(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007068
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ショベル用の表示装置、作業機械用の表示装置、及び、ショベルの監視システム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20250109BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
E02F9/26 A
E02F9/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108228
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐野 裕介
(72)【発明者】
【氏名】平手 奨二
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003BA03
2D003BA04
2D003BA06
2D003FA02
2D015HA03
2D015HB00
(57)【要約】
【課題】自律制御を行っているショベルの管理を容易にする。
【解決手段】実施形態の一態様に係るショベル用の表示装置は、当該ショベルが自律制御によって複数の動作を順に行う際に、当該ショベルから当該動作に関する情報を取得し、前記情報に基づいて前記ショベルの前記動作が切り替わると認識された場合に、前記ショベルに関して表示される内容を変更するように構成されている制御部を、備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該ショベルが自律制御によって複数の動作を順に行う際に、当該ショベルから当該動作に関する情報を取得し、
前記情報に基づいて前記ショベルの前記動作が切り替わると認識された場合に、前記ショベルに関して表示される内容を変更するように構成されている制御部を、
備えるショベル用の表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記動作が切り替わると認識された場合に、切り替わった後の前記動作に関連する欄の表示を変更するように構成されている、
請求項1に記載のショベル用の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記動作が切り替わると認識された場合に、切り替わった後の前記動作以外の他の動作に関連する欄の表示を変更するように構成されている、
請求項2に記載のショベル用の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記動作が切り替わると認識された場合に、切り替わった後の前記動作に関連する欄を、他の動作に関連する欄と比べて強調する表示を行うように構成されている、
請求項3に記載のショベル用の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記動作が切り替わると認識された場合に、切り替わった後の前記動作に関連する欄の枠線の表示態様を変更、又は、切り替わった後の前記動作に関連する欄を拡大する変更を行う、
請求項4に記載のショベル用の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記動作が切り替わると認識された場合に、前記他の動作に関連する欄をグレーアウトに変更、又は、前記他の動作に関連する欄を縮小する変更を行う、
請求項4に記載のショベル用の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記動作が切り替わると認識された場合に、切り替わった後の前記動作に関連する欄の表示を開始し、前記他の動作に関連する欄を非表示とするように構成されている、
請求項3に記載のショベル用の表示装置。
【請求項8】
前記ショベルから取得する前記情報に、前記動作と関係なく変化する前記ショベルの状況を示した情報が含まれ、
前記制御部は、前記ショベルの状況に関連する欄の表示は、前記動作が切り替わると認識された場合でも維持するように構成されている、
請求項1乃至3のいずれか一つに記載のショベル用の表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記ショベルが行う前記複数の動作の順序を表示し、前記動作が切り替わると認識された場合、前記ショベルが行う動作を認識可能に表示を切り替えるように構成されている、
請求項1乃至3のいずれか一つに記載のショベル用の表示装置。
【請求項10】
当該作業機械が自律制御によって複数の動作を順に行う際に、当該作業機械から情報を取得し、
前記情報に基づいて前記作業機械の前記動作が切り替わると認識された場合に、前記作業機械に関して表示される内容を変更するように構成されている制御部を、
備える作業機械用の表示装置。
【請求項11】
複数の動作を自律制御で行うと共に、当該動作に関する情報を送信するように構成されているショベルと、
前記ショベルから前記情報を受信し、前記ショベルから受信した前記情報に基づいた表示を行い、前記情報に基づいて前記ショベルの前記動作が切り替わると認識された場合に、前記ショベルに関して表示される内容を変更するように構成されている制御装置と、
を備えるショベルの監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショベル用の表示装置、作業機械用の表示装置、及び、ショベルの監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自律制御を行うショベルが提案されている。ショベルが自律制御を行う場合には、当該ショベルの状況を遠隔にいながら把握できるように管理装置が設けられた遠隔システムが提案されている(特許文献1参照)。当該遠隔システムでは、専門のスタッフが、管理装置に表示された内容によって、自律制御を行っているショベルの状態を判定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムにおいては、管理装置のディスプレイにどのような情報を表示すべきかまでは考慮されていない。つまり、管理装置のディスプレイには、ショベルの動作に応じた表示が行われることで、よりショベルの状態の把握が容易になると考えられる。
【0005】
上述に鑑み、自律制御を行っているショベルの動作に応じた表示を行うことで、ショベルの状態の把握を容易にして、自律制御を行っているショベルの管理を容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るショベル用の表示装置は、当該ショベルが自律制御によって複数の動作を順に行う際に、当該ショベルから当該動作に関する情報を取得し、前記情報に基づいて前記ショベルの前記動作が切り替わると認識された場合に、前記ショベルに関して表示される内容を変更するように構成されている制御部を、備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、自律制御を行っているショベルの状態の認識が容易になるので、自律制御を行っているショベルの管理を容易することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る遠隔管理システムの一例を示す概要図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るショベル(掘削機)を示す側面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係るショベルの駆動制御系の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る遠隔管理システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る画面生成部により生成される表示画面を例示した図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る画面生成部により生成される表示画面を例示した図である。
【
図7】
図7は、変形例1に係る画面生成部により生成される表示画面を例示した図である。
【
図8】
図8は、変形例1に係る画面生成部により生成される表示画面を例示した図である。
【
図9】
図9は、変形例2に係る画面生成部により生成される表示画面を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
【0010】
(第1の実施形態)
まず、
図1を参照して、第1の実施形態に係る遠隔管理システムSYSの概要を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る遠隔管理システムSYSの一例を示す概要図である。
