(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007166
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20250109BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q30/06
B65G61/00 416
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108385
(22)【出願日】2023-06-30
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究等の成果に係る特許出願(令和4年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業/商品情報データベース構築のための研究開発/決済・在庫管理、商品把持・配置業務の自動化推進に向けた商品画像データベース構築のための基盤技術開発・社会実装推進研究、産業技術力強化法第17条第1項の適用を受けるもの)
(71)【出願人】
【識別番号】313005318
【氏名又は名称】パナソニックコネクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 浩章
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】商品の期限の管理を適切に行うことができる。
【解決手段】情報処理装置は、店舗の商品に設定された期限に関する期限情報を取得する受信部と、期限情報に基づいて、店舗において顧客が購入可能な第1の状態で保管されている商品の期限と、店舗において前記顧客が購入可能ではない第2の状態で保管されている商品の期限とを区別して管理する制御部と、を備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の商品に設定された期限に関する期限情報を取得する受信部と、
前記期限情報に基づいて、前記店舗において顧客が購入可能な第1の状態で保管されている商品の前記期限と、前記店舗において前記顧客が購入可能ではない第2の状態で保管されている商品の前記期限とを区別して管理する制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記商品の状態が前記第1の状態になる段階と、前記商品の状態が前記第2の状態から前記第1の状態になる段階と、前記商品が前記店舗から消失した段階とにおいて、前記期限情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記店舗の店員への指示を示す指示情報を前記店員が所有する端末に送信する送信部を備え、
前記制御部は、前記第1の状態で保管されている前記商品の前記期限と、前記第2の状態で保管されている前記商品の前記期限との少なくとも一方に基づいて、前記店員への前記指示を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記店員が前記商品の状態を前記第2の状態から前記第1の状態にする段階において取得した前記期限情報が示す前記商品の前記期限が、前記第2の状態で保管されている前記商品の前記期限よりも新しい場合、前記店員へ、前記第1の状態にする前記商品の変更を指示する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記商品が購入された段階において取得した前記期限情報が示す前記商品の前記期限が、前記第1の状態又は前記第2の状態で保管されている前記商品の前記期限よりも新しい場合、前記店員へ、前記第1の状態の前記商品の並びの確認を指示する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記商品が購入された段階において取得した前記期限情報が示す前記商品の前記期限が、前記第1の状態又は前記第2の状態で保管されている前記商品の前記期限よりも新しい場合、前記店員へ、前記第1の状態の前記商品を、前記第2の状態に変更することを指示する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受信部は、前記店舗の店員が所有する端末から、前記端末のモードが、前記商品の状態が前記第1の状態になる段階の第1のモードと、前記商品を前記第2の状態から前記第1の状態にする段階の第2のモードとの何れかであることを示す情報と、前記期限情報とを取得し、
前記制御部は、前記モードに応じて、前記期限情報の処理を切り替える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が、
店舗の商品に設定された期限に関する期限情報を取得し、
