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特開2025-6614給湯装置データ送信システムおよび給湯装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006614
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】給湯装置データ送信システムおよび給湯装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20250109BHJP
   F24H 1/14 20220101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/06
F24H1/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107512
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】中道 尚史
(72)【発明者】
【氏名】中野 邦彦
【テーマコード(参考)】
3L034
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3L034BA22
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】給湯装置から端末装置への無駄なロギングデータの送信を抑制でき得る給湯装置データ送信システムを提供する。
【解決手段】給湯装置10の制御部111は、端末装置20にロギングデータを送信する前に、読み出しフラグをLD記憶部113bから読み出して端末装置20に送信する。端末装置20の制御部201は、受信した読み出しフラグの状態に基づくロギングデータが未送信であるか送信済みであるかの情報の通知と、送信すべきロギングデータの選択の受付とを行うための画面を表示部203に表示させ、操作部204によりロギングデータの選択が行われると、選択されたロギングデータの送信を給湯装置10に要求する。制御部111は、要求されたロギングデータをLD記憶部113bから読み出して端末装置20に送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯装置と、当該給湯装置からデータを受信可能な端末装置と、を備える給湯装置データ送信システムにおいて、
前記給湯装置は、
前記給湯装置に備えられた各種センサから定期的に収集された検出データが、モニタリングデータとして記憶される第1の記憶部と、
前記給湯装置で検出されたエラーの発生をトリガーとして、前記第1の記憶部から読み出された前記モニタリングデータがロギングデータとして記憶される第2の記憶部と、
前記ロギングデータが前記端末装置に送信済みであるか否かを示す読み出しフラグが、それぞれの前記ロギングデータと紐づけられた状態で記憶される第3の記憶部と、
装置側制御部と、を備え、
前記端末装置は、表示部と、操作部と、端末側制御部と、を備え、
前記装置側制御部は、前記端末装置に前記ロギングデータを送信する前に、前記読み出しフラグを前記第3の記憶部から読み出して前記端末装置に送信し、
前記端末側制御部は、
受信した前記読み出しフラグの状態に基づく前記ロギングデータが未送信であるか送信済みであるかの情報の通知と、送信すべき前記ロギングデータの選択の受付とを行うための画面を前記表示部に表示させ、
前記操作部により前記ロギングデータの選択が行われると、選択された前記ロギングデータの送信を前記給湯装置に要求し、
前記装置側制御部は、要求された前記ロギングデータを前記第2の記憶部から読み出して前記端末装置に送信する、
ことを特徴とする給湯装置データ送信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の給湯装置データ送信システムにおいて、
前記端末装置は、サーバと通信可能に接続でき、
前記端末側制御部は、前記給湯装置から送信された前記ロギングデータを前記サーバに送信する、
ことを特徴とする給湯装置データ送信システム。
【請求項3】
端末装置と通信可能に接続され、当該端末装置へのデータ送信が可能な給湯装置において、
前記給湯装置に備えられた各種センサから定期的に収集された検出データが、モニタリングデータとして記憶される第1の記憶部と、
前記給湯装置で検出されたエラーの発生をトリガーとして、前記第1の記憶部から読み出された前記モニタリングデータがロギングデータとして記憶される第2の記憶部と、
前記ロギングデータが前記端末装置に送信済みであるか否かを示す読み出しフラグが、それぞれの前記ロギングデータと紐づけられた状態で記憶される第3の記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記端末装置に前記ロギングデータを送信する前に、前記読み出しフラグを、前記端末装置が、前記読み出しフラグの状態に基づく前記ロギングデータが未送信であるか送信済みであるかの情報の通知と、送信すべき前記ロギングデータの選択の受付とを行うために、前記端末装置に送信し、
前記端末装置で選択された前記ロギングデータの送信の要求を、前記端末装置から受けると、要求された前記ロギングデータを前記第2の記憶部から読み出して前記端末装置に送信する、
ことを特徴とする給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置と、当該給湯装置からデータを受信可能な端末装置とを備える給湯装置データ送信システムに関する。さらに、本発明は、給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯装置と、当該給湯装置と通信可能なサーバとを備え、給湯装置に設けられた各種センサからデータを定期的に収集し、給湯装置で生じた故障などのエラーをトリガーとして、収集したデータをサーバに送信するようにした給湯システムが知られている。サーバに蓄積されたデータは、故障原因の分析など、給湯装置の保守のために利用される。たとえば、上記給湯システムの一例である給湯器管理システムが、特許文献1に記載されている。
