(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006759
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/60 20140101AFI20250109BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20250109BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20250109BHJP
【FI】
A63F13/60
G06T19/00 A
A63F13/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107743
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】中田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】木梨 玲
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA26
5B050FA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】地形を含む3次元仮想空間を生成するための新規の情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理プログラムは、仮想地形を生成するための情報処理プログラムであって、コンピュータを、3次元仮想空間における平面方向に区分された複数の領域のそれぞれに対し、複数の地形オブジェクトの候補から自動的に選出された地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして割り当てる地形オブジェクト割当部42、複数の選出地形オブジェクトの各々について、3次元仮想空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する高さパラメータ決定部43、割り当てられた領域に対応する位置、および、高さパラメータに基づく位置に配置された選出地形オブジェクトを含む仮想地形を生成する地形生成部45として機能させる構成を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想地形を生成するための情報処理プログラムであって、コンピュータを、
3次元仮想空間における平面方向に区分された複数の領域のそれぞれに対し、複数の地形オブジェクトの候補から自動的に選出された地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして割り当てる地形オブジェクト割当手段、
複数の前記選出地形オブジェクトの各々について、前記3次元仮想空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する高さパラメータ決定手段、
割り当てられた領域に対応する位置、および、前記高さパラメータに基づく位置に配置された前記選出地形オブジェクトを含む前記仮想地形を生成する地形生成手段、
として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記3次元仮想空間の平面方向に区画された複数の領域のそれぞれに対し、複数の領域情報から選出された領域情報を割り当てる領域情報割当手段、として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記地形オブジェクト割当手段は、前記複数の領域のそれぞれに、当該領域に割り当てられた前記領域情報に対応する複数の地形オブジェクトの候補から前記選出地形オブジェクトを割り当てる、請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記高さパラメータ決定手段は、前記選出地形オブジェクトに予め対応付けられるパラメータの範囲内で前記高さパラメータを決定する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記選出地形オブジェクトに対応する環境オブジェクトを、当該選出地形オブジェクトに関連付けて配置する環境オブジェクト配置手段として、前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記環境オブジェクト配置手段は、前記選出地形オブジェクトに対応付けられる複数のテーマ情報のうち、環境オブジェクト選出条件に基づいて自動的に選出された少なくとも1つのテーマ情報に基づく前記環境オブジェクトを配置する、請求項5に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記環境オブジェクト選出条件は、前記高さパラメータ決定手段によって決定された前記選出地形オブジェクトの位置に関する条件を含む、請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記地形オブジェクトのうち少なくとも1つは、前記複数の領域のうち、2つ以上の領域に対応する形状である、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記地形オブジェクトは、前記複数の領域のうちの対応する1又は複数の領域からはみ出す部分を有し、前記はみ出す部分の側面に地形表面を構成可能な造形を有し、
前記地形生成手段は、互いに隣り合う前記複数の選出地形オブジェクトを、前記単位領域からはみ出す部分が互いに重複するように配置させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記地形の生成は、オフラインプレイではじめてゲームを開始する際、オフラインプレイで所定の条件で前記3次元仮想空間が更新される際、又はオンラインプレイでセッションを作成する際、のいずれかに実行される、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記地形オブジェクト割当手段は、さらに、前記選出地形オブジェクトについて、前記平面方向における回転角度を指定する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記地形オブジェクトは、立体オブジェクトである、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
