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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006621
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20250109BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20250109BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/041 480
G06F3/044 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107527
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】相良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】江頭 英明
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555BA01
5E555BA23
5E555BB01
5E555BB23
5E555BC01
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB16
5E555CC01
5E555DA01
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】操作面に対してどのような操作をしているかを感覚的にユーザに認識させることができる入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置1は、車両に搭載される入力装置1であって、操作面2における操作体の接触位置を検知する静電センサ40と、操作面2への押圧を検知する押圧検知部41と、操作面2を振動させるエキサイタ90と、制御部65とを備える。そして、制御部65は、静電センサ40の検知に応じた信号、及び、押圧検知部41の検知に応じた信号に基づいて、エキサイタ90を制御することで、エキサイタ90から音及び振動の少なくとも一方を出力させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される入力装置であって、
操作面における操作体の接触位置を検知する静電センサと、
前記操作面への押圧を検知する押圧検知部と、
前記操作面を振動させるエキサイタと、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記静電センサの検知に応じた信号、及び、前記押圧検知部の検知に応じた信号に基づいて、前記エキサイタを制御することで、前記エキサイタから音及び振動の少なくとも一方を出力させる
入力装置。
【請求項2】
前記エキサイタから振動を出力させるための制御信号である第1振動信号を前記制御部が前記エキサイタへ出力した後に、前記制御部は、前記第1振動信号と逆位相の制御信号である第2振動信号を前記エキサイタへ出力する
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記エキサイタを制御することで、前記エキサイタから振動を出力させるための制御信号である第1振動信号と前記エキサイタから音を出力させるための制御信号である第1音信号とを重畳させた信号を前記エキサイタへ出力することで、前記エキサイタから音及び振動を出力させる
請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記操作面への押圧を前記押圧検知部が検知したときに前記エキサイタから出力される振動強度よりも、前記操作面をなぞるような操作であるなぞり操作を前記静電センサが検知したときに前記エキサイタから出力される振動強度を小さくするように、前記エキサイタを制御することで、前記エキサイタから振動を出力させる
請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記操作面への押圧を前記押圧検知部が検知したときに、前記エキサイタから音を出力させる期間よりも、前記操作面をなぞるような操作であるなぞり操作を前記静電センサが検知したときに、前記エキサイタから音を出力させる期間の方が短くなるように、前記エキサイタを制御する
請求項3に記載の入力装置。
【請求項6】
前記操作面をなぞるような操作であるなぞり操作が終了したことを前記静電センサが検知すると、前記制御部は、振動を出力する前記エキサイタを停止させた状態で、前記エキサイタから音を出力させるように前記エキサイタを制御する
請求項3に記載の入力装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記操作面への押圧を前記押圧検知部が検知したときに、前記エキサイタから出力させる音圧よりも、前記操作面をなぞるような操作であるなぞり操作を前記静電センサが検知したときに、前記エキサイタから出力させる音圧を小さくするように前記エキサイタを制御する
請求項3に記載の入力装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記操作面への押圧を前記押圧検知部が検知したときに、前記エキサイタから出力させる音の周波数よりも、前記操作面をなぞるような操作であるなぞり操作を前記静電センサが検知したときに、前記エキサイタから出力させる音の周波数を高くするように前記エキサイタを制御する
請求項3に記載の入力装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記操作面への接触を前記静電センサが検知したとき、又は、前記操作面への押圧を前記押圧検知部が検知したときに、前記エキサイタから振動だけを出力させるように前記エキサイタを制御する
請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記エキサイタに振動を出力させている場合に、前記操作面への操作が終了したことを前記静電センサが検知すると、振動を出力する前記エキサイタを停止させ、かつ、前記エキサイタから音を出力させるように前記エキサイタを制御する
請求項9に記載の入力装置。
【請求項11】
前記操作体が前記操作面での操作を終えて、前記操作体が前記操作面から次第に遠ざかることを前記静電センサが検知すると、前記制御部は、前記操作体と前記操作面との距離に応じて、前記エキサイタから出力させる音を変化させるように前記エキサイタを制御する
請求項10に記載の入力装置。
【請求項12】
