(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025069047
(43)【公開日】2025-04-30
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20250422BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20250422BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K3/46 N
H05K3/46 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024098823
(22)【出願日】2024-06-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0138399
(32)【優先日】2023-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】金 萬坤
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼ 輝運
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・ホ
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA35
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
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5E316DD32
5E316DD33
5E316EE09
5E316EE33
5E316FF15
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH26
5E338AA03
5E338CD14
5E338CD32
5E338EE11
5E338EE23
(57)【要約】
【課題】微細ピッチを有するパターン及びパッドを実現することができ、低費用の工法を用いながらもパターン及びパッドの不良が発生しないことができ、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供する。
【解決手段】本開示は、コア層、コア層上に配置される複数の第1配線、コア層上に配置され、複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行するように配置される隣接部及び複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行しないように配置される開放部を含む第1パッド、及びコア層上に配置され、複数の第1配線及び第1パッドの少なくとも一部を覆う第1ビルドアップ絶縁層を含み、コア層は、第1ビルドアップ絶縁層と実質的に異なる絶縁材料を含むプリント回路基板に関するものである。
【選択図】
図5b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア層と、
前記コア層上に配置される複数の第1配線と、
前記コア層上に配置され、前記複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行するように配置される隣接部及び前記複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行しないように配置される開放部を含む第1パッドと、
前記コア層上に配置され、前記複数の第1配線及び前記第1パッドの少なくとも一部を覆う第1ビルドアップ絶縁層と、を含み、
前記コア層は、前記第1ビルドアップ絶縁層と実質的に異なる絶縁材料を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1配線及び前記第1パッドは、前記コア層の上面及び下面にそれぞれ配置される、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1配線及び前記第1パッドは、前記コア層の上面及び下面からそれぞれ突出し、前記第1ビルドアップ絶縁層によって埋め込まれる、請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記コア層上に配置され、前記複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行するように配置される隣接部及び前記複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行しないように配置される開放部を含む第2パッドと、
前記第2パッドと連結され、前記コア層を貫通する貫通ビアと、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第1パッドの幅は前記第2パッドの幅よりも狭く、
前記複数の第1配線の線幅は、前記第1パッドの幅よりも狭い、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1パッド及び第2パッドのそれぞれは、上面の幅が下面の幅よりも狭く、中央部の幅が上面の幅よりも狭い形状を有する、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記複数の第1配線の少なくとも一つの配線は、上面の幅が下面の幅よりも狭く、中心部の幅が上面の幅よりも狭い形状を有する、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1パッドの隣接部と前記複数の第1配線のうち、前記第1パッドと隣接する配線との間の距離は、前記複数の第1配線のうち互いに隣接する配線との間の距離と実質的に同一であり、
前記第2パッドの隣接部と前記複数の第1配線のうち、前記第2パッドと隣接する配線との間の距離は、前記複数の第1配線のうち互いに隣接する配線との間の距離と実質的に同一である、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記第1ビルドアップ絶縁層上に配置される第1ビルドアップ配線層と、
前記第1ビルドアップ配線層と前記第1パッドを互いに連結するように前記第1ビルドアップ絶縁層の少なくとも一部を貫通する第1ビルドアップビア層と、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1ビルドアップ絶縁層上に配置される第2ビルドアップ絶縁層と、
