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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006994
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20250109BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20250109BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20250109BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20250109BHJP
【FI】
G06F1/16 312L
G06F1/16 312M
G06F1/18 F
G06F1/16 312E
H05K5/02 R
H01R12/71
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108092
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】増茂 俊彦
【テーマコード(参考)】
4E360
5E223
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB13
4E360BB02
4E360BB12
4E360EA14
4E360GA12
4E360GB43
5E223AA11
5E223AB01
5E223AB08
5E223AB15
5E223AC23
5E223AC50
5E223BA07
5E223CD01
5E223DB11
5E223DB22
(57)【要約】
【課題】構造が簡略であって、コネクタの破損が起こりにくい電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、カバー板、およびカバー板の側縁に設けられた側板113Aを有する筐体と、筐体の内部に設けられた基板30と、基板30に実装され、側板113Aに形成された窓部を通して外部コネクタと接続可能なコネクタ10と、筐体の内部に設けられた固定部材と、を備える。固定部材は、筐体に取り付けられた主板部と、主板部と一体に形成された規制板部45とを有する。規制板部45は、主板部の側縁から側板113Aに沿って突出する。規制板部45に、コネクタ10が挿通する挿通孔50が形成されている。挿通孔50は、コネクタ10の接続方向に直交する方向のコネクタ10の移動を規制する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー板、および前記カバー板の側縁に設けられた側板を有する筐体と、
前記筐体の内部に設けられた基板と、
前記基板に実装され、前記側板に形成された窓部を通して外部コネクタと接続可能なコネクタと、
前記筐体の内部に設けられた固定部材と、を備え、
前記固定部材は、
前記筐体に取り付けられた主板部と、
前記主板部と一体に形成され、前記主板部の側縁から前記側板に沿って突出する規制板部と、を有し、
前記規制板部に、前記コネクタが挿通する挿通孔が形成され、
前記挿通孔は、前記コネクタの接続方向に直交する方向の前記コネクタの移動を規制する、
電子機器。
【請求項2】
前記側板に、被係止部が形成され、
前記規制板部に、前記被係止部に係止する係止部が形成されている、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記基板に、前記基板から離れる方向の前記コネクタの移動を規制する補強部材が設けられている、
請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
複数のキートップが前記カバー板の表面に露出するキーボードをさらに備え、
前記固定部材は、前記キーボードを前記筐体に固定する、
請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記コネクタは複数設けられ、
複数の前記コネクタは、前記基板の一方の側縁に近接して設けられた第1コネクタと、前記基板の他方の側縁に近接して設けられた第2コネクタと、を含み、
前記規制板部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタのうち一方のみの移動を規制する、
