(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006679
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/16 20060101AFI20250109BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
E02F9/16 B
E02F9/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107635
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】竹田 一基
(72)【発明者】
【氏名】嶌田 優
(72)【発明者】
【氏名】三木 貴弘
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015EB01
2D015HA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】操作レバーを使用した作業機械の操作性に干渉せずに作業機械の表示装置の操作性を向上させる作業機械を提供する。
【解決手段】作業機械は、運転座席の一方側の隣に配置された作業機を操作する第1レバーと、第1レバーの一方側の側方に配置された排土装置を操作する第2レバーと、運転座席と第1レバーと第2レバーの前方に配置された表示装置と、表示装置を操作するジョグダイヤルと、を備え、運転座席を背面から臨む位置において、第1レバーと第2レバーの間にジョグダイヤルがある。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排土装置を備える下部走行体に旋回自在に支持される上部体と、前記上部体に支持された作業機を備える作業機械であって、 前記作業機械の運転座席の一方側の隣に配置された、前記作業機を操作する第1レバーと、前記第1レバーの一方側の側方に配置された前記排土装置を操作する第2レバーと、 前記運転座席と前記第1レバーと前記第2レバーの前方に配置された表示装置と、 前記表示装置を操作するジョグダイヤルと、を備え、 前記運転座席を背面から臨む位置において、前記第1レバーと前記第2レバーの間に前記ジョグダイヤルがある作業機械。
【請求項2】
前記ジョグダイヤルが、平面視で、前記第1レバーの隣に配置されている請求項1記載の作業機械。
【請求項3】
前記運転座席を背面から臨む位置において、前記表示装置の表示部が前記ジョグダイヤルの上方にある請求項1又は請求項2記載の作業機械。
【請求項4】
前記表示装置は、前記表示装置を操作する操作具を備えており、前記運転座席を背面から臨む位置において、前記操作具が前記表示部と前記ジョグダイヤルの間に配置されている請求項3記載の作業機械。
【請求項5】
前記作業機械の原動機を起動させるためのキースイッチが前記第1レバーの後方で、前記第1レバーを立設するコンソールに配置されており、 前記運転座席を背面から臨む位置において、前記ジョグダイヤルが前記キースイッチの上方に配置されている請求項4記載の作業機械。
【請求項6】
前記ジョグダイヤルに隣接して設けられ、前記キースイッチのキーオン後、前記原動機の起動を許可するための認証操作を行うための認証装置を備える請求項5に記載の作業機械。
【請求項7】
前記ジョグタイヤルが前記認証装置の前方に配置されている請求項6記載の作業機械。
【請求項8】
前記認証装置が前記第2レバーの隣に配置されている請求項7記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、作業機械の表示装置を操作するために座席側方に設置された操作レバーの下部近傍に設置したジョグダイヤルを操作レバーの下部の前方寄りに後方からみて、操作レバーの外側に配置されたドーザーレバーとオーバーラップするように配置する作業機械が知られている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転座席を望む位置から見た場合、ドーザーレバーの前方に重なるようにジョグダイヤルが配置されることになるためジョグダイヤルで表示装置を操作した後に、そのままドーザーレバーを操作しようとした場合、オペレータは、腕がドーザーレバーに接触しないように腕を引き寄せてドーザーレバーを把持する必要があり誤動作に気を遣う必要がある。
【0005】
またある側面においては、キーオンした後、キーパットで表示装置に暗証番号を表示させながら入力させエンジンを起動させる作業機械がある。このような作業機械においては、キーパットで暗証番号を入力後ジョグダイヤルにより表示装置を操作し、作業機械の設定を行い、ドーザーレバーを含む操作レバーを操作する一連の動作への移行を円滑にしたいという要望もある。
