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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007135
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】枕
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/10 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
A47G9/10 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108333
(22)【出願日】2023-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】505160913
【氏名又は名称】株式会社ジスクリエーション
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】中濱 淳
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102AA09
3B102AB08
3B102AC01
(57)【要約】
【課題】ユーザーにとって、良好な睡眠を得ることができる枕を提供する。
【解決手段】枕1は、複数の部材が積層されているものであって、枕用ベース20と、体圧分散部材30とを備える。枕用ベース20は、ユーザーの頭部を含む身体の一部の重みを受けると共に、反発性を有する充填材B-1、B-2、B-3、B-4のいずれかを収容する複数の収容室21a~21fが形成されている。体圧分散部材30は、複数の収容室21a~21fの少なくとも2つの収容室にまたがって、枕用ベース20の上側(+Z側)に配置されると共に、上寄りの面30aに加えられたユーザーの体圧を分散可能な弾性を有する素材から形成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部材が積層されている枕であって、
ユーザーの頭部を含む身体の一部の重みを受けると共に、反発性を有する充填材を収容する複数の収容室が形成されている枕用ベースと、
前記複数の収容室の少なくとも2つの収容室にまたがって、前記枕用ベースの上側に配置され、上寄りの面に加えられた前記ユーザーの体圧を分散可能な弾性を有する素材から形成されている体圧分散部材と、
を備える、枕。
【請求項2】
前記体圧分散部材には、その上寄りの面において、前記ユーザーの体圧を分散するための凹凸が設けられている、請求項1に記載の枕。
【請求項3】
前記枕用ベースの下側に配置されると共に、前記枕が設置される設置面に対して、前記枕用ベースを傾斜した状態に保持する保持部材を備える、請求項1に記載の枕。
【請求項4】
前記保持部材は、前記枕が設置される前記設置面に接する下面と、前記枕用ベースに接すると共に、前記下面に対して傾斜する上面と、を有する板状に形成され、
前記上面は、前記枕の手前から奥寄りに向かって高くなるように傾斜する、請求項3に記載の枕。
【請求項5】
前記保持部材において、前記下面に対する前記上面の傾斜角度は、5°から25°の範囲内にある、請求項4に記載の枕。
【請求項6】
前記保持部材には、前記ユーザーの肩を支持するショルダーサポート部が形成されている、請求項3に記載の枕。
【請求項7】
前記体圧分散部材の上側を覆うと共に、前記ユーザーに対する前記充填材の感触を緩和する柔軟な素材からなる柔軟性部材を備える、請求項1に記載の枕。
【請求項8】
前記枕用ベースと前記体圧分散部材とを収容する枕側地を備える、請求項1に記載の枕。
【請求項9】
前記枕用ベースには、
前記ユーザーの頭部を支持するヘッドレスト部用収容室と、
前記ヘッドレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの首の一部を支持するネックレスト部用収容室と、
前記ネックレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの首下を支持することで、前記ネックレスト部用収容室と共に、前記ユーザーの首全体を支持するネックパッド部用収容室と、が形成され、
これらの前記複数の収容室それぞれには、反発性が異なる前記充填材、又は、反発性が同一の前記充填材が充填されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の枕。
【請求項10】
前記枕用ベースには、
前記ヘッドレスト部用収容室の奥寄りに隣接して設けられているヘッドトップ部用収容室と、
前記ヘッドレスト部用収容室の幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顔を支持するフェイスレスト部用収容室と、
前記ネックレスト部用収容室の前記幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顎を含む身体の一部を支持するフェイスリフト部用収容室と、が形成され、
前記複数の収容室それぞれには、反発性が異なる前記充填材、又は、反発性が同一の前記充填材が充填されている、請求項9に記載の枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枕に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、区分された7つの収容室に別れた隔室が形成され、隔室に充填材が封入されている枕が開示されている。特許文献1に記載の枕は、使用者の体型や寝姿勢、使用敷寝具などの情報を元に、使用者に最適な幅・長さ・隔壁の高さに個別調整された7つの収容室に、エラストマーやポリエチレンを原料とした円筒状のビーズなど複数の充填材を、各収容室ごとに求められる反発性・頭部支持力に合わせて選択し、封入することで、使用者の使用感向上を図り、睡眠の質を良好にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-106908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の枕において、7つの収容室にはエラストマーやポリエチレンを原料とした円筒状のビーズなどの充填材が封入されている。これにより、特許文献1に記載の枕では、使用者の体型に合わせて作成された収容室の容量に準じて充填材を封入することで、枕自体の形状が、使用者の身体のラインに沿うようになっている。しかしながら、頭部を適正な状態で支持するために反発性を高めて、硬くなっている箇所については、圧力を吸収する柔軟性が不足し、使用者の体圧の分散が不十分となるおそれがある。これにより、この枕を使用して睡眠する使用者が、体圧に起因する痛みや不快感、硬さからくる感覚的な使用感の低下により、睡眠の導入が遅延したり、睡眠中に中途覚醒したりするおそれがある。この結果、特許文献1に記載の枕では、使用者にとって、体型に合わせて作成された高い適合感は得られるが、良好な睡眠を得ることの妨げとなり、体圧や感覚的な使用感の低下による不快感の発生を伴うおそれがある。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、ユーザーにとって、良好な睡眠を得ることができる枕を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明に係る枕は、
