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  • 特開-車両側部構造 図1
  • 特開-車両側部構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006642
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】車両側部構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/26 20220101AFI20250109BHJP
   B60J 5/06 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B60R1/26 200
B60J5/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107562
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須賀 厚一
(57)【要約】
【課題】意匠性を確保しつつ、車両後方かつ側方側を良好に撮影できる車両側部構造を得る。
【解決手段】車両側部構造は、車体12の側部を車両前後方向に沿って延在されると共に、スライドドア16をスライド可能に案内するガイド溝部30と、スライドドア16に形成されて、閉状態でガイド溝部30と車両前後方向に連続するように延在されたドア側溝部32と、ドア側溝部32に配置されて車両後方側を撮影可能な後方カメラ34と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の側部を車両前後方向に沿って延在されると共に、スライドドアをスライド可能に案内するガイド溝部と、
前記スライドドアに形成されて、閉状態で前記ガイド溝部と車両前後方向に連続するように延在されたドア側溝部と、
前記ドア側溝部に配置されて車両後方側を撮影可能な後方カメラと、
を有する車両側部構造。
【請求項2】
前記ガイド溝部は、前記車体の後端部まで延在されている、請求項1に記載の車両側部構造。
【請求項3】
前記ガイド溝部は、ドアベルトライン上に形成されている、請求項1に記載の車両側部構造。
【請求項4】
前記後方カメラは、全体が前記ドア側溝部の内側に収まっている、請求項1に記載の車両側部構造。
【請求項5】
前記ドア側溝部は、リアサイドドアの後端部に形成されている、請求項1に記載の車両側部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両側部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車体の側部から突出したアウタミラー(ドアミラー)にカメラユニットが搭載された構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-41240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アウタミラーを設けず、カメラで車両後方かつ側方側を撮影して車室内に表示する技術が知られている。しかしながら、視界を確保するためにカメラユニットをアウタミラーと同様に車体の側方から突出させると、カメラユニットに物が衝突して所望の画像が得られなくなる可能性がある。また、車両の外観の意匠性を低下させる可能性がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、意匠性を確保しつつ、車両後方かつ側方側を良好に撮影できる車両側部構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る車両側部構造は、車体の側部を車両前後方向に沿って延在されると共に、スライドドアをスライド可能に案内するガイド溝部と、前記スライドドアに形成されて、閉状態で前記ガイド溝部と車両前後方向に連続するように延在されたドア側溝部と、前記ドア側溝部に配置されて車両後方側を撮影可能な後方カメラと、を有する。
【0007】
請求項1に係る車両側部構造では、車体の側部を車両前後方向に沿ってガイド溝部が延在されており、このガイド溝部は、スライドドアをスライド可能に案内する。また、スライドドアには、ドア側溝部が形成されており、このドア側溝部は、スライドドアの閉状態でガイド溝部と車両前後方向に連続するように延在されている。ここで、ドア側溝部には、車両後方側を撮影可能な後方カメラが配置されている。このように、後方カメラをドア側溝部内に配置することで、車体から後方カメラが突出するのを抑制できる。
【0008】
また、ドア側溝部は、ガイド溝部と連続するように延在されているため、車体側部に後方カメラを配置するための専用の溝を別途設けた構造と比較して、意匠性の低下を抑制できる。
【0009】
請求項2に係る車両側部構造は、請求項1において、前記ガイド溝部は、前記車体の後端部まで延在されている。
【0010】
請求項2に係る車両側部構造では、ガイド溝部が車体の後端部まで延在されているため、後方カメラで撮影した画角に車体が入り込みにくくなり、車両後方側を広範囲に撮影できる。
【0011】
請求項3に係る車両側部構造は、請求項1において、前記ガイド溝部は、ドアベルトライン上に形成されている。
【0012】
請求項3に係る車両側部構造では、ドアベルトライン上にガイド溝部が形成されているため、ドアドアベルトラインとガイド溝部が連続する外観となり、見栄えが良い。
【0013】
請求項4に係る車両側部構造は、請求項1において、前記後方カメラは、全体が前記ドア側溝部の内側に収まっている。
【0014】
請求項4に係る車両側部構造では、後方カメラの全体がドア側溝部の内側に収まっていることで、カメラが物と衝突するのを効果的に抑制できる。
【0015】
請求項5に係る車両側部構造は、請求項1において、前記ドア側溝部は、リアサイドドアの後端部に形成されている。
【0016】
請求項5に係る車両側部構造では、ドア側溝部がサイドガラスなどのリアサイドドアを構成する部材と干渉せずに済む。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明に係る車両側部構造によれば、意匠性を確保しつつ、車両後方かつ側方側を良好に撮影できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る車両側部構造が適用された車両の側面図である。
図2図1の要部を拡大した要部拡大図である。
図3図1の状態からリアサイドドアが開動作をしている途中の状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態に係る車両側部構造が適用された車両Vについて、図面を参照して説明する。なお、各図の矢印FR及び矢印UPはそれぞれ、車両前側及び車両上側を示している。前後左右上下の方向を用いて説明する場合、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両幅方向の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
