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特開2025-67感光体ユニットのクリーナへの空気流路を備える画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025000067
(43)【公開日】2025-01-07
(54)【発明の名称】感光体ユニットのクリーナへの空気流路を備える画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20241224BHJP
   G03G 21/10 20060101ALI20241224BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
G03G15/08 390Z
G03G15/08 340
G03G15/08 360
G03G21/10
G03G21/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011007
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット-パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】岩田 尚也
【テーマコード(参考)】
2H077
2H134
2H270
【Fターム(参考)】
2H077AA31
2H077AB02
2H077AB14
2H077AB15
2H077AB18
2H077AD02
2H077AD06
2H077BA08
2H077CA16
2H077EA03
2H134GA01
2H134GB02
2H134HD00
2H134JA02
2H134JA03
2H134JA11
2H134JB01
2H134KF01
2H134KF02
2H134KF03
2H134KF05
2H134KG03
2H134KG07
2H134KH07
2H270SA20
2H270SB01
2H270SB14
2H270SB15
2H270SB30
2H270SC06
2H270SC07
2H270SC21
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】一態様の画像形成装置は、現像剤を収容する収容領域20A、及び現像剤を収容領域に供給する搬送領域20Bを有する現像ユニット20と、現像剤のうちのトナーからトナー像を形成する感光体41、及び感光体の表面に残存する過剰なトナーを除去するクリーナ45を有する感光体ユニット40と、収容領域とクリーナとを連接する第1空気流路71と、クリーナと搬送領域とを連接する第2空気流路72と、を備える。
【効果】現像ユニット20の収容領域20Aから第1空気流路71を介してクリーナ45に空気が供給されるので、クリーナ45の内部におけるトナーの搬送を効率よく行うことができ、トナー搬送経路内面等へのトナー付着を抑制することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する収容領域、及び前記現像剤を前記収容領域に供給する搬送領域を有する現像ユニットと、
前記現像剤のうちのトナーからトナー像を形成する感光体、及び前記感光体の表面に残存する過剰なトナーを除去するクリーナを有する感光体ユニットと、
前記収容領域と前記クリーナとを連接する第1空気流路と、
前記クリーナと前記搬送領域とを連接する第2空気流路と、
を備える、
画像形成装置。
【請求項2】
前記現像ユニットは、前記収容領域に位置すると共に前記現像剤を搬送する現像ローラを有し、
前記第1空気流路は、前記現像ローラの上方に入口を有する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1空気流路では、前記収容領域及び前記クリーナの間の圧力差によって前記収容領域から前記クリーナに空気が供給される、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1空気流路の前記入口は、前記現像ローラから見て前記感光体ユニットとは反対側の前記現像ユニットの端部に位置する、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記クリーナは、筒状を呈するトナー搬送経路と、前記トナー搬送経路の内部においてトナーを搬送する搬送部材とを有し、
