(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025067834
(43)【公開日】2025-04-24
(54)【発明の名称】線源から放射される放射線を逸らす装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/14 20060101AFI20250417BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20250417BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20250417BHJP
【FI】
G01B11/14 Z
F01D25/00 V
F02C7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024173371
(22)【出願日】2024-10-02
(31)【優先権主張番号】18/380,058
(32)【優先日】2023-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュライフ、クルト クレイマー
(72)【発明者】
【氏名】ボール、マイケル アレン
(72)【発明者】
【氏名】エリス、アンドリュー デイビッド
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA21
2F065BB05
2F065CC08
2F065DD03
2F065FF11
2F065GG04
2F065LL02
2F065LL04
2F065QQ25
2F065QQ28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】線源から放射される放射線を逸らす装置を提供する。
【解決手段】投射経路P
0に沿って放射源208によって放射された放射線は、投射経路P
0に沿って離間した第1の表面236と第2の表面240とを有し、第2の表面240が第1の表面236よりも放射源208から遠い、投射経路P
0内のレンズ234)によって発散角度によって発散させることができる。第1の表面236は湾曲させることができ、投射経路P
0に平行な線に垂直な法線を有し、投射経路P
0から偏心だけオフセットされる。第1の表面236に衝突する放射線は、投射経路P
0に対して第1の角度だけ逸らすことができ、第2の表面240に衝突し続けることができ、第2の角度だけ放射線を逸らさせる。第1の角度と第2の角度の和が発散角度である。ガスタービンエンジンの運転中にタービンブレードの先端クリアランスを測定するためのプローブアセンブリ200に使用することができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射源(208、408)から回転構成要素のターゲット表面(122)に放射線を送るプローブアセンブリ(200)であって、
静止構成要素(103)に取り付けられたプローブ本体(202、402)と、
プローブ本体(202、402)に取り付けられ、プローブ本体(202、402)の長手方向中心軸に平行な第1の投射経路に沿って放射線を選択的に放出する第1の放射源(208、408)と、
プローブ本体(202、402)の端部に、ターゲット表面(122)が通過する場所に面して取り付けられたレンズ(234、434)と、
を含み、
レンズ(234、434)は、第1の表面(236、436)と、第1の表面(236、436)から間隔を隔てた第2の表面(240、440)とを有し、
第2の表面(240、440)は、第1の表面(236、436)よりも第1の放射源(208、408)から離れており、
第1の表面(236、436)および第2の表面(240、440)の一方は、第1の曲率中心および第1の曲率半径を有する第1の曲面(236、436)を含み、
第1の投射経路は、第1の投射経路に平行な第1の曲面(236、436)の法線(406)から第1の偏心だけオフセットされ、それにより、第1の曲面(236、436)に衝突する放射線は、第1の投射経路に対して第1の角度だけ逸らされ、レンズ(234、434)を通過して第2の表面(240、440)に衝突し、それによって第2の角度だけ逸らされ、放射線は第1の曲面(236、436)を通過し、それによって第1の角度と第2の角度の和が第1の発散角度に等しくなる、プローブ(200)アセンブリ。
【請求項2】
第1の表面(236、436)は、第1の湾曲表面(236、436)を含み、第1の湾曲表面(236、436)は、球状であり、プローブ(200)本体(202)の長手方向中心軸と同心である、請求項1に記載のプローブアセンブリ(200)。
【請求項3】
第1の偏心は、レンズ(234、434)の屈折率、第1の放射源(208、408)によって放射される放射線の周波数、及び第1の曲率半径に基づいて決定される、請求項1に記載のプローブアセンブリ(200)。
【請求項4】
プローブ本体(202、402)に取り付けられ、第1の光検出器(407)と光通信する第1の光受容器(404)をさらに含み、これにより、第1の放射源(208、408)から逸らされ、ターゲット表面(122)から反射された放射線が第1の光受容器(404)に当たり、第1の光受容器(404)は、反射された放射線を第1の光検出器(407)に伝える、請求項1に記載のプローブアセンブリ(200)。
【請求項5】
レンズ(234、434)は、第1および第2の表面(240、440)の間に延在する非球面を含む、請求項1に記載のプローブアセンブリ(200)。
【請求項6】
第1の表面(236、436)は、第1の曲面(236、436)を含み、第2の表面(240、440)は、それぞれの第2の曲率半径及びそれぞれの第2の曲率中心を有する第2の曲面(240、440)を含み、第2の曲率中心は、第1の放射源(208、408)と第2の表面(240、440)との間にある、請求項1に記載のプローブアセンブリ(200)。
【請求項7】
レンズ(234、434)は、プローブ(200)本体(202)の長手方向中心軸と同心に取り付けられた球体である、請求項6に記載のプローブアセンブリ(200)。
【請求項8】
プローブ本体(202、402)に取り付けられ、プローブ本体(202、402)の長手方向中心軸に平行な第2の投射経路に沿って放射線を選択的に放出する第2の放射源(208、408)をさらに含み、第1の放射源(208、408)および第2の放射源(208、408)は、長手方向中心軸の反対側に取り付けられ、第2の投射経路は、法線(406)から第2の偏心だけオフセットされ、それによって、第2の放射源(208、408)によって放出された放射線は、第1の表面(236、436)に衝突し、第2の投射経路に対して第3の角度だけ逸らされ、レンズ(234、434)を通って第2の表面(240、440)に衝突し、それによって第2の投射経路に対して第4の角度だけ逸らされ、第3の角度と第4の角度の合計が第2の発散角度に等しくなる、請求項6に記載のプローブアセンブリ(200)。
【請求項9】
プローブ本体(202、402)に取り付けられ、第1および第2の放射源(208、408)の少なくとも一方から逸らされ、ターゲット表面(122)から反射された放射線が第1の光受容器(404)に衝突して第1の光検出器(407)に伝えられるように、第1の光検出器(407)と光学的に連絡している第1の光受容器(404)をさらに含む、請求項7に記載のプローブアセンブリ(200)。
【請求項10】
第1の放射源(208、408)から逸らされ、ターゲット表面(122)から反射された放射線が、第1の光受容器(404)に当たり、第1の光検出器(407)に伝えられ、プローブ本体(202、402)に搭載され、第2の光検出器(407′)と光学的に通信する第2の光受容器(404)をさらに含み、これにより、第2の放射源(208、408)から逸らされ、ターゲット表面(122)から反射された放射線が第2の光受容器(404)に当たり、第2の光受容器(407′)に伝えられる、請求項9に記載のプローブアセンブリ(200)。
【請求項11】
ガスタービンエンジン(50)であって、
圧縮機セクション(51)と、
燃焼器セクション(53)と、
複数の回転ブレード(120)を含むタービンセクション(52)であって、圧縮機セクション(51)は、燃焼器セクション(53)に圧縮空気を供給するように構成され、燃焼器セクション(53)は、燃料を燃焼して、複数の回転ブレード(120)を回転させるためにタービンセクション(52)に供給される高温ガスを生成するように構成される、タービンセクション(52)と、
請求項1から10のいずれかに記載のプローブアセンブリ(200)と、を含む、ガスタービンエンジン(50)。
【請求項12】
ガスタービンエンジン(50)における回転構成要素のクリアランスを決定する方法であって、ガスタービンエンジン(50)は、圧縮機セクション(51)から圧縮空気が供給される燃焼器セクション(53)から高温ガスが供給されるタービンセクション(52)を含み、方法は、
ガスタービンエンジン(50)の静止構成要素(103)にプローブアセンブリ(200)のプローブ本体(202、402)を取り付けるステップと、
プローブ本体(202、402)内に、プローブ本体(202、402)の長手方向中心軸に平行な第1の投射経路に沿って放射線を選択的に放出する第1の放射源(208、408)を取り付けるステップと、
プローブ本体(202、402)の端部に、ターゲット表面(122)が通過する場所に面するようにレンズ(234、434)を取り付けるステップであって、レンズ(234、434)は、第1の表面(236、436)と、第1の表面(236、436)から間隔を隔てた第2の表面(240、440)とを有し、第2の表面(240、440)は、第1の表面(236、436)よりも第1の放射源(208、408)から離れており、第1の表面(236、436)および第2の表面(240、440)の一方は、第1の曲率中心および第1の曲率半径を有する第1の曲面(236、436)を含み、第1の投射経路は、第1の投射経路に平行な第1の曲面(236、436)の法線(406)から第1の偏心だけオフセットされ、それにより、第1の曲面(236、436)に衝突する放射線は、第1の投射経路に対して第1の角度だけ逸らされ、レンズ(234、434)を通過して第2の表面(240、440)に衝突し、それによって第2の角度だけ逸らされ、放射線は第1の曲面(236、436)を通過し、それによって第1の角度と第2の角度の和が第1の発散角度に等しい、前記ステップと、
プローブ本体(202、402)に、第1の光検出器(407)と光通信可能な第1の光受容器(404)を取り付けるステップと、
ターゲット表面(122)の第1の位置でターゲット表面(122)から反射される第1の放射源(208、408)からの放射線を第1の光検出器(407)で検出するステップと、
第1の放射源(208、408)からの反射放射線の検出を使用して、回転構成要素のクリアランスを決定するステップと、を含む、方法。
【請求項13】
プローブ(200)本体(202)の長手方向中心軸に平行な第2の投射経路に沿って放射線を選択的に放出する第2の放射源(208、408)をプローブ本体(202、402)に取り付けるステップであって、第2の投射経路は、第2の投射経路に平行な第1の曲面(236、436)の法線(406)から第2の偏心だけオフセットされこれにより、第1の曲面(236、436)に当たった放射線は、第2の投射経路に対して第3の角度だけ逸らされ、レンズ(234、434)を通過して第2の曲面(240、440)に当たり、放射線が第1の曲面(236、436)を通過した後、第4の角度だけ逸らされ、第3の角度と第4の角度の和が第2の発散角度に等しい。前記ステップと、
