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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007105
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】クリップ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/122 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A61B17/122
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108295
(22)【出願日】2023-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】523254726
【氏名又は名称】清水 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】清水 薫
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD03
4C160DD19
4C160MM33
(57)【要約】
【課題】臓器を傷つけるおそれや手術中にずれ落ちてしまうおそれを軽減させつつ、電気的信号を安定的に伝達することができるクリップを提供する。
【解決手段】
本発明に係る挟持力を調整するクリップ1は、第一の台部材2と、台部材に支持される第一の導電性板部材31と、先端が重ね合わされる第二の導電性板部材32と、第二の導電性板部材を覆うように配置され、第一の台部材に軸部材4を介して回転可能に支持される第二の台部材5を備えたクリップであって、第二の台部材は、スライドすることにより第一の導電性板部材と第二の導電性板部材の間の挟持力を調整することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の台部材と、
前記第一の台部材に支持される第一の導電性板部材と、
前記第一の導電性板部材と先端が重ね合わされる第二の導電性板部材と、
前記第二の導電性板部材を覆うように配置され、前記第一の台部材に軸部材を介して回転可能に支持される第二の台部材と、を備えたクリップであって、
前記第二の台部材は、前記第一の台部材に対してスライドすることにより前記第一の導電性板部材と前記第二の導電性板部材の間の挟持力を調整するクリップ。
【請求項2】
前記第一の導電性板部材と前記第二の導電性板部材は、一枚の板ばねによって構成されている請求項1記載のクリップ。
【請求項3】
前記第二の台部材には、長手方向に沿った長孔が形成されており、
前記軸部材は前記長孔を貫通しており、
前記軸部材が前記長孔内を移動することにより前記スライドを実現する請求項1記載のクリップ。
【請求項4】
前記第一の導電性板部材及び前記第二の導電性板部材に接続される導電ワイヤと、を備える請求項1記載のクリップ。
【請求項5】
前記第一の台部材先端近傍及び前記第二の台部材先端近傍の少なくともいずれかに凸部が設けられている請求項1記載のクリップ。
【請求項6】
前記第一の導電性板部材及び前記第二の導電性板部材の少なくともいずれかの先端近傍に滑止機構が設けられた請求項1記載のクリップ。
【請求項7】
前記第一の導電性板部材及び前記第二の導電性板部材の少なくともいずれかの先端近傍に貫通孔が形成されている請求項1記載のクリップ。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリップに関し、より具体的には外科手術等の医療用に用いられるクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓外科手術においては、心臓の表皮をクリップで挟み、心臓の拍動を調整する(ペーシングする)ために電気的な信号を供給する。現状、心臓の表皮を挟むクリップとしては、いわゆるワニ口クリップが使用されることが多い。
【0003】
ワニ口クリップは、一対の先端それぞれが鰐の口のようにギザギザが形成されており、これらが組み合わさることで、挟持対象物からずれ落ちにくい構造となっているため、科学実験において非常によく用いられているものではあるが、心臓等人間の臓器に用いる場合、このギザギザが表皮に傷をつけてしまうおそれは否定できない。
【0004】
なお、上記ワニ口クリップ以外に外科手術に用いることができるクリップとしては、例えば下記特許文献1に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平05-030736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術等の例では、先端までの距離を長く確保しなければならず、挟み込む力が弱く、手術中にずれ落ちてしまうおそれがあるといった課題がある。また、上記ペーシングするための電気的な信号を供給することについての課題も残る。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、臓器を傷つけるおそれや手術中にずれ落ちてしまうおそれを軽減させつつ、電気的信号を安定的に伝達することができるクリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の一観点に係るクリップは、第一の台部材と、第一の台部材に支持される第一の導電性板部材と、第一の導電性板部材と先端が重ね合わされる第二の導電性板部材と、第二の導電性板部材を覆うように配置され、第一の台部材に軸部材を介して回転可能に支持される第二の台部材と、を備えたクリップであって、第二の台部材は、第一の台部材に対してスライドすることにより第一の導電性板部材と第二の導電性板部材の間の挟持力を調整するものである。