【0011】
<遠隔管理システムを構成する機器>
図1に示すように、第1の実施形態に係る遠隔管理システムSYSは、ショベル100と、定点計測装置400と、管理装置200と、を含んでいる。
【0012】
ショベル100、定点計測装置400、及び、管理装置200は、通信回線NWを介してデータの送受信を可能に接続されている。例えば、ショベル100は無線通信を可能とする。
【0013】
ショベル100は、作業現場において自律制御によって作業を行うように構成されている。
【0014】
ショベル100は、一台であってもよいし、複数台であってもよい。遠隔管理システムSYSでは、ショベル100から、管理装置200に、ショベル100の自律制御に関する情報を提供できる。
【0015】
定点計測装置400は、ショベル100が作業を行う作業現場に設けられ、作業現場の状況を検出するために構成されている。
【0016】
定点計測装置400は、一台であってもよいし、複数台であってもよい。これにより、遠隔管理システムSYSは、定点計測装置400を通じて、管理装置200に作業現場に関する情報を提供できる。
【0017】
ショベル100及び定点計測装置400は、通信回線NWを介して、ショベル100に関する情報及び作業現場に関する情報を、管理装置200に送信する。このため、ショベル100及び定点計測装置400には、作業現場に存在する物体の位置及び形状を3次元的に認識可能なセンサが設けられている。例えば、ショベル100には(後述する)空間認識装置S7が設けられ、定点計測装置400には(後述する)空間認識装置S41が設けられている。したがって、ショベル100、及び定点計測装置400は、作業現場の3次元的に測定した結果を、管理装置200に送信できる。
【0018】
空間認識装置S7、S41は、作業現場を撮像するためにLIDARを用いてもよい。LIDARは、例えば、監視範囲内にある100万点以上の点とLIDARとの間の距離を測定する。なお、本実施形態は、LIDARを用いる手法に制限するものではなく、物体との間の距離を計測可能な空間認識装置であればよい。例えば、ステレオカメラを用いてもよいし、ミリ波レーダなどの測距装置を用いてもよい。
【0019】
管理装置200は、ショベル100を含む作業現場を管理者が管理するために設けられている。管理装置200は、表示装置D1を備えている。
【0020】
表示装置D1は、ショベル100及び定点計測装置400から送信された情報に基づいた画面を表示する。つまり、表示装置D1が、作業現場等に関する表示を行うことで、管理者が作業現場の状況を確認できる。
【0021】
このように、管理装置200は、ショベル100及び定点計測装置400からの検出結果に応じて、ショベル100を含む作業現場の状況を、多角的に提示できる。なお、本実施形態は、ショベル100を含む作業現場の測定を行う装置を、ショベル100及び定点計測装置400に制限するものではなく、作業現場上を飛行するドローン、又はユーザが所持可能な空間認識装置など、他の態様の装置であってもよい。
【0022】
なお、本実施形態は、自律制御を行うショベル100を監視するための、ショベル用の表示装置を、管理装置200に適用した例を示している。本実施形態はショベル用の表示装置を、管理装置200に制限するものではなく、他の装置に適用してもよい。例えば、作業現場の管理者が保持するタブレット端末等に表示してもよいし、ショベル100内の表示装置に表示してもよい。
【0023】
<ショベルの構成例>
次に、
図2を参照して、本実施形態に係るショベル100の概要について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る作業機械としてのショベル100の側面図である。ショベル100の下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載される。上部旋回体3にはブーム4が取り付けられる。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられる。エンドアタッチメントは、法面用バケット又は浚渫用バケット等であってもよい。
【0024】
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例である掘削アタッチメントを構成し、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。ブーム4にはブーム角度センサS1が取り付けられ、アーム5にはアーム角度センサS2が取り付けられ、バケット6にはバケット角度センサS3が取り付けられる。掘削アタッチメントには、バケットチルト機構が設けられていてもよい。
【0025】
ブーム角度センサS1はブーム4の回動角度を検出する。本実施形態では、ブーム角度センサS1は加速度センサであり、上部旋回体3に対するブーム4の回動角度であるブーム角度を検出できる。ブーム角度は、例えば、ブーム4を最も下げたときに最小角度となり、ブーム4を上げるにつれて大きくなる。
【0026】
アーム角度センサS2はアーム5の回動角度を検出する。本実施形態では、アーム角度センサS2は加速度センサであり、ブーム4に対するアーム5の回動角度であるアーム角度を検出できる。アーム角度は、例えば、アーム5を最も閉じたときに最小角度となり、アーム5を開くにつれて大きくなる。
【0027】
バケット角度センサS3はバケット6の回動角度を検出する。本実施形態では、バケット角度センサS3は加速度センサであり、アーム5に対するバケット6の回動角度であるバケット角度を検出できる。バケット角度は、例えば、バケット6を最も閉じたときに最小角度となり、バケット6を開くにつれて大きくなる。
【0028】
ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3は、可変抵抗器を利用したポテンショメータ、対応する油圧シリンダのストローク量を検出するストロークセンサ、又は、連結ピン回りの回動角度を検出するロータリエンコーダ等であってもよい。ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3は、掘削アタッチメントの姿勢を検出する姿勢センサを構成する。
【0029】
上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10、エンジン11、機体傾斜センサS4、旋回角速度センサS5、撮像装置S6、空間認識装置S7、測位装置S8、及び通信装置T1等が搭載されている。
【0030】
キャビン10内には、ショベルコントローラ30が設置される。また、キャビン10内には、運転席及び操作装置等が設置されている。
【0031】
ショベルコントローラ30は、各種演算を実行する演算装置である。ショベルコントローラ30は、例えば、キャビン10内に設けられ、ショベル100の駆動制御を行う。ショベルコントローラ30は、その機能が任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは、その組み合わせにより実現されてよい。例えば、ショベルコントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の補助記憶装置、及び各種入出力用のインターフェース等を含むマイクロコンピュータを中心に構成される。ショベルコントローラ30は、例えば、不揮発性の補助記憶装置にインストールされる各種プログラムをCPU上で実行することにより各種機能を実現する。
【0032】
エンジン11は、ショベル100の駆動源である。本実施形態では、エンジン11は、ディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。
【0033】
機体傾斜センサS4は、所定の平面に対する上部旋回体3の傾斜を検出するように構成されている。本実施形態では、機体傾斜センサS4は、水平面に関する上部旋回体3の前後軸回りの傾斜角及び左右軸回りの傾斜角を検出する加速度センサである。上部旋回体3の前後軸及び左右軸は、例えば、互いに直交してショベル100の旋回軸上の一点であるショベル中心点を通る。
【0034】
旋回角速度センサS5は、上部旋回体3の旋回角速度を検出するように構成されている。本実施形態では、旋回角速度センサS5は、ジャイロセンサである。旋回角速度センサS5は、レゾルバ又はロータリエンコーダ等であってもよい。旋回角速度センサS5は、旋回速度を検出してもよい。旋回速度は、旋回角速度から算出されてもよい。
【0035】
撮像装置S6はショベル100の周辺の画像を取得するように構成されている。本実施形態では、撮像装置S6は、ショベル100の前方の空間を撮像する前カメラS6F、ショベル100の左方の空間を撮像する左カメラS6L、ショベル100の右方の空間を撮像する右カメラS6R、及びショベル100の後方の空間を撮像する後カメラS6Bを含む。
