(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007082
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】座席用香り提供装置
(51)【国際特許分類】
B60H 3/00 20060101AFI20250109BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20250109BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20250109BHJP
F24F 8/50 20210101ALI20250109BHJP
B60H 1/34 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B60H3/00 J
B60N2/90
A47C7/62 Z
F24F8/50
B60H1/34 671A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108250
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】加藤 和広
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3L211
【Fターム(参考)】
3B084JA03
3B084JC11
3B087DE10
3L211AA01
3L211BA08
3L211BA11
3L211DA76
3L211FA02
3L211FA47
3L211GA76
(57)【要約】
【課題】各座席において周囲に香りを漏らさずに各座席の利用者が好きな香りを楽しむことができる座席用香り提供装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る座席用香り提供装置10は、移動体内に設置された座席200に取り付けられ、座席200に着席する利用者の頭部80を覆うフード20と、フード20内の空気に香り成分を含ませる香り発生装置30と、前記香り成分を含む空気が前記利用者の鼻周辺に流れるようにフード20内の気流を制御する気流制御装置40と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体内に設置された座席に取り付けられ、前記座席に着席する利用者の頭部を覆うフードと、
前記フード内の空気に香り成分を含ませる香り発生装置と、
前記香り成分を含む空気が前記利用者の鼻周辺に流れるように前記フード内の気流を制御する気流制御装置と、を備える、
座席用香り提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座席用香り提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の移動体の乗客等(利用者)に対して、香り成分等の機能性成分を含む空気を提供する技術が開発されている。
例えば特許文献1には、仮眠室内に気流発生装置を設置し、仮眠室内に適切な濃度の機能性成分を含む空気を導入する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者らは、座席用香り提供装置について、以下の課題を見出した。
特許文献1に開示されている技術では、仮眠室内全体に機能性成分を含む空気を導入している。そのため、複数の利用者のそれぞれが好きな香りを楽しむために、部屋をわけなければならない。
【0005】
本開示は、このような問題に鑑みなされたものであり、各座席において周囲に香りを漏らさずに各座席の利用者が好きな香りを楽しむことができる座席用香り提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する一態様は、
座席用香り提供装置であって、
移動体内に設置された座席に取り付けられ、前記座席に着席する利用者の頭部を覆うフードと、
前記フード内の空気に香り成分を含ませる香り発生装置と、
前記香り成分を含む空気が前記利用者の鼻周辺に流れるように前記フード内の気流を制御する気流制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、各座席において周囲に香りを漏らさずに各座席の利用者が好きな香りを楽しむことができる座席用香り提供装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る座席用香り提供装置の外観を示す図である。
【
図2】実施形態に係る座席用香り提供装置の一部透視側面図である。
【
図3】実施形態に係る座席用香り提供装置の一部透視上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。ただし、本開示が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0010】
まず、
図1を参照して本実施形態に係る座席用香り提供装置の概要を説明する。
図1は、座席用香り提供装置10の外観を示す図である。
図1には、座席用香り提供装置10に加えて、座席200を図示している。座席200は、自動車、飛行機等の移動体内に設置される座席である。座席200は、例えば、乗客が着席する客席や仮眠室内に設置される座席等である。座席用香り提供装置10は、座席200に着席している利用者に対して香り成分を含む空気を提供する装置である。座席用香り提供装置10は、例えば、利用者が座席200に座った状態で仮眠する際等に使用される。
図1に示すように、座席用香り提供装置10は、座席200において利用者が着席した際に当該利用者の頭部を覆うことができる位置に設置される。
【0011】
次に、
図2及び
図3を参照して座席用香り提供装置10の構成を詳細に説明する。
図2は、座席用香り提供装置10の一部透視側面図である。
図2に示すように、座席用香り提供装置10は、フード20、香り発生装置30及び気流制御装置40を備える。尚、
図2には、座席用香り提供装置10に加えて利用者の頭部80を図示している。
【0012】
フード20は、座席200に取り付けられ、座席200に着席している利用者の頭部80を覆う。フード20の形状は、利用者の頭部80を覆うことができるものであれば特に限定されず、例えば
図2等に示すように、折り畳み式のフードであってもよい。フード20内には、香り発生装置30及び気流制御装置40が設置されている。
【0013】
香り発生装置30は、フード20内の空気に香り成分を含ませる装置である。香り発生装置30は、例えば香り成分を含むカートリッジ及び当該カートリッジを差し込み可能なカートリッジユニット等である。香り発生装置30に空気を通すことによって、当該空気に香りを含ませることができる。例えば、利用者が好みの香り成分を含むカートリッジをカートリッジユニットに差し込むことによって、フード20内の空気に好みの香り成分を含ませることができる。
【0014】
気流制御装置40は、フード20内の気流を制御する装置である。
図3に示すように、気流制御装置40は、ファンユニット43及びダクトユニット44を備える。ファンユニット43には空気吸い込み口42が設けられている。ファンユニット43は、フード20内の空気を空気吸い込み口42から吸い込む。ダクトユニット44は、ファンユニット43に吸い込まれた空気の通り道である。ダクトユニット44は、筒状の部材であり、一方の端がファンユニット43に接続されており、他方の端が空気吐き出し口41となっている。
【0015】
図3に示す例では、フード20の縁を半周するようにダクトユニット44が設置されており、利用者の顎側に空気吐き出し口41が設けられている。また、香り発生装置30は、ファンユニット43とダクトユニット44との接続部に接続されている。ファンユニット43に吸い込まれた空気は、香り発生装置30によって香り成分を含む空気となり、ダクトユニット44を通って空気吐き出し口41から吐き出される。
図2に示す矢印は、香り成分を含む空気の流れを示す。
図2に示す例では、利用者の顎側に空気吐き出し口41が設けられ、利用者の額側に空気吸い込み口42が設けられている。そのため、香り成分を含む空気が利用者の鼻周辺を通る。このように、気流制御装置40は、香り成分を含む空気が利用者の鼻周辺に流れるようにフード20内の気流を制御することができる。
【0016】
尚、気流制御装置40の構成は、利用者の鼻周辺に香り成分を含む空気を流すことができる構成であれば特に限定されず、例えば、利用者の右耳側に空気吐き出し口41が設けられ、利用者の左耳側に空気吸い込み口42が設けられる構成等であってもよい。
【0017】
座席用香り提供装置10は、空気吐き出し口41及び空気吸い込み口42がフード20内に設けられているため、香り成分を含む空気のフード20の外への漏れ出しを抑制することができる。そのため、1つの室内に複数の座席200を配置した場合であっても、各座席200の利用者は、それぞれ好みの香りを楽しむことができる。
【0018】
また、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0019】
10 座席用香り提供装置
20 フード
30 香り発生装置
40 気流制御装置
41 空気吐き出し口
42 空気吸い込み口
43 ファンユニット
44 ダクトユニット
80 利用者の頭部
200 座席