【0003】
上記給湯システムと違って、サーバと通信可能に接続されていない給湯装置では、各種センサから収集したデータを直接サーバに送信できない。そこで、このような給湯装置では、以下のような構成が採られ得る。
【0004】
即ち、給湯装置において、エラーが発生する都度、収集されたデータがロギングデータとして不揮発性記憶素子に記憶される。給湯装置に保管されたロギングデータが必要な際には、給湯装置にパーソナルコンピュータ等の端末装置が接続される。端末装置において所定の読込操作が行われると、各エラーに紐づけられたロギングデータが不揮発性記憶素子から読み出され、端末装置に送信される。その後、端末装置に保存されたロギングデータが、端末装置からサーバへ転送され、サーバで保管される。
【0005】
なお、給湯装置と、給湯装置からのデータを受信可能な端末装置により、給湯装置データ送信システムが構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6718827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記給湯装置データ送信システムのように、給湯装置にエラー毎にまとめて保管されたロギングデータが端末装置に送信されるような構成では、送信済みのロギングデータが端末装置に送信されてしまうと、同じロギングデータが重複して端末装置やサーバに保存されることになり、端末装置やサーバのメモリ容量が圧迫されたり、給湯装置と端末装置との間や端末装置とサーバとの間のデータ送信時間が不要に長くなったりする虞がある。
【0008】
かかる課題に鑑み、本発明は、給湯装置から端末装置への無駄なロギングデータの送信を抑制でき得る給湯装置データ送信システムおよび給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、給湯装置と、当該給湯装置からデータを受信可能な端末装置と、を備える給湯装置データ送信システムに関する。本態様に係る給湯装置データ送信システムにおいて、前記給湯装置は、前記給湯装置に備えられた各種センサから定期的に収集された検出データが、モニタリングデータとして記憶される第1の記憶部と、前記給湯装置で検出されたエラーの発生をトリガーとして、前記第1の記憶部から読み出された前記モニタリングデータがロギングデータとして記憶される第2の記憶部と、前記ロギングデータが前記端末装置に送信済みであるか否かを示す読み出しフラグが、それぞれの前記ロギングデータと紐づけられた状態で記憶される第3の記憶部と、装置側制御部と、を備える。また、前記端末装置は、表示部と、操作部と、端末側制御部と、を備える。ここで、前記装置側制御部は、前記端末装置に前記ロギングデータを送信する前に、前記読み出しフラグを前記第3の記憶部から読み出して前記端末装置に送信する。また、前記端末側制御部は、受信した前記読み出しフラグの状態に基づく前記ロギングデータが未送信であるか送信済みであるかの情報の通知と、送信すべき前記ロギングデータの選択の受付とを行うための画面を前記表示部に表示させ、前記操作部により前記ロギングデータの選択が行われると、選択された前記ロギングデータの送信を前記給湯装置に要求する。さらに、前記装置側制御部は、要求された前記ロギングデータを前記第2の記憶部から読み出して前記端末装置に送信する。
【0010】
本態様に係る給湯装置データ送信システムによれば、給湯装置から、ロギングデータが送信される前にロギングデータに紐づけられた読み出しフラグが端末装置に送信され、端末装置において、ロギングデータが未送信であるか送信済みであるかの情報の通知と、送信すべきロギングデータの選択の受付とが行われ、選択されたロギングデータのみが給湯装置から端末装置に送信される。これにより、送信済みのロギングデータが端末装置に送信されることが抑制される。よって、端末装置のメモリ容量が圧迫されたり、給湯装置と端末装置との間データ送信時間が不要に長くなったりしにくくなる。
【0011】
本態様に係る給湯装置データ送信システムにおいて、前記端末装置は、サーバと通信可能に接続できるような構成とされ得る。この場合、前記端末側制御部は、前記給湯装置から送信された前記ロギングデータを前記サーバに送信するような構成とされ得る。
【0012】
上記の構成によれば、送信済みのロギングデータが端末装置からサーバに転送されることが抑制される。よって、サーバのメモリ容量が圧迫されたり、端末装置とサーバとの間データ送信時間が不要に長くなったりしにくくなる。
【0013】
本発明の第2の態様は、端末装置と通信可能に接続され、当該端末装置へのデータ送信が可能な給湯装置に関する。本態様に係る給湯装置は、前記給湯装置に備えられた各種センサから定期的に収集された検出データが、モニタリングデータとして記憶される第1の記憶部と、前記給湯装置で検出されたエラーの発生をトリガーとして、前記第1の記憶部から読み出された前記モニタリングデータがロギングデータとして記憶される第2の記憶部と、前記ロギングデータが前記端末装置に送信済みであるか否かを示す読み出しフラグが、それぞれの前記ロギングデータと紐づけられた状態で記憶される第3の記憶部と、制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記端末装置に前記ロギングデータを送信する前に、前記読み出しフラグを、前記端末装置が、前記読み出しフラグの状態に基づく前記ロギングデータが未送信であるか送信済みであるかの情報の通知と、送信すべき前記ロギングデータの選択の受付とを行うために、前記端末装置に送信し、前記端末装置で選択された前記ロギングデータの送信の要求を、前記端末装置から受けると、要求された前記ロギングデータを前記第2の記憶部から読み出して前記端末装置に送信する。
【0014】
本態様に係る給湯装置によれば、第1の態様と同様な効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0015】
