(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025071511
(43)【公開日】2025-05-08
(54)【発明の名称】コネクタユニット
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20250428BHJP
【FI】
H01R13/52 D
H01R13/52 302E
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181731
(22)【出願日】2023-10-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】中村 和伸
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】笠井 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】石原 修平
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087LL04
5E087LL17
5E087PP08
5E087QQ04
5E087RR12
(57)【要約】
【課題】内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内から排水穴に導かれた水を積極的に排水させることができ、所定の場合に内部への異物の侵入を防止する。
【解決手段】コネクタユニット100は、内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケース70と、非防水領域内に実装されたインタフェースコネクタ40と、非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な開口部73と、非防水領域側に設けられ、インタフェースコネクタ40の被水を排出するために、ケース70の内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した排水穴部76と、排水穴部76において、貫通方向の途中からケース70の外側に至るまで、第1穴形状の周における予め定めた範囲を切り欠いた切り欠き部761と、ケース70の外側から開口部73と排水穴部76と切り欠き部761とを蓋可能に単一形成された防水キャップ200と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、
前記ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、
前記ケースの非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な開口部と、
前記ケースの非防水領域側に設けられ、前記金属製部品の被水を排出するために、前記ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した排水穴部と、
前記排水穴において、貫通方向の途中からケースの外側に至るまで、第1穴形状の周における予め定めた範囲を切り欠いた切り欠き部と、
前記ケースの外側から前記開口部と前記排水穴部と前記切り欠き部とを蓋可能に単一形成された防水キャップと、を有する、
コネクタユニット。
【請求項2】
前記切り欠き部における、前記第1穴形状の周における予め定めた範囲とは、前記第1穴形状の周の少なくとも半分である、
請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項3】
前記排水穴における前記第1穴形状は、角丸四辺形であり、
前記切り欠き部における、前記第1穴形状の周における予め定めた範囲とは、前記角丸四辺形の穴形状の少なくとも一辺とその両端の角である、
請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項4】
内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、
前記ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、
前記ケースの非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な開口部と、
前記ケースの前記非防水領域側に互いが所定の距離だけ離れて設けられ、前記金属製部品の被水を排出するために、夫々が前記ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した一組の排水穴部と、
前記ケースの前記一組の排水穴の間に設けられ、夫々の前記排水穴の貫通方向の途中から前記ケースの外側に至るまで、前記排水穴の夫々の周の一部と接しつつ、前記第1穴形状を拡げる第2穴形状を有した切り欠き部と、
前記ケースの外側から前記排水穴部と前記開口部と前記切り欠き部とを蓋可能な単一に形成された防水キャップと、を備え、
前記防水キャップは、前記排水穴部に対向する領域に、前記排水穴部に挿入可能な嵌合突起を有する、
コネクタユニット。
【請求項5】
内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、
前記ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、
前記ケースの非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な開口部と、
前記ケースの前記非防水領域側に設けられ、前記金属製部品の被水を排出するために、前記ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した排水穴部と、
前記ケースの外側の面に設けられ、前記第1穴形状の周における予め定めた範囲と接しつつ、前記ケースから貫通方向へ突出する突出部と、
前記ケースの外側から前記排水穴部と前記開口部と前記突出部とを蓋可能な単一に形成された防水キャップとを有する、
コネクタユニット。
【請求項6】
前記突出部における、前記第1穴形状の周における予め定めた範囲とは、前記第1穴形状の周の少なくとも半分である、
請求項5に記載のコネクタユニット。
【請求項7】
内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、
前記ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、
前記ケースの前記非防水領域側に互いが所定の距離だけ離れて設けられ、前記金属製部品の被水を排出するために、夫々が前記ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した一組の排水穴部と、
前記ケースの外側の面における前記一組の排水穴部の間に設けられ、前記排水穴部の夫々の周の一部と連接しつつ、前記ケースから貫通方向へ突出する突出部と、
前記ケースの外側から前記一組の排水穴部と前記突出部とを蓋可能な単一に形成された防水キャップとを有する、
コネクタユニット。
【請求項8】
前記突出部は、前記ケースの外側の面に設けられ、前記排水穴部の夫々の周の一部と連接しつつ前記一組の排水穴部を囲んで前記ケースから貫通方向へ突出する、
請求項7に記載のコネクタユニット。
【請求項9】
前記排水穴部の穴形状は、円形、長円形、または角丸四辺形のいずれかである、
請求項1、2、または請求項4から8のいずれかに記載のコネクタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコネクタユニットの排水及び異物侵入防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
排水構造を有したコネクタユニットの従来技術として、機器の内部に水が浸入しても、浸入した水を外部に排出することができるものがある(例えば、特許文献1参照)。
図17は、従来技術のコネクタユニットの排水構造を有した図である。
図17のコネクタユニット100は、第1の領域30a、第2の領域30bを有する平板状のプリント配線板30と、非水密構造を有し、第1の領域30a上に実装されたインタフェースコネクタ40と、境界30c上を覆う防水シール部材60と、開口部73を有し、プリント配線板30、インタフェースコネクタ40、防水シール部材60を収容するケースとを備える。防水シール部材60は、ケース70内を第1の領域30a側と第2の領域30b側とに隔離する。ケース70内の第2の領域30b側は防水領域とされる。ケース70の第1の領域30a側には、前面板部74を挟んで左右両側の下方に排水穴76がそれぞれ2つ形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、排水穴の大きさや配置位置によっては、排水穴の排水出口付近において、排出されるべき水が張り付いてしまう(トラップされてしまう)ことが生じ得る。排水がトラップされてしまう現象(以下、「トラップ現象」ともいう。)は、排水穴からの排水を抑制してケースの内部に水が滞留してしまう。これによってコネクタなどの金属製の部品(以下、「金属部品」ともいう)が錆びてしまう虞がある。
【0005】
ここで、トラップ現象が生じないように、排水穴を、より大きなものとして形成できれば水滴の張り付きは抑制される場合もある。しかし、より大きな排水穴を形成することは、機器の内部に異物が侵入しやすくなる虞れが生じる課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内から排水穴に導かれた水を積極的に排水させることができ、所定の場合に内部への異物の侵入を防止することができるコネクタユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本実施形態に係るコネクタユニットは、内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、ケースの非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な開口部と、ケースの非防水領域側に設けられ、金属製部品の被水を排出するために、ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した排水穴部と、排水穴において、貫通方向の途中からケースの外側に至るまで、第1穴形状の周における予め定めた範囲を切り欠いた切り欠き部と、ケースの外側から開口部と排水穴部と切り欠き部とを蓋可能に単一形成された防水キャップと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示のコネクタユニットによれば、排水穴において、貫通方向の途中からケースの外側に至るまで、第1穴形状の周における予め定めた範囲を切り欠いた切り欠き部を有する。この切り欠き部を設けることにより、切り欠き部を設けない場合に比して、滞留する被水から生ずる液滴の直径を大きくして滴下しやすくできることから、機器の内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内に排水穴に内に入り込んだ水を積極的に排水させることができる。また、本開示のコネクタユニットによれば、ケースの外側から開口部と排水穴部と切り欠き部とを蓋可能に単一形成された防水キャップを備えている。これにより、防水キャップ装着時にはケース内部への異物の侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態におけるコネクタユニットの一実施例を示した図である。