複数の部材が積層されている枕であって、
ユーザーの頭部を含む身体の一部の重みを受けて支えると共に、反発性を有する充填材を収容する複数の収容室が形成されている枕用ベースと、
前記複数の収容室の少なくとも2つの収容室にまたがって、前記枕用ベースの上側に配置され、上寄りの面に加えられた前記ユーザーの体圧を分散可能な弾性を有する素材から形成されている体圧分散部材を備える。
【0007】
前記体圧分散部材には、その上寄りの面において、前記ユーザーの体圧を分散するための凹凸による空隙が設けられていてもよい。
【0008】
前記枕用ベースの下側に配置されると共に、前記枕が設置される設置面に対して、前記枕用ベースを傾斜した状態に保持する保持部材を備えてもよい。
【0009】
前記保持部材は、前記枕が設置される前記設置面に接する下面と、前記枕用ベースに接すると共に、前記下面に対して傾斜する上面と、を有する板状に形成され、
前記上面は、前記枕の手前から奥寄りに向かって高くなるように傾斜してもよい。
【0010】
前記保持部材において、前記下面に対する前記上面の傾斜角度は、5°から25°の範囲内にあってもよい。
【0011】
前記保持部材には、前記ユーザーの肩を載せて支持するショルダーサポート部が形成されていてもよい。
【0012】
前記体圧分散部材の上側を覆うと共に、前記ユーザーに対する前記充填材の硬さなどの感覚による不快感をさらに緩和する柔軟な素材からなる部材を備えていてもよい。
【0013】
前記枕用ベースと前記体圧分散部材とを収容する構造を備えていてもよい。
【0014】
前記枕用ベースには、
前記ユーザーの頭部を支持するヘッドレスト部用収容室、
前記ヘッドレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの頚椎の付け根から第5頚椎までを支持するネックレスト部用収容室、
前記ネックレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの第5頚椎から第7頚椎までを支持することで、前記ネックレスト部用収容室と共に、前記ユーザーの湾曲した頚椎に沿って隙間を埋めて、首全体を支持するネックパッド部用収容室が形成され、
これらの前記複数の収容室それぞれには、反発性が支持箇所に適した前記充填材の封入が好ましいが、反発性が同一の前記充填材が充填されていてもよい。
【0015】
前記枕用ベースには、
前記ヘッドレスト部用収容室の奥寄りに隣接して設けられているヘッドトップ部用収容室、
前記ヘッドレスト部用収容室の幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顔を支持するフェイスレスト部用収容室、
前記ネックレスト部用収容室の前記幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顎を含む身体の一部を支持するフェイスリフト部用収容室が形成され、
前記複数の収容室それぞれには、反発性が支持箇所に適した前記充填材の封入が好ましいが、反発性が同一の前記充填材が充填されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る枕は、反発性を有する充填材を収容する複数の収容室が形成されている枕用ベースに加えて、ユーザーの体圧を分散し、感覚的な使用感を向上させる体圧分散部材を備える。このため、本発明に係る枕においては、ユーザーの体型に合わせて作成された収容室の容量に準じて充填材を封入することで、枕自体の形状が、ユーザーの身体のラインに沿うことで得られる高い個人適合感を生み出す機能を有しつつ、感覚的な使用感の向上につながる、体圧を分散する効果を得ることができる。この結果、枕のユーザーは、良好な睡眠を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(A)は、本発明の実施の形態に係る枕の斜視図である。(B)は、本実施の形態に係る枕の平面図である。
図2】(A)は、本実施の形態に係る枕の使用状態を示す側面図である。(B)は、本実施の形態に係る枕の使用状態を示す枕の平面図である。
図3A】本実施の形態に係る枕において、枕側地を展開して示した斜視図(その1)である。
図3B】本実施の形態に係る枕において、枕側地を展開して示した斜視図(その2)である。
図3C】本実施の形態に係る枕の分解斜視図(その1)である。
図4】本実施の形態に係る枕の分解側面図である。
図5】本実施の形態に係る枕の保持部材の側面図である。
図6】本実施の形態に係る枕の分解斜視図(その2)である。
図7】本実施の形態に係る枕において枕側地を展開して示した斜視図(その3)である。
図8】本実施の形態に係る枕用ベースの平面図である。
図9】(A)~(D)は、本実施の形態に係る充填材の拡大図である。
図10図1(B)のA-A断面図である。
図11図1(B)のB-B断面図である。
図12図1(B)のC-C断面図である。
図13】本実施の形態に係る枕において、枕側地を展開して示した斜視図(その4)である。
図14】本実施の形態に係る柔軟性部材の平面図である。
図15】本実施の形態に係る枕の効果を説明するための平面図である。
図16】(A)は、比較例に係る枕の斜視図である。(B)は、比較例に係る枕に収容されている充填材の拡大図である。
図17】比較例に係る枕及び本実施の形態に係る枕における体圧分散を示す応力分布図である。
図18】本実施の形態に係る枕の保持部材の効果を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る枕1について、図を用いて説明する。なお、理解を容易にするために、相互に直交するXYZ座標を設定し、適宜参照する。XYZ座標のZ軸方向は、図1(A)及び(B)に示すように、枕1の高さ方向である。+Y方向は、枕1の奥行き方向であり、-Y方向は、枕1の手前方向である。また、X軸方向は、枕1の幅方向である。
