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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025066387
(43)【公開日】2025-04-23
(54)【発明の名称】加圧システム
(51)【国際特許分類】
   B30B 12/00 20060101AFI20250416BHJP
   B30B 15/34 20060101ALI20250416BHJP
   B30B 5/02 20060101ALI20250416BHJP
【FI】
B30B12/00 B
B30B15/34 A
B30B15/34 Z
B30B5/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023175928
(22)【出願日】2023-10-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】那須 慶太
(72)【発明者】
【氏名】森 隆博
(72)【発明者】
【氏名】森永 高広
(72)【発明者】
【氏名】中村 拓
【テーマコード(参考)】
4E090
【Fターム(参考)】
4E090AB01
4E090CA01
4E090DA02
4E090DA09
4E090DB01
4E090DB02
4E090DB06
4E090EA02
4E090EB01
4E090EC01
4E090HA10
(57)【要約】
【課題】加圧処理間の時間が短縮可能で、加圧処理の関連処理が実行可能な加圧システムを提供する。
【解決手段】本発明に加圧システム1,1B~1Dは、ワークWの加圧処理と関連処理とを実行する。加圧システムは、複数の処理のうち、いずれか1つの処理が実行される複数の実行エリアA2と、ワークを収容して実行エリア間を搬送されるチャンバユニット20と、を有してなる。実行エリアは、処理が実行される順番に従って配置される。チャンバユニットは、ワークの上方に配置されて、加圧処理においてワークを上方から加圧する上加圧ユニット6Uとして機能する天井部26と、ワークの下方に配置されて、加圧処理においてワークを下方から加圧する下加圧ユニット6Dとして機能する床部21と、水平方向において、ワークの全周を囲むように配置されて、天井部と床部と共にワークが収容される収容室20Rを区画する周壁部27と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの加圧処理と、前記加圧処理に関連する関連処理と、を実行する加圧システムであって、
前記加圧処理と前記関連処理とを含む複数の処理のうち、いずれか1つの前記処理が実行される複数の実行エリアと、
前記ワークを収容して、複数の前記実行エリア間を搬送されるチャンバユニットと、
を有してなり、
複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って配置されて、
前記チャンバユニットは、
前記ワークの上方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを上方から加圧する上加圧ユニットとして機能する天井部と、
前記ワークの下方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを下方から加圧する下加圧ユニットとして機能する床部と、
水平方向において、前記ワークの全周を囲むように配置されて、前記天井部と前記床部と共に前記ワークが収容される収容室を区画する周壁部と、
を備える、
加圧システム。
【請求項2】
前記チャンバユニットは、前記実行エリアにおける上部空間を通過して、前記実行エリア間を搬送される、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項3】
前記天井部は、前記床部に対して、上下方向に相対的に移動可能である、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項4】
前記天井部は、
前記加圧処理において、前記ワークの表面の形状に追従して変形する柔軟層を備える加圧パッド、
を備えて、
前記チャンバユニットは、
前記加圧パッドの上方に配置されて、前記加圧処理において、前記加圧パッドを下方へ向けて押圧することにより前記上加圧ユニットとして機能する上型、
を備える、
請求項3に記載の加圧システム。
【請求項5】
前記加圧処理が実行される加圧エリアに配置されて、前記加圧処理を実行する加圧装置、
を有してなり、
前記実行エリアは、
前記加圧エリア、
を含み、
前記加圧装置は、
前記加圧処理において、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、前記下加圧ユニットとして機能する押圧ユニット、
を備える、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項6】
前記収容室の雰囲気は、前記収容室の内部圧力が前記チャンバユニットの外部空間の外部圧力よりも低い減圧雰囲気であり、
前記床部は、前記周壁部の下方に配置されて、前記内部圧力と前記外部圧力との圧力差により前記周壁部に取り付けられる、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項7】
前記収容室の雰囲気は、前記収容室の内部圧力が前記チャンバユニットの外部空間の外部圧力と同じになるようにガスが充填されるガス雰囲気であり、
前記チャンバユニットは、
前記床部を前記周壁部に固定する固定部材、
を備える、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項8】
前記床部は、前記周壁部に対して着脱可能であり、
複数の前記実行エリアは、
前記ワークが載置された前記床部が前記周壁部に取り付けられることにより、前記ワークが前記チャンバユニットに収容される収容処理が前記関連処理として実行される収容エリアと、
加圧された前記ワークが載置された前記床部が前記周壁部から取り外されることにより、前記ワークが前記チャンバユニットから取り出される取出処理が前記関連処理として実行される取出エリアと、
を含み、
前記床部は、前記ワークを前記収容エリアに搬入して、加圧された前記ワークを前記取出エリアから搬出する、搬送パレットとして機能する、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項9】
前記収容エリアと前記取出エリアとの間に配置されて、前記床部が取り外された前記チャンバユニットのメンテナンス処理が実行されるメンテナンスエリア、
を有してなる、
請求項8に記載の加圧システム。
【請求項10】
前記加圧処理が実行される加圧エリアに配置されて、前記ワークを加熱する加熱ユニットと、
前記ワークを予備加熱する予備加熱ユニット、および/または、加圧後の前記ワークを冷却する冷却ユニットと、
を有してなり、
複数の前記実行エリアは、
前記予備加熱ユニットが配置されて、前記ワークの予備加熱処理が前記関連処理として実行される予備加熱エリア、および/または、前記冷却ユニットが配置されて、加圧後の前記ワークの冷却処理が前記関連処理として実行される冷却エリア、
を含み、
前記予備加熱エリアにおいて、前記予備加熱処理が実行されるとき、前記予備加熱ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、および/または、
前記冷却エリアにおいて、前記冷却処理が実行されるとき、前記冷却ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接する、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項11】
複数の前記チャンバユニット、
を有してなり、
複数の前記チャンバユニットの数は、複数の前記実行エリアの数以下である、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の加圧システム。
【請求項12】
複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って環状に配置されて、
複数の前記チャンバユニットそれぞれは、複数の前記実行エリア間を周回搬送される、
請求項11に記載の加圧システム。
【請求項13】
前記チャンバユニットの移動方向における前記チャンバユニットの向きが常に同じになるように、前記移動方向を転換させる転換機構、
を有してなり、
複数の前記実行エリアは、
前記転換機構が配置される転換エリア、
を含む、
請求項12に記載の加圧システム。
【請求項14】
真空ポンプと、
前記真空ポンプに接続される減圧系配管と、
不活性ガスの供給系統の配管に接続されるガス系配管と、
複数の前記実行エリアのうち、2つ以上の前記実行エリアそれぞれに配置されて、前記減圧系配管と前記ガス系配管とに接続される複数の固定コネクタと、
を有してなり、
前記チャンバユニットは、
前記固定コネクタに着脱可能な移動コネクタと、
前記収容室と前記移動コネクタとを連通させる連通路と、
を備えて、
前記固定コネクタが配置されている前記実行エリアに前記チャンバユニットが位置しているとき、前記移動コネクタは前記固定コネクタに接続されて、前記収容室は前記減圧系配管または前記ガス系配管に連通可能であり、
前記チャンバユニットが搬送されているとき、前記収容室は密閉される、
請求項6または7のいずれかに記載の加圧システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被加圧物(例えば、電子部品など)を加圧するために、加圧装置が用いられている。例えば、特許文献1に開示された加圧装置は、上加圧ユニットおよび下加圧ユニットを備えて、上加圧ユニットおよび下加圧ユニットにより被加圧物を挟持・加圧すると共に、下加圧ユニットが備える熱ユニットにより被加圧物を加熱する。同加圧装置では、被加圧物の加圧および加熱が完了した後は、加圧状態のまま被加工物は冷却されて、被加圧物は冷却後に取り出される。同加圧装置では、1つの熱ユニットにより被加圧物が加熱および冷却される。そのため、熱ユニットによる加熱と冷却の切り替えに時間が必要となり、加圧処理ごとの処理時間が長期化していた。
【0003】
特許文献2に開示された加圧装置では、下加圧ユニットは、予め加熱されている加熱ユニット、および、予め冷却されている冷却ユニットを備える。加熱ユニットおよび冷却ユニットは、被加圧物を保持した上加圧ユニットに対して移動可能に構成されていて、加圧処理の進行状況に応じて、適宜切り替えられる。そのため、下加圧ユニットによる加熱と冷却の切り替え時間が短縮されて、処理時間も短縮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-896号公報
【特許文献2】特開2017-199812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2に開示された加圧装置では、被加圧物に対する各処理(加熱・加圧・冷却)が実行されている間、被加圧物は、上加圧ユニットと下加圧ユニットとに挟持されている。そのため、各処理が開始されてから終了するまでの間、同加圧装置は処理中の被加圧物のみに対応する専用機となる。その結果、加圧処理中は、次の加圧処理用の被加圧物は加圧装置にセットできない。すなわち、加圧処理と次の加圧処理との間に長い時間が必要となる。
【0006】
ここで、加圧処理の前処理として被加圧物に予備加熱処理を実行することにより、処理時間の短縮が見込まれる。また、加圧処理から冷却処理を分離して、加圧処理の後処理として被加圧物に冷却処理を実行することによっても、処理時間の短縮が見込まれる。このように、加圧処理に関連する処理(以下「関連処理」という。)が加圧装置で実行可能となることにより、加圧装置における処理時間が短縮されると共に、加圧処理間の時間も短縮可能となる。しかしながら、同加圧装置において、関連処理の実行は容易ではない。また、仮に、関連処理が実行できたとしても、同加圧装置では被加圧物は加圧処理中のみ密封されるため、関連処理中の被加圧物は大気に曝されてしまい、被加圧物が酸化し得る。そのため、関連処理用のチャンバ、および、同チャンバ内を満たす大量の不活性ガス(例えば、窒素ガス)が必要となる。
【0007】
本発明は、加圧処理間の時間が短縮可能で、加圧処理の関連処理が実行可能な加圧システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施態様における加圧システムは、ワークの加圧処理と、前記加圧処理に関連する関連処理と、を実行する加圧システムであって、前記加圧処理と前記関連処理とを含む複数の処理のうち、いずれか1つの前記処理が実行される複数の実行エリアと、前記ワークを収容して、複数の前記実行エリア間を搬送されるチャンバユニットと、を有してなり、複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って配置されて、前記チャンバユニットは、前記ワークの上方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを上方から加圧する上加圧ユニットとして機能する天井部と、前記ワークの下方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを下方から加圧する下加圧ユニットとして機能する床部と、水平方向において、前記ワークの全周を囲むように配置されて、前記天井部と前記床部と共に前記ワークが収容される収容室を区画する周壁部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、加圧処理間の時間が短縮可能で、加圧処理の関連処理が実行可能な加圧システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る加圧システムの実施の形態を示す模式斜視図である。
図2図1の加圧システムの機能ブロック図である。
図3図1の加圧システムが備える各実行エリアに配置されている各装置の主要な構成を示す模式断面図である。
図4図1の加圧システムの模式平面図である。
図5図1の加圧システムが備えるチャンバユニットの模式平面図である。
図6図1の加圧システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図7図1の加圧システムが備える載置台が、同加圧システムが備える収容装置に搬入された状態を示す模式断面図である。
図8図7の載置台が、図5のチャンバユニットが備える上側ユニットに当接した状態を示す模式断面図である。
図9】ワークが図5のチャンバユニットに収容された状態を示す模式断面図である。
図10】予備加熱処理が実行される実行エリアに図5のチャンバユニットが搬送された状態を示す模式断面図である。
図11】予備加熱処理が実行されている図5のチャンバユニットを示す模式断面図である。
図12】加圧処理が実行される実行エリアに図5のチャンバユニットが搬送された状態を示す模式断面図である。
図13】加圧処理が実行されている図5のチャンバユニットを示す模式断面図である。
図14】一次冷却処理が実行される実行エリアに図5のチャンバユニットが搬送された状態を示す模式断面図である。
図15】一次冷却処理が実行されている図5のチャンバユニットを示す模式断面図である。
図16】二次冷却処理が実行される実行エリアに図5のチャンバユニットが搬送された状態を示す模式断面図である。
図17】二次冷却処理の終了後の図5のチャンバユニットを示す模式断面図である。
図18図8の載置台が図8の上側ユニットから取り外された状態を示す模式断面図である。
図19】メンテナンス処理が実行可能な実行エリアに図18の上側ユニットが搬送された状態を示す模式断面図である。
図20】複数の図5のチャンバユニットの位置を時系列順に示す模式平面図であり、(a)は時刻「T1」における位置を示していて、(b)は時刻「T2」における位置を示していて、(c)は時刻「T3」における位置を示していて、(d)は時刻「T4」における位置を示していて、(e)は時刻「T5」における位置を示していて、(f)は時刻「T6」における位置を示している。
図21】第1変形例におけるチャンバユニットの模式断面図である。
図22】(a)は第2変形例に係る加圧システムの模式平面図であり、(b)は第3変形例に係る加圧システムの模式平面図であり、(c)は第4変形例に係る加圧システムの模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る加圧システム(以下「本システム」という。)の実施の形態が、以下に説明される。以下の説明において、各図面は、適宜参照される。各図面において、同一の部材および要素については同一の符号が付されて、重複する説明は省略される。また、各要素の寸法比率は、説明の便宜上、誇張されている場合が有り、各図面に示されている比率に限定されない。
【0012】
以下の説明および図面において、特に断りがない限り、空間において相互に直交する3軸をそれぞれX軸、Y軸、およびZ軸としたとき、「X軸方向」はX軸に沿う方向であり、例えば、左右方向である。「Y軸方向」は、Y軸に沿う方向であり、例えば、前後方向である。「Z軸方向」は、Z軸に沿う方向であり、上下方向である。また、「+X軸方向」は左方であり、「-X軸方向」は右方であり、「+Y軸方向」は前方であり、「-Y軸方向」は後方であり、「+Z軸方向」は上方であり、「-Z軸方向」は下方である。以下の説明において、上下方向を除く方向の特定には、主に、X軸方向(+X軸方向、-X軸方向)およびY軸方向(+Y軸方向、-Y軸方向)が用いられる。
