは、第一OSと異なる第二OS(本実施形態では、Android(登録商標) OS)である。Linux(登録商標)は、カラオケ装置において、長年にわたって使用されているOSであって、古くからあるカラオケ装置用のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」という)は、第一OSで動作するように作られている。一方、Andoroid(登録商標)は、スマートフォン等の流通に伴い、数多くのアプリが開発、使用されているOSである。本実施形態のカラオケ装置1は、両OSの特性を活かすため、使用するアプリに応じてメインSoC13に映像を表示させるか、サブSoC14に映像を表示させるかを切り替える。
【0014】
エフェクト・ミキシング部12は、マイク23及びスピーカ24に接続し、MIDIデータに基づき、メインSoC13、又はサブSoC14で再生された楽曲と、マイク23から入力される音声とをミキシングして、スピーカ24に出力する。エフェクト・ミキシング部12は、再生された楽曲、音声に対してエコー等の効果を付与する機能を有してもよい。
【0015】
記憶部20は、外部装置7からダウンロードした情報、各種情報、及びカラオケ装置1で実行可能なアプリを複数記憶する、不揮発性の記憶装置である。本実施形態の記憶部20は、一例として、ハードディスク装置(HDD)である。記憶部20は、DL済みデータ記憶領域25を有する。カラオケ装置1のDL済みデータ記憶領域25は、リモコン装置3から受信した予約情報に応じて外部装置7からダウンロードした、MIDIデータ、歌詞データ、及び映像データの各々を楽曲IDと対応付けて記憶する。楽曲IDは、楽曲の識別情報であり、本実施形態では、一例として、四桁の数字で表される。映像データは、MIDIデータ及び歌詞データに比べ、データ容量が大きい。本実施形態のカラオケ装置1は、楽曲の再生前にMIDIデータ及び歌詞データのダウンロードを完了するが、映像データのダウンロードは完了しておらず、映像データのダウンロードをしながら再生する。つまりカラオケ装置1は、映像データについてはプログレッシブダウンロード方式を採用している。このため、DL済みデータ記憶領域25には、楽曲ID「0001」で示される楽曲のように、MIDIデータ、歌詞データ、及び映像データの各々が楽曲IDと対応付けて記憶されている楽曲と、楽曲ID「0003」で示される楽曲のように、MIDIデータ及び歌詞データが楽曲IDと対応付けられて記憶される一方、映像データは記憶されていない楽曲とが存在する。更に、DL済みデータ記憶領域25は、外部装置7からダウンロードしていない楽曲のデータを記憶していない。
【0016】
赤外線通信部16、無線LAN通信部17、及びLAN通信部18は、カラオケ装置1の通信部として機能し、カラオケ装置1の外部の各種構成と通信可能である。本実施形態のカラオケ装置1は、赤外線通信部16を使用して、リモコン装置3と通信を行い、リモコン装置3からの予約情報を受信する。カラオケ装置1は、LAN通信部18を使用して、LAN8に有線接続し、ネットワーク9に接続する。カラオケ装置1は、LAN8を使用できない場合には、無線LAN通信部17を使用してネットワーク9に接続可能である。
【0017】
操作部19は、ユーザからの各種入力を受け付け可能である。操作部19から入力された要求は、メインSoC13、又はサブSoC14の各種処理に使用される。本実施形態のメインSoC13及びサブSoC14は各々、映像出力機能を備えており、切替器21に接続されている。切替器21は、表示装置22に接続し、メインSoC13又はサブSoC14から出力された映像データに基づく映像を表示装置22に出力する。メインSoC13及びサブSoC14のどちらが切替器21に映像データを出力するかは、メインSoC13、又はサブSoC14によって切り替えられる。
【0018】
リモコン装置3は、ユーザからの楽曲の選択を受け付け、選択された楽曲を指定する予約情報をカラオケ装置1に送信する。リモコン装置3は、カラオケ装置1又は外部装置7から各種情報を受信し、各種処理を実行可能である。リモコン装置3は、制御部31、記憶部32、無線LAN通信部33、赤外線通信部34、操作部35、操作処理部36、ビデオRAM37、映像制御部38、及びタッチパネル39を備える。制御部31は、リモコン装置3の各種処理を司る。記憶部32は、選曲処理に必要とされるデータベース、各種プログラム、及びプログラム実行に伴って生成される各種情報を記憶する。
【0019】
