(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007067
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】作業機械の表示装置、作業機械、及び作業機械の遠隔操作システム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20250109BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
E02F9/26 B
E02F9/20 M
E02F9/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108227
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 将
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003BA04
2D003BA06
2D003BA07
2D003DA04
2D003DB03
2D003DB04
2D003DB05
2D003DB08
2D003FA02
2D015GA03
2D015GB06
2D015GB07
2D015HA03
2D015HB00
(57)【要約】
【課題】安全性を向上させる。
【解決手段】実施形態の一態様に係る作業機械の表示装置は、当該作業機械に設けられた撮像装置で撮像された画像情報を取得すると共に、当該作業機械に設けられた複数の集音装置の各々が取得した音信号に関する情報を取得し、複数の集音装置の各々から取得した音信号に関する情報に基づいた作業機械の周辺の音の発生状況を、画像情報に重ねて表示部に表示するように構成されている制御部を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該作業機械に設けられた撮像装置で撮像された画像情報を取得すると共に、当該作業機械に設けられた複数の集音装置の各々が取得した音信号に関する情報を取得し、
前記複数の集音装置の各々から取得した前記音信号に関する情報に基づいた前記作業機械の周辺の音の発生状況を、前記画像情報に重ねて表示部に表示するように構成されている制御部を備える、
作業機械の表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記音の発生状況として、前記画像情報に表された各領域に対応する方向から、取得した前記音の強弱を認識可能な表示態様で表示する、
請求項1に記載の作業機械の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の集音装置の各々から取得した前記音信号に、複数の音源が含まれている場合に、当該複数の音源を認識可能な表示態様で表示する、
請求項2に記載の作業機械の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記画像情報で表されている領域外の方向から前記音信号を取得した場合に、前記画像情報で表されている領域外から前記音信号を取得した旨を表示する、
請求項1に記載の作業機械の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記音信号に含まれる音声を文字に変換し、変換された文字を前記表示部に表示する、
請求項1に記載の作業機械の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記複数の集音装置の各々から取得した前記音信号に対して、所定の条件に基づいたフィルタリングを行い、フィルタリングされた前記音信号を出力する、
請求項1に記載の作業機械の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、所定の周波数成分を減衰させるか否かを定められているフィルタリングを行い、フィルタリングされた前記音信号を出力する、
請求項6に記載の作業機械の表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記作業機械の駆動源から発生する前記音信号を減衰させるフィルタリングを行う、
請求項7に記載の作業機械の表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記所定の条件として、操作装置から受け付けた操作に応じて、フィルタリングを行うか否かを切り替える、請求項6に記載の作業機械の表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、フィルタリングされた前記音信号を、スピーカから出力する、
請求項6乃至9のいずれか一つに記載の作業機械の表示装置。
【請求項11】
撮像装置と、
複数の集音装置と、
前記撮像装置から画像情報を取得すると共に、前記複数の集音装置の各々から音信号を取得し、前記複数の集音装置の各々から取得した前記音信号に基づいた当該作業機械の周辺の音の発生状況を、前記画像情報に重ねて表示装置に出力する制御装置と、
を備える作業機械。
【請求項12】
前記複数の集音装置は、前記撮像装置が撮像する撮像領域を含んだ範囲から発せられた音を取得可能に設けられている、
請求項11に記載の作業機械。
【請求項13】
作業機械と、前記作業機械を操作する情報処理装置と、を備えた遠隔操作システムにおいて、
前記作業機械に設けられた撮像装置から画像情報を取得すると共に、前記作業機械に設けられた複数の集音装置の各々から音信号を取得し、当該画像情報及び当該音信号に関する情報を送信する、前記作業機械と、
前記音信号に関する情報に基づいた前記作業機械の周辺の音の発生状況を、受信した前記画像情報に重ねて表示装置に表示する情報処理装置と、
を備える作業機械の遠隔操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の表示装置、作業機械、及び作業機械の遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、作業機械の操作を行う操作者に対して、作業機械が作業を行っている周辺環境の情報を適切に提供することが求められている。例えば、機械の外部の位置毎に危険度を算出し、危険度が高い位置からの音声を抽出し、出力する技術が提案されている(特許文献1参照)。これにより操作者は、瞬時的に危険回避を行うことを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムは、音の発生源を表示することは考慮されていない。つまり、作業機械の周辺を表した画像情報を表示する際に、当該周辺に存在する音源の位置が視覚的に認識できれば、安全性をより向上できると考えられる。
【0005】
上述に鑑み、作業機械周辺の音の発生状況を、撮像装置により撮像された画像情報に重ねて表示することで、安全性を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業機械の表示装置は、当該作業機械に設けられた撮像装置で撮像された画像情報を取得すると共に、当該作業機械に設けられた複数の集音装置の各々が取得した音信号に関する情報を取得し、複数の集音装置の各々から取得した音信号に関する情報に基づいた作業機械の周辺の音の発生状況を、画像情報に重ねて表示部に表示するように構成されている制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、作業機械の周辺の音の発生状況を認識できるので、安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る遠隔操作システムの一例を示す概要図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るショベル(掘削機)を示す側面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係るショベルに設けられたマイクロフォンアレイに含まれるマイクロフォンの配置例を示した図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係るショベルの駆動制御系の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係るショベルの油圧システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る遠隔操作システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る遠隔操作室RCの配置例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係るショベルの周辺の状況を示した概念図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係るマップ生成部における、マイクロフォンアレイの音信号による音のヒートマップの生成を示した概念図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る表示装置に表示される表示画面の一例を示した図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係る表示装置に表示される表示画面の一例を示した図である。
【
図12】
図12は、変形例に係る遠隔操作室の表示装置に表示される画面例を示した図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係るショベルの周辺の状況を示した概念図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態において、遠隔操作室で音を出力するまでの構成を示した概念図である。
【
図15】
図15は、第3の実施形態に係る作業機械としてのショベルの側面図である。
【
図16】
図16は、第4の実施形態に係る作業機械としてのショベルの側面図である。
【
図17】
図17は、第4の実施形態に係るショベルの表示装置の画像表示部及び操作部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、
図1を参照して、第1の実施形態に係る遠隔操作システムSYSの概要を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る遠隔操作システムSYSの一例を示す概要図である。
【0011】
<遠隔操作システムを構成する機器>
図1に示すように、第1の実施形態に係る遠隔操作システムSYSは、ショベル100と、遠隔操作室RCと、を含んでいる。
【0012】
ショベル100、及び遠隔操作室RCは、通信回線NWを介してデータの送受信を可能に接続されている。
【0013】
ショベル100の無線通信が可能とする。そして、ショベル100は、通信回線NWに接続された機器(例えば、遠隔操作室RC)との間でデータの送受信を可能とする。
【0014】
そして、ショベル100は、作業現場に関する情報を、遠隔操作室RCに送信できる。これにより、遠隔操作室RCは、ショベル100からの情報に応じて、作業現場を確認できる。なお、本実施形態は、作業現場の測定を行う装置を、ショベル100に制限するものではなく、作業現場上を飛行するドローン、定点カメラ、又はユーザが所持可能な撮像装置など、他の態様の装置であってもよい。
【0015】
例えば、ショベル100には撮像装置S6が設けられている。ショベル100は、撮像装置S6による作業現場の撮像結果を示した撮像情報を、遠隔操作室RCに送信する。
【0016】
遠隔操作システムSYSに含まれるショベル100は、一台であってもよいし、複数台であってもよい。これにより、遠隔操作システムSYSは、複数台のショベル100を通じて、遠隔操作室RCに作業現場に関する情報提供を行うことができる。
【0017】
<遠隔操作室の構成例>
遠隔操作室RCには、通信装置T2、遠隔コントローラ40、操作装置42、操作センサ43、表示装置D1、及びスピーカA2を備えている。また、遠隔操作室RCには、ショベル100を遠隔操作する操作者OPが座る操作席DSが設置されている。
【0018】
通信装置T2は、ショベル100に取り付けられた通信装置T1(
図2参照)との間で通信を制御するように構成されている。
【0019】
遠隔コントローラ40は、各種演算を実行する情報処理装置である。本実施形態では、遠隔コントローラ40は、CPU及びメモリを含むマイクロコンピュータで構成されている。そして、遠隔コントローラ40の各種機能は、CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することで実現される。
【0020】
表示装置D1は、遠隔操作室RCにいる操作者OPがショベル100の周囲を視認するために、ショベル100から送信された情報に基づいた画面を表示する。表示装置D1は、操作者が遠隔操作室RCにいるにもかかわらず、ショベル100の周囲を含む作業現場の状況を確認できる。
