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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006849
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】サスペンション電動制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62K 25/08 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B62K25/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107870
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】小林 好徳
(72)【発明者】
【氏名】岡村 良昭
(72)【発明者】
【氏名】倉林 憲一
【テーマコード(参考)】
3D014
【Fターム(参考)】
3D014DD02
3D014DD08
3D014DE02
3D014DE22
(57)【要約】
【課題】 手動調整可能なフロントサスペンションを持つ自転車に対して、後付けすることが可能であり、走行中であってもフロントサスペンションの特性を調整変更可能とする。
【解決手段】 サスペンション電動制御装置(100)においては、車両におけるフロントサスペンション(30)の調整用の手動操作部(35)が設けられたクラウン(20)に取り付けられるホルダ(110)と、ホルダ(110)に対して一体に固定される電動ユニット(130)と、を備え、電動ユニット(130)は、手動操作部(35)と一体化される保持部(190)と、保持部(190)を動かすために一体に結合されたギア部(200)と、ギア部(200)および保持部(190)を介して手動操作部(35)を動かすモータ(170)と、を有する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両におけるフロントサスペンションの調整用の手動操作部が設けられたクラウンに取り付けられるホルダと、
前記ホルダに対して一体に固定される電動ユニットと、
を備え、
前記電動ユニットは、
前記手動操作部と一体化される保持部と、
前記保持部を動かすために一体に結合されたギア部と、
前記ギア部および前記保持部を介して前記手動操作部を動かすモータと、
を有するサスペンション電動制御装置。
【請求項2】
前記ホルダは、前記クラウンのトップキャップに取り付けられた場合でも前記手動操作部が露出する
請求項1に記載のサスペンション電動制御装置。
【請求項3】
前記電動ユニットは、前記保持部、前記ギア部、前記モータを収容するケースを有し、
前記ケースの外側には前記ギア部と結合された手動の操作ダイヤルが設けられている
請求項1または2に記載のサスペンション電動制御装置。
【請求項4】
前記電動ユニットは、
前記手動操作部に対する操作に応じた選択肢を入力する入力部と、
前記入力部の入力結果に応じて前記モータを駆動制御し、前記手動操作部を動かす制御部と、を有する
請求項1に記載のサスペンション電動制御装置。
【請求項5】
前記電動ユニットは、
前記車両の所定の部位に取り付けられた振動センサと、
前記振動センサからの検出結果に応じて前記モータを駆動制御し、前記手動操作部を動かす制御部と、を有する
請求項1に記載のサスペンション電動制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サスペンション電動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フロントフォークにサスペンション(以下、これを単に「フロントサスペンション」と呼ぶ。)が予め設けられた自転車が増えており、この種の自転車ではフロントサスペンションの硬さや減衰特性等をユーザが任意に調整することができる。
【0003】
また、フロントサスペンションには、手動でダイヤルを回すことによりフロントサスペンションの硬さや減衰特性等を調整する手動タイプと、電動により調整する電動タイプとが存在しており、手動タイプおよび電動タイプの何れも自転車(完成車)に予め組み込まれている。
【0004】
手動タイプのフロントサスペンションにおいては、ユーザが自転車に乗った走行中にダイヤルを回すことが困難であるため、走行前にユーザがダイヤルを回して予め設定しておく必要がある。
【0005】
一方、電動タイプのフロントサスペンションにおいては、路面状況や運転状況に合わせて自動的に硬さや減衰量等を変化させることにより、車体の姿勢を最適化することが可能な自転車用制御装置が備えられた自転車が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。因みに、このような電動タイプのサスペンションは、一般的にアクティブサスペンションと呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6798923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の自転車においては、自転車用制御装置を予め組み込む必要があり、自転車用制御装置を予め組み込んでいない自転車においてサスペンションの硬さや減衰量を走行中に調整するためのサスペンション電動制御装置を後付けすることは困難であった。
【0008】
