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  • 特開-ヘルメット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007026
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ヘルメット
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/04 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A42B3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108155
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000107619
【氏名又は名称】スターライト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003823
【氏名又は名称】弁理士法人柳野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 義則
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107CA02
3B107DA07
3B107DA21
3B107EA09
(57)【要約】
【課題】ヘルメット帽体に孔を空けることなく、保持部材がヘルメット帽体の縁部において周方向にずれることを防ぐことにより、意匠性を向上させることが可能となる、ヘルメットを提供する。
【解決手段】ヘルメット1は、ヘルメット帽体2と、ヘルメット帽体2の縁部2aに沿って巻回されるバンドBを保持する保持部材10と、を備え、ヘルメット帽体2の外面における縁部2aの近傍には、外側に向かって突出する嵌合部21が形成され、保持部材10には、嵌合部21に嵌合するクリップ部11と、バンドBを保持する保持部13と、が形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメット帽体と、前記ヘルメット帽体の縁部に沿って巻回されるバンドを保持する保持部材と、を備えるヘルメットであって、
前記ヘルメット帽体の外面における前記縁部の近傍には、外側に向かって突出する嵌合部が形成され、
前記保持部材には、前記嵌合部に嵌合するクリップ部と、前記バンドを保持する保持部と、が形成される、ヘルメット。
【請求項2】
前記縁部の近傍には複数個の前記嵌合部が形成され、
それぞれの前記嵌合部に対応する複数個の前記保持部材が設けられる、請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
前記嵌合部に対して、前記クリップ部が前記縁部の周方向と交差する方向に向けて嵌合される、請求項2に記載のヘルメット。
【請求項4】
前記嵌合部に対して、前記クリップ部が下方に向けて嵌合される、請求項3に記載のヘルメット。
【請求項5】
前記保持部は、前記ヘルメット帽体の表面との間で前記バンドを挟持する、請求項2に記載のヘルメット。
【請求項6】
前記保持部は、上側に固定側端部が形成されるとともに、下側に開口側端部が形成され、
前記バンドを前記開口側端部から上方に挿入することにより、前記保持部と前記ヘルメット帽体の表面との間で前記バンドが挟持される、請求項5に記載のヘルメット。
【請求項7】
前記保持部は、一側に挟持部が形成されるとともに、他側に開放部が形成され、
前記挟持部と前記ヘルメット帽体の表面との間で前記バンドが挟持される、請求項6に記載のヘルメット。
【請求項8】
前記保持部材には、前記クリップ部の少なくとも一部を被覆するカバー部が形成される、請求項7に記載のヘルメット。
【請求項9】
前記保持部は、前記クリップ部及び前記カバー部の上側に形成され、
前記カバー部の上部に傾斜面が形成される、請求項8に記載のヘルメット。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライトやゴーグル等の付属品を取付けることが可能なヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者が装着しているヘルメットにライトやゴーグル等の付属品を取付けることを可能とする技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-31536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、ヘルメットの縁部に取付治具を組付け、この取付治具を介してゴーグル等を取付ける技術が記載されている。この構成によれば、取付治具の交換が容易であるものの、取付治具がヘルメットの縁部において周方向にずれやすく、また、ヘルメット全体の意匠性が低下するという問題があった。一方、ヘルメットに、内外を連通する孔を空けて取付治具を固定する構成は、ヘルメットの通電性が高くなるという問題があった。そこで、本開示は、上記に関する課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前述の課題解決のために、以下のヘルメットを構成した。
【0006】