以上のとおり、本発明によれば、給湯装置から端末装置への無駄なロギングデータの送信を抑制でき得る給湯装置データ送信システムおよび給湯装置を提供することができる。
【0016】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態に係る、給湯装置データ送信システムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る、給湯装置を構成する給湯器、浴室リモコンおよび台所リモコンと、端末装置の回路ブロックを示す図である。
図3図3は、実施形態に係る、給湯器の燃焼系および配管の構成を模式的に示す図である。
図4図4(a)は、実施形態に係る、モニタリングデータを不揮発性記憶素子のモニタリングデータ記憶部に記憶するために給湯器の制御部が実行する制御処理を示すフローチャートである。図4(b)は、実施形態に係る、モニタリングデータが記憶されたモニタリングデータ記憶部を示す図である。
図5図5(a)は、実施形態に係る、ロギングデータを不揮発性記憶素子のロギングデータ記憶部に記憶するために給湯器の制御部が実行する制御処理を示すフローチャートである。図5(b)は、実施形態に係る、モニタリングデータがエラーデータおよび読み出しフラグとともに記憶されたロギングデータ記憶部を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る、端末装置が給湯装置にロギングデータを送信させてサーバへ転送するために端末装置の制御部が実行する制御処理を示すフローチャートである。
図7図7(a)~(d)は、実施形態に係る、端末装置の表示部に表示されるデータ送信操作画面の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る、給湯装置が端末装置にロギングデータを送信するために給湯器の制御部が実行する制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、給湯装置データ送信システム1の構成を示す図である。
【0020】
図1に示すように、給湯装置データ送信システム1は、給湯装置10と、端末装置20とを備える。給湯装置10は、外部通信網を介することなく端末装置20と通信可能に接続され、給湯装置10から端末装置20にデータを送信することができる。給湯装置10において、端末装置20と通信を行う機能は給湯器11が有する。
【0021】
給湯装置10は、給湯器11と、リモートコントローラ12、13とを備えている。給湯器11は、ガスを燃料として湯を供給するガス給湯器である。給湯器11により生成された湯は、給湯口11aにそれぞれ接続された配管を介して、台所の蛇口や、浴槽、カラン等に供給される。給湯器11が、床暖房機能や、浴室暖房機能およびパネルヒータによる暖房機能を備える場合、これら機能を実現する機器に対して、給湯器11から湯が供給される。
【0022】
リモートコントローラ12、13は、給湯器11に接続され、給湯装置10の各機能について種々の設定を行うために用いられる。リモートコントローラ12は、表示部121と、入力部122とを備え、リモートコントローラ13は、タッチパネルからなる表示入力部131と、運転ボタン132とを備える。操作者は、表示部121に表示された画面に従って入力部122を操作することにより、湯張りや給湯温度調節等について、任意の設定を行うことができる。また、操作者は、表示入力部131を操作することによっても、湯張り等の設定を行える。
【0023】
リモートコントローラ12は、浴室に設置され、リモートコントローラ13は、浴室外部のキッチン等に設置される。リモートコントローラ12、13には、音声を入出力するための音声窓12a、13aが設けられている。
【0024】
以下、浴室に設置されるリモートコントローラ12を、「浴室リモコン12」と称し、キッチン等に設置されるリモートコントローラ13を、「台所リモコン13」と称する。
【0025】
浴室リモコン12の入力部122には、運転ボタン122aが含まれている。運転ボタン122a、132は、給湯器11を運転オン状態と運転オフ状態とに切り替えるためのボタンである。
【0026】
浴室リモコン12および台所リモコン13が運転オフ状態にあるとき、表示部121および表示入力部131は消灯状態にあり、運転ボタン122a、132以外の操作ボタンの操作は受け付けられない。運転ボタン122a、132が操作され、運転オン状態になると、表示部121および表示入力部131が点灯して設定内容が表示され、各操作ボタンの操作が受け付け可能となる。
【0027】
さらに、入力部122および表示入力部131には、給湯温度を変更するためのボタンが含まれている。操作者は、このボタンを操作することにより、給湯の設定温度を変更することができる。この他、入力部122および表示入力部131には、追い焚き機能や、足し湯、足し水、ふろ自動機能等を実行するためのボタン等、給湯器11の動作を制御するためのボタンが含まれている。なお、ふろ自動機能には、浴槽2に湯を張る湯張り機能と、浴槽2の湯の保温するための追い焚き機能とが含まれる。
【0028】
端末装置20は、たとえば、パーソナルコンピュータやタブレット端末である。端末装置20は、給湯装置10からのデータの送信が必要となったとき、サービスマン等により給湯装置10の設置場所に持ち込まれて給湯装置10と接続される。たとえば、端末装置20は、接続ケーブルC1を用いて、給湯装置10に有線通信可能に接続される。給湯装置10、即ち給湯器11から接続ケーブルC1を介して、端末装置20に、ロギングデータ等のデータが送信(ダウンロード)される。
【0029】
端末装置20は、ルータ40および外部通信網50を介して、サーバ30と通信可能に接続することができる。ルータ40は無線ルータであり、外部通信網50は、たとえば、インターネットである。
【0030】
図2は、給湯装置10を構成する給湯器11、浴室リモコン12および台所リモコン13と、端末装置20の回路ブロックを示す図である。
【0031】