本発明のサスペンション電動制御装置においては、手動調整可能なフロントサスペンションを持つ自転車に対して、後付けすることが可能であり、走行中であってもフロントサスペンションの特性を調整変更可能とすることを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のサスペンション電動制御装置は、車両におけるフロントサスペンションの調整用の手動操作部が設けられたクラウンに取り付けられるホルダと、前記ホルダに対して一体に固定される電動ユニットと、を備え、前記電動ユニットは、前記手動操作部と一体化される保持部と、前記保持部を動かすために一体に結合されたギア部と、前記ギア部および前記保持部を介して前記手動操作部を動かすモータと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットが装着されたフロントフォークの全体構成を示す斜視図である。
図2】本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットがトップキャップに取り付けられた状態を示す拡大斜視図である。
図3】本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットの構成を示す分解斜視図である。
図4】本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットのホルダを正面側から見た場合の構成(A)、および、背面側から見た場合の構成(B)を示す斜視図である。
図5】本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットの電動ユニットを正面側から見た場合の構成(A)、および、背面側から見た場合の構成(B)を示す斜視図である。
図6】本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットの電動ユニットを下側から見た場合の構成を示す斜視図である。
図7】本発明の一例である実施の形態にかかる電動ユニットの上ケースが取り除かれた状態のモータおよび減速機の結合状態(A)、電動ユニットの上ケースを透視した状態の外観構成(B)、および、電動ユニットの外観構成(C)を示す斜視図である。
図8】本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットをフロントフォークに装着する手順の説明に供する斜視図(A)、(B)、(C)である。
図9】本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットの回路構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一例である実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットが装着されたフロントフォークの全体構成を示す斜視図である。図2は、本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットがトップキャップに取り付けられた状態を示す拡大斜視図である。
【0012】
図3は、本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットの構成を示す分解斜視図である。図4は、本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットのホルダを正面側から見た場合の構成(A)、および、背面側から見た場合の構成(B)を示す斜視図である。図5は、本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットの電動ユニットを正面側から見た場合の構成(A)、および、背面側から見た場合の構成(B)を示す斜視図である。
【0013】
図6は、本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットの電動ユニットを下側から見た場合の構成を示す斜視図である。図7は、本発明の一例である実施の形態にかかる電動ユニットの上ケースが取り除かれた状態のモータおよび減速機の結合状態(A)、電動ユニットの上ケースを透視した状態の外観構成(B)、および、電動ユニットの外観構成(C)を示す斜視図である。
【0014】
図8は、本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットをフロントフォークに装着する手順の説明に供する斜視図(A)、(B)、(C)である。図9は、本発明の一例である実施の形態にかかる電動サスペンションユニットの回路構成を示すブロック図である。
【0015】
なお、本発明の実施の形態の説明において、説明の便宜上、矢印a方向を上側または一方側とし、矢印b方向を下側または他方側とする。ここで、矢印ab方向を上下方向と称し、上側、および、下側は、自転車が走行する際の鉛直方向である。また、矢印cd方向を左右方向と称し、自転車を正面側から見た場合の矢印c方向を左側、矢印d方向を右側と称する。
【0016】
<電動サスペンションユニット>
図1および図2に示すように、本発明のサスペンション電動制御装置としての電動サスペンションユニット100は、自転車のフロントフォーク1のフロントサスペンション30に対して取り付けられて用いられる。
【0017】
電動サスペンションユニット100は、操舵管10、二股状に形成されたフォーククラウン20、フロントサスペンション30(内筒(スタンション)31、外筒(スライダー)32、および、爪33)、ブリッジ(アーチ)40を有している。なお、本実施の形態では、自転車のフロントフォーク1に関して主に説明し、その他の部位に関する説明は省略する。
