(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025069045
(43)【公開日】2025-04-30
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20250422BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 N
H05K3/46 T
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024091624
(22)【出願日】2024-06-05
(31)【優先権主張番号】10-2023-0138229
(32)【優先日】2023-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 承恩
(72)【発明者】
【氏名】孔 正▲哲▼
(72)【発明者】
【氏名】金 起煥
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB03
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5E316JJ02
5E316JJ03
5E316JJ13
(57)【要約】
【課題】本発明のいくつかの目的のうち一つは、電圧降下(IR Drop)及びパワー損失(Power Loss)を減少させることができるプリント回路基板を提供することである。
【解決手段】本発明は、第1貫通部を有する基板(substrate)と、上記第1貫通部内に少なくとも一部が配置され、第2貫通部を有する磁性体層と、前記第2貫通部内に少なくとも一部が配置された電子部品と、上記磁性体層の上面上に配置された第1配線パターンと、上記磁性体層の下面上に配置された第2配線パターンと、少なくとも一部が前記磁性体層で囲まれ、前記第1及び第2配線パターンを互いに連結する第1ビアパターンを含む第1貫通ビアと、を含む、プリント回路基板に関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1貫通部を有する基板と、
前記第1貫通部内に少なくとも一部が配置され、第2貫通部を有する磁性体層と、
前記第2貫通部内に少なくとも一部が配置された電子部品と、
前記磁性体層の上面上に配置された第1配線パターンと、
前記磁性体層の下面上に配置された第2配線パターンと、
少なくとも一部が前記磁性体層で囲まれ、前記第1配線パターン及び前記第2配線パターンを互いに連結する第1ビアパターンを含む第1貫通ビアと、を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記電子部品は電圧レギュレータを含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記基板、前記磁性体層及び前記電子部品のそれぞれの少なくとも一部を覆い、前記第2貫通部の少なくとも一部を充填する第1絶縁層をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記磁性体層は第1貫通孔をさらに有し、
前記第1絶縁層は前記第1貫通孔の少なくとも一部を充填し、
前記第1絶縁層は前記第1貫通孔内で第2貫通孔を有し、
前記第1貫通ビアは前記第2貫通孔内に少なくとも一部が配置され、
前記第1貫通ビアは前記磁性体層と離隔した、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1ビアパターンは前記第2貫通孔の壁面上に配置され、
前記第1貫通ビアは、前記第2貫通孔内の前記第1ビアパターン間の空間の少なくとも一部を充填する第1充填材をさらに含む、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1絶縁層の上面上に配置される第1配線層と、
前記第1絶縁層の下面上に配置される第2配線層と、をさらに含み、
前記第1配線パターン及び前記第2配線パターンと前記磁性体層の上面及び下面との間にはそれぞれ前記第1絶縁層が配置され、
前記第1配線層及び前記第2配線層はそれぞれ前記第1配線パターン及び前記第2配線パターンを含む、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
少なくとも一部が前記基板で囲まれ、前記第1配線層及び前記第2配線層のそれぞれの少なくとも一部を互いに連結する第2ビアパターンを含む第2貫通ビアをさらに含む、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記基板は第3貫通孔をさらに有し、
前記第1絶縁層は前記第3貫通孔の少なくとも一部を充填し、
前記第1絶縁層は前記第3貫通孔内に第4貫通孔を有し、
前記第2貫通ビアは前記第4貫通孔内に少なくとも一部が配置され、
前記第2貫通ビアは前記基板と離隔した、請求項7に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記第2ビアパターンは前記第4貫通孔の壁面上に配置され、
前記第2貫通ビアは、前記第4貫通孔内の前記第2ビアパターン間の空間の少なくとも一部を充填する第2充填材をさらに含む、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1絶縁層の上側を貫通し、前記第1配線層と前記電子部品とを互いに連結する第1接続ビアを含む第1ビア層をさらに含み、
前記電子部品と前記第1ビアパターンとは、前記第1接続ビア及び前記第1配線層を経由する経路を介して互いに連結される、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第1絶縁層の下側を貫通し、前記第2配線層と前記電子部品とを互いに連結する第2接続ビアを含む第2ビア層をさらに含み、
前記第2接続ビアは前記電子部品のバック面と連結され、
前記第1接続ビア及び前記第2接続ビアは互いに反対方向のテーパ形状を有する、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記第1絶縁層の上面上に配置された第2絶縁層と、
前記第1絶縁層の下面上に配置された第3絶縁層と、
前記第2絶縁層の上面上に配置された第3配線層と、
前記第3絶縁層の下面上に配置された第4配線層と、
前記第2絶縁層を貫通し、前記第1配線層及び前記第3配線層を互いに連結する第3接続ビアを含む第3ビア層と、
前記第3絶縁層を貫通し、前記第2配線層及び前記第4配線層を互いに連結する第4接続ビアを含む第4ビア層と、をさらに含み、
