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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007099
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】基板処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108279
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 旭紘
(72)【発明者】
【氏名】冨田 毅
(72)【発明者】
【氏名】谷口 進一
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131BA13
5F131BA18
5F131BA37
5F131BB03
5F131BB14
5F131BB22
5F131CA43
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131DA53
5F131DA62
5F131DB02
5F131DB54
5F131DB58
5F131DB72
5F131DB73
5F131DB76
5F131DB86
5F131HA09
5F131HA12
5F131HA13
(57)【要約】
【課題】バッチ処理装置および枚葉処理装置の構成の変更を自由に行うことができる基板処理システムを提供する。
【解決手段】基板処理システム1は、バッチ処理装置3と、枚葉処理装置7と、バッチ処理装置3と枚葉処理装置7とを接続するインターフェース装置5とを備える。バッチ処理装置3は、後方Xに延びる。枚葉処理装置7は、後方Xと直交する幅方向Yに並ぶように、バッチ処理装置3に対向して配置される。インターフェース装置5は、バッチ処理装置3と枚葉処理装置7の各々の一端側に隣接し、幅方向Yに延びるように配置される。バッチ処理装置3のバッチ基板搬送領域R3は、枚葉処理装置7が配置された側で、移載ブロック19および処理ブロック21に隣接して配置される。インターフェース装置5は、姿勢変換領域R5および中継領域R6を備える。姿勢変換領域R5は、移載ブロック19を介して、処理ブロック21の反対側に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理装置と、前記複数枚の基板を1枚ずつ処理する枚葉処理装置と、前記バッチ処理装置と前記枚葉処理装置とを接続するインターフェース装置と、を備えた基板処理システムであって、
前記バッチ処理装置は、第1水平方向に延び、
前記枚葉処理装置は、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に並ぶように、前記バッチ処理装置に対向して配置され、
前記インターフェース装置は、前記バッチ処理装置と前記枚葉処理装置の各々の一端側に隣接し、前記第2水平方向に延びるように配置され、
前記バッチ処理装置は、
前記複数枚の基板を水平姿勢で所定間隔を空けて収納するためのキャリアが載置される第1キャリア載置棚と、
前記第1キャリア載置棚に隣接する移載ブロックと、
前記移載ブロックに隣接して前記第1水平方向に延びるバッチ処理ブロックと、
前記枚葉処理装置が配置された側で、前記移載ブロックおよび前記バッチ処理ブロックに隣接して配置されるバッチ基板搬送領域であって、一端側は前記インターフェース装置にまで延び、他端側は前記第1水平方向に延びる前記バッチ基板搬送領域と、を備え、
前記移載ブロックは、基板ハンドリング機構および第1姿勢変換機構を備え、
前記基板ハンドリング機構は、前記第1キャリア載置棚に載置された前記キャリアから水平姿勢の前記複数枚の基板を取り出し、
前記第1姿勢変換機構は、前記基板ハンドリング機構から受け取った前記複数枚の基板を水平姿勢から鉛直姿勢に変換する第1姿勢変換部と、
前記第1姿勢変換部で垂直姿勢に変換された前記複数枚の基板を保持する鉛直保持部と、を備え、
前記バッチ処理ブロックは、前記第1水平方向に並べて配置された複数個のバッチ処理槽であって、前記複数枚の基板を浸漬させるための処理液を各々貯留する前記複数個のバッチ処理槽を備え、
前記バッチ基板搬送領域は、前記複数個のバッチ処理槽、前記鉛直保持部および前記インターフェース装置の間で、前記複数枚の基板を鉛直姿勢で搬送する第1バッチ搬送機構を備え、
前記インターフェース装置は、前記移載ブロックを介在させて、前記バッチ処理ブロックの反対側に配置された姿勢変換領域および、前記姿勢変換領域に隣接し、前記第2水平方向に延びる中継領域を備え、
前記姿勢変換領域は、前記バッチ処理装置で処理された前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する第2姿勢変換機構を備え、
前記中継領域は、前記第2姿勢変換機構で水平姿勢に変換された前記複数枚の基板を前記枚葉処理装置に搬送する中継基板搬送機構を備え、
前記枚葉処理装置は、
前記キャリアが載置される第2キャリア載置棚と、
前記第2キャリア載置棚に隣接する枚葉処理ブロックと、を備え、
前記枚葉処理ブロックは、
前記バッチ処理装置で処理された前記複数枚の基板を1枚ずつ所定の処理をする複数個の枚葉処理チャンバと、
前記中継基板搬送機構で搬送されてきた基板を受け取り、受け取った基板を前記複数個の枚葉処理チャンバのうちの1個の枚葉処理チャンバに搬送する水平基板搬送ロボットと、を備え、
前記水平基板搬送ロボットは、前記複数個の枚葉処理チャンバのうちの1個の枚葉処理チャンバで処理された基板を前記第2キャリア載置棚に載置された前記キャリアに収納することを特徴とする基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記第2姿勢変換機構は、
前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する第2姿勢変換部と、
前記移載ブロックと前記第2姿勢変換部との間に設けられて、前記複数枚の基板を鉛直姿勢で浸漬させる浸漬液を貯留する待機槽と、を備えることを特徴とする基板処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理システムにおいて、
前記第2姿勢変換機構は、第2バッチ搬送機構を更に備え、
前記第2バッチ搬送機構は、前記待機槽を介して、前記バッチ基板搬送領域の反対側に設けられたガイドレールを備え、
前記第2バッチ搬送機構は、前記ガイドレールに沿って、前記待機槽から前記第2姿勢変換部に前記複数枚の基板を鉛直姿勢で搬送し、
前記第1バッチ搬送機構は、前記複数個のバッチ処理槽、前記鉛直保持部および前記待機槽の間で、前記複数枚の基板を鉛直姿勢で搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理システムにおいて、
前記第2バッチ搬送機構は、複数対の保持溝と複数対の通過溝が交互に配置される1対のチャックを備え、
前記複数枚の基板と他の複数枚の基板とが交互に配置する処理基板群が前記待機槽内の前記浸漬液に浸漬される場合に、前記第2バッチ搬送機構は、前記1対のチャックを用いて、前記処理基板群から前記複数枚の基板を取り出して、取り出した前記複数枚の基板を前記姿勢変換部に搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の基板処理システムにおいて、
前記バッチ処理装置および前記インターフェース装置に隣接するストッカ装置を更に備え、
前記ストッカ装置は、前記キャリアを搬入および搬出するためのロードポートと、
少なくとも前記ロードポートと前記第1キャリア載置棚との間で、前記キャリアを搬送するキャリア搬送ロボットと、を備えることを特徴とする基板処理システム。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の基板処理システムにおいて、
前記中継基板搬送機構は、ベルトコンベヤを備えていることを特徴とする基板処理システム。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載の基板処理システムにおいて、
前記中継基板搬送機構は、1枚の基板を保持する移動可能な中継ハンドを備えることを特徴とする基板処理システム。
【請求項8】
請求項1から4のいずれかに記載の基板処理システムにおいて、
前記基板ハンドリング機構は、前記複数枚の基板をそれぞれ保持する複数個のハンドであって、一体的に移動可能な前記複数個のハンドを備えることを特徴とする基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理システムに関する。基板は、例えば、半導体基板、FPD(Flat Panel Display)用の基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが挙げられる。FPDは、例えば、液晶表示装置、有機EL(electroluminescence)表示装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来の基板処理システムにおいて、搬入装置と、第2インターフェース装置と、バッチ処理装置と、第1インターフェース装置と、枚葉処理装置と、搬出装置とがこの順番でU字状に並ぶ(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、搬入装置と第2インターフェース装置とバッチ処理装置とが並ぶ方向を前後方向と呼ぶ。また、前後方向と直交する水平方向を幅方向と呼ぶ。このとき、上述の基板処理システムにおいて、搬入装置と、第2インターフェース装置と、バッチ処理装置とがこの順番で後方に一列に並ぶ。搬出装置と枚葉処理装置とがこの順番で後方に一列に並ぶ。そして、第1インターフェース装置がバッチ処理装置から枚葉処理装置まで右方に延びる。すなわち、枚葉処理装置は、バッチ処理装置の右方に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-064652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の基板処理システムは、次の問題がある。上述の基板処理システムのように、例えば、バッチ処理装置の後方および枚葉処理装置の後方において、第1インターフェース装置(インターフェース装置)が設けられるとする。この場合、ユーザの希望により、バッチ処理装置が前後方向に長くなると、例えば、第1インターフェース装置または枚葉処理装置の搬送経路を変更する必要が生じる。