前記期限情報に基づいて、前記店舗において顧客が購入可能な第1の状態で保管されている商品の前記期限と、前記店舗において前記顧客が購入可能ではない第2の状態で保管されている商品の前記期限とを区別して管理する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの店舗にて販売される商品には、賞味期限、又は、消費期限といった期限が設けられる。店舗では、店員が、店舗内の商品の期限に応じて、商品の補充、販売等を行う。このような商品の期限を管理するシステムが検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、RFIDタグと無線通信を行うことによってRFIDタグの位置を測定することが可能なタグ通信装置から、RFIDタグに対応付けられている管理対象物品の属性情報、および管理対象物品の位置情報を受信する通信処理部と、属性情報および位置情報に基づいて、管理対象物品の載置位置が適切であるか否かを判定する載置位置判定部と、載置位置判定部によって載置位置が適切でないと判定された管理対象物品が存在した場合に、管理対象物品に関する情報を利用者に通知する制御を行う載置位置指示部とを備える情報処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、陳列されている商品の載置を管理することが記載されているが、陳列されていない商品を含む店舗の商品の期限の管理としては十分ではないため、店舗の商品の期限を管理する店員の作業量が増加してしまう。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、商品の期限の管理を適切に行うことができる情報処理装置、及び、情報処理方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る情報処理装置は、店舗の商品に設定された期限に関する期限情報を取得する受信部と、前記期限情報に基づいて、前記店舗において顧客が購入可能な第1の状態で保管されている商品の前記期限と、前記店舗において前記顧客が購入可能ではない第2の状態で保管されている商品の前記期限とを区別して管理する制御部と、を備える。
【0008】
本開示の一実施例に係る情報処理方法は、情報処理装置が、店舗の商品に設定された期限に関する期限情報を取得し、前記期限情報に基づいて、前記店舗において顧客が購入可能な第1の状態で保管されている商品の前記期限と、前記店舗において前記顧客が購入可能ではない第2の状態で保管されている商品の前記期限とを区別して管理する。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施例によれば、商品の期限の管理を適切に行うことができる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施の形態に係る管理システムの一例を示す図
【
図2】一実施の形態における通知情報のフォーマットの第1の例を示す図
【
図3】商品の賞味期限情報データベースの例を示す図
【
図4】一実施の形態における通知情報のフォーマットの第2の例を示す図
【
図5】商品の消費/賞味期限情報データベースの例を示す図
【
図6】一実施の形態における指示情報のフォーマットの例を示す図
【
図7】指示情報を受信した端末の表示の一例を示す図
【
図8】一実施の形態における通知情報のフォーマットの第3の例を示す図
【
図9】一実施の形態に係る端末の処理の流れの例を示すフローチャート
【
図10】一実施の形態に係る情報処理装置の処理の流れの例を示すフローチャート
【
図12】一実施の形態に係る情報処理装置の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
(一実施の形態)
スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの店舗では、多くの商品が販売されている。本実施の形態に係る管理システムは、店舗の商品の賞味期限等の期限を管理し、店員に対して、作業を指示するシステムである。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る管理システムの一例を示す図である。
図1には、商品が店舗に運搬されてから販売されるまでの商品の流れが示される。また、
図1には、複数の端末10と、情報処理装置20とが示される。
【0016】
端末10は、店舗の店員によって所有され、店員によって使用される。また、一部の端末10は、店舗の店員が使用する代わりに、顧客が購入を希望する商品を入れるカート等に搭載される。カート等に搭載される端末10は、商品の決済を行う場合等に顧客によって使用される。端末10は、スマートフォン、タブレット等であってもよい。なお、以下では、端末10にカメラが搭載される例を示すが、カメラを搭載しない端末10が、端末10とは別に設けられたカメラに接続してもよい。