【0013】
本発明では、加圧装置に対して加圧処理に関連する処理(以下「関連処理」という。)を実行する機能が追加されて、加圧処理を含む複数の処理を実行する本システムが構成されている。また、加圧処理においてワークを加圧する上加圧ユニットの一部、および、下加圧ユニットの一部により、ワークが収容されているチャンバユニットが形成されている。チャンバユニットは本システム内に配置されている複数の実行エリア間を移動して、ワークに対して各実行エリアに対応する処理が実行される。その結果、本発明は、チャンバユニットを移動させることにより、ワークに対する複数の関連処理を実行可能である。また、本発明は、加圧処理の実行後にチャンバユニットを移動させることにより、加圧処理間の時間を短縮可能である。各用語の説明および各要素の具体的な構成は、後述される。
【0014】
「加圧処理」は、ワークに対して上下方向から圧力を加えて、ワークに所定の加工(例えば、圧縮、圧接、シンタリング接合など)を実行する処理である。加圧処理は、加圧のみが実行される処理、および加圧および加熱が実行される処理を含む。
【0015】
「ワーク」は、本システムにおいて加圧される対象(すなわち、被加圧物)であり、例えば、シート状の基材(セラミックグリーンシートなど)、電子部品、回路などが搭載されている基板、などである。
【0016】
「関連処理」は、本システムにおいて加圧処理に関連する処理であり、加圧処理の実行のためにワークに対して必要な前処理(例えば、チャンバユニットの組立、チャンバユニットへのワークの収容、ワークの予備加熱など)、および加圧処理の実行後にワークに対して必要な後処理(例えば、ワークの冷却、チャンバユニットからのワークの取り出しなど)を含む。本実施の形態において、関連処理は、加圧処理の前処理として収容処理および予備加熱処理を含み、加圧処理の後処理として一次冷却処理、二次冷却処理、および取出処理を含む。また、チャンバユニットの状態は加圧処理の正否に関連するため、チャンバユニット(後述される、上側ユニット)のメンテナンス処理も関連処理に含まれるものとする。
【0017】
●加圧システム●
●加圧システムの構成
図1は、本システム1の実施の形態を示す模式斜視図である。
図2は、本システム1の機能ブロック図である。
図1では、後述される各エリアの境界が、太い一点鎖線により示されている。
【0018】
本システム1は、ワークWに対して、加圧処理および関連処理を実行する。本システム1は、筐体2、制御装置3、収容装置4、予備加熱装置5、加圧装置6、一次冷却装置7、取出装置8、搬送装置9、雰囲気調整装置10、搬入装置11、搬出装置12、および複数(本実施の形態では5個)のチャンバユニット20を有してなる。
【0019】
筐体2は、制御装置3、収容装置4、予備加熱装置5、加圧装置6、一次冷却装置7、取出装置8、搬送装置9、雰囲気調整装置10、搬入装置11、搬出装置12、およびチャンバユニット20を収容する。平面視において、筐体2の形状は、X軸方向およびY軸方向(以下「XY軸方向」という。)に沿う矩形状であり、中空の直方体状である。筐体2は、水平な床面に配置されている。以下の説明において、「水平方向」は、床面に対して平行な方向であり、XY軸方向に平行な方向である。また、水平方向は、完全な水平だけでなく、床面の僅かな傾斜、および本システム1を構成している各部品の製造公差および組立公差による誤差(僅かな傾斜)を含む。
【0020】
上方視において、筐体2の内部の空間は、搬入エリアA1、複数の実行エリアA2、および搬出エリアA3に区分されている。換言すれば、本システム1は、搬入エリアA1、複数の実行エリアA2、および搬出エリアA3を有してなる。本明細書において、搬入エリアA1、複数の実行エリアA2、および搬出エリアA3が特に区別されないとき、これらは単に「エリア」と称呼される。
【0021】
「搬入エリアA1」は、実行エリアA2に向けてワークWが搬入される搬入処理が実行されるエリアである。
【0022】
「実行エリアA2」は、加圧処理および関連処理のいずれか1つの処理が実行されるエリアである。実行エリアA2は、加圧処理および関連処理それぞれに対応する複数の実行エリアA21~A26を含む。
【0023】
「実行エリアA21」は収容処理が実行されるエリアであり、本発明における収容エリアの一例である。「実行エリアA22」は予備加熱処理が実行されるエリアであり、本発明における予備加熱エリアの一例である。「実行エリアA23」は加圧処理が実行されるエリアであり、本発明における加圧エリアの一例である。「実行エリアA24」は一次冷却処理が実行されるエリアであり、本発明における冷却エリアの一例である。「実行エリアA25」は二次冷却処理および取出処理が実行されるエリアであり、本発明における冷却エリアおよび取出エリアの一例である。「実行エリアA26」はメンテナンス処理が実行されるエリアであり、本発明におけるメンテナンスエリアの一例である。
【0024】
「搬出エリアA3」は、加圧処理が実行された後のワークWが実行エリアから搬出される搬出処理が実行されるエリアである。
【0025】
上方視において、実行エリアA2は、搬入エリアA1と搬出エリアA3との間に配置されている。各実行エリアA21~A26は、ワークWおよび後述される上側ユニット22(図5参照。以下同じ。)に対する各処理が実行される順番に応じて、上方視における時計回り方向に矩形環状に配置されている。具体的には、実行エリアA21は搬入エリアA1の+X軸方向側に隣接して配置されていて、実行エリアA22は実行エリアA21の+Y軸方向側に隣接して配置されていて、実行エリアA23は実行エリアA22の+X軸方向側に隣接して配置されていて、実行エリアA24は実行エリアA23の+X軸方向側に隣接して配置されていて、実行エリアA25は実行エリアA24の-Y軸方向側に隣接して配置されていて、実行エリアA26は実行エリアA25の-X軸方向側および実行エリアA21の+X軸方向側に隣接して配置されていて、搬出エリアA3は実行エリアA25の+X軸方向側に隣接して配置されている。すなわち、X軸方向において、実行エリアA23は実行エリアA22,A24間に配置されていて、実行エリアA26は実行エリアA21,A25間に配置されている。
【0026】
制御装置3は、本システム1全体の動作を制御する。制御装置3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)3aなどのプロセッサ、CPU3aの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)3bなどの揮発性メモリ、および、制御プログラムなどの各種情報を記憶するROM(Read Only Memory)3cなどの不揮発性メモリ、を備える。
【0027】
図3は、各実行エリアA21~A26に配置されている各装置の主要な構成を示す模式断面図である。
同図は、各実行エリアA21~A26に配置されている後述されるレール部材R1~R16が向けられている方向(X軸方向またはY軸方向)視における各装置の模式断面図を示している。
【0028】
収容装置4は、ワークWが載置されている載置台21を、上側ユニット22に取り付けることにより、チャンバユニット20を組み立てると共に、ワークWをチャンバユニット20に収容する。収容装置4は、テーブル40および昇降装置41を備える。収容装置4は、実行エリアA21に配置されている。載置台21および上側ユニット22の詳細は、後述される。
【0029】
テーブル40は、載置台21が載置される台である。テーブル40の形状は、例えば、上方視においてX軸方向およびY軸方向(以下「XY軸方向」という。)に沿う矩形状であり、板状である。テーブル40の上面40aは、水平方向に平行な平面状である。
【0030】
昇降装置41は、テーブル40を昇降させる。昇降装置41は、例えば、公知のシリンダである。
【0031】
予備加熱装置5は、チャンバユニット20に収容されているワークWを後述される予備加熱温度まで加熱する。予備加熱装置5は、テーブル50、予備加熱ユニット51、および昇降装置53を備える。予備加熱装置5は、実行エリアA22に配置されている。
【0032】
テーブル50は、予備加熱ユニット51が載置される台である。テーブル50の形状は、例えば、上方視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、板状である。
【0033】
予備加熱ユニット51は、テーブル50の上方に配置されていて、テーブル50に取り付けられている。予備加熱ユニット51は、本体部51a、断熱部材51b、および複数のヒータH1を備える。本体部51aは、ヒータH1を保護する。本体部51aは、例えば、高い熱伝導性を有する金属(例えば、銅合金)製である。本体部51aの形状は、例えば、上方視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、直方体状である。断熱部材51bは、本体部51aの周囲(水平方向の全周および下方向。以下同じ。)を覆い、ヒータH1の熱の周囲への漏れを抑制している。ヒータH1は、本体部51aの内部に配置されている。予備加熱ユニット51の上面51cは、水平方向に平行な平面状である。
【0034】
昇降装置52は、テーブル50および予備加熱ユニット51を昇降させる。昇降装置52は、例えば、公知のシリンダである。
【0035】
加圧装置6は、チャンバユニット20に収容されているワークWを加圧する。加圧装置6は、下ベース部材60、熱ユニット61、および昇降装置62を備える。加圧装置6は、実行エリアA23に配置されている。
【0036】
下ベース部材60は、熱ユニット61を支持する。下ベース部材60は、例えば、高い剛性を有する金属(例えば、ステンレス鋼)製である。下ベース部材60の形状は、例えば、上下方向視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、直方体状である。
【0037】
熱ユニット61は、下ベース部材60の上方に配置されていて、下ベース部材60に取り付けられている。熱ユニット61は、本体部61a、断熱部材61b、複数のヒータH2、および複数の冷媒流路C1を備える。本体部61aは、ヒータH2および冷媒流路C1を保護する。本体部61aは、例えば、高い剛性を有する金属(例えば、炭素鋼)製である。本体部61aの形状は、上下方向視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、直方体状である。断熱部材61bは、本体部61aの周囲を覆うと共に、本体部61aを上下に2分割するように配置されている。断熱部材61bは、ヒータH2の熱の周囲への漏れ、および、本体部61aの結露を抑制している。ヒータH2は、ワークWが加圧されるとき、ワークWを加熱する。ヒータH2は、本体部61aの上半部内に配置されている。冷媒流路C1は、本体部61aの下半部を冷却する冷媒(不図示。以下同じ。)が流れる流路である。冷媒は、冷却装置(不図示。以下同じ。)により冷却されていて、冷媒流路C1と冷却装置との間で循環されている。冷媒流路C1は、本体部61aの下半部内に配置されている。熱ユニット61は、下ベース部材60の上に取り付けられている。熱ユニット61は、本発明における押圧ユニットおよび加熱ユニットの一例である。熱ユニット61の上面61cは、水平方向に平行な平面状である。
【0038】
昇降装置62は、下ベース部材60および熱ユニット61を昇降させる。昇降装置62は、例えば、公知の油圧シリンダである。
【0039】
一次冷却装置7は、チャンバユニット20に収容されている加熱後のワークWを冷却する。一次冷却装置7は、テーブル70、一次冷却ユニット71、および昇降装置72を備える。一次冷却装置7は、実行エリアA24に配置されている。
【0040】
テーブル70は、一次冷却ユニット71が載置される台である。テーブル70の形状は、例えば、上方視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、板状である。
【0041】
一次冷却ユニット71は、テーブル70の上方に配置されていて、テーブル70に取り付けられている。一次冷却ユニット71は、本体部71a、断熱部材71b、および複数の冷媒流路C2を備える。本体部71aは、冷媒流路C2を保護する。本体部71aは、例えば、高い熱伝導性を有する金属(例えば、銅合金)製である。本体部71aの形状は、例えば、上方視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、直方体状である。断熱部材71bは、本体部71aの周囲を覆い、本体部71aの結露を抑制している。冷媒流路C2は、冷媒が流れる流路である。冷媒は、冷却装置により冷却されていて、冷媒流路C2と冷却装置との間で循環されている。一次冷却ユニット71の上面71cは、水平方向に平行な平面状である。一次冷却ユニット71は、本発明における冷却ユニットの一例である。
【0042】
昇降装置72は、テーブル70および一次冷却ユニット71を昇降させる。昇降装置72は、例えば、公知のシリンダである。
【0043】
取出装置8は、チャンバユニット20に収容されているワークWを冷却すると共に、ワークWをチャンバユニット20から取り出す。取出装置8は、テーブル80、二次冷却ユニット81、および昇降装置82を備える。取出装置8は、実行エリアA25に配置されている。
【0044】
テーブル80は、二次冷却ユニット81が載置される台である。テーブル80の形状は、例えば、上方視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、板状である。
【0045】
二次冷却ユニット81は、テーブル80の上方に配置されていて、テーブル80に取り付けられている。二次冷却ユニット81は、本体部81a、断熱部材82b、および複数の冷媒流路C3を備える。本体部81aは、冷媒流路C3を保護する。本体部81aは、例えば、高い熱伝導性を有する金属(例えば、銅合金)製である。本体部81aの形状は、例えば、上方視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、直方体状である。断熱部材81bは、本体部81aの周囲を覆い、本体部81aの結露を抑制している。冷媒流路C3は、冷媒が流れる流路である。冷媒は、冷却装置により冷却されていて、冷媒流路C3と冷却装置との間で循環されている。二次冷却ユニット81の上面81cは、水平方向に平行な平面状である。二次冷却ユニット81は、本発明における冷却ユニットの一例である。
【0046】
昇降装置82は、テーブル80および二次冷却ユニット81を昇降させる。昇降装置82は、例えば、公知のシリンダである。
【0047】
図4は、本システム1の模式平面図である。
同図では、説明の便宜上、主に搬送装置9、搬入装置11、および搬出装置12が示されている。また、同図では、後述されるベース部材B1~B8が半透明な状態で示されていて、チャンバユニット20が二点鎖線で示されている。以下の説明では、図1図3も適宜参照される。
【0048】
搬送装置9は、チャンバユニット20および上側ユニット22を搬送する。搬送装置9は、複数(本実施の形態では、16個)のレール部材R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16、複数(本実施形態では、8個)のベース部材B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8、複数のローラRo、駆動装置90、および4個の回転機構91,92,93,94を備える。回転機構91~94は、本発明における転換機構の一例である。
【0049】
レール部材R1~R16は、チャンバユニット20が水平方向(X軸方向またはY軸方向)に移動可能となるように、チャンバユニット20を支持する。レール部材R1~R16の形状は、例えば、X軸方向またはY軸方向に沿う長尺状である。また、レール部材R1~R16の下端部は短手方向の一方側に突出していて、レール部材R1~R16の長手方向視において、レール部材R1~R16の形状は「L字」状である。レール部材R1~R16は、重量物であるチャンバユニット20を支持可能な強度を有するように設計されている。以下の説明において、レール部材R1~R16が特に区別されないとき、レール部材R1~R16は単に「レール部材R」と称呼される。また、レール部材Rの長手方向がX軸方向に沿っているときレール部材RはX軸方向に向けられているものとして、同長手方向がY軸方向に沿っているときレール部材RはY軸方向に向けられているものとする。
【0050】
ベース部材B1~B8は、対応するレール部材R1~R16を支持する。ベース部材B1~B8の形状は、上方視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、直方体状である。レール部材R1~R16は、対応するベース部材B1~B8の4辺のうち、平行な2辺それぞれの下面に、突出部同士が対向するように取り付けられている。
【0051】
ベース部材B1は、レール部材R1,R2を支持している。ベース部材B1は、実行エリアA21におけるテーブル40の上方、すなわち、実行エリアA21における上部空間に配置されている。ベース部材B1は、回転機構91を介して、筐体2の天井(不図示。以下同じ。)に取り付けられている。
【0052】