(1)ヘルメット帽体と、前記ヘルメット帽体の縁部に沿って巻回されるバンドを保持する保持部材と、を備えるヘルメットであって、前記ヘルメット帽体の外面における前記縁部の近傍には、外側に向かって突出する嵌合部が形成され、前記保持部材には、前記嵌合部に嵌合するクリップ部と、前記バンドを保持する保持部と、が形成される、ヘルメット。
【0007】
(2)前記縁部の近傍には複数個の前記嵌合部が形成され、
それぞれの前記嵌合部に対応する複数個の前記保持部材が設けられる、(1)に記載のヘルメット。
【0008】
(3)前記嵌合部に対して、前記クリップ部が前記縁部の周方向と交差する方向に向けて嵌合される、(2)に記載のヘルメット。
【0009】
(4)前記嵌合部に対して、前記クリップ部が下方に向けて嵌合される、(3)に記載のヘルメット。
【0010】
(5)前記保持部は、前記ヘルメット帽体の表面との間で前記バンドを挟持する、(2)に記載のヘルメット。
【0011】
(6)前記保持部は、上側に固定側端部が形成されるとともに、下側に開口側端部が形成され、前記バンドを前記開口側端部から上方に挿入することにより、前記保持部と前記ヘルメット帽体の表面との間で前記バンドが挟持される、(5)に記載のヘルメット。
【0012】
(7)前記保持部は、一側に挟持部が形成されるとともに、他側に開放部が形成され、
前記挟持部と前記ヘルメット帽体の表面との間で前記バンドが挟持される、(6)に記載のヘルメット。
【0013】
(8)前記保持部材には、前記クリップ部の少なくとも一部を被覆するカバー部が形成される、(7)に記載のヘルメット。
【0014】
(9)前記保持部は、前記クリップ部及び前記カバー部の上側に形成され、前記カバー部の上部に傾斜面が形成される、(8)に記載のヘルメット。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るヘルメットによれば、ヘルメット帽体に内外を連通する孔を空けることなく、保持部材がヘルメット帽体の縁部において周方向にずれることを防ぎ、ヘルメットの意匠性を向上させることが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るヘルメットを示した斜視図。
図2】本実施形態に係るヘルメットを示した平面図。
図3】本実施形態に係るヘルメットに保持部材を組付ける構成を示した斜視図。
図4】(a)及び(b)はそれぞれ、保持部材へのバンドの組付方法を示した斜視図。
図5】(a)及び(b)はそれぞれ、保持部材の使用状態の縦断面図及び横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1から図5を用いて、本発明の一実施形態に係るヘルメット1の概略構成について説明する。本明細書においては、ヘルメット1の使用者がヘルメット1を着用した際の視点でヘルメット1の方向を規定する。即ち、ヘルメット1を着用した使用者にとっての前方をヘルメット1の前方、同じく使用者にとっての右側方をヘルメット1の右側方とする。
【0018】
本実施形態に係るヘルメット1は、合成樹脂などの硬質材で形成されたヘルメット帽体(以下、単に「帽体」と記載する)2と、帽体2の縁部2aに沿って巻回されるバンドBを保持する保持部材10と、を備える。帽体2の内側には、軟質の合成樹脂等で形成された図示しないハンモック等を着脱可能とされる。
【0019】
図1及び図2に示す如く、バンドBはヘルメット1の付属品であるライトLをヘルメット1の前部に設けるために用いられるゴム製の帯状部材である。なお、バンドBを用いてヘルメット1に設けることができる付属品はライトLに限定されるものではなく、ゴーグル等の他の付属品をヘルメット1に設ける構成とすることも可能である。
【0020】
図2に示す如く、本実施形態に係るヘルメット1において、保持部材10は合計四個設けられている。本実施形態においては、ヘルメット1の前部右側、前部左側、後部右側、及び、後部左側の四箇所に保持部材10が設けられている。
【0021】
ヘルメット1に設けられる保持部材10は、前部右側と後部左側とに同形状の第一保持部材10Aが設けられ、前部左側と後部右側とに第一保持部材10Aと左右対称形状に形成された第二保持部材10Bが設けられる。第一保持部材10Aと第二保持部材10Bとは対称形状に形成されている点以外は同形状であるため、以下では「保持部材10」と総称して説明する。なお、保持部材10は1つ以上形成されていればよく、複数形成されていても良いが、バンドBを安定して保持するためには複数形成するのが望ましい。また、保持部材10を複数形成する場合、保持部材10の各々の形状が異なっていても良いし、同一でも良い。
【0022】
図3に示す如く、帽体2の外面における縁部2aの近傍には、保持部材10を設ける四箇所に、外側に向かって突出する嵌合部21が計四個形成されている。嵌合部21には上下方向に貫通する嵌合孔21aが形成されている。なお、縁部2aに嵌合部21を形成する構成とすることも可能である。即ち、本実施形態において、「縁部2aの近傍」の用語は、縁部2aそのものが形成されている領域を含む意味で用いている。
【0023】
保持部材10の裏面(保持部材10を帽体2に組付けた際に帽体2の外面に対向する面)にはクリップ部11が形成されている。図3に示す如く、嵌合部21の嵌合孔21aに対して上方からクリップ部11を嵌合させることにより、保持部材10が嵌合部21に組付けられる。