【0017】
情報処理装置20は、例えば、店舗の店員が待機する待機場所(例えば、スタッフルーム)に設けられてもよいし、店舗外に設けられてもよい。情報処理装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ又はサーバ装置であってよい。
【0018】
端末10は、直接、情報処理装置20と無線接続されてもよいし、店舗内に設けられた基地局又はアクセスポイント(
図1では省略)を介して、情報処理装置20と接続してもよい。あるいは、端末10は、店舗内に設けられた基地局又はアクセスポイント(
図1では省略)、及び、ネットワークを介して、情報処理装置20と接続してもよい。
【0019】
商品が店舗に運搬されてから販売されるまでの流れには、商品が店舗に運搬され、店舗の倉庫に入庫された段階と、倉庫に入庫された商品が店舗の陳列棚に補充される段階と、陳列棚に陳列された商品を顧客が購入する段階とが含まれる。店舗の倉庫に入庫された段階と、商品が店舗の陳列棚に補充される段階と、陳列棚に陳列された商品が顧客によって購入される段階とは、それぞれ、
図1の「商品入庫段階」と、「商品補充段階」と、「決済段階」とに対応する。
【0020】
例えば、店員は、端末10を操作して、各段階において、商品の賞味期限に関する情報(以下、賞味期限情報)の検出及び通知を行う。例えば、端末10は、端末10に搭載されたカメラが撮影した商品の画像(以下、商品画像)を取得し、商品画像に基づいて、賞味期限情報を検出する。例示的に、端末10は、取得した商品画像の分析を行い、商品画像のОCR(Optical Character Recognition)処理により商品画像に含まれるテキストデータを取得し、取得したテキストデータに含まれる商品の賞味期限情報を検出する。端末10は、検出した賞味期限情報を含む通知情報を情報処理装置20へ送信する。
【0021】
なお、賞味期限情報を他の手順で取得してもよい。例えば、商品の賞味期限情報が予めサーバ等が保持するデータベースに保持されている場合、店員は、(例えば、端末10に搭載される)バーコードリーダ等の読み取り装置を操作し、読み取り装置が商品を識別する情報を商品に付されたバーコード等から読み取り、データベースに保持されたその商品に対応する賞味期限情報を取得してもよい。そして、端末10が、取得した賞味期限情報を含む通知情報を情報処理装置20へ送信してもよい。
【0022】
情報処理装置20は、端末10から、通知情報を取得する。情報処理装置20は、端末10から取得した通知情報に含まれる賞味期限情報に基づいて、倉庫に保管されている商品の賞味期限情報と、陳列棚に陳列されている商品の賞味期限情報とを区別して管理する。
【0023】
以下では、「商品入庫段階」と、「商品補充段階」と、「決済段階」とのそれぞれの賞味期限情報の検出の処理の例を説明する。
【0024】
<商品入庫段階>
商品は、製造工場等から店舗に運搬され、運搬された商品は、店舗の倉庫に入庫され、保管される。商品入庫段階では、店員は、入庫された商品を端末10のカメラに翳して賞味期限情報を検出する作業を行う。端末10は、商品画像を取得し、賞味期限情報を検出する。検出された賞味期限情報は、端末10から情報処理装置20へ送信される。そして、店員は、賞味期限情報が検出された商品を倉庫の所定の位置に保管する。この検出によって、倉庫に入庫された商品が、賞味期限毎に管理される。例えば、賞味期限がいつまでの商品が、倉庫に何個入庫されたかが、管理される。なお、以下では、倉庫に保管されている商品は、倉庫の商品と記載される場合がある。倉庫の商品は、陳列されていない商品、顧客が購入可能ではない商品、または、顧客が購入可能ではない状態で保管されている商品に対応してもよい。倉庫の商品の数は、倉庫に入庫された商品の総数から陳列棚に補充された商品の総数を差し引いた数であってよい。
【0025】
なお、商品入庫段階においては、端末10が賞味期限情報を情報処理装置20へ送信する方法とは別の方法によって、情報処理装置20が賞味期限情報を取得してもよい。例えば、製造工場等から運搬される段階で、運搬される商品の賞味期限情報が、製造工場のサーバ等から情報処理装置20へ送信されてもよい。商品毎に賞味期限情報の取得方法が異なってもよい。
【0026】
<商品補充段階>