ベース部材B2は、レール部材R3,R4を支持している。ベース部材B2は、実行エリアA22における予備加熱ユニット51の上方、すなわち、実行エリアA22における上部空間に配置されている。ベース部材B2は、回転機構92を介して、筐体2の天井に取り付けられている。
【0053】
ベース部材B3は、レール部材R5,R6を支持している。ベース部材B3は、実行エリアA24における一次冷却ユニット71の上方、すなわち、実行エリアA24における上部空間に配置されている。ベース部材B3は、回転機構93を介して、筐体2の天井に取り付けられている。
【0054】
ベース部材B4は、レール部材R7,R8を支持している。ベース部材B4は、実行エリアA25における二次冷却ユニット81の上方、すなわち、実行エリアA25における上部空間に配置されている。ベース部材B4は、回転機構94を介して、筐体2の天井に取り付けられている。
【0055】
ベース部材B5は、レール部材R9,R10を支持している。ベース部材B5は、実行エリアA21,A22において、ベース部材B1,B2の間に配置されている。すなわち、ベース部材B5は、実行エリアA21,A22における上部空間に配置されている。ベース部材B5は、筐体2の天井に取り付けられている。
【0056】
ベース部材B6は、レール部材R11,R12を支持している。ベース部材B6は、実行エリアA23における熱ユニット61の上方、すなわち、実行エリアA23における上部空間に配置されている。ベース部材B6は、筐体2の天井に取り付けられている。後述のとおり、ベース部材B6には加圧処理において所定の加圧力が加えられるため、ベース部材B6は同加圧力に耐え得る強度を有するように設計されている。ベース部材B6は、加圧処理において、上側ユニット22の一部と共に上加圧ユニット6U(図13参照。以下同じ。)を構成している。
【0057】
ベース部材B7は、レール部材R13,R14を支持している。ベース部材B7は、実行エリアA24,A25において、ベース部材B3,B4の間に配置されている。すなわち、ベース部材B7は、実行エリアA24,A25における上部空間に配置されている。ベース部材B7は、筐体2の天井に取り付けられている。
【0058】
ベース部材B8は、レール部材R15,R16を支持している。ベース部材B8は、実行エリアA26において、ベース部材B1,B4の間に配置されている。すなわち、ベース部材B8は、実行エリアA26における上部空間に配置されている。ベース部材B8は、筐体2の天井に取り付けられている。
【0059】
駆動装置90は、チャンバユニット20を搬送するための動力を生成して、ローラRoに伝達する。駆動装置90は、例えば、1つ以上の動力源(例えば、モータ)、および複数の動力伝達機構(例えば、ギアやボールねじなど)を備える。
【0060】
回転機構91~94は、対応するベース部材B1~B4を回転させる。回転機構91~94は、例えば、モータおよび複数のギアを備えて、Z軸を回転軸として回転可能に構成されている。
【0061】
回転機構91は、筐体2の天井とベース部材B1との間に配置されている。回転機構91は、レール部材R1,R2の向きがX軸方向またはY軸方向のいずれか一方に向けられるように、ベース部材B1を回転させる。換言すれば、回転機構91は、レール部材R1,R2に案内されるチャンバユニット20の移動方向をX軸方向とY軸方向との間で転換させる。
【0062】
回転機構92は、筐体2の天井とベース部材B1と2間に配置されている。回転機構92は、レール部材R3,R4の向きがX軸方向またはY軸方向のいずれか一方に向けられるように、ベース部材B2を回転させる。換言すれば、回転機構92は、レール部材R3,R4に案内されるチャンバユニット20の移動方向をX軸方向とY軸方向との間で転換させる。
【0063】
回転機構93は、筐体2の天井とベース部材B3との間に配置されている。回転機構93は、レール部材R5,R6の向きがX軸方向またはY軸方向のいずれか一方に向けられるように、ベース部材B3を回転させる。換言すれば、回転機構93は、レール部材R5,R6に案内されるチャンバユニット20の移動方向をX軸方向とY軸方向との間で転換させる。
【0064】
回転機構94は、筐体2の天井とベース部材B4との間に配置されている。回転機構94は、レール部材R7,R8の向きがX軸方向またはY軸方向のいずれか一方に向けられるように、ベース部材B4を回転させる。換言すれば、回転機構94は、レール部材R7,R8に案内されるチャンバユニット20の移動方向をX軸方向とY軸方向との間で転換させる。
【0065】
このように、ベース部材B1~B4は、Z軸を回転軸として回転可能な回転ベース部材である。一方、ベース部材B5~B8は、回転不可能な固定ベース部材である。
【0066】
なお、本発明において、搬送装置9の構成は、チャンバユニット20および上側ユニット22を各実行エリアA21~A26間に搬送可能であればよく、本実施の形態に限定されない。
【0067】
雰囲気調整装置10は、後述される収容室20Rの雰囲気を調整する。雰囲気調整装置10は、真空ポンプP、減圧系配管Lp、ガス系配管Lg、複数(本実施の形態では5つ)の弁V1,V2,V3,V4,V5および複数(本実施の形態では5つ)の固定コネクタCs1,Cs2,Cs3,Cs4,Cs5を備える。雰囲気調整装置10は、収容室20Rの雰囲気を減圧雰囲気(真空雰囲気)または不活性ガス雰囲気へと調整可能に構成されている。
【0068】
真空ポンプPは、収容室20R内の雰囲気を減圧雰囲気(真空雰囲気)に調整する。真空ポンプPは、公知の真空ポンプである。真空ポンプPは、減圧系配管Lp、弁V1~V5を介して固定コネクタCs1~Cs5に接続されている。
【0069】
減圧系配管Lpは、真空ポンプPに接続される配管である。ガス系配管Lgは、不活性ガス(例えば、窒素ガス)の供給配管(不図示。以下同じ。)に接続される配管である。減圧系配管Lpおよびガス系配管Lgは複数(本実施の形態では、少なくとも5つ)の枝管に分岐していて、各枝管は対応する弁V1~V5を介して対応する固定コネクタCs1~Cs5に接続されている。弁V1~V5は、固定コネクタCs1~Cs5に対する減圧系配管Lpおよびガス系配管Lgの接続を切り替える公知の電磁弁である。
【0070】
固定コネクタCs1~Cs5は、後述される移動コネクタCpが接続される配管用のジョイントである。固定コネクタCs1~Cs5は、例えば、公知のチェッキ弁付きカプラのソケットである。固定コネクタCs1は実行エリアA21に配置されていて、固定コネクタCs2は実行エリアA22に配置されていて、固定コネクタCs3は実行エリアA23に配置されていて、固定コネクタCs4は実行エリアA24に配置されていて、固定コネクタCs5は実行エリアA25に配置されている。固定コネクタCs1~Cs5は、移動コネクタCpとの接続が解除されたとき、減圧雰囲気下であっても閉じるように構成されている。
【0071】
なお、本発明において、固定コネクタCs1~Cs5は、チャンバユニット20の搬送に伴う移動コネクタCpからの衝撃を吸収・緩和する機構(例えば、フローティング機構)などを介して、実行エリアA21~A25に配置されていてもよい。また、固定コネクタCs1~Cs5は、チャンバユニット20の搬送終了後に、移動コネクタCpに向けて進退可能に実行エリアA21~A25に配置されていてもよい。
【0072】
搬入装置11は、ワークWが載置されている載置台21を実行エリアA21の収容装置4(テーブル40)に搬入する。搬入装置11は、例えば、スライドレール、およびスライドレールを動作させるモータを備える。
【0073】
搬出装置12は、加圧されたワークWが載置されている載置台21を実行エリアA25の取出装置8(二次冷却ユニット81)から搬出する。搬出装置12は、例えば、スライドレール、およびスライドレールを動作させるモータを備える。
【0074】
●チャンバユニットの構成
図5は、チャンバユニット20の模式断面図である。
【0075】
チャンバユニット20は、ワークWを収容して、各実行エリアA21~A25間を搬送される。チャンバユニット20は、載置台21、上側ユニット22、および収容室20Rを備える。
【0076】
載置台21は、ワークWを搬送すると共に、収容室20Rを区画する。後述のとおり、載置台21は、ワークWの搬送プレートとして機能すると共に、ワークWが加圧されるとき下加圧ユニット6D(図13参照。以下同じ。)として機能する。載置台21は、例えば、高い熱伝導性を有する金属(例えば、銅合金)製である。載置台21の形状は、上方視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、板状である。載置台21は、後述される本システム1の動作において加えられる力に耐えられる程度の強度を有すると共に、ワークWの加熱/冷却時の載置台21の熱容量が比較的小さくなるような厚みを有する。載置台21の上面21aおよび下面21bの形状は、水平方向に平行な平面状である。載置台21は、上側ユニット22(サイド部材27)に対して着脱可能に構成されている。
【0077】
上側ユニット22は、ワークWを上方から覆う。上側ユニット22は、ベース部材23、上型24、枠部材25、加圧パッド26、サイド部材27、第1ばね部材28、第2ばね部材29、2つのシール部材30,31、および移動コネクタCpを備える。後述のとおり、ベース部材23、上型24、および加圧パッド26は、ワークWが加圧されるとき上加圧ユニット6Uとして機能する。
【0078】
ベース部材23は、上型24、第1ばね部材28、および第2ばね部材29を支持する。ベース部材23は、例えば、高い剛性を有する金属(例えば、ステンレス鋼)製である。ベース部材23の形状は、上方視においてXY軸方向に沿う矩形状であり、上下方向に扁平な直方体状である。
【0079】
上型24は、加圧パッド26を介して、上方からワークWを加圧する。上型24は、例えば、高い剛性を有する金属(例えば、ステンレス鋼)製である。上型24は、ベース部材23の下方に配置されていて、ベース部材23の下面23aに取り付けられている。上型24の形状は、下方視においてベース部材23よりも小さくXY軸方向に沿う矩形状であり、直方体状である。上型24の下面24aは、水平方向に平行な平面状である。
【0080】
なお、本発明において、上型24は、ベース部材23と一体に成型されていてもよい。
【0081】
枠部材25は、加圧パッド26を保持する。枠部材25は、例えば、高い剛性を有する金属(例えば、ステンレス鋼)製である。下方視において、枠部材25の形状は、XY軸方向に沿う矩形状であり、枠状である。すなわち、下方視において、枠部材25の中央には、矩形状の内部空間が形成されている。水平方向において、枠部材25は、上型24を囲むように配置されている。すなわち、内部空間には、上型24が配置されている。上下方向において、枠部材25の下端部25aは、上型24の下面24aよりも下方に位置している。枠部材25は、第1ばね部材28を介して、上型24に対して上下方向に相対移動可能に、ベース部材23に支持されている。枠部材25は、枠部材25の外周面25bを一周するように形成されている溝部25cを備える。
【0082】
加圧パッド26は、ワークWが加圧されるとき、ワークWの表面の形状に追従するように変形して、ワークWを均等に加圧すると共に、収容室20Rを区画する。加圧パッド26は、枠部材25の下端部25aに保持されていて、上型24の下方に配置されている。加圧パッド26は、柔軟層26aおよび断熱層26bを備える。
【0083】
柔軟層26aは、ワークWが加圧されるとき、上型24からの圧力をワークWへ均等に伝達する。柔軟層26aは、例えば、公知の高い流動性および低い反発弾性率を有する弾性体材料製である。柔軟層26aは、例えば、柔軟層26aの上下に配置されている2枚の膜部材(不図示。以下同じ。)の間に充填されている。膜部材の外縁部が全周に亘って枠部材25の下端部25aに保持されることにより、水平方向において、柔軟層26aは、枠部材25の下端部25aに囲まれている。
【0084】
断熱層26bは、ワークWが加圧されるとき、上型24からの圧力をワークWへ均等に伝達すると共に、熱ユニット61からの熱の柔軟層26aへの伝達を抑制する。断熱層26bは、例えば、公知の高い柔軟性および低い熱伝導性を有する繊維素材製である。断熱層26bは、柔軟層26aの下方に、柔軟層26aに隣接して配置されている。断熱層26bは、例えば、断熱層26bの上下に配置されている2枚の膜部材(不図示。以下同じ。)の間に充填されている。膜部材の外縁部が全周に亘って枠部材25の下端部25aに保持されることにより、水平方向において、断熱層26bは、枠部材25の下端部25aに囲まれている。
【0085】
なお、本発明において、後述される本加熱の温度が柔軟層26aの耐熱温度よりも低いとき、加圧パッド26は、断熱層26bを備えていなくてもよい。
【0086】
サイド部材27は、収容室20Rを区画する。サイド部材27は、例えば、高い剛性を有する金属(例えば、ステンレス鋼)製である。下方視において、サイド部材27の形状は、XY軸方向に沿う矩形状であり、枠状である。すなわち、下方視において、サイド部材27の中央には、矩形状の内部空間が形成されている。水平方向において、サイド部材27は、枠部材25を囲むように配置されている。すなわち、内部空間には、枠部材25(上型24、加圧パッド26)が配置されている。サイド部材27は、第2ばね部材29を介して、上型24および枠部材25に対して上下方向に相対移動可能に、ベース部材23に支持されている。サイド部材27は、サイド部材27の下面27aに形成されている溝部27b、および、サイド部材27の内面および外面に開口している貫通孔27cを備える。貫通孔27cは、本発明における連通路の一例である。
【0087】
第1ばね部材28は、枠部材25を上型24に対して上下方向に相対移動可能に支持する。第1ばね部材28は、ベース部材23と枠部材25との間に配置されていて、ベース部材23の下面23aおよび枠部材25の上面25dに取り付けられている。
【0088】
第2ばね部材29は、サイド部材27を上型24および枠部材25に対して上下方向に相対移動可能に支持する。第2ばね部材29は、ベース部材23とサイド部材27との間に配置されていて、ベース部材23の下面23aおよびサイド部材27の上面27dに取り付けられている。
【0089】
シール部材30,31は、枠部材25とサイド部材27との間、および載置台21とサイド部材27との間を気密に封止する。シール部材30,31は、例えば、公知のO-リングである。シール部材30は溝部25cに配置されていて、枠部材25とサイド部材27とに当接している。シール部材31は溝部27bに配置されていて、載置台21とサイド部材27とに当接している。
【0090】
移動コネクタCpは、固定コネクタCs1~Cs5に接続される配管用のジョイントである。移動コネクタCpは、例えば、公知のチェッキ弁付きカプラのプラグである。移動コネクタCpは、貫通孔27cに連通するように、例えば、サイド部材27の外面に取り付けられている。移動コネクタCpは、固定コネクタCs1~Cs5に着脱可能に構成されている。移動コネクタCpのチェッキ弁は、固定コネクタCs1~Cs5との接続が解除されたとき、収容室R20が減圧雰囲気であっても閉じるように構成されている。
【0091】
収容室20Rは、チャンバユニット20内に形成されているワークWが収容される空間である。収容室20Rは、載置台21、枠部材25、加圧パッド26、サイド部材27、およびシール部材30,31により区画される密閉空間である。収容室20Rは、貫通孔27cを介して、移動コネクタCpに連通している。載置台21は収容室20Rを区画する床部として機能していて、加圧パッド26は収容室20Rを区画する天井部として機能していて、サイド部材27は収容室20Rを区画する周壁部として機能している。すなわち、載置台21は本発明における床部の一例であり、加圧パッド26は本発明における天井部の一例であり、サイド部材27は本発明における周壁部の一例である。
【0092】
このように構成されるチャンバユニット20は、搬送装置9により実行エリアA21~A25間を搬送される。このとき、ベース部材23の外周縁部はレール部材R1~R16に載置されて、ローラRoがベース部材23の外周面23bに当接している。ローラRoが回転することにより、ベース部材23がレール部材R1~R16上を摺動して、チャンバユニット20は、搬送される。前述のとおり、ベース部材B1~B8は筐体2の天井に取り付けられているため、チャンバユニット20は、実行エリアA21~A25における上部空間を通過して、実行エリアA21~A25間を搬送される(移動する)。
【0093】
●加圧システムの動作
次に、本システム1の動作が、1つのワークWの搬送を一例として、以下に説明される。以下の説明において、図1図5は、適宜参照される。
【0094】
図6は、本システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
同図は、1つのワークWに対する本システム1の動作を示している。
【0095】
先ず、ワークWが準備される(ST1)。ワークWは、例えば、ロボットアームなどの装置や本システム1の使用者により、対応する載置台21の上に載置される。複数の載置台21は、例えば、カセットなどの収容器(不図示。以下同じ。)に収容されていて、1つの載置台21が収容器から搬入装置11に搬送される。このとき、ワークWの上には、貼付防止シート(不図示。以下同じ。)が被せられる。貼付防止シートは、加熱処理後のワークWの加圧パッド26への貼り付きを防止するシートである。貼付防止シートは、例えば、後述される本加熱の温度に対する耐熱性を有する合成樹脂(例えば、PTFE(polytetrafluoroethylene))製のシートである。
