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特開2025-6843AMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006843
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】AMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107861
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】520294642
【氏名又は名称】株式会社ウォーターリンクス
(74)【代理人】
【識別番号】110000268
【氏名又は名称】オリジネイト弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】矢川 昇
(72)【発明者】
【氏名】原 裕二
(72)【発明者】
【氏名】吉田 貴
(72)【発明者】
【氏名】岩本 晃幸
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】検針データを収集する検針業務をより効率的に行うことができるAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法を提供する。
【解決手段】本発明は、所定日時の水道メーターの検針データを記憶する第1の記憶部を有し、第1の記憶部に記憶された検針データを無線通信により発信する機能を有するAMR方式の水道スマートメーター11~14と、前記水道スマートメーターから発信される検針データを受信する受信機と、受信機を載せる移動体71,72を利用する検針データ収集方法であり、移動体71,72が前記水道スマートメーターの1km以内の場所に移動し、移動体に載せられている受信機により水道スマートメーターから発信される検針データを受信し、その受信した受信機が載せられた移動体を1km以内の場所から離れるAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定日時の水道メーターの検針データを記憶する第1の記憶部を有し、前記第1の記憶部に記憶された前記検針データを無線通信により発信する機能を有するAMR方式の水道スマートメーターと、
前記AMR方式の水道スマートメーターから発信される前記検針データを受信する受信機と、
前記受信機を載せる移動体と、
を利用する検針データ収集方法であり、
前記移動体は、水道事業体が業務委託したゴミ収集車、宅配便車両、郵便車両、宅配便配達員、郵便配達員、前記水道事業体に雇用された障害者、及び前記水道事業体が依頼した健康目的のウォーキングを行う高齢者のうちの少なくとも一つであり、
前記移動体が前記水道スマートメーターの1km以内の場所に移動し、前記移動体に載せられている前記受信機により前記AMR方式の水道スマートメーターから発信される前記検針データを受信し、その受信した受信機が載せられた前記移動体を前記1km以内の場所から離れることを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【請求項2】
請求項1において、
従前は検針員が行っていたことを、前記移動体のように別の用途で動いている車両又は者に移管することで検針データを収集することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記受信機が受信した前記検針データが直接又は無線通信によりクラウド上のデータストレージに溜められ、前記クラウド上のデータストレージに溜められた前記検針データを直接又は無線通信により水道スマートメーター検針管理装置が受信することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は前記水道事業体が有する水道料金システムに直接又はAPI等を介して接続されており、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
前記受信機で受信された前記検針データをクラウド上のデータストレージを介して直接又は無線通信により受信する機能(31a)と、
前記機能(31a)により受信した検針データを前記水道料金システムにエクスポートする機能(31b)と、
を有することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記水道スマートメーター検針管理装置31は、前記機能(31a)により受信した検針データを保持する機能(31c)を有することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【請求項6】
請求項4において、
前記AMR方式の水道スマートメーターは、AMR方式の第1~第4の水道スマートメーターを有し、
前記受信機は、第1及び第2の受信機を有し、
前記移動体は、第1及び第2の移動体を有し、
前記第1の受信機は前記第1の移動体に載せられており、前記第2の受信機は前記第2の移動体に載せられており、
