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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006625
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ランドリシステム
(51)【国際特許分類】
   D06F 95/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
D06F95/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107531
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(74)【代理人】
【識別番号】100129377
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 耕司
(72)【発明者】
【氏名】八木 文也
(72)【発明者】
【氏名】藤原 正宏
(72)【発明者】
【氏名】山本 正和
(57)【要約】
【課題】コインランドリ店舗のオーナーのところに騒音の苦情がくるのを抑制する。
【解決手段】本発明に係るランドリシステムは、コインランドリ店舗に設置される複数のランドリ機器と、複数のランドリ機器を制御するためのコントローラとを備え、ランドリ機器は、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方の運転について、通常モードでの運転と、通常モードよりも静かな静音モードでの運転を実行可能であり、コントローラは、複数のランドリ機器について所定条件を満たした場合に、ランドリ機器の運転を通常モードでの運転から静音モードでの運転に切り替える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コインランドリ店舗に設置される複数のランドリ機器と、
前記複数のランドリ機器を制御するためのコントローラとを備え、
前記ランドリ機器は、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方の運転について、通常モードでの運転と、前記通常モードよりも静かな静音モードでの運転を実行可能であり、
前記コントローラは、前記複数のランドリ機器について所定条件を満たした場合に、前記ランドリ機器の運転を前記通常モードでの運転から前記静音モードでの運転に切り替えることを特徴とするランドリシステム。
【請求項2】
前記所定条件は、前記コインランドリ店舗におけるランドリ機器の稼働台数が規定台数以上である状態であることを特徴とする請求項1に記載のランドリ機器。
【請求項3】
前記所定条件は、前記コインランドリ店舗における前記ランドリ機器の脱水運転の稼働台数が規定台数以上である状態であることを特徴とする請求項1に記載のランドリ機器。
【請求項4】
前記所定条件は、前記コインランドリ店舗における前記ランドリ機器の乾燥運転の稼働台数が規定台数以上である状態であることを特徴とする請求項1に記載のランドリ機器。
【請求項5】
前記コントローラは、前記複数のランドリ機器のなかに含まれるランドリ機器の稼働台数と、そのときの騒音の大きさとの関係を記憶しており、
前記規定台数は、前記関係に基づいて設定されることを特徴とする請求項2~4の何れかに記載のランドリ機器。
【請求項6】
互いに異なる2つの時間帯についての前記規定台数として、異なる台数が設定されることを特徴とする請求項2~4の何れかに記載のランドリ機器。
【請求項7】
互いに異なる地域にあるコインランドリ店舗についての前記規定台数として、異なる台数が設定されることを特徴とする請求項2~4の何れかに記載のランドリ機器。
【請求項8】
前記コインランドリ店舗には、騒音の大きさを測定する騒音測定手段が設置されており、
前記所定条件は、前記騒音測定手段で測定された騒音の大きさがあらかじめ設定された閾値を超えた状態であることを特徴とする請求項1に記載のランドリ機器。
【請求項9】
前記ランドリ機器は、
ドラムを収容する洗濯機本体と、
前記洗濯機本体と屋外とを連通させる排気ダクトと、
前記排気ダクトを介して前記洗濯機本体内の空気を屋外へ排気するファンとを備え、
前記騒音測定手段は、前記排気ダクトの排気口近傍に設置されることを特徴とする請求項7に記載のランドリ機器。
【請求項10】
コインランドリ店舗に設置される複数のランドリ機器と、
前記複数のランドリ機器を制御するためのコントローラとを備え、
前記ランドリ機器は、脱水運転を実行可能であり、
前記コントローラは、前記複数のランドリ機器のなかの(n-1)台が稼働している状態で新たに1台のランドリ機器の運転を開始する場合に、n台のランドリ機器の脱水運転が同時に行われないように又はn台のランドリ機器の脱水運転が同時に行われる時間が短くなるように、新たに運転を開始するランドリ機器において脱水運転が行われるタイミングをずらすことを特徴とするランドリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインランドリ店舗に設置されるランドリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コインランドリ店舗には、洗い運転から濯ぎ運転、脱水運転までを行う洗濯機、洗い運転から濯ぎ運転、脱水運転、乾燥工程までを行う洗濯乾燥機、乾燥運転のみを行う乾燥機などのランドリ機器が、複数設置されているのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-106633
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コインランドリ店舗に設置されたランドリ機器が、例えば夜間の静かな時間帯に運転された場合に、騒音の問題が発生することがある。特に、複数台のランドリ機器において脱水運転が同時に行われた場合に、振動が共振して大きな騒音が発生することが知られている。また同様に、複数台のランドリ機器において乾燥運転が同時に行われた場合に、ファン音が共鳴して大きな騒音が発生することが知られている。
【0005】
そのような場合、コインランドリ店舗のオーナーのところに、コインランドリ店舗の近隣に住んでいる住人から苦情がくる問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、コインランドリ店舗のオーナーのところに騒音の苦情がくるのを抑制するランドリシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係るランドリシステムは、コインランドリ店舗に設置される複数のランドリ機器と、前記複数のランドリ機器を制御するためのコントローラとを備え、前記ランドリ機器は、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方の運転について、通常モードでの運転と、前記通常モードよりも静かな静音モードでの運転を実行可能であり、前記コントローラは、前記複数のランドリ機器について所定条件を満たした場合に、前記ランドリ機器の運転を前記通常モードでの運転から前記静音モードでの運転に切り替えることを特徴とする。
【0008】
この場合、コインランドリ店舗において、複数のランドリ機器について所定条件を満たした場合に、ランドリ機器の運転が通常モードよりも静かな静音モードでの運転に切り替えられる。そのため、コインランドリ店舗のオーナーのところに騒音の苦情がくるのを抑制することができる。
【0009】
前記所定条件は、前記コインランドリ店舗におけるランドリ機器の稼働台数が規定台数以上である状態であることが好適である。
【0010】
この場合、コインランドリ店舗において多くのランドリ機器が同時に稼働された場合に、コインランドリ店舗で発生する騒音が大きくなるため、そのときの騒音を低減することができる。
【0011】
前記所定条件は、前記コインランドリ店舗における前記ランドリ機器の脱水運転の稼働台数が規定台数以上である状態であることが好適である。
【0012】
この場合、ランドリ機器の脱水運転時の振動音がコインランドリ店舗で発生する騒音の主な原因である場合に、そのコインランドリ店舗で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0013】
前記所定条件は、前記コインランドリ店舗における前記ランドリ機器の乾燥運転の稼働台数が規定台数以上である状態であることが好適である。
【0014】
この場合、ランドリ機器の乾燥運転時の排気音がコインランドリ店舗で発生する騒音の主な原因である場合に、そのコインランドリ店舗で発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0015】
前記コントローラは、前記複数のランドリ機器のなかに含まれるランドリ機器の稼働台数と、そのときの騒音の大きさとの関係を記憶しており、前記規定台数は、前記関係に基づいて設定されることが好適である。
【0016】
この場合、コインランドリ店舗のオーナーは、ランドリ機器の稼働台数とそのときの騒音の大きさとの関係に基づいて、通常モードよりも静かな静音モードでの運転を切り替える規定台数を適正に設定することができる。
【0017】
互いに異なる2つの時間帯についての前記規定台数として、異なる台数が設定されることが好適である。
【0018】
この場合、例えば夜間の静かな時間帯と昼間の騒がしい時間帯とでは同一の大きさの騒音でも、コインランドリ店舗の近隣に住んでいる住人に対する影響が異なるため、通常モードよりも静かな静音モードでの運転を切り替える規定台数を時間帯により変えることで、コインランドリ店舗で発生する騒音を適正に抑制することができる。
【0019】
互いに異なる地域にあるコインランドリ店舗についての前記規定台数として、異なる台数が設定されることが好適である。
【0020】
この場合、例えば都会と田舎とでは同一の大きさの騒音でも、コインランドリ店舗の近隣に住んでいる住人に対する影響が異なる。そのため、通常モードよりも静かな静音モードでの運転を切り替える規定台数を地域により変えることで、コインランドリ店舗で発生する騒音を適正に抑制することができる。
【0021】
前記コインランドリ店舗には、騒音の大きさを測定する騒音測定手段が設置されており、前記所定条件は、前記騒音測定手段で測定された騒音の大きさがあらかじめ設定された閾値を超えた状態であることが好適である。
【0022】
この場合、コインランドリ店舗で発生する騒音を測定した測定結果に基づいて、通常モードよりも静かな静音モードでの運転に適正に切り替えることができる。
【0023】
前記ランドリ機器は、ドラムを収容する洗濯機本体と、前記洗濯機本体と屋外とを連通させる排気ダクトと、前記排気ダクトを介して前記洗濯機本体内の空気を屋外へ排気するファンとを備え、前記騒音測定手段は、前記排気ダクトの排気口近傍に設置されることが好適である。
【0024】
この場合、ランドリ機器の乾燥運転時に大きな騒音を発生する排気ダクトの排気口近傍に騒音測定手段を設置することにより、コインランドリ店舗で発生する騒音を適正に測定することができる。
【0025】
本発明の他側面に係るランドリシステムは、コインランドリ店舗に設置される複数のランドリ機器と、前記複数のランドリ機器を制御するためのコントローラとを備え、前記ランドリ機器は、脱水運転を実行可能であり、前記コントローラは、前記複数のランドリ機器のなかの(n-1)台が稼働している状態で新たに1台のランドリ機器の運転を開始する場合に、n台のランドリ機器の脱水運転が同時に行われないように又はn台のランドリ機器の脱水運転が同時に行われる時間が短くなるように、新たに運転を開始するランドリ機器において脱水運転が行われるタイミングをずらすことを特徴とする。
【0026】
この場合、n台めのランドリ機器の運転が開始される場合に脱水運転が行われるタイミングをずらすように運転パターンが変更される。そのため、コインランドリ店舗で発生する騒音が大きくなるのを防止することで、コインランドリ店舗のオーナーのところに騒音の苦情がくるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、コインランドリ店舗のオーナーのところに騒音の苦情がくるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1実施形態に係るランドリシステムT101が設置されたコインランドリ店舗Tの概略的な構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る洗濯乾燥機101の斜視図であり、前方右斜め上方から見た図である。
図3】洗濯乾燥機101を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を左側方から見た概略断面図である。
図4】洗濯乾燥機101を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側方から見た概略断面図である。
図5】ガスバーナ48周辺の構成を示す図である。
図6】ランドリシステムT101における制御ブロック図である。
図7】乾燥運転が静音モードで行われる場合の制御手順を示すフローチャートである。
図8】乾燥運転時のドラム5の制御方法を説明する図である。
図9】洗濯乾燥機101の運転動作を示す図である。
図10】洗濯乾燥機101の静音モードでの運転が行われた場合に発行されるクーポンの割引額を示す図である。
図11】洗濯乾燥機101の制御手順を示すフローチャートである。
図12】洗濯乾燥機101の制御手順を示すフローチャートである。
図13】洗濯乾燥機101の制御手順を示すフローチャートである。
図14】本発明の第2実施形態に係るランドリシステムT201における制御ブロック図である。
図15】洗濯乾燥機103の運転動作を示す図である。