【0096】
図7は、載置台21が収容装置4に搬入された状態を示す模式断面図である。
同図は、レール部材R1,R2が向けられている方向視における実行エリアA21内の各装置の模式断面を示している。また、同図は、雰囲気調整装置10の一部も示している。後述される図8および図9も同様である。
【0097】
次いで、制御装置3は、搬入装置11の動作を制御して、ワークWが載置されている載置台21を搬入エリアA1から実行エリアA21へ搬入させる(ST2)。具体的には、搬入装置11は、ワークWが載置されている載置台21をテーブル40の上に搬入する。このとき、載置台21は、ワークWを実行エリアA21に搬送(搬入)する搬送パレットとして機能している。上側ユニット22は、X軸方向に向けられたレール部材R1,R2に支持されていて、載置台21(テーブル40)の上方に配置されている。移動コネクタCpは、固定コネクタCs1に接続されている。上下方向において、サイド部材27の下端部27eは、第2ばね部材29の弾性力により、加圧パッド26よりも下方に位置している。
【0098】
図8は、載置台21が上側ユニット22に当接した状態を示す模式断面図である。
図9は、ワークWがチャンバユニット20に収容された状態を示す模式断面図である。
【0099】
次いで、制御装置3は収容装置4および雰囲気調整装置10の動作を制御して、ワークWをチャンバユニット20に収容する(ST3)。すなわち、収容処理が実行される。
【0100】
「収容処理」は、チャンバユニット20が組み立てられて、ワークWがチャンバユニット20に収容される処理である。加圧処理はチャンバユニット20に収容されているワークWに対して実行されるため、収容処理は加圧処理の準備をする処理、すなわち、加圧処理の前処理である。
【0101】
具体的には、昇降装置41は、ワークWが載置されている載置台21が上側ユニット22(シール部材31)に密着するまで、テーブル40を上昇させる。このとき、載置台21と上側ユニット22との間には収容室20Rが形成されていて、ワークWは収容室20Rに収容されている。次いで、雰囲気調整装置10は、真空ポンプPおよび弁V1を動作させて、収容室20R内の雰囲気を不活性ガスで置換した後に、収容室20R内の雰囲気を減圧雰囲気にする。このとき、真空圧(収容室20Rとチャンバユニット20の外部空間との圧力差)により、載置台21がサイド部材27に密着して(取り付けられて)、第2ばね部材29が収縮して載置台21およびサイド部材27が上昇する。すなわち、上下方向において、枠部材25および加圧パッド26は、載置台21(ワークW)に接近する。換言すれば、枠部材25および加圧パッド26は、載置台21に対して相対的に下降する。そして、最終的に、加圧パッド26がワークWに接触して、ワークWは真空圧に応じた加圧力により予備加圧される。また、枠部材25は、載置台21に当接している。予備加圧により、加圧パッド26がワークWの表面の形状に応じて変形して、ワークWは載置台21および加圧パッド26に保持される。ここで、予備加圧においてワークWに加えられる加圧力は、加圧処理においてワークWに加えられる加圧力よりも十分に小さい。次いで、昇降装置41は、テーブル40を下降させる。このように、実行エリアA21において、載置台21が上側ユニット22に取り付けられることにより、チャンバユニット20が組み立てられて、ワークWがチャンバユニット20に収容される(収容処理が実行される)。チャンバユニット20が組み立てられたとき、載置台21はワークWの下方に配置されていて、加圧パッド26はワークWの上方に配置されていて、水平方向においてサイド部材27はワークWの全周を取り囲むように配置されている。
【0102】
次いで、制御装置3は搬送装置9の動作を制御して、チャンバユニット20を実行エリアA21から実行エリアA22に移動させる(ST4)。具体的には、回転機構91は、ベース部材B1を上方視において時計回り方向に90°回転させる。このとき、レール部材R1,R2の向きは、X軸方向からY軸方向に転換される。すなわち、チャンバユニット20の移動方向は、X軸方向からY軸方向に転換される。つまり、実行エリアA21は、本発明における転換エリアとしても機能している。次いで、レール部材R1~R4,R9,R10に対応するローラRoが回転することにより、チャンバユニット20は、レール部材R9,R10を介して、実行エリアA22に搬送される。このとき、レール部材R3,R4の向きは、Y軸方向に向けられている。次いで、回転機構92は、ベース部材B2を上方視において時計回り方向に90°回転させる。このとき、レール部材R3,R4の向きは、Y軸方向からX軸方向に転換される。すなわち、チャンバユニット20の移動方向は、Y軸方向からX軸方向に転換される。つまり、実行エリアA22は、本発明における転換エリアとしても機能している。次いで、回転機構91は、ベース部材B1を上方視において反時計回り方向に90°回転させる。
【0103】
チャンバユニット20が実行エリアA21から移動するとき、移動コネクタCpと固定コネクタCs1との接続は、解除される。このとき、移動コネクタCpのチェッキ弁が閉じることにより、収容室20Rは密閉されていて、収容室20Rの減圧雰囲気は維持される。
【0104】
図10は、予備加熱処理が実行される実行エリアA22にチャンバユニット20が搬送された状態を示す模式断面図である。
図11は、予備加熱処理が実行されているチャンバユニット20を示す模式断面図である。
これらの図は、レール部材R3,R4が向けられている方向視における実行エリアA22内の各装置の模式断面を示している。また、これらの図は、雰囲気調整装置10の一部も示している。
【0105】
次いで、制御装置3は予備加熱装置5の動作を制御して、ワークWに予備加熱処理を実行する(ST5)。
【0106】
「予備加熱処理」は、加圧処理の前に予めワークWを所定の予備加熱温度まで加熱する処理である。予備加熱処理は、加圧処理におけるワークWの加熱時間を短縮するために、加圧処理の前に実行される前処理である。予備加熱温度は、後述される本加熱温度よりも低い温度(例えば、約200℃)である。
【0107】
具体的には、昇降装置52は、予備加熱ユニット51の上面51cがチャンバユニット20(載置台21の下面21b)に当接するまで、テーブル50および予備加熱ユニット51を上昇させる。次いで、昇降装置52は、予備加熱ユニット51が載置台21に当接している状態を所定時間維持する。ここで、予備加熱ユニット51は、予め既定の予備加熱温度まで加熱されている。そのため、予備加熱ユニット51からの熱は、載置台21を介して、ワークWに伝達される。所定時間の経過後、昇降装置52は、テーブル50を降下させて、予備加熱処理を終了させる。
【0108】
ここで、チャンバユニット20が実行エリアA22に位置しているとき、移動コネクタCpは、固定コネクタCs2に接続されている。そして、雰囲気調整装置10は、真空ポンプPおよび弁V2を動作させて、実行エリアA22において収容室20Rの雰囲気を減圧雰囲気に維持している。
【0109】
次いで、制御装置3は搬送装置9の動作を制御して、チャンバユニット20を実行エリアA22から実行エリアA23に移動させる(ST6)。具体的には、レール部材R3,R4,R11,R12に対応するローラRoが回転することにより、チャンバユニット20は、実行エリアA23に搬送される。次いで、回転機構92は、ベース部材B2を上方視において反時計回り方向に90°回転させる。
【0110】
チャンバユニット20が実行エリアA22から移動するとき、移動コネクタCpと固定コネクタCs2との接続は、解除される。このとき、移動コネクタCpのチェッキ弁が閉じることにより、収容室20Rは密閉されていて、収容室20Rの減圧雰囲気は維持される。
【0111】
図12は、加圧処理が実行される実行エリアA23にチャンバユニット20が搬送された状態を示す模式断面図である。
図13は、加圧処理が実行されているチャンバユニット20を示す模式断面図である。
これらの図は、レール部材R11,R12が向けられている方向視における実行エリアA23内の各装置の模式断面を示している。また、これらの図は、雰囲気調整装置10の一部も示している。
【0112】
次いで、制御装置3は、加圧装置6の動作を制御して、ワークWに加圧処理を実行する(ST7)。
【0113】
具体的には、昇降装置62は、熱ユニット61の上面61cがチャンバユニット20(載置台21の下面21b)に当接するまで、下ベース部材60および熱ユニット61を上昇させる。ついで、昇降装置62は、ワークWに所定の加圧力(以下「本加圧力」という。)が加えられるまで、下ベース部材60および熱ユニット61を上昇させる。このとき、載置台21は枠部材25およびサイド部材27と共に上昇して、上型24が枠部材25およびサイド部材27に対して相対的に下降する。そのため、上型24は、加圧パッド26を下方へ向けて押圧して、加圧パッド26はワークWの表面の形状に追従するように変形して、ワークWを均等に加圧する。その結果、ワークWは下方から載置台21に押圧されて、上方から加圧パッド26(上型24)に押圧される。
【0114】
ワークWが加圧されるとき、ベース部材23は、昇降装置62によりレール部材R11,R12から持ち上げられて、ベース部材B6に当接する。すなわち、ベース部材B6はチャンバユニット20の上方への移動を規制して、チャンバユニット20は熱ユニット61およびベース部材B6により挟圧される。このとき、ベース部材B6および下ベース部材60は、昇降装置62による本加圧力を受ける、いわゆるボルスタとして機能している。その結果、ワークWには本加圧力が加えられると共に、ワークWに加えられる本加圧力は安定する。このように、ベース部材23単独では無く、2つのベース部材23,B6が加圧処理における本加圧力を受けることにより、ベース部材23の厚みは、ベース部材23単独で本加圧力を受ける場合と比較して薄くなるように設計できる。そのため、チャンバユニット20および上側ユニット22の重量は軽くでき、これらの搬送に必要な動力は抑えられる。また、レール部材R11,R12に本加圧力が加えられないため、レール部材R11,R12には本加圧力に基づく負荷は加えられない。
【0115】
次いで、昇降装置62は、ワークWに本加圧力が加えられている状態を所定時間維持する。ここで、熱ユニット61の上半部は、予め既定の加熱温度(以下「本加圧温度」という。例えば、約300℃)まで加熱されている。そのため、熱ユニット61からの熱は、載置台21を介して、ワークWに伝達される。このとき、熱ユニット61からの熱は、枠部材25およびワークWを介して、加圧パッド26にも伝達される。前述のとおり、柔軟層26aの下方には断熱層26bが配置されているため、熱ユニット61からの熱は断熱層26bにより柔軟層26aへは伝達され難い。すなわち、柔軟層26aは、断熱層26bにより、熱的に保護されている。所定時間の経過後、昇降装置62は、下ベース部材60および熱ユニット61を降下させて、加圧処理を終了させる。このとき、チャンバユニット20は、レール部材R11,R12に支持されている。
【0116】
ここで、チャンバユニット20が実行エリアA23に位置しているとき、移動コネクタCpは、固定コネクタCs3に接続されている。そして、雰囲気調整装置10は、真空ポンプPおよび弁V3を動作させて、実行エリアA23における収容室20Rの雰囲気を減圧雰囲気に維持している。そのため、加圧処理中のワークWは、外気に曝されず、酸化しない。
【0117】
このように、加圧処理において、チャンバユニット20のうち、ベース部材23、上型24、および加圧パッド26は、ベース部材B6と共にワークWを上方から加圧する上加圧ユニット6Uとして機能している。また、チャンバユニット20のうち、載置台21は、下ベース部材60および熱ユニット61と共にワークWを下方から加圧する下加圧ユニット6Dとして機能している。
【0118】
次いで、制御装置3は搬送装置9の動作を制御して、チャンバユニット20を実行エリアA23から実行エリアA24に移動させる(ST8)。具体的には、レール部材R5,R6,R11,R12に対応するローラRoが回転することにより、チャンバユニット20は、実行エリアA24に搬送される。このとき、レール部材R5,R6の向きは、X軸方向に向けられている。次いで、回転機構93は、ベース部材B3を上方視において時計回り方向に90°回転させる。このとき、レール部材R5,R6の向きは、X軸方向からY軸方向に転換される。すなわち、チャンバユニット20の移動方向は、X軸方向からY軸方向に転換される。つまり、実行エリアA24は、本発明における転換エリアとしても機能している。
【0119】
チャンバユニット20が実行エリアA23から移動するとき、移動コネクタCpと固定コネクタCs3との接続は、解除される。このとき、移動コネクタCpのチェッキ弁が閉じることにより、収容室20Rは密閉されていて、収容室20Rの減圧雰囲気は維持される。
【0120】
図14は、一次冷却処理が実行される実行エリアA24にチャンバユニット20が搬送された状態を示す模式断面図である。
図15は、一次冷却処理が実行されているチャンバユニット20を示す模式断面図である。
これらの図は、レール部材R5,R6が向けられている方向視における実行エリアA24内の各装置の模式断面を示している。また、これらの図は、雰囲気調整装置10の一部も示している。
【0121】
次いで、制御装置3は一次冷却装置7の動作を制御して、加圧処理後のワークWに一次冷却処理を実行する(ST9)。
【0122】
「一次冷却処理」は、加圧処理後のワークWを所定の温度(例えば、約100℃)まで冷却する処理である。一次冷却処理は、加圧処理後におけるワークWを冷却するために加熱処理の後に実行される加圧処理の後処理である。加圧処理では、ワークWだけでなく、チャンバユニット20(載置台21、枠部材25、およびサイド部材27)も加熱されている。これらの熱容量は比較的大きいため、ワークWの冷却には時間が掛かる。特に、温度の低下速度は、所定の温度(例えば、約100℃)を境に減速する。そこで、本システム1では、冷却時間を短縮するために、ワークWの冷却処理は、所定の温度を基準として一次冷却処理および二次冷却処理の2段階に分けて実行される。
【0123】
具体的には、昇降装置72は、一次冷却ユニット71の上面71cがチャンバユニット20(載置台21の下面21b)に当接するまで、テーブル70および一次冷却ユニット71を上昇させる。次いで、昇降装置72は、一次冷却ユニット71が載置台21に当接している状態を所定時間維持する。ここで、一次冷却ユニット71は、予め既定の一次冷却温度(例えば、約20℃)まで冷却されている。そのため、ワークWは、載置台21を介して、一次冷却ユニット71により所定の温度(例えば、約100℃)前後まで冷却される。所定時間の経過後、昇降装置72は、テーブル70を降下させて、一次冷却処理を終了させる。
【0124】
ここで、チャンバユニット20が実行エリアA24に位置しているとき、移動コネクタCpは、固定コネクタCs4に接続されている。そして、雰囲気調整装置10は、真空ポンプPおよび弁V4を動作させて、一次冷却処理中の収容室20R内の雰囲気を減圧雰囲気に維持している。そのため、一次冷却処理中のワークWは、外気に曝されず、酸化しない。
【0125】
次いで、制御装置3は搬送装置9の動作を制御して、チャンバユニット20を実行エリアA24から実行エリアA25に移動させる(ST10)。具体的には、レール部材R5~R8,R13,R14に対応するローラRoが回転することにより、チャンバユニット20は、レール部材R13,R14を介して、実行エリアA24に搬送される。このとき、レール部材R7,R8の向きは、Y軸方向に向けられている。次いで、回転機構94は、ベース部材B4を上方視において時計回り方向に90°回転させる。このとき、レール部材R7,R8の向きは、Y軸方向からX軸方向に転換される。すなわち、チャンバユニット20の移動方向は、Y軸方向からX軸方向に転換される。つまり、実行エリアA25は、本発明における転換エリアとしても機能している。次いで、回転機構93は、ベース部材B3を上方視において反時計回り方向に90°回転させる。
【0126】
チャンバユニット20が実行エリアA24から移動するとき、移動コネクタCpと固定コネクタCs4との接続は、解除される。このとき、移動コネクタCpのチェッキ弁が閉じることにより、収容室20Rは密閉されていて、収容室20Rの減圧雰囲気は維持される。
【0127】
図16は、二次冷却処理が実行される実行エリアA25にチャンバユニット20が搬送された状態を示す模式断面図である。
図17は、二次冷却処理の終了後のチャンバユニット20を示す模式断面図である。
これらの図は、レール部材R7,R8が向けられている方向視における実行エリアA25内の各装置の模式断面を示している。また、これらの図は、雰囲気調整装置10の一部も示している。後述される図18も同様である。
【0128】
次いで、制御装置3は取出装置8および雰囲気調整装置10の動作を制御して、ワークWに二次冷却処理を実行して(ST11)、その後にワークWの取出処理を実行する。
【0129】
「二次冷却処理」は、一次冷却処理後のワークWを取り出し可能な温度(例えば、約60℃以下)まで冷却する処理である。二次冷却処理は、一次冷却処理と共に加圧処理後におけるワークWを冷却するために加熱処理の後に実行される加圧処理の後処理である。
【0130】