図1(a)は、斜視図であり、
図1(b)側面図であり、
図1(c)は正面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したコネクタユニット100に、
図1で非表示としていた防水キャップを表示した場合の一実施例を示した図である。
図2(a)は斜視図であり、
図2(b)は側面図であり、
図2(c)は正面図である。
【
図3】
図3は、コネクタユニット100の内部を説明するための図である。
図3(a)は背面図であり、
図3(b)は
図3(a)におけるF-F断面図である。
【
図4】
図4は、コネクタユニット100の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、コネクタユニット100の分解斜視図である。
【
図6】
図6はプリント回路板35を示した図である。
図6(a)は斜視図であり、
図6(b)は
図6(a)に示したプリント配線板30の側面図である。
【
図7】
図7は、防水シール部材60が一体形成されたプリント回路板35を示した図である。
図7(a)は斜視図である。
図7(b)は、
図6(a)に示した境界30cを含む面で切断した場合のインタフェースコネクタ40側から見た断面図である。
【
図8】
図8は後面カバー80を有する場合のコネクタユニットの一実施例を示した図である。
図8(a)は背面図であり、
図8(b)は、
図8(a)におけるG-G断面図である。
【
図9】
図9は、導水部材28を説明するための図である。
図9(a)は、
図1(c)におけるB-B断面図において筒状部72の第1の領域30aに相当する部分を示した図であり、
図9(b)は
図9(a)におけるH-H断面図であり、
図9(c)は
図9(b)を左上方向から見た斜視図である。
【
図11】
図11は、第1の実施の形態に係る排水穴部76
1、76
2及び切り欠き部761を説明するための模式図である。
図11(a)はコネクタユニット100の筒状部72に相当する領域の側面図、
図11(b)は
図11(a)のW-W断面図である。
【
図12】
図12は、切り欠き部761を設けることによる排水の影響の一例を示した模式図である。
図12(a)が切り欠き部761を設けない場合、
図12(b)が切り欠き部761を設けた場合である。
【
図13】
図13は、防水キャップ200の構造を示した図である。
図13(a)は周キャップ220側から見た斜視図であり、
図13(b)は周キャップ220側から見た背面図である。
【
図14】
図14は、防水キャップ200を装着したコネクタユニット100の筒状部72周辺を示した図である。
図14(a)は、
図3(b)に対して防水キャップ200を示した図であり、
図14(b)は、
図14(a)の領域Xを拡大した図である。
【
図15】
図15は、第1の実施の形態の変形例に係る排水穴及び切り欠き部を説明するための図であり、
図15(a)は、
図11(a)において、排水穴部76
1と排水穴部76
2の近傍を示した模式図、
図15(b)~
図15(f)は、変形例に係る排水穴及び切り欠き部を
図15(a)と同様に示した模式図である。
【
図16】
図16は、第2の実施の形態に係る排水穴及び切り欠き部を説明するための図である。
図16(a)は
図15(a)と同様の形式で示した模式図であり、
図16(b)は
図16(a)における排水穴部76
1,76
2を抽出した図であり、
図16(c)は
図16(a)のU-U断面図であり、
図16(d)は
図16(a)のV-V断面図である。
【
図17】
図17は、従来技術のコネクタユニットの排水構造を有した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係るコネクタユニットについて図面を参照して説明する。以降の説明において、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。なお、下記で説明する
図1~16の中には、
図17の従来技術で説明した符号と重複する符号があるが、
図1~16と、
図17とは互いに異なるものである。
【0011】
図1は、本実施形態におけるコネクタユニットの一実施例を示した図である。
図1(a)は、斜視図であり、
図1(b)側面図であり、
図1(c)は正面図である。
図1では、コネクタユニット100の構成要素の1つである防水キャップ200を非表示としている。
図2は、
図1に示したコネクタユニット100に、
図1で非表示としていた防水キャップを表示した場合の一実施例を示した図である。
図2(a)は斜視図であり、
図2(b)は側面図であり、
図2(c)は正面図である。
図3は、コネクタユニット100の内部を説明するための図である。
図3(a)は背面図であり、
図3(b)は
図3(a)におけるF-F断面図である。
図4は、コネクタユニット100の分解斜視図である。
図5は、コネクタユニット100の分解斜視図である。なお、
図3(a)では、後述するポッティング樹脂130を不図示としており、
図3(b)では、電子部品50を不図示としている。
【0012】
本実施形態におけるコネクタユニット100は、
図4、5に示すように、プリント配線板30と、インタフェースコネクタ40と、電子部品50と、防水シール部材60と、ケース70と、後面コネクタ91と、防水キャップ200と、を主たる要素として構成されている。
【0013】
(プリント配線板30)
プリント配線板30は、例えばガラスエポキシ樹脂を主材料とした単層あるいは多層からなる配線板である。
図6はプリント回路板35を示した図である。
図6(a)は斜視図であり、
図6(b)は
図6(a)に示したプリント配線板30の側面図である。
【0014】
本実施形態におけるプリント配線板30は、
図6に示すように、略長方形の上面30Aと、上面30Aと対向する下面30Bからなる平板状の形状を有し、長さ方向の一端に当たる端面を有した端部32と、端部32と反対側の端面を有した端部33とを有する。プリント配線板30は、端部32を起点として端部33の方向に延伸する第1の領域30aと、この第1の領域30aと隣接し、端部33まで延伸する第2の領域30bとを有する。第1の領域30aと第2の領域30bとの境の面を境界30cと定義すると、第1の領域30aは、プリント配線板30において、端部32から境界30cまでの領域であり、第2の領域30bは、プリント配線板30において、境界30cから端部33までの領域である。
【0015】
プリント配線板30の上面30Aには、インタフェースコネクタ40と、電子部品50と、後面コネクタ91が実装されている。本実施形態では、インタフェースコネクタ40と、電子部品50と、後面コネクタ91とが実装されたプリント配線板30を「プリント回路板35」ということとする。プリント回路板35は、ケース70に収容されている。なお、プリント配線板30は、幅方向に並んで2つの貫通穴31bを有する(
図10に示した1つの貫通穴31bを参照)。貫通穴31bは、円形の穴を有し、2つの端部である上面30A側の端部31b1、及び下面30B側の端部31b2を有する。
【0016】
(インタフェースコネクタ40)
プリント配線板30の上面30A上には、第1の領域30aの端部32側に、例えばスマートフォン等のコネクタと接続されるインタフェースコネクタ40が実装されている。インタフェースコネクタ40は電子部品の一種である。
図6に示すように、インタフェースコネクタ40は、端子42が金属製の非水密構造からなるシェル41で覆われており、ケース70(
図5)の前面板部74に設けられている開口部73を介してケース70の外側に臨むように位置されている。シェル41は、第1端部41aと第2端部41bとを有する。インタフェースコネクタ40は、底面の端部41b側に2つの凸部43b(
図10に示した1つの凸部43bを参照)、シェル41の両側面には、端部41a側から順に凸部43c、43d(
図6(a))を備えている。凸部43bは、プリント配線板30に設けられた貫通穴31b(
図10)に挿入されている。同様に、凸部43c,43dは、それぞれ貫通穴31c,31dに挿入されている。凸部43b、43c、43dが、貫通穴31b、31c、31dに挿入されることで、インタフェースコネクタ40がプリント配線板30上に位置決めされることとなる。貫通穴31b、31c、31dは、プリント配線板30の上面30Aと下面30Bとを貫通する穴であり、ここではノンスルーホールとして形成されている。本実施形態におけるインタフェースコネクタ40は、USB Type-Cコネクタである。但し、非水密構造を有するインタフェースコネクタであれば、インタフェースコネクタ40の種類は特に限定されない。例えば、USB Type-Aコネクタや、HDMI(登録商標)コネクタ等の他のインタフェースコネクタを用いてもよい。インタフェースコネクタ40は非水密構造を有していることから、開口部73を介してインタフェースコネクタ40が被水したとしても、少量の被水である限りにおいては、被水はインタフェースコネクタ40内には滞留せず、インタフェースコネクタ40の外側に排水されることとなる。
【0017】
(電子部品50)
プリント配線板30の上面30Aには、第2の領域30b側に、例えばICチップやコンデンサなどの表面実装部品である電子部品50が実装されている。本実施形態における電子部品50は、
図6に示すように複数の電子部品50が実装されている。本実施形態における電子部品50は、インタフェースコネクタ40や後述する後面コネクタ91とは別の種類の電子部品である。但し、プリント配線板30上の電子部品50の点数は複数に限定されるものではない。また、後述するように、本実施形態では、ケース70内の第1の領域30a側を非防水領域とし、第2の領域30b側を防水領域とする。したがって、本実施形態における電子部品50の中には、インタフェースコネクタ40よりも高い防水対策が求められる電子部品が含まれていてもよい。なお、本実施形態のコネクタユニット100が、電子部品50が無くても実現できるような場合であれば、必ずしも電子部品50が実装されていなくても良い。