前記搬送部材は、前記トナー搬送経路の軸線に沿って延びる搬送方向に沿って前記トナー搬送経路の第1端部から第2端部に向かってトナーを搬送し、
前記第1空気流路は、前記トナー搬送経路の前記第1端部に出口を有する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記搬送部材がコイルスプリングである、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記クリーナは、前記トナー搬送経路の上方に前記感光体の表面からトナーを掻き取るブレードを有し、
前記ブレードは、前記搬送方向に沿って延在しており、
前記第1空気流路の前記出口は、前記ブレードの端部よりも前記トナー搬送経路の前記搬送方向の外側に位置する、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1空気流路の前記出口では、前記搬送方向に対して傾斜する傾斜方向に沿って空気が流通し、
前記搬送方向に対する前記傾斜方向の角度は0°より大きく且つ90°未満である、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1空気流路は、屈曲部と、前記屈曲部に配置された整流部材とを有する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2空気流路は、前記トナー搬送経路の前記第2端部に入口を有する、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2空気流路は、空気と共に前記トナー搬送経路において搬送されたトナーを前記現像ユニットの前記搬送領域に供給する、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記クリーナは、前記第2空気流路の入口に流入しなかったトナーを回収する廃トナー回収容器を備える、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第2空気流路の入口は、前記トナー搬送経路の上部に位置する、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記現像ユニットは、前記搬送領域にトナーを補給するトナー補給口を有し、
前記第2空気流路は、前記トナー補給口に出口を有する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記現像ユニットは、前記搬送領域の空気を前記現像ユニットの外部に排出するフィルタを備える、
請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
画像形成装置は、現像剤を撹拌する現像ユニットと、現像剤のうちのトナーからトナー像を形成する感光体を有する感光体ユニットとを備える。現像ユニットは、撹拌された現像剤を保持する現像ローラを有する。感光体ユニットは、感光体の表面に残存する過剰なトナーを除去するクリーナを有する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1図1は、本明細書に開示された種々の例を実施するために使用することができる画像形成装置の概略図である。
図2図2は、例示的な現像ユニット及び感光体ユニットの断面を模式的に示す図である。
図3図3は、例示的な現像ユニット及び感光体ユニットを示す斜視図である。
図4図4は、図3とは反対側から見た現像ユニット及び感光体ユニットを示す斜視図である。
図5図5は、感光体ユニットのクリーナのトナー搬送経路、搬送部材及びブレードを模式的に示す図である。
図6図6は、第1空気流路及び第2空気流路を有する実施例に係る画像形成装置と、第1空気流路及び第2空気流路を有しない比較例に係る画像形成装置におけるトナー搬送性の実験結果を示すグラフである。
図7図7は、第1空気流路及び第2空気流路を有する実施例に係る画像形成装置の内圧と、第1空気流路及び第2空気流路を有しない比較例に係る画像形成装置の内圧とを示すグラフである。
図8図8は、画像形成装置の内圧と現像剤の過剰排出比との関係の例を示すグラフである。
図9図9は、変形例に係る現像ユニット及び感光体ユニットの断面を模式的に示す図である。
図10図10は、変形例に係る搬送部材を示す図である。
図11図11は、図5のトナー搬送経路に接続される第1空気流路の例を模式的に示す図である。