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、その課題は、操作レバーを使用した作業機械の操作性に干渉せずに作業機械の表示装置の操作性を向上させる作業機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る作業機械は、排土装置を備える下部走行体に旋回自在に支持される上部体と、前記上部体に支持された作業機を備える作業機械であって、前記作業機械の運転座席の一方側の隣に配置された、前記作業機を操作する第1レバーと、前記第1レバーの一方側の側方に配置された前記排土装置を操作する第2レバーと、前記運転座席と前記第1レバーと前記第2レバーの前方に配置された表示装置と、前記表示装置を操作するジョグダイヤルと、を備え、前記運転座席を背面から臨む位置において、前記第1レバーと前記第2レバーの間に前記ジョグダイヤルがある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作レバーを使用した作業機械の操作性に干渉せずに作業機械の表示装置の操作性を向上させる作業機械を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る油圧ショベルの左側面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る油圧ショベルの運転席の平面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る油圧ショベルの運転席を座席の背面から見た模式図の一例である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る油圧ショベルのジョグダイヤルの平面図。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る油圧ショベルのキーパットの平面図。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る油圧ショベルの運転席の平面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る油圧ショベルの運転席を座席の背面から見た模式図の一例である。
【
図8】本発明の第2実施形態の変形例に係る油圧ショベルの運転席の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る作業機械の代表例として油圧ショベル100を例に挙げ添付図面を参照しつつ本発明に係る第1の実施形態について詳細に説明する。なお上部旋回体300に対して作業機400が取り付けられている方向を前方としその反対方向を後方とする。
【0011】
図1で示すように油圧ショベル100は、自走可能な下部走行体200と、下部走行体200上に旋回可能に支持された上部旋回体300と、上部旋回体300の前方で上下に回動自在に支持された作業機400を備えている。
【0012】
下部走行体200は、センターフレーム(図示せず)とセンターフレームに左右対称に対をなし前後方向に延びるサイドフレーム210を有しており、左右のサイドフレーム210の後端には走行モータ211により駆動する駆動輪212が設置され、前方に向け複数の遊動輪213が配置されており、そして駆動輪212と遊動輪213は、履帯214が巻装されている。そしてさらにセンターフレームの前部には、排土装置215が支持されており、排土装置215とセンターフレームをつなぐブレードシリンダ216の伸縮により昇降可能に作動する。
【0013】
上部旋回体300は、機体一方側の側方の機体前部から後部にかけて配置され、運転席310を覆うキャビン320と、機体他方側部から機体後部にかけて形成される機関室330と、機体前端の突設部に左右に回動自在に支持され、作業機400を上下に回動自在に支持するスイングポスト340から構成されている。
【0014】
作業機400は、スイングポスト340に上下に回動自在に支持されたブーム410と、ブーム410の先端に上下に回動可能に装着されたアーム420と、アーム420の先端に回動可能に着脱自在にクイックヒッチ421を介して装着されたバケット430と、上部旋回体300のフレーム右側方には、スイングポスト340を動かすスイングシリンダ(図示せず)が配置されている。
【0015】
ブームシリンダ440は、ブーム410の前方かつ下方に設置され、ブームシリンダ440の伸縮により昇降可能に作動する。
【0016】
アームシリンダ450は、ブーム410の上方に設置され、アームシリンダ450の伸縮によりアーム420は、前方に向けて回動するダンプ動作と後方に向けて回動するクラウド動作を行う。
【0017】
バケットシリンダ470は、アーム420の前方(上方)に配置され、バケットリンク460を介してアーム420とバケット430に接続し、バケットシリンダ470の伸縮によりバケット430は、前方に向けて回動するダンプ動作と後方に向けて回動するクラウド動作を行う。
【0018】
機関室330には、エンジン(図示せず)と、エンジンにより駆動し、ブームシリンダ440やアームシリンダ450等の油圧ショベル100を動かす複数のアクチュエータに作動油を圧送する可変容量ポンプ(図示せず)と、対応するアクチュエータを制御する方向切換弁の集合体であるコントロールバルブ(図示せず)等の複数の機器が配置されている。