給湯器11は、制御部111と、記憶部112と、不揮発性記憶素子113と、負荷群114と、センサ群115と、内部通信部116と、外部通信部117とを備える。
【0032】
制御部111は、装置側制御部であり、CPU(Central ProcessingUnit)を含み、記憶部112に記憶されたプログラムに従って、給湯器11内の各部の制御を行う。記憶部112は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を含み、所定の制御プログラムを記憶する。
【0033】
不揮発性記憶素子113は、たとえば、シリアルフラッシュメモリである。不揮発性記憶素子113は、その記憶領域に、モニタリングデータ記憶部113a(以下、「MD記憶部113a」と称する)と、ロギングデータ記憶部113b(以下、「LD記憶部113b」と称する)とを含む。
【0034】
MD記憶部113aは、各種センサから定期的に収集された検出データがモニタリングデータとして記憶される第1の記憶部である。LD記憶部113bは、給湯装置10で検出されたエラーの発生をトリガーとして、第1の記憶部から読み出されたモニタリングデータがロギングデータとして記憶される第2の記憶部であるとともに、ロギングデータが端末装置20に送信済みであるか否かを示す読み出しフラグが、それぞれのロギングデータと紐づけられた状態で記憶される第3の記憶部である。
【0035】
負荷群114は、給湯運転のために駆動される燃焼器、給気ファン、ガス電磁弁、比例弁等の負荷を含む。センサ群115は、給湯器11内部の配管を流れる湯水の温度を検出する温度センサ、配管を流れる湯水の流量を検出する流量センサ、給湯装置10が接続された浴槽の水位を検出する水位センサなど、給湯装置10に配置された各種センサを備える。
【0036】
内部通信部116は、制御部111からの制御に従って、浴室リモコン12および台所リモコン13と通信を行う。内部通信部116は、2芯通信線L1、L2を介して、浴室リモコン12の通信部125および台所リモコン13の通信部135と接続されている。また、2芯通信線L1、L2は、内部通信部116の内部において、互いに接続されている。したがって、浴室リモコン12の通信部125と台所リモコン13の通信部135は、2芯通信線L1、L2によって互いに接続されている。このため、内部通信部116および通信部125、135の何れかから送信された信号は、他の通信部に同時に送信される。
【0037】
外部通信部117は、接続ケーブルC1を介して端末装置20と接続できる。外部通信部117は、制御部111からの制御に従って、端末装置20の通信部205と通信を行う。
【0038】
図3は、給湯器11の燃焼系および配管の構成を模式的に示す図である。
【0039】
図3に示すように、給湯器11は、図2に示した構成の他、給湯部210と、追い焚き部220と、バイパス部230とを備える。
【0040】
給湯部210は、給水管路211と、給湯熱交換器212と、給湯管路213と、給湯燃焼器214と、給気ファン215とを含む。給水管路211は、水道管と給湯熱交換器212とに繋がり、給湯管路213は、給湯熱交換器212と浴室水栓3および外部水栓4とに繋がる。給湯燃焼器214には、比例弁216の開度に応じた量のガス(燃料ガス)が給湯ガス管路217を通じて供給される。図示しないガス電磁弁が開放されると、給湯ガス管路217にガスが供給される。給湯燃焼器214は、ガスを燃料として、ガスの供給量に応じた強さで燃焼する。
【0041】
給気ファン215は、給湯燃焼器214に燃焼用の空気を供給する。給気ファン215には、ファンと、ファンを駆動するモータと、ファンの回転数を検出する回転センサとが含まれる。
【0042】
追い焚き部220は、戻り管路221と、ふろ熱交換器222と、往き管路223と、ふろ燃焼器224と、循環ポンプ225とを含む。戻り管路221は、浴槽2の循環アダプタ2aとふろ熱交換器222とに繋がり、往き管路223は、ふろ熱交換器222と循環アダプタ2aとに繋がる。
【0043】
ふろ燃焼器224には、比例弁226の開度に応じた量のガス(燃料ガス)がふろガス管路227を通じて供給される。図示しないガス電磁弁が開放されると、ふろガス管路227にガスが供給される。ふろ燃焼器224は、ガスを燃料として、ガスの供給量に応じた強さで燃焼する。給気ファン215が給湯部210と追い焚き部220との間で共用され、給気ファン215からふろ燃焼器224に燃焼用の空気が供給される。戻り管路221に、循環ポンプ225および水位センサS1が配置される。水位センサS1は、戻り管路221内の水圧に基づいて浴槽2内の水位を検出する。
【0044】
バイパス部230は、バイパス管路231と、給湯電磁弁232とを含む。バイパス管路231は、給湯管路213と戻り管路221とに繋がる。給湯電磁弁232は、バイパス管路231を開閉する。
【0045】
制御部111は、給湯部210の給湯燃焼器214、給気ファン215および比例弁216、追い焚き部220のふろ燃焼器224、循環ポンプ225および比例弁226、バイパス部230の給湯電磁弁232などを制御する。
【0046】
浴室水栓3または外部水栓4が開かれると、給湯機能が実行される。水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入されるとともに、給湯燃焼器214が燃焼して給湯熱交換器212が加熱される。給湯熱交換器212に導入された水が加熱されて湯となり、湯が給湯管路213を通じて浴室水栓3または外部水栓4に供給される。浴室水栓3または外部水栓4が閉じられると、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0047】
また、制御部111は、給湯部210を制御して、湯張り機能(ふろ自動機能)を実行する。この場合、給湯電磁弁232が開放されるとともに、水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入され、給湯熱交換器212で加熱される。そして、給湯熱交換器212からの湯が給湯管路213およびバイパス管路231を通じて戻り管路221に導入される。