【0018】
操舵管10は、自転車のハンドル(図示せず)と一体に固定されており、ハンドルの左右への動きと一体に回動する。フォーククラウン20は、操舵管10の下側の端部と当該フォーククラウン20の中央の基部21で一体に結合された二股状の部品である。
【0019】
フォーククラウン20は、基部21から左右方向(矢印cd方向)の先端にそれぞれ設けられたトップキャップ22を有している。この場合、左側(矢印c方向)のトップキャップ22の上側(矢印a方向)の端部に対して、手動操作部としての手動のサスペンション調整ダイヤル35(図3および図8(A))が取り付けられている。
【0020】
フロントサスペンション30は、一定の間隔を開けて左右方向(矢印cd方向)にそれぞれ設けられている。フロントサスペンション30は、フォーククラウン20のトップキャップ22に対して上側(矢印a方向)の端部が取り付けられた内筒(スタンション)31、その内筒31を収容しスライド自在に保持する外筒(スライダー)32、その外筒32の下側(矢印b方向)の先端に設けられ、車輪を取り付けるための爪(図示せず)を有している。
【0021】
ブリッジ(アーチ)40は、フロントサスペンション30におけるそれぞれの外筒32が互いに捩じれることを防止するために取り付けられた補強部材である。
【0022】
電動サスペンションユニット100は、フォーククラウン20における一方のトップキャップ22に取り付けられている。実際上、電動サスペンションユニット100は、手動のサスペンション調整ダイヤル35(図3)が存在する方のトップキャップ22に取り付けられている。したがって、図1および図2においては、電動サスペンションユニット100の存在によりサスペンション調整ダイヤル35が隠された状態にある。
【0023】
図2および図3に示すように、電動サスペンションユニット100は、フォーククラウン20のトップキャップ22に取り付けられるホルダ110、および、当該ホルダ110に取り付けられる電動ユニット130によって構成されている。
【0024】
<ホルダ>
図4(A)および(B)に示すように、ホルダ110は、電動サスペンションユニット100を構成する一部であり、後述する電動ユニット130と一体に取り付けられる。
【0025】
ホルダ110は円筒形状のトップキャップ22に取り付けるための取付本体部111と、その取付本体部111と一体に形成され、電動ユニット130の下ケース140(図3図5、および、図6)を載置して固定する下ケース固定部115と、を有している。ホルダ110の取付本体部111および下ケース固定部115は、鉛直方向(矢印ab方向)とは直交する方向に並列した状態で設けられている。
【0026】
ホルダ110の取付本体部111は、円筒形状のトップキャップ22に対応した半円筒形状または略半円筒形状の半円筒部111a、その半円筒部111aから凹状に外側へ突出するように形成されたU字状部111b、半円筒部111aの下側(矢印b方向)において鉛直方向(矢印ab方向)とは直交するように両側へそれぞれ突出した薄板の矩形状の脚部111cを有している。
【0027】
取付本体部111の半円筒部111aは、トップキャップ22を外側から覆うように鉛直方向(矢印ab方向)に沿って延びる半円筒状の部分であり、半円筒状の内側空間を有している。図4(B)に示すように、半円筒部111aは、U字状部111bの反対側が広く開口している。
【0028】
取付本体部111のU字状部111bは、鉛直方向(矢印ab方向)に沿って延びる平面視U字の半角筒状の部分であり、凹状に凹んだ内側空間を有している。U字状部111bの内側空間は、半円筒部111aの内側空間と連通している。
【0029】
U字状部111bは、後述する電動ユニット130の連結プレート150(図3)における差込片153の2つのネジ孔153hに対応した2つの貫通孔111bhが上側(矢印a方向)の端部に鉛直方向(矢印ab方向)に沿って形成されている。U字状部111bおよび連結プレート150の差込片153は、2つのネジsc1により互いに固定される。
【0030】
取付本体部111における2つの脚部111cは、半円筒部111aの開口からトップキャップ22を収容した後に、中央が外側へ向かって湾曲した固定プレート113(図4(B))によりトップキャップ22を挟み込んだ状態で当該固定プレート113に取り付けられる板状の部分である。
【0031】
脚部111cには、固定プレート113の2つのネジ孔113hに対応した2つの貫通孔111ch(図4(A))が鉛直方向(矢印ab方向)に沿って形成されている。2つの脚部111cと固定プレート113とは、トップキャップ22を挟持した状態で2つのネジsc2により両者がそれぞれ互いに固定される。
【0032】
これによりホルダ110は、取付本体部111の半円筒部111aと固定プレート113とによってトップキャップ22を挟み付けた状態で一体に固定される。ところで、トップキャップ22にはフロントサスペンション30の硬さや減衰量等を調整するための手動のサスペンション調整ダイヤル35(図3および図8(A))が設けられており、ホルダ110がトップキャップ22に取り付けられた際(図8(B))、半円筒部111aの上側(矢印a方向)にサスペンション調整ダイヤル35が露出した状態となる。
【0033】
図4(A)および(B)に示すように、ホルダ110の下ケース固定部115は、取付本体部111の側面に対して一体に設けられ、下ケース140の下ケース本体部141における底面を載置して固定することが可能な箱型形状を有している。下ケース固定部115は、上側が一部開口しており、その開口の内側空間にU字状に形成された固定プレート116が収容されている。
