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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006869
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20250109BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20250109BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
E02F9/00 M
B60K11/04 B
B60K11/04 E
B60R16/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107901
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 尚志
(72)【発明者】
【氏名】藤原 純一
【テーマコード(参考)】
2D015
3D038
【Fターム(参考)】
2D015CA02
3D038AA05
3D038AA10
3D038AB09
3D038AC13
3D038AC14
3D038AC19
3D038AC22
(57)【要約】
【課題】バックホー等の作業機において、冷却器および制御装置を効率良く冷却可能とする。
【解決手段】機体と、機体に搭載された原動機と、原動機を冷却する冷却風を発生させる冷却ファンと、冷却風が当たる通気面部を有し且つ原動機に循環供給される冷却液を冷却する冷却器と、制御装置と、を備え、冷却器および制御装置は、原動機に対して冷却風の流れ方向の上流側に配置され、制御装置は、冷却風の流れ方向から見て通気面部と重ならない位置に配置されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体に搭載された原動機と、
前記原動機を冷却する冷却風を発生させる冷却ファンと、
前記冷却風が当たる通気面部を有し且つ前記原動機に循環供給される冷却液を冷却する冷却器と、
制御装置と、を備え、
前記冷却器および前記制御装置は、前記原動機に対して前記冷却風の流れ方向の上流側に配置され、
前記制御装置は、前記流れ方向から見て前記通気面部と重ならない位置に配置されている作業機。
【請求項2】
前記制御装置は、前記冷却器の下方に配置されている請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記原動機が配置された原動機室と前記制御装置が配置されている空間とを仕切る遮蔽板を備え、
前記制御装置は、前記遮蔽板における前記原動機室側とは反対側の面に対向する位置に配置されている請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記遮蔽板の前記原動機室側の面を覆う断熱部材を備えている請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
当該作業機に搭載された前記制御装置を含む電装品に電力を供給するバッテリを備え、
前記バッテリは、前記制御装置に対して前記冷却風が流通可能な第1空間を隔てて対向する位置に配置されている請求項3または4に記載の作業機。
【請求項6】
前記バッテリは、前記機体の底部基板の上方に前記底部基板に対して冷却風が流通可能な第2空間を隔てて配置され、
前記第2空間は、当該第2空間における前記冷却風の流れ方向の下流側で前記第1空間に連通している請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記機体の外郭を構成するカバー体は、前記流れ方向から見て前記通気面部と重なる位置に設けられた第1外気取入口と、前記第1外気取入口よりも下方に設けられていて、前記第2空間と前記カバー体の外部空間とを連通させる第2外気取入口と、を備えている請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記底部基板に取り付けられて、前記バッテリを支持するバッテリブラケットを備え、
前記バッテリブラケットは、前記バッテリを下方から支持するベース板を有し、
前記第2空間は、前記ベース板と前記底部基板とで画成されている請求項6に記載の作業機。
【請求項9】
前記ベース板は、前記第2空間から前記第1空間へ前記冷却風を流通させる第1連通口を有している請求項8に記載の作業機。
【請求項10】
前記冷却器を下方から支持する中間フレームを備え、
前記中間フレームは、前記第1空間から前記冷却器が配置された空間へ前記冷却風を流通させる第2連通口を有している請求項5に記載の作業機。
【請求項11】
前記第2連通口は、前記制御装置の上方に設けられている請求項10に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された作業機は、機体を覆うカバー体の内側前寄りの位置、即ち、原動機の側方前寄りの位置に、作業機の動作を制御する制御器(制御装置)が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-4488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、機体の内部は、原動機の熱によって高温になり易く、特に作業機の動作を担う制御装置については、上記従来の作業機のように原動機から離れた位置に設けられていても、適切な熱対策が求められる。そこで、制御装置の温度上昇を防ぐための対策として、例えば、制御装置をラジエータの通気面部に対面して配置することによって、ラジエータを冷却する冷却風を制御装置に当てることが考えられる。しかしながら、制御装置をラジエータの通気面部に対面して配置すると、ラジエータへの冷却風の流通が一部妨げられて、ラジエータの冷却効率が低下する虞があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであって、冷却器および制御装置を効率良く冷却可能な作業機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0007】