【0036】
撮像装置S6は、例えば、CCDやCMOS等の撮像素子を有する単眼カメラであり、撮像した画像を表示装置DIに出力してもよい。
【0037】
前カメラS6Fは、例えば、キャビン10の屋根に取り付けられている。左カメラS6Lは、上部旋回体3の上面左端に取り付けられている。右カメラS6Rは、上部旋回体3の上面右端に取り付けられている。後カメラS6Bは、上部旋回体3の上面後端に取り付けられている。
【0038】
本実施形態は、撮像装置S6を上述した配置に設けることで、ショベル100の周辺に存在する物体を撮像できる。
【0039】
空間認識装置S7は、ショベル100の周囲の空間の状態を認識するように構成されている。空間認識装置S7は、ショベル100の後方の空間の検知を行う後方空間認識装置S7B、ショベル100の左方の空間の検知を行う左方空間認識装置S7L、ショベル100の右方の空間の検知を行う右方空間認識装置S7R、及び、ショベル100の前方の空間の検知を行う前方空間認識装置S7Fを含む。
【0040】
空間認識装置S7は、ショベル100の周辺に存在する物体を検出するためにLIDARを用いてもよい。LIDARは、例えば、監視範囲内にある100万点以上の点とLIDARとの間の距離を測定する。なお、本実施形態は、LIDARを用いる手法に制限するものではなく、物体との間の距離を計測可能な空間認識装置であればよい。例えば、ステレオカメラを用いてもよいし、距離画像カメラ、又はミリ波レーダなどの測距装置を用いてもよい。空間認識装置S7としてミリ波レーダ等が利用される場合には、空間認識装置S7から多数の信号(レーザ光等)を物体に向けて発信し、その反射信号を受信することで、反射信号から物体の距離及び方向を導き出してもよい。
【0041】
後方空間認識装置S7Bは、上部旋回体3の上面の後端に取り付けられる。左方空間認識装置S7Lは、上部旋回体3の上面の左端に取り付けられる。右方空間認識装置S7Rは、上部旋回体3の上面の右端に取り付けられる。前方空間認識装置S7Fは、キャビン10の上面の前端に取り付けられる。
【0042】
空間認識装置S7は、ショベル100の周囲に設定された所定領域内の所定物体を検知するように構成されていてもよい。例えば、空間認識装置S7は、人と人以外の物体とを区別しながら人を検知できるように構成された人検知機能を有していてもよい。
【0043】
測位装置S8は、ショベル100の位置に関する情報を取得するように構成されている。本実施形態では、測位装置S8は、基準座標系におけるショベル100の位置及び向きを測定するように構成されている。具体的には、測位装置S8は、電子コンパスを組み込んだGNSS受信機であり、ショベル100の現在位置の緯度、経度、及び高度を測定し、且つ、ショベル100の向きを測定する。本実施形態に係る基準座標系とは、例えば、世界測地系である。世界測地系は、地球の重心に原点をおき、X軸をグリニッジ子午線と赤道との交点の方向に、Y軸を東経90度の方向に、そして、Z軸を北極の方向にとる三次元直交XYZ座標系である。
【0044】
通信装置T1は、ショベル100の外部にある機器との通信を制御するように構成されている。本実施形態では、通信装置T1は、(無線通信網を含む)通信回線NWを介し、通信装置T1とショベル100の外部にある機器との間の通信を制御するように構成されている。通信装置T1は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する移動体通信モジュールや衛星通信網に接続するための衛星通信モジュール等を含む。
【0045】
また、通信装置T1は、例えば、外部のGNSS(Global Navigation Satellite System)測量システムとショベル100との間の無線通信を制御する。
【0046】
[ショベルの駆動制御系]
図3は、
図2のショベル100の駆動制御系の構成例を示す図である。
図3において、機械的動力伝達系は二重線、作動油ラインは太実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御系は点線でそれぞれ示される。
【0047】
本実施形態に係るショベル100の駆動系は、エンジン11と、レギュレータ13と、メインポンプ14と、コントロールバルブユニット17を含む。また、本実施形態に係るショベル100の油圧駆動系は、上述の如く、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6のそれぞれを油圧駆動する走行油圧モータ1L,1R、旋回油圧モータ2A、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等の油圧アクチュエータを含む。
【0048】
エンジン11は、油圧駆動系におけるメイン動力源であり、例えば、上部旋回体3の後部に搭載される。具体的には、エンジン11は、後述するショベルコントローラ30による直接或いは間接的な制御下で、予め設定される目標回転数で一定回転し、メインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動する。エンジン11は、例えば、軽油を燃料とするディーゼルエンジンである。
【0049】
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御する。例えば、レギュレータ13は、ショベルコントローラ30からの制御指令に応じて、メインポンプ14の斜板の角度(傾転角)を調節する。レギュレータ13は、例えば、後述の如く、レギュレータ13L,13Rを含む。
【0050】
メインポンプ14は、例えば、エンジン11と同様、上部旋回体3の後部に搭載され、高圧油圧ラインを通じてコントロールバルブユニット17に作動油を供給する。メインポンプ14は、上述の如く、エンジン11により駆動される。メインポンプ14は、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、上述の如く、ショベルコントローラ30による制御下で、レギュレータ13により斜板の傾転角が調節されることでピストンのストローク長が調整され、吐出流量(吐出圧)が制御される。メインポンプ14は、例えば、後述の如く、メインポンプ14L,14Rを含む。
【0051】
コントロールバルブユニット17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御装置である。本実施形態では、コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を含む。制御弁175は制御弁175L及び制御弁175Rを含み、制御弁176は制御弁176L及び制御弁176Rを含む。コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できるように構成されている。制御弁171~176は、例えば、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行油圧モータ1L、1R、及び旋回油圧モータ2Aを含む。より具体的には、制御弁171は、左走行油圧モータ1Lに対応し、制御弁172は、右走行油圧モータ1Rに対応し、制御弁173は、旋回油圧モータ2Aに対応する。また、制御弁174は、バケットシリンダ9に対応し、制御弁175は、ブームシリンダ7に対応し、制御弁176は、アームシリンダ8に対応する。
【0052】
パイロットポンプ15は、パイロット圧生成装置の一例であり、パイロットラインを介して油圧制御装置に作動油を供給できるように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。但し、パイロット圧生成装置は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給する機能に加え、パイロットラインを介して各種油圧制御機器に作動油を供給する機能を備えていてもよい。この場合、パイロットポンプ15は、省略されてもよい。
【0053】
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。アクチュエータは、油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータの少なくとも一方を含む。
【0054】
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出するように構成されている。本実施形態では、吐出圧センサ28は、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。
【0055】
