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特開2025-6622色味予測システム、素材製造方法、プログラム、色味予測方法、及び、色味補償方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006622
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】色味予測システム、素材製造方法、プログラム、色味予測方法、及び、色味補償方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 7/80 20180101AFI20250109BHJP
   G01J 3/46 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
C09D7/80
G01J3/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107528
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷹田 良樹
(72)【発明者】
【氏名】田尻 紘生
(72)【発明者】
【氏名】野原 崇稔
【テーマコード(参考)】
2G020
4J038
【Fターム(参考)】
2G020AA08
2G020DA13
2G020DA14
2G020DA34
2G020DA45
4J038KA07
4J038KA08
4J038KA12
4J038LA06
4J038NA01
4J038NA27
4J038PC08
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】素材の組成を特定する組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味を予測して予測色味として出力する色味予測部を含む、色味予測システムを提供する。色味予測部は、XYZ表色系、xy表色系、又は、Lxy表色系で表される色味を予測してよい。組成情報および当該組成情報を有する素材の表色系で表される色味のペアを複数含む学習データに基づいて、組成情報から色味を予測する色味予測モデルを学習する学習部を含んでよい。
【効果】素材の表色系上の色味を予測することにより、素材の吸光/反射スペクトルを予測する場合と比較して変数量を低減し、計算資源及び記憶資源等の使用量を低減することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素材の組成を特定する組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味を予測して予測色味として出力する色味予測部を含む、
色味予測システム。
【請求項2】
前記色味予測部は、XYZ表色系、xy表色系、又は、Lxy表色系で表される色味を予測する、
請求項1に記載の色味予測システム。
【請求項3】
前記色味予測部は、XYZ表色系で表される色味を予測する、
請求項1に記載の色味予測システム。
【請求項4】
組成情報および当該組成情報を有する素材の表色系で表される色味のペアを複数含む学習データに基づいて、前記組成情報から前記色味を予測する色味予測モデルを学習する学習部を含み、
前記色味予測部は、前記色味予測モデルを用いて色味を予測する、
請求項1に記載の色味予測システム。
【請求項5】
前記組成情報に基づき、当該組成情報の組成を有する素材の色味以外の物理的特性及び/又は化学的特性を予測する特性予測部と、
前記色味予測部の出力した予測色味、及び、前記特性予測部が予測した物理的特性及び/又は化学的特性が予め定められた基準を満たすか判断する判断部と、
を更に備える請求項1に記載の色味予測システム。
【請求項6】
前記判断部は、
前記色味予測部が予測した色味が表色系において予め定められた範囲に含まれるか否かを判断し、
前記特性予測部が予測した物理的特性及び/又は化学的特性が予め定められた数値範囲に含まれるか否かを判断する、
請求項5に記載の色味予測システム。
【請求項7】
前記物理的特性及び/又は化学的特性は、前記素材の透過率又は反射率を含む、
請求項5に記載の色味予測システム。
【請求項8】
前記物理的特性及び/又は化学的特性は、前記素材の耐熱性、難燃性、帯電性、弾性率、耐衝撃性、線膨張率、耐薬品性、柔軟性、防眩性、耐候性、親水性、滑性、及び、硬度のいずれか1つまたは複数を含む、
請求項5に記載の色味予測システム。
【請求項9】
前記素材は樹脂素材である、
請求項1から8のいずれか1項に記載の色味予測システム。
【請求項10】
前記判断部が、予め定められた基準を満たすと判断した素材の組成情報を推奨する推奨部を更に備える、
請求項5に記載の色味予測システム。
【請求項11】
前記推奨部は、
前記判断部が予め定められた基準を満たすと判断した複数の素材のうち、色味及び物理的特性及び/又は化学的特性の最適化においてパレート解の集合を構成する素材の組成情報を推奨する、
請求項10に記載の色味予測システム。
【請求項12】
組成情報を生成する生成部を更に備え、
前記生成部が生成した組成情報から、前記色味予測部は予測色味を出力し、前記特性予測部は物理的特性及び/又は化学的特性を予測する、
請求項5に記載の色味予測システム。
【請求項13】
前記素材を用いた製品の目標となる前記表色系上の色味である製品目標色味、及び、光源の前記表色系上の色味である光源色味を入力する入力部と、
前記製品目標色味及び前記光源色味から、素材の目標の色味となる素材目標色味を算出する算出部と、
を更に備え、
前記判断部は、前記色味予測部が予測した色味が表色系において前記素材目標色味から許容範囲内に含まれるか否かを判断する、
請求項6に記載の色味予測システム。
【請求項14】
前記素材を用いた製品の目標となる前記表色系上の色味である製品目標色味、及び、光源の前記表色系上の色味である光源色味を入力する入力部と、
前記製品目標色味及び前記光源色味から、素材の目標の前記表色系上の色味となる素材目標色味を算出する算出部と、
を更に備え、
前記色味予測部は、前記推奨部が推奨した組成情報の素材の色味を予測して推奨色味として出力し、
前記算出部は、前記推奨色味と前記素材目標色味との差分である色味差分の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出して出力する、
請求項10に記載の色味予測システム。
【請求項15】
前記算出部は、前記色味差分が閾値を超えると判断したことに応じて、前記推奨光源色味を算出して出力する、
請求項14に記載の色味予測システム。
【請求項16】