本発明の一態様に係る作業機は、機体と、前記機体に搭載された原動機と、前記原動機を冷却する冷却風を発生させる冷却ファンと、前記冷却風が当たる通気面部を有し且つ前記原動機に循環供給される冷却液を冷却する冷却器と、制御装置と、を備え、前記冷却器および前記制御装置は、前記原動機に対して前記冷却風の流れ方向の上流側に配置され、前記制御装置は、前記流れ方向から見て前記通気面部と重ならない位置に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
上記作業機によれば、原動機を冷却させる前の冷却風によって冷却器および制御装置を共に効率良く冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】作業機の左側方視図である。
図2】作業機の左後方斜視図である。
図3】カバー体を一部分離させた状態の機体の左後方斜視図である。
図4】機体の内部構造を示す左後方斜視図である。
図5】機体の内部構造を示す後方視図である。
図6】底部基板および支持フレームの左後方斜視図である。
図7】冷却器周辺の斜視図である。
図8】冷却ファン周辺の斜視図である。
図9】制御装置周辺の一部分解斜視図である。
図10】バッテリブラケット周辺の一部分解斜視図である。
図11】バッテリブラケット周辺の左側方視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1図2に示すように、本実施形態の作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えたバックホーである。機体2には、キャノピ5が搭載されている。キャノピ5の内側には、オペレータ(運転者)が着座する運転席6が設けられている。キャノピ5は、運転席6を保護する保護機構であり、ロプス5Aと、ルーフ5Bと、を有している。なお、作業機1は、バックホーに限定されず、他の種類の作業機であってもよい。また、機体2には、運転席6を保護する保護機構として、キャノピ5に代えて、運転席6を包囲するキャビンが搭載されてもよい。
【0012】
本実施形態では、運転席6に着座したオペレータが向く方向(図1図2の矢視X1方向)を機体2の前方、その反対方向(図1図2の矢視X2方向)を機体2の後方とする。また、オペレータの左側(図2の矢視Y1方向)を機体2の左方、その反対方向(図2の矢視Y2方向)を機体2の右方という。さらに、オペレータの上側(図1図2の矢視Z1方向)を機体2の上方、その反対方向(図1図2の矢視Z2方向)を機体2の下方という。
【0013】
走行装置3は、機体2を走行可能に支持するクローラ式の走行装置であって、走行フレーム3Aと、走行機構3Bと、を有している。走行フレーム(トラックフレーム)3Aは、左右に走行機構3Bが取り付けられ、且つ機体2を下方から支持する構造体である。走行機構3Bは、例えば、クローラである。走行機構3Bは、走行フレーム3Aに設けられた走行モータM1によって駆動される。なお、走行装置3は、クローラ式に限定されず、ホイール式であってもよい。
【0014】
走行装置3は、ドーザ装置7を備えている。ドーザ装置7は、走行フレーム3Aの前部に設けられている。ドーザ装置7は、走行フレーム3Aに設けられたドーザシリンダ(油圧シリンダ)に連結されており、当該ドーザシリンダを伸縮させることによって上下に昇降される。
【0015】
作業装置4は、ブーム4Aと、アーム4Bと、バケット4Cとを有している。なお、作業機1は、バケット4Cに代えて、或いは加えて、作動油によって駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着可能である。上記他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノーブロア等が例示できる。
【0016】
ブーム4Aは、機体2の前部に設けられたスイングブラケット9に対して横軸(左右方向に延伸する軸心)回りに揺動可能に枢着されている。ブーム4Aは、ブームシリンダ(油圧シリンダ)C1を介してスイングブラケット9に連結されており、ブームシリンダC1を伸縮させることによって上記横軸回りに揺動される。なお、ブーム4Aの揺動とは、ブーム4Aを機体2の前部上方に起立させたり機体2の前方に傾倒させたりする動作である。
【0017】
アーム4Bは、ブーム4Aの先端部に横軸(左右方向に延伸する軸心)回りに揺動可能に枢着されている。アーム4Bは、アームシリンダ(油圧シリンダ)C2を介してブーム4Aに連結されており、アームシリンダC2を伸縮させることによって上記横軸回りに揺動される。なお、アーム4Bの揺動とは、アーム4Bの先端を機体2に近づけたり(クラウド)機体2から遠ざけたり(ダンプ)する動作である。
【0018】
バケット4Cは、アーム4Bの先端部に横軸(左右方向に延伸する軸心)回りに揺動可能に枢着されている。バケット4Cは、バケットシリンダ(油圧シリンダ)C3を介してアーム4Bに連結されており、バケットシリンダC3を伸縮させることによって上記横軸回りに揺動される。なお、バケット4Cの揺動とは、バケット4Cの先端を機体2に近づけたり(クラウド)機体2から遠ざけたり(ダンプ)する動作であり、例えば、バケット4Cで土砂等を掬ったり、掬った土砂等をバケット4Cから落下(排出)させたりする場合の動作である。
【0019】