無線LAN通信部33及び赤外線通信部34は各々、リモコン装置3の通信部として機能し、リモコン装置3の外部の各種構成と通信可能である。無線LAN通信部33は、アクセスポイント5と無線接続する。リモコン装置3は、特定のカラオケ装置1に対して事前に対応付けされる。リモコン装置3から出力される各種命令は、対応付けされたカラオケ装置1にて受信される。リモコン装置3は、赤外線通信部34を使用して、カラオケ装置1に、楽曲予約時の予約情報等を送信可能である。
【0020】
操作部35及びタッチパネル39は、ユーザから各種指示を受け付けるユーザインターフェイスである。タッチパネル39は、表示部40及びタッチスクリーン49を有する。タッチパネル39は、表示部40に各種インターフェイスを表示するとともに、ユーザからのタッチ入力を受付可能である。映像制御部38は、タッチパネル39の表示部40に表示する映像を形成する。ビデオRAM37は、タッチパネル39の表示部40に表示する映像情報を一時的に蓄える。操作処理部36は、タッチパネル39又は操作部35からの入力に応じた信号を制御部31に出力する。
【0021】
表示部40には、一例として、キー41から48を含む画面が表示される。キー41は、楽曲を選択し、予約する指示を入力する場合に選択される。キー42は、楽曲の予約状況を表示部40に表示する指示を入力する場合に選択される。キー43は、スピーカ24の音量を調整したり、操作したりする場合に選択される。キー44は、カラオケ装置1で再生中の楽曲を停止する場合に選択される。キー45は、カラオケ装置1に楽曲の再生をスタートさせる場合に選択させる。キー46は、カラオケ装置1で再生中の楽曲を巻き戻す場合に選択される。キー47は、カラオケ装置1で再生中の楽曲を一時停止する場合に選択される。キー48は、カラオケ装置1で再生中の楽曲を早送りする場合に選択される。制御部31は、タッチスクリーン49の検出結果に応じて、何れかのキーの選択を検出した場合に、キーに応じた指示をカラオケ装置1に送信する。
【0022】
カラオケシステム2で実行される楽曲を再生する処理の概要を説明する。リモコン装置3は、映像情報をタッチパネル39の表示により各種情報を提供する。リモコン装置3は、ユーザからの各種入力をタッチパネル39、又は操作部35から受け付け、カラオケ装置1に楽曲の予約情報を送信する。
【0023】
カラオケ装置1は、リモコン装置3から予約情報を受信した場合、受信した予約情報を予約テーブルに登録する。カラオケ装置1は、予約された楽曲のMIDIデータ、歌詞データ、及び映像データを記憶部20又は外部装置7から取得する。カラオケ装置1は、予約された楽曲を、MIDIデータに基づき再生する。カラオケ装置1は、MIDIデータに基づき再生された楽曲と、マイク23から入力される音声とを、エフェクト・ミキシング部12にてミキシングし、スピーカ24から音声出力する。カラオケ装置1は、歌詞データ及び映像データに基づき、楽曲の歌詞を、背景映像に重ねた映像を、楽曲の再生と同期して、表示装置22に表示させる。カラオケ装置1は、予約された楽曲のMIDIデータ、歌詞データ、及び映像データの何れかを、新たに外部装置7からダウンロードした所定の場合、楽曲IDと対応付けて記憶部20に記憶する。
【0024】
図2から
図4を参照して、
図3に示す具体例1から3を用い、本実施形態のカラオケ装置1が実行するメイン処理を説明する。メイン処理は、ユーザがリモコン装置3を使用して予約情報を入力したことに応じて、カラオケ装置1が予約情報を受信した場合に実行される。予約情報は、例えば、タッチパネル39に表示された複数の楽曲の中から選択された楽曲(以下、「選択楽曲」ともいう)の楽曲IDを含む。具体例1は、楽曲IDが「0001」である楽曲が選択された場合であり、具体例2は、楽曲IDが「0002」である楽曲が選択された場合であり、具体例3は、楽曲IDが「0003」である楽曲が選択された場合である。カラオケ装置1の制御部11は予約情報を受信すると、メインSoC13及びサブSoC14によりメイン処理を実行するための映像再生プログラムを読み出し、プログラムに含まれる指示に従って、以下のステップを実行する。メイン処理を実行するのに必要な各種パラメータは、メインSoC13及びサブSoC14内のメモリに記憶されている。メイン処理の過程で得られた各種データは、メインSoC13及びサブSoC14内のメモリに記憶される。具体例1から3のメイン処理は、互いに異なるタイミングで実行されるが、説明を簡単にするために、具体例1から3のメイン処理を並列に説明する。
【0025】
