(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006768
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20250109BHJP
B05B 1/18 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A47K3/28
B05B1/18 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107753
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】599083411
【氏名又は名称】株式会社 MTG
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾関 康弘
【テーマコード(参考)】
2D132
4F033
【Fターム(参考)】
2D132FA03
2D132FC04
2D132FJ11
2D132FJ23
4F033AA11
4F033BA04
4F033CA12
4F033DA05
4F033EA01
4F033FA00
4F033GA04
4F033LA12
4F033NA01
(57)【要約】
【課題】浴び心地が高まるシャワーヘッドを提供する。
【解決手段】シャワーヘッドは、流体が流通可能な流路を有するヘッド本体と、前記ヘッド本体の内部に配され、前記流体の流れを受けることで回転する水車と、を備え、前記ヘッド本体が、前記流路の途中に配され、内部に前記水車が配される水車室を有し、前記水車室が、前記流体を外部に流出させるための複数の流出孔を有する流出壁と、前記流路に連通する連通路を有する流入壁と、によって区画される空間であり、前記水車が、回転軸と、前記回転軸から延び、前記流体の流れを受ける複数の羽根と、前記流出壁に沿って配され、前記水車の回転に伴って、前記流出孔の遮蔽と開放とを繰り返すように配される止水壁と、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流通可能な流路を有するヘッド本体と、
前記ヘッド本体の内部に配され、前記流体の流れを受けることで回転する水車と、を備え、
前記ヘッド本体が、前記流路の途中に配され、内部に前記水車が配される水車室を有し、
前記水車室が、前記流体を外部に流出させるための複数の流出孔を有する流出壁と、前記流路に連通する連通路を有する流入壁と、によって区画される空間であり、
前記水車が、
回転軸と、
前記回転軸から延び、前記流体の流れを受ける複数の羽根と、
前記流出壁に沿って配され、前記水車の回転に伴って、前記流出孔の遮蔽と開放とを繰り返すように配される止水壁と、
を備える、
シャワーヘッド。
【請求項2】
複数の前記流出孔が隣接して配されることにより一組とされており、
前記流出壁が複数組の前記流出孔を有している、
請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
前記止水壁が、前記水車の回転に伴って、前記複数または複数組の流出孔のうち少なくとも1つまたは一組の流出孔を遮蔽する一部遮蔽位置と、前記複数または複数組の流出孔の全てを開放する第1の全開放位置との間で変位する、
請求項1または請求項2に記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
前記水車が、前記複数の羽根の少なくとも1つにおいて前記流体の流れを受ける受け面から角度をなして延びる爪を備えている、
請求項1または請求項2に記載のシャワーヘッド。
【請求項5】
前記複数または複数組の流出孔と、前記止水壁とが、前記回転軸を中心とする仮想円に沿って配されており、
前記複数または複数組の流出孔が等間隔で配されており、
前記止水壁が、前記仮想円に沿って配される円弧状の円弧部を有しており、
前記円弧部の長さが、前記仮想円に沿って隣り合う2つまたは2組の流出孔の孔縁を結ぶ仮想円弧の長さと略等しい、
請求項1または請求項2に記載のシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
シャワーヘッドから吐出される水に脈動を付与する技術として、流路に脈動ロータ(水車)を配する技術が知られている(特許文献1参照)。水車が水の流入を受けて回転することによって、水に脈動が生じ、水は、強弱を繰り返しつつ吐出される。これにより、使用者は、適度な刺激の浴び心地を感じることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなシャワーヘッドにおいて、浴び心地をさらに高めたいという要望があった。本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書によって開示されるシャワーヘッドは、流体が流通可能な流路を有するヘッド本体と、前記ヘッド本体の内部に配され、前記流体の流れを受けることで回転する水車と、を備え、前記ヘッド本体が、前記流路の途中に配され、内部に前記水車が配される水車室を有し、前記水車室が、前記流体を外部に流出させるための複数の流出孔を有する流出壁と、前記流路に連通する連通路を有する流入壁と、によって区画される空間であり、前記水車が、回転軸と、前記回転軸から延び、前記流体の流れを受ける複数の羽根と、前記流出壁に沿って配され、前記水車の回転に伴って、前記流出孔の遮蔽と開放とを繰り返すように配される止水壁と、を備える。
【0006】
上記の構成によれば、止水壁が流出孔の遮蔽および開放を繰り返すことにより、簡易な構成で流体を流出孔から断続的に吐出させることができるから、使用者は、リズミカルな刺激を、よりはっきりと感じることができる。これにより、浴び心地を向上させることができる。