前記第1の受信機には前記AMR方式の第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データが受信され、
前記第2の受信機には前記AMR方式の第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データが受信され、
前記水道事業体は、第1及び第2の水道事業体であり、
前記水道料金システムは、互いに異なる製造会社が製造した第1及び第2の水道料金システムを有し、
前記第1の水道事業体が前記第1の水道料金システムを有し、前記第2の水道事業体が前記第2の水道料金システムを有し、
前記機能(31b)は、前記機能(31a)により受信した前記AMR方式の第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データを前記第1の水道料金システムにエクスポートし、前記機能(31a)により受信した前記AMR方式の第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データを前記第2の水道料金システムにエクスポートする機能であり、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
前記第1の水道料金システム用の前記検針データ及び前記第2の水道料金システム用の前記検針データを保持する機能(31c)と、
前記機能(31b)により前記検針データを前記第1及び第2の水道料金システムにエクスポートする際、必要に応じて前記第1及び第2の水道料金システムの各々のデータフォーマットに合うように前記検針データを変換する機能と、
を有することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【請求項7】
請求項6において、
前記AMR方式の第1の水道スマートメーター及び前記AMR方式の第2の水道スマートメーターは、第1製造会社が製造したものであり、前記AMR方式の第3の水道スマートメーター及び前記AMR方式の第4の水道スマートメーターは、第2製造会社が製造したものであり、
前記AMR方式の第1から第4の水道スマートメーターは、前記第1及び第2の水道事業体のいずれの水道事業体が所有する水道スマートメーターであるかが分かるように目印データを付加し、
前記クラウドは、第1及び第2のクラウドの各々のデータストレージを有し、
前記第1のクラウド上のデータストレージには前記AMR方式の第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データが溜められ、
前記第2のクラウド上のデータストレージには前記AMR方式の第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データが溜められ、
前記機能(31a)は、前記水道スマートメーター検針管理装置が、前記第1の受信機で受信された前記AMR方式の第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データを受信する際、前記検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有し、前記第2の受信機で受信された前記AMR方式の第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データを受信する際、前記検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AMR(Automated Meter Reading)方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水道事業は主に市町村単位で経営している。但し、水道事業は市町村自体が直接行っているとは限らず、 市町村が民間事業者に委託している場合もある。従って、本明細書では、市町村が委託している事業者も含めて「水道事業体」と呼ぶ。
【0003】
水道の検針業務を以下に説明する。
水道事業体の検針員がハンディターミナルを持って水道使用者の居所に行き、そこに設置してある水道アナログメーターの数値を見てその数値をハンディターミナルに入力する。ハンディターミナルには前回の水道アナログメーターの数値が記憶されており、ハンディターミナルが前回の数値と今回の数値の差分を算出することで水道使用量を計算し、その水道使用量に基づいて水道料金が計算される。このように水道事業体と給水契約している水道使用者の居所に検針員が行き、水道使用者の水道使用量及び水道料金のデータを集める。これに関連した技術が特許文献1に記載されている。
【0004】
ところで、日本の人口減少により検針員を確保することが困難になりつつある。また、人口減少により全体の水道使用量も減少していくので、水道事業体の水道料金の総収入も減少しつつある。このように検針員の確保の困難性や水道事業体の水道料金収入の減少の問題はこの先もより大きくなると予想される。
【0005】