制御部11は、リモコン装置3から受信された予約情報を、リモコン装置3を介し、複数の映像データの中から選択された、選択映像データを再生する再生指示として受け付け、フラグに0を設定する(S1)。フラグは、映像再生中に早送り再生をしたか否かを示す。フラグが0である場合、映像再生中に早送り再生をしていないことを示す。フラグが1である場合、映像再生中に早送り再生がされたことを示す。
【0026】
制御部11は、再生指示を受け付けたことに応じて、複数の楽曲データのうちの、選択映像データと同期して再生される選択楽曲データが、記憶部20に記憶されていない場合に、LAN通信部18を介して、選択楽曲データを外部装置7からダウンロードする。制御部11は、選択楽曲データが、記憶部20に記憶されている場合、S1の処理で再生指示を受け付けたことに応じて、選択楽曲データを外部装置7からダウンロードする処理を実行しない。本実施形態の楽曲データは、MIDIデータと、歌詞データとである。制御部11は、選択楽曲データを外部装置7からダウンロードする場合、後述の停止指示を受け付けたかによらず、ダウンロードした選択楽曲データを記憶部20に記憶する。具体的には、制御部11は、選択楽曲のMIDIデータが記憶部20に記憶されているかを判断する(S2)。具体例1、3では、選択楽曲のMIDIデータが記憶部20に記憶されているので(S2:YES)、制御部11は、記憶部20に記憶されたMIDIデータを取得する(S3)。具体例2では、予約情報で指定される楽曲である、選択楽曲のMIDIデータが記憶部20に記憶されていないので(S2:NO)、制御部11は、外部装置7にMIDIデータを送信する要求を送信し、外部装置7からMIDIデータをダウンロードして取得する(S4)。制御部11は、ダウンロードしたMIDIデータを記憶部20のDL済みデータ記憶領域25に、楽曲のIDと対応付けて記憶する(S4)。
【0027】
S3又はS4の次に、制御部11は、選択楽曲の歌詞データが記憶部20に記憶されているかを判断する(S5)。具体例1、3では、選択楽曲の歌詞データが記憶部20に記憶されているので(S5:YES)、制御部11は、記憶部20に記憶された歌詞データを取得する(S6)。具体例2では、選択楽曲の歌詞データが記憶部20に記憶されていないので(S5:NO)、制御部11は、外部装置7に歌詞データを送信する要求を送信し、外部装置7から歌詞データをダウンロードして取得する(S7)。制御部11は、ダウンロードした歌詞データを記憶部20のDL済みデータ記憶領域25に、楽曲のIDと対応付けて記憶する(S7)。
【0028】
S6又はS7の次に、制御部11は、選択楽曲の映像データの少なくとも一部が記憶部20に記憶されているかを判断する(S8)。具体例1では、選択楽曲の映像データの少なくとも一部が記憶部20に記憶されているので(S8:YES)、制御部11は、記憶部20に記憶された映像データの少なくとも一部を取得する(S9)。制御部11は、再生指示を受け付けたことに応じて、選択映像データの少なくとも一部が、記憶部20に記憶されている場合に、記憶部20に記憶された選択映像データの少なくとも一部に基づき、表示装置22で映像を再生する(S10)。制御部11はMIDIデータ、歌詞データ、及び映像データの同期再生を開始する。より具体的には制御部11は、記憶部20から取得された歌詞データ及び選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像と同期して歌詞を表示装置22で再生し、且つ、記憶部20から取得された選択楽曲データに基づき、映像と同期して楽曲をスピーカ24で再生する再生処理を開始する。制御部11は、停止指示を検出したかを判断する(S11)。制御部11は、リモコン装置3でキー44の選択が検出されたことに応じて出力された信号を受信した場合に、停止指示が検出されたと判断する。停止指示が検出されない場合(S11:NO)、制御部11は、映像データがあるかを判断する(S12)。S9で取得された映像データが、映像データの一部である場合、同期再生している途中で、映像データの一部が終了する場合がある。映像データの一部が終了し、同期再生できる映像データが足りなくなった場合(S12:NO)、制御部11は、映像データの一部の最後のフレームを、静止画表示して処理を続行する(S13)。より具体的には制御部11は、記憶部20から取得された歌詞データを静止画に重ねた映像を表示装置22で再生し、且つ、記憶部20から取得された選択楽曲データに基づき、映像と同期して楽曲をスピーカ24で再生する。制御部11は、映像データの残りの部分を送信する要求を外部装置7に送信し、外部装置7から映像データの残りの部分をダウンロードする(S14)。映像データがある場合(S12:YES)、又はS14の次に、制御部11は、同期再生終了かを判断する(S15)。再生終了しない場合(S15:NO)、制御部11は、処理をS11に戻す。
