(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006872
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
E02F 9/16 20060101AFI20250109BHJP
B60R 7/04 20060101ALI20250109BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
E02F9/16 B
B60R7/04 C
B60R11/02 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107904
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】西羅 友佑
(72)【発明者】
【氏名】大森 秀紀
【テーマコード(参考)】
2D015
3D020
3D022
【Fターム(参考)】
2D015EB01
3D020BA06
3D020BB07
3D020BC10
3D020BD03
3D020BD05
3D022CA07
3D022CB07
3D022CD06
3D022CD26
(57)【要約】
【課題】通信機器の盗難を抑制することができる作業機を提供する。
【解決手段】作業機は、機体と、機体に搭載された運転席と、運転席の側方に配置されたコンソールと、コンソールの内部に配置された通信機器と、を備えている。また、コンソールは、運転席の側方に位置する第1側壁部と、第1側壁部に対して運転席側とは反対側の側方に間隔をあけて設けられた第2側壁部とを有し、通信機器は、第1側壁部と第2側壁部との間の第2側壁部寄りに配置される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体に搭載された運転席と、
前記運転席の側方に配置されたコンソールと、
前記コンソールの内部に配置された通信機器と、
を備えている作業機。
【請求項2】
前記コンソールは、前記運転席の側方に位置する第1側壁部と、前記第1側壁部に対して前記運転席側とは反対側の側方に間隔をあけて設けられた第2側壁部とを有し、
前記通信機器は、前記第1側壁部と前記第2側壁部との間の前記第2側壁部寄りに配置されている請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記通信機器は、前記第2側壁部と対向する側に設けられたインジケータを有し、
前記第2側壁部は、前記インジケータを前記コンソールの外部から視認可能な視認穴を有している請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記通信機器が取り付けられる機器ブラケットを備え、
前記コンソールは、前記機体に直接或いは間接的に取り付けられるコンソールブラケットを有し、
前記コンソールブラケットは、前記第1側壁部と前記通信機器との間に配置される支持プレートを有し、
前記機器ブラケットは、前記支持プレートと前記通信機器との間に配置され、前記支持プレートに取り付けられている請求項2に記載の作業機。
【請求項5】
前記支持プレートと前記第1側壁部との間に配置される電装品と、
前記電装品が取り付けられる取付ステーと、
を備え、
前記通信機器は、通信アンテナを内蔵しており、
前記機器ブラケットは、前記通信アンテナが前記支持プレートよりも上方に配置されるように前記支持プレートに取り付けられ、
前記取付ステーは、前記支持プレートに該支持プレートから上方に突出状に固定され、且つ前記通信アンテナに対応する部分を切り欠いて形成された切欠き部を有している請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記コンソールは、前記運転席の機体幅方向の側方に配置され、携帯端末を該携帯端末の表示画面が前記運転席側に向くように保持可能である携帯端末保持部を有し、
前記携帯端末保持部は、前記機体幅方向において前記コンソールの前記機体幅方向の中央よりも前記運転席寄りに設けられている請求項1に記載の作業機。
【請求項7】
前記携帯端末保持部は、上方から下方に向けて凹設されて形成され、且つ上端開口を形成する上端縁部と、前記携帯端末の下端を支持する底部と、前記上端縁部から前記底部にわたって形成されていると共に当該携帯端末保持部の内部空間から前記運転席側に向けて開放状である溝部と、を有している請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記携帯端末保持部は、前記携帯端末を前記表示画面が前記運転席側に向くように収容した状態で、前記携帯端末における前記表示画面の反対側の面が対向する壁部を有し、
前記壁部は、上方に向かうにつれて前記運転席から離れる方向に移行する傾斜状に形成されている請求項6に記載の作業機。
【請求項9】
前記コンソールは、当該コンソールの上部に設けられた少なくとも1つのスイッチを有し、
前記運転席は、オペレータが着座する部位である座部と、前記オペレータが背中をもたれかける部位である背もたれ部とを有し、
前記スイッチは、前記運転席の側方且つ前記背もたれ部よりも前方に配置され、且つ平面視で前方に向かうにつれて前記運転席から離れる方向に移行する傾斜状に設けられている請求項1に記載の作業機。
【請求項10】
前記スイッチは、機体幅方向において前記コンソールの前記機体幅方向の中央に対して前記運転席とは反対側に設けられ、且つ前記通信機器の上方に対応する位置に設けられている請求項9に記載の作業機。
【請求項11】
前記機体に搭載された原動機と、
前記原動機を覆うボンネットと、
前記ボンネットの内部で前記機体に立設されていて前記ボンネットを支持する支持フレームと、
を備え、
前記コンソールは、前記支持フレームに取り付けられている請求項1に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された作業機が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された作業機にあっては、機体に搭載された運転席の側方にコンソールが配置され、このコンソールの前方に通信機器が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通信機器が作業機の外部から見え且つ容易にアクセスできる状態にあると、盗難に遭うリスクが高いという問題がある。
【0006】
本発明は、前記問題点に鑑み、通信機器の盗難を抑制することができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る作業機は、機体と、前記機体に搭載された運転席と、前記運転席の側方に配置されたコンソールと、前記コンソールの内部に配置された通信機器と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