図1に示すように、機体2は、当該機体2の底部を構成する旋回基板(底部基板)8を有している。旋回基板8は、厚板材で形成されており、走行装置3の上部に旋回ベアリング2Jを介して支持されている。即ち、機体2は、走行装置3に対して旋回ベアリング2Jの旋回軸心L1回りに回動可能に支持されている。旋回軸心L1は、旋回ベアリング2Jの回転中心である。旋回基板8は、走行装置3に設けられた旋回モータによって旋回軸心L1回りに旋回駆動される。
【0020】
旋回基板8の前部には、作業装置4を支持する支持ブラケット8Jが設けられている。支持ブラケット8Jは、機体2の前部から前方へ突出して設けられており、その先端部には、スイングブラケット9が連設されている。スイングブラケット9は、支持ブラケット8Jの先端部に縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに揺動可能に枢着されている。スイングブラケット9は、機体2に設けられたスイングシリンダ(油圧シリンダ)に連結されており、当該スイングシリンダを伸縮させることによって上記縦軸回りに揺動される。
【0021】
図1図3に示すように、旋回基板8の後部には、ウエイト10Fが設けられている。ウエイト10Fは、作業装置4との重量バランスを図るための部材であり、機体2の後部に配置されている。ウエイト10Fは、略弧状に形成されており、機体2の内部を後方から覆うように設けられている。即ち、ウエイト10Fは、機体2の外郭を構成する外カバー(カバー体)10の一部を構成している。
【0022】
機体2の上部には、運転席6の他、走行レバー11、操作ロックレバー(アンロードレバー)12、操縦レバー13L,13R、ドーザレバー14、操作スイッチ15、およびアームレスト16が設けられている。走行レバー11は、走行装置3を操作する操作部材であり、運転席6の前方に設けられている。操作ロックレバー12は、作業機1に搭載された油圧アクチュエータを操作可能状態と操作不能状態とに切り替える操作部材であり、運転席6の左方に設けられた左コンソール部17Lの左側部に設けられている。
【0023】
操縦レバー13L,13Rは、機体2および作業装置4を操作する操作部材であり、運転席6の左方に設けられた左コンソール部17L、および運転席6の右方に設けられた右コンソール部17Rにそれぞれ設けられている。ドーザレバー14は、ドーザ装置7を操作する操作部材であり、右コンソール部17Rにおける操縦レバー(右操縦レバー)13Rの右後方に設けられている。
【0024】
操作スイッチ15は、作業機1に装備された各種機器を操作する操作部材であり、右コンソール部17Rにおけるドーザレバー14の後方に複数設けられている。アームレスト16は、運転席6に着座したオペレータの肘等を置く部材であり、左右のコンソール部17L,17Rにおける操縦レバー13L,13Rの後方にそれぞれ設けられている。
【0025】
図3図4に示すように、機体2の内部には、支持フレーム20が設けられている。また、機体2には、原動機21、油圧ポンプ22、ラジエータ23、オイルクーラ24、リザーブタンク25、バッテリ26、アイソレータ27、制御装置28等の装置が搭載されている。なお、機体2の外郭を構成する外カバー(カバー体)10は、原動機21を覆うボンネット10Tを含んでいる。支持フレーム20は、ボンネット10Tを支持する。
【0026】
本実施形態の原動機21は、ディーゼルエンジンである。図1図3に示すように、原動機21は、運転席6の下方で且つ支持フレーム20の内側の空間(原動機室)S1に配置されている。なお、原動機21は、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンであってもよいし、電動モータであってもよいし、エンジンと電動モータとを有するハイブリッド型の原動機であってもよい。
【0027】
油圧ポンプ22は、原動機21の動力によって駆動し、作業機1に装備された油圧モータや油圧シリンダ(スイングシリンダ、ドーザシリンダ、ブームシリンダC1、アームシリンダC2、バケットシリンダC3)等の油圧アクチュエータに作動油(圧油)を供給する装置である。図4図5に示すように、油圧ポンプ22は、原動機21の右側部に連設されている。
【0028】
ラジエータ23は、原動機21に循環供給される冷却液を冷却する冷却器である。オイルクーラ24は、油圧アクチュエータに供給される作動油を冷却する冷却器である。ラジエータ23およびオイルクーラ24は何れも、外カバー10内における支持フレーム20の左方の空間S2に配置されている。
【0029】
リザーブタンク25は、冷却液を貯留する装置である。リザーブタンク25は、外カバー10内における支持フレーム20の後方の空間S3に配置されている。バッテリ26は、作業機1に搭載された図示しない作業灯、表示装置、計器類、制御装置28を含む電装品に電力を供給する蓄電池である。
【0030】
バッテリ26は、支持フレーム20の左方空間S2に配置されている。バッテリ26は、旋回基板8の上部にバッテリブラケット30を介して取り付けられている。バッテリ26の取付構造については後述する。
【0031】
アイソレータ27は、オルタネータ31で生成された電気をバッテリ26に供給する装置である。アイソレータ27は、支持フレーム20の後方空間S3に配置されている。
【0032】
制御装置28は、作業機1に搭載された各種機器(原動機21、油圧ポンプ22、油圧コントロールバルブ、冷却装置、アタッチメント、表示装置、操作装置、照明装置、送風装置、エアコン、通信装置、撮像装置、警報装置、各種センサ等の機器のうちの一部または全部)等の動作を制御する装置(ECU:Electronic Control Unit)である。制御装置28は、支持フレーム20の左方空間S2に配置されている。
【0033】
図5に示すように、原動機21の後部には、オルタネータ31が設けられている。オルタネータ31は、原動機21の駆動軸21Pに動力伝達ベルト32を介して連結されており、原動機21の回転動力によって回転駆動し、バッテリ26に蓄える電気を発生させる。
