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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007064
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】マッサージ器具
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A61H7/00 320A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108223
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】599083411
【氏名又は名称】株式会社 MTG
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 敬
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AA02
4C100AE02
4C100AE05
4C100AE11
4C100AF07
4C100BB01
4C100CA01
4C100EA13
(57)【要約】
【課題】身体を効果的に揉み解すことができるマッサージ器具を提供する。
【解決手段】マッサージ器具10は、縁部52及び少なくとも第一面部49と第二面部51を有するカッサ13と、前記第一面部49もしくは前記第二面部51のいずれかの面に設けられ、前記第一面部49もしくは前記第二面部51のいずれかの面に対して交差する方向に延びた把持部17と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁部及び少なくとも第一面部と第二面部を有するカッサと、
前記第一面部もしくは前記第二面部のいずれかの面に設けられ、前記第一面部もしくは前記第二面部のいずれかの面に対して交差する方向に延びた把持部と、を有する、マッサージ器具。
【請求項2】
前記縁部に沿った仮想面よりも前記把持部とは反対側で、前記第一面部もしくは前記第二面部のいずれかの面に対して交差する方向に延びたシャフトと、
前記シャフトに回転自在に支持された回転体と、を有し、
前記仮想面に対して垂直方向から見たとき、前記回転体は前記縁部より外側に位置している、請求項1に記載のマッサージ器具。
【請求項3】
前記回転体、前記カッサ及び前記把持部の順で前から後に設けられている、請求項2に記載のマッサージ器具。
【請求項4】
前記把持部を基準として前記カッサは上方に設けられ、前記回転体は下方に設けられている、請求項2に記載のマッサージ器具。
【請求項5】
前記回転体は、左右に一対設けられ、
前記カッサは、前記左右の回転体と隣接する左右の縁部を有している、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のマッサージ器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1に記載されているようなマッサージ器具を使って身体をマッサージすることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-170902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マッサージ効果を高めるべく、身体を効果的に揉み解すことができるマッサージ器具が望まれた。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、身体を効果的に揉み解すことができるマッサージ器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のマッサージ器具は、縁部及び少なくとも第一面部と第二面部を有するカッサと、前記第一面部もしくは前記第二面部のいずれかの面に設けられ、前記第一面部もしくは前記第二面部のいずれかの面に対して交差する方向に延びた把持部と、を有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カッサを施術部位に押し当てた状態でカッサに力を加えやすいから、身体を効果的に揉み解すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施例におけるマッサージ器具であって、水平面に載置した状態を示す側面図である。
図2】水平面に載置した状態のマッサージ器具を示す平面図である。
図3】マッサージ器具を示す断面図であって、図2のA-A位置における断面に相当する断面図である。
