(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006835
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】洗髪用化粧料及び洗髪用化粧料収納製品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/39 20060101AFI20250109BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20250109BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20250109BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20250109BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20250109BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61K8/39
A61K8/46
A61K8/44
A61K8/73
A61K8/81
A61Q5/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107847
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】小槻 悠介
(72)【発明者】
【氏名】三浦 昭晃
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC312
4C083AC422
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD132
4C083AD352
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB07
4C083BB34
4C083CC38
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】洗髪用化粧料について、シリコンを含有しない場合においても、洗髪後の毛髪の指通りを改善し易くする。
【解決手段】PPG-5-ラウレス-5と、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルと、を含有する。PPG-5-ラウレス-5を、0.025質量%以上、0.100質量%以下含有し、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルを、0.025質量%以上、0.100質量%以下含有することが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PPG-5-ラウレス-5と、
PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルと、
を含有することを特徴とする洗髪用化粧料。
【請求項2】
前記PPG-5-ラウレス-5を、0.025質量%以上、0.100質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の洗髪用化粧料。
【請求項3】
前記PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルを、0.025質量%以上、0.100質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の洗髪用化粧料。
【請求項4】
陰イオン界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の洗髪用化粧料。
【請求項5】
両面界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の洗髪用化粧料。
【請求項6】
非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の洗髪用化粧料。
【請求項7】
カチオン化ポリマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の洗髪用化粧料。
【請求項8】
C14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウムと、
ココイルグルタミン酸二ナトリウムと、
コカミドプロピルベタインと、
ラウレス-2と、
ポリオクタニウム-10と、
ポリオクタニウム-47と、
を含有することを特徴とする請求項1に記載の洗髪用化粧料。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の洗髪用化粧料が容器に収納されていることを特徴とする洗髪用化粧料収納製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗髪用化粧料及び洗髪用化粧料収納製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、毛髪の洗浄の際に使用するシャンプー等の洗髪用化粧料には、洗髪後の毛髪の指通り(指又は櫛等の道具を使用して梳かす際の毛髪の滑らかさ)を改善するためのエモリエント剤として、シリコンが配合されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシリコンが配合された洗髪用化粧料は、シリコンの毛髪への蓄積等を嫌うユーザからは避けられる場合もあることから、シリコンを配合することなく、洗髪後の毛髪の指通りを改善した洗髪用化粧料が求められていた。