図12図12は、変形例に係る現像ユニット及び感光体ユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る画像形成装置の種々の例について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を有し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率及び角度等は図面に記載のものに限定されない。
【0004】
本開示に係る画像形成装置は、現像ユニットの収容領域と、感光体ユニットのクリーナとを連接する第1空気流路と、クリーナと現像ユニットの搬送領域とを連接する第2空気流路とを備える。現像ユニットは現像剤を保持する現像ローラを当該収容領域に有し、現像ローラが回転しながら現像剤を保持することによって当該収容領域の内圧はクリーナの内圧よりも高くなる。例示的な画像形成装置では、当該収容領域の内圧とクリーナの内圧との圧力差を用いて、当該収容領域からクリーナに第1空気流路を介して空気を供給する。以下は、この画像形成装置の具体例について説明する。
【0005】
図1は、例示的な画像形成装置を概略的に示す図である。図1に示される画像形成装置1は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色を用いてカラー画像を形成する装置である。画像形成装置1は、印刷媒体である用紙5を搬送する搬送装置10と、静電潜像を現像する現像ユニット20C,20M,20Y,20K(以下、個別の構成要素を区別する必要がない場合には「現像ユニット20」と称する)と、各色のトナー像を用紙5に転写する転写装置30とを備える。更に、画像形成装置1は、像担持体の一例である感光体41C,41M,41Y,41Kを有する感光体ユニット40C,40M,40Y,40K(以下、個別の構成要素を区別する必要がない場合には「感光体41」「感光体ユニット40」と称する)と、積層トナー像を用紙5に定着させる定着装置50と、用紙5を排出する排出装置60とを備える。
【0006】
搬送装置10は、画像が形成される印刷媒体である用紙5を搬送経路12上で搬送する。用紙5は、カセット7に積層されて収容され、給紙ローラ11によりピックアップされて搬送される。搬送装置10は、用紙5に転写されるトナー像が転写領域13に到達するタイミングで、搬送経路12を介して転写領域13に用紙5を到達させる。
【0007】
現像ユニット20C,20M,20Y,20Kは、色ごとに設けられている。各現像ユニット20は、トナーを感光体41に現像させる現像ローラ21を備える。現像ユニット20では、現像剤として、トナー及びキャリアを含む2成分現像剤が用いられる。現像ユニット20では、トナーとキャリアが所望の混合比になるように調整される。トナーとキャリアが混合撹拌されるとトナーが均一に分散し、最適な帯電量が付与された現像剤が調整される。
【0008】
2成分現像剤を用いる現像ユニット20では、現像剤の長寿命化のため、例えば、トリクル排出方式が採用される。トリクル排出方式は、トナーの補給時に新たなキャリアを現像ユニット20に補給し、古くなった現像剤を現像ユニット20から現像ユニット20の外に排出する方式である。トリクル排出方式は、トリクル現像方式、又はADR(Auto Developer Refill)等とも称される。本開示において、「現像剤」とは、トナー及びキャリアの双方を含む現像剤を示している。
【0009】
現像ユニット20では、現像ローラ21が現像剤を担持する。そして、現像ローラ21の回転により現像剤が感光体41に対向する現像領域まで搬送されると、現像ローラ21に担持された現像剤に含まれるトナーが感光体41の表面に形成された静電潜像に移動し、静電潜像が現像される。
【0010】
転写装置30は、現像ユニット20で形成されたトナー像を用紙5に二次転写する転写領域13に搬送する。転写装置30は、回転する感光体41からトナー像が一次転写される無端ベルトである転写ベルト31と、転写ベルト31を張架する懸架ローラ34と、アイドラローラ35,36と、転写ベルト31を駆動する駆動ローラ37と、感光体41C,41M,41Y,41Kと共に転写ベルト31を挟持する一次転写ローラ32C,32M,32Y,32Kと、駆動ローラ37と共に転写ベルト31を挟持する二次転写ローラ33とを備える。
【0011】