【0019】
枕1は、図2(A)及び(B)に示すように、例えば、ベッドBや布団の上面である配置面B1に置かれて使用される。そして、枕1は、ユーザーUが仰向けや横向きになりながら、頭部U1を枕1に載せつつ就寝したり睡眠したりして使用される。この枕1は、図3A図3C、及び図4に示すように、保持部材10と、枕用ベース20と、体圧分散部材30と、柔軟性部材40と、枕側地(まくらがわじ)50とを備える。
【0020】
保持部材10は、枕用ベース20の下側(-Z側)に配置される。図5に示すように、保持部材10は、ベッドBの配置面B1に対して、枕用ベース20を傾斜角度θに傾斜した状態に保持するために用いられる。これにより、保持部材10は、ユーザーUの適正な姿勢を保持するボディアジャスターとして機能する。詳しくは、保持部材10は、ベッドBの配置面B1に接する下面10aと、枕用ベース20に接すると共に、下面10aに対して傾斜する上面10bとを有する板状に形成されている。本実施の形態においては、傾斜角度θは、5°から25°の範囲にある。好ましくは、傾斜角度θは、15°である。傾斜角度θが15°である場合、ユーザーUは、その気道がふさがれず、胸郭が開いて鼻呼吸がしやすい状態で睡眠することができる。しかしながら、傾斜角度θは、15°に限られない。傾斜角度θは、ユーザーUの体型や好みに応じて、適宜、適切な角度に設定される。
【0021】
また、保持部材10は、例えばユーザーUの重みが加わっても変形し過ぎないように、反発性が高い素材からなる。具体的には、保持部材10は、例えば、ポリウレタン樹脂を発泡させた発泡体であるウレタンフォームからなる。しかしながら、これに限られない。保持部材10は、ウレタンフォーム以外の素材からなっていてもよい。保持部材10には、図4に示すように、板厚方向に開口すると共に、通気性を高めるための複数の通気孔12が形成されている。
【0022】
また、保持部材10には、図5に示すように、ショルダーサポート部11が形成されている。
【0023】
ショルダーサポート部11は、ユーザーUの肩U3を載せて支持する。
【0024】
枕用ベース20は、図5及び図6に示すように、ユーザーUの頭部U1を含む身体の一部の重みを受けて支える部材である。本実施の形態においては、図7に示すように、この枕用ベース20は、枕側地50に一体的に形成されている。また、図8に示すように、枕用ベース20には、8つの収容室21a、21b、21c、21d、21e、21fが形成されている。これらの収容室21a~21fには、反発性を有する充填材B-1、B-2、B-3、B-4のいずれかが収容される。複数の収容室21a~21fそれぞれには、反発性が支持箇所に適した異なる充填材B-1、B-2、B-3、B-4の封入が好ましいが、反発性が同一の充填材B-1、B-2、B-3、B-4が充填されていてもよい。
【0025】
充填材B-1は、図9(A)に示すように、例えば、直径が5mmの円筒形に形成されている透明なビーズである。充填材B-1は、例えば、とうもろこし、さとうきびなどの植物の茎や葉などの廃棄物から再生した原料からなる。充填材B-1は、通気性が高く、ユーザーの体圧が加わると柔軟に変形し、ユーザーの体型にフィットするものである。しかしながら、充填材B-1の素材は、これに限られない。充填材B-1は、上述の原料以外の素材からなっていてもよい。
【0026】
充填材B-2は、図9(B)に示すように、例えば、直径が5mmの円筒形に形成されている白色のビーズであり、充填材B-1よりも柔らかいビーズである。充填材B-2は、充填材B-1と同様に、例えば、とうもろこし、さとうきびなどの植物の茎や葉などの廃棄物から再生した原料からなる。充填材B-2は、通気性が高く、ユーザーの体圧が加わると柔軟に変形し、ユーザーの体型にフィットするものである。しかしながら、充填材B-2の素材は、これに限られない。充填材B-2は、上述の原料以外の素材からなっていてもよい。
【0027】
充填材B-3は、図9(C)に示すように、例えば、直径が5mmの円筒形に形成されている有色のビーズである。充填材B-3は、例えば、食用に適さない古米、米菓メーカーで生じる粉砕米などから再生した原料からなる。充填材B-3は、通気性が高く、ユーザーの体圧が加わると高い反発性を有しつつ変形し、ユーザーの体型にフィットするものである。しかしながら、充填材B-3の素材は、これに限られない。充填材B-3は、上述の原料以外の素材からなっていてもよい。
【0028】
充填材B-4は、図9(D)に示すように、直径3~5mm程の小さな粒状の綿である。しかしながら、充填材B-4の素材は、これに限られない。充填材B-4は、上述の原料以外の素材からなっていてもよい。例えば、充填材B-4は、直径3~5mm以外のサイズからなる綿であってもよい。
【0029】
収容室21aは、図8及び図10に示すように、ユーザーの頭部を支持するヘッドレスト部用収容室である。この収容室21aには、充填材B-1、B-2、B-3、B-4のうちのいずれかが充填される。例えば、収容室21aには、白色のビーズである充填材B-2が収容される。しかしながら、これに限られず、収容室21aには、白色のビーズである充填材B-2以外のものが収容されていてもよい。
【0030】
収容室21bは、ヘッドレスト部用の収容室21aの手前寄り(-Y側)に隣接して設けられている。この収容室21bは、ユーザーの首の一部を支持するネックレスト部用収容室である。具体的には、収容室21bは、ユーザーの頚椎の付け根から第5頚椎までを支持する。この収容室21bには、充填材B-1、B-2、B-3、B-4のうちのいずれかが充填される。例えば、収容室21bには、白色のビーズである充填材B-2が収容される。しかしながら、これに限られず、収容室21bには、白色のビーズである充填材B-2以外のものが収容されていてもよい。
【0031】
収容室21cは、ヘッドレスト部用の収容室21aの奥寄り(+Y側)に隣接して設けられているヘッドトップ部用収容室である。この収容室21cには、充填材B-1、B-2、B-3、B-4のうちのいずれかが充填される。例えば、収容室21cには、有色のビーズである充填材B-3が収容される。しかしながら、これに限られず、収容室21cには、有色のビーズである充填材B-3以外のものが収容されていてもよい。
【0032】