操作センサ29は、操作装置26を用いた操作者の操作内容を検出するように構成されている。本実施形態では、操作センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量を検出し、検出した値をショベルコントローラ30に対して出力する。本実施形態では、ショベルコントローラ30は、操作センサ29の出力に応じて比例弁31の開口面積を制御する。そして、ショベルコントローラ30は、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給する。パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、原則として、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量に応じた圧力である。このように、操作装置26は、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給できるように構成されている。
【0056】
マシンコントロール用制御弁として機能する比例弁31は、パイロットポンプ15とコントロールバルブユニット17内の制御弁のパイロットポートとを接続する管路に配置され、その管路の流路面積を変更できるように構成されている。本実施形態では、比例弁31は、ショベルコントローラ30が出力する制御指令に応じて動作する。そのため、ショベルコントローラ30は、操作者による操作装置26の操作とは無関係に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、比例弁31を介し、コントロールバルブユニット17内の制御弁のパイロットポートに供給できる。
【0057】
この構成により、ショベルコントローラ30は、特定の操作装置26に対する操作が行われていない場合であっても、その特定の操作装置26に対応する油圧アクチュエータを動作させることができる。
【0058】
例えば、ショベルコントローラ30は、ショベル100に対して自律制御を行うよう設定されている場合、自律制御で行われる動作に基づいて、上部旋回体3に対して目標旋回角、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6の各々に対して目標角度、及びエンジン11に対して目標回転数のうちいずれか一つ以上を設定し、ショベル100の各種構成を動作させる制御を行う。
【0059】
また、例えば、ショベルコントローラ30は、必要に応じてレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させる。
【0060】
また、例えば、ショベルコントローラ30は、例えば、操作者による操作装置26を通じたショベル100の手動操作をガイド(案内)するマシンガイダンス機能に関する制御を行う。また、ショベルコントローラ30は、例えば、操作者による操作装置26を通じたショベル100の手動操作を自動的に支援するマシンコントロール機能に関する制御を行う。
【0061】
なお、ショベルコントローラ30の機能の一部は、他のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。即ち、ショベルコントローラ30の機能は、複数のコントローラにより分散される態様で実現されてもよい。例えば、マシンガイダンス機能及びマシンコントロール機能は、専用のコントローラ(制御装置)により実現されてもよい。
【0062】
<遠隔管理システムのブロック構成>
図4は、本実施形態に係る遠隔管理システムSYSの構成例を示す機能ブロック図である。
図4に示される例では、遠隔管理システムSYSに含まれる、管理装置200、定点計測装置400、及び、ショベル100の各々のブロック構成を示している。なお、ショベル100のハードウェア構成については上述した通りなので、説明を省略する。
【0063】
<定点計測装置の構成>
定点計測装置400は、通信装置T3と、位置情報記憶部450と、撮像装置S40と、空間認識装置S41と、コントローラ430とを含む。
【0064】
通信装置T3は、通信回線NWを通じて、管理装置200等の外部と通信を行うためのインターフェースである。通信装置T3は、通信回線NWと接続可能な装置であればよく、例えば、LTE、4G、5G等の移動体通信規格に対応する移動体通信モジュールであってよい。
【0065】
位置情報記憶部450は、定点計測装置400の位置情報を記憶している。位置情報は、例えば、GNSSで取得する位置情報と同様の基準座標系で表現されている。基準座標系は、例えば、上述した世界測地系である。
【0066】
撮像装置S40は、ショベル100が作業している作業現場の画像を取得するように構成されている。撮像装置S40は、例えば、CCDやCMOS等の撮像素子を有する単眼カメラである。
【0067】
空間認識装置S41は、ショベル100が作業している作業現場に存在する物体を検出する。空間認識装置S41は、上述したように例えばLIDARを用いる。
【0068】
コントローラ430は、定点計測装置400に関する制御を行う。コントローラ430は、例えば、任意のハードウェア、又は、任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等によりその機能が実現されてよい。コントローラ430は、例えば、CPU等のプロセッサ装置、RAM等のメモリ装置(主記憶装置)、及びROM等の補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成されてよい。例えば、コントローラ430は、補助記憶装置にインストールされるプログラムをメモリ装置にロードし、CPU上で実行することにより各種機能を実現する。
【0069】
<管理装置200の構成>
管理装置200は、コントローラ230と、通信装置T2と、表示装置D1と、を含む。
【0070】
通信装置T2は、ショベル100に取り付けられた通信装置T1、及び定点計測装置400に取り付けられた通信装置T3との間で通信を制御するように構成されている。
【0071】
コントローラ230は、各種演算を実行する演算装置である。本実施形態では、コントローラ230は、CPU及びメモリを含むマイクロコンピュータで構成されている。そして、コントローラ230の各種機能は、CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することで実現される。
【0072】
表示装置D1は、
図1に示されるように縦2段、横2列の4つのモニタで構成されるマルチディスプレイであってもよい。本実施形態においては、表示装置D1をマルチディスプレイで構成することで、複数のショベルの状況を管理できる。なお、本実施形態は、ディスプレイの数を制限するものではなく、4個以外であってもよい。また、1つのシングルディスプレイで構成されてもよい。
【0073】
次に、定点計測装置400のコントローラ430、ショベル100のショベルコントローラ30、及び管理装置200のコントローラ230の各々の機能ブロックについて説明する。
【0074】
<<定点計測装置の機能ブロック>>
定点計測装置400のコントローラ430内の各機能ブロックについて説明する。コントローラ430内の各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUにて実行されるプログラムにより実現される。または各機能ブロックをワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。コントローラ430は、プログラムを実現することで、送信制御部431を備える。
【0075】
送信制御部431は、撮像装置S40による画像情報と、空間認識装置S41による測定情報と、位置情報記憶部450に記憶されている位置情報と、を対応付けて管理装置200に送信する。送信制御部431による画像情報及び測定情報の送信は、所定時間毎に行われる。例えば、送信制御部431は、撮像装置S40が撮像を行う毎(例えば1秒未満)、又は、空間認識装置S41が測定を行う毎(例えば1秒未満)に送信してもよい。
【0076】
<<ショベルの機能ブロック>>
ショベル100のショベルコントローラ30内の各機能ブロックについて説明する。ショベルコントローラ30内の各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUにて実行されるプログラムにより実現される。または各機能ブロックをワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。ショベルコントローラ30は、プログラムを実現することで、取得部301と、ショベル状態特定部302と、動作設定部303と、目標軌道生成部304と、自律制御部305と、送信制御部306と、アクチュエータ駆動部307と、を備える。
【0077】