【0034】
下ケース固定部115は、固定プレート116に設けられた2つのネジ孔116hと対応する位置にそれぞれ貫通孔115hを有している。したがって、下ケース固定部115の内側空間に固定プレート116が収容された状態において、下ケース固定部115の貫通孔115hと固定プレート116のネジ孔116hとが互いに対向して連通した状態となる。
【0035】
下ケース固定部115は、後述する下ケース140(図5および図6)の2つの脚部143によって挟持された状態で下ケース本体部141の底面を載置し、2つの脚部143の貫通孔143h(図5(B))、固定プレート116のネジ孔116h(図4(B))、および、下ケース固定部115の貫通孔115h(図4(B))を介してネジsc3により固定することができる。
【0036】
<電動ユニット>
図3図5および図6に示すように、電動ユニット130は、電動サスペンションユニット100を構成する一部であり、ホルダ110に載置された状態で当該ホルダ110と一体に取り付けられる。
【0037】
電動ユニット130は、ケースとしての下ケース140、連結プレート150、ケースとしての上ケース160、モータ170、保持部としての調整ダイヤル保持キャップ190、ギア部としての減速機200、操作ダイヤル300、および、制御装置400を有している。
【0038】
<下ケース>
電動ユニット130の下ケース140は、上ケース160の下に配置された状態で互いに結合されることにより電動ユニット130のケーシングを形成する部品である。
【0039】
下ケース140は、平面視矩形状の箱状の下ケース本体部141と、その下ケース本体部141の上側端部から鉛直方向(矢印ab方向)とは直交する水平方向へ延びる平面視矩形状の薄い板状のキャップ支持部142(図3図5、および、図6)とを有している。
【0040】
下ケース140の下ケース本体部141は、その内側の空間にモータ170を収容するための凹部空間141s(図3)を有している。また、下ケース本体部141は、ホルダ110の下ケース固定部115を挟持可能に下側(矢印b方向)へ延びて互いに対向配置された2つの脚部143を有している。
【0041】
下ケース本体部141に収容されるモータ170は、例えばステッピングモータであり、出力軸171(図3)を有している。ただし、モータ170は、これに限らず、DCモータ、ACモータ等の種々のモータを用いることができる。
【0042】
下ケース140のキャップ支持部142(図3)は、平面視矩形状の薄い板状の腕部142aと、その腕部142aの中央に形成された無底円筒形状の収容壁部142bとを有している。収容壁部142bは、鉛直方向(矢印ab方向)に立設された高さの低い円筒形状の壁であり、後述する調整ダイヤル保持キャップ190を収容可能な内径を有している。
【0043】
<調整ダイヤル保持キャップ>
図3に示すように、調整ダイヤル保持キャップ190は、フロントサスペンション30におけるトップキャップ22に予め設けられている手動のサスペンション調整ダイヤル35の上から押し込んで被せることにより一体に取り付けられる保持部である。
【0044】
調整ダイヤル保持キャップ190は、円盤状のキャップ本体191、突起部分192、および、複数の脚部193を有しており、サスペンション調整ダイヤル35の上から被せられて一体化する。
【0045】
調整ダイヤル保持キャップ190のキャップ本体191は、サスペンション調整ダイヤル35の上側(矢印a方向)から被せることが可能なキャップ状を有している。また、キャップ本体191には、上側(矢印a方向)の中央部分から上側(矢印a方向)へ向かって突出した略直方体形状の突起部分192が形成されている。
【0046】
この突起部分192は、後述する減速機200の第2従動歯車202の下側突出部202bと嵌合して一体化される部位である。すなわち、調整ダイヤル保持キャップ190はサスペンション調整ダイヤル35と共に、減速機200の第2従動歯車202と一体に回転することになる。
【0047】
また、調整ダイヤル保持キャップ190のキャップ本体191には、その周方向における端縁から下側(矢印b方向)へ向かって延びる複数の脚部193が形成されている。複数の脚部193は、板バネ状の弾性力を持ち、一定の間隔をもって等配されている。
【0048】
したがって、調整ダイヤル保持キャップ190がサスペンション調整ダイヤル35の上から押し込まれる際、複数の脚部193が押し広げられることにより、調整ダイヤル保持キャップ190がサスペンション調整ダイヤル35を被せた状態で一体に取り付けられる。
【0049】
<連結プレート>
図3に示すように、モータ170の出力軸171には、連結プレート150が取り付けられている。この場合、連結プレート150は、モータ170の上に載置され、連結プレート150の貫通孔にモータ170の出力軸171が挿通された状態で取り付けられている。
【0050】
すなわち、モータ170の出力軸171の回転が連結プレート150には伝達されることはない。この連結プレート150は、下ケース140と上ケース160との間に挟まれた状態でビス等により、下ケース140および上ケース160と一体に固定される。
【0051】
連結プレート150は、平面視矩形状の薄板状の金属部材であり、モータ170の上に載置されるモータ載置板151、調整ダイヤル保持キャップ190および収容壁部142bの上に載置されるキャップ載置板152、および、差込片153を有している。
【0052】