前記第2ビルドアップ絶縁層上に配置される第2ビルドアップ配線層と、
前記第2ビルドアップ配線層及び前記第1ビルドアップ配線層を互いに連結するように前記第1ビルドアップ絶縁層の少なくとも一部を貫通する第2ビルドアップビア層と、をさらに含む、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第1パッドと連結された第2配線をさらに含み、
前記第1パッドの開放部は、前記第1パッドと前記第2配線が連結された領域の反対側に配置される、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記第1パッドと連結される第1ビルドアップビアをさらに含み、
前記第1ビルドアップビアは、前記第1パッドの開放部よりも前記第2配線にさらに近く配置される、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上面及び下面にそれぞれ配置される複数の第1配線と、
前記第1絶縁層の上面及び下面にそれぞれ配置され、前記複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行するように配置される隣接部及び前記複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行しないように配置される開放部を含む第1パッドと、を含み、
前記第1パッドの隣接部と前記複数の第1配線のうち、前記第1パッドと隣接する配線との間の距離は、前記複数の第1配線のうち互いに隣接する配線との間の距離と実質的に同じである、プリント回路基板。
【請求項14】
前記第1絶縁層の上面及び下面に配置されて、前記複数の第1配線及び前記第1パッドの少なくとも一部を覆う第2絶縁層と、を含み、
前記第2絶縁層の少なくとも一部を貫通して前記第1パッドと連結される第1ビアを含む、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記第1パッドと連結された第2配線をさらに含み、
前記第1パッドの開放部は、前記第1パッドと前記第2配線が連結された領域の反対側に配置される、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記第1パッドと連結される第1ビルドアップビアをさらに含み、
前記第1ビルドアップビアは、前記第1パッドの開放部よりも前記第2配線にさらに近く配置される、請求項15に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
前記第1絶縁層上に配置され、プレーン形状を有する第1パターンをさらに含み、
前記第1パターンと前記第1パッドとの間の距離は、前記第1パッドの隣接部と前記複数の第1配線のうち、前記第1パッドと隣接する配線との間の距離と実質的に同じである、請求項13に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、人工知能(Artificial Intelligence、AI)技術などの発達により、幾何級数的に増加したデータ処理のためのHBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ及びCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプロセッサチップなどを含むマルチチップパッケージが用いられている。特に、サーバ製品のCPU、GPUコア数が急激に増加し、これを処理するために多層基板の層数が増加している。基板の層数を減らし、かつ微細ピッチを有するパターン及びパッドの層間連結を図ることができながらも、信頼性の向上を可能にするための研究が続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示のいくつかの目的の一つは、微細ピッチを有するパターン及びパッドを実現することができるプリント回路基板を提供することである。
【0004】
本開示のいくつかの目的のもう一つは、低費用の工法を用いながらもパターン及びパッドの不良を発生させないことができるプリント回路基板を提供することである。
【0005】
本開示のいくつかの目的のもう一つは、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示を介して提案するいくつかの解決手段の一つは、コア層、コア層上に配置される複数の第1配線、コア層上に配置され、複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行するように配置される隣接部及び複数の第1配線のうち、隣接する配線と実質的に平行しないように配置される開放部を含む第1パッド、及びコア層上に配置され、複数の第1配線及び第1パッドの少なくとも一部を覆う第1ビルドアップ絶縁層を含み、コア層は、第1ビルドアップ絶縁層と実質的に異なる絶縁材料を含むプリント回路基板を提供することである。
【0007】
本開示を介して提案するいくつかの解決手段のもう一つは、第1絶縁層、第1絶縁層の上面及び下面にそれぞれ配置される複数の第1配線、及び第1絶縁層の上面及び下面にそれぞれ配置され、複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行するように配置される隣接部及び複数の第1配線のうち隣接する配線と実質的に平行しないように配置される開放部を含む第1パッドを含み、第1パッドの隣接部と複数の第1配線のうち、第1パッドと隣接する配線との間の距離は、複数の第1配線のうち互いに隣接する配線間の距離と実質的に同一であるプリント回路基板を提供することである。
【発明の効果】
【0008】
本開示の様々な効果の一つは、微細ピッチを有するパターン及びパッドを実現することができるプリント回路基板を提供することである。
【0009】
本開示の様々な効果のもう一つは、低費用の工法を用いながらもパターン及びパッドの不良を発生させないことができるプリント回路基板を提供することである。
【0010】
本開示の様々な効果のもう一つは、信頼性を向上させることができるプリント回路基板を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【
図3】一例に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【