【0021】
操作装置42(操作部の一例)には、操作装置42の操作内容を検出するための操作センサ43が設置されている。操作センサ43は、例えば、操作レバーの傾斜角度を検出する傾斜センサ、又は、操作レバーの揺動軸回りの揺動角度を検出する角度センサ等である。操作センサ43は、圧力センサ、電流センサ、電圧センサ、又は距離センサ等の他のセンサで構成されていてもよい。操作センサ43は、検出した操作装置42の操作内容に関する情報を遠隔コントローラ40に対して出力する。遠隔コントローラ40は、受信した情報に基づいて操作信号を生成し、生成した操作信号をショベル100に向けて送信する。操作センサ43は、操作信号を生成するように構成されていてもよい。この場合、操作センサ43は、遠隔コントローラ40を経由せずに、操作信号を通信装置T2に出力してもよい。これにより、遠隔操作室RCから、ショベル100の遠隔操作を実現できる。
【0022】
スピーカA2は、遠隔操作室RCにいる操作者OPに対してショベル100の周囲で発生した音を認識させるために、ショベル100から送信された音情報を出力する。
【0023】
<ショベルの構成例>
次に、
図2を参照して、本実施形態に係るショベル100の概要について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る作業機械としてのショベル100の側面図である。ショベル100の下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載される。上部旋回体3にはブーム4が取り付けられる。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられる。エンドアタッチメントは、法面用バケット又は浚渫用バケット等であってもよい。
【0024】
図2に示される例では、ショベル100の進行方向(前後方向)を、X軸で示し、ショベル100の幅方向をY軸で示し、ショベル100の高さ方向をZ軸で示す。
【0025】
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例である掘削アタッチメントを構成し、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。ブーム4にはブーム角度センサS1が取り付けられ、アーム5にはアーム角度センサS2が取り付けられ、バケット6にはバケット角度センサS3が取り付けられる。掘削アタッチメントには、バケットチルト機構が設けられていてもよい。
【0026】
ブーム角度センサS1はブーム4の回動角度を検出する。本実施形態では、ブーム角度センサS1は加速度センサであり、上部旋回体3に対するブーム4の回動角度であるブーム角度を検出できる。ブーム角度は、例えば、ブーム4を最も下げたときに最小角度となり、ブーム4を上げるにつれて大きくなる。
【0027】
アーム角度センサS2はアーム5の回動角度を検出する。本実施形態では、アーム角度センサS2は加速度センサであり、ブーム4に対するアーム5の回動角度であるアーム角度を検出できる。アーム角度は、例えば、アーム5を最も閉じたときに最小角度となり、アーム5を開くにつれて大きくなる。
【0028】
バケット角度センサS3はバケット6の回動角度を検出する。本実施形態では、バケット角度センサS3は加速度センサであり、アーム5に対するバケット6の回動角度であるバケット角度を検出できる。バケット角度は、例えば、バケット6を最も閉じたときに最小角度となり、バケット6を開くにつれて大きくなる。
【0029】
ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3は、可変抵抗器を利用したポテンショメータ、対応する油圧シリンダのストローク量を検出するストロークセンサ、又は、連結ピン回りの回動角度を検出するロータリエンコーダ等であってもよい。ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3は、掘削アタッチメントの姿勢を検出する姿勢センサを構成する。
【0030】
上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10、エンジン11、機体傾斜センサS4、旋回角速度センサS5、撮像装置S6、測位装置S7、マイクロフォンアレイA1、及び通信装置T1等が搭載されている。
【0031】
キャビン10内には、ショベルコントローラ30が設置される。また、キャビン10内には、運転席及び操作装置等が設置されている。
【0032】
ショベルコントローラ30は、各種演算を実行する演算装置である。ショベルコントローラ30は、例えば、キャビン10内に設けられ、ショベル100の駆動制御を行う。ショベルコントローラ30は、その機能が任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは、その組み合わせにより実現されてよい。例えば、ショベルコントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の補助記憶装置、及び各種入出力用のインターフェース装置等を含むマイクロコンピュータを中心に構成される。ショベルコントローラ30は、例えば、不揮発性の補助記憶装置にインストールされる各種プログラムをCPU上で実行することにより各種機能を実現する。
【0033】
エンジン11は、ショベル100の駆動源である。本実施形態では、エンジン11は、ディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。
【0034】
機体傾斜センサS4は、所定の平面に対する上部旋回体3の傾斜を検出するように構成されている。本実施形態では、機体傾斜センサS4は、水平面に関する上部旋回体3の前後軸回りの傾斜角及び左右軸回りの傾斜角を検出する加速度センサである。上部旋回体3の前後軸及び左右軸は、例えば、互いに直交してショベル100の旋回軸上の一点であるショベル中心点を通る。
【0035】
旋回角速度センサS5は、上部旋回体3の旋回角速度を検出するように構成されている。本実施形態では、旋回角速度センサS5は、ジャイロセンサである。旋回角速度センサS5は、レゾルバ又はロータリエンコーダ等であってもよい。旋回角速度センサS5は、旋回速度を検出してもよい。旋回速度は、旋回角速度から算出されてもよい。
【0036】
撮像装置S6はショベル100の周辺の画像を取得するように構成されている。本実施形態では、撮像装置S6は、ショベル100の前方の空間を撮像する前カメラS6F、ショベル100の左方の空間を撮像する左カメラS6L、ショベル100の右方の空間を撮像する右カメラS6R、及びショベル100の後方の空間を撮像する後カメラS6Bを含む。
【0037】
撮像装置S6は、例えば、CCDやCMOS等の撮像素子を有する単眼カメラであり、撮像した画像を表示装置DIに出力してもよい。
【0038】
前カメラS6Fは、例えば、キャビン10の屋根に取り付けられている。左カメラS6Lは、上部旋回体3の上面左端に取り付けられている。右カメラS6Rは、上部旋回体3の上面右端に取り付けられている。後カメラS6Bは、上部旋回体3の上面後端に取り付けられている。
【0039】
本実施形態は、撮像装置S6を上述した配置に設けることで、ショベル100の周辺に存在する物体を撮像できる。なお、撮像装置S6は、撮影対象までの距離を認識可能なカメラ(例えば、RGBDカメラ又はステレオカメラ)を用いてもよい。
【0040】
測位装置S7は、ショベル100の位置に関する情報を取得するように構成されている。本実施形態では、測位装置S7は、基準座標系におけるショベル100の位置及び向きを測定するように構成されている。具体的には、測位装置S7は、電子コンパスを組み込んだGNSS受信機であり、ショベル100の現在位置の緯度、経度、及び高度を測定し、且つ、ショベル100の向きを測定する。本実施形態に係る基準座標系とは、例えば、世界測地系である。世界測地系は、地球の重心に原点をおき、X軸をグリニッジ子午線と赤道との交点の方向に、Y軸を東経90度の方向に、そして、Z軸を北極の方向にとる三次元直交XYZ座標系である。
【0041】
通信装置T1は、ショベル100の外部にある機器との通信を制御するように構成されている。本実施形態では、通信装置T1は、無線通信網を介し、通信装置T1とショベル100の外部にある機器との間の通信を制御するように構成されている。通信装置T1は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する移動体通信モジュールや衛星通信網に接続するための衛星通信モジュール等を含む。
【0042】
また、通信装置T1は、例えば、外部のGNSS(Global Navigation Satellite System)測量システムとショベル100との間の無線通信を制御する。
【0043】
マイクロフォンアレイA1は、複数のマイクロフォンを有し、ショベル100の周囲で発生する音を集めるように構成されている。本実施形態では、マイクロフォンアレイA1は、上部旋回体3に取り付けられた複数のマイクロフォンである。
【0044】
図3は、本実施形態に係るマイクロフォンアレイA1に含まれるマイクロフォンの配置例を示した図である。
図3に示されるように、キャビン10の前側にマイクロフォンアレイA1が設けられている。具体的には、マイクロフォンアレイA1を構成するマイクロフォンが、Z軸方向に3個、Y軸方向に5個の配列として、合計15個配置されている。マイクロフォンアレイA1を構成するマイクロフォンの間は距離lとする。なお、マイクロフォンの間の距離は、一例を示したもので、実施態様に応じて定められるものとする。
【0045】
マイクロフォンアレイA1を構成するマイクロフォンの各々は、例えば、正面を中心に―90度~+90度の範囲内の所定の方向において集音可能とする。マイクロフォンアレイA1が音を取得可能な範囲は、少なくとも前カメラS6Fの撮像範囲内で発せられた音を取得可能に定められている。これにより、前カメラS6Fで撮像された画像情報を表示する際に、当該撮像範囲で発せられた音を認識可能に表示できる。なお、画像情報の表示態様については後述する。本実施形態はマイクロフォンアレイA1の集音可能な範囲は一例として示したものであって、少なくとも前カメラS6Fの撮像範囲が含まれていればよい。
【0046】
本実施形態においては、複数の集音装置の一例として、
図3に示されるマイクロフォンアレイA1を用いた例について説明した。本実施形態は、複数の集音装置の一例を示したものであって、
図3に示されるマイクロフォンアレイA1に制限するものではない。具体的には、マイクロフォンの数を、
図3に示される15個(3×5)に制限するものではない。例えば、マイクロフォンの幅方向(Y軸方向)の数は5個以外でもよいし、高さ方向(Z軸方向)の数は3個以外でもよい。また、マイクロフォンは、Y軸方向及びZ軸方向による2次元配列に制限するものではなく、例えば、Y軸方向による1次元配列であってもよい。
【0047】
[ショベルの駆動制御系]
図4は、
図2のショベル100の駆動制御系の構成例を示す図である。
図4において、機械的動力伝達系は二重線、作動油ラインは太実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御系は点線でそれぞれ示される。
【0048】
本実施形態に係るショベル100の駆動系は、エンジン11と、レギュレータ13と、メインポンプ14と、コントロールバルブユニット17を含む。また、本実施形態に係るショベル100の油圧駆動系は、上述の如く、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6のそれぞれを油圧駆動する走行油圧モータ1L,1R、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等の油圧アクチュエータを含む。
【0049】
エンジン11は、油圧駆動系におけるメイン動力源であり、例えば、上部旋回体3の後部に搭載される。具体的には、エンジン11は、後述するショベルコントローラ30による直接或いは間接的な制御下で、予め設定される目標回転数で一定回転し、メインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動する。エンジン11は、例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジンである。
【0050】
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御する。例えば、レギュレータ13は、ショベルコントローラ30からの制御指令に応じて、メインポンプ14の斜板の角度(傾転角)を調節する。レギュレータ13は、例えば、後述の如く、レギュレータ13L,13Rを含む。
【0051】