図16】洗濯乾燥機103の静音モードでの運転が行われた場合に発行されるクーポンの割引額を示す図である。
図17】洗濯乾燥機103の制御手順を示すフローチャートである。
図18】洗濯乾燥機103の制御手順を示すフローチャートである。
図19】洗濯乾燥機103の制御手順を示すフローチャートである。
図20】本発明の第3実施形態に係るランドリシステムT301における制御ブロック図である。
図21】騒音測定装置108の設置位置を説明する図である。
図22】本発明の第4実施形態に係るランドリシステムT401における制御ブロック図である。
図23】ランドリシステムT401における制御方法を説明する図である。
図24】本発明の第4実施形態の変形例に係るランドリシステムT401aにおける制御方法を説明する図である。
図25】本発明の第5実施形態に係るランドリシステムT501における制御ブロック図である。
図26】ランドリシステムT501における制御方法を説明する図である。
図27】本発明の第5実施形態の変形例に係るランドリシステムT501aにおける制御方法を説明する図である。
図28】本発明の変形例に係るランドリ機器100の運転動作を示す図である。
図29】本発明の変形例に係るランドリ機器100の運転動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るランドリシステムT101が設置されたコインランドリ店舗Tの概略的な構成図である。
【0030】
図1に示すように、コインランドリ店舗TのランドリシステムT101には、ランドリ機器100としての洗濯乾燥機101および乾燥機102と、これらが有線または無線で接続されたDTC105(店舗コントローラ)とが含まれる。ランドリ機器100は、料金精算機(図示しない)を有しており、ランドリ機器100ごとのローカル決済を行うことができる。図1では、コインランドリ店舗Tに、ランドリ機器100として6台の洗濯乾燥機101と8台の乾燥機102が設置される場合を図示している。なお、コインランドリ店舗Tに設置されるランドリ機器100の種類や台数は、適宜変更してもよい。
【0031】
以下、洗濯乾燥機101の構成について、図2図5に基づいて説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る洗濯乾燥機101の斜視図であり、前方右斜め上方から見た図である。また、内部の構成要素を一部露出させるため、一部切欠き状態で示されている。図3および図4は、洗濯乾燥機101を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を左側方または右側方から見た概略断面図である。図5は、ガスバーナ48周辺の構成を示す図である。本実施形態では、洗濯乾燥機101およびその構成要素(構成部品)の説明に関し、便宜上、図2に示すx方向を正面(前)側、その反対側を背面(後)側、z方向を上面(上)側、その反対側を底面(下)側、y方向を右側、その反対側を左側として説明する。
【0032】
洗濯乾燥機101は、業務用の洗濯乾燥機であって、やや縦長の洗濯機本体2によって外殻が構成されている。洗濯機本体2内の略中央部には、外槽3が設けられている。外槽3は、外部の給水設備などから供給される水を溜めるものであり、略水平な方向に延びる中心軸Nを中心とする円筒形状に形成されている。
【0033】
外槽3の前面には、洗濯物を出し入れするための外槽出入口3aが形成されている。外槽出入口3aには、洗濯物を出し入れする際に使用者が開けるための扉10が開閉自在に装着されている。洗濯機本体2の前面の略中央部には、外槽出入口3aよりやや大きい円形の開口2aが外槽出入口3aに対向して形成されている。
【0034】
洗濯機本体2の背面であって、外槽3の後方上寄りには、外部の給水設備などに接続される給水口11が備えられている。給水口11と外槽3の上部に形成された給水口12とは、給水管13により接続されている。給水管13の途中部には、給水バルブ13aが備えられており、給水バルブ13aが「開」にされることによって、給水口11から給水管13を介して供給される水が給水口12から外槽3へ流れ込み、外槽3内に溜められる。
【0035】
外槽3内には、洗濯物が収容されるドラム5が配置されている。ドラム5は、円筒形状に形成され、回転自在に設けられている。ドラム5の内周面には、ほぼ全周にわたって多数の孔5aが穿孔されており、この孔5aを介してドラム5の内部は外槽3と連通している。また、ドラム5の内周面には、ドラム5内に突出するように複数のバッフル5bが設けられている。ドラム5の前面中央部には、洗濯物を出し入れするための洗濯物出入口5cが、外槽出入口3aと同心円状にほぼ同じ径で開口している。
【0036】
外槽3の最下部には、排水口15が形成されている。排水口15は、排水管16により機外と接続されている。排水管16に介挿された排水バルブ16aが「開」にされることによって、外槽3に溜められた水が排水管16を介して機外に排出される。
【0037】
ドラム5の後面には、後方へ突出する回転軸31が外槽3の後面に備えられた軸受32により回転自在に保持されている。外槽3の後方下寄りには、ドラム5を回転駆動させるためのモータ33が配置されている。モータ33の駆動軸31aに取り付けられたモータプーリ34と回転軸31の後端部に取り付けられたドラムプーリ35との間には、ベルト36が掛け回されており、モータ33が駆動されると、ドラム5が回転される。
【0038】
図3に示すように、外槽3の右上部には、吸気ダクト40および冷気ダクト41が一体的に設けられている。
【0039】
吸気ダクト40の下面の中央部やや前寄りには、流入口42が形成されており、吸気ダクト40は、流入口42を介して外槽3と連通している。吸気ダクト40の上方には、吸気ダクト連結管43及びダクト44を介して洗濯機本体2の背面上部に形成される吸気口46と接続され、吸気口46を介して機外と連通している。
【0040】
ダクト44の内部には、ガスバーナ48が配置されており、ダクト44内に導入された空気をガスバーナ48によって加熱した後、その空気をドラム5内に導出する。すなわち、乾燥運転時において洗濯物を乾燥させるための加熱空気は、ガスバーナ48の加熱によって生成される。ガスバーナ48には、図5に示すように、ガスを供給するためのガス供給管48aが接続されており、ガス供給管48aには、開状態(外部からガスが供給される状態)と閉状態(供給されない状態)とを切り替えるガスバルブ48Nと、ガスバーナ48へのガスの供給量を調整する比例弁48Cが設けられている。
【0041】
一方、冷気ダクト41の上面には、空気の入口である冷気取入口41aが形成されている。また、冷気ダクト41は、その下面に形成された冷気流入口41bを介して外槽3と連通している。
【0042】
図4に示すように、外槽3の左上部には、排気ダクト50が設けられている。排気ダクト50の下面の後部には、流出口51が形成されており、排気ダクト50は、流出口51を介して外槽3と連通している。また、排気ダクト50の上方には、排気ダクト連結管52及びダクト53が接続される。
【0043】
ダクト53の他端には、ダクト流出口54が形成されている。ダクト流出口54は、洗濯機本体2の上面に形成された排気口55から露出されている。そして、この露出された部分が、例えば、機外に設けられた排気管(図示しない)により屋外に接続される。
【0044】
ダクト53の内部には、ファン57が配置されている。ファン57は、例えば、乾燥運転時において駆動され、ドラム5および外槽3内の空気等をダクト流出口54から屋外へ排気させるためのものである。ダクト53の内部において、ファン57とダクト流入口53aの間には、ダクト流入口53aからの空気に含まれる埃や塵やリント(糸屑、毛羽など)を捕獲するフィルタ58が設けられている。
【0045】
図6は、コインランドリ店舗TのランドリシステムT101における制御ブロック図である。図6に示すように、洗濯乾燥機101の制御部60は、例えばマイクロコンピュータなどで構成されており、CPUと、ROMと、タイマと、RAMとを備えている。洗濯乾燥機101の洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転および乾燥運転の各運転動作は、制御部60によって制御される。洗濯乾燥機101の制御部60は、コインランドリ店舗T内に設置されたDTC105と無線接続または有線接続されている。そのため、DTC105により、コインランドリ店舗T内に設置された複数のランドリ機器100(洗濯乾燥機101および乾燥機102)をまとめて制御することができる。
【0046】
制御部60は、通常モード設定部61と、静音モード設定部62と、静音モード切り替え部63と、ガス量調整部64と、クーポン発行部65とを有している。制御部60には、操作パネル66と、ドラム5内に供給される空気の温度を検出するドラム入口温度センサ67と、ドラム5を回転駆動するモータ33と、乾燥運転時に回転駆動されるファン57と、ガスバルブ48Nと、比例弁48Cと、クーポンを印刷するクーポン印刷装置68とが接続される。
【0047】
DTC105は、例えばマイクロコンピュータなどで構成されており、CPUと、ROMと、タイマと、RAMとを備えている。DTC105は、コインランドリ店舗T内に設置された複数のランドリ機器100(洗濯乾燥機101および乾燥機102)の各運転動作を制御する。DTC105は、切替台数設定部106aと、騒音特性記憶部106bとを有している。
【0048】
本実施形態の洗濯乾燥機101は、脱水運転および乾燥運転の両方の運転について、通常モードでの運転と、通常モードよりも静かな静音モードでの運転を実行可能である。
【0049】
(脱水運転の静音モード)
脱水運転が静音モードでの運転が行われる場合、振動音(運転音)を減少させるために、ドラム5の回転数が通常モード時の回転数よりも小さく制御される。そのため、脱水能力が低下するため、静音モードでの脱水運転の運転時間は、通常モードでの脱水運転の運転時間よりも長く変更される。
【0050】
(乾燥運転の静音モード)
乾燥運転が静音モードでの運転が行われる場合、排気音(運転音)を減少させるために、ファン57の回転数が通常モード時の回転数よりも小さく制御される。そのため、乾燥能力が低下するため、静音モードでの乾燥運転の運転時間は、通常モードでの乾燥運転の運転時間よりも長く変更される。
【0051】
通常モード設定部61は、脱水運転が通常モードで実行される場合のドラム5の回転数A1、および、乾燥運転が通常モードで実行される場合のファン57の回転数C1を記憶している。
【0052】
静音モード設定部62は、脱水運転が静音モードで実行される場合のドラム5の回転数A2、および、乾燥運転が通常モードで実行される場合のファン57の回転数C2を記憶している。脱水運転が静音モードで実行される場合のドラム5の回転数A2は、脱水運転が通常モードで実行される場合のドラム5の回転数A1よりも小さい回転数である。乾燥運転が通常モードで実行される場合のファン57の回転数C2は、乾燥運転が通常モードで実行される場合のファン57の回転数C1よりも小さい回転数である。
【0053】
静音モード切り替え部63は、洗濯乾燥機101において、脱水運転および乾燥運転が実行される場合に、通常モードでの運転から静音モードでの運転に切り替える。また、静音モード切り替え部63は、洗濯乾燥機101の運転時間や料金体系(クーポンの発行を含む)を切り替える。
【0054】
DTC105の切替台数設定部106aは、オーナーにより通常モードでの運転から静音モードでの運転に切り替える規定台数が設定されている。すなわち、オーナーは、騒音特性記憶部106bに記憶されたランドリ機器100の稼働台数と騒音の大きさとの関係に基づいて、規定台数を設定する。なお、本実施形態では、オーナーが規定台数を4台に設定した場合について説明する。オーナーが、例えばコインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100が3台稼働した場合の騒音の大きさは許容されるが、ランドリ機器100が4台稼働した場合の騒音の大きさは許容されないと判断した場合は、規定台数を4台に設定する。なお、本実施形態では、コインランドリ店舗Tに設置されたランドリ機器100がどのような運転コースで運転されていても、そのランドリ機器100は稼働しているとみなされる。
【0055】
この場合、コインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100が3台稼働した状態で、新たに1台のランドリ機器100の運転が開始される場合、DTC105から新たに運転が開始されるランドリ機器100に信号が送信されて、そのランドリ機器100の静音モード切り替え部63は、ランドリ機器100での脱水運転および乾燥運転を自動的に静音モードでの運転に切り替えるとともに、ランドリ機器100の運転時間を切り替える。
【0056】
なお、コインランドリ店舗Tで発生した騒音の大きさが同一であっても、時間帯によって騒音の影響度が異なる場合がある。例えば、騒がしい昼間の時間帯では、コインランドリ店舗Tで発生した騒音がそれほど問題でない場合がある。これに対して、静かな夜間の時間帯では、コインランドリ店舗Tで発生した騒音が問題となる場合がある。そのため、コインランドリ店舗Tのオーナーは、時間帯にかかわらず、同一の規定台数を設定してもよいし、複数の時間帯に対してそれぞれ規定台数を設定してもよい。例えば昼間の時間帯の規定台数を夜間の時間帯の規定台数より多くするなど、夜間と昼間などの異なる時間帯に対して異なる規定台数を設定してもよい。
【0057】
