IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報通知方法 図1
  • 特開-情報通知方法 図2
  • 特開-情報通知方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006758
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報通知方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9032 20190101AFI20250109BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20250109BHJP
【FI】
G06F16/9032
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107742
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】西吉 大樹
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175HA05
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって関心が高い情報の情報通知を行う。
【解決手段】データベースに登録されたユーザに対して、データベースに新規に登録された情報を通知する際に、通知内容の精度を向上させる情報通知方法であって、データベースに新規の情報が登録されたことをユーザに通知するステップと、ユーザに対して、新規の情報の通知について肯定的又は否定的のいずれかであるかの質問を通知するステップと、ユーザが否定的な回答を行った場合に、さらにユーザに対して、関心外のキーワードの候補を通知するステップと、関心外のキーワードの候補の通知に応じて、ユーザが関心外のキーワードを選択して回答した場合に、関心外のキーワードに関連する情報の通知がその後にユーザに行われないように、データベースにユーザ情報を登録するステップと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースに登録されたユーザに対して、前記データベースに新規に登録された情報を通知する際に、通知内容の精度を向上させる情報通知方法であって、
前記データベースに新規の情報が登録されたことをユーザに通知するステップと、
前記ユーザに対して、前記新規の情報の通知について肯定的又は否定的のいずれかであるかの質問を通知するステップと、
前記ユーザが否定的な回答を行った場合に、さらに前記ユーザに対して、関心外のキーワードの候補を通知するステップと、
前記関心外のキーワードの候補の通知に応じて、前記ユーザが関心外のキーワードを選択して回答した場合に、前記関心外のキーワードに関連する情報の通知がその後に前記ユーザに行われないように、前記データベースにユーザ情報を登録するステップと、を備える、
情報通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を集積したデータベースが利用されている。データベースは多種多様であり、これらのデータベースを組み合わせることによって新規に創出される業務がある。また、データベースを組み合わせることによって新規に創出された業務を、ユーザに通知するサービスも存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-310408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、データベースの組み合わせにより創出された業務に関する情報は、ユーザにとっては不要な情報であって、その通知も不要であるという場合がある。また例えば、ユーザにとっては必要な情報の通知と、不要な情報の通知が混在すると、必要な情報の見落としが増える場合がある。一方で、送信者にとっても、不要な通知を行うことにより発生するコストを低減したいという要望もある。また、これらの通知の基準について、機械学習を利用して効率的に実装したいという要望もある。
【0005】
本開示は、ユーザにとって関心が高い情報の通知を行う情報通知方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる情報通知方法は、データベースに登録されたユーザに対して、前記データベースに新規に登録された情報を通知する際に、通知内容の精度を向上させる情報通知方法であって、前記データベースに新規の情報が登録されたことをユーザに通知するステップと、前記ユーザに対して、前記新規の情報の通知について肯定的又は否定的のいずれかであるかの質問を通知するステップと、前記ユーザが否定的な回答を行った場合に、さらに前記ユーザに対して、関心外のキーワードの候補を通知するステップと、前記関心外のキーワードの候補の通知に応じて、前記ユーザが関心外のキーワードを選択して回答した場合に、前記関心外のキーワードが含まれている情報の通知がその後に前記ユーザに行われないように、前記データベースにユーザ情報を登録するステップと、を備える。
これにより、ユーザにとって関心外のキーワードに関連する情報の通知を抑制することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示よれば、ユーザにとって関心が高い情報の情報通知を行う情報通知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報通知システムの構成を示すブロック図である。
図2】情報通知システムの動作フローを示すフローチャートである。
図3】情報通知システムにかかる人物とデータの流れの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1
以下、図面を参照して本実施の形態に係る情報通知システムについて説明する。情報通知システム1は、情報の通知を実行する情報通知装置10と、ユーザが所持し、情報通知装置10からの通知を受信する端末20と、を備える。
【0010】
情報通知装置10は、主記憶装置11と、補助記憶装置12と、処理装置13と、を有しており、これらの記憶装置や処理装置が協働して動作することによって、所定の処理を行うコンピュータである。