素材を用いた製品の目標となる表色系上の色味となる製品目標色味、及び、光源の前記表色系上の色味である光源色味を入力する入力部と、
前記製品目標色味及び前記光源色味から、素材の目標の前記表色系上の色味となる素材目標色味を算出し、指定された素材の前記表色系上の色味と前記素材目標色味との差分である色味差分の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出して出力する算出部と、
を備える色味補償システム。
【請求項17】
素材の組成を特定する組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味を予測して予測色味として出力する色味予測段階と、
前記組成情報に基づき、当該組成情報の組成を有する素材の色味以外の物理的特性及び/又は化学的特性を予測する特性予測段階と、
前記色味予測段階で出力された予測色味及び前記特性予測段階で予測された物理的特性及び/又は化学的特性に基づいて、指定された素材の表色系における色味、並びに、物理的特性及び/又は化学的特定が予め定められた基準を満たすか判断する判断段階と、
前記判断段階で、予め定められた基準を満たすと判断した組成情報に従って、素材を製造する素材製造段階と、
を備える素材製造方法。
【請求項18】
コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、
素材の組成を特定する組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味を予測して予測色味として出力する色味予測部として機能させる、
プログラム。
【請求項19】
コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、
素材を用いた製品の目標となる表色系上の色味となる製品目標色味、及び、光源の前記表色系上の色味である光源色味を入力する入力部と、
前記製品目標色味及び前記光源色味から、素材の目標の前記表色系上の色味となる素材目標色味を算出し、指定された素材の前記表色系上の色味と前記素材目標色味との差分である色味差分の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出して出力する算出部と、
して機能させるプログラム。
【請求項20】
素材の組成を特定する組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味を予測して予測色味として出力する色味予測段階
を含む色味予測方法。
【請求項21】
素材を用いた製品の目標となる表色系上の色味となる製品目標色味、及び、光源の前記表色系上の色味である光源色味を入力する入力段階と、
前記製品目標色味及び前記光源色味から、素材の目標の前記表色系上の色味となる素材目標色味を算出し、指定された素材の前記表色系上の色味と前記素材目標色味との差分である色味差分の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出して出力する算出段階と、
を含む色味補償方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色味予測システム、素材製造方法、プログラム、色味予測方法、及び、色味補償方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「互いに色の異なる少なくとも2種類の粉体塗料を乾式混合して色合わせを行う調色方法であって、前記粉体塗料は粉体粒子を含有し、前記粉体粒子が、熱硬化性樹脂と熱硬化剤とを含有し、体積平均粒子径が3μm以上10μm以下であり、GSDvが1.3以下である調色方法(請求項1)」が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016-000794号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、素材の組成を特定する組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味を予測して予測色味として出力する色味予測部を含む、色味予測システムを提供する。
【0004】
上記において、色味予測部は、XYZ表色系、xy表色系、又は、Lxy表色系で表される色味を予測してよい。
【0005】
上記において、色味予測部は、XYZ表色系で表される色味を予測してよい。
【0006】
上記において、色味予測システムは、学習部を含んでよい。学習部は、組成情報および当該組成情報を有する素材の表色系で表される色味のペアを複数含む学習データに基づいて、組成情報から色味を予測する色味予測モデルを学習してよい。色味予測部は、色味予測モデルを用いて色味を予測してよい。
【0007】
上記において、色味予測システムは、特性予測部と判断部とを備えてよい。特性予測部は、組成情報に基づき、当該組成情報の組成を有する素材の色味以外の物理的特性及び/又は化学的特性を予測してよい。判断部は、色味予測部の出力した予測色味及び特性予測部が予測した物理的特性及び/又は化学的特性が予め定められた基準を満たすか判断してよい。
【0008】
上記において、判断部は、色味予測部が予測した色味が表色系において予め定められた範囲に含まれるか否かを判断してよい。判断部は、更に特性予測部が予測した物理的特性及び/又は化学的特性が予め定められた数値範囲に含まれるか否かを判断してよい。
【0009】
上記において、物理的特性及び/又は化学的特性は、素材の透過率又は反射率を含んでよい。
【0010】
上記において、物理的特性及び/又は化学的特性は、素材の耐熱性、難燃性、帯電性、弾性率、耐衝撃性、線膨張率、耐薬品性、柔軟性、防眩性、耐候性、親水性、滑性、及び、硬度のいずれか1つまたは複数を含んでよい。
【0011】
上記において、素材は樹脂素材であってよい。
【0012】
上記において、色味予測システムは、推奨部を備えてよい。推奨部は、判断部が、予め定められた基準を満たすと判断した素材の組成情報を推奨してよい。
【0013】
上記において、推奨部は、判断部が予め定められた基準を満たすと判断した複数の素材のうち、色味及び物理的特性及び/又は化学的特性の最適化においてパレート解の集合を構成する素材の組成情報を推奨してよい。
【0014】
上記において、色味予測システムは、組成情報を生成する生成部を更に備えてよい。生成部が生成した組成情報から、色味予測部は予測色味を出力してよい。特性予測部は物理的特性及び/又は化学的特性を予測してよい。
【0015】