図4】マッサージ器具を示す分解斜視図である。
図5】回転軸を含む面を垂直方向から見たときのマッサージ器具を示す図である。
図6】マッサージ器具を示す断面図であって、図2のB-B位置における断面に相当する断面図である。
図7】一対の回転体が施術部位を摘まみ上げる強さの強弱を説明する図であって、(A)はマッサージ器具を前進させる場合を示す図であり、(B)はマッサージ器具を後退させる場合を示す図である。
図8】仮想面に対して垂直方向の前側から見た(第一方向視の)マッサージ器具を示す図である。
図9】仮想面に対して垂直方向の後側から見た(第二方向視の)マッサージ器具を示す図である。
図10】仮想面に対して平行方向の上側から見た(第三方向視の)マッサージ器具を示す図である。
図11】マッサージ器具を身体の各部位に使用する様子を示す図であって、(A)はマッサージ器具を前腕に使用する様子を示す図であり、(B)はマッサージ器具を上腕に使用する様子を示す図である。
図12】マッサージ器具の動かし方を説明する図であって、(A)はまっすぐにマッサージ器具を動かす様子を示す図であり、(B)は弧を描くようにマッサージ器具を動かす様子を示す図である。
図13】回転体及びカッサの両方を用いて施術する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい形態を以下に示す。
[1] 本発明のマッサージ器具は、縁部及び少なくとも第一面部と第二面部を有するカッサと、前記第一面部もしくは前記第二面部のいずれかの面に設けられ、前記第一面部もしくは前記第二面部のいずれかの面に対して交差する方向に延びた把持部と、を有するものである。このような構成によれば、カッサを施術部位に押し当てた状態でカッサに力を加えやすいから、身体を効果的に揉み解すことができる。
[2]上記[1]に記載のマッサージ器具において、前記縁部に沿った仮想面よりも前記把持部とは反対側で、前記第一面部もしくは前記第二面部のいずれかの面に対して交差する方向に延びたシャフトと、前記シャフトに回転自在に支持された回転体と、を有し、前記仮想面に対して垂直方向から見たとき、前記回転体は前記縁部より外側に位置している。このような構成によれば、回転体及びカッサの両方を同時に施術部位に当ててマッサージできるから、身体を効果的に揉み解すことができる。
[3]上記[2]に記載のマッサージ器具において、前記回転体、前記カッサ及び前記把持部の順で前から後に設けられているものでもよい。このような構成によれば、回転体及びカッサの両方を同時に施術部位に押し当てやすいから、身体を効果的に揉み解すことができる。
[4]上記[2]又は[3]に記載のマッサージ器具において、前記把持部を基準として前記カッサは上方に設けられ、前記回転体は下方に設けられているものでもよい。このような構成によれば、回転体及びカッサの両方を施術部位に押し当てた状態で、回転体及びカッサの両方に力を加えやすいから、身体を効果的に揉み解すことができる。
[5]上記[2]から[4]に記載のマッサージ器具において、前記回転体は、左右に一対設けられ、前記カッサは、前記左右の回転体と隣接する左右の縁部を有しているものでもよい。このような構成によれば、マッサージ器具の左側及び右側のいずれにおいても、回転体及びカッサの両方を同時に施術部位に当てて、マッサージできるから、マッサージ器具の向きを変えて身体の様々な部位を効果的に揉み解すことができる。
【0010】
<実施例>
以下、本発明を具体化した一実施例について、図1図13を参照しつつ詳細に説明する。本実施例におけるマッサージ器具10は、主として身体へのマッサージを目的として使用される。マッサージ器具10は、図1及び図2に示すように、本体部11と、一対の回転体12と、カッサ13と、身体押圧用の突起(大突起14及び小突起15)と、を備えている。
【0011】
以下、各構成部材において、一対の回転体12と大突起14とを同時に水平面Hに当てた状態における上側を上側、下側を下側、回転体12側を前側、回転体12とは反対側を後側、水平面Hに垂直に立った状態で後側から前側を見たときの右側を右側、左側を左側として説明する。各図において、X軸の正方向側は前側、X軸の負方向側は後側、Y軸の正方向側は上側、Y軸の負方向側は下側、Z軸の正方向側は右側、Z軸の負方向側は左側を示す。一対の回転体12と大突起14とを同時に水平面Hに当てた状態を載置状態と称する。
【0012】
本体部11は、図1に示すように、二股部16と、把持部17と、延出部18と、を備えている。二股部16は、本体部11の前端部に設けられている。把持部17は、二股部16よりも後方に設けられている。把持部17は、前後方向に延びた円柱状をなしている。