【0018】
(防水シール部材60)
プリント配線板30には、境界30cの外周30c1上に、ホットメルト材からなる防水シール部材60が形成されている。
図7は、防水シール部材60が一体形成されたプリント回路板35を示した図である。
図7(a)は斜視図である。
図7(b)は、
図6(a)に示した境界30cを含む面で切断した場合のインタフェースコネクタ40側から見た断面図である。
【0019】
防水シール部材60は、
図7に示すように、プリント配線板30における境界30cの外周30c1を沿うように覆いながらプリント配線板30に密着してプリント配線板30と一体として形成されている。プリント配線板30上に形成された防水シール部材60は、
図7(b)に示すように、ケース70内に挿入された場合に筒状部72の内面を押圧する、押圧面60A、60B、60C、60Dを有する。押圧面60Aと押圧面60B、押圧面60Bと押圧面60C、押圧面60Cと押圧面60D、押圧面60Dと押圧面60Aとは連続しており、全体として連続した面を構成する。押圧面60A、60B、60C、60Dは、ケース70の筒状部72の内周であって、外周30c1と対向する内周72cを押圧することにより、筒状部72の内面に密着するように配置されている。防水シール部材60を上述のように構成することにより、防水シール部材60は、ケース70内を第1の領域30a側と第2の領域30b側とに隔離する。
【0020】
また、本実施形態におけるケース70内の第2の領域30b側は防水領域とする。防水領域を実現する具体例としては、後述するように、ポッティング樹脂130の注入や、後面コネクタ91を設けることが挙げられる。
【0021】
防水シール部材60を設け、かつケース70内の第2の領域30b側を防水領域とすることで、ケース70の開口部73からの被水はもちろんのこと、ケース70の後端側(ケース70において前面板部74とは反対側)から被水したとしても、第2の領域30b側は防水機能が発揮される。したがって、コネクタユニット100が、搭載する車両などの他の機器に対してどのような向きに装着されたとしても、ケース70内の第2の領域30b側のプリント配線板30や電子部品50が被水の影響を受ける事態にはならない。
【0022】
防水シール部材60は、例えばインサート成形によってプリント配線板30と一体になるように形成される。但し、防水シール部材60は、必ずしも1つの部材として形成することには限定されず、例えばプリント配線板30とは別体に構成した非環状の複数部材として構成してもよい。
【0023】
(ケース70)
防水シール部材60が一体形成されたプリント回路板35は、ケース70内に収容されている。ケース70は、例えばABS等の熱可塑性樹脂で形成された成型品である。既述の通り、防水シール部材60は、ケース70内を第1の領域30a側と第2の領域30b側とに隔離する。即ち、後述する防水領域を実現する手段を施すことにより、ケース70は、防水シール部材60を境に、ケース70内を非防水領域と防水領域とに区分けされる。
【0024】
ケース70は、
図1~3及び、
図5に示すように、横長円形の円筒状をなす筒状部71、72と、筒状部72の前端に位置する前面板部74とを有している。前面板部74は、この例では円弧形状を有した横長円形の形状として形成されている。換言すれば、ケース70は、一端に前面板部74を有しており、前面板部74から他端側に突出する筒状部71、72を有している。
【0025】
筒状部71の前端の上面側には、固着部71Lが設けられている。固着部71Lは、
図1に示すように、基台71L
1,71L
2と、連結台71L
3と、突出部71L
4と、係合部71Lsとから構成されている。一対の基台71L
1,71L
2は、筒状部71の上面に起立して設けられ、前面板部74側を臨むように開口部73よりも短い幅を有する略長方形の薄板である。基台71L
1,71L
2は、前面板部74に向かって基台71L
1と基台71L
2の順に並列している。連結台71L
3は、一対の基台71L
1,71L
2を連接して起立して設けられている。連結台71L
3は基台71L
1と基台71L
2を補強する。突出部71L
4は略横長円形の断面形状を有し、基台71L
2から前面板部74側に突出する。係合部71Lsは、突出部71L
4の先端に設けられ、突出部71L
4の断面形状よりもひと回り大きい断面形状を有した略横長半球形状を有する。
【0026】
前面板部74は、開口部73を有する。前面板部74は、この例では、開口部73と異なる位置に、一対の溝部74Kを有する。開口部73は、インタフェースコネクタ40の相手側コネクタが挿抜可能な開口部である。溝部74Kは、前面板部74に設けられ、少なくとも前面板部74の外側(ケース70の外側)が開口された溝である。即ち、溝部74Kは、必ずしも筒状部72の内部空間と通じていなくてもよい。この例では、溝部74Kは、開口部73を挟んで前面板部74の左右の縁部の中央よりやや下側に前面板部74を切り欠くように形成されている。
【0027】
筒状部72、即ち、ケース70の第1の領域30a側には、排水穴部76が両側面と底面に2つずつ、合計6か所形成されている。
図1と
図3では、各排水穴を識別するために、各符号に下付き数字を付している。これら開口部73、排水穴部76はいずれも筒状部72の内部空間に通じている。この例では、排水穴部76
1,76
3から溝部74Kにかけて切り欠き部72Kが夫々設けられている。溝部74Kと切り欠き部72Kにより、筒状部72の側面側からみると、排水穴部76
1,76
3の前面板部74側は、ケース70の側面の板厚が薄くなるように切り欠かれた構造となっている。この構造により、この領域(溝部74K、切り欠き部72K、排水穴部76
1,76
3)には空間(開口部)を形成している。なお、本開示のコネクタユニット100は必ずしも切り欠き部72Kと溝部74Kを有していなくてもよい。溝部74K、切り欠き部72Kは、防水キャップ200の非装着時は、後述する切り欠き部761と同様の効果が発揮される。排水穴部76
1~76
4の構造の詳細は後述する。
【0028】
防水シール部材60が一体形成されたプリント回路板35は、筒状部71の後端側(ケース70において、前面板部74とは反対側)から押し込み挿入(圧入)され、ケース70内に収容される。筒状部71の内面には、
図3(a)に示すように、左右両側の側面領域にスライダ71a、71b、71c、71dが形成されている。ケース70に防水シール部材60が一体成型されたプリント回路板35を押し込み挿入する場合には、プリント配線板30の幅方向の一端部を、スライダ71aと71bとの間に挿入し、他端部をスライダ71cと71dとの間に挿入しながら押し込む。これにより、
図3(b)に示すように、プリント配線板30上にある、インタフェースコネクタ40と、電子部品50と、防水シール部材60と、嵌合部91aを除く後面コネクタ91は、プリント配線板30と共にケース70内の所定の位置でかつ所定の高さで収容される。
【0029】
ケース70は、防水シール部材60により、ケース70内を第1の領域30a側と、第2の領域30b側とに隔離される。即ち、防水シール部材として防水シール部材60が用いられた場合には、
図7(b)に示したように、防水シール部材60の押圧面60A、60B、60C、60Dは、筒状部72の内面を押圧する。これにより防水シール部材60は、ケース70内を第1の領域30a側と、第2の領域30b側とに隔離する。
【0030】
(後面コネクタ91)
プリント配線板30の上面30Aには、第2の領域30bの端部33側に、ハーネスコネクタ(不図示)と接続される後面コネクタ91が実装されている。後面コネクタ91は電子部品の一種である。後面コネクタ91は、
図4に示すように、ハウジング91Aと、端子92とから構成されている。ハウジング91Aは筒状をなし、上述したハーネスコネクタと嵌合される嵌合部91aと、嵌合部91aの基端を蓋する基部91bよりなる。基部91bには、
図3(a)に示すように、端子圧入穴91cが2つ形成されている。本実施形態における後面コネクタ91は、2本の端子92を有している。端子92はL字状に折り曲げられた形状を有し、L字の一辺には幅方向両側に突出する一対の突起92aが形成されている。
図3及び
図4に示したように、端子92はL字の一辺が端子圧入穴91cに圧入されてハウジング91Aに取り付けられている。圧入された端子92の一辺は、上述したハーネスコネクタと接続できるように、嵌合部91a内で露出した状態になっている。一方、端子92のL字の他辺はプリント配線板30の端部33側に設けられたスルーホール31aに挿入されてはんだ付け接続されている。
【0031】
(防水領域を実現するための具体例1:ポッティング樹脂130)
防水シール部材60とプリント回路板35とがケース70内に収容された後に、ケース70内の第2の領域30b側にポッティング樹脂130を注入する。ポッティング樹脂130の材質としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂が挙げられるがこれに限定されるものではない。
図3(b)には注入されたポッティング樹脂130を符号を用いて示しているが、筒状部71やプリント配線板30と識別できるように、斜線等を用いずに模様を付さないで示している。ポッティング樹脂130の注入は、
図3(b)に示すように、ケース70内の第2の領域30b側がポッティング樹脂130により充填されるまで行う。このポッティング樹脂130の充填により、ケース70内の第1の領域30a側を非防水領域とし、第2の領域30b側を防水領域とすることができる。
【0032】
(防水領域を実現するための具体例2:後面カバー80)
ケース70内の第2の領域30b側を、ポッティング樹脂130を注入することなく中空状態とし、これに代わり筒状部71に後面カバー80を設けて防水化を図るように構成してもよい。
【0033】
図8は後面カバー80を有する場合のコネクタユニットの一実施例を示した図である。
図8(a)は背面図であり、
図8(b)は、
図8(a)におけるG-G断面図である。
図8(b)では、電子部品50を不図示としている。
図8に示したコネクタユニット100では、
図3と異なり、ケース70内の第2の領域30b側には、ポッティング樹脂130は充填されていない。代わりに、ケース70の筒状部71の後端、即ちケース70内の第2の領域30b側の端部は、後面カバー80によって蓋されている。後面カバー80は、筒状部71の内径と同形状の横長円形状の平板を有する。後面カバー80とケース70との当接部分、即ち、筒状部71の後端の内周面と後面カバー80の外周面との間は接着剤等で強固に接合されている。筒状部71の後端を後面カバー80によって蓋することで、ケース70内の第2の領域30b側は防水機能が発揮される。