【0034】
原動機21の左側部には、冷却ファン33が設けられている。冷却ファン33は、原動機21の駆動軸21Pに動力伝達ベルト32を介して連結されており、原動機21の回転動力によって回転駆動し、機体2の内部において原動機21を冷却する冷却風F1を発生させる。
【0035】
図2図3に示すように、外カバー10は、機体2の上部で且つ運転席6の下方に配置された第1カバー体10Aと、機体2の後部の上側に配置された第2カバー体10Bと、機体2の左側部の上側に配置された第3カバー体10Cと、機体2の右側部の上側に配置された第4カバー体10Dと、機体2の左側部の下側に配置された第5カバー体10Eと、機体2の後部の下側に配置されたウエイト10Fと、を有している。さらに、図示しないが、外カバー10は、機体2の右側部の下側に配置された第6カバー体と、機体2の前部に配置された第7カバー体と、を有している。
【0036】
原動機21を覆うボンネット10Tは、第1カバー体10A、第2カバー体10B、第3カバー体10C、および第4カバー体10Dを含んでいる。第1カバー体10A、第2カバー体10B、第3カバー体10C、および第4カバー体10Dはそれぞれ、支持フレーム20(図4参照)に支持されている。
【0037】
図1図3に示すように、第1カバー体10Aは、原動機21の前方および上方を覆うカバー部材であり、支持フレーム20の左右の前支柱部20Aおよびリヤアッパフレーム20E(図4参照)にボルト等によって固定されている。
【0038】
第2カバー体10Bは、原動機21の後方(支持フレーム20の後方空間S3の上域)を覆うカバー部材であり、右側縁部が支持フレーム20の右側の後支柱部20B(図4参照)にヒンジ機構により連結支持されている。即ち、第2カバー体10Bは、支持フレーム20の右側の後支柱部20Bに縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに揺動可能に枢支連結されている。アイソレータ27およびリザーブタンク25は、第2カバー体10Bの内側(前方)に配置されている。従って、作業者は、第2カバー体10Bを機体2の外側(後方)へ揺動させて開くことで、機体2の後方からアイソレータ27やリザーブタンク25、原動機21等にアクセス可能となる。
【0039】
第3カバー体10Cは、原動機21の左方(支持フレーム20の左方空間S2の上域)を覆うカバー部材であり、前縁部が支持フレーム20の左側の前支柱部20A(図4参照)にヒンジ機構により連結支持されている。即ち、第3カバー体10Cは、支持フレーム20の左側の前支柱部20Aに縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに揺動可能に枢支連結されている。ラジエータ23およびオイルクーラ24は、第3カバー体10Cの内側(右方)に配置されている。バッテリ26は、第3カバー体10Cの内側下方(右下方)に配置されている。従って、作業者は、第3カバー体10Cを機体2の外側(左方)へ揺動させて開くことで、機体2の左方からラジエータ23やオイルクーラ24、バッテリ26等にアクセス可能となる。
【0040】
第3カバー体10Cは、第1外気取入口41を有している。第1外気取入口41は、外気を機体2の内部に取り入れるための給気口である。第1外気取入口41は、パンチングメタルやエキスパンドメタル、ワイヤーメッシュ等の通気性を有する部材で覆われている。
【0041】
第4カバー体10Dは、原動機21の右方を覆うカバー部材であり、機体2の上部における運転席6の前方右側(運転席6に着座した作業者の足元右側)に立設された側面カバー10R(図1参照)にボルト等によって固定されている。
【0042】
図5に示すように、第4カバー体10Dは、排気口42を有している。排気口42は、機体2の内部に取り入れられた外気(冷却風F1)を外部に排出させる。排気口42は、第3カバー体10Cの第1外気取入口41と同様、パンチングメタルやエキスパンドメタル、ワイヤーメッシュ等の通気性を有する部材で覆われている。
【0043】
図1図3に示すように、第5カバー体10Eは、原動機21の左方(支持フレーム20の左方空間S2の下域)を覆うカバー部材であり、旋回基板8の左側部に立設されたブラケット部材8C(図5参照)、および旋回基板8の下部にボルト等によって固定されている。バッテリ26および制御装置28は、第5カバー体10Eの内側(右方)に配置されている。
【0044】
第5カバー体10Eは、第2外気取入口(外気取入口)43を有している。第2外気取入口43は、外気を機体2の内部に取り入れるための給気口である。第2外気取入口43は、複数のスリットにより構成されている。なお、第2外気取入口43は、スリットに限らず、複数の小孔により構成されてもよいし、第3カバー体10Cの第1外気取入口41と同様、パンチングメタルやエキスパンドメタル、ワイヤーメッシュ等の通気性を有する部材で覆われた開口であってもよい。
【0045】
図6に示すように、支持フレーム20は、旋回基板8に立設されている。支持フレーム20は、前支柱部20Aと、後支柱部20Bと、アッパサイドフレーム20Cと、フロントアッパフレーム20Dと、リヤアッパフレーム20Eと、前取付板20Fと、後取付板20Gと、を有している。
【0046】
前支柱部20Aは、原動機21の前方側にて上下方向に延在し、且つ左右方向に間隔をあけて一対配置されている。後支柱部20Bは、原動機21の後方側にて上下方向に延在し、且つ左右方向に間隔をあけて一対配置されている。
【0047】
アッパサイドフレーム20Cは、左右の前支柱部20Aの上部からそれぞれ後方に向かって延出形成されている。アッパサイドフレーム20Cは、前支柱部20Aと一体的に形成されている。左右のアッパサイドフレーム20Cの後部はそれぞれ、その後方に配置された後支柱部20Bの上部に連結固定されている。