前記地形オブジェクトは横穴部分を有する、請求項12に記載の情報処理プログラム。
【請求項14】
前記地形オブジェクトは、第1種の地形オブジェクトと第2種の地形オブジェクトとのいずれかに分類される、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項15】
前記地形生成手段によって生成された前記仮想地形を利用したゲーム処理を実行するゲーム処理実行手段として、前記コンピュータを機能させる、請求項1~14のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項16】
仮想地形を生成するための情報処理装置であって、
3次元仮想空間における平面方向に区分された複数の領域のそれぞれに対し、複数の地形オブジェクトの候補から自動的に選出された地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして割り当てる地形オブジェクト割当手段と、
複数の前記選出地形オブジェクトの各々について、前記3次元仮想空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する高さパラメータ決定手段と、
割り当てられた領域に対応する位置、および、前記高さパラメータに基づく位置に配置された前記選出地形オブジェクトを含む前記仮想地形を生成する地形生成手段と、
を備えた、情報処理装置。
【請求項17】
仮想地形を生成するための情報処理方法であって、
3次元仮想空間における平面方向に区分された複数の領域のそれぞれに対し、複数の地形オブジェクトの候補から自動的に選出された地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして割り当てる地形オブジェクト割当ステップと、
複数の前記選出地形オブジェクトの各々について、前記3次元仮想空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する高さパラメータ決定ステップと、
割り当てられた領域に対応する位置、および、前記高さパラメータに基づく位置に配置された前記選出地形オブジェクトを含む前記仮想地形を生成する地形生成ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項18】
仮想地形を生成するための情報処理システムであって、
3次元仮想空間における平面方向に区分された複数の領域のそれぞれに対し、複数の地形オブジェクトの候補から自動的に選出された地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして割り当てる地形オブジェクト割当手段と、
複数の前記選出地形オブジェクトの各々について、前記3次元仮想空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する高さパラメータ決定手段と、
割り当てられた領域に対応する位置、および、前記高さパラメータに基づく位置に配置された前記選出地形オブジェクトを含む前記仮想地形を生成する地形生成手段と、
を備えた、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地形を含む3次元仮想空間を生成するための情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地形を含む3次元仮想空間においてゲーム等の情報処理を行うシステムが知られている。3次元仮想空間は、あらかじめ用意されているか、情報処理システムによって生成される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、地形を含む3次元仮想空間を生成するための新規の情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
構成1の情報処理プログラムは、仮想地形を生成するための情報処理プログラムであって、コンピュータを、3次元仮想空間における平面方向に区分された複数の領域のそれぞれに対し、複数の地形オブジェクトの候補から自動的に選出された地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして割り当てる地形オブジェクト割当手段、複数の前記選出地形オブジェクトの各々について、前記3次元仮想空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する高さパラメータ決定手段、割り当てられた領域に対応する位置、および、前記高さパラメータに基づく位置に配置された前記選出地形オブジェクトを含む前記仮想地形を生成する地形生成手段として機能させる構成を有する。
【0006】
この構成により、あらかじめ用意された複数の地形オブジェクトの候補から3次元仮想空間の各位置に配置する地形オブジェクトが選出されるので、その都度地形オブジェクトを生成する必要がなく、処理負荷を軽減できる。また、選出された地形オブジェクトについて、3次元仮想空間の平面方向の位置だけでなく、高さ方向の位置も決定するので、多くの組み合わせの仮想地形を生成することが可能となる。
【0007】
構成2の情報処理プログラムは、構成1の情報処理プログラムにおいて、前記3次元仮想空間の平面方向に区画された複数の領域のそれぞれに対し、複数の領域情報から選出された領域情報を割り当てる領域情報割当手段、として前記コンピュータをさらに機能させる。
【0008】
この構成により、3次元仮想空間の平面方向に区画された複数の領域のそれぞれに対して複数の領域情報から選出された領域情報が割り当てられるので、3次元仮想空間内の領域ごとに異なる領域情報を割り当てることができる。領域情報は、例えば海域であってよい。
【0009】
構成3の情報処理プログラムは、構成2の情報処理プログラムにおいて、前記地形オブジェクト割当手段は、前記複数の領域のそれぞれに、当該領域に割り当てられた前記領域情報に対応する複数の地形オブジェクトの候補から前記選出地形オブジェクトを割り当てる。
【0010】
この構成により、各領域には、割り当てられた領域情報に対応する地形オブジェクトが選出される。領域情報が海域である場合には、各領域には、割り当てられた海域に対応する地形オブジェクトが選出される。