【0029】
停止指示を検出した場合(S11:YES)、又は再生を終了する場合(S15:YES)、制御部11は、S10の処理で開始した同期再生を終了する(S16)。制御部11は、S14で残りの部分の映像データをダウンロードし、ダウンロードした映像データを記憶するかを判断する(S17)。S14の処理でダウンロードした映像データを記憶するかの条件は適宜設定されればよい。制御部11は、例えば、ダウンロードした映像データの長さ又は容量に応じて、映像データを記憶するか否かを設定してもよい。S14でダウンロードした映像データを記憶する場合(S17:YES)、制御部11は、S14でダウンロードした映像データを楽曲のIDと対応付けて記憶する(S18)。S14でダウンロードした映像データを記憶しない場合(S17:NO)、又はS18の次に、制御部11は、以上でメイン処理を終了する。
【0030】
具体例2、3では、映像データが記憶部20に記憶されていないので(S8:NO)、制御部11は、LAN通信部18を介して、外部装置7に、選択楽曲の映像データを送信する送信要求を送信する(S21)。カラオケ装置1からの送信要求を受領した外部装置7は、送信要求で指定される選択楽曲の映像データを、カラオケ装置1に送信する。制御部11は、選択楽曲の映像データを、外部装置7からダウンロードする処理を開始する(S22)。S22の処理により、再生指示を受け付けたことに応じて、選択映像データが、記憶部20に記憶されていない場合に、LAN通信部18を介して、選択映像データを外部装置7からダウンロードするダウンロード処理が開始される。制御部11は、選択映像データのダウンロード処理実行中に、選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像を表示装置22に再生する再生処理を開始する(S23)。制御部11は、MIDIデータ、歌詞データ、及び映像データの同期再生を開始する。より具体的には、具体例3の場合、S23の処理により、制御部11は、選択映像データのダウンロード処理実行中に、歌詞データと選択映像データのうちのダウンロード済みの部分とに基づき、映像と同期して歌詞を表示装置22に再生し、且つ、記憶部20に記憶された選択楽曲データに基づき、映像と同期して楽曲をスピーカ24に再生する再生処理を開始する。具体例2の場合、S23の処理により、制御部11は、選択映像データのダウンロード処理実行中に、選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像と同期して歌詞を表示装置22で再生し、且つ、楽曲ダウンロード処理でダウンロードされた選択楽曲データに基づき、映像と同期して楽曲をスピーカ24で再生する再生処理を開始する。
【0031】
制御部11は、選択映像データのダウンロード処理実行中に、リモコン装置3を介し、選択映像データの再生処理を停止する停止指示を受け付け、停止指示を受信したか判断する(S24)。停止指示を受信していない場合(S24:NO)、制御部11は、リモコン装置3を介し、再生処理中に、早送り再生する早送り指示を受け付け、早送り指示を受信したかを判断する(S25)。早送り指示を受信した場合(S25:YES)、制御部11は、早送り処理を実行する(S26)。制御部11は、フラグに1を設定する(S27)。早送り指示が受信されていない場合(S25:NO)、又はS27の次に、制御部11は、同期再生が終了するかを判断する(S28)。再生が終了しない場合(S28:NO)、制御部11は、処理をS24に戻す。再生を終了する場合(S28:YES)、制御部11は、S23で開始した同期再生を終了し(S29)、フラグが0である場合(S30:YES)、ダウンロード済みの映像データを楽曲のIDと対応付けて記憶部20に記憶する(S31)。フラグが1である場合(S30:NO)又はS31の次に、制御部11は、以上でメイン処理を終了する。
【0032】
停止指示を受信した場合(S24:YES)、制御部11は、停止指示を受け付けたことに応じて、選択映像データの再生処理を停止し、且つ、選択映像データのダウンロード処理を継続する。本実施形態の制御部11は、所定条件を満たす場合に、選択映像データのダウンロード処理を継続し、所定条件を満たさない場合に、選択映像データのダウンロード処理を継続せず、選択映像データのうちの、ダウンロード済みの部分を破棄する。具体的には、制御部11は、S23で開始した同期再生を終了し(S32)、映像データを記憶部20に記憶するか否かの決定に用いる所定条件を取得する(S33)。所定条件は適宜設定されてよい。所定条件は、単一の条件であってもよいし、複数の条件が組みあわされた条件であってもよい。
