(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025067808
(43)【公開日】2025-04-24
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20250417BHJP
H01G 4/232 20060101ALI20250417BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 201G
H01G4/30 513
H01G4/30 516
H01G4/232 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024147134
(22)【出願日】2024-08-29
(31)【優先権主張番号】10-2023-0136530
(32)【優先日】2023-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン ア
(72)【発明者】
【氏名】リー、チャエ ドン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン、ギュ ホ
(72)【発明者】
【氏名】リー、カン ハ
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC09
5E001AE02
5E001AE03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC33
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG28
5E082JJ03
5E082JJ12
5E082JJ23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】曲げ強度及び電気的特性に優れた積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品は、誘電体層及び誘電体層と交互に配置される内部電極を含む本体と、本体上に配置されて内部電極と連結される外部電極と、を含む。外部電極131は、金属粒子132a、高分子コア132b1と高分子コアの少なくとも一部上に配置される金属シェル132b2を含むコア-シェル粒子132b及び樹脂を含む導電性樹脂層を含み、導電性樹脂層は、本体に隣接する第1領域R1及び導電性樹脂層の外側に隣接する第2領域R2を含み、本体を通る少なくとも一断面において、第2領域のうちコア-シェル粒子が占める面積分率が、第1領域のうちコア-シェル粒子が占める面積分率よりも大きい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び前記誘電体層と交互に配置される内部電極を含む本体と、
前記本体上に配置されて前記内部電極と連結される外部電極と、を含み、
前記外部電極は、金属粒子、高分子コアと前記高分子コアの少なくとも一部上に配置される金属シェルを含むコア-シェル粒子、及び樹脂を含む導電性樹脂層を含み、
前記導電性樹脂層は、前記本体に隣接する第1領域及び前記導電性樹脂層の外側に隣接する第2領域を含み、
前記本体を通る少なくとも一断面において、前記第2領域のうち前記コア-シェル粒子が占める面積分率が、前記第1領域のうち前記コア-シェル粒子が占める面積分率よりも大きい、積層型電子部品。
【請求項2】
前記外部電極は、前記導電性樹脂層上に配置されるめっき層を含み、
前記コア-シェル粒子のうち少なくとも一部は、前記導電性樹脂層と前記めっき層との間の界面と接する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記本体は、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含み、
前記外部電極は前記第3面及び前記第4面上に配置され、
前記外部電極は前記導電性樹脂層上に配置されるめっき層を含み、
前記コア-シェル粒子は複数個であり、
前記本体の前記第3方向の中央を通る前記第1方向及び前記第2方向の断面において、複数個の前記コア-シェル粒子のうち前記めっき層と接触する前記コア-シェル粒子の個数は5個以上である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記本体は、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含み、
前記外部電極は前記第3面及び前記第4面上に配置され、
前記外部電極は前記導電性樹脂層上に配置されるめっき層を含み、
前記本体の前記第3方向の中央を通る前記第1方向及び前記第2方向の断面において、前記導電性樹脂層の前記めっき層との界面から20μm以内の領域のうち、前記コア-シェル粒子が占める面積分率は10%以上70%以下である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記金属粒子及びコア-シェル粒子はそれぞれ複数個であり、複数個の前記コア-シェル粒子のうち少なくとも一つは2個以上の前記金属粒子と接触する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記金属粒子は、球状金属粒子及びフレーク状金属粒子のうち一つ以上を含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記コア-シェル粒子の平均粒子サイズをP1、前記球状金属粒子の平均粒子サイズをP2、前記フレーク状金属粒子の平均粒子サイズをP3とするとき、