【0011】
構成4の情報処理プログラムは、構成1~構成3のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記高さパラメータ決定手段は、前記選出地形オブジェクトに予め対応付けられるパラメータの範囲内で前記高さパラメータを決定する。
【0012】
この構成により、地形オブジェクトごとに、その高さを所定の範囲内で決定できる。
【0013】
構成5の情報処理プログラムは、構成1~構成4のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記選出地形オブジェクトに対応する環境オブジェクトを、当該選出地形オブジェクトに関連付けて配置する環境オブジェクト配置手段として、前記コンピュータをさらに機能させる。
【0014】
この構成により、地形オブジェクトだけでなく、環境オブジェクトを含む3次元仮想空間が生成される。
【0015】
構成6の情報処理プログラムは、構成5の情報処理プログラムにおいて、前記環境オブジェクト配置手段は、前記選出地形オブジェクトに対応付けられる複数のテーマ情報のうち、環境オブジェクト選出条件に基づいて自動的に選出された少なくとも1つのテーマ情報に基づく前記環境オブジェクトを配置する。
【0016】
この構成により、選出地形オブジェクトに対応付けられたテーマに応じた環境オブジェクトを配置できる。
【0017】
構成7の情報処理プログラムは、構成6の情報処理プログラムにおいて、前記環境オブジェクト選出条件は、前記高さパラメータ決定手段によって決定された前記選出地形オブジェクトの位置に関する条件を含む。
【0018】
この構成により、地形オブジェクトの高さに応じた環境オブジェクトを配置できる。
【0019】
構成8の情報処理プログラムは、構成1~構成7のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記3次元仮想空間は、前記平面方向に、複数の単位領域に区分けされており、前記地形オブジェクトは、1又は複数の前記単位領域に対応する大きさを有する。
【0020】
この構成により、複数の地形オブジェクトを隙間なく配置できる。
【0021】
構成9の情報処理プログラムは、構成8の情報処理プログラムにおいて、前記地形オブジェクトは、前記複数の領域のうちの対応する1又は複数の領域からはみ出す部分を有し、前記はみ出す部分の側面に地形表面を構成可能な造形を有し、前記地形生成手段は、互いに隣り合う前記複数の選出地形オブジェクトを、前記単位領域からはみ出す部分が互いに重複するように配置させる。
【0022】
この構成により、隣り合う選出地形オブジェクト同士の境界を自然な形状にできる。
【0023】
構成10の情報処理プログラムは、構成1~構成9のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記地形の生成は、オフラインプレイではじめてゲームを開始する際、オフラインプレイで所定の条件で前記3次元仮想空間が更新される際、又はオンラインプレイでセッションを作成する際、のいずれかに実行される。
【0024】
この構成により、セッションごと、ゲームごと、所定条件の更新ごとに、3次元仮想空間が生成される。
【0025】
構成11の情報処理プログラムは、構成1~構成10のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記地形オブジェクト割当手段は、さらに、前記選出地形オブジェクトについて、前記平面方向における回転角度を指定する。
【0026】
この構成により、生成される3次元仮想空間のランダム性が向上する。
【0027】
構成12の情報処理プログラムは、構成1~構成11のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記地形オブジェクトは、立体オブジェクトである。
【0028】
この構成により、立体的な地形を生成できる。
【0029】
構成13の情報処理プログラムは、構成12のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記地形オブジェクトは横穴部分を有する。
【0030】
この構成により、侵入可能な横穴が3次元仮想空間に提供される。
【0031】
構成14の情報処理プログラムは、構成1~構成13のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記地形オブジェクトは、第1種の地形オブジェクトと第2種の地形オブジェクトとのいずれかに分類される。
【0032】
この構成により、2種類の類型の地形オブジェクトから地形オブジェクトを選出できる。
【0033】
構成15の情報処理プログラムは、構成1~構成14のいずれかの情報処理プログラムにおいて、前記地形生成手段によって生成された前記仮想地形を利用したゲーム処理を実行するゲーム処理実行手段として、前記コンピュータを機能させる。
【0034】
この構成により、生成された3次元仮想空間を利用したゲームを実行できる。
【0035】
構成16の情報処理装置は、仮想地形を生成するための情報処理装置であって、3次元仮想空間における平面方向に区分された複数の領域のそれぞれに対し、複数の地形オブジェクトの候補から自動的に選出された地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして割り当てる地形オブジェクト割当手段と、複数の前記選出地形オブジェクトの各々について、前記3次元仮想空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する高さパラメータ決定手段と、割り当てられた領域に対応する位置、および、前記高さパラメータに基づく位置に配置された前記選出地形オブジェクトを含む前記仮想地形を生成する地形生成手段とを備えた構成を有する。
【0036】
この構成により、あらかじめ用意された複数の地形オブジェクトの候補から3次元仮想空間の各位置に配置する地形オブジェクトが選出されるので、その都度地形オブジェクトを生成する必要がなく、処理負荷を軽減できる。また、選出された地形オブジェクトについて、3次元仮想空間の平面方向の位置だけでなく、高さ方向の位置も決定するので、多くの組み合わせの仮想地形を生成することが可能となる。
【0037】
