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  • 特開-ラジエータ 図1
  • 特開-ラジエータ 図2
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  • 特開-ラジエータ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006958
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ラジエータ
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20250109BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
F28F9/02 301E
F28D1/053 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108030
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】池田 純也
(72)【発明者】
【氏名】村山 正人
(72)【発明者】
【氏名】細谷 大基
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA10
3L103AA37
3L103BB16
3L103CC02
3L103CC22
3L103DD08
3L103DD33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】各偏平チューブ内の流量の均一化を図ることにより、偏平チューブに発生する熱応力を低減させて耐久性の向上を図ると共に、ラジエータの性能の向上を図る。
【解決手段】本発明は、入口タンクにおける奥行き方向の一方の側面11に接続される入口パイプと、前記入口パイプと同じ側面側であって出口タンク8における奥行き方向の一方の側面11に接続される出口パイプと、を備え、出口パイプは、出口タンク8の一方の側面11から、出口タンク8の内部において出口タンク8の一方の側面11に対向する他方の側面14に向かって延びる延長部15を有し、延長部15は、偏平チューブ2のうちの一方の側面11に最も近い偏平チューブ2を延長させた仮想延長部分と重なる位置であって、他方の側面14に最も近い偏平チューブ2を延長させた仮想延長部分と重なる位置を除いた範囲内に位置することを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏平チューブ(2)が奥行き方向に複数列配置されたコア(5)と、前記偏平チューブ(2)の両端が連通するように前記コア(5)の両端に配置された入口タンク(7)及び出口タンク(8)と、前記入口タンク(7)における奥行き方向の一方の側面(9)に接続される入口パイプ(10)と、前記入口パイプ(10)と同じ側面側であって前記出口タンク(8)における奥行き方向の一方の側面(11)に接続される出口パイプ(12)と、を備えたラジエータ(1)において、
前記出口パイプ(12)は、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)から、前記出口タンク(8)の内部において前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)に対向する他方の側面(14)に向かって延びる延長部(15)を有し、前記延長部(15)は、前記偏平チューブ(2)のうちの前記一方の側面(11)に最も近い前記偏平チューブ(2)を延長させた仮想延長部分と重なる位置であって、前記他方の側面(14)に最も近い前記偏平チューブ(2)を延長させた仮想延長部分と重なる位置を除いた範囲内に位置することを特徴とするラジエータ(1)
【請求項2】
前記コア(5)に前記偏平チューブ(2)が奥行き方向に4列以上配置されているラジエータ(1)において、前記延長部(15)の先端(15a)は、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)に最も近い前記偏平チューブ(2)の奥行き方向における中央位置から、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)から3番目に近い前記偏平チューブ(2)の前記他方の側面(14)側の開口端までの範囲(L2)内に位置することを特徴とする請求項1に記載のラジエータ(1)。
【請求項3】
前記コア(5)に前記偏平チューブ(2)が奥行き方向に3列配置されているラジエータにおいて、前記延長部(15)の先端(15a)は、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)に最も近い前記偏平チューブ(2)の奥行き方向における中央位置から、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)から2番目に近い前記偏平チューブ(2)の前記他方の側面(14)側の開口端までの範囲(L2)内に位置することを特徴とする請求項1に記載のラジエータ(1)。
【請求項4】
前記延長部(15)の先端(15a)は、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)に最も近い前記偏平チューブ(2)の奥行き方向における中央位置から、前記出口タンク(8)の前記他方の側面(14)から2番目に近い前記偏平チューブ(2)の奥行き方向における中央位置までの範囲(L1)内に位置することを特徴とする請求項1に記載のラジエータ(1)。
【請求項5】