図4a】従来のプリント回路基板のコア層の設計平面図及びイメージを概略的に示した平面図である。
【
図4b】従来のプリント回路基板のコア層の設計平面図及びイメージを概略的に示した平面図である。
【
図5a】従来のプリント回路基板のコア層の設計の一部を概略的に示した平面図である。
【
図5b】一例に係るプリント回路基板のコア層の設計の一部を概略的に示した平面図である。
【
図6a】従来のプリント回路基板のコア層の設計の一部を概略的に示した平面図である。
【
図6b】一例に係るプリント回路基板のコア層の設計の一部を概略的に示した平面図である。
【
図7a】従来のプリント回路基板のコア層の設計の一部を概略的に示した平面図である。
【
図7b】一例に係るプリント回路基板のコア層の設計の一部を概略的に示した平面図である。
【
図8】他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本開示について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0013】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0014】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0015】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の形態のチップ関連の電子部品が含まれることもできる。さらに、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせることもできる。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であることもできる。
【0016】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されず、これ以外にもその他の多数の無線又は有線標準やプロトコルのいずれかが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030がチップ関連部品1020とともに互いに組み合わされることもできる。
【0017】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)filter、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の様々な用途のために用いられるチップ部品の形態の受動素子などが含まれ得る。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせることもできる。
【0018】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されるか、又は連結されない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例を挙げると、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)なども挙げられる。これ以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれることもできる。
【0019】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されず、これ以外にもデータを処理する任意の他の電子機器であることもできる。
【0020】
図2は、電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0021】
図面を参照すると、電子機器は例えば、スマートフォン1100であることができる。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。さらに、カメラモジュール1130及び/又はスピーカー1140のように、マザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されるか、又は連結されない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、部品パッケージ1121であることができるが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面に実装配置されたプリント回路基板の形態であることができる。又は、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であることもできる。一方、電子機器は必ずスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であることもできる。
【0022】
プリント回路基板
図3は、一例に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0023】
図3を参照すると、一例に係るプリント回路基板は、コア層110、コア層110上に配置される第1配線層120、コア層110を貫通して第1配線層120を互いに連結する貫通ビア130を含む。第1配線層120は、第1配線126、第1パッド121、第2パッド122、及び第1パターンを含むことができる。
【0024】
コア層110は絶縁材料を含むことができる。絶縁材料としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、又は無機フィラーと共にガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(Prepreg)などの有機絶縁材が用いられることができるが、これに限定されない。コア層110は、このようなガラス繊維等の芯材が含浸された樹脂の上下側に、銅箔が積層されたCCL(Copper Clad Laminate)であることができるが、これに制限されるものではない。コア層110は、必要に応じて有機絶縁材以外に他の絶縁物質、例えば、板ガラス(glass plate)などを含むこともできる。
【0025】
第1配線層120は金属物質を含むことができる。金属物質は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。第1配線層120は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターン、放熱パターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなどの様々な形態を有することができる。