上記において、色味予測システムは、入力部と算出部とを更に備えてよい。入力部は、素材を用いた製品の目標となる表色系上の色味である製品目標色味、及び、光源の表色系上の色味である光源色味を入力してよい。算出部は、製品目標色味及び光源色味から、素材の目標の色味となる素材目標色味を算出してよい。判断部は、色味予測部が予測した色味が表色系において素材目標色味から許容範囲内に含まれるか否かを判断してよい。
【0016】
上記において、色味予測システムは、入力部と算出部とを更に備えてよい。入力部は、素材を用いた製品の目標となる表色系上の色味である製品目標色味、及び、光源の表色系上の色味である光源色味を入力してよい。算出部は、製品目標色味及び光源色味から、素材の目標の表色系上の色味となる素材目標色味を算出してよい。色味予測部は、推奨部が推奨した組成情報の素材の色味を予測して推奨色味として出力してよい。算出部は、推奨色味と素材目標色味との差分である色味差分の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出して出力してよい。
【0017】
上記において、算出部は、色味差分が閾値を超えると判断したことに応じて、推奨光源色味を算出して出力してよい。
【0018】
本発明の第2の態様においては、入力部と算出部とを備える色味補償システムを提供する。入力部は、素材を用いた製品の目標となる表色系上の色味となる製品目標色味、及び、光源の表色系上の色味である光源色味を入力してよい。算出部は、製品目標色味及び光源色味から、素材の目標の表色系上の色味となる素材目標色味を算出し、指定された素材の表色系上の色味と素材目標色味との差分である色味差分の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出して出力してよい。
【0019】
本発明の第3の態様においては、色味予測段階と、特性予測段階と、判断段階と、素材製造段階とを備える素材製造方法を提供する。色味予測段階において、素材の組成を特定する組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味を予測して予測色味として出力してよい。特性予測段階において、組成情報に基づき、当該組成情報の組成を有する素材の色味以外の物理的特性及び/又は化学的特性を予測してよい。判断段階において、色味予測段階で出力された予測色味及び特性予測段階で予測された物理的特性及び/又は化学的特性に基づいて、指定された素材の表色系における色味、並びに、物理的特性及び/又は化学的特定が予め定められた基準を満たすか判断してよい。素材製造段階において、判断段階で、予め定められた基準を満たすと判断した組成情報に従って、素材を製造してよい。
【0020】
本発明の第4の態様においては、コンピュータにより実行され、コンピュータを、色味予測部として機能させるプログラムを提供する。色味予測部は、素材の組成を特定する組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味を予測して予測色味として出力してよい。
【0021】
本発明の第5の態様においては、コンピュータにより実行され、コンピュータを、入力部及び算出部として機能させるプログラムを提供する。入力部は、素材を用いた製品の目標となる表色系上の色味となる製品目標色味、及び、光源の表色系上の色味である光源色味を入力してよい。算出部は、製品目標色味及び光源色味から、素材の目標の表色系上の色味となる素材目標色味を算出し、指定された素材の表色系上の色味と素材目標色味との差分である色味差分の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出して出力してよい。
【0022】
本発明の第6の態様においては、素材の組成を特定する組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味を予測して予測色味として出力する色味予測段階を含む色味予測方法を提供する。
【0023】
本発明の第7の態様においては、入力段階と算出段階とを含む色味補償方法を提供する。入力段階において、素材を用いた製品の目標となる表色系上の色味となる製品目標色味、及び、光源の表色系上の色味である光源色味を入力してよい。算出段階において、製品目標色味及び光源色味から、素材の目標の表色系上の色味となる素材目標色味を算出し、指定された素材の表色系上の色味と素材目標色味との差分である色味差分の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出して出力してよい。
【0024】
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係るシステム10の構成を示す。
図2】本実施形態に係るシステム10による素材製造方法のフローを示す。
図3】本実施形態におけるS300の入力画面300の例を示す。
図4】本実施形態におけるS700の出力画面400の例を示す。
図5】本実施形態におけるS700の出力画面500の例を示す。
図6】本実施形態に係るシステム10による素材製造方法の別のフローを示す。
図7】本実施形態に係るシステム10による素材製造方法の更に別のフロー(前半)を示す。
図8】本実施形態に係るシステム10による素材製造方法の更に別のフロー(後半)を示す。
図9】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0027】
図1は、本実施形態に係るシステム10の構成を示す。システム10は、素材の組成に基づいて色味を予測する色味予測システムとして機能する。色味予測システム10は、目標の色味を実現する素材の組成を推奨してもよい。
【0028】
また、システム10は、素材の色味、又は、素材を用いた製品の色味が目標と異なる場合に、目標との差分を補償する光源を出力する色味補償システムとしても機能してよい。図1に示すようにシステム10は、色味予測部110、特性予測部120、学習部130、生成部140、入力部150、算出部160、判断部170、及び、推奨部180を備える。
【0029】
色味予測部110は、組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味(例えば、XYZ表色系で表される色味)を予測して予測色味として出力する。組成情報は、素材の組成を特定する情報であってよい。色味予測部110は、色味予測モデルを用いて色味を予測してよい。
【0030】
特性予測部120は、組成情報に基づき、当該組成情報の組成を有する素材の色味以外の物理的特性及び/又は化学的特性を予測して出力する。予測された物理的特性及び/又は化学的特性を「予測特性」ともいう。物理的特性及び/又は化学的特性は、素材の透過率、反射率、及び/又は、難燃性等を含んでよい。特性予測部120は、特性予測モデルを用いて物理的特性及び/又は化学的特性を予測してよい。