本実施形態に係るショベルコントローラ30は、ショベル100における自律制御を実現する。本実施形態に係るショベルコントローラ30は、ショベル100に対して、複数種類の作業を制御できる。本実施形態に係る作業は、作業現場においてショベル100に対して割り当てられたタスクとする。
【0078】
本実施形態に係るショベル100は、ショベルコントローラ30に制御によって、様々な作業を行うことができる。実行可能な作業としては、例えば、掘削積み込み、及び整地作業等が含まれる。なお、本実施形態は、ショベル100が実行可能な作業の一例を示したものであり、掘削積み込み、及び整地作業に制限するものではない。
【0079】
本実施形態でショベル100が実行可能な作業は、ショベル100の一つの動作、又は複数の動作の組み合わせによって実現される。例えば、作業が掘削積み込みの場合、掘削場所推移、掘削、持ち上げ、排土の順に動作を行う必要がある。換言すれば、これら複数の動作を組み合わせてショベル100の作業となる。掘削場所推移は、掘削場所までバケット6を移動させる動作であり、掘削は、土砂にバケットを挿入して土砂を持ち上げるところまでの動作であり、持ち上げは、土砂を持ち上げて排土先まで移動させる動作であり、排土は、バケット6からダンプトラック等に排土するまでの動作である。本実施形態におけるショベル100の動作とは、当該ショベル100が行う作業を一つ又は複数に分割した制御を表している。換言すれば、一つ又は複数の動作を組み合わせて、ショベル100の作業が実現される。
【0080】
取得部301は、ショベル100に設けられた各種検出装置からの信号を取得する。例えば、取得部301は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3)の検出結果を取得する。また、取得部301は、画像情報、測定情報、位置情報を取得する。
【0081】
画像情報は、撮像装置S6により撮像された情報とする。測定情報は、空間認識装置S7により測定された情報とする。位置情報は、測位装置S8により測定された基準座標系におけるショベル100の位置及び向きを示した情報とする。
【0082】
ショベル状態特定部302は、取得部301が取得した信号に基づいて、ショベル100の状態を特定するように構成されている。本実施形態では、ショベル100の状態は、ショベル100の位置と向き、及びショベル100のアタッチメントの状態(例えば、ブーム4、アーム5、及びバケット6の位置)を含む。ショベル100の位置は、例えば、ショベル100の基準座標系における位置(ショベル100基準点の緯度、経度、及び高度)である。ショベル状態特定部302は、測位装置S8の出力に基づいてショベル100の位置及び向きを特定する。
【0083】
アタッチメントの状態(例えば、ブーム4、アーム5、及びバケット6の位置)は、角度センサ(ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3)の検出結果、並びに、ブーム4、アーム5、及びバケット6の各々のサイズから特定できる。
【0084】
動作設定部303は、自律制御として設定された作業に応じて、ショベル100が行う動作を順に設定していく。本実施形態においては、動作設定部303は、ショベル100が一つの動作を完了した場合に、当該作業を実現するための次の動作を設定する。当該設定を繰り返し行うことで、複数の動作を組み合わせた作業を実現できる。なお、ショベル100に対する作業の設定は、管理者等が予め行うものとして、説明を省略する。
【0085】
目標軌道生成部304は、動作設定部303により設定された動作を行うための、ショベル100の目標軌道を生成する。
【0086】
例えば、ショベル100の(図示しない)不揮発性記憶装置に記憶されている目標施工面に関するデータに基づき、設定された動作を行うための目標軌道を生成する。目標軌道生成部304は、空間認識装置S7が認識したショベル100の周囲の地形に関する情報に基づき、設定された動作を行うための目標軌道を生成してもよい。
【0087】
自律制御部305は、目標軌道生成部304により生成された目標軌道に沿って移動させるために、動作要素(油圧アクチュエータ)の動作内容を決定し、決定された動作内容に応じた操作信号を生成して、ショベル100の自律運転機能を実現する。
【0088】
送信制御部306は、通信装置T1を介して、様々な情報を、管理装置200に送信するための制御を行う。
【0089】
例えば、送信制御部306は、撮像装置S6が撮像した画像情報、空間認識装置S7に検出された測定情報、ショベル100の位置及び向きを示した位置情報、並びに、アタッチメントの状態を示す状態情報を、管理装置200に送信する制御を行う。
【0090】
さらに、送信制御部306は、ショベル100が実行している動作に関する情報を、管理装置200に送信する制御を行う。本実施形態においては、動作に関する情報として、ショベル100に現在設定されている動作、及び当該動作に対応する項目に関する情報を、管理装置に送信する制御を行う。また、送信制御部306は、ショベル100に自律制御が設定された場合に、管理装置200に対して、ショベル100に設定された作業の種類を送信してもよい。
【0091】
ショベル100に設定される作業の種類としては、例えば、掘削積み込み、又は整地作業とする。
【0092】
ショベル100に現在設定されている動作としては、作業を構成する動作であって、例えば、掘削場所推移、掘削、持ち上げ、排土等とする。なお、本実施形態で説明する、ショベル100の動作は、一例として示したものであって、実施態様に応じて異なるものとする。つまり、ショベル100が行う作業、当該作業を構成する動作は、作業機械の種類、作業機械のプログラムの実装、又は、作業機械を管理する管理側の要望等に応じて異なるものとする。
【0093】
当該動作に対応する項目は、例えば、ショベル100が当該動作を行っている間に、管理者が確認したい現在の状態を示した項目、及び、当該動作の目標を示す項目とする。本実施形態では、当該項目におけるパラメータ(例えば、数値情報)が、管理装置200に送信される。現在の状態を示した項目は、例えば、残り掘削回数、実旋回角度等が含まれる。動作の目標を示した項目は、例えば、目標旋回角度が含まれる。
【0094】
さらに、送信制御部306は、動作と関係なく、確認したいショベル100の現在の状況に関する情報を、管理装置200に送信する制御を行う。本実施形態では、当該現在の状況として、例えば、ショベル100の駆動モード、走行モード、尿素水残量、燃料残量、水温、及び油温等が含まれる。
【0095】
送信制御部306による送信は、所定時間毎に行われる。所定時間は、任意の時間でよいが、ショベル100の作業によって変化した状況を認識できる時間間隔とする。例えば、送信制御部306は、上記の情報を、1秒間隔で送信してもよい。
【0096】
アクチュエータ駆動部307は、ショベル100に搭載されているアクチュエータを駆動するように構成されている。本実施形態では、アクチュエータ駆動部307は、自律制御部305により生成された操作信号に基づき、比例弁31に含まれる複数の電磁弁のそれぞれに対する作動信号を生成して出力する。
【0097】
作動信号を受けた各電磁弁は、コントロールバルブユニット17における対応する制御弁のパイロットポートに作用するパイロット圧を増減させる。その結果、各制御弁に対応する油圧アクチュエータは、制御弁のストローク量に応じた速度で動作する。
【0098】
<<管理装置の機能ブロック>>
管理装置200のコントローラ230内の各機能ブロックについて説明する。コントローラ230内の各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUにて実行されるプログラムにより実現される。または各機能ブロックをワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。コントローラ230は、プログラムを実現することで、受信制御部231と、動作判定部232と、画面生成部233と、表示制御部234と、を備える。
【0099】
受信制御部231は、通信装置T2を介して、定点計測装置400及びショベル100の各々から、様々な情報を受信するための制御を行う。
【0100】
例えば、受信制御部231は、定点計測装置400(ショベル100の周辺に存在する装置の一例)から、画像情報、測定情報及び位置情報を受信する。
【0101】
また、受信制御部231は、ショベル100から、画像情報、測定情報、位置情報、及び状態情報を受信する。画像情報は、撮像装置S6により撮像された情報とする。測定情報は、空間認識装置S7により測定された情報とする。位置情報は、測位装置S8により測定された基準座標系におけるショベル100の位置及び向きを示した情報とする。状態情報は、アタッチメントの状態(例えば、ブーム4、アーム5、及びバケット6の位置)を示した情報とする。
【0102】