また、多くのコインランドリ店舗Tがさまざまな地域に設置されているが、コインランドリ店舗Tで発生した騒音の大きさが同一であっても、地域によって騒音の影響度が異なる場合がある。例えば、都会に設置されたコインランドリ店舗Tでは、コインランドリ店舗Tの周囲に住宅地が密集しているため、コインランドリ店舗Tで発生した騒音が問題となる場合が多い。これに対して、田舎に設置されたコインランドリ店舗Tでは、コインランドリ店舗Tの周囲に住宅地が密集していないため、コインランドリ店舗Tで発生した騒音がそれほど問題でない場合がある。一方、都会に設置されたコインランドリ店舗Tでは、コインランドリ店舗Tの周囲が騒がしいため(暗騒音が大きいため)、コインランドリ店舗Tで発生した騒音がそれほど問題でない場合がある。これに対して、田舎に設置されたコインランドリ店舗Tでは、コインランドリ店舗Tの周囲が静かなため(暗騒音が小さいため)、コインランドリ店舗Tで発生した騒音が問題となることも考えられる。そのため、コインランドリ店舗Tのオーナーは、コインランドリ店舗Tが設置された地域を考慮して、規定台数を設定することが好適である。
【0058】
本実施形態では、コインランドリ店舗Tにおいて新たに1台のランドリ機器100の運転が開始されると、稼働台数が規定台数以上である状態となる場合、ランドリ機器100での各運転コースでの運転が開始されるとき(料金が支払われて各運転コースでの運転が開始されるとき)に、その各運転コースに含まれる脱水運転および乾燥運転が自動的に静音モードでの運転が実行されるように切り替えられる。
【0059】
DTC105の騒音特性記憶部106bは、コインランドリ店舗T内に設置された複数のランドリ機器100(洗濯乾燥機101および乾燥機102)のなかに含まれるランドリ機器の稼働台数と、そのときの騒音の大きさとの関係を記憶している。すなわち、ランドリ機器100が1台稼働した場合の騒音の大きさ、ランドリ機器100が2台稼働した場合の騒音の大きさ、ランドリ機器100が3台稼働した場合の騒音の大きさ、それらと同様に、ランドリ機器100がn台(ただし、nは、4以上14以下の整数)稼働した場合の騒音の大きさをそれぞれ記憶している。騒音特性記憶部106bに記憶されるランドリ機器100の稼働台数と騒音の大きさとの関係は、例えば、コインランドリ店舗Tにおいて、ランドリ機器100を稼働させたときの騒音の大きさが測定されることにより得られる。複数台のランドリ機器100が稼働された騒音の大きさは、各ランドリ機器100がどのような運転を行っているかにより変化するが、例えば各ランドリ機器100において脱水運転または乾燥運転が同時に運転された場合のように騒音が最大となるときの騒音の大きさが測定されてよい。
【0060】
ガス量調整部64は、乾燥運転時においてドラム5内に供給される空気の入口温度が、例えば120~130℃となるように、比例弁48Cを制御する。
【0061】
ここで、乾燥運転が静音モードで行われる場合の制御手順を示すフローチャートについて、図7に基づいて説明する。
【0062】
<ステップS1>
ステップS1において、制御部60は、ドラム5の運転を開始すると共に、ファン57の運転を開始する。
【0063】
<ステップS2>
ステップS2において、制御部60は、ガスバルブ48Nを開にする。
(乾燥運転開始時の比例弁48の開度をどの程度にするか説明した方が宜しいでしょうか)
【0064】
<ステップS3>
ステップS3において、制御部60は、ドラム入口温度が120℃以上であるか否かを繰り返し判定する。制御部60によりドラム入口温度が120℃以上でないと判定された場合、ステップS4に進む。制御部60によりドラム入口温度が120℃以上であると判定された場合、ステップS5に進む。
【0065】
<ステップS4>
ステップS4において、制御部60は、ドラム入口温度を上昇させるために、比例弁48Cの開度を大きくして、ステップS3に進む。
【0066】
<ステップS5>
ステップS5において、制御部60は、ドラム入口温度が130℃以上であるか否かを繰り返し判定する。制御部60によりドラム入口温度が130℃以上であると判定された場合、ステップS6に進む。制御部60によりドラム入口温度が120℃以上でないと判定された場合、ステップS7に進む。
【0067】
<ステップS6>
ステップS6において、制御部60は、ドラム入口温度を低くするために、比例弁48Cの開度を小さくして、ステップS3に進む。
【0068】
<ステップS7>
ステップS7において、制御部60は、乾燥時間が経過したか否かを判定する。乾燥運転が行われる乾燥時間は、あらかじめ設定されている。洗濯乾燥機101では、標準コース及び洗濯コースの場合、乾燥時間は、例えば35分に設定されており、乾燥コースの場合、乾燥時間は、投入された料金に応じた時間が設定される。制御部60により乾燥時間が経過していないと判定された場合、ステップS3に進む。制御部60により乾燥時間が経過したと判定された場合、ステップS8に進む。
【0069】
<ステップS8>
ステップS8において、制御部60は、ガスバルブ48Nを全閉にして、乾燥運転を終了する。
【0070】
洗濯乾燥機101において乾燥運転が行われる場合、図8に示すように、ドラム5内にガスバーナ48で加熱された熱風が供給される。すると、その熱風はドラム5内の洗濯物を乾燥させて、洗濯物に含まれる水分を吸収して湿った状態で排気される。乾燥運転時において、ドラム5は、例えば150秒間の右回転と5秒間の左回転とを交互に繰り返す。このように、コインランドリ店舗に設置されたランドリ機器100で乾燥運転を行う場合、ガスバーナを使用するものが多く、ランドリ機器100内の空気を屋外に排気する必要がある。そのため、空気を屋外に排気するために、ファン57を回転駆動することにより、大きな騒音が発生する。
【0071】
上述したように、本実施形態の洗濯乾燥機101において、乾燥運転が静音モードでの運転が行われる場合、ファン57の回転数が通常モード時の回転数よりも小さく制御されると、静音モードでの運転において、ドラム5内に供給される空気量(風量)は、通常モード時と比べて減少して、入口温度(熱風投入温度)が上昇してしまう。その際、ガス量調整部64が、比例弁48Cによりガスバーナ48に供給されるガス量を調整することで、入口温度を例えば120~130℃に保つように制御する。
【0072】
クーポン発行部65は、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方が静音モードで実行された場合に、クーポン(割引券)を発行する。洗濯乾燥機101において、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方が静音モードで実行された場合、後述するように、脱水運転および乾燥運転の両方が通常モードで実行される場合と比べて、運転時間が長くなる。そのため、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方を静音モードで実行した利用者に対して、コインランドリ店舗Tに次回来店したときに使用できるクーポンを発行する。すなわち、コインランドリ店舗Tの騒音を低減するために協力頂いた利用者に対してクーポンを発行する。クーポンは、クーポン印刷装置68で印刷されて、そのクーポンは、利用者によりは持ち帰られる。このように、洗濯乾燥機101において静音モード利用時のみクーポンを発行することで、運転時間は延長されるが、利用者はお得に利用することができる。また、例えば「静音モードを利用した場合にクーポンを発行する」という情報を宣伝広告に使用することで、コインランドリ店舗Tへの来客数を増加させることができる。
【0073】
本実施形態では、通常モードでの運転が行われる場合と、静音モードでの運転が行われる場合とで料金が変わらないため、コインランドリ店舗Tの売上額は変化しない。これに対して、静音モードでの運転が行われた場合にクーポンが発行されるが、コインランドリ店舗Tに次回来店したときに使用可能なクーポンとして発行することでリピータが増えるため、コインランドリ店舗Tのオーナーにとってメリットがある。そのため、ランドリ機器100の利用料金を単純に安くするよりも、クーポンを出す方が、リピートがあればオーナーにとってメリットがある。
【0074】
操作パネル66には、利用者が運転コースを選択する運転コース選択ボタン66aが設けられている。洗濯乾燥機101の利用者は、運転コース選択ボタン66aを操作することにより、標準コース、洗濯コースおよび乾燥コースの何れかの運転コースを選択することができる。
【0075】
次に、洗濯乾燥機101の運転動作について、図9に基づいて説明する。
【0076】
(標準コース)
標準コースとは、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転および乾燥運転が行なわれるコースである。
(1)図9(a)に示すように、標準コースの運転時間は、脱水運転および乾燥運転の両方が通常モードで行われる場合、例えば60分間であり、利用料金は、例えば1200円である。
(2)標準コースの運転時間は、脱水運転および乾燥運転の両方が静音モードで行われる場合、例えば(60+α+β)分間であり、利用料金は、例えば1200円である。ただし、α、βは、正の数である。
【0077】
上述したように、ランドリ機器100の稼働台数があらかじめ設定された規定台数に到達すると、その後、各ランドリ機器100での標準コースの運転が開始される場合に、脱水運転および乾燥運転の両方が自動的に静音モードでの運転に切り替えられる。上述した「α分」は、静音モードでの脱水運転が行われる場合に、通常モードでの脱水運転の運転時間よりも延長される運転時間である。上述した「β分」は、静音モードでの乾燥運転が行われる場合に、通常モードでの乾燥運転の運転時間よりも延長される運転時間である。ここで、通常モードでの脱水運転の運転時間と、通常モードでの乾燥運転の運転時間とを比較すると、乾燥運転の運転時間の方が長い。そのため、乾燥運転の延長時間「β分」は、脱水運転の延長時間「α分」よりも長い時間が設定されている。
【0078】
このように、洗濯乾燥機101の標準コースにおいて、脱水運転および乾燥運転の両方が静音モードで行われると、脱水運転時のドラム5の回転数が通常モード時のドラム5の回転数よりも小さくなり、脱水運転時の脱水能力が低くなるとともに、乾燥運転時のファン57の回転数が通常モード時のファン57の回転数よりも小さくなり、乾燥運転時の乾燥能力が低くなる。そのため、脱水運転の時間及び乾燥運転の時間が自動的に延ばされるため、標準コースの運転時間は、通常時の60分よりも(α+β)分間長くなり、(60+α+β)分間となる。
【0079】
(洗濯コース)
洗濯コースとは、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転のみが行なわれるコースである。
(1)図9(b)に示すように、洗濯コースの運転時間は、脱水運転が通常モードで行われる場合、例えば30分間であり、利用料金は、例えば800円である。
(2)洗濯コースの運転時間は、脱水運転が静音モードで行われる場合、例えば(30+α)分間であり、利用料金は、例えば800円である。ただし、αは、正の数である。
【0080】
このように、洗濯乾燥機101の洗濯コースにおいて、脱水運転が静音モードで行われると、脱水運転時のドラム5の回転数が通常モード時のドラム5の回転数よりも小さくなり、脱水運転時の脱水能力が低くなる。そのため、脱水運転の時間が自動的に延ばされるため、標準コースの運転時間は、通常時の30分よりもα分間長くなり、(30+α)分間となる。
【0081】
(乾燥コース)
乾燥コースとは、乾燥運転のみが行なわれるコースである。
(1)図9(c)に示すように、乾燥コースの運転時間は、乾燥運転が通常モードで行われる場合、例えば10分間であり、利用料金は、例えば100円である。
(2)乾燥コースの運転時間は、乾燥運転が静音モードで行われる場合、例えば(10+γ)分間であり、利用料金は、例えば100円である。ただし、γは、正の数である。
【0082】
なお、洗濯乾燥機101において乾燥コースを選択して通常モードでの乾燥運転が行われる場合、乾燥機102と同様に、乾燥運転は、投入金額に応じた運転時間が経過するまで行われる。すなわち、通常モードの料金が10分間/100円の場合、例えば200円投入すれば20分間の乾燥運転が行われ、300円投入すれば30分間の乾燥運転が行われる。また、乾燥コースを選択して静音モードでの乾燥運転が行われる場合、通常モードの料金が10分間/100円の場合、例えば200円投入すれば(20+2γ)分間の乾燥運転が行われ、300円投入すれば(30+3γ)分間の乾燥運転が行われる。
【0083】
このように、洗濯乾燥機101の乾燥コースにおいて、乾燥運転が静音モードで行われると、乾燥運転時のファン57の回転数が通常モード時のファン57の回転数よりも小さくなり、乾燥運転時の乾燥能力が低くなる。そのため、乾燥運転の時間が自動的に延ばされるため、標準コースの運転時間は、通常時の10分よりもγ分間長くなり、(10+γ)分間となる。洗濯乾燥機101において乾燥コースを選択して静音モードでの乾燥運転が行われる場合も同様に、乾燥運転は、投入金額に応じた運転時間が経過するまで行われる。
【0084】
次に、洗濯乾燥機101の静音モードでの運転が行われた場合に発行されるクーポンの割引額について、図10に基づいて説明する。
【0085】
(標準コース)
洗濯乾燥機101の標準コースにおいて、脱水運転および乾燥運転の両方が静音モードで行われると、脱水運転および乾燥運転の両方が標準モードで行われる場合と比べて運転時間が延長される。そのため、図10(a)に示すように、洗濯乾燥機101は、延長時間の長さに応じた割引を行うために、300円引き(脱水運転100円引き+乾燥運転200円引き)のクーポンを発行する。
【0086】
(洗濯コース)
洗濯乾燥機101の洗濯コースにおいて、脱水運転が静音モードで行われると、脱水運転が標準モードで行われる場合と比べて運転時間が延長される。そのため、図10(b)に示すように、洗濯乾燥機1は、延長時間の長さに応じた割引を行うために、100円引きのクーポンを発行する。
【0087】
(乾燥コース)