第2の光検出器(407′)と光通信する第2の光受容器(404)をプローブ本体(202、402)に取り付けるステップと、
ターゲット表面(122)の第2の位置においてターゲット表面(122)から反射される第2の放射源(208、408)からの放射線を第2の光検出器(407′)で検出するステップと、
を含み、
回転構成要素のクリアランスを決定することは、第2の放射源(208、408)からの反射放射線の検出を使用することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
クリアランスを決定することは、到来時間法を使用することを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、構成要素の分析に関し、より具体的には、2つの構成要素間の距離を決定するために、線源から放射される放射線(radiation emitted from a source:電波、可視光、赤外線等は非電離放射線の一種であり、X線やβ線は電離放射線に分類される)を投射経路(projected path:投影経路)から逸らす(divert:迂回する、進路や方向を転換する、わきへ向ける)ための装置および方法に関する。特に、本装置及び方法は、回転構成要素(例えば、ガスタービンの回転ブレード)に放射線を透過させて、静止構成要素(例えば、ガスタービンのケーシング)に対する相対的な位置を決定する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械の開発、製造、およびサービスにおいて、回転ブレードの先端または他の同様の位置にある構成要素と、その構成要素が設置されている機械の固定ケーシングの内面との間の距離を測定することが望ましい場合がある。このような構成要素はケーシングと接触しないようにする必要があるが、ケーシングと構成要素との間の距離を小さくすることで、ターボ機械の様々な運転面(例えば、効率や性能)を向上させることができる。また、この距離を測定することは、製品の検証、ターボ機械の健全性監視、制御システムにおけるフィードバックの精度、および/または製品の診断に関連する可能性がある。
【0003】
キャパシタンスプローブ(Capacitance probes:静電容量プローブ)は、構成要素(component:部品)と周囲のケーシングとの距離を測定するために使用されることがある。しかし、一部のキャパシタンスプローブは、特定の寸法で製造された場合、信頼性に欠ける可能性がある。このような可能性のある問題は、ファイヤリング温度の上昇、特定の振動制限、ユーザーが定義した品質制約(elevated firing temperatures, certain vibration limits, and user-defined quality constraints)によって、より顕著になる可能性がある。別の懸念事項として、測定アセンブリの構造的完全性を維持すること、例えば、様々な発電モードにおいてプローブの操作性を維持することが挙げられる。
【0004】
放射線ベースのプローブ(radiation-based probes)など、他のタイプのプローブは、これらの懸念のいくつかを解決することができるが、他の技術的課題をもたらす。放射線ベースのプローブの場合、測定対象物の形状が、放射線の送信や受信に使用する1以上の装置(device(s) used for sending or receiving the radiation)と適合しない場合がある。例えば、表面によっては、放射線を偏向および/または反射する(deflect and/or reflect radiation)ように配置されていない場合があり、また放射線を検出するための部品から放射線を遠ざけてしまう場合がある。
【発明の概要】
【0005】
以下に述べるすべての側面、例、特徴は、技術的に可能なあらゆる方法で組み合わせることができる。
【0006】
本開示の一態様は、放射源からの放射線を回転構成要素のターゲット表面に送達するためのプローブアセンブリ(a probe assembly for transmitting radiation from a radiation source to a target surface of a rotating component)を提供し、プローブアセンブリは、静止構成要素に取り付けられたプローブ本体(a probe body mounted in a stationary component)と、前記プローブ本体に取り付けられ、前記プローブ本体の長手方向中心軸に平行な第1の投射経路に沿って放射線を選択的に放出する第1の放射源(a first radiation source mounted in the probe body that selectively emits radiation along a first projected path parallel to a longitudinal central axis of the probe body)と、前記プローブ本体の端部に取り付けられ、前記ターゲット表面が通過する場所に面するレンズ(a lens mounted at an end of the probe body facing a location through which the target surface will pass)とを含み、前記レンズは、第1の表面と、前記第1の表面から間隔をおいて配置された第2の表面とを有し(the lens having a first surface and a second surface spaced apart from the first surface)、前記第2の表面は、前記第1の表面よりも前記第1の放射源から離れており(the second surface is farther from the first radiation source than the first surface is)、前記第1の表面と前記第2の表面の一方は、第1の曲率中心と第1の曲率半径とを有する第1の曲面を含み(one of the first surface and the second surface including a first curved surface with a first center of curvature and a first radius of curvature)、第1の投射経路は、第1の投射経路に平行な前記第1の曲面の法線から第1の偏心だけオフセットされ、それにより、前記第1の表面に衝突する放射線は、前記第1の投射経路に対して第1の角度だけ逸らされ、前記レンズを通って前記第2の表面に衝突し続け、それにより第2の角度だけ逸らされ(the first projected path is offset by a first eccentricity from a normal line of the first curved surface that is parallel to the first projected path, whereby radiation striking the first surface is diverted by a first angle relative to the first projected path, continues through the lens to strike the second surface, and is diverted thereby by a second angle)、前記放射線は、前記第1の曲面を通過し、それにより、前記第1の角度と前記第2の角度の合計は、第1の発散角度に等しい(the radiation having passed through the first curved surface, and whereby a sum of the first angle and the second angle is equal to a first divergence angle)。
【0007】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記第1の表面は、前記第1の曲面を含み、前記第1の曲面は、球状であり、前記プローブ本体の前記長手方向中心軸と同心である(the first surface includes the first curved surface, and the first curved surface is spherical and concentric with the longitudinal central axis of the probe body)。
【0008】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記第1の偏心は、前記レンズの屈折率、前記第1の放射源によって放射される放射線の周波数、および前記第1の曲率半径に基づいて決定される(the first eccentricity is determined based on an index of refraction of the lens, a frequency of the radiation emitted by the first radiation source, and the first radius of curvature)。
【0009】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、プローブ本体に取り付けられ、第1の光検出器と光通信する第1の光受容器をさらに含み、これにより、前記第1の放射源から逸らされ、ターゲット表面から反射された放射線が第1の光受容器に当たり、第1の光受容器は、反射された放射線を第1の光検出器に伝導する(a first photoreceptor mounted in the probe body and in optical communication with a first photodetector, whereby radiation diverted from the first radiation source and reflected from the target surface strikes the first photoreceptor, which conducts the reflected radiation to the first photodetector)。本明細書において、「光受容器」は、光を集めて透過させることができる光学部品を指すために使用され、「光検出器」は、光への曝露に応答する信号を生成する電子デバイスを指すために使用される(. As used herein, “photoreceptor” is used to refer to an optical component that can collect and transmit light, and “photodetector” is used to refer to an electronic device that produces a signal responsive to exposure to light)。