【0005】
本発明の課題は、洗髪用化粧料について、シリコンを含有しない場合においても、洗髪後の毛髪の指通りを改善し易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、洗髪用化粧料において、
PPG-5-ラウレス-5と、
PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルと、
を含有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の洗髪用化粧料において、
前記PPG-5-ラウレス-5を、0.025質量%以上、0.100質量%以下含有することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の洗髪用化粧料において、
前記PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルを、0.025質量%以上、0.100質量%以下含有することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の洗髪用化粧料において、
陰イオン界面活性剤を含有することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の洗髪用化粧料において、
両面界面活性剤を含有することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の洗髪用化粧料において、
非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の洗髪用化粧料において、
カチオン化ポリマーを含有することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の洗髪用化粧料において、
C14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウムと、
ココイルグルタミン酸二ナトリウムと、
コカミドプロピルベタインと、
ラウレス-2と、
ポリオクタニウム-10と、
ポリオクタニウム-47と、
を含有することを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、洗髪用化粧料収納製品において、
請求項1から8のいずれか一項に記載の洗髪用化粧料が容器に収納されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、洗髪用化粧料について、シリコンを含有しない場合においても、洗髪後の毛髪の指通りを改善し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る洗髪用化粧料収納製品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態である洗髪用化粧料収納製品100について、
図1に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。なお、洗髪用化粧料が容器に収納されたものを洗髪用化粧料収納製品という。
また、洗髪用化粧料としては、シャンプー等、毛髪の洗浄時に人の毛髪に付着させて使用されるものを広く含む。
また、本明細書において、「~」を用いて記載する数値範囲は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含むものとする。
【0018】
[1 実施形態の構成]
洗髪用化粧料収納製品100は、
図1に示すように、洗髪用化粧料1が収納容器2内に収納されたものである。
【0019】
[(1) 洗髪用化粧料]
洗髪用化粧料1は、エモリエント剤と、陰イオン界面活性剤と、両面界面活性剤と、非イオン界面活性剤と、カチオン化ポリマーと、を含む。
【0020】
[a エモリエント剤]
洗髪用化粧料1は、毛髪を保湿し、その指通りを改善するためのエモリエント剤として、PPG-5-ラウレス-5と、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルと、を含有する。
【0021】
PPG-5-ラウレス-5は、ラウリルアルコールに酸化エチレン及び酸化プロピレンを付加重合したものである。
洗髪用化粧料1中のPPG-5-ラウレス-5の含有割合は、0.025質量%~0.100質量%であることが好ましく、コストを抑えつつ十分な効果を得る観点からは0.050質量%であることが特に好ましい。
【0022】
PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルは、ラウリルエポキシドとグリコールの反応生成物に酸化エチレン及び酸化プロピレンを付加したものであり、それぞれの平均付加モル数は9及び1である。
洗髪用化粧料1中のPPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルの含有割合は、0.025質量%~0.100質量%であることが好ましく、コストを抑えつつ十分な効果を得る観点からは0.050質量%であることが特に好ましい。
【0023】
[b 陰イオン界面活性剤]
洗髪用化粧料1は、陰イオン界面活性剤として、C14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウムと、ココイルグルタミン酸二ナトリウムと、を含有する。