【0009】
また、本観点において、限定されるわけではないが、第一の導電性板部材と第二の導電性板部材は、一枚の板ばねによって構成されていることが好ましい。
【0010】
また、本観点において、限定されるわけではないが、第二の台部材には、長手方向に沿った長孔が形成されており、軸部材は長孔を貫通しており、軸部材が長孔内を移動することによりスライドを実現することが好ましい。
【0011】
また、本観点において、限定されるわけではないが、第一の導電性板部材及び第二の導電性板部材に接続される導電ワイヤと、を備えることが好ましい。
【0012】
また、本観点において、限定されるわけではないが、第一の台部材先端近傍及び第二の台部材先端近傍の少なくともいずれかに凸部が設けられていることが好ましい。
【0013】
また、本観点において、限定されるわけではないが、第一の導電性板部材及び第二の導電性板部材の少なくともいずれかの先端近傍に滑止機構が設けられたことが好ましい。
【0014】
また、本観点において、限定されるわけではないが、第一の導電性板部材及び第二の導電性板部材の少なくともいずれかの先端近傍に貫通孔が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上、本発明によって、臓器を傷つけるおそれや手術中にずれ落ちてしまうおそれを軽減させつつ、電気的信号を安定的に伝達することができるクリップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係るクリップの概略を示す図である。
図2】実施形態に係る第一の台部材の概略を示す図である。
図3】実施形態に係る導電性板部材の概略を示す図である。
図4】実施形態に係る導電性板部材に弾性部材を設けた断面のイメージ図である。
図5】実施形態に係る導電性板部材における滑止機構を設けたイメージ図である。
図6】実施形態に係る第二の台部材の概略を示す図である。
図7】実施形態に係る導電性板部材の挟持力が通常状態のイメージ図である。
図8】実施形態に係る導電性板部材の挟持力を通常状態よりも強くしている状態のイメージ図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態に記載の具体的な例示にのみ限定されるわけではない。
【0018】
図1は、本実施形態に係るクリップ(以下「本クリップ」という。)1の概略を示す図である。本図で示すように、本クリップ1は、第一の台部材2と、第一の台部材2に支持される第一の導電性板部材31と、第一の導電性板部材31と先端が重ね合わされる第二の導電性板部材32と、第二の導電性板部材32を覆うように配置され、第一の台部材2に軸部材4を介して回転可能に支持される第二の台部材5と、を備えたクリップであって、第二の台部材5は、第一の台部材2に対してスライドすることにより第一の導電性板部材31と第二の導電性板部材32の間の挟持力を調整するものである。
【0019】
本クリップ1はこのような構成を採用することで、外科手術等において臓器を優しく挟むことができるとともに臓器を傷つけるおそれや手術中にずれ落ちてしまうおそれを軽減しつつ、臓器に対する電気的信号を安定的に伝達することができる医療用のクリップとして用いることができる。本クリップ1のより具体的な構成及び効果は以下詳述する。
【0020】
本クリップ1における第一の台部材2は上記のように第一の導電性板部材31、軸部材4、第二の台部材5等を支える、本クリップ1の主たる骨格をなす部材の一つである。図2は、本クリップ1における第一の台部材2の概略を示す図である。
【0021】
本クリップ1の第一の台部材2は、上記の通り第一の導電性板部材31を支える。より具体的には第一の導電性板部材31を支持、好ましくは固定するものである。
【0022】
また本クリップ1の第一の台部材2は、限定されるわけではないが、一方向(以下「延伸方向」ともいう。)に細長に伸びる底部材21と、底部材21の両側に、延伸方向に沿って形成される側壁部材22と、を備えていることが好ましい。底部材21を設けることで上記の第一の導電性板部材31を安定的に保持することが可能となり側壁部材22を設けることで、軸部材4を貫通させることができるようになるとともに、第一の導電性板部材31がずれ落ちるのを防止でき、さらに、後述の記載から明らかとなるが第二の台部材5をスライドさせつつ横(延伸方向に対し垂直な方向)にずれないようにすることが可能である。
【0023】
また、本クリップ1の第一の台部材2が第一の導電性板部材31を支える具体的な構造については、特に制限されるわけではないが、例えば、第一の導電性板部材31を挿入する貫通細孔211が底部材21に形成されていることが好ましい。貫通細孔211を設けることで、第一の導電性板部材31がさらにずれにくくなるとともにより安定的に固定されるといった利点がある。
【0024】
なお、本クリップ1の第一の台部材2、より具体的にはこの側壁部材22には、軸部材4を貫通させる軸部材用孔221が形成されている。これにより、軸部材4を貫通させることが可能となるとともに、第二の台部材5と一体化させることができるようになる。