そこで、検針員が少なくても検針データを収集する検針業務が行えることや検針業務のコストダウンが求められている。つまり、検針業務をより効率的に行うことが求められている。そこで、水道アナログメーターを水道スマートメーターに交換することが求められている。AMI方式の水道スマートメーターは高価であるので採用しにくいが、より安価でキャリア通信に依存しないAMR方式の水道スマートメーターであれば、採用しやすいと考えられる。ただし、AMR方式の水道スマートメーターの場合、水道アナログメーターのように、そのメーターで指示数を見られるところまで検針員が行く必要はないが、メーター近くまで行く必要はある。つまり、検針をするうえで、今のアナログメーターほどの検針員は必要ないが、検針員自体はそれなりに必要であるので、その検針員をも少なくする方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-148522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の種々の態様は、AMR方式の水道スマートメーターを用いることで、検針データを収集する検針業務をより効率的に行うことができるAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に本発明の種々の態様について説明する。
【0009】
[1]所定日時の水道メーターの検針データを記憶する第1の記憶部を有し、前記第1の記憶部に記憶された前記検針データを無線通信により発信する機能を有するAMR方式の水道スマートメーターと、
前記AMR方式の水道スマートメーターから発信される前記検針データを受信する受信機と、
前記受信機を載せる移動体と、
を利用する検針データ収集方法であり、
前記移動体は、水道事業体が業務委託したゴミ収集車、宅配便車両、郵便車両、宅配便配達員、郵便配達員、前記水道事業体に雇用された障害者、及び前記水道事業体が依頼した健康目的のウォーキングを行う高齢者のうちの少なくとも一つであり、
前記移動体が前記水道スマートメーターの1km以内の場所に移動し、前記移動体に載せられている前記受信機により前記AMR方式の水道スマートメーターから発信される前記検針データを受信し、その受信した受信機が載せられた前記移動体を前記1km以内の場所から離れることを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【0010】
[2]上記[1]において、
従前は検針員が行っていたことを、前記移動体のように別の用途で動いている車両又は者に移管することで検針データを収集することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【0011】
[3]上記[1]又は[2]において、
前記受信機が受信した前記検針データが直接又は無線通信によりクラウド上のデータストレージに溜められ、前記クラウド上のデータストレージに溜められた前記検針データを直接又は無線通信により水道スマートメーター検針管理装置が受信することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【0012】
[4]上記[1]又は[2]において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は前記水道事業体が有する水道料金システムに直接又はAPI等を介して接続されており、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
前記受信機で受信された前記検針データをクラウド上のデータストレージを介して直接又は無線通信により受信する機能(31a)と、
前記機能(31a)により受信した検針データを前記水道料金システムにエクスポートする機能(31b)と、
を有することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【0013】
[5]上記[4]において、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、前記機能(31a)により受信した検針データを保持する機能(31c)を有することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【0014】
[6]上記[4]において、
前記AMR方式の水道スマートメーターは、AMR方式の第1~第4の水道スマートメーターを有し、
前記受信機は、第1及び第2の受信機を有し、
前記移動体は、第1及び第2の移動体を有し、
前記第1の受信機は前記第1の移動体に載せられており、前記第2の受信機は前記第2の移動体に載せられており、
前記第1の受信機には前記AMR方式の第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データが受信され、
前記第2の受信機には前記AMR方式の第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データが受信され、
前記水道事業体は、第1及び第2の水道事業体であり、
前記水道料金システムは、互いに異なる製造会社が製造した第1及び第2の水道料金システムを有し、