「取出処理」は、チャンバユニット20の組み立てが解除されて(上側ユニット22から載置台21が取り外されて)、ワークWがチャンバユニット20から取り出される処理である。ワークWがチャンバユニット20から取り出されることにより、ワークWに対する一連の処理が完了するため、取出処理は加圧処理の後処理である。
【0131】
具体的には、昇降装置82は、二次冷却ユニット81の上面81cがチャンバユニット20(載置台21の下面21b)に当接するまで、テーブル80および二次冷却ユニット81を上昇させる。次いで、昇降装置82は、二次冷却ユニット81が載置台21に当接している状態を所定時間維持する。ここで、二次冷却ユニット81は、予め既定の二次冷却温度(例えば、約20℃)まで冷却されている。そのため、ワークWは、載置台21を介して、二次冷却ユニット81により所定の温度(例えば、約60℃以下)まで冷却される。所定時間の経過後、一次冷却処理は終了する。
【0132】
ここで、チャンバユニット20が実行エリアA25に位置しているとき、移動コネクタCpは、固定コネクタCs5に接続されている。そして、雰囲気調整装置10は、真空ポンプPおよび弁V5を動作させて、実行エリアA25における収容室20Rの雰囲気を減圧雰囲気に維持している。そのため、二次冷却中のワークWは、外気に曝されず、酸化しない。
【0133】
図18は、載置台21が上側ユニット22から取り外された状態を示す模式断面図である。
【0134】
次いで、雰囲気調整装置10は、真空ポンプPおよび弁V5を動作させて、収容室20R内の雰囲気を不活性ガスでパージして、収容室20R内の雰囲気を不活性ガス雰囲気(大気圧)にする。このとき、真空圧が無くなり、第2ばね部材29が伸長して載置台21およびサイド部材27が下降する。すなわち、上下方向において、枠部材25および加圧パッド26は、載置台21から遠ざかる。換言すれば、枠部材25および加圧パッド26は、載置台21に対して相対的に上昇する。そして、載置台21が上側ユニット22から取り外し可能となる。次いで、昇降装置82は、テーブル80および二次冷却ユニット81を降下させて、載置台21を上側ユニット22から取り外すと共に、ワークWをチャンバユニット20から取り出す(ST12)。このように、実行エリアA25において、載置台21が上側ユニット22から取り外されることにより、チャンバユニット20の組み立てが解除されて、ワークWがチャンバユニット20から取り出される(取出処理が実行される)。
【0135】
なお、本発明において、収容室R20のパージは、エアを用いて行われていてもよい。
【0136】
次いで、制御装置3は、搬出装置12の動作を制御して、二次冷却処理後のワークWが載置されている載置台21を実行エリアA25から搬出エリアA3へ搬出させる(ST13)。具体的には、搬出装置12は、ワークWが載置されている載置台21を二次冷却ユニット81の上から、搬出エリアA3の搬出位置に搬出する。すなわち、載置台21は、加圧後のワークWを実行エリアA25から搬出エリアA3に搬送(搬出)する搬送パレットとして機能している。
【0137】
次いで、制御装置3は搬送装置9の動作を制御して、上側ユニット22(換言すれば、載置台21が取り外されたチャンバユニット20)を実行エリアA25から実行エリアA26に移動させて、次いで、実行エリアA26から実行エリアA21へ移動させる(ST14)。具体的には、レール部材R7,R8,R15,R16に対応するローラRoが回転することにより、上側ユニット22は、実行エリアA26に搬送される。次いで、回転機構94は、ベース部材B4を上方視において反時計回り方向に90°回転させる。
【0138】
図19は、メンテナンス処理が実行可能な実行エリアA26に上側ユニット22が搬送された状態を示す模式断面図である。
同図は、レール部材R15,R16が向けられている方向視における実行エリアA26内の各装置の模式断面図を示している。
【0139】
「メンテナンス処理」は、例えば、本システム1の使用者により、上側ユニット22(換言すれば、載置台21が取り外されたチャンバユニット20)のメンテナンス(例えば、加圧パッド26やシール部材30,31の状態の確認、加圧パッド26の交換など)が実行される処理である。メンテナンス処理は、直接的には加圧処理に関連しないが、間接的には加圧処理に関連している。したがって、本実施の形態において、メンテナンス処理は、関連処理の一例であるものとする。
【0140】
前述のとおり、実行エリアA26には、他の実行エリアA21~A25のように昇降装置41,52,62,72,82が配置されていない。すなわち、上側ユニット22が実行エリアA26に位置しているとき、上側ユニット22の下方には、他の実行エリアA21~A25と比べて、上側ユニット22へのメンテナンスが可能な比較的広い空間(以下「メンテナンス空間MR」という。)が確保されている。本システム1の使用者は、必要に応じて、上側ユニット22のメンテナンス処理を実行する。
【0141】
なお、本発明において、メンテナンス処理の一部または全部は、自動的に実行されていてもよい。すなわち、例えば、実行エリアA26に上側ユニット22を下方から撮像する撮像装置が配置されていて、その画像に基づいて、加圧パッド26の状態が自動的に判定されていてもよい。また、例えば、実行エリアA26に加圧パッド26を交換する装置(機構)が配置されていて、加圧パッド26が自動的に交換されていてもよい。
【0142】
次いで、レール部材R1,R2,R15,R16に対応するローラRoが回転することにより、上側ユニット22は、実行エリアA21に搬送される。このとき、レール部材R1,R2の向きは、X軸方向に向けられている。
【0143】
このように、チャンバユニット20は実行エリアA21~A25間を搬送されると共に、上側ユニット22(載置台21が取り外されたチャンバユニット20)は実行エリアAA25,A26,A21間を搬送される。すなわち、上側ユニット22は、実行エリアA21~A26間を一周する。そして、実行エリアA21において、上側ユニット22には次の載置台21が取り付けられて、次のワークWが収容されているチャンバユニット20が組み立てられて、再度実行エリアA21~A25間を搬送される。換言すれば、本システム1では、チャンバユニット20は、形式的には(見かけ上)実行エリアA21~A25を周回搬送されている。そして、そのチャンバユニット20の周回ごとに、1つのワークWに対する加圧処理および関連処理が順次実行されている。この構成では、ある実行エリアA21~A25において対応する処理の終了後、チャンバユニット20は次の処理が実行される実行エリアA21~A25に搬送される。そのため、以下に説明されるとおり、処理が終了した実行エリアA21~A25では、別のチャンバユニット20に対して同じ処理が実行可能となる。
【0144】
次に、本システム1の動作が、複数のワークW(すなわち、複数のチャンバユニット20)の搬送を一例として、以下に説明される。以下の説明において、図1図18は、適宜参照される。
【0145】
図20は、複数のチャンバユニット20(一部は上側ユニット22)の位置を時系列順に示す模式平面図であり、(a)は時刻「T1」における位置を示していて、(b)は時刻「T2」における位置を示していて、(c)は時刻「T3」における位置を示していて、(d)は時刻「T4」における位置を示していて、(e)は時刻「T5」における位置を示していて、(f)は時刻「T6」における位置を示している。
【0146】
ここで、時系列上、時刻「T1」「T2」「T3」「T4」「T5」「T6」の順に時間が経過しているものとする。同図は、説明の便宜上、実行エリアA21~A26(一点鎖線)とチャンバユニット20(実線)のみを示している。同図の黒丸は、チャンバユニット20(上側ユニット22)の向きを示していて、同図のグレーの丸は収容処理直後のチャンバユニット20の向きを示している。同図では、5つのチャンバユニット20を区別するために、説明の便宜上、チャンバユニット20および上側ユニット22に(A)~(E)の文字が付加されている。
【0147】
時刻「T1」において、チャンバユニット20(A)は実行エリアA25に位置していて、チャンバユニット20(B)は実行エリアA24に位置していて、チャンバユニット20(C)は実行エリアA23に位置していて、チャンバユニット20(D)は実行エリアA22に位置していて、チャンバユニット20(E)は実行エリアA21に位置している。各チャンバユニット20(A~E)に収容されているワークWには、対応する各処理が実行されている。
【0148】
時刻「T2」において、上側ユニット22(A)は実行エリアA26に位置していて、チャンバユニット20(B)は実行エリアA25に位置していて、チャンバユニット20(C)は実行エリアA24に位置していて、チャンバユニット20(D)は実行エリアA23に位置していて、チャンバユニット20(E)は実行エリアA22に位置している。各チャンバユニット20(B~E)に収容されているワークWには、対応する各処理が実行されている。また、上側ユニット22(A)には、メンテナンス処理が実行されている。
【0149】
時刻「T3」において、チャンバユニット20(A)は実行エリアA21に位置していて、上側ユニット22(B)は実行エリアA26に位置していて、チャンバユニット20(C)は実行エリアA25に位置していて、チャンバユニット20(D)は実行エリアA24に位置していて、チャンバユニット20(E)は実行エリアA23に位置している。各チャンバユニット20(A,C~E)に収容されているワークWには、対応する各処理が実行されている。また、上側ユニット22(B)には、メンテナンス処理が実行されている。
【0150】
時刻「T4」において、チャンバユニット20(A)は実行エリアA22に位置していて、チャンバユニット20(B)は実行エリアA21に位置していて、上側ユニット22(C)は実行エリアA26に位置していて、チャンバユニット20(D)は実行エリアA25に位置していて、チャンバユニット20(E)は実行エリアA24に位置している。各チャンバユニット20(A,B,D,E)に収容されているワークWには、対応する各処理が実行されている。また、上側ユニット22(C)には、メンテナンス処理が実行されている。
【0151】
時刻「T5」において、チャンバユニット20(A)は実行エリアA23に位置していて、チャンバユニット20(B)は実行エリアA22に位置していて、チャンバユニット20(C)は実行エリアA21に位置していて、上側ユニット22(D)は実行エリアA26に位置していて、チャンバユニット20(E)は実行エリアA25に位置している。各チャンバユニット20(A~C,E)に収容されているワークWには、対応する各処理が実行されている。また、上側ユニット22(D)には、メンテナンス処理が実行されている。
【0152】
時刻「T6」において、チャンバユニット20(A)は実行エリアA24に位置していて、チャンバユニット20(B)は実行エリアA23に位置していて、チャンバユニット20(C)は実行エリアA22に位置していて、チャンバユニット20(D)は実行エリアA26に位置していて、上側ユニット22(E)は実行エリアA26に位置している。各チャンバユニット20(A~D)に収容されているワークWには、対応する各処理が実行されている。また、上側ユニット22(E)には、メンテナンス処理が実行されている。
【0153】
ここで、チャンバユニット20(A~E)の搬送は、最も処理時間が長い処理(本実施の形態では、加圧処理)の終了を基準に実行される。すなわち、例えば、チャンバユニット20(A~E)の搬送は、実行エリアA24に位置しているチャンバユニット20(A~E)の実行エリアA25への搬送が終了したとき、実行エリアA23における加圧処理が終了するように実行される。
【0154】
また、本実施の形態では、実行エリアA21~A26のうち、実行エリアA21,A22,A24,A25は転換エリアとしても機能している。この構成では、実行エリアA21~A26とは別に転換エリアを配置する必要がなく、実行エリアA21~A26を直線上に配置しなくてもよいため、筐体2の床面積は小さくできる。転換エリアでは、レール部材R1~R8の向きは、転換エリアからチャンバユニット20または上側ユニット22が搬出されなければ、転換できない。したがって、搬送装置9は、全てのチャンバユニット20および上側ユニット22を同時に搬送できず、順繰りに搬送しなければならない。そのため、チャンバユニット20および上側ユニット22の総数は、実行エリアA21~A26の数よりも「1」以上減じた数に設定されている。
【0155】
なお、本発明において、実行エリアA21~A26が転換エリアを含まないように構成されているとき(例えば、後述される第2~第4変形例)、または、実行エリアA21~A26間にチャンバユニット20または上側ユニット22が待機できる待機エリアが配置されているとき、チャンバユニット20および上側ユニット22の総数は、実行エリアA21~A26の数と同じでもよい。
【0156】
このように、チャンバユニット20(A~E)は、上側ユニット22(A~E)としての実行エリアA26への移動を介して、形式的には実行エリアA21~A25を周回している。したがって、本システム1は、複数のチャンバユニット20(A~E)に対して異なる処理を同時並行的に実行可能である。その結果、本システム1では、あるワークWに対する加圧処理と、その次のワークWに対する加圧処理と、の間に必要な時間(加圧処理間の時間)は、従来の加圧装置における同時間よりも大幅に短縮される。また、本システム1では、加圧処理と同時に、加圧処理の前処理および後処理(関連処理)も実行できる。
【0157】
また、ワークWは、減圧雰囲気の密閉された収容室20R(チャンバユニット20)に収容されている状態で実行エリアA21~A25に搬送されて、一連の各処理(予備加熱処理、加圧処理、一次冷却処理、および二次冷却処理)を受ける。すなわち、ワークWは、一連の各処理の間外気に曝されない。そのため、各処理において、熱および外気によるワークWの酸化が防止されて、チャンバユニット20の外部からの異物(例えば、埃、塵など)によるワークWの汚染リスクは低減される。
【0158】
さらに、本システム1では、加圧処理の前処理として予備加熱処理が実行されている。そのため、本システム1における加圧処理は、予備加熱処理が実行できない従来の加圧装置における加圧処理よりも短時間で実行可能である。
【0159】
さらにまた、本システム1では、加圧処理と冷却処理とが分離されている。そのため、本システム1における加圧処理は、加圧処理と冷却処理とが分離できない従来の加圧装置における加圧処理よりも短時間で実行可能である。
【0160】
さらにまた、本システム1では、冷却処理を一次冷却処理と二次冷却処理とに分けて実行されている。そのため、本システム1では、ワークWは効率的に冷却される。また、本システム1では、ワークWごとの冷却時間は、冷却処理を分けることができない従来の加圧装置よりも短縮される。
【0161】
このように、本システム1では、関連処理として予備加熱処理、一次冷却処理、および二次冷却処理が実行可能である。そのため、本システム1においてワークWの搬入から搬出までに必要な総時間は、従来の加圧装置に必要な総時間よりも短縮される。すなわち、本システム1では、複数の関連処理を実行することにより、加圧処理間の時間は、関連処理が実行不可能な従来の加圧装置における同時間よりも短縮される。
【0162】
また、チャンバユニット20は、実行エリアA21~A25間で、実行エリアA21,A22,A24,A25(転換エリア)において計4回、同じ方向(本実施の形態では、上方視における時計回り方向)に90°回転される。その結果、チャンバユニット20の移動方向に対するチャンバユニット20の向きは、常に同じである。この構成では、搬入エリアA1に位置しているときのワークWの向きは、搬出エリアA3に位置しているときのワークWの向きと同じとなる。すなわち、本システム1による処理の前後の処理において、ワークWの向きが同じとなる。
【0163】
さらに、本システム1では、チャンバユニット20が実行エリアA21~A25に位置しているとき、移動コネクタCpは固定コネクタCs1~Cs5に接続されていて、収容室20Rは貫通孔27c、移動コネクタCp、固定コネクタCs1~Cs5、および弁V1~V5を介して減圧系配管Lpまたはガス系配管Lgに連通可能である。チャンバユニット20が搬送されているとき、移動コネクタCpのチェッキ弁は閉じていて、収容室20Rは密閉されている。この構成では、チャンバユニット20の搬送中に収容室20Rの真空度が低下しても、各実行エリアA21~A25において収容室20Rの減圧雰囲気は維持される。そのため、熱および外気によるワークWの酸化は、防止される。
【0164】
さらにまた、本システム1では、チャンバユニット20は、上下加圧ユニット6U,6Dとして機能する部材(載置台21、ベース部材23、上型24、および加圧パッド26)を備えて、各実行エリアA21~A25間を搬送されている。また、同部材のうち、ベース部材23、上型24、および加圧パッド26については各実行エリアA21~A26間を搬送されている。すなわち、これらの部材は実行エリアA23に据え付けられておらず、他の実行エリアA21,A22,A24~A26へも搬送されている。そのため、他の実行エリアA21,A22,A24~A26において、チャンバユニット20および上側ユニット22のメンテナンスが可能となり、そのメンテナンス性が向上する。
【0165】
