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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025068544
(43)【公開日】2025-04-28
(54)【発明の名称】加圧装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 15/02 20060101AFI20250421BHJP
   B30B 15/34 20060101ALI20250421BHJP
【FI】
B30B15/02 C
B30B15/34
B30B15/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178525
(22)【出願日】2023-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】平川 翔太
(72)【発明者】
【氏名】森 隆博
(72)【発明者】
【氏名】森永 高広
(72)【発明者】
【氏名】森本 崇
【テーマコード(参考)】
4E088
4E090
【Fターム(参考)】
4E088AB05
4E088DA08
4E088EA03
4E090AA01
4E090AB01
4E090DA02
4E090DA03
4E090HA10
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で均圧性の悪化を抑制可能な加圧装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る加圧装置1は、被加圧物の上下に配置される上加圧ユニット2と下加圧ユニット3とを有してなる。上加圧ユニットは、加圧時に被加圧物に当接する上金型24と、上金型よりも上方に上金型に隣接して配置される上弾性部材25と、水平方向において上弾性部材の全周を囲むように配置される上筐体23と、を備える。上金型は、加圧時に被加圧物に当接する金属製で平面状の上プレス面24aを備える。上下方向視において、上プレス面が占める領域の全域は、上弾性部材が占める領域と重複する。上筐体は、非加圧時に上金型の下方向への移動を規制する規制部232を備える。上金型は、非加圧時、規制部のみにより支持されて、被加圧物への加圧の状態に応じて、上筐体に対して上下方向に摺動可能に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向において被加圧物を挟み込んで加圧する加圧装置であって、
前記被加圧物の上方に配置される上加圧ユニットと、
前記被加圧物の下方に配置される下加圧ユニットと、
を有してなり、
前記上加圧ユニットは、
前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する上金型と、
前記上金型よりも上方に、前記上金型に隣接して配置される上弾性部材と、
水平方向において、前記上弾性部材の全周を囲むように配置される上筐体と、
を備えて、
前記上金型は、
前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する、金属製で平面状の上プレス面、
を備えて、
上下方向視において、前記上プレス面が占める領域の全域は、前記上弾性部材が占める領域と重複して、
前記上筐体は、
前記被加圧物が加圧されていないとき、前記上金型の下方向への移動を規制する規制部、
を備えて、
前記上金型は、
前記被加圧物が加圧されていないとき、前記規制部のみにより支持されて、
前記被加圧物への加圧の状態に応じて、前記上筐体に対して前記上下方向に摺動可能に配置される、
加圧装置。
【請求項2】
前記水平方向において、前記上筐体は、前記上金型を挟み込むように配置されて、
前記規制部は、
前記水平方向において、前記上筐体に対して前記上金型が配置される方向に突出して、または、前記上金型の一部を収容して、
前記被加圧物が加圧されていないとき、前記上金型を支持する支持面、
を備える、
請求項1に記載の加圧装置。
【請求項3】
前記上金型は、
前記上プレス面を備える金型本体部と、
前記水平方向において、前記金型本体部から突出する金型突出部と、
を備えて、
前記被加圧物が加圧されていないとき、前記支持面は、前記金型突出部に当接する、
請求項2に記載の加圧装置。
【請求項4】
前記上加圧ユニットは、
前記被加圧物を加熱または冷却する上熱ユニット、
を備えて、
前記上下方向において、前記上弾性部材は、前記上金型と前記上熱ユニットとの間に配置される、
請求項1に記載の加圧装置。
【請求項5】
前記上金型は、
前記被加圧物を加熱または冷却する上熱ユニット、
を備えて、
前記上下方向において、前記上弾性部材は、前記上熱ユニットの上方に前記上熱ユニットに隣接して配置される、
請求項1に記載の加圧装置。
【請求項6】
前記上加圧ユニットにおいて、前記上筐体または前記規制部は、着脱可能に構成されて、
前記上筐体または前記規制部が取り外されたとき、前記上金型は、交換可能である、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の加圧装置。
【請求項7】
上下方向視において、前記上プレス面の形状および大きさは、前記被加圧物の形状および大きさと同じである、
請求項6に記載の加圧装置。
【請求項8】
上下方向視における前記被加圧物の形状および大きさに対応する複数種の前記上金型、
を有してなる、
請求項7に記載の加圧装置。
【請求項9】
前記下加圧ユニットは、
前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する下金型、
を備えて、
前記下金型は、
前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する、金属製で平面状の下プレス面、
を備えて、
上下方向視において、前記下プレス面の形状および大きさは、前記被加圧物の形状および大きさと同じである、
請求項7に記載の加圧装置。
【請求項10】
前記下加圧ユニットは、
前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する下金型と、
前記下金型よりも下方に配置される下弾性部材と、
を備えて、
前記下金型は、
前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する、金属製で平面状の下プレス面、
を備えて、
上下方向視において、前記下プレス面が占める領域の全域は、前記下弾性部材が占める領域と重複する、
請求項1に記載の加圧装置。
【請求項11】
前記上弾性部材の外周面は、前記上筐体に対向して、前記上筐体から離れる方向に凹む凹面である、
請求項1に記載の加圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のシート状の基材(例えば、積層セラミックコンデンサのグリーンシート、プリント配線基板、など)が積層された積層体を加圧する装置として、加圧装置が用いられている。加圧装置は、一対の加圧ユニットにより積層体(被加圧物)を上下から挟み込み、積層体を所定の加圧力で加圧する。加圧ユニットのうち、積層体に当接する金型のプレス面は、積層体が加圧されるとき、積層体の上下面の全体に対してプレス面から均等な面圧が加えられるように、相互に平行な平面状に形成されている。
【0003】
ところで、被加圧物が平面状のプレス面により加圧されたとき、プレス面の外縁部における圧力が高くなり、プレス面の中央部における圧力が低くなる現象(均圧性の悪化、面圧の不均一化)は、よく知られている。この均圧性の悪化の正確な要因は特定されていないが、加圧時に生じる金型からの反力による加圧ユニット(金型)の撓みなどが要因の一例として挙げられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開公報第2022/114113号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術では、加圧ユニットの撓みを前提として、同撓みを吸収するための隙間が加圧ユニット内に形成されている。その結果、同技術では、加圧ユニットのうち、金型以外の歪みが隙間に吸収されることにより、金型は歪むことなく積層体を加圧できる。しかしながら、同技術では、加圧ユニットの構成、荷重、および被加圧物の大きさ(面積)などに応じた隙間の形成加工が必要となる。そのため、より簡易な構成で均圧性の悪化を抑制する(均圧性を向上させる)技術が求められている。
【0006】
本発明は、簡易な構成で均圧性の悪化を抑制可能な加圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様における加圧装置は、上下方向において被加圧物を挟み込んで加圧する加圧装置であって、前記被加圧物の上方に配置される上加圧ユニットと、前記被加圧物の下方に配置される下加圧ユニットと、を有してなり、前記上加圧ユニットは、前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する上金型と、前記上金型よりも上方に、前記上金型に隣接して配置される上弾性部材と、水平方向において、前記上弾性部材の全周を囲むように配置される上筐体と、を備えて、前記上金型は、前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する、金属製で平面状の上プレス面、を備えて、上下方向視において、前記上プレス面が占める領域の全域は、前記上弾性部材が占める領域と重複して、前記上筐体は、前記被加圧物が加圧されていないとき、前記上金型の下方向への移動を規制する規制部、を備えて、前記上金型は、前記被加圧物が加圧されていないとき、前記規制部のみにより支持されて、前記被加圧物への加圧の状態に応じて、前記上筐体に対して前記上下方向に摺動可能に配置される、加圧装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な構成で均圧性の悪化を抑制可能な加圧装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る加圧装置の実施の形態を示す模式断面図である。