【0026】
第1配線層120の構成のそれぞれは、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。又は、金属箔(又は銅箔)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。又は、金属箔(又は銅箔)、無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(又は化学銅)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じては両方を全て含むこともできる。コア層110が、樹脂の上下側に銅箔が形成されたCCL(Copper Clad Laminate)であることができ、第1配線層120の構成のそれぞれは、単一層の銅で形成されることができ、銅箔をシードとしてパネル状に電解めっきが行われることもできる。第1配線層120は、プリント回路基板において回路層をパターニングする方法であれば、制限なく用いて形成することができる。しかしながら、一例によるプリント回路基板は、コア層110がCCL(Copper Clad Laminate)である場合、サブトラクティブ(Subtractive)又はテンティング(Tenting)工法のいずれか一つで形成されることができるが、これに制限されるものではない。サブトラクティブ(Subtractive)又はテンティング(Tenting)工法は、パネル形態の広い金属板又は銅箔に対して、必要な部分をマーキングした後に不要な部分を除去する方法で行われることができる。このとき、銅箔を除去する方法は、物理的方法又は化学的方法を用いることができ、制限されない一例として化学的エッチングを用いることができる。
【0027】
貫通ビア130は金属物質を含むことができる。金属物質は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。貫通ビアは、コア層110を貫通する貫通孔の壁面に上述した金属物質がめっきでコンフォーマルに形成され、その内部に絶縁材が充填されたPTH(Plated Through Hole)を含むことができるが、これに制限されるものではない。貫通ビア130は、該当層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。貫通ビア130は、無電解めっき層(又は化学銅)と電解めっき層(又は電気銅)を含むことができるが、これらに限定されない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されることもでき、両方を全て含むこともできる。
【0028】
第1配線層120は、第1配線126、第1パッド121、及び第2パッド122を含むことができるが、これ以外にも様々なパターンを含むことができる。第1パッド121及び第2パッド122はビアと連結されて層間接続を行うためのものであり、第1配線126は信号の伝達経路として機能することができる。第1パッド121は、貫通ビア130と連結されることができる。第1配線層120は、コア層110の上面及び下面にそれぞれ配置されることができ、第1配線126、第1パッド121、及び第2パッド122はそれぞれコア層110の上面及び下面にそれぞれ配置されて、コア層110の上面及び下面から突出した構造を有することができる。第1配線層120がコア層110の上面及び下面から突出するということは、第1配線層120の各構成がコア層110の上面及び下面に接するように配置されて、一面を除いた残りの面は、コア層110によって覆われないことを意味することができる。すなわち、第1配線層120は、コア層110を基準として両面に突出するように配置され得る。これは、コア層110の両面上に積層された銅箔又はめっき層の一部を除去することによって第1配線層120を形成することの結果であることができ、ビルドアップ絶縁層の一方向にのみ配置されるビルドアップ配線層とは異なるものであることができる。
【0029】
第1配線126は線状のパターンであり、第1パッド121及び第2パッド122は一定の形状を有するパターンであることができる。また、第1配線層120はこれに制限されず、他のプレーン形態を有する第1パターン124をさらに含むことができる。
【0030】
第1パッド121及び第2パッド122はそれぞれ複数のパッドを有することができ、第1配線126は複数の配線を含むことができる。第1パッド121及び第2パッド122は、それぞれ複数の第1配線126のいずれか一つの配線と連結されることができる。
【0031】
第1パッド121の幅W1は、第2パッド122の幅W2よりも大きいことができる。第1パッド121は、貫通ビア130と連結されるために第2パッド122の幅W2よりもさらに大きい幅を有するように設計されることができる。第1パッド121及び第2パッド122のそれぞれは、第1配線126の幅W3よりも広い幅を有することができる。すなわち、第1パッド121の幅W1は第1配線126の幅W3よりも広いことができ、第2パッド122の幅W2は第1配線126の幅W3よりも広いことができる。第1パッド121及び第2パッド122は、第1ビルドアップビア層143のビアと連結されるためのものであり、ビアとの連結が容易に行われるために第1配線126の幅W3よりも大きい幅を有することができる。
【0032】
第1パッド121の幅W1及び第2パッド122の幅W2は、プリント回路基板の切断断面を走査顕微鏡で撮影して測定することができる。第1配線126の幅W3もプリント回路基板の切断断面を走査顕微鏡で撮影して測定することができる。第1パッド121の幅W1及び第2パッド122の幅W2は、第1ビルドアップビア層143を含むように切断して測定することができる。また、第1パッド121及び第2パッド122の形状が円形ではない場合には、パッドの幅は、配線の幅を測定するための切断方向と同じ方向に切断して測定されることができる。幅は、任意の5個の地点で測定された距離の平均として計算されることができる。
【0033】
第1パッド121、第2パッド122及び第1配線126が互いに異なる幅を有しても、第1パッド121と第1配線126との間の距離d1、第2パッド122と第1配線126との間の距離d2、互いに隣接する第1配線126間の距離d3、及び第1パッド121と第2パッド122との間の距離d4は互いに実質的に同一であり得る。