【0033】
具体的には、所定条件は、同期再生中に、早送り指示を受け付けていない条件を含んでもよい。この場合制御部11は、フラグの値を用いて、同期再生中に早送り指示を受け付けたか否かを判断すればよい。
【0034】
所定条件は、選択映像データが、複数の映像データのうちの、所定の映像データである条件を含んでもよい。所定の映像データは、楽曲の登録日が所定期間内の楽曲の映像データであってもよいし、所定のジャンルの楽曲の映像データであってもよいし、所定の店舗における再生回数が閾値以上である楽曲の映像データであってもよいし、所定の店舗における再生回数に基づく順位が閾値以下である楽曲の映像データであってもよい。所定の店舗は、カラオケ装置1を設置する店舗であってもよいし、特定の地域又は国内の店舗であってもよい。ジャンルは、J-pop、及びRock等の楽曲のカテゴリを表すものであってもよいし、アニメ主題歌等の楽曲が使用されているコンテンツを表すものであってもよい。所定条件が、選択映像データが、複数の映像データのうちの、所定の映像データである条件を含む場合、制御部11は、例えば、
図3のテーブル70に示すように、記憶部20に、所定条件を満たすか否かの判断に必要な情報を記憶する。
図3に例示するテーブル70には、楽曲IDに対応付けて、楽曲の楽曲名、ジャンル、順位、再生回数、及び登録日が記憶されている。楽曲名、ジャンル、及び登録日は各々、例えば、外部装置7からダウンロードされ、記憶部20に記憶される。順位及び再生回数は各々、メイン処理実行時に更新されたデータであってもよいし、他のカラオケ装置1又は外部装置7からダウンロードされ、記憶部20に記憶されてもよい。制御部11は、記憶部20又は外部装置7から取得したデータに基づき、所定条件を満たすか否かを判断すればよい。
【0035】
所定条件は、S24で停止指示を受け付けた際の再生済み時間が、歌唱区間と、非歌唱区間との和である総再生時間、歌唱区間の和である総歌唱時間、及び楽曲の最初から再生順序が最後の歌唱区間の終わりまでの歌唱終了時間の少なくとも何れかの一定の割合以上である条件を含んでもよい。
図4に示すように、選択楽曲データEが、非歌唱区間H1からH3及び歌唱区間K1、K2を含む場合、総再生時間KTは、非歌唱区間H1からH3及び歌唱区間K1、K2の和である。総歌唱時間は、歌唱区間K1、K2の和である。歌唱終了時間KEは、楽曲の最初TSから再生順序が最後の歌唱区間K2の終わりT1までの時間であり、非歌唱区間H1、H2及び歌唱区間K1、K2の和である。一定の割合は、適宜設定されればよく、楽曲のジャンル、登録日、再生回数、及び再生回数に基づく順位等の条件に応じて、互いに異なる値が設定されてもよい。歌唱区間K1、K2の時間、非歌唱区間H1からH3の時間、及び総歌唱時間は各々、歌詞データに基づき算出されてもよいし、楽曲データの一部として歌唱区間K1、K2の時間と、非歌唱区間H1からH3の時間との少なくも何れかが、外部装置7から取得されてもよい。総再生時間KTは、MIDIデータに基づき取得されてもよいし、楽曲データの一部として外部装置7から取得されてもよい。歌唱終了時間KEは、歌詞データに基づき算出されてもよいし、楽曲データの一部として外部装置7から取得されてもよい。
【0036】
制御部11は、S24で停止指示が取得された選択楽曲が、S33で取得された所定条件を満たすかを判断する(S34)。選択楽曲がS33で取得された所定条件を満たす場合(S34:YES)、制御部11は、選択映像データの終了点を決定する(S35)。カラオケ装置1は、歌唱区間が終了した時点等で、再生途中で停止指示を取得する場合がある。このため、楽曲の最後まで映像データが必要ではない場合が一定の割合で発生する。このことを考慮し、本実施形態のカラオケ装置1は、停止指示を取得した場合の映像データの終了点を決定可能としている。終了点の決定条件は、予め設定されてもよいし、ユーザが設定してもよい。終了点は、全ての楽曲について同一の条件で決定されてもよいし、楽曲のジャンル、登録日、再生回数、及び再生回数に基づく順位等の条件に応じて、互いに異なる条件で決定されてもよい。終了点の決定条件は、総再生時間KTに1以下の所定割合を乗じた時点でもよいし、一番目、二番目、及び最後等の特定の歌唱区間が終了した時点でもよいし、楽曲の再生履歴に基づき特定される、停止指示が取得される頻度が最も高い時点でもよい。終了点の決定条件が、歌唱区間が終了した時点である場合、制御部11は、
図4に示す終了点T1を決定する。終了点の決定条件が、総再生時間KTに1以下の9割を乗じた時点である場合、制御部11は、