P1≦P2≦P3を満たす、請求項6に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記コア-シェル粒子の平均粒子サイズは1μm以上5μm以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記高分子コアは、スチレン、シリコン、及びウレタンのうち一つ以上を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記金属シェルは、Ag、Cu、Ni、Sn及びこれらの合金のうち一つ以上を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記本体は、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含み、
前記外部電極は、前記第3面及び前記第4面上に配置される下地電極層及び前記導電性樹脂層上に配置されるめっき層を含み、
前記導電性樹脂層は、前記下地電極層上に配置されて前記第1面及び前記第2面の少なくとも一部上に延びる、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記本体は、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、前記第1面、前記第2面、前記第3面及び前記第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含み、
前記外部電極は、前記第3面及び前記第4面上に配置される下地電極層及び前記導電性樹脂層上に配置されるめっき層を含み、
前記導電性樹脂層は前記第1面及び前記第2面上に配置され、
前記めっき層は、前記第3面及び前記第4面上に延びて前記下地電極層と接する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン、及び携帯電話などの様々な電子製品の印刷回路基板に装着され、電気を充電又は放電させる役割を果たすチップ型のコンデンサである。このような積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として使用されることができる。
【0003】
積層セラミックキャパシタの製品群はIT用と電装用に大別されることができる。電装用MLCCの場合、IT用MLCCと同様に、コンデンサの役割を果たすことは同じであるが、電装用MLCCは、外部電極と基板との間の実装部分に応力が集中する環境に曝されやすく、このような応力を解消するためには、曲げ強度に優れることが求められる。MLCCの曲げ強度を確保するために、従来は、外部電極に導電性樹脂層を適用する方案が提案されてきた。導電性樹脂層は、通常、樹脂及び樹脂内に分散した金属粒子からなることができる。
【0004】
一方、曲げ強度を改善するために、導電性樹脂層に含まれた金属粒子の含有量を減らすと、導電性樹脂層の外表面に金属粒子が十分に配置されず、めっき性が低下し、これにより等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)が増加するという問題点が発生する可能性がある。
【0005】
逆に、めっき性及びESR特性を改善するために、導電性樹脂層に含まれた金属粒子の含有量を増やすと、導電性樹脂層が曲げ応力を効果的に吸収できず、MLCCの曲げ強度が低下するという問題点が発生する可能性がある。
【0006】
よって、MLCCの曲げ強度を改善させながらも、電気的特性にも優れた導電性樹脂層に対する研究が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明のいくつかの目的の一つは、曲げ強度及び電気特性に優れた積層型電子部品を提供することである。
【0008】
但し、本発明の目的は上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、誘電体層及び上記誘電体層と交互に配置される内部電極を含む本体と、上記本体上に配置されて上記内部電極と連結される外部電極と、を含み、上記外部電極は、金属粒子、高分子コアと上記高分子コアの少なくとも一部上に配置される金属シェルを含むコア-シェル粒子、及び樹脂を含む導電性樹脂層を含み、上記導電性樹脂層は、上記本体に隣接する第1領域及び上記導電性樹脂層の外側に隣接する第2領域を含み、上記本体を通る少なくとも一断面において、上記第2領域のうち上記コア-シェル粒子が占める面積分率が、上記第1領域のうち上記コア-シェル粒子が占める面積分率よりも大きい、積層型電子部品を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の様々な効果の一つとして、曲げ強度及び電気的特性に優れた積層型電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1の本体を概略的に示す分解斜視図である。
【
図3】
図1のI-I'線に沿った切断断面を概略的に示す断面図である。
【
図4】
図1のII-II'線に沿った切断断面を概略的に示す断面図である。
【
図6】
図3の変形例であって、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示す断面図である。
【
図7】
図3の変形例であって、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示す断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の導電性樹脂層のうち、めっき層と隣接する領域を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影したイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさ等は、より明確な説明のために誇張することができ、図面上の同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0013】