図2図1の加圧装置の部分拡大模式断面図である。
図3図1の加圧装置のA矢視における部分拡大模式下面図である。
図4図1の加圧装置のBB線における模式断面図である。
図5】被加圧物が加圧されているときの図1の加圧装置を示す部分拡大模式断面図である。
図6】均圧性の悪化を抑制する要因を説明する模式図であり、(a)は被加圧物Wが加圧されているときに生じている部材の撓みの状態を示していて、(b)は被加圧物Wが加圧されているときに生じている応力の伝播を示している。
図7】(a)は第1変形例に係る加圧装置の部分拡大模式断面図であり、(b)は第2変形例に係る加圧装置の部分拡大模式断面図であり、(c)は第3変形例に係る加圧装置の部分拡大模式断面図であり、(d)は第4変形例に係る加圧装置の部分拡大模式断面図である。
図8】(a)は第5変形例に係る加圧装置の模式断面図であり、(b)は第6変形例に係る加圧装置の模式断面図であり、(c)は第7変形例に係る加圧装置の模式断面図であり、(d)は第8変形例に係る加圧装置の模式断面図である。
図9図1の加圧装置の実施例を示す圧力分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る加圧装置の実施の形態が説明される。以下の説明において、各図面は、適宜参照される。各図面において、同一の部材および要素については同一の符号が付されて、重複する説明は省略される。また、各要素の寸法比率は、説明の便宜上、誇張されている場合が有り、各図面に示されている比率に限定されない。
【0011】
以下の説明および図面において、特に断りがない限り、空間において相互に直交する3軸をそれぞれX軸、Y軸およびZ軸としたとき、「X軸方向」は、X軸に沿う方向であり、左右方向である。「Y軸方向」は、Y軸に沿う方向であり、前後方向である。「Z軸方向」は、Z軸に沿う方向であり、上下方向である。また、「+X方向」は左方であり、「-X方向」は右方であり、「+Y方向」は前方であり、「-Y方向」は後方であり、「+Z方向」は上方であり、「-Z方向」は下方である。
【0012】
本発明は、平面状のプレス面により上下方向から被加圧物を加圧する加圧装置において発生する均圧性の悪化(面圧の不均一化)を、弾性部材を用いて抑制する。また、本発明は、金型の交換を容易にすることにより、被加圧物の形状および大きさが変更されても、被加圧物に応じて均圧性の悪化を抑制する。
【0013】
「均圧性の悪化」は、被加圧物が平面状のプレス面により加圧されたとき、プレス面の外縁部における圧力が高くなり、プレス面の中央部における圧力が低くなる現象である。
【0014】
「被加圧物」は、本発明に係る加圧装置に加圧される対象であり、例えば、シート状の基材(セラミックグリーンシートなど)、電子部品、回路などが搭載されている基板、などである。
【0015】
●加圧装置●
●加圧装置の構成
図1は、本発明に係る加圧装置(以下「本装置」という。)の実施の形態を示す模式断面図である。
同図は、本装置1がY軸方向における中央部で切断された、本装置1のX軸方向およびZ軸方向(以下「XZ軸方向」という。)における切断面を示している(図2図5図8、および図9も同じ。)。
【0016】
本装置1は、Z軸方向(上下方向)において被加圧物Wを挟み込んで加圧する。本装置1は、上加圧ユニット2、下加圧ユニット3、昇降機構4、制御装置5、ポンプ用配管Lp、および真空ポンプPを有してなる。
【0017】
上加圧ユニット2は、下加圧ユニット3と共に、Z軸方向において被加圧物Wを挟み込んで加圧する。上加圧ユニット2は、下加圧ユニット3の+Z方向(上方向)に、下加圧ユニット3と対向するように配置されている。上加圧ユニット2は、昇降機構4の動作により、Z軸方向に移動(昇降)可能に構成されている。上加圧ユニット2は、上ベース部材20、第1上筐体21、シリンダ22、第2上筐体23、上金型ユニット24、上弾性部材25、およびO-リングR1,R2を備える。
【0018】
図2は、図1の本装置1の部分拡大模式断面図である。
図3は、図1の本装置1のA矢視における部分拡大模式下面図である。
図3は、説明の便宜上、被加圧物Wを太い二点鎖線で示していて、後述される本体部231の内周面23aを細い二点鎖線で示している。以下の説明において、図1は、適宜参照される。
【0019】
上ベース部材20は、シリンダ22および第2上筐体23を支持している。上ベース部材20は、Z軸方向に移動(昇降)可能に昇降機構4に支持されている。
【0020】
第1上筐体21は、第2上筐体23、上金型ユニット24、および上弾性部材25を収容すると共に、被加圧物Wが加圧されているとき(加圧時)、被加圧物Wが収容される空間(収容空間S4:図5参照。)を画定する。第1上筐体21は、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。第1上筐体21の形状は、Z軸方向視において正方形状で、略筒状(矩形筒状)である。すなわち、Z軸方向視において、第1上筐体21の中央には、正方形状の内部空間が形成されている。第1上筐体21は、第1上筐体21の内側から外側へ貫通している排気孔21aを備える。排気孔21aは、ポンプ用配管Lpを介して真空ポンプPに接続されている。第1上筐体21は、シリンダ22を介して上ベース部材20に支持されている。水平方向において、第1上筐体21は、第2上筐体23、上金型ユニット24、および上弾性部材25を囲むように配置されている。
【0021】
X軸方向およびY軸方向(以下「XY軸方向」という。)において、第1上筐体21の内周面同士の間隔は、第2上筐体23(本体部231)の外周面同士の間隔よりも大きい。第1上筐体21の内周面と第2上筐体23の外周面との間、および第1上筐体21の下面には、O-リングR1,R2が配置されている。
【0022】
シリンダ22は、第1上筐体21をZ軸方向に昇降可能に支持している。シリンダ22は、上ベース部材20の下面20aに取り付けられている。シリンダ22は、例えば、公知のエアシリンダである。
【0023】
第2上筐体23は、上金型ユニット24の一部、および上弾性部材25を収容する。第2上筐体23は、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。第2上筐体23の形状は、Z軸方向視において正方形状で、略筒状(矩形筒状)である。第2上筐体23は、両端部の開口がZ軸方向に向けられた状態で、例えば、複数のボルト(不図示。以下同じ。)により、上ベース部材20の下面20aに取り付けられている。そのため、第2上筐体23は、ボルトの着脱により、上ベース部材20から容易に着脱可能である。第2上筐体23は、本体部231および内フランジ部232を備える。第2上筐体23は、本発明における上筐体の一例である。
【0024】
本体部231は、上金型ユニット24の一部、および上弾性部材25を収容すると共に、加圧時に上弾性部材25の過度な変形を抑制する。本体部231の形状は、Z軸方向視において正方形状の筒状(矩形筒状)である。本体部231の内周面23aは、Z軸方向視において正方形状で、Z軸方向に平行な平面状であり、XY軸方向に向けられている。水平方向において、本体部231は、上金型ユニット24および上弾性部材25の全周を囲むように配置されている。すなわち、本体部231は、XY軸方向において、上金型ユニット24および上弾性部材25を挟み込むように配置されている。
【0025】
内フランジ部232は、上金型ユニット24を支持して、上金型ユニット24の落下を防止する。すなわち、内フランジ部232は、被加圧物Wが加圧されていないとき(非加圧時)、上金型ユニット24を支持していて、上金型ユニット24の-Z方向(下方向)への移動を規制している。本体部231の下端部は、全周に亘って内方(本体部231に対して後述される金型部241が配置されている方向)に向けて均等に突出していて、内フランジ部232を形成している。すなわち、水平方向において、内フランジ部232は、本体部231から内方に向けて突出していて、本体部231と一体に構成されている。Z軸方向視において、内フランジ部232の形状は、正方形状の枠状(矩形リング状)である。Z軸方向において、内フランジ部232の厚みは、内フランジ部232が上金型ユニット24を十分に支持可能な強度を有するために必要な厚みに設定されている。内フランジ部232の上面23bは、水平方向に平行な平面状である。Z軸方向視において、内フランジ部232の内周面23cは正方形状で、Z軸方向に平行な平面状であり、XY軸方向に向けられている。内フランジ部232は、本発明における規制部の一例である。内フランジ部232の上面23bは本発明における支持面の一例である。すなわち、本発明における規制部は、本発明における支持面を備える。
【0026】
なお、本発明において、内フランジ部232の形状は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、内フランジ部232は、本体部231からX軸方向またはY軸方向のみに向けて突出していてもよい。つまり、内フランジ部232は、X軸方向またはY軸方向に平行な内周面23aのみから突出していてもよい。また、例えば、本体部231からX軸方向および/またはY軸方向に向けて等距離に突出する複数の棒状の部分それぞれが、本発明における規制部として機能していてもよい。
【0027】
上金型ユニット24は、被加圧物Wが加圧されるとき、被加圧物Wに当接する金型である。上金型ユニット24は、金型部241および熱ユニット部244を備える。上金型ユニット24は、本発明における上金型の一例である。
【0028】
金型部241は、例えば、ステンレス鋼などの高い剛性を有する金属製である。金型部241の形状は、Z軸方向視において正方形状で、側方向視において逆ハット状である。金型部241は本体部242および外フランジ部243を備える。