請求項1記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型パーソナル・コンピュータ(ノートPC)などの電子機器では、外部のプラグコネクタ(外部コネクタ)と接続可能なコネクタが設けられる。コネクタは、例えば、筐体内に設けられた基板(マザーボード)に実装される。筐体の側板にはコネクタ孔が形成されている。コネクタは、コネクタ孔を通して外部コネクタと接続できる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-36484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部コネクタをコネクタに対して接続または接続解除する際には、コネクタに大きな力が加えられ、その結果、基板に対するコネクタの固定箇所に負荷がかかる場合がある。そのため、コネクタの破損が起こらないように、金属からなる補強部材によって、コネクタと基板との固定箇所を補強することがある。補強部材は、例えば、ネジ止め等により基板とともに筐体に固定される。
【0005】
十分な補強効果を得るには、補強部材に高い機械的強度および厚みが必要である。そのため、電子機器の厚み、および製造コストに影響が出る可能性がある。そのため、簡略な構造でコネクタの破損を起こりにくくすることが求められている。
【0006】
本発明の一態様は、構造が簡略であって、コネクタの破損が起こりにくい電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、カバー板、および前記カバー板の側縁に設けられた側板を有する筐体と、前記筐体の内部に設けられた基板と、前記基板に実装され、前記側板に形成された窓部を通して外部コネクタと接続可能なコネクタと、前記筐体の内部に設けられた固定部材と、を備え、前記固定部材は、前記筐体に取り付けられた主板部と、前記主板部と一体に形成され、前記主板部の側縁から前記側板に沿って突出する規制板部と、を有し、前記規制板部に、前記コネクタが挿通する挿通孔が形成され、前記挿通孔は、前記コネクタの接続方向に直交する方向の前記コネクタの移動を規制する、電子機器を提供する。
【0008】
前記電子機器では、前記側板に、被係止部が形成され、前記規制板部に、前記被係止部に係止する係止部が形成されていることが好ましい。
【0009】
前記電子機器では、前記基板に、前記基板から離れる方向の前記コネクタの移動を規制する補強部材が設けられていることが好ましい。
【0010】
前記電子機器では、複数のキートップが前記カバー板の表面に露出するキーボードをさらに備え、前記固定部材は、前記キーボードを前記筐体に固定することが好ましい。
【0011】
前記コネクタは複数設けられ、複数の前記コネクタは、前記基板の一方の側縁に近接して設けられた第1コネクタと、前記基板の他方の側縁に近接して設けられた第2コネクタと、を含み、前記規制板部は、前記第1コネクタと前記第2コネクタのうち一方のみの移動を規制することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、構造が簡略であって、コネクタの破損が起こりにくい電子機器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る電子機器の斜視図である。
図2】実施形態に係る電子機器の第2筐体をウラ面側から見た分解斜視図である。
図3】実施形態に係る電子機器の第1固定部材の一部の斜視図である。
図4】実施形態に係る電子機器の第1固定部材、基板および第1コネクタの斜視図である。
図5】実施形態に係る電子機器の第1固定部材、基板、第1コネクタおよび第1補強部材の斜視図である。
図6】実施形態に係る電子機器の第2固定部材の一部の斜視図である。
図7】実施形態に係る電子機器の第2固定部材、基板および第2コネクタの斜視図である。
図8】実施形態に係る電子機器の第2補強部材の斜視図である。
図9】実施形態に係る電子機器の第2固定部材、基板、第2コネクタおよび第2補強部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[電子機器]
実施形態に係る電子機器について説明する。図1は、実施形態に係る電子機器100の斜視図である。図2は、電子機器100の第2筐体102をウラ面側から見た分解斜視図である。
【0015】
図1に示すように、電子機器100は、第1筐体101と、第2筐体102(筐体)と、複数のコネクタ10,20と、基板30(図2参照)と、固定構造体40(図2参照)と、キーボード107とを備える。電子機器100は、例えば、ノートPC(PC:パーソナルコンピュータ)である。
【0016】
第1筐体101と第2筐体102とは、端部どうしがヒンジ機構110を介して連結されている。第1筐体101は、第2筐体102に対して、ヒンジ機構110がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。