収容室21dは、図8図11及び図12に示すように、ヘッドレスト部用の収容室21aの幅方向(X方向)の両側に隣接して2つ設けられている。また、収容室21dは、ヘッドトップ部用の収容室21cにも隣接して設けられている。この収容室21dは、+X方向及び-X方向のいずれかに寝返りを打ったユーザーの顔を支持するフェイスレスト部用収容室である。この収容室21dには、充填材B-1、B-2、B-3、B-4のうちのいずれかが充填される。例えば、収容室21dには、有色のビーズである充填材B-3が収容される。しかしながら、これに限られず、収容室21dには、有色のビーズである充填材B-3以外のものが収容されていてもよい。
【0033】
収容室21eは、ネックレスト部用の収容室21bの幅方向(X方向)の両側に隣接して2つ設けられている。また、収容室21eは、フェイスレスト部用の収容室21dにも隣接して設けられている。この収容室21eは、+X方向及び-X方向のいずれかに寝返りを打ったユーザーの顎を含む身体の一部を支持するフェイスリフト部用収容室である。この収容室21eには、充填材B-1、B-2、B-3、B-4のうちのいずれかが充填される。例えば、収容室21eには、透明なビーズである充填材B-1が収容される。しかしながら、これに限られず、収容室21eには、透明なビーズである充填材B-1以外のものが収容されていてもよい。
【0034】
収容室21fは、図8及び図10に示すように、ネックレスト部用の収容室21bの手前寄り(-Y側)に隣接して設けられている。この収容室21fは、ユーザーの首の一部である首下U2a(図5参照)を支持するネックパット部用収容室である。具体的には、収容室21fは、ユーザーの第5頚椎から第7頚椎までを支持する。収容室21fが首下U2a(図5参照)を支持することで、収容室21fは、ネックレスト部用の収容室21bと共に、ユーザーの湾曲した頚椎に沿って隙間を埋めて、首の全体を支持することができる。この収容室21fには、充填材B-1、B-2、B-3、B-4のうちのいずれかが充填される。例えば、収容室21fには、綿である充填材B-4が収容される。しかしながら、これに限られず、収容室21fには、綿である充填材B-4以外のものが収容されていてもよい。
【0035】
また、収容室21a~21fには、図13に示すように、枕用ベース20の裏面において、充填材を出し入れすることが可能な開口22が形成されている。開口22には、収容室21a~21fに充填材を入れた後に閉じるためのファスナーが設けられている。
【0036】
このように構成されている枕用ベース20は、図3B図3C及び図6に示すように、ユーザーの寝心地を向上させるために、その上面(+Z側の面)において、頭部及び首が配置される部分が窪んで形成されている。
【0037】
体圧分散部材30は、図3B図3C及び図6に示すように、複数の収容室21a~21fにまたがって、枕用ベース20の上側(+Z側)に配置されている。体圧分散部材30は、その上寄りの面30aに加えられたユーザーの体圧を吸収し、分散することが可能な弾性を有する素材から形成されている。具体的には、体圧分散部材30は、発泡性フォーム材からなる。また、体圧分散部材30には、その上寄りの面30aにおいて、ユーザーの体圧を分散する効果を更に向上させるための凹凸加工による空隙が設けられている。
【0038】
柔軟性部材40は、図6に示すように、体圧分散部材30の上側(+Z側)を覆うことで、ユーザーUに対する充填材B-1、B-2、B-3、B-4の感触を緩和する部材である。具体的には、柔軟性部材40は、ユーザーUに対する充填材B-1、B-2、B-3、B-4の硬さなどの感覚による不快感を緩和する部材である。柔軟性部材40は、充填材B-1、B-2、B-3、B-4の感触を緩和するために、柔軟な素材からなる。
【0039】
本実施の形態においては、図7に示すように、この柔軟性部材40は、枕側地50に一体的に形成されている。また、図14に示すように、柔軟性部材40には、7つの収容室41a、41b、41c、41d、41eが形成されている。これらの収容室41a~41eには、例えば、直径3~5mm程の小さな粒状の綿が収容されている。このような綿が用いられることにより、ユーザーの寝心地を向上させている。ただし、これに限られない。収容室41a~41eには、直径3~5mm程の小さな粒状の綿以外のものが収容されていてもよい。
【0040】
収容室41aは、図14に示すように、ユーザーの頭部を支持するヘッドレスト部用収容室である。
【0041】
収容室41bは、ヘッドレスト部用の収容室41aの手前寄り(-Y側)に隣接して設けられているネックレスト部用収容室である。
【0042】
収容室41cは、ヘッドレスト部用の収容室41aの奥寄り(+Y側)に隣接して設けられているヘッドトップ部用収容室である。
【0043】
収容室41dは、ヘッドレスト部用の収容室41aの幅方向(X方向)の両側に隣接して2つ設けられている。また、収容室41dは、ヘッドレスト部用の収容室41cにも隣接して設けられている。この収容室41dは、+X方向及び-X方向のいずれかに寝返りを打ったユーザーの顔を支持するフェイスレスト部用収容室である。
【0044】
収容室41eは、ネックレスト部用の収容室41bの幅方向(X方向)の両側に隣接して2つ設けられている。また、収容室41eは、フェイスレスト部用の収容室41dにも隣接して設けられている。この収容室41eは、+X方向及び-X方向のいずれかに寝返りを打ったユーザーの顎を含む身体の一部を支持するフェイスリフト部用収容室である。
【0045】
また、収容室41a~41eには、図7に示すように、柔軟性部材40の裏面において、綿を出し入れすることが可能な開口42が形成されている。収容室41a~41eに形成されている開口42には、収容室21a~21fのものと異なり、綿を入れた後に閉じるためのファスナーは設けられていない。ただし、これに限られない。開口42にファスナーを付けてもよい。
【0046】
枕側地(まくらがわじ)50は、図3B及び図7に示すように、保持部材10、枕用ベース20、体圧分散部材30、及び、柔軟性部材40を収容する。これにより、枕1は、枕用ベース20や体圧分散部材30を収容する構造を備える。本実施の形態においては、枕側地50には、保持部材10を収容する保持部材収容部51が形成されている。そして、保持部材収容部51には、枕用ベース20及び柔軟性部材40が接続されることで、枕用ベース20及び柔軟性部材40は、枕側地50に一体的に形成される。この枕側地50は、通気性のよい素材からなる。枕側地50は、ユーザーの寝心地を向上させるために、その上面(+Z側の面)において、枕用ベース20の上面と同様に、頭部及び首が配置される部分が窪んで形成されている。さらに、ユーザーの好みに応じて、枕1には、枕側地50の全体又は一部を覆う枕カバーを取り付けてもよい。
【0047】