そして、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上、任意に示しているため、本発明は必ずしも図示したものに限定されない。なお、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素に対しては、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0014】
図面において、第1方向は厚さT方向、第2方向は長さL方向、第3方向は幅W方向と定義することができる。
【0015】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品を概略的に示す斜視図であり、
図2は、
図1の本体を概略的に示す分解斜視図であり、
図3は、
図1のI-I'線に沿った切断断面を概略的に示す断面図であり、
図4は、
図1のII-II'線に沿った切断断面を概略的に示す断面図であり、
図5は、
図3のK1領域拡大図であり、
図8は、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品の導電性樹脂層のうちめっき層と隣接する領域を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影したイメージである。
【0016】
以下、
図1~
図5及び
図8を参照して、本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100について詳細に説明する。また、積層型電子部品の一例として、積層セラミックキャパシタについて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な積層型電子部品、例えば、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、又はサーミスタなどにも適用することができる。
【0017】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品100は、誘電体層111及び内部電極121、122を含む本体110と外部電極130、140とを含む。
【0018】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように、本体110は六面体形状又はこれと類似の形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮や角部の研磨により、本体110は完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0019】
本体110は、第1方向に対向する第1面及び第2面1、2、第1面及び第2面1、2と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面3、4、第1面~第4面1、2、3、4と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面5、6を有することができる。
【0020】
本体110は、誘電体層111及び誘電体層111と交互に配置される内部電極121、122を含むことができる。本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であって、隣接する誘電体層111間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認し難いほど一体化することができる。
【0021】
誘電体層111は、セラミック粉末、有機溶剤及びバインダーを含むセラミックスラリーを製造し、上記スラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥してセラミックグリーンシートを設けた後、上記セラミックグリーンシートを焼成することにより形成することができる。セラミック粉末は十分な静電容量が得られる限り特に限定されないが、例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料又はチタン酸ストロンチウム系材料等を用いることができ、上記セラミック粉末の例示として、BaTiO3、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)等が一部固溶した(Ba1-xCax)TiO3(0<x<1)、Ba(Ti1-yCay)O3(0<y<1)、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3(0<x<1、0<y<1)又はBa(Ti1-yZry)O3(0<y<1)などが挙げられる。
【0022】
内部電極121、122は、例えば、誘電体層111と第1方向に交互に配置されることができる。すなわち、互いに異なる極性を有する一対の電極である第1内部電極121と第2内部電極122とが誘電体層111を挟んで互いに対向するように配置されることができる。第1内部電極121と第2内部電極122は、その間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離することができる。
【0023】
第1内部電極121は第4面4と離隔し、第3面3側で第1外部電極130と連結されることができる。第2内部電極122は第3面3と離隔し、第4面4側で第2外部電極140と連結されることができる。
【0024】
内部電極121、122に含まれる導電性金属は、Ni、Cu、Pd、Ag、Au、Pt、Sn、W、Ti及びこれらの合金のうち一つ以上であってもよく、より好ましくはNiを含んでもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