【0017】
第1筐体101は、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。第1筐体101は、矩形板状に形成されている。第1筐体101の端部のうちヒンジ機構110が設けられた端部を、第1基端部101bと呼ぶ。第1基端部101bとは反対側の端部を、第1開放端部101aと呼ぶ。第1筐体101は、ディスプレイ103を搭載している。ディスプレイ103は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(EL:Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。
【0018】
第2筐体102は、システム筐体とも呼ばれる。第2筐体102は、矩形板状に形成されている。第2筐体102の端部のうちヒンジ機構110が設けられた端部を第2基端部102bと呼ぶ。第2基端部102bとは反対側の端部を第2開放端部102aと呼ぶ。
【0019】
第2筐体102において、第2基端部102bから第2開放端部102aに向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前方および後方を「前後方向」と総称する。
【0020】
第2筐体102については、XYZ直交座標系を用いて各構成の位置関係を説明することがある。X方向は、前後方向である。+Xの向きは前方である。-Xの向きは後方である。Y方向は、X方向と直交する左右方向である。+Yの向きは右方である。-Yの向きは左方である。Z方向は、第2筐体102の厚さ方向であって、X方向およびY方向に直交する方向である。Z方向は上下方向である。+Zの向きは上方である。-Zの向きは下方である。Z方向は高さ方向である。Z方向(上下方向)から見ることを平面視という。X方向とY方向とを含む平面はXY平面である。X方向とZ方向とを含む平面はXZ平面である。Y方向とZ方向とを含む平面はYZ平面である。
【0021】
第2筐体102は、第1カバー板111(カバー板)と、第2カバー板112(カバー板)と、一対の側板113,113と、前板114と、後板115とを備える。第2筐体102は、平板状のケース体である。第2筐体102は、例えば、プラスチック、金属などで構成される。
【0022】
第1カバー板111は、XY平面に沿う。第1カバー板111は、平面視において矩形状とされている。第2カバー板112は、平面視において矩形状とされている。第2カバー板112は、第1カバー板111に対して間隔をおいて第1カバー板111と向かい合う。第2カバー板112は、第2筐体102を載置面(デスクの上面など)に置いたときに、載置面に対面する。
【0023】
一対の側板113のうち一方の側板113は、第1側板113Aである。第1側板113Aは、第1カバー板111の-Y側の側縁から第2カバー板112の-Y側の側縁にかけて形成されている。第1側板113Aは、XZ平面に沿って形成されている。一対の側板113のうち他方の側板113は、第2側板113Bである。第2側板113Bは、第1カバー板111の+Y側の側縁から、第2カバー板112の+Y側の側縁にかけて形成されている。第2側板113Bは、XZ平面に沿って形成されている。
【0024】
前板114は、第1カバー板111の前端から第2カバー板112の前端にかけて形成されている。後板115は、第1カバー板111の後端から第2カバー板112の後端にかけて形成されている。
【0025】
キーボード107(被固定部品)は、支持板121(図2参照)と、複数のキートップ122とを備える。キーボード107は、第2筐体102に搭載されている。支持板121は、第1カバー板111のウラ面(-Z側の面)に重ねられている(図2参照)。
【0026】
キートップ122は、第1カバー板111の表面(オモテ面)(+Z側の面)に露出している。第2筐体102は、タッチパッド108を搭載する。キーボード107およびタッチパッド108は、入力デバイスの例である。
【0027】
(第2筐体の内部構造)
第2筐体102の内部構造について説明する。
図2に示すように、固定構造体40は、キーボード107をウラ面側から支持する。固定構造体40は、例えば、キーボード107を第2筐体102に固定する。固定構造体40は、第2筐体102の内部に設けられている。
【0028】
固定構造体40は、受け板41と、第1固定部材42と、第2固定部材43とを備える。
受け板41は、矩形状に形成されている。受け板41は、例えば、長手方向がY方向に沿う長方形状とされている。受け板41は、例えば、金属、プラスチックなどで形成されている。
【0029】