【0025】
本クリップ1における第一の台部材2の材質は、上記記載する効果を発揮することができる限りにおいて限定されず、アルミニウム、チタン、鉄等の金属や、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PV)、ポリカーボネート(PC)、シリコーン等の樹脂等を採用することができる。特に、樹脂で第一の台部材2の部材を透過性のある部材(可視領域で60%以上の光透過性を備える)で透明にすると、手術中に患者の血液等が付着している等、本クリップ1が汚れていた場合わかりやすくなるため好ましい。なお、樹脂の場合、滅菌が可能となることが好ましく、耐熱性を備えていることがより好ましい。また、金属の場合、本クリップ1の使用者が保持する際感電しないよう絶縁性の皮膜を形成させておくことが好ましい。
【0026】
本クリップ1では、第一の台部材2に支持される好ましくは固定される第一の導電性板部材31を有する。第一の台部材2に支持されることにより、第二の台部材5とともに安定的に患者の臓器等を挟む(挟持する)ことが可能となる。
【0027】
本クリップ1における第一の導電性板部材31の材質は、導電性を備えている限りにおいて限定されず、例えばアルミニウム、チタン、ステンレス鋼等の鉄、銅等の金属であることが好ましい。
【0028】
一方で、本クリップ1第一の導電性板部材31と先端が重ね合わされる第二の導電性板部材32を有する。上記の記載から明らかであるが、第二の導電性板部材は第一の導電性板部材と対になって患者などの臓器を挟むことが可能となる。
【0029】
第二の導電性板部材32の材質は、上記第一の導電性板部材31と同様であり、その説明は省略するが、第一の導電性板部材31と第二の導電性板部材32が別の部材で構成されている場合は、同一の材料であっても異なる材料であってもよい。
【0030】
また、本クリップ1において、限定されるわけではないが、第一の導電性板部材31と第二の導電性板部材32は、一枚の板ばねからなる導電性板部材3によって構成されていることが好ましい。図3に、一枚の板ばねの場合の例を示しておく。一枚の板ばねからなる導電性板部材3とすることで、簡便に製造が可能であるとともに、この折曲部分33によって第一の板部材31と第二の導電性板部材32を確実に固定することが可能となるだけでなく適度な挟持力を実現させることが可能となる。
【0031】
一方で、本クリップ1の第一の導電性板部材31と第二の導電性板部材32を別の部材で構成する場合は、例えば、第一の導電性板部材31と第二の導電性板部材32の末端側(先端側とは反対の側)において反発させる弾性部材34を設けておくことが好ましい。この他の場合における断面のイメージを図4に示しておく。このようにしておくことで適度な反発力を与えることで第一の導電性板部材31及び第二の導電性板部材32の先端側には適度な挟む力(挟持力)が付与されることになる。なおこの場合において、弾性部材34としては、板ばねであってもよいが、巻ばねであることが簡便であり好ましい。
【0032】
また、本クリップ1において、限定されるわけではないが、第一の導電性板部材31及び第二の導電性板部材32の少なくともいずれかの先端近傍に貫通孔311、321が形成されていることが好ましい。貫通孔311、321を設けることで臓器を挟んだ場合にその臓器の肉部分が貫通孔311、321に盛り上がって入り、この盛り上がった部分が第一の導電性板部材31及び第二の導電性板部材32のずれを防止する部分となる。
【0033】
本クリップ1の第一の導電性板部材31、第二の導電性板部材32に形成される貫通孔311、321の形状については上記の機能を有する限りにおいて限定されるわけではないが、円形状、楕円形状、又は角丸多角形状(角が丸い多角形)であることが好ましい。角を丸くした形状とすることで、患者の組織を傷つけずに盛り上げることが可能となるといった利点がある。なおこの貫通孔の大きさは適宜調整可能であり限定されるわけではないが、最短の孔径が2mm以上あることが好ましい。また、孔の形状が楕円形状等である場合、その楕円の長軸は延伸方向に略平行であることが好ましい。
【0034】
また、本クリップ1において、限定されるわけではないが、第一の導電性板部材及び第二の導電性板部材の少なくともいずれかの先端近傍、より具体的には第一の導電性板部材31と第二の導電性板部材32が互いに対向する面に滑止機構312、322が設けられることが好ましい。この場合のイメージ図を図5に示しておく。なお、本図は一方の導電性板部材の表面を示しているが、これらは両方に設けられていてもよい。
【0035】
本図で示すように、滑止機構312、322の構造は様々なものを採用することができ、例えば複数の小型突起を設けることしてもよく、表面を粗くした粗面であってもよく、適宜調節可能である。また、上記のような貫通孔と組み合わせてもよい。
【0036】
第二の導電性板部材32を覆うように配置され、第一の台部材2に軸部材4を介して回転可能に支持される第二の台部材5を備える。図6に、第二の台部材5の概略図を示しておく。
【0037】
また本クリップ1の第二の台部材5は、限定されるわけではないが、一方向(以下「延伸方向」ともいう。)に細長に伸びる底部材51と、底部材51の両側に、延伸方向に沿って形成される側壁部材52と、を備えていることが好ましい。底部材51を設けることで上記の第二の導電性板部材32を安定的に保持することが可能となり、側壁部材52を設けることで、軸部材4を貫通させる孔を設けることができるようになるとともに、第二の導電性板部材32がずれ落ちるのを防止でき、さらに、第一の台部材2の側壁部材22の規制により、スライドしたとしても横(延伸方向に対し垂直な方向)にずれないようにすることが可能である。