前記操作体が前記操作面へ非接触のときに、前記制御部が前記エキサイタから音を出力させている場合、前記制御部は、前記操作体が前記操作面へ接触したことを前記静電センサが検知すると、音を出力する前記エキサイタを停止させ、かつ、前記エキサイタから振動を出力させるように前記エキサイタを制御する
請求項10に記載の入力装置。
【請求項13】
前記操作体が前記操作面へ非接触のときに、前記操作体が前記操作面へ次第に近づくことを前記静電センサが検知すると、前記制御部は、前記操作体と前記操作面との距離に応じて、前記エキサイタから出力させる音を変化させるように前記エキサイタを制御する
請求項10に記載の入力装置。
【請求項14】
本体と、
前記本体に固定される回路基板と、
前記エキサイタを支持するホルダーと、
前記ホルダーと前記本体とを接続する板ばねとを備え、
前記押圧検知部は、前記ホルダーと、前記回路基板とにより構成される
請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項15】
前記エキサイタは、少なくとも前記ホルダーを介して前記静電センサと機械的に接続されている
請求項14に記載の入力装置。
【請求項16】
前記板ばねは、前記操作面と平行な姿勢となるように配置されている
請求項14に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タッチ表面を有するタッチプレートと、タッチプレートに接続され、タッチプレートに機械出力を伝達するよう構成されるアクチュエータと、タッチ表面に加えられる圧を検知するよう構成される少なくとも1つの感圧センサと、少なくとも1つの感圧センサにより検知された圧に基づき、ヒューマン・マシン・インターフェースの少なくとも一部の振動を検知する処理装置とを備える感圧ハプティックヒューマン・マシン・インターフェースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-64649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、アクチュエータに音響アクチュエータを用いた場合、機械振動及び聴覚出力の両方を同時に提供できるが、操作面に対してどのような操作をしているかに基づいて機械振動及び聴覚出力を提供する点については何ら対策されていない。
【0005】
そこで、本開示は、操作面に対してどのような操作をしているかを感覚的にユーザに認識させることができる入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る入力装置は、車両に搭載される入力装置であって、操作面における操作体の接触位置を検知する静電センサと、前記操作面への押圧を検知する押圧検知部と、前記操作面を振動させるエキサイタと、制御部とを備え、前記制御部は、前記静電センサの検知に応じた信号、及び、前記押圧検知部の検知に応じた信号に基づいて、前記エキサイタを制御することで、前記エキサイタから音及び振動の少なくとも一方を出力させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の入力装置によれば、操作面に対してどのような操作をしているかを感覚的にユーザに認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る入力装置を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る入力装置のエキサイタ側を示す斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る入力装置の分解斜視図である。
図4図4は、図2のA-A線における入力装置を示す断面図である。
図5図5は、図2のB-B線における入力装置を示す断面図である。
図6図6は、実施の形態に係る入力装置を示すブロック図である。
図7図7は、振動信号と音信号とを合成した信号である合成信号を示す図である。
図8図8は、入力装置の入力信号とG値とを示す図である。
図9図9は、入力装置の入力信号とG値とを示す他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、以下の実施の形態において、X軸方向、略平行又は板状等の表現を用いている。例えば、X軸方向、略平行又は板状は、完全にX軸方向、平行又は板であることを意味するだけでなく、実質的にX軸方向、平行又は板である、すなわち数%程度の誤差を含むことも意味する。また、X軸方向、略平行又は板状は、本開示による効果を奏し得る範囲においてX軸方向、平行又は板という意味である。他の「方向」、「略」、「状」を用いた表現についても同様である。
【0011】
また、以下の実施の形態では、回路基板から静電センサへ向かう方向をX軸プラス方向と規定し、回路基板における長手方向の一方をY軸プラス方向と規定し、X軸プラス方向及びY軸プラス方向と直交する方向の一方をZ軸プラス方向と規定する。X軸プラス方向と反対の方向をX軸マイナス方向と規定し、Y軸プラス方向と反対の方向をY軸マイナス方向と規定し、Z軸プラス方向と反対の方向をZ軸マイナス方向と規定する。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0014】
(実施の形態)
<構成及び機能>
まず、図1図9を参照し、入力装置1の構成について説明する。
【0015】
図1は、実施の形態に係る入力装置1を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る入力装置1のエキサイタ90側を示す斜視図である。図3は、実施の形態に係る入力装置1の分解斜視図である。図4は、図2のA-A線における入力装置1を示す断面図である。図5は、図2のB-B線における入力装置1を示す断面図である。図6は、実施の形態に係る入力装置1を示すブロック図である。図7は、振動信号と音信号とを合成した信号である合成信号を示す図である。図8は、入力装置1の入力信号とG値とを示す図である。図8の(a)は、エキサイタ90に入力する振動信号(第1振動信号及び第2振動信号)と時間との関係を示している。図8の(b)は、可動部におけるG値と時間との関係を示している。図9は、入力装置1の入力信号とG値とを示す他の図である。なお、図2図4及び図5では、カバー11の図示を省略している。図9の(a)は、エキサイタ90に入力する振動信号(第1振動信号)と時間との関係を示している。図9の(b)は、可動部におけるG値と時間との関係を示している。
【0016】
図1に示すように、入力装置1は、操作体による操作面2への入力操作である操作を検知し、検知した操作に応じて、操作面2を振動させたり、音を出力させたりする。ここで、操作面2は単一の操作面である。入力装置1は、例えば、ステアリングホイールのスポーク、車両の車室内におけるセンターコンソール等に配置される。