【0034】
第1パッド121及び第2パッド122は、それぞれ複数の第1配線126のうち隣接する第1配線126と実質的に平行するように配置される隣接部を含み、複数の第1配線126のうち、隣接する第1配線126と実質的に平行しないように配置される開放部を含むことができる。第1パッド121及び第2パッド122がそれぞれ隣接部と開放部を含むため、第1パッド121及び第2パッド122のうち、第1配線126に隣接しない領域にエッチング液が溜まっても、第1パッド121及び第2パッド122に不良を発生させないことができる。隣接部及び開放部とパッドの形状及び構成の間の距離に関する具体的な内容は後述する。
【0035】
一例によるプリント回路基板は、コア層上に配置され、第1配線層120の少なくとも一部を覆う第1ビルドアップ絶縁層141を含むことができる。第1配線層120がコア層110の上面及び下面にそれぞれ配置されて、コア層110から突出し、第1配線層120の少なくとも一部は、第1ビルドアップ絶縁層141によって埋め込まれる構造を有することができる。
【0036】
また、一例に係るプリント回路基板は、第1ビルドアップ絶縁層141上に配置される第1ビルドアップ配線層142、及び第1ビルドアップ配線層142を互いに連結するか、又は第1ビルドアップ配線層142と第1配線層120との間を互いに連結するように第1ビルドアップ絶縁層141の少なくとも一部を貫通する第1ビルドアップビア層143を含むことができる。
【0037】
一例によるプリント回路基板は、第1ビルドアップ絶縁層141上に配置される第2ビルドアップ絶縁層151、第2ビルドアップ絶縁層151上に配置される第2ビルドアップ配線層152、及び第2ビルドアップ配線層152を互いに連結するか、又は第2ビルドアップ配線層152と第1ビルドアップ配線層142の間を互いに連結するように第2ビルドアップ絶縁層151の少なくとも一部を貫通する第2ビルドアップビア層153をさらに含むことができる。
【0038】
第1ビルドアップ絶縁層141及び第2ビルドアップ絶縁層151は、それぞれ絶縁材料を含むことができる。絶縁材としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、又はこれらの絶縁樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、又は無機フィラーとともにガラス繊維などの芯材に含浸された樹脂、例えば、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、プリプレグ(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)、PID(Photo Imageable Dielectric)の絶縁材などが用いられることができるが、これに限定されない。第1ビルドアップ絶縁層141及び第2ビルドアップ絶縁層151は、互いに同一の絶縁材料を含むことができるが、これに限定されるものではなく、第2ビルドアップ絶縁層151は第1ビルドアップ絶縁層141よりも微細なピッチを有する配線層により有利な材料を用いることができる。第2ビルドアップ絶縁層151の厚さは、第1ビルドアップ絶縁層141の厚さよりも薄いことができる。第1ビルドアップ絶縁層141及び第2ビルドアップ絶縁層151は、それぞれ複数の絶縁層を含むことができる。
【0039】
第1ビルドアップ絶縁層141は、コア層110とは異なる絶縁材料を含むことができる。コア層110は、プリント回路基板のコア材料として剛性に優れ、厚さ確保が可能な絶縁材料であれば制限なく用いられることができるコア層絶縁材を含むことができ、第1ビルドアップ絶縁層141は、プリント回路基板の積層のための絶縁層として使用可能な絶縁層であれば制限なく用いられることができる。場合によっては、第1ビルドアップ絶縁層141の材料としてコア層110の材料群の中から一つが選ばれることもでき、コア層110の材料として第1ビルドアップ絶縁層141の材料群の中から一つが選択されることもできる。しかし、このような場合にも、第1ビルドアップ絶縁層141の厚さがコア層110の厚さよりも薄いか、コア層110の剛性が第1ビルドアップ絶縁層141よりも大きいなどの物性的特性が互いに異なることができる。また、コア層110上には銅箔が積層されているか、パネルめっきが行われているなどで第1ビルドアップ絶縁層141とは区別されることができる。一例によるプリント回路基板は、銅箔が積層された基板をコア層110として用いることに対して、コア層110に微細ピッチの第1配線層120を実現することができ、コア層110以外の第1ビルドアップ絶縁層141及び第2ビルドアップ絶縁層151は、コア層110と区別されることができる。
【0040】
第1ビルドアップ配線層142及び第2ビルドアップ配線層152はそれぞれ金属を含むことができる。金属としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを用いることができ、好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これらに限定されない。第1ビルドアップ配線層142及び第2ビルドアップ配線層152は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)と電解めっき層(又は電気銅)を含むことができるが、これらに限定されない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されることもでき、両方を全て含むこともできる。さらに、銅箔をさらに含み得る。第1ビルドアップ配線層142及び第2ビルドアップ配線層152は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれラインパターン、プレーンパターン及び/又はパッドパターンを含むことができる。第1ビルドアップ配線層142及び第2ビルドアップ配線層152は、それぞれ複数の配線層を含むことができる。第2ビルドアップ配線層152は第1ビルドアップ配線層142よりも微細な配線を含むことができる。例えば、第2ビルドアップ配線層152の厚さは、第1ビルドアップ配線層142の厚さよりも薄いことができ、配線密度が高い等の狭ピッチとさらに小さいライン/スペース(line/space)を有することができる。つまり、第2ビルドアップ配線層152は、半導体チップとの連結のための再配線層に該当することができる。
【0041】