受け板41は、キーボード107のウラ面(-Z側の面)に重ねられている。受け板41は、XY平面に沿う。受け板41は、例えば、第1カバー板111から突出する固定用突起などによって第1カバー板111に固定されている。
【0030】
第1固定部材42(固定部材)は、第1主板部44(主板部)と、第1規制板部45(規制板部)と、を備える。第1主板部44は、X方向に延在する長板状とされている。第1主板部44は、XY平面に沿う。第1主板部44は、受け板41の一方の側縁(-Y側の側縁)を含む部分に固定されている。第1主板部44は、例えば、金属、プラスチックなどで形成されている。
【0031】
第2固定部材43(固定部材)は、第2主板部46(主板部)と、第2規制板部47(規制板部)と、を備える。第2主板部46は、X方向に延在する長板状とされている。第2主板部46は、XY平面に沿う。第2主板部46は、受け板41の他方の側縁(+Y側の側縁)を含む部分に固定されている。第2主板部46は、例えば、金属、プラスチックなどで形成されている。
【0032】
第1主板部44および第2主板部46は、例えば、第1カバー板111から突出する固定用突起などによって第1カバー板111に取り付けられる。第1主板部44および第2主板部46を第1カバー板111に取り付ける構造は特に限定されない。第1主板部44および第2主板部46は、ネジ止め等によって第1カバー板111に取り付けられてもよい。
【0033】
基板30は、例えば、マザーボードである。基板30は、矩形状に形成されている。基板30は、例えば、長手方向がY方向に沿う長方形状とされている。基板30は、例えば、ガラスエポキシなどの絶縁体で構成される。基板30は、固定構造体40のウラ面(-Z側の面)に重ねられている。基板30は、XY平面に沿う。
【0034】
基板30のウラ面(-Z側の面)には、第1コネクタ10および第2コネクタ20が実装されている。第1コネクタ10および第2コネクタ20は、はんだ付けなどにより基板30に接合されている。第1コネクタ10および第2コネクタ20は、コネクタの例である。
【0035】
第1コネクタ10は、基板30の一方の側縁(-Y側の側縁)の後部に近接して設けられている。第2コネクタ20は、基板30の他方の側縁(+Y側の側縁)の前部に近接して設けられている。
【0036】
第1コネクタ10および第2コネクタ20は、例えば、USB(USB:Universal Serial Bus)コネクタ(TypeA、TypeB、TypeC)、HDMI(登録商標、High-Definition Multimedia Interface)コネクタ、miniUSBコネクタ、microUSBコネクタなどである。第1コネクタ10および第2コネクタ20は、例えば、雌コネクタである。
【0037】
第1コネクタ10および第2コネクタ20は、例えば、外部のプラグコネクタ(外部コネクタ)と接続可能である。第1コネクタ10は、+Yの向きに挿入された外部コネクタと接続される。第1コネクタ10は、外部コネクタを-Yの向きに抜出することで接続解除される。第2コネクタ20は、-Yの向きに挿入された外部コネクタと接続される。第2コネクタ20は、外部コネクタを+Yの向きに抜出することで接続解除される。
【0038】
第1コネクタ10および第2コネクタ20の断面形状(XZ平面に沿う断面形状)は、例えば、長手方向がX方向に沿う長円形状とされている。第1コネクタ10および第2コネクタ20の断面形状は、特に限定されない。第1コネクタ10および第2コネクタ20の断面形状は、矩形状であってもよい。
【0039】
(第1コネクタ10の周辺の構造)
第1規制板部45は、第1主板部44の-Y側の側縁の後部に形成されている。第1規制板部45は、第1主板部44の-Y側の側縁から-Z側に突出する。
【0040】
図3は、第1固定部材42の一部の斜視図である。
図3に示すように、第1規制板部45は、第1主板部44に交差する方向、例えば、第1主板部44に対して垂直な方向に突出している。第1規制板部45は、例えば、XZ平面に沿って形成されている。第1規制板部45は、第1側板113Aに沿って形成されている。
【0041】
第1規制板部45は、第1主板部44と一体に形成されている。例えば、金属板を曲げ加工することによって、第1主板部44と第1規制板部45とを形成することができる。
【0042】
第1規制板部45は、Y方向から見て第1側板113Aと重なる。第1規制板部45は、第1側板113Aの内面に対面する。第1規制板部45は、第1側板113Aの内面に接触していてもよいし、第1側板113Aの内面に対して非接触であってもよい。
【0043】
第1規制板部45は、本体部48と、一対の係止部49とを備える。本体部48は、矩形板状に形成されている。本体部48は、例えば、長手方向がX方向に沿う長方形状とされている。