上記の作業機によれば、通信機器をコンソールの内部に配置することにより、通信機器の盗難を抑制することができる。また、作業機の外観向上を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】機体、運転部及びキャノピ等の斜視図である。
【
図4】機体、ボンネット及び運転部を右斜め後方から見た斜視図である。
【
図5】運転部の右部を左側方から見た斜視図である。
【
図6】旋回フレーム、支持フレーム及びコンソールの斜視図である。
【
図7】コンソールカバーを外した状態の右のコンソールの斜視図である。
【
図9】コンソールカバーを端面図で表したコンソールの側面図である。
【
図10】コンソールカバーを端面図で表したコンソールの背面図である。
【
図11】コンソールカバーを端面図で表したコンソールの平面図である。
【
図13】コンソールブラケットの取付け状態を示す斜視図である。
【
図14】コンソールブラケットの分解斜視図である。
【
図15】コンソールブラケット、通信機器及び機器ブラケットの分解斜視図である。
【
図16】通信機器、取付ステー及び第2側板の側面図である。
【
図17】通信機器、取付ステー及び第2側板の平面図である。
【
図18】通信機器、取付ステー及び第2側板の斜視図である。
【
図19】インジケータ及び視認穴の側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
【0012】
図1に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4と、を備えている。機体2には、オペレータ(運転者)が着座する運転席6と、キャノピ15とが搭載されている。
図2に示すように、運転席6は、座部6Aと背もたれ部6Bとを有する。座部6Aは、オペレータが着座する(臀部及び太股部を載せる)部位である。背もたれ部6Bは、着座したオペレータが背中をもたれかける部位であって、座部6Aの後部に上方に延びるように設けられている。キャノピ15は、4柱式のキャノピであって、例えば、ロプス(運転者保護構造)を構成するものであってもよい。
【0013】
なお、本実施形態では、キャノピ15を搭載した作業機(キャノピ仕様の作業機)1を例示しているが、キャノピ15の代わりに、運転席6を包囲するキャビンを搭載した作業機(キャビン仕様の作業機)1であってもよく、キャノピ15及びキャビンを備えない作業機1であってもよい。
【0014】
本実施形態においては、作業機1の運転席6に着座したオペレータの前側に向かう方向(
図1の矢印A1方向)を前方(機体前方)、オペレータの後側に向かう方向(
図1の矢印A2方向)を後方(機体後方)、
図1の矢印A3方向を前後方向(機体前後方向)として説明する。また、オペレータの左側に向かう方向(
図1の手前側)を左方、オペレータの右側に向かう方向(
図1の奥側)を右方として説明する。
【0015】
また、前後方向A3に直交する方向である水平方向を機体幅方向(機体2の幅方向)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体幅方向外方として説明する。つまり、機体幅方向外方は、機体2の幅方向の中心から機体幅方向に離れる方向である。機体幅方向外方とは反対の方向を、機体幅方向内方として説明する。つまり、機体幅方向内方は、機体幅方向において機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
【0016】
図1に示すように、走行装置3は、機体2を走行可能に支持するクローラ式の走行装置である。本実施形態ではクローラ式の走行装置3を用いているが、これに限らず、ホイール式等の走行装置を用いてもよい。走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。
【0017】
図1に示すように、機体2は、当該機体2の底部を構成する厚板材で形成された旋回基板5を有している。旋回基板5は、走行装置3上に旋回ベアリング8を介して上下方向に延伸する軸心である旋回軸心X1回りに旋回可能に支持されている。旋回基板5は、旋回モータ(油圧モータ)によって旋回軸心X1回りに旋回駆動される。
【0018】
また、機体2は、前部に、作業装置4を支持する支持ブラケット9及びスイングブラケット10を有している。支持ブラケット9は、機体2から前方に突出状に設けられている(
図6参照)。スイングブラケット10は、支持ブラケット9の前部に、縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに揺動可能に取り付けられている。
【0019】
図1に示すように、作業装置4は、ブーム11、アーム12及び作業具13を有している。作業具13は、本実施形態では、バケットが例示されている。ブーム11の基部は、スイングブラケット10の上部に横軸(機体幅方向に延伸する軸心)回りに回動可能に枢着されている。ブーム11の長手方向の中途部には、作業灯110が設けられている。本実施形態では、作業灯110は、ブーム11の右側に取り付けられている。
【0020】
アーム12は、ブーム11の先端側に横軸回りに回動可能に枢着されている。バケット13は、アーム12の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。
【0021】
スイングブラケット10は、図示しないスイングシリンダの伸縮によって揺動可能とされている。
【0022】
図1に示すように、機体2の上面側且つ運転席6の前方側には、オペレータが足を置く部分である床部21が設けられている。床部21は、例えば、旋回基板5の上方に間隔を隔てて配置されて該旋回基板5に支持されたステップ板上にフロアマットを敷設して構成される。
【0023】
図1に示すように、機体2の後部には、作業装置4との重量バランスを図るウエイト25が配置されている。また、機体2の後部には、原動機91が搭載されている。本実施形態の作業機1は、原動機91の上方に運転席6が配置されている小型のバックホーである。
【0024】
図3に示すように、原動機91は、機体2の後部且つ機体2の幅方向中途部に配置されている。原動機91の機体幅方向の一側(左部)には、冷却ファン100が取り付けられている。冷却ファン100は、原動機91によって駆動され、本実施形態では、機体幅方向の一側から他側に向けて(左から右に向けて)流れる冷却風を発生させる。
【0025】