第1ビルドアップビア層143及び第2ビルドアップビア層153は、それぞれマイクロビアを含むことができる。マイクロビアは、ビアホールを埋めるフィルドビア(filed VIA)であるか、又はビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)であることができる。マイクロビアは、スタックタイプ(stacked type)及び/又はスタッガードタイプ(staggered type)に配置されることができる。第1ビルドアップビア層143及び第2ビルドアップビア層153は、それぞれ金属を含むことができ、金属は銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などを含むことができ、好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これらに限定されない。第1ビルドアップビア層143及び第2ビルドアップビア層153は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)と電解めっき層(又は電気銅)を含むことができるが、これらに限定されない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されることもでき、両方を全て含むこともできる。第1ビルドアップビア層143及び第2ビルドアップビア層153は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第1ビルドアップビア層143及び第2ビルドアップビア層153は、それぞれ複数のビア層を含むことができる。
【0042】
一例によるプリント回路基板は最外側にソルダーレジスト層160をさらに含むことができる。ソルダーレジスト層160は第1ビルドアップ絶縁層141及び第2ビルドアップ絶縁層151上にそれぞれ配置されることができる。ソルダーレジスト層160は絶縁材料を含むことができ、液状又はフィルムタイプのソルダーレジストを含むことができるが、これに限定されず、他の種類の絶縁材料が用いられることもできる。ソルダーレジスト層160は第1ビルドアップ配線層142及び第2ビルドアップ配線層152の少なくとも一部を露出させる開口を有することができる。
【0043】
一例に係るプリント回路基板は、ソルダーレジスト層160の開口によって露出した第1ビルドアップ配線層142及び第2ビルドアップ配線層152上に配置される表面処理層170をさらに含むことができる。表面処理層170は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、金(Au)のいずれか一つの金属を含むことができ、これらの金属層を複数で実現することもできる。例えば、表面処理層170は、ENEPIG(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold)構造の少なくとも一部分であることができ、ENIG(Electroless Nickel Immersion Gold)構造の少なくとも一部分であることもできる。表面処理層170はこれに限定されず、有機物を含むOSP(Organic Solder Passivation)構造を含むこともできる。
【0044】
一方、
図3では第1ビルドアップ絶縁層141上に第2ビルドアップ絶縁層151及び第2ビルドアップ配線層152が配置されたものと示したが、これに必ずしも限定されるものではなく、第2ビルドアップ絶縁層151及び第2ビルドアップ配線層152は、場合によって省略することができる。
【0045】
また、一例に係るプリント回路基板は、
図3に示された構成に制限されるものではなく、他の構成がさらに含まれることもでき、場合によっては省略されることもできる。すなわち、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用することができる構成をさらに含むことができる。
【0046】
図4a及び
図4bは、従来のプリント回路基板のコア層の設計平面図及びイメージを概略的に示したものである。
【0047】
第1配線層126’を形成するための段階で化学的エッチングを用いる場合、コア層110’上に広く形成された銅箔の一部を微細に除去することは容易ではない。特に、微細線幅を有する第1配線126’を形成する場合、第1配線126’が途中で切れて開放される不良が発生することもあり、隣接する第1配線126’間が完全に分離されず、短絡する不良が発生することもある。このように銅箔の一部を除去する方法で、微細な線幅を有する配線層を実現することは困難である。
【0048】
また、微細な幅及びピッチ(pitch)を有する第1パッド121’及び第2パッド122’を実現することにおいても困難が生じる可能性がある。特に、パッドの場合、パッドの周辺には配線が形成されないため、第1パッド121’及び第2パッド122’の周辺にはエッチング液が溜まり得る。したがって、第1パッド121’及び第2パッド122’は、
図4aで設計されたものとは異なり、
図4bのように設計とは異なる形状を有するおそれがある。すなわち、第1パッド121’及び第2パッド122’は、第1配線126’に隣接していない領域で設計デザインよりもさらに多く除去されたため、第1パッド121’及び第2パッド122’の面積が減った。しかし、これに限定されるものではなく、第1パッド121’及び第2パッド122’が第1配線126’に隣接する領域では逆にエッチング液が均一に浸透できない可能性もある。この場合には、第1パッド121’及び第2パッド122’が隣接する第1配線126’と分離されず、短絡による不良が発生する可能性がある。
【0049】
すなわち、パターニングのためにエッチング液を投入する際に、第1配線126’に隣接する領域では第1パッド121’及び第2パッド122’の除去が容易ではなく、逆に第1配線126’に隣接していない領域では、第1パッド121’及び第2パッド122’の過エッチングが発生する可能性がある。第1パッド121’及び第2パッド122’が設計デザインと異なる形状及び位置を有することに伴い、第1パッド121’及び第2パッド122’上に第1ビルドアップビア層143が形成される際に、整合性がとれない不良が発生する可能性があり、層間連結が円滑でない可能性がある。
【0050】
図5a、6a、7aは、従来のプリント回路基板のコア層の設計の一部を概略的に示した平面図である。
【0051】