【0007】
(2)上記(1)に記載のシャワーヘッドにおいて、複数の前記流出孔が隣接して配されることにより一組とされており、前記流出壁が複数組の前記流出孔を有していても構わない。
【0008】
このような構成によれば、シャワーヘッドからの一定以上の吐出量を確保しつつ、吐出された流体の飛び散りを抑制できる。
【0009】
(3)上記(1)または(2)に記載のシャワーヘッドにおいて、前記止水壁が、前記水車の回転に伴って、前記複数または複数組の流出孔のうち少なくとも1つまたは一組の流出孔を遮蔽する一部遮蔽位置と、前記複数または複数組の流出孔の全てを開放する第1の全開放位置との間で変位しても構わない。
【0010】
このような構成によれば、シャワーヘッドから散水される際に、一部の流出孔から流体が吐出されるタイミングと、全ての流出孔から流体が吐出されるタイミングとがあることにより、使用者がリズミカルな刺激をよりはっきりと感じることができる。これにより、浴び心地をいっそう向上させることができる。
【0011】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載のシャワーヘッドにおいて、前記水車が、前記複数の羽根の少なくとも1つにおいて前記流体の流れを受ける受け面から角度をなして延びる爪を備えていても構わない。
【0012】
このような構成によれば、流体が羽根の先端から逃げることが抑制されるから、羽根が流体の流れを無駄なく受け止め、水車が効率よく回転する。
【0013】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載のシャワーヘッドにおいて、前記複数または複数組の流出孔と、前記止水壁とが、前記回転軸を中心とする仮想円に沿って配されており、前記複数または複数組の流出孔が等間隔で配されており、前記止水壁が、前記仮想円に沿って配される円弧状の円弧部を有しており、前記円弧部の長さが、前記仮想円に沿って隣り合う2つまたは2組の流出孔の孔縁を結ぶ仮想円弧の長さと略等しくても構わない。
【0014】
このような構成によれば、一部の流出孔から流体が吐出されるタイミングと、全ての流出孔から流体が吐出されるタイミングとがあり、かつ、全ての流出孔から流体が吐出される時間が最短となるから、使用者がリズミカルな刺激をよりはっきりと感じることができる。これにより、浴び心地をいっそう向上させることができる。
【0015】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、シャーヘッドおよびその吐出方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】実施形態のシャワーヘッドを、
図3のIV-IV線で切断して示す断面図
【
図7】実施形態の中間部材を、
図6のVII-VII線で切断して示す断面図
【
図9】実施形態の第2可動流路部材と、第2の可動部材に取り付けられ、全開放位置にある水車について、水車室の周囲を拡大して示す部分拡大背面図
【
図10】実施形態の第2可動流路部材と、第2の可動部材に取り付けられ、一部遮蔽位置にあるに水車について、水車室の周囲を拡大して示す部分拡大背面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.実施形態:
A-1.シャワーヘッド10の構成:
実施形態を、
図1から
図10を参照しつつ説明する。本実施形態のシャワーヘッド10は、複数の放出モードに対応する複数の流路を切り替えて、水(流体の一例)の放出状態を変更できるように構成されている。複数の放出モードは、例えば「ミストモード」「ストレートモード」「ピュアストレートモード」「ジェットモード」「マッサージモード」である。ミストモードは、ミスト状の水を放出するモードであり、ストレートモードは、ミストモードよりも水圧が高く、勢いのある水を放出するモードであり、ピュアストレートモードは、ストレートモードよりも密度の高い水を放出するモードである。ジェットモードは、最も水圧の高い水を放出するモードであり、マッサージモードは、断続的に水を放出するモードである。シャワーヘッド10は、放出モードとして「マッサージモード」が選択されているときに断続的に水を吐出する機能を備えている。本実施形態において、「水」は、温水と冷水とを含む。
【0018】
(シャワーヘッド10の全体構成)
シャワーヘッド10は、
図2に示すように、ヘッド本体100と、ヘッド本体100に取り付けられるノズル部材500と、複数の放出モードを切り替えるための操作リング600と、カバー700と、を備えている。
【0019】
ヘッド本体100は、
図2に示すように、カバー部材200と、カバー部材200の内部に固定される固定流路部材300と、固定流路部材300に対して回転可能に組み付けられる可動流路部材400と、を備えている。固定流路部材300と可動流路部材400とは、水が流通可能な流路を構成する部材である。可動流路部材400と、ノズル部材500と、カバー700とは、操作リング600の内側に、固定流路部材300に近い側からこの順に配されており、操作リング600の回転に連動して、固定流路部材300に対して回転するように構成されている。なお、以下の説明では、シャワーヘッド10においてカバー700が配されている側を前方として説明する。
【0020】
(カバー部材200)
カバー部材200は、
図2および