【0029】
本体部242の形状は、Z軸方向視において正方形状で、Z軸方向に扁平な直方体状である。本体部242の下面24aおよび上面24bは、水平方向に平行な平面状である。下方向視において、本体部242の外周面24cは正方形状で、Z軸方向に平行な平面状であり、XY軸方向に向けられている。下面24aの外縁部は、全周に亘って+Z方向に凹んでいて、段部24dを形成している。以下の説明において、下面24aのうち、段部24dを除く部分が下面24aである。すなわち、下面24aは段部24dよりも-Z方向に配置されていて、Z軸方向視において、下面24aの形状は正方形状である。下面24aは、加圧時に被加圧物Wに当接する面であり、本発明における上プレス面の一例である。
【0030】
外フランジ部243は、内フランジ部232に支持されることにより、本体部242(上金型ユニット24)の落下を防止する。水平方向において、本体部242の上端部は、全周に亘って外方(本体部242に対して第2上筐体23が配置されている方向:本体部242から離れる方向)に向けて均等に突出していて、外フランジ部243を形成している。すなわち、水平方向において、外フランジ部243は、本体部242から外方に向けて突出していて、本体部242と一体に構成されている。Z軸方向視において、外フランジ部243の形状は、正方形状の枠状(矩形リング状)である。Z軸方向において、外フランジ部243の厚みは、本体部242および熱ユニット部244(上金型ユニット24)を十分に支持可能な程度に設定されている。外フランジ部243の下面24eおよび上面24fは、水平方向に平行な平面状である。同上面24fは、本体部242の上面24bと同一の仮想平面上に配置されている。Z軸方向視において、外フランジ部243の外周面24gは、正方形状で、Z軸方向に平行な平面状であり、XY軸方向に向けられている。外フランジ部243の下面24eは、内フランジ部232の上面23bに対向している。外フランジ部243は、本発明における金型突出部の一例である。
【0031】
なお、本発明において、外フランジ部243の形状は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、外フランジ部243は、本体部242からX軸方向またはY軸方向のみに向けて突出していてもよい。つまり、外フランジ部243は、X軸方向またはY軸方向に平行な外周面24cのみから突出していてもよい。また、例えば、本体部242からX軸方向および/またはY軸方向に向けて等距離に突出する複数の棒状の部分それぞれが、本発明における金型突出部として機能していてもよい。
【0032】
熱ユニット部244は、被加圧物Wが加圧されるとき、被加圧物Wを加熱/冷却する。熱ユニット部244の形状は、Z軸方向視において正方形状で、Z軸方向に扁平な直方体状である。熱ユニット部244は、本体部245、第1断熱部材246、第2断熱部材247、複数のヒータH1、および複数の冷媒流路L1を備える。熱ユニット部244は、本発明における上熱ユニットの一例である。
【0033】
本体部245は、ヒータH1および冷媒流路L1を保護する。本体部245は、例えば、ステンレス鋼などの高い剛性を有する金属製である。本体部245の形状は、Z軸方向視において正方形状で、Z軸方向に扁平な直方体状である。水平方向において、第1断熱部材246は、本体部245の周囲(XY軸方向に向けられる4面)を覆い、ヒータH1の熱の側方への漏れを抑制している。第2断熱部材247は、本体部245を上下に2分割するように配置されていて、ヒータH1の熱の+Z方向への漏れを抑制している。ヒータH1は、被加圧物Wが加圧されるとき、被加圧物Wを加熱する。ヒータH1は、本体部245の下半部内に配置されている。冷媒流路L1は、本体部245および被加圧物Wを冷却する冷媒(不図示。以下同じ。)が流れる流路である。冷媒は、冷却装置(不図示。以下同じ。)により冷却されていて、冷媒流路L1と冷却装置との間で循環されている。冷媒流路L1は、本体部245の上半部内に配置されている。熱ユニット部244は、第2上筐体23に収容されていて、金型部241の+Z方向に、金型部241に隣接して配置されている。熱ユニット部244は、例えば、ボルト(不図示。以下同じ。)により、金型部241に取り付けられている。
【0034】
なお、本発明において、熱ユニット部244は、ヒータH1または冷媒流路L1を備えていなくてもよい。この場合、熱ユニット部244は、必要に応じて、第1断熱部材246および第2断熱部材247を備える。
【0035】
また、本発明において、熱ユニット部244は、金型部241の上に載置されていて、金型部241に取り付けられていなくてもよい。
【0036】
XY軸方向において、外フランジ部243の大きさ(L3)は、本体部242の大きさ(L2)よりも大きく、熱ユニット部244の大きさ(L4)と同じである。XY軸方向において、本体部242の下面24aの大きさ(L1)は、本体部242の大きさ(L2)よりも小さく、被加圧物Wの大きさ(Lw)と同じである。すなわち、Z軸方向視において、下面24aの(外縁の)形状および大きさ(L1)は、被加圧物Wの(外縁の)形状および大きさ(Lw)と同じである。
【0037】
ここで、下面24aと被加圧物Wとの関係における「同じ」は、完全に同一だけでなく、公差や製造時の寸法精度に基づく差異を含むが、下面24aの大きさ(L1)が被加圧物Wの大きさ(Lw)よりも小さくなることはない。
【0038】
なお、本発明において、XY軸方向における熱ユニット部244の大きさ(L4)は、本体部242の大きさ以上であればよく、外フランジ部243の大きさ(L3)よりも小さくてもよい。
【0039】
上金型ユニット24のうち、本体部242の一部(上半部)、外フランジ部243、および熱ユニット部244は、第2上筐体23に収容されている。本体部242の他の一部(下半部)は、第2上筐体23よりも-Z方向に突出している。本体部242の外周面24cは、内フランジ部232の内周面23cに対向している。XY軸方向において、本体部242の外周面24c同士の間隔(L2)は、内フランジ部232の内周面23c同士の間隔(L11)よりも小さい。外フランジ部243の外周面24g、および熱ユニット部244の外周面24hは、第2上筐体23の本体部231の内周面23aに対向していて、Z軸方向に摺動可能な状態で同内周面23aに当接している。XY軸方向において、外フランジ部243の外周面24g同士の間隔(L3)は、本体部231の内周面23a同士の間隔(L12)と略同じである(僅かに小さい)。XY軸方向において、熱ユニット部244の外周面24h同士の間隔(L4)は、外フランジ部243の外周面24g同士の間隔(L3)と同じである。非加圧時、内フランジ部232の上面23bは、外フランジ部243の下面24eに当接している。その結果、非加圧時、上金型ユニット24は、内フランジ部232(上面23b)のみにより支持されている。このとき、上金型ユニット24は、+Z方向へは後述される空間S1および上弾性部材25の弾性変形分のみ摺動可能であり、-Z方向へは摺動不可能である。
【0040】
本発明において、「上金型ユニット24の摺動」は、下面24aが水平方向に平行な状態でZ軸方向に移動することを意味する。すなわち、外周面24g,24hの全面は、必ずしも内周面23aに当接していなくてもよい。つまり、上金型ユニット24がZ軸方向にガタつきなく摺動可能あれば、外周面24g,24hの一部または全部は、内周面23aに当接していなくてもよい。
【0041】
図4は、図1の本装置1のBB線における模式断面図である。
同図は、説明の便宜上、第2上筐体23および上弾性部材25のみの断面を示していて、本体部242の下面24aおよび被加圧物Wの外縁を二点鎖線で示している。以下の上弾性部材25の説明において、図1図3は、適宜参照される。
【0042】
上弾性部材25は、均圧性の悪化を抑制する。上弾性部材25は、例えば、シリコン系のゴム製である。上弾性部材25の形状は、Z軸方向視において正方形状の板状(矩形板状)である。上弾性部材25は、第2上筐体23に収容されていて、上金型ユニット24の上に載置されている。すなわち、上弾性部材25は、上ベース部材20と上金型ユニット24との間に配置されていて、上金型ユニット24の+Z方向に、上金型ユニット24に隣接して配置されている。水平方向において、上弾性部材25は、全周を第2上筐体23に取り囲まれている。上弾性部材25の下面25aおよび上面25bは、水平方向に平行な平面状である。外周面25cは、第2上筐体23の本体部231の内周面23aに対向している。上弾性部材25の外周面(水平方向に向けられる面)25cは、Z軸方向に平行な断面視において、内方(第2上筐体23から離れる方向)に向けて半球状に凹んでいる凹面である。下面25aは、上金型ユニット24の上面(熱ユニット部244の上面)に当接している。上面25bは上ベース部材20の下面20aに対向していて、非加圧時、上ベース部材20と上弾性部材25との間には空間S1が形成されている。すなわち、非加圧時、上弾性部材25は、上ベース部材20に当接しない。XY軸方向において、外周面25c同士の間隔(L21)は、本体部231の内周面23a同士の間隔(L12)よりも小さく、金型部241の本体部242の外周面24c同士の間隔(L2)、および、下面24aの大きさ(L1)よりも大きい。すなわち、Z軸方向視において、下面24aが占める領域の全域は、上弾性部材25が占める領域と重複する。前述のとおり、外周面25cは凹面であるため、外周面25cは内周面23aに当接しておらず、内周面23aと外周面25cとの間には隙間S2が形成されている。
【0043】
なお、本発明において、非加圧時、上弾性部材25は、上ベース部材20と当接していてもよい。すなわち、空間S1は、形成されていなくてもよい。
【0044】
また、本発明において、上弾性部材25の外周面25cは、半球状に凹んでいる凹面に限定されない。すなわち、例えば、Z軸方向に平行な断面視において、同外周面25cは、三角形状に凹む凹面でもよく、または、Z軸方向に平行な平面でもよい(凹面でなくてもよい)。