この変更が煩わしい場合があり、これにより、バッチ処理装置および枚葉処理装置の構成の変更が制限される可能性がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、バッチ処理装置および枚葉処理装置の構成の変更を自由に行うことができる基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る基板処理システムは、複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理装置と、前記複数枚の基板を1枚ずつ処理する枚葉処理装置と、前記バッチ処理装置と前記枚葉処理装置とを接続するインターフェース装置と、を備えた基板処理システムであって、前記バッチ処理装置は、第1水平方向に延び、前記枚葉処理装置は、前記第1水平方向と直交する第2水平方向に並ぶように、前記バッチ処理装置に対向して配置され、前記インターフェース装置は、前記バッチ処理装置と前記枚葉処理装置の各々の一端側に隣接し、前記第2水平方向に延びるように配置され、前記バッチ処理装置は、前記複数枚の基板を水平姿勢で所定間隔を空けて収納するためのキャリアが載置される第1キャリア載置棚と、前記第1キャリア載置棚に隣接する移載ブロックと、前記移載ブロックに隣接して前記第1水平方向に延びるバッチ処理ブロックと、前記枚葉処理装置が配置された側で、前記移載ブロックおよび前記バッチ処理ブロックに隣接して配置されるバッチ基板搬送領域であって、一端側は前記インターフェース装置にまで延び、他端側は前記第1水平方向に延びる前記バッチ基板搬送領域と、を備え、前記移載ブロックは、基板ハンドリング機構および第1姿勢変換機構を備え、前記基板ハンドリング機構は、前記第1キャリア載置棚に載置された前記キャリアから水平姿勢の前記複数枚の基板を取り出し、前記第1姿勢変換機構は、前記基板ハンドリング機構から受け取った前記複数枚の基板を水平姿勢から鉛直姿勢に変換する第1姿勢変換部と、前記第1姿勢変換部で垂直姿勢に変換された前記複数枚の基板を保持する鉛直保持部と、を備え、前記バッチ処理ブロックは、前記第1水平方向に並べて配置された複数個のバッチ処理槽であって、前記複数枚の基板を浸漬させるための処理液を各々貯留する前記複数個のバッチ処理槽を備え、前記バッチ基板搬送領域は、前記複数個のバッチ処理槽、前記鉛直保持部および前記インターフェース装置の間で、前記複数枚の基板を鉛直姿勢で搬送する第1バッチ搬送機構を備え、前記インターフェース装置は、前記移載ブロックを介在させて、前記バッチ処理ブロックの反対側に配置された姿勢変換領域および、前記姿勢変換領域に隣接し、前記第2水平方向に延びる中継領域を備え、前記姿勢変換領域は、前記バッチ処理装置で処理された前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する第2姿勢変換機構を備え、前記中継領域は、前記第2姿勢変換機構で水平姿勢に変換された前記複数枚の基板を前記枚葉処理装置に搬送する中継基板搬送機構を備え、前記枚葉処理装置は、前記キャリアが載置される第2キャリア載置棚と、前記第2キャリア載置棚に隣接する枚葉処理ブロックと、を備え、前記枚葉処理ブロックは、前記バッチ処理装置で処理された前記複数枚の基板を1枚ずつ所定の処理をする複数個の枚葉処理チャンバと、前記中継基板搬送機構で搬送されてきた基板を受け取り、受け取った基板を前記複数個の枚葉処理チャンバのうちの1個の枚葉処理チャンバに搬送する水平基板搬送ロボットと、を備え、前記水平基板搬送ロボットは、前記複数個の枚葉処理チャンバのうちの1個の枚葉処理チャンバで処理された基板を前記第2キャリア載置棚に載置された前記キャリアに収納することを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る基板処理システムによれば、インターフェース装置の姿勢変換領域は、バッチ処理装置の移載ブロックを介して、バッチ処理槽を有する処理ブロックの反対側に設けられる。例えば、バッチ処理装置のバッチ処理槽の個数が増減することで、バッチ処理装置が延びる第1水平方向において、バッチ処理装置の長さが変化する場合があるものとする。この場合であっても、少なくともバッチ処理装置の移載ブロックおよびインターフェース装置の構成を変更する必要はない。そのため、バッチ処理装置および枚葉処理装置の構成の変更を自由に行うことができる。
【0009】
また、姿勢変換領域が、移載ブロックを介して、処理ブロックの反対側に設けられるので、平面視で、インターフェース装置の中継領域がバッチ基板搬送領域と交差しないようにすることができる。そのため、構成が複雑になることを防止する。また、枚葉処理装置が、バッチ基板搬送領域を介して、移載ブロックの反対側に設けられる。そのため、平面視で、インターフェース装置が移載ブロックの一方の辺を遮る大きさを抑えることができる。また、バッチ処理槽を介して、バッチ基板搬送領域の反対側において、メンテナンス領域を広く確保することができる。
【0010】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第2姿勢変換機構は、前記複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する第2姿勢変換部と、前記移載ブロックと前記第2姿勢変換部との間に設けられて、前記複数枚の基板を鉛直姿勢で浸漬させる浸漬液を貯留する待機槽と、を備えることが好ましい。
【0011】
姿勢変換機構は、鉛直姿勢の複数枚の基板を待機槽内に貯留される浸漬液に浸漬させながら、その複数枚の基板を待機させることができる。
【0012】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第2姿勢変換機構は、第2バッチ搬送機構を更に備え、前記第2バッチ搬送機構は、前記待機槽を介して、前記バッチ基板搬送領域の反対側に設けられたガイドレールを備え、前記第2バッチ搬送機構は、前記ガイドレールに沿って、前記待機槽から前記第2姿勢変換部に前記複数枚の基板を鉛直姿勢で搬送し、前記第1バッチ搬送機構は、前記複数個のバッチ処理槽、前記鉛直保持部および前記待機槽の間で、前記複数枚の基板を鉛直姿勢で搬送することが好ましい。
【0013】
ガイドレールとバッチ基板搬送領域の間に待機槽が配置されるように、ガイドレールが配置される。そのため、ガイドレールに沿って基板を搬送する第2バッチ搬送機構が、姿勢変換部と中継基板搬送機構との間を横切ることで、水中姿勢変換部から中継基板搬送機構への基板搬送を邪魔することを防止することができる。
【0014】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第2バッチ搬送機構は、複数対の保持溝と複数対の通過溝が交互に配置される1対のチャックを備え、前記複数枚の基板と他の複数枚の基板とが交互に配置する処理基板群が前記待機槽内の前記浸漬液に浸漬される場合に、前記第2バッチ搬送機構は、前記1対のチャックを用いて、前記処理基板群から前記複数枚の基板を取り出して、取り出した前記複数枚の基板を前記姿勢変換部に搬送することが好ましい。
【0015】
第2バッチ搬送機構は、複数枚の基板(第1基板群)と他の複数枚の基板(第2基板群)とが交互に配置する処理基板群から複数枚の基板(第1基板群)を取り出すことができる。取り出した複数枚の基板(第1基板群)は、姿勢変換部で水平姿勢に変換される。これに対し、他の複数枚の基板(第2基板群)は、待機槽内の浸漬液に浸漬させながら、待機させることができる。これにより、他の複数枚の基板(第2基板群)は、待機中に乾燥することを防止できる。
【0016】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記バッチ処理装置および前記インターフェース装置に隣接するストッカ装置を更に備え、前記ストッカ装置は、前記キャリアを搬入および搬出するためのロードポートと、少なくとも前記ロードポートと前記第1キャリア載置棚との間で、前記キャリアを搬送するキャリア搬送ロボットと、を備えることが好ましい。キャリア搬送ロボットは、少なくともロードポートと第1キャリア載置棚との間でキャリアを搬送することができる。また、第1水平方向における枚葉処理装置の長さが変化する場合があっても、ストッカ装置構成を変更する必要なない。
【0017】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記中継基板搬送機構の一例は、ベルトコンベヤを備えていることである。また、上述の基板処理システムにおいて、前記中継基板搬送機構の一例は、1枚の基板を保持する移動可能な中継ハンドを備えることである。また、上述の基板処理システムにおいて、前記基板ハンドリング機構の一例は、前記複数枚の基板をそれぞれ保持する複数個のハンドであって、一体的に移動可能な前記複数個のハンドを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る基板処理システムによれば、バッチ処理装置および枚葉処理装置の構成の変更を自由に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1に係る基板処理システムの概略構成を示す平面図である。
図2】(a)~(c)は、基板ハンドリング機構と第1姿勢変換機構を説明するための側面図である。
図3】インターフェース装置とその周辺の構成を示す平面図である。
図4】(a)~(h)は、第2バッチ搬送機構の1対のチャックの4個の保持モードを説明するための図である。
図5】(a)~(c)は、第2姿勢変換機構を説明するための図である。
図6】(a)~(c)は、第2姿勢変換機構を説明するための図である。
図7】(a),(b)は、第2姿勢変換機構を説明するための図である。
図8】枚葉処理装置の右側面図である。
図9】基板処理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図10】(a)、(b)は、基板処理システムの効果を説明するための平面図である。
図11】(a)、(b)は、基板処理システムの効果を説明するための平面図である。
図12】実施例2に係る基板処理システムの概略構成を示す平面図である。
図13】変形例に係るインターフェース装置とその周辺の構成を示す平面図である。
図14】他の変形例に係るインターフェース装置とその周辺の構成を示す平面図である。
図15】(a)、(b)は、水中姿勢変換部のプッシャ機構による基板の鉛直軸周りの回転を説明するための図である。
【実施例0020】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係る基板処理システムの概略構成を示す平面図である。
【0021】
本明細書では、便宜上、バッチ処理装置3における移載ブロック19(後述)と処理ブロック21(後述)とが並ぶ方向を、「前後方向X」と呼ぶ。前後方向Xは水平である。前後方向Xのうち、例えば処理ブロック21から移載ブロック19に向かう方向を「前方」と呼ぶ。前方と反対の方向を「後方」と呼ぶ。前後方向Xと直交する水平方向を、「幅方向Y」と呼ぶ。「幅方向Y」の一方向を適宜に「右方」と呼ぶ。右方とは反対の方向を「左方」と呼ぶ。水平方向に対して垂直な方向を「鉛直方向Z」と呼ぶ。各図では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
【0022】
<1.全体構成>
図1を参照する。基板処理システム1は、基板Wを処理する。基板処理システム1は、例えば、基板Wに対して薬液処理、洗浄処理、乾燥処理などを行う。
【0023】
基板処理システム1は、ストッカ装置2、バッチ処理装置3、インターフェース装置5および枚葉処理装置7を備える。すなわち、基板処理システム1は、バッチ処理装置3と枚葉処理装置7を備えたハイブリッド方式のシステムである。バッチ処理装置3は、複数枚(例えば25枚または50枚)の基板Wを一括して処理する。枚葉処理装置7は、複数枚の基板Wを1枚ずつ処理する。インターフェース装置5は、バッチ処理装置3と枚葉処理装置7とを接続する。
【0024】