【0019】
図2は、運転席310の平面図であり、
図3は、運転席310を座席312の背面から見た模式図である。床材311の一方側(右側)にはキャビン320の窓を上方に有する右側壁311Rと、床材311の他方側(左側)にはドアにより閉開自在に構成される搭乗口311Lと、床材311の前端部にはフロントガラス311Fと、床材311の後部には、座席312が配置されている。
【0020】
床材311の前部には、フロントガラス311Fと対向するように、基端部にペダルを有し立設する左右一対の走行レバー313a1,313a2を備え、左右一対の走行レバー313a1,313a2は、それぞれ前後に傾倒させることにより油圧ショベル100前後に走行させることができる。
【0021】
床材311の前部には、右側壁311Rに沿って前方から後部下方に向けて傾斜するように形成されたダッシュボード314を備え、ダッシュボード314の上部には、液晶モニタ315を備え、液晶モニタ315の表示部315a及びその下方に設置された液晶モニタ315を操作さする操作ボタン315bは、何れも座席312の方向を向くように配置されている。
【0022】
ダッシュボード314の内部は、空調ユニットから排出された空気が流れるダクトが形成されており、液晶モニタ315の下方には、空調された空気が吹き出す空調用の吹き出し口314aが座席312の方向を向くように配置されている。また液晶モニタ315の前方かつ下方には搭乗口311Lを向くように空調された空気が吹き出すデフロスターの吹き出し口314bが配置されている。
【0023】
座席312の一方側である右側方には、前部上端に操作レバー313b1が立設するレバーコンソール316aが配置され、座席312の他方側である左側方(搭乗口311L側)には、前部上端に操作レバー313b2が立設するレバーコンソール316bが配置されている。
【0024】
操作レバー313b1を前方に傾倒させるとブーム450は下降し、操作レバー313b1を後方に傾倒させるとブーム450は上昇する。また操作レバー313b2を前方に傾倒させるとアーム410は、ダンプ動作を行い、操作レバー313b2を後方に傾倒させるとアーム410は、クラウド動作を行うすなわち操作レバー313b1及び操作レバー313b2は、作業機400を操作する。
【0025】
レバーコンソール316bは、座席312より少し前の位置から後方に向けて傾斜しながら延設され、先端には、前方に向かって立ち上がるカットオフレバー316b2と操作レバー313b2の後方にアームレスト316b1を備えている。またカットオフレバー316b2を後方に向けて引き上げるとレバーコンソール316bは後方に向けて回転し、コントロールバルブを制御するパイロット圧を遮断し、操作レバー313b1及び操作レバー313b2並びに走行レバー313a1,313a2は、操作不能になる。
【0026】
レバーコンソール316aは、座席312より少し前の位置から後方に向けて傾斜しながら延設され、中途から座席312の後端部近傍までまっすぐに延びこの部分の上部には、空調装置の操作スイッチ316a1が配置されている。
【0027】
レバーコンソール316aは、操作レバー313b1の後方にアームレスト316a2を配置し、アームレスト316a2の下方かつ空調装置の操作スイッチ316a1の前方の傾斜部には、エンジンを起動するためキースイッチ316a3が装着されている。
【0028】
レバーコンソール316aの一方側(右側)には、コンソール317が配置されており、コンソール317と右側壁311Rの間には、排土装置215を操作する操作レバー318が立設しており、操作レバー318の把持部はコンソール317の上方に位置するように座席312の方向に傾斜している。つまり操作レバー318は、操作レバー313b1の一方側つまり右側に配置されており、アームレスト316a2の右隣り(一方側の隣)に操作レバー318が配置されている。
【0029】
コンソール317は、レバーコンソール316aの前端部近傍からレバーコンソール316aの後端部までいかないところまで延設されている。
【0030】
コンソール317の上面前部には、表示装置315を操作するジョグダイヤル317aが配置され、その後方には、キーパット317bが配置され、その後方には、バケット430を他のアタッチメントに交換するためのクイックヒッチ421を起動させる電源スイッチ317cとクイックヒッチ421を操作する操作スイッチ317dが配置されており、後部側面には、後端に向けて、エンジン回転数を設定するアクセル317eと電源ソケット317fが配置されている。
【0031】
コンソール317上面は、一方側(右側)から座席312に向けて傾斜するように形成されており、ジョグダイヤル317a、キーパット317b、及び電源ソケット317fは、下方に向けて傾斜するように配置され座席312に座るオペレータが操作しやすいように配置されている。
【0032】