感光体41C,41M,41Y,41Kは回転する。感光体41は、静電潜像担持体又は感光体ドラムと称される。感光体41C,41M,41Y,41Kは、色ごとに設けられている。各感光体41は、転写ベルト31の移動方向に沿って並んでいる。感光体ユニット40は、例えば、感光体41、帯電装置42、及びクリーナ45を備える。現像ユニット20、帯電装置42、露光ユニット43及びクリーナ45は、感光体41の表面に対向する位置に設けられている。
【0012】
帯電装置42は、例えば、感光体41に接触する帯電ローラである。帯電装置42は、感光体41の表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光ユニット43は、帯電装置42によって帯電された感光体41の表面を、用紙5に形成する画像に応じて露光する。これにより、感光体41の表面のうち露光ユニット43によって露光された部分の電位が変化し、感光体41の表面に静電潜像が形成される。
【0013】
現像ユニット20C,20M,20Y,20Kのそれぞれには、トナータンク18C,18M,18Y,18Kのそれぞれが対向している。トナータンク18C,18M,18Y,18K(以下、個別の構成要素を区別する必要がない場合には「トナータンク18」と称する)のそれぞれの内部には、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのそれぞれのトナーが収容されている。トナータンク18から現像ユニット20にトナーが供給される。現像ユニット20は、トナータンク18から供給されたトナーによって感光体41に形成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する。クリーナ45は、感光体41上に残存するトナーを回収する。クリーナ45の構成については後に詳述する。
【0014】
定着装置50は、加熱及び加圧を行う定着ニップ領域に用紙5を通過させることによって転写ベルト31から用紙5に二次転写されたトナー像を用紙5に定着させる。定着装置50は、用紙5を加熱する加熱ローラ52と、加熱ローラ52を押圧して回転駆動する加圧ローラ54とを備える。加熱ローラ52と加圧ローラ54との間に定着ニップ領域が設けられる。排出装置60は、定着装置50によりトナー像が定着された用紙5を画像形成装置1の外部に排出する排出ローラ62,64を備える。
【0015】
続いて、画像形成装置1による印刷工程について説明する。画像形成装置1に被記録画像の画像信号が入力されると、画像形成装置1の制御部は、給紙ローラ11を回転させて、カセット7に積層された用紙5をピックアップして搬送する。そして、帯電装置42によって感光体41の表面を所定の電位に均一に帯電させる(帯電工程)。その後、入力された画像信号に基づいて、露光ユニット43が感光体41の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する(露光工程)。
【0016】
現像ユニット20は、感光体41の表面に形成された静電潜像を現像して感光体41の表面にトナー像を形成する(現像工程)。トナー像は、感光体41と転写ベルト31とが対向する領域において、感光体41から転写ベルト31に一次転写される(転写工程)。転写ベルト31には、感光体41に形成されたトナー像が順次積層されて、1つの積層トナー像が形成される。積層トナー像は、駆動ローラ37と二次転写ローラ33とが対向する転写領域13において、搬送装置10から搬送された用紙5に二次転写される。
【0017】
積層トナー像が転写された用紙5は、定着装置50に搬送される。定着装置50は、用紙5が加熱ローラ52と加圧ローラ54との間である定着ニップ領域を通過するときに、用紙5を定着ニップ領域で加熱及び加圧する。定着装置50は、この加熱及び加圧によって用紙5に積層トナー像を定着させる(定着工程)。その後、用紙5は、排出ローラ62,64によって画像形成装置1の外部に排出される。
【0018】
図2は、現像ユニット20及び感光体ユニット40を示す図である。図2に示されるように、現像ユニット20は、現像剤を収容する収容領域20Aと、収容領域20Aに現像剤を搬送する搬送領域20Bとを有する。収容領域20Aは、搬送領域20Bの上方に設けられる。現像ユニット20は、前述した現像ローラ21の他に、現像ローラ21に現像剤を供給するサプライオーガー22と、サプライオーガー22に平行に延在し且つサプライオーガー22の下方に配置されたアドミクスオーガー23とを備える。サプライオーガー22及びアドミクスオーガー23は、現像剤を撹拌しながら搬送する撹拌搬送部材に相当する。
【0019】