連結プレート150のモータ載置板151は、平面視略正方形の薄板状部分であり、ほぼ中央にモータ170の出力軸171を挿通させるための貫通孔を有している。連結プレート150のキャップ載置板152は、平面視略長方形の薄板状部分であり、モータ載置板151と一体に形成され、調整ダイヤル保持キャップ190および下ケース140の収容壁部142bの上に載置される。
【0053】
連結プレート150のキャップ載置板152は、調整ダイヤル保持キャップ190および収容壁部142bの上に載置されるため、モータ載置板151よりも上側(矢印a方向)の高い位置に形成されている。
【0054】
連結プレート150のキャップ載置板152には貫通孔(図示せず)が形成されている。キャップ載置板152の貫通孔に減速機200における第2従動歯車202の下側突出部202bが挿通された状態で、当該第2従動歯車202がキャップ載置板152の上に載置される。
【0055】
連結プレート150の差込片153は、キャップ載置板152の端縁から下側(矢印b方向)に向かって延びる平面視長方形の薄板状部分であり、組み立て時に上述した下ケース140のU字状部111bの内側空間に差し込まれる。この差込片153には、鉛直方向(矢印ab方向)に沿って形成された2つのネジ孔153hが形成されている。
【0056】
連結プレート150の差込片153がU字状部111bの内側空間に差し込まれると、差込片153の2つのネジ孔153hと、下ケース140のU字状部111bの2つの貫通孔111bhとが対向して配置されることになり、その状態において2つのネジsc1により固定される。
【0057】
<減速機>
減速機200は、モータ170の出力軸171と噛合った第1従動歯車201、その第1従動歯車201と噛合った第2従動歯車202を有しており、モータ170の出力軸171の回転を所定の減速比で減速する歯車機構である。モータ170の出力軸171は、先端がピニオン歯車となっており当該モータ170の回転を伝達するための駆動歯車である。
【0058】
減速機200の第1従動歯車201は、いわゆる2段ギアであり、出力軸171のピニオン歯車よりも外径が大きく、かつ、歯数が多い一段目歯車部201a、および、一段目歯車部201aよりも外径が小さく、歯数の少ない二段目歯車部201bを有している。第1従動歯車201の一段目歯車部201aは、モータ170の出力軸171と噛み合っている。
【0059】
減速機200の第2従動歯車202は、第1従動歯車201の二段目歯車部201bと噛み合っており、第1従動歯車201の二段目歯車部201bよりも外径が大きく、歯数の多い歯車本体202aと、歯車本体202aの下側(矢印b方向)に向かって突出した図示しない突出部(以下、これを「下側突出部」という。)202b、歯車本体202aの上側(矢印a方向)に向かって突出した突出部(以下、これを「上側突出部」という。)202cを有している。
【0060】
第2従動歯車202の下側突出部202bは、下側(矢印b方向)に向かって延びる円柱状部分であり、有底の嵌合孔(図示せず)を有し、その嵌合孔に対して調整ダイヤル保持キャップ190の突起部分192が嵌合される。つまり、第2従動歯車202は、下側突出部202bを介して調整ダイヤル保持キャップ190およびサスペンション調整ダイヤル35と一体化されている。
【0061】
第2従動歯車202の上側突出部202cは、上側(矢印a方向)に向かって延びる円柱状部分であり、上側(矢印a方向)の端面に対して下方向(矢印b方向)に向かって所定の長さに形成されたネジ孔を有している。
【0062】
<上ケース>
上ケース160は、下ケース140の上に載置された状態で結合されることにより電動ユニット130のケースを形成する部品であり、モータ170、連結プレート150、減速機200等をその内部空間に収容することができる。
【0063】
上ケース160は、連結プレート150の差込片153と対応する位置に切欠部162を有しており、下ケース140に対して上ケース160を取り付けた際、切欠部162から差込片153が外部に飛び出た状態となる。
【0064】
また、上ケース160は、上側(矢印a方向)の上壁部161に対して、減速機200における第2従動歯車202の上側突出部202cと対応する位置に、当該上壁部161を上下方向(矢印ab方向)に貫通する貫通孔161hを有している。上ケース160は、上壁部161の貫通孔161hを介して操作ダイヤル300が取り付けられている。
【0065】
<操作ダイヤル>
操作ダイヤル300は、円盤状部材であり、中央に上下方向(矢印ab方向)に沿って貫通した貫通孔300hを有している。
【0066】
操作ダイヤル300は、上ケース160の上壁部161に設けられた貫通孔161hと当該操作ダイヤル300の貫通孔300hとを互いに対向するように配置される。そして操作ダイヤル300は、貫通孔300hおよび貫通孔161hの双方にビスb1が挿通され、減速機200における第2従動歯車202の上側突出部202cに形成されたネジ孔を介して固定される。
【0067】
これにより操作ダイヤル300は、第2従動歯車202、調整ダイヤル保持キャップ190およびサスペンション調整ダイヤル35と一体化される。操作ダイヤル300は、サスペンション調整ダイヤル35が電動サスペンションユニット100によって隠れたことによりユーザが操作できなくなった代わりに操作可能な手動のダイヤルである。
【0068】
<電動ユニットの組み立て>