冷却ファン100に対して冷却風の流れ方向(冷却風が流れる方向)の上流(原動機91の左側方)には、ラジエータ92、オイルクーラ93、バッテリ94が配置されている。ラジエータ92は、原動機91を冷却する冷却液を冷却する冷却器である。オイルクーラ93は、油圧シリンダ、油圧モータ等の油圧アクチュエータから戻る戻りの作動油を冷却する冷却器である。バッテリ94は、作業機1に装備された電装品に電力を供給する蓄電池である。
【0026】
図3に示すように、原動機91の機体幅方向の他側(右部)には、フライホイールが収容されるフライホイールハウジング199が取り付けられている。フライホイールハウジング199には、油圧ポンプ95が組み付けられている。油圧ポンプ95は、原動機91の動力によって駆動され、作業機1に装備された油圧モータ、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータを駆動させる作動油(圧油)を吐出する。また、油圧ポンプ95は、油圧バルブを作動させるパイロット圧や、信号用の圧油を吐出する。フライホイールハウジング199の上方には、原動機91からの排気ガスが導かれるマフラ200が配置されている。
【0027】
図3に示すように、冷却ファン100、ラジエータ92、オイルクーラ93、バッテリ94、フライホイールハウジング199、油圧ポンプ95、マフラ200は、原動機91を収容する原動機ルーム91A内に配置されている。
【0028】
原動機ルーム91Aは、旋回基板5、ウエイト25、機体カバー107、仕切り壁体150(
図6参照)、ボンネット101(
図4参照)等によって構成される。
【0029】
冷却ファン100は、ボンネット101の外気取入れ口89から原動機ルーム91A内に外気を吸引する。原動機ルーム91A内に取り入れられた外気(冷却風)は、オイルクーラ93、ラジエータ92及び原動機91を冷却した後、排出口88等から排出される。
【0030】
図1、
図2に示すように、機体2には、運転席6、運転席6の前方に配置された走行レバー16、運転席6の左の側方に配置されたコンソール17L及び運転席6の右の側方に配置されたコンソール17R等、を含む運転部18が搭載されている。走行レバー16は、走行装置3を操作する操作部材である。コンソール17L,17Rは、さまざまな機能が集約された構造体である。
【0031】
図2に示すように、左のコンソール17Lは、操縦レバー23L、リモコン弁(図示省略)、コンソールカバー22、アームレスト26L、操作ロックレバー(アンロードレバー)30及びリモコン弁、コンソールカバー22、アームレスト26L、操作ロックレバー30を支持するフレーム機構等を有している。
【0032】
操縦レバー23Lは、コンソール17Lの前部且つ上方に配置され、前方及び後方と左方及び右方とに傾動操作可能である。リモコン弁は、操縦レバー23Lで操作されるパイロット弁であり、操縦レバー23Lの下方に配置されている。
【0033】
コンソールカバー22は、リモコン弁やフレーム機構等を覆う部材である。アームレスト26Lは、オペレータの肘等を置く部材であり、操縦レバー23Lの後方に配置されている。操作ロックレバー30は、作業機1に搭載された油圧アクチュエータを操作可能状態と操作不能状態とに切り替えるレバーである。
【0034】
図6に示すように、右のコンソール17Rは、機体2に立設された支持フレーム142に取り付けられている。支持フレーム142は、機体2の骨格を構成する旋回フレーム14に立設されている。なお、コンソール17Rは、機体2を構成する部材に直接取り付けられていてもよい。つまり、コンソール17R(後述のコンソールブラケット33)は、機体2に直接或いは間接的に取り付けられる。
【0035】
図6に示すように、旋回フレーム14は、前記旋回基板5と、該旋回基板5上に固定された左右一対の縦リブ224L、224Rと、仕切り壁体150とを有している。一対の縦リブ224L、224Rは、旋回基板5の前部に固定された支持ブラケット9から後方に延びている。仕切り壁体150は、一対の縦リブ224L、224Rの前後方向の中途部に配置され、一対の縦リブ224L、224Rの一方から他方にわたって設けられている。
【0036】
左の縦リブ224Lの後部は、接続プレート225を介して第1ブラケット部材151Lに接続されている。右の縦リブ224Rの後部は、第2ブラケット部材151Rに接続されている。第1ブラケット部材151L及び第2ブラケット部材151Rは、旋回基板5と共に旋回フレーム14(機体2)を構成する構成要素である。
【0037】
図2、
図4、
図5、
図6及び
図7に示すように、右のコンソール17Rは、操縦レバー23R、リモコン弁40、アームレスト26R、ドーザレバー35、コンソールカバー34、コンソールブラケット33、通信機器38、機器ブラケット39、電装品36(
図10参照)、取付ステー37、携帯端末保持部27、一対のスイッチ28、アクセル操作装置29、スターター31、ソケット32を有している。
【0038】
操縦レバー23Rは、コンソール17Rの前部且つ上方に配置され、前方及び後方と左方及び右方とに傾動操作可能である。リモコン弁40は、操縦レバー23Rで操作されるパイロット弁であり、操縦レバー23Rの下方に配置されている。
【0039】
ここで、操縦レバー23L及び操縦レバー23Rについて説明すると、操縦レバー23L、23Rは、傾動操作することにより、作業装置4及び機体2等を操作する。具体的には、操縦レバー23L、23Rは、例えば、ブーム11の揺動操作、アーム12の揺動操作、バケット13のスクイ動作及びダンプ動作の操作、機体2の旋回操作等を行う。さらに具体的には、操縦レバー23Lは、例えば、バケット13を駆動するバケットシリンダC4を制御するバケット制御弁及び機体2を旋回させる旋回モータを制御する旋回制御弁を操作する。また、操縦レバー23Rは、例えば、ブーム11を駆動するブームシリンダC2を制御するブーム制御弁及びアーム12を駆動するアームシリンダC3を制御するアーム制御弁を操作する。
【0040】
アームレスト26Rは、オペレータの肘あるいは手首等を置く部材である。アームレスト26Rは、操縦レバー23Rの後方に配置されている。ドーザレバー35は、ドーザ装置7を操作するレバーである。ドーザレバー35を前後に傾動することでドーザ装置7が操作される。ドーザレバー35は、アームレスト26Rの機体幅方向外方(右側方)に配置されている。
【0041】
コンソールカバー34は、樹脂によって成型されている。コンソールカバー34は、コンソールブラケット33、リモコン弁40、電装品36、取付ステー37、通信機器38、機器ブラケット39等を覆う。
【0042】
図8、
図9、
図10及び
図11に示すように、コンソールカバー34は、第1側壁部34aと、第2側壁部34bと、前壁部34cと、後壁部34dと、上壁部34eとを有しており、これら第1側壁部34a、第2側壁部34b、前壁部34c、後壁部34d及び上壁部34eで囲まれた内部が中空状に形成されている。また、コンソールカバー34の下面は、開口状とされている。つまり、コンソールカバー34は、下方に開放状に形成されている。