図4に示す終了点T2を決定する。
【0037】
制御部11は、停止指示を受け付けたことに応じて、再生処理を停止し、且つ、ダウンロード処理をS35で設定された終了点まで継続する(S36)。制御部11は、S36の処理を実行時に、既に終了点迄映像データがダウンロードされている場合、制御部11はS36の処理を省略してもよい。制御部11は、ダウンロード処理で外部装置7からダウンロードされた選択映像データの少なくとも一部を記憶部20に記憶する(S37)。制御部11は、終了点までダウンロードされた映像データを、楽曲IDと対応付けて記憶部20に記憶する。S37の処理により、映像データの最初からS35で設定された終了点迄の映像データが、楽曲IDと対応付けて記憶部20に記憶される。S37で記憶される映像データは、停止指示が取得されるまでにダウンロードされた第一データと、停止指示取得後にS36の処理でダウンロード処理が継続されることでダウンロードされた第二データとを含む。本実施形態の第一データの再生長さは、第二データの再生長さよりも長い。終了点が、映像データの最後よりも前に設定される場合、S37では、映像データの一部が楽曲IDと対応付けて記憶部20に記憶される。
【0038】
S32で取得された所定条件を満たさない場合(S34:NO)、制御部11は、S22の処理でダウンロードが開始された映像データを破棄する(S38)。S37又はS38の処理の次に、制御部11は、以上でメイン処理を終了する。
【0039】
上記実施形態において、カラオケ装置1、リモコン装置3、外部装置7、制御部11、LAN通信部18、記憶部20、表示装置22、及びスピーカ24は各々、本発明の映像再生装置、入力部、外部装置、制御部、通信部、記憶部、表示装置、及びスピーカの一例である。S1の処理は、本発明の第一受付処理の一例である。S10の処理は、本発明の第一再生制御処理の一例である。S22の処理は、本発明のダウンロード処理の一例である。S23の処理は、本発明の第二再生制御処理の一例である。S24の処理は、本発明の第二受付処理の一例である。S23の処理は、本発明の第二再生制御処理の一例である。S32及びS36の処理は、本発明の停止制御処理の一例である。S37の処理は、本発明の記憶制御処理の一例である。S25の処理は、本発明の第三受付処理の一例である。S26の処理は、本発明の早送り再生制御処理の一例である。S4及びS7の処理は、本発明の楽曲ダウンロード処理及び楽曲記憶制御処理の一例である。S35の処理は、本発明の終点決定処理の一例である。
【0040】
上記実施形態のカラオケ装置1は、外部装置7と通信可能なLAN通信部18と、制御部11 とを備える。制御部11は、リモコン装置3を介し、複数の映像データの中から選択された、選択映像データを再生する再生指示を受け付ける(S1)。制御部11は、再生指示を受け付けたことに応じて、選択映像データの少なくとも一部が、記憶部20に記憶されている場合に(S8:YES)、記憶部20に記憶された選択映像データの少なくとも一部に基づき、表示装置22で映像を再生する(S10)。制御部11は、S1で再生指示を受け付けたことに応じて、選択映像データが、記憶部20に記憶されていない場合に(S8:NO)、LAN通信部18を介して、選択映像データを外部装置7からダウンロードする(S22)。制御部11は、選択映像データのダウンロード処理実行中に、選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像を表示装置22に再生する再生処理を開始する(S23)。制御部11は、選択映像データのダウンロード処理実行中に、リモコン装置3を介し、選択映像データの再生処理を停止する停止指示を受け付ける(S24)。制御部11は、停止指示を受け付けたことに応じて(S24:YES)、選択映像データの再生処理を停止し(S32)、且つ、選択映像データのダウンロード処理を継続する(S36)。制御部11は、ダウンロード処理で外部装置7からダウンロードされた選択映像データの少なくとも一部を記憶部20に記憶する(S37)。カラオケ装置1は、停止指示を受け付けた場合に、再生処理を停止する一方で、ダウンロード処理を継続し、ダウンロードされた選択映像データの少なくとも一部を記憶部20に記憶する。カラオケ装置1は、記憶部20に記憶された選択映像データに関する再生指示を受け付けた場合に、再度ダウンロード処理をすることなく、記憶部20に記憶された選択映像データの少なくとも一部に基づき、映像を再生できる。故に、カラオケ装置1は、映像データをダウンロードしながら、映像を再生するカラオケ装置1において、映像データのダウンロード処理の負担を従来よりも軽減することに貢献する。