【0010】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記レンズは、前記第1の表面と前記第2の表面との間に延在する非球面を含む(the lens includes non-spherical surfaces extending between the first and second surfaces)。
【0011】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記第1の表面は、前記第1の曲面を含み(the first surface includes the first curved surface)、前記第2の表面は、それぞれの第2の曲率半径およびそれぞれの第2の曲率中心を有する第2の曲面を含み(the second surface includes a second curved surface that has a respective second radius of curvature and a respective second center of curvature)、前記第2の曲率中心は、前記第1の放射源と前記第2の表面との間にある(the second center of curvature is between the first radiation source and the second surface)。
【0012】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記レンズは、前記プローブ本体の前記長手方向中心軸と同心に取り付けられた球体である(the lens is a sphere mounted concentrically with the longitudinal central axis of the probe body)。
【0013】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記プローブ本体に取り付けられ、前記プローブ本体の前記長手方向中心軸に平行な第2の投射経路に沿って放射線を選択的に放出する第2の放射源(a second radiation source mounted in the probe body that selectively emits radiation along a second projected path parallel to the longitudinal central axis of the probe body)をさらに含み、前記第1の放射源および前記第2の放射源は、前記長手方向中心軸の反対側に取り付けられ(the first radiation source and the second radiation source are mounted on opposite sides of the longitudinal central axis)、前記第2の投射経路は、法線から第2の偏心だけオフセットしており、これにより、前記第2の放射源によって放出された放射線は、前記第1の表面に衝突し、前記第2の投射経路に対して第3の角度だけ逸らされ、前記レンズを通って前記第2の表面に衝突し続け、前記第2の投射経路に対して第4の角度だけ逸らされ、これにより、前記第3の角度と前記第4の角度の合計は、第2の発散角度に等しくなる(the second projected path is offset from the normal line by a second eccentricity, and whereby radiation emitted by the second radiation source strikes the first surface and is diverted by a third angle relative to the second projected path, continues through the lens to strike the second surface, and is diverted thereby by a fourth angle relative to the second projected path, and whereby a sum of the third angle and the fourth angle is equal to a second divergence angle)。
【0014】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、さらに、前記プローブ本体に取り付けられ、前記第1および第2の放射源の少なくとも一方から逸らされ、ターゲット表面から反射された放射線が第1の光受容器に衝突し、第1の光検出器に伝導されるように、第1の光検出器と光通信する第1の光受容器(a first photoreceptor mounted in the probe body and in optical communication with a first photodetector such that radiation diverted from at least one of the first and second radiation sources and reflected from the target surface strikes the first photoreceptor and is conducted to the first photodetector)を含む。
【0015】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記第1の放射源から逸らされ、前記ターゲット表面から反射された放射線は、前記第1の光受容器に衝突し、前記第1の光検出器に伝導され(radiation diverted from the first radiation source and reflected from the target surface strikes the first photoreceptor and is conducted to the first photodetector)、前記プローブ本体に取り付けられ、第2の光検出器と光通信する第2の光受容器をさらに含み、第2の放射源から逸らされ、ターゲット表面から反射された放射線は、第2の光受容器に衝突し、第2の光検出器に伝導される(further comprising a second photoreceptor mounted in the probe body and in optical communication with a second photodetector, whereby radiation diverted from the second radiation source and reflected from the target surface strikes the second photoreceptor and is conducted to the second photodetector)。
【0016】
本開示の別の態様では、圧縮機セクション(a compressor section)と、燃焼器セクション(a combustor section)と、複数の回転ブレードを含むタービンセクション(a turbine section including a plurality of rotating blades)とが提供される。前記圧縮機セクションは、圧縮空気を前記燃焼器セクションに供給するように構成され(the compressor section is configured to supply compressed air to the combustor section)、前記燃焼器セクションは、燃料を燃焼して、複数の回転ブレードを回転させるために前記タービンセクションに供給される高温ガスを生成するように構成される(the combustor section is configured to combust fuel to produce hot gas that is supplied to the turbine section to rotate the plurality of rotating blades)、また、放射源からの放射線を前記複数のブレードの回転ブレードのターゲット表面に送達するためのプローブアセンブリ(a probe assembly for transmitting radiation from a radiation source to a target surface of a rotating blade of the plurality of blades)も提供される。前記プローブアセンブリは、静止構成要素に取り付けられたプローブ本体(a probe body mounted in a stationary component)と、前記プローブ本体に取り付けられ、前記プローブ本体の長手方向中心軸に平行な第1の投射経路に沿って放射線を選択的に放出する第1の放射源(a first radiation source mounted in the probe body that selectively emits radiation along a first projected path parallel to a longitudinal central axis of the probe body)と、前記プローブ本体の端部に取り付けられ、前記ターゲット表面が通過する場所に面するレンズ(a lens mounted at an end of the probe body facing a location through which the target surface will pass)とを含む。前記レンズは、第1の表面と、前記第1の表面から間隔をおいて配置された第2の表面とを有し(the lens having a first surface and a second surface spaced apart from the first surface)、前記第2の表面は、前記第1の表面よりも該第1の放射源から離れており(the second surface is farther from the first radiation source than the first surface is)、前記第1の表面と前記第2の表面の一方は、第1の曲率中心と第1の曲率半径とを有する第1の曲面を含む(one of the first surface and the second surface including a first curved surface with a first center of curvature and a first radius of curvature)。前記第1の投射経路は、前記第1の投射経路に平行な第1の曲面の法線から第1の偏心だけオフセットされ、それにより、第1の表面に衝突する放射線が、前記第1の投射経路に対して第1の角度だけ逸らされ、前記レンズを通って第2の表面に衝突し続け、それにより第2の角度だけ逸らされ、放射線が第1の曲面を通過し、それにより、前記第1の角度と前記第2の角度の合計が第1の発散角度に等しくなる(the first projected path is offset by a first eccentricity from a normal line of the first curved surface that is parallel to the first projected path, whereby radiation striking the first surface is diverted by a first angle relative to the first projected path, continues through the lens to strike the second surface, and is diverted thereby by a second angle, the radiation having passed through the first curved surface, and whereby a sum of the first angle and the second angle is equal to a first divergence angle)。