【0048】
フロントアッパフレーム20Dは、左右の前支柱部20Aの上部相互間に亘って設けられ、当該上部同士、および左右のアッパサイドフレーム20Cの前部同士を連結している。リヤアッパフレーム20Eは、左右の後支柱部20Bの上部相互間に亘って設けられ、当該上部同士、および左右のアッパサイドフレーム20Cの後部同士を連結している。
【0049】
前取付板20Fは、左右の前支柱部20Aの下部相互間に亘って設けられ、当該下部同士を連結している。前取付板20Fは、旋回基板8に立設された仕切壁8Aの上部にボルト等によって固定されている。即ち、前支柱部20Aは、仕切壁8Aの上部に立設されている。仕切壁8Aは、旋回基板8における原動機21の前方に立設されており、原動機室S1と支持フレーム20の前方の空間S4とを仕切っている。
【0050】
後取付板20Gは、旋回基板8に立設された左右一対のブラケット部材8Bの上部にそれぞれ、ボルト等によって固定されている。即ち、後支柱部20Bは、一対のブラケット部材8Bの上部に立設されている。
【0051】
このように、支持フレーム20は、旋回基板8の上部に起立する4つの支柱部20A,20Bと、それら支柱部20A,20B同士を略水平に繋ぐ複数のフレーム部20C,20D,20Eと、を有する構造体である。なお、支持フレーム20は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、機体2に搭載される各装置の配置や大きさ等に応じて適宜変更可能である。
【0052】
図4図7図8に示すように、支持フレーム20の左側の後支柱部20Bには、仕切部材44が設けられている。仕切部材44は、左側の後支柱部20Bの上部から下部に亘って延在し、且つ左側の後支柱部20Bから左方に向かって張り出すように設けられており、支持フレーム20の左方空間S2と後方空間S3とを仕切っている。
【0053】
仕切部材44の外側縁部には、シール部材45が設けられている。シール部材45は、外カバー10(第3カバー体10C)の内側面に沿って接触する。これにより、仕切部材44およびシール部材45は、冷却ファン33によって機体2の内部に取り入れられた外気(冷却風F1)が支持フレーム20の左方空間S2から後方空間S3に流れるのを抑制している。
【0054】
図5図8に示すように、支持フレーム20の左側部には、シュラウド46が設けられている。シュラウド46は、冷却ファン33によって機体2の内部に取り入れられた外気(冷却風F1)が支持フレーム20の左方空間S2から原動機室S1へ効率良く流れるように導く導風部材である。シュラウド46は、支持フレーム20の左側の前支柱部20A、後支柱部20B、およびアッパサイドフレーム20Cによって囲われた空隙に嵌め込まれており、支持フレーム20の左方空間S2と原動機室S1とを仕切っている。
【0055】
シュラウド46は、中央に送風開口46Aを有している。送風開口46Aは、略円形状の貫通孔であり、支持フレーム20の左方空間S2と原動機室S1とを連通させている。冷却ファン33は、送風開口46Aの内側に配置されている。即ち、シュラウド46は、冷却ファン33の外周を囲うように設けられている。
【0056】
図5に示すように、ラジエータ23は、冷却風F1が当たる通気面部23Fを有している。ラジエータ23は、通気面部23Fを左右方向に向けた姿勢で、冷却ファン33の左方に配置されており、シュラウド46の送風開口46Aを左方から覆っている。オイルクーラ24は、冷却風F1が当たる通気面部24Fを有している。オイルクーラ24は、通気面部24Fを左右方向に向けた姿勢で、ラジエータ23の左方に並んで配置されている。即ち、ラジエータ23およびオイルクーラ24は、支持フレーム20の左方空間S2において通気面部23F,24Fを左右方向に向けた姿勢で、左右横並びで配置されている。第3カバー体10Cに設けられた第1外気取入口41は、オイルクーラ24の左方対向位置、即ち、冷却風F1の流れ方向から見て通気面部23F,24Fと重なる位置に設けられており、オイルクーラ24およびラジエータ23が配置された空間と第3カバー体10Cの外部空間とを連通している。
【0057】
従って、冷却ファン33を作動させると、外気(冷却風F1)が第1外気取入口41を通じて支持フレーム20の左方空間S2に取り入れられ、オイルクーラ24の通気面部24F、ラジエータ23の通気面部23Fを通ってシュラウド46の送風開口46Aに導かれ、原動機21に送風される。具体的には、ラジエータ23およびオイルクーラ24の通気面部23F,24Fには、冷却対象流体(冷却液、作動油)が流れるチューブと、チューブに取り付けられたフィンと、が配置されており、冷却風F1は、チューブおよびフィンの間を通ってシュラウド46の送風開口46Aに導かれ、原動機室S1に送風される。これにより、通気面部23F、24Fを通る冷却風F1によってオイルクーラ24、ラジエータ23の冷却対象流体(冷却液、作動油)が冷却され、原動機室S1に導かれて原動機21の周囲を通過する冷却風F1によって原動機21等が冷却される。換言すると、ラジエータ23は、原動機21に対して冷却風F1の流れ方向の上流側に配置されている。このように、支持フレーム20の左方空間S2は、第1外気取入口41からラジエータ23の配置空間S5を通って原動機室S1に至る第1の冷気流路を含んでいる。
【0058】
図5図6図8に示すように、支持フレーム20の左下方には、中間フレーム47と、左取付板48と、が設けられている。中間フレーム47は、シュラウド46の下方で且つ仕切壁8Aと左側のブラケット部材8Bとの間において、旋回基板8と略平行に延設されており、原動機室S1の外側(左方)の空間を上下に仕切っている。
【0059】