【0041】
制御部11は、S32及びS36処理で、所定条件を満たす場合に、選択映像データのダウンロード処理を継続し、所定条件を満たさない場合に(S34:NO)、選択映像データのダウンロード処理を継続せず、選択映像データのうちの、ダウンロード済みの部分を破棄する(S38)。カラオケ装置1は、所定条件を満たさない場合の選択映像データが、記憶部20に記憶されることを回避できる。
【0042】
制御部11は、リモコン装置3を介し、S23で開始した再生処理中に、早送り再生する早送り指示を受け付ける(S25)。制御部11は、早送り指示を受け付けたことに応じて、S23で開始した再生処理中に、選択映像データを早送り再生する(S26)。S33の所定条件は、S23で開始した再生処理中に、早送り指示を受け付けていない条件を含む。カラオケ装置1は、早送り指示を受け付けた場合、早送り再生している部分に、ダウンロードされない部分が生じる。カラオケ装置1は、早送り指示を受け付けた場合の、途中にダウンロードされていない部分を含む選択映像データのダウンロードを継続したり、記憶部20に記憶したりせずに済む。
【0043】
S33で取得される所定条件は、選択映像データが、複数の映像データのうちの、所定の映像データである条件を含む。カラオケ装置1は、選択映像データが所定の映像データではない場合に、選択映像データのダウンロードを継続したり、記憶部20に記憶したりせずに済む。
【0044】
制御部11は、再生指示を受け付けたことに応じて、複数の楽曲データのうちの、選択映像データと同期して再生される選択楽曲データが、記憶部20に記憶されていない場合に、LAN通信部18を介して、選択楽曲データを外部装置7からダウンロードし(S4、S7)、停止指示を受け付けたかによらず、楽曲ダウンロード処理でダウンロードした選択楽曲データを記憶部20に記憶する(S4、S7)。制御部11は、選択映像データのダウンロード処理実行中に、選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像を表示装置22で再生し、S4、S7の処理でダウンロードされた選択楽曲データに基づき、映像と同期して楽曲をスピーカ24で再生する再生処理を開始する(S23)。カラオケ装置1は、映像と同期して楽曲をスピーカ24に再生する場合に、映像データに比べ、ダウンロードする際の処理負荷が小さい楽曲データについては、停止指示を受け付けたかによらず、記憶部20に記憶できる。
【0045】
楽曲は、歌唱区間と、非歌唱区間とを含む。制御部11は、S24の処理で、停止指示を受け付けた際の再生済み時間が、歌唱区間と、非歌唱区間との和である総再生時間、歌唱区間の和である総歌唱時間、及び楽曲の最初から再生順序が最後の歌唱区間の終わりまでの歌唱終了時間の少なくとも何れかの一定の割合以上である所定条件を満たす場合に(S34:YES)、選択映像データのダウンロード処理を継続し、所定条件を満たさない場合に(S34:NO)、選択映像データのダウンロード処理を継続せずに、ダウンロード処理の途中の選択映像データを破棄する(S38)。カラオケ装置1は、再生済み時間が、総再生時間及び総歌唱時間の少なく共何れかの一定割合より小さい場合に、選択映像データのダウンロードを継続したり、記憶部20に記憶したりせずに済む。
【0046】
制御部11は、選択楽曲データが、記憶部20に記憶されている場合、再生指示を受け付けたことに応じて、楽曲ダウンロード処理を実行せず(S2:YES、S3)、選択映像データのダウンロード処理実行中に、選択映像データのうちのダウンロード済みの部分に基づき、映像を表示装置22に再生し、記憶部20に記憶された選択楽曲データに基づき、映像と同期して楽曲をスピーカ24に再生する再生処理を開始する(S23)。カラオケ装置1は、記憶部20に選択楽曲データが記憶されている場合に、選択楽曲データを新たにダウンロードする処理負荷を低減できる。
【0047】
制御部11は、選択映像データの終了点を決定する(S35)。制御部11は、停止指示を受け付けたことに応じて(S24:YES)、再生処理を停止し(S32)、且つ、ダウンロード処理を終了点まで継続する(S36)。カラオケ装置1は、決定された終了点まで選択映像データのダウンロード処理を継続でき、終了点よりも後の部分のダウンロードを継続したり、終了点よりも後の部分を記憶部20に記憶したりせずに済む。
【0048】
本発明の映像再生装置、映像再生プログラム、及び映像再生方法は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。