メインポンプ14は、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載され、高圧油圧ラインを通じてコントロールバルブユニット17に作動油を供給する。メインポンプ14は、上述の如く、エンジン11により駆動される。メインポンプ14は、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、上述の如く、ショベルコントローラ30による制御下で、レギュレータ13により斜板の傾転角が調節されることでピストンのストローク長が調整され、吐出流量(吐出圧)が制御される。メインポンプ14は、例えば、後述の如く、メインポンプ14L,14Rを含む。
【0052】
コントロールバルブユニット17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御装置である。本実施形態では、コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を含む。制御弁175は制御弁175L及び制御弁175Rを含み、制御弁176は制御弁176L及び制御弁176Rを含む。コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できるように構成されている。制御弁171~176は、例えば、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行油圧モータ1L、1R、及び旋回油圧モータ2Aを含む。より具体的には、制御弁171は、左走行油圧モータ1Lに対応し、制御弁172は、右走行油圧モータ1Rに対応し、制御弁173は、旋回油圧モータ2Aに対応する。また、制御弁174は、バケットシリンダ9に対応し、制御弁175は、ブームシリンダ7に対応し、制御弁176は、アームシリンダ8に対応する。また、制御弁175は、例えば、後述の如く、制御弁175L,175Rを含み、制御弁176は、例えば、後述の如く、制御弁176L,176Rを含む。制御弁171~176の詳細は、後述する。
【0053】
パイロットポンプ15は、パイロット圧生成装置の一例であり、パイロットラインを介して油圧制御機器に作動油を供給できるように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。但し、パイロット圧生成装置は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給する機能に加え、パイロットラインを介して各種油圧制御機器に作動油を供給する機能を備えていてもよい。この場合、パイロットポンプ15は、省略されてもよい。
【0054】
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。アクチュエータは、油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータの少なくとも一方を含む。
【0055】
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出するように構成されている。本実施形態では、吐出圧センサ28は、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。吐出圧センサ28は、例えば、後述の如く、吐出圧センサ28L,28Rを含む。
【0056】
操作センサ29は、操作装置26を用いた操作者の操作内容を検出するように構成されている。本実施形態では、操作センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量を検出し、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。本実施形態では、ショベルコントローラ30は、操作センサ29の出力に応じて比例弁31の開口面積を制御する。そして、ショベルコントローラ30は、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給する。パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、原則として、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量に応じた圧力である。このように、操作装置26は、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給できるように構成されている。
【0057】
マシンコントロール用制御弁として機能する比例弁31は、パイロットポンプ15とコントロールバルブユニット17内の制御弁のパイロットポートとを接続する管路に配置され、その管路の流路面積を変更できるように構成されている。本実施形態では、比例弁31は、ショベルコントローラ30が出力する制御指令に応じて動作する。そのため、ショベルコントローラ30は、操作者による操作装置26の操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31を介し、コントロールバルブユニット17内の制御弁のパイロットポートに供給できる。
【0058】
この構成により、ショベルコントローラ30は、特定の操作装置26に対する操作が行われていない場合であっても、その特定の操作装置26に対応する油圧アクチュエータを動作させることができる。
【0059】
例えば、ショベルコントローラ30は、操作者等の所定操作により予め設定される作業モード等に基づき、目標回転数を設定し、エンジン11を一定回転させる駆動制御を行う。
【0060】
また、例えば、ショベルコントローラ30は、必要に応じてレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させる。
【0061】
また、例えば、ショベルコントローラ30は、例えば、操作者による操作装置26を通じたショベル100の手動操作をガイド(案内)するマシンガイダンス機能に関する制御を行う。また、ショベルコントローラ30は、例えば、操作者による操作装置26を通じたショベル100の手動操作を自動的に支援するマシンコントロール機能に関する制御を行う。
【0062】
なお、ショベルコントローラ30の機能の一部は、他のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。即ち、ショベルコントローラ30の機能は、複数のコントローラにより分散される態様で実現されてもよい。例えば、マシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能は、専用のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。
【0063】
[ショベルの油圧システム]
次に、
図5を参照して、本実施形態に係るショベル100の油圧システムについて説明する。
【0064】
図5は、本実施形態に係るショベル100の油圧システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【0065】
なお、
図5において、機械的動力系、作動油ライン、パイロットライン、及び電気制御系は、それぞれ二重線、実線、破線、及び点線で示されている。
【0066】
当該油圧回路により実現される油圧システムは、エンジン11により駆動されるメインポンプ14L,14Rのそれぞれから、センタバイパス油路C1L,C1R、パラレル油路C2L,C2Rを経て作動油タンクまで作動油を循環させる。
【0067】
センタバイパス油路C1Lは、メインポンプ14Lを起点として、コントロールバルブユニット17内に配置される制御弁171,173,175L,176Lを順に通過し、作動油タンクに至る。
【0068】
センタバイパス油路C1Rは、メインポンプ14Rを起点として、コントロールバルブユニット17内に配置される制御弁172,174,175R,176Rを順に通過し、作動油タンクに至る。
【0069】
制御弁171は、メインポンプ14Lから吐出される作動油を走行油圧モータ1Lへ供給し、且つ、走行油圧モータ1Lが吐出する作動油を作動油タンクに排出させるスプール弁である。
【0070】
制御弁172は、メインポンプ14Rから吐出される作動油を走行油圧モータ1Rへ供給し、且つ、走行油圧モータ1Rが吐出する作動油を作動油タンクへ排出させるスプール弁である。
【0071】
制御弁173は、メインポンプ14Lから吐出される作動油を旋回油圧モータ2Aへ供給し、且つ、旋回油圧モータ2Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出させるスプール弁である。
【0072】
制御弁174は、メインポンプ14Rから吐出される作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出させるスプール弁である。
【0073】
制御弁175L,175Rは、それぞれ、メインポンプ14L,14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出させるスプール弁である。
【0074】
制御弁176L,176Rは、メインポンプ14L,14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出させる。
【0075】
制御弁171,172,173,174,175L,175R,176L,176Rは、それぞれ、パイロットポートに作用するパイロット圧に応じて、油圧アクチュエータに給排される作動油の流量を調整したり、流れる方向を切り換えたりする。
【0076】
パラレル油路C2Lは、センタバイパス油路C1Lと並列的に、制御弁171,173,175L,176Lにメインポンプ14Lの作動油を供給する。具体的には、パラレル油路C2Lは、制御弁171の上流側でセンタバイパス油路C1Lから分岐し、制御弁171,173,175L,176Rのそれぞれに並列してメインポンプ14Lの作動油を供給可能に構成される。これにより、パラレル油路C2Lは、制御弁171,173,175Lの何れかによってセンタバイパス油路C1Lを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
【0077】
パラレル油路C2Rは、センタバイパス油路C1Rと並列的に、制御弁172,174,175R,176Rにメインポンプ14Rの作動油を供給する。具体的には、パラレル油路C2Rは、制御弁172の上流側でセンタバイパス油路C1Rから分岐し、制御弁172,174,175R,176Rのそれぞれに並列してメインポンプ14Rの作動油を供給可能に構成される。パラレル油路C2Rは、制御弁172,174,175Rの何れかによってセンタバイパス油路C1Rを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
【0078】
レギュレータ13L,13Rは、それぞれ、ショベルコントローラ30による制御下で、メインポンプ14L,14Rの斜板の傾転角を調節することによって、メインポンプ14L,14Rの吐出量を調節する。
【0079】
吐出圧センサ28Lは、メインポンプ14Lの吐出圧を検出し、検出された吐出圧に対応する検出信号は、ショベルコントローラ30に取り込まれる。吐出圧センサ28Rについても同様である。これにより、ショベルコントローラ30は、メインポンプ14L,14Rの吐出圧に応じて、レギュレータ13L,13Rを制御することができる。
【0080】
センタバイパス油路C1L,C1Rには、最も下流にある制御弁176L,176Rのそれぞれと作動油タンクとの間には、ネガティブコントロール絞り(以下、「ネガコン絞り」)18L,18Rが設けられる。これにより、メインポンプ14L,14Rにより吐出された作動油の流れは、ネガコン絞り18L,18Rで制限される。そして、ネガコン絞り18L,18Rは、レギュレータ13L,13Rを制御するための制御圧(以下、「ネガコン圧」)を発生させる。
【0081】
ネガコン圧センサ19L,19Rは、ネガコン圧を検出し、検出されたネガコン圧に対応する検出信号は、ショベルコントローラ30に取り込まれる。
【0082】
ショベルコントローラ30は、吐出圧センサ28L,28Rにより検出されるメインポンプ14L,14Rの吐出圧に応じて、レギュレータ13L,13Rを制御し、メインポンプ14L,14Rの吐出量を調節してよい。例えば、ショベルコントローラ30は、メインポンプ14Lの吐出圧の増大に応じて、レギュレータ13Lを制御し、メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することにより、吐出量を減少させてよい。レギュレータ13Rについても同様である。これにより、ショベルコントローラ30は、吐出圧と吐出量との積で表されるメインポンプ14L,14Rの吸収馬力がエンジン11の出力馬力を超えないように、メインポンプ14L,14Rの全馬力制御を行うことができる。
【0083】