以上のように構成されている枕1は、図15に示すように、平面視において、役割の異なる複数の部位に区分されて形成される。具体的には、枕1には、ヘッドレスト部1aと、ネックレスト部1bと、ヘッドトップ部1cと、フェイスレスト部1dと、フェイスリフト部1eと、ネックパッド部1fと、ショルダーサポート部1gとの各部位が形成される。
【0048】
フェイスレスト部1dは、+X方向及び-X方向のいずれかに寝返りを打ったユーザーUの頭部U1を支持する。
【0049】
フェイスリフト部1eは、+X方向及び-X方向のいずれかに寝返りを打ったユーザーUの顎を含む身体の一部を支持する。
【0050】
ショルダーサポート部1gは、図2(B)に示すように、ユーザーUの肩U3を支持する。
【0051】
以上、本実施の形態に係る枕1は、図6に示すように、反発性を有する充填材B-1~B-4を収容する複数の収容室21a~21fが形成されている枕用ベース20に加えて、ユーザーの体圧を分散し、感覚的な使用感を向上させる体圧分散部材30を備える。このため、本実施の形態においては、ユーザーの体型に合わせて作成された収容室21a~21fの容量に準じて充填材B-1~B-4を封入することで、枕1自体の形状が、ユーザーの身体のラインに沿うことで得られる高い個人適合感を生み出す機能を有しつつ、感覚的な使用感向上につながる、体圧を分散する効果を得ることができる。この結果、枕1のユーザーは、良好な睡眠を得ることができる。
【0052】
また、本実施の形態に係る枕1においては、体圧分散部材30には、その上寄りの面30aにおいて、ユーザーの体圧を分散するための凹凸が設けられている。このため、本実施の形態においては、ユーザーの体圧を分散する効果を更に向上させることができる。結果として、枕1のユーザーは、良好な睡眠を得ることができる。
【0053】
出願人は、本実施の形態に係る枕1と図16に示す比較例に係る枕とを使用して、体圧分散の効果を確認する実験を行った。比較例に係る枕は、図16(A)に示すように、平面視において、中央に凹みが形成されている矩形状のものである。また、図16(B)に示すように、比較例に係る枕の内部には、ポリプロピレンからなる円筒状の充填材が収容されている。比較例に係る枕においては、本実施の形態のものとは異なり、一種類のみの充填材が収容されている。したがって、比較例に係る枕には、充填材を収容する収容室は複数形成されていない。また、比較例に係る枕は、本実施の形態のものと異なり、体圧分散部材や保持部材を備えていない。
【0054】
図17は、本実施の形態に係る枕1と比較例に係る枕とを使用した体圧分散の測定結果を示している。具体的には、図17中の左側の応力分布図は、比較例に係る枕における体圧分散を示す図である。図17中の右側の応力分布図は、本実施の形態に係る枕1における体圧分散を示す図である。そして、図17は、本実施の形態に係る枕1と比較例に係る枕とを使用して、厚さ20cmのコイルマットレス上に置かれた枕に、シート状の体圧分布センサー(体圧測定器)を敷き、被験者に仰臥(仰向け)寝状態にて測定を行った結果を示すものである。図17を参照するとわかるように、本実施の形態に係る枕1は、頭から首、肩から肩口にかけて全体に体圧が十分に分布されていることがわかる。その結果から、特定の部位に大きな負荷がかからないように十分に分散されており、枕1の被験者は、感覚的な使用感の向上が図られて、良好な睡眠を得られる可能性が高いことがわかる。
【0055】
また、本実施の形態に係る枕1は、図18に示すように、枕用ベース20を傾斜した状態に保持する保持部材10を備える。そして、保持部材10は、その上面10bが、枕1の手前(-Y側)から奥寄り(+Y寄り)に向かって高くなるように傾斜する。この傾斜により、枕1のユーザーUは、良好な睡眠を得ることができる。特に、本実施の形態においては、傾斜角度θが15°であるため、ユーザーUは、その気道がふさがれず、胸郭が開いて鼻呼吸がしやすい状態で睡眠することができる。結果として、枕1のユーザーUは、良好な睡眠を得ることができる。
【0056】
また、本実施の形態に係る枕1においては、保持部材10から、異なる傾斜角度θ2の別の保持部材10-2に差し替えることにより、枕1のユーザーUの体型や好みに応じた傾斜角度に変更することができる。結果として、枕1のユーザーUは、良好な睡眠を得ることができる。
【0057】
また、本実施の形態において、図5に示すように、保持部材10には、ショルダーサポート部11が形成されている。このため、図15に示すように、枕1は、ユーザーUの頭部U1や首U2に加えて、肩U3も支持することができる。これにより、枕1は、ユーザーUの寝心地を向上させることができる。結果として、枕1のユーザーUは、良好な睡眠を得ることができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る枕1は、図6に示すように、枕用ベース20や体圧分散部材30に加えて、柔軟性部材40をさらに備える。柔軟性部材40は、ユーザーに対する充填材B-1、B-2、B-3、B-4の感触を緩和する柔軟な素材からなる。このため、本実施の形態においては、収容室21a~21fに収容する充填材B-1~B-4の種類を選択することにより、ユーザーの体型に合わせることができる機能を有しつつ、ユーザーに対して、充填材B-1、B-2、B-3、B-4の感触を緩和する効果を得ることができる。この結果、枕1のユーザーは、良好な睡眠を得ることができる。
【0059】
また、本実施の形態に係る枕1の枕用ベース20には、図8に示すように、ネックレスト部用の収容室21bの手前寄り(-Y側)に隣接して設けられているネックパッド部用の収容室21fが形成されている。ネックパッド部用の収容室21fは、枕使用時に隙間のできやすい第5頚椎から第7頚椎に沿って隙間を埋めて、ネックレスト部用の収容室21bと共に、ユーザーの首全体で支持することができる。これにより、ユーザーの体圧が首全体に分散する効果を得ることができる。結果として、枕1のユーザーは、良好な睡眠を得ることができる。
【0060】
また、本実施の形態に係る枕1の枕用ベース20には、一対のフェイスレスト部用の収容室21dと、一対のフェイスリフト部用の収容室21eとが形成されている。フェイスレスト部用の収容室21dと、フェイスリフト部用の収容室21eとは、幅方向(X方向)に寝返りを打ったユーザーの顔、首を支持することができる。これにより、仰向けに寝ている場合に加えて、寝返りを打った場合においても、ユーザーの体圧を分散する効果を得ることができる。結果として、枕1のユーザーは、良好な睡眠を得ることができる。
【0061】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
