(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025069059
(43)【公開日】2025-04-30
(54)【発明の名称】エアレススプリントと水洗浄システム
(51)【国際特許分類】
F01D 25/00 20060101AFI20250422BHJP
【FI】
F01D25/00 R
F01D25/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024163601
(22)【出願日】2024-09-20
(31)【優先権主張番号】18/488,196
(32)【優先日】2023-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス テレス、ビクター アルフォンソ
(72)【発明者】
【氏名】グエン、トー ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】テヘダ ヌニェス、エリー エドガルド
(72)【発明者】
【氏名】グティエレス-フリアス、ホセ アントニオ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ガスタービンエンジンの圧縮機に大量の水を噴霧するためのスプリントおよび水洗浄システムを提供する。
【解決手段】スプリントおよび水洗浄システム100は、圧縮機15の周囲に配置された複数のスプレーノズル120と、スプレーノズル120と連通する水マニホールド110と、水マニホールド110と連通するポンプと、ポンプと連通する可変周波数ドライブとを含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン(10)の圧縮機(15)に水量(200)を噴霧するスプリントおよび水洗浄システム(100)であって、
圧縮機(15)に配置された複数のスプレーノズル(120)と、
複数のスプレーノズル(120)と連通する水マニホールド(110)と、
水マニホールド(110)と連通するポンプ(260)と、
ポンプ(260)と連通する可変周波数ドライブ(275)と、
を含む、スプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項2】
複数のスプレーノズル(120)が、10個以上のスプレーノズル(120)を含む、請求項1に記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項3】
水マニホールド(110)と連通する給水スキッド(150)をさらに含む、請求項1に記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項4】
給水スキッド(150)は、その中に水量(200)を有する給水装置(190)を含む、請求項3記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項5】
給水スキッド(140)は、フィルタ(230、320)を含む、請求項3記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項6】
給水スキッド(150)は、圧力センサ(240、300、330)を含む、請求項3記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項7】
給水スキッド(150)が、温度センサ(250)を含む、請求項3記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項8】
給水スキッド(150)が流量計(310)を含む、請求項3記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項9】
ポンプ(260)が給水スキッド(150)上に配置されている、請求項3記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項10】
ポンプ(260)がピストンポンプ(260)を含む、請求項1に記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項11】
ポンプ(260)および可変周波数ドライブ(275)と連通するポンプモータ(270)をさらに含む、請求項1に記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項12】
水排出システム(400)をさらに含む、請求項1に記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項13】
水排出システム(400)が真空エジェクタポンプ(410)を含む、請求項12に記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項14】
水排出システム(400)が、真空エジェクタポンプ(410)と連通するパージ空気源(300)を含む、請求項13に記載のスプリントおよび水洗浄システム(100)。
【請求項15】
圧縮機(15)の吸入口(130)に水量(200)を噴霧するために、スプリントおよび水洗浄システム(100)を運転する方法であって、
ポンプ(260)に、第1の流量で水量(200)をポンピングするように指示するステップと、
水(200)の水量を第1の流量で圧縮機(15)の入口(130)に噴霧し、第1のサイズの液滴を生成するステップと、
ポンプ(260)に、第2の流量で水量(200)をポンピングするように指示するステップと、
圧縮機(15)の入口(130)に水量(200)を第2の流量で噴霧し、第2のサイズの液滴を生成するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願およびその結果としての特許は、一般にガスタービンエンジンに関するものであり、より詳細には、単一のポンプおよびマニホールドを使用するエアレススプリントおよび水洗浄システムであって、全体的なエンジン効率の向上をもたらす簡素化されたシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、従来、周囲の空気を圧縮する圧縮機と、空気の流れと燃料の流れとを混合して高温の燃焼ガスを生成する複数の燃焼器とを含む。タービンは、高温の燃焼ガスの流れを受け、そこからエネルギーを取り出して圧縮機に動力を供給し、発電機などの外部負荷に出力を供給する。