また、ショベルコントローラ30は、ネガコン圧センサ19L,19Rにより検出されるネガコン圧に応じて、レギュレータ13L,13Rを制御することにより、メインポンプ14L,14Rの吐出量を調節してよい。例えば、ショベルコントローラ30は、ネガコン圧が大きいほどメインポンプ14L,14Rの吐出量を減少させ、ネガコン圧が小さいほどメインポンプ14L,14Rの吐出量を増大させる。
【0084】
具体的には、ショベル100における油圧アクチュエータが何れも操作されていない待機状態(
図5に示す状態)の場合、メインポンプ14L,14Rから吐出される作動油は、センタバイパス油路C1L,C1Rを通ってネガコン絞り18L,18Rに至る。そして、メインポンプ14L,14Rから吐出される作動油の流れは、ネガコン絞り18L,18Rの上流で発生するネガコン圧を増大させる。その結果、ショベルコントローラ30は、メインポンプ14L,14Rの吐出量を許容最小吐出量まで減少させ、吐出した作動油がセンタバイパス油路C1L,C1Rを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制する。
【0085】
一方、何れかの油圧アクチュエータが操作装置26を通じて操作された場合、メインポンプ14L,14Rから吐出される作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁を介して、操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そして、メインポンプ14L,14Rから吐出される作動油の流れは、ネガコン絞り18L,18Rに至る量を減少或いは消失させ、ネガコン絞り18L,18Rの上流で発生するネガコン圧を低下させる。その結果、ショベルコントローラ30は、メインポンプ14L,14Rの吐出量を増大させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を循環させ、操作対象の油圧アクチュエータを確実に駆動させることができる。
【0086】
操作装置26は、左操作レバー26L、右操作レバー26R及び走行レバー26Dを含む。走行レバー26Dは、左走行レバー26DL及び右走行レバー26DRを含む。
【0087】
左操作レバー26L、及び右操作レバー26Rは、前後方向及び左右方向のうちいずれか一つ以上に対する操作を受け付ける。
【0088】
左操作レバー26Lは、旋回操作とアーム5の操作に用いられる。左操作レバー26Lが、前後方向に操作された場合、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁176L、176Rのパイロットポートに導入させる。また、左操作レバー26Lが、左右方向に操作された場合、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁173のパイロットポートに導入させる。
【0089】
具体的には、左操作レバー26Lは、アーム閉じ方向に操作された場合に、ショベルコントローラ30が、制御弁176Lの右側パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの左側パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、アーム開き方向に操作された場合には、ショベルコントローラ30が、制御弁176Lの左側パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの右側パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、左旋回方向に操作された場合に、ショベルコントローラ30が、制御弁173の左側パイロットポートに作動油を導入させ、右旋回方向に操作された場合に、ショベルコントローラ30が、制御弁173の右側パイロットポートに作動油を導入させる。ショベルコントローラ30が当該制御を行うためには、操作センサ29LA、29LBからの出力を用いる。
【0090】
右操作レバー26Rは、ブーム4の操作とバケット6の操作に用いられる。右操作レバー26Rは、前後方向に操作された場合、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁175のパイロットポートに導入させる。また、左右方向に操作された場合、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁174のパイロットポートに導入させる。
【0091】
具体的には、右操作レバー26Rは、ブーム下げ方向に操作された場合に、ショベルコントローラ30が、制御弁175Rの左側パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、ブーム上げ方向に操作された場合には、ショベルコントローラ30が、制御弁175Lの右側パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁175Rの左側パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、バケット閉じ方向に操作された場合に、ショベルコントローラ30が、制御弁174の右側パイロットポートに作動油を導入させ、バケット開き方向に操作された場合に、ショベルコントローラ30が、制御弁174の左側パイロットポートに作動油を導入させる。ショベルコントローラ30が当該制御を行うためには、操作センサ29RA、29RBからの出力を用いる。
【0092】
左走行レバー26DLは、左クローラ1CLの操作に用いられる。左走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。左走行レバー26DLは、前後方向に操作されると、ショベルコントローラ30が、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁171のパイロットポートに導入させる。右走行レバー26DRは、右クローラ1CRの操作に用いられる。右走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。右走行レバー26DRは、前後方向に操作されると、ショベルコントローラ30が、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁172のパイロットポートに導入させる。ショベルコントローラ30が当該制御を行うためには、後述する操作センサ29DL、29DRからの出力を用いる。
【0093】
操作センサ29は、操作者による操作装置26の操作の内容を検出できるように構成されている。本実施形態では、操作センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量を検出し、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。
【0094】
操作センサ29は、操作センサ29LA、29LB、29RA、29RB、29DL、29DRを含む。操作センサ29LAは、操作者による左操作レバー26Lに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。操作の内容は、例えば、レバー操作方向、レバー操作量(レバー操作角度)等である。
【0095】
同様に、操作センサ29LBは、操作者による左操作レバー26Lに対する左右方向への操作の内容を検出し、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。操作センサ29RAは、操作者による右操作レバー26Rに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。操作センサ29RBは、操作者による右操作レバー26Rに対する左右方向への操作の内容を検出し、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。
【0096】
操作センサ29DLは、操作者による左走行レバー26DLに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。操作センサ29DRは、操作者による右走行レバー26DRに対する前後方向への操作の内容を検出し、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。
【0097】
ショベルコントローラ30は、操作センサ29の出力を受信し、必要に応じてレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させる。また、ショベルコントローラ30は、絞り18の上流に設けられた制御圧センサ19の出力を受信し、必要に応じてレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させる。絞り18は左絞り18L及び右絞り18Rを含み、制御圧センサ19はネガコン圧センサ19L、19Rを含む。
【0098】
<遠隔操作システムのブロック構成>
図6は、本実施形態に係る遠隔操作システムSYSの構成例を示す機能ブロック図である。
図6に示される例では、遠隔操作システムSYSに含まれる、遠隔操作室RC、及び、ショベル100の各々のブロック構成を示している。なお、ショベル100のハードウェア構成については上述した通りなので、説明を省略する。
【0099】
<遠隔操作室RCの構成>
遠隔操作室RCは、遠隔コントローラ40と、通信装置T2と、スピーカA2と、操作センサ43と、表示装置D1と、を含む。スピーカA2、通信装置T2、及び操作センサ43は、上述したので説明を省略する。
【0100】
次に、遠隔操作室RCについて説明する。
図7は、遠隔操作室RCの配置例を示す図である。遠隔操作室RCには、操作席DSを基準に、複数の操作装置42が設けられている。
【0101】
本実施形態では、表示装置D1は、
図7に示すように、縦3段、横3列の9つのモニタで構成されるマルチディスプレイである。具体的には、表示装置D1は、中央モニタD1a、上モニタD1b、下モニタD1c、左モニタD1d、右モニタD1e、左上モニタD1f、右上モニタD1g、左下モニタD1h、及び右下モニタD1iを含む。
【0102】
本実施形態では、表示装置D1の上方にスピーカA2が設けられている。スピーカA2は、例えば、ショベル100のマイクロフォンアレイA1で集音された音を出力するために設けられている。
【0103】
<<ショベルの機能ブロック>>
図6に戻り、ショベル100のショベルコントローラ30内の各機能ブロックについて説明する。ショベルコントローラ30内の各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUにて実行されるプログラムにより実現される。または各機能ブロックをワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。ショベルコントローラ30は、プログラムを実現することで、取得部301と、ショベル状態特定部302と、マップ生成部303と、送信制御部304と、受信制御部305と、アクチュエータ駆動部306と、を備える。
【0104】
図8は、本実施形態に係るショベル100の周辺の状況を示した概念図である。
図8に示される例では、ショベル100と、作業員801と、トラック802と、が存在する例とする。
【0105】
作業員801は、ショベル100に対して話しかけている。トラック802は、動作中のため、エンジン音がショベル100まで響いている。
【0106】
ショベル100の前カメラS6Fの撮像領域には、作業員801と、トラック802とが含まれている。
【0107】
さらに、マイクロフォンアレイA1が、作業員801の発話と、トラック802のエンジン音と、を集音する。
【0108】
そして、ショベルコントローラ30は、ショベル100のマイクロフォンアレイA1により集音された音を示した音信号を、通信装置T1を介して、遠隔操作室RCの通信装置T2に送信する。さらに、ショベル100は、マイクロフォンアレイA1が取得した音信号に基づいて、ショベル100の周辺の音の発生状況を示した情報(後述する音のヒートマップに相当)を生成し、生成した情報を、通信装置T1から、遠隔操作室RCの通信装置T2に送信する。当該情報の送信を実現するためのショベル100の具体的な構成について説明する。
【0109】
図6に戻り、取得部301は、ショベル100に設けられた各種検出装置からの信号を取得する。例えば、取得部301は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3)の検出結果を取得する。また、取得部301は、測位装置S7から、ショベル100の位置及び向き等の測定結果を取得する。また、取得部301は、撮像装置S6からの画像情報を取得する。また、取得部301は、マイクロフォンアレイA1から、マイクロフォンアレイA1を構成するマイクロフォンの各々が集音した音信号を取得する。