図4に示すように、カバー本体210と、カバー本体210に連なるグリップ部220と、を備えている。カバー部材200の材質としては、例えば、ASA樹脂(アクリロニトリル‐スチレン‐アクリレート共重合樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂)などの合成樹脂、ステンレス等の金属、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴムが挙げられる。カバー本体210は、前側に開口部を有するドーム形をなしている。グリップ部220は、略円筒状をなし、内部に通水管(図示せず)が収容されている。通水管は、シャワーホースを介して給湯器に接続されている。
【0021】
(固定流路部材300)
固定流路部材300は、合成樹脂製であって、
図2に示すように、ベース部310と、取付軸320と、継手部330と、を備えている。固定流路部材300の材質としては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂)などの合成樹脂、ステンレス等の金属、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴムが挙げられる。ベース部310は、全体として厚みのある円盤状をなしており、カバー本体210の内部に固定されている。取付軸320は、円柱状をなし、ベース部310の中央から前方に突出している。継手部330は、筒状をなし、ベース部310から延びて通水管に接続されている。
図4に示すように、取付軸320は、前端面に開口するねじ孔322を有している。
【0022】
固定流路部材300は、
図4に示すように、内部にベース流路340(流路の一例)を有している。ベース流路340は、継手部330の内部空間と連通しており、
図2に示すように、固定流路部材300の前面に開口するベース流出孔340outを有している。ベース流出孔340outの周囲には、
図2に示すように、ゴム製のパッキン350が配されている。
【0023】
(可動流路部材400)
可動流路部材400は、合成樹脂製であって、
図2に示すように、ベース部310の前方に配されている。可動流路部材400の材質としては、例えば、ASA樹脂(アクリロニトリル-スチレン-アクリレート共重合樹脂)などの合成樹脂、ステンレス等の金属、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴムが挙げられる。可動流路部材400は、上記した複数の放出モードのそれぞれに対応する複数の流路を有している。複数の流路は、放出モードとして「マッサージモード」が選択されているときに水が流れるマッサージ流路(第1マッサージ流路415、連通路423、および水車室435)を含む。
【0024】
可動流路部材400は、
図4に示すように、固定流路部材300の前方に配される第1可動流路部材410と、第1可動流路部材410の前方に配される第2可動流路部材430と、第1可動流路部材410と第2可動流路部材430との間に配される中間部材420と、を備えている。
【0025】
第1可動流路部材410は、
図4および
図5に示すように、後壁411と、複数の第1仕切壁413と、第1軸筒414と、を備えている。後壁411は、全体として円形の外形を有する板状をなし、中央に貫通孔412を有している。第1軸筒414は、貫通孔412の孔縁から前方に延びる円筒状をなし、内部に取付軸320を挿通可能となっている。複数の第1仕切壁413は、後壁411から前方に突出し、第1マッサージ流路415を含む複数の流路を区画している。後壁411は、複数の分配孔を有している。複数の分配孔は、固定流路部材300のベース流出孔340outから流出した水を第1マッサージ流路415に分配するマッサージ分配孔415inを含む。
【0026】
第2可動流路部材430は、
図4および
図8に示すように、前壁431(流出壁の一例)と、複数の第2仕切壁433と、第2軸筒434と、複数のマッサージノズル436A、436Bと、を備えている。前壁431は、全体として円形の外形を有する板状をなし、中央に貫通孔432を有しており、後壁411と向かい合うように配されている。ている。第2軸筒434は、貫通孔432の孔縁から後方に延びる円筒状をなし、内部に取付軸320を挿通可能となっている。
【0027】
複数の第2仕切壁433は、前壁431から後方に突出し、複数の流路を区画している。第2仕切壁433は、区画壁433Wを含む。区画壁433Wは、第2軸筒434よりも大きな円筒状をなし、第2軸筒434と同心に配されている。前壁431と、区画壁433Wと、第2軸筒434と、によって区画される空間が、内部に水車450を収容する水車室435となっている。
【0028】
前壁431は、複数の流出孔435outA、435outBを有している。流出孔435outA、435outBは、前壁431を貫通する円形の孔である。複数の流出孔435outA、435outBは、
図8に示すように、区画壁433Wのすぐ内側に、第2軸筒434と同心の仮想円VC上に配されている。仮想円VCは、第2軸筒434の中心軸を中心とし、複数の流出孔435outA、435outBのそれぞれの孔縁を規定する円の中心を通る円である。本実施形態では、2つの流出孔435outAが、仮想円VC上に隣り合って配されることにより一組とされ、他の2つの流出孔435outBが、仮想円VC上に隣り合って配されることにより他の一組とされている。二組の流出孔435outA、435outBは、第2軸筒434を挟んで互いに反対側に配されている。
【0029】
複数のマッサージノズル436A、436Bは、
図2および