洗濯乾燥機101の乾燥コースにおいて、乾燥運転が静音モードで行われると、乾燥運転が標準モードで行われる場合と比べて運転時間が延長される。そのため、図10(c)に示すように、洗濯乾燥機1は、延長時間の長さに応じた割引を行うために、100円あたり30円引きのクーポンを発行する。
【0088】
洗濯乾燥機101の制御手順について、図11図13に基づいて説明する。
【0089】
<ステップS101>
図11に示すように、ステップS101において、制御部60は、運転コースとして標準コースが選択されて料金が支払われたか否かを判定する。制御部60により標準コースが選択されたと判定された場合、ステップS102に進む。制御部60により標準コースが選択されていないと判定された場合、図12のフローチャートのステップS106に進む。
【0090】
<ステップS102>
ステップS102において、DTC105は、コインランドリ店舗T内のランドリ機器の稼働台数が4台以上か否かを判定する。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上でないと判定された場合、ステップS103に進む。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上と判定された場合、ステップS104に進む。
【0091】
<ステップS103>
ステップS103において、制御部60は、標準コースの運転を行うが、標準コースに含まれる脱水運転および乾燥運転の両方を通常モードで実行する。その後、制御部60は、標準コースの運転が終了すると、運転動作を終了する。
【0092】
<ステップS104>
ステップS104において、制御部60は、標準コースの運転を行うが、標準コースに含まれる脱水運転および乾燥運転の両方を静音モードで実行する。その後、制御部60は、標準コースの運転が終了すると、ステップS105に進む。
【0093】
<ステップS105>
ステップS105において、制御部60は、クーポン印刷装置66によりクーポンを印刷して、300円引きのクーポンを発行して、運転動作を終了する。
【0094】
<ステップS106>
図12に示すように、ステップS106において、制御部60は、運転コースとして洗濯コースが選択されて料金が支払われたか否かを判定する。制御部60により洗濯コースが選択されたと判定された場合、ステップS107に進む。制御部60により洗濯コースが選択されていないと判定された場合、図13のフローチャートのステップS111に進む。
【0095】
<ステップS107>
ステップS107において、DTC105は、コインランドリ店舗T内のランドリ機器の稼働台数が4台以上か否かを判定する。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上でないと判定された場合、ステップS108に進む。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上と判定された場合、ステップS109に進む。
【0096】
<ステップS108>
ステップS108において、制御部60は、洗濯コースの運転を行うが、洗濯コースに含まれる脱水運転を通常モードで実行する。その後、制御部60は、洗濯コースの運転が終了すると、運転動作を終了する。
【0097】
<ステップS109>
ステップS109において、制御部60は、洗濯コースの運転を行うが、洗濯コースに含まれる脱水運転を静音モードで実行する。その後、制御部60は、洗濯コースの運転が終了すると、ステップS110に進む。
【0098】
<ステップS110>
ステップS110において、制御部60は、クーポン印刷装置66によりクーポンを印刷して、100円引きのクーポンを発行して、運転動作を終了する。
【0099】
<ステップS111>
図13に示すように、ステップS111において、制御部60は、運転コースとして乾燥コースが選択されて料金が支払われたか否かを判定する。制御部60により乾燥コースが選択されたと判定された場合、ステップS112に進む。制御部60により乾燥コースが選択されていないと判定された場合、図11のフローチャートのステップS101に進む。
【0100】
<ステップS112>
ステップS112において、DTC105は、コインランドリ店舗T内のランドリ機器の稼働台数が4台以上か否かを判定する。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上でないと判定された場合、ステップS113に進む。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上と判定された場合、ステップS114に進む。
【0101】
<ステップS113>
ステップS113において、制御部60は、投入金額に応じた運転時間の乾燥運転を通常モードで実行する。その後、制御部60は、乾燥コースの運転が終了すると、運転動作を終了する。
【0102】
<ステップS114>
ステップS114において、制御部60は、投入金額に応じた運転時間の乾燥運転を静音モードで実行する。その後、制御部60は、乾燥コースの運転が終了すると、ステップS115に進む。
【0103】
<ステップS115>
ステップS115において、制御部60は、クーポン印刷装置66によりクーポンを印刷して、30円×投入金額/100円引きのクーポンを発行して、運転動作を終了する。
【0104】
なお、上述したように、コインランドリ店舗Tに設置される洗濯乾燥機101は、通常モードよりも静かな静音モードでの運転を実行可能であるが、コインランドリ店舗Tに設置される乾燥機102も同様に、通常モードよりも静かな静音モードでの乾燥運転を実行可能である。乾燥機102の通常モードおよび静音モードでの乾燥運転の動作については、洗濯乾燥機101において乾燥コースが選択された場合の動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0105】
以上説明したように本実施形態のランドリシステムT101は、コインランドリ店舗Tに設置される複数のランドリ機器100と、複数のランドリ機器100を制御するためのコントローラとしてのDTC105とを備え、ランドリ機器100は、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方の運転について、通常モードでの運転と、通常モードよりも静かな静音モードでの運転を実行可能であり、DTC105は、複数のランドリ機器100について所定条件を満たした場合に、ランドリ機器100の運転を通常モードでの運転から静音モードでの運転に切り替える。
【0106】
このようにすれば、コインランドリ店舗Tにおいて、複数のランドリ機器100について所定条件を満たした場合に、ランドリ機器100の運転が通常モードよりも静かな静音モードでの運転を切り替えられる。そのため、コインランドリ店舗Tのオーナーのところに騒音の苦情がくるのを抑制することができる。
【0107】
本実施形態のランドリシステムT101において、所定条件は、コインランドリ店舗Tにおけるランドリ機器100の稼働台数が規定台数以上である状態である。
【0108】
このようにすれば、コインランドリ店舗Tにおいて多くのランドリ機器100が同時に稼働された場合に、コインランドリ店舗Tで発生する騒音が大きくなるため、そのときの騒音を低減することができる。
【0109】
本実施形態のランドリシステムT101において、コントローラとしてのDTC105は、複数のランドリ機器100のなかに含まれるランドリ機器100の稼働台数と、そのときの騒音の大きさとの関係を記憶しており、規定台数は、関係に基づいて設定される。
【0110】
このようにすれば、コインランドリ店舗Tのオーナーは、ランドリ機器100の稼働台数とそのときの騒音の大きさとの関係に基づいて、通常モードよりも静かな静音モードでの運転を切り替える規定台数を適正に設定することができる。
【0111】
本実施形態のランドリシステムT101において、互いに異なる2つの時間帯についての規定台数として、異なる台数が設定することができる。
【0112】
このようにすれば、例えば夜間の静かな時間帯と昼間の騒がしい時間帯とでは同一の大きさの騒音でも、コインランドリ店舗の近隣に住んでいる住人に対する影響が異なるため、通常モードよりも静かな静音モードでの運転を切り替える規定台数を時間帯により変えることで、コインランドリ店舗で発生する騒音を適正に抑制することができる。
【0113】
本実施形態のランドリシステムT101において、互いに異なる地域にあるコインランドリ店舗についての規定台数として、異なる台数が設定することができる。
【0114】
このようにすれば、例えば都会と田舎とでは同一の大きさの騒音でも、コインランドリ店舗の近隣に住んでいる住人に対する影響が異なる。そのため、通常モードよりも静かな静音モードでの運転を切り替える規定台数を地域により変えることで、コインランドリ店舗で発生する騒音を適正に抑制することができる。
【0115】
(第2実施形態)
本実施形態のランドリシステムT201が、第1実施形態のランドリシステムT101と主に異なる点は、通常モードでの運転と静音モードでの運転を切り替える方法である。なお、本実施形態のランドリシステムT201の構成において、第1実施形態のランドリシステムT101と同様の構成である部分については、詳細な説明は省略する。
【0116】
本実施形態のランドリシステムT201に含まれる洗濯乾燥機103において、図14に示すように、操作パネル66には、モード切替ボタン66bと、表示部66cとが設けられている。そのため、利用者は、モード切替ボタン66bを操作することにより、洗濯乾燥機103において脱水運転および乾燥運転を行う場合に、脱水運転および乾燥運転のそれぞれについて、通常モードでの運転を実行するか、静音モードでの運転を実行するかを選択することができる。そのため、コインランドリ店舗Tに来店した利用者は、例えば急いでいる場合は、通常モードを選択して、比較的時間に余裕がある場合は、静音モードを選択することができる。これにより、利用者にとっての利便性が高くなる。
【0117】
すなわち、洗濯乾燥機103において標準コースでの運転を行う場合、利用者は、モード切替ボタン66bを操作することにより、脱水運転および乾燥運転の両方について静音モードでの運転を実行することを選択することもできるし、脱水運転および乾燥運転の何れか一方について静音モードでの運転を実行することを選択することもできるし、脱水運転および乾燥運転の両方について通常モードでの運転を実行する(脱水運転および乾燥運転の両方について静音モードでの運転を実行しない)ことを選択することもできる。そのため、コインランドリ店舗Tに来店した利用者は、どの程度急いでいるとか、どの程度時間に余裕があるとかにより、脱水運転および乾燥運転の両方について静音モードにしたり、脱水運転のみについて静音モードにしたり、乾燥運転のみについて静音モードにしたり、適宜選択することできる。
【0118】
また、洗濯乾燥機103において洗濯コースでの運転を行う場合に、利用者は、モード切替ボタン66bを操作することにより、脱水運転について、通常モードでの運転を実行するか、静音モードでの運転を実行するかを選択することができる。
【0119】
また、洗濯乾燥機103において乾燥コースでの運転を行う場合に、利用者は、モード切替ボタン66bを操作することにより、乾燥運転について、通常モードでの運転を実行するか、静音モードでの運転を実行するかを選択することができる。
【0120】
本実施形態の洗濯乾燥機103では、モード切替ボタン66bを操作することにより静音モードでの運転が選択された場合に、静音モード切り替え部63は、その静音モードが選択された脱水運転または乾燥運転について静音モードでの運転に切り替えるとともに、洗濯乾燥機101の料金体系(クーポンの発行を含む)を切り替える。
【0121】
なお、本実施形態のランドリシステムT201においても、第1実施形態のランドリシステムT101と同様に、DTC105の切替台数設定部106bは、オーナーにより通常モードでの運転から静音モードでの運転に切り替える規定台数が設定されている。なお、本実施形態では、オーナーが規定台数を4台に設定した場合について説明する。そのため、利用者が、洗濯乾燥機103の脱水運転および乾燥運転のそれぞれについて、通常モードでの運転を実行することを選択しようとした場合、コインランドリ店舗T内でのランドリ機器100の稼働台数が規定台数以上でないときは、通常モードでの運転を選択することができる。これに対して、利用者が、洗濯乾燥機103の脱水運転および乾燥運転のそれぞれについて、通常モードでの運転を実行することを選択しようとした場合、コインランドリ店舗T内でのランドリ機器100の稼働台数が規定台数以上のときは、通常モードでの運転を選択することができない。その場合、「通常モードを選択することができない」との内容が、表示部66cに表示されて、利用者が、静音モードでの運転を選択すると、洗濯乾燥機103の運転を開始することができる。
【0122】
次に、洗濯乾燥機103の運転動作について、図15に基づいて説明する。
【0123】
(標準コース)
標準コースとは、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転および乾燥運転が行なわれるコースである。
(1)図15(a)に示すように、標準コースの運転時間は、脱水運転および乾燥運転の両方が通常モードで行われる場合、例えば60分間であり、利用料金は、例えば1200円である。
(2)標準コースの運転時間は、脱水運転が静音モードで行われ、且つ、乾燥運転が通常モードで行われる場合、例えば(60+α)分間であり、利用料金は、例えば1200円である。ただし、αは、正の数である。
(3)標準コースの運転時間は、脱水運転が通常モードで行われ、且つ、乾燥運転が静音モードで行われる場合、例えば(60+β)分間であり、利用料金は、例えば1200円である。ただし、βは、正の数である。
(4)標準コースの運転時間は、脱水運転および乾燥運転の両方が静音モードで行われる場合、例えば(60+α+β)分間であり、利用料金は、例えば1200円である。
