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  • 特開-紫外線ライト 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007164
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】紫外線ライト
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/08 20060101AFI20250109BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20250109BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20250109BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250109BHJP
【FI】
G02B5/08 A
F21L4/00 411
F21V7/28 210
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108380
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000179373
【氏名又は名称】山田電器工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大田 益夫
【テーマコード(参考)】
2H042
【Fターム(参考)】
2H042DA02
2H042DA11
2H042DA17
2H042DA21
2H042DB02
2H042DE04
(57)【要約】
【課題】紫外線を照射するライトにおいて、LED(光源)周囲に設けられた反射部を構成する樹脂が、紫外線により劣化するのを抑制する。
【解決手段】紫外線を照射するLED2と、LED2の周囲に設けられ、LED2から照射された紫外線が前方に向かうように、該紫外線を反射する反射部3とを備える、紫外線ライト1であって、反射部3は、樹脂層5と、樹脂層5の表面に積層された、紫外線をカットするアンダーコート層6と、アンダーコート層6の表面に積層された、アルミ層7と、アルミ層7の表面に積層された、アルミ層7の酸化を抑制し、かつ紫外線を透過させるトップコート層8とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線を照射する光源と、
前記光源の周囲に設けられ、前記光源から照射された紫外線が前方に向かうように、該紫外線を反射する反射部とを備える、紫外線ライトであって、
前記反射部は、
樹脂層と、
前記樹脂層の表面に積層された、紫外線をカットするアンダーコート層と、
前記アンダーコート層の表面に積層された、アルミ層と、
前記アルミ層の表面に積層された、前記アルミ層の酸化を抑制し、かつ紫外線を透過させるトップコート層と
を有する、紫外線ライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線ライトに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、紫外線を含む光を照射する少なくとも1つのLED(光源)を備える紫外線ライトが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3148028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂は、成型により形状を自由に設計できるので、紫外線ライトの外装だけでなく、紫外線光源の周囲の部材も、樹脂により形成されている場合が多い。しかし、紫外線光源の近くに樹脂部材があると、樹脂部材が紫外線により劣化することが問題となる。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、紫外線を照射するライトにおいて、光源周囲に設けられた反射部を構成する樹脂が、紫外線により劣化するのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、紫外線を照射する光源と、前記光源の周囲に設けられ、前記光源から照射された紫外線が前方に向かうように、該紫外線を反射する反射部とを備える、紫外線ライトに関する。前記反射部は、樹脂層と、前記樹脂層の表面に積層された、紫外線をカットするアンダーコート層と、前記アンダーコート層の表面に積層された、アルミ層と、前記アルミ層の表面に積層された、前記アルミ層の酸化を抑制し、かつ紫外線を透過させるトップコート層とを有する。
【0007】
この第1の発明では、反射部がアルミ層を有するので、光源から照射され反射部に到達する紫外線の多くは、アルミ層により反射されて前方へ向かう。反射部は、アルミ層の裏側に、紫外線をカットするアンダーコート層を有するので、アルミ層により反射されずにアルミ層の裏側に抜ける紫外線は、アンダーコート層によりカットされ、反射部の樹脂層の紫外線による劣化を抑制できる。さらに、反射部は、アルミ層の表面に積層されたトップコート層により、アルミ層の酸化が抑制される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によると、光源周囲に設けられた反射部を構成する樹脂が、紫外線により劣化するのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る紫外線ライトを示す斜視図である。
図2図1のII-II断面図である。
図3図2の破線で囲む部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物又はその用途を制限することを意図しない。
【0011】
(実施形態)
図1~2は本発明の実施形態に係る紫外線ライト1を示す。この紫外線ライト1は、用途は限定されないが、例えば、紫外線(UV)照射により魚に寄生しているアニサキス照らし出して視認しやすくすることができるので、アニサキス検出用のライトとして使用できる。
【0012】
紫外線ライト1は、図2に示すように、紫外線を照射する光源としてのLED2と、LED2の周囲に設けられた、紫外線を反射する反射部3と、LED2及び反射部3の前方に設けられたレンズ4とを備える。LED2から照射された紫外線は、主に前方(レンズ4側)に進むが、一部は周囲の反射部3の方向にも進む。反射部3の方向に進んだ紫外線は、反射部3により反射され、前方に向かって進む。
【0013】
なお、紫外線ライト1は、図示しないが、電池と、電池の起電力によるLED2の紫外線照射をオン/オフするスイッチとを備える。
【0014】
図3は、反射部3の表面付近の拡大図である。反射部3は、表面部分を除く大部分が、樹脂層5により構成されている。具体的には、反射部3は、樹脂層5と、樹脂層5の表面に積層されたアンダーコート層6と、アンダーコート層6の表面に積層されたアルミ層7と、アルミ層7の表面に積層されたトップコート層8とを有する。
【0015】
樹脂層5は、紫外線により劣化しにくくなるという観点から、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系等の耐UV剤を含有しているか、又はUV透過性であることが好ましい。UV透過性の樹脂層5の材質としては、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)が挙げられる。
【0016】
アンダーコート層6は、紫外線をカットする材質により構成されており、厚さは、例えば3μm以上40μm以下である。アンダーコート層6が、紫外線を「カットする」とは、紫外線が裏側(樹脂層5)に抜けないように、紫外線を吸収すること、又は紫外線を反射することを意味する。紫外線を吸収するアンダーコート層6は、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の高分子紫外線吸収剤を含有する塗料を樹脂層5に塗布することで得られる。
【0017】
アルミ層7は、樹脂層5に対して真空蒸着めっきされることにより積層されている。アルミ層7の厚さは、例えば30nm以上60nm以下である。
【0018】
トップコート層8は、アルミ層の酸化を抑制し、かつ紫外線を透過させる材質であって、例えばナイロン等で構成されている。
【0019】
(作用・効果)
本実施形態では、反射部3がアルミ層7を有するので、LED2から照射され反射部3に到達する紫外線の多く(例えば反射部3に到達する全紫外線量の約90%)は、アルミ層7により反射されて前方へ向かう(図3の実線の矢印を参照)。反射部3は、アルミ層7の裏側に、紫外線をカットするアンダーコート層6を有するので、アルミ層7により反射されずにアルミ層7の裏側に抜ける紫外線(図3の破線の矢印を参照)は、アンダーコート層6によりカットされ、反射部3の樹脂層5の紫外線による劣化を抑制できる。
【0020】
さらに、反射部3は、アルミ層7の表面に積層されたトップコート層8により、アルミ層7の酸化が抑制される。トップコート層8は、紫外線を透過させるので、トップコート層8によりライト前方へ照射される紫外線量が減衰しにくい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、紫外線ライトとして有用である。
【符号の説明】
【0022】
1 紫外線ライト
2 LED(光源)
3 反射部
4 レンズ
5 樹脂層
6 アンダーコート層
7 アルミ層
8 トップコート層
図1
図2
図3