前記延長部(15)の前記偏平チューブ(2)とは反対側には、開口部(16)が形成されている請求項1~4のいずれかの請求項に記載のラジエータ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジエータに関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械や産業機械などのエンジン等を冷却するため、冷却回路内にラジエータ(熱交換器)が設けられる。従来、このラジエータとして、偏平チューブが幅方向に複数列配置されたコアと、偏平チューブの両端が連通するようにコアの両端に配置された入口タンクおよび出口タンクを備え、冷却回路内の冷却水をラジエータの内部に流入させる入口パイプが入口タンクにおける偏平チューブの列方向の一方の側面に接続されると共に、ラジエータの外部に冷却水を流出させる出口パイプが入口パイプと同じ側面側であって出口タンクにおける偏平チューブの列方向の一方の側面に接続されるラジエータが知られている。
【0003】
一般に、冷却回路内には、エンジンからこのようなラジエータへの冷却水の流れを開閉制御するためにサーモスタットが設けられる。しかしながら、外気温の低い環境下でエンジンが始動されると、サーモスタットの開閉動作が短時間で繰り返され、サーモスタットが開く度にエンジンで暖められた冷却水が低温のラジエータの内部に流入することにより、偏平チューブに熱応力が発生する。
【0004】
そこで、従来、この熱応力に対する耐久性を向上させるため、偏平チューブに補強部材を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-45134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した入口タンクと出口タンクに偏平チューブの列方向の一方の側面に入口パイプと出口パイプを配置したタイプのラジエータでは、偏平チューブの列によって偏平チューブの開口から入口パイプや出口パイプの開口までの距離に差が生じる。そのため、偏平チューブの列の位置によって偏平チューブ内を流通する冷却水の流量が異なり、特に入口パイプや出口パイプに近接した位置に配置された偏平チューブ内では冷却水の流量が多くなるため、偏平チューブ間で冷却水の流量差が大きくなる。
【0007】
このように偏平チューブ間で流量差が大きくなると、ラジエータの熱交換性能が低下したり、偏平チューブに発生する熱応力が大きくなったりするという問題がある。しかしながら、上記した特許文献1に記載の技術では、このような問題すべてを解決することが難しく、ラジエータの性能や耐久性において支障を来すおそれがある。
【0008】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、各偏平チューブ内の流量の均一化を図ることにより、偏平チューブに発生する熱応力を低減させ、耐久性の向上を図ると共に、性能の向上を図ることのできるラジエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するため、本発明は、偏平チューブ(2)が奥行き方向に複数列配置されたコア(5)と、前記偏平チューブ(2)の両端が連通するように前記コア(5)の両端に配置された入口タンク(7)及び出口タンク(8)と、前記入口タンク(7)における奥行き方向の一方の側面(9)に接続される入口パイプ(10)と、前記入口パイプ(10)と同じ側面側であって前記出口タンク(8)における奥行き方向の一方の側面(11)に接続される出口パイプ(12)と、を備えたラジエータ(1)において、前記出口パイプ(12)は、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)から、前記出口タンク(8)の内部において前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)に対向する他方の側面(14)に向かって延びる延長部(15)を有し、前記延長部(15)は、前記偏平チューブ(2)のうちの前記一方の側面(11)に最も近い前記偏平チューブ(2)を延長させた仮想延長部分と重なる位置であって、前記他方の側面(14)に最も近い前記偏平チューブ(2)を延長させた仮延長端部分と重なる位置を除いた範囲内に位置することを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記コア(5)に前記偏平チューブ(2)が奥行き方向に4列以上配置されているラジエータ(1)において、前記延長部(15)の先端(15a)は、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)に最も近い前記偏平チューブ(2)の奥行き方向における中央位置から、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)から3番目に近い前記偏平チューブ(2)の前記他方の側面(14)側の開口端までの範囲(L2)内に位置するのが良い。
【0011】
本発明は、前記コア(5)に前記偏平チューブ(2)が奥行き方向に3列配置されているラジエータ(1)において、前記延長部(15)の先端(15a)は、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)に最も近い前記偏平チューブ(2)の奥行き方向における中央位置から、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)から2番目に近い前記偏平チューブ(2)の前記他方の側面(14)側の開口端までの範囲(L2)内に位置するのが良い。
【0012】