【0013】
把持部17の上面は、載置状態において、前側から後側へ向かって上側に傾斜している。把持部17の少なくとも一部は、マッサージ器具10を左右方向から見た側面視において、回転体12の回転軸Rの延長線よりも水平面H側に位置する。このように構成することで、把持部17を把持した腕を大きくひねらせたり、持ち替えたりすることなく、摘まみ上げと押し広げを変更しながら肌の押圧を行うことができ、操作性の良いマッサージ器具10を実現できる。把持部17の上下方向の寸法は、前側から後側へ向かって次第に小さくなっている。
【0014】
把持部17の長さ寸法17Lは、例えば100mmである。把持部17の長さ寸法17Lは、マッサージ器具10を左右方向から見た側面視における、把持部17の上縁の長さ寸法である。把持部17の長さ寸法17Lは、30mm以上200mm以下の範囲に設定すると良い。把持部17の長さ寸法17Lは、50mm以上170mm以下の範囲内であることが好ましい。把持部17の長さ寸法17Lは、80mm以上150mm以下の範囲内であることがさらに好ましい。これの場合、使用者が把持部17を把持しやすくなるため、施術部に効果的に力を加えることができる。
【0015】
把持部17の下部は、複数の凹部19を有している。複数の凹部19は、前後方向に連続して形成されている。各凹部19は、使用者の指に沿いやすい弧状をなして凹んでいる。凹部19の数が5つ、前側、後側という持ち方ができ、持ち方で力の入れ具合を変更できる。把持部17の左右方向の寸法は、図2に示すように、前側から後側に向かって次第に小さくなっている。
【0016】
把持部17が設けられる位置については特に限定されるものではないが、把持部17は側面視(図1)における、回転体12とカッサ13の最も端の幅に対して、略中央位置から延びている。略中央位置から把持部17が延びると、カッサ13及び回転体12への力のかかり方を一定とすることができ、より効果的に施術部に力を加えることができる。回転体12とカッサ13の幅に限らず、カッサ13の外縁同士の幅の略中央位置としても良く、その場合はカッサ13の外縁のいずれの場所においても力のかかり方を一定とすることができ、より効果的に施術部に力を加えることができる。
【0017】
把持部17は、図3に示すように、軸状部21と筒状部22とを有している。軸状部21は、後述するコア部品23の一部である。軸状部21は、筒状部22に形成された貫通孔24に差し込まれている。貫通孔24は、筒状部22を前後方向に貫通している。
【0018】
軸状部21にはボルト26が埋め込まれている。ボルト26は鉄等の金属によって形成されている。ボルト26は、二股部16の近傍から後方に直線状に延びている。ボルト26の後端部は、把持部17の後端から後方に突出している。
【0019】
筒状部22は、ABS樹脂等の合成樹脂によって形成されている。筒状部22の表面は、被覆部によって覆ってもよい。被覆部は、ゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性を有する素材によって形成してもよい。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリエステル系(TPC)を用いてもよい。
【0020】
延出部18は、図1に示すように、把持部17から下方に延出している。延出部18は、ABS樹脂等の合成樹脂やアルミダイカスト(ADC12等のアルミニウム合金)によって形成されている。延出部18は、前面部27、後面部28及び延出面部29を有している。
【0021】
前面部27は、把持部17より前方の位置から下方に向かって延びている。前面部27は、上端から下端に向かって後側に傾斜している。後面部28は、把持部17より後方の位置から下方に向かって延びている。後面部28は、前面部27と同等の角度で傾斜している。延出面部29は、前面部27の下端から後面部28の下端まで延びている。延出面部29は、緩やかな湾曲形状をなしている。延出面部29には、大突起14及び小突起15が設けられている。
【0022】
延出部18は、図4に示すように、把持部17に連結される前側連結部32及び後側連結部33を有している。前側連結部32は、前面部27の上端部に設けられている。前側連結部32には、コア部品23の軸状部21を通す孔34が形成されている(図3参照)。コア部品23の軸状部21は、前側連結部32の孔34を通って筒状部22の貫通孔24に差し込まれている。前側連結部32は、把持部17の前端面に当たっている。
【0023】