構成17の情報処理方法は、仮想地形を生成するための情報処理方法であって、3次元仮想空間における平面方向に区分された複数の領域のそれぞれに対し、複数の地形オブジェクトの候補から自動的に選出された地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして割り当てる地形オブジェクト割当ステップと、複数の前記選出地形オブジェクトの各々について、前記3次元仮想空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する高さパラメータ決定ステップと、割り当てられた領域に対応する位置、および、前記高さパラメータに基づく位置に配置された前記選出地形オブジェクトを含む前記仮想地形を生成する地形生成ステップとを含む構成を有している。
【0038】
この構成により、あらかじめ用意された複数の地形オブジェクトの候補から3次元仮想空間の各位置に配置する地形オブジェクトが選出されるので、その都度地形オブジェクトを生成する必要がなく、処理負荷を軽減できる。また、選出された地形オブジェクトについて、3次元仮想空間の平面方向の位置だけでなく、高さ方向の位置も決定するので、多くの組み合わせの仮想地形を生成することが可能となる。
【0039】
構成18の情報処理システムは、仮想地形を生成するための情報処理システムであって、3次元仮想空間における平面方向に区分された複数の領域のそれぞれに対し、複数の地形オブジェクトの候補から自動的に選出された地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして割り当てる地形オブジェクト割当手段と、複数の前記選出地形オブジェクトの各々について、前記3次元仮想空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する高さパラメータ決定手段と、割り当てられた領域に対応する位置、および、前記高さパラメータに基づく位置に配置された前記選出地形オブジェクトを含む前記仮想地形を生成する地形生成手段とを備えた構成を有している。
【0040】
この構成により、あらかじめ用意された複数の地形オブジェクトの候補から3次元仮想空間の各位置に配置する地形オブジェクトが選出されるので、その都度地形オブジェクトを生成する必要がなく、処理負荷を軽減できる。また、選出された地形オブジェクトについて、3次元仮想空間の平面方向の位置だけでなく、高さ方向の位置も決定するので、多くの組み合わせの仮想地形を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態の情報処理システムの全体像を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態のゲームサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態のゲーム装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態の仮想海中空間を生成するためのマップを示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態のゲームシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態の仮想海中空間の生成処理のフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態の領域情報記憶部に記憶される情報の例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態の領域情報割当部による領域情報の割り当ての例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態の地形オブジェクト記憶部に記憶される情報の例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態の地形データの例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施の形態の地形データの大きさの例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態の地形オブジェクト選出部によって位置を指定して選出された複数の選出地形オブジェクトの例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態の環境オブジェクト記憶部に記憶される環境オブジェクトの例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態の環境オブジェクトが配置された地形オブジェクトを示す図である。
【
図15A】
図15Aは、本発明の実施の形態の選出地形オブジェクトの高さパラメータが決定されて組み合わされる様子を示す図である。
【
図15B】
図15Bは、本発明の実施の形態の選出地形オブジェクトの高さパラメータが決定されて組み合わされる様子を示す図である。
【
図15C】
図15Cは、本発明の実施の形態の選出地形オブジェクトの高さパラメータが決定されて組み合わされる様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態の情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0043】
図1は、本発明の実施の形態の情報処理システムの全体像を示す模式図である。情報処理システムは、サーバ1と、複数の情報処理装置2とを含む。本実施の形態では、情報処理システム100は、ゲームシステムとして応用されており、サーバ1はゲームサーバであり、情報処理装置2はゲーム装置である。ゲーム装置2としての情報処理装置は、ゲーム専用の装置であってもよいし、スマートフォン、据置型または携帯型のゲーム装置、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等の汎用の情報処理装置がゲームプログラムを実行することで構成されてもよい。ゲームサーバ1と、ゲーム装置2とは、インターネット等のネットワーク3を介して通信可能に構成されている。以下の実施の形態において、情報処理システムを利用する者、即ち、ゲームをプレイする者をユーザと呼び、ゲーム内でユーザによって操作されるキャラクタをプレイヤないしプレイヤキャラクタと呼ぶ。