【0044】
本体部48には、挿通孔50が形成されている。挿通孔50は、本体部48に、一方の面から他方の面にかけて貫通して形成されている。挿通孔50は、本体部48を厚さ方向に貫通する。挿通孔50は、例えば、長手方向がX方向に沿う長円形状とされている。長円形は、例えば、向かい合う2つの直線と、2つの直線の一端どうしを結ぶ第1湾曲線と、2つの直線の他端どうしを結ぶ第2湾曲線とで形成される。
【0045】
挿通孔50のZ方向の内径は、例えば、第1コネクタ10の先端部分のZ方向の外径とほぼ同じ、または第1コネクタ10の先端部分のZ方向の外径よりよりやや大きい。挿通孔50のX方向の内径は、例えば、第1コネクタ10の先端部分のX方向の外径とほぼ同じ、または第1コネクタ10の先端部分のX方向の外径よりよりやや大きい。これにより、挿通孔50は、第1コネクタ10の接続方向(Y方向)に直交する方向(すなわち、XZ平面に沿う方向)の第1コネクタ10の移動を規制することができる。
【0046】
一対の係止部49のうち一方の係止部49は、本体部48の前端から前方に突出する突起(凸部)である。一対の係止部49のうち他方の係止部49は、本体部48の後端から後方に突出する突起(凸部)である。係止部49は、例えば、矩形状である。
【0047】
第1側板113Aには、第1コネクタ10に対応する位置に、第1窓部116(窓部、開口部)が形成されている。第1窓部116は、第1側板113Aを厚さ方向に貫通する。第1窓部116は、例えば、長手方向がX方向に沿う長円形状とされている。
【0048】
第1窓部116の形状は、例えば、挿通孔50の形状と同じである。第1窓部116の大きさは、例えば、挿通孔50の大きさと同じである。第1窓部116は、Y方向から見て少なくとも一部が挿通孔50と重なる。第1窓部116は、Y方向から見て全体が挿通孔50と重なることが好ましい。第1窓部116には、第1コネクタ10または外部コネクタが挿通する。
【0049】
第1側板113Aの内面には、一対の支持壁131が形成されている。支持壁131は、第1側板113Aの内面から+Y側に突出する。支持壁131は、YZ平面に沿う壁状とされている。一対の支持壁131のうち一方の支持壁131は、第1窓部116より前側の位置に形成されている。一対の支持壁131のうち他方の支持壁131は、第1窓部116より後側の位置に形成されている。
【0050】
支持壁131には、第1規制板部45の係止部49が係止する凹部である被係止部132が形成されている。被係止部132は、例えば、支持壁131の-Z側の縁から+Z側に凹状となる凹部である。被係止部132は、支持壁131の一部と第1側板113Aとの間に形成された凹部であるため、第1側板113Aに形成された凹部である。
【0051】
係止部49が被係止部132に入り込んで係止することによって、第1規制板部45は移動規制を受ける。例えば、係止部49は、支持壁131によって+Y側および+Z側の移動が規制される。そのため、第1規制板部45の位置ずれを抑えることができる。よって、第1規制板部45によって第1コネクタ10の移動を規制する効果を高めることができる。
【0052】
図4は、第1固定部材42、基板30および第1コネクタ10の斜視図である。
図4に示すように、第1規制板部45の挿通孔50には、第1コネクタ10が挿通する。これにより、第1規制板部45は、第1コネクタ10の接続方向(Y方向)に直交する方向の第1コネクタ10の移動を規制することができる。例えば、第1規制板部45は、第1コネクタ10のZ方向、X方向などの移動を規制する。
【0053】
図5は、第1固定部材42、基板30、第1コネクタ10および第1補強部材31の斜視図である。
図5に示すように、第1補強部材31(補強部材)は、カバー板部31Aと、一対の側板部31Bと、一対の取付板部31Cとを備える。第1補強部材31は、例えば、金属、プラスチックなどで形成されている。
【0054】
カバー板部31Aは、矩形状とされている。カバー板部31Aは、第1コネクタ10の-Z側の面に重ねられる。側板部31Bは、矩形状とされている。一対の側板部31Bは、それぞれカバー板部31Aの前端および後端から+Z側に突出する。一対の取付板部31Cは、側板部31Bの+Z側の端からそれぞれ-X側および+X側に突出する。取付板部31Cは基板30の-Z側の面に重ねられる。取付板部31Cはネジ止め等により基板30に固定される。第1補強部材31は、カバー板部31Aによって、基板30から離れる方向(-Zの向き)の第1コネクタ10の移動を規制する。
【0055】