【0045】
上弾性部材25の厚みは、加圧時、後述される応力のばらつきのキャンセルが可能な程度の厚みに設定されている。すなわち、例えば、加圧時、上弾性部材25の厚みの下限は上弾性部材25が弾性を完全に失わない程度の厚みであり、同上限は本装置1が設定どおりの加圧を実行可能な程度の厚みである。したがって、上弾性部材25の厚みは、極端に薄く(例えば、1mm以下)、または、極端に厚く(例えば、100mm以上)には設定されない。
【0046】
本説明において主に参照される図面は、図1および図2に戻る。
下加圧ユニット3は、上加圧ユニット2と共に、Z軸方向において被加圧物Wを挟み込んで加圧する。下加圧ユニット3は、上加圧ユニット2の-Z方向に、上加圧ユニット2と対向するように配置されている。下加圧ユニット3は、下ベース部材30、下筐体31、下金型ユニット32、および下弾性部材33を備える。
【0047】
下ベース部材30は、下筐体31、下金型ユニット32、および下弾性部材33を支持している。
【0048】
下筐体31は、下金型ユニット32および下弾性部材33を収容する。下筐体31は、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。下筐体31の形状は、Z軸方向視において正方形状で、筒状(矩形筒状)である。下筐体31は、両端部の開口が上下方向に向けられた状態で、例えば、複数のボルト(不図示)により、下ベース部材30の上面30aに取り付けられている。下筐体31の内周面31aは、Z軸方向視において正方形状で、Z軸方向に平行な平面状であり、XY軸方向に向けられている。
【0049】
下金型ユニット32は、加圧時、被加圧物Wが載置される(被加圧物Wに当接する)金型である。すなわち、下金型ユニット32は、加圧時、被加圧物Wに当接する。下金型ユニット32の形状は、Z軸方向において、上金型ユニット24が反転させられた形状と同じである。下金型ユニット32は、金型部321および熱ユニット部324を備える。下金型ユニット32は、本発明における下金型の一例である。
【0050】
金型部321は、例えば、ステンレス鋼などの高い剛性を有する金属製である。金型部321の形状は、Z軸方向視において正方形状で、側方向視においてハット状である。金型部321は本体部322および外フランジ部323を備える。
【0051】
本体部322の形状は、Z軸方向視において正方形状で、Z軸方向に扁平な直方体状である。本体部322の上面32aおよび下面32bは、水平方向に平行な平面状である。Z軸方向視において、本体部322の外周面32cは正方形状で、Z軸方向に平行な平面状であり、XY軸方向に向けられている。上面32aの外縁部は、全周に亘って-Z方向に凹んでいて、段部32dを形成している。以下の説明において、上面32aのうち、段部32dを除く部分が上面32aである。すなわち、上面32aは段部32dよりも+Z方向に配置されていて、Z軸方向視において、上面32aの形状は正方形状である。Z軸方向視において、上面32aの(外縁の)形状および大きさは、被加圧物Wの(外縁の)形状および大きさと同じである。上面32aは、加圧時に被加圧物Wに当接する面であり、本発明における下プレス面の一例である。
【0052】
水平方向において、本体部322の下端部は、全周に亘って外方(本体部322に対して下筐体31が配置されている方向:本体部322から離れる方向)へ均等に突出していて、外フランジ部323を形成している。すなわち、水平方向において、外フランジ部323は、本体部322から外方に向けて突出していて、本体部322と一体に構成されている。Z軸方向視において、外フランジ部323の形状は、正方形状の枠状(矩形リング状)である。外フランジ部323の下面32eは、水平方向に平行な平面状である。同下面32eは、本体部322の下面32bと同一の仮想平面上に配置されている。Z軸方向視において、外フランジ部323の外周面32fは、正方形状で、Z軸方向に平行な平面状であり、XY軸方向に向けられている。
【0053】
熱ユニット部324は、加圧時、被加圧物Wを加熱/冷却する。熱ユニット部324の形状は、Z軸方向視において正方形状で、Z軸方向に扁平な直方体状である。熱ユニット部324は、本体部325、第1断熱部材326、第2断熱部材327、複数のヒータH2、および複数の冷媒流路L2を備える。
【0054】
本体部325は、ヒータH2および冷媒流路L2を保護する。本体部325は、例えば、ステンレス鋼などの高い剛性を有する金属製である。本体部325の形状は、Z軸方向視において正方形状で、Z軸方向に扁平な直方体状である。水平方向において、第1断熱部材326は、本体部325の周囲(XY軸方向に向けられる4面)を覆い、ヒータH2の熱の側方への漏れを抑制している。第2断熱部材327は、本体部325を上下に2分割するように配置されていて、ヒータH2の熱の-Z方向への漏れを抑制している。ヒータH2は、被加圧物Wが加圧されるとき、被加圧物Wを加熱する。ヒータH2は、本体部325の上半部内に配置されている。冷媒流路L2は、本体部325および被加圧物Wを冷却する冷媒が流れる流路である。冷媒は、冷却装置により冷却されていて、冷媒流路L2と冷却装置との間で循環されている。冷媒流路L2は、本体部325の下半部内に配置されている。熱ユニット部324は、下筐体31に収容されていて、金型部321の-Z方向に、金型部321に隣接して配置されている。熱ユニット部324は、例えば、ボルト(不図示。以下同じ。)により、金型部321に取り付けられている。
【0055】
なお、本発明において、熱ユニット部324は、ヒータH2または冷媒流路L2を備えていなくてもよい。この場合、熱ユニット部324は、必要に応じて、第1断熱部材326および第2断熱部材327を備える。
【0056】
また、本発明において、熱ユニット部324は、金型部321に取り付けられていなくてもよい。
【0057】
下金型ユニット32のうち、本体部322の一部(下半部)、外フランジ部323、および熱ユニット部324は、下筐体31に収容されている。本体部322の他の一部(上半部)は、下筐体31よりも+Z方向に突出している。XY軸方向において、外フランジ部323の外周面32f、および熱ユニット部324の外周面32gは、下筐体31の内周面31aに対向していて、Z軸方向に摺動可能な状態で同内周面31aに当接している。XY軸方向において、外フランジ部323の外周面32f同士の間隔(L31)は、下筐体31の内周面31a同士の間隔(L32)と略同じである(僅かに小さい)。その結果、非加圧時、下金型ユニット32は、下弾性部材33のみにより支持されていて、+Z方向へは取外し可能であり、-Z方向へは下弾性部材33の弾性変形分のみ摺動可能である。
【0058】
本発明において、「下金型ユニット32の摺動」は、上面32aが水平方向に平行な状態でZ軸方向に移動することを意味する。すなわち、外周面32f,32gの全面は、必ずしも内周面31aに当接していなくてもよい。つまり、下金型ユニット32がZ軸方向にガタつきなく摺動可能あれば、外周面32f,32gの一部または全部は、内周面31aに当接していなくてもよい。
【0059】
下弾性部材33は、均圧性の悪化を抑制する。下弾性部材33は、例えば、シリコン系のゴム製である。下弾性部材33の形状は、上弾性部材25の形状と同じである。すなわち、下弾性部材33は、水平方向に平行な平面状である上面33aおよび下面33b、および、半球状の凹面である外周面33cを備える。下弾性部材33は、下筐体31に収容されていて、下ベース部材30と下金型ユニット32との間に配置されている。すなわち、下弾性部材33は、下金型ユニット32の下方に配置されている。上面33aは、下金型ユニット32の下面(熱ユニット部244の下面)に当接している。下面33bは下ベース部材30の上面30aに当接している。外周面33cは、下筐体31の内周面31aに対向している。外周面33cは凹面であるため、外周面33cは内周面31aに当接しておらず、下筐体31と下弾性部材33との間には隙間S3が形成されている。Z軸方向視において、上面32aが占める領域の全域は、下弾性部材33が占める領域と重複する。
【0060】
なお、本発明において、下弾性部材33の外周面33cは、半球状に凹んでいる凹面に限定されない。すなわち、例えば、Z軸方向に平行な断面視において、同外周面33cは、三角形状に凹む凹面でもよく、または、Z軸方向に平行な平面でもよい(凹面でなくてもよい)。
【0061】
昇降機構4は、制御装置5の制御により、上加圧ユニット2を昇降させる。昇降機構4は、例えば、公知の油圧シリンダである。
【0062】
制御装置5は、本装置1全体の動作を制御する。制御装置5は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、CPUの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ、および、本装置1の動作を制御するプログラムや他の制御プログラムなどの各種情報を記憶するROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリ、を備える、PLCやマイクロコンピュータである。
【0063】
このように構成されている本装置1では、非加圧時、外フランジ部243の下面24eが内フランジ部232の上面23bに当接していて、上金型ユニット24および上弾性部材25は、上ベース部材20および第2上筐体23には固定されておらず、内フランジ部232のみにより支持されている。そして、第2上筐体23は、ボルトの着脱により、上ベース部材20に対して着脱可能である。そのため、第2上筐体23が取り外されることにより、上金型ユニット24(金型部241)は、容易に交換可能である。一方、下金型ユニット32も下筐体31にZ軸方向に摺動可能に収容されていて、下筐体31に固定されていない。そのため、非加圧時、下金型ユニット32(金型部321)は、容易に交換可能である。Z軸方向視において、金型部241の下面24aおよび金型部321の上面32aの形状および大きさは、被加圧物Wの形状および大きさと同じに設定されている。そのため、本装置1が、被加圧物Wの形状および大きさに対応する下面24aを備える複数種の金型部241を備えるのであれば、被加圧物Wの形状または大きさが変更されるとき、金型部241は被加圧物Wに対応して変更可能となる。