【0044】
[ゲームサーバのハードウェア構成]
図2は、本発明の実施の形態のゲームサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。ゲームサーバ1は、プロセッサ11と、記憶部12と、通信部13とを少なくとも備えている。プロセッサ11は、ゲームサーバ1を制御するための各種プログラムを実行する。記憶部12には、プロセッサ11によって実行される各種プログラムおよび利用される各種データが格納される。通信部13は、有線又は無線の通信によってネットワーク3と接続し、ゲーム装置2または他のサーバ(図示せず)との間で所定のデータを送受信する。
【0045】
[ゲーム装置のハードウェア構成]
図3は、本発明の実施の形態のゲーム装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ゲーム装置2は、表示部21と、本体22と、コントローラ23とを備えている。表示部21、本体22、及びコントローラ23は、一体的に構成されていてもよいし、互いに有線又は無線で接続されていてもよい。
【0046】
表示部21は、複数の画素が二次元配置され、映像信号に基づいて表示を行う装置である。表示部21は、音声信号に基づいて音声出力を行う機能も有している。表示部21は、本体22と一体となった表示パネル及びスピーカであってよく、あるいは、本体22とは有線で接続されて本体22から映像信号を受けて表示するスピーカ付きモニタ装置(例えば、テレビ受像機)であってよい。
【0047】
本体22は、プロセッサ221と、画像音声出力部222と、記憶部223と、無線通信部224と、コントローラ通信部225とを備えている。記憶部223には、プロセッサ221によって実行される各種プログラムおよび利用される各種データが格納される。なお、記憶部223は、例えば、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の内部記憶媒体であってもよいし、図示しないスロットに装着される外部記憶媒体等を利用する構成でもよい。
【0048】
プロセッサ221は、本体22において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ221は、記憶部223に記憶される情報処理プログラム(本実施の形態では、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0049】
無線通信部224は、ゲーム装置2が他の本体22や所定のサーバ装置と無線通信を行う。当該無線通信としては、例えば、インターネット通信や近距離無線通信が用いられる。コントローラ通信部225は、本体22がコントローラ23と有線又は無線の通信を行う。画像音声出力部222は、プロセッサ221で生成された映像信号及び音声信号を表示部5に対して出力する。
【0050】
コントローラ23は、縦長の形状のハウジングを有しており、縦長となる向きで把持されることが可能である。当該ハウジングは、縦長となる向きで把持される場合に片手で把持可能な形状および大きさをしている。
【0051】
コントローラ23は、方向入力デバイスの一例であるアナログスティック232を少なくとも1つ備える。当該アナログスティック232は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック232を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。また、コントローラ23は、各種操作ボタンを含むボタン部233を備える。例えば、コントローラ23は、上記ハウジングの主面上に複数個の操作ボタンを備えていてもよい。当該操作ボタンは、例えば、ABXYボタンや、プラスボタン、マイナスボタン、Lボタン、Rボタン等である。
【0052】
また、コントローラ23は、慣性センサ234を備える。具体的には、コントローラ23は、慣性センサ234として、加速度センサ、角速度センサを備えている。本実施の形態においては、加速度センサは、所定の3軸方向に沿った加速度の大きさを検出する。また、角速度センサは、所定の3軸回りの角速度を検出する。
【0053】
また、コントローラ23は、上記コントローラ通信部234と有線又は無線通信を行うための通信部231も備える。上記アナログスティック232に対する方向入力内容、ボタン部233の押下状態を示す情報、および、慣性センサ234による各種の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信部231へ出力され、本体22に送信される。
【0054】
[ゲームの概要]
次に、本実施の形態で実行されるゲーム処理について説明する。まず、本実施の形態で想定するゲームの概要を説明する。本実施の形態で想定するゲームは、プレイヤキャラクタが海面下の3次元仮想空間(以下、「仮想海中空間」という。)を探索するゲームである。特に、本実施の形態のゲームでは、プレイヤがゲームをプレイするごとに、探索する仮想海中空間が自動的かつランダムに生成される。
【0055】
このゲームは、プレイヤが仮想海中空間を探索する過程で所定のミッションを遂行することでプレイヤにポイントを付与し、獲得ポイントによってプレイヤをランキングするものであってもよいし、あるいは、特定の目的は設定せずに、単にプレイヤが生成された仮想海中空間を探索し、探索したログを記録していくものであってもよい。
【0056】
本実施の形態では、プレイヤは、ゲームサーバ1が設定したセッションに参加することでゲームに参加することができる。セッションでは、ゲームサーバ1にオンラインで接続された複数のゲーム装置2のプレイヤが同時に同じ仮想海中空間を探索することが可能である。この場合には、ゲームサーバ1がセッションごとに仮想海中空間を生成する。これに代えて、又は、これに加えて、プレイヤは、当該プレイヤのために生成された仮想海中空間を1人で探索するゲームを行うことが可能であってもよい。この場合には、ゲーム装置2は、オフラインであってよく、当該プレイヤのゲーム装置2で仮想海中空間が生成されてよい。
【0057】