ストッカ装置2、バッチ処理装置3、インターフェース装置5および枚葉処理装置7は、C字状またはU字状に並ぶ。具体的に説明する。バッチ処理装置3は、後方Xに延びる。枚葉処理装置7は、後方Xと直交する幅方向Yに並ぶように、バッチ処理装置3に対向して配置される。インターフェース装置5は、バッチ処理装置3と枚葉処理装置7の各々の一端側に隣接する。インターフェース装置5は、幅方向Yに延びるように配置される。
【0025】
なお、後方Xは、本発明の第1水平方向に相当する。幅方向Yは、本発明の第2水平方向に相当する。
【0026】
<2.ストッカ装置>
ストッカ装置2は、少なくとも1個のキャリアCを収容するものである。ストッカ装置2は、バッチ処理装置3、インターフェース装置5および枚葉処理装置7に隣接する。キャリアCは、複数枚(例えば25枚)の基板Wを水平姿勢で所定間隔(例えば10mm)を空けて収納する。キャリアC内において、複数枚の基板Wは、鉛直方向Zまたは各基板Wの厚み方向に整列される。キャリアCとして、例えば、FOUP(Front Opening Unify Pod)が用いられるが、これに限定されない。
【0027】
ストッカ装置2は、複数個(例えば2個)のロードポート9、本体領域R1および延長領域R2を備える。2個のロードポート9は、本体領域R1の前方Xに隣接する。2個のロードポート9は、幅方向Yに配置される。2個のロードポート9は各々、キャリアCを搬入および搬出するためのものである。本体領域R1と延長領域R2は、平面視でL字状に形成される。本体領域R1は、幅方向Yに延びるように形成される。延長領域R2は、本体領域R1の右端部の後方Xに接続される。
【0028】
ストッカ装置2は、保管棚15とキャリア搬送ロボット16を備える。保管棚15は、本体領域R1に配置される。保管棚15は、キャリアCを保管するための棚である。保管棚15は、キャリアCが載置される。
【0029】
キャリア搬送ロボット16は、2個のロードポート9と、2個の棚18,89と、保管棚15との間でキャリアCを搬送する。キャリア搬送ロボット16は、例えばキャリアCの上面に設けられた突起部を把持する把持部17を備える。把持部17は、キャリア搬送ロボット16によって、水平方向(前後方向Xおよび幅方向Y)および鉛直方向Zに移動可能である。キャリア搬送ロボット16は、1または2以上の電動モータで駆動される。なお、キャリア搬送ロボット16は、キャリアCの下面を支持する移動可能な支持部であってもよい。
【0030】
<3.バッチ処理装置>
バッチ処理装置3の概要を説明する。バッチ処理装置3は、棚18に搬送されたキャリアCから複数枚(例えば25枚)の基板Wを取り出す。バッチ処理装置3は、取り出した複数枚(例えば25枚)の基板Wを、第1姿勢変換機構23(後述)を用いて、水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。バッチ処理装置3は、垂直姿勢に変換された複数枚(例えば25枚または50枚)の基板Wに対して所定のバッチ処理を行う。バッチ処理装置3は、バッチ処理が行われた複数枚(例えば25枚または50枚)の基板Wをインターフェース装置5に搬送する。
【0031】
次に、バッチ処理装置3の詳細を説明する。バッチ処理装置3は、棚18、移載ブロック19、処理ブロック21およびバッチ基板搬送領域R3を備える。棚18は、延長領域R2に配置される。棚18には、キャリアCが載置される。移載ブロック19は、棚18の後方Xに隣接する。処理ブロック21は、移載ブロック19の後方Xに隣接する。処理ブロック21は、後方Xに延びる。
【0032】
バッチ基板搬送領域R3は、枚葉処理装置7が配置された側で、移載ブロック19および処理ブロック21に隣接して配置される。また、バッチ基板搬送領域R3の一端側は、インターフェース装置5にまで延びる。バッチ基板搬送領域R3の他端側は、後方Xに延びる。言い換えると、バッチ基板搬送領域R3は、移載ブロック19、処理ブロック21および姿勢変換領域R5(後述)の左方Yに隣接する。また、バッチ基板搬送領域R3は、中継領域R6(後述)の後方Xに隣接してもよい。
【0033】
<3-1.移載ブロック>
移載ブロック19は、基板ハンドリング機構(ロボット)HTRと第1姿勢変換機構23を備える。基板ハンドリング機構HTRは、棚18の後方Xに設けられる。基板ハンドリング機構HTRは、棚18に載置されたキャリアCから水平姿勢の複数枚(例えば25枚)の基板Wを取り出し、取り出した基板Wを第1姿勢変換機構23に搬送する。
【0034】
図2(a)~図2(c)を参照する。基板ハンドリング機構HTRは、複数個(例えば25個)のハンド25を備える。各ハンド25は、1枚の基板Wを保持する。なお、図2(a)~図2(c)において、図示の都合上、基板ハンドリング機構HTRは、3個のハンド25を備えるものとする。また、後述する1対の水平保持部31Bおよび1対の鉛直保持部31Cは、3枚の基板Wを保持するものとする。また、後述するプッシャ33Aは、6枚の基板Wを支持するものとする。
【0035】
基板ハンドリング機構HTRは、更に、ハンド支持部26、進退部27および昇降回転部29を備える。ハンド支持部26は、複数個のハンド25を支持する。これにより、複数個のハンド25は、一体的に移動可能である。進退部27は、ハンド支持部26を介して、複数個のハンド25を前進および後退させる。昇降回転部29は、ハンド25の向きを変えるために、鉛直軸AX1周りに進退部27を回転させる。昇降回転部29は、床面に固定されており、水平方向(前後方向Xおよび幅方向Y)に移動しない。なお、進退部27および昇降回転部29は各々、電動モータを備える。また、基板ハンドリング機構HTRは、ハンド25とは別に、1枚の基板Wのみを搬送するための移動可能なハンド(図示しない)を備えてもよい。
【0036】
第1姿勢変換機構23は、姿勢変換部31とプッシャ機構33を備える。基板ハンドリング機構HTR、姿勢変換部31およびプッシャ機構33は、この順番で左方Yに配置される。言い換えると、基板ハンドリング機構HTR、姿勢変換部31およびプッシャ機構33(プッシャ33Aを含む)は、移載ブロック19から処理ブロック21に向かう後方Xと直交する幅方向Yに沿って配置される。
【0037】
姿勢変換部31は、基板ハンドリング機構HTRから受け取った複数枚(例えば25枚)の基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。図2(a)に示すように、姿勢変換部31は、支持台31A、1対の水平保持部31B、1対の鉛直保持部31C、および回転駆動部31Dを備える。1対の水平保持部31Bおよび1対の鉛直保持部31Cは、支持台31Aに設けられる。基板Wが水平姿勢であるとき、1対の水平保持部31Bは、各基板Wの下面に接触しつつ、基板Wを下方から支持する。また、基板Wが鉛直姿勢であるとき、1対の鉛直保持部31Cは、基板Wを保持する。回転駆動部31Dは、水平軸AX2周りに支持台31Aを回転させる。
【0038】
図2(c)に示すように、プッシャ機構33は、プッシャ33A、昇降回転部33B、水平移動部33Cおよびレール33Dを備える。プッシャ33Aは、姿勢変換部31で鉛直姿勢に変換された複数枚(例えば25枚または50枚)の基板Wの各々の下部を保持する。言い換えると、プッシャ33Aは、姿勢変換部31を介して、基板ハンドリング機構HTRから受け取った複数枚の基板Wを鉛直姿勢で保持する。昇降回転部33Bは、プッシャ33Aを鉛直方向Zに昇降させる。また、昇降回転部33Bは、鉛直軸AX3周りにプッシャ33Aを回転させる。これにより、矢印AR1で示す基板Wのデバイス面の向きを任意の方向にすることができる。
【0039】
水平移動部33Cは、プッシャ33Aおよび昇降回転部33Bをレール33Dに沿って水平移動させる。レール33Dは、幅方向Yに延びる。なお、回転駆動部31D、昇降回転部33Bおよび水平移動部33Cは各々、電動モータを備える。
【0040】
なお、棚18は、本発明の第1キャリア載置棚に相当する。姿勢変換部31は、本発明の第1姿勢変換部に相当する。また、プッシャ33Aは、本発明の鉛直保持部に相当する。なお、本発明の複数枚の基板は、例えば25枚または50枚の基板Wの一部であってもよい。
【0041】
ここで、第1姿勢変換機構23の動作を説明する。例えば、処理ブロック21の後述する4個のバッチ処理槽BT1~BT4は各々、2個分のキャリアCに対応する50枚の基板Wを一括して処理する。そのため、50枚の基板W(W1,W2)の姿勢変換を25枚ずつ行いながら、プッシャ33Aに50枚の基板Wを保持させる。25枚の基板W1は、第1基板群と呼ばれる。25枚の基板W2は、第2基板群と呼ばれる。50枚の基板W(W1,W2)は、処理基板群と呼ばれる。基板W1,W2を特に区別しない場合は、基板W1および基板W2は、基板Wと記載される。
【0042】
図2(a)を参照する。姿勢変換部31は、基板ハンドリング機構HTRから25枚の基板W1を受け取る。この際、25枚の基板W1は、水平姿勢であり、フルピッチ(例えば10mm間隔)で整列される。なお、フルピッチは、ノーマルピッチとも呼ばれる。また、各基板W1のデバイス面は上向きである。なお、基板Wのデバイス面は、電子回路が形成される面であり、「表面」と呼ばれる。また、基板Wの裏面とは、電子回路が形成されない面をいう。デバイス面の反対側の面が裏面である。
【0043】
図2(b)を参照する。姿勢変換部31の回転駆動部31Dは、1対の水平保持部31B等を水平軸AX2周りに90度回転させて、25枚の基板W1を水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。その後、プッシャ機構33は、プッシャ33Aを上昇させて、姿勢変換部31から25枚の基板W1を受け取る。その後、プッシャ機構33は、プッシャ33Aを鉛直軸AX3周りに180度回転させる。それにより、25枚の基板W1の向きを左方Yから右方Yにする。
【0044】
その後、姿勢変換部31は、基板ハンドリング機構HTRから25枚の基板W2を受け取り、その25枚の基板W2を水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。その後、プッシャ機構33は、25枚の基板W1を保持するプッシャ33Aを上昇させる。これにより、プッシャ33Aは、25枚の基板W2を更に受け取る。
【0045】
図2(c)を参照する。プッシャ33Aは、50枚の基板W(W1,W2)を保持する。25枚の基板W1と25枚の基板W2は、交互に配置される。50枚の基板Wは、ハーフピッチ(例えば5mm間隔)で整列される。なお、ハーフピッチは、フルピッチの半分の間隔である。その後、プッシャ機構33は、50枚の基板Wを保持するプッシャ33Aをバッチ搬送機構WTR1(後述)の1対のチャック37,38(後述)の下方の基板受け渡し位置PPにレール33Dに沿って移動させる。
【0046】
<3-2.処理ブロック(バッチ処理ブロック)>
処理ブロック21は、バッチ処理領域R4を備える。バッチ処理領域R4は、移載ブロック19の後方Xに隣接する。バッチ処理領域R4は、複数個(例えば4個)のバッチ処理槽BT1~BT4を備える。4個のバッチ処理槽BT1~BT4は、バッチ処理装置3が延びる後方Xまたは前後方向Xに並べて配置される。4個のバッチ処理槽BT1~BT4は各々、複数枚(例えば25枚または50枚)の基板Wを一括して浸漬処理する。4個のバッチ処理槽BT1~BT4は各々、複数枚の基板Wを浸漬させるための処理液(例えば、薬液または純水)を貯留する。