前記第3接続ビア及び前記第4接続ビアは互いに反対方向のテーパ形状を有する、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記第2絶縁層の上面上に配置され、前記第3配線層の少なくとも一部を露出させる第1開口を有する第1レジスト層と、
前記第3絶縁層の下面上に配置され、前記第4配線層の少なくとも一部を露出させる第2開口を有する第2レジスト層と、をさらに含む、請求項12に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記磁性体層は前記第1貫通部の壁面と接触する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記基板は、有機コア層、ガラスコア層、メタルコア層、シリコンコア層、又はセラミックコア層を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記第1配線パターン及び前記第2配線パターンと前記第1ビアパターンとが前記磁性体層の少なくとも一部を囲む形態で互いに連結され、前記基板にインダクタが配置される、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
第1貫通部を有する基板と、
前記第1貫通部内に少なくとも一部が配置されて前記基板と接触し、第2貫通部及び複数の貫通孔を有する磁性体層と、
前記第2貫通部内に少なくとも一部が配置された電圧レギュレータと、
前記基板、前記磁性体層及び前記電圧レギュレータのそれぞれの少なくとも一部を覆い、前記第2貫通部及び前記複数の貫通孔のそれぞれの少なくとも一部を充填する絶縁層と、
前記絶縁層の上面上に配置される第1配線パターン層と、
前記絶縁層の下面上に配置される第2配線パターン層と、
前記複数の貫通孔内で前記絶縁層をそれぞれ貫通する複数のビアパターンと、を含む、プリント回路基板。
【請求項18】
前記第1配線パターン層は複数の第1配線パターンを含み、
前記第2配線パターン層は複数の第2配線パターンを含み、
前記複数の第1配線パターン及び前記複数の第2配線パターンと前記複数のビアパターンとが互いに交互に連結された一つ以上のコイル部をさらに含む、請求項17に記載のプリント回路基板。
【請求項19】
前記一つ以上のコイル部は、平面上において前記電圧レギュレータの周囲を囲む、請求項18に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体チップのスリム化及び電力効率の増大のために、パッケージ基板の内部にキャパシタ、インダクタなどの様々な受動素子を内蔵することが求められている。一方、インダクタの場合、材料及び構造の変更によって、既存のチップ部品に比べてインダクタンスを向上させることが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明のいくつかの目的のうち一つは、電圧降下(IR Drop)及びパワー損失(Power Loss)を減少させることができるプリント回路基板を提供することである。
【0004】
本発明のいくつかの目的のうち他の一つは、インダクタンスを向上させることができるプリント回路基板を提供することである。
【0005】
本発明のいくつかの目的のうちさらに他の一つは、スリム化及び集積化を実現することができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明を通じて提供するいくつかの解決手段のうち一つは、基板(substrate)の第1貫通部に磁性体層を配置し、磁性体層にMCI(Magnetic Composite Inductor)などのインダクタを形成し、磁性体層の第2貫通部にインダクタと共にVR(Voltage Regulator)などの電子部品を配置して埋め込むことである。
【0007】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、第1貫通部を有する基板と、上記第1貫通部内に少なくとも一部が配置され、第2貫通部を有する磁性体層と、上記第2貫通部内に少なくとも一部が配置された電子部品と、上記磁性体層の上面上に配置された第1配線パターンと、上記磁性体層の下面上に配置された第2配線パターンと、少なくとも一部が上記磁性体層で囲まれ、上記第1及び第2配線パターンを互いに連結する第1ビアパターンを含む第1貫通ビアと、を含むものであってもよい。
【0008】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、第1貫通部を有する基板と、上記第1貫通部内に少なくとも一部が配置されて上記基板と接触し、第2貫通部及び複数の貫通孔を有する磁性体層と、上記第2貫通部内に少なくとも一部が配置された電圧レギュレータ(Voltage Regulator)と、上記基板と上記磁性体層と上記電圧レギュレータのそれぞれの少なくとも一部を覆い、上記第2貫通部及び上記複数の貫通孔のそれぞれの少なくとも一部を充填する絶縁層と、上記絶縁層の上面上に配置される第1配線パターン層と、上記絶縁層の下面上に配置される第2配線パターン層と、上記複数の貫通孔内で上記絶縁層をそれぞれ貫通する複数のビアパターンと、を含むものであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な効果のうち一効果として、電圧降下及びパワー損失を減少させることができるプリント回路基板を提供することができる。
【0010】
本発明の様々な効果のうち、他の一効果として、インダクタンスを向上させることができるプリント回路基板を提供することができる。
【0011】
本発明の様々な効果のうち、さらに他の一効果として、スリム化及び集積化を実現することができるプリント回路基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図である。
【
図4】
図3のI-I’線に沿った切断断面を概略的に示す平面図である。
【
図5】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図6】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図7】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図8】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図9】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図10】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図11】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図12】