【0031】
学習部130は、色味予測モデル及び特性予測モデルを学習する。学習部130は、学習データに基づいてこれらのモデルを学習してよい。
【0032】
生成部140は、組成情報を生成する。生成部140は、組成情報を色味予測部110及び特性予測部120に提供する。生成部140が生成した組成情報から、色味予測部110は予測色味を出力してよい。生成部140が生成した組成情報から、特性予測部120は物理的特性及び/又は化学的特性を予測してよい。生成部140は、組成情報を生成することに加えて/代えて、組成情報をユーザから入力してもよい。
【0033】
入力部150は、ユーザからシステム10の処理に必要な情報を入力する。例えば、入力部150は、素材目標色味、製品目標色味、及び、光源色味の1つ以上を入力してよい。入力部150は、更に素材の目標となる物理的特性及び/又は化学的特性である目標特性をユーザから入力してよい。
【0034】
素材目標色味は、素材の目標となる表色系上の色味である。製品目標色味は、素材を用いた製品の目標となる表色系上の色味である。光源色味は、光源の表色系上の色味である。
【0035】
算出部160は、表色系上の色味に関する演算を実行する。例えば、算出部160は、製品目標色味及び光源色味から、素材目標色味を算出する。例えば、算出部160は、所定の色味(例えば指定された素材の表色系上の色味)と素材目標色味との差分である色味差分を算出する。例えば、算出部160は、差分色味の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出する。算出部160は算出結果を判断部170に出力してよい。
【0036】
判断部170は、表色系上の色味に関する判断を実行する。例えば、判断部170は、色味予測部110の出力した予測色味及び特性予測部120が予測した物理的特性及び/又は化学的特性(すなわち、予測特性)が予め定められた基準を満たすか判断する。
【0037】
予測色味の予め定められた基準は、素材目標色味、または、素材目標色味を含む一定の色味の範囲を含んでよい。例えば、判断部170は、色味予測部110が予測した色味が表色系において素材目標色味から許容範囲内に含まれるか否かを判断してもよい。
【0038】
予測特性の予め定められた基準は、目標特性、又は、目標特性を含む数値範囲であってよい。例えば、判断部170は、特性予測部120が予測特性が目標特性から許容範囲内に含まれるか否かを判断してもよい。なお、本明細書において「範囲」というときは、単一の範囲を指してよく(例えばxについて0≦x≦1)、不連続な複数の範囲の連結(例えばxについて0≦x≦1及び3≦x≦4)を指してもよい。
【0039】
推奨部180は、判断部170が予め定められた基準を満たすと判断した素材の組成情報を、推奨する。
【0040】
システム10は、1台の装置(コンピュータ)により実装されてよく、又は、役割分担がされた複数台の装置により実現されてもよい。複数台の装置により実現される場合、システム10は、サーバー/クライアントシステムであってよく、この場合、システム10の機能の少なくとも一部がサーバー装置で実現され、残りがクライアント装置で実現されてよい。クライアント装置は、ユーザーからの入力をサーバー装置に送信し、サーバー装置からの出力を表示する機能のみを有してよく、この場合、システム10の実質的な機能はサーバー装置のみで実現される。
【0041】
システム10に用いられる装置(コンピュータ)は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。
【0042】
これに代えて、システム10に用いられる装置(コンピュータ)は、それぞれの用途に応じて設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。システム10において、以下では特に説明しないが、メモリ/ハードディスク等が備えられて、処理に必要な情報は適宜記憶され、システム10は、色味予測部110等の各処理モジュール間で情報を伝達してよい。
【0043】
このようにシステム10によると、素材の組成情報に基づき、素材の表色系上の色味を予測することができる。樹脂等の素材の組成を調整する際には、色味だけでなく様々な物理的特性及び/又は化学的特性が要求される場合がある。例えば、難燃性を向上するために難燃剤を組成に添加すると、難燃剤に起因して素材が所望の色味から黄色み掛かってしまうことがある。そこで、黄色みを相殺するために青色剤(「ブルーイング剤」とも言う)等を添加して、所望の色味に近づけることが行われる。
【0044】
要求される色味及び特性を満たすために、試行錯誤して難燃剤及び青色剤の量を調整する場合、多くの人手や時間が必要となる。コンピュータにより組成情報に基づいて色味を完全に予想しようとすると、変数量が膨大な素材の吸光/反射スペクトルを扱う必要があり、計算資源及び記憶資源等を大量に消費する問題があった。
【0045】
システム10によると素材の表色系上の色味を予測することにより、素材の吸光/反射スペクトルを予測する場合と比較して変数量を低減し、計算資源及び記憶資源等の使用量を低減することができる。また、システム10によると、物理的特性及び/又は化学的特性と表色系上の色味との両方が予め定められた基準を満たすと予測される素材を提案することができる。
【0046】
図2は、本実施形態に係るシステム10による処理フローを示す。システム10は、S50~S800を実行することで、目標の色味を有する素材の組成情報を推奨する。S50~S800の一部は省略されてもよい。S50~S800に加えて他の動作が実行されてもよい。システム10は、S50及びS200~S400を実行することにより色味予測方法を実行してよい。
【0047】
S50において、学習部130が、学習データに基づいて、組成情報から色味を予測する色味予測モデルを学習する。学習データは、説明変数の情報、及び、目的変数の情報のペアを複数含む。例えば、学習データは、組成情報、及び、当該組成情報を有する素材の表色系で表される色味のペアを複数含んでよい。組成情報は、素材に含まれる全ての原料又は一部の原料のそれぞれを特定する情報を含んでよい。
【0048】