次に、電動ユニット130の組み立て方法について説明する。図7(A)乃至(C)に示すように、下ケース140の下ケース本体部141に対してモータ170を収容し、そのモータ170の出力軸171を連結プレート150の貫通孔に挿通させた状態で当該連結プレート150を取り付け、減速機200とモータ170の出力軸171とを噛み合わせた後、減速機200の第2従動歯車202と調整ダイヤル保持キャップ190(図3)とを結合する。
【0069】
その後、図7(B)に示すように、モータ170、連結プレート150、減速機200、および、調整ダイヤル保持キャップ190が取り付けられた下ケース140の上に上ケース160を載置し、下ケース140と上ケース160とをビス等により結合する。
【0070】
このとき、上ケース160の上壁部161の貫通孔161hから減速機200の第2従動歯車202の上側突出部202cが突出しており、その上側突出部202cを操作ダイヤル300の貫通孔300hに挿通させると共に、ビスb1により第2従動歯車202と操作ダイヤル300とを一体に固定する。かくして、図7(C)に示すように、下ケース140と上ケース160とが結合された電動ユニット130(図5および図6)が形成される。
【0071】
ホルダ110に取り付けられる前の電動ユニット130は、下ケース140と上ケース160とが結合され、その内側空間にモータ170、連結プレート150、および、減速機200が収容されているが、連結プレート150の差込片153、調整ダイヤル保持キャップ190(図6)、および、操作ダイヤル300(図5(A)および(B))が外部に露出した状態である。
【0072】
<電動サスペンションユニットのフロントフォークに対する取り付け>
図8(A)乃至(C)に示すように、電動サスペンションユニット100においては、最初に、自転車のフォーククラウン20のトップキャップ22に対してホルダ110を取り付ける。
【0073】
この場合、サスペンション調整ダイヤル35が設けられている方のトップキャップ22がホルダ110の取り付け対象となる。実際、ホルダ110の上側(矢印a方向)が開口しており、ホルダ110がトップキャップ22に取り付けられた場合に当該トップキャップ22がホルダ110によって隠蔽されるが、サスペンション調整ダイヤル35は露出した状態となる(図8(B))。
【0074】
続いて、電動ユニット130の差込片153をホルダ110のU字状部111bに上側から差込む。このとき、差込片153を介してホルダ110と電動ユニット130とが正しく位置決めされる。
【0075】
したがって、ホルダ110に対して電動ユニット130の下ケース140が上側(矢印a方向)から押し込まれる際、サスペンション調整ダイヤル35に対して調整ダイヤル保持キャップ190が上側から被せるように嵌合されて一体化される。
【0076】
電動ユニット130の下ケース140がホルダ110に対して正しい位置に配置されたので、下ケース140におけるホルダ110のU字状部111bと連結プレート150の差込片153とをネジsc1で固定すると共に、ホルダ110の脚部111cと、下ケース140における2つの脚部143とをネジsc2により固定する。かくして、自転車のフロントフォーク1のトップキャップ22に対して電動サスペンションユニット100を後付けすることができる。
【0077】
<制御装置>
図9に示すように、電動サスペンションユニット100においては、図3において図示していないが、モータ170、減速機200、調整ダイヤル保持キャップ190を介してサスペンション調整ダイヤル35(図3図8(A)および(B))を回転制御する制御装置400が設けられている。
【0078】
制御装置400は、制御部410、入力部420、振動センサ430、角度センサ440、および、モータドライバ450を有している。なお、制御装置400は、図示しないバッテリを内部に積んでおり、当該バッテリから各回路に電力を供給し動作させる。
【0079】
この場合、制御装置400を構成する制御部410、モータドライバ450等については、例えば、プログラム処理装置によって構成された機能部でありソフトウェアにより実現されている。
【0080】
具体的には、CPU等のプロセッサと、RAM、ROM等の各種記憶装置と、カウンタ(タイマ)、A/D変換回路、D/A変換回路、クロック発生回路、および入出力I/F回路等の周辺回路とがバスや専用線を介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置(例えばマイクロコントローラ)において、CPUがRAM等のメモリに記憶されているプログラムに従って各種演算処理を実行し、その処理結果に基づいて制御することによって、上述した機能部が実現されている。
【0081】
制御装置400の制御部410は、入力部420、振動センサ430、および、角度センサ440から送られてくる各種信号を受け取り、モータ170の駆動を制御するための駆動制御信号を生成する機能部である。また、制御部410は、制御装置400の全体をコントロールしており、図示しないバッテリから各回路に電力を供給し動作させる。
【0082】
制御装置400の入力部420は、LCD等の操作画面を有し、手動モード、自動モード等のモード切替を行ったり、その操作画面に表示される番号(例えば1番~5番)をユーザのタッチ入力により切替可能な機能部である。この番号は、フロントサスペンション30の硬さや減衰特性等を例えば5段階に切り替えるためのサスペンション調整ダイヤル35のダイヤル番号と対応する値である。
【0083】
入力部420は、例えば自転車のハンドル等に取り付けられている。入力部420は、自転車を運転中のユーザにより操作されることから、自転車のハンドルまたはその近傍のユーザが操作可能な範囲の場所に取り付けられていればよく、必ずしもハンドルに限るという意味ではない。