【0064】
●加圧装置の動作
次に、本装置1の動作が、以下に説明される。以下の説明において、図1図3は、適宜参照される。
【0065】
図5は、加圧時の本装置1を示す部分拡大模式断面図である。
【0066】
先ず、被加圧物Wが下金型ユニット32の上面(本体部322の上面32a)に載置される。すなわち、被加圧物Wは、上面32aに当接している。前述のとおり、XY軸方向において、被加圧物Wの大きさは、上面32a(すなわち、上金型ユニット24の下面(本体部242の下面24a))の大きさと同じである。このとき、上金型ユニット24は、内フランジ部232のみにより支持されていて、第2上筐体23に対して+Z方向に摺動可能な状態である。
【0067】
次いで、制御装置5は、昇降機構4の動作を制御して、上加圧ユニット2を所定の位置まで降下させる。このとき、上金型ユニット24は、被加圧物Wに当接していない。
【0068】
次いで、制御装置5は、シリンダ22の動作を制御して、第1上筐体21を降下させて、O-リングR1を下ベース部材30の上面30aに当接させて、押圧させる。このとき、収容空間(上加圧ユニット2と下加圧ユニット3との間の空間)S4は、第1上筐体21により密閉される。次いで、制御装置5は、真空ポンプPを動作させて、収容空間S4内を減圧する。
【0069】
次いで、制御装置5は、昇降機構4の動作を制御して、上金型ユニット24をさらに降下させて、下面24aを被加圧物Wに当接させて、被加圧物Wを加圧する。このとき、後述のとおり、下面24aから被加圧物Wに加えられる圧力は、上弾性部材25が配置されていることにより、被加圧物Wの上面の全体に略均等に加えられる。同様に、上面32aには被加圧物Wが当接していて、上面32aから被加圧物Wに加えられる圧力も、下弾性部材33が配置されていることにより、被加圧物Wの下面の全体に略均等に加えられる。すなわち、本装置1では、均圧性の悪化が抑制される。
【0070】
また、前述のとおり、Z軸方向視において、下面24aおよび上面32aの(外縁の)形状および大きさは、被加圧物Wの(外縁の)形状および大きさと同じである。そのため、加圧時、XY軸方向における被加圧物Wのエッジ部分は、下面24aおよび上面32aに当接しない。ここで、仮に、被加圧物Wのエッジ部分が下面24aおよび上面32aに当接すると、同エッジ部分に応力の集中が生じて、下面24aおよび上面32aにおける同エッジ部分の内側に隣接する部分が局所的に変形し得る。この場合、被加圧物Wのエッジ部分における応力は局所的に増加して、エッジ部分の内側に隣接する部分における応力は局所的に減少する。その結果、被加圧物Wのエッジ部分の近傍に加えられる応力は、不均一になり得る。本実施の形態では、被加圧物Wのエッジ部分が下面24aおよび上面32aに当接しないため、この応力の不均一化は生じない。
【0071】
さらに、加圧時、上金型ユニット24は+Z方向に摺動して上弾性部材25を押圧して、下金型ユニット32は-Z方向に摺動して下弾性部材33を押圧する。このとき、外フランジ部243の外周面24gおよび熱ユニット部244の外周面24hは、本体部231の内周面23aに対して摺動する。また、外フランジ部323の外周面32fおよび熱ユニット部324の外周面32gは、下筐体31の内周面31aに対して摺動する。その結果、上弾性部材25および下弾性部材33はZ軸方向に圧縮されて、外周面25c,33cは水平方向に押し出される。このとき、外周面25c,33cは凹面であるため、外周面25c,33cは水平方向に過剰に変形しない(はみ出ない)。また、仮に、大きな加圧力が被加圧物Wに加えられていても、外周面25c,33cの水平方向への過剰な変形は第2上筐体23の本体部231の内周面23aにより防止される。したがって、加圧時に水平方向への変形量が大きくなる流動性の高い材料であっても、上弾性部材25および下弾性部材33として用いることができる。
【0072】
次いで、制御装置5は、熱ユニット部244,324の動作を制御して、被加圧物Wへの加熱処理を実行する。このとき、冷媒流路L1,L2を流れる冷媒により、ヒータH1,H2の熱は、上弾性部材25および下弾性部材33には、殆ど伝達されない。
【0073】
加熱処理の終了後、制御装置5は、収容空間S4内を大気圧に戻すと共に、昇降機構4の動作を制御して、上加圧ユニット2を上昇させる。その後、加圧された被加圧物Wは、取り出される。
【0074】
●均圧性の悪化の抑制
本装置1において、被加圧物Wに対する均圧性の悪化は、上弾性部材25および下弾性部材33により抑制されている。この抑制の要因は解明されていないが、本発明の発明者らの所見が以下に説明される。以下の説明において、主として上加圧ユニット2における要因が説明されて、図1図3は、適宜参照される。
【0075】
図6は、均圧性の悪化を抑制する要因を説明する模式図であり、(a)は加圧時に生じている部材の撓みの状態を示していて、(b)は加圧時に生じている応力の伝播を示している。同図(b)は、説明の便宜上、応力の大きさを黒塗り矢印で示している。
【0076】
前述のとおり、均圧性の悪化を抑制する要因は特定されていないが、加圧時に生じている部材の撓みが同要因の1つとして提唱されている。同要因によれば、図6(a)に示されているように、被加圧物Wが加圧されているとき、上ベース部材20は、昇降機構4からの加圧力および被加圧物Wからの反力により、側方視において上に凸となるように僅かに撓む(変形する)。この撓みは、上弾性部材25の弾性変形により吸収されて、上金型ユニット24へは(殆ど)影響を及ぼさない。その結果、上金型ユニット24は上ベース部材20の撓みに追随して撓まず、下面24aの全面は被加圧物Wに均一に当接する。その結果、下面24aからの圧力は、被加圧物Wに均一に加えられる。
【0077】
また、別の要因として、本発明の発明者らは、加圧時に部材内に伝播される応力のばらつきが要因の1つになると推測している。同推測によれば、図6(b)に示されているように、昇降機構4から加えられた応力は上ベース部材20の内部に伝播されるが、上ベース部材20の端部に到達した応力は行き場を失い、端部に沿って伝播され得る。その結果、端部に伝播される応力は中央部に伝播される応力よりも大きくなり、応力のばらつきが生じ得る。このばらつきは上弾性部材25の弾性力によりキャンセルされて、上ベース部材20から伝播された応力は上弾性部材25から上金型ユニット24へは均等に伝播される。その結果、下面24aからの圧力は、被加圧物Wに均一に加えられる。
【0078】
なお、本発明において、均圧性の悪化を抑制する要因は、上記2つの要因に限定されない。すなわち、例えば、均圧性の悪化を抑制する要因として、他の要因、または、これらの要因の組合せもあり得る。また、これらの要因が誤りであったとしても、後述される実施例に示されるとおり、本発明は均圧性の悪化を抑制している。
【0079】
●まとめ
以上説明された実施の形態によれば、上加圧ユニット2は、上金型ユニット24、上弾性部材25、および第2上筐体23を備える。上金型ユニット24(本体部242)は、加圧時に被加圧物Wに当接する平面状の下面24aを備える。上弾性部材25は、上金型ユニット24の+Z方向に上金型ユニット24に隣接して配置されている。Z軸方向視において、下面24aが占める領域の全域は、上弾性部材25が占める領域と重複している。この構成では、上ベース部材20と上金型ユニット24との間に上弾性部材25が配置されているため、下面24aと被加圧物Wとの間に生じる均圧性の悪化は、上弾性部材25により抑制される。また、加圧時、Z軸方向において上弾性部材25が圧縮されても、第2上筐体23により上弾性部材25の水平方向への過剰な変形(はみ出し)は防止される。
【0080】
また、第2上筐体23は、非加圧時、上金型ユニット24の-Z方向への移動を規制する内フランジ部232を備える。上金型ユニット24は、非加圧時、内フランジ部232のみにより支持されていて、被加圧物Wへの加圧の状態に応じて、第2上筐体23に対してZ軸方向にのみ摺動可能に配置されている。この構成によれば、上金型ユニット24を固定するための構造および部材は不要となり、上加圧ユニット2の構造は、上金型ユニット24が固定されていた従来の上加圧ユニットよりも簡易になる。また、第2上筐体23が着脱可能に構成されている場合、その着脱により上金型ユニット24が着脱可能となり、上金型ユニット24(金型部241)の交換は容易となる。したがって、被加圧物Wの形状および大きさに応じて、最適な上金型ユニット24(金型部241)への交換が容易となる。その結果、被加圧物Wの形状および大きさが変更されても、被加圧物Wのエッジ部分に基づく応力の不均一化は抑制可能である。さらに、上金型ユニット24は、第2上筐体23に対してZ軸方向にのみ摺動可能である。そのため、上金型ユニット24の上方に局所的に変形可能な上弾性部材25が配置されていても、上金型ユニット24は水平方向から傾くことなく上弾性部材25の全面を均等に押圧する。その結果、上弾性部材25による均圧性の悪化の抑制効果は、偏在することなく、上金型ユニット24全体に影響を及ぼす。
【0081】
このように、本発明では、上弾性部材25が上金型ユニット24に隣接して配置されるという簡易な構成で均圧性の悪化が抑制されると共に、上金型ユニット24の交換も容易に可能となり得る。
【0082】
また、以上説明された実施の形態によれば、水平方向(XY軸方向)において、第2上筐体23は、上金型ユニット24を挟み込むように配置されている。水平方向において、内フランジ部232は、本体部231に対して上金型ユニット24が配置されている方向に突出していて、非加圧時、上金型ユニット24を支持する上面23bを備える。この構成によれば、第2上筐体23は、本体部231から内フランジ部232を突出させるという簡易な構成で、上金型ユニット24を+Z方向に摺動可能に支持できる。