【0034】
後面カバー80を設ける場合には、嵌合部91aと基部91b(
図4)との間に後面カバー80が一体となるように形成してもよい。これにより、基部91bは後面カバー80の一部をなし、嵌合部91aは後面カバー80より後方に突出されることとなる。一方、後面カバー80は、後面コネクタ91とは別体として形成してもよい。例えば、後面カバー80は後面コネクタ91を保持する構造としてもよい。後面カバー80は、防水シール部材60と同質の部材で形成することが考えられるが、これに限定されるものではない。
【0035】
後面カバー80を設けることにより、ケース70内の第2の領域30b側を防水領域とした場合であっても、この防水機能を更に高めるために、ケース70内の第2の領域30b側に、ポッティング樹脂130を充填させるように構成してもよい。なお、ポッティング樹脂130の注入をしない場合には、後面カバー80を設けた場合であっても、耐水性の点からプリント配線板30に防湿コートを施すようにしてもよい。コーティング剤としては例えば常温型フッ素コーティング剤を用いることができ、またウレタン系、アクリル系、シリコン系などの樹脂を皮膜成分とするコーティング剤を用いることもできる。
【0036】
後面カバー80は、ポッティング樹脂130と同様に、ケース70内の第2の領域30b側の防水機能を発揮できることに加え、ポッティング樹脂130よりも安価で防水機能を実現できる。
【0037】
(導水部材28)
筒状部72には導水部材28が形成されている。
図9は、導水部材28を説明するための図である。
図9(a)は、
図1(c)におけるB-B断面図において筒状部72の第1の領域30aに相当する部分を示した図であり、
図9(b)は
図9(a)におけるH-H断面図であり、
図9(c)は
図9(b)を左上方向から見た斜視図である。
図10は、
図9(a)の領域Qの拡大図である。
【0038】
導水部材28は、インタフェースコネクタ40の下方であって、プリント配線板30の下面30B側に、前面板部74の内面を起点として防水シール部材60側に突出するように形成されている。導水部材28は、基部281と、2つの脚部282と、補強部283とから構成されている。基部281は前面板部74の内面を起点に防水シール部材60側に、矩形の底面を有した四角柱として突出した平板形状を有する。
【0039】
基部281の板厚は、前面板部74の内面を起点とすると、
図10に示すように、面281aを有する領域までは一定であり、面281bを有する領域は、防水シール部材60側に向かうほど薄くなるように形成されている。即ち、面281bは、面281aと角度θだけ下面30Bから離れる方向に傾いている。2つの脚部282は、基部281の長手方向の両端部からそれぞれ湾曲状に延伸して設けられている。基部281と、2つの脚部282は連なっており、全体としてC字状を形成している。基部281は、少なくともその一部が各貫通穴31bに対向する位置に配置される。脚部282は、前面板部74の内面を起点に防水シール部材60側に基部281と同じ長さだけ突出した形状を有している。脚部282の板厚は、面281aに対応する所定の領域までは一定であるが、基部281と同様に、面281bに対応する領域は防水シール部材60側に向かうほど薄くなるように形成されている。補強部283は、前面板部74の内面を起点に防水シール部材60側に、基部281の長手方向の中央位置から基部281を補強するように延伸している。延伸の長さは、基部281よりも僅かに短く形成されている。
【0040】
導水部材28は、
図10に示すように、貫通穴31bの貫通方向に対して所定の角度(90度-θ)を有した傾斜面(面281b)を有し、端部31b2の形状の重心との最短距離(
図10中の距離X)が、端部31b2の形状に挿入可能な最大の円の半径よりも短い距離になるように配置されている。即ち、
図10の例でいえば、X<(D/2)の関係を保つような位置に設けられる。したがって、受けた被水が端部31b2から下方に突出してくると、当該被水は導水部材28と接触する。この場合、傾斜面を有した基部281、脚部282が流路となり、貫通穴31bに滞留するはずであった被水は下方に流れていく。したがって、導水部材28は、プリント配線板30の貫通穴31bに入り込んだ水をプリント配線板30の外に排水する。また、基部281の薄肉化部分と、脚部282の湾曲部分、そして脚部282の薄肉化部分は、被水を各部分の方向に導く。
【0041】
導水部材28は、基部281と脚部282でC字状を構成し、かつ基部281を補強する補強部283を有する。導水部材28は前面板部74の内面と接して設けられている。したがって、開口部73を介して、インタフェースコネクタ40の相手側コネクタが挿抜される動作が行われている途中で、前面板部74に力が加わったとした場合でも、前面板部74の変形や破損を低減する。
【0042】
(排水穴部76、切り欠き部761)
筒状部72には、6つの排水穴部76が形成されている。前面板部74側(
図1(c))から見て筒状部72の右側側面(以下、「筒状部72の右側側面」ともいう。)には、前面板部74側から順番に、排水穴部76
1及び排水穴部76
2が、互いが所定の距離だけ離れて一組の排水穴として形成されている。前面板部74側から見て筒状部72の左側側面(以下、「筒状部72の左側側面」ともいう。)には、前面板部74側から順番に、排水穴部76
3及び排水穴部76
4が、互いが所定の距離だけ離れて一組の排水穴として形成されている(
図3)。前面板部74側から見て筒状部72の底面には、前面板部74側から順番に、排水穴部76
5及び排水穴部76
6が、互いが所定の距離だけ離れて一組の排水穴として形成されている。各排水穴部76
1~76
6は、筒状部72の内側の面である面72Aから外側の面である面72Bへ貫通するように形成されている。貫通穴である排水穴部76の穴形状は、排水穴部76
1~76
6の順に、略角丸四辺形の穴形状76a、76b、76c、76d、76e、76fを有する。
【0043】
後述するように、排水穴部76
1と排水穴部76
2との間、及び排水穴部76
3と排水穴部76
4との間には、夫々に切り欠き部761が設けられている。本実施の形態では、排水穴部76
1~76
4、2つの切り欠き部761は、
図3(a)に示すF-F断面を基準面として、左右対称な構造で形成されている。以下に、排水穴部76
1,76
2と、排水穴部76
1,76
2の間に設けられた切り欠き部761の説明を行う。排水穴部76
3,76
4、排水穴部76
3,76
4の間に設けられた切り欠き部761、及び切り欠き部761を有しない排水穴部76
5,76
6の説明は割愛する。
【0044】
図11は、第1の実施の形態に係る排水穴部761、762及び切り欠き部761を説明するための模式図である。
図11(a)はコネクタユニット100の筒状部72に相当する領域の側面図、
図11(b)は
図11(a)のW-W断面図である。説明の便宜上、
図11(a)については、排水穴部76
1と排水穴部76
2から視認できる導水部材28とプリント配線板30を不図示としている。
図11では、切り欠き部761を設けることによる排水の影響を説明するために、切り欠き部72K,溝部74Kを有していない構成であるものとして図示している。
【0045】
一組の排水穴である排水穴部76
1と排水穴部76
2の間には、
図11(b)に示す通り、長さL2の切り欠き部761が設けられている。切り欠き部761は、排水穴において、貫通方向の途中からケースの外側の面に至るまで、穴形状の周の一部と接しつつ、排水穴の穴形状を拡げる穴形状を有している。即ち、切り欠き部761は、排水穴部76
1と排水穴部76
2において、貫通方向である筒状部72の内側の面(面72A)から外側の面(面72B)へ向かう途中に当たる、面72Aから長さL1離れた位置を起点として、ここから面72Bに至る長さ(長さL2)だけ筒状部72を切り欠くように形成されている。
【0046】
また、切り欠き部761は、排水穴(76
1、76
2)において、面72Aを起点にして長さL1離れた位置の穴の周の一部である、端部76
1a、76
2a(
図15(a)参照)と接しつつ、穴形状76a、穴形状76bを拡げることとなる略長方形の穴形状761aを有している。即ち、切り欠き部761は、端部76
1a、76
2aを起点として、穴形状761aを有しながら、貫通方向(面72Aから面72Bへ貫通する方向)に長さL2だけ筒状部72を切り欠くように形成されている。これにより、切り欠き部761は穴形状761aを有した略直方体の空間(開口部)を形成している。
【0047】
切り欠き部761を設けることにより、排水穴部761及び排水穴部762の穴の大きさと形状が、長さL1の位置を境に(即ち、端部761a、762aを起点に)変化する。排水穴部761及び排水穴部762は、面72Aから長さL1の距離における端部761a、762aまでは、それぞれが穴形状76a、76bの形と大きさを有している。排水穴部761及び排水穴部762の穴形状は、端部761a、762aから面72Bまでに至る長さL2の部分は、穴形状76aと穴形状761aと穴形状76bの3つの穴形状が連結した形状となる。即ち、排水穴部761及び排水穴部762は、穴形状が、貫通方向の途中である長さL1の位置(端部761a、762a)から不連続的になり、穴形状76a、76bを有する2つの穴形状から、穴形状76a+穴形状761a+穴形状76bの大きさを有した1つの穴形状へと形と大きさが変化する。
【0048】
図12は、切り欠き部761を設けることによる排水の影響の一例を示した模式図である。
図12(a)が切り欠き部761を設けない場合、
図12(b)が切り欠き部761を設けた場合である。コネクタユニット100は、例えば、自動二輪車やその他の車両等に取り付けて使用されることを想定しており、使用状態の姿勢が
図1に示した状態で維持されるとは限られない。つまり、コネクタユニット100は、ユーザの使用形態により、様々な姿勢で使用されうる。したがって、以下の説明では、排水が一番促進されると考えられる、排水穴部76の貫通方向と重力の方向とが一致している姿勢を元に説明することとする。
図12における重力の方向(G)は、
図12を正面から見て、垂直上方向であるとする。また、排水穴部76
1,76
2の面72A側の開口を排水穴部76
1-IN,76
2-IN、面72B側の開口を排水穴部76
1-OUT、76
2-OUTとする。開口部73が受けた被水は、インタフェースコネクタ40を介してプリント配線板30を伝わり、筒状部72内の面72Aに到達する。あるいは、インタフェースコネクタ40から直接に面72Aに到達する。面72Aに到達した被水の一部は、排水穴部76