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【
図13】プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【
図14】コイル部の一例を概略的に示す断面図である。
【
図15】コイル部の様々な例を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。
【0014】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0015】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは後述する他の電子部品とも結合して様々な信号ライン1090を形成する。
【0016】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にもその他の異なる形態のチップ関連電子部品が含まれてもよいことは言うまでもない。また、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせてもよいことは勿論である。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であってもよい。
【0017】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれてもよい。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020と併せて互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0018】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルタ、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の異なる様々な用途のために使用されるチップ部品形態の受動素子などが含まれてもよい。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0019】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例としては、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリ1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などであってもよい。これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために使用されるその他の電子部品などが含まれてもよいことは言うまでもない。
【0020】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニタ(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよい。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0021】
図2は、電子機器の一例を概略的に示す斜視図である。
【0022】
図面を参照すると、電子機器は、例えば、スマートフォン1100であってもよい。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には、様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラモジュール1130及び/又はスピーカ1140のようにマザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか又はされていない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であってもよく、例えば、部品パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面実装配置されたプリント回路基板の形態であってもよい。あるいは、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であってもよい。一方、電子機器は必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0023】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示す断面図であり、
図4は、
図3のI-I’線に沿った切断断面を概略的に示す平面図である。
【0024】
図面を参照すると、一例に係るプリント回路基板100Aは、基板111、基板111の上面及び下面の間を貫通する第1貫通部H1、第1貫通部H1に配置される磁性体層150、磁性体層150の上面及び下面の間を貫通する第2貫通部H2、第2貫通部H2内に少なくとも一部が配置される電子部品140、磁性体層150の上面及び下面の間を貫通する第1貫通孔h1、基板111上に配置されて磁性体層150と電子部品140を覆い、第2貫通部H2と第1貫通孔h1のそれぞれの少なくとも一部を充填する第1絶縁層112、第1貫通孔h1内で第1絶縁層112の上面及び下面の間を貫通する第2貫通孔h2、磁性体層150の上面上に配置される第1配線パターンB1、磁性体層150の下面上に配置される第2配線パターンB2、及び第2貫通孔h2内に少なくとも一部が配置されて少なくとも一部が磁性体層150で囲まれ、第1及び第2配線パターンB1、B2を互いに連結する第1ビアパターンM1を含む第1貫通ビア131を含むことができる。磁性体層150、並びに磁性体層150の少なくとも一部を囲む形態で互いに連結された第1及び第2配線パターンB1、B2と第1ビアパターンM1とを含む第1貫通ビア131を介して、基板111にインダクタが配置されることができる。第1及び第2配線パターンB1、B2と磁性体層150の上面及び下面の間にはそれぞれ第1絶縁層112が配置されることができる。第1ビアパターンM1は第2貫通孔h2の壁面上に配置されることができ、第1貫通ビア131は第2貫通孔h2内の第1ビアパターンM1間の空間の少なくとも一部を充填する第1充填材R1を含むことができる。第2貫通孔h2は、第1充填材R1なしに第1ビアパターンM1で充填されてもよい。
【0025】