上記した本発明に係るラジエータ(1)において、前記延長部(15)の先端(15a)は、前記出口タンク(8)の前記一方の側面(11)に最も近い前記偏平チューブ(2)の奥行き方向における中央位置から、前記出口タンク(8)の前記他方の側面(14)から2番目に近い前記偏平チューブ(2)の奥行き方向における中央位置までの範囲(L1)内に位置するのが良い。
【0013】
上記した本発明に係るラジエータ(1)において、前記延長部(15)の前記偏平チューブ(2)とは反対側には、開口部(16)が形成されているのが良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各偏平チューブ内の流量の均一化を図ることにより、偏平チューブに発生する熱応力を低減させて耐久性の向上を図ると共に、ラジエータの性能の向上を図ることができる等、種々の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るラジエータを示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係るラジエータを示す側面図である。
図3図1のA-A断面図である。
図4】本発明の実施形態に係るラジエータの内部流量調整機構を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。ここで、図1は本発明の実施形態に係るラジエータを示す正面図、図2は本発明の実施形態に係るラジエータを示す側面図、図3図1のA-A断面図、図4は本発明の実施形態に係るラジエータの内部流量調整機構を示す断面図である。
【0017】
なお、各図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を示している。本明細書中では方向や位置を示す用語を用いているが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0018】
本発明の実施形態に係るラジエータ(熱交換器)1は、図1および図2に良く示されているように、複数の偏平チューブ2と、複数のフィン3と、上下一対のヘッダープレート4と、を備えるコア5を備えている。
【0019】
コア5には、左右幅方向に多数配置された偏平チューブ2間にフィン3が介装されたチューブ列6A,6B,6C,6D(図4参照)が前後方向である奥行き方向に4列配置されている。偏平チューブ2は、前後方向に細長い略楕円形断面を有する筒状に形成されている。複数の偏平チューブ2と複数のフィン3は、上下方向に延在した姿勢で左右幅方向に交互に配置されている。各ヘッダープレート4には、複数のチューブ挿通孔(図示せず)が設けられ、該各チューブ挿通孔の縁部にはバーリング加工が施されている。各偏平チューブ2の上下両端部は、一対のヘッダープレート4の前記チューブ挿通孔に差し込まれている。ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「幅方向」とは、図1における左右方向のことを言い、「奥行き方向」とは、図2図4における前後方向のことを言うものと定義する。
【0020】
図1および図2に示されているように、コア5の上下両端には、ヘッダープレート4を介して入口タンク7および出口タンク8が設けられており、チューブ列6A,6B,6C,6D(図4参照)は、入口タンク7および出口タンク8を共用している。入口タンク7には、奥行き方向の一方の側面9(図示では後側面)の正面から見て左側に入口パイプ10が接続されている。入口パイプ10は円筒形状を有しており、入口タンク7の一方の側面9から前方に突出している。
【0021】
図1および図2に加えて、図3および図4に示されているように、出口タンク8には、奥行き方向の一方の側面11(図示では後側面)の正面から見て右側に出口パイプ12が接続されている。出口パイプ12は、出口タンク8の一方の側面11から前方に突出する円筒形状の外側部分13と、出口タンク8の内部において外側部分13から出口タンク8の一方の側面11に対向する他方の側面14(図示では前側面)に向かって延出する延長部15と、を備えており、この延長部15は、バッフル機能を備える内部流量調整機構として作用する。
【0022】
図4に良く示されているように、出口パイプ12の延長部15は、その先端15aが出口タンク8の一方の側面11(図示では後側面)に最も近いチューブ列6Aの偏平チューブ2の奥行き方向の中央位置から、他方の側面14(図示では前側面)から2番目に近いチューブ列6Cの偏平チューブ2の奥行き方向の中央位置までの範囲L1内に位置するように形成されているのが好ましい。これにより、他方の側面14から1番目及び2番目に近い偏平チューブ2内に流量が集中することを避けつつ、出口パイプ12に近接した位置に配置された偏平チューブ2内で冷却水の流量が多くなるのを抑制することで、偏平チューブ2間で冷却水の流量差が大きくなるのを抑制することができる。
【0023】
延長部15の偏平チューブ2とは反対側の下側部分には、延長部15の先端15a側(図3及び図4における後方)から見て半円状に切り欠かれた開口部16が形成されているのが好ましい。なお、特に図示しないが、この開口部16は、先端15a側から見て扇状に切り欠かれていても良く、或いは、切り欠きではなく複数の貫通孔により形成されていても良い。また、延長部15は、その下側に開口部16を形成させることなく、円筒形状を有していても良い。
【0024】