【0048】
戻り管路221に導入された湯の一部は、戻り管路221を循環アダプタ2a側へと流れ、循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。戻り管路221に導入された湯の残りは、戻り管路221をふろ熱交換器222側へと流れ、さらにふろ熱交換器222および往き管路223を流れて循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。
【0049】
給湯が行われて浴槽2内に湯が溜められると、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223が水で満たされた状態となる。これにより、水位センサS1での浴槽2内の水位検出が可能となる。浴槽2内の水位が予め設定された水位に到達したことが水位センサS1により検出されると、給湯電磁弁232が閉じられ、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0050】
この他、制御部111は、追い焚き部220を制御して、追い焚き機能を実行する。この場合、循環ポンプ225が作動するとともにふろ燃焼器224が燃焼する。浴槽2内の湯が、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223からなる循環路と浴槽2との間で循環し、その間にふろ熱交換器222で加熱される。
【0051】
なお、給湯燃焼器214、給気ファン215、比例弁216、ふろ燃焼器224、循環ポンプ225、比例弁226および給湯電磁弁232は、図2の負荷群114に含まれる。
【0052】
給湯器11には、水位センサS1の他に、給水管路211の流量を検出するための流量センサS2と、給水管路211に導入された水の温度を検出するための温度センサS3と、給湯熱交換器212で加温された後の湯水の温度を検出するための温度センサS4と、雰囲気温度(外気温度)を検出するための温度センサS5とが備えられている。
【0053】
水位センサS1は、検出した水位に応じた水位信号を検出データとして出力する。流量センサS2は、検出した流量に応じた流量信号を検出データとして出力する。温度センサS3~S5は、検出した温度に応じた温度信号を検出データとして出力する。これらのセンサS1~S5は、図2のセンサ群115に含まれる。
【0054】
図2に戻り、浴室リモコン12は、上述の表示部121および入力部122の他、制御部123と、記憶部124と、通信部125と、スピーカ126とを備える。表示部121は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部122は、温度設定ボタン等の各種操作ボタンを備える。表示部121が、タッチパネルであってもよい。
【0055】
制御部123は、CPUを含み、記憶部124に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部124は、ROMやRAMを含み、所定の制御プログラムを記憶する。
【0056】
通信部125は、制御部123からの制御に従って、給湯器11および台所リモコン13と通信を行う。スピーカ126は、制御部123により生成された音声信号に基づく音声を出力する。スピーカ126から出力された音声は、図1の音声窓12aから出力される。
【0057】
台所リモコン13は、上述の表示入力部131および運転ボタン132の他、制御部133と、記憶部134と、通信部135と、スピーカ126とを備える。
【0058】
制御部133は、CPUを含み、記憶部134に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部134は、ROMやRAMを含み、所定の制御プログラムを記憶する。
【0059】
通信部135は、制御部133からの制御に従って、給湯器11および浴室リモコン12と通信を行う。スピーカ136は、制御部133により生成された音声信号に基づく音声を出力する。スピーカ136から出力された音声は、図1の音声窓13aから出力される。
【0060】
端末装置20は、制御部201と、記憶部202と、表示部203と、操作部204と、通信部205と、スピーカ206と、無線通信部207と、を備える。
【0061】
制御部201は、CPUを含み、記憶部202に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部202は、ROMやRAMを含み、所定の制御プログラムを記憶する。
【0062】
表示部203は、たとえば、液晶パネルにより構成される。操作部204は、たとえば、キーボードやマウスにより構成される。表示部203が、タッチパネルであってもよい。
【0063】
通信部205は、制御部201からの制御に従って、給湯器11の外部通信部117と通信を行う。スピーカ206は、制御部201により生成された音声信号に基づく音声を出力する。
【0064】
無線通信部207は、無線通信モジュールであり、ルータ40との間で無線通信を行う。この結果、無線通信部207は、外部通信網50を介してサーバ30と通信可能である。
【0065】
さて、本実施形態の給湯装置データ送信システム1では、給湯装置10の給湯器11において、各種センサS1~S5からの検出データが定期的に収集され、モニタリングデータとして不揮発性記憶素子113のMD記憶部113aに記憶される。MD記憶部113aに記憶されたモニタリングデータは、エラーが発生する都度、ロギングデータとして、不揮発性記憶素子113のLD記憶部113bに移送されて記憶される。
【0066】
給湯装置10に保管されたロギングデータが必要な際には、給湯装置10、即ち給湯器11に端末装置20が接続される。端末装置20において所定の読込操作が行われると、各エラーに紐づけられたロギングデータが不揮発性記憶素子113から読み出され、端末装置20に送信される。端末装置20に保存されたロギングデータは、端末装置20からサーバ30へ転送されて、サーバ30で保管される。サーバ30に蓄積されたデータは、故障原因の分析など、給湯装置10の保守のために利用される。