現像ローラ21及びサプライオーガー22は、現像ユニット20の収容領域20Aに収容されている。アドミクスオーガー23は、現像ユニット20の搬送領域20Bに収容されている。現像ユニット20は、収容領域20A及び搬送領域20Bを仕切る壁部24と、サプライオーガー22の軸線方向(図2の紙面に直交する方向)における壁部24の端部に位置する開口とを有し、この開口を介して搬送領域20Bの現像剤が収容領域20Aに移動する。
【0020】
但し、上記の開口の下部にはアドミクスオーガー23によって搬送された現像剤が溜まっていることが多いので、収容領域20A及び搬送領域20Bの間では高い気密性が確保される。収容領域20Aにおいてサプライオーガー22によって撹拌された現像剤は、現像ローラ21によって保持される。現像ローラ21には感光体ユニット40の感光体41が対向しており、現像ローラ21に保持された現像剤が感光体41の表面に移動する。
【0021】
図3は、現像ユニット20及び感光体ユニット40を現像ユニット20側から見た斜視図である。図2及び図3に示されるように、サプライオーガー22及びアドミクスオーガー23は、現像ユニット20の長手方向D1(図2では図2の紙面に直交する方向)に沿って延在している。
【0022】
画像形成装置1は、現像ユニット20の収容領域20Aからクリーナ45まで延びる第1空気流路71を有する。第1空気流路71は、収容領域20Aとクリーナ45とを連接している。第1空気流路71は、収容領域20A及びクリーナ45の間の圧力差によって収容領域20Aからクリーナ45に空気を供給する。第1空気流路71は、現像ローラ21の上方に入口71bを有する。入口71bは、現像ローラ21から見て感光体ユニット40とは反対側の現像ユニット20の端部25に位置する。収容領域20Aとクリーナ45との圧力差は、現像ローラ21が回転しながら現像ローラ21が現像剤を保持することによって発生する。
【0023】
現像ローラ21が回転すると、現像ローラ21の表面に担持されている現像剤によって収容領域20Aに空気が取り込まれ、収容領域20Aの気圧が高くなる。より具体的には、現像ローラ21の表面に担持されている現像剤の穂立ちによって収容領域20Aに空気が取り込まれることにより、収容領域20Aの気圧が高くなる。収容領域20Aの気圧が高くなることによって収容領域20Aの空気は第1空気流路71を介してクリーナ45に供給される。
【0024】
図4は、現像ユニット20及び感光体ユニット40を感光体ユニット40側から見た斜視図である。図3及び図4に示されるように、感光体ユニット40は、現像ユニット20の長手方向D1に沿って延在している。現像ユニット20の収容領域20Aから延びる第1空気流路71は、例えば、感光体ユニット40の上方を迂回してクリーナ45まで延びている。
【0025】
一例として、第1空気流路71は、チューブによって構成されている。しかしながら、第1空気流路71はチューブ以外のものであってもよく、第1空気流路71の形状及び材料は特に限定されない。また、第1空気流路71は、感光体ユニット40の上方を迂回していなくてもよく、例えば、感光体ユニット40の長手方向D1の端部40bを迂回してクリーナ45まで延びていてもよい。このように、第1空気流路71の位置についても特に限定されない。
【0026】
図5は、クリーナ45を模式的に示す図である。図4及び図5に示されるように、クリーナ45は、筒状を呈するトナー搬送経路46と、トナー搬送経路46の内部においてトナーを搬送する搬送部材47と、トナー搬送経路46の上方に位置しており感光体41の表面からトナーを掻き落とすブレード48とを有する。例えば、ブレード48が感光体41の表面から掻き落としたトナーは、トナー搬送経路46の内部に落下する。トナー搬送経路46、搬送部材47及びブレード48は、長手方向D1に沿って延在している。
【0027】
搬送部材47は、例えば、棒状を呈する軸部と、軸部に螺旋状に形成された羽根部とを有するオーガーである。クリーナ45は、更に、搬送部材47を回転させる駆動部材49を有する。駆動部材49は、例えば、搬送部材47を回転させるモータ及びギアを含んでいる。搬送部材47は、駆動部材49の駆動によって回転し、回転することによってトナー搬送経路46の内部のトナーを搬送方向D2に沿って搬送する。搬送方向D2は、例えば、現像ユニット20の長手方向D1に沿って延在する方向である。
【0028】