【0017】
操作体は、例えば、車両に搭乗するユーザの指、ユーザによって操作されるタッチペン等である。操作には、プッシュ操作と、なぞり操作とが含まれる。なぞり操作には、スワイプ操作及びフリック操作が含まれる。プッシュ操作は、入力装置1の操作面2に対して操作体が押圧する操作である。スワイプ操作は、操作体を操作面2に接触させた状態で、操作面2に沿って移動させる操作である。フリック操作は、操作体を操作面2に接触させた状態で、スワイプ操作よりも勢いよく操作面2に沿って移動させ、操作体が操作面2から離れる操作である。なお、入力装置1では、スワイプ操作とフリック操作とは、操作体で操作面2を移動させる距離及び時間によってどちらの操作が行われたか否かを判定できる。
【0018】
以下、入力装置1の具体的な構成について説明する。
【0019】
図2図4に示すように、入力装置1は、本体10と、カバー11と、スライダー20と、光拡散シート30と、静電センサ40と、パネル50と、回路基板60と、ホルダー70と、板ばね80と、エキサイタ90とを備えている。
【0020】
本体10は、扁平な容器であり、Z-Y平面と略平行な姿勢となるように配置されている。本体10は、内部にスライダー20、光拡散シート30、静電センサ40及びパネル50を収容している。
【0021】
カバー11は、Z-Y平面と略平行な姿勢となるように、本体10のX軸マイナス方向側に配置されている。カバー11は、本体10に連結されている。カバー11は、扁平な容器であり、回路基板60、ホルダー70、板ばね80、及び、エキサイタ90を収容している。
【0022】
スライダー20は、板状をなし、Z-Y平面と略平行な姿勢となるように本体10内に配置されている。スライダー20は、本体10側とは反対側の面に光拡散シート30を保持している。
【0023】
光拡散シート30は、Z-Y平面と略平行な姿勢となるように、スライダー20のX軸プラス方向側でスライダー20に保持されている導光体である。光拡散シート30は、その一部が、スライダー20及び本体10を介して回路基板60の光源61と対向するように配置されている。このため、光拡散シート30は、回路基板60に実装された複数の光源61のそれぞれが発した光を導くことで、X軸プラス方向側の面から光を出射することができる。
【0024】
静電センサ40は、光拡散シート30を覆うように配置されている。静電センサ40は、Z-Y平面と略平行な姿勢となるように、光拡散シート30及びスライダー20のX軸プラス方向側の面に配置され、パネル50とスライダー20及び光拡散シート30とで挟まれ、スライダー20に保持されている。したがって、本実施の形態では、上記したなぞり操作である操作体のスライド動作を静電センサ40で検知することができるので、静電センサ40を保持する部分をスライダー20と呼ぶ。
【0025】
静電センサ40は、操作面2における操作体の接触位置を検知することができるセンサである。静電センサ40は、回路基板60と電気的に接続されている。このため、静電センサ40は、操作体から操作面2への操作を検知すると、検知結果を回路基板60における図6の制御部65へ出力する。
【0026】
パネル50は、静電センサ40、光拡散シート30及びスライダー20を覆い、Z-Y平面と略平行な姿勢となるようにスライダー20に固定されている。パネル50は、開口部51を形成した枠状をなしている。開口部51には、透光部材52がはめ込まれている。透光部材52は、X軸プラス側の表面に操作面2を形成している。開口部51及び透光部材52は、静電センサ40と対向するようにパネル50の表面に位置している。これにより、操作体による操作面2への操作を静電センサ40が検知できる。
【0027】
回路基板60は、Z-Y平面と略平行な姿勢となるように、本体10のX軸マイナス方向側の面に配置され、本体10に連結されている。回路基板60には、複数の光源61と、プロセッサ等で構成される図6の制御部65とが実装されている。制御部65は、エキサイタ90を制御することで、エキサイタ90から音及び振動の少なくとも一方を出力させることができる。
【0028】
ホルダー70は、エキサイタ90を保持するための板状の保持部材である。ホルダー70は、Z-Y平面と略平行な姿勢となるように、回路基板60のX軸マイナス方向側に配置されている。
【0029】
また、図4及び図5に示すように、ホルダー70は、複数の第1ボルト81によってスライダー20と連結されている。具体的には、ホルダー70に形成された挿通孔71を挿通した第1ボルト81が、本体10に形成された挿通孔12と回路基板60の挿通孔63とを挿通したスライダー20の連結部21と締結することで、ホルダー70は、第1ボルト81によってスライダー20と連結されている。このように、スライダー20及びホルダー70が第1ボルト81によって連結されることで、スライダー20及びホルダー70が一体的に固定される。第1ボルト81は、入力装置1の構成要素に含まれている。
【0030】
また、本実施の形態では、図2に示すように、ホルダー70の四隅が、4つの第1ボルト81によってスライダー20と連結されている。なお、連結される箇所数が4か所に限定されず、第1ボルト81の数が4つに限定されない。例えば、連結される箇所数が3か所以下、又は、5か所以上であってもよく、第1ボルト81の数が3つ以下、又は、5つ以上であってもよい。
【0031】
また、図4及び図5に示すように、第1ボルト81とホルダー70の挿通孔71との間には、長尺な板ばね80の一端が挟まれている。板ばね80は、板ばね80の一端が第1ボルト81とホルダー70とに連結され、操作面2と略平行な姿勢となるように配置されている。板ばね80の他端は、第2ボルト82によって、本体10と連結されている。具体的には、第2ボルト82が、回路基板60に形成された挿通孔62を挿通した本体10の連結部14と締結することで、板ばね80の他端は、第2ボルト82によって本体10と連結されている。つまり、板ばね80は、ホルダー70と本体10とを接続している。第2ボルト82は、入力装置1の構成要素に含まれている。
【0032】
また、本実施の形態では、4つの板ばね80が4つの第1ボルト81と一対一で対応するようにホルダー70に連結され、かつ、4つの第2ボルト82によって本体10における4つの連結部14と一対一で対応するように連結されている。なお、板ばね80、第1ボルト81及び第2ボルト82の数は、4つに限定されない。例えば、板ばね80、第1ボルト81及び第2ボルト82の数は、3つ以下、又は、5つ以上であってもよい。
【0033】
エキサイタ90は、図6の制御部65に制御されることで、音及び振動の少なくとも一方を出力させることができる。