【0020】
図1は、実施形態に係る車両側部構造が適用された車両Vを左側方から見た側面図である。この図1に示されるように、車両Vの車体12には、前後にサイドドアが設けられている。
【0021】
前方側のフロントサイドドア14は、開閉可能に構成されて車室内と車室外とを区画している。具体的には、フロントサイドドア14は、前端部が図示しないヒンジを介して車体12に回動可能に取り付けられている。また、フロントサイドドア14の上部には、フロントサイドガラス20が昇降可能に設けられている。
【0022】
フロントサイドドア14の後方側には、リアサイドドア16が設けられている。リアサイドドア16は、開閉可能に構成されて車室内と車室外とを区画しており、リアサイドドア16の上部にはリアサイドガラス24が設けられている。ここで、本実施形態のリアサイドドア16は、前後にスライドするスライドドアとされている。具体的には、図2に示されるように、リアサイドドア16と車体12の側部とがアーム40によって連結されており、アーム40が移動することでリアサイドドア16が前後にスライドするように構成されている。
【0023】
アーム40は、車体12の側部に形成されたガイド溝部30の内側に格納されており、アーム40の一端部がリアサイドドア16に回動可能に取り付けられている。また、アーム40の他端部が車体12に回動可能に取り付けられており、アーム40の一端部がガイド溝部30に格納された状態から車両幅方向外側かつ車両後方側へ開くことで、リアサイドドア16が車体12に沿って車両後方側へ移動(スライド)する。
【0024】
ガイド溝部30は、車体12の後部に形成されて車両前後方向に沿って延在されている。車体12の上部には、車室を上方から覆うルーフパネル26が配置されており、ルーフパネル26の後端部は、リアフード28に接続されている。そして、リアフード28の側部には、リアクォータパネル29が設けられており、このリアクォータパネル29にガイド溝部30が形成されている。
【0025】
ガイド溝部30は、ドアベルトライン上に形成されており、車体12の後端まで延在されている。
【0026】
一方、図3に示されるようにリアサイドドア16には、ドア側溝部32が形成されている。リアサイドドア16には、ドアベルトラインよりも上方まで延出された略三角状の延出部22Aが設けられており、延出部22Aの下端にドア側溝部32が形成されている。
【0027】
ドア側溝部32は、リアサイドドア16の後端部に、リアサイドドア16の閉状態でガイド溝部30と車両前後方向に連続するように形成されている。
【0028】
ここで、ドア側溝部32には、車両後方側を撮影可能な後方カメラ34が配置されている。後方カメラ34は、車両後方側へ向けられた光学カメラであり、後方カメラ34の全体がドア側溝部32の内側に収まっている。なお、図示はしないが車両右側の側部についても同様の構成とされている。すなわち、車体12の右側部には、ガイド溝部30及びドア側溝部32と左右対称のガイド溝部及びドア側溝部が形成されており、ドア側溝部には後方カメラが配置されている。
【0029】
(作用)
次に、本実施形態に係る表示システム10の作用を説明する。
【0030】
本実施形態に係る車両側部構造では、図1に示されるように、車体12の側部を車両前後方向に沿ってガイド溝部30が延在されており、このガイド溝部30は、スライドドアであるリアサイドドア16をスライド可能に案内する。また、リアサイドドア16には、ドア側溝部32が形成されており、このドア側溝部32は、リアサイドドア16の閉状態でガイド溝部30と車両前後方向に連続するように延在されている。さらに、図3に示されるように、ドア側溝部32には、車両後方側を撮影可能な後方カメラ34が配置されている。このように、後方カメラ34をドア側溝部32内に配置することで、車体12から後方カメラ34が突出するのを抑制できる。
【0031】
特に、本実施形態では、後方カメラ34の全体がドア側溝部32の内側に収まっていることで、後方カメラ34が物と衝突するのを効果的に抑制できる。
【0032】
また、本実施形態のドア側溝部32は、ガイド溝部30と連続するように延在されているため、車体側部にカメラを配置するための専用の溝を別途設けた構造と比較して、意匠性の低下を抑制できる。このように、本実施形態に係る車両側部構造によれば、意匠性を確保しつつ、車両後方かつ側方側を良好に撮影できる。
【0033】
さらに、本実施形態では、ガイド溝部30が車体12の後端部まで延在されているため、後方カメラ34で撮影した画角に車体12が入り込みにくくなり、車両後方側を広範囲に撮影できる。
【0034】
さらにまた、本実施形態では、ドアベルトライン上にガイド溝部30が形成されているため、ドアドアベルトラインとガイド溝部30が連続する外観となり、見栄えが良い。
【0035】
また、本実施形態では、ドア側溝部32がリアサイドドア16の後端部に形成されているため、ドア側溝部32が他の部材と干渉せずに済む。
【0036】
以上、本実施形態に係る車両側部構造について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、SUV(Sport Utility Vehicle)タイプの車両Vに適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、ミニバンタイプの車両のようにリアサイドドアがスライドドアとなっている車両に広く適用できる。
【0037】
また、上記実施形態では、ガイド溝部30が車体12の後端部まで延在されているが、これに限定されない。例えば、ガイド溝部30がリアクォータパネル29の前端部のみに形成されていてもよい。
【0038】
上記実施形態に関して、以下の付記を開示する。
【0039】
(付記1)
車体の側部を車両前後方向に沿って延在されると共に、スライドドアをスライド可能に案内するガイド溝部と、
前記スライドドアに形成されて、閉状態で前記ガイド溝部と車両前後方向に連続するように延在されたドア側溝部と、
前記ドア側溝部に配置されて車両後方側を撮影可能な後方カメラと、
を有する車両側部構造。
(付記2)
前記ガイド溝部は、前記車体の後端部まで延在されている、付記1に記載の車両側部構造。
(付記3)
前記ガイド溝部は、ドアベルトライン上に形成されている、付記1又は付記2に記載の車両側部構造。
(付記4)
前記後方カメラは、全体が前記ドア側溝部の内側に収まっている、付記1~付記3の何れか1に記載の車両側部構造。
(付記5)
前記ドア側溝部は、リアサイドドアの後端部に形成されている、付記1~付記4の何れか1に記載の車両側部構造。
【符号の説明】
【0040】
12 車体
16 リアサイドドア(スライドドア)
30 ガイド溝部
32 ドア側溝部
34 後方カメラ
図1
図2
図3