中間フレーム47は、原動機21の左方においてラジエータ23を下方から支持している。ラジエータ23は、中間フレーム47の上部にボルト等により取り付けられている。制御装置28は、中間フレーム47の下方、即ち、ラジエータ23の下方に配置されている(図5図8参照)。詳しくは、図5図7に示すように、制御装置28は、ラジエータ23の通気面部23Fに向かって機体2の左方から流れる冷却風F1の流れ方向から見て、ラジエータ23の通気面部23Fと重ならない当該通気面部23Fの外側に配置されている(図10参照)。
【0060】
図5図6図8に示すように、中間フレーム47は、連通口(第2連通口)47Aを有している。連通口47Aは、中間フレーム47の側縁部に沿って形成された略矩形状の切欠であり、ラジエータ23が配置された中間フレーム47の上方の空間S5と、制御装置28が配置された中間フレーム47の下方の空間S6と、を連通させている。
【0061】
連通口47Aは、制御装置28の上方に設けられている。連通口47Aは、制御装置28に対して上方から対向する位置に設けられている。連通口47Aは、制御装置28の前後方向の寸法よりも前後方向に大きい開口面積に形成されている。なお、連通口47Aは、切欠に限定されず、中間フレーム47の上下に貫通する略矩形状や略円形状の孔であってもよい。或いは、中間フレーム47が前後方向に離間して並ぶ一対の板体で構成されており、連通口47Aは、それら板体間に画成された離間部であってもよい。
【0062】
左取付板48は、旋回基板8の上部における原動機21の左方に立設されている。左取付板48は、仕切壁8Aと左側のブラケット部材8Bとの間において、中間フレーム47の下面部に沿って延設されており、中間フレーム47を下方から支持している。
【0063】
図6図9に示すように、左取付板48には、開口部48Aが設けられている。開口部48Aは、原動機室S1と制御装置28の配置空間(中間フレーム47の下方の空間)S6とを連通させている。
【0064】
左取付板48の左方(原動機室S1の外側)には、遮蔽板49が設けられている。遮蔽板49は、開口部48Aの全体を遮蔽可能な大きさの略平板状の板体であり、左取付板48の左側面(原動機室S1の外側)にボルト等によって固定され、開口部48Aを原動機室S1の外側から覆っている。制御装置28は、遮蔽板49の左側面(原動機室S1の外側)にボルト等によって固定されている。このように、遮蔽板49は、原動機21が配置された原動機室S1と制御装置28が配置されている空間S6とを仕切っており、原動機21を熱交換冷却した後の冷却風F1(熱風)、原動機室S1内の滞留熱等が制御装置28の配置空間S6に流れるのを抑制している。
【0065】
なお、図10に示すように、制御装置28の前部には、ハーネスの接続部28Aが設けられており、制御装置28は、接続部28Aを前上方へ向けた傾斜姿勢で遮蔽板49に取り付けられている。このような構成とすることで、制御装置28が接続部28Aを水平方向前方へ向けた姿勢で遮蔽板49に取り付けられている場合に比べて、ハーネスの接続作業性が向上する。
【0066】
図9に示すように、遮蔽板49の右側面(原動機室S1の内側)には、断熱部材51が設けられている。断熱部材51は、遮蔽板49の右側面(原動機室S1内側)の略全面を覆っており、原動機21を熱交換冷却した後の冷却風F1の熱、原動機室S1内の滞留熱、原動機21からの輻射熱等が制御装置28に伝わるのを抑制している。
【0067】
遮蔽板49は、グロメット52を有している。グロメット52は、制御装置28の接続部28Aに接続されるハーネスを通すための部材であり、左取付板48の開口部48Aを通じて支持フレーム20の左方空間S2と原動機室S1とを連通させている。
【0068】
図8図11に示すように、遮蔽板49の左方(原動機室S1の外側)には、バッテリブラケット30が設けられている。バッテリブラケット30は、遮蔽板49および旋回基板8に取り付けられて、バッテリ26を支持フレーム20の左方の空間S2にて支持している。
【0069】
バッテリブラケット30は、ベース板53と、下部取付片54と、側部取付片55と、支柱56と、押さえ板57と、を有している。バッテリ26は、ベース板53の上部に載置されている。図8図10に示すように、ベース板53は、第1フランジ58Aと、第2フランジ58Bと、第3フランジ59Aと、第4フランジ59Bと、連通口(第1連通口)60と、を有している。ベース板53は、バッテリ26の下面部よりも大きい略平板状に形成されており、バッテリ26を下方から支持している。ベース板53は、旋回基板8に対して略平行に配置されており、後述する第2空間S7は、ベース板53と旋回基板8とで画成されている。
【0070】
第1フランジ58Aは、ベース板53の前縁部に沿って立設されており、バッテリ26を前方から支持している。第2フランジ58Bは、ベース板53の後縁部に沿って立設されており、バッテリ26を後方から支持している。第3フランジ59Aおよび第4フランジ59Bはそれぞれ、ベース板53の右縁部(遮蔽板49側の縁部)に沿って立設されており、バッテリ26を右方(遮蔽板49側)から支持している。
【0071】
下部取付片54は、ベース板53の下面部から下方へ突出して設けられている。下部取付片54の下端部は、旋回基板8の上面に当接し、ボルト等により固定されている。このように、下部取付片54は、ベース板53から旋回基板8に亘って延設されており、ベース板53を旋回基板8の上方にて支持している。これにより、ベース板53と旋回基板8との間には、機体2の内部に取り入れられた外気(冷却風F1)を制御装置28の配置空間S6に導く外気導入路S7が画成される。即ち、バッテリ26は、旋回基板8の上方に、旋回基板8に対して冷却風F1が流通可能な所定の第2空間(外気導入路)S7を隔てて配置される。
【0072】