前記第1の水道事業体が前記第1の水道料金システムを有し、前記第2の水道事業体が前記第2の水道料金システムを有し、
前記機能(31b)は、前記機能(31a)により受信した前記AMR方式の第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データを前記第1の水道料金システムにエクスポートし、前記機能(31a)により受信した前記AMR方式の第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データを前記第2の水道料金システムにエクスポートする機能であり、
前記水道スマートメーター検針管理装置は、
前記第1の水道料金システム用の前記検針データ及び前記第2の水道料金システム用の前記検針データを保持する機能(31c)と、
前記機能(31b)により前記検針データを前記第1及び第2の水道料金システムにエクスポートする際、必要に応じて前記第1及び第2の水道料金システムの各々のデータフォーマットに合うように前記検針データを変換する機能と、
を有することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【0015】
[7]上記[6]において、
前記AMR方式の第1の水道スマートメーター及び前記AMR方式の第2の水道スマートメーターは、第1製造会社が製造したものであり、前記AMR方式の第3の水道スマートメーター及び前記AMR方式の第4の水道スマートメーターは、第2製造会社が製造したものであり、
前記AMR方式の第1から第4の水道スマートメーターは、前記第1及び第2の水道事業体のいずれの水道事業体が所有する水道スマートメーターであるかが分かるように目印データを付加し、
前記クラウドは、第1及び第2のクラウドの各々のデータストレージを有し、
前記第1のクラウド上のデータストレージには前記AMR方式の第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データが溜められ、
前記第2のクラウド上のデータストレージには前記AMR方式の第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データが溜められ、
前記機能(31a)は、前記水道スマートメーター検針管理装置が、前記第1の受信機で受信された前記AMR方式の第1及び第2の水道スマートメーターの各々の検針データを受信する際、前記検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有し、前記第2の受信機で受信された前記AMR方式の第3及び第4の水道スマートメーターの各々の検針データを受信する際、前記検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有することを特徴とするAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明の種々の態様によれば、AMR方式の水道スマートメーターを用いることで、検針データを収集する検針業務をより効率的に行うことができるAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一態様に係るAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法を説明するための模式図である。
図2図1に示すAMR方式の第1~第4の水道スマートメーター11~14、第1及び第2のクラウド上のデータストレージ21,22、第1及び第2の移動体71,72の部分の詳細を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0019】
図1は、本発明の一態様に係るAMR方式の水道スマートメーターの検針データ収集方法を説明するための模式図である。図2は、図1に示すAMR方式の第1~第4の水道スマートメーター11~14、第1及び第2のクラウド上のデータストレージ21,22、第1及び第2の移動体71,72の部分の詳細を示す模式図である。
この検針データ収集方法は、AMR方式の水道スマートメーター11~14と、受信機81,82と、この受信機81,82を載せる移動体71,72を利用することで検針データを収集する方法である。
【0020】
AMR(Automated Meter Reading)方式の水道スマートメーター11~14は、所定日時の水道メーターの検針データを記憶する第1の記憶部(図示せず)を有し、この第1の記憶部に記憶された検針データを無線通信により発信する機能を有する。
【0021】
受信機81は、AMR方式の水道スマートメーター11,12から発信される検針データを受信するものである。詳細には、受信機81を、AMR方式の水道スマートメーター11,12から発信される検針データが受信可能な場所に持ち込み、その受信機81からAMR方式の水道スマートメーター11,12に無線通信により信号を送ると、AMR方式の水道スマートメーター11,12から検針データが発信され、その検針データを受信機81によって受信するようになっている。受信機81は移動体71に載せられており、その移動体71が移動することで、AMR方式の水道スマートメーター11,12から発信される検針データが受信可能な場所に受信機81を持ち込むことができる。