【0084】
入力部420と制御部410は、有線または無線によって接続されており、入力部420からユーザにより選択された手動モード、または、自動モードを表す信号や、サスペンション調整ダイヤル35のダイヤル番号を表す信号が制御部410に送られる。
【0085】
例えば、サスペンション調整ダイヤル35のダイヤル番号は1番から5番まであり、フロントサスペンション30を最も柔らかく設定するのは例えば1番であり、フロントサスペンション30を最も硬く設定するのは例えば5番である。
【0086】
したがって、ユーザは、自転車の走行中に入力部420の操作画面に表示されるダイヤル番号を1番から5番に切り替えることにより、サスペンション調整ダイヤル35のダイヤル番号を1番から5番へ切り替える命令を与えることができる。
【0087】
制御装置400の振動センサ430は、例えば、自転車の車軸を支持するフロントサスペンション30の爪、または、ハンドル等に取り付けられており、振動を表す物理量である変位、速度、加速度等に基づいて車輪またはハンドルに与えられる走行時の振動(揺れ)を検出するセンサである。
【0088】
振動センサ430と制御部410は、有線または無線によって接続されており、振動センサ430によって検出した振動を表す振動データが制御部410に送られる。振動センサ430は、自転車の何れの部位にも取り付けることが可能である。ただし、自転車走行中のユーザが振動を直接感じやすいハンドルや、振動が直接伝わる車輪を支持する車軸近傍の爪33に取り付けられることが望ましい。
【0089】
制御装置400の角度センサ440は、サスペンション調整ダイヤル35の現在位置を把握するために減速機200の第2従動歯車202に取り付けられた磁気式または光学式のロータリーエンコーダ、ポテンショメータなどである。
【0090】
具体的には、角度センサ440は、例えばアブソリュート形のロータリーエンコーダであり、第2従動歯車202の回転量を検出し、その検出結果に基づいて調整ダイヤル保持キャップ190の現在位置を検出することができる。調整ダイヤル保持キャップ190の現在位置とサスペンション調整ダイヤル35の現在位置とは同じである。
【0091】
角度センサ440と制御部410とは有線または無線によって接続されており、角度センサ440によって検出したサスペンション調整ダイヤル35の現在位置(ダイヤル番号)を表す信号が制御部410に送られる。
【0092】
モータドライバ450は、制御部410から与えられる駆動制御信号を受け取り、その駆動制御信号に基づいて、減速機200を介して調整ダイヤル保持キャップ190およびサスペンション調整ダイヤル35を回転させるためモータ駆動信号をモータ170に出力する。
【0093】
制御部410は、角度センサ440からの信号に基づいてサスペンション調整ダイヤル35の現在位置のダイヤル番号を認識しており、入力部420からユーザにより選択されたダイヤル番号を表す信号を受け取ると、サスペンション調整ダイヤル35の現在位置(ダイヤル番号)と、ユーザにより選択されたダイヤル番号とに基づいて、サスペンション調整ダイヤル35を所定量だけ回転させるためにモータ170を駆動させる制御信号を生成し、モータドライバ450へ出力する。
【0094】
例えば、制御部410は、角度センサ440からの信号に基づいてサスペンション調整ダイヤル35の現在位置(ダイヤル番号)が例えば1番であることを認識した状態で、自転車を走行中のユーザから入力部420を介して例えばダイヤル番号を5番に切り替える命令が入力されたことを認識すると、サスペンション調整ダイヤル35のダイヤル番号を5番の位置に回転させるための駆動制御信号をモータドライバ450に出力する。
【0095】
これにより制御装置400では、モータドライバ450、モータ170、減速機200、および、調整ダイヤル保持キャップ190を介してサスペンション調整ダイヤル35のダイヤル番号を5番の位置に回転させることができる。
【0096】
このように自転車を走行中のユーザは、入力部420を介して所望のダイヤル番号の値を入力するだけで、サスペンション調整ダイヤル35を回転させ、ユーザ所望の硬さや減衰特性にフロントサスペンション30を調整することができる。
【0097】
また、制御装置400では、振動センサ430により自転車の走行中の振動を検出しているので、振動値の大きさが所定の閾値を超える場合、振動値を所定のレベル以下に小さくするためにフロントサスペンション30の硬さや減衰特性を変更させるための駆動制御信号をモータドライバ450へ出力する。
【0098】
これにより制御装置400では、モータドライバ450、モータ170、減速機200、および、調整ダイヤル保持キャップ190を介して、路面状況に対して振動が所定レベル以下になるダイヤル番号になるようにサスペンション調整ダイヤル35を回転させる。
【0099】
このように制御装置400では、ユーザが入力部420を介してフロントサスペンション30の硬さや減衰特性を任意に調整することに加えて、振動センサ430により路面状況(振動の大きさ)を検出しているため、振動センサ430の検出結果に応じて路面状況に合わせて最適な振動レベルに常時コンロトールすることもできる。
【0100】
なお、制御装置400の制御部410は、入力部420を介してサスペンション調整ダイヤル35を手動で設定する手動モードを選択することが可能である。この場合、制御部410は、振動センサ430からの検出結果(振動値)を用いることなく、ユーザにより選択されたダイヤル番号に対応した硬さや減衰特性にフロントサスペンション30を調整することができる。