ジョグダイヤル317aは、アクセル317eに比べ緩やかな傾斜で配置しており表示装置315aの操作を行いやすい位置に配置されている。
【0033】
またアームレスト316a2の下方の右前方にはジョグダイヤル317aを配しており、アームレスト316a2の下方の右後方でジョグダイヤル317aより低い位置にアクセル317eを配置することにより、使用頻度の高いジョグダイヤル317aはアームレスト316a2にオペレータが肘をかけながら使用しやすいように配置され、ジョグダイヤル317aに比べ使用頻度の少ないアクセル317eは、オペレータがアームレスト316a2から肘を離して使いやすいように配置されている。
【0034】
図4は、ジョグダイヤル317aの平面図で、ジョグダイヤル317aは、箱体本体から凸設し、表示装置315の表示部315aに表示されるアイコンのハイライト部を回転操作により移動させるダイヤル部317a1と、ダイヤル部の中央に位置し、ハイライトさせたアイコンを選択し、画面遷移等をさせる決定を実行させるボタン317a2と、ダイヤル部の左下方にあり、メニュー画面に遷移させるボタン317a3と、ボタン317a3の隣に配置されホーム画面に遷移させるボタン317a4と、ボタン317a4の隣に配置され前画面に遷移させるボタン317a5を備える。
【0035】
ジョグダイヤル317aは、凸設しているダイヤル部317a1を表示装置315に向けて配置することで、座席312からダイヤル操作をしやすくかつボタン317a3、ボタン317a4とボタン317a5の操作をしやすくなるように配置している。
【0036】
ジョグダイヤル317aは、操作レバー313b1基端部の隣に並んで配置されており、アームレスト31
6a2にオペレータが肘をかけながらジョグダイヤル317a及び操作レバー313b1を操作しやすい位置に配置されている。
【0037】
図5は、キーパット317bの平面図で、キーパット317bは、前後方向に2列に列設されたキー317b1、キー317b2、キー317b3、キー317b4、キー317b5、キー317b6、キー317b7、キー317b8、キー317b9及びキー317b0から構成されており、それぞれ1~9及び0の数字が印字されている。
【0038】
キーパット317bは、キースイッチ316a3右側方の上方に配置されており、エンジンキー316a3をキーオン位置に回した時、そのまま手を上に伸ばすことにより、表示部315aに表示されるパスワードの要求表示に応じてキーパット317bのキーを押下してパスワードを入力しパスワードが認証されるとエンジンの始動が許可され、エンジンキー316a3をスタート位置に回すことにより、エンジンは起動する。キーパット317bは、油圧ショベル100のエンジン(原動機)の起動を許可するための認証操作を行うための認証装置であり、キースイッチ316a3をキーオン位置に回した後、キーパット317bでパスワードを入力しジョグダイヤル317aにより表示装置315を操作し、エンジンキー316a3をスタート位置に回す一連の操作が円滑に行われる。
【0039】
キーパット317bは、パスワード入力のための数字が印字されているだけでなく油圧ショベル100の機能を表すアイコンが印字されており、キーパット317bは、アイコンが表す機能を有効にさせる機能有効スイッチとしての機能を有する。
【0040】
キー317b1、キー317b2は、それぞれランプを表すアイコンが印字されており、キー317b1を押下すると前方を照らすライトが光り、キー317b2を押下すると後方を照らすライトが光る。
【0041】
キー317b3は、エンジン回転数を下げることにより燃費を優先するエコモードを選択するスイッチであり、キー317b4は、一定時間操作レバーを操作しない場合エンジンの回転数をアイドル回転数まで下げるオートデセルを選択するスイッチである。
【0042】
キー317b5は、吊り作業を安全に行うためのクレーンモードを選択するスイッチであり、キー317b6は、表示部315aに表示される油圧ショベル100の周辺の監視画像を切り換えるスイッチである。
【0043】
キー317b7は、ワイパーを動かすスイッチであり、キー317b8は、ワイパーを動かすとともにウォシャー液を噴出させるスイッチである。
【0044】
キー317b9は、走行モータ211を1速から2速に切り換えるスイッチであり、キー317b0は、油圧ショベル100が走行時鳴らす警報音を停止させるスイッチである。
【0045】
キーパット317bに割り付けられた油圧ショベル100の機能うちいくつかの機能は、ジョグダイヤル317aで表示装置315を操作することにより機能を有効にすることができる。
【0046】
つまり油圧ショベル100の原動機の駆動を許可するための認証装置でありかつジョグダイヤル317aで表示装置315を操作することにより油圧ショベル100の機能を有効にできる操作と同一の機能が割り振られたスイッチを含むキーパット317bをジョグダイヤル317aよりアームレスト316a2に近い位置に配置することにより、頻繁に使う定型操作を簡易に行うことができる。
【0047】