【0047】
4個のバッチ処理槽BT1~BT4は、例えば、2個の薬液処理槽BT1,BT3と、2個の水洗処理槽BT2,BT4とで構成される。薬液処理槽BT1と水洗処理槽BT2を1組とし、薬液処理槽BT3と水洗処理槽BT4を他の1組とする。なお、薬液処理槽と水洗処理槽の組合せは、この例に限定されない。また、バッチ処理槽の個数は、4個に限定されず、1個または2個以上であればよい。
【0048】
2個の薬液処理槽BT1,BT3は各々、薬液によるエッチング処理を行う。薬液として、例えば燐酸が用いられる。薬液処理槽BT1,BT3は各々、図示しない薬液噴出管から供給された薬液を貯留する。2個の水洗処理槽BT2,BT4は各々、複数枚の基板Wに付着している薬液を純水で洗い流す純水洗浄処理を行う。純水として、例えば脱イオン水(Deionized Water:DIW)が用いられる。水洗処理槽BT2,BT4は各々、図示しない純水噴出管から供給された純水を貯留する。
【0049】
4個のバッチ処理槽BT1~BT4には、4個のリフタLF1~LF4がそれぞれ設けられる。例えば、リフタLF1は、所定の間隔であるハーフピッチ(例えば5mm間隔)で整列された鉛直姿勢の基板Wを保持する。リフタLF1は、バッチ処理槽BT1の内部の処理位置とバッチ処理槽BT1の上方の受け渡し位置との間で、複数枚の基板Wを昇降させる。他の3個のリフタLF2~LF4も、リフタLF1と同様に構成される。なお、図1に示す領域R20は、例えば、薬液処理槽BT1,BT3に供給される薬液を準備する領域(例えば供給される薬液の温度および濃度を調整する領域)である。
【0050】
<3-3.バッチ基板搬送領域>
バッチ基板搬送領域R3は、第1姿勢変換機構23(プッシャ33Aを含む)を介して、基板ハンドリング機構HTRの反対側に配置される。バッチ基板搬送領域R3の一端は、インターフェース装置5の姿勢変換領域R5(後述)まで延びる。バッチ基板搬送領域R3の他端は、後方Xに延びる。言い換えると、バッチ基板搬送領域R3は、前後方向Xに延びる。
【0051】
バッチ基板搬送領域R3は、バッチ搬送機構(ロボット)WTR1を備える。バッチ搬送機構WTR1は、4個のバッチ処理槽BT1~BT4、第1姿勢変換機構23(プッシャ33Aを含む)および、インターフェース装置5(後述する待機槽45)の間で、複数枚の基板Wを鉛直姿勢で搬送する。
【0052】
4個のバッチ処理槽BT1~BT4、基板受け渡し位置PP、待機槽45(後述)および水中姿勢変換部43(後述)は、前後方向Xに一列で整列する。そのため、バッチ搬送機構WTR1は、後方Xまたは前後方向Xと平行に、複数枚の基板Wを鉛直姿勢で搬送する。
【0053】
バッチ搬送機構WTR1は、1対のチャック37,38とガイドレール39を備える。1対のチャック37,38は、例えば、50枚の基板Wを保持するために50対の保持溝を備える。すなわち、2個のチャック37,38は各々、50個の保持溝を備える。2個のチャック37,38は各々、平面視で、幅方向Y(図1)に平行に延びる。バッチ搬送機構WTR1は、2個のチャック37,38を開いたり閉じたりする。ガイドレール39は、前後方向Xに延びる。バッチ搬送機構WTR1は、1対のチャック37,38をガイドレール39に沿って移動させる。バッチ搬送機構WTR1は、電動モータで駆動される。
【0054】
<4.インターフェース装置>
インターフェース装置5の概要を説明する。インターフェース装置5は、2個の水洗処理槽BT2,BT4のいずれかで所定のバッチ処理された複数枚の基板Wをバッチ搬送機構WTR1から受け取る。インターフェース装置5は、受け取った複数枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。インターフェース装置5は、水平姿勢に変換された複数枚の基板Wを枚葉処理装置7に搬送する。
【0055】
次に、インターフェース装置5の詳細を説明する。図1図3を参照する。インターフェース装置5は、幅方向Yに配置された姿勢変換領域R5および中継領域R6を備える。姿勢変換領域R5は、移載ブロック19を介して、処理ブロック21の反対側に配置される。すなわち、姿勢変換領域R5は、移載ブロック19の前方Xに隣接する。姿勢変換領域R5は、ストッカ装置2の延長領域R2の左方Yに隣接し、また、本体領域R1の後方Xに隣接する。姿勢変換領域R5は、棚18の左方Yに配置される。
【0056】
<4-1.第2姿勢変換機構>
姿勢変換領域R5は、第2姿勢変換機構41を備える。第2姿勢変換機構41は、バッチ処理装置3で処理された複数枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。第2姿勢変換機構41は、水中姿勢変換部43、待機槽45および第2バッチ搬送機構WTR2を備える。なお、水中姿勢変換部43は、本発明の第2姿勢変換部に相当する。
【0057】
待機槽45は、基板受け渡し位置PPの前方Xに設けられる。また、待機槽45は、移載ブロック19と水中姿勢変換部43との間に設けられる。待機槽45は、リフタLF7が設けられる。リフタLF7は、リフタLF1と同様に構成される。待機槽45は、複数枚の基板Wを鉛直姿勢で浸漬させる浸漬液を貯留する。浸漬液として、純水が用いられる。純水(例えばDIW)は、図示しない純水噴出管から供給される。
【0058】
第2バッチ搬送機構WTR2は、ガイドレール51に沿って、待機槽45から水中姿勢変換部43に複数枚(例えば25枚)の基板Wを鉛直姿勢で搬送する。第2バッチ搬送機構WTR2は、1対のチャック47,48、支持柱49(図5(b)参照)、およびガイドレール51を備える。支持柱49は、その上端部で1対のチャック47,48を支持する。支持柱49は、第1のチャック47を水平軸AX4周りに回転させ、また、第2のチャック48を水平軸AX5周りに回転させる(図4(a)参照)。水平軸AX4,AX5は各々、幅方向Yに延びる。
【0059】
1対のチャック47,48および支持柱49は、前後方向Xに延びるガイドレール51に沿って移動可能である。ガイドレール51は、天井面よりも姿勢変換領域R5の床面に近い高さ位置に設けられる。ガイドレール51は、姿勢変換領域R5の床面に直接的にまたは間接的に設けられる。第2バッチ搬送機構WTR2は、例えば電動モータで駆動される。
【0060】
ガイドレール51は、待機槽45を介してバッチ基板搬送領域R3の反対側に設けられる。すなわち、ガイドレール51は、水中姿勢変換部43および待機槽45の右方Yに設けられる。これにより、ガイドレール51に沿って基板Wを搬送する第2バッチ搬送機構WTR2が、水中姿勢変換部43と中継基板搬送機構81(後述)との間を横切ることで、水中姿勢変換部43から中継基板搬送機構81への基板搬送を邪魔することを防止することができる。
【0061】
次に、1対のチャック47,48について説明する。例えば、複数枚(例えば25枚)の基板W1と他の複数枚(例えば25枚)の基板W2とが交互に配置する処理基板群(例えば50枚の基板W1,W2)が待機槽45内の浸漬液に浸漬されるとする。この場合、第2バッチ搬送機構WTR2は、1対のチャック47,48を用いて、待機槽45の処理基板群から複数枚(25枚)の基板W1(W2)を取り出して、取り出した複数枚(25枚)の基板W1(W2)を水中姿勢変換部43に搬送する。
【0062】
1対のチャック47,48は、複数個(例えば4個)の保持モードを備える。図4(a)~図4(h)は、4個の保持モードを説明するための図である。なお、図4(a)、図4(c)、図4(e)、図4(g)は各々、図3に示す矢印AR2のように見たときの1対のチャック47,48を示す側面図である。図4(b)、図4(d)、図4(f)、図4(h)は各々、1対のチャック47,48の横断面図である。図4(a)~図4(h)において、図示の都合上、6枚の基板W1,W2で説明する。
【0063】
図4(a)、図4(b)は、第1保持モードを示す図である。第1保持モードにおいて、1対のチャック47,48は、1対の通過溝59,60を備える。第1保持モードの場合、1対のチャック47,48は、リフタLF7で保持された50枚の基板W1,W2のいずれも保持することができない。すなわち、50枚の基板W1,W2は、チャック47,48(通過溝59,60)の間を通過する。
【0064】
図4(c)、図4(d)は、第2保持モードを示す図である。第2保持モードにおいて、1対のチャック47,48は、複数対(例えば25対)の保持溝53A,54Aと複数対(例えば25対)の通過溝55A,56Aを備える。25対の保持溝53A,54Aと25対の通過溝55A,56Aは、交互に配置される。第1のチャック47は、交互に配置された25個の保持溝53Aと25個の通過溝55Aを備える。第2のチャック48は、交互に配置された25個の保持溝54Aと25個の通過溝56Aを備える。第2保持モードの1対のチャック47,48は、50枚の基板W1,W2のうちの25枚の基板W1を保持する。
【0065】
図4(e)、図4(f)は、第3保持モードを示す図である。第3保持モードにおいて、1対のチャック47,48は、例えば50対の保持溝63,64を備える。1対のチャック47,48は、50対の保持溝63,64を用いて、50枚の基板W1,W2を保持することができる。
【0066】
図4(g)、図4(h)は、第4保持モードを示す図である。第4保持モードにおいて、1対のチャック47,48は、複数対(例えば25対)の保持溝53B,54Bと複数対(例えば25対)の通過溝55B,56Bを備える。25対の保持溝53B,54Bと25対の通過溝55B,56Bは、交互に配置される。第4保持モードの1対のチャック47,48は、50枚の基板W1,W2のうちの25枚の基板W2を保持する。
【0067】
なお、図4(b)、図4(f)に示すように、例えば第1のチャック47において、水平軸AX4を介して第1の保持モードに係る通過溝59の反対側の面には、第3保持モードに係る保持溝63が設けられる。図4(d)、図4(h)に示すように、例えば第1のチャック47において、水平軸AX4を介して第2保持モードに係る保持溝53Aおよび通過溝55Aの反対側の面には、第4保持モードに係る保持溝53Bおよび通過溝55Bが設けられる。
【0068】
例えば図4(a)に示す第1保持モードを基準として、水平軸AX4を中心に第1のチャック47を時計回りに90度(degree)回転させると共に、水平軸AX5を中心に第2のチャック48を反時計回りに90度回転させる。これにより、チャック47,48は、図4(c)に示す第2保持モードになる。また、第1保持モードを基準として、水平軸AX4を中心に第1のチャック47を時計回りに180度回転させると共に、水平軸AX5を中心に第2のチャック48を反時計回りに180度回転させる。これにより、チャック47,48は、図4(e)に示す第3保持モードになる。
【0069】
同様に、第1保持モードを基準として、第1のチャック47を時計回りに270度回転させると共に、第2のチャック48を反時計回りに270度回転させる。これにより、チャック47,48は、図4(g)に示す第4保持モードになる。
【0070】