このように、一例に係るプリント回路基板100Aは、コア層に相当する基板111の第1貫通部H1に磁性体層150を配置し、磁性体層150に第1貫通ビア131を形成して、磁性体層150を囲む形態のインダクタを形成することができる。また、磁性体層150の第2貫通部H2に電子部品140を配置し、このようなインダクタと共に電子部品140を埋め込んだ構造を有することができる。この場合、電子部品140とインダクタとの間の距離を最小化することができ、基板111内の空間配置を効率化することができる。また、電圧降下及びパワー損失を減少させることができ、インダクタンスを向上させることができる。また、スリム化及び集積化を実現することができる。一方、第1及び第2貫通孔h1、h2は複数個形成されてもよいため、第1貫通ビア131は複数個であることができる。例えば、インダクタは、複数の第1ビアパターンM1と、複数の第1及び第2配線パターンB1、B2とを含むことができる。例えば、インダクタは、複数の第1及び第2配線パターンB1、B2と複数の第1ビアパターンM1とが互いに交互に連結された一つ以上のコイル部を含むことができる。このとき、コイル部は、平面上において電子部品140の周囲を囲むように配置されることができる。したがって、上述した効果をより効果的に実現することができる。さらに、磁性体層150が基板111の第1貫通部H1に配置されて第1絶縁層112で覆われ、磁性体層150に含まれた金属酸化物が表面に現れないため、磁性体層150が酸溶液に溶出することを防止することができる。
【0026】
一方、一例に係るプリント回路基板100Aは、基板111の上面及び下面の間を貫通し、第1絶縁層112で少なくとも一部が充填される第3貫通孔h3、第3貫通孔h3内で第1絶縁層112の上面及び下面の間を貫通する第4貫通孔h4、第1絶縁層112の上面上に配置され、第1配線パターンB1を含む第1配線層121、第1絶縁層112の下面上に配置され、第2配線パターンB2を含む第2配線層122、及び第4貫通孔h4内に少なくとも一部が配置されて少なくとも一部が基板111で囲まれ、第1及び第2配線層121、122を互いに連結する第2ビアパターンM2を含む第2貫通ビア132をさらに含むことができる。第2ビアパターンM2は第4貫通孔h4の壁面上に配置されることができ、貫通ビア132は第4貫通孔h4内の第2ビアパターンM2間の空間の少なくとも一部を充填する第2充填材R2を含むことができる。必要に応じて、第3貫通孔h3は省略されてもよく、第4貫通孔h4が第3貫通孔h3なしに基板111を直接貫通してもよい。必要に応じて、第4貫通孔h4は、第2充填材R2なしに第2ビアパターンM2で充填されてもよい。このように、第1絶縁層112の上面及び下面上に第1及び第2配線層121、122が配置され、様々な配線設計が可能となり得る。また、第1貫通ビア131を形成する際に第2貫通ビア132を共に形成して工程をより単純化することができ、コストや時間などを短縮させることができる。
【0027】
また、一例に係るプリント回路基板100Aは、第1絶縁層112の上側を貫通し、第1配線層121を電子部品140の第1接続パッドP1と連結する第1接続ビアを含む第1ビア層133、及び第1絶縁層112の下側を貫通し、第2配線層122を電子部品140のバック面、例えば、電子部品140のバック面に配置された第2接続パッドP2と連結する第2接続ビアを含む第2ビア層134を含むことができる。このように、電子部品140は、第1ビア層133及び第1配線層121を介して、上述したインダクタと電気的に連結されることができる。また、電子部品140は、第2ビア層134及び第2配線層122を介して、優れた放熱効果を有することができる。
【0028】
一方、一例に係るプリント回路基板100Aは、第1絶縁層112の上面上に配置される第2絶縁層113、第1絶縁層112の下面上に配置される第3絶縁層114、第2絶縁層113の上面上に配置される第3配線層123、第3絶縁層114の下面上に配置される第4配線層124、第2絶縁層113を貫通し、第1及び第3配線層121、123を互いに連結する第3接続ビアを含む第3ビア層135、第3絶縁層114を貫通し、第2及び第4配線層122、124を互いに連結する第4接続ビアを含む第4ビア層136、第2絶縁層113の上面上に配置され、第3配線層123の少なくとも一部を露出させる第1開口115hを有する第1レジスト層115、及び第3絶縁層114の下面上に配置され、第4配線層124の少なくとも一部を露出させる第2開口116hを有する第2レジスト層116をさらに含むことができる。このように、ビルドアップ工程によって実現される多層パッケージ基板の形態を有することもできる。
【0029】
以下では、図面を参照して、一例に係るプリント回路基板100Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0030】
基板111はコア層であってもよい。例えば、有機コア層、ガラスコア層、メタルコア層、シリコンコア層、又はセラミックコア層を含むことができる。有機コア層は有機絶縁材を含むことができる。有機絶縁材は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、有機絶縁材は、CCL(Copper Clad Laminate)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)等の非感光性絶縁材であってもよいが、これに限定されるものではなく、それら以外にも他の高分子素材が用いられてもよい。ガラスコア層はガラス(glass)を含むことができる。ガラスは、例えば、純粋な二酸化ケイ素(約100%のSiO2)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino-silicate glass)などを含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、代替のガラス材料である、例えば、フッ素ガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなどもガラス層の材料として使用することができる。また、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、その他の添加剤をさらに含むこともできる。このような添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけでなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモンと、このような元素、並びに他の元素の炭酸塩及び/又は酸化物を含むことができる。ガラスは、上述のガラス繊維とは区別されることができる。メタルコア層は金属を含むことができる。金属は、例えば、銅(Cu)、インバー(Invar)などを含むことができるが、これに限定されるものではない。シリコンコア層は純粋なシリコン(Si)を含むことができる。必要に応じて、シリコンコア層は、シリコン(Si)上に形成された酸化層を含むこともできる。また、酸化層上に形成された窒化層を含んでもよい。酸化層はシリコン酸化膜を含むことができ、窒化層はシリコン窒化膜を含むことができるが、これに限定されるものではない。セラミックコア層はセラミック材料を含むことができる。セラミック材料は、例えば、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)などを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0031】