陳列棚に陳列されている商品が無くなった場合又は減った場合、店員は、倉庫の商品を取り出し、陳列棚に商品を補充する。商品補充段階では、店員は、補充する商品を端末10のカメラに翳すことによって、賞味期限情報を検出する作業を行う。端末10は、商品画像を取得し、賞味期限情報を検出する。検出された賞味期限情報は、端末10から情報装置20へ送信される。そして、店員は、賞味期限情報が検出された商品を、陳列棚の所定の位置に補充する。この検出によって、陳列棚に補充された商品が、賞味期限毎に管理される。例えば、賞味期限がいつまでの商品が陳列棚に何個補充されたかが、管理される。なお、以下では、陳列棚に陳列されている商品は、陳列棚の商品と記載される。陳列棚の商品は、陳列されている商品、陳列状態にある商品、顧客が購入可能な商品、または、顧客が購入可能な状態で保管されている商品に対応してもよい。また、以下では、倉庫の商品と陳列棚の商品とを合わせて、店舗内の商品と記載される。陳列棚の商品の数は、陳列棚に補充された商品の総数から、販売された商品の総数(顧客によって購入された商品の総数)を差し引いた数であってよい。
【0027】
なお、本実施の形態における商品の補充は、これまで陳列棚に陳列されていた商品の減った分の補充に限られず、これまで陳列棚に陳列されていなかった商品(例えば、新製品等)を新たに陳列するための補充を含む。
【0028】
<決済段階>
顧客は、商品が陳列されている陳列棚から、購入を希望する商品を取り出し、カート等に入れる。そして、顧客は、カート等に入れた商品を購入する場合に、当該商品の決済を行う。決済段階では、購入される商品がカメラに翳されて、賞味期限情報が検出される。検出された賞味期限情報は、端末10から情報装置20へ送信される。この検出によって、購入された商品が、賞味期限毎に管理される。例えば、賞味期限がいつまでの商品が何個購入されたかが、管理される。
【0029】
なお、決済方法によって賞味期限情報の検出方法が異なってもよい。決済方法には、例えば、店員が、レジスターを操作して、顧客が購入を希望する商品の決済を行うレジ決済の方法と、顧客が、カートに搭載された端末10を使用して、商品の決済を行う自動決済の方法とが含まれる。自動決済では、例えば、カートに搭載された端末10のカメラが、商品画像を撮影し、端末10が、撮影された商品画像の画像識別処理等によって、カートに入れられた商品が何であるかを識別し、識別した商品の決済を行う。
【0030】
レジ決済の場合、店員が、店員が所有する端末10を操作して賞味期限情報を検出する作業を行う。例えば、店員は、購入される商品を端末10のカメラに翳すことによって、賞味期限情報を検出する作業を行う。
【0031】
自動決済の場合、カートに搭載された端末10のカメラが撮影した商品画像に基づいて、賞味期限情報が検出される。
【0032】
なお、決済段階では、商品が購入されることによって、商品が店舗から無くなるため、決済段階は、商品が店舗から消失した段階の一例である。なお、商品が店舗から消失した段階には、例えば、賞味期限等が所定日を超えた商品が廃棄された段階、破損等により商品が廃棄された段階等が含まれてよい。なお、商品が廃棄される段階においても、店員は、端末10を操作して、廃棄される商品の賞味期限情報を検出し、情報処理装置20へ送信する作業を行った後で、商品を廃棄する。なお、この場合、賞味期限情報が廃棄する商品の賞味期限であることが明示されて、情報処理装置20へ送信されてもよい。
【0033】
上述したように、それぞれの段階で、端末10が、商品の賞味期限情報を検出し、情報処理装置20へ送信する。なお、商品入庫段階において賞味期限情報の検出等を行う端末10と、商品補充段階において賞味期限情報の検出等を行う端末10と、決済段階において賞味期限情報の検出等を行う端末10とは、それぞれ、「商品入庫段階の端末10」と、「商品補充段階の端末10」と、「決済段階の端末10」と記載される場合がある。
【0034】
それぞれの段階で検出された商品の賞味期限情報を取得した情報処理装置20は、それぞれの商品について、倉庫の商品の賞味期限情報と、陳列棚の商品の賞味期限情報とを管理する。例えば、情報処理装置20では、倉庫の商品が、賞味期限毎に管理される。例えば、賞味期限がいつまでの商品が、倉庫に何個残っているかが、管理される。また、情報処理装置20では、陳列棚に陳列されている商品が、賞味期限毎に管理される。例えば、賞味期限がいつまでの商品が陳列棚に何個陳列されているかが、管理される。
【0035】
<通知情報の例>
次に、端末10が、情報処理装置20に送信する通知情報のフォーマットの一例を説明する。
【0036】
図2は、本実施の形態における通知情報のフォーマットの第1の例を示す図である。
図2に示すフォーマットには、「端末ID」フィールドと、「識別情報」フィールドと、「商品ID」フィールドと、「賞味期限情報」フィールドと、「個数情報」フィールドとが含まれる。
【0037】
端末ID(identification)フィールドには、端末10を識別する識別情報(以下、端末ID)が含まれる。なお、通知情報を送信した端末10が、顧客によって使用される端末10であるか、店員によって使用される端末10であるかは、端末IDによって識別されてよい。つまり、端末IDは、少なくとも、通知情報を送信した端末10が、顧客によって使用される端末10であるか、店員によって使用される端末10であるかを示す。また、端末IDは、通知情報を送信した端末10が、商品入庫段階の端末10であるか、商品補充段階の端末10であるか、決済段階の賞味期限情報を検出した端末10であるか、を示してもよい。