【0003】
圧縮機は大量の空気を消費するため、少量のダスト、エアロゾル、水が通過し、圧縮機ブレードなどに堆積物が生じることがある。これらの堆積物は、圧縮機を通過する空気流を妨げ、時間の経過とともにガスタービンエンジンの全体的な性能と効率を低下させる可能性がある。したがって、ガスタービンエンジンは、圧縮機から汚染物質を洗浄除去するために定期的に洗浄される場合がある。このような洗浄作業には、オフライン洗浄作業とオンライン洗浄作業がある。オフライン洗浄作業は、ガスタービンエンジンが停止している間に実施される。オンライン水洗浄操作では、エンジンの運転中に洗浄を行うことができるが、オンライン洗浄によってガスタービンエンジン全体の性能が多少低下する可能性がある。
【0004】
多少類似した方法で、圧縮機内でインタークーラが提供される場合、ガスタービン圧縮機は、所定の圧力比で動作するために、より少ない電力を必要とする可能性がある。インタークーラを提供する1つの方法は、圧縮機の入口に冷却剤の液滴を噴霧すること、すなわちスプレーインタークーラまたは「SPRINT:スプリント」を含む。ガスと水の混合物が圧縮されると(一般に湿式圧縮と呼ばれる)、ガスの温度が上昇し、蒸発の原動力となる。水の蒸発はガスを冷却するため、インタークーラとして機能する。この場合、冷却液滴は、慣性力よりも抗力が優位になるよう十分に小さくサイズ設定され、抗力によって液滴がコンプレッサ入口を通過してコンプレッサの後段に流れ、そこで液滴が蒸発して所望の中間冷却が行われるようになる(In this instance, the coolant droplets may be sized to be small enough such that the inertia forces are dominated by the drag forces that tend to cause the droplets to flow past the compressor inlet and travel into the subsequent stages of the compressor where the droplets evaporate and provide the desired intercooling)。しかし、スプリント運転では一般に、圧縮機の後段から空気を抜く必要がある。このような抽気は、ガスタービンエンジン全体の効率を低下させる。
【発明の概要】
【0005】
本出願およびその結果としての特許は、ガスタービンエンジンの圧縮機にある水量(a volume of water:ある体積の水、大量の水)を噴霧するためのスプリントおよび水洗浄システムを提供する。スプリントおよび水洗浄システムは、圧縮機に配置された複数のスプレーノズルと、複数のスプレーノズルと連通する水マニホールドと、水マニホールドと連通するポンプと、ポンプと連通する可変周波数ドライブとを含むことができる。
【0006】
本出願およびその結果としての特許は、さらに、圧縮機の入口に水量を噴霧するためにスプリントおよび水洗浄システムを動作させる方法を提供することができる。本方法は、第1の流量で水量をポンピングする(汲み上げる)ようポンプに指示するステップと、第1の流量で圧縮機の入口に水量を噴霧して第1のサイズの液滴を生成するステップと、第2の流量で水量をポンピングするようポンプに指示するステップと、第2の流量で圧縮機の入口に水量を噴霧して第2のサイズの液滴を生成するステップとを含むことができる。
【0007】
本出願及びその結果としての特許は、さらに、ガスタービンエンジンの圧縮機にある水量を噴霧するためのスプリント及び水洗浄システムを提供することができる。スプリントおよび水洗浄システムは、圧縮機について配置された多数のスプレーノズルと、スプレーノズルと連通する水マニホールドと、水マニホールドと連通するポンプモータによって駆動されるピストンポンプと、ピストンポンプおよびポンプモータと連通する可変周波数ドライブとを含むことができる。
【0008】
本出願およびその結果としての特許のこれらおよび他の特徴および改良点は、いくつかの図面および添付の特許請求の範囲と合わせて考慮した場合、以下の詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】圧縮機、燃焼器、タービン、外部負荷、水マニホールド、給水スキッドを含むガスタービンエンジンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで図面を参照すると、いくつかの図を通じて同様の数字は同様の要素を示し、
図1は、本明細書で説明することができるガスタービンエンジン10の概略図である。ガスタービンエンジン10は、圧縮機15を含むことができる。圧縮機15は、流入する空気流20を圧縮する。圧縮機15は、圧縮された空気流20を複数の燃焼器缶25に供給する。燃焼器缶25は、圧縮された空気流20を加圧された燃料流30と混合し、混合物に点火して高温の燃焼ガス流35を生成する。単一の燃焼器缶25のみが示されているが、ガスタービンエンジン10は、周方向アレイなどに配置された任意の数の燃焼器缶25を含むことができる。あるいは、燃焼器25は環状燃焼器であってもよい。燃焼ガス35の流れは、順にタービン40に送られる。燃焼ガス35の流れは、タービン40を駆動して機械的な仕事を発生させる。タービン40で発生した機械的な仕事は、ロータシャフト45を介して圧縮機15を駆動する。タービン40とロータシャフト45は、発電機などの外部負荷50を駆動することもできる。
【0011】