次に、水中姿勢変換部43について説明する。水中姿勢変換部43は、複数枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。水中姿勢変換部43は、図3図5(a)に示すように、待機槽45の前方Xに設けられる。水中姿勢変換部43は、槽内キャリア67、リフタLF8、姿勢変換槽69、回転機構71、プッシャ機構73および水平押し出し機構75(図7(b)参照)を備えている。
【0071】
槽内キャリア67は、複数枚(例えば25枚または50枚)の基板Wを収納することができる。槽内キャリア67は、出入口67Aと裏開口67Bを備える。出入口67Aは、基板Wを出入りさせるための開口である。裏開口67Bは、出入口67Aに対向する。また、裏開口67Bは、収納された基板Wの径方向において、その基板Wの直径よりも小さい幅で形成される。そのため、複数枚の基板Wは、裏開口67Bを通過できない。
【0072】
リフタLF8は、槽内キャリア67を支持する2本のキャリア支持部77を備える。リフタLF8は、2本のキャリア支持部77を昇降させる。姿勢変換槽69は、槽内キャリア67と、リフタLF8の2本のキャリア支持部77と、プッシャ73A(後述)とを収容する。姿勢変換槽69は、図示しない純水噴出管から供給された純水(例えばDIW)を貯留する。これにより、姿勢変換槽69内の純水に槽内キャリア67を浸漬させることができる。
【0073】
回転機構71は、対向する2本のシャフト71Aを備える。2本のシャフト71Aは各々、姿勢変換槽69を貫通する。回転機構71は、2本のシャフト71Aで槽内キャリア67を挟み込んで、槽内キャリア67を保持する。更に、回転機構71は、2本のシャフト71Aで保持された槽内キャリア67をシャフト71Aの水平軸AX6周りに回転させることができる。水平軸AX6は、前後方向Xに延びる。
【0074】
プッシャ機構73は、鉛直姿勢の複数枚(例えば25枚)の基板Wの下部を保持するプッシャ73Aを備える。プッシャ機構73は、プッシャ73Aを昇降させ、また、鉛直軸AX7周りに回転させることができる(図5(b)参照)。水平押し出し機構75は、水平姿勢の1枚の基板Wを押し出す押し出し部材75Aを備える(図7(b)参照)。押し出し部材75Aは、槽内キャリア67の出入口67Aが左方Yを向くときに、裏開口67Bおよび出入口67Aを通過しながら、左方Yに移動される。リフタLF8、回転機構71、プッシャ機構73および水平押し出し機構75は各々、電動モータおよびエアシリンダの少なくとも一方で駆動される。
【0075】
<4-2.第2姿勢変換機構の動作>
ここで、第2姿勢変換機構41の動作について説明する。図5(a)を参照する。待機槽45内の純水には、リフタLF7により鉛直姿勢で保持された50枚の基板Wが浸漬されている。50枚の基板Wは、図2(c)に示すように、25枚の基板W1と25枚の基板W2が交互に配置されて構成される。
【0076】
第2バッチ搬送機構WTR2は、待機槽45の上方に移動する。第2バッチ搬送機構WTR2は、1対のチャック47,48を第1保持モードにする(図4(a)、図4(b)参照)。その後、リフタLF7は、チャック47,48の間に50枚の基板Wを通過させながら、50枚の基板Wを1対のチャック47,48よりも高い位置に上昇させる。
【0077】
その後、第2バッチ搬送機構WTR2は、1対のチャック47,48を第2保持モードにする(図4(c)、図4(d)参照)。その後、リフタLF7は、50枚の基板Wを下降させる。これにより、第2バッチ搬送機構WTR2は、リフタLF7から50枚の基板Wのうちの25枚の基板W1を受け取る。そのため、リフタLF7には、25枚の基板W2が残される。リフタLF7は、25枚の基板W2を待機槽45内の純水に浸漬させる。その後、第2バッチ搬送機構WTR2は、姿勢変換槽69およびプッシャ73Aの上方に25枚の基板W1を搬送する。
【0078】
図5(b)を参照する。リフタLF8の2本のキャリア支持部77は、出入口67Aが上向きの槽内キャリア67を支持する。プッシャ機構73は、2本のキャリア支持部77の間、裏開口67Bおよび出入口67Aにプッシャ73Aを通過させながら、プッシャ73Aを上昇させる。これにより、プッシャ73Aは、1対のチャック47,48が保持する25枚の基板W1の下部を保持することで、破線で示す1対のチャック47,48から25枚の基板W1を受け取る。
【0079】
その後、第2バッチ搬送機構WTR2は、1対のチャック47,48を第1保持モードにする(図4(a)、図4(b)参照)。その後、プッシャ機構73は、プッシャ73Aが保持する25枚の基板W1をチャック47,48の間に通過させながら、プッシャ73Aを下降させる。プッシャ73Aは、1対のチャック47,48と干渉しない位置まで下降される。その後、第2バッチ搬送機構WTR2は、プッシャ73Aの上方から移動する。
【0080】
その後、25枚の基板W1を水平姿勢に変換したときにデバイス面が上向きになるように、プッシャ機構73は、25枚の基板W1を鉛直軸AX7周りに回転する。これにより、25枚の基板W1の向きを調整する。この調整は、例えば、姿勢変換槽69内の純水の水面よりも高い位置で行う。
【0081】
図5(c)を参照する。リフタLF8は、出入口67Aが上向きの槽内キャリア67を支持する2本のキャリア支持部77を位置P1から位置P2に上昇させる。これにより、槽内キャリア67内には、プッシャ73Aで保持された25枚の基板W1が収納される。なお、位置P2は、例えば、姿勢変換槽69内の純水の水面よりも高い位置である。
【0082】
図6(a)を参照する。その後、プッシャ機構73は、槽内キャリア67内の底面までプッシャ73Aを下降させる。また、リフタLF8は、2本のキャリア支持部77を位置P2から位置P1に下降させる。これにより、槽内キャリア67内に収納された25枚の基板W1を姿勢変換槽69内の純水に浸漬させる。
【0083】
図6(b)を参照する。その後、回転機構71は、2本のシャフト71Aで槽内キャリア67を保持する。図6(c)を参照する。その後、リフタLF8は、位置P1から位置P3に2本のキャリア支持部77を下降させる。これにより、槽内キャリア67は、2本のシャフト71Aだけで保持される。なお、位置P3は、槽内キャリア67内の底面付近の位置である。その後、回転機構71は、槽内キャリア67を水平軸AX6周りに90度回転させる。これにより、槽内キャリア67内の25枚の基板W1は、鉛直姿勢から水平姿勢に変換される。このとき、各基板W1のデバイス面は、上向きである。
【0084】
図7(a)を参照する。その後、リフタLF8は、位置P3から位置P4に2本のキャリア支持部77を上昇させる。これにより、2本のキャリア支持部77が槽内キャリア67の下面に接触する。その後、回転機構71は、槽内キャリア67から2本のシャフト71Aを離す。これにより、槽内キャリア67は、2本のキャリア支持部77だけで保持される。
【0085】
図7(b)を参照する。その後、1枚の基板W1が姿勢変換槽69内の純水から出るように、リフタLF8は、2本のキャリア支持部77を上昇させる。その後、水平押し出し機構75は、押し出し部材75Aで純水から取り出された1枚の基板W1を左方Yに押し出す。押し出された基板W1は、中継領域R6の中継基板搬送機構81(後述)に搬送される。
【0086】
その後、槽内キャリア67から25枚の基板W1が搬送された後、待機槽45内の純水に浸漬された残りの25枚の基板W2を水平姿勢に変換する。なお、リフタLF7から25枚の基板W2を受け取るとき、第2バッチ搬送機構WTR2は、1対のチャック47,48を第4保持モードにする(図4(g)、図4(h)参照)。その他、25枚の基板W2の姿勢変換は、25枚の基板W1の姿勢変換と同様に行われる(図5(a)~図7(b)参照)。
【0087】
<4-3.中継基板搬送機構>
図1図3を参照する。中継領域R6は、姿勢変換領域R5の左方Yに隣接または接続する。中継領域R6は、幅方向Yに延びる。すなわち、中継領域R6は、姿勢変換領域R5から左方Yに延びる。中継領域R6は、中継基板搬送機構81を備える。中継基板搬送機構81は、第2姿勢変換機構41で水平姿勢に変換された複数枚の基板Wを枚葉処理装置7に搬送する。中継基板搬送機構81は、ベルトコンベヤ83を備える。中継領域R6は、ハウジング82によって基板処理システム1の外部の雰囲気を遮断する。
【0088】
ベルトコンベヤ83は、2個のプーリ84、2本のベルト85およびピン昇降部87を備える(図3参照)。2本のベルト85は、2個のプーリ84に掛け渡される。ピン昇降部87は、ベルトコンベヤ83の先端部分に設けられる。ピン昇降部87は、3本のリフトピン(図示しない)を有し、3本のリフトピンによって2本のベルト85上の1枚の基板Wを持ち上げる。2個のプーリ84の少なくとも一方、およびピン昇降部87は各々、電動モータで駆動される。
【0089】
<5.枚葉処理装置>
図1を参照する。枚葉処理装置7は、インターフェース装置5から受け取った複数枚の基板Wを1枚ずつ所定の枚葉処理を行い、枚葉処理が行われた複数枚の基板Wを棚89に載置されたキャリアCに搬送する。
【0090】
枚葉処理装置7は、バッチ処理装置3のバッチ基板搬送領域R3を介して、移載ブロック19および処理ブロック21の反対側に設けられる。すなわち、枚葉処理装置7は、バッチ処理装置3の左方Yに設けられる。バッチ処理装置3と枚葉処理装置7の間には、メンテナンス領域R7が設けられる。
【0091】
枚葉処理装置7は、キャリアCが載置される棚89と、枚葉処理ブロック90とを備える。枚葉処理ブロック90は、棚89の後方Xに隣接する。枚葉処理ブロック90は、バッチ処理装置3で処理された複数枚の基板Wを1枚ずつ所定の処理をする複数個の枚葉処理チャンバSW1,SW2(後述)を備える。棚89は、本体領域R1に配置される。なお、棚89は、本発明の第2キャリア載置棚に相当する。
【0092】
枚葉処理ブロック90は、受け渡し領域R8、枚葉基板搬送領域R9、および2個の枚葉基板処理領域R10,R11を備える。受け渡し領域R8は、中継領域R6の先端および棚89に隣接する。枚葉基板搬送領域R9は、受け渡し領域R8から後方Xに延びる。第1の枚葉基板処理領域R10は、枚葉基板搬送領域R9の左方Yに隣接する。第2の枚葉基板処理領域R11は、枚葉基板搬送領域R9の右方に隣接する。2個の枚葉基板処理領域R10,R11は各々、前後方向Xに延びる。
【0093】
第1の枚葉基板処理領域R10は、前方タワーTW1、後方タワーTW2および基板搬送ロボットCR1を備える。前方タワーTW1、基板搬送ロボットCR1および後方タワーTW2は、この順番で枚葉基板搬送領域R9に沿って設けられる。
【0094】
前方タワーTW1は、基板搬送ロボットCR1の前方Xに設けられる。後方タワーTW2は、基板搬送ロボットCR1の後方Xに設けられる。前方タワーTW1は、図8に示すように、鉛直方向Zに積層された1個の第1枚葉処理チャンバSW1および2個の第2枚葉処理チャンバSW2を備える。後方タワーTW2は、鉛直方向Zに積層された3個の第2枚葉処理チャンバSW2を備える。つまり、第1の枚葉基板処理領域R10は、合計6個の枚葉処理チャンバSW1,SW2を備える。各枚葉処理チャンバSW1,SW2は、枚葉基板搬送領域R9に沿って設けられ、1枚の基板Wに対して所定の処理を行う。
【0095】