【0022】
移動体71が水道スマートメーター11,12の1km以内の場所に移動し、その移動体71に載せられている受信機81によりAMR方式の水道スマートメーター11から発信される検針データを受信する。そして、その受信した受信機81が載せられた移動体71を1km以内の場所から離れる。このような1km以内の場所に移動した後に1km以内の場所から離れることの繰り返しにより、受信機81はAMR方式の水道スマートメーター11,12から発信される検針データを溜めていく。
【0023】
なお、本実施形態では、AMR方式の水道スマートメーター11,12から発信される検針データを受信するには、受信機81を水道スマートメーター11,12から1km以内の場所に位置させることとしているが、AMR方式の水道スマートメーター11,12の種類やAMR方式の水道スマートメーター11,12の設置場所の周囲の建物等の環境によっては500m以内、400m以内、300m以内、200m以内又は100m以内と近づく必要がある場合もある。
【0024】
また、上記の検針データは例えばメーターID、指示数及びその指示数の日時のデータである。メーターIDは水道使用者を特定するものである。指示数及びその指示数の日時は、その日時までの水道メーターの数値を特定するものである。これにより、所定期間毎に検針データを取得すれば、所定期間毎の水道メーターの数値を特定することができる。
所定期間とは1分以上2か月以内の期間を意味し、例えば2週間であってもよい。2週間に1回のペースで検針データがAMR方式の水道スマートメーター11,12に記憶されるとすると、受信機81を載せた移動体71も2週間に1回のペースで水道スマートメーター11,12の1km以内の場所に移動し、その移動体71に載せられている受信機81によりAMR方式の水道スマートメーター11から発信される検針データを受信し、その受信した受信機81が載せられた移動体71を1km以内の場所から離れることとしてもよい。
【0025】
上記の移動体71,72は、水道事業体が業務委託した郵便車両71a,72a、宅配便車両71b,72b、ゴミ収集車71c,72c、郵便配達員71d,72d、宅配便配達員71e,72e、水道事業体に雇用された障害者71g,72g、及び水道事業体が依頼した健康目的のウォーキングを行う高齢者71f,72fのうちの少なくとも一つである。
【0026】
水道事業体が業務委託した郵便車両(自転車、バイク又は自動車等)71a,72a又は宅配便車両71b,72bに受信機81,82を搭載することで、郵便配達業務又は宅配便配達業務を行うだけで、自然に、受信機81,82がAMR方式の水道スマートメーター11~14の1km以内の場所に移動され、AMR方式の水道スマートメーター11~14から発信される検針データが受信され、受信機81,82が1km以内の場所から離れることを繰り返すことができる。これにより、受信機81,82が検針データを収集することができる。
【0027】
水道事業体が業務委託した郵便配達員71d,72d又は宅配便配達員71e,72eの配達カバンに受信機81,82を入れることで、その郵便配達員71d,72d又は宅配便配達員71e,72eが郵便配達業務又は宅配便配達業務を行うだけで、上記と同様に、受信機81,82が検針データを受信して検針データを収集することができる。
【0028】
水道事業体が業務委託したゴミ収集車71c,72cに受信機81,82を搭載することで、ゴミ収集業務を行うだけで、自然に、受信機81,82がAMR方式の水道スマートメーター11~14の1km以内の場所に移動され、AMR方式の水道スマートメーター11~14から発信される検針データが受信され、受信機81,82が1km以内の場所から離れることを繰り返すことができる。これにより、受信機81,82が検針データを収集することができる。
【0029】
水道事業体に雇用された障害者71g,72gに受信機81,82を携帯させ、その障害者71g,72gがAMR方式の水道スマートメーター11~14の1km以内の場所に移動し、AMR方式の水道スマートメーター11~14から発信される検針データが受信機81,82で受信され、障害者71g,72gが1km以内の場所から離れることを繰り返す。これにより、受信機81,82が検針データを収集することができる。障害者71g,72gの雇用の促進につながり、また従来の検針員より低額で雇用できるため、検針データを収集する検針業務のコストダウンが期待できる。
【0030】
水道事業体が依頼した健康目的のウォーキングを行う高齢者に受信機81,82を携帯させ、その高齢者71f,72fがAMR方式の水道スマートメーター11~14の1km以内の場所に移動し、AMR方式の水道スマートメーター11~14から発信される検針データが受信機81,82で受信され、高齢者71f,72fが1km以内の場所から離れることを繰り返す。これにより、高齢者71f,72fが健康目的のウォーキングを行いながら、自然に、受信機81,82が検針データを収集することができる。高齢者71f,72fの健康促進につながり、また従来の検針員より低額又は費用無しで依頼できるため、検針データを収集する検針業務のコストダウンが期待できる。