ガスタービンエンジン10は、天然ガス、水素ガス、様々な種類の合成ガス、液体燃料、および/または他の種類の燃料およびそれらの混合物を使用することができる。ガスタービンエンジン10は、ニューヨーク州シェネクタディのゼネラルエレクトリック社(GEベルノバ社)が提供する多数の異なるガスタービンエンジンのいずれかであってもよく、これには、7シリーズまたは9シリーズのヘビーデューティガスタービンエンジン、LM6000およびLM9000航空転用ガスタービンエンジンなどが含まれるが、これらに限定されない。ガスタービンエンジン10は、単純サイクル発電システム、複合サイクル発電システム、または他のタイプの発電システムの一部であってもよい。ガスタービンエンジン10は、異なる構成を有していてもよく、他の種類のコンポーネントを使用してもよい。本明細書では、他のタイプのガスタービンエンジンを使用することもできる。複数のガスタービンエンジン、他のタイプのタービン、および他のタイプの発電装置も、本明細書で併用することができる。
【0012】
図1は、本明細書で説明するスプリントおよび水洗浄システム100の一例も示している。スプリントおよび水洗浄システム100は、水マニホールド110を含むことができる。水マニホールド110は、任意の都合のよいサイズ、形状、および構成を有することができる。スプリントおよび水洗浄システム100は、圧縮機15の入口130について配置された複数のスプレーノズル120を含むことができる。個以上のスプレーノズル120を使用してもよい。この例では、17個のスプレーノズル120が使用されてもよい。スプレーノズル120の総数及びサイズは、圧縮機15の形状及び他の種類の性能パラメータによって変化し得る。スプレーノズル120は、複数のノズル導管140を介して水マニホールド110と連通していてもよい。
【0013】
スプリントおよび水洗浄システム100の水マニホールド110は、給水スキッド(water supply skid:水供給スキッド)150と連通していてもよい。給水スキッド150は、ガスタービンエンジン10から遠隔に配置されてもよく、そうでなければ任意の距離に配置されてもよい。水マニホールド110は、マニホールド導管160を介して給水スキッド150と連通することができる。マニホールド導管160は、その上にマニホールド導管バルブ170とマニホールド導管圧力センサ180とを有することができる。マニホールド導管バルブ170およびマニホールド導管圧力センサ180は、従来設計のものであってよい。本明細書では、他の構成要素および他の構成を使用することができる。
【0014】
図2は、給水スキッド150の詳細を示している。給水スキッド150は、給水装置190を含んでもよい。給水装置(water supply:水サプライ/給水部)190は、任意の都合のよいサイズ、形状、または構成を有してよい。給水装置190は、ある水量(a volume of water:水の体積)200を保持してもよい。水量200は、好ましくは、脱塩水等の体積(a volume of demineralized water and the like)であってもよい。水量200は、スキッド導管210および流入水スキッドバルブ220を介して、スプリントおよび水洗浄システム100に供給されてもよい。入水スキッドバルブ220は、ボールバルブなどのオン/オフバルブであってもよい。
【0015】
その後、水200は低圧フィルタ230を通過する。低圧フィルタ230は従来の設計でよい。低差圧フィルタ圧力センサ240が使用されてもよい。低圧フィルタ230が水200の体積中の汚染物質などを捕捉すると、低圧フィルタ230を通る圧力が上昇する。低圧フィルタ圧力センサ240は、その圧力が通常の動作パラメータを超えたことを示すことができる。低圧フィルタ圧力センサ240は従来の設計でよい。温度センサ250は、低圧フィルタ圧力センサ240の下流に配置されてもよい。温度センサ250は、従来の設計であってよい。
【0016】
給水スキッド150は、ポンプモータ270によって駆動されるポンプ260をさらに含む。ポンプ260は、ピストンポンプであってもよい。ポンプモータ270は、ポンプ260が任意の所望の速度で動作し得るように、可変周波数ドライブ275(周波数インバータ)を有していてもよい。このように、ポンプ260は、任意の所望の圧力および流量で水200を供給することができる。ポンプ260およびポンプモータ270の動作は、以下でさらに詳細に説明するように、コントローラ280によって制御される。本明細書では、他の構成要素および他の構成を使用することもできる。
【0017】
背圧レギュレータ(back pressure regulator:背圧調整器)290は、ポンプ260の下流に配置することができる。背圧レギュレータ290は、従来の設計であってもよい。背圧レギュレータ290は、最小流量/圧力状態においてポンプ260を保護し得る。ポンプ圧力センサ300は、背圧レギュレータ290の下流に配置されてもよい。ポンプ圧力センサ300は、従来設計のものであってもよい。ポンプ圧力センサ300は、ポンプ260が安全な圧力範囲内で動作していることを保証する。流量計310は、ポンプ圧力センサ300の下流に配置されてもよい。流量計(フローメータ)310は、従来設計のものであってもよい。流量計310は、ポンプ260が安全な流量範囲内で動作していることを保証することができる。高圧フィルタ320は、流量計310の下流に配置されてもよい。高圧フィルタ320は、従来設計のものであってもよい。高差圧フィルタ圧力センサ330がこれと共に使用されてもよい。高圧フィルタ320が水200の体積中の汚染物質などを捕捉すると、高差圧フィルタ320を通る圧力が上昇する可能性がある。高圧フィルタ圧力センサ330は、その圧力が通常の動作パラメータを超えたことを示すことができる。高圧フィルタ圧力センサ330は、従来の設計であってもよい。水出力バルブ340は、高圧フィルタ320の下流に配置されてもよい。水出力バルブ340は、電磁バルブなどのオン/オフ弁であってもよい。本明細書では、他の構成要素および他の構成を使用することができる。
【0018】