後側連結部33は、後面部28の上端部に設けられている。後側連結部33には、ボルト26の後端部を通す孔35が形成されている。後側連結部33は、リング36を間に挟んで把持部17の後端面に当たっている(図3参照)。ボルト26の後端部は、後側連結部33の孔35に差し込まれ、平ワッシャ37及びナイロンナット38によって後側連結部33に固定されている。後側連結部33の後面にはナットキャップ39が取り付けられている。ナットキャップ39は、ナイロンナット38を覆っている。
【0024】
一対の回転体12は、図5に示すように、二股部16の下端に設けられている。各回転体12は、略球状をなしている。回転体12の直径は40mmである。各回転体12は、回転軸Rを中心に回転する。一対の回転軸Rの開き角度αは、50度から110度の範囲が好ましい。回転軸Rの開き角度αは、65度から80度に設定されている。一対の回転軸Rの開き角度αは、70度であると良い。
【0025】
回転体12を支持する支持部41は、図4及び図6に示すように、シャフト42、ポリスライダー43、ベアリング44、ベアリングスペーサー45、及びEリング46を備えている。支持部41は、左右に一対設けられている。
【0026】
一対のシャフト42は二股部16に埋め込まれている。シャフト42は、金属製である。シャフト42は、二股部16から下方に延びている。シャフト42は、載置状態において、上側から下側に向かって前側に傾斜している(図1参照)。回転体12は、シャフト42に回転自在に支持されている。
【0027】
ベアリング44は、円筒状をなしている。ベアリング44は、合成樹脂製である。ベアリング44は、弾性突部48を有している(図4参照)。弾性突部48は、回転体12の内面に引っかかっている。これによって、ベアリング44は回転体12の内側に固定されている。
【0028】
一対の回転体12が施術部位を摘まみ上げる強さは、図7に示すように、一対の回転体12を施術部位に当てる角度によって調整できる。図7(A)にはマッサージ器具10を前進させる場合を示す。この場合、一対の回転体12が施術部位を摘まみ上げる強さは、マッサージ器具10を寝かせた状態よりも起こした状態において強い。この場合、マッサージ器具10を寝かせた状態では、一対の回転体12は施術部位を押し広げる。マッサージ器具10を寝かせた状態では、延出部18が施術部位に当たり、マッサージ器具10は寝すぎないように制限される。これによって、一対の回転体12による施術効果が弱くなりすぎることを防止できる。
【0029】
図7(B)にはマッサージ器具10を後退させる場合を示す。この場合、一対の回転体12が施術部位を摘まみ上げる強さは、マッサージ器具10を起こした状態よりも寝かせた状態において強い。この場合、マッサージ器具10を起こした状態では、一対の回転体12は施術部位を左右に押し広げる。マッサージ器具10を寝かせた状態では、延出部18が施術部位に当たり、マッサージ器具10は寝すぎないように制限される。これによって、一対の回転体12による設計上想定する施術効果が得られにくい状態となることを防止する。
【0030】
一対の回転体12を肌に当てるときの肌に対する回転軸Rの角度のうち、摘み上げと押し広げの境界となる角度は90度である。マッサージ器具10の進行方向によって作用は変わるが、図15の水平面Hを肌であると仮定した場合に、回転体12が肌に接したとき(図15では第三仮想接点P3)の、回転軸Rと肌とで形成される進行方向側(前進の場合前側、後退の場合後側)の角度が90度より小さい場合、肌を摘み上げ、90度より大きい場合には、肌を押し広げる。但し、肌は柔らかく回転体12の肌への沈み込みが発生するため、沈み込む前の肌に対して90度の角度で回転体12を当てても、沈み込んだ後に肌の触れる角度が変わり、想定以上に摘み上げる構成となることがある。例えば沈み込む前の肌に対して85度で当てても、回転体12を肌に沈ませて前進させると肌は摘み上げられる。
【0031】
マッサージ器具10は、図1に示すように、載置状態において、一対の回転体12、カッサ13、把持部17の順で前から後に設けられている。載置状態において、カッサ13は、一対の回転体12よりも上方に位置している。カッサ13は、第一面部49、第二面部51及び縁部52を有している。縁部52は、第一面部49の外縁と第二面部51の外縁とによって形成されている。
【0032】
第一面部49は、図1に示すように、前側を向いている。第一面部49は、二股部16と連続している。第一面部49と二股部16とによって、前側窪み部70が形成されている。第二面部51は、後側を向いている。第二面部51の上縁は、左右方向から見ると、上側から下側に向かって後側に傾斜している。第二面部51は、前側連結部32と連続している。
【0033】