図5a、6aを参照すると、第2パッド122’は、配線に連結された領域と連結されていない領域でエッチング液が流れる量の差を有する。すなわち、第2パッド122’が配線と連結された領域を見ると、第2パッド122’と連結された配線によってエッチング液は制約を受け、第2パッド122’に向かって浸透することができる。一方、第2パッド122’のうち配線が連結された領域の反対側を見ると、第2パッド122’は開放された領域を有するため、第2パッド122’の開放された領域にエッチング液が溜まる。したがって、上述したような不良が発生するおそれがある。
【0052】
図7aを参照すると、第1パッド121’は第1配線126’及び第1パターン124’に隣接している。この場合、第1配線126’及び第1パッド121’によってエッチング液が円滑に移動できないおそれがあり、逆に第1配線126’及び第1パターン124’と隣接していない領域にはエッチング液が溜まることがある。したがって、この場合にも上述した不良が発生するおそれがある。
【0053】
図5b、6b、7bは、一例に係るプリント回路基板のコア層の設計の一部を概略的に示した平面図である。
【0054】
図5b及び
図6bを参照すると、第2パッド122は、第1配線126に隣接する領域である隣接部122-1及び第1配線126に隣接せずに、他の配線と連結されない開放部122-2を含む。
【0055】
第2パッド122の隣接部122-1は、第2パッド122が隣接する第1配線126と実質的に平行な部分を含む。第2パッド122の隣接部122-1が第1配線126と実質的に平行するということは、第2パッド122の隣接部122-1が線形パターンである第1配線126の配線経路と平行な端部を有することを意味することができる。一方、これに限定されず、実質的に平行するということは、概略的な概念を含むことができ、例えば、製造段階や測定方法で含まれ得る誤差を含む概念であり得る。
【0056】
第2パッド122の開放部122-2は、第2パッド122の一部のうち、第1配線126に隣接していない領域を意味することができる。第2パッド122の開放部122-2は、第1配線126と平行していない領域を意味することができ、第2パッド122の開放部122-2における仮想の延長線が隣接する第1配線126と接することができることを意味することができる。第2パッド122の開放部122-2は、第2パッド122が配線と連結される領域の反対側に位置することができる。第2パッド122の開放部122-2は、第1ビルドアップビア層143が位置する領域から遠く位置することができる。すなわち、第2パッド122の開放部122-2は、第2パッド122が第1ビルドアップビア層143に連結されるために必要な領域よりもさらに多い面積を有するように設計される。
【0057】
第2パッド122が隣接部122-1及び開放部122-2を含むため、一例に係るプリント回路基板は、第1配線126に沿ってエッチング液が流れるとき、第2パッド122にエッチング液が溜まることを防止することができる。特に、隣接部122-1は第1配線126と実質的に平行するため、第2パッド122が円形状の場合とは異なり、第2パッド122にエッチング液が溜まることを予防することができる。また、第2パッド122が隣接部122-1を有することによって、開放部122-2は、第2パッド122と連結される配線から離れた領域に位置することができる。すなわち、一例に係るプリント回路基板は、第2パッド122が第1ビルドアップビア層143を基準として対称にならないことができる。すなわち、第2パッド122は、隣接部122-1と開放部122-2を有することによって第2パッド122を形成するためにエッチング液が浸透する段階で第2パッド122に不良が発生することを予防することができる。
【0058】
第2パッド122の隣接部122-1と第2パッド122に隣接する第1配線126との間の距離d2は、互いに隣接する第1配線126間の距離d3と実質的に同じであり得る。第2パッド122の隣接部122-1と第1配線126との間の距離は、プリント回路基板の切断平面又は切断断面を走査顕微鏡で撮影して測定することができる。ある構成間の距離は、任意の5個の地点で測定した平均値とすることができるが、これに必ずしも限定されない。第2パッド122の隣接部122-1は隣接する第1配線126と実質的に平行するため、第2パッド122の隣接部122-1と第1配線126との間の距離d2は、第2パッド122の隣接部122-1と第1配線126との間を渡った距離を意味することができる。同じ趣旨で、互いに隣接する第1配線126間の距離は、互いに隣接する第1配線126間を渡った距離を意味することができる。一方、第2パッド122の隣接部122-1と第1配線126との間の距離d2は、隣接する第1配線126間の距離d3と実質的に同じ面上で測定されることができる。すなわち、第2パッド122の隣接部122-1と第1配線126との間の距離を測定するための仮想線の延長線で互いに隣接する第1配線126間の距離が測定されることができる。
【0059】
図7bを参照すると、第1パッド121は、第1配線126と隣接する領域である隣接部121-1と第1配線126と隣接せず、他の配線と連結されない開放部121-2を含む。また、第1パッド121は、プレーン状の第1パターン124とも隣接することができる。
【0060】
第1パッド121の隣接部121-1と第1配線126との間の距離d1は、隣接する第1配線126間の距離d3と実質的に同一であることができる。また、第1パターン124と第1パッド121との間の距離も、第1パッド121の隣接部121-1と第1配線126との間の距離d1と実質的に同一であることができる。
【0061】
第1パッド121が隣接部121-1と開放部121-2を有することによって、一例に係るプリント回路基板は、第1パッド121にエッチング液が溜まって過度にエッチングされる不良を防止することができ、第1パッド121も第1ビルドアップビア層143が形成される位置に対して対称でない形状を有することができる。
【0062】
一方、
図5b、6b、及び7bは、一例に係るプリント回路基板のコア層110の一部のみを表したものであり、第1パッド121、第2パッド122、及び第1パターン124の配置及び形状はこれに限定されない。第1パッド121及び第2パッド122は、第1ビルドアップビア層143と連結され、第1パッド121及び第2パッド122がそれぞれ隣接する第1配線126と実質的に平行な領域である隣接部121-1、122-1を含み、第1配線126に隣接していない開放部121-2、122-2を含んで、第1パッド121及び第2パッド122にエッチング液が溜まっても第1ビルドアップビア層143が形成されるためのパッドの面積が確保されることができる。したがって、コア層110上に微細パターンを含む第1配線層120を低費用で実現することができる。