図4は、本発明の実施の形態の仮想地形を生成するためのマップを示す図である。仮想地形は、平面方向に広がる500m×500mの大きさのマップに地形オブジェクト及び環境オブジェクトを配置することで生成される。マップは、平面方向に100m×100mの大きさの複数の単位領域で区画される。仮想地形を生成するために、マップの全体に立体の地形オブジェクトが配置される。そして、地形オブジェクトには、植物、生物、その他の物からなる環境オブジェクトが配置される。このようにして、500m×500mのマップに地形オブジェクトと環境オブジェクトを配置することで仮想地形が生成される。
【0058】
[ゲームシステムの構成]
図5は、本発明の実施の形態のゲームシステムの機能構成を示すブロック図である。ゲームシステム100は、領域情報割当部41と、地形オブジェクト割当部42と、高さパラメータ決定部43と、環境オブジェクト配置部44と、地形生成部45と、ゲーム処理実行部46とを備えている。また、これらの各部の処理のために、ゲームシステム100は、領域情報記憶部51と、地形オブジェクト記憶部52と、環境オブジェクト記憶部53とを備えている。
【0059】
本実施の形態では、複数人が参加可能なセッションにおいて仮想地形を生成することを想定しており、上記の構成は、ゲームサーバ2に実装される。具体的には、領域情報割当部41、地形オブジェクト割当部42、高さパラメータ決定部43、環境オブジェクト配置部44、地形生成部45、及びゲーム処理実行部46は、ゲームサーバ1のプロセッサ11が、本発明の実施の形態の情報処理プログラムとしてのゲームプログラムを実行することにより構成され、領域情報記憶部51、地形オブジェクト記憶部52、及び環境オブジェクト記憶部53は、記憶部12に構成される。なお、ゲーム処理実行部は複数のゲーム装置2の各々にも構成されて、これら複数のゲーム装置2の複数のゲーム処理実行部と、ゲームサーバ1のゲーム処理実行部46とが連携することでゲームが実行される。
【0060】
なお、
図5の構成の一部またはすべてが各ゲーム装置2に実装されてもよい。この場合には、セッションを創設するユーザのゲーム装置2において、当該セッションの仮想地形が生成され、これがゲームサーバ1に提供されて、当該セッションに参加する複数のユーザに利用されてよい。また、ユーザがゲーム装置2をゲームサーバ1に接続せずに、ゲーム装置2においてオフラインで1人でゲームをプレイするために、
図5の構成がゲーム装置2に実装されていてもよい。さらに、
図5の構成の一部がゲーム装置2に備えられ、他の一部がゲームサーバ1に備えられていてもよい。
【0061】
[仮想海中空間の生成処理]
図6は、本発明の実施の形態の仮想海中空間の生成処理のフローチャートである。この処理では、地形オブジェクト及び環境オブジェクトからなる仮想地形を生成する。この生成処理は、オフラインプレイではじめてゲームを開始する際、オフラインプレイで所定の条件で前記3次元仮想空間が更新される際、及びオンラインプレイでセッションを作成する際に実行される。
【0062】
処理が開始すると、まず、領域情報割当部41は、仮想海中空間の平面方向に区画された複数の領域のそれぞれに対し、複数の領域情報から選出された領域情報を割り当てる(ステップS61)。この領域情報の割当ては、ユーザからの指示によらずに、自動的かつランダムに行われる。次に、地形オブジェクト割当部42は、3次元仮想空間における平面方向に区分された複数の領域のそれぞれに対し、複数の地形オブジェクトの候補から地形オブジェクトを選出して、選出した地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして割り当てる(ステップS62)。この地形オブジェクトの割当ても、ユーザからの指示によらずに、自動的かつランダムに行われる。
【0063】
そして、高さパラメータ決定部43は、複数の選出地形オブジェクトの各々について、仮想海中空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する(ステップS63)。この高さパラメータの決定も、ユーザからの指示によらずに、自動的かつランダムに行われる。
【0064】
環境オブジェクト配置部44は、選出地形オブジェクトに対応する環境オブジェクトを、当該選出地形オブジェクトに関連付けて配置する(ステップS64)。この環境オブジェクトもユーザからの指示によらずに自動的かつランダムに選択されて配置される。地形生成部45は、割り当てられた領域に対応する位置、および、前記高さパラメータに基づく位置に配置された選出地形オブジェクトを含む仮想地形を生成する(ステップS65)。以下、各部の処理について詳細に説明する。
【0065】
図7は、本発明の実施の形態の領域情報記憶部に記憶される情報の例を示す図である。領域情報記憶部51には、領域情報として、選択可能な複数の海域の候補が記憶されている。各海域には、スペシャル地形であるか否か、深度、配置可能な地形オブジェクトの情報が関連付けて記憶されている。本実施の形態では、海域として、「サンゴ礁」、「外洋」、「岩礁海域」、「淡水域」、「氷山地帯」、「古代水域」、「海中都市」が記憶されている。
【0066】
領域情報割当部41は、マップの各単位領域について、領域情報記憶部51に記憶された海域のなかから抽選により選択した海域を割り当てる。これにより、500m×500mのマップ内の100m×100mの各単位領域の海域が決定される。このとき、同じ種類の海域が一定程度連続するようにすることで、海域が著しくまだらになって100m×100mの単位領域ごとに海域の種類が頻繁に変化することを防ぐことができる。なお、ある海域が他の海域に囲まれるように、海域を割り当ててもよい。
【0067】
図8は、本発明の実施の形態の領域情報割当部による領域情報の割り当ての例を示す図である。
図8の例では、5×5個の単位領域に、海中都市、外洋、岩礁海域、サンゴ礁が割り当てられている。
【0068】
図9は、本発明の実施の形態の地形オブジェクト記憶部に記憶される情報の例を示す図である。地形オブジェクト記憶部52には、地形オブジェクトの地形データに、地形名称、深度、環境オブジェクト選出条件が関連付けて記憶されている。環境オブジェクト選出条件は、各地形オブジェクトに対して適用可能なテーマ情報、即ちオブジェクトの配置パターンである。この環境オブジェクト選出条件は、後述する高さパラメータ決定部43によって決定される選出地形オブジェクトの位置に関する条件を含んでいてよい。
【0069】
図10は、本発明の実施の形態の地形データの例を示す図であり、
図11は、本発明の実施の形態の地形データの大きさの例を示す図である。地形オブジェクトは、ポリゴンデータによって構成された3次元(立体)のオブジェクトである。一例として、