【0043】
図3、
図4に示すように、機体2の右部に配置されたカバー体101Dであって、ボンネット101の一部を構成するカバー体101Dは、上面の前後方向の中途部及び後部に、該中途部から後部にかけて切り欠かれた切欠き部106を有している。この切欠き部106の上方にコンソールカバー34が配置されている。したがって、コンソールカバー34の下面側は、カバー体101Dの内部(原動機ルーム91A)に連通している。
【0044】
図12に示すように、第1側壁部34aは、運転席6の機体幅方向の側方(右側方)に位置する。
図8、
図10に示すように、第1側壁部34aは、前後方向中途に形成された開口部51と、開口部51を開閉自在に塞ぐ蓋体52とを有している。
【0045】
図10に示すように、第2側壁部34bは、第1側壁部34aに対して機体幅方向の側方(右側方)に間隔をあけて設けられている。言い換えると、第2側壁部34bは、
図12に示すように、第1側壁部34aに対して運転席6側とは反対側の側方に間隔をあけて設けられている。
【0046】
図11に示すように、前壁部34cは、第1側壁部34aの前部と第2側壁部34bの前部とを連結している。後壁部34dは、第1側壁部34aの後部と第2側壁部34bの後部とを連結している。
図8、
図9及び
図10に示すように、上壁部34eは、コンソールカバー34の上部を構成する。上壁部34eの後部34fは、前後方向の中途部及び前部よりも一段低い位置に形成されている。上壁部34eの後部は、小物置き等に利用可能である。
【0047】
図13、
図14及び
図15に示すように、コンソールブラケット33は、第1側板33Lと、第2側板(支持プレート)33Rと、取付台41と、前連結板42Fと、後連結板42Rと、中間板44と、取付板43とを有している。第1側板33Lは、運転席6の機体幅方向外方(右方)に配置されている。第1側板33Lは、前部33Laが上下方向に長く形成され、後部33Lbは、前部33Laの下部から後方に延出されている。第1側板33Lと、第2側板33Rとは、機体幅方向に間隔をあけて配置されている。詳しくは、第1側板33Lの機体幅方向外方(右方)に第2側板33Rが配置されている。
【0048】
図15に示すように、第2側板33Rの前部には、支軸46が右方に突出状に設けられている。
図7に示すように、支軸46には、ドーザレバー35の下端に設けられた支持筒50が機体幅方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されている。支持筒50に固定されたアーム48には、操作ケーブル47の一端側が連結されている。操作ケーブル47の他端側は、ドーザ装置7を駆動する油圧シリンダを制御する制御バルブに連動機構を介して連結されている。
【0049】
図13、
図14及び
図15に示すように、取付台41は、第1側板33Lの前部且つ上部の右方に配置されていて、第1側板33Lの左面に固定されている。また、取付台41は、第2側板33Rの前部よりも上方に配置されている。取付台41は、上壁41aと、後壁41bとを有している。
図9に示すように、取付台41の上壁41aにリモコン弁40の上部が取り付けられる。後壁41bの背面には、アームレスト26Rを取り付ける取付ステー45がボルト固定されている。
【0050】
図9、
図14に示すように、中間板44は、取付台41の後壁41bの下方に配置され、上部が後壁41bの下端に固定されている。また、中間板44は、第1側板33Lの前部の後端側と第2側板33Rとの間に配置され、第1側板33Lと第2側板33Rとを連結している。中間板44の下端部には、シール当接部44aが設けられている。
【0051】
図15に示すように、前連結板42Fは、第1側板33Lの前部の下部と第2側板33Rの前部との間に配置されていて、第1側板33Lと第2側板33Rとを連結している。
図13に示すように、後連結板42Rは、第1側板33Lの後部と第2側板33Rの後部との間に配置されていて、第1側板33Lと第2側板33Rとを連結している。取付板43は、前後方向が長い板材によって形成され、板面が上下方向に向くように第1側板33Lの下方に配置され且つ右部が第1側板33Lの下端に固定されている。
【0052】
図6、
図13に示すように、取付板43は、支持フレーム142の上部の右側に設けられたアッパサイドフレーム部145Rの上面に重ね合わされ且つアッパサイドフレーム部145Rにボルト等によって取り付けられる。即ち、コンソールブラケット33は、支持フレーム142に取り付けられ、支持フレーム142を介して機体2に取り付けられる。なお、コンソールブラケット33は、機体2を構成する部材に取り付けられていてもよい。つまり、コンソールブラケット33は、機体2に対して直接或いは間接的に取り付けられる。
【0053】
図9、
図10及び
図11に示すように、コンソールブラケット33は、コンソールカバー34で覆われる。具体的には、コンソールブラケット33の左方は、コンソールカバー34の第1側壁部34aによって覆われ、コンソールブラケット33の右方は、第2側壁部34bによって覆われ、コンソールブラケット33の前方は、前壁部34cによって覆われ、コンソールブラケット33の後方は、後壁部34dによって覆われ、コンソールブラケット33の上方は、上壁部34eによって覆われている。
【0054】
コンソールカバー34は、コンソールブラケット33にネジ等によって取り付けられている。具体的には、コンソールカバー34の上壁部34eの後部34fがコンソールブラケット33の後部に設けられた取付ステー53(
図13参照)に取り付けられ、コンソールカバー34の前壁部34cがコンソールブラケット33の前連結板42Fに取り付けられる。
【0055】
通信機器38は、外部の機器(図示せず)との間でデータの通信を行う、DCU(Direct Communication Unit;直接通信ユニット)である。通信機器38は、後述する情報処理機器であるIPU(Information processing unit;情報収集ユニット)59からデータを授受する。また、通信機器38は、IPU59から受信したデータや位置情報等のデータをサーバに送信する。サーバは、例えば、作業機1を製造するメーカ(製造会社)に設置されたサーバ、作業機1を販売及び保守(メンテナンス)を実施するディーラ(販売及び保守会社)に設置されたサーバ等である。
【0056】
通信機器38は、樹脂によって形成されたケース内に、電子基板、通信アンテナ49(
図16参照)及び測位アンテナ(GPSアンテナ)等を内蔵した防水型の機器である。通信アンテナ49及び測位アンテナは、電子基板に取り付けられている。通信アンテナ49は、例えば、LTEアンテナ(Long Term Evolution antenna)である。また、通信アンテナ49は、サーバとの通信を行うアンテナである。