内部電極121、122は、上記セラミックグリーンシート上に所定の厚さで導電性金属を含む内部電極用導電性ペーストを塗布して焼成することにより形成することができる。内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
誘電体層111の平均厚さtdは特に限定する必要はないが、例えば、0.1μm~10μmであってもよい。内部電極121、122の平均厚さteは特に限定する必要はないが、例えば、0.1μm~3.0μmであってもよい。また、誘電体層111の平均厚さtdと内部電極121、122の平均厚さは、所望の特性や用途に応じて任意に設定することができる。例えば、小型化及び高容量化を達成するために高電圧電装用電子部品の場合、誘電体層111の平均厚さtdは2.8μm未満であってもよく、内部電極121、122の平均厚さteは1μm未満であってもよい。また、小型化及び高容量化を達成するために小型IT用電子部品の場合、誘電体層111の平均厚さtdは0.4μm以下であってもよく、内部電極121、122の平均厚さteは0.4μm以下であってもよい。
【0027】
一方、一般に高電圧電装用電子部品は、高電圧環境下における絶縁破壊電圧の低下による信頼性の問題が主なイシューである。一実施形態に係る積層型電子部品は、高電圧環境下における絶縁破壊電圧の低下を防止するために、上記誘電体層111の平均厚さtdを内部電極121、122の平均厚さteの2倍よりもさらに大きくすることができる。すなわち、td>2×teを満たすことができる。これにより、内部電極間の距離である誘電体層の厚さを増加させ、絶縁破壊電圧特性を向上させることができる。
【0028】
誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteは、それぞれ誘電体層111及び内部電極121、122の第1方向のサイズを意味する。誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。より具体的に、一つの誘電体層111の多数の地点、例えば、第2方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定した後、平均値をとることにより誘電体層111の平均厚さtdを測定することができる。また、一つの内部電極121、122の多数の地点、例えば、第2方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定した後、平均値をとることにより内部電極121、122の平均厚さteを測定することができる。上記等間隔である30個の地点は容量形成部Acで指定することができる。一方、このような平均値の測定をそれぞれ10個の誘電体層111及び10個の内部電極121、122について行った後、平均値を測定すると、誘電体層111の平均厚さtd及び内部電極121、122の平均厚さteをさらに一般化することができる。
【0029】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで互いに交互に配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される容量形成部Acと、容量形成部Acの第1方向に対向する両面上にそれぞれ配置される第1カバー部112及び第2カバー部113とを含むことができる。カバー部112、113は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。カバー部112、113は、内部電極を含まないことを除いては、誘電体層111と同じ構成を有することができる。
【0030】
カバー部112、113の平均厚さtcは特に限定する必要はない。すなわち、カバー部112、113の平均厚さtcは、所望の特性や用途に応じて任意に設定することができる。例えば、積層型電子部品の小型化及び高容量化のために、カバー部112、113の平均厚さtcは、300μm以下、100μm以下、30μm以下、又は20μm以下であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。ここで、カバー部112、113の平均厚さtcとは、第1カバー部112及び第2カバー部113のそれぞれの平均厚さを意味する。
【0031】
カバー部112、113の平均厚さtcは、カバー部112、113の第1方向への平均サイズを意味することができ、本体110の第1方向及び第2方向の断面において等間隔である5個の地点で測定した第1方向のサイズを平均した値であることができる。
【0032】
本体110は、容量形成部Acの第3方向に対向する両面上にそれぞれ配置される第1マージン部114及び第2マージン部115を含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、本体110を第1方向及び第3方向に切断した断面において、内部電極121、122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。
【0033】
マージン部114、115は、内部電極121、122を含まないことを除いては、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。マージン部114、115は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0034】
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成される箇所を除いて、内部電極用導電性ペーストを塗布して焼成することにより形成されたものであってもよい。あるいは、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後の内部電極121、122が本体の第5面及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一の誘電体層又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの第3方向に対向する両面上に積層することにより、マージン部114、115を形成することもできる。