【0034】
エキサイタ90は、Z-Y平面と略平行な姿勢となるように、ホルダー70のX軸プラス方向側に配置されている。エキサイタ90は、3つの第3ボルト83によって、ホルダー70に連結されることで、ホルダー70に一体的に固定されている。第3ボルト83は、入力装置1の構成要素に含まれている。なお、第3ボルト83は3つに限定されず、4つ以上であってもよく、2つ以下であってもよい。
【0035】
このように、本体10、回路基板60及びカバー11は、一体的に固定されている。このため、本体10、回路基板60及びカバー11は、入力装置1において固定部を構成する。
【0036】
また、エキサイタ90とホルダー70とが第3ボルト83によって一体的に固定され、ホルダー70とスライダー20とが第1ボルト81によって一体的に固定されている。また、光拡散シート30及び静電センサ40がスライダー20に保持され、パネル50がスライダー20に固定されている。このため、エキサイタ90、ホルダー70、スライダー20、光拡散シート30、静電センサ40及びパネル50が、入力装置1において可動部を構成する。
【0037】
固定部は、車両に固定されている部分である。可動部は、エキサイタ90の振動によって、固定部に対して可動する部分である。具体的には、本体10に形成された挿通孔12及び回路基板60の挿通孔63とスライダー20の連結部21との間には、隙間が形成されている。また、上述したように板ばね80は、ホルダー70と本体10とを接続している、つまり、固定部と可動部を接続している。このため、板ばね80は、エキサイタ90の振動による、固定部に対する可動部の振動を許容することができる。
【0038】
具体的には、エキサイタ90は、少なくともホルダー70を介して静電センサ40及びパネル50と機械的に接続されている。本実施の形態では、エキサイタ90は、ホルダー70及びスライダー20を介して静電センサ40及びパネル50と機械的に接続されている。このため、図6の制御部65がエキサイタ90を振動させると、ホルダー70及びスライダー20を介して静電センサ40及びパネル50に振動が伝達される。これにより、操作体で操作面2を操作している際に、操作面2を振動させることで、操作体にその振動を伝達できる。
【0039】
次に、入力装置1の具体的な機能について説明する。
【0040】
図3及び図6に示すように、制御部65は、操作体から操作面2への操作に応じて、エキサイタ90から音及び振動の少なくとも一方を出力させる。
【0041】
具体的には、制御部65は、プッシュ操作の場合、G値を9Gpp程度、振動の周波数を200~300Hz、時間平均音圧を40~60dB、音の周波数を2~5kHzにするようにエキサイタ90から音及び振動の少なくとも一方を出力させる。
【0042】
なお、振動の周波数は、ユーザの感覚受容器の周波数特性によって250Hz付近が好ましく、ユーザの操作認知度を高めることが期待できる。また、時間平均音圧が40~60dBであれば、ユーザが音を聞き取れ、かつ不快に感じ難い。また、音の周波数を2~5kHであれば、ユーザの聴覚特性である等ラウドネス曲線によれば、聴覚感度の高い周波数帯域であるため、ユーザの操作認知度を高めることが期待できる。
【0043】
また、制御部65は、スワイプ操作の場合、G値を4Gpp程度、振動の周波数を200~300Hz、時間平均音圧を40~60dB、音の周波数を2~5kHzにするようにエキサイタ90から音及び振動の少なくとも一方を出力させる。
【0044】
また、制御部65は、フリック操作の場合、時間平均音圧を40~60dB、音の周波数を2~5kHzにするようにエキサイタ90から音を出力させる。なお、フリック操作の場合では、操作体が操作面2から離れるため、G値及び振動の周波数を設定していない。
【0045】
また、制御部65は、静電センサ40の検知に応じた信号、及び、押圧検知部41の検知に応じた信号に基づいて、エキサイタ90を制御することで、エキサイタ90から音及び振動の少なくとも一方を出力させる。
【0046】
押圧検知部41は、操作体から操作面2への押圧を検知することができる。すなわち、押圧検知部41は、プッシュ操作を検知することができる。押圧検知部41は、図4のホルダー70と、回路基板60とにより構成されていてもよい。なお、押圧を検知可能な感圧センサが押圧検知部41として、別途、入力装置1に搭載されていてもよい。この場合、操作体が操作面2へ押圧したときに可動部が可動するため、押圧検知部41は、ホルダー70と回路基板60との可動距離を例えば静電容量の変化で検知することで、可動距離に応じた操作体から操作面2への押圧を検知してもよい。
【0047】
また、図7に示すように、制御部65は、エキサイタ90を制御することで、第1振動信号とエキサイタ90から音を出力させるための制御信号である第1音信号とを重畳させた信号である合成信号をエキサイタ90へ出力することで、エキサイタ90から音及び振動を出力させる。つまり、制御部65は、静電センサ40の検知に応じた信号、及び、押圧検知部41の検知に応じた信号に基づいて予め設定されている第1振動信号及び第1音信号を重畳させた合成信号によって、エキサイタ90から音及び振動を出力させる。例えば、制御部65は、プッシュ操作、スワイプ操作及びフリック操作に応じて、それぞれ異なる音及び振動をエキサイタ90から同時に出力させる。なお、図7において、横軸は時間、縦軸は振動信号波形の相対強度を、それぞれ示す。
【0048】
また、図8の(a)に示すように、エキサイタ90から振動を出力させるための制御信号である第1振動信号を制御部65がエキサイタ90へ出力した後に、制御部65は、第1振動信号と逆位相の制御信号である第2振動信号をエキサイタ90へ出力することができる。つまり、制御部65が第1振動信号である入力信号をエキサイタ90へ入力させた後に、制御部65は、第2振動信号である入力信号をさらにエキサイタ90へ入力させることができる。逆位相の制御信号は、可動部の振動を収束させるための信号である。なお、制御部65は、可動部の振動を強めないように、第1振動信号をエキサイタ90へ出力した後に、適切なタイミングで第2振動信号をエキサイタ90へ出力する。なお、このタイミングは、予め設定されていてもよい。
【0049】
例えば、制御部65が1パルスの制御信号をエキサイタ90へ入力させた後に、この1パルスの制御信号とは逆位相の制御信号を追加する。
【0050】
これにより、制御部65は、この1パルスの制御信号によって振動する可動部に対して、逆位相の振動をエキサイタ90に付与させることができる。エキサイタ90から逆位相の振動が出力されることで、可動部の振動が打ち消されるように働き、可動部における振動の収束時間を短くすることができる。
【0051】