【0067】
このようなロギングデータ保管機能を備えられる場合、給湯装置10から送信済みのロギングデータが端末装置20に送信されてしまうと、同じロギングデータが重複して端末装置20やサーバ30に保存されることになり、端末装置20やサーバ30のメモリ容量が圧迫されたり、給湯装置10と端末装置20との間や端末装置20とサーバ30との間のデータ送信時間が不要に長くなったりする虞がある。
【0068】
そこで、本実施形態では、給湯装置10から端末装置20への無駄なロギングデータの送信を抑制できるようになされている。
【0069】
図4(a)は、モニタリングデータを不揮発性記憶素子113のMD記憶部113aに記憶するために給湯器11の制御部111が実行する制御処理を示すフローチャートである。図4(b)は、モニタリングデータが記憶されたMD記憶部113aを示す図である。
【0070】
各種センサS1~S5から検出データを収集するための周期が予め設定される。周期は、たとえば、24時間(1日)とすることができる。
【0071】
図4(a)を参照して、給湯器11の制御部111は、給湯器11、即ち給湯装置10に備えられた各種センサS1~S5から検出データを収集する(S101)。検出データは、1回当たり、一定時間収集される。そして、制御部111は、収集した検出データを、モニタリングデータとしてMD記憶部113aに記憶する(S102)。その後、制御部111は、設定された周期が経過する度に(S103:YES)、検出データ、即ちモニタリングデータを収集し、MD記憶部113aに記憶する(S101、S102)。
【0072】
こうして、図4(b)に示すように、MD記憶部113aには、当該MD記憶部113aのメモリ容量に応じた個数のモニタリングデータが記憶される。なお、新たなモニタリングデータが収集された際にMD記憶部113aに空き領域がない場合は、最も古いモニタリングデータが記憶された領域に、新たなモニタリングデータが上書される。
【0073】
図5(a)は、ロギングデータを不揮発性記憶素子113のLD記憶部113bに記憶するために給湯器11の制御部111が実行する制御処理を示すフローチャートである。図5(b)は、モニタリングデータがエラーデータおよび読み出しフラグとともに記憶されたLD記憶部113bを示す図である。
【0074】
図5(a)の制御処理は、図4(b)の制御処理と並行して実行される。
【0075】
図5(a)を参照して、制御部111は、給湯装置10にエラーが発生したか否かを監視する(S201)。エラーとして、たとえば、給湯燃焼器214、給気ファン215、比例弁216、ふろ燃焼器224、循環ポンプ225、比例弁226、お給湯電磁弁232等の負荷群114の異常や故障、各種センサS1~S5の異常や故障がある。
【0076】
制御部111は、エラーが発生した場合(S201:YES)、エラー発生前の所定期間分のモニタリングデータを、ロギングデータとしてMD記憶部113aから読み出す(S202)。このとき、所定期間分のモニタリングデータとして、MD記憶部113a内の全てのモニタリングデータが読み出されてもよいし、一部のモニタリングデータが読み出されてもよい。
【0077】
制御部111は、読み出したロギングデータに、エラーデータとオフ状態の読み出しフラグとを付加し(S203)、これらロギングデータ、エラーデータおよび読み出しフラグをLD記憶部113bに記憶する(S204)。
【0078】
エラーデータは、エラーコード、エラー名などのエラーを識別するための情報と、エラー発生日、給湯装置10の設置からエラー発生までの期間などのエラーの発生タイミングに関する情報とを含む。
【0079】
読み出しフラグは、給湯装置10から端末装置20にロギングデータを送信済みであるか否かを示すフラグである。読み出しフラグは、ロギングデータが未送信であればオフ(リセット)の状態となり、ロギングデータが送信済みであればオン(セット)の状態となる。
【0080】
制御部111は、エラーが発生する都度、エラーコードと読み出しフラグとが付加されたロギングデータを、順次、LD記憶部113bに記憶する。
【0081】
図5(b)に示すように、LD記憶部113bにおいて、ロギングデータは、エラーデータの末尾に繋がり、読み出しフラグは、ロギングデータの末尾に繋がる。このように、ロギングデータ、エラーデータおよび読み出しフラグの三者は、ひとまとまりに記憶されることにより、互いに紐づけられる。エラーデータ、ロギングデータおよび読み出しフラグからなる各データグループは、たとえば、データの発生順に、LD記憶部113bに記憶される。
【0082】
図6は、端末装置20が給湯装置10にロギングデータを送信させてサーバ30へ転送するために端末装置20の制御部201が実行する制御処理を示すフローチャートである。図7(a)~(d)は、端末装置20の表示部203に表示されるデータ送信操作画面300の一例を示す図である。
【0083】
端末装置20が給湯装置10の給湯器11に接続ケーブルC1を介して接続された状態において、操作部204によりロギングデータを読み込むための所定の操作が行われると、図6の制御処理が開始される。
【0084】
図6を参照して、端末装置20の制御部201は、各ロギングデータに紐づけられたエラーデータと読み出しフラグの送信を要求する指令を、通信部205を介して給湯器11、即ち給湯装置10に送信する(S301)。そして、制御部201は、各ロギングデータのエラーデータと読み出しフラグを、給湯装置10から通信部205を介して受信すると(S302:YES)、表示部203にデータ送信操作画面300を表示させる(S303)。データ送信操作画面300は、ロギングデータが未送信であるか送信済みであるかの情報の通知と、送信すべきロギングデータの選択の受付とを行うための画面である。
【0085】