【0024】
C14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウム(オレフィン(C14-16)スルホン酸Na)は、炭素数14-16(C14-16)のα-オレフィンをスルホン化したアルキルスルホン酸のナトリウム塩の混合物である。
【0025】
ココイルグルタミン酸二ナトリウムは、ココイルグルタミン酸のジナトリウム塩である。
【0026】
[c 両面界面活性剤]
洗髪用化粧料1は、両面界面活性剤として、コカミドプロピルベタインを含有する。
【0027】
コカミドプロピルベタインは、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンをカルボキシメチル化して得られる両性化合物(分子内塩)である。
【0028】
[d 非イオン界面活性剤]
洗髪用化粧料1は、非イオン界面活性剤として、ラウレス-2を含有する。
【0029】
ラウレス-2は、ラウリルアルコールのポリエチレングリコールエーテルである。
【0030】
[e カチオン化ポリマー]
洗髪用化粧料1は、カチオン化ポリマーとして、ポリオクタニウム-10と、ポリオクタニウム-47と、を含有する。
【0031】
ポリオクタニウム-10は、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる4級アンモニウム塩の重合体である。
【0032】
ポリオクタニウム-47は、アクリル酸、アクリル酸メチル及び塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムを重合して得られるポリ4級アンモニウムクロリドである。
【0033】
[(2) 収納容器]
収納容器2は、内部に洗髪用化粧料1が収納される容器であり、
図1に示すように、上部を押すことで内部の洗髪用化粧料1が吐出されるポンプ式の容器であることが好ましいものの、洗髪用化粧料1を収納できるものであれば特に限定されない。
【0034】
[2 実施形態の効果]
本実施形態に係る洗髪用化粧料収納製品100によれば、洗髪用化粧料1が、PPG-5-ラウレス-5と、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルと、を含有する。
【0035】
PPG-5-ラウレス-5は、毛髪に高い滑沢性を与え、洗髪後の毛髪の指通りを改善する高い効果を有するが、水に溶けにくいことから、洗髪用化粧料1中で分離し易い。そして、PPG-5-ラウレス-5が洗髪用化粧料1中で分離すると、洗浄能力、泡立ち、透明度等の点で、洗髪用化粧料1の性能を低下させる要因となるおそれがある。
【0036】
この点、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルは、PPG-5-ラウレス-5と類似した構造を有するエモリエント剤であり、かつ水に溶け易いことから、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルを同時に含有させることで、PPG-5-ラウレス-5を水に溶かし易くなる。
これによって、PPG-5-ラウレス-5による毛髪の指通りを改善する効果を得つつ、これが水に溶けずに洗髪用化粧料1の性能を低下させるおそれを低減することができる。
【0037】
したがって、洗髪用化粧料1が、PPG-5-ラウレス-5と、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルと、を含有することで、シリコンを含有しない場合においても、洗髪後の毛髪の指通りを改善し易くすることができる。
【0038】
また、PPG-5-ラウレス-5は、特に洗髪後の毛髪の指通りの改善に寄与し、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルは、特に洗髪中の毛髪の指通りの改善に寄与する。したがって、これら両者を含有することで、洗髪後のみならず、洗髪中の毛髪の指通りも改善し易くなる。
【0039】
また、PPG-5-ラウレス-5を、0.025質量%以上、0.100質量%以下含有することで、PPG-5-ラウレス-5を過度に使用することによるコストの増大や溶け残るリスクが生じることを防ぎつつ、洗髪後の毛髪の指通りを改善する効果を十分に得易くなる。
【0040】
また、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルを、0.025質量%以上、0.100質量%以下含有することで、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルを過度に使用することによるコストの増大を防ぎつつ、PPG-5-ラウレス-5を水に溶かし易くする効果や洗髪中の毛髪の指通りを改善する効果を十分に得易くなる。
【0041】
また、洗髪用化粧料1が、PPG-5-ラウレス-5及びPPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルの他に、陰イオン界面活性剤としてC14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウム及びココイルグルタミン酸二ナトリウムを含有し、両面界面活性剤としてコカミドプロピルベタインを含有し、非イオン界面活性剤としてラウレス-2を含有し、カチオン化ポリマーとしてポリオクタニウム-10及びポリオクタニウム-47を含有することで、毛髪に対する高い洗浄性等、シャンプーとしての良好な性能を得ることができる。