【0024】
保持部材10のクリップ部11の上側には支柱12が形成されている。支柱12の表側には支柱12の上端部から下方に向けて広がる保持部13が形成されている。換言すれば、保持部13の上側には固定側端部が形成され、下側には開口側端部が形成されている。保持部13の一側辺には裏側に向けて折れ曲がった挟持部13aが形成され、他側辺には開放部が形成されている。保持部材10を帽体2に組付けた際には、挟持部13aは帽体2の外面に当接する(図5(b)を参照)。図4(a)及び(b)に示す如く、クリップ部11の上側に形成された保持部13によりバンドBが保持される。
【0025】
クリップ部11の表側にはカバー部14が形成され、クリップ部11はカバー部14により被覆されている。カバー部14の上部には表側に向かうに従って下方に傾斜する傾斜面14aが形成されている。傾斜面14aの裏側端部からは支柱12が上方に向かって立設されている。
【0026】
保持部材10を用いてバンドBを保持する際は、図4(a)及び(b)に示す如く、バンドBをカバー部14の傾斜面14aの上側に滑り込ませ、図5(a)及び(b)に示す如く支柱12と保持部13との間に挿入する。換言すれば、バンドBを保持部13の下側における開口側端部から上側の固定側端部に向けて挿入する。この際、バンドBは図4(b)及び図5(b)に示す如く、挟持部13aと帽体2の表面との間で挟持される。これにより、バンドBが保持部材10を介してヘルメット1に保持される。
【0027】
上記の如く、本実施形態に係るヘルメット1において、保持部材10には、帽体2に形成された嵌合部21(嵌合孔21a)に嵌合するクリップ部11と、バンドBを保持する保持部13と、が一体で形成されている。これにより、帽体2に、内外を連通する孔を空けることなく、保持部材10が帽体2の縁部2aにおいて周方向にずれることを防ぐことができる。換言すると、別体の保持部13を固定するための嵌合部21が、帽体2の外面に一体で形成されていることで、帽体2に内外を連通する孔を空けることなく、帽体2に保持部13を固定する事ができると言える。また、保持部材10の取付け位置を安定させることにより、ヘルメット1の意匠性を向上させることが可能となる。
【0028】
また、本実施形態に係るヘルメット1において、帽体2の縁部2aの近傍には、四個の嵌合部21が形成され、それぞれの嵌合部21に対応する保持部材10が設けられる。これにより、ヘルメット1において縁部2aの周方向の全域においてバンドBを安定的に保持することが可能となる。なお、嵌合部21及び保持部材10の個数は四個に限定されるものではなく、他の個数とすることも可能である。
【0029】
また、本実施形態に係るヘルメット1においては、嵌合部21に対して、保持部材10のクリップ部11が、縁部2aの周方向と交差する上下方向に向けて嵌合される。より詳細には、嵌合部21において上下方向に貫通する嵌合孔21aに対して、クリップ部11が下方に向けて嵌合される。これにより、保持部材10が帽体に2に固定されるので、帽体2の縁部2aにおいて保持部材10が周方向にずれにくくすることができる。
【0030】
また、本実施形態に係るヘルメット1においては、保持部13は、挟持部13aと帽体2の表面との間でバンドBを挟持する。これにより、保持部13と帽体2との間にバンドBを挿入するだけでバンドBを保持することが可能となる。
【0031】
また、本実施形態に係るヘルメット1において、保持部13は、上側に固定側端部が形成されるとともに、下側に開口側端部が形成されている。そして、バンドBを開口側端部から上方に挿入することにより、保持部13と帽体2の表面との間でバンドBが挟持される。これにより、本実施形態の如くバンドBがゴム製で収縮性を有する場合に、バンドBが縮むことで保持部材10から抜けにくくすることができる。即ち、バンドBをヘルメット1に安定的に保持することができる。
【0032】
また、本実施形態に係るヘルメット1において、保持部13の一側には挟持部13aが形成され、他側に開放部が形成されている。そして、挟持部13aと帽体2の表面との間でバンドBが挟持される。このように、挟持部13aがバンドBを挟持するとともに、開放部でバンドBの変位を許容する構成により、使用者がバンドBを容易に動かすことが可能となる。
【0033】
また、本実施形態に係るヘルメット1において、保持部材10には、クリップ部11の少なくとも一部を被覆するカバー部14が形成される。このカバー部14により、外部衝撃によるクリップ部11の破損を防ぐことができる。
【0034】
また、本実施形態に係るヘルメット1において、保持部13は、クリップ部11及びカバー部14の上側に形成され、カバー部14の上部に傾斜面14aが形成される。これにより、バンドBを下方から保持部13の内側に挿入する際に傾斜面14aがバンドBを案内するため、ヘルメット1に対してバンドBを容易に取付けることが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
1 ヘルメット
2 帽体(ヘルメット帽体)
2a 縁部
10 保持部材 10A 第一保持部材
10B 第二保持部材 11 クリップ部
12 支柱 13 保持部
13a 挟持片 14 カバー部
14a 傾斜面
21 嵌合部 21a 嵌合孔
B バンド L ライト


図1
図2
図3
図4
図5