【0038】
識別情報フィールドには、当該フィールドの後に、他のフィールド(例えば、賞味期限情報フィールドまたは商品IDフィールド)が存在するか否かを示す情報が含まれる。例えば、他のフィールドが後続に存在しない場合、識別情報フィールドには、「00」が設定され、商品IDフィールドが後続に存在する場合、識別情報フィールドには、「10」が設定され、賞味期限情報フィールドが後続に存在する場合、識別情報フィールドには、「11」が設定される。
【0039】
賞味期限情報フィールドと、個数情報フィールドとは、1対1で互いに対応付けられる。1対1で互いに対応付けられる賞味期限情報フィールドと、個数情報フィールドとは、纏めて、賞味期限情報フィールド群と称される。
【0040】
1つの商品IDフィールドには、1つ以上の賞味期限情報フィールド群が対応付けられてもよい。1つの商品IDフィールドと、1つの商品IDフィールドに対応付けられる1つ以上の賞味期限情報フィールド群とは、纏めて、商品IDフィールド群と称される。1つの商品IDフィールド群に含まれる賞味期限情報フィールド群の数は、商品IDフィールド群の商品IDフィールドが示す商品の賞味期限のパターンの数に対応する。例えば、通知情報によって通知される、或る商品Aの賞味期限が、7月1日、7月15日、及び、7月29日の3パターンである場合、商品Aの商品IDフィールド群の賞味期限情報フィールド群の数は、3であってよい。
【0041】
なお、複数の商品の賞味期限情報が送信される場合、通知情報には、商品の数に対応する数の商品IDフィールド群が含まれる。
【0042】
商品IDフィールドには、商品を識別する識別情報(以下、商品ID)が含まれる。
【0043】
賞味期限情報フィールドには、賞味期限情報フィールドに対応づけられる商品IDフィールドが示す商品の賞味期限を示す情報(例えば、日付)が含まれる。なお、1つの商品IDフィールドが示す商品の賞味期限が複数パターン存在する場合、複数の賞味期限情報フィールドが、1つの商品IDフィールド群の中に含まれる。
【0044】
個数情報フィールドには、個数情報フィールドに対応付けられる賞味期限情報フィールドが示す賞味期限の商品の数が含まれる。
【0045】
通知情報に含まれる賞味期限情報がどの段階で検出された情報であるかが、端末IDによって特定されてもよい。例えば、顧客によって使用される端末10を示す端末IDを含む通知情報は、顧客によって購入される商品の賞味期限情報を含む。また、店員によって使用される端末10を示す端末IDを含む通知情報は、陳列棚に補充される商品の賞味期限情報、または、倉庫に入庫された商品の賞味期限情報を含む。
【0046】
商品入庫段階の端末10を示す端末IDを含む通知情報は、倉庫に入庫された商品の賞味期限情報を含む。商品補充段階の端末10を示す端末IDを含む通知情報は、陳列棚に補充される商品の賞味期限情報を含む。決済段階の端末10を示す端末IDを含む通知情報は、購入される商品の賞味期限情報を含む。
【0047】
端末10は、商品画像を取得し、商品画像の分析を行い、商品画像に含まれる商品が何であるかを特定する。端末10は、商品画像のOCR処理により、商品画像に含まれる商品の賞味期限情報を検出する。端末10は、特定した商品に対応する商品IDと、検出した賞味期限情報とを含む通知情報を、
図2に示すフォーマットに基づいて生成し、通知情報を情報処理装置20へ送信する。
【0048】
例えば、賞味期限が7月1日である商品Aがα個入庫された場合、商品入庫段階の端末10は、当該商品の商品画像に含まれる商品が商品Aであることを特定し、商品画像に含まれるY個の商品Aのそれぞれの賞味期限が7月1日であることを示す賞味期限情報を検出する。そして、端末10は、賞味期限が7月1日である商品Aがα個であることを示す情報を含む通知情報を情報処理装置20へ送信する。なお、賞味期限が7月1日である商品Aがα個であることを示す情報を含む通知情報には、商品Aであることを示すIDが設定された商品IDフィールドと、賞味期限が7月1日であることを示す情報が設定された賞味期限情報フィールドと、α個であることを示す情報が設定された個数情報フィールドとが互いに対応付けられて含まれる。
【0049】
例えば、賞味期限が7月1日である商品Aがβ個補充される場合、商品補充段階の端末10は、当該商品の商品画像に含まれる商品が商品Aであることを特定し、商品画像に含まれるβ個の商品Aのそれぞれの賞味期限が7月1日であることを示す賞味期限情報を検出する。そして、端末10は、商品Aであることを示す商品IDと、賞味期限が7月1日であることを示す賞味期限情報と、賞味期限が7月1日である商品Aがβ個であることを示す個数情報とを含む通知情報を情報処理装置20へ送信する。