トナー搬送経路46は搬送方向D2の一端を含む第1端部46bと搬送方向D2の他端を含む第2端部46cとを有し、搬送部材47は第1端部46bから第2端部46cに向かってトナーを搬送する。第1端部46bは、ブレード48の搬送方向D2の端部48bよりも搬送方向D2の外側に位置する。ブレード48の端部48bよりもトナー搬送経路46の搬送方向D2の外側に第1空気流路71の出口71cが位置する。
【0029】
画像形成装置1は、クリーナ45と現像ユニット20の搬送領域20Bとを連接する第2空気流路72を有する。例えば、第2空気流路72はクリーナ45のトナー搬送経路46からクリーナ45の外部に延び出している。第2空気流路72は、トナー搬送経路46の第2端部46cに入口72bを有する。例えば、入口72bは、トナー搬送経路46の上部に位置する。第2空気流路72の入口72bには、空気と共にトナーが入り込む。
【0030】
例えば、現像ユニット20は、搬送領域20Bにトナーを補給するトナー補給口26を有する。トナー補給口26は搬送領域20Bに連通している。第2空気流路72は、例えば、トナー補給口26に出口72cを有する。第2空気流路72は、高圧とされた現像ユニット20の収容領域20Aから第1空気流路71を介してクリーナ45に供給された空気と共にトナーをトナー補給口26から搬送領域20Bに供給する。一例として、現像ユニット20の収容領域20Aの内圧が20.3Paであるのに対し、第2空気流路72の内圧は14.3Paである。この圧力差によってクリーナ45から第2空気流路72を介して搬送領域20Bに空気及びトナーが供給される。
【0031】
例えば、トナー搬送経路46から延びる第2空気流路72は、トナー搬送経路46の斜め下方に位置する現像ユニット20の搬送領域20Bに出口72cを有する。一例として、第2空気流路72は、チューブによって構成されている。しかしながら、第2空気流路72は、チューブ以外のものであってもよく、第2空気流路72の形状、材料及び位置は特に限定されない。
【0032】
次に、画像形成装置1から得られる作用効果について説明する。前述したように、画像形成装置1では、現像ユニット20が、現像剤を収容する収容領域20A、及び現像剤を収容領域20Aに供給する搬送領域20Bを有する。感光体ユニット40は、現像剤のうちのトナーからトナー像を形成する感光体41と、感光体41の表面に残存する過剰なトナーを除去するクリーナ45とを備える。
【0033】
更に、画像形成装置1は、収容領域20Aとクリーナ45とを連接する第1空気流路71と、クリーナ45と搬送領域20Bとを連接する第2空気流路72とを備える。よって、現像ユニット20の収容領域20Aから第1空気流路71を介してクリーナ45に空気が供給されるので、クリーナ45の内部におけるトナーの搬送を効率よく行うことができ、トナー搬送経路46の内面等へのトナーを付着を抑制することができる。
【0034】
第1空気流路71からの空気によってクリーナ45ではトナーが分散した形で搬送されることになるので、クリーナ45の内部におけるトナーの凝集体の発生を抑制できる。従って、トナーの凝集体が原因となる用紙5への画質不良の発生を低減させることができる。更に、画像形成装置1では、収容領域20Aとクリーナ45との圧力差を用いて収容領域20Aからクリーナ45に空気を供給するので、ポンプ等の空気搬送装置を不要とすることができる。従って、画像形成装置1の大型化を抑制できる。
【0035】
上記の圧力差は、現像ローラ21が回転しながら現像ローラ21が現像剤を保持することによって発生する。よって、現像ローラ21の回転に伴う現像ユニット20の収容領域20Aの圧力上昇をクリーナ45におけるトナーの搬送のために活用できる。クリーナ45において回収されたトナーの搬送を第1空気流路71からの空気によってアシストすることができるので、クリーナ45においてトナーを安定的に搬送できる。
【0036】
図6は、第1空気流路71及び第2空気流路72を有する実施例の画像形成装置1のトナー搬送性と、第1空気流路71及び第2空気流路72を有しない比較例の画像形成装置のトナー搬送性を測定した結果を示すグラフである。図6のグラフの縦軸は、クリーナ45からの5分間におけるトナーの排出量を示している。図6に示されるように、比較例の画像形成装置では5分間におけるトナーの排出量が1.09gであったのに対し、実施例の画像形成装置1では5分間におけるトナーの排出量が1.75gであった。このように、実施例の画像形成装置1では、比較例の画像形成装置よりも約60%多くのトナーを搬送及び排出できることが分かった。
【0037】