【0017】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記第1の表面は、前記第1の曲面を含み(the first surface includes the first curved surface)、前記第1の曲面は、球状であり、前記プローブ本体の長手方向中心軸と同心である(the first curved surface is spherical and concentric with the longitudinal central axis of the probe body)。
【0018】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記プローブ本体に取り付けられ、第1の光検出器と光通信する第1の光受容器(a first photoreceptor mounted in the probe body and in optical communication with a first photodetector)をさらに含み、これにより、前記第1の放射源から逸らされ、前記ターゲット表面から反射された放射線が前記第1の光受容器に当たり、前記第1の光受容器は、反射された放射線を前記第1の光検出器に伝導する(whereby radiation diverted from the first radiation source and reflected from the target surface strikes the first photoreceptor, which conducts the reflected radiation to the first photodetector)。
【0019】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記第1の表面は、前記第1の曲面を含み(the first surface includes the first curved surface)、前記第2の表面は、それぞれの第2の曲率半径およびそれぞれの第2の曲率中心を有する第2の曲面を含み(the second surface includes a second curved surface that has a respective second radius of curvature and a respective second center of curvature)、前記第2の曲率中心は、前記第1の放射源と前記第2の表面との間にある(the second center of curvature is between the first radiation source and the second surface)。
【0020】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記プローブ本体に取り付けられ、前記プローブ本体の前記長手方向中心軸に平行な第2の投射経路に沿って放射線を選択的に放出する第2の放射源(a second radiation source mounted in the probe body that selectively emits radiation along a second projected path parallel to the longitudinal central axis of the probe body)をさらに含み、前記第1の放射源および前記第2の放射源は、前記長手方向中心軸の反対側に取り付けられ(the first radiation source and the second radiation source are mounted on opposite sides of the longitudinal central axis)、前記第2の投射経路は、法線から第2の偏心だけオフセットしており、これにより、前記第2の放射源によって放出された放射線は、前記第1の表面に衝突し、前記第2の投射経路に対して第3の角度だけ逸らされ、前記レンズを通って第2の表面に衝突し続け、前記第2の投射経路に対して第4の角度だけ逸らされ、これにより、前記第3の角度と前記第4の角度の合計は、第2の発散角度に等しくなる(the second projected path is offset from the normal line by a second eccentricity, and whereby radiation emitted by the second radiation source strikes the first surface and is diverted by a third angle relative to the second projected path, continues through the lens to strike the second surface, and is diverted thereby by a fourth angle relative to the second projected path, and whereby a sum of the third angle and the fourth angle is equal to a second divergence angle)。
【0021】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記第1の放射源から逸らされ、前記ターゲット表面から反射された放射線は、前記第1の光受容器に衝突し、前記第1の光検出器に導かれ(radiation diverted from the first radiation source and reflected from the target surface strikes the first photoreceptor and is conducted to the first photodetector)、さらに、前記プローブ本体に取り付けられ、第2の光検出器と光通信する第2の光受容器をさらに含み(further comprising a second photoreceptor mounted in the probe body and in optical communication with a second photodetector)、前記第2の放射源から逸らされ、前記ターゲット表面から反射された放射線は、前記第2の光受容器に衝突し、前記第2の光検出器に導かれる(whereby radiation diverted from the second radiation source and reflected from the target surface strikes the second photoreceptor and is conducted to the second photodetector)。
【0022】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記第1の偏心及び前記第2の偏心の少なくとも一方は、前記レンズの屈折率、前記第1の放射源及び前記第2の放射源の少なくとも一方によって放射される放射線のそれぞれの周波数、並びに前記第1の曲率半径及び前記第2の曲率半径の少なくとも一方に基づいて決定される(at least one of the first eccentricity and the second eccentricity is determined based on an index of refraction of the lens, a respective frequency of the radiation emitted by the at least one of the first radiation source and the second radiation source, and at least one of the first radius of curvature and the second radius of curvature)。
【0023】
本開示のさらなる態様は、ガスタービンエンジンにおける回転構成要素のクリアランスを決定する方法(a method of determining clearance of a rotating component in a gas turbine engine)を提供する。前記ガスタービンエンジンは、圧縮機セクションから圧縮空気を供給される燃焼器セクションから高温ガスを供給されるタービンセクションを含む(the gas turbine engine including a turbine section supplied hot gas from a combustor section that is supplied compressed air from a compressor section)。本方法は、前記ガスタービンエンジンの静止構成要素にプローブアセンブリのプローブ本体を取り付けるステップ(mounting a probe body of a probe assembly in a stationary component of the gas turbine engine)と、前記プローブ本体の長手方向中心軸に平行な第1の投射経路に沿って放射線を選択的に放出する第1の放射源を前記プローブ本体に取り付けるステップ(mounting a first radiation source in the probe body that selectively emits radiation along a first projected path parallel to a longitudinal central axis of the probe body)と、前記プローブ本体の端部に、ターゲット表面が通過する場所に面するレンズを取り付けるステップ(mounting a lens at an end of the probe body and facing a location through which the target surface will pass)と、を含む。前記レンズは、第1の表面と、前記第1の表面から間隔を隔てた第2の表面とを有し(the lens having a first surface and a second surface spaced apart from the first surface)、前記第2の表面は、前記第1の表面よりも前記第1の放射源から離れており(the second surface is farther from the first radiation source than the first surface)、前記第1の表面および前記第2の表面の一方は、第1の曲率中心および第1の曲率半径を有する第1の曲面を含む(one of the first surface and the second surface including a first curved surface with a first center of curvature and a first radius of curvature)。