1-IN、76
2-INに入り込み、排水穴部76
1-OUT、76
2-OUTへと流れていく。
【0049】
切り欠き部761を設けない場合(
図12(a))、排水穴部76
1-OUT、76
2-OUTへと流れてきた被水は、排水穴内の出口である排水穴部76
1-OUT、76
2-OUT付近でトラップ現象を発生してしまうことがある。コネクタユニット100は、筒状部72内への異物侵入を防止すべく、排水穴部76の形状や大きさに一定の制約を付して形成されている。トラップ現象の一要因としては、排水穴部76の穴形状の大きさを十分に確保できず、滴下できるほどの大きな液滴にならない場合に生じやすい。
【0050】
切り欠き部761を設けた場合(
図12(b))、長さL1の位置、即ち、端部76
1a、76
2a(
図15(a)参照)を境に、穴形状が、穴形状76aあるいは穴形状76bから、穴形状76a+穴形状761a+穴形状76bへと急激に穴形状の大きさが拡大する。この急激な変化は、排水穴の周の全方向ではなく、端部76
1a、76
2a(
図15(a)参照)という一部の方向に限定される。換言すれば、排水穴部76
1、76
2は、穴形状76a、穴形状76bの周における予め定めた範囲が切り欠かれている。排水穴部76
1-IN、76
2-INに入り込んだ被水は、面72Aから面72Bへの流れの方向は維持されつつも、端部76
1a、76
2a(即ち、切り欠かれている周の領域)ではトラップ現象が生じる。一方で、切りかかれていない側の周の領域では、排水穴部76
1,76
2としての排水穴が面72Bに至るまで継続することから、そのまま貫通方向への流れを維持しようとする。これに加えて、後から流れてくる他の被水もあり、上述の状況が加速する。これにより、端部76
1a、76
2a付近の被水の先端表面の向きは、貫通方向からある角度だけ切り欠かれた領域側へと傾くこととなる。換言すれば、切りかかれていない側の周に張り付く被水が、切り欠かれた側の周に張り付く被水よりも、面72Bに近くなるような状態となり、結果として、端部76
1a、76
2a付近の被水の先端表面の向きは、貫通方向に対して斜めに傾いた方向を向くような状態が生じやすくなる。
【0051】
したがって、切り欠き部761が設けられた排水穴部76
1、76
2では、端部76
1a、76
2a付近に滞留する液滴の直径は、切り欠き部761が無い場合に比して大きな直径を有する液滴となりやすい。切り欠き部761を有しない場合よりも、大きな直径を有する液滴が生じれば、液滴の重量は
図12(a)よりも重くなり、表面張力が弱くなって滴下されやすくなる。したがって、切り欠き部761を設けることにより、トラップ現象を回避させることができる。また、排水穴部76
1、76
2に入り込んだ被水の量や流れの速度等の条件によっては、排水穴部76
1からの被水の液滴と、排水穴部76
2からの被水の液滴とが、切り欠き部761において互いに当接し、更に大きな液滴となる。これらの場合、切り欠き部761を設けることにより、排水穴部76
1、76
2は、面72B側の穴形状は大きくなるものの、面72A側の穴形状は依然として、元の穴形状76a,76bの大きさを維持しており、異物侵入の虞を高めることにはならない。
【0052】
このように、排水穴部76に切り欠き部761を設けることにより、切り欠き部を設けない場合に比して、滞留する被水から生ずる液滴の直径を大きくして滴下しやすくできることから、機器の内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内に排水穴に内に入り込んだ水を積極的に排水させることができる。
【0053】
(防水キャップ200)
図13は、防水キャップ200の構造を示した図である。
図13(a)は周キャップ220側から見た斜視図であり、
図13(b)は周キャップ220側から見た背面図である。
図14は、防水キャップ200を装着したコネクタユニット100の筒状部72周辺を示した図である。
図14(a)は、
図3(b)に対して防水キャップ200を示した図であり、
図14(b)は、
図14(a)の領域Xを拡大した図である。
【0054】
防水キャップ200は、前面キャップ210と、周キャップ220と、連結ベルト230と、固着部240と、着脱補助部260とを主たる構成要素としている。防水キャップ200は、前面板部74及び筒状部72の外側から、開口部73と溝部74Kを含む前面板部74と、切り欠き部72Kと、排水穴部76と、切り欠き部761と、を蓋可能な単一に形成された蓋である。防水キャップ200は、例えば、熱可塑性エラストマーで形成された成形品である。
【0055】
前面キャップ210は、主として開口部73と溝部74Kを含む前面板部74を覆う蓋であり、この例では前面板部74の形状よりも一回り大きな横長円形形状を有する。
【0056】
周キャップ220は、主として筒状部72を周方向から覆う蓋である。周キャップ220は、前面キャップ210と連接して前面キャップ210の内面210Aから突出しており、この例では、
図2に示すように、筒状部72の外部の殆どの領域を覆うことが可能な中空円筒形状を有している。周キャップ220は、突出側の端部近傍に環状のリップ部220L(
図14)を有する。リップ部220Lは、防水キャップ200が蓋された際に、筒状部72の筒状部71側に設けられた環状突起72P(
図3)と係合し、防水キャップ200のケース70に対する締め付けをより強固なものとして防水効果及び異物侵入防止効果を更に高める。
【0057】
連結ベルト230は、
図2,5に示すように、一端が前面キャップ210と連接し、他端が固着部240と連接する薄板状のベルトである。連結ベルト230は、固着部240と共に、前面キャップ210及びこれと連接した周キャップ220とが、ケース70から外れないようにするための鎖機能を担う。連結ベルト230は、防水キャップ200が筒状部72へ装着される際には、180度、あるいはそれ以上曲げられても耐えられる弾性を有する。
【0058】
固着部240は、固着部71Lと係合してケース70と防水キャップ200とを係止する。固着部240は、押圧により係合部71Lsを挿入して突出部71L
4と係止できるよう、突出部71L
4の断面形状よりも大きく、係合部71Lsの断面形状よりもわずかに小さな形状の穴部240a(
図13)を有する。係合部71Lsを押圧により穴部240aに挿入させることにより、ケース70と防水キャップ200とが係止される。
【0059】
防水キャップ200を用いて筒状部72及び前面板部74を蓋する場合、防水キャップ200を筒状部71に係止させた状態から、前面キャップ210の内面210A(
図13)を前面板部74に対向させて、前面板部74側から筒状部72を蓋する。これにより、前面キャップ210が、開口部73と、溝部74Kを蓋する。周キャップ220が、切り欠き部72K、排水穴部76、切り欠き部761を、筒状部72の周方向から蓋する。これにより、筒状部72内へ、異物や水滴が侵入することが防止される。したがって、防水キャップ装着時にはケース内部への異物の侵入を防止することができる。
【0060】
以上説明したように、本開示のコネクタユニット100は、排水穴部76に切り欠き部761を設けることにより、切り欠き部を設けない場合に比して、滞留する被水から生ずる液滴の直径を大きくして滴下しやすくできることから、機器の内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内に排水穴に内に入り込んだ水を積極的に排水させることができる。また、本開示のコネクタユニット100は、防水キャップ200を備えている。これにより、筒状部72内へ、異物や水滴が侵入することが防止される。したがって、防水キャップ装着時にはケース内部への異物の侵入を防止することができる。
【0061】
<第1の実施の形態の変形例>
図15は、第1の実施の形態の変形例に係る排水穴及び切り欠き部を説明するための図であり、
図15(a)は、
図11(a)において、排水穴部761と排水穴部762の近傍を示した模式図、
図15(b)~
図15(f)は、変形例に係る排水穴及び切り欠き部を
図15(a)と同様に示した模式図である。
図15では、排水穴と切り欠き部とを識別するために、切り欠き部の領域を点線模様を用いて示している。
図15における重力の方向(G)は、
図15を正面から見て、垂直手前方向であるとする。
【0062】
上述した筒状部72における排水穴の配列の方向は縦方向であってもよい。例えば、
図15(b)に示すように、筒状部72の右側側面に、排水穴部76
1が横長方向に設けられ、その下(即ち、縦方向)に、排水穴部76
1と所定の距離だけ離れた排水穴部76
2を横長方向に設け、その間に切り欠き部761を形成するようにしてもよい。排水穴の配列方向は問わないことは、設計の自由度が広がる利点がある。
【0063】
筒状部72に設ける排水穴の組数は、複数であってもよい。例えば、
図15(c)に示すように、互いが所定の距離だけ離れて設けられた排水穴を二組(排水穴部76
1-1,76
2-1、及び排水穴部76
1-2,76
2-2)設け、更に排水穴の組同士も所定の距離だけ離して設けるようにしてもよい。この場合、各排水穴の間に略十字状の穴形状761
2aを有した切り欠き部761
2を形成する。例えば、異物侵入対策を強化するために、上述の排水穴部76
1,76
2より小さな穴形状の排水穴しか設けられない場合も生じうる。この場合、
図15(c)のように排水穴の組数を複数設け、排水穴部76の数や、切り欠き部761の大きさを適宜調整することにより、
図15(a)と同等の排水効果を発揮しつつ、異物侵入対策をより強固に実施することが可能となる。
【0064】
切り欠き部は、排水穴毎に設けるようにしてもよい。具体的には、1つの排水穴において、貫通方向の途中から前記ケースの外側に至るまで、排水穴の穴形状の周の少なくとも半分と接しつつ、穴形状を拡げる穴形状を有するように形成してもよい。例えば、
図15(d)に示すように、円形の穴形状76gを有した排水穴部76
1-3を設けた場合、切り欠き部761
3は、排水穴部76
1-3の周の少なくとも半分に当たる端部76
3aと接しつつ、穴形状76gを拡げる穴形状761
3aを有するように形成する。切り欠き部761
3は、排水穴部76
1-3専用の切り欠き部であり、他の排水穴と共有することはない。したがって、
図15(d)は、
図15(a)に比して筒状部72を切り欠く方向や形の自由度が高くなり、設計の自由度が高くなる。
【0065】
図15(d)と比べて切り欠き部の大きさを広く確保できる場合には、
図15(e)のようにしてもよい。
図15(e)は、端部76
3aの長さを排水穴部76
1-3の周の半分以上確保する場合の他の例である。
図15(e)に示すように、切り欠き部761
4は、角丸四角形の穴形状76hを有する排水穴部76