【0038】
また第二の台部材5は、第一の台部材2に対してスライドすることにより第一の導電性板部材31と第二の導電性板部材32の間の挟持力を調整するものである。この場合のイメージを図7図8に示しておく。図7は、挟持力が通常状態であり、図8は、挟持力を通常状態よりも強くしている状態である。このように、本クリップは第二の台部材5をスライドさせ、第一の導電性板部材31を抑えつけることで挟持力を強めることが可能となる。
【0039】
また、本クリップ1において、限定されるわけではないが、第二の台部材5には、長手方向に沿った長孔が形成されており、軸部材4は長孔を貫通しており、軸部材4が長孔内を移動することによりスライドを実現することが好ましい。なおこの関係は第一の台部材2及び第二の台部材5で逆に設けることとしてもよい。すなわち、第一の台部材2に長手方向に沿った長孔を設けることとしてもよい。ただし、長孔にはゴミや血液等が詰まりやすくなるため、内側(底部材の中心側)に近い側の側壁部材の台座部材側に設けられることが好ましい。このようにすることで他方の台部材の側壁部材が障壁となり、長孔を設けたとしてもゴミ等が混入しにくくなるといった利点がある。
【0040】
本クリップ1における第二の台部材5の材質は、上記記載する効果を発揮することができる限りにおいて限定されず、アルミニウム、チタン、鉄等の金属や、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーン、PEEK樹脂、等の樹脂等を採用することができる。特に、樹脂で第二の台部材5の部材を透過性のある部材で透明にすると、手術中に患者の血液等が付着している等、本クリップ1が汚れていた場合わかりやすくなるため好ましい。また、金属の場合、本クリップ1の使用者が保持する際感電しないよう絶縁性の皮膜を形成させておくことが好ましい。
【0041】
また、本クリップ1において、限定されるわけではないが、第一の台部材先端近傍及び第二の台部材先端近傍の少なくともいずれか、より好ましくは他方の台部材と対抗する面側に突起が設けられていることが好ましい。このように突起を設けることで、一方の導電性板部材を他方の導電性板部材に対してより大きな角度で接するようにできるため挟持力をより強くすることができるといった利点がある。
【0042】
また、本クリップ1においては、限定されるわけではないが、第二の台部材先端近傍又は第一の台部材先端近傍に凸部を設けることも好ましい。凸部を形成することで、使用者はこの凸部に指を押し当てやすくなり、第二の台部材を容易にスライドさせることができるようになる。なお、凸部の大きさは上記図で示すように山形としてもよいがその大きさや形状については特に限定されるわけではない。
【0043】
また、本クリップ1において、限定されるわけではないが、第一の導電性板部材及び第二の導電性板部材に接続される導電ワイヤ6と、を備えることが好ましい。
【0044】
以上、本クリップによると、臓器を傷つけるおそれや手術中にずれ落ちてしまうおそれを軽減させつつ、臓器の電気的信号を安定的に伝達することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明はクリップとして産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0046】
1…クリップ
2…第一の台部材
21…底部材
22…側壁部材
3…導電性板部材
31…第一の導電性板部材
311…貫通孔
312…滑止機構
32…第二の導電性板部材
321…貫通孔
322…滑止機構
4…軸部材
5…第二の台部材
6…導電ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の台部材と、
前記第一の台部材に支持される第一の導電性板部材と、
前記第一の導電性板部材と先端が重ね合わされる第二の導電性板部材と、
前記第二の導電性板部材を覆うように配置され、前記第一の台部材に軸部材を介して回転可能に支持される第二の台部材と、を備えたクリップであって、
前記第二の台部材は、前記第一の台部材に対して抑えつけるようにスライドすることにより前記第一の導電性板部材と前記第二の導電性板部材の間の挟持力を調整するクリップ。
【請求項2】
前記第一の導電性板部材と前記第二の導電性板部材が共通の一枚の板ばねによって構成されている請求項1記載のクリップ。
【請求項3】
前記第二の台部材には、長手方向に沿った長孔が形成されており、
前記軸部材は前記長孔を貫通しており、
前記軸部材が前記長孔内を移動することにより前記スライドを実現する請求項1記載のクリップ。
【請求項4】
前記第一の導電性板部材及び前記第二の導電性板部材に接続される導電ワイヤと、を備える請求項1記載のクリップ。
【請求項5】
前記第一の台部材先端近傍及び前記第二の台部材先端近傍の少なくともいずれかに凸部が設けられている請求項1記載のクリップ。
【請求項6】
前記第一の導電性板部材及び前記第二の導電性板部材の少なくともいずれかの先端近傍に滑止機構が設けられた請求項1記載のクリップ。
【請求項7】
前記第一の導電性板部材及び前記第二の導電性板部材の少なくともいずれかの先端近傍に貫通孔が形成されている請求項1記載のクリップ。