前記第1の投射経路は、前記第1の投射経路に平行な第1の曲面の法線から第1の偏心だけオフセットされ(the first projected path is offset by a first eccentricity from a normal line of the first curved surface that is parallel to the first projected path)、それにより、第1の表面に衝突する放射線は、第1の投射経路に対して第1の角度だけ逸らされ、レンズを通って第2の表面に衝突し続け、それにより第2の角度だけ逸らされ、放射線は、第1の曲面を通過し、それにより、第1の角度と第2の角度の合計は、第1の発散角度に等しい(whereby radiation striking the first surface is diverted by a first angle relative to the first projected path, continues through the lens to strike the second surface, and is diverted thereby by a second angle, the radiation having passed through the first curved surface, and whereby a sum of the first angle and the second angle is equal to a first divergence angle)。本方法は、前記プローブ本体に、第1の光検出器と光通信可能な第1の光受容器を取り付けるステップ(mounting a first photoreceptor in the probe body in optical communication with a first photodetector)と、前記第1の光検出器により、前記ターゲット表面の第1の位置で前記ターゲット表面から反射された前記第1の放射源からの放射線を検出するステップ(detecting with the first photodetector radiation from the first radiation source that is reflected from the target surface at a first location of the target surface)と、前記第1の放射源からの前記反射放射線の検出を用いて前記回転構成要素のクリアランスを決定するステップ(determining a clearance of the rotating component using the detection of the reflected radiation from the first radiation source)。
【0024】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記プローブ本体の長手方向中心軸に平行な第2の投射経路に沿って放射線を選択的に放出する第2の放射源を前記プローブ本体に取り付けるステップ(mounting a second radiation source in the probe body that selectively emits radiation along a second projected path parallel to the longitudinal central axis of the probe body)をさらに含み、前記第2の投射経路は、前記第2の投射経路に平行な第1の曲面の法線から第2の偏心だけオフセットされ(the second projected path is offset by a second eccentricity from the normal line of the first curved surface that is parallel to the second projected path)、これにより、第1の曲面に当たった放射線は、第2の投射経路に対して第3の角度だけ逸らされ、レンズを通って第2の曲面に当たり続け、それにより第4の角度だけ逸らされ(whereby radiation striking the first surface is diverted by a third angle relative to the second projected path, continues through the lens to strike the second surface, and is diverted thereby by a fourth angle)、前記放射線は前記第1の曲面を通過し(the radiation having passed through the first curved surface)、前記第3の角度と前記第4の角度の和が第2の発散角度に等しくなり(and whereby a sum of the third angle and the fourth angle is equal to a second divergence angle)、方法は、前記プローブ本体に、第2の光検出器と光学的に通信可能な第2の光受容器を取り付けるステップ(mounting a second photoreceptor in the probe body in optical communication with a second photodetector)と、前記第2の光検出器で、前記ターゲット表面の第2の位置で前記ターゲット表面から反射された第2の放射源からの放射線を検出するステップ(detecting with the second photodetector radiation from the second radiation source that is reflected from the target surface at a second location of the target surface)とを含み、前記回転構成要素の前記クリアランスを決定するステップは、前記第2の放射源からの反射放射線の検出を使用するステップを含む(determining the clearance of the rotating component includes using the detection of the reflected radiation from the second radiation source)。
【0025】
本開示の別の態様は、先行する態様のいずれかを含み、前記クリアランスを決定するステップは、到来時間技術を使用すること(determining the clearance includes using a time of arrival technique)を含む。
【0026】
本開示に記載されている2つ以上の態様は、本要約部に記載されているものを含め、本明細書に特に明記されていない実施態様を形成するために組み合わされてもよい。
【0027】
1つまたは複数の実施態様の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴、目的および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて取られる本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から、より容易に理解されるであろう。
【
図1】本開示の実施形態が採用可能なガスタービンエンジンの断面側面図である。
【
図2】
図1に示すようなガスタービンエンジンのタービンの静止構成要素の等角立面図であり、ガスタービンエンジンのタービンの回転ブレードの先端のクリアランスを決定するために本開示の実施形態を採用し配置することができる先端クリアランスプローブを示す。
【
図3】本開示の実施形態に従って使用することができる先行技術の「到来時間」先端クリアランス判定技術を概略的に示している。
【
図4】本開示の実施形態が改良する、放射線を逸らせるための従来技術の配置を示す。
【
図5】本開示の実施形態が改良する、放射線を逸らせるための従来技術の配置を示す。
【
図6】本開示の実施形態が改良する、放射線を逸らせるための従来技術の配置を示す。
【
図7】本開示の実施形態による放射線ダイバーティング装置(radiation diverting apparatus:放射線迂回装置)の概略断面図である。
【
図8】本開示の実施形態による放射線ダイバーティング装置の概略断面図である。
【
図9】本開示の実施形態による放射線ダイバーティング装置の概略断面図である。
【
図10】本開示の実施形態による放射線ダイバーティング装置の概略断面図である。
【
図11】本開示の実施形態によるプローブアセンブリの概略等角図であり、アセンブリの視認性を向上させるために、いくつかの構成要素の透明化を含む。
【
図12】単一の光検出器が採用され得る、本開示の他の実施形態によるプローブアセンブリの概略図である。
【0029】
本開示の図面は必ずしも縮尺通りではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同様の番号は、図面間の同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
最初の事項として、本開示を明確に説明するために、ガスタービン用のセンサ配置において光ファイバの端部から放出される光を方向付けるなど、光源から光を逸らさせる(diverting light from a source)ための方法および装置の例示的な応用例内で関連する機械構成要素を参照および説明する際に、特定の用語を選択することが必要になる。その際、可能であれば、一般的な業界用語が使用され、その受け入れられた意味と一致する方法で採用される。特に断らない限り、このような用語は、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲と一致する広範な解釈が与えられるべきである。当業者であれば、特定の構成要素が複数の異なる用語または重複する用語を用いて言及されることが多いことを理解するであろう。本明細書において単一の部品であると説明されるものは、別の文脈では複数の部品から構成されるものを含み、参照される場合がある。あるいは、本明細書において複数の構成要素を含むものとして説明されているものが、他の箇所では単一部品として言及されている場合もある。
【0031】
加えて、いくつかの説明的な用語が本明細書で常用されることがあるが、本節の冒頭でこれらの用語を定義しておくと役に立つだろう。これらの用語およびその定義は、特に断りのない限り、以下の通りである。本明細書で使用する「下流」および「上流」は、ターボマシンを通る作動流体、または例えば、燃焼器を通る空気の流れ、またはターボマシンの構成システムの1つを通る冷却材の流れなどの流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れ方向に対応し、「上流」という用語は、流れと反対の方向を指す。前方」および「後方」という用語は、それ以上の特定はなく、方向を指し、「前方」または「前部」は、ターボマシンの前方または圧縮機端を指し、「後方」または「後部」は、ターボマシンの後方またはタービン端を指す。