【0050】
例えば、賞味期限が7月1日である商品Aがγ個購入される場合、決済段階の端末10は、当該商品の商品画像に含まれる商品が商品Aであることを特定し、商品画像に含まれるγ個の商品Aのそれぞれの賞味期限が7月1日であることを示す賞味期限情報を検出する。そして、端末10は、商品Aであることを示す商品IDと、賞味期限が7月1日であることを示す賞味期限情報と、賞味期限が7月1日である商品Aがγ個であることを示す個数情報とを含む通知情報を情報処理装置20へ送信する。
【0051】
情報処理装置20は、端末10から取得した通知情報に含まれる賞味期限情報に基づいて、倉庫の商品の賞味期限情報と、陳列棚の商品の賞味期限情報とを区別して管理する。次に、情報処理装置20において管理されている賞味期限情報の例を説明する。なお、情報処理装置20において管理されている賞味期限情報は、データベースの形式で管理されてもよい。以下、情報処理装置20において管理されている賞味期限情報は、「賞味期限情報データベース」と記載される。なお、情報の管理は、情報の蓄積、保持、記憶、収集といった用語に置き換えられてもよい。
【0052】
<賞味期限情報の管理の例>
図3は、商品の賞味期限情報データベースの例を示す図である。
図3には、商品Aの賞味期限情報のデータベース(DB)が示される。なお、
図3では、商品の個数が、商品及び賞味期限毎に管理される。なお、個数は0以上であってよい。
【0053】
図3に示す例では、商品の賞味期限毎に、倉庫に入庫された商品の数(以下、入庫数)と、陳列された商品の数(以下、陳列数)と、購入された商品の数(以下、売上数)と、現時点で倉庫に保管されている商品の数(以下、倉庫の商品数)と、現時点で陳列棚に保管されている商品の数(以下、陳列棚の商品数)が示される。なお、入庫数、売上数、陳列数は、累積された数である。例えば、同じ賞味期限の同じ商品が、3回に分けて陳列される場合、陳列数は、3回の合計の数である。
【0054】
図3に示す例には、賞味期限が7月1日である商品Aが、L
in個入庫され、L
out個陳列され、L
sell個販売されたことを示す。また、
図3に示す例では、賞味期限が7月1日である商品Aが、L
keep個倉庫に保管されていること、及び、L
on個陳列棚に保管されていることが示される。L
keepは、L
keep=L
in-L
outと表され、L
onは、L
on=L
out-L
sellと表される。
【0055】
情報処理装置20は、
図3に示すようなDBを管理し、端末10から取得する通知情報に基づいて、DBの更新を行う。
【0056】
例えば、情報処理装置20が、賞味期限が7月1日である商品Aがα個であることを示す情報を含む通知情報を、商品入庫段階の端末10から取得した場合、
図3において、情報処理装置20は、賞味期限が7月1日である商品Aの入庫数を、L
in個からL
in+α個に更新する。この更新によって、賞味期限が7月1日である商品Aの倉庫の商品数はα個増加する。一方で、賞味期限が7月1日である商品Aの陳列棚の商品数は変わらない。
【0057】
例えば、情報処理装置20が、賞味期限が7月1日である商品Aがβ個であることを示す情報を含む通知情報を、商品補充段階の端末10から取得した場合、
図3において、情報処理装置20は、賞味期限が7月1日である商品Aの陳列数を、L
out個からL
out+β個に更新する。この更新によって、賞味期限が7月1日である商品Aの倉庫の商品数はβ個減少する。また、この更新によって、賞味期限が7月1日である商品Aの陳列棚の商品数はβ個増加する。
【0058】
例えば、情報処理装置20が、賞味期限が7月1日である商品Aがγ個であることを示す情報を含む通知情報を、決済段階の端末10から取得した場合、
図3において、情報処理装置20は、賞味期限が7月1日である商品Aの売上数を、L
sell個からL
sell+γ個に更新する。この更新によって、賞味期限が7月1日である商品Aの陳列棚の商品数はγ個減少する。一方で、賞味期限が7月1日である商品Aの倉庫の商品数は変わらない。
【0059】
なお、
図3のDBでは、入庫数、売上数、及び、陳列数が含まれるが、入庫数、売上数、及び、陳列数の少なくとも1つは、DBに含まれなくてもよい。入庫数、売上数、及び、陳列数が含まれる代わりに、倉庫に保管されている商品の数(倉庫の商品数)と、陳列棚に保管されている商品の数(陳列棚の商品数)とが、通知情報に基づいて更新され、管理されればよい。
【0060】
なお、
図3のDBに、商品が廃棄された数が含まれてもよい。例えば、倉庫の商品を廃棄する場合、廃棄された数を倉庫の商品数から減算することによって、倉庫の商品数が更新される。また、例えば、陳列棚の商品を廃棄する場合、廃棄された数を陳列棚の商品数から減算することによって、倉庫の商品数が更新される。