電子機器100では、第1規制板部45は、固定構造体40の一方の側縁(-Y側の側縁)のみに設けられている。そのため、第1規制板部45は、第1コネクタ10と第2コネクタ20のうち第1コネクタ10のみについて移動を規制する。
【0056】
(第2コネクタ20の周辺の構造)
図2に示すように、第2規制板部47は、第2主板部46の+Y側の側縁の前部に形成されている。第2規制板部47は、第2主板部46の+Y側の側縁から-Z側に突出する。
【0057】
図6は、第2固定部材43の一部の斜視図である。
図6に示すように、第2規制板部47は、第2主板部46に交差する方向、例えば、第2主板部46に対して垂直な方向に突出している。第2規制板部47は、例えば、XZ平面に沿って形成されている。第2規制板部47は、第2側板113Bに沿って形成されている。
【0058】
第2規制板部47は、第2主板部46と一体に形成されている。例えば、金属板を曲げ加工することによって、第2主板部46と第2規制板部47とを形成することができる。
【0059】
第2規制板部47は、Y方向から見て第2側板113Bと重なる。第2規制板部47は、第2側板113Bの内面に対面する。第2規制板部47は、第2側板113Bの内面に接触していてもよいし、第2側板113Bの内面に対して非接触であってもよい。
【0060】
第2規制板部47は、基部58と、一対の突出部59とを備える。基部58は、例えば、矩形状に形成されている。基部58は、例えば、長手方向がX方向に沿う長方形状とされている。
【0061】
一対の突出部59は、基部58の-Z側の縁58aから-Z側に突出して形成されている。突出部59は、例えば、矩形状に形成されている。一対の突出部59は、X方向に間隔をおいて形成されている。一対の突出部59の間には、挿通部60が形成されている。突出部59は、挿通部60を隔てて基部58から突出する。
【0062】
挿通部60は、基部58の-Z側の縁58aと、一対の突出部59の内縁59aとで形成された矩形状の凹部である。基部58の-Z側の縁58aはX方向に沿う。突出部59の内縁59aはZ方向に沿う。挿通部60は、第2規制板部47の-Z側の縁に、+Z側に向けて凹状に形成された凹部である。すなわち、挿通部60は、-Z側(突出部59の突出方向側)が開放された凹部である。
【0063】
突出部59の高さ(Z方向の寸法)は、X方向に沿う方向の第2コネクタ20の移動を規制できるように定められる。挿通部60のX方向の寸法(一対の突出部59の離間距離)は、例えば、第2コネクタ20の先端部分のX方向の外径とほぼ同じ、または第2コネクタ20の先端部分のX方向の外径よりよりやや大きい。これにより、挿通部60は、第2コネクタ20の接続方向(Y方向)に直交する方向(すなわち、XZ平面に沿う方向)の第2コネクタ20の移動を規制することができる。
【0064】
突出部59には、係合受け部61が形成されている。係合受け部61は、突出部59の-Y側の面に形成された凹部である。例えば、係合受け部61は、突出部59を厚さ方向に貫通する孔部である。係合受け部61は、例えば、長手方向がZ方向(突出部59の突出方向)に沿うスリット状とされている。係合受け部61は、突出部59を厚さ方向に貫通しない凹部であってもよい。
【0065】
第2側板113Bには、第2コネクタ20に対応する位置に、第2窓部126(窓部、開口部)が形成されている。第2窓部126は、第2側板113Bを厚さ方向に貫通する。第2窓部126は、例えば、長手方向がX方向に沿う長円形状とされている。第2窓部126は、Y方向から見て少なくとも一部が挿通部60と重なる。第2窓部126には、第2コネクタ20または外部コネクタが挿通する。
【0066】
図7は、第2固定部材43、基板30および第2コネクタ20の斜視図である。
図7に示すように、第2規制板部47の挿通部60(図6参照)には、第2コネクタ20が挿通する。これにより、第2規制板部47は、第2コネクタ20の接続方向(Y方向)に直交する方向の第2コネクタ20の移動を規制することができる。例えば、第2規制板部47は、第2コネクタ20の+Z側の移動、X方向の移動などを規制する。
【0067】
図8は、第2補強部材32の斜視図である。図8に示すように、第2補強部材32(補強部材)は、カバー板部32Aと、一対の側板部32Bと、一対の取付板部32Cとを備える。第2補強部材32は、例えば、金属、プラスチックなどで形成されている。
【0068】
カバー板部32Aは、矩形状とされている。側板部32Bは、矩形状とされている。一対の側板部32Bは、それぞれカバー板部32Aの前端および後端から+Z側に突出する。一対の取付板部32Cは、側板部32Bの+Z側の端からそれぞれ-X側および+X側に突出する。
【0069】