図4に示すように、一組(2つ)のマッサージノズル436Aと、他の一組(2つ)のマッサージノズル436Bと、を含む。マッサージノズル436Aは、2つの流出孔435outAのそれぞれの孔縁から前方に延び、前壁431から離れるほど先細りとなる筒状をなしている。流出孔435outAを通過した水は、マッサージノズル436Aの内部を通ってシャワーヘッド10の外部に吐出される。マッサージノズル436Bの形状および流出孔435outBとの関係についても、同様である。マッサージノズル436A、436Bの長さは、例えば14mmであり、内径は、例えば3mmである。
【0030】
前壁431の後面には、
図10に示すように、複数の円環部428と、複数の突条429が配されている。複数の円環部428のそれぞれは、円環状をなし、複数の流出孔435outA、435outBのそれぞれの孔縁から突出している。複数の突条429のそれぞれは、仮想円VCに沿って延びる円弧状をなし、流出孔435outAの孔縁から、流出孔435outBの孔縁まで延びている。なお、図面の見やすさを考慮し、
図8および
図9では、突条429を省略している。
【0031】
中間部材420は、
図4および
図6に示すように、第1可動流路部材410と第2可動流路部材430とを区画する中板421(流入壁の一例)を備えている。中板421は、全体として円板形をなし、中心に、取付軸320を挿通可能な軸挿通孔422を有する。
【0032】
中間部材420は、
図6に示すように、2つの連通路423を有している。連通路423は、第1マッサージ流路415と水車室435とを繋ぐ流路である。2つの連通路423は、軸挿通孔422を挟んで互いに反対側に配されている。各連通路423は、
図6および
図7に示すように、2つの側壁424と、傾斜壁425と、傾斜面426と、連通孔427と、によって規定される通路であって、外側(中板421の外周縁側)に凸となる円弧状に延び、一端に入口423in、他端に出口423outを有している。側壁424は、中板421の後面(第1可動流路部材410の方を向く面:
図7の上面)から立設される壁であって、外側(中板421の外周縁側)に凸となる円弧状に延びている。側壁424は、側壁424の両端から側壁424の両端間の中央に近づくにつれて高くなる略三角形状をなしている。2つの側壁424は、互いに間隔を空けて並んで配されている。傾斜壁425は、2つの側壁424を繋ぐ壁であって、出口423outから中央まで延び、中央に近づくにつれて中板421から離れるように傾斜している。連通孔427は、中板421を貫通する孔であって、2つの側壁424の間に、出口423outに近い位置に配されている。傾斜面426は、中板421の後面において、2つの側壁424の間に、入口423inに近い位置に配されている。傾斜面426は、連通孔427の孔縁から入口423inに向かって延び、入口423inに近づくほど中板421の前面(第2可動流路部材430の方を向く面:
図7の下面)から離れるように傾斜する面である。
【0033】
連通路423は、中板421において区画壁433Wが接する位置よりも内側(軸挿通孔422に近い位置)に、流出孔435outA、435outBに対してずれて配されている(
図9参照)。より具体的には、一方の連通路423は、入口423in側を流出孔435outAに向けて、流出孔435outAと隣り合うように配されている。他方の連通路423と流出孔435outBとの関係も同様である。連通路423は、区画壁433Wのすぐ内側に配されている。
【0034】
図4に示すように、第1軸筒414、軸挿通孔422、および第2軸筒434の内部に取付軸320が挿通されている。取付軸320には、ねじ頭SHとねじ部STとを有するねじSがねじ付けられている。ねじ頭SHと取付軸320との間には、取付軸320よりも一回り大きな外径を有するワッシャWSが挟み込まれており、第2軸筒434の周縁部分にワッシャWSが係合することにより、可動流路部材400が取付軸320に対して回転可能に取り付けられている。
【0035】
(水車450)
水車450は、水車室435の内部に配され、水流を受けて回転する部材である。水車450の材質としては、例えば、ASA樹脂(アクリロニトリル‐スチレン‐アクリレート共重合樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂)などの合成樹脂、ステンレス等の金属、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴムが挙げられる。水車450は、
図9に示すように、回転軸451と、回転軸451から延びる複数の羽根452と、複数の羽根452のうち一部に接続された止水壁453と、複数の羽根452のそれぞれから延びる爪454と、を備えている。
【0036】
回転軸451は、
図4および
図9に示すように、略筒状であって、内部に第2軸筒434が挿通されている。第2軸筒434と回転軸451とは、同心に配されている。
【0037】
複数の羽根452は、
図4および
図9に示すように、細長い板状をなし、回転軸451から外側に向かって延びている。複数の羽根452は、回転軸451の周りに等間隔に配されている。本実施形態では、水車450は7枚の羽根452を有している。
【0038】
複数の爪454は、矩形の板片であって、
図9に示すように、複数の羽根452のそれぞれの先端から、角度をなして延びている。
【0039】
止水壁453は、
図4および
図9に示すように、板状をなし、一部の羽根452の先端部の側縁に接続されて、前壁431に沿って配されている。止水壁453は、水車450の回転に伴って、流出孔435outA、435outBの遮蔽と開放とを繰り返すように配されている。より具体的には、止水壁453は、上記した二組の流出孔435outA、435outBが配される仮想円VC上に配されている。本実施形態では、止水壁453の全体が、この仮想円VCに沿って延びる円弧状の円弧部となっている。