【0110】
ショベル状態特定部302は、取得部301が取得した信号に基づいて、ショベル100の状態を特定するように構成されている。本実施形態では、ショベル100の状態は、ショベル100の位置と向き、及びショベル100のアタッチメントの状態(例えば、ブーム4、アーム5、及びバケット6の位置)を含む。ショベル100の位置は、例えば、ショベル100の基準座標系における位置(ショベル100基準点の緯度、経度、及び高度)である。ショベル状態特定部302は、測位装置S7の出力に基づいてショベル100の位置及び向きを特定する。
【0111】
アタッチメントの状態(例えば、ブーム4、アーム5、及びバケット6の位置)は、角度センサ(ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3)の検出結果、及びブーム4、アーム5及びバケット6の各々のサイズから特定できる。
【0112】
マップ生成部303は、マイクロフォンアレイA1を構成するマイクロフォンの各々が集音した音信号に基づいて、ショベル100周囲の音の強弱を表した、音のヒートマップを生成する。
【0113】
本実施形態に係る音のヒートマップは、ショベル100の高さ方向(Z軸方向)及びショベル100の幅方向(Y軸方向)における2次元マップであって、マイクロフォンアレイA1が集音可能な範囲において、集音方向毎に、集音された音の強弱を表したマップとする。音の強弱とは、音信号における振幅の大きさを表している。
【0114】
図9は、本実施形態に係るマップ生成部303における、マイクロフォンアレイA1の音信号による音のヒートマップの生成を示した概念図である。
図9で示される例では、説明を容易にするために、マイクロフォンアレイA1が、マイクロフォンA1a~A1eで構成されている例について説明する。
【0115】
図9に示されるように、マイクロフォンアレイA1のマイクロフォンA1a~A1eは、集音可能な範囲において、集音方向毎に集音した音信号を、ショベルコントローラ30に出力する。そしてショベルコントローラ30の取得部301が取得した音信号を、マップ生成部303に出力する。
【0116】
マップ生成部303は、マイクロフォンA1a~A1eの各々が集音した音信号に対して、集音方向に応じた遅延器を設定する。
【0117】
図9に示される例では、正面から幅方向(Y軸方向)に角度θだけ傾いた方向からの集音した音信号の強弱を認識するために、マップ生成部303は、マイクロフォンA1aに対応する遅延器303aを割り当て、マイクロフォンA1bに対応する遅延器303bを割り当て、マイクロフォンA1cに対応する遅延器303cを割り当て、マイクロフォンA1dに対応する遅延器303dを割り当てる。遅延器303a~303dは、集音方向を示す角度θに応じて定められる。
【0118】
例えば、遅延器303aは、マイクロフォンA1aから入力された音信号に対する、"e-t4・s"を用いた演算で、時間t4の遅れを考慮した音信号を生成する。sは、ラプラス演算子とする。時間t4は、集音方向が幅方向に角度θだけ傾いている場合の、マイクロフォンA1aが集音してからマイクロフォンA1eが集音するまでの遅延時間を示している。具体的には、時間t4は、式"t4=4・l・sinθ/v"から算出できる。距離lは、マイクロフォンの間の距離であり、音速vと定義する。遅延器303a~遅延器303dで行われる具体的な演算は、周知の手法を用いればよいので説明を省略する。なお、音速vは、固定値でもよいし、検出された気温等に基づいて算出してもよい。なお、本実施形態は、遅延器303a~遅延器303dの一例を示したものであって、音信号の遅れを考慮した回路であれば、周知の回路を用いてよい。
【0119】
遅延器303bは、マイクロフォンA1bから入力された音信号に対する、"e-t3・s"を用いた演算で、時間t3の遅れを考慮した音信号を生成する。時間t3は、集音方向が幅方向に角度θだけ傾いている場合の、マイクロフォンA1bが集音してからマイクロフォンA1eが集音するまでの遅延時間を示している。具体的には、時間t3は、式"t3=3・l・sinθ/v"から算出できる。
【0120】
遅延器303cは、マイクロフォンA1cから入力された音信号に対する、"e-t2・s"を用いた演算で、時間t2の遅れを考慮した音信号を生成する。時間t2は、集音方向が幅方向に角度θだけ傾いている場合の、マイクロフォンA1cが集音してからマイクロフォンA1eが集音するまでの遅延時間を示している。具体的には、時間t2は、式"t2=2・l・sinθ/v"から算出できる。
【0121】
遅延器303dは、マイクロフォンA1dから入力された音信号に対する、"e-t1・s"を用いた演算で、時間t1の遅れを考慮した音信号を生成する。時間t1は、集音方向が幅方向に角度θだけ傾いている場合の、マイクロフォンA1dが集音してからマイクロフォンA1eが集音するまでの遅延時間を示している。具体的には、時間t1は、式"t1=l・sinθ/v"から算出できる。
【0122】
演算器303fは、遅延器303a~遅延器303dから出力された値と、マイクロフォンA1eから出力された音信号と、に基づいて、マイクロフォンA1a~A1eの各々が集音した音信号のうち、角度θだけ傾いた方向からの音が強調された音信号を生成する。
【0123】
マップ生成部303は、演算器303fにより生成された音信号の振幅に基づいて、音のヒートマップ303gを生成する。具体的には、ヒートマップ303gには、集音方向毎に、対応する領域(例えば画素)が予め定められている。そして、マップ生成部303は、ヒートマップ303gの領域(例えば画素)に対して、当該領域に対応する当該集音方向の音が強調された音信号の振幅に応じた、色を割り当てる。例えば、マップ生成部303は、振幅が大きいほど赤(または黒)になり、パラメータが小さいほど白になるように色を割り当てる。
【0124】
マップ生成部303は、マイクロフォンアレイA1の集音可能な範囲において、集音方向毎に、当該方向の音が強調された音信号を生成し、当該音信号の振幅に応じた色を割り当てることで、音のヒートマップ303gを生成する。
【0125】
なお、
図9で示される例では、説明を容易にするために、Y軸方向に角度θだけ傾いた例について説明するが、集音する方向はY軸方向及びZ軸方向の組み合わせた方向となる。当該組み合わせ方向についても上述した処理で、音の強弱を認識できるので説明を省略する。
【0126】
送信制御部304は、通信装置T1を介して、取得部301の取得結果に基づいた様々な情報を、遠隔操作室RCに送信するための制御を行う。例えば、送信制御部304は、撮像装置S6が撮像した画像情報、ショベル100の位置及び向きを示した位置情報、アタッチメントの状態を示す状態情報、マイクロフォンアレイA1が集音した音信号、並びに、音のヒートマップを、遠隔操作室RCに送信する制御を行う。送信制御部304による送信は、所定時間毎に行われる。所定時間は、任意の時間でよいが、ショベル100の作業によって変化した状況を認識できる時間間隔とする。例えば、送信制御部304は、上記の情報を、1秒間隔で送信してもよい。
【0127】
受信制御部305は、通信装置T1を介して、様々な情報を、遠隔操作室RCから受信するための制御を行う。例えば、受信制御部305は、遠隔操作室RCから、ショベル100の動作を制御するための操作信号を受信する。
【0128】
アクチュエータ駆動部306は、ショベル100に搭載されているアクチュエータを駆動するように構成されている。本実施形態では、アクチュエータ駆動部306は、遠隔操作室RCから送信されてくる操作信号に基づき、比例弁31に含まれる複数の電磁弁のそれぞれに対する作動信号を生成して出力する。
【0129】
作動信号を受けた各電磁弁は、コントロールバルブユニット17における対応する制御弁のパイロットポートに作用するパイロット圧を増減させる。その結果、各制御弁に対応する油圧アクチュエータは、制御弁のストローク量に応じた速度で動作する。
【0130】
<<遠隔操作室の機能ブロック>>
遠隔操作室RCの遠隔コントローラ(制御部の一例)40内の各機能ブロックについて説明する。遠隔コントローラ40内の各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUにて実行されるプログラムにより実現される。または各機能ブロックをワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。遠隔コントローラ40は、プログラムを実現することで、受信制御部401と、表示画面生成部402と、出力制御部403と、信号生成部404と、送信制御部405と、を備える。
【0131】
本実施形態は、遠隔操作室RCの遠隔コントローラ40が、表示装置(表示部の一例)D1の制御部である場合について説明する。つまり、遠隔操作室RCにある構成が、ショベル100の遠隔操作を支援するための表示装置として機能する。
【0132】
受信制御部401は、通信装置T2を介して、様々な情報を、ショベル100から受信するための制御を行う。
【0133】
他の例としては、受信制御部401は、ショベル100から、撮像装置S6で撮像された画像情報、位置情報、状態情報、マイクロフォンアレイA1が取得した音信号、及び音のヒートマップ(音に関する情報の一例)を受信(取得)する。画像情報は、撮像装置S6により撮像された情報とする。位置情報は、測位装置S7により測定された基準座標系におけるショベル100の位置及び向きを示した情報とする。状態情報は、アタッチメントの状態(例えば、ブーム4、アーム5、及びバケット6の位置)を示した情報とする。音のヒートマップは、マップ生成部303により生成されたショベル100周囲の音の強弱を示したマップ情報とする。
【0134】
表示画面生成部402は、ショベル100の周辺の音の発生状況を表した音のヒートマップを、画像情報に重ねて表示画像を生成する。具体的には、表示画面生成部402は、画像情報に表されている位置と、ヒートマップの集音方向と、が対応するように重ねるようにして、表示画像を生成する。
【0135】
出力制御部403は、マイクロフォンアレイA1の音信号を、スピーカA2から出力する。複数のマイクロフォンによる音信号を、スピーカA2から出力する手法は、周知の手法を問わず、あらゆる手法を用いてよい。
【0136】
また、出力制御部403は、表示画面生成部402により生成された表示画像を、表示装置D1に出力する。
【0137】
信号生成部404は、操作センサ43が受け付けた操作に従って、ショベル100の動作を制御するための操作信号を生成する。送信制御部405は、生成した操作信号を、ショベル100に送信する。
【0138】
図10は、本実施形態に係る表示装置D1に表示される表示画面の一例を示した図である。
図10に示される例では、前カメラS6Fによって撮影された画像情報に表されている、作業員801と、トラック802とが表示されている。さらに、音のヒートマップで表されていた音検知領域1001、1002が画像情報に重ねて表示されている。音検知領域1001、1002は、半透明(透過率は任意とする)で表示される。
【0139】
音検知領域1001は、音のヒートマップに基づいて表示された領域である。音検知領域1001は、濃い赤の領域1001aと、赤色の領域1001bと、オレンジ色の領域1001cと、黄色の領域1001dと、薄黄色の領域1001eと、を含んでいる。音検知領域1001では、領域1001aから領域1001eに変化するに従って音が小さくなっていることを示している。換言すれば、領域1001aが音源の近傍であって、作業員801が声を出していることを示している。
【0140】
同様に、音検知領域1002は、赤色の領域1002aと、オレンジ色の領域1002bと、黄色の領域1002cと、薄黄色の領域1002dと、を含んでいる。音検知領域1002も同様に、領域1002aから領域1002dに変化するに従って音が小さくなっていることを示している。換言すれば、領域1002aが音源の近傍であって、トラック802のエンジンが動作していることを示している。
【0141】
図10に示される画面のように、本実施形態では、出力制御部403が、ショベル100周囲の音の発生状況として、画面に表わされる各領域に対応する方向から取得した音の強弱を認識可能な表示態様で表示する。なお、本実施形態では、音の強弱を色として表した例を示したが、音の強弱を色として表した例に制限するものではなく、他の態様であってもよい。例えば、網掛けでもよいし、輝度等を変更してもよい。本実施形態では、音の強弱を認識可能に表示画面を表示することで、操作者が音の発生源を把握できる。つまり、操作者は、スピーカA2で音を聞いた際に、当該音の発生源を認識できるので、現在の状況を把握できる。そして、操作者は、現在の状況に応じた操作が可能になる。したがって、安全性の向上を実現できる。
【0142】