さらに、受信制御部231は、自律制御を行っているショベル100から、当該ショベル100が実行している動作に関する情報を受信(取得)する。動作に関する情報には、ショベル100に現在設定されている動作、及び当該動作に対応する項目に関する情報が含まれる。また、ショベル100の作業開始時には、開始する作業の種類(例えば、掘削積み込み、又は、整地作業等)を含んでもよい。
【0103】
さらに、受信制御部231は、ショベル100から、動作と関係なく、確認したいショベル100の現在の状況に関する情報を受信する。
【0104】
動作判定部232は、受信制御部231が受信した情報に基づいて、ショベル100の動作が切り替わったか否かを判定する。
【0105】
画面生成部233は、表示装置D1に表示される表示画面を生成する。本実施形態に係る画面生成部233は、自律制御しているショベル100を管理するための表示画面を生成する。当該表示画面では、現在のショベル100の動作に応じて更新される。
【0106】
また、動作判定部232により動作が切り替わったと判定された場合に、画面生成部233は、ショベル100に関して表示される内容を変更する。換言すれば、画面生成部233は、ショベル100の動作に適した内容が示された表示画面を生成する。
【0107】
ショベル100の作業が掘削積み込みの場合には、ショベル100は、掘削場所推移、掘削、持ち上げ、及び排土の動作を繰り返し行う。当該動作の繰り返しを行っている間に、異常な状況が生じた場合には、動作が待機中に切り替わる。本実施形態の管理装置200の画面生成部233は、これらの動作に応じて切り替わるように表示画面を生成する。次にショベル100の動作について説明する。
【0108】
例えば、動作が掘削場所推移の場合、ショベル100は、掘削場所を特定して、当該掘削場所までバケット6が移動するように、アタッチメントを制御させる自律制御を行う。当該動作を行っている間、画面生成部233は、当該動作に対応する項目として、例えば、地面形状、目標旋回角度、及び実旋回角度が表された表示画面を生成してもよい。
【0109】
動作が掘削の場合、ショベル100は、地面に対して掘削する制御を行う。当該動作を行っている間、画面生成部233は、当該動作に対応する項目として、例えば、掘削場所の地面形状、残り作業時間、及び残り掘削回数が表された表示画面を生成してもよい。
【0110】
動作が持ち上げの場合、ショベル100は、掘削した土砂を持ち上げる制御を行う。当該動作を行っている間、画面生成部233は、当該動作に対応する項目として、例えば、ダンプトラックの荷台の土砂形状、目標旋回角度、及び実旋回角度が表された表示画面を生成してもよい。
【0111】
動作が排土の場合、ショベル100は、持ち上げられたアタッチメントから排土する制御を行う。当該動作を行っている間、画面生成部233は、当該動作に対応する項目として、例えば、排土先のダンプトラックの積み込み重量が表された表示画面を生成してもよい。さらには、排土先のダンプトラックの位置姿勢、及びダンプトラックの荷台の空きスペースが表された表示画面を生成してもよい。
【0112】
上述した動作に対応する項目は、一例として示したものであって、ショベルを管理する際の実施態様、又は、管理者の要望等に応じて異ならせてもよい。
【0113】
本実施形態においては、ショベル100の作業が掘削積み込みの場合について説明する。しかしながら、本実施形態は、ショベルの作業を、掘削積み込みに制限するものではなく、例えば、整地作業等であってもよい。整地作業では、ショベル100が整地動作を継続して行う。この場合、画面生成部233は、整地動作に対応する項目として、例えば、施工精度、バケット6の爪先の算出結果等を含んだ表示画面を生成してもよい。次に、画面生成部233が生成する画面について説明する。
【0114】
図5は、本実施形態に係る画面生成部233により生成される表示画面を例示した図である。
図5に示されるように、表示画面500には、掘削場所表示欄501と、ショベル状況表示欄502と、ダンプトラック荷台表示欄503と、俯瞰映像表示欄504と、作業表示欄505と、動作項目表示欄506と、を含んでいる。
【0115】
俯瞰映像表示欄504は、ショベル100の周辺を含んだ俯瞰画像が表されている。画面生成部233は、ショベル100から受信した撮像装置S6の画像情報、及び定点計測装置400から受信した撮像装置S40の画像情報に基づいて、俯瞰映像表示欄504に表される俯瞰画像を生成する。俯瞰画像には、ショベル100を示すアイコン541が表されている。当該アイコン541は、例えば、ショベル100の機種に応じて、管理装置200が予め保持していた画像とする。俯瞰映像表示欄504に表示される俯瞰画像は、静止画像であってもよいし、動画であってもよい。
【0116】
当該俯瞰画像には、ショベル100の周囲の状況が含まれるように表示されている。このため、俯瞰画像には、掘削場所542と、ダンプトラック543と、が含まれている。これにより、表示画面が表示された際に、管理者は、ショベル100と、掘削場所542と、ダンプトラック543と、の位置関係を認識できる。
【0117】
掘削場所表示欄501は、ショベル100が掘削する掘削場所の土砂形状が表されている。画面生成部233は、掘削場所を計測した機器、例えば、ショベル100から受信した空間認識装置S7の計測情報、又は、定点計測装置400から受信した空間認識装置S41の計測情報に基づいて、掘削場所表示欄501に表される土砂形状を表した画像を生成する。本実施形態では、所定の高さ(例えば地面の表面)を基準として、作業場所に存在する土砂の各々の高さを色で示した土砂形状を、画像として生成する。これにより、掘削場所511の深さ(高さ)を掘削場所表示欄501に表わすことができる。また、高さインジケータ512には、深さ(高さ)と、色と、の対応関係が示されている。深さ(高さ)は、スケール単位を示してもよい。これにより、掘削場所表示欄501に表示された色によって、掘削場所511の深さを認識できる。
【0118】
ショベル状況表示欄502は、ショベル100の現在の状況に関する情報が表されている。例えば、ショベル状況表示欄502には、受信した状態情報に基づいた、ショベル100の現在の形状を表した3次元モデル321が表される。これにより、管理者は、ショベル100が行っている現在の動作を認識できる。さらに、ショベル状況表示欄502には、動作と関係なく変化するショベル100の現在の状況に関する情報が表示される。例えば、ショベル100の現在の駆動モードを示したアイコン522と、ショベル100の現在の走行モードを示したアイコン523と、ショベル100の尿素水残量を示したインジケータ524と、ショベル100の冷却水の水温を示したインジケータ525と、ショベル100の燃料残量を示したインジケータ526と、ショベル100の油圧駆動系を流れる作業油の温度を示したインジケータ527と、が表されている。このように、画面生成部233は、状態情報、及びショベル100の状況に関する情報等に基づいて、ショベル状況表示欄502に表される画像を生成する。
【0119】
ダンプトラック荷台表示欄503は、ショベル100が排土する対象となるダンプトラックの荷台の土砂形状が表されている。画面生成部233は、ダンプトラックの荷台を計測した機器、例えば、ショベル100から受信した空間認識装置S7の計測情報、又は、定点計測装置400から受信した空間認識装置S41の計測情報に基づいて、ダンプトラック荷台表示欄503のダンプトラックの荷台を示す領域531に表される土砂形状を表した画像を生成する。本実施形態では、所定の高さ(例えば荷台の底面)を基準として、荷台に存在する土砂の各々の高さを色で示した土砂形状を、画像として生成する。これにより、ダンプトラックの荷台に積み込まれた土砂の高さをダンプトラック荷台表示欄503に表わすことができる。また、高さインジケータ532には、高さと、色と、の対応関係が示されている。高さは、スケール単位を示してもよい。これにより、ダンプトラックの荷台に積まれた土砂の高さを認識できる。
【0120】
作業表示欄505は、ショベル100が自律制御を行うために設定された作業に関する情報が表示される。具体的には、作業を構成する複数の動作が、当該動作を行う順序に従って表されている。
【0121】
図5に示される例では、設定された作業が"掘削積み込み"の場合が示されている。作業"掘削積み込み"は、複数の動作として、"掘削場所推移"551と、"掘削"552と、"持ち上げ"553と、"排土"554と、"待機中"555と、を含むように構成されている。また、作業表示欄505において、ショベル100が現在行っている動作の枠線の表示態様が、他の動作の枠線の表示態様と異なるように表される。
図5に示される例では、"掘削"552の枠線が、他の枠線より太く表されている。これにより、管理者は、ショベル100が現在行っている動作を認識できる。