【0057】
上記通信機器38にあっては、通信アンテナ49が通信機器38に内蔵されているので、盗難等の不正行為(通信機器38を外す行為等)が行われているときに通信可能な状態を維持し、所定の通報先に通報することができる。
【0058】
測位アンテナは、測位衛星から送信された衛星信号を受信する。作業機1は、測位アンテナが受信した衛星信号に基づき、測位システムによって、自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出する。詳しくは、作業機1は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の一例である周知のGPS(Global Positioning System)を利用して(例えば、移動体の測位に適したRTK-GPSによって)作業機1の位置及び方位を求める。即ち、作業機1は、既知位置に設置された基地局(基準局)と通信し、基地局は、測位衛星からの電波を受信して得た測位データ(補正情報)を作業機1に送信する。作業機1は、測位衛星からの電波を受信して得た測位データと、基地局からの測位データとに基づいて、自己の位置(緯度、経度)を検出する。通信機器38は、位置情報を送受信する。
【0059】
図7、
図9、
図10、
図11、
図15に示すように、機器ブラケット39は、通信機器38が取り付けられるブラケットである。通信機器38は、機器ブラケット39を介してコンソールブラケット33に取り付けられる。また、機器ブラケット39及び通信機器38は、コンソールカバー22の内部に配置されている。つまり、通信機器38は、コンソール17Rの内部に配置されている。通信機器38をコンソール17Rの内部に配置することにより、通信機器38の盗難を抑制することができる。また、作業機1の外観向上を図ることもできる。また、通信機器38をコンソール17Rの内部に配置することにより、通信機器38専用のカバーを設ける必要がない。
【0060】
図7、
図9、
図10、
図11、
図15に示すように、通信機器38は、コンソールブラケット33の後部の右側方(運転席6側とは反対側の側方)に配置されている。詳しくは、通信機器38は、第2側板(支持プレート)33Rの後部の右側方に配置されている。また、通信機器38は、コンソールカバー34(コンソール17R)に対して前後方向の中途部に位置している(
図9参照)。
【0061】
また、通信機器38は、
図3に示すように、油圧ポンプ95及びマフラ200の上方に配置されている。
【0062】
図10、
図11に示すように、通信機器38は、第1側壁部34aと第2側壁部34bとの間の第2側壁部34b寄りに配置されている。通信機器38は、機器正面38Aが、機体幅方向外方を向くように且つ第2側壁部34bと対向するように配置されている。
図15に示すように、通信機器38は、インジケータ54を有している。インジケータ54は、通信機器38の機器正面38A側の下部の前後方向の中途部に設けられている。インジケータ54は、例えば、通信機器38の動作状態(通信状態)を表示する。インジケータ54は、3つのインジケータランプ54aを有している。
図10、
図11及び
図19に示すように、第2側壁部34bは、インジケータ54をコンソール17aの外部から視認可能な視認穴55を有している。
【0063】
機器正面38A側にインジケータ54を有する通信機器38を、機器正面38Aが機体幅方向外方を向くように且つ第2側壁部34bと対向するように配置し、第2側壁部34bに視認穴55を形成することにより、作業機1の機体幅方向外方側からインジケータ54を容易に確認することができる。
【0064】
図10、
図11に示すように、コンソールブラケット33の第2側板(支持プレート)33Rは、第1側壁部34aと通信機器38との間に配置されている。機器ブラケット39は、第2側板33Rと通信機器38との間に配置され、第2側板33Rに取り付けられている。これにより、通信機器38を、第1側壁部34aと第2側壁部34bとの間の第2側壁部34b寄りに配置することができる。そして、通信機器38をコンソール17Rの内部に配置するにあたって、第2側壁部34bを機体幅方向外方に広げることにより、コンソール17R(コンソールカバー34)内の通信機器38の配置スペースを容易に確保することができる。
【0065】
図15に示すように、機器ブラケット39は、取付プレート56と、縦部材57と、取付ステー58と、を有している。取付プレート56は、側面視で略矩形状を呈する金属の板材によって形成されている。取付プレート56は、通信機器38の機器正面38A側とは反対側である機器背面38B側に配置される。取付プレート56の四隅に通信機器38がネジ等によって取り付けられる。取付プレート56は、該取付プレート56を貫通して形成された切欠き部60を有している。
図16に示すように、切欠き部60に対応する位置に通信アンテナ49が位置しており、取付プレート56が電波遮蔽物とならないように考慮されている。
【0066】
縦部材57は、溝形鋼によって形成され、開口側が右方を向くようにして取付プレート56の左面側に上下方向に延伸して配置されている。縦部材57は、取付ステー58の左面に溶接等によって固定されている。
【0067】
取付ステー58は、板材によって形成され、板面が上下方向を向く上壁58aと、上壁58aの左端から下方に延出された縦壁58bとを有している。取付ステー58の上壁58aが縦部材57の下端に固定されている。取付ステー58は、縦壁58bが第2側板33Rの右面の上下方向中途部に重ね合わされ、ボルト61によって第2側板33Rに固定される(
図10参照)。
【0068】
機器ブラケット39が第2側板33Rに取り付けられることにより、
図16に示すように、通信アンテナ49が第2側板33Rよりも上方に位置する。つまり、機器ブラケット39は、通信アンテナ49が第2側板(支持プレート)33Rよりも上方に配置されるように第2側板33Rに取り付けられる。通信アンテナ49が第2側板33Rよりも上方に位置することにより、第2側板33Rが電波遮蔽物とならないように考慮されている。
【0069】
図10、
図14に示すように、第2側板33Rと第1側壁部34aとの間には、電装品36が配置されている。電装品36は、本実施形態では、内部にヒューズが取り付けられたヒューズボックスである。電装品36は、取付ステー37に取り付けられる。
【0070】
図18に示すように、取付ステー37は、第2側板33Rの後部の左方に前後一対設けられている。取付ステー37は、上板部37aと、下板部37bと、縦板部37cとを有している。下板部37bは、上板部37aの下方に間隔をあけて配置されている。縦板部37cは、上板部37aの右端と下板部37bとの右端とを連結している。縦板部37cは、下部が第2側板33Rの左面に重ね合わされて該第2側板33Rに固定されている。したがって、取付ステー37は、第2側板33Rに該第2側板33Rから上方に突出状に固定されている。