【実施例0042】
次に、本発明の実施例及び比較例に係る洗髪用化粧料について、洗髪後の毛髪の指通りについて評価した結果を説明する。以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
[1 実施例及び比較例]
以下の実施例及び比較例の洗髪用化粧料を用意した。
【0044】
[(1) 実施例1]
以下の成分を含有する洗髪用化粧料である。なお、残りの成分は水(精製水)である。また、水素イオン指数(pH)は6.65、粘度(mPa・s)は40となった。
・PPG-5-ラウレス-5:0.0250質量%
・PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル:0.0250質量%
・C14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウム:5.5100質量%
・ココイルグルタミン酸二ナトリウム:1.0000質量%
・コカミドプロピルベタイン:5.7000質量%
・ラウレス-2:0.0225質量%
・ポリオクタニウム-10:0.2500質量%
・ポリオクタニウム-47:0.2500質量%
・プロピレングリコール:0.1000質量%
・安息香酸ナトリウム:0.0250質量%
・トリオレイン酸PEG/PPG-120/10トリメチルプロパン:0.0250質量%
【0045】
[(2) 実施例2]
以下の成分を含有する洗髪用化粧料である。なお、残りの成分は水(精製水)である。また、水素イオン指数(pH)は6.61、粘度(mPa・s)は60となった。
・PPG-5-ラウレス-5:0.0500質量%
・PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル:0.0500質量%
・C14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウム:5.5100質量%
・ココイルグルタミン酸二ナトリウム:1.0000質量%
・コカミドプロピルベタイン:5.7000質量%
・ラウレス-2:0.0225質量%
・ポリオクタニウム-10:0.2500質量%
・ポリオクタニウム-47:0.2500質量%
・プロピレングリコール:0.1000質量%
・安息香酸ナトリウム:0.0250質量%
・トリオレイン酸PEG/PPG-120/10トリメチルプロパン:0.0250質量%
【0046】
[(3) 実施例3]
以下の成分を含有する洗髪用化粧料である。なお、残りの成分は水(精製水)である。また、水素イオン指数(pH)は6.59、粘度(mPa・s)は60となった。
・PPG-5-ラウレス-5:0.1000質量%
・PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル:0.1000質量%
・C14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウム:5.5100質量%
・ココイルグルタミン酸二ナトリウム:1.0000質量%
・コカミドプロピルベタイン:5.7000質量%
・ラウレス-2:0.0225質量%
・ポリオクタニウム-10:0.2500質量%
・ポリオクタニウム-47:0.2500質量%
・プロピレングリコール:0.1000質量%
・安息香酸ナトリウム:0.0250質量%
・トリオレイン酸PEG/PPG-120/10トリメチルプロパン:0.0250質量%
【0047】
[(4) 比較例1]
以下の成分を含有する洗髪用化粧料である。なお、残りの成分は水(精製水)である。また、水素イオン指数(pH)は6.96、粘度(mPa・s)は20となった。
・PPG-5-ラウレス-5:0.0000質量%
・PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル:0.0000質量%
・C14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウム:5.5100質量%
・ココイルグルタミン酸二ナトリウム:1.0000質量%
・コカミドプロピルベタイン:5.7000質量%
・ラウレス-2:0.0225質量%
・ポリオクタニウム-10:0.2500質量%
・ポリオクタニウム-47:0.2500質量%
・プロピレングリコール:0.1000質量%
・安息香酸ナトリウム:0.0250質量%
・トリオレイン酸PEG/PPG-120/10トリメチルプロパン:0.0250質量%
【0048】
[(5) 比較例2]
以下の成分を含有する洗髪用化粧料である。なお、残りの成分は水(精製水)である。また、水素イオン指数(pH)は6.55、粘度(mPa・s)は80となった。
・PPG-5-ラウレス-5:0.0500質量%
・PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル:0.0000質量%
・C14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウム:5.5100質量%
・ココイルグルタミン酸二ナトリウム:1.0000質量%
・コカミドプロピルベタイン:5.7000質量%
・ラウレス-2:0.0225質量%
・ポリオクタニウム-10:0.2500質量%
・ポリオクタニウム-47:0.2500質量%
・プロピレングリコール:0.1000質量%
・安息香酸ナトリウム:0.0250質量%
・トリオレイン酸PEG/PPG-120/10トリメチルプロパン:0.0250質量%