【0011】
典型的には、主記憶装置11は、コンピュータ内部でデータやプログラムを記憶する記憶装置のうち、処理装置13が処理を実行するために必要な情報を一時的に記憶する記憶装置であって、処理装置13が直接高速で情報の読み書きができるメインメモリである。
【0012】
補助記憶装置12は、コンピュータ内部でデータやプログラムを記憶する記憶装置のうち、外部バスに接続され、処理装置13による入出力命令で操作されるものであって、主記憶装置11に比べてレイテンシやスループットが遅いが大容量の記憶装置である。補助記憶装置12には、磁気の性質を利用して情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等を利用することができる。
【0013】
典型的には、補助記憶装置12にはデータベースを実装することができ、このデータベースには様々な情報が蓄積される。また以下では説明を簡単にするために、補助記憶装置12はデータベースにのみ利用されるものとして、この補助記憶装置12のことをデータベースと記載することがある。またここでは、補助記憶装置12は、データベースとして、複数の端末20に送信される情報そのものだけでなく、送信先となる端末20の情報や、端末20を保持するユーザ情報等を有しているものとする。
【0014】
処理装置13は、コンピュータ内の他の装置の制御やデータの演算などを行う装置であり、演算機能と制御機能を統合して有しているものとする。典型的には、処理装置13は、CPU(Central Processing Unit)である。
【0015】
なお図示しないが、情報通知装置10には、端末20との情報の送受信を行う通信部が設けられているものとする。また、情報通知装置10には、情報の入力を行う入力部や、利用者が情報を確認するための表示部等が設けられていてもよい。
【0016】
また例えば、処理装置13は、補助記憶装置12に新規の情報が入力された場合に、新規に創出された業務がユーザに通知すべき内容があるか否かを判定することができる。また処理装置13は、ユーザに通知を送る場合には、通信部の動作を制御することができる。
【0017】
端末20は、ユーザによる入力が行われる入力部21と、情報通知装置10から通知された内容や入力部21による入力結果などを表示する表示部22と、を備える。
【0018】
例えば、端末20が、所定の大きさを有するコンピュータ等であれば、入力部21にはキーボードやマウスを利用することができ、表示部22には端末20に接続されたモニタを利用することができる。または端末20が、ユーザにより持ち運び可能な携帯端末や、ユーザの腕に装着できるウェアラブル端末である場合には、表示部22は、端末20上に設けられたディスプレイとし、入力部21には、ディスプレイ上に設けられユーザが操作可能なタッチパネルを用いることができる。これらの端末20の構成については、任意に変更可能である。
【0019】
図示しないが、端末20には、情報通知装置10と同様に、情報の送受信を行う通信部が設けられているものとして説明する。
【0020】
次に、図2を参照して、情報通知装置10と端末20との間で情報の送受信を行い、情報通知装置10から端末20に、ユーザにとって関心が高い情報の情報通知を行うようにする方法について説明する。図2は、情報通知装置10及び端末20で実行する動作をフローチャートで示した図である。
【0021】
はじめに、情報通知装置10においてデータベースに新規の情報が登録されると、情報通知装置10は、端末20に、新規の情報が登録されたことの通知を行う(ステップS1)。なお具体的には、情報通知装置10は、データベースに記録されたユーザ情報を参照して選択した端末20に、新規の情報が登録された旨の情報を通知する。
【0022】
このときさらに、情報通知装置10は、端末20においてユーザが新規の情報を閲覧した後に、この新規の情報の通知について、肯定的又は否定的のいずれかであるかの質問を通知する。具体的の一例として、情報通知装置10は端末20に対し、この新規の情報の通知が役に立ったか、役に立たなかったかを質問する通知を行う。
【0023】
次に、端末20を操作するユーザは、情報通知装置10からの質問に対して回答を行う(ステップS2)。すなわち、端末20ではユーザの操作により、新規の情報が役に立ったか、役に立たなかったかの回答を入力し、情報通知装置10に送信する。
【0024】
情報通知装置10は、端末20から送信された回答を確認する(ステップS3)。ここで、端末20から送信されるユーザの回答が肯定的、すなわち、役に立った旨の回答であれば(ステップS3でYes)、処理を終了する。一方、端末20から送信されるユーザの回答が否定的、すなわち、役に立たなかった旨の回答であれば(ステップS3でNo)、ステップS4に進む。
【0025】
情報通知装置10は、端末20から受信した否定的な回答を受信した際に、端末20に対して、関心外のキーワードの候補を通知する(ステップS4)。
【0026】
端末20では、情報通知装置10から送信された、複数の関心外のキーワードの候補を表示する(ステップS5)。さらに端末20は、表示された複数の関心外のキーワードの候補に基づいて、ユーザが選択した関心外のキーワードの回答を、情報通知装置10に送信する(ステップS6)。なお、ここで情報通知装置10に送信される関心外のキーワードは、1つのキーワードであってもよく、複数のキーワードであってもよい。
【0027】
情報通知装置10は、回答された関心外のキーワードに関連する通知をそれ以降に行わないように、データベースにおいて、NGのキーワードの情報を、回答したユーザのユーザ情報に関連付けて記録する(ステップS7)。その後、処理を終了する。
【0028】
これにより、情報通知装置10から行う情報の通知において、ユーザにとって関心外のキーワードが含まれる情報の通知を抑制することができる。したがって、情報通知装置10は、ユーザにとって関心が高い情報の情報通知を行うことができる。
【0029】