給水スキッド150はまた、パージ空気源350を含むことができる。パージ空気源350は、任意の体積の加圧空気の任意の便利な源であってよい。パージ空気源は、パージ空気導管360およびパージ空気バルブ370を介して、水出力バルブ340の下流のT字接続部でスキッド導管210と合流することができる。パージエアバルブ370は従来の設計でよい。
【0019】
スキッド導管210は、T字型に接続されたスキッド出口導管380まで続くことがある。スキッド出口導管380は、その上にスキッド出口導管バルブ390を有していてもよい。スキッド出口導管バルブ390は、従来の設計であってもよく、電磁バルブなどのオンオフ弁であってもよい。スキッド出口導管390は、水200の量が水マニホールド110に流れるように、T字接続部でスキッド導管210に合流する。本明細書では、他の構成要素や他の構成を使用することもできる。
【0020】
給水スキッド150はまた、スプリントおよび水洗浄システム100の水を排出し、過剰な量の水が圧縮機15に供給されないようにするための水排出システム400を含むことができる。水排出システム400システムは、真空エジェクタベンチュリーポンプ(vacuum ejector venturi pump)410を含む。一般的に説明すると、真空エジェクタベンチュリーポンプ410は、可動部品のない機械装置(mechanical device with no moving parts)であってもよい。真空エジェクタベンチュリーポンプ410は、運動量伝達(momentum transfer)に基づいて2つの流体の流れを混合する。真空エジェクタベンチュリーポンプ410は、スキッド導管210と、流入ベンチュリーポンプ導管バルブ430を介したT字接続で、流入ベンチュリーポンプ導管420を介して連通することができる。流入ベンチュリーポンプ導管バルブ430 は、従来の設計であってもよく、ソレノイドバルブなどのオン/オフバルブであってもよい。
【0021】
真空エジェクタベンチュリーポンプ410はまた、ドレイン導管450およびドレインバルブ460を介してスキッドドレイン440と連通していてもよい。スキッドドレイン440は、任意の都合のよいサイズ、形状、または構成を有することができる。ドレインバルブ460は従来の設計でよく、ソレノイドバルブなどのオン/オフバルブでよい。本明細書では、他の構成要素や他の構成を使用することもできる。
【0022】
上述したように、スプリント及び水洗浄システム100の動作は、コントローラ280によって支配され得る。一般に、コントローラ280は、従来のマイクロプロセッサベースのシステムである。コントローラ280は、メモリ、入出力(I/O)インターフェース、外部I/Oデバイス/リソース、および外部記憶システムを含んでもよい。一般に、コントローラ280は、メモリおよび/または記憶システムに記憶され得るコンピュータプログラムコードを実行する。コントローラ280は、本明細書で使用され得るハードウェアおよびソフトウェアの様々な可能な組み合わせの一例に過ぎない。
【0023】
使用時、制御装置280は、ポンプ260/ポンプモータ270がスプリントモードまたは水洗浄モードのいずれかで動作するように指示する。上述したように、ピストン駆動ポンプ260は、可変周波数ドライブ275によって制御され、高、中、および低流量範囲でスプリントモードに必要な流量を提供する。可変周波数ドライブ275はまた、周波数の安定性を維持するために短時間で可変流量を必要とするスプリント一次周波数の要件も解決する。スプレーノズル120は、両モードに必要な液滴サイズ、すなわち、水洗浄には大きな液滴サイズ、スプリントには小さな液滴サイズを提供するようなサイズにすることができる。スプリントモード用のそれぞれの液滴サイズは、ザウター平均直径(SMD)の観点から説明することができる。液滴サイズは変化してもよく、水洗浄モード用の背圧レギュレータ290の圧力を下げることによって必要に応じて大きくしてもよい。同様に、ポンプ260は、両方のモードに対して必要な流量を提供することができる。例えば、流量は、水洗浄については約8gpm未満であってもよいが、スプリントについては約9~22gpmであってもよい。流量は変化してもよい。これらの範囲はまた、ポンプ260が安全な圧力および流量範囲で動作することを保証する。
【0024】
いずれのモードにおいても、コントローラは、ポンプ260/ポンプモータ270に、必要な圧力および流量で圧送するように指示する。具体的には、給水スキッド150上の給水装置190からの水200の体積は、スキッド導管210を通ってマニホールド導管160に送られ、水マニホールド110に送られる。次いで、水200の体積は、ノズル導管140を通ってスプレーノズル120に流れ、そこで水が圧縮機15の吸入口130に噴霧される。
【0025】
特に、スプリントモードが完了したとき、余分な水が圧縮機15に注入されないことが重要である。したがって、コントローラ280は、ポンプ260/ポンプモータ270をオフにし、水出力バルブ340を閉じ、パージ空気源350のパージ空気バルブ370を開く。同様に、水排出システム400の流入ベンチュリーポンプ導管420の流入ベンチュリーポンプ導管バルブ430が開かれる。こうしてパージ空気の流れは、真空エジェクタベントリポンプ410に吸引を生じさせる。この吸引により、マニホールド導管160および水マニホールド110に残っている水が真空エジェクタベンチュリーポンプ410に引き込まれ、スキッドドレイン440に入る。
【0026】
このように、スプリントおよび水洗浄システム100は、単一の水マニホールド110および単一のスプレーノズル120のセットを、スプリントモードおよび水洗浄モードの両方に使用する。具体的には、可変周波数ドライブ275により、ポンプ260/ポンプモータ270は、いずれのモードにも必要な液滴サイズおよび流量を提供することができる。このように、スプリントおよび水洗浄システム100は、それぞれのシステムを統合することにより、全体的なコスト削減を伴う簡素化されたシステムを提供する。重要なことは、スプリントモードでは、従来のシステムで使用されていた圧縮機15からの空気抽出が不要であることである。空気抜きが不要になることで、ガスタービンエンジン全体の効率が向上する。