【0032】
中心軸に対して半径方向の位置が異なる部品について説明する必要がある場合が多い。「軸方向」という用語は、軸、例えばターボマシンの軸に平行な移動または位置を指す。「半径方向」という用語は、軸、例えばターボマシンの軸に垂直な移動または位置を指す。このような場合、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸に近い位置にある場合、本明細書では、第1の構成要素が第2の構成要素の「半径方向内側」または「インボード」にあると述べる。一方、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸から遠くに存在する場合、本明細書では、第1の構成要素が第2の構成要素の「半径方向外側」または「アウトボード」にあると記載することができる。最後に、「周方向」という用語は、軸周りの移動または位置、例えば、ターボマシンの軸を中心に延びるケーシングの周方向内面を指す。上に示したように、このような用語は、ターボマシンの軸に関連して適用され得ることが理解されよう。
【0033】
さらに、本明細書では、以下に説明するように、いくつかの説明的用語が規則的に使用される場合がある。「第1」、「第2」、および「第3」という用語は、1つの構成要素を別の構成要素から区別するために互換的に使用されることがあり、個々の構成要素の位置または重要性を意味することを意図していない。
【0034】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書において使用される場合、用語「含む」および/または「含んでいる」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう“任意に”または“任意の”とは、その後に記述される事象または状況が発生してもしなくてもよいこと、またはその後に記述される構成要素または要素が存在してもしなくてもよいこと、およびその記述が、事象が発生するまたは構成要素が存在する例と、事象が発生しないまたは構成要素が存在しない例とを含むことを意味する。
【0035】
ある要素または層が、他の要素または層に「載っている」、「係合されている」、「接続されている」、「結合されている」、または「取り付けられている」と言及される場合、他の要素または層に直接載っている、係合されている、接続されている、結合されている、または取り付けられている可能性があり、介在する要素または層が存在する可能性がある。対照的に、ある要素が他の要素や層の上に「直接」、「直接係合」、「直接接続」、「直接結合」されている場合、介在する要素や層は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も同様に解釈されるべきである(例えば、「間」対「直接間」、「隣接」対「直接隣接」など)。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つまたは複数のあらゆる組み合わせを含む。本明細書において、「結合」および「搭載」の動詞の形は、互換的に使用され得る。
【0036】
上述したように、本明細書において「光受容器:photoreceptor」は、光を集めて送る(collect and transmit light:収集して伝達する)ことができる光学部品を指すために使用され、「光検出器:photodetector」は、光への曝露(exposure to light:光に曝されること)に応答して信号を生成する電子デバイスを指すために使用される。
【0037】
図1に見られるように、ガスタービンエンジン50は、圧縮機セクション51とタービンセクション52とを含むことができる。圧縮機セクション51からの圧縮空気は燃焼器セクション53に供給され、そこで燃料が燃焼されて高温ガスが生成され、タービンセクション52に供給される。タービンセクション52は、高温ガスの軸方向の流れを回転運動に変換する回転ブレード120を含み、この回転ブレード120は、シャフト54を介して圧縮機セクション53および負荷Lを駆動するのに用いられる。
【0038】
特にタービンセクション52では、
図2をさらに参照して、ブレード120の先端122とガスタービンエンジン50の静止構成要素103との間のクリアランスが監視される。そのために、
図2に示されるように、本体102から第1および第2の放射ビームB
1、B
2を放射するプローブ100を静止構成要素103に取り付けることができる。本体102は、放射源とみなすことができ、実施形態では、レーザなどの放射線エミッタを含むことができる。他の実施形態では、放射源(radiation source)108は、光ファイバケーブルなどの光導体(optical conductor)101を介して本体102に接続することができる。放射源108は、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)レーザなどの1つまたは複数のレーザを含むことができるが、他の適切な放射エミッタを含むこともできる。
図3に概略的に見られるように、実施形態は、静止構成要素103とブレード120の先端122との間のクリアランス距離D
bladeを決定するために「到来時間:time of arrival」技術を採用することができる。この技法は、エンジンの運転中にブレード先端が実際のブレードと比較して非常に遅い速度で移動する較正リグによって典型的に使用される。第1および第2の放射ビームB
1、B
2は、既知の角度θ、γで本体102から出ている。ブレード120が回転方向RDに回転すると、最初にビームB
1、次にビームB
2を通過し、反射放射線B′
1、B′
2(破線:dashed lines)が生じる。実施形態では、反射放射線B′
1、B′
2は、第1および第2の放射ビームB
1、B
2を通過するブレード120の先端122によって生成され得るが、ビームB
1、B
2のいずれかによって打たれるブレード120の任意の部分が放射線を反射し得る。反射された放射線B′
1、B′
2は、それ自体がビームの形でない場合もあり、あるいは非常に発散したビームである場合もあることに注意されたい。1つまたは複数の光受容器(photoreceptors)104を、本体102内またはその周囲に配置し、それぞれの光検出器107と光通信して、反射された放射線B′
1、B′
2を検出することができる。本明細書で使用される光受容器104の例は、光検出器(photodetectors)107をガスタービンエンジンの高温ガス経路のような本体102の端部の環境から安全な距離に取り付けることができるように、受信した放射線をそれぞれの光検出器107に伝導する光ファイバを含むことができる。
図3の下部のグラフに見られるように、光検出器107の信号強度は、ブレード120が各ビームに入るにつれて増加し、水平になり、ブレード120が各ビームから離れるにつれて減少する。初期最大または最大に近い信号強度値を使用して、各ビームB
1、B
2へのブレード120の到来を示すことができる。到来間の経過時間Δtを決定することができ、これは、
図3に示唆されているように、到来時のブレード先端の物理的位置間の距離D
Δtと直接的に変化する。距離D
Δt自体は、静止構成要素103と同様に、本体102の端部からのブレード120の先端122のクリアランス距離D
bladeによって変化し、Δt、エンジン速度、およびブレード先端の半径などのパラメータによって変化する。したがって、閾値距離(threshold distance)D
Δtを使用して、クリアランスが小さくなりすぎたことを示すことができる。したがって、経過時間Δtは、先端122と静止構成要素103との間のクリアランス距離 D
bladeの尺度(測定長さ/メジャー:measure)として使用することができる(The elapsed time Δt can therefore be used as a measure of a clearance distance Dblade between tip 122 and stationary component 103)。例えば、コントローラは、到来時間における到来間の経過時間Δt対ブレード先端位置間の距離D
Δtの記憶されたルックアップテーブルなどを含むことができ、光検出器107の信号を使用して到来間の経過時間Δtを決定することができ、決定された経過時間Δtに対するクリアランス値D
bladeを提供することができる(For example, a controller can include a stored look-up table or the like of elapsed time Δt between arrivals vs. distance DΔt between blade tip location at the times of arrival, can determine an elapsed time Δt between arrivals using the signal of photodetector 107, and can provide a clearance value Dblade for the determined elapsed time Δt:例えば、コントローラは、到着間の経過時間Δtと到着時のブレード先端位置間の距離D
Δtとの関係を示す格納されたルックアップテーブルなどを含めることができ、光検出器107の信号を使用して到着間の経過時間Δtを決定し、決定された経過時間Δtに対するクリアランス値D
bladeを提供することができる)。言い換えれば、2つの到来時間間のΔtは、較正によって決定されたクリアランス距離D
blade(the clearance distance Dblade, as determined through calibration)に比例する。
【0039】
同じタイプのプローブが他の測定に発散レーザ光を使用できることに留意すべきである。例えば、このようなプローブは、ブレードの振動を測定するために使用することができるブレードスパンの割合、典型的には90%など、先端以外のブレード上の位置で測定値を取得するために使用することができる。このような用途では、プローブからのビームは、スパンの割合、ここでは基端から先端までの距離の90%にあるブレードの前縁または後縁に向けられる。この場合、プローブは、ブレードの側面(エッジ)に焦点を合わせる角度でレーザ光を照射できるように、ブレード先端の軸方向前方または後方に配置することができる。この技術は、ブレード先端のタイミングやエアロメカニクスの振動測定のために実施されることがある。
【0040】
ダイバートビーム(diverted beams)とも呼ばれる放射ビーム(radiation beams)B
1、B
2をそれぞれの角度でプローブ100から出射させるために、いくつかのアプローチがとられてきた。例えば、
図4に見られるように、ミラー103′を初期ビームB
0の経路に配置して、その経路P
0から逸らせることができる。しかし、ミラーの屈折と反射の結果、初期ビームB
0は、ダイバートビームB
1に反射されるときに、ますます発散して減衰し(becomes increasingly divergent and attenuated)、その結果、上述のようなプローブで使用されるときに、ブレードからの反射が弱くなる。
図5に見られるように、ミラー103′をプリズム105に置き換えると、初期ビームB
0とダイバートビームB