側部取付片55は、第1フランジ58Aの右側部、および第2フランジ58Bの右側部からそれぞれ、ベース板53の右側の縁部よりも右方へ突出して設けられている。側部取付片55の右端部は、遮蔽板49の左側面に当接し、ボルト等により固定されている。このように、側部取付片55は、ベース板53から遮蔽板49に亘って延設されており(図5参照)、ベース板53を遮蔽板49の左方に離間して支持している。これにより、バッテリ26は、制御装置28に対して冷却風F1が流通可能な所定の第1空間S8を隔てて対向する位置に配置される。
【0073】
支柱56は、第1フランジ58A、および第2フランジ58Bにそれぞれ立設されている。即ち、支柱56は、ベース板53の前部および後部からそれぞれ、上方に向かって延設されている。第1フランジ58A側の支柱56は、下端が略L字状に曲成されており、第1フランジ58Aに対して着脱自在に掛合保持されている。第2フランジ58B側の支柱56は、下端が第2フランジ58Bに固定されている。
【0074】
押さえ板57は、前後方向に長い板材であり、前後2つの支柱56の上端相互間に延設されている。即ち、押さえ板57は、前後2つの支柱56によって下方から支持されている。押さえ板57は、バッテリ26の上部に当接させた状態で、前後2つの支柱56の上端に対してナット等により固定されている。
【0075】
図8図9図11に示すように、連通口60は、ベース板53の右縁部(遮蔽板49側の縁部)に沿って形成された略矩形状の切欠であり、第3フランジ59Aと第4フランジ59Bとの間に設けられている。
【0076】
連通口60は、制御装置28の左方に設けられており、ベース板53と制御装置28との隙間を左右方向に拡張している。連通口60は、制御装置28の前後方向の寸法よりも前後方向に大きい開口面積に形成されている。このように、バッテリブラケット30は、外気導入路S7から第1空間S8へ冷却風F1を流通させる連通口60を有している。なお、連通口60は、切欠に限定されず、ベース板53に貫設された略矩形状の貫通孔であってもよいし、略円形状の貫通孔であってもよい。また、連通口60は、ベース板53に複数設けられてもよい。
【0077】
図5に示すように、バッテリブラケット30は、左取付板48と第5カバー体10Eとの間に設けられ、ラジエータ23の左方においてバッテリ26を支持している。制御装置28は、バッテリ26の右方で且つラジエータ23の下方に配置されている。このように、ラジエータ23および制御装置28は、支持フレーム20の左方空間S2において上下縦並びで配置されている。また、バッテリ26および制御装置28は、支持フレーム20の左方空間S2において左右横並びで配置されている。第5カバー体10Eに設けられた第2外気取入口43は、第1外気取入口41よりも下方に設けられている。第2外気取入口43は、バッテリ26の下方に設けられた外気導入路S7の左方対向位置に設けられており、外気導入路S7と第5カバー体10Eの外部空間とを連通させている。
【0078】
外気導入路S7は、当該外気導入路S7における冷却風F1の流れ方向の下流側でバッテリ26と制御装置28との間の第1空間S8に連通している。制御装置28は、支持フレーム20の左方空間S2における外気導入路S7の下流側に配置されている。
【0079】
従って、冷却ファン33を作動させると、外気(冷却風F1)が第2外気取入口43を通じて支持フレーム20の左方空間S2に取り入れられ、バッテリ26の下方の外気導入路S7を通って制御装置28の配置空間S6に導かれる。そしてさらに、バッテリ26と制御装置28との間の第1空間S8を上昇した外気は、ラジエータ23の配置空間S5を通ってシュラウド46の送風開口46Aに導かれ、原動機21に送風される。これにより、バッテリ26、制御装置28、ラジエータ23、原動機21等が冷却される。換言すると、制御装置28は、原動機21に対して冷却風F1の流れ方向の上流側に配置されている。このように、支持フレーム20の左方空間S2は、第2外気取入口43から制御装置28の配置空間S6を通って原動機室S1に至る第2の冷気流路を含んでいる。
【0080】
なお、上記実施形態では、ラジエータ(冷却器)23は、原動機21の左方に配置されているが、原動機21に対して冷却風F1の流れ方向の上流側となる位置であれば、ラジエータ23は、原動機21の右方に配置されてもよいし、原動機21の前方または後方に配置されてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、制御装置28は、ラジエータ(冷却器)23の下方に配置されているが、ラジエータ23に対して冷却風F1の流れ方向の上流側となる位置であれば、制御装置28は、ラジエータ23の上方に配置されてもよいし、ラジエータ23の前方または後方に配置されてもよいし、ラジエータ23の左方または右方に配置されてもよい。
【0082】
<効果>
このように、上記実施形態の作業機1は、機体2と、機体2に搭載された原動機21と、原動機21を冷却する冷却風F1を発生させる冷却ファン33と、冷却風F1が当たる通気面部23Fを有し且つ原動機21に循環供給される冷却液を冷却する冷却器23と、制御装置28と、を備え、冷却器23および制御装置28は、原動機21に対して冷却風F1の流れ方向の上流側に配置され、制御装置28は、上記流れ方向から見て通気面部23Fと重ならない位置に配置されている。
【0083】
この構成によれば、原動機21を冷却させる前の冷却風F1が制御装置28によって妨げられることなく冷却器23の通気面部23Fに導かれるから、冷却器23および制御装置28を共に効率良く冷却できる。
【0084】
また、制御装置28は、冷却器23の下方に配置されている。
【0085】
この構成によれば、冷却ファン33が停止されても、冷却器23から放出された熱は、制御装置28が配置された空間S6に流れ難いから、制御装置28の冷却効率が一層向上する。
【0086】