ここで、図3を参照してより具体的な1例について説明する。以下の説明で登場している人物は、それぞれが情報通知システム1を利用するユーザであるが、ここでは、1つの会社に所属している従業者と、情報管理を行う管理者と、が存在しており、従業者が関心外のキーワードか否かを回答し、管理者はその回答に基づいて、その以降に行う通知の調整を行うものとして説明する。なお、以下において従業者とは後述する人物Cであり、管理者は人物Yである。
【0030】
図3に示すように、情報通知装置10は、複数の会社の情報を記録する複数のデータベースとして有している。ここでは情報通知装置10は、複数の会社から、外部サーバーとして利用される。なお、図3に示された人物はそれぞれ端末20を有している。
【0031】
情報通知装置10は、第1の会社に関して、作業者の情報と作業時間の情報を記録した第1のデータベースと、作業者の情報と不具合発生の情報を記録した第2のデータベースを有しており、第2の会社に関して、作業者の情報と健康関連の情報を記録した第3のデータベースを有しているものとする。なお、第1の会社には人物X,A,Bの3名が少なくとも所属し、第2の会社には人物Y,Cの2名が少なくとも所属しているものとする。
【0032】
ここで人物Xは、第1の会社の第1のデータベースと第2のデータベースにおいて情報を登録する登録者であるとともに、情報の修正や変更を行うことができる管理者である。同様に、人物Yは、第2の会社において第3のデータベースにおいて情報を登録した登録者であって情報の管理者であり、第2の会社に属する従業者に送信する情報の管理を行う人物である。
【0033】
ここで例えば、第1の会社において、人物Aは、第1のデータベースに記録された情報と第2のデータベースに記録された情報の解析結果から「作業者への声掛け」に活用することとする。一方、人物Bは、第1のデータベースに記録された情報と第2のデータベースに記録された情報の解析結果から「兆候管理」に活用することとする。これらの情報通知装置10におけるデータベースの活用についてのフィードバック情報は、活用事例集として記録される。
【0034】
さらにここでは、第2の会社において人物Cが、第2のデータベースに規則された情報と第3のデータベースに記録された情報の解析結果から「不具合の発生要因の特定」に活用し、その旨のフィードバック情報が活用事例集に記録されたものとする。
【0035】
このとき、情報通知装置10は、人物Cに対して、所属している第2の会社で有している第3のデータベースの情報と、第1の会社が有している第2のデータベースの情報から「作業者の身体特性の変化から不具合の発生要因の分析ができるようになりました。」との通知を行うことができる。さらにこのとき情報通知装置10は、人物Cに対して、この通知が役に立ったか否かの質問の通知を行う。
【0036】
端末20を有している人物Cは、情報通知装置10からの通知を受けて、この通知が役に立ったか否かの回答を行う。
【0037】
ここで情報通知装置10は、人物Cが否定的な回答である「役に立たなかった」旨の回答を行った場合に、さらに人物Cに対して、関心外であるキーワードの候補の通知を行ったものとする。
【0038】
なお、この情報通知装置10から端末20への関心外であるキーワードの候補の通知は、情報通知装置10が自動的に行っても良く、端末20からの回答を認識した人物Yの操作により、情報通知装置10を介して通知を行うこととしてもよい。
【0039】
人物Cは、情報通知装置10から送られてきた関心外のキーワードの候補の通知から、1以上の関心外のキーワードを回答する。例えばここでは、関心外のキーワードの候補は「作業者」「身体特性」「不具合発生要因分析」であり、人物Cは関心外のキーワードとして「身体特性」を選択して回答したものとする。
【0040】
情報通知装置10は、人物Cに対して「身体特性」のキーワードに関連する内容の通知を行わないように、第3のデータベース内における人物Cの情報を更新する。
【0041】
一例として、情報通知装置10では、これ以降に第1の会社に関連付けられているデータベースとの連携により新しくできるようになった分析があったとしても、人物Cへは通知しないように、人物Cについての登録設定を変更することが可能である。具体的には、情報通知装置10は、人物Cが所属している第2の会社に関連するデータベースと、第1の会社の健康関連データのデータベースを連携させて新しい分析を行えるようになった場合であっても、その旨の通知を、人物Cには送らないように設定登録することができる。
【0042】
なお限定的には、情報通知装置10では、通知の文章として「身体特性」のキーワードが含まれるものについて、人物Cに通知を送らないように設定することも可能である。
【0043】
ここで情報通知装置10は、関心外のキーワードの回答に応じて、所定の人物に所定の通知を行わないようにする設定は自動的に行っても良く、管理者である人物Yに対して、人物Cの設定をデータベースに行うように通知するものであってもよい。さらに、情報通知装置10は、関心外のキーワードの回答に応じて、AI等による機械学習に応じて、類似のキーワードについての通知の要否の設定を行うようにすることも可能である。
【0044】
これにより、情報通知システム1では、情報通知装置10から端末20に通知を送る際に、端末20を保有するユーザにとって関心外のキーワードを直接的に含んだ情報や、この関心外のキーワードに類似する情報の通知を抑制することで、ユーザにとって関心が高い情報についての通知を行うことができる。
【0045】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。すなわち上記の記載は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされており、当業者であれば、実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。
【0046】
例えば、ユーザによる関心外のキーワードの候補の通知の回答を行う際に、ユーザから情報通知装置10への回答は、関心外のキーワードの候補から選択するだけでなく、候補に無いキーワードを、ユーザが入力して回答できる形式とすることも可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 情報通知システム
10 情報通知装置
11 主記憶装置
12 補助記憶装置
13 処理装置
20 端末
21 入力部
22 表示部
図1
図2
図3