【0035】
マージン部114、115の平均厚さtmは特に限定する必要はない。すなわち、マージン部114、115の平均厚さtmは、所望の特性や用途に応じて任意に設定することができる。例えば、積層型電子部品の小型化及び高容量化のために、マージン部114、115の平均厚さtmは、100μm以下、20μm以下、又は15μm以下であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。ここで、マージン部114、115の平均厚さtmとは、第1マージン部114及び第2マージン部115のそれぞれの平均厚さを意味する。
【0036】
マージン部114、115の平均厚さtmは、マージン部114、115の第3方向の平均サイズを意味することができ、本体110の第1方向及び第3方向の断面において等間隔である5個の地点で測定した第3方向のサイズを平均した値であることができる。
【0037】
外部電極130、140は、本体110の第3面及び第4面3、4に配置されることができ、第1面、第2面、第5面及び第6面1、2、5、6の一部上に延びることができる。また、外部電極130、140は、第1内部電極121と連結される第1外部電極130及び第2内部電極122と連結される第2外部電極140を含むことができる。
【0038】
外部電極130、140は、例えば、第3面及び第4面3、4上に配置される下地電極層131、141、下地電極層131、141上に配置される導電性樹脂層132、142、及び導電性樹脂層132、142上に配置されるめっき層133、143を含むことができる。すなわち、第1外部電極130は、第3面3上に配置される第1下地電極層131、第1下地電極層131上に配置される第1導電性樹脂層132、及び第1導電性樹脂層132上に配置される第1めっき層133を含むことができ、第2外部電極140は、第4面4上に配置される第2下地電極層141、第2下地電極層141上に配置される第2導電性樹脂層142、及び第2導電性樹脂層142上に配置される第2めっき層143を含むことができる。
【0039】
下地電極層131、141は、例えば、金属及びガラスを含むことができる。下地電極層131、141に含まれた金属は電気的連結性を確保する役割を果たし、ガラスは本体110との結合力を向上させる役割を果たすことができる。
【0040】
下地電極層131、141に含まれる導電性金属は、Cu、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Pb及び/又はこれらを含む合金を含むことができ、より好ましくはCuを含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】
下地電極層131、141は、
図3に示すように、第3面及び第4面3、4に配置され、第1面及び第2面1、2の少なくとも一部上に延びることができる。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、下地電極層131、141は、例えば、第1面1の延長線と第2面2の延長線との間に配置されてもよい。
【0042】
下地電極層131、141は、第3面及び第4面3、4を導電性金属及びガラスを含む外部電極用導電性ペーストにディッピング(dipping)した後、焼成することにより形成されることができる。あるいは、下地電極層131、141は、導電性金属及びガラスを含むシートを転写する方式で形成されてもよい。
【0043】
導電性樹脂層132、142は、下地電極層131、141上に配置され、第1面及び第2面1、2の少なくとも一部上に延びることができる。
【0044】
以下、
図5を参照して導電性樹脂層132についてより詳細に説明する。
図5に示すK1領域は、第1外部電極130の一部を拡大して示したが、第1外部電極130は第1内部電極121と連結され、第2外部電極140は第2内部電極122と連結される差があるだけで、第1外部電極130と第2外部電極140の構成は類似しているため、以下、導電性樹脂層に関する説明は第1導電性樹脂層132及び第2導電性樹脂層142に関する説明の両方を含むものと見なす。
【0045】
導電性樹脂層132は、金属粒子132a、高分子コア132b1と高分子コア132b1の少なくとも一部上に配置される金属シェル132b2を含むコア-シェル粒子132b、及び樹脂132cを含むことができる。導電性樹脂層132は、金属粉末、コア-シェル粒子、及び樹脂を含む導電性樹脂組成物を下地電極層131、141上に塗布及び乾燥した後、上記導電性樹脂組成物を約280℃以下の温度で硬化することによって形成できる。
【0046】
導電性樹脂層132に含まれた金属粒子132aは複数個であり、樹脂132c内に分散した形態で存在することができる。基本的に、金属粒子132aは電気的連結性を確保する役割を果たすことができ、樹脂132cは衝撃を吸収して積層型電子部品100の曲げ強度を改善する役割を果たすことができる。樹脂132cの種類は特に限定する必要はないが、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチルセルロース(Ethyl Cellulose)などから選択された1種以上を含むことができる。
【0047】
金属粒子132aの種類は特に限定する必要はないが、Cu、Ag、Ni、Pd、Sn及びこれらの合金を含むことができ、より好ましくはCu、Ni及びAgのうち一つ以上を含むことができる。
【0048】