基板搬送ロボットCR1は、ハンド91、進退部92および昇降回転部93を備える。ハンド91は、1枚の基板Wを水平姿勢で保持する。進退部92は、ハンド91を前進および後退させる。昇降回転部93は、ハンド91および進退部92を昇降させる。また、昇降回転部93は、ハンド91の向きを変えるために、ハンド91および進退部92を鉛直軸AX8周りに回転させる。基板搬送ロボットCR1は、前方タワーTW1の3個の枚葉処理チャンバSW1,SW2と後方タワーTW2の3個の第2枚葉処理チャンバSW2との間で1枚の基板Wを水平姿勢で搬送する。
【0096】
第2の枚葉基板処理領域R11は、第1の枚葉基板処理領域R10と同様に、前方タワーTW1、後方タワーTW2、および基板搬送ロボットCR2を備える。すなわち、第2の枚葉基板処理領域R11は、6個の枚葉処理チャンバSW1,SW2を備える。基板搬送ロボットCR2は、基板搬送ロボットCR1と同様に構成される。なお、前方タワーTW1および後方タワーTW2が備える枚葉処理チャンバの種類および個数は、適宜設定される。
【0097】
第1枚葉処理チャンバSW1は、例えば、保持回転部94とノズル95とを備える。保持回転部94は、1枚の基板Wを水平姿勢で保持するスピンチャックと、その基板Wの中心を通過する鉛直軸周りにスピンチャックを回転させる電動モータとを備える。ノズル95は、保持回転部94で保持された基板W上に処理液を供給する。処理液として、例えば、純水(例えばDIW)およびIPA(イソプロピルアルコール)が用いられる。第1枚葉処理チャンバSW1は、例えば、基板Wに対して純水で洗浄処理を行った後、基板Wの上面にIPAの液膜を形成する。
【0098】
第2枚葉処理チャンバSW2は各々、例えば、超臨界流体による乾燥処理を行う。流体として、例えば二酸化炭素が用いられる。流体が二酸化炭素の場合、超臨界状態は、臨界温度が31℃でかつ臨界圧力が7.38MPaのときに得られる。超臨界流体による乾燥処理を行うことで、基板Wにおけるパターン倒れを生じにくくすることができる。
【0099】
第2枚葉処理チャンバSW2は、チャンバ本体(容器)96、支持トレイ97、および蓋部を備える。チャンバ本体96は、内部に設けられた処理空間と、この処理空間に基板Wを入れるための開口と、供給口と、排気口とを備える。基板Wは、支持トレイ97に支持されつつ処理空間に収容される。蓋部はチャンバ本体96の開口を塞ぐ。例えば、各第2枚葉処理チャンバSW2は、流体を超臨界状態にして、供給口からチャンバ本体96内の処理空間に超臨界流体を供給する。処理空間に供給された超臨界流体により、1枚の基板Wに対する乾燥処理が行われる。
【0100】
枚葉基板搬送領域R9は、基板搬送ロボットCR3を備える。基板搬送ロボットCR3は、中継基板搬送機構81、12個の枚葉処理チャンバSW1,SW2および、棚89に載置されたキャリアCの間で、1枚の基板Wを水平姿勢で搬送する。また、基板搬送ロボットCR3は、中継基板搬送機構81で搬送されてきた基板Wを受け取り、受け取った基板Wを複数個(例えば12個)の枚葉処理チャンバSW1,SW2のうちの1個の第1枚葉処理チャンバSW1に搬送する。基板搬送ロボットCR3は、複数個(例えば12個)の枚葉処理チャンバSW1,SW2のうちの1個の第2枚葉処理チャンバSW2で処理された基板Wを棚89に載置されたキャリアCに収納する。
【0101】
基板搬送ロボットCR3は、基板搬送ロボットCR1と同様に、ハンド91、進退部92および昇降回転部93を備える。基板搬送ロボットCR3は、更に、前後方向Xに延びるガイドレール101を備える。ガイドレール101の一端は、受け渡し領域R8まで延びる。基板搬送ロボットCR3の昇降回転部93等は、ガイドレール101に沿って移動することができる。また、基板搬送ロボットCR3は、2個のハンド91を備えていることが好ましい。この場合、第1のハンド91は、濡れた基板Wを搬送するために用いられ、第2のハンド91は、第2枚葉処理チャンバSW2で乾燥された基板Wを搬送するために用いられる。なお、基板搬送ロボットCR1~CR3は各々、本発明の水平基板搬送ロボットに相当する。
【0102】
<6.制御部>
基板処理システム1は、制御部110(図1参照)と記憶部(図示しない)を備えている。制御部110は、基板処理システム1の各構成を制御する。制御部110は、例えば中央演算処理装置(CPU)などの1つ以上のプロセッサを備える。記憶部は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、およびハードディスクの少なくとも1つを備えている。記憶部は、基板処理システム1の各構成を制御するために必要なコンピュータプログラムを記憶する。
【0103】
<7.基板処理システムの動作>
次に、図9のフローチャートを参照しながら基板処理システム1の動作について説明する。図1を参照する。図示しない外部搬送ロボットは、2個のキャリアCをロードポート9に搬送する。
【0104】
〔ステップS01〕キャリアからの基板の取り出し
ストッカ装置2のキャリア搬送ロボット16は、ロードポート9から棚18に、処理前の25枚の基板W1が収納された第1のキャリアCを搬送する。その後、バッチ処理装置3の基板ハンドリング機構HTRは、棚18に搬送された第1のキャリアCから25枚の基板W1(第1基板群)を取り出して、その25枚の基板W1を姿勢変換部31に搬送する。
【0105】
その後、キャリア搬送ロボット16は、25枚の基板W1が取り出された第1のキャリアC(空キャリア)を棚18から棚89に搬送する。その後、キャリア搬送ロボット16は、ロードポート9から棚18に、処理前の25枚の基板W2が収納された第2のキャリアCを搬送する。その後、基板ハンドリング機構HTRは、棚18に搬送された第2のキャリアCから25枚の基板W2(第2基板群)を取り出して、その25枚の基板W2を姿勢変換部31に搬送する。
【0106】
その後、キャリア搬送ロボット16は、25枚の基板W2が取り出された第2のキャリアC(空キャリア)を棚18から保管棚15に搬送する。第2のキャリアCは、棚89に搬送できるようになるまで、保管棚15に保管される。
【0107】
〔ステップS02〕鉛直姿勢への姿勢変換
図2(a)~図2(c)に示すように、姿勢変換部31は、25枚の基板W1と25枚の基板W2とを水平姿勢から鉛直姿勢に個別に変換する。また、プッシャ機構33のプッシャ33Aは、25枚の基板W1と25枚の基板W2とが交互に配置された50枚のW(基板W1,W2)を鉛直姿勢で保持する。その後、プッシャ機構33は、基板受け渡し位置PPに50枚の基板Wを搬送する。
【0108】
〔ステップS03〕薬液処理
バッチ搬送機構WTR1は、基板受け渡し位置PPでプッシャ機構33から鉛直姿勢の50枚の基板Wを受け取り、2個の薬液処理槽BT1,BT3の2個のリフタLF1,LF3の一方に50枚の基板Wを搬送する。
【0109】
例えば、バッチ搬送機構WTR1は、薬液処理槽BT1のリフタLF1に鉛直姿勢の50枚の基板Wを搬送する。リフタLF1は、薬液処理槽BT1の上方の位置で50枚の基板Wを受け取る。リフタLF1は、薬液処理槽BT1内の薬液(例えば燐酸)に50枚の基板Wを浸漬させる。これにより、エッチング処理(バッチ処理)が行われる。エッチング処理の後、リフタLF1は、50枚の基板Wを薬液処理槽BT1の燐酸から引き上げる。なお、50枚の基板Wが他の薬液処理槽BT3のリフタLF3に搬送された場合も薬液処理槽BT1と同様の処理が行われる。
【0110】
〔ステップS04〕純水洗浄処理
バッチ搬送機構WTR1は、例えばリフタLF1から鉛直姿勢の50枚の基板Wを受け取り、水洗処理槽BT2のリフタLF2に50枚の基板Wを搬送する。リフタLF2は、水洗処理槽BT2の上方の位置で50枚の基板Wを受け取る。リフタLF2は、水洗処理槽BT2内の純水に50枚の基板Wを浸漬させる。これにより、洗浄処理(バッチ処理)が行われる。
【0111】
なお、バッチ搬送機構WTR1がリフタLF3から鉛直姿勢の50枚の基板Wを受け取る場合、バッチ搬送機構WTR1は、水洗処理槽BT4のリフタLF4に50枚の基板Wを搬送する。リフタLF4は、水洗処理槽BT4内の純水に50枚の基板Wを浸漬させる。
【0112】
〔ステップS05〕水平姿勢への姿勢変換と基板搬送
バッチ搬送機構WTR1は、2個のリフタLF2,LF4の一方から純水洗浄処理が行われた50枚の基板Wを受け取る。50枚の基板Wを搬送する際に、例えばリフタLF2は、水洗処理槽BT2の純水から50枚の基板Wを引き上げる。バッチ搬送機構WTR1は、受け取った50枚の基板Wを第1姿勢変換機構23の基板受け渡し位置PPを超えてインターフェース装置5の待機槽45のリフタLF7に50枚の基板Wを搬送する。リフタLF7は、待機槽45の上方の位置で50枚の基板Wを受け取る。
【0113】
図5(a)~図7(b)に示すように、水中姿勢変換部43は、25枚の基板W1と25枚の基板W2とを鉛直姿勢から水平姿勢に個別に変換する。水中姿勢変換部43は、水平姿勢に変換された25枚の基板W1(25枚の基板W2)を1枚ずつ中継基板搬送機構81のベルトコンベヤ83に搬送する。ベルトコンベヤ83は、ピン昇降部87の上方の位置まで、水平姿勢の1枚の基板Wを左方Yに搬送する。その後、ピン昇降部87は、図示しない3本のピンによって、2本のベルト85上の1枚の基板Wを上昇させる。
【0114】
〔ステップS06〕第1の枚葉処理
基板搬送ロボットCR3は、第1のハンド91を用いて、ピン昇降部87の3本のピンで持ち上げられた、濡れた1枚の基板Wを受け取る。そして、基板搬送ロボットCR3は、その第1のハンド91で受け取った基板Wを、2個の前方タワーTW1の2個の第1枚葉処理チャンバSW1の一方に搬送する。
【0115】
各第1枚葉処理チャンバSW1は、保持回転部94によってデバイス面が上向きの基板Wを水平姿勢で保持して回転させ、また、ノズル95からデバイス面に純水を供給する。その後、各第1枚葉処理チャンバSW1は、基板Wのデバイス面(上面)に対してノズル95からIPAを供給して、基板Wの純水をIPAで置換する。
【0116】
〔ステップS07〕第2の枚葉処理
第1の枚葉基板処理領域R10の第1枚葉処理チャンバSW1で基板Wが処理されたものとする。この場合、基板搬送ロボットCR1は、第1の枚葉基板処理領域R10の第1枚葉処理チャンバSW1から第1の枚葉基板処理領域R10の5個の第2枚葉処理チャンバSW2のいずれか1つに、IPAで置換された基板Wを搬送する。同様に、第2の枚葉基板処理領域R11の第1枚葉処理チャンバSW1で基板Wが処理されたものとする。この場合、第2基板搬送ロボットCR2は、第2の枚葉基板処理領域R11の第1枚葉処理チャンバSW1から第2の枚葉基板処理領域R11の5個の第2枚葉処理チャンバSW2のいずれか1つに、IPAで置換された基板Wを搬送する。
【0117】
各第2枚葉処理チャンバSW2は、超臨界状態の二酸化炭素(超臨界流体)により、1枚の基板Wに対して乾燥処理を行う。超臨界流体を用いた乾燥処理により、基板Wのパターン面(デバイス面)のパターン倒壊が抑制される。
【0118】
〔ステップS08〕キャリアへの基板の収納
基板搬送ロボットCR3は、2個のハンド91のうちの第2のハンド91を用いて、乾燥処理が行われた第2枚葉処理チャンバSW2から1枚の基板W1を受け取る。そして、基板搬送ロボットCR3は、第2のハンド91で受け取った基板W1を棚89に載置された第1のキャリアCに搬送する。
【0119】
第1のキャリアC内に25枚の基板W1が収納されると、キャリア搬送ロボット16は、棚89から2個のロードポート9の一方に第1のキャリアCを搬送する。また、キャリア搬送ロボット16は、第1のキャリアCが搬送された後の棚89に保管棚15から第2のキャリアC(空キャリア)を搬送する。