素材は、調色可能で物理的特性及び/又は化学的特性を調整可能なものであればよく、例えば樹脂素材であってよい。樹脂素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、セルロース、アセチルセルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、アリルジグリコールカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー等であってよい。これに代えて、素材は、セラミクス、金属素材、又は、紙素材等であってもよい。
【0049】
例えば、組成情報は、素材に含まれる原料のそれぞれについて、素材の原料の名称、原料の略称、原料を表す化学式(組成式、構造式、又は、SMILES記法等)、原料に対応する記号、及び/又は、原料の含有量(例えば、重量、体積、モル数、重量%、体積%、モル%、重量割合、体積割合、モル割合又はその他の単位等)、原料に関する情報(分子量、分子量分布、重合比、pH)を含んでよい。一例として、組成情報は、原料のそれぞれについて原料を表す記号、及び、原料の含有量(重量%)であってよい。組成情報は、原料のうち固形分についての情報だけを含み、溶媒等の揮発成分の情報は含まなくてもよい。
【0050】
表色系で表される色味とは、等色関数によって定義された表色系における色味であってよい。例えば、表色系で表される色味は、XYZ表色系(CIE1931)、又は、XYZ表色系(CIE1931)から派生した表色系における色味であってよい。
【0051】
具体的には、表色系で表される色味は、XYZ表色系(CIE1931)、xy表色系(すなわちxy色度)、uv表色系(すなわちuv色度)、Lxy表色系、Luv表色系(CIE1976)、又は、Lab表色系であってよい。また、表色系で表される色味は、RGB表色系、または、イエローインデックス(YI)であってもよい。
【0052】
例えば1nm刻みの分光スペクトルを用いた場合、可視光(380~780nm)をカバーするためには400次元の変数計算が必要になるが、表色系を用いることで変数量を数次元に圧縮することができる。これにより、コンピュータの計算資源及び記憶資源を大きく節約することができる。
【0053】
特にXYZ表色系を用いることにより分光スペクトルデータを用いて計算を実行した場合と近い予測精度を実現することができる。更にXYZ表色系は多くの測色計が対応しており、XYZ表色系から他の多くの表色系への変換が可能であることから、XYZ表色系を用いることが特に好ましい。
【0054】
S50~S800の処理を通してシステム10は統一した表色系を用いてよい。例えば、色味予測モデルで扱う表色系がXYZ表色系である場合、システム10は以降の処理で表色系としてXYZ表色系を用いてよい。
【0055】
S50~S800の処理を通してシステム10は複数の表色系を使いわけてもよい。例えば、S50のみXYZ表色系を用い、他の処理(例えば、S200)ではYI又はuv色度を用いてよい。この場合、算出部160が表色系間の変換処理を適宜実行してよい。
【0056】
学習部130は、色味予測モデルとして既知の回帰モデルを学習してよい。例えば、学習部130は、サポートベクター回帰(SVR)、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ガウス過程回帰等の非線形回帰モデルを学習してよい。また、例えば、学習部130は、線形回帰、リッジ回帰、部分的最小二乗回帰(PLS)等の線形回帰モデルを学習してよい。学習部130は、複数のモデルを組み合わせた複合モデルを学習してもよい。
【0057】
次にS100において、学習部130が、学習データに基づいて、組成情報から物理的特性及び/又は化学的特性を予測する特性予測モデルを学習する。学習データは、組成情報、および、当該組成情報を有する素材の物理的特性及び/又は化学的特性のペアを複数含んでよい。
【0058】
物理的特性及び/又は化学的特性は、素材の物理的特性及び化学的特性の1つ以上であってよい。例えば、物理的特性及び/又は化学的特性は、所定波長光に対する素材の透過率/反射率、耐熱性、帯電性、弾性率、耐衝撃性、線膨張率、耐薬品性、柔軟性、防眩性、耐候性(例えば熱劣化耐性及び/又は紫外線劣化耐性)、親水性、滑性、及び、硬度のいずれか1つまたは複数を含んでよい。耐熱性は、熱従量分析(TGA)、示差熱分析(DTA)、示差走査熱量測定(DSC)、黄変挙動評価、及び/又は、残存モノマー量測定等の種々の方法により評価してよい。
【0059】
学習部130は、特性予測モデルとして既知の回帰モデルを学習してよく、色味予測モデルで挙げたものと同様のモデルを学習してよい。なお、特性予測モデルと色味予測モデルは、同種のモデルであっても、異種のモデルであってもよい。
【0060】
次にS200において、入力部150は、ユーザーから素材の目標となる表色系上の色味である素材目標色味を入力する。素材目標色味は、素材の分光反射率スペクトル及び/又は分光透過率スペクトルを表色系で表したものであってよい。入力部150は、色味予測モデルで用いられている表色系における色味(例えば、XYZ表色系又はLab表色系の刺激値)を、素材目標色味として入力してよい。
【0061】
入力部150は、色味予測モデルで用いられている表色系とは異なる表色系の色味を入力してよい。この場合、算出部160が入力された色味を色味予測モデルで用いられている表色系に変換してよい。
【0062】
入力部150は、素材目標色味として、単一の色味(すなわち、表色系上における色味座標点)を入力してよく、これに代えて、色味の範囲(すなわち、表色系上における色味座標平面又は空間)を入力してよい。
【0063】
入力部150は、表色系における一部の変数の数値または範囲を素材目標色味として入力してよい。例えば、入力部150は、Lab表色系の刺激値bの範囲のみを入力してよい。
【0064】
入力部150は、素材の目標となる物理的特性及び/又は化学的特性である目標特性をユーザから入力してよい。例えば、入力部150は、目標特性を表すパラメータ(例えば、難燃性を表す燃焼速度)の数値又は数値範囲をユーザから入力してよい。入力部150は、1つ又は複数種類の目標特性を入力してよい。
【0065】
図3は、本実施形態におけるS300の入力画面300の例を示す。S200において入力部150は、入力画面300を介して素材目標色味及び目標特性を入力してよい。
【0066】
入力画面300には、目標特性の種類を選択するための入力欄310が含まれる。入力欄310によりユーザは、素材の目標となる物理的特性及び/又は化学的特性を選択してよい。図3の例では「難燃性」が選択されている。
【0067】
入力画面300には、目標特性の数値を入力するための入力欄320が含まれる。入力欄310によりユーザは、目標特性の単一の数値または数値範囲を入力してよい。図3の例では「難燃性」(燃焼速度)の数値として「0~100kW/m」が入力されている。