第1~第3絶縁層112、113、114は有機絶縁材を含むことができる。有機絶縁材は、上述したように、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又は樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、有機絶縁材は、CCL(Copper Clad Laminate)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)等の非感光性絶縁材であってもよいが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の高分子素材が用いられてもよい。第1~第3絶縁層112、113、114は、互いに同一又は異なる有機絶縁材を含むことができる。第1~第3絶縁層112、113、114は、それぞれ必要に応じて複数の層で構成されてもよい。
【0032】
第1及び第2レジスト層115、116は、液状又はフィルム型の半田レジスト(Solder Resist)を含むことができるが、これに限定されるものではなく、ABFなどの他の有機絶縁材を含むこともできる。第1及び第2レジスト層115、116はそれぞれ第1及び第2開口115h、116hを有することができる。第1及び第2開口115h、116hはそれぞれ複数個であってもよい。第1及び第2開口115h、116hは、SMD(Solder Mask Defined)及び/又はNSMD(Non Solder Mask Defined)で形成されることができる。第1及び第2開口115h、116hはそれぞれ第3及び第4配線層123、124を露出させることができ、露出したパターンの表面には表面処理層が配置されることができる。表面処理層は、電解金めっき、無電解金めっき、OSP(Organic Solderability Preservative)又は無電解錫めっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIG(Direct Immersion Gold)めっき、HASL(Hot Air Solder Leveling)などによって形成されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0033】
第1~第4配線層121、122、123、124はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1~第4配線層121、122、123、124は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。第1~第4配線層121、122、123、124は、シード層とシード層上に形成されためっき層とを含むことができる。シード層は無電解めっき層(又は化学銅)及び/又はスパッタリング層であってもよく、めっき層は電解めっき層(又は電気銅)であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0034】
第1及び第2配線パターンB1、B2と第1及び第2ビアパターンM1、M2は金属物質を含むことができる。金属物質は、上述したように、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第2ビアパターンM2は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号ビアパターン、パワービアパターン、グランドビアパターンなどを含むことができる。第1及び第2配線パターンB1、B2と第1及び第2ビアパターンM1、M2は、それぞれシード層及びシード層上に形成されためっき層を含むことができる。シード層は無電解めっき層(又は化学銅)及び/又はスパッタリング層であってもよく、めっき層は電解めっき層(又は電気銅)であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0035】
第1及び第2充填材R1、R2は、プラッギング材を含むことができる。プラッギング材は、エポキシなどの絶縁樹脂を含む絶縁インクを含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、必要に応じて伝導性インクを含んでもよい。第1及び第2充填材R1、R2は、互いに同じ工程を介して形成することができるため、互いに同じ材料を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0036】
第1及び第2貫通孔h1、h2はそれぞれ複数個形成されてもよい。例えば、平面上において、それぞれの第1貫通孔h1内に、これよりも直径の小さいそれぞれの第2貫通孔h2が形成されてもよい。したがって、第1貫通ビア131は複数個であることができる。例えば、インダクタは複数の第1ビアパターンM1を含むことができる。複数の第1ビアパターンM1と連結される第1配線パターンB1及び第2配線パターンB2もそれぞれ複数個であってもよい。複数の第1及び第2配線パターンB1、B2は、それぞれ第1及び第2配線パターン層に含まれることができる。第1及び第2配線パターン層は、それぞれ第1及び第2配線層121、122に含まれることができる。第3及び第4貫通孔h3、h4もそれぞれ複数個形成されてもよい。例えば、平面上において、それぞれの第3貫通孔h3内に、これよりも直径の小さいそれぞれの第4貫通孔h4が形成されてもよい。したがって、第2貫通ビア132も複数個であることができる。必要に応じて、第3貫通孔h3が省略され、第4貫通孔h4のみが形成されてもよい。
【0037】