図5で示される例では、表示態様として枠線を太くする例について説明するが、表示態様を枠線を太くする手法に制限するものではない。例えば、ショベル100が現在行っている動作の枠線の色を変更したり、枠線を点滅させたりしてもよい。
【0122】
動作項目表示欄506は、ショベル100が現在行っている動作に関する情報が示される。具体的には、動作項目表示欄506は、ショベル100が現在行っている動作に対応する項目毎に、当該項目における現在のパラメータ(例えば数値情報)を示している。
【0123】
図5に示される例では、ショベル100の現在の動作が"掘削"の場合が示されている。動作"掘削"に対応する項目として、"残り作業時間"と、"残り掘削回数"とが示されている。"残り作業時間"は、作業が完了するまでの残り時間であり、"XX分"で表される。"残り掘削回数"は、作業が完了するまでに実行する掘削の回数であり、"YX(数値)"で表される。
【0124】
当該項目に示されるパラメータの算出は、管理装置200で行ってもよいし、ショベル100で行ってもよい。例えば、管理装置200が、(図示しない)不揮発性記憶装置に格納されたショベル100の施工計画と、ショベル100から受信した情報に基づいて、当該項目に示されるパラメータを算出してもよい。つまり、
図5に示される"残り作業時間"及び"残り掘削回数"の算出は、管理装置200で行ってもよいし、ショベル100で行ってもよい。算出手法は、周知の手法を用いればよいものとして説明を省略する。
【0125】
表示画面では現在の動作に対応する表示欄を、他の表示欄と表示態様を異ならせて表してもよい。
図5に示される例では、ショベル100の動作が"掘削"552の場合を示している。このため、"掘削"552に対応する表示欄である、掘削場所表示欄501が強調表示される。具体的には、掘削場所表示欄501の枠線が、他の表示欄と比べて、太く表されている。これにより、管理者は、現在のショベル100の動作に対応して、注目すべき表示欄であることを認識できる。
【0126】
表示制御部234は、画面生成部233により生成された表示画面を、表示装置D1に表示する。
【0127】
なお、本実施形態では、ショベル100から受信した情報に応じて、表示制御部234が表示している表示画面の各種情報の更新を行ってもよい。例えば、受信したショベル100の状況、状態情報に応じて、ショベル状況表示欄502、に表示される情報、3次元モデル321の形状を更新してもよい。さらには、受信した情報に応じて、動作項目表示欄506に表示されるパラメータ、又は、俯瞰映像表示欄504に表される俯瞰画像等を更新してもよい。
【0128】
本実施形態では、動作判定部232により動作が切り替わったと判定された場合に、画面生成部233が表わされる内容が変更された表示画面を生成する。これに応じて、表示制御部234は、内容が変更された表示画面を、表示装置D1に表示する。これにより、ショベル100の動作に応じて、表示される内容が切り替わる。
【0129】
例えば、ショベル100の動作が、"掘削"から"持ち上げ"に切り替わった場合に、表示制御部234は、表示画面を切り替える。次に、ショベル100の動作が"掘削"から"持ち上げ"に切り替わった場合の表示画面について説明する。
【0130】
図6は、本実施形態に係る画面生成部233により生成される表示画面を例示した図である。
図6に示されるように、表示画面600には、掘削場所表示欄601と、ショベル状況表示欄502と、ダンプトラック荷台表示欄603と、俯瞰映像表示欄504と、作業表示欄605と、動作項目表示欄606と、を含んでいる。ショベル状況表示欄502と、俯瞰映像表示欄504とは、
図5と同様の内容が表示されるものとして、説明を省略する。
図5と同様の表示内容については同一の符号を割り当て、説明を省略する。
【0131】
図6に示される表示画面は、ショベル100の動作が、掘削から(土砂の)持ち上げに切り替わったことに伴い、画面生成部233により生成される画面である。
【0132】
図6に示される作業表示欄605が、ショベル100で切り替わった動作に応じて、
図5に示される作業表示欄505と比べて表示が変更されている。作業表示欄505には、"掘削場所推移"651と、"掘削"652と、"持ち上げ"653と、"排土"654と、"待機中"655と、を含むように構成されている。具体的には、
図5に示される例では、"持ち上げ"653の枠線が、他の動作の枠線より太く表されている。さらに、"掘削"652の枠線が、
図5の"掘削"552と比べて細く変更されている。これにより、管理者は、ショベル100が現在行っている動作が"掘削"から"持ち上げ"に切り替わったことを認識できる。
【0133】
このように、画面生成部233は、作業表示欄605にショベル100が行う複数の動作の順序を示す。そして、画面生成部233は、ショベル100の動作が切り替わると認識された場合、ショベル100が行う動作を認識可能に作業表示欄605の表示を切り替える。これにより、管理者は、ショベル100が現在行っている動作を認識できる。したがって、管理者は、ショベル100の現在の状況の把握が容易になる。
【0134】
動作項目表示欄606は、ショベル100が現在行っている動作に応じて表示される項目が切り替わる。具体的には、動作項目表示欄606は、"持ち上げ"に対応する項目として、"目標旋回角度"及び"実旋回角度"が表される。"目標旋回角度"は、目標軌道に応じて定められた角度が表され、"実旋回角度"は角度センサによって検出された角度が表される。
【0135】
画面生成部233は、ショベル100の動作が切り替わると認識された場合に、切り替わった後の動作に関連する表示欄が変更された表示画面を生成する。これにより、管理者は、当該ショベル100の現在の動作における詳細な状態を把握できる。その際、画面生成部233は、切り替わった後の動作以外の他の動作("掘削")に関連する表示欄の表示も変更している。本実施形態では、画面生成部233が、他の動作("掘削")に関連する項目の表示欄が非表示とされた表示画像を生成する。これにより、管理者は、当該ショベル100の現在の動作に関連しない表示欄の表示が抑制されるので、現在の動作に関連する表示欄の確認が容易になるので、現在のショベル100の状態を認識するのが容易になる。
【0136】
このように、ショベル100の動作が切り替わると認識された場合に、画面生成部233は、切り替わった後の動作に対応する項目の表示を開始し、他の動作の項目を非表示とするように表示画面を生成する。これにより、管理者は、表示画面に表示された内容を確認することで、当該ショベル100の現在の動作に関連した状態の把握が容易になるので、確認する際の負担を軽減できる。
【0137】
ショベル状況表示欄502は、ショベル100の動作が切り替わると認識された場合に、画面生成部233による表示は維持される。換言すれば、ショベル100の動作に関係なく変化するショベル100の状況に関する表示は、動作が切り替わった場合でも維持される。これにより、管理者は、ショベル100の動作と関係なく変化する情報については、動作に応じて確認手法が変化することがないので、ショベル100の状況の認識を容易にできる。
【0138】
また、
図6に示される表示画面では、現在の動作に対応する表示欄の表示態様が切り替わる。
図6に示される例では、"持ち上げ"653に対応する表示欄である、ダンプトラック荷台表示欄603が強調表示される。具体的には、ダンプトラック荷台表示欄603の枠線が、他の表示欄と比べて、太く表されている。また、掘削場所表示欄601の枠線が、
図5の掘削場所表示欄501と比べて細く変更されている。つまり、ショベル100が現在行っている動作が"掘削"から"持ち上げ"に切り替わったことに伴って、管理者は、掘削場所表示欄601よりダンプトラック荷台表示欄603に注目する必要があることを認識できる。
【0139】
このように、本実施形態に係る管理装置200では、自律制御を行うショベル100の動作に応じて表示画面に表示される内容を切り替えることができる。
【0140】
(変形例1)
上述した実施形態は、表示画面の一例を示したものであって、上述した表示画面に制限するものではない。そこで変形例1では、表示画面の他の態様について説明する。
【0141】
上述した実施形態では、動作項目表示欄が、ショベル100の動作に応じて切り替わる例について説明した。これに対して、変形例1では、全ての動作について表示欄が表示されている例について説明する。
【0142】
図7は、本変形例に係る画面生成部233により生成される表示画面を例示した図である。
図7に示されるように、表示画面700には、掘削場所表示欄501と、ショベル状況表示欄502と、ダンプトラック荷台表示欄703と、俯瞰映像表示欄504と、作業表示欄505と、旋回場所遷移・持ち上げ項目表示欄706と、掘削項目表示欄707と、排土項目表示欄708と、を含んでいる。
図5と同様の表示内容については同一の符号を割り当て、説明を省略する。
【0143】