【0040】
上記したように、二組の流出孔435outA、435outBは、第2軸筒434を挟んで(つまり、回転軸451を挟んで)互いに反対側に配されている。したがって、
図8に示すように、仮想円VCの一部であり、2組の流出孔435outA、435outBの孔縁を結ぶ2つの仮想円弧VCa1、VCa2を設定したときに、2つの仮想円弧VCa1、VCa2の長さL1、L2は、互いに等しくなる。そして、止水壁453の長さL3は、仮想円弧VA1、VA2の長さL1、L2と略等しい(
図9を併せて参照)。なお、止水壁453の長さL3とは、仮想円VCに沿って測定された止水壁453の両端間の距離をいう。また、「略等しい」とは、止水壁453の長さL3が仮想円弧VA1、VA2の長さL1、L2とが完全に一致する場合の他、製造上不可避的に発生する誤差に起因してわずかに異なっている場合も含む。また、二組の流出孔435outA、435outBは、グリップ部220の延び方向に沿って延びる上下軸Av(
図3、
図8参照)に対して、互いに反対側に配されている。シャワーヘッド10は、ユーザがグリップ部220を把持し、カバー本体210を上に、グリップ部220を下に向けて使用されることが多い。二組の流出孔435outA、435outBが、上下軸Avに沿って並んで配されているよりも、上下軸Avに対して互いに反対側に配されている方が、狙った位置に吐出された水を当てやすい。例えば、ユーザが自身の頭部に吐出水を当てようとした場合、二組の流出孔435outA、435outBが上下軸Avに沿って並んで配されていると、上からの吐水が下からの吐水に隠れ、目視で吐水を認識しにくくなることが懸念されるが、上下軸Avに対して互いに反対側に配されていれば、的確に頭部に吐出水を当てることができる。
【0041】
水車450に備えられる羽根452の枚数、連通孔427の大きさ、および流出孔435outA、435outBの大きさは、低水圧でも水車450が回るように設計されることが好ましい。例えば、水圧0.05MPa以上で水車450が作動可能となるようにするために、羽根452の数が7枚、複数の連通孔427の総開口面積が20mm2程度、2つの流出孔435outAの間隔、および、435outBの間隔が、それぞれ3mm程度、各流出孔435outA、435outBの内径が3mm程度、複数の流出孔435outA、435outBの総開口面積が28mm2程度、止水壁453の幅が7mm程度、止水壁453の長さ(L3)が54mm程度であることが好ましい。
【0042】
(ノズル部材500)
ノズル部材500は、可動流路部材400の前方に配されている。ノズル部材500の材質としては、例えば、ASA樹脂(アクリロニトリル‐スチレン‐アクリレート共重合樹脂)などの合成樹脂、ステンレス等の金属、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴムが挙げられる。ノズル部材500は、
図2に示すように、ノズル板511を備えている。ノズル板511は、全体として円板状をなし、中央に貫通孔515を有する。ノズル板511は、
図2および
図4に示すように、複数のマッサージ用挿通孔512を有する。各マッサージ用挿通孔512の内部には、各マッサージノズル436A、436Bの先端部が挿通されている。なお、詳細には図示しないが、ノズル部材500は、マッサージ流路を除く他の流路に対応する複数のノズルを備えている。
【0043】
(カバー700)
カバー700は、
図2に示すように、全体として円板状をなし、ノズル部材500の前方に配されている。カバー700の材質としては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂)などの合成樹脂、ステンレス等の金属、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴムが挙げられる。カバー700の前面には、美観を高めるために、めっき加工が施されていても構わない。カバー700は、複数の複数のマッサージ用挿通孔701を有する。各マッサージ用挿通孔701の内部には、各マッサージノズル436A、436Bの先端部が挿通されている。なお、詳細には図示しないが、カバー700は、ノズル部材500に備えられる複数のノズルに対応する複数のノズル挿通孔を有する。
【0044】
(操作リング600)
操作リング600は、
図2および
図4に示すように、ヘッド本体100の外径と略等しい外径を有するリング状をなしている。操作リング600の材質としては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂)などの合成樹脂、ステンレス等の金属、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の合成ゴムが挙げられる。操作リング600は、ヘッド本体100の開口縁に隣接して配され、可動流路部材400、ノズル部材500、およびカバー700を囲んでいる。
【0045】
取付軸320には、ねじ頭SHとねじ部STとを有するねじSがねじ付けられている。ねじ頭SHと取付軸320との間には、取付軸320よりも一回り大きな外径を有するワッシャWSが挟み込まれており、第2可動流路部材430における貫通孔432の周縁部分にワッシャWSが係合することにより、可動流路部材400が取付軸320対して回転可能に固定されている。可動流路部材400、ノズル部材500、およびカバー700が、操作リング600の回転に連動して回転するように構成されている。