【0120】
同様に、基板搬送ロボットCR3は、第2のハンド91を用いて、乾燥処理が行われた第2枚葉処理チャンバSW2から1枚の基板W2を受け取る。そして、基板搬送ロボットCR3は、第2のハンド91で受け取った基板W2を棚89に載置された第2のキャリアCに搬送する。第2のキャリアC内に25枚の基板W2が収納されると、キャリア搬送ロボット16は、棚89から2個のロードポート9の一方に第2のキャリアCを搬送する。図示しない外部搬送機構は、ロードポート9から次の目的地に2個のキャリアCを順番に搬送する。
【0121】
本実施例によれば、インターフェース装置5の姿勢変換領域R5は、バッチ処理装置3の移載ブロック19を介して、4個のバッチ処理槽BT1~BT4を有する処理ブロック21の反対側に設けられる。例えば、バッチ処理装置3のバッチ処理槽の個数が増減することで、バッチ処理装置3が延びる後方Xにおいて、バッチ処理装置3の長さが変化する場合があるものとする。この場合であっても、少なくともバッチ処理装置3の移載ブロック19およびインターフェース装置5(姿勢変換領域R5および中継領域R6)の構成を変更する必要はない。そのため、バッチ処理装置3および枚葉処理装置7の構成の変更を自由に行うことができる。
【0122】
この効果の説明を補足する。図10(a)は、バッチ処理装置3の後方Xおよび枚葉処理装置7の後方Xでインターフェース装置5を接続した基板処理システム1を示す平面図である。この場合において、例えば、図10(b)に示すように、図10(a)に示すバッチ処理装置3(処理ブロック21)を後方Xに長くする。この変更に伴い、例えば、図10(b)に示すように、枚葉基板搬送領域R9を前後方向Xに長くする必要が生じる。
【0123】
これに対し、図11(a)は、実施例1に係る基板処理システム1を示す平面図である。この場合において、例えば、図11(b)に示すように、図11(a)に示すバッチ処理装置3(処理ブロック21)を後方Xに長くする。このような変更があっても、例えば、移載ブロック19、およびインターフェース装置5(姿勢変換領域R5および中継領域R6)の構成を変更する必要はない。また、受け渡し領域R8およびストッカ装置2の構成、並びに2個の棚18,89の位置も同様に変更する必要はない。なお、「変更する必要がない」は、変更することを制限するものではない。
【0124】
そのため、バッチ処理装置3を後方Xに長くしても、ストッカ装置2、移載ブロック19、インターフェース装置5等をそのままの状態で使用できる。このことは、枚葉処理装置7が後方Xに長くなっても同じである。そのため、バッチ処理装置3および枚葉処理装置7の構成の変更(例えば、前後方向Xに伸縮する変更)を自由に行うことができる。
【0125】
また、姿勢変換領域R5が、移載ブロック19を介して、処理ブロック21の反対側に設けられるので、平面視で、インターフェース装置5の中継領域R6がバッチ基板搬送領域R3と交差しないようにすることができる。そのため、構成が複雑になることを防止する。また、枚葉処理装置7が、バッチ基板搬送領域R3を介して、移載ブロック19の反対側に設けられる。そのため、平面視で、インターフェース装置5が移載ブロック19の一方(前方X)の辺を遮る大きさを抑えることができる。また、例えばバッチ処理槽BT4を介して、バッチ基板搬送領域R3の反対側において、メンテナンス領域を広く確保することができる。
【0126】
また、第2姿勢変換機構41は、複数枚の基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する水中姿勢変換部43と、移載ブロック19と水中姿勢変換部43との間に設けられて、複数枚の基板Wを鉛直姿勢で浸漬させる浸漬液を貯留する待機槽45とを備える。第2姿勢変換機構41は、鉛直姿勢の複数枚の基板Wを待機槽45内に貯留される浸漬液に浸漬させながら、その複数枚の基板Wを待機させることができる。
【0127】
また、第2バッチ搬送機構WTR2は、例えば複数対の保持溝53A,54Aと複数対の通過溝55A,56Aが交互に配置される1対のチャック47,48を備える。複数枚の基板W1と他の複数枚の基板W2とが交互に配置する処理基板群が待機槽45内の浸漬液に浸漬される場合に、第2バッチ搬送機構WTR2は、1対のチャック47,48を用いて、処理基板群から例えば複数枚の基板W1を取り出して、取り出した複数枚の基板W1を水中姿勢変換部43に搬送する。
【0128】
第2バッチ搬送機構WTR2は、複数枚の基板W1(第1基板群)と他の複数枚の基板W2(第2基板群)とが交互に配置する処理基板群から複数枚の基板W1(第1基板群)を取り出すことができる。取り出した複数枚の基板W1(第1基板群)は、水中姿勢変換部43で水平姿勢に変換される。これに対し、他の複数枚の基板W2(第2基板群)は、待機槽45内の浸漬液に浸漬させながら、待機させることができる。これにより、他の複数枚の基板W2(第2基板群)は、待機中に乾燥することを防止できる。また、複数枚の基板W1(第1基板群)を取り出すことで、複数枚の基板W1(第1基板群)および他の複数枚の基板W2(第2基板群)の各々のピッチ(隣接する2枚の基板W1(W2)の間隔)を広げることができる。
【実施例0129】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。図12は、実施例2に係る基板処理システム1の概略構成を示す平面図である。
【0130】
実施例1では、ストッカ装置2は、バッチ処理装置3に隣接する棚18にキャリアCを搬送し、また、枚葉処理装置7に隣接する棚89からキャリアCを受け取った。この点、ストッカ装置2は、棚89からキャリアCを受け取れなくてもよい。すなわち、ストッカ装置2は、棚89にアクセスできなくてもよい。
【0131】
また、実施例1では、枚葉処理装置7は、第1枚葉処理チャンバSW1および第2枚葉処理チャンバSW2を備えた。この点、実施例2では、枚葉処理装置7は、第2枚葉処理チャンバSW2を備えず、第1枚葉処理チャンバSW1を備えてもよい。
【0132】
また、実施例1では、枚葉基板搬送領域R9は、ガイドレール101に沿って前後方向Xに基板Wを搬送できる基板搬送ロボットCR3を備えた。この点、実施例2では、枚葉基板搬送領域R9は、シャトル機構112と基板搬送ロボットCR4を備えてもよい。
【0133】
図12を参照する。ストッカ装置2の本体領域R1は、枚葉処理装置7に隣接しない。実施例2では、枚葉処理装置7の枚葉処理ブロック90は、インデクサ領域113を備える。また、枚葉処理装置7は、複数個(例えば2個)の棚114を備える。なお、棚114は、1個でもよい。各棚114は、本発明の第2キャリア載置棚に相当する。
【0134】
インデクサ領域113は、受け渡し領域R8の前方Xに隣接する。また、2個の棚114は、インデクサ領域113の前方Xに隣接する。ある区間において、図示しない外部搬送機構(例えばOHT:Overhead Hoist Transport)の搬送経路RT(図12参照)が幅方向Yに直線状に延びるように形成されるものとする。平面視で、この搬送経路RTに重なるように複数個のロードポート9と複数個の棚114が配置される。
【0135】
バッチ処理装置3の基板ハンドリング機構HTRが棚18に載置されたキャリアCから25枚の基板Wを取り出した場合、キャリア搬送ロボット16は、棚18からロードポート9に空のキャリアCを搬送する。外部搬送機構は、搬送経路RTに沿って、ロードポート9から棚114に空のキャリアCを搬送する。
【0136】
インデクサ領域113は、基板搬送ロボットCR5を備える。基板搬送ロボットCR5は、ハンド115、多関節アーム117および昇降台119を備える。ハンド115は、1枚の基板Wを保持し、移動可能である。多関節アーム117は、例えばスカラー型のロボットアームである。多関節アーム117の基端部は、昇降台119に鉛直軸周りに回転可能に取り付けられる。多関節アーム117の先端部は、ハンド115が取り付けられる。多関節アーム117および昇降台119は各々、電動モータで駆動される。基板搬送ロボットCR5は、基板載置部PS1(後述)から棚114に載置されたキャリアCに基板Wを搬送する。
【0137】
枚葉基板搬送領域R9は、シャトル機構112を備える。シャトル機構112は、2個の基板搬送ロボットCR4,CR5の間に設けられる。シャトル機構112は、基板載置部PS1、ガイドレール121、および図示しない電動モータを備える。
【0138】
基板載置部PS1は、複数枚の基板Wが載置されるように構成される。そのため、基板載置部PS1は、鉛直方向Zに配置された複数枚の載置板(図示しない)を備える。なお、基板載置部PS1は、1枚の基板Wのみが載置されるように構成されてもよい。ガイドレール121は、前後方向Xに延びる。また、ガイドレール121の一端は、受け渡し領域R8まで延びる。基板載置部PS1は、ガイドレール121に沿って移動可能である。
【0139】
シャトル機構112は、中間位置P11、処理側位置P12および収納側位置P13の間で、電動モータによって基板載置部PS1を移動する。中間位置P11は、後述する基板搬送ロボットCR6が基板載置部PS1にアクセスできる位置である。処理側位置P12は、基板搬送ロボットCR4が基板載置部PS1にアクセスできる位置である。収納側位置P13は、基板搬送ロボットCR5が基板載置部PS1にアクセスできる位置である。
【0140】
第1の枚葉基板処理領域R10は、図1に示す基板搬送ロボットCR1を備えず、前方タワーTW1と後方タワーTW2を備える。前方タワーTW1および後方タワーTW2は各々、第2枚葉処理チャンバSW2を備えず、鉛直方向Zに積層された3個の第1枚葉処理チャンバSW1を備える。
【0141】
第2の枚葉基板処理領域R11は、図1に示す基板搬送ロボットCR2を備えず、前方タワーTW1および後方タワーTW2を備える。前方タワーTW1および後方タワーTW2は各々、第2枚葉処理チャンバSW2を備えず、鉛直方向Zに積層された3個の第1枚葉処理チャンバSW1を備える。2個の枚葉基板処理領域R10,R11の12個の第1枚葉処理チャンバSW1は各々、例えば、純水とIPAで1枚の基板Wを処理し、その後、スピン乾燥を行う。
【0142】
また、第2の枚葉基板処理領域R11は、中継領域R6と前方タワーTW1との間に設けられた基板搬送ロボットCR6を備える。基板搬送ロボットCR6は、基板搬送ロボットCR1と同様に構成される。基板搬送ロボットCR6は、例えば、移動可能なハンド91を備える。基板搬送ロボットCR6は、ベルトコンベヤ83から基板載置部PS1に1枚の基板Wを搬送する。
【0143】
基板搬送ロボットCR4は、2個の前方タワーTW1と2個の後方タワーTW2に囲まれて配置される。基板搬送ロボットCR4は、基板搬送ロボットCR1と同様に、例えば2個のハンド91、進退部92および昇降回転部93を備える。基板搬送ロボットCR4は、12個の第1枚葉処理チャンバSW1および基板載置部PS1の間で1枚の基板Wを搬送する。
【0144】
本実施例の枚葉処理装置7の動作を簡単に説明する。中継基板搬送機構81のベルトコンベヤ83は、ピン昇降部87の上方の位置に水平姿勢の1枚の基板Wを搬送する。その後、ピン昇降部87は、その1枚の基板Wを持ち上げる。持ち上げられた基板Wは、水平姿勢であり、そのデバイス面が濡れている。第2の枚葉基板処理領域R11の基板搬送ロボットCR6は、ピン昇降部87で持ち上げられた1枚の基板Wを受け取る。その後、基板搬送ロボットCR6は、受け取った基板Wを、中間位置P11に移動された基板載置部PS1に搬送する。