【0124】
このように、洗濯乾燥機101の標準コースにおいて、脱水運転が静音モードで行われ、且つ、乾燥運転が通常モードで行われると、脱水運転時のドラム5の回転数が通常モード時のドラム5の回転数よりも小さくなり、脱水運転時の脱水能力が低くなる。そのため、脱水運転の時間が自動的に延ばされるため、標準コースの運転時間は、通常時の60分よりもα分間長くなり、(60+α)分間となる。
【0125】
同様に、洗濯乾燥機1の標準コースにおいて、脱水運転が通常モードで行われ、且つ、乾燥運転が静音モードで行われると、乾燥脱水運転時のファン57の回転数が通常モード時のファン57の回転数よりも小さくなり、乾燥運転時の乾燥能力が低くなる。そのため、乾燥運転の時間が自動的に延ばされるため、標準コースの運転時間は、通常時の60分よりもβ分間長くなり、(60+β)分間となる。
【0126】
同様に、洗濯乾燥機1の標準コースにおいて、脱水運転および乾燥運転が何れも静音モードで行われると、脱水運転時のドラム5の回転数が通常モード時のドラム5の回転数よりも小さくなり、脱水運転時の脱水能力が低くなるとともに、乾燥脱水運転時のファン57の回転数が通常モード時のファン57の回転数よりも小さくなり、乾燥運転時の乾燥能力が低くなる。そのため、脱水運転の時間及び乾燥運転の時間が自動的に延ばされるため、標準コースの運転時間は、通常時の60分よりも(α+β)分間長くなり、(60+α+β)分間となる。
【0127】
(洗濯コース)および(乾燥コース)
洗濯コース及び乾燥コースについては、図15(b)及び図15(c)に示すように、第1実施形態の洗濯乾燥機101と同様であるので説明は省略する。
【0128】
次に、洗濯乾燥機103の静音モードでの運転が行われた場合に発行されるクーポンの割引額について、図16に基づいて説明する。
【0129】
(標準コース)
図16(a)に示すように、洗濯乾燥機103の標準コースにおいて、脱水運転のみが静音モードで行われると、脱水運転が標準モードで行われる場合と比べて運転時間が延長される。そのため、洗濯乾燥機103は、延長時間の長さに応じた割引を行うために、100円引きのクーポンを発行する。
【0130】
また、洗濯乾燥機103の標準コースにおいて、乾燥運転のみが静音モードで行われると、乾燥運転が標準モードで行われる場合と比べて運転時間が延長される。そのため、洗濯乾燥機103は、延長時間の長さに応じた割引を行うために、200円引きのクーポンを発行する。本実施形態の洗濯乾燥機103の標準コースでは、乾燥運転の延長時間が脱水運転の延長時間よりも長いため、乾燥運転の延長時間「β分」は、脱水運転の延長時間「α分」よりも長い時間が設定されている。これにより、乾燥運転のみが静音モードで行われる場合の割引料金(200円)を、脱水運転のみが静音モードで行われる場合の割引料金(100円)よりも大きくしている。
【0131】
また、洗濯乾燥機103の標準コースにおいて、脱水運転および乾燥運転の両方が静音モードで行われると、脱水運転および乾燥運転の両方が標準モードで行われる場合と比べて運転時間が延長される。そのため、洗濯乾燥機103は、延長時間の長さに応じた割引を行うために、300円引き(脱水運転100円引き+乾燥運転200円引き)のクーポンを発行する。
【0132】
(洗濯コース)および(乾燥コース)
洗濯コース及び乾燥コースについては、図16(b)及び図16(c)に示すように、第1実施形態の洗濯乾燥機101と同様であるので説明は省略する。
【0133】
洗濯乾燥機103の動作について、図17図19に基づいて説明する。
【0134】
<ステップS201>
図17に示すように、ステップS201において、制御部60は、運転コースとして標準コースが選択されて料金が支払われたか否かを判定する。制御部60により標準コースが選択されたと判定された場合、ステップS202に進む。制御部60により標準コースが選択されていないと判定された場合、図18のフローチャートのステップS216に進む。
【0135】
<ステップS202>
ステップS202において、制御部60は、脱水運転について通常モードが選択されたか否かを判定する。制御部60により脱水運転について通常モードが選択されたと判定された場合、ステップS203に進む。制御部60により脱水運転について通常モードが選択されていないと判定された場合、ステップS209に進む。
【0136】
<ステップS203>
ステップS203において、DTC105は、コインランドリ店舗T内のランドリ機器の稼働台数が4台以上か否かを判定する。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上であると判定された場合、ステップS204に進む。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上でないと判定された場合、ステップS205に進む。
【0137】
<ステップS204>
ステップS204において、制御部60は、脱水運転について通常モードが選択できないことを表示部66cに表示して、ステップS202に進む。
【0138】
<ステップS205>
ステップS205において、制御部60は、乾燥運転について静音モードが選択されたか否かを判定する。制御部60により乾燥運転について静音モードが選択されていないと判定された場合、ステップS206に進む。制御部60により乾燥運転について静音モードが選択されたと判定された場合、ステップS207に進む。
【0139】
<ステップS206>
ステップS206において、制御部60は、標準コースの運転を行うが、標準コースに含まれる脱水運転および乾燥運転の両方を通常モードで実行する。その後、制御部60は、標準コースの運転が終了すると、運転動作を終了する。
【0140】
<ステップS207>
ステップS207において、制御部60は、標準コースの運転を行うが、標準コースに含まれる脱水運転を通常モードで実行して、乾燥運転を静音モードで実行する。その後、制御部60は、標準コースの運転が終了すると、ステップS208に進む。
【0141】
<ステップS208>
ステップS208において、制御部60は、クーポン印刷装置66によりクーポンを印刷して、200円引きのクーポンを発行して、運転動作を終了する。
【0142】
<ステップS209>
ステップS202において制御部60により脱水運転について静音モードが選択されたと判定された場合、ステップS209において、制御部60は、乾燥運転について通常モードが選択されたか否かを判定する。制御部60により乾燥運転について通常モードが選択されたと判定された場合、ステップS210に進む。制御部60により乾燥運転について静音モードが選択されたと判定された場合、ステップS214に進む。
【0143】
<ステップS210>
ステップS210において、DTC105は、コインランドリ店舗T内のランドリ機器の稼働台数が4台以上か否かを判定する。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上であると判定された場合、ステップS211に進む。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上でないと判定された場合、ステップS212に進む。
【0144】
<ステップS211>
ステップS211において、制御部60は、乾燥運転について通常モードが選択できないことを表示部66cに表示して、ステップS209に進む。
【0145】
<ステップS212>
ステップS212において、制御部60は、標準コースの運転を行うが、標準コースに含まれる脱水運転を静音モードで実行して、乾燥運転を通常モードで実行する。その後、ステップS213に進む。
【0146】
<ステップS213>
ステップS213において、制御部60は、クーポン印刷装置66によりクーポンを印刷して、100円引きのクーポンを発行して、運転動作を終了する。
【0147】
<ステップS214>
ステップS214において、制御部60は、標準コースの運転を行うが、標準コースに含まれる脱水運転および乾燥運転の両方を静音モードで実行する。その後、ステップS215に進む。
【0148】
<ステップS215>
ステップS215において、制御部60は、クーポン印刷装置66によりクーポンを印刷して、300円円引き(脱水運転100円引き+乾燥運転200円引き)のクーポンを発行して、運転動作を終了する。
【0149】
<ステップS216>
図18に示すように、ステップS216において、制御部60は、運転コースとして洗濯コースが選択されて料金が支払われたか否かを判定する。制御部60により洗濯コースが選択されたと判定された場合、ステップS217に進む。制御部60により洗濯コースが選択されていないと判定された場合、図19のフローチャートのステップS223に進む。
【0150】
<ステップS217>
ステップS217において、制御部60は、脱水運転について通常モードが選択されたか否かを判定する。制御部60により脱水運転について通常モードが選択されたと判定された場合、ステップS218に進む。制御部60により脱水運転について通常モードが選択されていないと判定された場合、ステップS221に進む。
【0151】
<ステップS218>
ステップS218において、DTC105は、コインランドリ店舗T内のランドリ機器の稼働台数が4台以上か否かを判定する。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上であると判定された場合、ステップS219に進む。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上でないと判定された場合、ステップS220に進む。
【0152】
<ステップS219>
ステップS219において、制御部60は、乾燥運転について通常モードが選択できないことを表示部66cに表示して、ステップS217に進む。
【0153】
<ステップS220>
ステップS220において、制御部60は、洗濯コースの運転を行うが、洗濯コースに含まれる脱水運転を通常モードで実行する。その後、制御部60は、洗濯コースの運転が終了すると、運転動作を終了する。
【0154】
<ステップS221>
ステップS221において、制御部60は、洗濯コースの運転を行うが、洗濯コースに含まれる脱水運転を静音モードで実行する。その後、ステップS222に進む。
【0155】
<ステップS222>
ステップS222において、制御部60は、クーポン印刷装置66によりクーポンを印刷して、100円引きのクーポンを発行して、運転動作を終了する。
【0156】
<ステップS223>
図19に示すように、ステップS223において、制御部60は、運転コースとして乾燥コースが選択されて料金が支払われたか否かを判定する。制御部60により乾燥コースが選択されたと判定された場合、ステップS224に進む。制御部60により洗濯コースが選択されていないと判定された場合、図17のフローチャートのステップS201に進む。
【0157】
<ステップS224>
ステップS224において、制御部60は、乾燥運転について通常モードが選択されたか否かを判定する。制御部60により乾燥運転について通常モードが選択されたと判定された場合、ステップS225に進む。制御部60により乾燥運転について通常モードが選択されていないと判定された場合、ステップS228に進む。
【0158】
<ステップS225>
ステップS225において、DTC105は、コインランドリ店舗T内のランドリ機器の稼働台数が4台以上か否かを判定する。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上であると判定された場合、ステップS226に進む。DTC105によりランドリ機器の稼働台数が4台以上でないと判定された場合、ステップS227に進む。
【0159】
<ステップS226>
ステップS226において、制御部60は、乾燥運転について通常モードが選択できないことを表示して、ステップS224に進む。
【0160】
<ステップS227>
ステップS227において、制御部60は、乾燥コースの乾燥運転を通常モードで実行する。その後、制御部60は、乾燥コースの乾燥運転が終了すると、運転動作を終了する。
【0161】
<ステップS228>
ステップS228において、制御部60は、乾燥コースの運転を行うが、乾燥コースに含まれる乾燥運転を静音モードで実行する。その後、ステップS229に進む。
【0162】
<ステップS229>
ステップS229において、制御部60は、クーポン印刷装置66によりクーポンを印刷して、30円×投入金額/100円引きのクーポンを発行して、運転動作を終了する。
【0163】
本実施形態のランドリシステムT201では、第1実施形態のランドリシステムT101と同様の効果が得られる。
【0164】
本実施形態のランドリシステムT201において、洗濯乾燥機103では、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方の運転について、通常モードでの運転と静音モードでの運転とを切り替えるモード切換手段としてのモード切換ボタン66bが設けられる。
【0165】
このようにすれば、洗濯乾燥機103の利用者が、脱水運転および乾燥運転について、通常モードでの運転を実行するか静音モードでの運転を実行するかを選択することができる。
【0166】
(第3実施形態)
本実施形態のランドリシステムT301が、第1実施形態のランドリシステムT101と主に異なる点は、通常モードでの運転と静音モードでの運転を切り替える方法である。なお、本実施形態のランドリシステムT301の構成において、第1実施形態のランドリシステムT101と同様の構成である部分については、詳細な説明は省略する。
【0167】