【0071】
図10に示すように、電装品36は、上部及び下部に差し込み部36aを有し、上板部37a及び下板部37bが差し込み部36aに差し込まれるようにして、取付ステー37に取り付けられる。なお、電装品36は、コンソールカバー34の開口部51に対向しており、蓋体52を外すとコンソールカバー34の外部から電装品36にアクセスすること(ヒューズの交換等)ができる。
【0072】
図16、
図17、
図18に示すように、取付ステー37には、切欠き部62が形成されている。切欠き部62は、上板部37aの右部且つ前部から縦板部37cの上部且つ前部にわたって設けられている。
図16に示すように、切欠き部62は、機体幅方向において通信アンテナ49に対応する位置にある。つまり、取付ステー37は、通信アンテナ49に対応する部分を切り欠いて形成された切欠き部62を有している。本実施形態で、前側の通信アンテナ49が前側の取付ステー37の切欠き部62に対応する位置にある。
【0073】
ところで、通信機器38を配置するにあたって、通信アンテナ49から所定範囲の距離のところに電波遮蔽物がないことが要求される。取付ステー37に、通信アンテナ49に対応する部分を切り欠いて形成された切欠き部62を形成することにより、取付ステー37が電波遮蔽物となるのを防止することができる。つまり、切欠き部62によって通信アンテナ49から所定距離のところに電波遮蔽物がないことの要求を達成することができる。例えば、取付ステー37に切欠き部62を形成しないとすると、通信機器38を取付ステー37から所定距離だけ離して配置しなければならないが、取付ステー37に切欠き部62を形成することにより、通信機器38を取付ステーに近接させることができ、通信機器38をコンソール17Rの内部にコンパクトに配置することができる(第2側壁部34bを必要以上に広げるのを抑制することができる)。
【0074】
なお、本実施形態では、通信機器38の右方、前後、上下の所定距離のところには、電波遮蔽物となるものはない。また、本実施形態では、取付ステー37に切欠き部62が必要なのは、前側の取付ステー37だけであるが、取付ステー37の形状を統一するために、後側の取付ステー37も前側の取付ステー37と同形状に形成されている。
【0075】
図8、
図12に示すように、携帯端末保持部27、一対のスイッチ28、アクセル操作装置29及びソケット32は、コンソールカバー34の上部に設けられている。
【0076】
先ず、これらの配置について、説明する。
【0077】
図8、
図12に示すように、携帯端末保持部27は、コンソールカバー34(コンソール17R)の前後方向の中途部且つコンソールカバー34の機体幅方向の中央よりも運転席6寄りに設けられている。また、
図12に示すように、携帯端末保持部27は、座部6Aの側方(右側方)且つ背もたれ部6Bよりも前方に設けられている。
【0078】
図12に示すように、一対のスイッチ28は、運転席6(座部6A)の側方且つ背もたれ部6Bよりも前方に配置されている。また、一対のスイッチ28は、機体幅方向においてコンソールカバー34(コンソール17R)の機体幅方向の中央に対して運転席6とは反対側に設けられている。また、一対のスイッチ28は、前後に並べて配置されている。さらに、一対のスイッチ28は、コンソールカバー34(コンソール17R)の前後方向の中途部に設けられている。さらにまた、一対のスイッチ28は、携帯端末保持部27の機体幅方向外方(右側方)に配置されている。
【0079】
図12に示すように、アクセル操作装置29は、携帯端末保持部27と一対のスイッチ28との間に設けられている。
図4に示すように、スターター31及びソケット32は、コンソールカバー34の前後方向中途部と後部34fとの間の縦面壁34gに設けられている。本実施形態では、スターター31が縦面壁34gの左部に設けられ、ソケット32が縦面壁34gの右部に設けられている。
【0080】
なお、
図8において、符号64は、リモコン弁309の上部との干渉を避ける穴である。符号65は、取付ステー45をコンソール17R内から突出させるための挿通穴である。符号66は、ドーザレバー35をコンソール17R内から突出させるためのガイド穴である。符号67は、アクセル操作装置29を装着するための装着穴である。符号68は、スターター31を装着するための装着部である。符号69は、ソケット32を装着するための装着部である。
【0081】
次に、携帯端末保持部27、一対のスイッチ28、アクセル操作装置29及びソケット32の各部を詳細に説明する。
【0082】
携帯端末保持部27は、スマートフォン等の携帯端末73を保持する部位である。
【0083】
図10に示すように、携帯端末保持部27は、上方から下方に向けて凹設されて形成されていて、上端開口を形成する上端縁部27aを有すると共に、携帯端末73を収容する内部空間(携帯端末収容部)70を有している。したがって、携帯端末73は、携帯端末収容部70(携帯端末保持部27)に上方から挿入可能である。また、携帯端末保持部27は、携帯端末73を該携帯端末73の表示画面73aが運転席6側に向くように保持可能である。
【0084】
図20、
図21に示すように、携帯端末保持部27の内部空間(携帯端末収容部)70は、第1壁27b、第2壁27c、第3壁27d、第4壁27e、第5壁27f及び第6壁27gによって形成されている。
図21に示すように、第1壁27bは、携帯端末73を該携帯端末73の表示画面73aが運転席6側に向くように収容した状態で、携帯端末73における表示画面73aの反対側の面が対向する壁部である。第1壁27bは、携帯端末収容部70の内面の右面部を形成する。
図21に示すように、第1壁27bは、上方に向かうにつれて運転席6から離れる方向に移行する傾斜状に形成されている。これにより、運転席6に着座したオペレータが、携帯端末73の表示画面73aを容易に見ることができるように、携帯端末73を携帯端末保持部27に保持することができる。
【0085】
図20に示すように、第2壁27cは、第1壁27bの前端から左方に延びる壁部であって、携帯端末収容部70の内面の前面部を形成する。第3壁27dは、第1壁27bの後端から左方に延びる壁部であって、携帯端末収容部70の内面の後面部を形成する。第4壁27eは、第2壁27cの左端から後方に延びる壁部であって、携帯端末収容部70の内面の左面部の前部を形成する。第5壁27fは、第3壁27dの左端から前方に延びる壁部であって、携帯端末収容部70の内面の左面部の後部を形成する。第4壁27eの後端と第5壁27fの前端との間には間隔が形成されている。