金属粒子132aは、例えば、球状金属粒子132a1及びフレーク状金属粒子132a2のうち一つ以上を含むことができ、より好ましくは、金属粒子132aは、球状金属粒子132a1及びフレーク状金属粒子132a2の両方を含むことができる。球状金属粒子132a1は導電性樹脂層132とめっき層133との間の接合力向上の観点から有利であり、フレーク状金属粒子132a2は積層型電子部品100の曲げ強度改善の観点から有利であり得る。
【0049】
ここで、球状金属粒子132a1は、完全な球状でない形態も含むことができ、例えば、長軸と短軸の長さ比率(長軸/短軸)が1.45以下である形態を含むことができる。フレーク状金属粒子132a2は、平たい且つ細長い形態を有する粒子を意味し、特に限定されるものではないが、例えば、長軸と短軸の長さ比率(長軸/短軸)が1.95以上であってもよい。上記球状金属粒子132a1及びフレーク状金属粒子132a2の長軸と短軸の長さは、積層型電子部品の第3方向の中央部で切断した第1方向及び第2方向の断面を走査電子顕微鏡(SEM)でスキャンして得られたイメージから測定することができる。
【0050】
上述したように、電気的特性を確保するために導電性樹脂層132は一定含有量以上の金属粒子132aを含まなければならないため、積層型電子部品100の曲げ強度を改善するには限界がある。一方、曲げ強度を改善するために金属粒子132aをフレーク状の金属粒子132a2のみで構成する場合、めっき性が低下したり、ESRが過度に増加するという副効果が発生する可能性がある。
【0051】
よって、従来は、一定含有量以上の球状金属粒子を導電性樹脂層に添加していた。但し、球状金属粒子の含有量が増加するほど、積層型電子部品の曲げ強度を改善する上で不利になる。また、金属粒子としてAgを使用する場合、Agは延伸性が不足し、イオンマイグレーション(Ion migration)が発生するという問題点がある。また、金属粒子としてCuを使用する場合、酸化に脆弱なCuにより更なる品質不良を引き起こす可能性がある。
【0052】
これに対し、本発明の一実施形態によれば、導電性樹脂層132は、高分子コア132b1及び高分子コア132b1の少なくとも一部上に配置される金属シェル132b2を含むコア-シェル粒子132bを含むことにより、積層型電子部品100の曲げ強度を改善しながらも、めっき性及びESRを確保することができる。導電性樹脂層132内にコア-シェル粒子132bは複数個配置されることができる。
【0053】
具体的に、高分子コア132b1は、ヤング率が低く、応力を効果的に吸収する高分子を含むことで、積層型電子部品100の曲げ強度を改善することができる。また、高分子コア132b1を有するコア-シェル粒子132bは、例えば、導電性樹脂層132に含まれた球状金属粒子132a1の一部を代替することができ、これにより、導電性樹脂層132内に含まれた金属成分の含有量を下げる役割を果たすことで、AgによるイオンマイグレーションやCuの酸化による浮き不良などの防止に効果的であり得る。
【0054】
高分子コア132b1に含まれた高分子の種類は特に限定する必要はないが、樹脂の硬化温度で熱分解しない高分子であることが好ましい。高分子コア132b1は、例えば、スチレン、シリコン、及びウレタンのうち一つ以上を含むことができる。
【0055】
コア-シェル粒子132bが高分子コア132b1のみからなる場合、めっき性やESR特性が低下し得るが、高分子コア132b1の外表面には金属シェル132b2が配置されることで、めっき性及びESR特性も確保することができる。例えば、コア-シェル粒子132bのうち少なくとも一部は、導電性樹脂層132とめっき層133との間の界面IFと接することができる。すなわち、コア-シェル粒子132bの内部が高分子コア132b1からなっていても、高分子コア132b1の外表面にはめっきシード(seed)となり得る金属シェル132b2が配置されており、めっき性を確保することができる。
【0056】
また、一実施形態において、複数個のコア-シェル粒子132bのうち少なくとも一つは、2個以上の金属粒子132aと接触することができる。これにより、コア-シェル粒子132bは、金属粒子132a間の電流パス(current path)を提供することによって、積層型電子部品100のESR特性を改善することができる。
【0057】
金属シェル132b2に含まれた金属の種類は特に限定する必要はない。金属シェル132b2は、例えば、Ag、Cu、Ni、Sn及びこれらの合金のうち一つ以上を含むことができる。
【0058】
導電性樹脂層132は、本体110に隣接する第1領域R1及び導電性樹脂層132の外側に隣接する第2領域R2を含むことができる。第1領域R1及び第2領域R2は、導電性樹脂層132を導電性樹脂層132の厚さ方向に均等に2分割した領域であってもよい。本発明の一実施形態によれば、本体110を通る少なくとも一断面において、第2領域R2のうちコア-シェル粒子132bが占める面積分率は、第1領域R21のうちコア-シェル粒子132bが占める面積分率より大きくてもよい。
【0059】
本体110を通る少なくとも一断面は、例えば、
図5に示される本体110の第3方向の中央を通る第1方向及び第2方向の断面を意味することができる。コア-シェル粒子132bが占める面積分率は、第1領域R1よりも第2領域R2でさらに大きくてもよく、これにより、導電性樹脂層132とめっき層133との間の電気的接触性を改善することができる。すなわち、めっきシード(seed)となり得る金属シェル132b2を含むコア-シェル粒子132bが導電性樹脂層132とめっき層133との間の界面IFに隣接する第2領域R2に偏って分布することで、導電性樹脂層132とめっき層133との間の接触性を改善することができる。
【0060】