1-4の周の大半である端部76
4a(角丸四角形の3辺と4つの角部)と接しつつ端部76
4bとは接しない。切り欠き部761
4は、角丸四角形の穴形状76hを拡げる穴形状761
4aを有する。
図15(e)の場合、排水穴部76
1-4は、その大半が切り欠き部761
4に包含されているが、排水穴部76
1-4において、端部76
4bを含んだ貫通方向の面は、面72Aから面72Bに至るまで連続した面を構成している。したがって、被水は、切り欠き部761
4での被水の滞留だけでなく、排水方向への流れも維持され、滴下効果が発揮される。
【0066】
切り欠き部は、角丸四角形の穴形状を有する場合には、少なくとも排水穴部76の周の一辺とその両端の角を包含して接するように形成してもよい。例えば、
図15(f)に示すように、切り欠き部761
5は、角丸四角形の穴形状76iを有する排水穴部76
1-5の長手方向の一辺と、その両端の角部を包含した端部76
5aと接する。切り欠き部761
5は、穴形状761
5aを有する。切り欠き部761
5が、穴形状761
5aと同等程度かそれ以上の大きさの穴形状を確保できる場合には、切り欠き部761
5は、排水穴部76
1-5の短手方向の一辺と、その両端の角部を包含した端部と接するように形成してもよい。穴形状は角丸四角形という条件が付くものの、切り欠き部が排水穴の周の少なくとも半分と接するという条件に縛られない点において、
図15(d)よりも設計の自由度が高い利点がある。
【0067】
上述した、第1の実施の形態及びその変形例に係る切り欠き部は、排水穴において、貫通方向(面72Aから面72Bの方向)の途中からケース70を構成する筒状部72の外側に至るまで、排水穴の穴形状の周における予め定めた範囲と接しつつ、その穴形状を拡げる穴形状を有している。換言すれば、切り欠き部は、排水穴において、貫通方向の途中からケース70の外側に至るまで、排水穴の穴形状の周における予め定めた範囲を切り欠いている。これにより、切り欠き部を設けない場合に比して、滞留する被水から生ずる液滴の直径を大きくして滴下しやすくできる。したがって、第1の実施の形態及びその変形例のいずれにおいても、機器の内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内に排水穴に内に入り込んだ水を積極的に排水させることができる。
【0068】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態は、切り欠き部を設けずに、排水穴の周の一部を、筒状部72の外側の面(面72B)から更に外側に張り出す突出部77を設けることにより、第1と同様の効果を得る構成としたものである。
【0069】
図16は、第2の実施の形態に係る排水穴及び切り欠き部を説明するための図である。
図16(a)は
図15(a)と同様の形式で示した模式図であり、
図16(b)は
図16(a)における排水穴部761,762を抽出した図であり、
図16(c)は
図16(a)のU-U断面図であり、
図16(d)は
図16(a)のV-V断面図である。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、一組の排水穴部76
1,76
2を有する。
【0070】
第2の実施の形態における筒状部72は、突出部77を有する。突出部77は、筒状部72外側の面(面72B)上に設けられ、排水穴部76
1,76
2の夫々の周の一部である三辺とその間の2つの角部(端部76
1b、76
2b)と連接しつつ、一組の排水穴部76
1,76
2を囲んで面72Bから更に外側方向に板厚tを有して突出している。突出の長さL3は上述の長さL2(
図12)の長さを参考に適宜調整する。
図16(b)では、端部76
1b、76
2bの範囲を明示すべく、排水穴部76
1,76
2を点線にて図示し、端部76
1b、76
2bを太線にて図示している。
【0071】
突出部77を設けることにより、排水穴部761,762が面72Bから更に外側へ延伸することになる。排水穴部761,762の延伸に伴い、穴形状7616aを有した空間である開口部7616が形成される。即ち、面72Aから面72Bまでは、穴形状761aと穴形状762aの2つの穴が形成されているが、面72Bから外側は、1つの穴形状(穴形状761a+穴形状7616a+穴形状762a)として形成されることとなる。視点を変えれば、開口部7616は、排水穴部761、762において、穴形状761a、穴形状762aの周における予め定めた範囲を切り欠いている、ともいえる。したがって、開口部7616は切り欠き部761と同等の機能を有することとなり、機器の内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内に排水穴に内に入り込んだ水を積極的に排水させることができる。
【0072】
<第2の実施の形態の変形例>
上述したように、開口部761
6は切り欠き部761と同等の機能を有する。したがって、
図15(a)~(c)において、切り欠き部を設ける代わりに、切り欠き部に相当する領域を、面72Bから更に外側に突出させた突出部を設けてもよい。例えば、
図15(b)に示した、排水穴部76
1と排水穴部76
2が設けられている場合、切り欠き部761を設ける代わりに、切り欠き部761に相当する領域を面72Bから更に外側に突出するように突出部として設けてもよい。また、
図15(c)に示した、排水穴部76
1-1,76
2-1、及び排水穴部76
1-2,76
2-2が設けられている場合、切り欠き部761
2を設ける代わりに、切り欠き部761
2に相当する領域を面72Bから更に外側に突出するように突出部として設けてもよい。
【0073】
突出部は、切り欠き部761と同様、排水穴毎に設けるようにしてもよい。したがって、
図15(d)~(f)において、切り欠き部を設ける代わりに、切り欠き部に相当する領域を、面72Bから更に外側に突出させた突出部を設けてもよい。例えば、
図15(d)に示した排水穴部76
1-3が設けられている場合、切り欠き部761
3を設ける代わりに、端部76
3aから所定の厚さ分(例えば厚さt)だけ確保した領域を面72Bから更に外側に突出するように突出部として設けてもよい。また、
図15(e)に示した排水穴部76
1-4が設けられている場合、切り欠き部761
4を設ける代わりに、端部76
4aから所定の厚さ分(例えば厚さt)だけ確保した領域を面72Bから更に外側に突出するように突出部として設けてもよい。
図15(f)に示した排水穴部76
1-5が設けられている場合、切り欠き部761
5を設ける代わりに、端部76
5aから所定の厚さ分(例えば厚さt)だけ確保した領域を面72Bから更に外側に突出するように突出部として設けてもよい。
【0074】
上述した、第2の実施の形態及びその変形例に係る突出部は、ケース70を構成する筒状部72の外側の面(面72B)に設けられ、排水穴の周における予め定めた範囲と接しつつ、筒状部72から貫通方向(面72Aから面72Bの方向)へ突出している。第2の実施の形態及びその変形例のいずれにおいても、機器の内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内に排水穴に内に入り込んだ水を積極的に排水させることができる。
【0075】
以上、第1の実施の形態とその変形例、及び第2の実施の形態とその変形例について説明したが、排水穴部76の穴形状は上述した形状に限定されず、他の穴形状であってもよい。例えば、排水穴部761,762,761-1,762-1,761-2,762-2,761-4,の穴形状は、角丸四辺形に限定されず、円形、長円形など他の穴形状であってもよい。排水穴部761-3の穴形状は、円形に限らず、角丸四角形、長円形など他の形状であってもよい。切り欠き部761は、筒状部72の底面に形成されている排水穴部765と766との間に設けてもよい。その他、本実施の形態で説明した、コネクタユニット100は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0076】
28 導水部材 30 プリント配線板
30A 上面 30a 第1の領域
30B 下面 30b 第2の領域
30c 境界 30c1 外周
31a スルーホール 31b~31d 貫通穴
31b1、31b2 端部 31bJ 軸
32、33 端部 35 プリント回路板
40 インタフェースコネクタ 41 シェル
41a、41b 端部 42 端子
43b~43d 凸部 50 電子部品
60 防水シール部材 60A~60D 押圧面
70 ケース 71、72 筒状部
71a~71d スライダ 71L 固着部
71L1,71L2 基台 71L3 連結台
71L4 突出部 71Ls 係合部
71Ls 係合部 72c 内周
72A、72B 面 72K 切り欠き部
72P 環状突起部 73 開口部
74 前面板部 74K 溝部
76 排水穴部
761a~765a 端部 761b、762b 端部
76a~76i 穴形状 761a 穴形状
7612a~7616a 穴形状 761 切り欠き部
7612~7615 切り欠き部 7616 開口部
77 突出部 80 後面カバー
91 後面コネクタ 91A ハウジング
91a 嵌合部 91b 基部
91c 端子圧入穴 92 端子
92a 突起 100 コネクタユニット
130 ポッティング樹脂 281 基部
281a、281b 面 282 脚部
282a、282b 面 283 補強部
200 防水キャップ 210 前面キャップ
210A 内面 210B 外面
220 周キャップ 220L リップ部
230 連結ベルト 240 固着部
240a 穴部
260 着脱補助部
D 直径 L1、L2 長さ
t 厚さ X 距離
【手続補正書】
【提出日】2024-11-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、本実施形態に係る第1の観点によるコネクタユニットは、内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、ケースの非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な第1開口部と、ケースの非防水領域側に設けられ、金属製部品の被水を排出するために、ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した排水穴部と、排水穴部を囲むケースの貫通方向の途中からケースの外側に至るまで、第1穴形状の周における予め定めた範囲を切り欠くことで、ケースの外側における第2開口部の穴形状の大きさを拡大するように切り欠いた切り欠き部と、ケースの外側から第1開口部と排水穴部と切り欠き部とを蓋可能に単一形成された防水キャップと、を有する。