第1~第4ビア層133、134、135、136はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質は、上述したように、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1~第4ビア層133、134、135、136は、それぞれビアホールを充填するフィルドビア(filled VIA)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)を含むこともできる。第1~第4ビア層133、134、135、136は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第1及び第2ビア層133、134は、それぞれ互いに反対方向のテーパ形状を有する第1及び第2接続ビアを含むことができる。第3及び第4ビア層135、136は、それぞれ互いに反対方向のテーパ形状を有する第3及び第4接続ビアを含むことができる。第1~第4ビア層133、134、135、136はそれぞれ、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含んでもよく、両方を含んでもよい。
【0038】
電子部品140はチップ型の電子部品であってもよい。例えば、電子部品140は半導体チップの形態であってもよく、より具体的には、数百~数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化された集積回路(IC:Integrated Circuit)ダイ(Die)であってもよい。集積回路ダイはアクティブウエハに基づいて形成されたものであってもよく、この場合、各本体をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが使用されることができる。本体には、様々な回路が形成されていてもよい。本体のフロント面には、外部の回路、例えば、信号、電気、グランドなどと連結されるための第1接続パッドP1が形成されることができ、第1接続パッドP1は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含むことができる。必要に応じて、本体のバック面にもグランドやパワーと連結される導電性材質の第2接続パッドP2が形成されてもよい。そのような電子部品140は電圧を調整する回路を含むことができる。例えば、電子部品140は電圧レギュレータを含むことができる。必要に応じて、電子部品140は複数個であってもよく、複数の電子部品140は第2貫通部H2に共に配置されるか、又は第2貫通部H2が複数個形成され、それらにそれぞれ配置されることができる。
【0039】
磁性体層150は磁性物質を含むことができる。磁性物質は、例えば、フェライト(ferrite)系物質、パーマロイ(permalloy)系物質等を含むことができる。例えば、Ni系フェライト、Ni-Zn系フェライト、Ni-Zn-Cu系フェライト、Fe-Si-Al(Sendust)、Ni-Mo-Fe(MPP:Molypermalloy Powder Core)、Ni-Fe(High Flux Core)等を含むことができるが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の公知のフェライト系物質やパーマロイ系物質等を含むことができる。また、それ以外にも他の磁性粉末を含む様々な種類の磁性物質が用いられてもよい。このような磁性物質はペーストや組成物タイプで第1貫通部H1を充填することができ、その後、硬化して磁性体層150となり得る。したがって、磁性体層150は第1貫通部H1の壁面と接触することができる。例えば、磁性体層150は基板111と接触することができる。
【0040】
図5~
図12は、
図3のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示す工程断面図である。
【0041】
図5を参照すると、基板111に第1貫通部H1を形成する。また、基板111に第3貫通孔h3を形成する。第1貫通部H1と第3貫通孔h3は、基板111の材料に応じてレーザドリル、機械的ドリル、化学的エッチング、ブラスト工程など様々な方法で形成することができる。一方、必要に応じて、第3貫通孔h3は省略することができる。例えば、第3貫通孔h3は形成しなくてもよい。
【0042】
図6を参照すると、磁性体ペースト又は磁性体組成物を用いて第1貫通部H1を充填し、これを硬化させて磁性体層150を形成する。
【0043】
図7を参照すると、磁性体層150に第2貫通部H2を形成する。また、磁性体層150に第1貫通孔h1を形成する。第2貫通部H2と第1貫通孔h1は、機械的ドリル等で形成することができる。
【0044】
図8を参照すると、第2貫通部H2に電子部品140を配置する。電子部品140の配置にはテープ210を用いることができる。
【0045】
図9を参照すると、第1絶縁層112を形成する。例えば、PPGやABFなどのラミネーション工程で第1絶縁層112を積層して、基板111と磁性体層150と電子部品140のそれぞれの少なくとも一部を覆うことができ、第2貫通部H2と第1及び第3貫通孔h1、h3のそれぞれの少なくとも一部を充填することができる。その後、必要に応じてトリミング工程で積層体を単位サイズに切断することができる。
【0046】
図10を参照すると、第1及び第3貫通孔h1、h3内にそれぞれ第2及び第4貫通孔h2、h4を形成する。第2及び第4貫通孔h2、h4は、機械的ドリル等により形成することができる。また、レーザ加工等により第1絶縁層112に第1及び第2ビア層133、134を形成するための第1及び第2ビアホール133V、134Vを形成する。一方、必要に応じて、第3貫通孔h3なしに第4貫通孔h4を形成することもできる。例えば、第4貫通孔h4は、第3貫通孔h3なしに基板111を直接貫通してもよい。
【0047】
図11を参照すると、めっき工程及びプラッギング加工等により、第1及び第2ビアパターンM1、M2と、第1及び第2充填材R1、R2と、第1及び第2配線パターンB1、B2と、第1及び第2配線層121、122と、第1及び第2ビア層133、134とを形成する。例えば、第1絶縁層112の上面及び下面と第2及び第4貫通孔h2、h4の壁面上にめっき工程でめっき層を形成し、次に、第2及び第4貫通孔h2、h4にプラッギング工程でプラッギング材を充填し、次に、平坦化工程で第1絶縁層112の上面及び下面上のめっき層とプラッギング材を除去し、次に、第1絶縁層112の上面及び下面上に再びめっき工程でめっき層を形成して、第1及び第2貫通ビア131、132と、第1及び第2配線層121、122と、第1及び第2ビア層133、134とを形成することができる。一方、めっき工程において、ドライフィルムの露光及び現像工程を用いて設計デザインに合わせてパターン化されためっき層を形成することができる。また、平坦化工程によって第1絶縁層112の上面及び下面が実質的に共面をなすことができ、めっき層の間に大まかな層間境界が生じることができる。
【0048】