ここで、制御部65が1/2波長分だけの逆位相の制御信号をエキサイタ90に入力しているが、これには限定されない。制御部65は、より早期に可動部の振動を収束させるために、1波長分以上の逆位相の制御信号をエキサイタ90に入力してもよい。
【0052】
例えば、図9の(a)に示すように、単に基本波形の第1振動信号を制御部65がエキサイタ90へ入力させた場合、可動部の振動は、図9の(b)に示すように、G値が所定値以下になるまでに29.06(ms)を要する。ここで、所定値は、ユーザが振動を感じない程度に設定されている。
【0053】
一方、図8の(a)に示すように、逆位相の制御信号を含んだ第2振動信号を制御部65がエキサイタ90へ入力する場合、可動部の振動は、図8の(b)に示すように、G値が所定値以下となるまでに19.7(ms)を要した。逆位相の制御信号を追加しない場合に比べて、逆位相の制御信号を追加することで、可動部における振動の収束時間を短くすることができる。
【0054】
また、図3及び図6に示すように、制御部65は、操作面2への押圧を押圧検知部41が検知したときにエキサイタ90から出力される振動強度よりも、操作面2へのなぞり操作(スワイプ操作)を静電センサ40が検知したときにエキサイタ90から出力される振動強度を小さくするように、エキサイタ90を制御することで、エキサイタ90から振動を出力させることができる。例えば、制御部65は、プッシュ操作のときよりも、スワイプ操作のときに加えられる可動部の振動を小さくする。これにより、スワイプ操作のときの操作感を損ねないようにすることができる。
【0055】
また、制御部65は、操作面2への押圧を押圧検知部41が検知したときに、エキサイタ90から音を出力させる期間よりも、操作面2へのなぞり操作を静電センサ40が検知したときに、エキサイタ90から音を出力させる期間の方が短くなるように、エキサイタ90を制御することもできる。例えば、制御部65は、プッシュ操作のときにエキサイタ90から出力させる音の期間よりも、スワイプ操作及びフリック操作のときにエキサイタ90から出力させる音の期間を短くする。
【0056】
また、操作面2へのなぞり操作がされている場合において、なぞり操作が終了したことを静電センサ40が検知すると、制御部65は、振動を出力するエキサイタ90を停止させた状態で、エキサイタ90から音を出力させるようにエキサイタ90を制御することもできる。例えば、制御部65は、なぞり操作を終了したことが検知されると、操作体が操作面2から離れているため、制御部65は、振動を出力するエキサイタ90を停止させる。また、操作面2に対するなぞり操作を終えて、操作体が操作面2から離れているときに、制御部65は、ユーザに操作感を与えるようにエキサイタ90から音を出力させる。
【0057】
また、制御部65は、操作面2への押圧を押圧検知部41が検知したときに、エキサイタ90から出力させる音圧よりも、操作面2へのなぞり操作を静電センサ40が検知したときに、エキサイタ90から出力させる音圧を小さくするようにエキサイタ90を制御することもできる。例えば、制御部65は、プッシュ操作のときにエキサイタ90から出力させる音圧よりも、スワイプ操作及びフリック操作のときにエキサイタ90から出力させる音圧を小さくする。
【0058】
また、制御部65は、操作面2への押圧を押圧検知部41が検知したときに、エキサイタ90から出力させる音の周波数よりも、操作面2へのなぞり操作を静電センサ40が検知したときに、エキサイタ90から出力させる音の周波数を高くするようにエキサイタ90を制御することもできる。例えば、制御部65は、プッシュ操作のときにエキサイタ90から出力させる音の周波数よりも、スワイプ操作及びフリック操作のときにエキサイタ90から出力させる音の周波数を高くする。
【0059】
なお、エキサイタ90から出力させる音の周波数が複数の周波数を含む場合、制御部65は、音の平均周波数を基準にエキサイタ90から出力させる音の周波数を高くする。具体的には。制御部65は、操作面2を押圧したときに、エキサイタ90から出力させる音の平均周波数よりも、操作面2をなぞり操作したときに、エキサイタ90から出力させる音の平均周波数を高くするようにエキサイタ90を制御する。
【0060】
また、制御部65は、操作面2への接触を静電センサ40が検知したとき、又は、操作面2への押圧を押圧検知部41が検知したときに、エキサイタ90から振動だけを出力させるようにエキサイタ90を制御することもできる。例えば、プッシュ操作及びスワイプ操作によって操作体が操作面2へ接触している間、制御部65は、エキサイタ90から振動だけを出力させる。
【0061】
また、制御部65は、エキサイタ90に振動を出力させている場合に、操作面2への操作が終了したことを静電センサ40が検知すると、振動を出力するエキサイタ90を停止させ、かつ、エキサイタ90から音を出力させるようにエキサイタ90を制御することもできる。例えば、制御部65は、プッシュ操作及びスワイプ操作の終了が検知されると、振動を出力するエキサイタ90を停止させる。また、操作面2に対するプッシュ操作、スワイプ操作及びフリック操作を終えて、操作体が操作面2から離れているときに、制御部65は、ユーザに操作感を与えるようにエキサイタ90から音を出力させる。
【0062】
また、操作体が操作面2での操作を終えて、操作体が操作面2から次第に遠ざかることを静電センサ40が検知すると、制御部65は、操作体と操作面2との距離に応じて、エキサイタ90から出力させる音を変化させるようにエキサイタ90を制御することもできる。例えば、プッシュ操作、スワイプ操作及びフリック操作を終えて、操作体が操作面2から離れているときに、制御部65は、ユーザに操作感を与えるように、距離が次第に大きくなるほどエキサイタ90から出力させる音量又は音圧を小さくする。なお、この場合も、制御部65は、振動を出力するエキサイタ90を停止させる。
【0063】
また、操作体が操作面2へ非接触のときに、制御部65がエキサイタ90から音を出力させている場合、制御部65は、操作体が操作面2へ接触したことを静電センサ40が検知すると、音を出力するエキサイタ90を停止させ、かつ、エキサイタ90から振動を出力させるようにエキサイタ90を制御することもできる。例えば、プッシュ操作及びスワイプ操作を開始しようと、操作体が操作面2へ近づくときに、制御部65は、ユーザに操作感を与えるように、操作体が操作面2へ接触するまでエキサイタ90から音を出力させる。そして、操作体が操作面2へ接触すると、制御部65は、音を出力するエキサイタ90を停止させ、エキサイタ90から振動を出力させる。
【0064】