1との間と同様に発散が増加し(increases in divergence)、プリズム105を通した初期ビームB
0の屈折と反射により、再び反射放射が弱くなる。
図6に見られるより最近のアプローチでは、レンズ134が追加され、初期ビームB
0をプリズム105の中心と一致する焦点Wに集光する。第1の位置105aでは、プリズム105は初期ビームB
0を逸らさない(does not divert)が、プリズム105を第2の位置105bに回転させることにより、初期ビームB
0を逸らせることができる(can be diverted)。
図6の配置でも初期ビームB
0は発散するが、レンズ134によって発散(divergence)は減少し、ダイバートビームB
1の反射は、
図4および
図5の実施例による結果よりも強くなる。
【0041】
図6に示す例は、光学およびレンズのよく知られた原理、特に、媒体が異なる屈折率を有する場合に、光がある媒体から別の媒体に横切る際の光の屈折を利用したものである。例えば、空気中を進行する光線がガラス板に当たると、光線は、スネルの法則(Snell’s law)に従って、光線が当たった位置でガラス表面に垂直な法線に向かって曲がる。
【0042】
【数1】
あるいは
(1)
ここで、n
iは空気の屈折率、θ
iは光線が法線となす角度、n
Rはガラスの屈折率、θ
Rは曲げられた光線が法線となす角度である。空気の屈折率は1であり、一般的なガラスの屈折率は約1.5である。光線がガラス面に垂直に入射する場合、光線は曲がったり逸れたりしない。しかし、光線がガラス板に垂直でない角度で入射した場合、光線は次のように角度ωだけ曲がると言える。
【0043】
【数2】
(2)
周知のように、材料の屈折率nは屈折する放射線の波長によって変化するのが一般的であり、これがプリズムが太陽光で虹を発生させる理由である。従って、正確さを期すためには、屈折する放射線の特定の波長または周波数に対する材料の屈折率を使用することができる。スネルの法則は表面の形状に関係なく成り立つため、レンズやその他の光学素子にも適用できる。
【0044】
図7~
図10は、初期ビームによって経験される発散の量(amount of divergence:乖離量)をさらに低減するためにレンズの屈折特性を利用する、本開示の実施形態による放射線ダイバート装置200の例を示す。装置200の放射源208は、装置200が発散角度(divergence angle:ダイバージェンス角度)θだけ初期ビームB
0を発散させることができる本体202を通る投射経路P
0に沿って、初期ビームB
0などの放射線を選択的に放出することができる。例えば、装置200は、第2の表面240が第1の表面236よりも放射源208から遠くなるように、投射経路P
0に沿って離間した第1の表面236及び第2の表面240を有するレンズ234を含むことができる。実施形態において、第1の表面236(放射源208の近位)は、第1の曲率中心C
1および第1の曲率半径R
1を有する第1の曲面を含むことができる。第1の表面236は、投射経路P
0に平行な法線Nに対して第1の表面236が垂直(「法線」または90°の角度)である法線点(normal point:ノーマルポイント)238を有することができる。投射経路P
0が法線点238と交差する場合、初期ビームB
0は、方向を変えることなく第1の表面236を通過する。
【0045】
しかしながら、本開示の実施形態は、法線Nと投射経路P0との間の距離である偏心(eccentricity:離心)Eだけ、法線点238を投射経路P0からオフセットする。初期ビームB0のような放射源208からの放射線は、投射経路P0に対して非法線角度(non-normal angle)である位置で第1の表面236に衝突する。その結果、第1の表面236に衝突する初期ビームB0が、中間経路P2に続く中間ビームI2のように、法線N及び投射経路P0に対して第1の角度αだけ逸らすことができるように屈折が生じる。第1の角度αは、空気およびレンズ材料の屈折率をそれぞれ1および1.5と仮定して、上記の式(2)を使用して特定することができる。
【0046】
【0047】
中間ビームI2の逸らされた放射線は、第2の表面240(放射源208の遠位)に続く(continue)ことができ、第2の表面240上の位置に対する局所法線に対して非法線角度で第2の表面240に入射すると、中間ビームI2を屈折させる。したがって、空気およびレンズ材料の屈折率が式(3)と同じ値であり、局所法線との入射角θ1を仮定すると、中間ビームI2は、次式に従って特定される角度θ2だけ屈折する。
【0048】
【数4】
(4)
そして、中間ビームI
2 は、次のように、ダイバーティング経路P
1 に従って、ダイバーティングビームB
1 に第2の角度βだけ逸らされると言うことができる。
【0049】
【数5】
(5)
ビームB
0、B
1、I
2、B
2(後者は
図12に示されている)について示された角度は例示的なものであり、ビームが逸らされる実際の角度として解釈されるべきではないことに留意されたい。第1表面236または第2の表面240のいずれかに90°の角度で当たった放射線は屈折しない。
【0050】
実施形態において、偏心Eは、レンズ234の屈折率、放射源208によって放射される放射線の周波数、及び第1の表面236の第1の曲率半径R
1に基づいて決定され得る。第1および第2の角度α、βは、上記の式(2)のスネルの法則の変形と、第1および第2の表面236、240の曲率があればそれを用いて決定することができる。あるいは、特に、
図7~
図11の例よりも複雑なレンズおよびシステムの場合、代わりに、光学シミュレーションソフトウェアを使用するなどして推定を行った後、較正によって偏心量Eを決定することが有利であり得る。第1の表面236は、
図7に示されるように、球状であり得るが、放物線、双曲線、または好適および/もしくは所望され得る他のタイプの曲率などの他の曲率を有し得る。第1の表面236は、
図11に示されるように、そのように所望されるおよび/または適切であれば、代わりに平面であり得る。
【0051】
さらに、実施形態における第2の表面240は、第2の曲面を含むことができ、この曲面は、それぞれの第2の曲率中心C
2およびそれぞれの第2の曲率半径R
2を有することができる。実施形態において、第2の曲率中心R
2は、
図7および
図8に見られるように、第2の表面240と放射源208との間にあることができるが、他の実施形態において、第2の表面240は、
図10に見られるように、放射源208と第2の曲率中心C
2との間にあることができる。さらに他の実施形態では、
図9に示されるように、第2の表面240は平面であり得る。別法として、
図11に示されるように、第1の表面236は平面とすることができ、第2の表面240は曲面を有することができる。
【0052】
さらに、
図8に示されるように、いくつかの実施形態では、レンズ234の全体的なサイズを小さくするため、および/またはレンズ234の取り付けを簡単にするためなど、第1の表面236と第2の表面240との間に延在する線状面242、244を有することが有利であり得る。
図8の例では、直線面(linear surfaces)242、244は、断面で見て、第1および第2の表面236、240の間に形成された直円柱(right circular cylinder)の外面(outer surface)とすることができる。他の実施形態では、直線面242、244は、球面レンズがレンズ234の平面側面を形成するために切断されたかのように平坦であることができる。第1の表面236と同様に、第2の表面240は、球面であることができるが、その代わりに、放物線、双曲線、または好適および/もしくは所望され得る任意の他のタイプの曲率を有することができる。いくつかの実施形態では、レンズ234は、
図7に示すように、第1および第2の表面236、240が、同心円状の曲率中心および等しい曲率半径R
1、R
2を有する実質的に同一のボールレンズ(ball lens)とすることができる。
【0053】
図8のような実施形態では、第1および第2の表面236、240は、等しい曲率半径R
1、R
2で、実質的に同一であり得るが、第1および第2の表面236、240間の距離は、いずれかの曲率半径の2倍よりも小さいかまたは大きくなり得る。すなわち、第1および第2の表面236、240は、ボールレンズの一部としてあるよりも近接または離間し得るが、それでもなお同一の曲面を有する。さらに、このような実施形態では、第1および第2の表面236、240は同一である必要はなく、
図10の例のように異なる曲率半径R
1、R
2を有し得ること、あるいは好適および/または所望のように異なるタイプの曲率を有し得ることに留意すべきである。
【0054】
本開示の実施形態は、
図3を参照して上述した到来時間測定技術を採用することができる、
図11に概略的に示すプローブアセンブリ300において一緒に使用することができる。例えば、第1の装置200および第2の装置200′は、アセンブリ本体302内に互いに平行に配置され得る。実施形態では、第1および第2の装置200、200′は、上述したように実質的に同一とすることができるが、それぞれの初期ビームB
0、B′
0を初期経路P
0、P′
0から等しい第1および第2の発散角度θ、γだけ反対方向に発散させてダイバートビームB
1、B′
1を生成するように、互いにミラーリングするように取り付けることができる。
図11に見られるように、プローブアセンブリ300は、反射された放射線B
2 、B′
2 をそれぞれの光検出器307、307′に導くように構成された、光通信可能に取り付けられた光受容器304、304′をさらに含むことができる。光検出器307、307′は、それによって、回転方向RDにおいて位置Jから位置Kに移動するブレード120の先端122の表面などのターゲット表面から反射され、光検出器304、304′によってそれらに伝えられる放射線B
2、B′
2を検出することができる。反射された放射線B
2、B′
2の検出に応答して、光検出器307、307′は、ライン306、306′に沿ってコントローラ326にそれぞれの電気信号を送ることができる。
【0055】
コントローラ326は、ライン306、306′上の各信号の第1の最大値または最大値に近い値を使用して、各ビームB
1、B′
1におけるブレード120の先端122のそれぞれの到来時間を示すことができる。次いで、コントローラ326は、反射ビームB
2,B′
2の到達間の経過時間Δtを使用して、ルックアップテーブルを使用するなどして、先端クリアランスD
bladeを決定することができる。第1及び第2の装置200、200′は同一である必要はなく、第1及び第2の発散角度θ、γは、好適及び/又は所望の場合には等しい必要はないことに留意すべきである。加えて、
図11は2つのレンズ234、234′の使用を示しているが、同じビーム発散角度は、代わりに、適切なスケーリング及び回転を伴う、
図10に示されるものと同様のもの等の単一のレンズで達成され得る。さらに、
図7~
図10の例では、投射ビーム経路B
0に平行な中心線を持つ各レンズを示しているが、
図11に見られるように、レンズ234の1つ以上を投射ビーム経路B
0に対して回転させることも可能である。
【0056】
代替プローブアセンブリ400が
図12に示されており、このプローブアセンブリでは、プローブ本体402が静止構成要素(例えば、
図2に103として示されているケーシング)に取り付けられ、ブレード120の先端122の表面などのターゲット表面が通過する場所に面するプローブ本体402の端部に取り付けられたレンズ434を含むことができる。レンズ434は、第1の曲率中心C