【0086】
図21に示すように、第6壁27gは、第1壁27bの下端から左方に延びる壁部であって、携帯端末73の下端を支持する底部を構成する。言い換えると、第6壁27gは、携帯端末収容部70の内面の底面部(下面部)を形成する。
【0087】
図20、
図21に示すように、携帯端末保持部27は、運転席6側に溝部74を有している。溝部74は、上端縁部27aから底部27gにわたって形成されていると共に携帯端末収容部70(携帯端末保持部27の内部空間)から運転席6側に向けて開放状である。溝部74は、第7壁27h、第8壁27i及び第9壁27jによって形成されている。
図20に示すように、第7壁27hは、第4壁27eの後端から左方に延びていてコンソールカバー34の第1側壁部34aに接続されている。第8壁27iは、第5壁27fの前端から左方に延びていてコンソールカバー34の第1側壁部34aに接続されている。
図21に示すように、第9壁27jは、第6壁27gの左端から左方に延びていてコンソールカバー34の第1側壁部34aに接続されている。第9壁27jは、機体幅方向内方(運転席6側)に向かうにつれて下方に移行する傾斜状に形成されている。
【0088】
携帯端末保持部27が溝部74を有することにより、携帯端末収容部70に入った水やゴミ等の異物を携帯端末収容部70の内部から溝部74を介して容易に排除することができる。
【0089】
一対のスイッチ28は、例えば、ライトスイッチである。具体的には、一方のスイッチ(前側のスイッチ)28Fは、ブーム11に取り付けられた作業灯7を点灯及び消灯させるスイッチである。他方のスイッチ(後側のスイッチ)28Rは、キャノピ15のルーフ19に設けられる回転灯71(
図2参照)を点灯及び消灯させるスイッチである。なお、スイッチ28Fは、キャノピ15のルーフ19に設けられた前照灯72(
図2参照)を点灯及び消灯させるスイッチであってもよい。また、スイッチ28は、1つであっても、3以上であってもよい。つまり、スイッチ28は、少なくとも1つあればよい。
【0090】
スイッチ28は、限定されることはないが、例えば、シーソースイッチ(ロッカスイッチ)によって形成される。前端を押すことにより点灯及び消灯の一方の操作が行え、後端を押すことにより点灯及び消灯の他方の操作が行える。
【0091】
図12に示すように、スイッチ28は、平面視長方形状を呈しており、平面視で前方に向かうにつれて運転席6から離れる方向(機体幅方向外方)に移行する傾斜状に設けられている。
【0092】
図8、
図10に示すように、一対のスイッチ28は、通信機器38の上方に対応する位置に設けられている。
【0093】
スイッチ28を平面視で前方に向かうにつれて運転席6から離れる方向に移行する傾斜状に配置することで、オペレータが、腕を開く角度を大きくすることや手首をひねることなくスイッチ28を押すことができる。言い換えると、オペレータが自然な状態でスイッチを押すことができる。
【0094】
また、スイッチ28を、機体幅方向においてコンソール17Rの機体幅方向の中央に対して運転席6とは反対側に設けることにより、オペレータは腕を脇から適度に離した状態でスイッチ28を操作することができ、スイッチ28の操作性がよい。また、スイッチ28を通信機器38の上方に対応する位置に設けることにより、スイッチ28の設置場所を確保することができる。
【0095】
アクセル操作装置29は、原動機91の回転数を設定する回転数調節器(ガバナ)を操作して原動機91の回転数を決定する。詳しくは、アクセル操作装置29は、オペレータの人為的な操作によって操作されるアクセルダイヤル29Aを含む。アクセルダイヤル29Aは、例えば、制御装置に接続される。制御装置は、アクセルダイヤル29Aによって指示した回転数を取得し、原動機91の回転数をアクセルダイヤル29Aによって指示した回転数に一致させるように回転数調節器に指令信号を出力する。
【0096】
スターター31は、エンジンを始動させるための装置である。ソケット32は、USBソケット或いはシガーソケット等である。
【0097】
図4に示すように、運転席6の下部の後方にIPU59が配置されている。IPU59は、作業機1に関する情報を一時的に蓄積し、所定の処理(例えば圧縮処理等)を行う「情報処理機器」である。また、IPU59は、図示省略の車載用通信ネットワークの通信ポートや車載式故障診断装置(OBD:On-Board Diagnostics)の通信ポート等にハーネスを介して接続される。車載用通信ネットワークは、作業機1に搭載されたCAN(Controller Area Network)やフレックスレイ(FlexRay)等で構成される。IPU59は、通信ネットワークや車載式故障診断装置から作業機1に関する情報を受信する。また、IPU59は、ハーネス64を介して通信機器38に接続されていて、通信機器38にデータを伝達する。また、IPU59及び通信機器38は、ハーネスを介して図示省略の電源供給ポートに接続されていて、電源供給ポートから電源が供給される。
【0098】
図22、
図23に示すように、IPU59は、IPU本体75と、IPU本体75を収容するケース体76とを有している。ケース体76は、IPU本体75が取り付けられる取付プレート76Aと、IPU本体75を覆うようにして取付プレート76Aに取り付けられるカバー体76Bとを有している。
【0099】
IPU59は、ロプス15の取付部77に取り付けられている。取付部77は、ベース部材77Aと、連結部77Bとを有している。ベース部材77Aは、支持フレーム142の上部の後部に設けられたリヤアッパフレーム147(
図6参照)に取り付けられる。連結部77Bは、ロプス15の接続部78Aとベース部材77Aとを連結する。ロプス15の接続部78Aは、ロプス15の左の後支柱部78Lと右の後支柱部78Rとの下端部同士を接続する部位である。ケース体76の後面には、ブラケット部材79が固定されていて(
図4参照)、ブラケット部材79を連結部77Bに取り付けることにより、IPU59がロプス15に取り付けられる。
【0100】
図3、
図10に示すように、作業機1は、原動機91側(原動機91、マフラ200、油圧ポンプ95等)からの熱が通信機器38に伝わらないように遮蔽する熱遮蔽体316を備えている。熱遮蔽体316は、通信機器38を下方側から覆い、原動機91側から冷却風(熱風)、対流熱、輻射熱等の熱が通信機器38に伝わらないように遮蔽する。
【0101】
上述した本実施形態の作業機1は、機体2と、機体2に搭載された運転席6と、運転席6の側方に配置されたコンソール17Rと、コンソール17Rの内部に配置された通信機器38と、を備えている。
【0102】
通信機器38をコンソール17Rの内部に配置することにより、通信機器38の盗難を抑制することができる。また、作業機1の外観向上を図ることもできる。