本実施形態に係る表示画面を生成するために用いられた音のヒートマップは、マイクロフォンアレイA1が集音可能な範囲に含まれる方向毎に取得した音の強弱を、色として示している。これにより、マイクロフォンアレイA1が複数の発生源から音を集音した場合には、出力制御部403が出力する表示画像では、複数の音の発生源が、複数の音検知領域として表される。つまり、出力制御部403は、マイクロフォンアレイA1が取得した音信号に、音の発生源が複数含まれている場合に、当該複数の音の発生源の各々を、認識可能な表示態様で表示できる。これにより、操作者は、複数の音の発生源を認識した上で、操作ができるので、安全性の向上を実現できる。
【0143】
また、前カメラS6Fによる撮像領域と、マイクロフォンアレイA1が集音可能な範囲と、が異なる場合がある。この場合、前カメラS6Fによる撮像領域には表されていない音の発生源からの音信号を、マイクロフォンアレイA1が取得することもある。この場合、表示画面生成部402は、画像情報に発生源が表れていなくとも、音検知領域を画像情報に重ねて表示画像を生成してもよい。
【0144】
図11は、本実施形態に係る表示装置D1に表示される表示画面の一例を示した図である。
図11に示される例では、前カメラS6Fによって撮影された画像情報に音の発生源は写っていないが、音の発生源が右側に存在することを表した音検知領域1101が画像情報に重ねて表示されている。
【0145】
音検知領域1101は、音のヒートマップに基づいて表示された領域である。音検知領域1101は、オレンジ色の領域1101aと、黄色の領域1101bと、薄黄色の領域1101cと、を含んでいる。そして、操作者は、スピーカA2から音が出力された際に、音検知領域1101を認識することで、音の発信源が右側にあることを認識できる。
【0146】
図11に示される音検知領域1101は、表示態様の一例を示したものであって、当該表示態様に制限するものではない。つまり、画像情報で表されている領域外の方向から音信号を取得したことを認識可能な表示態様であればよい。
【0147】
このように、本実施形態に係る出力制御部403は、前カメラS6Fによって撮影された画像情報で表されている領域外の方向から音信号を取得した場合に、画像情報で表されている領域外から音信号を取得したことを表示装置D1に表示する。これにより、操作者は、表示装置D1に写っていなくとも、音の発生源が存在する方向を推定できる。操作者は、音の発生源が存在する方向を推定した上で、作業ができるので、安全性を向上させることができる。
【0148】
本実施形態では、音のヒートマップ(音に関する情報の一例)の生成を、ショベルコントローラ30が行う例について説明した。しかしながら、音のヒートマップ(音に関する情報の一例)の生成を、ショベルコントローラ30側で行う態様に制限するものではなく、例えば、遠隔コントローラ40側で行ってもよい。
【0149】
(第1の実施形態の変形例1)
上述した実施形態では、画像情報に、音の強弱を示した音検知領域を重ねて表示する例について説明した。しかしながら、上述した実施形態の表示態様に制限するものではない。例えば、発話された内容を文字情報として表示してもよい。
【0150】
遠隔コントローラ40の表示画面生成部402は、受信制御部401が受信した音信号に含まれる音声を抽出し、当該音声を文字情報に変換する。当該音声を文字に変換する音声認識の手法は、周知の手法を用いてよい。
【0151】
そして、表示画面生成部402は、変換された文字情報を、音検知領域と共に、画像情報に重ねて、表示画面を生成する。
【0152】
そして、出力制御部403は、文字情報が重ねられた表示画面を表示する。
図12は、本実施形態に係る表示装置D1に表示される表示画面の一例を示した図である。
図12に示される例では、前カメラS6Fによって撮影された画像情報に、音検知領域1001、1002と共に、文字列情報1201が重ねて表示される。
【0153】
文字列情報1201で示される音声は、スピーカA2から出力されるが、本変形例では、文字列情報1201としても表されている。これにより、操作者は、スピーカA2から出力された音声を聞き逃した場合又は聞こえなかった場合でも、発話された内容を認識できるので、当該発話された内容を考慮してショベル100の操作を行うことができる。これにより、安全性の向上を図ることができる。
【0154】
(第1の実施形態の変形例2)
上述した実施形態では、マイクロフォンアレイA1を構成するマイクロフォンが集音した音信号の遅延和に基づいて、特定方向から取得した音信号を合成することで、当該特定方向の音の強弱を認識し、当該認識結果を音のヒートマップとして生成する例について説明した。しかしながら、音の発生状況を認識する手法を上述した実施形態の手法に制限するものではない。
【0155】
例えば、マイクロフォンアレイA1を構成するマイクロフォンが集音した音信号は、発生源が異なる音信号が組み合わされている。そこで、マップ生成部303が、マイクロフォンの各々が取得した音信号から、発生源ごとに異なる音信号に分離し、分離した音信号のマイクロフォンへの到達時間の差から、音の発生源を特定してもよい。そして、送信制御部304は、音の発生源と、分離された音信号の強さと、を表した音に関する情報を、遠隔コントローラ40に送信する。そして、表示画面生成部402は、画像情報に、音の発生源と、音の強さとを表した音検知領域を重ねて、表示画像を生成する。これにより、上述した実施形態と同様の表示画面を表示できる。発生源ごとに異なる音信号を抽出する手法としては、例えば音信号の複製とフィルタリング処理とを組み合わせた周知の手法を用いてもよい。
【0156】
(第2の実施形態)
上述した実施形態及び変形例は、ショベル100の周辺の音の発生状況を表した音のヒートマップを表示する際の手法を示した。当該表示のために、ショベル100の周辺の音として、作業員801と、トラック802と、から集音した場合について説明した。しかしながら、マイクロフォンアレイA1に集音される対象は、ショベル100の周囲に存在する物体に制限するものではなく、ショベル100の内部に存在する物体も含まれる。そこで、第2の実施形態では、ショベル100の内部に存在する物体からの音を考慮した場合について説明する。
【0157】
図13は、本実施形態に係るショベル100の周辺の状況を示した概念図である。
図13に示される例では、ショベル100の周囲に、作業員801と、トラック802と、が存在する例とする。さらに
図13に示される例では、ショベル100に搭載しているエンジン11のエンジン音が、マイクロフォンアレイA1に集音される。
【0158】
遠隔操作室RCにおいては、スピーカA2から出力される音に、エンジン11のエンジン音が含まれている場合、操作者は、ショベル100の周囲の状況を把握するのが難しくなる可能性がある。そこで、本実施形態においては、ショベル100のエンジン11から発せられるエンジン音を抑制するよう制御する。本実施形態では、エンジン音を抑制する手法として、エンジン音をフィルタリングする例について説明する。なお、本実施形態は、エンジン音を抑制する手法としてエンジン音をフィルタリングする例について説明するが、エンジン音を抑制する手法として他の手法を適用してもよい。
【0159】
図14は、本実施形態において、遠隔操作室RCで音を出力するまでの構成を示した概念図である。
図14に示される例では、ショベル100が、ショベルコントローラ30Aを備えた例とする。さらには、遠隔操作室RCには、遠隔コントローラ40Aが設けられた例とする。
【0160】
図14に示される例では、遠隔コントローラ40Aには、受信制御部401と、音響分離部1401と、減衰部1402と、加算部1403と、マップ生成部303Aと、出力制御部403と、表示画面生成部402と、を備えた例とする。
【0161】
本実施形態においては、遠隔コントローラ40Aが、エンジン音をフィルタリングする例とする。つまり、上述した実施形態では、マップ生成部303がショベルコントローラ30に設けられた例について説明したが、本実施形態においては、マップ生成部303Aが、遠隔コントローラ40Aに設けられた例とする。
【0162】
図14に示される例では、ショベルコントローラ30Aは、マイクロフォンアレイA1から集音された音を示した音信号を、通信装置T1を介して、遠隔操作室RCの通信装置T2に送信する。
【0163】
音響分離部1401は、受信制御部401が受信した音信号に含まれる、マイクロフォンの各々が取得した音信号から、発生源ごとに異なる音信号に分離する。
図14に示される例では、エンジン音の音信号と、作業員801の音信号と、トラック802の音信号と、に分離する。
【0164】
本実施形態に係る音響分離部1401は、エンジン11のエンジン音を示す特徴情報(例えば、周波数帯域及び波形)を保持している。したがって、音響分離部1401は、分離した音信号から、エンジン音を示した音信号を特定できる。
【0165】
そして、音響分離部1401は、エンジン音を示した音信号を、減衰部1402に出力する。一方、音響分離部1401は、エンジン音以外の音信号を、マップ生成部303Aに出力すると共に、加算部1403に出力する。
【0166】
マップ生成部303Aは、マイクロフォンアレイA1を構成するマイクロフォンの各々が取得した音信号のうち、エンジン音を取り除いた音信号に基づいて、音のヒートマップを生成する。なお、生成手法は、第1の実施形態の変形例2と同様として説明を省略する。
【0167】
減衰部1402が、エンジン音を示した音信号の振幅を低減させる。つまり、本実施形態では、減衰部1402が、エンジン音を示した音信号の振幅を低減させることで、エンジン音に対応する所定の周波数成分を減衰させることができる。なお、低減度合いは実施態様に応じて定められれば良い。
【0168】
そして、加算部1403が、減衰部1402により減衰された、エンジン音を示した音信号と、その他の音信号とを、加算する。これにより、加算部1403は、ショベル(作業機械の一例)100のエンジン(駆動源)から発生するエンジン音を減衰させた音信号を生成する。
【0169】
そして、出力制御部403は、加算された後の音信号を、スピーカA2から出力するための制御を行う。その際、出力制御部403は、スピーカA2から出力できるように、マイクロフォンアレイA1を構成するマイクロフォンの各々の音信号を合成してもよい。
【0170】
本実施形態においては、遠隔コントローラ40が、上述した制御を行うことで、エンジン音を減衰させることで、操作者は、スピーカA2から出力される音で、ショベル100の周囲に状況を把握するのが容易になる。
【0171】
本実施形態においては、スピーカA2から出力される音では、エンジン音が減衰しているので、操作者の音響によるストレスを低減できる。
【0172】
また、スピーカA2から出力される音から、エンジン音などの所定の周波数成分を減衰させて、ショベル100の周囲の音を聞きやすくしているので、例えば、ショベル100の周囲の人の声や異常音によって、周囲の状況を把握するのが容易になる。
【0173】
(第2の実施形態の変形例1)
上述した実施形態においては、音響分離部1401が、発生源ごとに異なる音信号に分離する例について説明した。しかしながら、エンジン音を抑制する手法として、エンジン音を示した音信号を抽出した後に、当該音信号を減衰させる手法に制限するものではない。本変形例においては、音響分離部1401、減衰部1402、及び加算部1403の代わりにバンドストップフィルタを設けた例とする。なお、本変形例においては、マップ生成部は、ショベルコントローラに設けられてもよいし、遠隔コントローラに設けられてもよい。
【0174】
本変形例では、バンドストップフィルタが、受信制御部401が受信した音信号に含まれる、マイクロフォンの各々が取得した音信号から、エンジン音に対応する周波数帯を減衰させる。そして、出力制御部403が、エンジン音に対応する周波数帯を減衰させた音信号を、スピーカA2から出力する。
【0175】
なお、本変形例では、エンジン音に対応する周波数帯を減衰させるフィルタとして、バンドストップフィルタを用いた例について説明したが、エンジン音に対応する周波数帯を減衰させるフィルタをバンドストップフィルタに制限するものではなく、ノッチフィルタを用いてもよい。つまり、エンジン音に対応する周波数帯を減衰させ、他の音を減衰させないように、減衰させる周波数の帯域が定められたフィルタであれば、どのようなフィルタを用いてもよい。
【0176】
本変形例では、上述した制御を行うことで、第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0177】
上述した実施形態及び本変形例では、フィルタリングの手法として、エンジン音を示した音信号の振幅を低減させる例について説明した。しかしながら、本実施形態はフィルタリングの一例を示したものであって、フィルタリングの当該手法に制限するものではない。つまり、遠隔操作室RCの操作者が、ショベル100を操作する際に、所定の条件に基づいて、ショベル100の周囲の状況を認識するために障害となる音を減衰させるフィルタリングであればよい。次に所定の条件に基づいてフィルタリングを行う他の例について説明する。