【0101】
また、制御装置400の制御部410は、入力部420を介してサスペンション調整ダイヤル35を自動で設定する自動モードを選択することが可能である。この場合、制御部410は、振動センサ430からの検出結果(振動値)のみに基づいて、路面状況に合わせて最適な振動レベルになるようにフロントサスペンション30の硬さや減衰特性を調整することができる。
【0102】
以上の構成において、電動サスペンションユニット100では、自転車のフロントフォーク1のフロントサスペンション30に対して手動のサスペンション調整ダイヤル35が設けられている場合、ホルダ110および電動ユニット130をフロントサスペンション30のトップキャップ22に対して後付けで取り付けることができる。
【0103】
また、電動サスペンションユニット100は、ユーザが操作可能な入力部420を自転車のハンドルに取り付けることにより、自転車の走行中であっても、制御装置400を介してサスペンション調整ダイヤル35を操作することができる。すなわち、ユーザは自転車から降りる必要がなく、所望のタイミングでフロントサスペンション30の硬さや減衰特性を任意に調整することができる。
【0104】
さらに、電動サスペンションユニット100は、振動センサ430および角度センサ440を有しているので、ユーザが入力部420を介して手動によりサスペンション調整ダイヤル35のダイヤル番号を入力しなくても、路面状況に最適なフロントサスペンション30を調整することができる。
【0105】
以上、本発明のサスペンション電動制御装置について、好ましい実施の形態を挙げて説明したが、本発明のサスペンション電動制御装置は上記実施の形態の電動サスペンションユニット100に限定されるものではない。
【0106】
例えば、サスペンション電動制御装置としての電動サスペンションユニット100は、車両として自転車のフロントフォーク1のフロントサスペンション30に取り付けられるようにした場合について述べたが、本発明のサスペンション電動制御装置は、自転車に限らずサスペンション調整ダイヤル35を有するオートバイのフロントサスペンションやリアサスペンション等のサスペンションを搭載するその他種々の車両に適用するようにしてもよい。
【0107】
本発明の電動サスペンションユニット100における制御装置400では、内部のバッテリから電力の供給を受けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、バッテリを搭載するのではなく、外部のバッテリから無線で電力の供給を受けたり、或いは、自転車の走行中に前輪または後輪のハブの中に収容された発電機(ダイナモ)から得られる電力の供給を無線で受けるようにしてもよい。
【0108】
本発明の電動サスペンションユニット100における制御装置400では、入力部420、振動センサ430、および、角度センサ440を用いてフロントサスペンション30の硬さや減衰特性を調整するようにした場合について述べた。
【0109】
しかしながら、本発明はこれに限らず、入力部420を設けることなく、振動センサ430、および、角度センサ440だけを用いてフロントサスペンション30の硬さや減衰特性を自動モードで調整するようにしてもよく、或いは、振動センサ430、および、角度センサ440を設けることなく、入力部420に対する入力操作だけに基づいて手動モードでのみフロントサスペンション30の硬さや減衰特性を調整するようにしてもよい。
【0110】
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のサスペンション電動制御装置を適宜改変し、また各種構成の組み合わせを変更することができる。かかる変更によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0111】
1…フロントフォーク、10…操舵管、20…フォーククラウン(クラウン)、21…基部、22…トップキャップ、30…フロントサスペンション、31…内筒(スタンション)、32…外筒(スライダー)、35…サスペンション調整ダイヤル(手動操作部)、40…ブリッジ(アーチ)、100…電動サスペンションユニット、110…ホルダ、111…取付本体部、111a…半円筒部、111b…U字状部、111c…脚部、113…固定プレート、115…下ケース固定部、116…固定プレート、130…電動ユニット、140…下ケース(ケース)、141…下ケース本体部、141s…凹部空間、142…キャップ支持部、142a…腕部、142b…収容壁部、143…脚部、150…連結プレート、151…モータ載置板、152…キャップ載置板、153…差込片、160…上ケース(ケース)、161…上壁部、161h…貫通孔、162…切欠部、170…モータ、171…出力軸、190…調整ダイヤル保持キャップ(保持部)、191…キャップ本体、192…突起部分、193…脚部、200…減速機、201…第1従動歯車、201a…一段目歯車部、201b…二段目歯車部、202…第2従動歯車、202a…歯車本体、202b…下側突出部、202c…上側突出部、300…操作ダイヤル、300h…貫通孔、400…制御装置、410…制御部、420…入力部、430…振動センサ、440…角度センサ、450…モータドライバ、sc1,sc2,sc3…ネジ、b1…ビス。
図1
図2
図3
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図7
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図9