【0083】
さらに、以上説明された実施の形態によれば、上金型ユニット24は、下面24aを備える本体部242、および、水平方向において、本体部242から突出する外フランジ部243を備える。非加圧時、内フランジ部232の上面23bは、外フランジ部243の下面24eに当接している。この構成によれば、2つの突出部(内フランジ部232、外フランジ部243)を組み合わせるという簡易な構成で、上金型ユニット24を+Z方向に摺動可能に支持できる。
【0084】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、上金型ユニット24は、被加圧物Wを加熱または冷却する熱ユニット部244を備える。Z軸方向において、上弾性部材25は、熱ユニット部244の+Z方向に熱ユニット部244に隣接して配置されている。この構成によれば、熱ユニット部244と上弾性部材25との間が断熱されることにより、熱ユニット部244の熱は上弾性部材25には伝達されず、同熱による上弾性部材25へのダメージを抑制/防止できる。また、熱ユニット部244と被加圧物Wとの間に断熱材として機能し得る上弾性部材25が配置されていないため、熱ユニット部244の熱は効率的に被加圧物Wに伝達される。さらに、上弾性部材25が上ベース部材20と上金型ユニット24との間に配置されているため、下面24aと被加圧物Wとの間に生じる均圧性の悪化は、上弾性部材25により抑制される。
【0085】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、上加圧ユニット2において、第2上筐体23は、上ベース部材20に対して着脱可能に構成されている。その結果、上金型ユニット24は、第2上筐体23が取り外されたとき、交換可能である。この構成によれば、上金型ユニット24(金型部241)の交換は、容易となる。したがって、被加圧物Wの形状および大きさに応じて、最適な上金型ユニット24(金型部241)への交換が容易となる。その結果、被加圧物Wの形状および大きさが変更されても、被加圧物Wのエッジ部分に基づく応力の不均一化は抑制可能である。
【0086】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、Z軸方向視において、上金型ユニット24の下面24aの形状および大きさは、被加圧物Wの形状および大きさと同じである。この構成によれば、被加圧物Wのエッジ部分に基づく応力の不均一化は、抑制される。
【0087】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、下加圧ユニット3は、加圧時に被加圧物Wに当接する下金型ユニット32を備える。Z軸方向視において、下金型ユニット32の上面32aの形状および大きさは、被加圧物Wの形状および大きさと同じである。この構成によれば、被加圧物Wのエッジ部分に基づく応力の不均一化は、さらに抑制される。
【0088】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、下加圧ユニット3は、下ベース部材30と下金型ユニット32との間に挟持される下弾性部材33を備える。Z軸方向視において、下金型ユニット32の上面32aが占める領域の全域は、下弾性部材33が占める領域と重複している。この構成によれば、下弾性部材33が下金型ユニット32に隣接して配置されるという簡易な構成で、被加圧物Wの-Z方向側における均圧性の悪化も抑制される。
【0089】
さらにまた、以上説明された実施の形態によれば、上弾性部材25の外周面25cは、第2上筐体23に対向していて、内方(第2上筐体23から離れる方向)に凹む凹面である。この構成によれば、加圧時、外周面25cは水平方向に過剰に変形しない(はみ出ない)。
【0090】
●変形例●
次に、本装置1の変形例が、先に説明した実施の形態(以下「第1実施形態」という。)と異なる点を中心に、以下に説明される。以下の変形例において、説明の便宜上、第1実施形態と同じ部材、および、共通する機能を有する部材には、第1実施形態と同じ符号が付されている。また、他の変形例と同じ部材、および、共通する機能を有する部材には、その変形例と同じ符号が付されている。以下の変形例において、図1および図2は、適宜参照される。
【0091】
●第1~第4変形例
先ず、第1~第4変形例に係る加圧装置1A~1Dが説明される。第1~第4変形例に係る加圧装置1A~1Dでは、本発明における筐体および/または規制部の構成が第1実施形態と異なる。
【0092】
図7(a)は第1変形例に係る加圧装置1Aの部分拡大模式断面図であり、(b)は第2変形例に係る加圧装置1Bの部分拡大模式断面図であり、(c)は第3変形例に係る加圧装置1Cの部分拡大模式断面図であり、(d)は第4変形例に係る加圧装置1Dの部分拡大模式断面図である。
同図では、説明の便宜上、上加圧ユニット2の断面のみが示されていて、第1上筐体21およびシリンダ22の図示は省略されている。
【0093】
第1変形例に係る加圧装置1A(本装置1A)では、Z軸方向において、第2上筐体23は、上半体233および下半体234に分割可能である。上半体233は本体部231の上半部により構成されていて、下半体234は本体部231の下半部および内フランジ部232により構成されている。上半体233は、例えば、ボルト(不図示。以下同じ。)により上ベース部材20の下面20aに取り付けられている。下半体234は、例えば、ボルト(不図示。以下同じ。)により、上半体233の下面に着脱可能に取り付けられている。この構成では、第2上筐体23全体では無く、下半体234のみが取り外されることにより、上金型ユニット24は容易に交換可能である。
【0094】
第2変形例に係る加圧装置1B(本装置1B)では、第2上筐体23は、内フランジ部232に代えて、凹部235を備える。本体部231の内周面23aの下部寄りの一部は、第1上筐体21(図1参照)側に向けて、内周面23aの全周に亘って凹んでいて、凹部235を形成している。第2上筐体23は、例えば、Y軸方向において、2分割可能に構成されている。金型部241は、外フランジ部243に代えて、外フランジ部248を備える。Z軸方向において、金型部241の本体部242の中央部は、全周に亘って外方に向けて均等に突出していて、外フランジ部248を形成している。外フランジ部248は凹部235内に収容されていて、非加圧時、外フランジ部248の下面24jは、凹部235の底面23dに当接している。Z軸方向において、凹部235の大きさは、外フランジ部248の厚みと空間S1の大きさとの和よりも大きい。この構成では、上金型ユニット24は凹部235のみにより支持されていて、凹部235は本発明における規制部として機能していて、底面23dは本発明における支持面として機能している。第2上筐体23が取り外されて、2分割されることにより、上金型ユニット24は容易に交換可能である。また、Z軸方向における凹部235の長さや外フランジ部248の厚みの調整により、上金型ユニット24の摺動量が調整可能である。
【0095】
第3変形例に係る加圧装置1C(本装置1C)では、第2上筐体23は、内フランジ部232に代えて、枠体部236および連結部237を備える。Z軸方向において、本体部231の長さは、第1実施形態における本体部231の長さよりも短い。枠体部236の形状は、Z軸方向視において、本体部231の形状と一致する矩形枠状である。Z軸方向において、枠体部236の長さは、第1実施形態における内フランジ部232の長さと同じである。枠体部236は、本体部231の-Z方向に本体部231から離間した位置に配置されていて、連結部237により同位置に固定されている。連結部237は、例えば、複数のボルトである。連結部237が着脱されることにより、枠体部236は本体部231から着脱可能である。本体部231と枠体部236との間には、空間S5が形成されている。外フランジ部248は空間S5内に収容されていて、被加圧物Wが加圧されていないとき、外フランジ部248の下面24jは枠体部236の上面23eに当接している。Z軸方向において、空間S5の大きさは、外フランジ部248の厚みと空間S1の大きさとの和よりも大きい。この構成では、上金型ユニット24は枠体部236のみにより支持されていて、枠体部236は本発明における規制部として機能していて、上面23eは本発明における支持面として機能している。第2上筐体23全体では無く、枠体部236のみが取り外されることにより、上金型ユニット24は容易に交換可能である。
【0096】
第4変形例に係る加圧装置1D(本装置1D)では、上金型ユニット24の金型部241は、本体部242、外フランジ部243、および第2外フランジ部249を備える。本体部242の下端部は、全周に亘って外方(第2上筐体23が位置する方向)へ均等に突出していて、第2外フランジ部249を形成している。第2上筐体23は、例えば、Y軸方向において、2分割可能に構成されている。内フランジ部232は、本体部231の下端部よりもやや+Z方向に配置されていて、外フランジ部243と第2外フランジ部249との間に配置(収容)されている。非加圧時、内フランジ部232の上面23fは、外フランジ部243の下面24eに当接している。Z軸方向において、外フランジ部243と第2外フランジ部249との間の間隔は、内フランジ部232の厚みと空間S1の大きさとの和よりも大きい。この構成では、内フランジ部243は、第1実施形態における内フランジ部232と同様に本発明における規制部として機能している。第2上筐体23が取り外されて、2分割されることにより、上金型ユニット24は容易に交換可能である。また、Z軸方向における外フランジ部243と第2外フランジ部249との間隔や内フランジ部232の厚みの調整により、上金型ユニット24の摺動量が調整可能である。
【0097】
●第5~第8変形例