一対の側板部32Bの+Y側の端縁には、それぞれ係合突起62(係合部)が形成されている。係合突起62は、側板部32Bの+Y側の端縁から+Y側に突出して形成されている。係合突起62は、Z方向に沿う板状とされている。係合突起62は、例えば、XZ面に沿う矩形板状とされている。係合突起62は、突出部59の係合受け部61に挿入可能である。
【0070】
図9は、第2固定部材43、基板30、第2コネクタ20および第2補強部材32の斜視図である。
図9に示すように、カバー板部32Aは、第2コネクタ20の-Z側の面に重ねられる。取付板部32Cは基板30の-Z側の面に重ねられる。取付板部32Cはネジ止め等により基板30に固定される。第2補強部材32は、カバー板部32Aによって、基板30から離れる方向の第2コネクタ20の移動を規制する。
【0071】
係合突起62は、突出部59の係合受け部61に挿入される。これにより、第2補強部材32を第2規制板部47に対して位置決めすることができる。そのため、第2規制板部47による第2コネクタ20の移動を規制する効果を高めることができる。
【0072】
第2規制板部47は、固定構造体40の他方の側縁(+Y側の側縁)のみに設けられている。そのため、第2規制板部47は、第1コネクタ10と第2コネクタ20のうち第2コネクタ20のみについて移動を規制する。
【0073】
[電子機器の組立方法]
第2筐体102に固定構造体40および基板30を組み付ける方法の一例を説明する。
図2に示すように、第2筐体102の第1カバー板111にキーボード107を取り付ける。
固定構造体40をキーボード107のウラ面(-Z側の面)に重ねる。受け板41および主板部44,46を、固定用突起などによって第1カバー板111に取り付ける。これにより、固定構造体40は、キーボード107を第1カバー板111に固定する。
【0074】
基板30を、-Yの向きに固定構造体40に近づくように傾けた姿勢とする。第1コネクタ10を第1規制板部45の挿通孔50に挿通させる(図4参照)。挿通孔50に対する第1コネクタ10の挿通箇所を支点として基板30の傾きが小さくなるよう基板30の姿勢を変化させる。これにより、第2コネクタ20は第2規制板部47に近づき、挿通部60に入り込む(図7参照)。
【0075】
次いで、第1補強部材31を基板30に取り付ける(図5参照)。第2補強部材32を基板30に取り付ける(図9参照)。
このような手法により、第2筐体102に固定構造体40および基板30を組み付けることができる。
【0076】
[実施形態の電子機器が奏する効果]
本実施形態の電子機器100は、第2筐体102内に第1固定部材42を備える(図3参照)。第1固定部材42は、挿通孔50が形成された第1規制板部45を有する。挿通孔50は、接続方向(Y方向)に直交する方向の第1コネクタ10の移動を規制する。そのため、外部のコネクタによって第1コネクタ10に力が加えられた場合でも、基板30に対する第1コネクタ10の変位を抑えることができる。よって、第1コネクタ10の破損は起こりにくい。
【0077】
第1規制板部45は第1主板部44と一体に形成されているため、高い機械的強度を有する。よって、第1規制板部45によって第1コネクタ10の移動を規制する効果を高めることができる。
【0078】
電子機器100では、第1固定部材42が第1規制板部45を有するため、キーボード107を固定するための第1固定部材42に、第1コネクタ10の移動を規制する機能を与えることができる。そのため、第1コネクタ10の移動規制のための専用部品を新たに設ける場合に比べ、構造が簡略である。よって、省スペース化、軽量化および低コスト化を図ることができる。
【0079】
電子機器100では、第1側板113Aに被係止部132が形成されている。第1規制板部45に係止部49が形成されている。係止部49は被係止部132に係止する。そのため、第1規制板部45の位置ずれを抑えることができる。よって、第1規制板部45によって第1コネクタ10の移動を規制する効果を高めることができる。
【0080】
電子機器100では、基板30に、第1補強部材31が設けられている(図5参照)。そのため、第1コネクタ10に力が加えられた場合でも、基板30から離れる方向の第1コネクタ10の変位を規制することができる。よって、第1コネクタ10は破損しにくくなる。
【0081】
電子機器100では、第1規制板部45は、基板30の両側縁にそれぞれ近接して設けたコネクタ10,20のうち第1コネクタ10のみの移動を規制する。そのため、第1コネクタ10を挿通孔50に容易に挿通させることができる。よって、コネクタ10,20の両方に対してそれぞれ第1規制板部45を設けた場合に比べ、第2筐体102に基板30を組み付ける工程が容易となる。
【0082】