【0068】
入力画面300には、素材目標色味を入力するための入力欄330が含まれる。入力欄310によりユーザは、素材の目標となる表色系上の色味を入力してよい。図3の例では「XYZ表色系」における色味(すなわち刺激値)を表す「X値」「Y値」及び「Z値」がそれぞれ入力されている。ユーザが開始ボタン340を押したことに応じて、入力部150は処理を次に進めてもよい。
【0069】
次にシステム10はS300~S600のループ処理を繰り返すことで、表色系上の色味及び物理的特性/化学的特性を満たす組成を探索する。
【0070】
S300において、生成部140は、組成情報を生成する。生成部140は、探索に適した組成情報を生成してよい。
【0071】
初回のS300において、生成部140は、ランダムに組成情報を生成してよい。一例として、生成部140は、原料の選択肢から素材に含めるべき原料をランダムに選択し、含有量をランダムに設定してよい。生成部140は、ユーザが指定した原料について含有量をランダムに設定してよい。
【0072】
2回目以降のS300において、生成部140は、表色系上の色味及び物理的特性/化学的特性を満たす可能性のある組成情報を生成してよい。例えば、生成部140は、既存の探索手法を用いて組成情報を生成してよい。例えば、生成部140は、遺伝的アルゴリズム、局所探索法、山登り法、又は、疑似アニーリング法等により探索を行ってよい。探索には、後述するS400~S600の処理結果を用いてよい。
【0073】
生成部140は、2回目以降のS300においてもランダムに組成情報を生成してもよい。生成部140は、2回目以降のS300において実験計画法に基づいて組成情報を生成してもよい。初回及び/又は2回目以降のS300において、生成部140は、組成情報を生成する代わりにユーザが入力した組成情報を用いてもよい。
【0074】
次にS400において、色味予測部110が、S300において生成された組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の表色系で表される色味を予測する。色味予測部110は、S50で学習した色味予測モデルに組成情報を入力し、色味予測モデルから出力された色味を取得する。
【0075】
次にS500において、特性予測部120が、S300において生成された組成情報に基づいて、当該組成情報の組成を有する素材の色味以外の物理的特性及び/又は化学的特性を予測する。特性予測部120は、S100で学習した特性予測モデルに組成情報を入力し、特性予測モデルから出力された物理的特性及び/又は化学的特性(すなわち、予測特性)を取得する。
【0076】
次にS600において、判断部170は、S300~S600の探索を終了するか判断する。例えば、判断部170は、S400で予測された予測色味、及び、S500で予測された予測特性の両者が、予め定められた基準を満たすか判断する。例えば、判断部170は、予測色味が表色系において予め定められた範囲に含まれるか否かを判断し、予測特性が予め定められた数値範囲に含まれるか否かを判断してよい。
【0077】
一例として、判断部170は、予測色味がS200で入力された素材目標色味と一致するか、または、素材目標色味と予め定められた範囲以内か判断してよい。一例として、判断部170は、予測色味がS200で入力された素材目標色味の色味の範囲に含まれるか判断してよい。素材目標色味と予測色味の表色系が異なる場合、算出部160は表色系を一致させるように一方又は双方を変換してよい。
【0078】
一例として、判断部170は、予測特性がS200で入力された目標特性と一致するか、または、目標特性と予め定められた範囲以内か判断してよい。一例として、判断部170は、予測特性がS200で入力された目標特性の範囲に含まれるか判断してよい。
【0079】
判断部170は、予め定められた基準を満たすと予め定められた回数(1回又は複数回)判断する場合、S300~S600の探索を終了し、処理をS700に進めてよい。判断部170は、予め定められた回数のS300~S600の処理を行った場合に探索を終了し、処理をS700に進めてもよい。探索を継続する場合、判断部170は処理をS300に戻す。
【0080】
判断部170は、予測色味が素材目標色味と一致する程度、及び/又は、予測特性が目標特性と一致する程度を評価値として出力する評価関数により評価してもよい。判断部170は、直近のループにおいて評価値が閾値を超えた場合に、予め定められた基準を満たすと判断してよい。これに代えて、判断部170は、評価値が閾値を超えた個数が予め定められた数に達した場合に、予め定められた基準を満たすと判断してよい。
【0081】
S700において、推奨部180は、S600において、予め定められた基準を満たすと判断部170が判断した素材の組成情報を推奨する。推奨部180は、S600において、予め定められた基準を満たすと判断部170が判断した素材の組成情報のうち、評価値が上位の予め定められた割合(例えば上位30%)のものを推奨してもよい。
【0082】
推奨部180は、推奨した組成情報を推奨組成情報として出力してよい。推奨部180は、推奨組成情報から予測される予測色味、及び、予測特性を出力してよい。予測色味及び予測特性は、S400~S500で予測されたものが用いられてよい。
【0083】
推奨部180は、XYZ表色系で予測色味を出力してよい。S400~S500で予測された色味がXYZ表色系ではない場合、算出部160が予測色味をXYZ表色系に変換して、これを推奨部180が出力してよい。
【0084】
図4は、本実施形態におけるS700の出力画面400の例を示す。図示するように、推奨部180は、出力画面400に推奨組成情報、予測特性(難燃性)、及び、予測色味を出力してよい。推奨部180は、素材目標色味と予測色味との誤差(図中の「Δ誤差」)、及び/又は、目標特性と予想特性の誤差を出力してもよい。
【0085】
図5は、本実施形態におけるS700の出力画面500の例を示す。推奨部180は、S600において判断部170が予め定められた基準を満たすと判断した複数の素材のうち、色味及び物理的特性及び/又は化学的特性の最適化においてパレート解の集合を構成する素材の組成情報を推奨してよい。
【0086】
推奨部180は、推奨組成情報510、推奨組成情報520、推奨組成情報530、推奨組成情報540、推奨組成情報550、推奨組成情報560、及び、推奨組成情報570からなる複数の組成情報の集合を、予測色味の差分と予測特性の差分との二軸で定義される平面上に投影して表示してよい。
【0087】