【0046】
A-2.シャワーヘッド10の動作:
ユーザが水栓を開栓操作すると、給湯器から供給される水がシャワーホースおよび通水管を通ってベース流路340内に供給される。
【0047】
ユーザによって操作リング600が回転操作されると、可動流路部材400、ノズル部材500、およびカバー700が、操作リング600の回転に連動して、固定流路部材300に対して回転する。操作リング600は、各放出モードのそれぞれに対応する複数の指定位置の間で変位可能となっており、これにより、複数の放出モードの切り替えが行われる。例えば、操作リング600が、マッサージモードを指定する位置に回転操作された場合には、マッサージ分配孔415inが、ベース流出孔340outの位置と整合する位置に配され、他の流路の分配孔は、パッキン350によって閉塞される。これにより、水が第1マッサージ流路415に供給される。
【0048】
第1マッサージ流路415を通過した水は、連通路423を経由して水車室435の内部に流れ込む。このとき、水は、連通路423の内部を、傾斜壁425と傾斜面426とに案内されつつ入口423inから出口423outへ向かって流れ、中板421に対して浅い角度で水車室435に流れ込み、区画壁433Wに沿って流れる(
図7および
図9参照)。これにより、水車室435の内部で、区画壁433Wの内面に沿って、入口423inから出口423outへ向かう方向(
図9中に太い矢印で示す方向)に回転する水流が生じる。この水流を羽根452が受けることにより、水車450が回転する。
【0049】
水車450の回転に伴って、止水壁453も回転する。止水壁453は、仮想円VCに沿って回転し、二組の流出孔435outA、435outBのそれぞれの遮蔽と開放を繰り返す。つまり、二組の流出孔435outA、435outBのうち一組の流出孔435outAに着目してみると、止水壁453がこの一組の流出孔435outAを覆う遮蔽位置(
図10に示す位置)にあるときには、流出孔435outAを水が通過できず、この流出孔435outAに連通しているマッサージノズル436Aから水が流出しない。また、止水壁453が流出孔435outAとずれた位置(
図9に示す位置)にあるときには、流出孔435outAを水が通過し、この流出孔435outAに連通しているマッサージノズル436Aから水が流出する。もう一組の流出孔435outBおよびマッサージノズル436Bについても同様である。このように、二組の流出孔435outA、435outBのそれぞれを水が断続的に通過し、二組のマッサージノズル436A、436Bのそれぞれから水が断続的に吐出されるため、使用者は、吐出される水によるリズミカルな刺激を、よりはっきりと感じることができる。これにより、簡素な構成で、浴び心地を向上させることができる。
【0050】
また、上述したように、止水壁453の長さL3が、仮想円VCの一部であって、二組の流出孔435outA、435outBの孔縁を結ぶ仮想円弧VA1、VA2の長さL1、L2と略等しくなっている(
図8、
図9参照)。これにより、止水壁453は、二組の流出孔435outA、435outBのうちどちらか一方を遮蔽する一部遮蔽位置(
図10参照)と、二組の流出孔435outA、435outBの双方を開放する全開放位置(
図9参照)との間で変位することとなる。
【0051】
このような構成によれば、シャワーヘッド10から散水される際に、二組の流出孔435outA、435outBのうち一方のみを水が通過すれるタイミングと、二組の流出孔435outA、435outBの双方を水通過するタイミングとがあることとなる。つまり、二組のマッサージノズル436A、436Bのうち一方のみから水が吐出されるタイミングと、双方から水が吐出されるタイミングとがあることとなり、使用者がリズミカルな刺激をよりはっきりと感じることができる。これにより、浴び心地をいっそう向上させることができる。
【0052】
また、2つの流出孔435outAが隣り合って配されることにより一組とされ、他の2つの流出孔435outBが隣り合って配されることにより他の一組とされている。ここで、例えばシャワーヘッド10から、給湯器から供給される温水を吐出する場合、給湯器の着火のために、一定以上の流量で水が吐出される必要がある。しかし、水は旋回しつつ流出孔の内面に斜めにぶつかるため、流量確保のために流出孔の内径を大きくしすぎると、流出孔からの水の流出方向が定まりにくくなり、水が四方に飛び散りやすくなる。本実施形態では、2つの流出孔435outAが、仮想円VC上に隣り合って配されることにより一組とされ、他の2つの流出孔435outBが、仮想円VC上に隣り合って配されることにより他の一組とされているから、シャワーヘッド10からの一定以上の吐水量を確保しつつ、複数の流出孔435outA、435outBのそれぞれの内径が大きくなりすぎることを避け、水の飛び散りを抑制できる。また、2つの流出孔435outAが隣り合って配されていることにより、各流出孔435outAから吐出され、飛び散ろうとした水が互いにぶつかり合うことにより、全体としては飛び散りが抑制される。流出孔435outBについても同様である。さらに、2つの流出孔435outAが隣り合って配されることにより一組とされ、他の2つの流出孔435outBが隣り合って配されることにより他の一組とされていることにより、局所的に強い力で体を刺激することができる。
【0053】
また、マッサージノズル436A、436Bが先細りとなっていることで、マッサージノズル436A、436Bの流路が絞られるため、吐出される水の勢いを増すことができ、かつ、水の飛び散りを抑制することができる。さらに、マッサージノズル436A、436Bが、流出孔435outA、435outBの孔縁から延びる筒状となっていることで、流出孔435outA、435outBを通過後の水の流れを整えることができ、水の飛び散りを抑制することができる。