さらにまた、本システム1では、1個(1セット)のワークWが1個のチャンバユニット20(収容室20R)に収容された状態で各処理が実行されている。すなわち、1個(1セット)のワークWに対して1個のチャンバユニット20が紐づけられている。つまり、1個(1セット)のワークWに対して、1セットの載置台21および加圧パッド26が紐づけられている。そのため、ワークWごとに、各処理の実行時に用いられた載置台21および加圧パッド26の追跡が可能となる。
【0166】
さらにまた、本システム1は、上下加圧ユニット6U,6Dとして機能する部材を備える複数のチャンバユニット20を備える。そのため、仮に、これらの部材に不具合が生じても、そのチャンバユニット20を取り外す(または交換する)だけで、他のワークWに対する各処理は、続けて実行可能である。
【0167】
さらにまた、本システム1は、実行エリアA23とは別にメンテナンス処理用の実行エリアA26を備える。そのため、実行エリアA23において、メンテナンス(主に部材の交換)用のスペースが不要となる。したがって、実行エリアA23(筐体2)の高さは低くできる。
【0168】
●まとめ
以上説明された実施の形態によれば、本システム1は、複数の実行エリアA21~A26、およびチャンバユニット20を有してなる。各実行エリアA21~A26は、各処理が実行される順番に従って配置されている。チャンバユニット20は、ワークWを収容して各実行エリアA21~A25間を搬送される。チャンバユニット20は、載置台21、加圧パッド26、およびサイド部材27を備える。載置台21は、ワークWの下方に配置されていて、下加圧ユニット6Dとして機能している。加圧パッド26は、ワークWの上方に配置されていて、上加圧ユニット6Uとして機能している。サイド部材27は、水平方向においてワークWの全周を囲むように配置されていて、載置台21および加圧パッド26と共に収容室R20を区画している。この構成によれば、処理が終了した実行エリアA21~A25では、別のチャンバユニット20に対して同じ処理が実行可能となる。すなわち、本システム1では、加圧処理間の時間は短縮される。また、本システム1では、載置台21が下加圧ユニット6Dとして機能していて、加圧パッド26が上加圧ユニット6Uとして機能している。そのため、チャンバユニット20(収容室20R)に収容されているワークWに対して加圧処理が実行可能である。さらに、加圧処理が実行される実行エリアA23に上下加圧ユニット6U,6Dとして機能しているチャンバユニット20が据え付けられておらず、他の実行エリアA21,A22,A24~A26に搬送されている。そのため、本システム1では、加圧パッド26のメンテナンス性が向上する。さらにまた、本システム1では、ワークWごとに、各処理の実行時に用いられた載置台21および加圧パッド26の追跡が可能となる。さらにまた、本システム1では、チャンバユニット20が各実行エリアA21~A25間を搬送されることにより、複数の関連処理が実行可能である。さらにまた、チャンバユニット20の外部からの異物(例えば、埃、塵など)によるワークWの汚染リスクは、低減される。
【0169】
また、以上説明された実施の形態によれば、チャンバユニット20は、実行エリアA21~A26における上部空間を通過して、実行エリアA21~A25間を搬送される。この構成では、実行エリアA21~A25ごとに、各処理に必要な部材を下方から上昇させることにより各処理が容易に実行可能となる。
【0170】
さらに、以上説明された実施の形態によれば、加圧パッド26は、載置台21に対して、上下方向に相対的に移動可能である。すなわち、チャンバユニット20の収容室20Rを区画している加圧パッド26は、載置台21に対して相対的に移動可能である。この構成によれば、チャンバユニット20(収容室20R)に収容されているワークWに対して、加圧処理が確実に可能となる。
【0171】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、加圧パッド26は、加圧処理においてワークWの表面の形状に追従して変形する柔軟層26aを備える。チャンバユニット20は、加圧パッド26の上方に配置されていて、加圧処理において加圧パッド26を下方へ向けて押圧することにより上加圧ユニット6Uとして機能している上型24を備える。この構成によれば、加圧処理において、チャンバユニット20ごとの上型24に対する加圧パッド26の位置合わせが不要となる。また、ワークWに対する上型24および加圧パッド26の位置合わせも不要となる。さらに、上加圧ユニット6Uの大半がチャンバユニット20として搬送される。そのため、実行エリアA23へのチャンバユニット20の搬送が容易となり、実行エリアA23の上部空間に配置されている上加圧ユニット6Uとして機能する部材の数も少なくなる。
【0172】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、加圧装置6は、加圧処理において、チャンバユニット20の下方から上昇することにより載置台21に当接して、下加圧ユニット6Dとして機能する熱ユニット61を備える。この構成では、実行エリアA23の上部空間はチャンバユニット20の搬送のみに使用可能となり、上部空間における部材構成は簡素化できる。また、ワークWに本加圧力を加える機構の大半(特に、昇降装置62)がチャンバユニット20の下方に配置されるため、筐体2の高さは抑制できる。
【0173】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、収容室20Rの雰囲気は、収容室20Rの内部圧力がチャンバユニット20の外部空間の外部圧力よりも低い減圧雰囲気である。載置台21は、サイド部材27の下方に配置されていて、圧力差によりサイド部材27に取り付けられている。この構成によれば、載置台21をサイド部材27に取り付けるための個別の部材は不要となる。すなわち、チャンバユニット20の部品点数は減少する。また、各処理において、ワークWは外気に曝されない。そのため、熱および外気によるワークWの酸化は、防止される。
【0174】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、載置台21は、ワークWを実行エリアA21に搬入して、加圧されたワークWを実行エリアA25から搬出する、搬送パレットとして機能している。この構成によれば、本システム1におけるワークWの搬入から搬出までの各処理を1個の載置台21上で完結できる。
【0175】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、本システム1は、実行エリアA26を有してなる。この構成によれば、加圧処理および関連処理の一連の流れの中で、上側ユニット22のメンテナンスも可能となる。また、実行エリアA23(筐体2)の高さは低くできる。
【0176】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、本システム1は、予備加熱ユニット51、熱ユニット61、一次冷却ユニット71、および二次冷却ユニット81を備える。実行エリアA22において予備加熱処理が実行されるとき、予備加熱ユニット51は、チャンバユニット20の下方から上昇することにより載置台21に当接して、ワークWを予備加熱する。実行エリアA24において一次冷却処理が実行されるとき、一次冷却ユニット71は、チャンバユニット20の下方から上昇することにより載置台21に当接して、ワークを冷却する。実行エリアA25において二次冷却処理が実行されるとき、二次冷却ユニット81は、チャンバユニット20の下方から上昇することにより載置台21に当接して、ワークを冷却する。この構成によれば、加圧処理は、短時間で実行可能である。したがって、加圧処理間の時間は短縮される。
【0177】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、本システム1は、複数のチャンバユニット20を有してなる。チャンバユニット20の数は、実行エリアA21~A26の数よりも少ない。この構成によれば、加圧処理間だけでなく関連処理間の時間は、短縮される。また、全てのチャンバユニット20を同時に搬送しなくてもよいため、チャンバユニット20(A~E)の搬送は、最も処理時間が長い処理の終了を基準に実行できる。
【0178】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、実行エリアA21~A26は、各処理が実行される順番に従って環状に配置されている。チャンバユニット20および上側ユニット22それぞれは、実行エリアA21~A26間を周回搬送される。この構成によれば、本システム1は、ワークWが連続的に投入可能となり、投入された各ワークWに対する各処理が連続的に実行可能となり、かつ、異なるワークWに対する異なる処理が同時に実行可能となる。その結果、複数のワークWに対する連続的な処理が効率的に実行可能となる。
【0179】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、本システム1は、チャンバユニット20の移動方向におけるチャンバユニット20の向きが常に同じになるように、移動方向を転換させる回転機構91~94を備える。実行エリアA21~A26は、回転機構91~94が配置されている転換エリアを含む。この構成によれば、本システム1による処理の前後の処理において、ワークWの向きの調整が可能となる。また、筐体2の床面積は小さくできる。
【0180】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、本システム1は、雰囲気調整装置10を有してなる。雰囲気調整装置10は、真空ポンプP、減圧系配管Lp、ガス系配管Lg、および固定コネクタCs1~Cs5を備える。チャンバユニット20は、移動コネクタCpおよび貫通孔27cを備える。固定コネクタCs1~Cs5が配置されている実行エリアA21~A25にチャンバユニット20が位置しているとき、移動コネクタCpは固定コネクタCs1~Cs5に接続されていて、収容室20Rは減圧系配管Lpまたはガス系配管Lgに連通可能である。チャンバユニット20が搬送されているとき、収容室20Rは密閉されている。この構成によれば、チャンバユニット20の搬送中に収容室20Rの真空度が低下しても、各実行エリアA21~A25において収容室20Rの減圧雰囲気は維持される。
【0181】
●変形例●
次に、本システム1の変形例が、先に説明した実施の形態(以下「第1実施形態」という。)と異なる点を中心に、以下に説明される。以下の変形例において、説明の便宜上、第1実施形態と同じ部材、および、共通する機能を有する部材には、第1実施形態と同じ符号が付されている。以下の変形例において、図1図5は、適宜参照される。
【0182】
●第1変形例
第1変形例では、チャンバユニットの構成、および収容室の雰囲気が第1実施形態と異なる。
【0183】
図21は、第1変形例におけるチャンバユニット20Aの模式断面図である。
【0184】
チャンバユニット20Aは、載置台21、上側ユニット22A、および収容室20Rを備える。上側ユニット22Aは、ベース部材23、上型24、枠部材25、加圧パッド26、サイド部材27、第1ばね部材28、第2ばね部材29、2つのシール部材30,31、複数の固定部材32、および移動コネクタCpを備える。
【0185】
固定部材32は、載置台21をサイド部材27(上側ユニット22A)に固定する。固定部材32は、サイド部材27の下部の外周面27fに取り付けられている。固定部材32は、例えば、支持部32a、本体部32b、および公知のラチェット機構(不図示。以下同じ。)を備える。支持部32aは、本体部32bを固定位置と開放位置との間で回転可能に支持している。本体部32bの形状は、例えば、側方視においてL字状である。本体部32bは、例えば、ラチェット機構により、開放位置側へは回転可能であり固定位置側へは回転不可能であり、ラチェット機構が解除されると固定位置へ回転可能である。本体部32bが固定位置に位置しているとき、本体部32bの一部は、載置台21およびサイド部材27の下方に位置していて、載置台21を支持可能である。本体部32bが解放位位置に位置しているとき、本体部32bの一部は、サイド部材27の側方に位置していて、載置台21を支持不可能である。
【0186】
チャンバユニット20AにワークWが収容されているとき、収容室20Rの雰囲気は、雰囲気調整装置10により不活性ガス雰囲気に調整されている。すなわち、収容室20Rには、収容室20Rの内部圧力が外部圧力(大気圧)と同じになるように不活性ガスが充填されている。この場合、真空圧が生じていないため、載置台21は、固定位置に回転した固定部材32によりサイド部材27(上側ユニット22A)に固定されている。前述のとおり、移動コネクタCpは各固定コネクタCs1~Cs5に接続されて、収容室20Rの雰囲気は各実行エリアA21~A25で維持可能である。そのため、載置台21とシール部材31との間には、僅かに隙間が生じていてもよい。
【0187】
この構成では、収容室20Rの雰囲気は不活性ガス雰囲気であるため、ワークWは、予備加熱処理、加圧処理、および一次冷却処理において外気に曝されず、酸化しない。また、必要となる不活性ガスの量は、収容室R20の容積の量(数回の置換が行われる場合、同容積に置換回数を乗算した量)に抑えられる。
【0188】
なお、第1変形例において、ワークWが酸化しない(酸化し難い)材質製の場合、収容室20Rには、エアが充填されていてもよい。
【0189】
また、第1変形例において、固定部材32の構成は、支持部32a、本体部32b、および公知のラチェット機構に限定されない。すなわち、例えば、固定部材32は、側方視において矩形の「C字」状でもよい。この場合、例えば、サイド部材27の下端部27eの外周面27fには固定部材32が嵌め込まれる凹部又は凸部が形成されていて、固定部材32はサイド部材27の下端部27eおよび載置台21の外縁部を挟み込む。また、例えば、固定部材32は、載置台21の外縁部とサイド部材27とを締結するボルトでもよい。収容装置4は固定部材32の取付機構を備えていて、取出装置8は固定部材32の取外機構を備えていてもよい。
【0190】
●第2~第4変形例
第2~第4変形例では、実行エリアの配置、および搬送装置の構成が第1実施形態と異なる。
【0191】
図22(a)は第2変形例に係る加圧システム1B(以下「本システム1B」という。)の模式平面図であり、(b)は第3変形例に係る加圧システム1C(以下「本システム1C」という。)の模式平面図であり、(c)は第4変形例に係る加圧システム1D(以下「本システム1D」という。)の模式平面図である。
同図は、説明の便宜上、実行エリアA21~A25(A26)のみを一点鎖線で示している。同図は、チャンバユニット20または上側ユニット22の搬送経路を矢印で示している。図22に示されていない部材は、図1図5が参照される。
【0192】
図22(a)に示されるとおり、本システム1Bでは、実行エリアA21~A25は直線状に配置されていて、実行エリアA26は実行エリアA21~A25の側方に配置されている。搬送装置9Bは、第2レール部材R21~R24を備えて、回転機構91~94を備えていない。第2レール部材R21,R22は、実行エリアA21,A26に配置されていて、第2レール部材R23,R24は実行エリアA25,A26に配置されている。ベース部材B1は、第2レール部材R21,R22に支持されていて、実行エリアA21,A26間を平行移動可能に構成されている。ベース部材B4は、第2レール部材R23,R24に支持されていて、実行エリアA25,A26間を平行移動可能に構成されている。この構成では、搬送装置9Bが回転機構91~94を備えていなくても、本システム1Bによる処理の前後の処理において、ワークWの向きが同じとなる。また、この構成では、実行エリアA26において、複数の上側ユニット22が保管可能であるため、チャンバユニット20および上側ユニット22の総数は実行エリアA21~A26の数以上に設定できる。
【0193】
なお、第2変形例において、実行エリアA26は、実行エリアA21~A25の上方に配置されていてもよい。すなわち、例えば、実行エリアA21~A26は、キャタピラのような立体状に配置されていてもよい。
【0194】
図22(b)に示されるとおり、本システム1Cでは、実行エリアA21~A26は、円環状に配置されている。搬送装置9Cは、回転機構91~94を備えていない。上方視において、レール部材R1~R16は、円環状に配置されている。この構成では、搬送装置9Cが回転機構91~94を備えていなくても、本システム1Cによる処理の前後の処理において、ワークWの向きが同じとなる。また、この構成では、実行エリアA21~A26間にチャンバユニット20の待機エリアを配置可能である。そのため、チャンバユニット20および上側ユニット22の総数は実行エリアA21~A26の数以上に設定できる。
【0195】
図22(c)に示されるとおり、本システム1Dでは、実行エリアA21~A25は、直線状に配置されている。実行エリアA21において、上側ユニット22は、例えば、使用者によりレール部材R1,R2にセットされる。また、実行エリアA25において、上側ユニット22は、例えば、本システム1Dの使用者によりレール部材R7,R8から取り外される。取り外された上側ユニット22は、使用者または搬送ロボットにより、実行エリアA21の近傍まで搬送される。この構成では、実行エリアA21~A25の周囲全てがメンテナンスエリア(実行エリアA26)として機能できる。
【0196】
●その他の実施形態●