図7は、実施例の画像形成装置1における現像ユニット20の内圧と、比較例の画像形成装置における現像ユニットの内圧とを測定した結果を示すグラフである。図7に示されるように、比較例の画像形成装置では現像ユニットの内圧が30Pa程度であったのに対し、実施例の画像形成装置1では現像ユニット20の内圧が21Pa程度であった。このように、画像形成装置1では、現像ユニット20の内部における圧力上昇を30%程度抑制できることがわかった。
【0038】
図8は、ADR(トリクル排出方式)を採用する現像ユニット20の内圧と現像ユニット20からの現像剤の過剰排出比との関係を示すグラフである。図8のグラフの横軸は現像ユニット20の内圧であり、図8のグラフの縦軸は過剰排出比を示している。過剰排出比の単位は、g/kPVであり、1000枚の用紙を印刷したときに現像ユニットから過剰排出された現像剤の量を示している。図7及び図8に示されるように、実施例の画像形成装置1では、比較例の画像形成装置よりも現像ユニットの内圧を30%程度低減できるので、ADRにおける現像剤の過剰排出を抑制できる。
【0039】
前述したように、現像ユニット20は、収容領域20Aに位置すると共に現像剤を搬送する現像ローラ21を有し、第1空気流路71は、現像ローラ21の上方に入口71bを有してもよい。この場合、入口71bからクリーナ45までの距離を短くできるので、収容領域20Aの空気を効率よくクリーナ45に供給できる。第1空気流路71の入口71bは、現像ローラ21から見て感光体ユニット40とは反対側の現像ユニット20の端部25に位置してもよい。この場合、現像ユニット20の内部における空いた空間を第1空気流路71への入口71bとして有効利用することができる。
【0040】
前述したように、クリーナ45は、筒状を呈するトナー搬送経路46と、トナー搬送経路46の内部においてトナーを搬送する搬送部材47とを有してもよい。搬送部材47は、トナー搬送経路46の軸線に沿って延びる搬送方向D2に沿ってトナー搬送経路46の第1端部46bから第2端部46cに向かってトナーを搬送してもよい。第1空気流路71は、トナー搬送経路46の第1端部46bに出口71cを有してもよい。この場合、トナー搬送経路46の上流側端部に出口71cが設けられるので、第1空気流路71からの空気をトナー搬送経路46の第1端部46bから第2端部46cまで全体的に供給できる。従って、トナー搬送経路46の内部におけるトナーの搬送性を一層高めることができる。
【0041】
クリーナ45は、トナー搬送経路46の上方に感光体41の表面からトナーを掻き取るブレード48を有し、ブレード48は、搬送方向D2に沿って延在していてもよい。第1空気流路71の出口71cは、ブレード48の端部48bよりもトナー搬送経路46の搬送方向D2の外側に位置してもよい。この場合、ブレード48からトナー搬送経路46にトナーが入り込む領域の全体に第1空気流路71の出口71cから空気を送り込むことができる。従って、クリーナ45におけるトナーの搬送性を更に良好にすることができる。
【0042】
第2空気流路72はトナー搬送経路46の第2端部46cに入口72bを有してもよく、第2空気流路72は空気と共にトナー搬送経路46において搬送されたトナーを現像ユニット20の搬送領域20Bに供給する。この場合、トナー搬送経路46において搬送されるトナーが現像ユニット20に戻されるので、トナーを有効利用できる。
【0043】
次に、変形例に係る画像形成装置について説明する。図9は、変形例に係る画像形成装置の現像ユニット20D及び感光体ユニット40の断面を模式的に示す図である。変形例に係る画像形成装置の一部の構成は、前述した画像形成装置1の一部の構成と重複するため、重複する説明を適宜省略する。
【0044】
現像ユニット20Dは、搬送領域20Bの空気を現像ユニット20Dの外部に排出するフィルタ27を備える。フィルタ27は、アドミクスオーガー23の対向位置に配置されている。フィルタ27を介して搬送領域20Bの空気は現像ユニット20Dの外部に排出される。フィルタ27は、例えば、アドミクスオーガー23から見て第2空気流路72の出口72cとは反対側に配置される。以上、フィルタ27を備える現像ユニット20Dでは、フィルタ27から現像ユニット20Dの外部に空気を排出でき、搬送領域20Bの圧力を大気圧に近づけることができるので、第1空気流路71及び第2空気流路72における空気の搬送効率を高めることができる。
【0045】