【0054】
また、浴び心地の向上のためには、2組の流出孔435outA、435outBからの水の断続的な吐出の周期が適度に早いことが好ましく、これを実現するために、水車450が効率よく回転することが好ましい。
【0055】
ここで、羽根452の先端には、水流を受ける受け面452Fに爪454が配されている。この爪454によって、水が羽根452の先端から逃げることが抑制される。これにより、羽根452が水流を無駄なく受け止め、水車450が効率よく回転する。
【0056】
また、止水壁453が、一部の羽根452の先端部に配されている。このような構成によれば、止水壁453が羽根452の基端部に配されている場合と比較して、水車450の回転の際の遠心力が大きくなる。また、止水壁453が羽根452の基端部から先端部までの全体にわたって配されている場合と比較して、第2可動流路部材430との間に働く摩擦力が小さくなる。これらにより、水車450が効率よく回転する。
【0057】
また、一方の連通路423は、入口423inが一方の流出孔435outAに隣り合うように配されている。すなわち、この連通路423の出口423outと、この連通路423から流れ込んだ水流の下流側にある他方の流出孔435outBとの間には、一定の距離がある。他方の連通路423と流出孔435outA、435outBとの関係についても同様である。これにより、連通路423を通って水車室435に流れ込んだ水がすぐに流出孔435outA、435outBから流出することがないため、水車450を回転させるために必要な回転流が効率よく発生する。また、連通路423は区画壁433Wのすぐ内側に配されており、連通路423を通って水車室435に流れ込んできた水が、羽根452の先端部、すなわち回転軸451から遠い位置に当たるようになっている。これにより、水車450が効率よく回転する。
【0058】
また、前壁431の後面には、複数の円環部428と、複数の突条429が配されているから、水車450と前壁431との間に、円環部428および突条429の突出高さ分の隙間ができ、水車450と第2可動流路部材430との接触面積が小さくなる。これにより、水車450と第2可動流路部材430との間に働く摩擦力が小さくなり、水車450が効率よく回転する。
【0059】
A-3.本実施形態の効果:
以上のように本実施形態によれば、シャワーヘッド10は、水が流通可能な流路(第1マッサージ流路415、連通路423、および水車室435)を有するヘッド本体100と、ヘッド本体100の内部に配され、水流を受けることで回転する水車450と、を備え、ヘッド本体100が、流路の途中に配され、内部に水車450が配される水車室435を有し、水車室435が、水を外部に流出させるための複数の流出孔435outA、435outBを有する前壁431と、第1マッサージ流路415および水車室435に連通する連通路423を有する中板421と、によって区画される空間であり、水車450が、回転軸451と、回転軸451から延び、水流を受ける複数の羽根452と、前壁431に沿って配され、水車450の回転に伴って、流出孔435outA、435outBの遮蔽と開放とを繰り返すように配される止水壁453と、を備える。
【0060】
上記の構成によれば、止水壁453が流出孔435outA、435outBの遮蔽および開放を繰り返すことにより、簡易な構成で流体を流出孔435outA、435outBから断続的に吐出させることができるから、使用者は、リズミカルな刺激を、よりはっきりと感じることができる。これにより、浴び心地を向上させることができる。
【0061】
また、2つの流出孔435outAが、仮想円VC上に隣り合って配されることにより一組とされ、他の2つの流出孔435outBが、仮想円VC上に隣り合って配されることにより他の一組とされている。
【0062】
このような構成によれば、シャワーヘッド10からの一定以上の吐出量を確保しつつ、水の飛び散りを抑制できる。
【0063】
また、止水壁453が、水車450の回転に伴って、複数組の流出孔435outA、435outBのうち少なくとも一組を遮蔽する一部遮蔽位置と、複数組の流出孔435outA、435outBの全てを開放する第1の全開放位置との間で変位する。
【0064】
このような構成によれば、シャワーヘッド10から散水される際に、一部の流出孔435outA、435outBから水が吐出されるタイミングと、全ての流出孔435outA、435outBから水が吐出されるタイミングとがあることにより、使用者がリズミカルな刺激をよりはっきりと感じることができる。これにより、浴び心地をいっそう向上させることができる。
【0065】
また、水車450が、複数の羽根452の少なくとも1つにおいて水流を受ける受け面452Fから角度をなして延びる爪454を備えている。
【0066】
このような構成によれば、水が羽根452の先端から逃げることが抑制されるから、羽根452が水流を無駄なく受け止め、水車450が効率よく回転する。
【0067】
また、複数組の流出孔435outA、435outBと、止水壁453とが、回転軸451を中心とする仮想円VCに沿って配されており、複数組の流出孔435outA、435outBが等間隔で配されており、止水壁453が、仮想円VCに沿って配される円弧状となっており、止水壁453の長さL3が、仮想円VCに沿って隣り合う2組の流出孔435outA、435outBの孔縁を結ぶ仮想円弧VCa1、VCa2の長さL1、L2と略等しい。