【0063】
図8は、他の一例に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0064】
図8を参照すると、他の一例によるプリント回路基板の第1パッド121、第2パッド122、及び第1配線126の側面は曲面を有することができる。これは、コア層110上に第1配線層を形成する方法がサブトラクティブ(Subtractive)又はテンティング(Tenting)工法のいずれか一つで行われた結果であり得るが、これに制限されない。
【0065】
第1パッド121は、下面の幅W11が上面の幅W12よりも広いか同じであることができ、中心部の幅W13は上面の幅W12よりも狭いことができる。すなわち、第1パッド121は、W11≧W12>W13の関係を満たすことができる。これは、第1パッド121を形成するためにエッチングマスクを配置した後、エッチング液を注入して不要な部分を除去する段階でエッチング液が浸透する程度を調節した結果であり得る。エッチング液にエッチング添加剤を活用してパッドの形状を調節することができ、上面の幅W12が中心部の幅W13よりも広く形成されることによって、第1パッド121上に第1ビルドアップビア層143が配置されるとき、整合(align)により有利であり得る。
【0066】
第2パッド122も同じ趣旨で、下面の幅W21が上面の幅W22よりも広いか同じであることができ、中心部の幅W23は上面の幅W22よりも狭いことができる。すなわち、第2パッドは、W21≧W22>W23の関係を満たすことができる。したがって、第2パッド122も第1ビルドアップビア層143が配置されるとき、整合に有利であり得る。
【0067】
第1配線126は、第1パッド121及び第2パッド122をパターニングする際に同時に形成されることができるため、第1配線126も下面の幅W31が上面の幅W32よりも広いか、又は同じであることができ、中心部の幅W33は上面の幅W32よりも狭いことができる。すなわち、第1配線もW31≧W32>W33の関係を満たすことができる。
【0068】
一方、第1ビルドアップ配線層142及び第2ビルドアップ配線層152は、第1配線層120と異なる工法で製造されることができるため、第1ビルドアップ配線層142及び第2ビルドアップ配線層152は、第1配線層120のような側面の形状を有しないことができる。しかし、これに必ずしも限定されるものではなく、第1配線層120を形成するための工法を第1ビルドアップ配線層142及び/又は第2ビルドアップ配線層152を形成するために用いる場合には、第1ビルドアップ配線層142及び/又は第2ビルドアップ配線層152も第1配線層120と同じ形状を有することもできる。
【0069】
一方、第1パッド121、第2パッド122、及び第1配線126等、第1配線層120の側面の形状に関する内容以外の構成のうち、一例に係るプリント回路基板と同一の構成は、他の一例によるプリント回路基板にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0070】
本開示において、断面上の意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、又は対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上の意味は、対象物を水平に切断したときの形状、又は対象物をトップビュー又はボトムビューで見たときの平面形状であることができる。
【0071】
本開示において、上側、上部、上面などは、便宜上図面の断面を基準に電子部品が実装され得る面に向かう方向を意味するものとして用い、下側、下部、下面などはその逆方向として用いた。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではない。
【0072】
本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結された場合と、連結されていない場合を全て含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0073】
本開示では、実質的には製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含んで判断することができる。例えば、実質的に垂直/平行するということは、完全に垂直/平行する場合だけでなく、略垂直/平行する場合も含むことができる。また、実質的に共面であるということは、完全に同一平面に存在する場合だけでなく、略同一平面に存在する場合も含むことができる。
【0074】
本開示において、同じ材料は、完全に同じ材料である場合だけでなく、同じタイプの材料を含むことを意味することができる。したがって、材料の組成は実質的に同じであるが、これらの具体的な組成比は少しずつ異なる場合がある。
【0075】
本開示で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連した説明であると理解することができる。
【0076】
本開示で用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0077】
110 コア層
120 第1配線層
121 第1パッド 122 第2パッド
121-1、122-1 隣接部
121-2、122-2 開放部
124 第1パターン 126 第1配線
130 貫通ビア
141、151 第1、第2ビルドアップ絶縁層
142、152 第1、第2ビルドアップ配線層
143、153 第1、第2ビルドアップビア層
160 ソルダーレジスト層
170 表面処理層
1000 電子機器 1010 メインボード
1020 チップ関連部品 1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品 1050 カメラモジュール
1060 アンテナモジュール 1070 ディスプレイ
1080 バッテリー 1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 スマートフォン内部メインボード
1120 スマートフォン内部電子部品
1121 スマートフォン内部アンテナモジュール
1130 スマートフォン内部カメラモジュール
1140 スマートフォン内部スピーカー