電子機器100では、基板30に第2補強部材32が設けられている(図9参照)。第2規制板部47には係合受け部61が形成されている。第2補強部材32には、係合受け部61に係合する係合突起62が形成されている。第2補強部材32が第2規制板部47に係合して移動規制を受けるため、外部のコネクタによって第2コネクタ20に力が加えられた場合でも、基板30から離れる方向の第2コネクタ20の変位は起こりにくくなる。よって、第2コネクタ20の破損は起こりにくい。
【0083】
電子機器100では、第2固定部材43が第2規制板部47を有するため、キーボード107を固定するための第2固定部材43に、第2コネクタ20の移動を規制する機能を与えることができる。そのため、第2コネクタ20の移動規制のための専用部品を新たに設ける場合に比べ、構造が簡略である。よって、省スペース化、軽量化および低コスト化を図ることができる。
【0084】
第2規制板部47には、挿通部60を隔てて2つの突出部59が形成されている。係合受け部61は2つの突出部59にそれぞれ形成されている。そのため、第2補強部材32は、挿通部60の前後の2箇所で第2規制板部47に係合する。よって、外部のコネクタによって第2コネクタ20に力が加えられた場合でも、第2コネクタ20の変位は起こりにくくなる。
【0085】
第2規制板部47に形成された挿通部60は-Z側が開放された凹部であるため、第1コネクタ10の挿通箇所を支点として基板30の姿勢を変えることで、第2コネクタ20を挿通部60に入り込ませることができる。そのため、第2コネクタ20を挿通部60内に配置する工程は容易となる。よって、電子機器100の組み立ては容易となる。
【0086】
係合突起62は、Z方向に沿う板状とされているため、Z方向の力に対する強度が高い。第2補強部材32が第2規制板部47に係合して移動規制を受けるため、第2補強部材32にZ方向の力に加えられた場合でも、基板30から離れる方向の第2コネクタ20の変位は起こりにくくなる。よって、第2コネクタ20の破損は起こりにくい。
【0087】
電子機器100では、第2規制板部47は、基板30の両側縁にそれぞれ近接して設けたコネクタ10,20のうち第2コネクタ20のみの移動を規制する。そのため、第1コネクタ10の周辺構造にかかわらず、第2コネクタ20を挿通部60に容易に配置することができる。よって、第2筐体102に基板30を組み付ける工程が容易となる。
【0088】
この発明の具体的な構成は上述の実施形態に限られず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0089】
図3に示すように、電子機器100において、第1規制板部45の本体部48は、挿通孔50を有する環状構造を有するが、本体部は一部が分断されていてもよい。すなわち、本体部は環状に限らず、C形状であってもよい。
【0090】
図3に示すように、電子機器100において、被係止部132は凹部である。係止部49は、被係止部132に係止する突起(凸部)である。しかし、被係止部および係止部の構造は特に限定されない。例えば、被係止部が凸部であって、係止部が被係止部に係止する凹部であってもよい。すなわち、被係止部と係止部は、一方が凹部であって、他方が凸部であればよい。
【0091】
電子機器100では、第1主板部44および第2主板部46は第1カバー板111に取り付けられるが、第1主板部および第2主板部は、第2カバー板112に取り付けられていてもよい。
【0092】
図9に示すように、電子機器100において、第2規制板部47に形成された係合受け部61は孔部(凹部)である。第2補強部材32に形成された係合突起62(係合部)は凸部である。しかし、係合受け部および係合部の構造は特に限定されない。例えば、係合受け部が凸部であって、係合部が係合受け部に係合する凹部であってもよい。すなわち、係合受け部と係合部は、一方が凹部であって、他方が凸部であればよい。
【0093】
図2に示すように、電子機器100において、固定構造体40はキーボード107を固定するが、固定構造体が固定する対象物(被固定部品)はキーボード107に限らない。固定構造体が固定する被固定部品は、バッテリなどでもよい。
【符号の説明】
【0094】
10…第1コネクタ(コネクタ)、20…第2コネクタ、30…基板、31…第1補強部材(補強部材)、42…第1固定部材(固定部材)、44…第1主板部(主板部)、45…第1規制板部(規制板部)、49…係止部、50…挿通孔、100…電子機器、102…第2筐体(筐体)、107…キーボード、111…第1カバー板(カバー板)、113A…第1側板(側板)、116…第1窓部(窓部)、132…被係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9