前述したように、画像形成装置1のクリーナ45は、オーガーである搬送部材47を備える。しかしながら、図10に示されるように、変形例に係るクリーナ45は、コイルスプリングである搬送部材47Aを備えていてもよい。例えば、搬送部材47Aは、断面形状が矩形状を呈する角材が螺旋状に巻かれて形成されている。このコイルスプリングである搬送部材47Aは、搬送部材47Aの内部が空気の通り道となる。従って、コイルスプリングである搬送部材47Aを備える場合、クリーナ45における空気及びトナーの搬送性を一層向上させることができる。
【0046】
図11は、変形例に係るトナー搬送経路46A及び第1空気流路71Aを模式的に示す断面図である。図11に示されるように、第1空気流路71Aは、屈曲部73を有する。第1空気流路71Aは、例えば、屈曲部73においてトナー搬送経路46Aの幅方向D3から搬送方向D2に曲げられている。
【0047】
例えば、第1空気流路71Aは、屈曲部73に配置された整流部材74を有する。整流部材74は、例えば、第1空気流路71Aにおける屈曲部73の内壁面に配置されている。第1空気流路71Aが整流部材74を備えることにより、屈曲部73を有する場合であっても第1空気流路71Aの空気流通をスムーズに行うことができる。
【0048】
第1空気流路71Aの出口71dは、トナー搬送経路46Aの内部空間に連通している。出口71dでは、搬送方向D2に対して傾斜する傾斜方向D4に沿って空気Aが流通する。搬送方向D2に対する傾斜方向D4の角度θは0°より大きく且つ90°未満である。また、角度θは、10°以上且つ80°以下であってもよいし、20°以上且つ60°以下であってもよく、適宜変更可能である。
【0049】
この場合、例えば、搬送方向D2に沿って延びるトナー搬送経路46Aの第1壁部46fと、傾斜方向D4に沿って延びる第2壁部71fとの間に出口71dが形成されている。このように、出口71dにおいて傾斜方向D4に沿って空気Aが流通する場合、トナー搬送経路46Aの内部によりスムーズに空気Aを流し込めるので、クリーナ45におけるトナーの搬送性を一層高めることができる。
【0050】
図12は、変形例に係る感光体ユニット40を示す斜視図である。図12に示されるように、変形例に係る感光体ユニット40において、トナー搬送経路46は、搬送部材47によって搬送されたトナーを排出する排出口46dを第2端部46cに有する。クリーナ45は、排出口46dから排出されたトナーを回収する廃トナー回収容器45bを有する。排出口46dはトナー搬送経路46の下部に位置する。廃トナー回収容器45bは、排出口46dの下方に配置されており排出口46dから排出されたトナーを回収する。
【0051】
第2空気流路72の入口72bには、空気と共に比重が小さい軽いトナーが入り込む。入口72bに流入しなかったトナーは、排出口46dに搬送されて排出口46dから廃トナー回収容器45bに排出される。排出口46d及び廃トナー回収容器45bは、第2空気流路72の入口72bよりもトナー搬送経路46の搬送方向D2の外側に位置する。従って、比重が小さくて軽いトナーのみを入口72bから第2空気流路72に流入させることが可能となる。
【0052】
以上のように、クリーナ45は第2空気流路72の入口72bに流入しなかったトナーを回収する廃トナー回収容器45bを備えてもよく、第2空気流路72の入口72bはトナー搬送経路46の上部に位置してもよい。現像ユニット20は搬送領域20Bにトナーを補給するトナー補給口26を有し、第2空気流路72はトナー補給口26に出口72cを有してもよい。この場合、比重が小さいトナーのみを第2空気流路72に流入させると共に、比重が大きいキャリア等をトナー搬送経路46から廃トナー回収容器45bに排出できる。そして、比重が小さいトナーを、第2空気流路72及びトナー補給口26を介して搬送領域20Bに供給できる。従って、比重が小さいトナーを有効利用できる。
【0053】
以上、本明細書に記載の全ての側面、利点及び特徴が、必ずしも、いずれかひとつの特定の例及び実施形態により達成される又は含まれるわけではないことは理解されたい。実際、本明細書において様々な例を記載し示したが、他の例もその配置及び詳細について修正することができることは明らかであるべきだ。例えば、画像形成装置は、1成分現像剤が用いられるものであってもよいし、白黒画像を形成するものであってもよい。以上のように、ここに請求される保護主題の精神及び範囲に包含される全ての修正及び変形を請求する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12