【0049】
[(6) 比較例3]
以下の成分を含有する洗髪用化粧料である。なお、残りの成分は水(精製水)である。また、水素イオン指数(pH)は6.56、粘度(mPa・s)は80となった。
・PPG-5-ラウレス-5:0.0000質量%
・PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル:0.0500質量%
・C14-16-α-オレフィンスルホン酸ナトリウム:5.5100質量%
・ココイルグルタミン酸二ナトリウム:1.0000質量%
・コカミドプロピルベタイン:5.7000質量%
・ラウレス-2:0.0225質量%
・ポリオクタニウム-10:0.2500質量%
・ポリオクタニウム-47:0.2500質量%
・プロピレングリコール:0.1000質量%
・安息香酸ナトリウム:0.0250質量%
・トリオレイン酸PEG/PPG-120/10トリメチルプロパン:0.0250質量%
【0050】
[2 サンプル作製]
上記の実施例及び比較例に係る洗髪用化粧料を用いて、以下の手順で毛髪のサンプルを作成した。
【0051】
[(1) サンプル1]
手順1:ビューラックス社製の人毛黒髪(根元揃え、長さ17cm以上、幅3から5cm)を用意した。
手順2:幅5cm×長さ3cm×圧さ2mmのアクリル板(住化アクリル販売株式会社製、スミペックスE)に人毛黒髪を接着した。なお接着時には、アクリル接着剤(セメダイン株式会社製、SUPERX HYPERワイド)を用いて、人毛黒髪(長さ20cm、4g)の根本部分をアクリル板に対し接着した。
手順3:毛髪を水で濡らした。
手順4:ラウレス硫酸Na20%水溶液を1.8g片手に乗せた上で、当該手を、毛髪の流れに対して垂直な方向に20往復させて、毛髪を洗浄した。
手順5:30度のお湯で1分間流した。
手順6:上記手順4及び手順5を3回実施した。
手順7:実施例1に係る洗髪用化粧料を1.8g片手に乗せた上で、当該手を、毛髪の流れに対して垂直な方向に20往復させて、毛髪を洗浄した。
手順8:30度のお湯で1分間流した。
手順9:冷風で完全に乾くまで風乾させた。
手順10:髪の絡みがなくなるまで5回、櫛(SAMZO社製静電防止カットコーム)を通して梳かした。
【0052】
[(2) サンプル2]
手順7で実施例2を用いた。この点を除いてサンプル1と同様である。
【0053】
[(3) サンプル3]
手順7で実施例3を用いた。この点を除いてサンプル1と同様である。
【0054】
[(4) サンプル4]
手順7で比較例1を用いた。この点を除いてサンプル1と同様である。
【0055】
[(5) サンプル5]
手順7で比較例2を用いた。この点を除いてサンプル1と同様である。
【0056】
[(6) サンプル6]
手順7で比較例3を用いた。この点を除いてサンプル1と同様である。
【0057】
[3 試験内容]
上記のサンプルを用いて、以下の2種類の試験を実施した。
【0058】
[(1) 試験1]
以下のようにして、上記各サンプルについて、指通りに関する官能評価を実施した。
【0059】
すなわち、評価者は、サンプル1から6に係る毛髪のそれぞれを、指で梳かした上で、指通りがとても良い場合にA、指通りが良い場合にB、指通りが悪い場合にC、指通りがとても悪い場合にDと評価した。
10名の判定者(判定者1から判定者10)がそれぞれ評価を実施した上で、A:2点、B:1点、C:0.5点、D:0点として、10名の評価の合計点を算出した。
【0060】
[(2) 試験2]
以下のようにして、上記各サンプルについて、櫛を用いて梳かす際の抵抗値を測定した。
【0061】
すなわち、毛髪多目的試験機(ダイアストロン社製、型番:fibra.one)を用いて櫛通り試験を実施し、抵抗値を測定した。
具体的には、3回の実施における抵抗値の平均を算出する試験を2回を行い、2回の平均を櫛し通り評価とした。抵抗値が低い方が櫛通りが良く、優位性があるということとなる。
【0062】
[4 試験結果]
試験1の結果を表Iに、試験2の結果を表IIに示す。
【0063】
【0064】
【0065】
[5 評価]
まず、試験1の結果から、実施例1から3を用いて洗浄したサンプル1から3に係る試験結果と、比較例1から3を用いて洗浄したサンプル4から6に係る試験結果とを比較すると、サンプル1から3については、いずれも全評価者による評価がB以上であり、合計点も10点又は15点であるのに対し、サンプル4から6については、C又はDと評価した評価者が存在し、合計点も5点、8点又は6.5点である。
この点から、洗髪用化粧料に、PPG-5-ラウレス-5と、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルと、の両者を含有させることで、洗髪用化粧料を用いた洗髪後の毛髪の指通りを改善できることが分かる。
【0066】
また、試験2の結果から、実施例1から3を用いて洗浄したサンプル1から3に係る試験結果と、比較例1から3を用いて洗浄したサンプル4から6に係る試験結果とを比較すると、サンプル1から3については、櫛で梳かす際の抵抗値の全体平均が、16.01mJ、13.60mJ又は14.72mJであるのに対し、サンプル4から6については、櫛で梳かす際の抵抗値の全体平均が、16.59mJ、20.79mJ又は16.54mJである。
この点から、洗髪用化粧料に、PPG-5-ラウレス-5と、PPG1-PEG-9ラウリルグリコールエーテルと、の両者を含有させることで、洗髪用化粧料を用いた洗髪後の毛髪を梳かす際の抵抗を低減し、指通りを改善できることが分かる。