コア-シェル粒子132b2の分布が第2領域R2に偏っているのは、コア-シェル粒子132bが高分子コア132b1を有するため、金属粒子132aよりも重量が軽く、これにより上記導電性樹脂組成物の乾燥過程で発生する対流現象によって、重量が軽いコア-シェル粒子132b2は第2領域R2に偏って分布することができる。
【0061】
一実施形態において、本体110の第3方向の中央を通る第1方向及び第2方向の断面において、導電性樹脂層132のめっき層133との界面IFから20μm以内の領域のうちコア-シェル粒子132bが占める面積分率は、10%以上70%以下であってもよい。一実施形態において、第2領域R2のうちめっき層133との界面から20μm以内の範囲で、コア-シェル粒子132bが占める面積分率は10%以上70%以下であってもよい。導電性樹脂層132のめっき層133との界面IFから20μn以内の領域のうちコア-シェル粒子132bが占める面積分率が10%未満である場合、本発明の曲げ強度及びめっき性の改善効果が僅かである可能性があり、70%を超える場合、コア-シェル粒子132bの分布が過度となり、積層型電子部品100のESRが低下する可能性がある。
【0062】
以下、コア-シェル粒子132bが占める面積分率を測定する方法の一例について説明する。本体110の第3方向の中央を通る第1方向及び第2方向の断面のうち、第1方向の中央領域(例えば、
図5のK1領域)を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影したイメージを得る。次に、イメージ内に導電性樹脂層132を導電性樹脂層132の厚さ方向に均等に2分割する。このとき、本体110に隣接する領域を第1領域R1、導電性樹脂層132の外側に隣接する領域を第2領域R2と定義することができる。次に、イメージ内の第1領域R1の全面積及び第1領域R1内に存在する複数個のコア-シェル粒子132bが占める面積を測定することにより、第1領域R1内のコア-シェル粒子132bの面積分率を測定することができ、イメージ内の第2領域R2の全面積及び第2領域R2内に存在する複数個のコア-シェル粒子132bが占める面積を測定することにより、第2領域R2内のコア-シェル粒子132bの面積分率を測定することができる。一方、金属粒子131aとコア-シェル粒子132bは、粒子のサイズ、粒子の形状、粒子の成分などの情報に基づいて自動又は手動で判別することができる。一方、コア-シェル粒子132bの面積分率は、上記SEMイメージ内で所定の面積をとった後、上記一部の面積内で測定されてもよい。
【0063】
導電性樹脂層132のめっき層133との界面IFから20μm以内の領域のうちコア-シェル粒子132bが占める面積分率は、第2領域R2のうちコア-シェル粒子132bが占める面積分率を測定する方法と類似の方法で測定することができ、走査電子顕微鏡で撮影したイメージ内の導電性樹脂層132のめっき層133との界面IFから20μm以内の領域の全面積、及び導電性樹脂層132のめっき層133との界面IFから20μm以内の領域内に存在する複数個のコア-シェル粒子132bが占める面積を測定することにより、導電性樹脂層132のめっき層133との界面IFから20μm以内の領域のうちコア-シェル粒子132bが占める面積分率を測定することができる。
【0064】
一実施形態において、本体110の第3方向の中央を通る上記第1方向及び第2方向の断面において、複数個のコア-シェル粒子132bのうちめっき層133と接触するコア-シェル粒子132bの個数は5個以上であってもよい。一実施形態において、本体110の第3方向の中央を通る上記第1方向及び第2方向の断面において、第2領域R2はめっき層133と接触するコア-シェル粒子132bを5個以上含むことができる。めっき層133と接しているコア-シェル粒子132bの金属シェル132b2は、めっきシード(seed)としての役割を果たすことができるため、めっき層133と接触するコア-シェル粒子132bの個数が5個以上であるとき、本発明の導電性樹脂層132とめっき層133との間の接触性改善効果がさらに顕著となり得る。
【0065】
一実施形態において、コア-シェル粒子132bの平均粒子サイズをP1、球状金属粒子132a1の平均粒子サイズをP2、フレーク状金属粒子132a2の平均粒子サイズをP3とするとき、P1≦P2≦P3を満たすことができる。上記P1は、めっき性改善の観点から、P2及びP3以下であることが好ましい。また、上記P3は、曲げ強度改善の観点から、P1及びP2以上であることが好ましい。
【0066】
コア-シェル粒子132bの平均粒子サイズP1は特に限定する必要はないが、例えば、1μm以上5μm以下であってもよい。コア-シェル粒子132bの平均粒子サイズP1が1μm未満である場合、本発明の曲げ強度の改善効果が僅かである可能性がある。また、コア-シェル粒子132bの平均粒子サイズP1が5μmを超える場合、本発明のめっき性改善効果が僅かである可能性がある。
【0067】
上記P1~P3は、例えば、本体110の第3方向の中央を通る第1方向及び第2方向の断面のうち、第1方向の中央領域(例えば、
図5のK1領域)を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影したイメージを得た後、上記イメージをイメージ分析プログラム、例えば、Zootos Programなどを用いて分析することにより測定することができる。
【0068】
めっき層133、143は実装特性を向上させることができる。めっき層133、143の種類は特に限定されず、Ni、Sn、Pd、及び/又はこれらを含む合金などを含むめっき層であってもよく、複数の層で形成されてもよい。めっき層133、143は、例えば、Niめっき層又はSnめっき層であってもよく、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であってもよい。また、めっき層133、143は、複数のNiめっき層及び/又は複数のSnめっき層を含んでもよい。