【0145】
その後、シャトル機構112は、中間位置P11から処理側位置P12に基板載置部PS1を移動させる。枚葉基板搬送領域R9の基板搬送ロボットCR4は、第1のハンド91を用いて、基板載置部PS1から水平姿勢の1枚の基板Wを取り出す。その後、基板搬送ロボットCR4は、取り出した基板Wを12個の第1枚葉処理チャンバSW1のいずれかに搬送する。
【0146】
各第1枚葉処理チャンバSW1は、純水とIPAで水平姿勢の1枚の基板Wを処理し、その後、スピン乾燥を行うことで1枚の基板Wを乾燥させる。その後、基板搬送ロボットCR4は、第2のハンド91を用いて、枚葉処理が行われた第1枚葉処理チャンバSW1から乾燥後の1枚の基板Wを受け取り、受け取った基板Wを基板載置部PS1に搬送する。
【0147】
その後、シャトル機構112は、処理側位置P12から収納側位置P13に基板載置部PS1を移動させる。インデクサ領域113の基板搬送ロボットCR5は、基板載置部PS1から棚114に載置されたキャリアCに乾燥後の1枚の基板Wを搬送する。キャリアC内に例えば25枚の基板Wが収納されると、図示しない外部搬送機構は、棚114から次の目的地に搬送経路RTに沿って、処理後の基板Wが収納されたキャリアCを搬送する。
【0148】
本実施例によれば、図10に示すストッカ装置2が図1に示すストッカ装置2と異なる場合であっても、本実施例の基板処理システム1は、実施例1と同様の効果を有する。
【0149】
なお、図12において、シャトル機構112と3個の基板搬送ロボットCR4,CR5,CR6は、ベルトコンベヤ83(中継基板搬送機構81)、12個の第1枚葉処理チャンバSW1、および棚114に載置されたキャリアCの間で1枚の基板Wを搬送した。この点、少なくとも1個の基板搬送ロボット(例えば、図1に示す基板搬送ロボットCR3)が、ベルトコンベヤ83、12個の第1枚葉処理チャンバSW1、および棚114に載置されたキャリアCの間で1枚の基板Wを搬送してもよい。なお、シャトル機構112と3個の基板搬送ロボットCR4,CR5,CR6は各々、本発明の水平基板搬送ロボットに相当する。また、実施例1の基板処理システム1に実施例2の構成の一部を適用させてもよい。
【0150】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0151】
(1)上述した各実施例では、中継基板搬送機構81は、ベルトコンベヤ83を備えた。この点、中継基板搬送機構81は、図13に示す基板搬送ロボット131および基板載置部PS2を備えてもよい。基板搬送ロボット131は、中継ハンド133、進退部135、回転部137および水平移動部139を備える。
【0152】
中継ハンド133は、1枚の基板Wを水平姿勢で保持し、また、移動可能である。進退部135は、中継ハンド133を前進および後退させる。回転部137は、この回転部137に設定された鉛直軸AX9周りに中継ハンド133を回転させる。水平移動部139は、中継ハンド133、進退部135、および回転部137を幅方向Yに沿って移動させる。進退部135、回転部137および水平移動部139は各々、電動モータで駆動される。基板載置部PS2は、1枚または複数枚の基板Wを載置することができる。
【0153】
基板載置部PS2は、基板搬送ロボット131と受け渡し領域R8の間に設けられる。すなわち、基板載置部PS2は、基板搬送ロボット131の左方Yに設けられる。なお、この変形例の場合、図7(b)に示す水平押し出し機構75は、設けられていなくてもよい。
【0154】
本変形例の動作を説明する。水中姿勢変換部43は、例えば25枚の基板W1(第1基板群)を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。その後、基板搬送ロボット131は、姿勢変換槽69内の純水から一部が引き上げられた槽内キャリア67の内部に中継ハンド133を進入させることで、中継ハンド133を用いて、水中姿勢変換部43の槽内キャリア67から1枚の基板W1を取り出す。
【0155】
その後、回転部137は、中継ハンド133を鉛直軸AX9周りに回転させることで、中継ハンド133の向きを槽内キャリア67(水中姿勢変換部43)から基板載置部PS2に変更する。基板搬送ロボット131は、基板載置部PS2に向けられた中継ハンド133を基板載置部PS2に進入させることで、取り出した1枚の基板W1を基板載置部PS2に搬送する。その後、基板搬送ロボットCR3は、基板載置部PS2から基板Wを取り出して、2個の前方タワーTW1の2個の第1枚葉処理チャンバSW1の一方に搬送する。
【0156】
(2)上述した各実施例では、第2姿勢変換機構41は、水中姿勢変換部43、待機槽45および第2バッチ搬送機構WTR2を備えた。この点、第2姿勢変換機構41は、多関節ロボット(姿勢変換部)と待機槽45を備えてもよい。この場合、多関節ロボットは、1枚の基板Wを保持する移動可能なハンドを備える。多関節ロボットは、ハンドを用いて、待機槽45のリフタLF7から鉛直姿勢の1枚の基板Wを取り出し、取り出した1枚の基板Wを水平姿勢に変換する。その後、多関節ロボットは、水平姿勢の1枚の基板Wを中継基板搬送機構81に搬送してもよい。なお、多関節ロボットは、複数個のハンドを備えていてもよい。
【0157】
(3)上述した各実施例では、第2姿勢変換機構41は、待機槽45を備えたが、待機槽45を備えなくてもよい(図14参照)。この場合、バッチ搬送機構WTR1は、バッチ処理装置3で処理された25枚の基板Wを水中姿勢変換部43に直接搬送する。水中姿勢変換部43のプッシャ73Aは、図15(a)に示すように、バッチ搬送機構WTR1より、幅方向Yに整列された25枚の基板Wを鉛直姿勢で受け取る。
【0158】
水中姿勢変換部43のプッシャ機構73は、25枚の基板Wを保持するプッシャ73Aを鉛直軸AX7周りに90度回転させる。これにより、プッシャ機構73は、図15(b)に示すように、25枚の基板Wを前後方向Xに整列させる。その後、水中姿勢変換部43は、幅方向Yに延びる水平軸AX6周りに25枚の基板Wを回転させることで、25枚の基板Wを水平姿勢にする。
【0159】
中継基板搬送機構81の例えば基板搬送ロボット131は、図14図15(a)、図15(b)に示すように、中継ハンド133を用いて、水中姿勢変換部43から1枚の基板Wを受け取って、その1枚の基板Wをインターフェース装置5側の基板載置部PS2に搬送する。なお、中継基板搬送機構81は、ベルトコンベア83であってもよい。
【0160】
(4)上述した各実施例において、第2姿勢変換機構41が備える姿勢変換部は、次のように構成されていてもよい。すなわち、姿勢変換部は、複数枚の基板を収容する基板収容部(例えば槽内キャリア67)を備える。この基板収容部は、複数枚の基板Wの各デバイス面に平行である水平軸AX6周りに回転可能である。水平軸AX6は、後方X、前後方向Xまたは幅方向Yに延びる。
【0161】
(5)上述した各実施例および各変形例において、移載ブロック19は、基板ハンドリング機構HTR、姿勢変換部31およびプッシャ33Aを備えた。この点、移載ブロック19は、姿勢変換部31を備えず、基板ハンドリング機構HTRおよびプッシャ33Aを備えてもよい。すなわち、基板ハンドリング機構HTRは、姿勢変換部31(姿勢変換部31の機能)を含んでいてもよい。
【0162】
この場合、基板ハンドリング機構HTRは、多関節ロボットで構成される。多関節ロボットは、キャリアから複数枚(例えば5枚)の基板Wを取り出し、その複数枚の基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。そして、多関節ロボットは、鉛直姿勢の複数枚の基板Wをプッシャ33Aに並べる。
【0163】
(6)上述した実施例1および各変形例において、2個の枚葉基板処理領域R10,R11は各々、6個の枚葉処理チャンバSW1,SW2を備えた。この点、2個の枚葉基板処理領域R10,R11は各々、第2枚葉処理チャンバSW2を備えず、6個の第1枚葉処理チャンバSW1を備えてもよい。この場合、6個の第1枚葉処理チャンバSW1は各々、純水とIPAで1枚の基板Wを処理し、その後、スピン乾燥を行ってもよい。また、この変形例の場合、2個の基板搬送ロボットCR1,CR2は設けなくてもよい。
【0164】
(7)上述した実施例1および各変形例において、基板搬送ロボットCR3は、中継基板搬送機構81、12個の枚葉処理チャンバSW1,SW2および、棚89に載置されたキャリアCの間で、1枚の基板Wを水平姿勢で搬送した。この基板搬送は、複数個の基板搬送ロボットで分担してもよい。2個の基板搬送ロボットの間において、1枚の基板Wは、直接受け渡しされてもよい。また、1枚の基板Wは、基板載置部を介して、受け渡しされてもよい。
【0165】
(8)上述した各実施例および各変形例において、6個の基板搬送ロボットCR1~CR6の少なくとも1個は、ハンド91が多関節アームで移動されてもよい。
【0166】
(9)上述した各実施例および各変形例では、例えば、バッチ処理槽BT1は、25枚の基板W1と25枚の基板W2とが1枚ずつ交互に配置された50枚の基板Wを一括して浸漬処理した。この50枚の基板W(W1,W2)は、ハーフピッチ(例えば5mm)で配列された。この点、バッチ処理槽BT1は、フルピッチ(例えば10mm)で配列された25枚の基板Wを一括して浸漬処理してもよい。
【0167】
(10)上述した各実施例および各変形例において、例えば、バッチ処理槽BT1は、処理基板群である50枚の基板Wを一括して浸漬処理した。この50枚の基板W(W1,W2)において、第1基板群の25枚の基板W1の各デバイス面が右方Yを向いているときに、第2基板群の25枚の基板W2の各デバイス面は、左方Yを向いていてもよい。また、第1基板群の25枚の基板W1の各デバイス面が右方Yを向いているときに、第2基板群の25枚の基板W2の各デバイス面は、右方Yを向いていてもよい。
【符号の説明】
【0168】
1 … 基板処理システム
2 … ストッカ装置
3 … バッチ処理装置
5 … インターフェース装置
7 … 枚葉処理装置
9 … ロードポート
16 … キャリア搬送ロボット
18,89,114 … 棚
19 … 移載ブロック
21 … 処理ブロック
HTR … 基板ハンドリング機構
23 … 第1姿勢変換機構
25 … ハンド
33A … プッシャ
BT1~BT4 … バッチ処理槽
WTR1 … バッチ搬送機構
41 … 第2姿勢変換機構
43 … 水中姿勢変換部
45 … 待機槽
WTR2 … 第2バッチ搬送機構
51 … ガイドレール
53A,54A,53B,54B … 保持溝
55A,56A,55B,56B … 通過溝
81 … 中継基板搬送機構
83 … ベルトコンベヤ
90 … 枚葉処理ブロック
CR1~CR6 … 基板搬送ロボット
110 … 制御部
112 … シャトル機構
131 … 基板搬送ロボット
R3 … バッチ基板搬送領域
R5 … 姿勢変換領域
R6 … 中継領域
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
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