【0178】
(第2の実施形態の変形例2)
上述した実施形態では、操作者に周囲の状況を認識させるためにエンジン11のエンジン音を減衰させる例について説明した。しかしながら、操作者に周囲の状況を認識させる手法としては他の態様がある。例えば、複数の音の発生源が存在する場合に、人の音声が聞き取りにくい場合がある。そこで、本変形例では、人の音声の聞き取りを容易にする場合について説明する。
【0179】
人の音声の周波数帯域は、おおよそ100Hz~1000Hzである。このため、当該周波数帯域を抽出し、スピーカA2から出力すれば、音声が聞き取りやすくなる。
【0180】
そこで、本変形例では、遠隔操作室RCの遠隔コントローラ40は、当該周波数帯域でフィルタリングするか否かの操作を受け付け可能とする。当該操作を受け付けるための操作装置の態様は、任意の手法をと合わずあらゆる手法を用いてよい。例えば、フィルタリングするか否かの切り替えるためのボタンを設けてもよい。
【0181】
そして、遠隔コントローラ40は、フィルタリングする旨の操作を受け付けた場合に、受信した音信号に対して、100Hz~1000Hzの周波数帯域を抽出するフィルタリングを行う。
【0182】
そして、出力制御部403は、フィルタリングされた音信号を、スピーカA2から出力する。本変形例では、音声の周波数帯域でフィルタリングされるため、人の音声を聞き取りが容易になる。これにより、ショベル100の周囲の状況を把握できるので、安全性を向上させることができる。
【0183】
なお、本変形例では、遠隔操作室RCの遠隔コントローラ40は、操作を受け付けて、人の音声に対応する100Hz~1000Hzの周波数帯域を抽出するか否かを切り替える例について説明した。しかしながら、本変形例は、操作に応じて抽出するか否かを切り替える周波数帯域を、人の音声に対応する周波数帯域に制限するものではない。例えば、上述した実施形態で示したような、エンジン音に対応する周波数帯を減衰させるか否を、操作に応じて切り替えてもよい。
【0184】
本変形例では、操作に応じてフィルタリングするか否かを切り替える例について説明した。しかしながら、フィルタリングするか否かを切り替える条件を、操作の有無に制限するものではない。例えば、人の声を検知したか否かに応じて自動的にフィルタリングするか否かを切り替えてもよい。
【0185】
上述した実施形態及び本変形例では、所定の条件に基づいたフィルタリングを行い、フィルタリングされた音信号に基づいて、音のヒートマップの生成及びスピーカA2から出力のうちいずれか一つ以上を行う例について説明した。このように、フィルタリングされた音信号に基づいた情報を操作者に提示することで、操作者に対して必要な情報を認識させることができる。したがって、利便性の向上を実現できる。
【0186】
(第3の実施形態)
上述した実施形態においては、マイクロフォンアレイA1を、ショベル100の前面に設けた例について説明した。しかしながら、上述した実施形態のように、マイクロフォンアレイA1を、ショベル100の前面に設ける例に制限するものではない。そこで、第3の実施形態では、4方向の各々に、マイクロフォンアレイA1を設ける例について説明する。
【0187】
図15は、第3の実施形態に係る作業機械としてのショベル100Aの側面図である。マイクロフォンアレイA1以外は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。
【0188】
マイクロフォンアレイA1はショベル100の周辺の音を取得するように構成されている。本実施形態では、マイクロフォンアレイA1は、ショベル100の前方を集音する前マイクロフォンアレイA1F、ショベル100の左方を集音する左マイクロフォンアレイA1L、ショベル100の右方を集音する右マイクロフォンアレイA1R、及びショベル100の後方を集音する後マイクロフォンアレイA1Bを含む。
【0189】
撮像装置S6は、例えば、CCDやCMOS等の撮像素子を有する単眼カメラであり、撮像した画像を表示装置DIに出力してもよい。
【0190】
前カメラS6Fは、例えば、キャビン10の屋根に取り付けられている。左カメラS6Lは、上部旋回体3の上面左端に取り付けられている。右カメラS6Rは、上部旋回体3の上面右端に取り付けられている。後カメラS6Bは、上部旋回体3の上面後端に取り付けられている。
【0191】
左マイクロフォンアレイA1Lは、例えば、ショベル100の左側のフレームに取り付けられている。右マイクロフォンアレイA1Rは、例えば、ショベル100の右側のフレームに取り付けられている。後マイクロフォンアレイA1Bは、例えば、ショベル100の後側のフレームに取り付けられている。
【0192】
そして、ショベルコントローラ30のマップ生成部303は、4個のマイクロフォンアレイA1の各々に対応する音のヒートマップを生成する。そして、送信制御部304は、4つの音のヒートマップを、遠隔コントローラ40に送信する。
【0193】
これにより、遠隔操作室RCでは、4個の撮像装置S6の各々の画像情報を表示する際に、音検知領域を重ねて表示することができる。したがって、遠隔操作室RCの操作者から、4個の撮像装置S6が撮像した画像情報から、表示を切り替える操作を受け付けた場合に、切り替えられた後に表示される表示画像に音検知領域を重ねて表すことができる。
【0194】
本実施形態では、撮像装置S6の設置に対応するように、4個のマイクロフォンアレイA1を備えられているので、4個の撮像装置S6が撮像した画像情報のうち、どの画像情報が表示されたにかかわらず、画像情報に音検知領域を重ねて表示できる。これにより、遠隔操作室RCの操作者は、音の発生源を把握できるので、安全性の向上を実現できる。
【0195】
また、表示画面生成部402は、4個の撮像装置S6が撮像した画像情報のうちいずれか一つを、表示装置D1に表示する場合に、表示された画像情報に対応しない方向に設けられたマイクロフォンアレイA1の音のヒートマップの各々を考慮した表示画像を生成してもよい。例えば、表示画面生成部402は、前カメラS6Fの画像情報に基づいて表示画像を生成する際に、左マイクロフォンアレイA1Lからの音のヒートマップにおいて音が強いことが表されている場合に、前カメラS6Fの画像情報に、音の発生源が左側に存在することを示した情報を、画像情報に重ねてもよい。この場合に、表示画面生成部402は、左マイクロフォンアレイA1Lから集音した音声から変換された文字列情報を、前カメラS6Fの画像情報に重ねて表示してもよい。これにより、操作者は、表示画面に表示された領域以外において、音の発生源が存在する方向を把握できる。したがって、操作者は音の発生源が存在する方向を認識できるので、安全性を向上させることができる。
【0196】
(第4の実施形態)
上述した実施形態及び変形例では、遠隔操作室RCで操作者が操作を行う場合について説明した。しかしながら、上述した実施形態のような、画像情報に音検知領域を重ねて表示する態様を、遠隔操作を行う場合に制限するものではない。そこで、第4の実施形態では、ショベル100Bで操作する操作者に対して表示する場合について説明する。
【0197】
図16は、第4の実施形態に係る作業機械としてのショベル100Bの側面図である。撮像装置S6及びマイクロフォンアレイA1以外は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。
【0198】
本実施形態に係る撮像装置S6は、ショベル100の左方の空間を撮像する左カメラS6L、ショベル100の右方の空間を撮像する右カメラS6R、及びショベル100の後方の空間を撮像する後カメラS6Bを含む。このように、本実施形態においては、前方向は操作者が目視で確認できるため、前カメラS6Fが設けられていない。
【0199】
同様に、マイクロフォンアレイA1は、ショベル100の左方を集音する左マイクロフォンアレイA1L、ショベル100の右方を集音する右マイクロフォンアレイA1R、及びショベル100の後方を集音する後マイクロフォンアレイA1Bを含んでいる。取り付け場所は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。
【0200】
そして、ショベルコントローラ30のマップ生成部303は、3個のマイクロフォンアレイA1の各々に対応する音のヒートマップを生成する。そして、ショベルコントローラ30が、ショベル100の周辺の音の発生状況を表した音のヒートマップを、画像情報に重ねて表示画像を生成し、表示装置D1に表示する。
【0201】
次に、
図17を参照して、表示装置DIの画像表示部51及び操作部52の構成例について説明する。
図17は、表示装置DIの画像表示部51及び操作部52の構成例を示す図である。
図17に示す例では、画像表示部51に、操作部52のプッシュスイッチ52aが操作される前に表示される画面として、右方画像RG、後方画像BG、及び俯瞰画像TGを含むホーム画面が表示されている状態を示す。ホーム画面は、ショベル100の動作中に表示される画面である。
【0202】
まず、画像表示部51について説明する。
図17に示されるように、画像表示部51は、日時表示領域51a、走行モード表示領域51b、アタッチメント表示領域51c、燃費表示領域51d、エンジン制御状態表示領域51e、エンジン稼働時間表示領域51f、冷却水温表示領域51g、燃料残量表示領域51h、回転数レベル表示領域51i、尿素水残量表示領域51j、作動油温表示領域51k、エアコン運転状態表示領域51m、画像表示領域51n、及びスイッチ画像表示領域51pを含む。
【0203】
走行モード表示領域51b、アタッチメント表示領域51c、エンジン制御状態表示領域51e、回転数レベル表示領域51i、及びエアコン運転状態表示領域51mは、ショベル100の設定状態に関する情報である設定状態情報を表示する領域である。燃費表示領域51d、エンジン稼働時間表示領域51f、冷却水温表示領域51g、燃料残量表示領域51h、尿素水残量表示領域51j、及び作動油温表示領域51kは、ショベル100の稼動状態に関する情報である稼動状態情報を表示する領域である。
【0204】
具体的には、日時表示領域51aは、現在の日時を表示する領域である。走行モード表示領域51bは、現在の走行モードを表示する領域である。アタッチメント表示領域51cは、現在装着されているアタッチメントを表す画像を表示する領域である。燃費表示領域51dは、ショベルコントローラ30によって算出された燃費情報を表示する領域である。燃費表示領域51dは、生涯平均燃費又は区間平均燃費を表示する平均燃費表示領域51d1、瞬間燃費を表示する瞬間燃費表示領域51d2を含む。
【0205】
エンジン制御状態表示領域51eは、エンジン11の制御状態を表示する領域である。エンジン稼働時間表示領域51fは、エンジン11の累積稼働時間を表示する領域である。冷却水温表示領域51gは、現在のエンジン冷却水の温度状態を表示する領域である。燃料残量表示領域51hは、燃料タンクに貯蔵されている燃料の残量状態を表示する領域である。回転数レベル表示領域51iは、ダイヤル75によって設定された現在のレベルを画像で表示する領域である。
図17は、第1レベルが選択された状態を示している。尿素水残量表示領域51jは、尿素水タンクに貯蔵されている尿素水の残量状態を画像で表示する領域である。作動油温表示領域51kは、作動油タンク内の作動油の温度状態を表示する領域である。
【0206】
エアコン運転状態表示領域51mは、現在の吹出口の位置を表示する吹出口表示領域51m1、現在の運転モードを表示する運転モード表示領域51m2、現在の設定温度を表示する温度表示領域51m3、及び現在の設定風量を表示する風量表示領域51m4を含む。
【0207】
画像表示領域51nは、撮像装置S6が撮像した画像を表示する領域である。
図17に示す例では、画像表示領域51nは、右方画像RG、後方画像BG、及び俯瞰画像TGを表示している。
【0208】
右方画像RGは、ショベル100の右方の空間を映し出す画像であり、上部旋回体3の上面右端の画像GC1を含む。右方画像RGは、ショベルコントローラ30によって、右カメラS6Rが撮像した画像に、右マイクロフォンアレイA1Rが取得した音信号により生成された音のヒートマップを重ねて生成された画像である。
【0209】
右方画像RGには、作業員1501が写っている。右方画像RGには、さらに、音のヒートマップで表されていた音検知領域1511が重ねて表示されている。音検知領域1001は、音のヒートマップに基づいて表示された領域である。音検知領域1511は、濃い赤の領域1511aと、赤色の領域1511bと、オレンジ色の領域1511cと、黄色の領域1511dと、薄黄色の領域1511eと、を含んでいる。
【0210】
後方画像BGは、ショベル100の後方の空間を映し出す画像であり、カウンタウェイトの画像GC2を含む。後方画像BGは、ショベルコントローラ30によって、後ろカメラS6Bが撮像した画像に、後マイクロフォンアレイA1Bが取得した音信号により生成された音のヒートマップを重ねて生成された画像である。