図20に示すように、本実施形態のランドリシステムT301では、騒音測定装置108が設置されており、騒音測定装置108は、コインランドリ店舗Tに設置されたDTC105に接続される。騒音測定装置108は、コインランドリ店舗Tで発生する騒音の大きさを測定するものである。コインランドリ店舗Tでは、図21に示すように、洗濯乾燥機101に接続された排気管160が共通排気管161に接続されており、洗濯機本体2内の空気は、排気管160および共通排気管161を介して屋外へ排気される。洗濯乾燥機101において騒音が最も大きくなるのは、乾燥運転時の排気音であるため、騒音測定装置108は、共通排気管161の排気口161a近傍に設置される。なお、コインランドリ店舗Tにおいて、騒音測定装置108を設置する場所は、任意に変更してもよい。
【0168】
なお、図21では、1台の洗濯乾燥機101を図示しているが、コインランドリ店舗Tに設置された複数のランドリ機器100(洗濯乾燥機101および乾燥機102)は、それぞれ排気管160を介して共通排気管161に接続される。
【0169】
DTC105は、騒音閾値設定部106cを有している。騒音閾値設定部106cは、オーナーにより通常モードでの運転から静音モードでの運転に切り替えるための騒音の閾値を記憶している。すなわち、オーナーは、コインランドリ店舗Tにおいて複数のランドリ機器100が同時に稼働されて騒音が大きくなった場合に許容可能な騒音の上限値を閾値として記憶する。
【0170】
そのため、本実施形態のランドリシステムT301では、コインランドリ店舗Tにおいて複数のランドリ機器100が同時に稼働されることにより、騒音測定装置108で測定される騒音の大きさが、騒音閾値設定部106cに記憶された閾値を超えると、DTC105からコインランドリ店舗T内に設置された複数のランドリ機器100に信号が送信されて、各ランドリ機器100の静音モード切り替え部63は、各ランドリ機器100での脱水運転および乾燥運転を自動的に静音モードでの運転に切り替えるとともに、ランドリ機器100の料金体系を切り替える。本実施形態では、騒音測定装置108で測定される騒音の大きさが、騒音閾値設定部106cに記憶された閾値を超えた場合に、そのとき稼働しているランドリ機器100の全てが、自動的に静音モードでの運転に切り替えられる。
【0171】
また、多くのコインランドリ店舗Tがさまざまな地域に設置されているが、コインランドリ店舗Tで発生した騒音の大きさが同一であっても、地域によって騒音の影響度が異なる場合がある。例えば、都会に設置されたコインランドリ店舗Tでは、コインランドリ店舗Tの周囲に住宅地が密集しているため、コインランドリ店舗Tで発生した騒音が問題となる場合が多い。これに対して、田舎に設置されたコインランドリ店舗Tでは、コインランドリ店舗Tの周囲に住宅地が密集していないため、コインランドリ店舗Tで発生した騒音がそれほど問題でない場合がある。一方、都会に設置されたコインランドリ店舗Tでは、コインランドリ店舗Tの周囲が騒がしいため(暗騒音が大きいため)、コインランドリ店舗Tで発生した騒音がそれほど問題でない場合がある。これに対して、田舎に設置されたコインランドリ店舗Tでは、コインランドリ店舗Tの周囲が静かなため(暗騒音が小さいため)、コインランドリ店舗Tで発生した騒音が問題となることも考えられる。そのため、コインランドリ店舗Tのオーナーは、コインランドリ店舗Tが設置された地域を考慮して、規定台数を設定することが好適である。
【0172】
また、ランドリ機器100の稼働台数が増加していき、騒音測定装置108で測定される騒音の大きさが閾値に近づいた場合に、その後、新たに運転が開始されるランドリ機器100から静音モードでの運転に切り替えてもよい。すなわち、騒音測定装置108で測定される騒音の大きさが閾値に近づいた状態で、新たにランドリ機器100の運転を開始すると、騒音測定装置108で測定される騒音の大きさが閾値を超えると考えられるため、その後、新たに運転が開始されるランドリ機器100から静音モードでの運転に切り替えてもよい。
【0173】
なお、コインランドリ店舗TのDTC105において、騒音測定装置108で測定した騒音の大きさと、そのときのランドリ機器100の稼働台数、ランドリ機器100の運転の種類(例えば脱水運転や乾燥運転など)との関係を店舗ごとに学習することで、騒音測定装置108で騒音を測定しないで、ランドリ機器100の稼働台数、ランドリ機器100の運転の種類に基づいて、静音モードでの運転に切り替えてもよい。
【0174】
本実施形態のランドリシステムT301では、第1実施形態のランドリシステムT101と同様の効果が得られる。
【0175】
本実施形態のランドリシステムT301において、コインランドリ店舗Tには、騒音の大きさを測定する騒音測定手段である騒音測定装置108が設置されており、所定条件は、騒音測定装置108で測定された騒音の大きさがあらかじめ設定された閾値を超えた状態である。
【0176】
この場合、コインランドリ店舗Tで発生する騒音を測定した測定結果に基づいて、通常モードよりも静かな静音モードでの運転に適正に切り替えることができる。
【0177】
本実施形態のランドリシステムT301において、ランドリ機器100は、ドラム5を収容する洗濯機本体2と、洗濯機本体2と屋外とを連通させる排気管160,161と、排気管160,161を介して洗濯機本体2内の空気を屋外へ排気するファン57とを備え、騒音測定手段である騒音測定装置108は、排気管161の排気口161a近傍に設置される。
【0178】
この場合、ランドリ機器100の乾燥運転時に大きな騒音を発生する排気管161の排気口161a近傍に騒音測定装置108を設置することにより、コインランドリ店舗Tで発生する騒音を適正に測定することができる。
【0179】
(第4実施形態)
本実施形態のランドリシステムT401が、第1実施形態のランドリシステムT101と主に異なる点は、通常モードでの運転と静音モードでの運転を切り替える方法である。なお、本実施形態のランドリシステムT401の構成において、第1実施形態のランドリシステムT101と同様の構成である部分については、詳細な説明は省略する。
【0180】
本実施形態のランドリシステムT401において、コインランドリ店舗Tには、複数のランドリ機器100が設置されており、複数のランドリ機器100は、DTC105に接続されている。そのため、DTC105は、複数のランドリ機器100から送信される信号により、複数のランドリ機器100が稼働しているか否かを検知可能であるとともに、どのような運転をしているかを検知可能である。
【0181】
図22に示すように、本実施形態のランドリシステムT401において、DTC105は、切替台数設定部106aを有している。
【0182】
切替台数設定部106aは、オーナーによりコインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100の脱水運転が同時に稼働した場合に運転パターンを切り替える規定台数が設定されている。すなわち、オーナーは、規定台数のランドリ機器100の脱水運転が同時に稼働した場合の騒音の大きさは許容されないと判断した場合は、その規定台数を設定する。なお、本実施形態では、オーナーが規定台数を4台に設定した場合について説明する。すると、コインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100が3台稼働した状態で、新たに1台のランドリ機器100が稼働される場合、DTC105から新たに稼働される1台のランドリ機器100に送信されて、新たに稼働されるランドリ機器100の脱水運転について静音モードでの運転が行われる。なお、本実施形態では、コインランドリ店舗Tにおいて新たにランドリ機器100が稼働されると、規定台数の洗濯乾燥機101の脱水運転が同時に稼働された状態となる場合に、新たにランドリ機器100での各運転コースでの運転が開始されるとき(料金が支払われて各運転コースでの運転が開始されるとき)に、その各運転コースに含まれる脱水運転が静音モードでの運転に切り替えられる。
【0183】
例えば、図23に示すように、3台の洗濯乾燥機A1、A2、A3が標準コースでの運転が行われている状態で、新たに洗濯乾燥機A4が標準コースでの運転を開始する場合について説明する。
【0184】
洗濯乾燥機A1は、時刻t1で運転を開始され、洗濯乾燥機A2は、時刻t2で運転を開始され、洗濯乾燥機A3は、時刻t3で運転を開始されたものとする。標準コースでの運転では、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転、乾燥運転が順に実行され、各運転時間は、あらかじめ設定されている。このように、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転、乾燥運転があらかじめ設定された運転時間で実行される場合を(通常の運転パターン)とする。乾燥運転の運転時間は、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転の各運転時間よりも長く設定されている。
【0185】
3台の洗濯乾燥機A1、A2、A3が稼働している状態で、新たに洗濯乾燥機A4の運転が時刻t4において開始される場合、洗濯乾燥機A4の運転が(通常の運転パターン)で実行されると、時刻t5からt6までの時間帯N1において、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われるため、コインランドリ店舗Tで発生する騒音が非常に大きくなると考えられる。そのため、本実施形態のランドリシステムT401では、新たに運転を開始する洗濯乾燥機A4の脱水運転が、静音モードでの運転に切り替えられる。
【0186】
本実施形態のランドリシステムT401では、第1実施形態のランドリシステムT101と同様の効果が得られる。
【0187】
本実施形態のランドリシステムT401において、所定条件は、コインランドリ店舗Tにおけるランドリ機器100の脱水運転の稼働台数が規定台数以上である状態である。
【0188】
この場合、ランドリ機器100の脱水運転時の振動音がコインランドリ店舗Tで発生する騒音の主な原因である場合に、そのコインランドリ店舗Tで発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0189】
(第4実施形態の変形例)
第4実施形態のランドリシステムT401では、多くのランドリ機器の脱水運転が同時に行われる場合に脱水運転が静音モードでの運転に切り替えられるのに対して、本変形例のランドリシステムT401aでは、多くのランドリ機器の乾燥運転が同時に行われる場合に乾燥運転が静音モードでの運転に切り替えられる点である。なお、本変形例のランドリシステムT401aの構成において、第4実施形態のランドリシステムT401と同様の構成である部分については、詳細な説明は省略する。
【0190】
本変形例のランドリシステムT401aにおいて、DTC105は、切替台数設定部106aを有している。
【0191】
切替台数設定部106aは、オーナーによりコインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100の乾燥運転が同時に稼働した場合に運転パターンを切り替える規定台数が設定されている。すなわち、オーナーは、規定台数のランドリ機器100の乾燥運転が同時に稼働した場合の騒音の大きさは許容されないと判断した場合は、その規定台数を設定する。なお、本実施形態では、オーナーが規定台数を4台に設定した場合について説明する。すると、コインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100が3台稼働した状態で、新たに1台のランドリ機器100が稼働される場合、DTC105から新たに稼働される1台のランドリ機器100に送信されて、新たに稼働されるランドリ機器100の乾燥運転について静音モードでの運転が行われる。なお、本実施形態では、コインランドリ店舗Tにおいて新たにランドリ機器100が稼働されると、規定台数の洗濯乾燥機101の乾燥運転が同時に稼働された状態となる場合に、新たにランドリ機器100での各運転コースでの運転が開始されるとき(料金が支払われて各運転コースでの運転が開始されるとき)に、その各運転コースに含まれる乾燥運転が静音モードでの運転に切り替えられる。
【0192】
例えば、図24に示すように、3台の洗濯乾燥機A1、A2、A3が標準コースでの運転が行われている状態で、新たに洗濯乾燥機A4が標準コースでの運転を開始する場合について説明する。
【0193】
洗濯乾燥機A1は、時刻t1で運転を開始され、洗濯乾燥機A2は、時刻t2で運転を開始され、洗濯乾燥機A3は、時刻t3で運転を開始されたものとする。標準コースでの運転では、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転、乾燥運転が順に実行され、各運転時間は、あらかじめ設定されている。このように、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転、乾燥運転があらかじめ設定された運転時間で実行される場合を(通常の運転パターン)とする。乾燥運転の運転時間は、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転の各運転時間よりも長く設定されている。
【0194】
3台の洗濯乾燥機A1、A2、A3が稼働している状態で、新たに洗濯乾燥機A4の運転が時刻t4において開始される場合、洗濯乾燥機A4の運転が(通常の運転パターン)で実行されると、時刻t5からt6までの時間帯N1において、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われるため、コインランドリ店舗Tで発生する騒音が非常に大きくなると考えられる。そのため、本変形例のランドリシステムT401aでは、新たに運転を開始する洗濯乾燥機A4の乾燥運転が、静音モードでの運転に切り替えられる。
【0195】
本変形例のランドリシステムT401aでは、第1実施形態のランドリシステムT101と同様の効果が得られる。