【0049】
(A)映像再生装置は、カラオケ装置1に限られるものでは無く、リモコン装置3、ユーザが所持するスマートフォン、家庭に設置されるパーソナルコンピュータ及びゲーム機等、各種情報処理装置で実現されてもよい。カラオケ装置1は、一つのSoCを搭載していてもよいし、三以上のSoCを搭載してもよい。表示装置22は、画像を表示可能であればよく、例えば、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、プラズマチューブアレイディスプレイ、電気泳動等を利用した電子ペーパーディスプレイ等でもよい。記憶部20は、情報を記憶可能な不揮発性の記憶装置であればよく、例えば、フラッシュメモリ、SSD等でもよい。カラオケ装置1は、リモコン装置3、表示装置22、マイク23、及びスピーカ24の少なくとも何れかを備えてもよい。カラオケ装置1は、リモコン装置3に替えて、キーボード、マウス、及びジョイスティック等の入力部と有線又は無線で接続してもよい。カラオケ装置1は、無線LAN通信部17及びLAN通信部18の何れかのみを備えてもよい。
【0050】
(B)
図2の処理を実行させるための指令を含むプログラムはカラオケ装置1の制御部11が、対応するプログラムを実行するまでに、カラオケ装置1の記憶機器に記憶されればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。各装置が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、記憶部等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
【0051】
(C)メイン処理の各ステップは、制御部11によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。メイン処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよいし、一つの電子機器によって処理されてもよい。メイン処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。メイン処理に、以下の変更が適宜加えられてもよい。
【0052】
制御部11は、S33及びS34の処理を省略し、停止指示を検出した全ての場合に、ダウンロード処理を継続し、ダウンロード処理でダウンロードされた選択映像データが記憶部20に記憶してもよい。制御部11は、早送り指示を受け付けず、映像を早送り再生する処理を実行不能でもよい。S33及びS34の所定条件は適宜変更されてよく、例えば、制御部11は、早送り指示を受け付けた場合に、ダウンロードされた選択映像データを記憶部20に記憶してもよい(S37)。制御部11は、映像データを再生可能であればよく、MIDIデータ及び歌詞データと同期して、映像データを再生しなくてもよい。制御部11は、MIDIデータ及び歌詞データの何れかのみと同期して、映像データを再生してもよい。つまり、制御部11は、S2からS7の処理を適宜省略してもよい。制御部11は、S4及びS7の各々で、外部装置7からダウンロードしたデータを記憶部20に記憶しなくてもよい。制御部11は、外部装置7からダウンロードしたMIDIデータ及び歌詞データの少なくとも何れかをS31又はS37の処理で記憶部20に記憶してもよい。楽曲データは、MIDIデータ以外のWMA、MP3、WAV、M4A、AAC、及びFLAC等のファイル形式の音声データであってもよい。
【0053】
楽曲は、歌唱区間及び非歌唱区間の何れかのみであってもよい。制御部11は、選択楽曲データが、記憶部20に記憶されている場合であっても、再生指示を受け付けたことに応じて、選択楽曲データをダウンロードする処理を実行してもよい。制御部11は、選択楽曲データが、記憶部20に記憶されている場合にのみ、選択楽曲データを、選択映像データと同期して再生させてもよい。制御部11は、S35の処理を省略し、選択映像データの終了点を決定しなくてもよい。この場合制御部11は、例えば、選択映像データの最後まで選択映像データのダウンロードを継続してもよい。
【0054】
上記変形例は矛盾のない範囲で適宜組み合わされてもよい。本願出願人は、特許請求の範囲において例示された組み合わせに加え、本発明の要旨を逸脱しない範囲、且つ、矛盾が生じない範囲で互いに組み合わされた態様についても特許権を取得する意思を有する。
【符号の説明】
【0055】
1:カラオケ装置、3:リモコン装置、7:外部装置、11:制御部、18:LAN通信部、20:記憶部、22:表示装置、24:スピーカ