なお、本発明において、実行エリアA2の数は複数であればよく、実行エリアA2の種類は関連処理の種類により設定されていればよく、実行エリアA2の数および種類は第1実施形態に限定されない。すなわち、例えば、実行エリアA2の数は、「2」以上であればよい。具体的には、例えば、本システム1において予備加熱処理が実行されないとき、本システム1は実行エリアA22および予備加熱装置5を備えていなくてもよい。また、例えば、本システム1において冷却処理が二段階に分かれていないとき、本システム1は実行エリアA24および一次冷却装置7を備えていなくてもよい。さらに、例えば、複数の処理(例えば、収容処理と予備加熱処理、取出処理とメンテナンス処理など)が同じ実行エリアA2で実行されていてもよい。さらにまた、例えば、収容処理および/または取出処理が本システム1の外部で実行されていて、チャンバユニット20が本システム1に搬入/搬出されていてもよい。さらにまた、実行エリアA2は、実行エリアA21~A26の間に1個以上のチャンバユニット20を配置可能な搬送経路(前述した待機エリア)を含んでいてもよい。
【0197】
また、本発明において、実行エリアA2の配置は、第2~第4変形例に例示されるとおり、第1実施形態に限定されない。
【0198】
さらに、本発明において、ワークWのみが本システム1に搬入/搬出されていてもよい。すなわち、例えば、実行エリアA25において、ワークWのみが搬出されて、ワークWが載置されていない載置台21が上側ユニット22に取り付けられてチャンバユニット20が組み立てられて、同チャンバユニット20は実行エリアA21に搬送されていてもよい。この場合、実行エリアA21において、載置台21が上側ユニット22から取り外されて、同載置台にワークWのみが搬入される。また、この例では、実行エリアA25の載置台21は、上側ユニット22とは異なる経路で実行エリアA21に搬送されていて、上側ユニット22は実行エリアA26を経由して実行エリアA21に搬送されていてもよい。さらに、この例では、本システム1は、搬入エリアA1および搬出エリアA3を備えていなくてもよい。
【0199】
さらにまた、本発明において、前述のとおり、本システム1は、予備加熱装置5および/または一次冷却装置7(および/または二次冷却ユニット81)を備えていなくてもよい。具体的には、例えば、加圧処理において冷却処理も実行されていてもよい。この場合でも、加圧処理と平行して収容処理、取出処理、およびメンテナンス処理が実行可能であり、加圧処理間の処理時間は従来の加圧装置よりも短縮可能である。
【0200】
さらにまた、本発明において、加圧装置6は、熱ユニット61を備えていなくてもよい。
【0201】
さらにまた、本発明において、搬送装置9の構成は、チャンバユニット20および上側ユニット22が各実行エリアA21~A26の上部空間を搬送可能に構成されていればよく、第1実施形態に限定されない。すなわち、例えば、チャンバユニット20(上側ユニット22)が、動力源およびレール部材R1~R16上を転動可能な駆動輪を備えていてもよい。また、例えば、レール部材R1~R16には、ベース部材23の下面23aと当接可能な複数のローラが取り付けられていてもよい。さらに、例えば、搬送装置9は、ベース部材23に着脱可能に構成されている係止部材、および隣接する実行エリアA21~A26間で係止部材を移動させる移動機構を備えていてもよい。
【0202】
さらにまた、本発明において、チャンバユニット20の数は、好適には、実行エリアA2の数以下であればよく、「5個」に限定されない。すなわち、例えば、本発明において、チャンバユニット20の数は、「1個」でもよい。この場合、第1実施形態のような顕著な効果は奏さないが、加熱から冷却までを単一の加圧処理において実行する従来の加圧装置と比較して、搬入から搬出までの総時間は短縮される。したがって、加圧処理間の時間は、従来の加圧装置よりも短縮される。
【0203】
さらにまた、本発明において、回転機構91~94の数および回転の方向は、第1実施形態に限定されない。すなわち、例えば、本システム1による処理の前後の処理においてワークWの向きが異なってもよい場合、回転機構91~94の一部または全部は、上方視における反時計回り方向に90°回転してもよい。
【0204】
さらにまた、本発明において、レール部材R1~R8は、回転時におけるチャンバユニット20(上側ユニット22)の脱落リスク低減のため、長手方向の一方向側からのみ出入可能に構成されていてもよい。
【0205】
さらにまた、本発明において、本システム1は、固定コネクタCs2~Cs5の一部または全てを備えていなくてもよい。
【0206】
さらにまた、本発明において、本システム1は、固定コネクタCs1~Cs5および移動コネクタCpを備えていなくてもよい。この場合、収容室R20は、チャンバユニット20の外気(空気)に満たされている。
【0207】
さらにまた、本発明において、ワークWの上方には、貼付防止シートが被せられていなくてもよい。
【0208】
さらにまた、各図面において、説明の便宜上、チャンバユニット20に収容されているワークWの形状は、1枚の平板状に示されているが、これに限定されない。すなわち、例えば、チャンバユニット20には複数の被加圧物から構成される1セットのワークWが収容されていてもよい。また、例えば、1セットのワークWを構成する被加圧物それぞれの形状は、同じでもよく、あるいは、異なっていてもよい。
【0209】
●本発明の実施態様●
次に、以上説明した各実施形態から把握される本発明の実施態様について、各実施形態において記載された用語と符号とを援用しつつ、以下に記載する。
【0210】
本発明の第1の実施態様は、ワーク(例えば、ワークW)の加圧処理と、前記加圧処理に関連する関連処理と、を実行する加圧システム(例えば、加圧システム1,1B~1D)であって、前記加圧処理と前記関連処理とを含む複数の処理のうち、いずれか1つの前記処理が実行される複数の実行エリア(例えば、実行エリアA21~A26)と、前記ワークを収容して、複数の前記実行エリア間を搬送されるチャンバユニット(例えば、チャンバユニット20,20A)と、を有してなり、複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って配置されて、前記チャンバユニットは、前記ワークの上方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを上方から加圧する上加圧ユニット(例えば、上加圧ユニット6U)として機能する天井部(例えば、加圧パッド26)と、前記ワークの下方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを下方から加圧する下加圧ユニット(例えば、下加圧ユニット6D)として機能する床部(例えば、載置台21)と、水平方向において、前記ワークの全周を囲むように配置されて、前記天井部と前記床部と共に前記ワークが収容される収容室(例えば、収容室20R)を区画する周壁部(例えば、サイド部材27)と、を備える、加圧システムである。
この構成によれば、加圧処理間の時間が短縮可能で、加圧処理の関連処理が実行できる。
【0211】
本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様において、前記チャンバユニットは、前記実行エリアにおける上部空間を通過して、前記実行エリア間を搬送される、加圧システムである。
この構成によれば、各処理が容易に実行可能となる。
【0212】
本発明の第3の実施態様は、第1の実施態様において、前記天井部は、前記床部に対して、上下方向に相対的に移動可能である、加圧システムである。
この構成によれば、チャンバユニット(収容室)に収容されているワークに対して、加圧処理が確実に可能となる。
【0213】
本発明の第4の実施態様は、第3の実施態様において、前記天井部は、前記加圧処理において、前記ワークの表面の形状に追従して変形する柔軟層(例えば、柔軟層26a)を備える加圧パッド(例えば、加圧パッド26)、を備えて、前記チャンバユニットは、前記加圧パッドの上方に配置されて、前記加圧処理において、前記加圧パッドを下方へ向けて押圧することにより前記上加圧ユニットとして機能する上型(例えば、上型24)、を備える、加圧システムである。
この構成によれば、実行エリア(加圧エリア)へのチャンバユニットの搬送が容易となり、実行エリアの上部空間に配置されている上加圧ユニットとして機能する部材の数も少なくなる。
【0214】
本発明の第5の実施態様は、第1の実施態様において、前記加圧処理が実行される加圧エリア(例えば、実行エリアA23)に配置されて、前記加圧処理を実行する加圧装置(例えば、加圧装置6)、を有してなり、前記実行エリアは、前記加圧エリア、を含み、前記加圧装置は、前記加圧処理において、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、前記下加圧ユニットとして機能する押圧ユニット(例えば、熱ユニット61)、を備える、加圧システムである。
この構成によれば、実行エリア(加圧エリア)の上部空間における部材構成を簡素化できる。また、筐体の高さを抑制できる。
【0215】
本発明の第6の実施態様は、第1の実施態様において、前記収容室の雰囲気は、前記収容室の内部圧力が前記チャンバユニットの外部空間の外部圧力よりも低い減圧雰囲気であり、前記床部は、前記周壁部の下方に配置されて、前記内部圧力と前記外部圧力との圧力差により前記周壁部に取り付けられる、加圧システムである。
この構成によれば、各処理において、ワークは外気に曝されない。
【0216】
本発明の第7の実施態様は、第1の実施態様において、前記収容室の雰囲気は、前記収容室の内部圧力が前記チャンバユニットの外部空間の外部圧力と同じになるようにガスが充填されるガス雰囲気であり、前記チャンバユニット(例えば、チャンバユニット20A)は、前記床部を前記周壁部に固定する固定部材(例えば、固定部材32)、を備える、加圧システムである。
この構成によれば、ガスに不活性ガスが用いられることにより、各処理において、ワークは外気に曝されない。
【0217】
本発明の第8の実施態様は、第1の実施態様において、前記床部は、前記周壁部に対して着脱可能であり、複数の前記実行エリアは、前記ワークが載置された前記床部が前記周壁部に取り付けられることにより、前記ワークが前記チャンバユニットに収容される収容処理が前記関連処理として実行される収容エリア(例えば、実行エリアA21)と、加圧された前記ワークが載置された前記床部が前記周壁部から取り外されることにより、前記ワークが前記チャンバユニットから取り出される取出処理が前記関連処理として実行される取出エリア(例えば、実行エリアA25)と、を含み、前記床部は、前記ワークを前記収容エリアに搬入して、加圧された前記ワークを前記取出エリアから搬出する、搬送パレットとして機能する、加圧システムである。
この構成によれば、本システムにおけるワークの搬入から搬出までの各処理を1個の載置台上で完結できる。
【0218】
本発明の第9の実施態様は、第8の実施態様において、前記収容エリアと前記取出エリアとの間に配置されて、前記床部が取り外された前記チャンバユニット(例えば、上側ユニット22)のメンテナンス処理が実行されるメンテナンスエリア(例えば、実行エリアA26)、を有してなる、加圧システムである。
この構成によれば、上側ユニットのメンテナンスが可能となり、実行エリア(加圧エリア)の高さは低くできる。
【0219】
本発明の第10の実施態様は、第1の実施態様において、前記加圧処理が実行される加圧エリアに配置されて、前記ワークを加熱する加熱ユニット(例えば、熱ユニット61)と、前記ワークを予備加熱する予備加熱ユニット(例えば、予備加熱ユニット51)、および/または、加圧後の前記ワークを冷却する冷却ユニット(例えば、一次冷却ユニット71、二次冷却ユニット81)と、を有してなり、複数の前記実行エリアは、前記予備加熱ユニットが配置されて、前記ワークの予備加熱処理が前記関連処理として実行される予備加熱エリア(例えば、実行エリアA22)、および/または、前記冷却ユニットが配置されて、加圧後の前記ワークの冷却処理が前記関連処理として実行される冷却エリア(例えば、実行エリアA24,A25)、を含み、前記予備加熱エリアにおいて、前記予備加熱処理が実行されるとき、前記予備加熱ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、および/または、前記冷却エリアにおいて、前記冷却処理が実行されるとき、前記冷却ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接する、加圧システムである。
この構成によれば、加圧処理間の時間は短縮される。
【0220】
本発明の第11の実施態様は、第1乃至第10のいずれか1つの実施態様において、複数の前記チャンバユニット、を有してなり、複数の前記チャンバユニットの数は、複数の前記実行エリアの数以下である、加圧システムである。
この構成によれば、加圧処理間だけでなく関連処理間の時間は短縮される。
【0221】
本発明の第12の実施態様は、第11の実施態様において、複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って環状に配置されて、複数の前記チャンバユニットそれぞれは、複数の前記実行エリア間を周回搬送される、加圧システムである。
この構成によれば、複数のワークに対する連続的な処理が効率的に実行可能となる。
【0222】
本発明の第13の実施態様は、第12の実施態様において、前記チャンバユニットの移動方向における前記チャンバユニットの向きが常に同じになるように、前記移動方向を転換させる転換機構(例えば、回転機構91~94)、を有してなり、複数の前記実行エリアは、前記転換機構が配置される転換エリア(例えば、実行エリアA21,A22,A24,A25)、を含む、加圧システム(例えば、加圧システム1)である。
この構成によれば、本システムによる処理の前後の処理において、ワークの向きの調整が可能となる。また、筐体の床面積は小さくできる。
【0223】
本発明の第14の実施態様は、第6または第7のいずれかの実施態様において、真空ポンプ(例えば、真空ポンプP)と、前記真空ポンプに接続される減圧系配管(例えば、減圧系配管Lp)と、不活性ガスの供給系統の配管に接続されるガス系配管(例えば、ガス系配管Lg)と、複数の前記実行エリアのうち、2つ以上の前記実行エリアそれぞれに配置されて、前記減圧系配管と前記ガス系配管とに接続される複数の固定コネクタ(例えば、固定コネクタCs1~Cs5)と、を有してなり、前記チャンバユニットは、前記固定コネクタに着脱可能な移動コネクタ(例えば、移動コネクタCp)と、前記収容室と前記移動コネクタとを連通させる連通路(例えば、貫通孔27c)と、を備えて、前記固定コネクタが配置されている前記実行エリアに前記チャンバユニットが位置しているとき、前記移動コネクタは前記固定コネクタに接続されて、前記収容室は前記減圧系配管または前記ガス系配管に連通可能であり、前記チャンバユニットが搬送されているとき、前記収容室は密閉される、加圧システムである。
この構成によれば、各実行エリアにおいて収容室の減圧雰囲気は維持される。
【符号の説明】
【0224】
1 加圧システム
20 チャンバユニット
20R 収容室
21 載置台(床部)
24 上型
26 加圧パッド(天井部)
26a 柔軟層
27 サイド部材(周壁部)
51 予備加熱ユニット
61 熱ユニット(押圧ユニット、加熱ユニット)
71 一次冷却ユニット(冷却ユニット)
81 二次冷却ユニット(冷却ユニット)
91~94 回転機構(転換機構)
A21 実行エリア(収容エリア、転換エリア)
A22 実行エリア(予備加熱エリア、転換エリア)
A23 実行エリア(加圧エリア)
A24 実行エリア(冷却エリア、転換エリア)
A25 実行エリア(冷却エリア、取出エリア、転換エリア)
Cp 移動コネクタ
Cs1~Cs5 固定コネクタ
Lp 減圧系配管
Lg ガス系配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの加圧処理と、前記加圧処理に関連する関連処理と、を実行する加圧システムであって、
前記加圧処理と前記関連処理とを含む複数の処理のうち、いずれか1つの前記処理が実行される複数の実行エリアと、
前記ワークを収容して、複数の前記実行エリア間を搬送されるチャンバユニットと、
前記実行エリアそれぞれに配置される昇降装置と、
前記チャンバユニットを搬送する搬送装置と、
を有してなり、
複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って配置されて、
前記チャンバユニットは、
前記ワークの上方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを上方から加圧する上加圧ユニットとして機能する天井部と、
前記ワークの下方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを下方から加圧する下加圧ユニットとして機能する床部と、
水平方向において、前記ワークの全周を囲むように配置されて、前記天井部と前記床部と共に前記ワークが収容される収容室を区画する周壁部と、
を備えて、
前記実行エリアそれぞれは、
前記昇降装置の上方に前記昇降装置が昇降可能な昇降空間と、
前記昇降空間よりも上方に位置する上部空間と、
を備えて、
前記搬送装置は、前記上部空間に配置されて、
前記チャンバユニットは、前記上部空間を通過して、前記実行エリア間を搬送される、