【0196】
本変形例のランドリシステムT401aにおいて、所定条件は、コインランドリ店舗Tにおけるランドリ機器100の乾燥運転の稼働台数が規定台数以上である状態である。
【0197】
この場合、ランドリ機器100の乾燥運転時の排気音がコインランドリ店舗Tで発生する騒音の主な原因である場合に、そのコインランドリ店舗Tで発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0198】
(第5実施形態)
本実施形態のランドリシステムT501が、第1実施形態のランドリシステムT101と主に異なる点は、ランドリシステムT101では、多くのランドリ機器の運転が同時に行われる場合に静音モードでの運転が行われるのに対して、ランドリシステムT501では、多くのランドリ機器の脱水運転が同時に行われる場合に脱水運転が行われるタイミングがずらされる点である。なお、本実施形態のランドリシステムT501の構成において、第1実施形態のランドリシステムT101と同様の構成である部分については、詳細な説明は省略する。図25では、第1実施形態と同様に、脱水運転および乾燥運転について静音モードでの運転が実行可能な洗濯乾燥機101を図示しているが、本実施形態のランドリシステムT501において、ランドリ機器100は、脱水運転および乾燥運転について静音モードでの運転が必ずしも実行可能でなくてもよい。
【0199】
本実施形態のランドリシステムT501において、コインランドリ店舗Tには、複数のランドリ機器100が設置されており、複数のランドリ機器100は、DTC105に接続されている。そのため、DTC105は、複数のランドリ機器100から送信される信号により、複数のランドリ機器100が稼働しているか否かを検知可能であるとともに、どのような運転をしているかを検知可能である。
【0200】
図25に示すように、本実施形態のランドリシステムT501において、DTC105は、切替台数設定部506aと、運転パターン変更部506bとを有している。
【0201】
切替台数設定部506aは、オーナーによりコインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100の脱水運転が同時に稼働した場合に運転パターンを切り替える規定台数が設定されている。すなわち、オーナーは、規定台数のランドリ機器100の脱水運転が同時に稼働した場合の騒音の大きさは許容されないと判断した場合は、その規定台数を設定する。なお、本実施形態では、オーナーが規定台数を4台に設定した場合について説明する。すると、コインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100が3台稼働した状態で、新たに1台のランドリ機器100が稼働される場合、DTC105から新たに稼働される1台のランドリ機器100に運転パターンの変更信号が送信されて、運転パターンが変更される。なお、本実施形態では、コインランドリ店舗Tにおいて新たにランドリ機器100が稼働されると、規定台数の洗濯乾燥機101の脱水運転が同時に稼働された状態となる場合に、ランドリ機器100での各運転コースでの運転が開始されるとき(料金が支払われて各運転コースでの運転が開始されるとき)に、その各運転コースに含まれる脱水運転が行われるタイミングが自動的に変更される。
【0202】
運転パターン変更部506bは、新たに稼働される1台のランドリ機器100の運転パターンが変更される場合に、運転パターンの変更方法を記憶している。運転パターンの変更方法については、後で説明する。
【0203】
例えば、図26に示すように、3台の洗濯乾燥機A1、A2、A3が標準コースでの運転が行われている状態で、新たに洗濯乾燥機A4が標準コースでの運転を開始する場合について説明する。
【0204】
洗濯乾燥機A1は、時刻t1で運転を開始され、洗濯乾燥機A2は、時刻t2で運転を開始され、洗濯乾燥機A3は、時刻t3で運転を開始されたものとする。標準コースでの運転では、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転、乾燥運転が順に実行され、各運転時間は、あらかじめ設定されている。このように、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転、乾燥運転があらかじめ設定された運転時間で実行される場合を(通常の運転パターン)とする。乾燥運転の運転時間は、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転の各運転時間よりも長く設定されている。
【0205】
3台の洗濯乾燥機A1、A2、A3が稼働している状態で、新たに洗濯乾燥機A4の運転が時刻t4において開始される場合、洗濯乾燥機A4の運転が(通常の運転パターン)で実行されると、時刻t7からt9までの時間帯N1において、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われるため、コインランドリ店舗Tで発生する騒音が非常に大きくなると考えられる。そのため、本実施形態のランドリシステムT401では、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われないように、または、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われる時間が(通常の運転パターン)の場合よりも短くなるように、新たに運転を開始する洗濯乾燥機A4において脱水運転が行われるタイミングをずらす制御が行われる。
【0206】
新たに運転を開始する洗濯乾燥機A4において脱水運転が行われるタイミングをずらす制御は、任意であるが、例えば下記の(運転パターン1)~(運転パターン3)など、種々のパターンが考えられる。
【0207】
例えば、図26に示した(運転パターン1)では、洗濯乾燥機A4の運転がt4で開始され、時刻t7までに洗い運転、濯ぎ運転が終了した後、時刻t7からt8までの時間帯N2において運転が中断されて、時刻t9から脱水運転が開始される。このように、洗濯乾燥機A4の脱水運転が時刻t9から再開された場合でも、洗濯乾燥機A1の脱水運転が時刻t9までに終了しているため、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われない。
【0208】
また、図26に示した(運転パターン2)では、洗濯乾燥機A4の運転がt4で開始されると、洗い運転が時刻t5で終了しないで時刻t6まで延長して行われる。その後、時刻t9までに濯ぎ運転が終了した後、脱水運転が時刻t9から開始される。このように、洗濯乾燥機A4の脱水運転が時刻t9から開始された場合でも、洗濯乾燥機A1の脱水運転が時刻t9までに終了しているため、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われない。
【0209】
また、図26に示した(運転パターン3)では、洗濯乾燥機A4の運転がt4で開始され、時刻t7までに洗い運転、濯ぎ運転が終了した後、時刻t7からt8までの時間帯N4において運転が中断されて、時刻t8から脱水運転が開始される。このように、洗濯乾燥機A4の脱水運転が時刻t8から再開された場合、時刻t8からt9までの時間帯N5において4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われる。ただし、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われる時間帯N5は、洗濯乾燥機A4の運転が(通常の運転パターン)で実行される場合に4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われる時間帯N1よりも短い。
【0210】
本変形例のランドリシステムT501では、第1実施形態のランドリシステムT101と同様の効果が得られる。
【0211】
(第5実施形態の変形例)
第5実施形態のランドリシステムT501では、多くのランドリ機器の脱水運転が同時に行われる場合に脱水運転が行われるタイミングがずらされるのに対して、本変形例のランドリシステムT501aでは、多くのランドリ機器の乾燥運転が同時に行われる場合に乾燥運転が行われるタイミングがずらされる点である。なお、本変形例のランドリシステムT501aの構成において、第4実施形態のランドリシステムT501と同様の構成である部分については、詳細な説明は省略する。
【0212】
本変形例のランドリシステムT501aにおいて、DTC105は、切替台数設定部506aと、運転パターン変更部506bとを有している。
【0213】
切替台数設定部506aは、オーナーによりコインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100の乾燥運転が同時に稼働した場合に運転パターンを切り替える規定台数が設定されている。すなわち、オーナーは、規定台数のランドリ機器100の乾燥運転が同時に稼働した場合の騒音の大きさは許容されないと判断した場合は、その規定台数を設定する。なお、本実施形態では、オーナーが規定台数を4台に設定した場合について説明する。すると、コインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100が3台稼働した状態で、新たに1台のランドリ機器100が稼働される場合、DTC105から新たに稼働される1台のランドリ機器100に送信されて、運転パターンが変更される。なお、本実施形態では、コインランドリ店舗Tにおいて新たにランドリ機器100が稼働されると、規定台数の洗濯乾燥機101の乾燥運転が同時に稼働された状態となる場合に、ランドリ機器100での各運転コースでの運転が開始されるとき(料金が支払われて各運転コースでの運転が開始されるとき)に、その各運転コースに含まれる脱水運転が行われるタイミングが自動的に変更される。
【0214】
運転パターン変更部506bは、新たに稼働される1台のランドリ機器100の運転パターンが変更される場合に、運転パターンの変更方法を記憶している。運転パターンの変更方法については、後で説明する。
【0215】
例えば、図27に示すように、3台の洗濯乾燥機A1、A2、A3が標準コースでの運転が行われている状態で、新たに洗濯乾燥機A4が標準コースでの運転を開始する場合について説明する。
【0216】
洗濯乾燥機A1は、時刻t1で運転を開始され、洗濯乾燥機A2は、時刻t2で運転を開始され、洗濯乾燥機A3は、時刻t3で運転を開始されたものとする。標準コースでの運転では、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転、乾燥運転が順に実行され、各運転時間は、あらかじめ設定されている。このように、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転、乾燥運転があらかじめ設定された運転時間で実行される場合を(通常の運転パターン)とする。乾燥運転の運転時間は、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転の各運転時間よりも長く設定されている。
【0217】
3台の洗濯乾燥機A1、A2、A3が稼働している状態で、新たに洗濯乾燥機A4の運転が時刻t4において開始される場合、洗濯乾燥機A4の運転が(通常の運転パターン)で実行されると、時刻t8からt11までの時間帯N1において、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われるため、コインランドリ店舗Tで発生する騒音が非常に大きくなると考えられる。そのため、本変形例のランドリシステムT401では、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる時間が(通常の運転パターン)の場合よりも短くなるように、または、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われないように、新たに運転を開始する洗濯乾燥機A4において乾燥運転が行われるタイミングをずらす制御が行われる。
【0218】
新たに運転を開始する洗濯乾燥機A4において乾燥運転が行われるタイミングをずらす制御は、任意であるが、例えば下記の(運転パターン1)~(運転パターン3)など、種々のパターンが考えられる。
【0219】
例えば、図27に示した(運転パターン1)では、洗濯乾燥機A4の運転がt4で開始され、時刻t8までに洗い運転、濯ぎ運転が終了した後、時刻t8からt9までの時間帯N2において運転が中断されて、時刻t9から乾燥運転が開始される。このように、洗濯乾燥機A4の乾燥運転が時刻t9から再開された場合、時刻t9からt11までの時間帯N3において4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる。ただし、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる時間帯N3は、洗濯乾燥機A4の運転が(通常の運転パターン)で実行される場合に4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる時間帯N1よりも短い。
【0220】
また、図27に示した(運転パターン2)では、洗濯乾燥機A4の運転がt4で開始されると、洗い運転が時刻t5で終了しないで時刻t6まで延長して行われる。その後、時刻t10までに濯ぎ運転、脱水運転が終了した後、脱水運転が時刻t10から開始される。このように、洗濯乾燥機A4の乾燥運転が時刻t10から再開された場合、時刻t10からt11までの時間帯N5において4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる。ただし、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる時間帯N5は、洗濯乾燥機A4の運転が(通常の運転パターン)で実行される場合に4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる時間帯N1よりも短い。なお、図27では、時間帯N5が時間帯N3よりも短い場合を示している。