また、操作体が操作面2へ非接触のときに、操作体が操作面2へ次第に近づくことを静電センサ40が検知すると、制御部65は、操作体と操作面2との距離に応じて、エキサイタ90から出力させる音を変化させるようにエキサイタ90を制御することもできる。例えば、プッシュ操作、スワイプ操作及びフリック操作を開始しようと、操作体が操作面2へ近づくときに、制御部65は、ユーザに操作感を与えるように、距離が次第に小さくなるほどエキサイタ90から出力させる音を大きくする。
【0065】
<作用効果>
次に、本実施の形態における入力装置1の作用効果について説明する。
【0066】
上述したように、本実施の形態に係る入力装置1は、車両に搭載される入力装置1であって、操作面2における操作体の接触位置を検知する静電センサ40と、操作面2への押圧を検知する押圧検知部41と、操作面2を振動させるエキサイタ90と、制御部65とを備える。そして、制御部65は、静電センサ40の検知に応じた信号、及び、押圧検知部41の検知に応じた信号に基づいて、エキサイタ90を制御することで、エキサイタ90から音及び振動の少なくとも一方を出力させる。
【0067】
これによれば、操作体が操作面2を操作することで、制御部65がエキサイタ90から音及び振動の少なくとも一方を出力させるため、操作面2に対する操作に応じた音及び振動が出力される。
【0068】
したがって、操作面2に対してどのような操作をしているかを感覚的にユーザに認識させることができる。
【0069】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、エキサイタ90から振動を出力させるための制御信号である第1振動信号を制御部65がエキサイタ90へ出力した後に、制御部65は、第1振動信号と逆位相の制御信号である第2振動信号をエキサイタ90へ出力する。
【0070】
これによれば、第1振動信号に基づいてエキサイタ90が出力した振動を打ち消すように、逆位相の第2振動信号をエキサイタ90に入力させるため、第1振動信号に基づく可動部の振動が打ち消されるように働く。したがって、第1振動信号に基づいた可動部における振動の収束時間を短くすることができる。
【0071】
特に、スワイプ操作によって連続的に入力装置に入力されたとしても、可動部の振動が打ち消されることで、残留振動を抑制することができる。このため、ユーザが連続的にスワイプ操作をする場合であっても、ユーザに違和感を与え難くなる。
【0072】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、制御部65は、エキサイタ90を制御することで、エキサイタ90から振動を出力させるための制御信号である第1振動信号とエキサイタ90から音を出力させるための制御信号である第1音信号とを重畳させた信号をエキサイタ90へ出力することで、エキサイタ90から音及び振動を出力させる。
【0073】
これによれば、エキサイタ90から音及び振動を同時に出力させることができる。このため、ユーザは、入力装置に対する操作感を、より感覚的に認識し易くなる。
【0074】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、制御部65は、操作面2への押圧を押圧検知部41が検知したときにエキサイタ90から出力される振動強度よりも、操作面2をなぞるような操作であるなぞり操作(スワイプ操作)を静電センサ40が検知したときにエキサイタ90から出力される振動強度を小さくするように、エキサイタ90を制御することで、エキサイタ90から振動を出力させる。
【0075】
例えば、スワイプ操作のときに加えられる可動部の振動が大きければ、ユーザは違和感を覚えることがある。しかし、本実施の形態によれば、押圧による操作よりも、スワイプ操作のときに加えられる可動部の振動を小さくすることができる。このため、スワイプ操作のときの操作感を損ねないようにすることができる。
【0076】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、制御部65は、操作面2への押圧を押圧検知部41が検知したときに、エキサイタ90から音を出力させる期間よりも、操作面2をなぞるような操作であるなぞり操作を静電センサ40が検知したときに、エキサイタ90から音を出力させる期間の方が短くなるように、エキサイタ90を制御する。
【0077】
例えば、なぞり操作は、押圧操作よりも操作期間が長いため、操作面2に対する1つ前のなぞり操作によってエキサイタ90から継続して音を出力する場合がある。この場合、操作面2に対する1つ前のなぞり操作によってエキサイタ90から出力された音と、操作面2に対する次のなぞり操作によってエキサイタ90から出力された音とが重なってしまうことがある。
【0078】
しかし、本実施の形態によれば、プッシュ操作の音を出力させる期間よりもなぞり操作時の音を出力させる期間が短いので、操作面2に対する1つ前のなぞり操作によってエキサイタ90から出力された音と、操作面2に対する次のなぞり操作によってエキサイタ90から出力された音とが重ならないようにすることができる。
【0079】
特に、音の周波数を2~5kHzの範囲にすることで、ユーザに対してより快適な操作感を与えることができる。
【0080】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、操作面2をなぞるような操作であるなぞり操作が終了したことを静電センサ40が検知すると、制御部65は、振動を出力するエキサイタ90を停止させた状態で、エキサイタ90から音を出力させるようにエキサイタ90を制御する。
【0081】
これによれば、操作面2に対するなぞり操作を終えて、操作面2から操作体が離れたときに、エキサイタ90からの振動の出力を停止させることで、不要な振動を出力させないようにすることができる。
【0082】
また、操作面2から操作体が離れたときに、制御部65がエキサイタ90から音を出力させることができる。つまり、操作面2への非接触時に、制御部65は、振動をエキサイタ90から出力させず、音をエキサイタ90から出力させることができる。このため、ユーザは、操作面2に対する操作と、操作に応じた音との一体性を感じることができる。
【0083】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、制御部65は、操作面2への押圧を押圧検知部41が検知したときに、エキサイタ90から出力させる音圧よりも、操作面2をなぞるような操作であるなぞり操作を静電センサ40が検知したときに、エキサイタ90から出力させる音圧を小さくするようにエキサイタ90を制御する。
【0084】
例えば、なぞり操作は押圧操作よりも操作期間が長いため、操作面に対する1つ前のなぞり操作によってエキサイタから継続して音を出力してしまう場合がある。この場合、操作面に対する1つ前のなぞり操作によってエキサイタから出力された音と、操作面に対する次のなぞり操作によってエキサイタから出力された音とが重なってしまうことがある。