【0027】
前述の内容は、本出願およびその結果としての特許の特定の実施形態に関するものでしかないことは明らかであろう。以下の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される本発明の一般的な精神および範囲から逸脱することなく、当業者であれば本明細書において多数の変更および修正を行うことができる。
【0028】
本発明のさらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される。
[実施態様1]
ガスタービンエンジンの圧縮機に水量を噴霧するためのスプリントおよび水洗浄システム(A sprint and water wash system for spraying a volume of water into a compressor of a gas turbine engine)であって、
前記圧縮機に配置された複数のスプレーノズル(a plurality of spray nozzles positioned about the compressor)と、
前記複数のスプレーノズルと連通する水マニホールド(a water manifold in communication with the plurality of spray nozzles)と、
前記水マニホールドと連通するポンプ(a pump in communication with the water manifold)と、
前記ポンプと連通する可変周波数ドライブ(a variable frequency drive in communication with the pump)と、を含む、スプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様2]
前記複数のスプレーノズルが10個以上のスプレーノズルを含む(the plurality of spray nozzles comprises more than ten spray nozzles)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様3]
前記水マニホールドと連通する給水スキッド(a water supply skid in communication with the water manifold)をさらに含む、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様4]
前記給水スキッドが、その中に前記水量を有する給水装置を含む(the water supply skid comprises a water supply with the volume of water therein)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様5]
前記給水スキッドがフィルタを含む(the water supply skid comprises a filter thereon)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様6]
前記給水スキッドが圧力センサを含む(the water supply skid comprises a pressure sensor thereon)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様7]
前記給水スキッドが温度センサを含む(the water supply skid comprises a temperature sensor thereon)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様8]
前記給水スキッドが流量計を含む(the water supply skid comprises a flow meter thereon)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様9]
ポンプが前記給水スキッド上に配置される(the pump is positioned on the water supply skid)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様10]
前記ポンプがピストンポンプを含む(the pump comprises a piston pump)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様11]
前記ポンプおよび前記可変周波数ドライブと連通するポンプモータ(a pump motor in communication with the pump and the variable frequency drive)をさらに含む、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様12]
水排出システム(a water drain system)をさらに含む、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様13]
前記水排出システムが真空エジェクタポンプを含む(the water drain system comprises a vacuum ejector pump)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様14]
前記水排出システムが、前記真空エジェクタポンプと連通するパージ空気源を含む(the water drain system comprises a purge air source in communication with the vacuum ejector pump)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様15]