図7(a)に示すように、データ送信操作画面300は、給湯装置10が保管するロギングデータのリスト310と、ロギングデータの読込操作のための読込ボタン320と、ロギングデータの転送操作のための転送ボタン330とを含む。リスト310は、各ロギングデータが紐づくエラーを識別するエラーコードを表示するための表示欄311、エラーの発生日を表示するための表示欄312、各ロギングデータが未送信であるか送信済みであるかの情報を表示するための表示欄313、送信すべきロギングデータを選択するための選択欄314、および、選択されたロギングデータの読込や転送の状況を表示するための表示欄315を有する。選択欄314には、各ロギングデータの選択を受け付けるアイコン314aが設けられる。また、選択欄314の下には、全てのロギングデータを受け付けるアイコン314bが設けられる。
【0086】
制御部201は、各ロギングデータに紐づいた読み出しフラグの状態を確認する。そして、制御部201は、読み出しフラグがオフ状態であるロギングデータの表示欄313に未送信である旨の情報を表示し、読み出しフラグがオン状態であるロギングデータの表示欄313に送信済みである旨の情報を表示する。
【0087】
ロギングデータの読み込み作業を行う作業者は、リスト310の表示欄313を確認することにより、各ロギングデータが未送信であるか送信済みであるかを把握できる。作業者は、操作部204を用いて、読み込みが必要なロギングデータ、即ち、主に未送信のロギングデータを選択する操作を行う。即ち、作業者は、該当するロギングデータの選択欄314のアイコン314aを押す操作や全てのロギングデータを選択するアイコン314bを押す操作を行う。
【0088】
制御部201は、操作部204により選択欄314のアイコン314aを押す操作が行われると、操作されたアイコン314aに対応するロギングデータが選択されたと判定し(S304:YES)、選択されたロギングデータを読込対象に決定する(S305)。制御部201は、操作部204によりアイコン314bを押す操作が行われた場合、全てのロギングデータが選択されたとして、全てのロギングデータを読込対象に決定する(S304:YES→S305)。図7(b)に示すように、操作されたアイコン314aは、その表示態様が変更される。
【0089】
なお、作業者は、送信済みとなっているロギングデータを再び読み込みたい場合、当該ロギングデータの選択欄314のアイコン314aを選択することもできる。
【0090】
作業者は、ロギングデータの選択が完了すると、操作部204を用いて読込ボタン320を押す操作を行う。
【0091】
制御部201は、ロギングデータが選択された後、読込ボタン320による読込操作が行われると(S306:YES)、読込対象のロギングデータの送信を要求する指令を給湯装置10に送信する(S307)。要求指令には、読込対象のロギングデータを給湯装置10が特定できるように、当該ロギングデータに紐づけられたエラーデータが付加される。
【0092】
その後、制御部201は、読込対象のロギングデータを給湯装置10から受信すると(S308:YES)、受信したロギングデータを記憶部202に記憶する(S309)。図7(c)に示すように、読込対象のロギングデータについて、表示欄313にロギングデータが送信済みである旨の情報が表示されるとともに、表示欄315にロギングデータの読込(ダウンロード)が完了した旨の情報が表示される。さらに、アイコン314aが、元の表示態様に戻される。
【0093】
作業者は、端末装置20へのロギングデータの読み込みが完了すると、操作部204を用いてデータ送信操作画面300の転送ボタン330を押す操作を行う。
【0094】
制御部201は、転送ボタン330による転送操作が行われると(S310:YES)、ロギングデータを記憶部202から読み出し、無線通信部207、ルータ40および外部通信網50を介してサーバ30に送信する(S311)。サーバ30へのロギングデータの転送が完了すると、図7(d)に示すように、転送されたロギングデータについて、表示欄315にロギングデータの転送が完了した旨の情報が表示される。
【0095】
なお、端末装置20が、外部通信網50を介したサーバ30との通信を行えない場合、ロギングデータがサーバ30へ転送されることなく、データ送信操作画面300が閉じられて読み込み作業が終了される。この場合、記憶部202に記憶されたロギングデータに、未転送である旨の情報か付加される。そして、その後、端末装置20がサーバ30と通信可能に接続された際に、表示部203に、未転送のロギングデータのリストと転送ボタンとを有する転送操作画面が表示され、転送ボタンが操作されると、ロギングデータがサーバ30に送信される。
【0096】
さらに、データ送信操作画面300の転送ボタン330によりロギングデータが転送される転送先を、サーバ30から外部メモリに変更できるようにされてもよい。この場合、転送先の変更後、外部メモリが端末装置20に接続された状態で転送ボタン330が操作されると、ロギングデータが外部メモリに転送される。外部メモリに記憶されたロギングデータは、適宜のタイミングにおいて、端末装置20や、サーバ30と通信可能な他の端末装置を用いて、サーバ30に転送され得る。
【0097】
図8は、給湯装置10が端末装置20にロギングデータを送信するために給湯器11の制御部111が実行する制御処理を示すフローチャートである。
【0098】
端末装置20が給湯装置10の給湯器11に接続ケーブルC1を介して接続されると、図8の制御処理が開始される。
【0099】
図8を参照して、給湯器11の制御部111は、端末装置20からのエラーデータおよび読み出しフラグの送信を要求する指令の受信を監視する(S501)。
【0100】
制御部111は、端末装置20からの要求指令を、外部通信部117を介して受信すると(S501:YES)、不揮発性記憶素子113のLD記憶部113bから各ロギングデータに紐づけられたエラーデータと読み出しフラグを読み出し、外部通信部117を介して端末装置20に送信する(S502)。こうして、ロギングデータが端末装置20に送信される前に、読み出しフラグが端末装置20に送信される。