【0085】
しかし、本実施の形態によれば、操作面2を押圧操作した場合の方よりも操作面2をなぞり操作した場合の方が、エキサイタ90から出力される音圧が小さい。このため、操作面2に対する1つ前のなぞり操作によってエキサイタ90から出力された音と、操作面2に対する次のなぞり操作によってエキサイタ90から出力された音とが重なって聞こえる可能性を低減することができる。
【0086】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、制御部65は、操作面2への押圧を押圧検知部41が検知したときに、エキサイタ90から出力させる音の周波数よりも、操作面2をなぞるような操作であるなぞり操作を静電センサ40が検知したときに、エキサイタ90から出力させる音の周波数を高くするようにエキサイタ90を制御する。
【0087】
これによれば、操作面2を押圧操作した場合の方よりも操作面2をなぞり操作した場合の方が、エキサイタ90から出力される音の周波数が高いため、操作面2をなぞり操作した場合の方が、音が減衰しやすくなる。このため、操作面2に対する1つ前のなぞり操作によってエキサイタ90から出力された音と、操作面2に対する次のなぞり操作によってエキサイタ90から出力された音とが重ならないようにすることができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、制御部65は、操作面2への接触を静電センサ40が検知したとき、又は、操作面2への押圧を押圧検知部41が検知したときに、エキサイタ90から振動だけを出力させるようにエキサイタ90を制御する。
【0089】
これによれば、操作面2へ操作体が接触している間において、操作面2をエキサイタ90で振動させることができる。このため、操作体が操作面2へ接触している間、ユーザは、操作面2の振動を介して、操作面2に対する操作を実感することができる。
【0090】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、制御部65は、エキサイタ90に振動を出力させている場合に、操作面2への操作が終了したことを静電センサ40が検知すると、振動を出力するエキサイタ90を停止させ、かつ、エキサイタ90から音を出力させるようにエキサイタ90を制御する。
【0091】
これによれば、操作体が操作面2に接触している間だけ、エキサイタ90から振動を出力させ、操作体が操作面2から離間すれば、振動を出力するエキサイタ90を停止させてエキサイタ90から音を出力させることができる。このように、操作面2に対する接触時から非接触時に至るまで、制御部65は振動と音とのいずれかをエキサイタ90から出力させることで、ユーザは、操作面2に対する操作と、操作に応じた音及び振動との一体性を感じることができる。
【0092】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、操作体が操作面2での操作を終えて、操作体が操作面2から次第に遠ざかることを静電センサ40が検知すると、制御部65は、操作体と操作面2との距離に応じて、エキサイタ90から出力させる音を変化させるようにエキサイタ90を制御する。
【0093】
これによれば、操作体が操作面2から次第に遠ざかることを、音によってユーザに知らせることができる。
【0094】
また、操作体と操作面2との距離に応じて、エキサイタ90から出力させる音を変化させることで、ユーザは、操作面2に対する操作が終了することを認識することができる。
【0095】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、操作体が操作面2へ非接触のときに、制御部65がエキサイタ90から音を出力させている場合、制御部65は、操作体が操作面2へ接触したことを静電センサ40が検知すると、音を出力するエキサイタ90を停止させ、かつ、エキサイタ90から振動を出力させるようにエキサイタ90を制御する。
【0096】
これによれば、操作面2に対する非接触状態から接触状態に変化することを、音と振動とによってユーザへ知らせることができる。
【0097】
また、操作体が接触している間、ユーザは、操作面2の振動を介して、操作面2に対する操作を実感することができる。
【0098】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、操作体が操作面2へ非接触のときに、操作体が操作面2へ次第に近づくことを静電センサ40が検知すると、制御部65は、操作体と操作面2との距離に応じて、エキサイタ90から出力させる音を変化させるようにエキサイタ90を制御する。
【0099】
これによれば、操作体が操作面2へ次第に近づくことを、音によってユーザに知らせることができる。
【0100】
また、操作体と操作面2との距離に応じて、エキサイタ90から出力させる音を変化させることで、操作面2に対する操作が開始することをユーザに認識させることができる。
【0101】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、本体10と、本体10に固定される回路基板60と、エキサイタ90を支持するホルダー70と、ホルダー70と本体10とを接続する板ばね80とを備え、押圧検知部41は、ホルダー70と、回路基板60とにより構成される。
【0102】
これによれば、例えばホルダー70と回路基板60との可動距離を静電容量の変化で検知することによって押圧検知部41を構成することができるため、別途、押圧検知が可能なセンサからなる押圧検知部41を備えなくてもよくなる。
【0103】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、エキサイタ90は、少なくともホルダー70を介して静電センサ40と機械的に接続されている。
【0104】
これによれば、エキサイタ90の振動を静電センサ40に伝達することができるため、操作面2に対してエキサイタ90の振動を伝達することもできる。このため、ユーザは、操作面2に対する操作を、振動によって感じることができるようになる。
【0105】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、板ばね80は、操作面2と平行な姿勢となるように配置されている。
【0106】
これによれば、入力装置1の大型化を抑制することができるため、入力装置1の薄型化を期待することができる。
【0107】
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0108】