図12を参照すると、ビルドアップ工程等により、第2及び第3絶縁層113、114と、第3及び第4配線層123、124と、第3及び第4ビア層135、136とを必要な層数だけ形成し、その後、第1及び第2レジスト層115、116を形成する。また、第1及び第2レジスト層115、116にそれぞれ第1及び第2開口115h、116hを形成する。一方、第2及び第3絶縁層113、114は、上述したラミネーション工程を用いることができ、第3及び第4配線層123、124と第3及び第4ビア層135、136は、上述しためっき工程を用いることができ、第1及び第2レジスト層115、116は、ラミネーション工程又は液状材料のコーティング工程等により形成することができる。
【0049】
一連の過程を通じて上述した他の一例に係るプリント回路基板100Aを製造することができ、その他の説明は上述したものと実質的に同一であり得る。
【0050】
図13は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示す断面図である。
【0051】
図面を参照すると、他の一例に係るプリント回路基板100Bは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aにおいて、第1レジスト層115上に配置される半導体チップ160をさらに含むことができる。また、第2レジスト層116上に配置された複数の電気連結金属170をさらに含むことができる。半導体チップ160は、連結部材165などを介して実装されることができる。例えば、半導体チップ160は、連結部材165などを介して第3配線層123と連結されることができる。半導体チップ160は、第1~第4配線層121、122、123、124、第1及び第2貫通ビア131、132、並びに第1~第4ビア層133、134、135、136のそれぞれの少なくとも一部と電気的に連結されることができ、これによりインダクタ及び電子部品140と電気的に連結されることができる。
【0052】
半導体チップ160は、数百~数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化された集積回路(IC:Integrated Circuit)ダイ(Die)を含むことができる。このとき、集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、アプリケーションプロセッサ(例えば、AP)、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップであってもよいが、これに限定されるものではなく、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、HBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ、又はPMIC(Power Management IC)のような他の種類であってもよいことは言うまでもない。半導体チップ160は、アクティブウエハに基づいて形成されたものであってもよく、この場合、各本体をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられてもよい。本体には様々な回路が形成されていてもよい。本体には接続パッドが形成されることができ、接続パッドはアルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含むことができる。半導体チップ160はベアダイ(bare die)であってもよく、この場合、接続パッド上には金属バンプが配置されてもよい。半導体チップ160は、パッケージ化されたダイ(packaged die)であってもよく、この場合、接続パッド上にさらに再配線層が形成され、再配線層上に金属バンプが配置されてもよい。
【0053】
連結部材165は、半導体チップ160をパッケージ基板等に実装させることができる。連結部材165は、低融点金属、例えば、錫(Sn)-アルミニウム(Al)-銅(Cu)等の半田などで形成されてもよいが、これは一例に過ぎず、材質が特にこれに限定されるものではない。連結部材165はボール、ピンなどであってもよい。連結部材165は、多重層又は単一層で形成されてもよい。多重層で形成される場合には銅柱及び半田を含むことができ、単一層で形成される場合には、錫-銀半田などを含むことができるが、やはりこれに限定されるものではない。連結部材165は複数個であってもよく、その数は特に限定されない。
【0054】
電気連結金属170は、プリント回路基板100Bを電子機器のメインボードや他の基板などに連結させることができる。電気連結金属170も低融点金属、例えば、半田などで形成されてもよいが、これは一例に過ぎず、材質は特にこれに限定されるものではない。電気連結金属170もボール、ピンなどであってもよい。電気連結金属170も多重層又は単一層で形成されてもよい。多重層で形成される場合は銅柱及び半田を含むことができ、単一層で形成される場合には、錫-銀半田や銅を含むことができるが、やはりこれに限定されるものではない。電気連結金属170も複数個であってもよく、その数は特に限定されない。
【0055】
その他の説明は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であり得る。一方、他の一例に係るプリント回路基板100Bは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aの製造工程において、上側に連結部材165を用いて半導体チップ160をさらに実装し、下側に電気連結金属170をさらに形成して製造することができるが、これに対する具体的な説明は省略する。
【0056】
図14は、コイル部の一例を概略的に示す断面図である。
【0057】
図面を参照すると、上述したプリント回路基板100A、100Bに含まれるインダクタは、一つ以上のコイル部Cを含むことができ、コイル部Cは本体180に形成された複数の第1及び第2配線パターンB1、B2と複数の第1ビアパターンM1とが互いに交互に連結された形態を有することができる。例えば、コイル部Cは、断面上において、第2配線パターンB2、第1ビアパターンM1、第1配線パターンB1、第1ビアパターンM1、第2配線パターンB2、第1ビアパターンM1、第1配線パターンB1、第1ビアパターンM1など必要な数だけ連結され、上下に交互に繰り返されるコイル構造を有することができる。一方、本体180は、上述した磁性体層150と第1絶縁層112とを含むことができる。また、第1ビアパターンM1が形成されたそれぞれの貫通孔には、第1充填材R1が充填されることができる。このように、コイル部Cは、磁性体層150を囲むコイルの数が極大化された構造、例えば、インダクタンスを極大化できるデイジーチェーン(daisy chain)形状を有することができる。その他の説明は、上述したプリント回路基板100A、100Bで説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0058】