次に、第5~第8変形例に係る加圧装置1E~1Hが説明される。第5~第8変形例に係る加圧装置1E~1Hでは、上金型ユニット24および/または下金型ユニット32の構成が第1実施形態と異なる。
【0098】
図8(a)は第5変形例に係る加圧装置1Eの模式断面図であり、(b)は第6変形例に係る加圧装置1Fの模式断面図であり、(c)は第7変形例に係る加圧装置1Gの模式断面図であり、(d)は第8変形例に係る加圧装置1Hの模式断面図である。
【0099】
第5変形例に係る加圧装置1E(本装置1E)では、金型部241の本体部242の下面24aは複数の小領域24Rに区画されていて、金型部321の本体部322の上面32aは複数の小領域32Rに区画されている。Z軸方向視において、各小領域24R,32Rの形状は正方形状であり、各小領域24R,32Rの形状および大きさは被加圧物WEの形状および大きさと同じである。Z軸方向視において、各小領域24Rの位置、大きさ、および形状は、各小領域32Rの位置、大きさ、および形状と一致している。Z軸方向視において、各小領域24R,32Rが占める領域の全域は、上弾性部材25および下弾性部材33が占める領域と重複している。この構成では、各小領域24R,32Rにおける均圧性の悪化は、上弾性部材25および下弾性部材33により抑制されている。そのため、本装置1Eでは、複数の被加圧物WEを一括で加圧可能である。
【0100】
第6変形例に係る加圧装置1F(本装置1F)では、上加圧ユニット2は、上ベース部材20、第1上筐体21(図1参照)、シリンダ22(図1参照)、第2上筐体23、金型部241、熱ユニット部244、上弾性部材25、上保護板26、およびO-リングR1,R2(図1参照)を備える。すなわち、第6変形例では、金型部241および熱ユニット部244はユニット化されておらず、上加圧ユニット2が熱ユニット部244を備える。第6変形例では、金型部241は、本発明における上金型の一例である。熱ユニット部244は、例えば、ボルト(不図示。以下同じ。)により上ベース部材20の下面20aに取り付けられている。上弾性部材25は、金型部241の上に載置されている。すなわち、上弾性部材25は、金型部241の+Z方向に金型部241に隣接して配置されていて、金型部241と熱ユニット部244との間に配置されている。上保護板26は、熱ユニット部244と上弾性部材25との接触を防止する。上保護板26は、例えば、ステンレス鋼などの高い剛性を有する金属製である。Z軸方向視において、上保護板26の形状は、正方形状の板状(矩形板状)である。上保護板26の下面26aおよび上面26bの形状は、水平方向に平行な平面状である。上保護板26は、上弾性部材25の上に載置されている。上保護板26と熱ユニット部244との間には、空間S1に対応する空間S1Fが形成されている。下加圧ユニット3は、下ベース部材30、下筐体31、金型部321、熱ユニット部324、下弾性部材33、および下保護板34を備える。すなわち、第6変形例では、金型部321および熱ユニット部324はユニット化されておらず、下加圧ユニット3が熱ユニット部324を備える。熱ユニット部324は、下ベース部材30の上面30aの上に載置されている。下保護板34は、熱ユニット部324と下弾性部材33との接触を防止する。下保護板34の形状および大きさは、上保護板26の形状および大きさと同じである。下保護板34は、熱ユニット部324の上に載置されていて、金型部321と熱ユニット部324とに挟持されている。この構成では、熱ユニット部244,324からの熱は、第1実施形態よりも被加圧物Wに伝達され難い。その代わり、Z軸方向において、上弾性部材25および下弾性部材33は、第1実施形態よりも被加圧物Wに近い位置に配置可能となる。その結果、上弾性部材25および下弾性部材33による均圧性の悪化の抑制効果は、高まる。
【0101】
第7変形例に係る加圧装置1G(本装置1G)では、下加圧ユニット3は、下ベース部材30、下筐体31、および下金型ユニット32を備えていて、下弾性部材33を備えていない。この構成では、下弾性部材33による被加圧物Wの-Z方向側の均圧性の悪化の抑制効果は得られないが、被加圧物Wの+Z方向側の均圧性の悪化は抑制される。被加圧物Wにおいて、+Z方向側の均圧性が改善されることにより、-Z方向側の均圧性もやや改善される。
【0102】
第8変形例に係る加圧装置1H(本装置1H)は、熱ユニット部244,324を備えていない。すなわち、上弾性部材25は、上ベース部材20と金型部241との間に、金型部241に隣接して配置されている。下弾性部材33は、下ベース部材30と金型部321との間に、これらに隣接して配置されている。この構成では、Z軸方向において、上弾性部材25および下弾性部材33は、第1実施形態よりも被加圧物Wに近い位置に配置可能となる。その結果、上弾性部材25および下弾性部材33による均圧性の悪化の抑制効果は、高まる。
【0103】
●実施例●
次に、既存の加圧装置(試験装置)に対して、上弾性部材25および下弾性部材33に相当する弾性部材が組み込まれた試験装置による加圧結果が、本発明の実施例として説明される。以下の実施例の説明において、富士フィルム株式会社製の「プレスケール(登録商標:以下単に「スケール」という。)」が圧力の測定に用いられている。実施例に用いられた試験装置は、空間S1Fが形成されておらず、上金型ユニット24が摺動しない点を除き、第6変形例に係る加圧装置1F(図8参照)に近い構成を備えている。弾性部材には、厚さ4mmのフェルトが用いられている。加圧力は、5MPaである。以下の実施例において、弾性部材が組み込まれていない既存の加圧装置による加圧結果も、比較例として得られている。
【0104】
図9は、本装置1(本装置1F)の実施例を示す圧力分布図である。
同図は、試験装置により加圧された被加圧物に加えられた圧力の分布を色彩の濃淡(濃:圧力が大きい、淡:圧力が小さい)で示している。同図は、本発明における上プレス面(下プレス面)に相当する面の外縁を破線で示している。本実施例において、上プレス面は下プレス面と同じ形状および大きさを有する。同図において、「面積率」は、上下方向視における上プレス面(下プレス面)に対する被加圧物Wが占める割合である。また、各スケールの左上または左下に存在していた本願の発明者らによるメモ部分は、白く塗りつぶされている。
【0105】
図9に示されるとおり、弾性部材が用いられていない比較例では、スケールの外縁部分のみが強く変色していて、スケールの中央部は殆ど変色しておらず、均圧性の悪化が生じている。これに対して、弾性部材が用いられている各実施例では、面積率による差異は生じているが、比較例に示されているような極端な均圧性の悪化は生じておらず、均圧性の悪化は抑制されている。
【0106】
この均一性の悪化の抑制効果は、面積率による影響を受けている。例えば、面積率100%の実施例では、スケールの全体が均一に変色しており、均圧性の悪化が生じていない。そして、面積率約90%および約80%の実施例でも、スケールの全体が略均一に変色しており、均圧性の悪化は生じていないが、若干の変色のムラが生じている。次いで、面積率約70%の実施例では、スケールの中央部よりも外縁部分の方が変色しており、若干の均一性の悪化が生じている。一方、面積率約60%、約50%および約25%の実施例では、実施例よりは抑制されているものの、面積率が減少するにつれて均圧性の悪化が生じている。この結果から、面積率は、70%以上100%以下であればよく、好適には、80%以上100%以下であればよく、さらに好適には、90%以上100%以下であればよく、さらに好適には、100%であるとよい。この均圧性の悪化の要因は明確には解明されていないが、本発明の発明者らは前述した被加圧物Wのエッジ部分による影響も要因の1つとなっていると考えている。
【0107】
このように、本発明は、上ベース部材20(下ベース部材30)と上金型ユニット24(下金型ユニット32)との間に、上下方向視において、下面24a(上面32a)以上の大きさの上弾性部材25(下弾性部材33)を配置するという簡易な構成で、均圧性の悪化を抑制・防止できる。
【0108】
●その他の実施形態●
なお、本発明において、上加圧ユニット2は、第1上筐体21、シリンダ22、およびO-リングR1,R2を備えていなくてもよい。この場合、ポンプ用配管Lpおよび真空ポンプPも不要となる。
【0109】
また、本発明において、内フランジ部232は、本体部231と別体で構成されていて、ボルトなどにより本体部231に着脱可能に取り付けられていてもよい。この構成では、内フランジ部232が本体部231から取り外されるだけで、上金型ユニット24は容易に交換可能である。
【0110】
さらに、本発明において、本装置1~1Hは、被加圧物Wの形状および大きさに対応する複数種の上金型ユニット24を備えていてもよい。この構成では、被加圧物Wの形状および大きさが変更されるたびに、上金型ユニット24は同被加圧物Wに対応する上金型ユニット24に交換可能である。そのため、被加圧物Wの形状および大きさが変更されても、被加圧物Wごとに均圧性の悪化は抑制される。
【0111】
さらにまた、本発明において、Z軸方向視における上金型ユニット24および下金型ユニット32の形状は、正方形状に限定されない。すなわち、例えば、Z軸方向視における上金型ユニット24および下金型ユニット32の形状は、X軸方向またはY軸方向に長い長方形状でもよく、または、円状でもよい。この場合、第1上筐体21、第2上筐体23、上弾性部材25、下筐体31、および下弾性部材33の形状は、上金型ユニット24および下金型ユニット32の形状に合わせて設定される。
【0112】
さらにまた、本発明において、上弾性部材25および下弾性部材33の材料は、均圧性の悪化の抑制効果を奏する弾性を有する材料であればよく、シリコン系のゴムに限定されない。すなわち、例えば、上弾性部材25および下弾性部材33の材料は、フェルト、または、XY軸方向に均等に配列されたバネでもよい。
【0113】