第2の観点によるコネクタユニットは、第1の観点において、切り欠き部における、第1穴形状の周における予め定めた範囲とは、第1穴形状の周の少なくとも半分である。
第3の観点によるコネクタユニットは、第1の観点において、排水穴部における第1穴形状は、角丸四辺形であり、切り欠き部における、第1穴形状の周における予め定めた範囲とは、角丸四辺形の穴形状の少なくとも一辺とその両端の角である。
第4の観点によるコネクタユニットは、内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、ケースの非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な第1開口部と、ケースの非防水領域側に互いが所定の距離だけ離れて設けられ、金属製部品の被水を排出するために、夫々がケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した一組の排水穴部と、ケースの一組の排水穴部の間に設けられ、一組の排水穴部を囲むケースの貫通方向の途中からケースの外側に至るまで、排水穴部の夫々の周の一部と接しつつ、ケースの外側における第2開口部の穴形状の大きさを拡大するように切り欠いて1つの穴形状とする第2穴形状を有した切り欠き部と、ケースの外側から排水穴部と第1開口部と切り欠き部とを蓋可能な単一に形成された防水キャップと、有する。
第5の観点によるコネクタユニットは、内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、ケースの非防水領域側に互いが所定の距離だけ離れて設けられ、金属製部品の被水を排出するために、夫々がケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した一組の排水穴部と、
ケースの外側の面における一組の排水穴部を囲むように設けられ、排水穴部の夫々の周の一部と連接しつつ、ケースから突出することで、ケースの外側における開口部の穴形状の大きさを拡大するように突出する突出部と、ケースの外側から一組の排水穴部と突出部とを蓋可能な単一に形成された防水キャップとを有する。
第6の観点によるコネクタユニットは、第1、2、4、または5の観点のいずれかの観点によるコネクタユニットにおいて、排水穴の穴形状は、円形、長円形、または角丸四辺形のいずれかである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本開示の第1から第3の観点によるコネクタユニット、及び第6の観点おける第1から第2の観点に関係したコネクタユニットによれば、排水穴部を囲むケースの貫通方向の途中からケースの外側に至るまで、第1穴形状の周における予め定めた範囲を切り欠くことで、ケースの外側における第2開口部の穴形状の大きさを拡大するように切り欠いた切り欠き部を有する。この切り欠き部を設けることにより、切り欠き部を設けない場合に比して、滞留する被水から生ずる液滴の直径を大きくして滴下しやすくできることから、機器の内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内に排水穴に内に入り込んだ水を積極的に排水させることができる。また、本開示の第1から第3の観点によるコネクタユニット、及び第6の観点おける第1から第2の観点に関係したコネクタユニットによれば、ケースの外側から第1開口部と排水穴部と切り欠き部とを蓋可能に単一形成された防水キャップを備えている。これにより、防水キャップ装着時にはケース内部への異物の侵入を防止することができる。
本開示の第4の観点によるコネクタユニット、及び第6の観点おける第4の観点に関係したコネクタユニットによれば、ケースの一組の排水穴部の間に設けられ、一組の排水穴部を囲むケースの貫通方向の途中からケースの外側に至るまで、排水穴部の夫々の周の一部と接しつつ、ケースの外側における第2開口部の穴形状の大きさを拡大するように切り欠いて1つの穴形状とする第2穴形状を有した切り欠き部を有する。この切り欠き部を設けることにより、切り欠き部を設けない場合に比して、滞留する被水から生ずる液滴の直径を大きくして滴下しやすくできることから、機器の内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内に排水穴に内に入り込んだ水を積極的に排水させることができる。また、本開示の第4の観点によるコネクタユニット、及び第6の観点おける第4の観点に関係したコネクタユニットによれば、ケースの外側から排水穴部と第1開口部と切り欠き部とを蓋可能な単一に形成された防水キャップを備えている。これにより、防水キャップ装着時にはケース内部への異物の侵入を防止することができる。
本開示の第5の観点によるコネクタユニット、及び第6の観点おける第5の観点に関係したコネクタユニットによれば、ケースの外側の面における一組の排水穴部を囲むように設けられ、排水穴部の夫々の周の一部と連接しつつ、ケースから突出することで、ケースの外側における開口部の穴形状の大きさを拡大するように突出する突出部を有する。この突出部を設けることにより、突出部を設けない場合に比して、滞留する被水から生ずる液滴の直径を大きくして滴下しやすくできることから、機器の内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内に排水穴に内に入り込んだ水を積極的に排水させることができる。また、本開示の第5の観点によるコネクタユニット、及び第6の観点おける第5の観点に関係したコネクタユニットによれば、ケースの外側から一組の排水穴部と突出部とを蓋可能な単一に形成された防水キャップを備えている。これにより、防水キャップ装着時にはケース内部への異物の侵入を防止することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
【
図1】
図1は、本実施形態におけるコネクタユニットの一実施例を示した図である。
図1(a)は、斜視図であり、
図1(b)側面図であり、
図1(c)は正面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したコネクタユニット100に、
図1で非表示としていた防水キャップを表示した場合の一実施例を示した図である。
図2(a)は斜視図であり、
図2(b)は側面図であり、
図2(c)は正面図である。
【
図3】
図3は、コネクタユニット100の内部を説明するための図である。
図3(a)は背面図であり、
図3(b)は
図3(a)におけるF-F断面図である。
【
図4】
図4は、コネクタユニット100の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、コネクタユニット100の分解斜視図である。
【
図6】
図6はプリント回路板35を示した図である。
図6(a)は斜視図であり、
図6(b)は
図6(a)に示したプリント配線板30の側面図である。
【
図7】
図7は、防水シール部材60が一体形成されたプリント回路板35を示した図である。
図7(a)は斜視図である。
図7(b)は、
図6(a)に示した境界30cを含む面で切断した場合のインタフェースコネクタ40側から見た断面図である。
【
図8】
図8は後面カバー80を有する場合のコネクタユニットの一実施例を示した図である。
図8(a)は背面図であり、
図8(b)は、
図8(a)におけるG-G断面図である。
【
図9】
図9は、導水部材28を説明するための図である。
図9(a)は、
図1(c)におけるB-B断面図において筒状部72の第1の領域30aに相当する部分を示した図であり、
図9(b)は
図9(a)におけるH-H断面図であり、
図9(c)は
図9(b)を左上方向から見た斜視図である。
【
図11】
図11は、第1の実施の形態に係る排水穴部761、762及び切り欠き部761を説明するための模式図である。
図11(a)はコネクタユニット100の筒状部72に相当する領域の側面図、
図11(b)は
図11(a)のW-W断面図である。
【
図12】
図12は、切り欠き部761を設けることによる排水の影響の一例を示した模式図である。
図12(a)が切り欠き部761を設けない場合、
図12(b)が切り欠き部761を設けた場合である。
【
図13】
図13は、防水キャップ200の構造を示した図である。
図13(a)は周キャップ220側から見た斜視図であり、
図13(b)は周キャップ220側から見た背面図である。
【
図14】
図14は、防水キャップ200を装着したコネクタユニット100の筒状部72周辺を示した図である。
図14(a)は、
図3(b)に対して防水キャップ200を示した図であり、
図14(b)は、
図14(a)の領域
X’を拡大した図である。
【
図15】
図15は、第1の実施の形態の変形例に係る排水穴及び切り欠き部を説明するための図であり、
図15(a)は、
図11(a)において、排水穴部761と排水穴部762の近傍を示した模式図、
図15(b)~
図15(f)は、変形例に係る排水穴及び切り欠き部を
図15(a)と同様に示した模式図である。
【
図16】
図16は、第2の実施の形態に係る排水穴及び切り欠き部を説明するための図である。
図16(a)は
図15(a)と同様の形式で示した模式図であり、
図16(b)は
図16(a)における排水穴部761,762を抽出した図であり、
図16(c)は
図16(a)のU-U断面図であり、
図16(d)は
図16(a)のV-V断面図である。
【
図17】
図17は、従来技術のコネクタユニットの排水構造を有した図である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
(インタフェースコネクタ40)
プリント配線板30の上面30A上には、第1の領域30aの端部32側に、例えばスマートフォン等のコネクタと接続されるインタフェースコネクタ40が実装されている。インタフェースコネクタ40は電子部品の一種である。
図6に示すように、インタフェースコネクタ40は、端子42が金属製の非水密構造からなるシェル41で覆われており、ケース70(
図5)の前面板部74に設けられている開口部73を介してケース70の外側に臨むように位置されている。シェル41は、第1端部41aと第2端部41bとを有する。インタフェースコネクタ40は、底面の
第2端部41b側に2つの凸部43b(
図10に示した1つの凸部43bを参照)、シェル41の両側面には、
第1端部41a側から順に凸部43c、43d(
図6(a))を備えている。凸部43bは、プリント配線板30に設けられた貫通穴31b(