図11に示すように、各地形オブジェクトは、1又は複数の100m×100mの単位領域に対応する大きさを有する。すなわち、各地形オブジェクトは、100m×100mを最小単位として、この最小単位の整数倍に対応する大きさを有する。
【0070】
地形オブジェクトは、地形の隆起や洞窟、岩場等を有している。地形オブジェクトには横穴部分が形成されていてもよい。横穴は海面の高さ、即ち地形オブジェクトの高さによって海面上に位置したり、海中に位置したりする。横穴が海中に位置する場合には、プレイヤキャラクタはその横穴を泳ぎ進むことが可能となる。
【0071】
複数の地形オブジェクトは、平面方向の大きさだけでなく、深さ方向の大きさ(高さ)も互いに異なっていてよい。地形オブジェクト自体に、ある程度の高さを設けておき、オブジェクト内に著しく深い部分(深海部分)を作成してもよい。後述するように、選出地形オブジェクトについては高さパラメータが決定されるが、この高さパラメータを小さくすることによって深海を実現しようとすると、隣の選出地形オブジェクトとの境界が連続しなくなることもあり得るが、地形オブジェクト自体の高さを高くして、深海部部分を設けることで、隣の選出地形オブジェクトとの連続性を確保しつつ深海部分を実現できる。
【0072】
図11に示すように、地形オブジェクトは、ノーマル地形(第1種)401と、スペシャル地形(第2種)402に分類される。地形オブジェクト記憶部52には、ノーマル地形及びスペシャル地形のそれぞれについて、100m×100mを最小単位とする種々の大きさの地形オブジェクトが記憶されている。また、
図10に示すように、各地形オブジェクトは、1又は複数の単位領域からはみ出す部分を有する。そして、地形オブジェクトは、このはみ出す部分の側面にも地形表面を構成可能な造形を有している。
【0073】
地形オブジェクト割当部42は、地形オブジェクト記憶部52に記憶された複数の地形オブジェクトの候補から、3次元仮想空間の平面方向の位置を指定して複数の地形オブジェクトを選出地形オブジェクトとして自動的に選出する。このとき、地形オブジェクトは、鉛直軸周りに90度単位で回転可能であってよく、この場合には、地形オブジェクト割当部42は、選出した地形オブジェクトの回転角も指定する。
【0074】
図12は、本発明の実施の形態の地形オブジェクト選出部によって位置を指定して選出された複数の選出地形オブジェクトの例を示す図である。上述のように、領域情報割当部41によって各領域には海域が割り当てられているので、地形オブジェクト割当部42は、各領域について、割り当てられた海域に対応する複数の配置可能な地形オブジェクトの候補(
図6参照)から、当該領域に割り当てる地形オブジェクトを選出する。
【0075】
なお、地形オブジェクト割当部42は、ノーマル地形とスペシャル地形の中から、割り当てる地形オブジェクトをランダムに選出してもよいし、あらかじめ、領域ごとにノーマル地形とスペシャル地形のいずれを割り当てるかを抽選により決定して、その決定に従って地形オブジェクトを選出してもよいし、あるいは、スペシャル地形の割合ないし個数を中心により決定して、その決定に従って地形オブジェクトを選出してもよい。なお、スペシャル地形は海域に対応付けられているので(
図7参照)。スペシャル地形が割り当てられた領域の海域は当該スペシャル地形に対応する海域に上書きされることになる。
【0076】
高さパラメータ決定部43は、地形オブジェクト割当部42にて複数の領域に割り当てられた複数の選出地形オブジェクトの各々について、仮想海中空間における高さ方向の位置を示す高さパラメータを自動的に決定する。この高さパラメータは、地形オブジェクトを配置する深度を示している。
図8に示したように、各地形オブジェクトには、当該地形オブジェクトを配置可能な深度の範囲が対応付けられている。高さパラメータ決定部43は、選出地形オブジェクトに予め対応付けられる深度(高さパラメータ)の範囲内で、当該選出地形オブジェクトの高さパラメータを決定する。高さパラメータの範囲を地形オブジェクト自体の高さより小さく設定することで、隣り合う選出地形オブジェクトの連続性を確保できる。
【0077】
環境オブジェクト配置部44は、各選出地形オブジェクトに対応する環境オブジェクトを、当該選出地形オブジェクトに関連付けて配置する。この環境オブジェクトの配置のために、環境オブジェクト配置部44は、各選出地形オブジェクトについて、抽選によりテーマを決定し、決定されたテーマに対応した環境オブジェクトを配置する。
【0078】
図8に示すように、各地形オブジェクトには、環境オブジェクト選出条件として、複数の選出可能なテーマ情報が対応付けられている。環境オブジェクト配置部44は、
図8の環境オブジェクト選出条件に基づいて、選出地形オブジェクトに対応付けられる複数のテーマ情報のうちから、少なくとも1つのテーマ情報を選出して、選出したテーマ情報に応じた環境オブジェクト選択して配置する。
【0079】
図13は、本発明の実施の形態の環境オブジェクト記憶部に記憶される環境オブジェクトの例を示す図である。環境オブジェクト記憶部53には、環境オブジェクトに、深度と対応するテーマとが関連付けて記憶づけて記憶されている。
【0080】
環境オブジェクト配置部44は、テーマが決定されると、環境オブジェクト記憶部53を参照して、当該テーマに対応する環境オブジェクトを選出する。環境オブジェクト環境オブジェクトの種類としては、生物、植物、その他の物(沈没船、鯨骨、建造物等)がある。環境オブジェクト選出部44は、テーマを選出した後に、地形オブジェクトの高さ(深度)にも基づいて、その高さに対応した環境オブジェクトを選択する。
【0081】
図14は、本発明の実施の形態の環境オブジェクトが配置された地形オブジェクトを示す図である。
図14に示すように、地形オブジェクトには複数の環境オブジェクトが配置されてよい。環境オブジェクトの一種である生物については、それが配置され得る場所、ルート、挙動のカテゴリを設定して、どの生物が配置されるのかを、生物に関連付けられる情報に基づいて抽選を行って決定してもよい。
【0082】
配置され得る場所については、配置位置で指定してもよく、あるいは行動範囲又は行動ルートで指定してもよい。また、挙動カテゴリは、例えば、縄張り(特定の範囲に留まる)、回遊、底生等であってよい。また、生物は、特定条件によって有効にされ、又は無効にされてよい。例えば、特定の領域や仮想海中空間全体の条件、あるいは探索やミッションの進捗を参照して、有効及び無効を制御してもよい。また、地形オブジェクトによっては、抽選によらずに必ず配置する生物が設定されていてもよい。