【0061】
以上説明したように、情報処理装置20は、
図3に示す例のように、商品の賞味期限毎に、倉庫に保管されている商品の数(倉庫の商品数)と、陳列棚に保管されている商品の数(陳列棚の商品数)とを区別して管理する。これにより、どの賞味期限の商品が何個倉庫に保管され、どの賞味期限の商品が何個陳列棚に保管されているかが管理できるため、商品の期限の管理を適切に行うことができる。また、商品の期限の管理を適切に行うことができるため、店舗の商品の期限を管理する店員の作業量を低減できる。例えば、商品の期限の情報を、店員が手入力することを回避できるため、店員の作業の工程の数を削減できる。
【0062】
どの賞味期限の商品が何個倉庫に保管され、どの賞味期限の商品が何個陳列棚に保管されているかが管理できるため、在庫の管理を適切に行うことができ、商品の期限切れ等による廃棄する量を削減でき、商品の無駄をなくすことができる。
【0063】
なお、商品によっては、賞味期限ではなく、消費期限が設定されている場合がある。上述した例において、商品に応じて、賞味期限が、消費期限に置き換えられてもよい。また、賞味期限と消費期限とが混在してもよい。以下では、バリエーションとして、賞味期限と消費期限とが混在している例を説明する。
【0064】
<バリエーション:賞味期限と消費期限との混在>
本実施の形態のバリエーションでは、賞味期限と消費期限とが混在してもよい例を説明する。
【0065】
<バリエーションの通知情報の例>
上述したバリエーションの端末10が、情報処理装置20に送信する通知情報のフォーマットの一例を説明する。
【0066】
図4は、本実施の形態における通知情報のフォーマットの第2の例を示す図である。
図4に示すフォーマットは、
図2に示したフォーマットの「賞味期限情報」フィールドが、「消費/賞味期限情報」フィールドに置き換わったフォーマットである。
図4において、
図2と同様のフィールドについては説明を省略する。
【0067】
消費/賞味期限情報フィールドには、消費/賞味期限情報フィールドに対応づけられる商品IDフィールドが示す商品の消費期限又は賞味期限を示す情報(例えば、日付)が含まれる。例えば、消費/賞味期限情報フィールドの最上位ビットは、当該フィールドの情報が、消費期限情報であるか、賞味期限情報であるかを示す。そして、残りのビットが、消費期限又は賞味期限となる日付を示す。なお、1つの商品IDフィールドが示す商品の賞味期限が複数存在する場合、複数の賞味期限情報フィールドが、1つの商品IDフィールド群の中に含まれる。
【0068】
<消費/賞味期限情報の管理の例>
図5は、商品の消費/賞味期限情報データベースの例を示す図である。
図5には、商品Aの賞味期限情報のデータベースと、商品Bの消費期限情報のデータベースとが示される。
【0069】
なお、
図5の商品Aの賞味期限情報のデータベースは、
図3の商品Aの賞味期限情報のデータベースと同様であるので、説明を省略する。また、商品Bの消費期限情報のデータベースは、商品Aの賞味期限情報のデータベースにおける賞味期限が、消費期限に置き換わっている点を除いて、商品Aの賞味期限情報のデータベースと同様であるので、説明を省略する。
【0070】
なお、
図5では、入庫数、売上数、陳列数が示されるが、入庫数、売上数、陳列数は、リストに含まれなくてもよい。
【0071】
情報処理装置20は、
図5に示す例のように、商品の賞味期限毎、及び、商品の消費期限毎に、倉庫に保管されている商品の数(倉庫の商品数)と、陳列棚に保管されている商品の数(陳列棚の商品数)とを区別して管理する。これにより、どの賞味期限の商品が何個倉庫に保管され、どの賞味期限の商品が何個陳列棚に保管されているか、及び、どの消費期限の商品が何個倉庫に保管され、どの消費期限の商品が何個陳列棚に保管されているかが管理できるため、商品の期限の管理を適切に行うことができる。また、商品の期限の管理を適切に行うことができるため、店舗の商品の期限を管理する店員の作業量を低減できる。例えば、商品の期限の情報を、店員が手入力することを回避できるため、店員の作業の工程の数を削減できる。
【0072】
どの賞味期限の商品が何個倉庫に保管され、どの賞味期限の商品が何個陳列棚に保管されているかが管理できるため、在庫の管理を適切に行うことができ、商品の期限切れ等による廃棄する量を削減でき、商品の無駄をなくすことができる。
【0073】
<情報処理装置20からの指示の例>
なお、情報処理装置20は、管理している賞味期限情報に基づいて、店員に商品の管理に関する指示を行ってもよい。以下、指示を行う3つのケースを説明する。なお、本開示において、賞味期限情報に基づく指示は、下記の3つのケースに限定されない。
【0074】
<ケース1>