【0062】
例えば、本実施の形態に係る枕1においては、図6に示すように、保持部材10、枕用ベース20、体圧分散部材30、及び柔軟性部材40が下から順に積層されて構成されている。しかしながら、これに限られない。例えば、保持部材10、枕用ベース20、体圧分散部材30、及び柔軟性部材40のうちのいずれかを割愛してもよい。例えば、枕1のユーザーの体型や好みに応じて、枕用ベース20を傾斜させる必要がない場合は、保持部材10を割愛してもよい。
【0063】
また、実施の形態に係る枕1においては、体圧分散部材30の上寄りの面30aには、凹凸が設けられている。しかしながら、これに限られない。体圧分散部材30の上寄りの面30aに、凹凸が設けられていなくてもよい。例えば、体圧分散部材30の上寄りの面30aは、平坦な面であってもよい。ただし、体圧分散部材30の体圧分散を向上させる観点からは、体圧分散部材30の上寄りの面30aには、凹凸が設けられている方が好ましい。
【0064】
また、実施の形態に係る枕1においては、体圧分散部材30の上寄りの面30aには、凹凸が設けられている。しかしながら、これに限られない。体圧分散部材30の上寄りの面30aに加えて、下寄りの面にも凹凸が設けられていてもよい。
【0065】
また、実施の形態に係る枕1の保持部材10においては、上面10bは、枕1の手前(-Y側)から奥寄り+Y寄りに向かって高くなるように傾斜する傾斜面である。しかしながら、これに限られない。保持部材10は、枕用ベース20を傾斜した状態に保持することができる形状であれば、上面10bは、傾斜面に限られない。例えば、保持部材10の上面10bは、枕1の手前(-Y側)から奥寄り+Y寄りに向かってなだらかな階段状や曲線状に高くなる形状に形成されていてもよい。
【0066】
また、本実施の形態において、図9(A)~(D)に示すように、充填材B-1、B-2、B-3、B-4は、直径が5mmの円筒形に形成されているビーズや直径3~5mm程の小さな粒状の綿である。しかしながら、図9(A)~(D)に示す充填材B-1、B-2、B-3、B-4は一例である。充填材B-1、B-2、B-3、B-4は、ユーザーの体型や好みに応じて、図9(A)~(D)に示すもの以外ものであってもよい。
【0067】
また、実施の形態に係る枕1は、図4に示すように、1枚の保持部材10を備える。しかしながら、これに限られない。枕1は、2枚以上の保持部材10を備えていてもよい。また、例えば、傾斜角度の異なる複数種の保持部材10を組み合わせてもよい。傾斜角度の異なる複数種の保持部材10を組み合わせることで、枕1においては、ユーザーの体型や好みに応じた傾斜角度の変更をし易くなる。結果として、枕1のユーザーは、良好な睡眠を得ることができる。
【0068】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0069】
1:枕
1a:ヘッドレスト部
1b:ネックレスト部
1c:ヘッドトップ部
1d:フェイスレスト部
1e:フェイスリフト部
1f:ネックパッド部
1g:ショルダーサポート部
10、10-2:保持部材
10a:下面
10b:上面
11:ショルダーサポート部
12:通気孔
20:枕用ベース
21a、21b、21c、21d、21e、21f:収容室
22:(充填材用の)開口
30:体圧分散部材
30a:上寄りの面
40:柔軟性部材
41a、41b、41c、41d、41e:収容室
42:(柔軟性部材用の)開口
50:枕側地(まくらがわじ)
51:保持部材収容部
B-1、B-2、B-3、B-4:充填材
U:ユーザー
U1:頭部
U2:首
U2a:首下
U3:肩
B:ベッド
B1:配置面
θ、θ2:傾斜角度
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明に係る枕は、
複数の部材が積層されている枕であって、
ユーザーの頭部を含む身体の一部の重みを受けて支えると共に、反発性を有する充填材を収容する複数の第1収容室が形成されている枕用ベースと、
前記複数の第1収容室の少なくとも2つの第1収容室にまたがって、前記枕用ベースの上側に配置され、上寄りの面に加えられた前記ユーザーの体圧を分散可能な弾性を有する素材から形成されている体圧分散部材と、
前記体圧分散部材の上側を覆うと共に、前記ユーザーに対する前記充填材の感触を緩和する柔軟な素材からなる柔軟性部材本体を有する柔軟性部材と、
前記枕用ベースと前記柔軟性部材とが展開可能に接続されていると共に、前記枕用ベースと前記柔軟性部材との中間に前記体圧分散素材を挿入し、収容することが可能なスペースを有する枕側地と、
を備え
前記柔軟性部材には、前記柔軟性部材本体を収容すると共に、前記枕用ベースにおける前記複数の第1収容室の各形成位置に対して、積層方向の上側に重なる位置にそれぞれが設けられている複数の第2収容室が形成されている
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
前記枕用ベースには、
前記ユーザーの頭部を支持する第1ヘッドレスト部用収容室、
前記第1ヘッドレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの頚椎の付け根から第5頚椎までを支持する第1ネックレスト部用収容室、
前記第1ネックレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの第5頚椎から第7頚椎までを支持することで、前記第1ネックレスト部用収容室と共に、前記ユーザーの湾曲した頚椎に沿って隙間を埋めて、首全体を支持する第1ネックパッド部用収容室が形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、反発性が支持箇所に適した前記充填材の封入が好ましいが、反発性が同一の前記充填材が充填されていてもよい。
前記柔軟性部材は、
前記ユーザーの頭部を支持する第2ヘッドレスト部用収容室と、
前記第2ヘッドレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの首の一部を支持する第2ネックレスト部用収容室と、が形成されていると共に、
前記枕用ベースの前記第1ネックパッド部用収容室の積層方向の上側には、ネックパッド部用の収容室が形成されていない形状に形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、柔軟性が異なる前記柔軟性部材本体、又は、柔軟性が同一の前記柔軟性部材本体が充填されていてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