1、第1の曲率半径R
1を有する第1の表面436を含むことができ、第1の表面436よりもプローブの端部から遠い第2の表面440を含むこともできる。第2の表面440は、第1の曲率半径R
1(
図7および
図8に示すように)と等しい第2の曲率半径R
2、または第1の曲率半径R
1(
図10に示すように)と異なる第2の曲率半径Rを有することができる。
【0057】
プローブ本体402に近接して、またはプローブ本体402内に取り付けられた第1の放射源408は、プローブ本体402の長手方向中心軸に平行な第1の投射経路P0 に沿って、第1の初期ビームB0などの放射線を選択的に放出することができ、ここでは、法線Nが垂直であるレンズ434の法線点438を通る法線Nと共線(colinear)として図示されている。第1の投射経路P0は、法線Nに平行であり、法線Nから第1の偏心E1だけオフセットすることができ、これにより、第1の表面436に衝突する放射線は、第1の投射経路P0に対して第1の角度α1だけ逸らすことができる。第1の初期ビームB0から逸らされた放射線は、中間ビームI2としてレンズ434を通って中間経路P2に沿って進み、第2の表面440に衝突することができ、それによって第2の角度β1だけ逸らされることができる。第1の角度α1と第2の角度β1の和は、第1の発散角度(divergence angle)θに等しい。ビームB1は、レンズ434の第2の表面440からブレード120のターゲット表面122(例えば、先端)まで進行し、ターゲット表面122から反射ビームB2として反射され、光受容器404に照射される。
【0058】
本開示の実施形態において、第1の表面436は、球状であり得、かつ、プローブアセンブリ400の長手方向中心軸でもある法線N上の第1の表面の曲率中心C
1と同心である。加えて、上述の他の実施形態と同様に、第1の偏心量E
1は、較正および/または試行錯誤に基づいて決定することができる。あるいは、第1の偏心量E
1は、上記の式(6)と、レンズ434の屈折率と、第1の放射源408によって放射される放射線の周波数と、第1の表面436の曲率半径R
1とを用いて決定することができる(例えば、
図7~
図10に示すように)。
【0059】
プローブアセンブリ400は、
図3を参照して上述したように、到来時間測定技術を採用することができる。そのために、
図12に示されるように、第1の光受容器404をプローブ本体402に取り付け、第1の光検出器407と光通信を行い、第1の放射源408からダイバートされた放射線B
1、ブレード120の先端122の表面などのターゲット表面からビームB
2として反射された放射線が第1の光受容器404に当たり、第1の光検出器407に伝導されるようにすることができる。
【0060】
第2の表面440は、それぞれの第2の曲率半径R
2、および、それぞれの曲率中心C
2を有することができる。これは、第1の曲率半径R
1、およびそれぞれの曲率中心C
1と同じであってもよいし、そうでなくてもよい。実施形態では、第2の曲率中心C
2は、プローブ本体402と第2の表面440の間にあることができ、第2の表面440は、第1の表面436よりもプローブ本体402の端部から遠いようにすることができる。例えば、レンズ434は、その中心がプローブ本体402の長手方向の中心軸N上に位置するように取り付けられた球面レンズまたはボールレンズとすることができ、これは、第1の初期ビームB
0の投射経路P
0に対するレンズ434の法線Nでもある。プローブアセンブリ400をよりコンパクトにするため、および/または、取り付けの検討を容易にするために、レンズ434は、
図8に図示され、上述された例と同様に、第1および第2の曲面436、440の間に延在する非球面を含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、プローブ本体402の長手方向中心軸と一致する法線Nに平行な第2の投射経路P′0に沿って、第2の初期ビームB′0などの放射線を選択的に放出することができる第2の放射源408′も、プローブ本体402に取り付けることができる。プローブアセンブリ400内では、第1の放射源408と第2の放射源408′は法線Nの反対側に取り付けることができ、第2の投射経路P′0は法線Nから第2の偏心E2だけオフセットさせることができる。第1の偏心量E1と同様に、第2の偏心量E2は、較正および/または試行錯誤によって決定することができ、あるいは、レンズ434の屈折率、第2の放射源408′によって放射される放射線のそれぞれの周波数、および第2の曲率半径R2に基づくことができる。このように構成されることにより、第2の放射源408′によって放出された放射線は、第1の表面436に衝突することができ、第2の投射経路P′0に対して第3の角度α2だけ逸らすことができる。第2の初期ビームB′0からの逸らされた放射は、レンズ434を通って第2の表面440に衝突し続けることができ、それによって第4の角度β2だけ逸らされることができ、これは式(5)を用いて決定することができる。第3の角度α2と第4の角度β2の和は、第2の投射経路P′0に対する第2の発散角度(divergence angle)γに等しくなり得る。
【0062】
第1の光受容器404は、ブレード120の先端122の表面などのターゲット表面から逸らされ、ターゲット表面から反射された第1および第2の放射源408、408′の少なくとも一方からの放射線が第1の光受容器404に当たることができるように、プローブアセンブリ400に取り付けることができる。上に示したように、第1の光受容器404は、第1の光検出器407と光通信し、そこに放射線を伝えることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の放射源408、408′の両方から発生され、ブレード120の先端122の表面などのターゲット表面から反射された放射線が、第1の光受容器404に当たることができる。しかしながら、他の実施形態では、
図11の例に示す構成と同様な構成など、適切かつ/または所望であれば、2つ以上の光受容器404およびそれぞれの光検出器407を使用することができる。従って、第2の光受容器404は、ビームB′
1として第2の放射源408′から逸らされ、ビームB′
2としてターゲット表面から反射された放射線が第2の光受容器404に当たり、第2の光検出器407′に伝えられるように、第2の光検出器407′と光学的に連絡してプローブ本体402に取り付けられ得る。
【0063】
本開示の実施形態では、
図12に示されるように、レンズ434を使用して、反射された放射B
2、B′
2を、それぞれの光受容器404を介して、第1の光検出器407(および任意選択で第2の光検出器407′)などの1つまたは複数の光検出器に向けることができる。
図11に示す例と同様に、各光検出器407は、1つまたは複数のライン406、406′を介してコントローラ426と電気的に通信することができ、反射ビームB
2、B′
2の1つまたは複数を検出したときに、ライン406、406′の電気的特性を変化させるなどして信号をコントローラ426に送信することができる。コントローラ426は、信号を使用して、上述の到来時間測定技術に従って、ダイバートビームB
1、B′
1の各々における先端122の到達間の経過時間Δtを決定し、先端クリアランスD
bladeを決定することができる。
【0064】
本開示の実施形態は、様々な技術的及び商業的利点を提供し、その例は、本明細書において議論される。実施形態の技術的効果は、放射源からの放射後、そうでなければたどるであろう投射経路または初期経路からの放射ビームの簡素化された転用である。本開示の実施形態を使用するアセンブリは、従来技術の配置よりも少ない部品および低い費用で、1つまたは複数の放射ビームを逸らすことができる。特に、実施形態は、ガスタービンエンジンにおけるタービンブレードの先端クリアランスを測定するための到来時間測定技術を使用するプローブなど、距離を測定するために使用されるプローブにおいて使用することができる。
【0065】
本明細書および特許請求の範囲を通じて使用される近似的な表現は、それが関連する基本的な機能の変化をもたらすことなく許容可能に変化し得るあらゆる定量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約」、「およそ」、「実質的に」などの用語によって修正される値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似的な表現は、値を測定するための機器の精度に対応することがある。本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、範囲の限定は組み合わされ、及び/又は交換される場合がある。このような範囲は、文脈又は文言が別段のことを示さない限り、特定され、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含む。範囲の特定の値に適用される“約”または“およそ”は、両端値に適用され、値を測定する機器の精度に依存しない限り、記載された値の±10%を示す場合がある。
【0066】
以下の特許請求の範囲におけるすべての手段またはステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為、および等価物は、具体的に特許請求されるように、他の特許請求される要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むことを意図している。本開示の説明は、例示および説明の目的で提示されたが、開示された形態での開示について網羅的または限定的であることを意図するものではない。本開示の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。実施形態は、本開示の原理およびそのような技術の実際的な適用を最もよく説明するために、また、当業者であれば、本開示の様々な実施形態および開示された実施形態の様々な修正の可能性を理解することができるように、企図された特定の使用(単数または複数)に適するように、選択され、説明された。
【符号の説明】
【0067】
50:ガスタービンエンジン 51:圧縮機セクション 52:タービンセクション 53:燃焼器セクション 54:シャフト 100、300、400:プローブ/プローブアセンブリ 101:光導体 102、202、302、402:本体 103:静止構成要素 103′:ミラー 104、304、304′:光受容器 105:プリズム 105a:第1の位置 105b:第2の位置 107、307、307′、407、407′:光検出器 108、208、408、408′:放射源 120:回転ブレード 122:先端 134、234、434:レンズ 200:放射線ダイバート装置 236、436:第1の表面 238、438:法線点 240、440:第2の表面 242、244:直線面 306、306′、406、406′:ライン 326、426:コントローラ B0:初期ビーム B1:第1の放射線ビーム B2:第2の放射線ビーム B′1:第1の反射放射線 B′2:第2の反射放射線 C1:第1の曲率中心 C2:第2の曲率中心 Dblade:クリアランス距離 E:偏心 I2:中間ビーム J、K:位置 L:負荷 N:法線 P0:投射経路 R1:第1の曲率半径 R2:第2の曲率半径 RD:回転方向 W:焦点 α:第1の角度 β:第2の角度 Δt:経過時間 θ、γ:角度
【外国語明細書】