ジョグダイヤル317aとキーパット317bは、運転座席312を背面から臨む位置から見た場合、操作レバー313b1と操作レバー318の間にあり、またアームレスト316b1と操作レバー318の間にあると言える。これらの構成によれば、操作レバー313b1と操作レバー318の操作性を損なうことなく、円滑にジョグダイヤル317aにより表示装置315の操作を可能とする。
【0048】
運転座席312を背面から臨む位置から見た場合、操作レバー318の把持部は、座席312側に傾斜しており、ジョグダイヤル317aとキーパット317bの上方に位置する。これらの構成によれば、操作レバー318の操作とョグダイヤル317aの操作の行き来を円滑に行うことができる。
【0049】
運転座席312を背面から臨む位置において、ジョグダイヤル317aの上方に表示部315aが配置されており、ジョグダイヤル317aの操作性と表示部315aの視認性を確保している。
【0050】
運転座席312を背面から臨む位置において、操作ボタン315bは、ジョグダイヤル317aと表示部315aの間に配置されており、ジョグダイヤル317aと操作ボタン315bの操作性と表示部315aの視認性を確保している。
【0051】
運転座席312を背面から臨む位置において、キースイッチ316a3の右側方(一方側)の上方にアクセル317eが配置され、さらにアクセル317eの右側方(一方側)の上方にジョグダイヤル317aが配置されている。すなわち使用頻度の多い操作具を上方に配置することによってオペレータの操作性を向上させている。
【0052】
以下、本発明に係る第2の実施形態について詳細に説明する。なお第1の実施形態と共通部分については説明を割愛する。
【0053】
図6は、運転席510の平面図で、床面および床面に配置された機器の一部を割愛している。
図7は、運転席510を座席512の背面から見た模式図である。
【0054】
座席512の一方側である右側方には、前部上端に操作レバー513b1が立設し、操作レバー513b1の後方にアームレスト516a2が配置されたレバーコンソール516aが配置され、座席512の他方側である左側方には、前部上端に操作レバー513b2が立設し、操作レバー513b2の後方にアームレスト516b1が配置されたレバーコンソール516bが配置され、操作レバー513b1及び操作レバー513b2は、作業機400を操作することが可能である。レバーコンソール516aは、アームレスト516a2の後方で下方に傾斜する傾斜面を形成しその傾斜面には、キースイッチ516a3が配置される。
【0055】
座席512の前方から後方にレバーコンソール516aの右側方に沿って形成されたコンソール517の前部には、液晶モニタ515を備え、液晶モニタ515の表示部515a及びその下方に設置された液晶モニタ515を操作する操作ボタン515bは、何れも座席512の方向を向くように配置されている。
【0056】
コンソール517の内部は、空調ユニットから排出された空気が流れるダクトが形成されており、液晶モニタ515の上方及び右下方には、空調された空気が吹き出す空気空調用の吹き出し口514a及び吹き出し口514bが配置されている。
【0057】
コンソール517の右側方は、排土装置215を操作する操作レバー518が立設しており、操作レバー518の把持部はコンソール517の上方に位置するように座席512の方向に傾斜している。
【0058】
コンソール517の上面の操作レバー513b1の後方には、表示装置515を操作するジョグダイヤル517aが配置されており、その後方には、油圧ショベル100のエンジン(原動機)の起動を許可するための認証操作を行うための認証装置であるキーパット517bが配置され、さらにその後方には、コンソール517の上面を凹ましてその周囲を囲むように立ちあげた収容部517cを形成し、その収容部517cには、飲み物の他、携帯電話等が収容される。
【0059】
操作レバー513b1の前方かつ表示装置515の後方で、コンソール517の上部側方を凹ました位置にアクセル517eを配置している。
【0060】
ジョグダイヤル517aは、運転席510の前部側方に配置した表示装置510の後方に配置された座席512の前部近傍の右側(一方側)に配置された操作レバー513b1右後方かつ中立位置の操作レバー518の左後方に位置し、さらにキーパット517bの前方に配置されており、アクセル517eは操作レバー513b1の前方に配置されている。すなわち操作頻度の多い操作具をアームレスト516a2の近い位置に配置することにより操作性を高めている。
【0061】
ジョグダイヤル517aは、運転座席512を背面から臨む位置から見た場合、操作レバー513b1と操作レバー518の間にあり、またアームレスト516a2と操作レバー518の間にあると言える。これらの構成によれば、操作レバー513b1と操作レバー518の操作性を損なうことなく、円滑にジョグダイヤル517aにより表示装置315の操作を可能とする。なお実施例においては、収容部517cに隠れた位置にあるが、ジョグダイヤル517aが操作レバー513b1と操作レバー518の間にあることを妨げるものではない。