前記枕用ベースには、
前記第1ヘッドレスト部用収容室の奥寄りに隣接して設けられている第1ヘッドトップ部用収容室、
前記第1ヘッドレスト部用収容室の幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顔を支持する第1フェイスレスト部用収容室、
前記第1ネックレスト部用収容室の前記幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顎を含む身体の一部を支持する第1フェイスリフト部用収容室が形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、反発性が支持箇所に適した前記充填材の封入が好ましいが、反発性が同一の前記充填材が充填されていてもよい。
前記柔軟性部材には、
前記第2ヘッドレスト部用収容室の奥寄りに隣接して設けられている第2ヘッドトップ部用収容室と、
前記第2ヘッドレスト部用収容室の幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顔を支持する第2フェイスレスト部用収容室と、
前記第2ネックレスト部用収容室の前記幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顎を含む身体の一部を支持する第2フェイスリフト部用収容室と、が形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、柔軟性が異なる前記柔軟性部材本体、又は、柔軟性が同一の前記柔軟性部材本体が充填されていてもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部材が積層されている枕であって、
ユーザーの頭部を含む身体の一部の重みを受けると共に、反発性を有する充填材を収容する複数の第1収容室が形成されている枕用ベースと、
前記複数の第1収容室の少なくとも2つの第1収容室にまたがって、前記枕用ベースの上側に配置され、上寄りの面に加えられた前記ユーザーの体圧を分散可能な弾性を有する素材から形成されている体圧分散部材と、
前記体圧分散部材の上側を覆うと共に、前記ユーザーに対する前記充填材の感触を緩和する柔軟な素材からなる柔軟性部材本体を有する柔軟性部材と、
前記枕用ベースと前記柔軟性部材とが展開可能に接続されていると共に、前記枕用ベースと前記柔軟性部材との中間に前記体圧分散素材を挿入し、収容することが可能なスペースを有する枕側地と、
を備え
前記柔軟性部材には、前記柔軟性部材本体を収容すると共に、前記枕用ベースにおける前記複数の第1収容室の各形成位置に対して、積層方向の上側に重なる位置にそれぞれが設けられている複数の第2収容室が形成されている、枕。
【請求項2】
前記体圧分散部材には、その上寄りの面において、前記ユーザーの体圧を分散するための凹凸が設けられている、請求項1に記載の枕。
【請求項3】
前記枕用ベースの下側に配置されると共に、前記枕が設置される設置面に対して、前記枕用ベースを傾斜した状態に保持する保持部材を備える、請求項1に記載の枕。
【請求項4】
前記保持部材は、前記枕が設置される前記設置面に接する下面と、前記枕用ベースに接すると共に、前記下面に対して傾斜する上面と、を有する板状に形成され、
前記上面は、前記枕の手前から奥寄りに向かって高くなるように傾斜する、請求項3に記載の枕。
【請求項5】
前記保持部材において、前記下面に対する前記上面の傾斜角度は、5°から25°の範囲内にある、請求項4に記載の枕。
【請求項6】
前記保持部材には、前記ユーザーの肩を支持するショルダーサポート部が形成されている、請求項3に記載の枕。
【請求項7】
前記枕用ベースには、
前記ユーザーの頭部を支持する第1ヘッドレスト部用収容室と、
前記第1ヘッドレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの首の一部を支持する第1ネックレスト部用収容室と、
前記第1ネックレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの首下を支持することで、前記第1ネックレスト部用収容室と共に、前記ユーザーの首全体を支持する第1ネックパッド部用収容室と、が形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、反発性が異なる前記充填材、又は、反発性が同一の前記充填材が充填されている、請求項1からのいずれか一項に記載の枕。
【請求項8】
前記柔軟性部材は、
前記ユーザーの頭部を支持する第2ヘッドレスト部用収容室と、
前記第2ヘッドレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの首の一部を支持する第2ネックレスト部用収容室と、が形成されていると共に、
前記枕用ベースの前記第1ネックパッド部用収容室の積層方向の上側には、ネックパッド部用の収容室が形成されていない形状に形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、柔軟性が異なる前記柔軟性部材本体、又は、柔軟性が同一の前記柔軟性部材本体が充填されている、請求項7に記載の枕。
【請求項9】
前記枕用ベースには、
前記第1ヘッドレスト部用収容室の奥寄りに隣接して設けられている第1ヘッドトップ部用収容室と、
前記第1ヘッドレスト部用収容室の幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顔を支持する第1フェイスレスト部用収容室と、
前記第1ネックレスト部用収容室の前記幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顎を含む身体の一部を支持する第1フェイスリフト部用収容室と、が形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、反発性が異なる前記充填材、又は、反発性が同一の前記充填材が充填されている、請求項に記載の枕。
【請求項10】
前記柔軟性部材には、
前記第2ヘッドレスト部用収容室の奥寄りに隣接して設けられている第2ヘッドトップ部用収容室と、
前記第2ヘッドレスト部用収容室の幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顔を支持する第2フェイスレスト部用収容室と、