【0101】
その後、制御部111は、端末装置20からの読込対象のロギングデータの送信を要求する指令の受信を監視する(S503)。そして、制御部111は、端末装置20からの要求指令を受信すると(S503:YES)、読込対象のロギングデータをLD記憶部113bから読み出して、端末装置20に送信する(S504)。この際、制御部111は、受信した要求指令に付加されたエラーデータから読込対象のロギングデータを特定する。
【0102】
制御部111は、読込対象のロギングデータの送信を完了すると、LD記憶部113bにおいて、送信済みのロギングデータに紐づけられた読み出しフラグをオン状態に設定する(S505)。
【0103】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、給湯装置10から、ロギングデータが送信される前にロギングデータに紐づけられた読み出しフラグが端末装置20に送信され、端末装置20において、読み出しフラグの状態に基づくロギングデータが未送信であるか送信済みであるかの情報の通知と、送信すべきロギングデータの選択の受付とが行われ、選択されたロギングデータのみが給湯装置10から端末装置20に送信される。これにより、送信済みのロギングデータが端末装置20に送信されることが抑制される。よって、端末装置20のメモリ容量が圧迫されたり、給湯装置10と端末装置20との間データ送信時間が不要に長くなったりしにくくなる。
【0104】
さらに、本実施形態では、送信済みのロギングデータが端末装置20からサーバ30に転送されることが抑制される。よって、サーバ30のメモリ容量が圧迫されたり、端末装置20とサーバ30との間データ送信時間が不要に長くなったりしにくくなる。
【0105】
以上、本発明の実施形態ついて説明したが、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0106】
たとえば、上記実施形態では、モニタリングデータが記憶されるMD記憶部113aが不揮発性記憶素子113に含まれている。しかしながら、MD記憶部113aが記憶部112のRAMなど、不揮発性でない記憶部に含まれてもよい。
【0107】
さらに、上記実施形態では、読み出しフラグが不揮発性記憶素子113のLD記憶部113bに記憶される。しかしながら、読み出しフラグは、ロギングデータに紐づけられた状態になりさえすれば、不揮発性記憶素子113における、LD記憶部113b以外の記憶領域(第3の記憶部となる)に記憶されてもよく、給湯装置10に他の不揮発性記憶素子が備えられる場合、当該不揮発性記憶素子(第3の記憶部となる)に記憶されてもよい。
【0108】
さらに、上記実施形態では、端末装置20が、接続ケーブルC1により、給湯装置10の給湯器11と有線接続される。しかしながら、端末装置20が、近距離無線通信可能に給湯器11と接続されてもよい。この場合、給湯器11の外部通信部117および端末装置20の通信部205が、近距離無線通信を行う機能を備える。
【0109】
さらに、上記実施形態では、給湯装置10から、ロギングデータが送信される前に、読み出しフラグとともにエラーデータが端末装置20に送信される。しかしながら、ロギングデータが送信される前に、少なくとも読み出しフラグが送信されればよく、エラーデータが送信されないようにされてもよい。この場合、読み出しフラグに、各ロギングデータを識別できる情報が付加されるとよい。
【0110】
さらに、上記実施形態では、端末装置20と通信を行うための外部通信部117が給湯器11に設けられている。しかしながら、当該外部通信部117が、浴室リモコン12や台所リモコン13に設けられてもよい。この場合、給湯器11の不揮発性記憶素子113から読み出されたロギングデータが、浴室リモコン12や台所リモコン13を経由して端末装置20に送信されることになる。また、不揮発性記憶素子113が、外部通信部117を有する浴室リモコン12や台所リモコン13に設けられてもよい。この場合、各種センサからの検出データが、給湯器11から浴室リモコン12や台所リモコン13に送信されることになる。
【0111】
さらに、上記実施形態では、給湯装置10の保守に関連して利用されるデータとして、センサS1~S5等の各種センサからの検出データが収集される。しかしながら、センサからの検出データに加えて、それ以外の保守に利用でき得るデータ、たとえば、給湯機能、追い焚き機能などの機能の実行回数などが収集されてもよい。
【0112】
さらに、給湯器11の構成は、図3に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。たとえば、図3の構成では、浴槽2内の湯をふろ熱交換器222に循環させることによって、浴槽2内の湯に対する追い焚きが行われたが、給湯器11が、高温の湯を浴槽2に追加することにより追い焚き機能が実行されてもよい。また、給湯器11は、追い焚き部220とバイパス部230とを有さず、給湯機能のみを行う構成とされてもよい。さらに、給湯器11は、図3の構成に加え、床暖房、浴室暖房等の暖房機能のために給湯運転を行う暖房部を備える構成とされてもよい。
【0113】
さらに、給湯装置10は、ガス燃料を用いるものに限らず、オイルを燃料とする給湯装置であってもよい。給湯装置10は、貯留タンクを用いた貯留式のものであってもよく、燃料電池等の発電ユニットをさらに備えた構成であってもよい。
【0114】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 給湯装置データ送信システム
10 給湯装置
20 端末装置
30 サーバ
113 不揮発性記憶素子
113a モニタリングデータ記憶部(第1の記憶部)
113b ロギングデータ記憶部(第2の記憶部、第3の記憶部)
111 制御部(装置側制御部)
201 制御部(端末側制御部)
203 表示部
204 操作部
300 データ送信操作画面(画面)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8