例えば、上記実施の形態に係る入力装置に含まれる制御部等は典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0109】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0110】
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0111】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0112】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0113】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0114】
(付記)
以下に、上記各実施の形態に基づいて説明した入力装置の特徴を示す。
【0115】
<技術1>
車両に搭載される入力装置であって、
操作面における操作体の接触位置を検知する静電センサと、
前記操作面への押圧を検知する押圧検知部と、
前記操作面を振動させるエキサイタと、
制御部とを備え、
前記制御部は、前記静電センサの検知に応じた信号、及び、前記押圧検知部の検知に応じた信号に基づいて、前記エキサイタを制御することで、前記エキサイタから音及び振動の少なくとも一方を出力させる
入力装置。
【0116】
<技術2>
前記エキサイタから振動を出力させるための制御信号である第1振動信号を前記制御部が前記エキサイタへ出力した後に、前記制御部は、前記第1振動信号と逆位相の制御信号である第2振動信号を前記エキサイタへ出力する
技術1に記載の入力装置。
【0117】
<技術3>
前記制御部は、前記エキサイタを制御することで、前記エキサイタから振動を出力させるための制御信号である第1振動信号と前記エキサイタから音を出力させるための制御信号である第1音信号とを重畳させた信号を前記エキサイタへ出力することで、前記エキサイタから音及び振動を出力させる
技術1又は2に記載の入力装置。
【0118】
<技術4>
前記制御部は、前記操作面への押圧を前記押圧検知部が検知したときに前記エキサイタから出力される振動強度よりも、前記操作面をなぞるような操作であるなぞり操作を前記静電センサが検知したときに前記エキサイタから出力される振動強度を小さくするように、前記エキサイタを制御することで、前記エキサイタから振動を出力させる
技術1~3のいずれか1つに記載の入力装置。
【0119】
<技術5>
前記制御部は、前記操作面への押圧を前記押圧検知部が検知したときに、前記エキサイタから音を出力させる期間よりも、前記操作面をなぞるような操作であるなぞり操作を前記静電センサが検知したときに、前記エキサイタから音を出力させる期間の方が短くなるように、前記エキサイタを制御する
技術1~4のいずれか1つに記載の入力装置。
【0120】
<技術6>
前記操作面をなぞるような操作であるなぞり操作が終了したことを前記静電センサが検知すると、前記制御部は、振動を出力する前記エキサイタを停止させた状態で、前記エキサイタから音を出力させるように前記エキサイタを制御する
技術1~5のいずれか1つに記載の入力装置。
【0121】
<技術7>
前記制御部は、前記操作面への押圧を前記押圧検知部が検知したときに、前記エキサイタから出力させる音圧よりも、前記操作面をなぞるような操作であるなぞり操作を前記静電センサが検知したときに、前記エキサイタから出力させる音圧を小さくするように前記エキサイタを制御する
技術1~6のいずれか1つに記載の入力装置。
【0122】
<技術8>
前記制御部は、前記操作面への押圧を前記押圧検知部が検知したときに、前記エキサイタから出力させる音の周波数よりも、前記操作面をなぞるような操作であるなぞり操作を前記静電センサが検知したときに、前記エキサイタから出力させる音の周波数を高くするように前記エキサイタを制御する
技術1~7のいずれか1つに記載の入力装置。
【0123】
<技術9>
前記制御部は、前記操作面への接触を前記静電センサが検知したとき、又は、前記操作面への押圧を前記押圧検知部が検知したときに、前記エキサイタから振動だけを出力させるように前記エキサイタを制御する
技術1~8のいずれか1つに記載の入力装置。
【0124】
<技術10>
前記制御部は、前記エキサイタに振動を出力させている場合に、前記操作面への操作が終了したことを前記静電センサが検知すると、振動を出力する前記エキサイタを停止させ、かつ、前記エキサイタから音を出力させるように前記エキサイタを制御する
技術1~9のいずれか1つに記載の入力装置。
【0125】
<技術11>
前記操作体が前記操作面での操作を終えて、前記操作体が前記操作面から次第に遠ざかることを前記静電センサが検知すると、前記制御部は、前記操作体と前記操作面との距離に応じて、前記エキサイタから出力させる音を変化させるように前記エキサイタを制御する
技術1~10のいずれか1つに記載の入力装置。
【0126】
<技術12>
前記操作体が前記操作面へ非接触のときに、前記制御部が前記エキサイタから音を出力させている場合、前記制御部は、前記操作体が前記操作面へ接触したことを前記静電センサが検知すると、音を出力する前記エキサイタを停止させ、かつ、前記エキサイタから振動を出力させるように前記エキサイタを制御する
技術1~11のいずれか1つに記載の入力装置。
【0127】
<技術13>
前記操作体が前記操作面へ非接触のときに、前記操作体が前記操作面へ次第に近づくことを前記静電センサが検知すると、前記制御部は、前記操作体と前記操作面との距離に応じて、前記エキサイタから出力させる音を変化させるように前記エキサイタを制御する
技術1~12のいずれか1つに記載の入力装置。
【0128】
<技術14>
本体と、
前記本体に固定される回路基板と、
前記エキサイタを支持するホルダーと、
前記ホルダーと前記本体とを接続する板ばねとを備え、
前記押圧検知部は、前記ホルダーと、前記回路基板とにより構成される
技術1~13のいずれか1つに記載の入力装置。
【0129】
<技術15>
前記エキサイタは、少なくとも前記ホルダーを介して前記静電センサと機械的に接続されている
技術14に記載の入力装置。
【0130】
<技術16>
前記板ばねは、前記操作面と平行な姿勢となるように配置されている
技術14又は15に記載の入力装置。
【符号の説明】
【0131】
1 入力装置
2 操作面
10 本体
40 静電センサ
41 押圧検知部
60 回路基板
65 制御部
70 ホルダー
80 板ばね
90 エキサイタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9