図7で示される表示画面は、ショベル100の作業が掘削積み込みであって、現在掘削の動作を行っている場合に表示される。
【0144】
ダンプトラック荷台表示欄703は、ショベル100が現在行っている動作(掘削)に対応していない表示欄のため、グレーアウトして表される。
【0145】
同様に、旋回場所遷移・持ち上げ項目表示欄706、及び排土項目表示欄708は、ショベル100が現在行っている動作(掘削)に対応していない表示欄のため、グレーアウトして表される。
【0146】
掘削場所表示欄501は、ショベル100が現在行っている動作(掘削)に対応している表示欄のため、強調して表示される。具体的には、掘削場所表示欄501の枠線が、他の枠線より太く表されている。
【0147】
掘削項目表示欄707は、ショベル100が現在行っている動作(掘削)に対応している表示欄のため、強調して表示される。具体的には、掘削項目表示欄707の枠線が、他の枠線より太く表されている。
【0148】
図7に示される例では、ショベル100が現在行っている動作に対応する表示欄を強調表示し、ショベル100が現在行っていない動作に対応する表示欄をグレーアウトして表示される。
【0149】
そして、ショベル100の動作が、"掘削"から"持ち上げ"に切り替わった場合に、表示制御部234は、表示画面を切り替える。次に、ショベル100の動作が"掘削"から"持ち上げ"に切り替わった場合の表示画面について説明する。
【0150】
図8は、本変形例に係る画面生成部233により生成される表示画面を例示した図である。
図8に示されるように、表示画面800には、掘削場所表示欄801と、ショベル状況表示欄502と、ダンプトラック荷台表示欄603と、俯瞰映像表示欄504と、作業表示欄605と、旋回場所遷移・持ち上げ項目表示欄806と、掘削項目表示欄807と、排土項目表示欄808と、を含んでいる。
図6と同様の表示内容については同一の符号を割り当て、説明を省略する。
【0151】
掘削場所表示欄801は、ショベル100が現在行っている動作(持ち上げ)に対応していない表示欄のため、グレーアウトして表される。
【0152】
ダンプトラック荷台表示欄603は、ショベル100が現在行っている動作(持ち上げ)に対応している表示欄のため、強調して表示される。具体的には、ダンプトラック荷台表示欄703の枠線が、他の枠線より太く表されている。
【0153】
同様に、旋回場所遷移・持ち上げ項目表示欄806は、ショベル100が現在行っている動作(持ち上げ)に対応している表示欄のため、強調して表示される。具体的には、旋回場所遷移・持ち上げ項目表示欄806の枠線が、他の枠線より太く表されている。
【0154】
掘削項目表示欄807、及び排土項目表示欄808は、ショベル100が現在行っている動作(持ち上げ)に対応していない表示欄のため、グレーアウトして表される。
【0155】
このように、画面生成部233は、ショベル100の動作が切り替わると認識された場合に、切り替わった後の動作に対応する表示欄を、他の動作に対応する表示欄と比べて強調された表示画面を生成する。本実施形態では強調された表示として、表示欄の枠線の表示態様を変更する例とする。表示態様の変更する手法としては、枠線を太く変更する例に制限するものではなく、枠線の色を変更してもよい。これにより、管理者は、切り替わった後の動作に対応する表示欄の視認が容易になるので、ショベル100の現在の動作に関する状況の確認が容易になる。
【0156】
また、画面生成部233は、ショベル100の動作が切り替わると認識された場合に、切り替わった動作に対応しない表示欄についてグレーアウトに変更された表示画面を生成する。これにより、切り替わった動作に関連しない表示欄の視認が難しくなる、換言すれば、動作に対応しない表示欄と比べて、動作に対応する表示欄の視認が容易になる。これにより、ショベル100の現在の動作に関する状況の確認が容易になる。
【0157】
(変形例2)
変形例1では、表示欄の表示手法の変更として、表示欄の枠線の表示態様の変更、及び表示欄のグレーアウトを行う場合について説明した。しかしながら、変形例1は、表示欄の変更態様を枠線の表示態様の変更、及び表示欄のグレーアウトに制限するものではない。変形例2では、表示欄の拡大、及び縮小を行う場合について説明する。
【0158】
図9は、本変形例に係る画面生成部233により生成される表示画面を例示した図である。
図9に示されるように、表示画面900には、掘削場所表示欄901と、ショベル状況表示欄502と、ダンプトラック荷台表示欄903と、俯瞰映像表示欄504と、作業表示欄605と、旋回場所遷移・持ち上げ項目表示欄906と、掘削項目表示欄907と、排土項目表示欄908と、を含んでいる。
図8と同様の表示内容については同一の符号を割り当て、説明を省略する。
【0159】
掘削場所表示欄901は、ショベル100が現在行っている動作(持ち上げ)に対応していない表示欄のため、グレーアウトした上で縮小して表される。
【0160】
ダンプトラック荷台表示欄903は、ショベル100が現在行っている動作(持ち上げ)に対応している表示欄のため、(掘削場所表示欄901のような)縮小された状態から、枠線を太くした上で拡大して表される。
【0161】
同様に、旋回場所遷移・持ち上げ項目表示欄906は、ショベル100が現在行っている動作(持ち上げ)に対応している表示欄のため、(表示領域907、908のような)縮小された状態から、枠線を太くした上で拡大して表される。
【0162】
掘削項目表示欄907、及び排土項目表示欄908は、ショベル100が現在行っている動作(持ち上げ)に対応していない表示欄のため、グレーアウトした上で縮小して表される。
【0163】
このように、画面生成部233は、ショベル100の動作が切り替わると認識された場合に、切り替わった後の動作に対応する表示欄を、他の動作に対応する表示欄と比べて枠線を太くした上で拡大された表示画面を生成する。
【0164】
また、画面生成部233は、ショベル100の動作が切り替わると認識された場合に、切り替わった動作に対応しない表示欄についてグレーアウトした上で縮小された表示画面を生成する。これにより、切り替わった動作に対応しない表示欄の視認が難しくなる、換言すれば、動作に対応しない表示欄と比べて、動作に対応する表示欄の視認が容易になる。これにより、ショベル100の現在の動作に関する状況の確認が容易になる。なお、本変形例では、表示欄の拡大又は縮小に、枠線の表示態様の変更又はグレーアウトを組み合わせた例について説明した。しかしながら、本変形例は、当該組み合わせに制限するものではなく、表示欄の拡大又は縮小のみ行ってもよい。
【0165】
<作用>
上述した実施形態及び変形例においては、管理装置200が、自律制御を行っているショベル100の動作に応じて表示内容を切り替える。換言すればショベル100の動作に適した表示を行うことで、管理装置200でショベル100を管理している管理者は、ショベル100の現在の動作に応じた状態の確認を行うことができる。つまり、管理者は、ショベル100の現在の状態を適切に認識できるので、ショベル100に異常が生じた場合に、すぐに当該異常を認識できるので、安全性の向上を実現できる。
【0166】
上述した実施形態及び変形例においては、作業機械の一例としてショベルを用いた場合について説明した。しかしながら、実施形態及び変形例で示した構成は、作業機械としてショベルに適用させる例に制限するものではなく、例えば、クレーン、フォークリフト等に適用してもよい。つまり、上述した実施形態及び変形例においては、ショベル100を管理する管理装置200の場合について説明したが、作業装置を管理する管理装置(作業機械用の表示装置の一例)としても適用できる。
【0167】
以上、ショベル用の表示装置、作業機械用の表示装置、及び、ショベルの監視システムの一例を示した実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組み合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0168】
100 ショベル
1 下部走行体
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
S6 撮像装置
S7 空間認識装置
S8 測位装置
T1 通信装置
DI 表示装置
30 ショベルコントローラ
301 取得部
302 ショベル状態特定部
303 動作設定部
304 目標軌道生成部
305 自律制御部
306 送信制御部
307 アクチュエータ駆動部
31 比例弁
200 管理装置
T2 通信装置
D1 表示装置
230 コントローラ
231 受信制御部
232 動作判定部
233 画面生成部
234 表示制御部
400 定点計測装置
T3 通信装置
S40 撮像装置
S41 空間認識装置
430 コントローラ
431 送信制御部
450 位置情報記憶部