【0211】
後方画像BGには、トラック1502が写っている。後方画像BGには、さらに、音のヒートマップで表されていた音検知領域1512が重ねて表示されている。音検知領域1001は、音のヒートマップに基づいて表示された領域である。音検知領域1521は、黄色の領域1511aと、薄黄色の領域1511bと、を含んでいる。
【0212】
俯瞰画像TGは、ショベルコントローラ30によって生成される仮想視点画像であり、後カメラS6B、左カメラS6L、及び右カメラS6Rのそれぞれが取得した画像に基づいて生成される。また、俯瞰画像の中央部分には、ショベル100に対応するショベル図形が配置されている。ショベル100とショベル100の周囲に存在する物体との位置関係を操作者により直感的に把握させるためである。
【0213】
俯瞰画像TGにも、作業員1501とトラック1502とが写っている。これにより、ショベル100の操作者は、周囲の状況を認識できる。
【0214】
また、画像表示領域51nは、上方に位置する第1画像表示領域51n1と下方に位置する第2画像表示領域51n2を有する。
図17に示す例では、右方画像RG及び後方画像BGが第1画像表示領域51n1に配置され、且つ、俯瞰画像TGが第2画像表示領域51n2に配置されている。なお、画像表示領域51nは、俯瞰画像TGを第1画像表示領域51n1に配置し、且つ、後方画像BG及び右方画像RGを第2画像表示領域51n2に配置してもよい。
【0215】
また、画像表示領域51nは、左方画像を同時に表示するように構成されていてもよい。この場合、画像表示領域51nは、左方画像と右方画像RGとを第1画像表示領域51n1に配置し、且つ、後方画像BGと俯瞰画像TGとを第2画像表示領域51n2に配置してもよい。この場合、左方画像は、第1画像表示領域51n1の左側に配置され、右方画像RGは、第1画像表示領域51n1の右側に配置されてもよい。
【0216】
また、
図17に示す例では、右方画像RGと後方画像BGとは左右に隣接して配置されているが、間隔を空けて配置されていてもよい。また、
図17に示す例では、画像表示領域51nが縦長の領域であるが、画像表示領域51nは横長の領域であってもよい。画像表示領域51nが横長の領域である場合、画像表示領域51nは、左側に第1画像表示領域51n1として俯瞰画像TGを配置し、右側に第2画像表示領域51n2として後方画像BG及び右方画像RGを配置してもよい。この場合、左右に間隔を空けて配置してもよいし、俯瞰画像TGの位置と後方画像BG及び右方画像RGの位置とを入れ換えてもよい。
【0217】
スイッチ画像表示領域51pは、スイッチ画像51p1~51p7を有する。
図17に示す例では、画像表示部51の最下部に、スイッチ画像51p1~51p7が左右に互いに間隔を空けて配置されている。スイッチ画像51p1~51p7には、対応するプッシュスイッチ52a1~52a7の機能を表すアイコンが表示される。
【0218】
スイッチ画像51p1には、メニュー詳細項目を表示するためのメニュー詳細項目アイコンが表示されている。操作者によりスイッチ画像51p1に対応するプッシュスイッチ52a1が操作されると、スイッチ画像51p2~51p7に表示されているアイコンがメニュー詳細項目に関連付けされたアイコンに切り換わる。
【0219】
図17に示す例では、スイッチ画像51p4には、デジタル水準器に関する情報を表示するためのアイコンが表示されている。操作者によりスイッチ画像51p4に対応するプッシュスイッチ52a4が操作されると、第2画像表示領域51n2に表示されていた俯瞰画像TGがデジタル水準器に関する情報を示す画像(サブ画面)に切り換わる。一方で、第1画像表示領域51n1に表示されていた後方画像BG及び右方画像RGはそのままの大きさで継続的に表示される。但し、デジタル水準器に関する情報を示す画像(サブ画面)は、第1画像表示領域51n1に表示されてもよい。この場合、第1画像表示領域51n1に表示されていた後方画像BG及び右方画像RGは、俯瞰画像TGの代わりに、第2画像表示領域51n2に表示されてもよい。
【0220】
図17に示す例では、スイッチ画像51p2、51p3、51p5、51p6、51p7には、アイコンが表示されていない。このため、操作者によりスイッチ画像51p2、51p3、51p5、51p6、51p7に対応するプッシュスイッチ52a2、52a3、52a5、52a6、52a7が操作されても、画像表示部51に表示される画像に変化は生じない。
【0221】
なお、スイッチ画像51p1~51p7に表示されるアイコンは上記した例に限定されるものではなく、他の情報を表示するためのアイコンが表示されていてもよい。
【0222】
次に、操作部52について説明する。
図17に示されるように、操作部52は、スイッチ画像51p1~51p7のそれぞれに対応するボタン式のスイッチであるプッシュスイッチ52aにより構成されている。
図17に示す例では、操作部52は、上段に配置された7つのプッシュスイッチ52a1~52a7と、下段に配置された7つのプッシュスイッチ52a8~52a14と、を含む。プッシュスイッチ52a8~52a14は、プッシュスイッチ52a1~52a7のそれぞれの下方に配置されている。但し、操作部52のプッシュスイッチ52aは、その数、形態、及び配置が上記した例に限定されるものではなく、例えば、ジョグホイール又はジョグスイッチ等のように複数のボタン式のスイッチの機能を一つにまとめた形態であってもよい。また、操作部52は、表示装置DIとは別の部材として構成されていてもよい。また、画像表示部51と操作部52とが一体となったタッチパネルでスイッチ画像51p1~51p7を直接タッチ操作する方式でもよい。
【0223】
プッシュスイッチ52a1~52a7は、スイッチ画像51p1~51p7の下方に、それぞれスイッチ画像51p1~51p7に対応して配置されており、それぞれスイッチ画像51p1~51p7を選択するプッシュスイッチとして機能する。プッシュスイッチ52a1~52a7がそれぞれスイッチ画像51p1~51p7の下方に、それぞれスイッチ画像51p1~51p7に対応して配置されているので、操作者は直感的にスイッチ画像51p1~51p7を選択できる。
【0224】
プッシュスイッチ52a8は、画像表示領域51nに表示される撮像画像を切り換えるスイッチである。プッシュスイッチ52a8が操作されるごとに画像表示領域51nの第1画像表示領域51n1に表示される撮像画像が、例えば、後方画像、左方画像、右方画像、及び俯瞰画像の間で切り換わるように構成されている。また、プッシュスイッチ52a8が操作されるごとに画像表示領域51nの第2画像表示領域51n2に表示される撮像画像が、例えば、後方画像、左方画像、右方画像、及び俯瞰画像の間で切り換わるように構成されていてもよい。また、プッシュスイッチ52a8が操作されるごとに画像表示領域51nの第1画像表示領域51n1に表示される撮像画像と第2画像表示領域51n2に表示される撮像画像とが入れ換わるように構成されていてもよい。このように、操作部52としてのプッシュスイッチ52a8は、第1画像表示領域51n1又は第2画像表示領域51n2に表示される撮像画像を切り換えるために利用されてもよいし、第1画像表示領域51n1に表示される撮像画像と第2画像表示領域51n2に表示される撮像画像とを切り換えるために利用されてもよい。また、第2画像表示領域51n2に表示される画面を切り換えるためのスイッチが別に設けられていてもよい。
【0225】
プッシュスイッチ52a9、52a10は、エアコンの風量を調節するスイッチである。
図17に示す例では、プッシュスイッチ52a9が操作されるとエアコンの風量が小さくなり、プッシュスイッチ52a10が操作されるとエアコンの風量が大きくなるように構成されている。
【0226】
プッシュスイッチ52a11は、冷房・暖房機能のON・OFFを切り換えるスイッチである。
図17に示す例では、プッシュスイッチ52a11が操作されるごとに冷房・暖房機能のON・OFFが切り換わるように構成されている。
【0227】
プッシュスイッチ52a12、52a13は、エアコンの設定温度を調節するスイッチである。
図17に示す例では、プッシュスイッチ52a12が操作されると設定温度が低くなり、プッシュスイッチ52a13が操作されると設定温度が高くなるように構成されている。
【0228】
プッシュスイッチ52a14は、エンジン稼働時間表示領域51fの表示を切り換得るスイッチである。
【0229】
また、プッシュスイッチ52a2~52a6、52a9~52a13は、それぞれのスイッチ又はスイッチ近傍に表示された数字を入力可能に構成されている。また、プッシュスイッチ52a3、52a4、52a5、52a11は、画像表示領域51nにカーソルが表示された際、カーソルをそれぞれ左、上、右、下に移動させることができるように構成されている。
【0230】
なお、上述したプッシュスイッチ52a1~52a7、52a8~52a14に割り当てられる機能は一例であり、他の機能が割り当てられてもよい。
【0231】
以上に説明したように、画像表示領域51nに右方画像RG、後方画像BG、及び俯瞰画像TGが表示されている状態で、スイッチ画像51p1に対応するプッシュスイッチ52a1が操作されると、右方画像RG及び後方画像BGが表示された状態でスイッチ画像51p2~51p7に新たなアイコン(プッシュスイッチ52a1~52a7のそれぞれに新たに割り当てられた機能を表すアイコン)が表示される。このため、操作者は、右方画像RG及び後方画像BGを確認しながら、新たなアイコンを確認できる。
【0232】
また、上述の例では、画像表示領域51nに右方画像RG、後方画像BG、及び俯瞰画像TGが表示されている状態でスイッチ画像51p2~51p7に対応するプッシュスイッチ52a1~52a7のうちの一つが操作されると、俯瞰画像TGが、選択されたスイッチ画像に対応する情報を示すメニュー画像に切り換わる。このように、右方画像RGと後方画像BGとを表示した状態でメニュー画像が表示されるので、操作者は、メニュー画像を表示している状態においても周囲(後方及び右方の空間)の監視を継続できる。そのため、操作者は、メニュー画像を表示した状態でショベル100を操作できる。
【0233】
本実施形態においては、表示装置D1の画像表示領域51nに含まれる、右方画像RG及び後方画像BGには、音検知領域を重ねて表示される。
【0234】
つまり、本実施形態においては、ショベル100に搭乗している操作者は、ショベル100の前方の状況は目視で確認できるので、ショベル100の前方から聞こえる音と共に、音の発信源を認識できる。
【0235】
しかしながら、ショベル100に搭乗している操作者は、視認できない領域については音の発信源を認識するのが難しい場合がある。そこで、本実施形態にかかるショベルコントローラ30は、表示装置DIに上述した画面を表示する。
【0236】
これにより、ショベル100の操作者は、視認できない領域についても、ショベル100の周囲の音の発信源を認識できる。例えば、右方画像RG及び後方画像BGを参照することで、音の発信源を認識できるので、操作者が現在聞いている音の発信源を把握できるので、聞こえた音に対応した操作を行うことができる。したがって、安全性の向上を実現できる。
【0237】
<作用>
上述した実施形態及び変形例においては、操作者が、表示画像を視認することで、音の発生源を認識できるので、作業現場の状況の確認が容易になる。したがって、操作者は、作業現場の状況に応じた操作を行うことができるので、安全性の向上を実現できる。さらには、操作者は、作業現場の状況に応じた操作を行うことができるので、作業効率の向上を実現できる。
【0238】
上述した実施形態及び変形例においては、作業機械の一例としてショベルを用いた場合について説明した。しかしながら、実施形態及び変形例で示した構成は、作業機械としてショベルに適用させる例に制限するものではなく、例えば、クレーン、フォークリフト等に適用してもよい。
【0239】
以上、作業機械の表示装置、作業機械、作業機械の遠隔操作システム一例を示した実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組み合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0240】
100 ショベル
1 下部走行体
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
S6 撮像装置
T1 通信装置
DI 表示装置
A1 マイクロフォンアレイ
30 ショベルコントローラ
301 取得部
302 ショベル状態特定部
303 マップ生成部
304 送信制御部
305 受信制御部
306 アクチュエータ駆動部
31 比例弁
RC 遠隔操作室
T2 通信装置
D1 表示装置
A2 スピーカ
40 遠隔コントローラ
401 受信制御部
402 表示画面生成部
403 出力制御部
404 信号生成部
405 送信制御部