【0069】
図面では、積層型電子部品100が2つの外部電極130、140を有する構造について説明しているが、これに限定されるものではなく、外部電極130、140の個数や形状等は内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することができる。
【0070】
図6は、
図3の変形例であって、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品200を概略的に示す断面図である。以下、
図6を参照して本発明の他の実施形態に係る積層型電子部品200について説明し、積層型電子部品200の構成のうち、前述した積層型電子部品100と類似の構成は同一符号を使用し、上述した積層型電子部品100と重複する説明は省略する。
【0071】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品200は、第3面及び第4面3、4上に配置される下地電極層231、241、第1面及び第2面1、2上に配置される導電性樹脂層232、242、及び導電性樹脂層232、242上に配置されるめっき層233、243を含む外部電極230、240を含むことができる。具体的に、第1外部電極230は、第3面3上に配置される第1下地電極層231、第1面及び第2面1、2上に配置される第1導電性樹脂層 232、並びに第1導電性樹脂層232上に配置される第1めっき層233を含み、第2外部電極240は、第4面4上に配置される第2下地電極層241、第1面及び第2面1、2上に配置される第2導電性樹脂層242、並びに第2導電性樹脂層242上に配置される第2めっき層243を含むことができる。
【0072】
めっき層233、243は、第3面及び第4面3、4上に延びて下地電極層231、241と接することができる。すなわち、下地電極層231、241は、第3面及び第4面3、4上において導電性樹脂層232、242によって覆われない領域を有し、上記領域を介してめっき層233、243と直接的に接することができる。
【0073】
すなわち、下地電極層231、241が抵抗の高い導電性樹脂層232、242を介してめっき層233、243と電気的に連結されるのではなく、めっき層233、243と直接的/物理的に接することにより積層型電子部品200のESRを改善することができる。
【0074】
図7は、
図3の変形例であって、本発明の他の一実施形態に係る積層型電子部品300を概略的に示す断面図である。以下、
図7を参照して本発明の他の実施形態に係る積層型電子部品300について説明し、積層型電子部品300の構成のうち、前述した積層型電子部品100と類似の構成は同一符号を使用し、上述した積層型電子部品100と重複する説明は省略する。
【0075】
本発明の一実施形態に係る積層型電子部品300は、第3面及び第4面3、4上に配置される下地電極層331、341、第1面及び第2面1、2上に配置され、下地電極層331、341の一部上に延びる導電性樹脂層332、342、及び導電性樹脂層332、342上に配置されるめっき層333、343を含む外部電極330、340を含むことができる。具体的に、第1外部電極330は、第3面3上に配置される第1下地電極層331、第1面及び第2面1、2上に配置され、第1下地電極層331の一部上に延びる第1導電性樹脂層332、及び第1導電性樹脂層332上に配置される第1めっき層333を含み、第2外部電極340は、第4面4上に配置される第2下地電極層341、第1面及び第2面1、2上に配置され、第2下地電極層341の一部上に延びる第2導電性樹脂層342、及び第2導電性樹脂層342上に配置される第2めっき層343を含むことができる。
【0076】
めっき層333、343は、第3面及び第4面3、4上に延びて下地電極層331、341と接することができる。すなわち、下地電極層331、341は、第3面及び第4面3、4上において導電性樹脂層332、342によって覆われない領域を有し、上記領域を介してめっき層333、343と直接的に接することができる。上記導電性樹脂層332、342によって覆われない領域は、容量形成部Ac上に配置されることができる。より具体的に、上記導電性樹脂層332、342によって覆われない領域の第2方向のサイズは、容量形成部Acの第2方向のサイズより小さくてもよい。
【0077】
下地電極層331、341は、抵抗の高い導電性樹脂層332、342を介してめっき層333、343と電気的に連結されるのではなく、めっき層333、343と直接的/物理的に接することにより積層型電子部品200のESRを改善することができる。
【0078】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【0079】
また、「一実施形態」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態において説明された事項が他の一実施形態に説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解されることができる。
【0080】
さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであり、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
100、200、300:積層型電子部品
111:誘電体層
112、113:カバー部
114、115:マージン部
121、122:内部電極
130、230、330、140、240、340:外部電極
131、231、331、141、241、341:下地電極層
132、232、332、142、242、342:導電性樹脂層
133、233、333、143、243、343:めっき層
132a:金属粒子
132b:コア-シェル粒子
132c:樹脂