【0103】
また、コンソール17Rは、運転席6の側方に位置する第1側壁部34aと、第1側壁部34aに対して運転席6側とは反対側の側方に間隔をあけて設けられた第2側壁部34bとを有し、通信機器38は、第1側壁部34aと第2側壁部34bとの間の第2側壁部34b寄りに配置されている。
【0104】
通信機器38をコンソール17Rの内部に配置するにあたって、第2側壁部34bを機体幅方向外方に広げることにより、コンソール17R内の通信機器配置スペースを容易に確保することができる。
【0105】
また、通信機器38は、第2側壁部34bと対向する側に設けられたインジケータ54を有し、第2側壁部34bは、インジケータ54をコンソール17Rの外部から視認可能な視認穴55を有している。
【0106】
この構成によれば、作業機1の機体幅方向外方側からインジケータ54を確認することができる。
【0107】
また、作業機1は、通信機器38が取り付けられる機器ブラケット39を備え、コンソール17Rは、機体2に直接或いは間接的に取り付けられるコンソールブラケット33を有し、コンソールブラケット33は、第1側壁部34aと通信機器38との間に配置される支持プレート(第2側板33R)を有し、機器ブラケット39は、支持プレート33Rと通信機器38との間に配置され、支持プレート33Rに取り付けられている。
【0108】
この構成によれば、通信機器38を、第1側壁部34aと第2側壁部34bとの間の第2側壁部34b寄りに配置することができる。
【0109】
また、作業機1は、支持プレート33Rと第1側壁部34aとの間に配置される電装品36と、電装品36が取り付けられる取付ステー37と、を備え、通信機器38は、通信アンテナ49を内蔵しており、機器ブラケット39は、通信アンテナ49が支持プレート33Rよりも上方に配置されるように支持プレート33Rに取り付けられ、取付ステー37は、支持プレート33Rに該支持プレート33Rから上方に突出状に固定され、且つ通信アンテナ49に対応する部分を切り欠いて形成された切欠き部62を有している。
【0110】
通信機器38を配置するにあたって、通信アンテナ49から所定範囲の距離のところに電波遮蔽物がないことが要求される。機器ブラケット39を、通信アンテナ49が支持プレート33Rよりも上方に配置されるように支持プレート33Rに取り付けることにより、支持プレート33Rが電波遮蔽物となるのを防止でき、また、取付ステー37に、通信アンテナ49に対応する部分を切り欠いて形成された切欠き部62を形成することにより、取付ステー37が電波遮蔽物となるのを防止することができる。また、取付ステー37に切欠き部62を形成することにより、通信機器38を取付ステー37に近接させることができ、通信機器38をコンソール17Rの内部にコンパクトに配置することができる。
【0111】
また、コンソール17Rは、運転席6の機体幅方向の側方に配置され、携帯端末73を該携帯端末73の表示画面73aが運転席6側に向くように保持可能である携帯端末保持部27を有し、携帯端末保持部27は、機体幅方向においてコンソール17Rの機体幅方向の中央よりも運転席6寄りに設けられている。
【0112】
この構成によれば、携帯端末73をオペレータの近くに且つオペレータに表示画面73aが見えるように置くことができる。
【0113】
また、携帯端末保持部27は、上方から下方に向けて凹設されて形成され、且つ上端開口を形成する上端縁部27aと、携帯端末73の下端を支持する底部27gと、上端縁部27aから底部27gにわたって形成されていると共に当該携帯端末保持部27の内部空間70から運転席6側に向けて開放状である溝部74と、を有している
この構成によれば、携帯端末保持部27の内部に入った水やゴミ等の異物を携帯端末保持部27の内部から溝部74を介して容易に排除することができる。
【0114】
また、携帯端末保持部27は、携帯端末73を表示画面73aが運転席6側に向くように収容した状態で、携帯端末73における表示画面73aの反対側の面が対向する壁部(第1壁27b)を有し、壁部27bは、上方に向かうにつれて運転席6から離れる方向に移行する傾斜状に形成されている。
【0115】
この構成によれば、運転席6に着座したオペレータが、携帯端末73の表示画面73aを容易に見ることができるように、携帯端末73を携帯端末保持部27に保持することができる。
【0116】
また、コンソール17Rは、当該コンソール17Rの上部に設けられた少なくとも1つのスイッチ28を有し、運転席6は、オペレータが着座する部位である座部6Aと、オペレータが背中をもたれかける部位である背もたれ部6Bとを有し、スイッチ28は、運転席6の側方且つ背もたれ部6Bよりも前方に配置され、且つ平面視で前方に向かうにつれて運転席6から離れる方向に移行する傾斜状に設けられている。
【0117】
この構成によれば、オペレータが、腕を開く角度を大きくすることや手首をひねることなくスイッチ28を押すことができる。言い換えると、オペレータが自然な状態でスイッチ28を押すことができる。
【0118】
また、スイッチ28は、機体幅方向においてコンソール17Rの機体幅方向の中央に対して運転席6とは反対側に設けられ、且つ通信機器38の上方に対応する位置に設けられている。
【0119】
スイッチ28を、機体幅方向においてコンソール17Rの機体幅方向の中央に対して運転席6とは反対側に設けることにより、オペレータは腕を脇から適度に離した状態でスイッチ28を操作することができ、スイッチ28の操作性がよい。また、スイッチ28を通信機器38の上方に対応する位置に設けることにより、スイッチ28の設置場所を確保することができる。
【0120】
また、作業機1は、機体2に搭載された原動機91と、原動機91を覆うボンネット101と、ボンネット101の内部で機体2に立設されていてボンネット101を支持する支持フレーム142と、を備え、コンソール17Rは、支持フレーム142に取り付けられている。
【0121】
この構成によれば、コンソール17Rを確りと支持することができ、延いては、通信機器38を確りと支持することができる。
【0122】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0123】
1 作業機
2 機体
6 運転席
6A 座部
6B 背もたれ部
17R コンソール
27 携帯端末保持部
27a 上端縁部
27b 壁部(第1壁)
27g 底部
28 スイッチ
33 コンソールブラケット
33R 支持プレート(第2側板)
34a 第1側壁部
34b 第2側壁部
36 電装品
37 取付ステー
38 通信機器
39 機器ブラケット
49 通信アンテナ
54 インジケータ
55 視認穴
62 切欠き部
73 携帯端末
73a 表示画面
74 溝部
91 原動機
101 ボンネット
142 支持フレーム