【0068】
このような構成によれば、シャワーヘッド10から散水される際に、一部の流出孔435outA、435outBから水が吐出されるタイミングと、全ての流出孔435outA、435outBから水が吐出されるタイミングとがあり、かつ、全ての流出孔435outA、435outBから水が吐出される時間が最短となるから、使用者がリズミカルな刺激をよりはっきりと感じることができる。これにより、浴び心地をいっそう向上させることができる。
【0069】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態では、シャワーヘッド10に設定されている複数の放出モードとして、「ミストモード」「ストレートモード」「ピュアストレートモード」「ジェットモード」「マッサージモード」を例示したが、放出モードの設定は任意である。例えば、シャワーヘッドが有する放出モードの数は4つ以下でもよいし、6つ以上でも構わない。また、シャワーヘッドが有する放出モードの種類には、バブルモードや止水モードが含まれていても構わない。
(2)上記実施形態では、可動流路部材400と、ノズル部材500と、カバー700とが、操作リング600の回転に連動して、固定流路部材300に対して回転するように構成されていたが、ノズル部材500とカバー700との少なくとも1つが、ヘッド本体100に対して回転しない構成でも構わない。例えば、可動流路部材400だけがヘッド本体100に対して回転する構成でもよいし、可動流路部材400およびノズル部材500だけがヘッド本体100に対して回転する構成でも構わない。
(3)上記実施形態では、2つの流出孔435outAが一組とされ、他の2つの流出孔435outBが他の一組とされていたが、流出壁が3組以上の流出孔を有していてもよく、3つ以上の流出孔が一組とされていても構わない。あるいは、流出孔が組になっていなくても構わない。
(4)上記実施形態では、2組の流出孔435outA、435outBの孔縁を結ぶ2つの仮想円弧VCa1、VCa2の長さL1、L2は、互いに等しくなっていたが、2つの仮想円弧VCa1、VCa2の長さが互いに異なっていても構わない。また、流出壁が3組以上の流出孔を有している場合にも、複数組の流出孔が等間隔で配されていることが好ましいが、等間隔に配されていなくても構わない。
(5)上記実施形態では、止水壁453が、複数組の流出孔435outA、435outBのうち少なくとも一組を遮蔽する一部遮蔽位置と、複数組の流出孔435outA、435outBの全てを開放する第1の全開放位置との間で変位するようになっていたが、止水壁が、常に複数の流出孔のいずれかを遮蔽するように設計されていても構わない。
(6)上記実施形態では、止水壁453が、仮想円VCに沿って配される円弧状となっていたが、止水壁の形状および配置は、水車の回転に伴って、流出孔の遮蔽と開放とを繰り返すようになっていればよく、例えば、仮想円VCに沿って配される円弧部を含む扇形であっても構わない。
(7)上記実施形態では、水車450が爪454を有していたが、水車が爪を有していなくても構わない。
(8)上記実施形態では、水車450が爪454を備えていたが、例えば羽根の受け面に凹部が配されていることにより、羽根が水流を無駄なく受け止めるようになっていても構わない。あるいは、羽根の先端部が湾曲されていることにより、羽根が水流を無駄なく受け止めるようになっていても構わない。
(9)上記実施形態では、止水壁453が羽根452の先端部にのみ配されていたが、止水壁が回転軸に近い位置に配されていても構わない。止水壁が回転軸から羽根の先端部まで延びる形状を有し、止水壁の一部に水が通過可能な孔が設けられていても構わない。
(10)上記実施形態では、連通路423が区画壁433Wのすぐ内側に配されており、水車室435に流れ込んだ水が羽根452の先端部に当たるようにされていたが、水車室に流れ込んだ水が羽根の基端部に近い位置に当たるように流路が設計されていても構わない。
(11)上記実施形態では、第2可動流路部材430が円環部428と突条429とを備えていたが、可動流路部材が円環部と突条のうち一方または双方を備えていなくても構わない。
【符号の説明】
【0070】
10:シャワーヘッド 100:ヘッド本体 200:カバー部材 210:カバー本体 220:グリップ部 300:固定流路部材 310:ベース部 320:取付軸 322:ねじ孔 330:継手部 340:ベース流路 340out:ベース流出孔 350:パッキン 400:可動流路部材 410:第1可動流路部材 411:後壁 412:貫通孔 413:第1仕切壁 414:第1軸筒 415:第1マッサージ流路(流路) 415in:マッサージ分配孔 420:中間部材 421:中板(流入壁) 422:軸挿通孔 423:連通路(流路) 423in:入口 423out:出口 424:側壁 425:傾斜壁 426:傾斜面 427:連通孔 428:円環部 429:突条 430:第2可動流路部材 431:前壁(流出壁) 432:貫通孔 433:第2仕切壁 433W:区画壁 434:第2軸筒 435:水車室(流路) 435outA、435outB:流出孔 436A、436B:マッサージノズル 450:水車 451:回転軸 452:羽根 452F:受け面 453:止水壁 454:爪 500:ノズル部材 511:ノズル板 512:マッサージ用挿通孔 515:貫通孔 600:操作リング 700:カバー 701:マッサージ用挿通孔 L1:仮想円弧VCa1の長さ L2:仮想円弧VCa2の長さ L3:止水壁の長さ S:ねじ SH:ねじ頭 ST:ねじ部 VA1、VA2:仮想円弧 VC:仮想円 WS:ワッシャ