【0221】
また、図27に示した(運転パターン3)では、洗濯乾燥機A4の運転がt4で開始され、時刻t8までに洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転が終了した後、時刻t8からt11までの時間帯N6において運転が中断されて、時刻t11から乾燥運転が開始される。このように、洗濯乾燥機A4の乾燥運転が時刻t11から再開された場合でも、洗濯乾燥機A1の乾燥運転が時刻t11までに終了しているため、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われない。
【0222】
第5実施形態のランドリシステムT501と、第5実施形態の変形例のランドリシステムT501aにおいて、標準コースの乾燥運転の運転時間が脱水運転の運転時間よりも長く設定されている。そのため、上記第5実施形態において、洗濯乾燥機A4の脱水運転が行われるタイミングをずらして、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われないようにしても標準コース全体の運転時間が延長される時間は比較的短いが、上記第5実施形態の変形例において、洗濯乾燥機A4の乾燥運転が行われるタイミングをずらして、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われないようにすると、標準コース全体の運転時間が延長される時間は比較的長い。
【0223】
よって、上記第5実施形態の変形例では、洗濯乾燥機A4の脱水運転が行われるタイミングをずらして4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われないようにするよりも、洗濯乾燥機A4の脱水運転が行われるタイミングをずらして4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる時間が(通常の運転パターン)の場合よりも短くなるようにした方が、ランドリ装置100の利用者にとって標準コース全体の運転時間がそれほど延長されないため、利便性が高い。
【0224】
本変形例のランドリシステムT501aでは、第1実施形態のランドリシステムT101と同様の効果が得られる。
【0225】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0226】
例えば上記第1実施形態では、コインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100が規定台数である4台稼働した場合に、通常モードでの運転から静音モードでの運転に切り替えるための所定条件は、任意に設定してよい。所定条件を、ランドリ機器の稼働台数が規定台数以上で設定する場合でも、規定台数は4台に限られず、任意に設定してよい。
【0227】
上記第1実施形態では、コインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100が規定台数である4台稼働した場合に、洗濯乾燥機101の標準コースに含まれる脱水運転及び乾燥運転の両方について静音モードでの運転が実行されるが、脱水運転及び乾燥運転の一方の運転について静音モードでの運転が実行されてもよい。すなわち、コインランドリ店舗Tにおいて、脱水運転の騒音が問題となる場合は、脱水運転のみについて静音モードでの運転が実行されるようにして、乾燥運転の騒音が問題となる場合は、乾燥運転のみについて静音モードでの運転が実行されるようにしてもよい。
【0228】
上記第1~第4実施形態では、静音モード設定部62に記憶されるドラム5の回転数A2およびファン57の回転数C2が、あらかじめコインランドリ店舗Tのオーナーにより設定されているが、それに限られない。コインランドリ店舗Tのエリアによって騒音レベルが異なるため、例えば、回転数を2~3段階等のレベル設定にオーナーが調整できてもよい。
【0229】
上記第1~第4実施形態では、ランドリ機器100としての洗濯乾燥機101、103および乾燥機102について説明したが、本発明は、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方を実行可能なランドリ機器に適用できる。
【0230】
上記第1~第4実施形態では、ランドリ機器100が料金精算機有しており、ランドリ機器100ごとのローカル決済が行われる場合について説明したが、それに限られない。コインランドリ店舗Tにおいて、ランドリ機器100は、集中決済端末における集中決済が行われてもよい。また、コインランドリ店舗Tにおいて、ランドリ機器100ごとのローカル決済と集中決済端末における集中決済とを併用してもよい。
【0231】
上記第3実施形態では、騒音測定装置108が、共通排気管161の排気口161a近傍に設置されるが、騒音測定装置108の設置箇所は任意である。騒音測定装置108は、例えばコインランドリ店舗T内に設置されてもよい。
【0232】
上記第1~第4実施形態では、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方が静音モードでの運転が実行された場合に、所定金額が料金から割り引かれるクーポンが発行されるが、それに限られない。静音モードでの運転が実行された場合にクーポンを発行しなくてもよい。また、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方が静音モードでの運転が実行された場合に、所定金額に対して所定の割引率の金額が割り引かれるクーポンが発行されてもよい。
【0233】
上記第1~第4実施形態では、脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方が静音モードでの運転が実行された場合にクーポンが発行されるが、それに限られない。脱水運転および乾燥運転の少なくとも一方が静音モードでの運転が実行された場合に、クーポンを発行する代わりに、料金を割引いて、運転コースの料金を低額に変更してもよい。この場合、静音モードにおいて脱水能力または乾燥能力が低くなる分、運転時間を延長することにより、単位金額あたりの運転時間を自動で変更(延長)することができる。また、例えば「静音モードを利用した場合に料金が低額になる」という情報を宣伝広告に使用することで、コインランドリ店舗Tへの来客数を増加させることができる。
【0234】
具体的には、図28に示すように、第1実施形態の洗濯乾燥機101において、標準コースの場合、脱水運転および乾燥運転の両方が通常モードで実行されるときに料金が1200円に対して、脱水運転および乾燥運転の両方が静音モードで実行されるときに料金を900円に低額に変更してもよい。同様に、洗濯コースの場合、脱水運転が通常モードで実行されるときに料金が800円に対して、脱水運転が静音モードで実行されるときに料金を700円に低額に変更してもよい。同様に、乾燥コースの場合、乾燥運転が通常モードで実行されるときに料金が100円に対して、乾燥運転が静音モードで実行されるときに料金を70円に低額に変更してもよい。
【0235】
また、図29に示すように、第2実施形態の洗濯乾燥機103において、標準コースの場合、脱水運転および乾燥運転の両方が通常モードで実行されるときに料金が1200円に対して、脱水運転のみが静音モードで実行されるときに料金を1100円に低額に変更し、乾燥運転のみが静音モードで実行されるときに料金を1000円に低額に変更し、脱水運転および乾燥運転の両方が静音モードで実行されるときに料金を900円に低額に変更してもよい。同様に、洗濯コースの場合、脱水運転が通常モードで実行されるときに料金が800円に対して、脱水運転が静音モードで実行されるときに料金を700円に低額に変更してもよい。同様に、乾燥コースの場合、乾燥運転が通常モードで実行されるときに料金が100円に対して、乾燥運転が静音モードで実行されるときに料金を70円に低額に変更してもよい。
【0236】
なお、本明細書で説明した各運転コースの運転時間や料金、割引金額などは、例であり、任意に設定してもよい。
【0237】
上記第4実施形態では、コインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100が3台稼働した状態で、新たに1台のランドリ機器100が稼働される場合、新たに稼働されるランドリ機器100の脱水運転の全体について静音モードでの運転が行われるが、それに限られない。例えば、図23において、洗濯乾燥機A1の脱水運転が時刻t6において終了するため、洗濯乾燥機A4の脱水運転が時刻t5で開始された後、時刻t5から時刻t6まで静音モードでの運転を行って、時刻t6から通常モードでの運転を行ってもよい。
【0238】
上記第4実施形態の変形例では、コインランドリ店舗Tにおいてランドリ機器100が3台稼働した状態で、新たに1台のランドリ機器100が稼働される場合、新たに稼働されるランドリ機器100の乾燥運転の全体について静音モードでの運転が行われるが、それに限られない。例えば、図24において、洗濯乾燥機A1の乾燥運転が時刻t6において終了するため、洗濯乾燥機A4の乾燥運転が時刻t5で開始された後、時刻t5から時刻t6まで静音モードでの運転を行って、時刻t6から通常モードでの運転を行ってもよい。
【0239】
上記第5実施形態では、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われる場合に、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われないように、または、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われる時間が(通常の運転パターン)の場合よりも短くなるように、新たに運転を開始する洗濯乾燥機A4において脱水運転が行われるタイミングをずらす制御が行われたが、それに限られない。例えば、4台の洗濯乾燥機A1~A4の脱水運転が同時に行われる場合に、新たに運転を開始する洗濯乾燥機A4の脱水運転について静音モードでの運転が行われてもよい。この場合、ランドリ機器の脱水運転時の振動音がコインランドリ店舗で発生する騒音の主な原因である場合に、そのコインランドリ店舗で発生する騒音を低減することができる。
【0240】
上記第5実施形態の変形例では、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる場合に、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われないように、または、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる時間が(通常の運転パターン)の場合よりも短くなるように、新たに運転を開始する洗濯乾燥機A4において乾燥運転が行われるタイミングをずらす制御が行われたが、それに限られない。例えば、4台の洗濯乾燥機A1~A4の乾燥運転が同時に行われる場合に、新たに運転を開始する洗濯乾燥機A4の乾燥運転について静音モードでの運転が行われてもよい。この場合、ランドリ機器の乾燥運転時の排気音がコインランドリ店舗で発生する騒音の主な原因である場合に、そのコインランドリ店舗で発生する騒音を低減することができる。
【0241】
上記第5実施形態では、図26に示した(運転パターン2)において、洗い運転の運転時間を(通常の運転パターン)の運転時間よりも延長して、脱水運転が時刻t9から開始されるようにしたが、それに限られない。例えば、濯ぎ運転の運転時間を(通常の運転パターン)の運転時間よりも延長して、脱水運転が時刻t9から開始されるようにしてもよい。また、洗い運転と濯ぎ運転をそれぞ等に延長して、脱水運転が時刻t9から開始されるようにしてもよい。
【0242】
上記第5実施形態の変形例では、図27に示した(運転パターン2)において、洗い運転の運転時間を(通常の運転パターン)の運転時間よりも延長して、乾燥運転が時刻t10から開始されるようにしたが、それに限られない。例えば、濯ぎ運転または脱水運転の運転時間を(通常の運転パターン)の運転時間よりも延長して、脱水運転が時刻t10から開始されるようにしてもよい。また、洗い運転と濯ぎ運転と脱水運転をそれぞれ均等に延長して脱水運転が時刻10から開始されるようにしてもよい。
【0243】
また、上記第5実施形態の変形例では、図27に示した(運転パターン3)において、洗い運転、濯ぎ運転、脱水運転が終了した後、運転が中断されて、時刻t11から乾燥運転が開始されるようにしたが、それに限られない。例えば、洗い運転、濯ぎ運転及び脱水運転の運転時間の少なくとも1つの運転時間を(通常の運転パターン)の運転時間よりも延長して、乾燥運転が時刻t11から開始されるようにしてもよい。その場合、洗い運転と濯ぎ運転と脱水運転をそれぞれ均等に延長して乾燥運転が時刻11から開始されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0244】
2 洗濯機本体
5 ドラム
57 ファン
100 ランドリ機器
101 洗濯乾燥機
102 乾燥機
103 洗濯乾燥機
105 DTC(コントローラ)
108 騒音測定装置(騒音測定手段)
160 排気管
161 共通排気管(排気管)
161a 排気口
T コインランドリ店舗
T101 ランドリシステム
T201 ランドリシステム
T301 ランドリシステム
T401 ランドリシステム
T401a ランドリシステム
T501 ランドリシステム
T501a ランドリシステム
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