【0062】
続いて本発明の第2の実施形態の変形例につい説明する。なお第1の実施形態と第2の実施形態の共通部分については説明を割愛する。
【0063】
図8は、運転席610の平面図で、床面および床面に配置された機器の一部を割愛している。
【0064】
座席612の一方側である右側方には、前部上端に操作レバー613b1が立設し、操作レバー613b1の後方にアームレスト616a2が配置されたレバーコンソール616aが配置されている。
【0065】
レバーコンソール616aの右側方に沿って形成されたコンソール617の前部には、液晶モニタ615を備え、コンソール617の右側方は、排土装置215を操作する操作レバー618が立設している。
【0066】
コンソール617の上面にあって操作レバー613b1の前方には、表示装置615を操作するジョグダイヤル617aが配置されており、その後方には、油圧ショベル100の原動機の起動を許可するための認証操作を行うための認証装置であるキーパット617bが配置され、さらにその後方には、空調装置の操作スイッチ616a1が配置されている。
【0067】
ジョグダイヤル617aは、運転席610の前部側方に配置した表示装置615の後方に配置された座席612の前部近傍の右側(一方側)に配置された操作レバー613b1の右前方かつ中立位置の操作レバー618の左前方に位置し、さらにキーパット617bの前方に配置されている。この構成によれば、作業機400及び排土装置215を操作する操作レバーやキーパット617bをアームレスト616a2の近い位置に配置することができジョグダイヤル617aの操作性よりも他の操作具の操作性を優先させることができる。
【0068】
第1の実施形態、第2の実施形態及び第2の実施形態の変形例の認証装置は、指紋認証や静脈認証等の生体認証であってもよい。
【0069】
本発明の実施形態にかかる発明は、以下の付記のように特定することができる。
【0070】
〈付記1〉排土装置を備える下部走行体に旋回自在に支持される上部体と、前記上部体に支持された作業機を備える作業機械であって、前記作業機械の運転座席の一方側の隣に配置された、前記作業機を操作する第1レバーと、前記第1 レバーの一方側の側方に配置された前記排土装置を操作する第2レバーと、前記運転座席と前記第1レバーと前記第2レバーの前方に配置された表示装置と、前記表示装置を操作するジョグダイヤルと、を備え、前記運転座席を背面から臨む位置において、前記第1レバーと前記第2レバーの間に前記ジョグダイヤルがある作業機械。
【0071】
〈付記2〉前記ジョグダイヤルが、平面視で、前記第1レバーの隣に配置されている付記1記載の作業機械。
【0072】
〈付記3〉前記運転座席を背面から臨む位置において、前記表示装置の表示部が前記ジョグダイヤルの上方にある付記1又は付記2記載の作業機械。
【0073】
〈付記4〉前記表示装置は、前記表示装置を操作する操作具を備えており、前記運転座席を背面から臨む位置において、前記操作具が前記表示部と前記ジョグダイヤルの間に配置されている付記1から付記3の何れかに記載の作業機械。
【0074】
〈付記5〉前記作業機械の原動機を起動させるためのキースイッチが前記第1レバーの後方で、前記第1レバーを立設するコンソールに配置されており、前記運転座席を背面から臨む位置において、前記ジョグダイヤルが
前記キースイッチの上方に配置されている付記1から付記4の何れかに記載の作業機械。
【0075】
〈付記6〉前記ジョグダイヤルに隣接して設けられ、前記キースイッチのキーオン後、前記原動機の起動を許可するための認証操作を行うための認証装置を備える付記1から付記5の何れかに記載の作業機械。
【0076】
〈付記7〉前記ジョグタイヤルが前記認証装置の前方に配置されている付記1から付記6の何れかに記載の作業機械。
【0077】
〈付記8〉前記認証装置が前記第2レバーの隣に配置されている付記1から付記6の何れかに記載の作業機械。
【0078】
上記で説明した第1の実施形態、第2の実施形態及びこれらの変形例で説明した種々の構成は、適宜組み合わせて採用可能である。
【0079】
以上では、作業機械として、油圧ショベルを例に挙げて説明したが、作業機械は油圧ショベルに限定されず、コンパクトトラックローダ、ホイルローダ、などの建設機械だけでなくトラクターなどの他の作業機械であってもよく、さらに原動機としてエンジンを挙げて説明したが電動モータでもよい。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で拡張又は、変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、作業機械に関するものであり産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0082】
315 表示装置312 運転座席313b1 第1レバー(操作レバー)318 第2レバー(操作レバー)317a ジョグダイヤル