図10)に挿入されている。同様に、凸部43c,43dは、それぞれ貫通穴31c,31dに挿入されている。凸部43b、43c、43dが、貫通穴31b、31c、31dに挿入されることで、インタフェースコネクタ40がプリント配線板30上に位置決めされることとなる。貫通穴31b、31c、31dは、プリント配線板30の上面30Aと下面30Bとを貫通する穴であり、ここではノンスルーホールとして形成されている。本実施形態におけるインタフェースコネクタ40は、USB Type-Cコネクタである。但し、非水密構造を有するインタフェースコネクタであれば、インタフェースコネクタ40の種類は特に限定されない。例えば、USB Type-Aコネクタや、HDMI(登録商標)コネクタ等の他のインタフェースコネクタを用いてもよい。インタフェースコネクタ40は非水密構造を有していることから、開口部73を介してインタフェースコネクタ40が被水したとしても、少量の被水である限りにおいては、被水はインタフェースコネクタ40内には滞留せず、インタフェースコネクタ40の外側に排水されることとなる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
(防水キャップ200)
図13は、防水キャップ200の構造を示した図である。
図13(a)は周キャップ220側から見た斜視図であり、
図13(b)は周キャップ220側から見た背面図である。
図14は、防水キャップ200を装着したコネクタユニット100の筒状部72周辺を示した図である。
図14(a)は、
図3(b)に対して防水キャップ200を示した図であり、
図14(b)は、
図14(a)の領域
X’を拡大した図である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
突出部77を設けることにより、排水穴部761,762が面72Bから更に外側へ延伸することになる。排水穴部761,762の延伸に伴い、穴形状761aを有した空間である開口部7616が形成される。即ち、面72Aから面72Bまでは、穴形状76aと穴形状76bの2つの穴が形成されているが、面72Bから外側は、1つの穴形状(穴形状76a+穴形状761a+穴形状76b)として形成されることとなる。視点を変えれば、開口部7616は、排水穴部761、762において、穴形状76a、穴形状76bの周における予め定めた範囲を切り欠いている、ともいえる。したがって、開口部7616は切り欠き部761と同等の機能を有することとなり、機器の内部への異物侵入の虞を高めずに、機器内に排水穴に内に入り込んだ水を積極的に排水させることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
28 導水部材 30 プリント配線板
30A 上面 30a 第1の領域
30B 下面 30b 第2の領域
30c 境界 30c1 外周
31a スルーホール 31b~31d 貫通穴
31b1、31b2 端部
32、33 端部 35 プリント回路板
40 インタフェースコネクタ 41 シェル
41a 第1端部 41b 第2端部
42 端子
43b~43d 凸部 50 電子部品
60 防水シール部材 60A~60D 押圧面
70 ケース 71、72 筒状部
71a~71d スライダ 71L 固着部
71L1,71L2 基台 71L3 連結台
71L4 突出部 71Ls 係合部
71Ls 係合部 72c 内周
72A、72B 面 72K 切り欠き部
72P 環状突起部 73 開口部
74 前面板部 74K 溝部
76 排水穴部
761a~765a 端部 761b、762b 端部
76a~76i 穴形状 761a 穴形状
7612a~7616a 穴形状 761 切り欠き部
7612~7615 切り欠き部 7616 開口部
77 突出部 80 後面カバー
91 後面コネクタ 91A ハウジング
91a 嵌合部 91b 基部
91c 端子圧入穴 92 端子
92a 突起 100 コネクタユニット
130 ポッティング樹脂 281 基部
281a、281b 面 282 脚部
283 補強部
200 防水キャップ 210 前面キャップ
210A 内面
220 周キャップ 220L リップ部
230 連結ベルト 240 固着部
240a 穴部
260 着脱補助部
D 直径 L1、L2 長さ
t 厚さ X 距離
【手続補正8】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、
前記ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、
前記ケースの非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な第1開口部と、
前記ケースの非防水領域側に設けられ、前記金属製部品の被水を排出するために、前記ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した排水穴部と、
前記排水穴部を囲む前記ケースの貫通方向の途中からケースの外側に至るまで、前記第1穴形状の周における予め定めた範囲を切り欠くことで、前記ケースの外側における第2開口部の穴形状の大きさを拡大するように切り欠いた切り欠き部と、
前記ケースの外側から前記第1開口部と前記排水穴部と前記切り欠き部とを蓋可能に単一形成された防水キャップと、を有する、
コネクタユニット。
【請求項2】
前記切り欠き部における、前記第1穴形状の周における予め定めた範囲とは、前記第1穴形状の周の少なくとも半分である、
請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項3】
前記排水穴部における前記第1穴形状は、角丸四辺形であり、
前記切り欠き部における、前記第1穴形状の周における予め定めた範囲とは、前記角丸四辺形の穴形状の少なくとも一辺とその両端の角である、
請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項4】
内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、
前記ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、
前記ケースの非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な第1開口部と、
前記ケースの前記非防水領域側に互いが所定の距離だけ離れて設けられ、前記金属製部品の被水を排出するために、夫々が前記ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した一組の排水穴部と、
前記ケースの前記一組の排水穴部の間に設けられ、前記一組の排水穴部を囲む前記ケースの貫通方向の途中から前記ケースの外側に至るまで、前記排水穴部の夫々の周の一部と接しつつ、前記ケースの外側における第2開口部の穴形状の大きさを拡大するように切り欠いて1つの穴形状とする第2穴形状を有した切り欠き部と、
前記ケースの外側から前記排水穴部と前記第1開口部と前記切り欠き部とを蓋可能な単一に形成された防水キャップと、有する、
コネクタユニット。
【請求項5】
内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、
前記ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、
前記ケースの前記非防水領域側に互いが所定の距離だけ離れて設けられ、前記金属製部品の被水を排出するために、夫々が前記ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した一組の排水穴部と、
前記ケースの外側の面における前記一組の排水穴部を囲むように設けられ、前記排水穴部の夫々の周の一部と連接しつつ、前記ケースから突出することで、前記ケースの外側における開口部の穴形状の大きさを拡大するように突出する突出部と、
前記ケースの外側から前記一組の排水穴部と前記突出部とを蓋可能な単一に形成された防水キャップとを有する、
コネクタユニット。
【請求項6】
前記排水穴部の穴形状は、円形、長円形、または角丸四辺形のいずれかである、
請求項1、2、4、または5のいずれかに記載のコネクタユニット。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2025-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、
前記ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、
前記ケースの非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な第1開口部と、
前記ケースの非防水領域側に設けられ、前記金属製部品の被水を排出するために、前記ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した排水穴部と、
前記排水穴部を囲む前記ケースの貫通方向の途中からケースの外側に至るまで、前記第1穴形状の周における予め定めた範囲を切り欠くことで、前記ケースの外側における第2開口部の穴形状の大きさを拡大するように切り欠いた切り欠き部と、
前記ケースの外側から前記第1開口部と前記排水穴部と前記切り欠き部とを蓋可能に単一形成された防水キャップと、を有する、
コネクタユニット。
【請求項2】
前記切り欠き部における、前記第1穴形状の周における予め定めた範囲とは、前記第1穴形状の周の少なくとも半分である、
請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項3】
前記排水穴部における前記第1穴形状は、角丸四辺形であり、
前記切り欠き部における、前記第1穴形状の周における予め定めた範囲とは、前記角丸四辺形の穴形状の少なくとも一辺とその両端の角である、
請求項1に記載のコネクタユニット。
【請求項4】
内部が防水領域と、非防水領域とに区分けされたケースと、
前記ケースの非防水領域内に実装された金属製部品と、
前記ケースの非防水領域側に設けられ、相手側コネクタが挿抜可能な第1開口部と、
前記ケースの前記非防水領域側に互いが所定の距離だけ離れて設けられ、前記金属製部品の被水を排出するために、夫々が前記ケースの内側から外側へ貫通する第1穴形状を有した一組の排水穴部と、
前記ケースの前記一組の排水穴部の間に設けられ、前記一組の排水穴部を囲む前記ケースの貫通方向の途中から前記ケースの外側に至るまで、前記排水穴部の夫々の周の一部と接しつつ、前記ケースの外側における第2開口部の穴形状の大きさを拡大するように切り欠いて1つの穴形状とする第2穴形状を有した切り欠き部と、
前記ケースの外側から前記排水穴部と前記第1開口部と前記切り欠き部とを蓋可能な単一に形成された防水キャップと、有する、
コネクタユニット。