予測色味の差分とは、素材目標色味と予測色味との差分であってよく、これが小さいほど優れた素材と言える。予測特性の差分とは、目標特性と予測特性との差分であってよく、これが小さいほど優れた素材と言える。推奨部180は、出力画面500上、予測色味の差分及び予測特性の差分が小さいほど、組成情報を原点側(図中左下)に配置してよい。
【0088】
推奨組成情報510~590は、パレート解の集合を構成してよい。出力画面500において、組成情報が原点に近いほど(下側及び左側に位置するほど)、望ましい組成情報であることを示す。
【0089】
ユーザーが表示されている特定の組成情報(例えば、推奨組成情報530)を指定したこと(例えばカーソル580を重ねたこと)に応じて、推奨部180は、指定された組成情報、当該組成情報に対応する予測特性、及び/又は、予測色味を、予測情報ウィンドウ590に表示してよい。
【0090】
次にS800において、推奨部180が推奨した推奨組成情報のいずれかに基づいて、素材を製造する。例えば、ユーザは、推奨部180が推奨した推奨組成情報に従って、原料を混合し、その後の必要な処理(例えば、加熱、紫外線照射、乾燥、成形等)を行って素材を製造してよい。ユーザに代わりシステム10が素材製造を自動的に実行してもよい。これにより、S600で予め定められた基準を満たすと判断した組成情報に従って、素材を製造することができる。
【0091】
上記のように本実施形態によれば、予め定められた基準を満たすと予測された組成を有する素材を製造する素材製造方法を実現する。また、本実施形態のS400によれば、組成情報に基づいて色味を予測する色味予測方法を実現する。
【0092】
本実施形態によれば、素材の表色系上の色味を予測することにより、素材の吸光/反射スペクトルを予測する場合と比較して変数量を低減し、消費する計算資源及び記憶資源等を低減することができる。また、本実施形態によれば、物理的特性及び/又は化学的特性と表色系上の色味との両方が予め定められた基準を満たすと予測される素材を提案及び/又は製造することができる。
【0093】
図6は、本実施形態に係るシステム10による素材製造方法の別のフローを示す。システム10は、S50~S800を実行することで素材の組成情報を推奨する。S50~S800の一部は省略されてもよい。S50~S800に加えて他の動作が実行されてもよい。システム10は、S50及びS200~S400を実行することにより色味予測方法を実行してよい。
【0094】
本実施形態のフローにおいては、図2のフローにおけるS200に代えて、S220及びS240のフローを実行してよい。
【0095】
S220において、入力部150は、製品目標色味、及び、光源色味をユーザから入力する。
【0096】
製品目標色味は、素材を用いた製品の目標となる表色系上の色味である。例えば、製品は、透明な素材を光学部材として用いた光学機器であってよい。例えば、製品は、不透明な素材を部品として用いた家電製品等であってもよい。
【0097】
製品目標色味は、素材の分光反射率スペクトル又は分光透過率スペクトルを表色系で表現した色味とは異なり、光源により光を照射した際の透過光及び/又は反射光の表色系上の色味である。製品目標色味は、XYZ表色系の数値等の刺激値であってよい。これに代えて、製品目標色味は、xy色度等の色度であってよい。
【0098】
光源色味は、光源の表色系上の色味である。例えば、光源は、白熱電球、蛍光管、及び/又は、発光ダイオード等の発光能力を有する部品である発光素子であってよい。これに代えて、光源は、発光素子を組み込んだ光源装置であってよい。例えば、光源は、発光素子と、拡散板、集光板、レンズ、反射板、透光板等の光学部材とを組み合わせた光源装置であってよい。光源は、標準光源であってよい。
【0099】
光源色味は、XYZ表色系の数値等の刺激値であってよい。これに代えて、光源色味は、xy色度等の色度であってよい。入力部150は、更に目標特性をユーザから入力する。
【0100】
S240において、算出部160は、製品目標色味及び光源色味から、素材目標色味を算出する。光源に照射された物体(すなわち製品)の色味は、光源の色味(すなわち光源色味)と、製品の素材自体の色味とから演算できる。
【0101】
例えば、XYZ表色系における製品の色味は、光源の色味と素材自体の色味の乗算により算出することができる。反対に、製品の色味を、光源の色味で除すれば、素材自体の色味を算出することができる。
【0102】
そこで、算出部160は、製品目標色味を光源色味で除することにより、素材目標色味を算出してよい。一例として、算出部160は、X_LCD(XYZ表色系における製品目標色味)/X_LED0(XYZ表色系における光源色味)を演算することで、X_opm(XYZ表色系における素材目標色味)を算出してよい。
【0103】
製品目標色味及び/又は光源色味がxy色度等の色度の場合には、算出部160は色度をXYZ表色系の刺激値等の刺激値に変更した上で上記演算を実行してよい。この場合、刺激値のうちの1つ(例えばXYZ値のうちのY値)を、予め定められた数値又はユーザに入力された数値(例えばY=100)に設定してよい。
【0104】
システム10は、S240で素材目標色味を算出した後は、図2の実施形態と同様にS300以降のフローを実行してよい。
【0105】
図7及び図8は、本実施形態に係るシステム10による素材製造方法の更に別のフローの前半及び後半を示す。システム10は、S50~S1000を実行することで素材の組成情報を推奨する。S50~S1000の一部は省略されてもよい。S50~S1000に加えて他の動作が実行されてもよい。システム10は、S50及びS200~S400を実行することにより色味予測方法を実行してよい。
【0106】
本実施形態においてシステム10は、S50~S700を図6の実施形態と同様に実行してよい。本実施形態においてシステム10は、S700の次にS900を実行してよい。
【0107】
S900において、算出部160は、推奨組成情報を有する素材の表色系上の色味と素材目標色味との差分である色味差分を算出する。例えば、まず色味予測部110が、S700で推奨部180が推奨した推奨組成情報の素材の表色系上の色味を予測して推奨色味として出力する。次に算出部160は、推奨色味と素材目標色味との差分である色味差分を算出する。
【0108】
色味差分は、推奨色味から予測される素材を用いた製品の色味である予測製品色味と、製品目標色味との差分であってよい。算出部160は、推奨色味に光源色味を乗じたものと、製品目標色味との差分を色味差分として算出してよい。
【0109】
色味差分は、XYZ値等の刺激値の差分、すなわち、(XYZ等の刺激値)空間上の距離であってよい。これに代えて、色味差分は、刺激値から算出されたxy色度等の色度の差、すなわち、(xy等の色度値)平面上の距離であってもよい。