図15は、コイル部の様々な例を概略的に示す平面図である。
【0059】
図面を参照すると、上述したコイル部Cは、平面上において、様々な形態を有することができる。例えば、Aのように、一列に平行に配列される複数のコイルC1、C2を含むことができる。複数のコイルC1、C2は互いに離隔して配置されることができる。複数のコイルC1、C2の間には他の配線が配置されてもよい。あるいは、Bのように、一列に配列された後、右から曲げられて再び一列に配列されるコイルC3を含むこともできる。あるいは、Cのように、上下に繰り返して曲げられるように配列されるコイルC4を含むこともできる。あるいは、Dのように、一方向に傾斜した形態で繰り返し配列されるコイルC5を含むこともできる。あるいは、Eのように、一方向に傾斜した形態で繰り返されて配列された後、右から曲げられて再び反対方向に傾斜した形態で繰り返し配列されるコイルC6を含むこともできる。あるいは、Fのように、X字状に繰り返し配列されるコイルC7を含んでもよい。このように、上述したプリント回路基板100A、100Bには、様々な形態のコイルC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7を含むコイル部Cが適用されることができ、例えば、上述した形態で電子部品140を囲むように繰り返して配置されることができる。但し、コイル部の形態が上述の例に限定されるものではない。その他の説明は、上述したプリント回路基板100A、100Bとコイル部Cの断面形状で説明したものと実質的に同一であり得るため、重複説明は省略する。
【0060】
本発明において、「覆う」という表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また直接覆う場合だけでなく間接的に覆う場合も含むことができる。また、「充填する」という表現は、完全に充填する場合だけでなく、少なくとも一部を充填する場合を含むことができ、また概ね充填する場合を含むこともできる。例えば、一部の空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。また、「囲む」という表現は、完全に囲む場合だけでなく、一部を囲む場合及び概ね囲む場合を含むことができる。また、「露出させる」とは、完全に露出させる場合だけでなく、一部を露出させる場合も含むことができ、「露出」は、当該構成を埋め込むことから露出することを意味することができる。例えば、「開口がパッドを露出させる」とは、レジスト層からパッドを露出させることであることができ、露出したパッド上にはさらに表面処理層などを配置することができる。
【0061】
本発明において、「貫通部又は貫通孔内に配置される」とは、対象物が完全に貫通部又は貫通孔内に配置される場合だけでなく、断面上において上側又は下側に一部突出する場合を含むことができる。例えば、平面上において貫通部又は貫通孔内に配置される場合であれば、より広い意味で判断することができる。
【0062】
本発明において、「実質的に」は製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含めて判断することができる。例えば、「実質的に垂直である」とは、完全に垂直な場合だけでなく、ほぼ垂直な場合も含むことができる。また、「実質的に共面をなす」とは、完全に同一平面上に存在する場合だけでなく、ほぼ同一平面上に存在する場合も含むことができる。
【0063】
本発明において、「同じ絶縁材」とは、完全に同一の絶縁材である場合だけでなく、同じタイプの絶縁材を含む意味であることができる。したがって、絶縁材の組成は実質的に同じであるものの、これらの具体的な組成比は少しずつ異なる場合がある。
【0064】
本発明において、「断面上」の意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、「平面上」の意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、又は対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状を意味することができる。
【0065】
本発明において、「下側、下部、下面」などは、便宜上、図面の断面を基準として下方向を意味するものとして使用し、「上側、上部、上面」などは、その反対方向を意味するものとして使用している。但し、これは説明の便宜上、方向を定義したものであり、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことは勿論であり、上/下の概念はいつでも変更することができる。
【0066】
本発明において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結されることを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結される場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。さらに、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0067】
本発明で使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が、他の一例に説明されていなくても、他の一例において、その事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0068】
本発明で使用される用語は、単に一例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0069】
1000:電子機器
1010:メインボード
1020:チップ関連部品
1030:ネットワーク関連部品
1040:その他の部品
1050:カメラ
1060:アンテナ
1070:ディスプレイ
1080:バッテリ
1090:信号ライン
1100:スマートフォン
1110:マザーボード
1120:部品
1121:部品パッケージ
1130:カメラモジュール
1140:スピーカ
100A、100B:プリント回路基板
111:基板
112、113、114:絶縁層
115、116:レジスト層
121、122、123、124:配線層
131、132:貫通ビア
133、134、135、136:ビア層
133V、134V:ビアホール
140:電子部品
150:磁性体層
160:半導体チップ
165:連結部材
170:電気連結金属
210:テープ
C:コイル部
c1、c2、c3、c4、c5、c6、c7:コイル
B1、B2:配線パターン
M1、M2:ビアパターン
R1、R2:充填材
H1、H2:貫通部
h1、h2、h3、h4:貫通孔
P1、P2:接続パッド