縁部52は、左右方向から見ると、図1に示すように、上側から下側に向かって後側に傾斜している。載置状態において縁部52の下端は、回転体12の上端よりも上方に位置している。載置状態において縁部52の上端は、把持部17の上端よりも上方に位置している。載置状態において縁部52の上端は、前側連結部32の上端よりも上方に位置している。
【0034】
カッサ13の縁部52は、上方から見ると、図2に示すように、緩い弧状をなしている。カッサ13の縁部52の左右方向中心は、上方から見ると、左右方向両端よりも前方に位置している。
【0035】
カッサ13の縁部52に沿った仮想面Vは、図1に示すように、水平面Hに対して傾斜している。仮想面Vは、カッサ13の縁部52を含む仮想の平面である。仮想面Vは、前面部27の前面及び後面部28の後面と、概ね平行である。仮想面Vは、第一面部49を前方から見たときの外周縁、もしくは第二面部51を後方から見たときの外周縁を含む。
【0036】
把持部17は、仮想面Vよりも後側に設けられている。マッサージ器具10を左右方向から見た側面視において、把持部17の軸線17Sと仮想面Vとの開き角度β1は、例えば70度である。把持部17の軸線17Sは、把持部17の太さ方向の中央である。開き角度β1は、0度より大きく180度より小さく設定すると良い。開き角度β1は、30度以上150度以下の範囲内であることが好ましい。開き角度β1は、60度以上120度以下の範囲内であることがさらに好ましい。この場合、施術部位に効果的に力を加えることができる。
【0037】
シャフト42は、仮想面Vに対して前側(前方)に向かって延びている。シャフト42は、左右方向から見ると、仮想面Vに対して斜め方向に延びている。XY平面に投影した回転軸Rと、仮想面Vとの開き角度β2は、90度より大きい。開き角度β2は、例えば135度である。
【0038】
図8には、仮想面Vに対して垂直方向の前側から見たマッサージ器具を示す。仮想面Vに対して垂直で、前側から後側に向かう方向を第一方向と称する。第一方向にマッサージ器具10を見ることを第一方向視と称する。第一方向視において、左右の回転体12は縁部52より外側に位置している。
【0039】
縁部52は、上縁部52U、右縁部52R及び左縁部52Lを有している。第一方向視において、上縁部52Uは、湾曲している。第一方向視において、上縁部52Uの左右方向中心部は、上縁部52Uの左右方向両端部よりも上側に位置している。第一方向視において、右縁部52R及び左縁部52Lは、左右の回転体12と隣接している。右縁部52R及び左縁部52Lは、第一方向視において、上縁部52Uよりも緩やかに湾曲している。第一方向視において、右縁部52Rの上下方向中心部は、右縁部52Rの上端部及び下端部よりも右側に位置している。第一方向視において、左縁部52Lの上下方向中心部は、左縁部52Lの上端部及び下端部よりも左側に位置している。第一方向視において、右縁部52Rと右側の回転体12とは、右側窪み部71を形成している。第一方向視において、左縁部52Lと左側の回転体12とは、左側窪み部72を形成している。
【0040】
図9には、仮想面Vに対して垂直方向の後側から見たマッサージ器具10を示す。仮想面Vに対して垂直で、後側から前側に向かう方向を第二方向と称する。第二方向にマッサージ器具10を見ることを第二方向視と称する。第二方向視において、左右の回転体12は縁部52より外側に位置している。第二方向視において、左右の回転体12の一部は、把持部17によって隠されている。第二方向視において、前側連結部32の上縁は、上縁部52Uに沿って湾曲している。
【0041】
図10には、仮想面Vに対して平行な方向の上側から見たマッサージ器具10を示す。仮想面Vに対して平行で、上側から下側に向かう方向を第三方向と称する。第三方向にマッサージ器具10を見ることを第三方向視と称する。第三方向視において、一対の回転軸Rは、仮想面Vよりも前側で交差している。第三方向視において、第一面部49と二股部16との間には、右側括れ部73及び左側括れ部74が形成されている。第三方向視において、第二面部51の左右方向の寸法は、把持部17に向かって小さくなっている。第三方向視において、第二面部51の左縁及び右縁は、前側連結部32の左縁及び右縁と同じ勾配で傾斜している。第三方向視において、右側の回転体12は、右縁部52Rよりも右方に突出している。左側の回転体12は、左縁部52Lよりも左方に突出している。
【0042】