【0031】
また、従前は検針員が行っていたことを、上記の移動体のように別の用途で動いている車両又は者に移管することで検針データを収集している。
つまり、上記の水道事業体が業務委託したゴミ収集車71a,72a、宅配便車両71b,72b、郵便車両71c,72c、宅配便配達員71d,72d、郵便配達員71e,72e、水道事業体に雇用された障害者71f,72f、及び水道事業体が依頼した健康目的のウォーキングを行う高齢者71g,72gが移動体71,72として機能することで、検針員が少なくても検針データを収集する検針業務を行うことができ、また検針業務のコストダウンも期待できる。つまり、検針業務をより効率的に行うことが可能となる。
【0032】
図1及び図2に示すように、受信機81,82が受信した検針データが直接又は無線通信によりクラウド上のデータストレージ21,22に溜められる。そのクラウド上のデータストレージ21,22に溜められた検針データを直接又は無線通信により水道スマートメーター検針管理装置31が受信することができるようになっている。
【0033】
水道スマートメーター検針管理装置31は水道事業体が有する水道料金システム41に直接又はAPI等を介して接続されている。詳細には、水道スマートメーター検針管理装置31は、直接又はAPI等を介して第1の水道事業体が有する第1の水道料金システム41及び第2の水道事業体が有する第2の水道料金システム42の各々に接続されている。
【0034】
水道スマートメーター検針管理装置31は、受信機81,82で受信された検針データをクラウド上のデータストレージ21,22を介して直接又は無線通信により受信する機能31aと、この機能31aにより受信した検針データを水道料金システム41,42にエクスポートする機能31bを有する。
【0035】
これらの機能31a及び機能31bは水道検針管理システムの機能である。水道スマートメーター検針管理装置31は機能31a及び機能31bを実現する水道スマートメーター検針管理プログラムを有している。
【0036】
また、水道スマートメーター検針管理装置31は、上記の機能31aにより受信した検針データを保持する機能31cを有する。この機能31cは水道検針管理システムの機能である。水道スマートメーター検針管理装置31は機能31cを実現する水道スマートメーター検針管理プログラムを有している。
【0037】
図1及び図2に示すAMR方式の水道スマートメーターは、AMR方式の第1~第4の水道スマートメーター11~14を有し、受信機は、第1及び第2の受信機81,82を有し、移動体は、第1及び第2の移動体71,72を有する。
【0038】
第1の受信機81は第1の移動体71に載せられており、第2の受信機82は第2の移動体72に載せられている。第1の受信機81にはAMR方式の第1及び第2の水道スマートメーター11,12の各々の検針データが受信され、第2の受信機82にはAMR方式の第3及び第4の水道スマートメーター13,14の各々の検針データが受信される。
【0039】
本実施形態による水道事業体は、前述したように第1及び第2の水道事業体を有する。水道料金システムは、互いに異なる製造会社が製造した第1及び第2の水道料金システム41,42を有する。また前述したように第1の水道事業体が第1の水道料金システム41を有し、第2の水道事業体が前記第2の水道料金システム42を有する。
【0040】
上記の機能31bの詳細は、上記の機能31aにより受信したAMR方式の第1及び第2の水道スマートメーター11,12の各々の検針データを第1の水道料金システム41にエクスポートし、上記の機能31aにより受信したAMR方式の第3及び第4の水道スマートメーター13,14の各々の検針データを第2の水道料金システム42にエクスポートする機能である。
【0041】
また、上記の機能31cの詳細は、第1の水道料金システム41用の検針データ及び第2の水道料金システム42用の検針データを保持する機能である。
また、水道スマートメーター検針管理装置31は、上記の機能31bにより検針データを第1及び第2の水道料金システム41,42にエクスポートする際、必要に応じて第1及び第2の水道料金システム41,24の各々のデータフォーマットに合うように検針データを変換する機能を有する。この機能を有する理由は、第1の水道料金システム41を製造した会社(製造者)が第2の水道料金システム42を製造した会社(製造者)と異なる場合やAMR方式の第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14の各々を製造した会社(製造者)が互いに異なる場合に、検針データのデータフォーマットも異なる可能性があるからである。そのような場合でも、水道スマートメーター検針管理装置31が第1及び第2の水道料金システム41,42の各々のデータフォーマットに合うように検針データを変換する機能を有することで、第1及び第2の水道料金システム41,42の各々に容易にAMR方式の第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14を導入することが可能となる。