加圧システム。
【請求項2】
前記天井部は、前記床部に対して、上下方向に相対的に移動可能である、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項3】
前記天井部は、
前記加圧処理において、前記ワークの表面の形状に追従して変形する柔軟層を備える加圧パッド、
を備えて、
前記チャンバユニットは、
前記加圧パッドの上方に配置されて、前記加圧処理において、前記加圧パッドを下方へ向けて押圧することにより前記上加圧ユニットとして機能する上型、
を備える、
請求項に記載の加圧システム。
【請求項4】
前記加圧処理が実行される加圧エリアに配置されて、前記加圧処理を実行する加圧装置、
を有してなり、
前記実行エリアは、
前記加圧エリア、
を含み、
前記加圧装置は、
前記加圧処理において、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、前記下加圧ユニットとして機能する押圧ユニット、
を備える、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項5】
前記収容室の雰囲気は、前記収容室の内部圧力が前記チャンバユニットの外部空間の外部圧力よりも低い減圧雰囲気であり、
前記床部は、前記周壁部の下方に配置されて、前記内部圧力と前記外部圧力との圧力差により前記周壁部に取り付けられる、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項6】
前記収容室の雰囲気は、前記収容室の内部圧力が前記チャンバユニットの外部空間の外部圧力と同じになるようにガスが充填されるガス雰囲気であり、
前記チャンバユニットは、
前記床部を前記周壁部に固定する固定部材、
を備える、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項7】
前記床部は、前記周壁部に対して着脱可能であり、
複数の前記実行エリアは、
前記ワークが載置された前記床部が前記周壁部に取り付けられることにより、前記ワークが前記チャンバユニットに収容される収容処理が前記関連処理として実行される収容エリアと、
加圧された前記ワークが載置された前記床部が前記周壁部から取り外されることにより、前記ワークが前記チャンバユニットから取り出される取出処理が前記関連処理として実行される取出エリアと、
を含み、
前記床部は、前記ワークを前記収容エリアに搬入して、加圧された前記ワークを前記取出エリアから搬出する、搬送パレットとして機能する、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項8】
前記収容エリアと前記取出エリアとの間に配置されて、前記床部が取り外された前記チャンバユニットのメンテナンス処理が実行されるメンテナンスエリア、
を有してなる、
請求項に記載の加圧システム。
【請求項9】
前記加圧処理が実行される加圧エリアに配置されて、前記ワークを加熱する加熱ユニットと、
前記ワークを予備加熱する予備加熱ユニット、および/または、加圧後の前記ワークを冷却する冷却ユニットと、
を有してなり、
複数の前記実行エリアは、
前記予備加熱ユニットが配置されて、前記ワークの予備加熱処理が前記関連処理として実行される予備加熱エリア、および/または、前記冷却ユニットが配置されて、加圧後の前記ワークの冷却処理が前記関連処理として実行される冷却エリア、
を含み、
前記予備加熱エリアにおいて、前記予備加熱処理が実行されるとき、前記予備加熱ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、および/または、
前記冷却エリアにおいて、前記冷却処理が実行されるとき、前記冷却ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接する、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項10】
複数の前記チャンバユニット、
を有してなり、
複数の前記チャンバユニットの数は、複数の前記実行エリアの数以下である、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の加圧システム。
【請求項11】
複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って環状に配置されて、
複数の前記チャンバユニットそれぞれは、複数の前記実行エリア間を周回搬送される、
請求項10に記載の加圧システム。
【請求項12】
前記チャンバユニットの移動方向における前記チャンバユニットの向きが常に同じになるように、前記移動方向を転換させる転換機構、
を有してなり、
複数の前記実行エリアは、
前記転換機構が配置される転換エリア、
を含む、
請求項11に記載の加圧システム。
【請求項13】
真空ポンプと、
前記真空ポンプに接続される減圧系配管と、
不活性ガスの供給系統の配管に接続されるガス系配管と、
複数の前記実行エリアのうち、2つ以上の前記実行エリアそれぞれに配置されて、前記減圧系配管と前記ガス系配管とに接続される複数の固定コネクタと、
を有してなり、
前記チャンバユニットは、
前記固定コネクタに着脱可能な移動コネクタと、
前記収容室と前記移動コネクタとを連通させる連通路と、
を備えて、
前記固定コネクタが配置されている前記実行エリアに前記チャンバユニットが位置しているとき、前記移動コネクタは前記固定コネクタに接続されて、前記収容室は前記減圧系配管または前記ガス系配管に連通可能であり、
前記チャンバユニットが搬送されているとき、前記収容室は密閉される、
請求項またはのいずれかに記載の加圧システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一実施態様における加圧システムは、ワークの加圧処理と、前記加圧処理に関連する関連処理と、を実行する加圧システムであって、前記加圧処理と前記関連処理とを含む複数の処理のうち、いずれか1つの前記処理が実行される複数の実行エリアと、前記ワークを収容して、複数の前記実行エリア間を搬送されるチャンバユニットと、前記実行エリアそれぞれに配置される昇降装置と、前記チャンバユニットを搬送する搬送装置と、を有してなり、複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って配置されて、前記チャンバユニットは、前記ワークの上方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを上方から加圧する上加圧ユニットとして機能する天井部と、前記ワークの下方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを下方から加圧する下加圧ユニットとして機能する床部と、水平方向において、前記ワークの全周を囲むように配置されて、前記天井部と前記床部と共に前記ワークが収容される収容室を区画する周壁部と、を備えて、前記実行エリアそれぞれは、前記昇降装置の上方に前記昇降装置が昇降可能な昇降空間と、前記昇降空間よりも上方に位置する上部空間と、を備えて、前記搬送装置は、前記上部空間に配置されて、前記チャンバユニットは、前記上部空間を通過して、前記実行エリア間を搬送される。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの加圧処理と、前記加圧処理に関連する関連処理と、を実行する加圧システムであって、
前記加圧処理と前記関連処理とを含む複数の処理のうち、いずれか1つの前記処理が実行される複数の実行エリアと、
前記ワークを収容して、複数の前記実行エリア間を搬送されるチャンバユニットと、
前記実行エリアそれぞれに配置される昇降装置と、
前記チャンバユニットを搬送する搬送装置と、
前記ワークを加熱する加熱ユニットと、
前記ワークを予備加熱する予備加熱ユニット、および/または、加圧後の前記ワークを冷却する冷却ユニットと、
を有してなり、
複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って配置されて、
前記チャンバユニットは、
前記ワークの上方に配置されて、前記ワークの表面の形状に追従して変形する柔軟層を備える加圧パッドを備えて、前記加圧処理において、前記ワークを上方から加圧する上加圧ユニットとして機能する天井部と、
前記ワークの下方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを下方から加圧する下加圧ユニットとして機能する床部と、
水平方向において、前記ワークの全周を囲むように配置されて、前記天井部と前記床部と共に前記ワークが収容される収容室を区画する周壁部と、
前記加圧パッドの上方に配置されて、前記加圧処理において、前記加圧パッドを下方へ向けて押圧することにより前記上加圧ユニットとして機能する上型と、
を備えて、
複数の前記実行エリアは、
前記加熱ユニットが配置されて、前記加圧処理が実行される加圧エリアと、
前記予備加熱ユニットが配置されて、前記ワークの予備加熱処理が前記関連処理として実行される予備加熱エリア、および/または、前記冷却ユニットが配置されて、加圧後の前記ワークの冷却処理が前記関連処理として実行される冷却エリアと、
を含み、
前記加圧エリアに配置される前記昇降装置は、前記加熱ユニットを昇降して、
前記予備加熱エリアに配置される前記昇降装置は、前記予備加熱ユニットを昇降して、および/または、前記冷却エリアに配置される前記昇降装置は、前記冷却ユニットを昇降して、
前記加圧エリアにおいて、前記加圧処理が実行されるとき、前記加熱ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、
前記予備加熱エリアにおいて、前記予備加熱処理が実行されるとき、前記予備加熱ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、および/または、前記冷却エリアにおいて、前記冷却処理が実行されるとき、前記冷却ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、
前記加圧エリアと、前記予備加熱エリアおよび/または前記冷却エリアとは、
前記昇降装置の上方に、前記加熱ユニットと、前記予備加熱ユニットおよび/または前記冷却ユニットと、が昇降可能な昇降空間と、
前記昇降空間よりも上方に位置する上部空間と、
を備えて、
前記搬送装置は、前記上部空間に配置されて、
前記チャンバユニットは、前記上部空間を通過して、前記実行エリア間を搬送される、
加圧システム。
【請求項2】
前記天井部は、前記床部に対して、上下方向に相対的に移動可能である、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項3】
記加圧エリアに配置されて、前記加圧処理を実行する加圧装置、
を有してなり
記加圧装置は、
前記加圧処理において、前記下加圧ユニットとして機能する押圧ユニット、
を備える、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項4】
前記収容室の雰囲気は、前記収容室の内部圧力が前記チャンバユニットの外部空間の外部圧力よりも低い減圧雰囲気であり、
前記床部は、前記周壁部の下方に配置されて、前記内部圧力と前記外部圧力との圧力差により前記周壁部に取り付けられる、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項5】
前記収容室の雰囲気は、前記収容室の内部圧力が前記チャンバユニットの外部空間の外部圧力と同じになるようにガスが充填されるガス雰囲気であり、
前記チャンバユニットは、
前記床部を前記周壁部に固定する固定部材、
を備える、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項6】
前記床部は、前記周壁部に対して着脱可能であり、
複数の前記実行エリアは、
前記ワークが載置された前記床部が前記周壁部に取り付けられることにより、前記ワークが前記チャンバユニットに収容される収容処理が前記関連処理として実行される収容エリアと、
加圧された前記ワークが載置された前記床部が前記周壁部から取り外されることにより、前記ワークが前記チャンバユニットから取り出される取出処理が前記関連処理として実行される取出エリアと、
を含み、
前記床部は、前記ワークを前記収容エリアに搬入して、加圧された前記ワークを前記取出エリアから搬出する、搬送パレットとして機能する、
請求項1に記載の加圧システム。
【請求項7】
前記収容エリアと前記取出エリアとの間に配置されて、前記床部が取り外された前記チャンバユニットのメンテナンス処理が実行されるメンテナンスエリア、
を有してなる、
請求項に記載の加圧システム。
【請求項8】
複数の前記チャンバユニット、
を有してなり、
複数の前記チャンバユニットの数は、複数の前記実行エリアの数以下である、
請求項1乃至のいずれか1項に記載の加圧システム。
【請求項9】
複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って環状に配置されて、
複数の前記チャンバユニットそれぞれは、複数の前記実行エリア間を周回搬送される、
請求項に記載の加圧システム。
【請求項10】
前記チャンバユニットの移動方向における前記チャンバユニットの向きが常に同じになるように、前記移動方向を転換させる転換機構、
を有してなり、
複数の前記実行エリアは、
前記転換機構が配置される転換エリア、
を含む、
請求項に記載の加圧システム。
【請求項11】
真空ポンプと、
前記真空ポンプに接続される減圧系配管と、
不活性ガスの供給系統の配管に接続されるガス系配管と、
複数の前記実行エリアのうち、2つ以上の前記実行エリアそれぞれに配置されて、前記減圧系配管と前記ガス系配管とに接続される複数の固定コネクタと、
を有してなり、
前記チャンバユニットは、
前記固定コネクタに着脱可能な移動コネクタと、
前記収容室と前記移動コネクタとを連通させる連通路と、
を備えて、
前記固定コネクタが配置されている前記実行エリアに前記チャンバユニットが位置しているとき、前記移動コネクタは前記固定コネクタに接続されて、前記収容室は前記減圧系配管または前記ガス系配管に連通可能であり、
前記チャンバユニットが搬送されているとき、前記収容室は密閉される、
請求項またはのいずれかに記載の加圧システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一実施態様における加圧システムは、ワークの加圧処理と、前記加圧処理に関連する関連処理と、を実行する加圧システムであって、前記加圧処理と前記関連処理とを含む複数の処理のうち、いずれか1つの前記処理が実行される複数の実行エリアと、前記ワークを収容して、複数の前記実行エリア間を搬送されるチャンバユニットと、前記実行エリアそれぞれに配置される昇降装置と、前記チャンバユニットを搬送する搬送装置と、前記ワークを加熱する加熱ユニットと、前記ワークを予備加熱する予備加熱ユニット、および/または、加圧後の前記ワークを冷却する冷却ユニットと、を有してなり、複数の前記実行エリアは、前記処理が実行される順番に従って配置されて、前記チャンバユニットは、前記ワークの上方に配置されて、前記ワークの表面の形状に追従して変形する柔軟層を備える加圧パッドを備えて、前記加圧処理において、前記ワークを上方から加圧する上加圧ユニットとして機能する天井部と、前記ワークの下方に配置されて、前記加圧処理において、前記ワークを下方から加圧する下加圧ユニットとして機能する床部と、水平方向において、前記ワークの全周を囲むように配置されて、前記天井部と前記床部と共に前記ワークが収容される収容室を区画する周壁部と、前記加圧パッドの上方に配置されて、前記加圧処理において、前記加圧パッドを下方へ向けて押圧することにより前記上加圧ユニットとして機能する上型と、を備えて、複数の前記実行エリアは、前記加熱ユニットが配置されて、前記加圧処理が実行される加圧エリアと、前記予備加熱ユニットが配置されて、前記ワークの予備加熱処理が前記関連処理として実行される予備加熱エリア、および/または、前記冷却ユニットが配置されて、加圧後の前記ワークの冷却処理が前記関連処理として実行される冷却エリアと、を含み、前記加圧エリアに配置される前記昇降装置は、前記加熱ユニットを昇降して、前記予備加熱エリアに配置される前記昇降装置は、前記予備加熱ユニットを昇降して、および/または、前記冷却エリアに配置される前記昇降装置は、前記冷却ユニットを昇降して、前記加圧エリアにおいて、前記加圧処理が実行されるとき、前記加熱ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、前記予備加熱エリアにおいて、前記予備加熱処理が実行されるとき、前記予備加熱ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、および/または、前記冷却エリアにおいて、前記冷却処理が実行されるとき、前記冷却ユニットは、前記チャンバユニットの下方から上昇することにより前記床部に当接して、前記加圧エリアと、前記予備加熱エリアおよび/または前記冷却エリアとは、前記昇降装置の上方に、前記加熱ユニットと、前記予備加熱ユニットおよび/または前記冷却ユニットと、が昇降可能な昇降空間と、前記昇降空間よりも上方に位置する上部空間と、を備えて、前記搬送装置は、前記上部空間に配置されて、前記チャンバユニットは、前記上部空間を通過して、前記実行エリア間を搬送される。