マッサージ器具10は、図4に示すように、コア部品23を備えている。コア部品23は、ヘッド部56と軸状部21とを一体に有している。ヘッド部56は、二股部16及びカッサ13を一体に有している。軸状部21は、ヘッド部56から後方に延びている。コア部品23は、シャフト42及びボルト26をインサート部品として、二股部16、カッサ13及び軸状部21を一体に成形したものである。二股部16、カッサ13及び軸状部21は、ABS樹脂等の合成樹脂により形成されている。軸状部21は、延出部18の前側連結部32から後側連結部33まで差し込まれる。ヘッド部56の後面は、前側連結部32の前面に当たった状態になる。軸状部21の後端部は、延出部18の後側連結部33に固定される。これによって、コア部品23、把持部17及び延出部18は一体化する。把持部17と延出部18とが一体化することにより本体部11の強度が高くなるため、大突起14及び小突起15による身体押圧時に力をかけやすい。
【0043】
次に、マッサージ器具10の使用例を説明する。使用者は、マッサージ器具10を使用することによって、運動前のウォーミングアップやクールダウンを効果的に行うことができる。マッサージ器具10は、図11及び図12に示すように、前腕、上腕及び太もも等のマッサージに適している。
【0044】
マッサージ器具10の使用例として、回転体12及び突起14,15を用いる方法、カッサ13のみを用いる方法、及びカッサ13と回転体12との両方を用いる方法がある。
【0045】
回転体12及び突起14,15を用いる方法は、図12(A)に示すように、マッサージ器具10をまっすぐに動かす方法と、図12(B)に示すように、マッサージ器具10を弧を描くように動かす方法と、回転体12のみを用いる方法と、突起14,15のみを用いる方法とがある。
【0046】
まっすぐにマッサージ器具10を動かす方法は、一対の回転体12、大突起14及び小突起15を施術部位に同時に当てるようにして、マッサージ器具10を施術部位と平行に前進させる。この方法によれば、施術部位は、一対の回転体12によって押し広げられた直後、大突起14及び小突起15によって押圧される。
【0047】
弧を描くようにマッサージ器具10を動かす方法は、身体に対して、一対の回転体12のみを当てた状態から、弧を描くようにしてマッサージ器具10を前方に動かす。この方法によれば、施術部位は、一対の回転体12によって強い力で摘まみ上げられた後、押し広げられ、大突起14及び小突起15によって順に押圧される。
【0048】
回転体12のみを用いる方法は、一対の回転体12を施術部位に当てた状態にして、前方及び後方にマッサージ器具10を動かす。この際、マッサージ器具10を寝かせたり立たせたりすることによって、一対の回転体12が施術部位に当たる角度を調整する。この方法は、ふくらはぎや腰のマッサージに適している。
【0049】
突起14,15のみを用いる方法は、大突起14及び小突起15を施術部位に対して垂直に当てた状態にして、大突起14及び小突起15を施術部位に押し当てる。この方法は、足裏や肩のマッサージに適している。
【0050】
カッサ13を用いる方法では、親指と人差し指とを把持部17の前側に添えるようにして把持部17を把持する。カッサ13のみを用いる方法では、カッサ13の上縁部52Uを使用する。具体的には、上縁部52Uを施術部位に当て、上縁部52Uによって施術部位を擦ったり、施術部位を押圧したりする。把持部17を把持してカッサ13のみを用いた場合、カッサ13を施術部位に押し当てた状態で、カッサ13に力を加えやすい。
【0051】
カッサ13と回転体12との両方を用いる方法では、図13に示すように、カッサ13の縁部52と1つの回転体12とを施術部位に同時に当てた状態にする。具体的には、右側窪み部71を施術部位に向けてカッサ13の右縁部52Rと右側の回転体12とを同時に当てた状態にする。もしくは、左側窪み部72を施術部位に向けてカッサ13の左縁部52Lと左側の回転体12とを同時に当てた状態にする。把持部17を把持して縁部52及び回転体12を施術部位に押し付ける力は、縁部52と回転体12との両方に均等に作用しやすい。縁部52と回転体12とを押し当てた状態のまま、マッサージ器具10を前後に動かす。これにより、カッサ13の縁部52及び回転体12の両方によって同時に施術部位をマッサージできる。
【0052】
上記のように構成された実施例によれば、以下の効果を奏する。マッサージ器具10は、カッサ13と、把持部17とを有している。カッサ13は、縁部52及び第一面部49と第二面部51を有している。把持部17は、第二面部51に設けられている。把持部17は、第二面部51に対して交差する方向に延びている。この構成によれば、把持部17を把持してカッサ13のみを用いた場合、カッサ13を施術部位に押し当てた状態で、カッサ13に力を加えやすい。
【0053】