【0083】
また、生物に関連付けられる情報としては、例えば、出現時間帯の情報、適応深度の情報、適応テーマの情報がある。出現時間帯は、例えば、終日、朝、昼、夜等であってよく、複数の時間帯が出現時間帯として設定されてよい。適応深度及び適応テーマについては、特定の深度幅や適応テーマが指定されてよく、あるいは特に制限なくすべての深度及びテーマに適応可能であると設定されてもよい。
【0084】
図15A、
図15B、
図15Cは、本発明の実施の形態の選出地形オブジェクトの高さパラメータが決定されて組み合わされる様子を示す図である。
図15A、
図15B、
図15Cの例では、100m×100mのサイズの2つの地形オブジェクトが隣り合って組み合わせられる様子を示している。
図15Bと
図15Cは、地形オブジェクトの高さが互いに異なる例を示している。
【0085】
地形生成部45は、海中仮想空間内の領域に割り当てられ、かつ高さパラメータが決定された選出地形オブジェクトをマップ上に配置する。地形オブジェクトは、上述のように、1つ又は複数の100m×100mの単位領域の大きさに対応する大きさを有するが、
図15Aに示すように、若干のはみ出す部分を有している。そして、上述のように、そのはみ出す部分にも地表面となり得る造形がされており、即ち平面とはなっていない。隣り合う地形オブジェクトは、このはみ出す部分が重なるようにして組み合わせられる。
【0086】
これにより、
図15B、
図15Cにそれぞれ太線で示した地表面が形成され、各地形オブジェクトのピッチは100mとなる。そして、
図15Bと
図15Cとを比較して明らかなように、隣り合う地形オブジェクトの高さによって、地形オブジェクトの境界部分の地表面は異なる形状になる。
【0087】
地形生成部45は、さらに、環境オブジェクト配置部44によって選出された環境オブジェクトを仮想海中空間に配置して、仮想地形を完成させる。
【0088】
ゲーム処理実行46は、地形生成部45によって生成された仮想地形を利用したゲーム処理を実行する。ゲーム処理部46は、各プレイヤについて、当該プレイヤを操作するためのゲーム装置2からの操作信号に基づいて、ゲーム処理を実行する。ゲームの開始時には、ゲーム処理部46は、各地形オブジェクトにプレイヤの出現地点を設定する。
【0089】
1つのセッションには、最大で99人のプレイヤが同時に参加できる。ゲーム処理部46は、100m×100mの単位領域につき4つの出現地点を設定する。上述のように、仮想海中空間は25の単位領域を含むので、100人分の出現地点が設定される。プレイヤがセッションに参加する際には、ゲーム処理部46は、当該プレイヤがどの出現地点に出現するかを抽選する。ゲーム処理部46は、複数のプレイヤについて出現地点が重複しないように抽選を行う。
【0090】
以上のように、本実施の形態のゲームシステム100によれば、セッションごと、ないしはゲームごとに、ランダムに仮想地形が生成されるので、プレイヤは毎回異なる仮想地形を有する仮想海中空間においてゲームをプレイできる。また、単に地形オブジェクトを平面方向に組み合わせるのみでなく、各地形オブジェクトの高さも決定するので、
図14B及び
図14Cに示したように、地形オブジェクトの高さの違いによっても異なる仮想地形が生成される。
【0091】
また、上述のように、仮想海中空間の各領域の海域、地形オブジェクト、環境オブジェクト(生物等)は、いずれもゲームシステム100によって自動的かつランダムに決定される。ここで、「自動的」とは、ユーザからの指示によらずに選出、決定等を行うことを意味する。また、「ランダム」とは、所定の条件ないし制約の下で、無作為ないし任意に選出、決定等を行うことを意味する。
【0092】
また、上記の実施の形態では、
図6に示したように、3次元仮想空間内の各領域について、領域情報を割り当て(ステップS61)、割り当てた領域情報による制約(
図7の「配置可能な地形オブジェクト」)の下で地形オブジェクトを割り当てて(ステップS62)、割り当てた地形オブジェクトによる制約(
図9の「深度」)の下で高さパラメータを決定し(ステップS63)、地形オブジェクト及び高さパラメータの制約の下で環境オブジェクトを配置した(ステップS64)。このように、上記の実施の形態では、生成する地形の各要素を段階的に決定していき、その際に前段階で決定された要素による制約の下で次の段階の決定を行っている。
【0093】
このような地形生成処理において、各要素(海域、地形オブジェクト、高さパラメータ、環境オブジェクト)を決定する順序を上記の実施の形態と異なる順序としてもよい。例えば、海域を決定した後に、高さパラメータを決定し、その後に地形オブジェクト及び環境オブジェクトを決定してよい。また、次段階の決定が前段階の決定による制約を受けないようにしてもよい。この場合には、この前段階と次段階との処理順序は任意であってよい。
【0094】
上記の実施の形態では、ゲームシステムは、仮想海中空間に仮想地形を生成する例を説明したが、これに代えて、地上の3次元仮想空間に仮想地形を生成してもよい。また、上記の実施の形態では、本発明の情報処理システムがゲームシステムに応用される例を説明したが、情報処理システムは、生成した仮想地形をゲーム以外の情報処理に利用してもよい。例えば、乗り物の運転トレーニングを行うために、仮想地形を生成してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 サーバ(ゲームサーバ)
2 情報処理装置(ゲーム装置)
3 ネットワーク
11 プロセッサ
12 記憶部
13 通信部
21 表示部
22 本体
23 コントローラ
41 領域情報割当部
42 地形オブジェクト選出部
43 高さパラメータ決定部
44 環境オブジェクト配置部
45 地形生成部
46 ゲーム処理実行部
51 領域情報記憶部
52 地形オブジェクト記憶部
53 環境オブジェクト記憶部
100 情報処理システム(ゲームシステム)
221 プロセッサ
222 画像音声出力部
223 記憶部
224 無線通信部
225 コントローラ通信部
231 通信部
232 アナログスティック
233 ボタン部
234 慣性センサ
401 ノーマル地形
402 スペシャル地形