さらにまた、本発明において、上弾性部材25が水平方向へ変形し難い材料製のとき、第2上筐体23は、上金型ユニット24および上弾性部材25のX軸方向またはY軸方向のみに配置されるように構成されていてもよい。すなわち、例えば、第2上筐体23は、X軸方向(Y軸方向)において、上金型ユニット24および上弾性部材25を挟み込むように配置される2つの部分により構成されていてもよい。
【0114】
さらにまた、本発明において、規制部として機能する構造は、上金型ユニット24がZ軸方向に摺動可能で、上金型ユニット24の-Z方向への移動を規制可能な構造であればよく、内フランジ部232および外フランジ部243に限定されない。すなわち、例えば、規制部として機能する構造は、第1変形例~第4変形例に例示されるように、種々の構造で実現され得る。
【0115】
さらにまた、本発明において、金型部241の本体部242の下面24a、および金型部321の本体部322の上面32aの形状は、被加圧物Wに当接する面が平面状であればよく、例えば、第5変形例に示されるように、全面に亘り平面状でなくてもよい。
【0116】
さらにまた、本発明において、熱ユニット部244は、金型部241よりも+Z方向に配置されていればよく、第6変形例に示されるように、上弾性部材25よりも+Z方向に配置されていてもよい。同様に、熱ユニット部324も、下弾性部材33よりも-Z方向に配置されていてもよい。
【0117】
さらにまた、本発明において、第8変形例に示されるように、上金型ユニット24は熱ユニット部244を備えていなくてもよく、および/または、下金型ユニット32は熱ユニット部324を備えていなくてもよい。
【0118】
さらにまた、本発明において、熱ユニット部244はヒータH1または冷媒流路L1を備えていなくてもよく、熱ユニット部324はヒータH2または冷媒流路L2を備えていなくてもよい。
【0119】
さらにまた、本発明において、上弾性部材25および下弾性部材33の+Z方向および/または-Z方向には、第6変形例に示される上保護板26のような板状部材が配置されていてもよい。この場合、上金型ユニット24および/または下金型ユニット32が、同板状部材を備えている。
【0120】
さらにまた、本発明において、下金型ユニット32の金型部321の上面32a大きさは、上金型ユニット24の金型部241の下面24aの大きさよりも大きくてもよい。
【0121】
さらにまた、本発明において、上金型ユニット24の金型部241の下面24aの大きさは、被加圧物Wの大きさ以上であればよく、被加圧物Wの大きさと同じでなくてもよい。この場合、被加圧物Wの大きさ(面積)は、下面24aの大きさ(面積)に対して約75%~100%であればよく、好適には約90%~100%であればよく、さらに好適には95%~100%であればよい。
【0122】
さらにまた、本発明において、本体部242は段部24dを備えていなくてもよく、本体部322は段部32dを備えていなくてもよい。
【0123】
●本発明の実施態様●
次に、以上説明した各実施形態から把握される本発明の実施態様について、各実施形態において記載された用語と符号とを援用しつつ、以下に記載する。
【0124】
本発明の第1の実施態様は、上下方向において被加圧物(例えば、被加圧物W)を挟み込んで加圧する加圧装置(例えば、加圧装置1,1A~1H)であって、前記被加圧物の上方に配置される上加圧ユニット(例えば、上加圧ユニット2)と、前記被加圧物の下方に配置される下加圧ユニット(例えば、下加圧ユニット3)と、を有してなり、前記上加圧ユニットは、前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する上金型(例えば、上金型ユニット24)と、前記上金型よりも上方に、前記上金型に隣接して配置される上弾性部材(例えば、上弾性部材25)と、水平方向において、前記上弾性部材の全周を囲むように配置される上筐体(例えば、第2上筐体23)と、を備えて、前記上金型は、前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する、金属製で平面状の上プレス面(例えば、下面24a)、を備えて、上下方向視において、前記上プレス面が占める領域の全域は、前記上弾性部材が占める領域と重複して、前記上筐体は、前記被加圧物が加圧されていないとき、前記上金型の下方向への移動を規制する規制部(例えば、内フランジ部232、凹部235、枠体部236)、を備えて、前記上金型は、前記被加圧物が加圧されていないとき、前記規制部のみにより支持されて、前記被加圧物への加圧の状態に応じて、前記上筐体に対して前記上下方向に摺動可能に配置される、加圧装置である。
この構成によれば、簡易な構成で均圧性の悪化が抑制されると共に、上金型ユニットの交換も容易に可能である。
【0125】
本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様において、前記水平方向において、前記上筐体は、前記上金型を挟み込むように配置されて、前記規制部は、前記水平方向において、前記上筐体に対して前記上金型が配置される方向に突出して、または、前記上金型の一部を収容して、前記被加圧物が加圧されていないとき、前記上金型を支持する支持面(例えば、上面23b,23e、底面23d)、を備える、加圧装置である。
この構成によれば、上金型ユニットは簡易な構成で+Z方向に摺動可能に支持される。
【0126】
本発明の第3の実施態様は、第2の実施態様において、前記上金型は、前記上プレス面を備える金型本体部(例えば、本体部242)と、前記水平方向において、前記金型本体部から突出する金型突出部(例えば、外フランジ部243,248)と、を備えて、前記被加圧物が加圧されていないとき、前記支持面は、前記金型突出部に当接する、加圧装置である。
この構成によれば、上金型ユニットは簡易な構成で+Z方向に摺動可能に支持される。
【0127】
本発明の第4の実施態様は、第1の実施態様において、前記上加圧ユニットは、前記被加圧物を加熱または冷却する上熱ユニット(例えば、熱ユニット部244)、を備えて、前記上下方向において、前記上弾性部材は、前記上金型と前記上熱ユニットとの間に配置される、加圧装置(例えば、加圧装置1F)である。
この構成によれば、上弾性部材および下弾性部材による均圧性の悪化の抑制効果は、高まる。
【0128】
本発明の第5の実施態様は、第1の実施態様において、前記上金型は、前記被加圧物を加熱または冷却する上熱ユニット(例えば、熱ユニット部244)、を備えて、前記上下方向において、前記上弾性部材は、前記上熱ユニットの上方に前記上熱ユニットに隣接して配置される、加圧装置(例えば、加圧装置1,1A~1E,1G)である。
この構成によれば、熱ユニット部の熱は効率的に被加圧物に伝達される。また、均圧性の悪化は上弾性部材により抑制される。
【0129】
本発明の第6の実施態様は、第1乃至第5のいずれか1つの実施態様において、前記上加圧ユニットにおいて、前記上筐体または前記規制部は、着脱可能に構成されて、前記上筐体または前記規制部が取り外されたとき、前記上金型は、交換可能である、加圧装置である。
この構成によれば、上金型ユニット(金型部)への交換が容易となる。
【0130】
本発明の第7の実施態様は、第6の実施態様において、上下方向視において、前記上プレス面の形状および大きさは、前記被加圧物の形状および大きさと同じである、加圧装置である。
この構成によれば、被加圧物のエッジ部分に基づく応力の不均一化は、抑制される。
【0131】
本発明の第8の実施態様は、第7の実施態様において、上下方向視における前記被加圧物の形状および大きさに対応する複数種の前記上金型、を有してなる、加圧装置である。
この構成によれば、被加圧物のエッジ部分に基づく応力の不均一化は、抑制される。
【0132】
本発明の第9の実施態様は、第8の実施態様において、前記下加圧ユニットは、前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する下金型(例えば、下金型ユニット32)、を備えて、前記下金型は、前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する、金属製で平面状の下プレス面(例えば、上面32a)、を備えて、上下方向視において、前記下プレス面の形状および大きさは、前記被加圧物の形状および大きさと同じである、加圧装置である。
この構成によれば、被加圧物のエッジ部分に基づく応力の不均一化は、さらに抑制される。
【0133】
本発明の第10の実施態様は、第1の実施態様において、前記下加圧ユニットは、前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する下金型と、前記下金型よりも下方に配置される下弾性部材(例えば、下弾性部材33)と、を備えて、前記下金型は、前記被加圧物が加圧されるとき、前記被加圧物に当接する、金属製で平面状の下プレス面、を備えて、上下方向視において、前記下プレス面が占める領域の全域は、前記下弾性部材が占める領域と重複する、加圧装置(例えば、加圧装置1,1A~1F,1H)である。
この構成によれば、被加圧物の-Z方向側における均圧性の悪化も抑制される。
【0134】
本発明の第11の実施態様は、第1の実施態様において、前記上弾性部材の外周面(例えば、外周面25c)は、前記上筐体に対向して、前記上筐体から離れる方向に凹む凹面である、加圧装置である。
この構成によれば、加圧時に、外周面は、水平方向に過剰に変形しない。
【符号の説明】
【0135】
1 加圧装置
2 上加圧ユニット
23 第2上筐体(上筐体)
232 内フランジ部(規制部)
23b 上面(支持面)
24 上金型ユニット(上金型)
24a 下面(上プレス面)
241 金型部
242 本体部(金型本体部)
243 外フランジ部(金型突出部)
244 熱ユニット部(上熱ユニット)
248 外フランジ部(金型突出部)
25 上弾性部材
3 下加圧ユニット
32 下金型ユニット(下金型)
32a 上面(下プレス面)
33 下弾性部材
33c 外周面
1B~1H 加圧装置
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9