圧縮機の吸入口に水量を噴霧するスプリントおよび水洗浄システムの作動方法(A method of operating a sprint and water wash system to spray a volume of water into an inlet of a compressor)であって、
ポンプに第1の流量で前記水量をポンピングするよう指示するステップ(instructing a pump to pump the volume of water at a first flow rate)と、
前記第1の流量で前記圧縮機の前記吸入口に前記水量を噴霧して、第1のサイズの液滴を生成するステップ(spraying the volume of water into the inlet of the compressor at the first flow rate to produce droplets of a first size)と、
前記ポンプに第2の流量で前記水量をポンピングするよう指示するステップ(instructing the pump to pump the volume of water at a second flow rate)と、
前記第2の流量で前記圧縮機の前記吸入口に前記水量を噴霧して、第2のサイズの液滴を生成するステップ(spraying the volume of water into the inlet of the compressor at the second flow rate to produce droplets of a second size)と、を含む方法。
[実施態様16]
ガスタービンエンジンの圧縮機に水量を噴霧するためのスプリントおよび水洗浄システム(A sprint and water wash system for spraying a volume of water into a compressor of a gas turbine engine)であって、
前記圧縮機に配置された複数のスプレーノズル(a plurality of spray nozzles positioned about the compressor)と、
前記複数のスプレーノズルと連通する水マニホールド(a water manifold in communication with the plurality of spray nozzles)と、
前記水マニホールドと連通するポンプモータによって駆動されるピストンポンプ(a piston pump driven by a pump motor in communication with the water manifold)と、
前記ピストンポンプおよび前記ポンプモータと連通する可変周波数ドライブ(a variable frequency drive in communication with the piston pump and the pump motor)と、
を含む、スプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様17]
前記水マニホールドと連通する給水スキッド(a water supply skid in communication with the water manifold)をさらに含む、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様18]
前記給水スキッドが、その中に前記水量を有する給水装置、フィルタ、圧力センサ、温度センサ、および流量計を含む(the water supply skid comprises a water supply with the volume of water therein, a filter, a pressure sensor, a temperature sensor, and a flow meter)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様19]
水排出システム(a water drain system)をさらに含む、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
[実施態様20]
前記水排出システムが、パージ空気源と連通する真空エジェクタポンプを含む(the water drain system comprises a vacuum ejector pump in communication with a purge air source)、先行するいずれかの実施態様に記載のスプリントおよび水洗浄システム。
【符号の説明】
【0029】
10:ガスタービンエンジン 15:圧縮機 20:空気の流れ/空気流 25:燃焼器/燃焼器缶 30:燃料の流れ/燃料流 35:燃焼ガスの流れ/燃焼ガス流 40:タービン 45:シャフト 50:発電機/外部負荷 100:スプリントおよび水洗浄システム 110:水マニホールド 120:スプレーノズル 130:入口 140:ノズル導管 150:給水スキッド 160:マニホールド導管 170:マニホールド導管バルブ 180:マニホールド導管圧力センサ 190:給水装置 200:水 210:スキッド導管 220:流入水スキッドバルブ 230:低圧フィルタ 240:低圧フィルタ圧力センサ 250:温度センサ 260:ポンプ 270:ポンプモータ 275:可変周波数ドライブ 280:コントローラ 290:背圧レギュレータ 300:ポンプ圧力センサ 310:流量計 320:高圧フィルタ 330:高圧フィルタ圧力センサ 340:水出力バルブ 350:パージ空気源 360:パージ空気導管 370:パージ空気バルブ 380:スキッド出口導管 390:スキッド出口導管バルブ 400:排水システム 410:真空エジェクタベンチュリーポンプ 420:流入ベンチュリーポンプ導管 430:流入ベンチュリーポンプ導管バルブ 440:スキッドドレイン 450:ドレイン導管 460:ドレインバルブ
【外国語明細書】