前記第2ネックレスト部用収容室の前記幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顎を含む身体の一部を支持する第2フェイスリフト部用収容室と、が形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、柔軟性が異なる前記柔軟性部材本体、又は、柔軟性が同一の前記柔軟性部材本体が充填されている、請求項8に記載の枕。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明に係る枕は、
複数の部材が積層されている枕であって、
ユーザーの頭部を含む身体の一部の重みを受けて支えると共に、反発性を有する充填材を収容する複数の第1収容室が形成されている枕用ベースと、
前記複数の第1収容室の少なくとも2つの第1収容室にまたがって、前記枕用ベースの上側に配置され、上寄りの面に加えられた前記ユーザーの体圧を分散可能な弾性を有する素材から形成されている体圧分散部材と、
前記体圧分散部材の上側を覆うと共に、前記ユーザーに対する前記充填材の感触を緩和する柔軟な素材からなる柔軟性部材本体を有する柔軟性部材と、
前記枕用ベースと前記柔軟性部材とが展開可能に接続されていると共に、前記枕用ベースと前記柔軟性部材との中間に前記体圧分散部材を挿入し、収容することが可能なスペースを有する枕側地と、
を備え、
前記柔軟性部材には、前記柔軟性部材本体を収容すると共に、前記枕用ベースにおける前記複数の第1収容室の各形成位置に対して、積層方向の上側に重なる位置にそれぞれが設けられている複数の第2収容室が形成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部材が積層されている枕であって、
ユーザーの頭部を含む身体の一部の重みを受けると共に、反発性を有する充填材を収容する複数の第1収容室が形成されている枕用ベースと、
前記複数の第1収容室の少なくとも2つの第1収容室にまたがって、前記枕用ベースの上側に配置され、上寄りの面に加えられた前記ユーザーの体圧を分散可能な弾性を有する素材から形成されている体圧分散部材と、
前記体圧分散部材の上側を覆うと共に、前記ユーザーに対する前記充填材の感触を緩和する柔軟な素材からなる柔軟性部材本体を有する柔軟性部材と、
前記枕用ベースと前記柔軟性部材とが展開可能に接続されていると共に、前記枕用ベースと前記柔軟性部材との中間に前記体圧分散部材を挿入し、収容することが可能なスペースを有する枕側地と、
を備え、
前記柔軟性部材には、前記柔軟性部材本体を収容すると共に、前記枕用ベースにおける前記複数の第1収容室の各形成位置に対して、積層方向の上側に重なる位置にそれぞれが設けられている複数の第2収容室が形成されている、枕。
【請求項2】
前記体圧分散部材には、その上寄りの面において、前記ユーザーの体圧を分散するための凹凸が設けられている、請求項1に記載の枕。
【請求項3】
前記枕用ベースの下側に配置されると共に、前記枕が設置される設置面に対して、前記枕用ベースを傾斜した状態に保持する保持部材を備える、請求項1に記載の枕。
【請求項4】
前記保持部材は、前記枕が設置される前記設置面に接する下面と、前記枕用ベースに接すると共に、前記下面に対して傾斜する上面と、を有する板状に形成され、
前記上面は、前記枕の手前から奥寄りに向かって高くなるように傾斜する、請求項3に記載の枕。
【請求項5】
前記保持部材において、前記下面に対する前記上面の傾斜角度は、5°から25°の範囲内にある、請求項4に記載の枕。
【請求項6】
前記保持部材には、前記ユーザーの肩を支持するショルダーサポート部が形成されている、請求項3に記載の枕。
【請求項7】
前記枕用ベースには、
前記ユーザーの頭部を支持する第1ヘッドレスト部用収容室と、
前記第1ヘッドレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの首の一部を支持する第1ネックレスト部用収容室と、
前記第1ネックレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの首下を支持することで、前記第1ネックレスト部用収容室と共に、前記ユーザーの首全体を支持する第1ネックパッド部用収容室と、が形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、反発性が異なる前記充填材、又は、反発性が同一の前記充填材が充填されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の枕。
【請求項8】
前記柔軟性部材は、
前記ユーザーの頭部を支持する第2ヘッドレスト部用収容室と、
前記第2ヘッドレスト部用収容室の手前寄りに隣接して設けられ、前記ユーザーの首の一部を支持する第2ネックレスト部用収容室と、が形成されていると共に、
前記枕用ベースの前記第1ネックパッド部用収容室の積層方向の上側には、ネックパッド部用の収容室が形成されていない形状に形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、柔軟性が異なる前記柔軟性部材本体、又は、柔軟性が同一の前記柔軟性部材本体が充填されている、請求項7に記載の枕。
【請求項9】
前記枕用ベースには、
前記第1ヘッドレスト部用収容室の奥寄りに隣接して設けられている第1ヘッドトップ部用収容室と、
前記第1ヘッドレスト部用収容室の幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顔を支持する第1フェイスレスト部用収容室と、
前記第1ネックレスト部用収容室の前記幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顎を含む身体の一部を支持する第1フェイスリフト部用収容室と、が形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、反発性が異なる前記充填材、又は、反発性が同一の前記充填材が充填されている、請求項7に記載の枕。
【請求項10】
前記柔軟性部材には、
前記第2ヘッドレスト部用収容室の奥寄りに隣接して設けられている第2ヘッドトップ部用収容室と、
前記第2ヘッドレスト部用収容室の幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顔を支持する第2フェイスレスト部用収容室と、
前記第2ネックレスト部用収容室の前記幅方向の両側に隣接して設けられ、前記幅方向に寝返りを打った前記ユーザーの顎を含む身体の一部を支持する第2フェイスリフト部用収容室と、が形成され、
これらの複数の収容室それぞれには、柔軟性が異なる前記柔軟性部材本体、又は、柔軟性が同一の前記柔軟性部材本体が充填されている、請求項8に記載の枕。