【0110】
次にS950において算出部160は、S900で算出した色味差分が閾値を超えるか否かを判断する。算出部160は、閾値を超えると判断する場合に処理をS1000に進めて、超えない場合には処理を終了してよい。なお、S950が省略され、S900の後にS1000が実行されてもよい。
【0111】
S1000において、算出部160は、色味差分の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出して出力する。算出部160は、推奨組成情報を有する素材を製品に用いた場合に、製品目標色味を実現するために必要な光源の色味を推奨光源色味として算出してよい。
【0112】
例えば、算出部160は、XYZ刺激値で表された製品目標色味を、XYZ刺激値で表された推奨色味で除することにより、推奨光源色味を算出してよい。例えば、製品目標色味がxy色度等の色度である場合、算出部160は、製品目標色味の色度値、及び、推奨色味を含む連立方程式を解くことで推奨光源色味を算出してよい。
【0113】
例えば、製品目標色味(xy色度)がx、yで表され、推奨組成の刺激値がX、Y、Zで表される場合、製品目標色味(XYZ刺激値)X、Y、Zは、
=X/(X+Y+Z)、
=Y/(X+Y+Z)、
1-(x+y)=Z/(X+Y+Z
で表される。
【0114】
ここで、(X+Y+Z)を光源色味(現在の光源の色味)のX値、Y値、Z値の合計である(X+Y+Z)=Kとすると、
=x×K
=y×K
=(1-x-y)×K
となる。
【0115】
さらに、X、Y、Zを推奨色味X、Y、Zで除することにより、推奨光源色味Xrl、Yrl、Zrlを算出することができる。
rl=X/X
rl=Y/Y
rl=Z/Z
【0116】
算出部160は、算出した推奨光源色味Xrl、Yrl、Zrlを出力してよい。算出部160は、推奨光源色味Xrl、Yrl、Zrlを色度xyに変換して出力してもよい。
【0117】
推奨部180は、推奨光源色味Xrl、Yrl、Zrl(又は変換した色度xy)を実現する光源素子又は光源装置を既存の選択肢に含まれる光源素子又は光源装置から選択して出力してよい。例えば、算出部160は、現在の光源色味と推奨光源色味の刺激値の空間上の距離(又は色度平面上の距離)とを算出し、更に選択肢に含まれる光源素子又は光源装置の色味と推奨光源色味の刺激値の空間上の距離(又は色度平面上の距離)と算出してよい。そして、判断部170は、選択肢のいずれかの光源素子又は光源装置の距離が現在の光源色味の距離よりも近いか判断し、近ければ推奨部180が最も近い選択肢の光源素子又は光源装置を提案してよい。
【0118】
このように本実施形態によれば、算出部160は、S950において色味差分が閾値を超えると判断したことに応じて、S1000で推奨光源色味を算出して出力する。本実施形態によれば、推奨光源色味の光源(又はこれに色味の近い光源)を用いることで、製品の素材や色を変えることなく、製品の色味を所望の範囲に調整することができる。
【0119】
本実施形態においては、S700で推奨された推奨組成情報の色味及び素材目標色味に基づいて差分色味を算出しているが、これに限られない。例えば、算出部160は、ユーザから指定された組成情報の素材の表色系上の色味と素材目標色味との差分である色味差分を算出し、当該色味差分の少なくとも一部を補償する光源の色味である推奨光源色味を算出して出力してもよい。この場合、システム10は、色味補償方法を実現する色味補償システムとして機能する。
【0120】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0121】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0122】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0123】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のコンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0124】
図9は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0125】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0126】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0127】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0128】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0129】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0130】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0131】
CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0132】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0133】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0134】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0135】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。「A及び/又はB」の表記は「A、B、又は、A及びC」を示すものであってよい。「A、B及び/又はC」の表記は「A、B及びCのいずれか1つか、又は、これらの2つ以上のいずれかの組み合わせ」を示すものであってよい。
【符号の説明】
【0136】
10 システム
110 色味予測部
120 特性予測部
130 学習部
140 生成部
150 入力部
160 算出部
170 判断部
180 推奨部
300 入力画面
310 入力欄
320 入力欄
330 入力欄
340 開始ボタン
400 出力画面
500 出力画面
510 推奨組成情報
520 推奨組成情報
530 推奨組成情報
540 推奨組成情報
550 推奨組成情報
560 推奨組成情報
570 推奨組成情報
580 カーソル
590 予測情報ウィンドウ
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9