【0042】
例えば、AMR方式の第1の水道スマートメーター11及びAMR方式の第2の水道スマートメーター12は、第1製造会社が製造したものであり、AMR方式の第3の水道スマートメーター13及びAMR方式の第4の水道スマートメーター14は、第2製造会社が製造したものである。AMR方式の第1から第4の水道スマートメーター11~14は、第1及び第2の水道事業体のいずれの水道事業体が所有する水道スマートメーターであるかが分かるように目印データを付加している。
【0043】
クラウドは、第1及び第2のクラウドの各々のデータストレージ21,22を有する。第1のクラウド上のデータストレージ21にはAMR方式の第1及び第2の水道スマートメーター11,12の各々の検針データが溜められ、第2のクラウド上のデータストレージ22にはAMR方式の第3及び第4の水道スマートメーター13,14の各々の検針データが溜められる。
【0044】
上記の機能31aは、水道スマートメーター検針管理装置31が、第1の受信機81で受信されたAMR方式の第1及び第2の水道スマートメーター11,12の各々の検針データを第1のクラウド上のデータストレージ21を介して受信する際、その検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有し、第2の受信機82で受信されたAMR方式の第3及び第4の水道スマートメーター13,14の各々の検針データを第2のクラウド上のデータストレージ22を介して受信する際、検針データが異なる場合にデータフォーマットを変換する機能を有する。このような機能を有する理由は、AMR方式の第1及び第2の水道スマートメーター11,12とAMR方式の第3及び第4の水道スマートメーター13,14が異なる会社(製造者)によっての製造されたものである場合、検針データのデータフォーマットも互いに異なるため、それらの異なるデータフォーマットを統一したデータフォーマットに変換し、前述した水道スマートメーター検針管理装置31の検針データ保持機能31cにより保持するためである。
【0045】
また、水道スマートメーター検針管理装置31は、上記の機能31aにより受信した検針データを用いて使用量計算ロジックにより水道スマートメーター11,12,13,14が設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量を計算する機能31dと、この機能31dで計算された水道使用量から料金テーブルを用いて料金計算ロジックにより水道使用者の所定期間の水道料金を計算する機能31eを有する。これらの使用量計算機能31d及び料金計算機能31eは水道検針管理システムの機能である。水道スマートメーター検針管理装置31は使用量計算機能31d及び料金計算機能31eを実現する水道スマートメーター検針管理プログラムを有している。
【0046】
本実施形態では、2つの水道事業体(第1及び第2の水道事業体)が有する第1及び第2の水道料金システム41,42が直接又はAPI等を介して水道スマートメーター検針管理装置31に接続されている場合について説明するが、1つの水道事業体が有する1つの水道料金システムが直接又はAPI等を介して水道スマートメーター検針管理装置31に接続されていてもよいし、3つ以上の水道事業体が有する3つ以上の水道料金システムが直接又はAPI等を介して水道スマートメーター検針管理装置31に接続されていてもよい。
【0047】
本実施形態では、4つのAMR方式の水道スマートメーター(AMR方式の第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14)が存在する場合について説明するが、1個以上3個以下のAMR方式の水道スマートメーター又は5個以上のAMR方式の水道スマートメーターが存在する場合も本発明に適用することが可能である。
【0048】
本実施形態では、2個のクラウド(第1及び第2のクラウド)を有する場合について説明するが、1個のクラウド又は3個以上のクラウドを有する場合も本発明を適用することが可能である。
【0049】
また、水道スマートメーター検針管理装置31は、検針データ保持機能31cにより保持した検針データに基づいて計算されたAMR方式の第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14の各々が設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金を水道使用者にSMS、電子メール又はLINEによって通知する機能31fを有する。この機能31fはLINEによってお知らせ票を通知する機能も含んでいてもよい。これにより、水道使用者の利便性を高めることができる。
【0050】