さらに、上記実施形態の作業機1は、原動機21が配置された原動機室S1と制御装置28が配置されている空間S6とを仕切る遮蔽板49を備え、制御装置28は、遮蔽板49における原動機室S1側とは反対側の面に対向する位置に配置されている。
【0087】
この構成によれば、原動機21を熱交換冷却した後の冷却風F1、原動機室S1内の滞留熱、原動機21からの輻射熱等が、制御装置28が配置された空間S6に流れるのを抑制できるから、制御装置28の冷却効率が一層向上する。
【0088】
さらに、上記実施形態の作業機1は、遮蔽板49の原動機室S1側の面を覆う断熱部材51を備えている。
【0089】
この構成によれば、原動機21を熱交換冷却した後の冷却風F1の熱、原動機室S1内の滞留熱、原動機21からの輻射熱等が制御装置28に伝わるのをより効果的に抑制できるから、制御装置28の冷却効率が一層向上する。
【0090】
さらに、上記実施形態の作業機1は、当該作業機1に搭載された制御装置28を含む電装品に電力を供給するバッテリ26を備え、バッテリ26は、制御装置28に対して冷却風F1が流通可能な第1空間S8を隔てて対向する位置に配置されている。
【0091】
この構成によれば、バッテリ26と制御装置28との間の第1空間S8に冷却風F1を流通させることで、制御装置28に対して冷却風F1を確実に接触させることができるから、制御装置28の冷却効率が一層向上する。これにより、制御装置28の熱的負荷を一層低減できる。
【0092】
また、バッテリ26は、機体2の底部基板8の上方に底部基板8に対して冷却風F1が流通可能な第2空間S7を隔てて配置され、第2空間S7は、当該第2空間S7における冷却風F1の流れ方向の下流側で第1空間S8に連通している。
【0093】
この構成によれば、底部基板8とバッテリ26との間の第2空間S7を通じて第1空間S8に冷却風F1を確実に導くことができるから、制御装置28の冷却効率が一層向上する。これにより、制御装置28の熱的負荷を一層低減できる。
【0094】
また、機体2の外郭を構成するカバー体10は、上記流れ方向から見て通気面部23Fと重なる位置に設けられた第1外気取入口41と、第1外気取入口41よりも下方に設けられていて、第2空間S7とカバー体10の外部空間とを連通させる第2外気取入口43と、を備えている。
【0095】
この構成によれば、第2外気取入口43から第2空間S7を通じて第1空間S8に冷却風F1を確実に導くことができるから、制御装置28の冷却効率がより一層向上する。これにより、制御装置28の熱的負荷を一層低減できる。
【0096】
さらに、上記実施形態の作業機1は、底部基板8に取り付けられて、バッテリ26を支持するバッテリブラケット30を備え、バッテリブラケット30は、バッテリ26を下方から支持するベース板53を有し、第2空間S7は、ベース板53と底部基板8とで画成されている。
【0097】
この構成によれば、冷却ファン33によって機体2の内部に取り入れられた外気(冷却風F1)がバッテリブラケット30のベース板53と底部基板8とで画成された第2空間S7を通ることで整流されて、バッテリ26と制御装置28との間の第1空間S8に導かれるから、制御装置28の冷却効率がより一層向上する。これにより、制御装置28の熱的負荷を一層低減できる。
【0098】
また、ベース板53は、第2空間S7から第1空間S8へ冷却風F1を流通させる第1連通口60を有している。
【0099】
この構成によれば、第2空間S7からバッテリブラケット30のベース板53に設けられた第1連通口60を通じて第1空間S8に冷却風F1を確実に導くことができるから、制御装置28の冷却効率が一層向上する。これにより、制御装置28の熱的負荷を一層低減できる。
【0100】
さらに、上記実施形態の作業機1は、冷却器23を下方から支持する中間フレーム47を備え、中間フレーム47は、第1空間S8から冷却器23が配置された空間S5へ冷却風F1を流通させる第2連通口47Aを有している。
【0101】
この構成によれば、第1空間S8から中間フレーム47に設けられた第2連通口47Aを通じて、冷却器23が配置された空間S5に冷却風F1を流通させることで、第1空間S8における冷却風F1の流れが安定するから、制御装置28の冷却効率が一層向上する。これにより、制御装置28の熱的負荷を一層低減できる。
【0102】
また、第2連通口47Aは、制御装置28の上方に設けられている。
【0103】
この構成によれば、第1空間S8を通って冷却器23が配置された空間S5に流れる冷却風F1を制御装置28に対して確実に接触させることができるから、制御装置28の冷却効率が一層向上する。これにより、制御装置28の熱的負荷を一層低減できる。
【0104】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0105】
また、上述した実施形態では、本発明をバックホー等の作業機に適用する場合の例について説明したが、本発明の適用対象はこれに限らず、例えば、ホイールローダ、コンパクトトラックローダ、スキッドステアローダ等の他の建設機械に適用してもよく、トラクター、コンバイン、田植機、芝刈機等の農業機械に適用してもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 作業機
2 機体
3 走行装置
4 作業装置
6 運転席
8 旋回基板(底部基板)
10 外カバー(カバー体)
20 支持フレーム
21 原動機
23 ラジエータ(冷却器)
26 バッテリ
28 制御装置
30 バッテリブラケット
33 冷却ファン
43 第2外気取入口(外気取入口)
47 中間フレーム
47A 連通口(第2連通口)
48 左取付板
49 遮蔽板
51 断熱部材
60 連通口(第1連通口)
F1 冷却風
S1 原動機室
S6 制御装置の配置空間
S7 外気導入路(第2空間)
S8 第1空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11