図1および図2に示されているように、上記した構成を備えたラジエータ1において、前記エンジンにより暖められた高温の冷却水は、冷却回路中に設置された循環ポンプ(図示せず)の駆動によって、入口パイプ10から入口タンク7を介して各チューブ列6A,6B,6C,6D(図4参照)の各偏平チューブ2内に流入する。偏平チューブ2の外面側にはファン(図示せず)によって冷却風が前後方向に流通しており、その冷却風と偏平チューブ2内の冷却水と間において熱交換が行われる。その後、この熱交換によって冷却された冷却水は出口タンク8内を通って出口パイプ12から流出し、前記エンジンへ戻り循環する。
【0025】
このように冷却水がラジエータ1のコア5の偏平チューブ2内を流通する時、出口パイプ12が接続された一方の側面11側から数えて1~3列目のチューブ列6A~6C(図4参照)の偏平チューブ2で且つ出口パイプ12側の偏平チューブ2は、平面視で延長部15に重なるように配置されているため、これらの偏平チューブ2から出口タンク8内に流入する冷却水の流れ抵抗が大きくなる。これにより、出口パイプ12の近接位置に配置されたこれらの偏平チューブ2に冷却水の流量が集中するのを避けるように冷却水の流れを変えることができるため、各偏平チューブ2内の冷却水の流量の均一化を図ることができる。したがって、出口パイプ12に近接した偏平チューブ2に発生する熱応力を低減させることができ、ラジエータ1の性能及び耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0026】
また、前記循環ポンプがラジエータ1の上流側に配置された冷却回路では、偏平チューブ2から出口タンク8内の出口パイプ12付近に流入した冷却水が延長部15に押し付けられることで冷却水の流れ抵抗が大きくなるため、上記した本発明の効果をより高めることができる。この場合、偏平チューブ2の下端と出口パイプ12の延長部15の上端との隙間を狭めることで、上記した本発明の効果をより一層高めることもできる。
【0027】
さらに、前記循環ポンプがラジエータ1の下流側に配置された冷却回路では、偏平チューブ2から出口タンク8の出口パイプ12付近に流入した冷却水は、延長部15を回り込むように引っ張られて出口パイプ12内に引き込まれる。そのため、偏平チューブ2の下端と出口パイプ12の延長部15の上端との隙間の大きさの影響を受け難いため、出口タンク8内への偏平チューブ2の出代や出口パイプ12の延長部15の配置の設計自由度を向上させることができる。
【0028】
なお、出口パイプ12の延長部15の先端15aは、図4に示されているように、出口パイプ12の延長部15の先端15aは、出口タンク8の一方の側面11に最も近い前記偏平チューブ2の奥行き方向の中央位置から、出口タンクの一方の側面11から3番目に近い偏平チューブ2の他方の側面14側の開口端までの範囲L2内に位置するように形成されていても良い。これにより、一方の側面11から近い偏平チューブ2の1本から3本において、流量を抑制し、各偏平チューブ2内の流量の均一化を図ることにより、偏平チューブ2に発生する熱応力を低減させて耐久性の向上を図ると共に、ラジエータの性能の向上を図ることができる
【0029】
さらに、出口パイプ12の延長部15は、偏平チューブ2のうちの一方の側面11に最も近いチューブ列6Aの偏平チューブ2を延長させた仮想延長部分と重なる位置であって、他方の側面14に最も近いチューブ列6Dの偏平チューブ2を延長させた仮想延長部分と重なる位置を除いた範囲内に位置するように形成されていても良い。
【0030】
なお、上記した本発明の実施形態の説明では、4列のチューブ列6A,6B,6C,6Dが配置されているラジエータ1について説明したが、本発明の適用は、このようなラジエータ1に限定されるものではなく、例えば、3列のチューブ列が配置されているラジエータや、5列以上のチューブ列が配置されているラジエータにも適用可能である。
【0031】
そして、例えば、3列のチューブ列が配置されているラジエータでは、出口パイプ12の延長部15の先端15aは、出口タンク8の一方の側面11に最も近いチューブ列の偏平チューブ2の中央位置から、出口タンク8の一方の側面11から2番目に近いチューブ列の偏平チューブ2の他方の側面14側の開口端までの範囲L2内に位置するように形成されているのが良い。この場合にも上記したのと同等の効果を得ることができる。
【0032】
また、例えば、5列以上のチューブ列が配置されているラジエータでは、出口パイプ12の延長部15の先端15aは、出口タンク8の一方の側面11に最も近いチューブ列の偏平チューブ2の中央位置から、一方の側面11から3番目に近いチューブ列の偏平チューブ2の他方の側面14側の開口端までの範囲L2内に位置するように形成されているのが良い。この場合にも上記したのと同等の効果を得ることができる。
【0033】
なお、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係るラジエータの内部流量調整機構における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記した実施態様に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0034】
1 ラジエータ
2 偏平チューブ
5 コア
7 入口タンク
8 出口タンク
9 (入口タンクの)一方の側面
10 入口パイプ
11 (出口タンクの)一方の側面
12 出口パイプ
14 (出口タンクの)他方の側面
15 延長部(内部流量調整機構)
15a 先端
16 開口部
L1 出口タンクの一方の側面に最も近い偏平チューブの奥行き方向における中央位置から出口タンクの他方の側面から2番目に近い偏平チューブの奥行き方向における中央位置までの範囲
L2 出口タンクの一方の側面に最も近い偏平チューブの奥行き方向における中央位置から出口タンクの一方の側面から3番目に近い偏平チューブの他方の側面側の開口端までの範囲
図1
図2
図3
図4