本実施形態では、上述したように水道使用量及び水道料金を、水道スマートメーター検針管理装置31が計算しているが、これに限定されるものではなく、第1及び第2の水道料金システム41,42の各々により計算されたものであってもよい。そして、第1及び第2の水道料金システム41,42の各々により計算された水道使用量及び水道料金のデータを水道スマートメーター検針管理装置31が受信し、第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14の各々が設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金を水道使用者にSMS、電子メール又はLINEによって通知することも可能である。
【0051】
水道料金システム41,42は、使用量計算ロジック61a及び料金計算ロジック61bを備えた端末(例えばハンディターミナル)61とデータ(例えば検針予定及び検針結果)を送受信できるように構成されている。この端末61は、検針員が所定期間毎に水道アナログメーター51の数値を入力する機能を有する。水道スマートメーター検針管理装置31は、このように端末61からデータを送受信できる水道料金システム41と連携することができる。言い換えると、水道スマートメーター検針管理装置31は、端末61からデータを送受信できる水道料金システム41と容易に併存させることができる。従って、各水道事業体が独自に持っている水道料金システム41,42に対して容易にAMR方式の水道スマートメーター11,12,13,14を連携することができる。このようにハンディターミナルを用いた検針員による従来の検針業務を併存可能とする理由は、一つの水道事業体が有する全ての水道アナログメーターを一括でAMR方式の水道スマートメーターに交換することは困難であるため、併存可能とすることでAMR方式の水道スマートメーター11,12,13,14を導入することが容易になるからである。
【0052】
水道スマートメーター検針管理装置31はポータルサイト31gを有する。詳細には、水道スマートメーター検針管理装置31は、検針データ保持機能31cにより保持した検針データに基づいて計算されたAMR方式の第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14の各々が設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金をポータルサイト31gに掲載し、水道使用者がポータルサイト31gにアクセスすることで所定期間の水道使用量及び水道料金を閲覧できる機能を有する。これにより、水道使用者の利便性を高めることができる。
【0053】
本実施形態では、上述したように水道使用量及び水道料金を、水道スマートメーター検針管理装置31が計算しているが、これに限定されるものではなく、水道使用量及び水道料金を第1及び第2の水道料金システム41,42の各々により計算されたものであってもよい。そして、第1及び第2の水道料金システム41,42の各々により計算された水道使用量及び水道料金のデータを水道スマートメーター検針管理装置31が受信し、第1~第4の水道スマートメーター11,12,13,14の各々が設置してある居所の水道使用者の所定期間の水道使用量及び水道料金をポータルサイト31gに掲載することも可能である。
【0054】
また、ポータルサイト31gは、水道使用者がアクセスすることで、水道使用量・水道料金の履歴照会、水道の使用開始・使用中止手続き、水道使用者の住所変更手続き、口座振替申込手続き、及び水道使用者へのお知らせの閲覧をする機能を有するとよい。これにより、水道使用者の利便性をさらに高めることができる。
【0055】
水道スマートメーター検針管理装置31は、検針データ保持機能31cにより保持された検針データに基づいて漏水が起こっていることを診断する機能を有するとよい。
詳細には、使用量計算機能31dの所定期間は例えば2週間以内であり、水道スマートメーター検針管理装置31は、使用量計算機能31dにより計算された所定期間毎の水道使用量のデータを記憶する記憶部と、この記憶部により記憶された最新の所定期間の水道使用量が、最新の所定期間より前のいずれかの所定期間の水道使用量と比べて所定量多くなっている場合に、漏水が起こっていると診断する機能31hを有するとよい。この漏水診断機能31hにより漏水が起こっているか否かを水道スマートメーター検針管理装置31が判定することが可能となる。これにより、水道水の無駄を削減することができ、水道使用者の水道料金が無駄に高くなることを防止できる。
【符号の説明】
【0056】
11 AMR方式の第1の水道スマートメーター
12 AMR方式の第2の水道スマートメーター
13 AMR方式の第3の水道スマートメーター
14 AMR方式の第4の水道スマートメーター
21 第1のクラウド上のデータストレージ
22 第2のクラウド上のデータストレージ
31 水道スマートメーター検針管理装置
31a 受信機で受信された検針データをクラウド上のデータストレージを介して受信する機能
31b 検針データを水道料金システムにエクスポートする機能
31c 検針データ保持機能
41 第1の水道料金システム
42 第2の水道料金システム
71 第1の移動体
72 第2の移動体
71a,72a ゴミ収集車
71b,72b 宅配便車両
71c,72c 郵便車両
71d,72d 宅配便配達員
71e,72e 郵便配達員
71f,72f 障害者
71g,72g 高齢者
81 第1の受信機
82 第2の受信機
図1
図2