マッサージ器具10は、シャフト42と、回転体12と、を有している。シャフト42は、縁部52に沿った仮想面Vよりも前側で、第一面部49に対して交差する方向に延びている。回転体12は、シャフト42に回転自在に支持されている。仮想面Vに対して垂直方向からマッサージ器具10を見たとき、回転体12は縁部52より外側に位置している。この構成によれば、回転体12及びカッサ13の両方を同時に施術部位に当ててマッサージできるから、身体を効果的に揉み解すことができる。
【0054】
マッサージ器具10は、回転体12、カッサ13及び把持部17の順で前から後に設けられている。この構成によれば、回転体12及びカッサ13の両方を同時に施術部位に押し当てやすいから、身体を効果的に揉み解すことができる。
【0055】
把持部17を基準としてカッサ13は上方に設けられ、回転体12は下方に設けられている。この構成によれば、回転体12及びカッサ13の両方を施術部位に押し当てた状態で、回転体12及びカッサ13の両方に力を加えやすいから、身体を効果的に揉み解すことができる。
【0056】
回転体12は、左右に一対設けられている。カッサ13は、左右の回転体12と隣接する左縁部52L及び右縁部52Rを有している。この構成によれば、マッサージ器具10の左側及び右側のいずれにおいても、回転体12及びカッサ13の両方を同時に施術部位に当ててマッサージできるから、マッサージ器具10の向きを変えて身体の様々な部位を効果的に揉み解すことができる。
【0057】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例においてマッサージ器具10は、一対の回転体12を備えている。これに限らず、マッサージ器具は、回転体を1つのみ備えるものでもよいし、3つ以上備えるものであってもよい。
(2)上記実施例においてマッサージ器具10は、身体押圧用の突起14,15を有している。これに限らず、マッサージ器具は身体押圧用の突起を有していなくてもよい。
(3)上記実施例においてマッサージ器具10の使用例を説明した。これに限らず、マッサージ器具10は様々な目的で使用してもよい。例えばマッサージ器具10は、美容目的で使用してもよい。
(4)上記実施例において把持部17は前後方向に長い形状をなしている。これに限らず、把持部は、上下方向又は左右方向に広がった扁平な形状やブロック形状等であってもよい。
(5)上記実施例において本体部11は延出部18を有している。これに限らず、本体部は延出部を有していなくてもよい。また、前側連結部のみを残し、前側連結部を介してカッサと把持部とを繋げてもよい。
(6)上記実施例においてカッサは、第一面部、第二面部の他に、第三面部を設けても良い。その場合カッサは三角形状となり縁部が複数形成されるが、実施例と同様にいずれか一面に対して交差するように把持部を設けることで、カッサを施術部位に押し当てた状態で、力を加えやすいという効果が得られる。面が更に増えた場合も同様の効果を得られる。
(7)上記実施例の回転体の形状について、前述した「略球状」には、真球と、回転楕円体や涙滴形状等の一般的な感覚として球形と認められる程度に真球を歪めてなる形状が含まれる。また、回転体は、滑らかな曲面より構成された表面を有していても良く、例えば多数の三角形や四角形等により構成された表面を有する多面体であってもよい。回転体が多面体である場合には、滑らかな曲面より構成された表面を有する回転体に比べて、回転体の表面が肌に対して滑ることを抑制でき、より優れた美容効果を期待できる。
(8)上記実施例の本体部の形状は、長尺上に限らず、略球状であってもよい。その場合把持部は把持できる箇所全てを指し、当該把持部の少なくとも一部が、回転体と突起を3点接地させた時の側面視において、回転体の回転軸角度(仮想線)よりも接地面側に位置していればよい。
(9)第一面部もしくは第二面部のうちシャフトが設けられている側の面部に対して垂直方向からマッサージ器具を見た時、回転体は縁部より外側に位置している場合でも、回転体及びカッサの両方を同時に施術部位に押し当てやすく、身体を効果的に揉み解すことができる。
(10)例えば第一面部及び第二面部の表面全体に波のような凹凸が形成されていたり、第一面部及び第二面部の表面が曲面であったりしてもよい。この場合、縁部上における任意の3点を含む面を仮想面Vとしてよい。把持部とシャフトが当該定義による仮想面に交差する方向に延びる場合にも上記実施例と同様の効果を得られる。
【符号の説明】
【0058】
V…仮想面
10…マッサージ器具
13…カッサ
12…回転体
17…把持部
42…シャフト
49…第一面部
51…第二面部
52…縁部
52L…左縁部
52R…右縁部
図1
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