例えば、店員が商品の補充を行う段階において、倉庫の商品の中で、賞味期限が最も古い商品の補充を行わない場合、情報処理装置20は、店員に対して、最も古い商品の補充を行う旨、指示してもよい。このような場合の具体例としては、倉庫の商品の中で、最も古い商品ではない商品の補充を行おうとしている場合が挙げられる。
【0075】
例えば、情報処理装置20は、補充段階の端末10が送信した通知情報から、補充される商品Aの賞味期限情報を取得する。情報処理装置20は、取得した賞味期限情報に基づいて、商品Aの賞味期限情報データベースを更新する。そして、情報処理装置20は、更新後の倉庫の商品Aの賞味期限情報が示す商品Aの賞味期限の中から最も古い賞味期限を決定し、決定した賞味期限が、通知情報から取得した賞味期限情報が示す商品Aの賞味期限よりも古い場合、賞味期限が最も古い商品Aの補充が行われていない、と判定する。この判定の場合、情報処理装置20は、店員に対して、最も古い商品Aの補充を行う旨、指示する。なお、この場合、補充のやり直しとなるため、取得した商品Aの賞味期限情報に基づく、商品Aの賞味期限情報データベースの更新は元に戻されてよい。
【0076】
<ケース2>
例えば、店員が商品の補充を行う段階において、倉庫の商品の中で、賞味期限が古い方から順に商品の補充を行っていない場合、情報処理装置20は、店員に対して、賞味期限が古い方から順に商品の補充を行う旨、指示してもよい。このような場合の具体例としては、補充しようとする商品の賞味期限よりも古い賞味期限の商品が倉庫に保管されて残っている場合が挙げられる。
【0077】
例えば、情報処理装置20は、補充段階の端末10が送信した通知情報から、補充される商品Aの賞味期限情報を取得する。情報処理装置20は、取得した賞味期限情報に基づいて、商品Aの賞味期限情報データベースを更新する。情報処理装置20は、通知情報から取得した賞味期限情報が示す商品Aの賞味期限が、更新後の倉庫の商品Aの賞味期限情報が示す商品Aの賞味期限よりも新しい場合、補充しようとする商品Aよりも古い賞味期限が倉庫に残されているため、賞味期限の古い方から順に商品Aの補充が行われていない、と判定する。この判定の場合、情報処理装置20は、店員に対して、補充する商品を変更する旨、指示する。なお、この場合、補充のやり直しとなるため、取得した商品Aの賞味期限情報に基づく、商品Aの賞味期限情報データベースの更新は元に戻されてよい。
【0078】
<ケース3>
例えば、商品の決済が行われる段階において、店舗内の商品(例えば、販売可能な商品)の中で、賞味期限が最も古い商品ではない商品が購入された場合、情報処理装置20は、店員に対して、賞味期限が最も古い商品の陳列の確認を指示してもよい。
【0079】
例えば、情報処理装置20は、決済段階の端末10が送信した通知情報から、購入される商品Aの賞味期限情報を取得する。情報処理装置20は、取得した賞味期限情報に基づいて、商品Aの賞味期限情報データベースを更新する。そして、情報処理装置20は、更新後の店舗内の商品Aの賞味期限情報が示す商品Aの賞味期限の中から最も古い賞味期限を決定する。情報処理装置20は、決定した賞味期限が、通知情報から取得した賞味期限情報が示す商品Aの賞味期限よりも古い場合、賞味期限が最も古い商品ではない商品が購入された、と判定する。この場合に、情報処理装置20は、店員に対して、賞味期限が最も古い商品の陳列の確認を指示してもよい。
【0080】
例えば、商品の決済が行われる段階において、店舗内の商品の中で、賞味期限が最も古い商品ではない商品が購入された場合、情報処理装置20は、店員に対して、賞味期限が最も古い商品ではない商品を倉庫に戻すことを指示してもよい。また、情報処理装置20は、店員に対して、賞味期限が古い商品が棚の前面に配置されるように、商品の位置を調整することを指示してもよい。情報処理装置20は、所定の方法に基づいて、店員に対する指示を選択してもよい。例えば、情報処理装置20は、陳列棚に保管されている該当の商品の数が所定数以上である場合、賞味期限が最も古い商品ではない商品の少なくとも一部を倉庫に戻す指示を行い、陳列棚に保管されている該当の商品の数が所定数未満である場合、賞味期限が古い商品が棚の前面に配置されるように、商品の位置を調整することを指示する。また、情報処理装置20は、店員に対して、賞味期限が最も古い商品ではない商品が購入されたことを通知し、該当の商品についての対応を店員に判断させてもよい。
【0081】
例えば、情報処理装置20は、決済段階の端末10が送信した通知情報から、購入される商品Aの賞味期限情報を取得する。情報処理装置20は、取得した賞味期限情報に基づいて、商品Aの賞味期限情報データベースを更新する。そして、情報処理装置20は、更新後の店舗内の商品Aの賞味期限情報が示す商品Aの賞味期限の中から最も古い賞味期限を決定する。情報処理装置20は、決定した賞味期限が、通知情報から取得した賞味期限情報が示す商品Aの賞味期限よりも古い場合、賞味期限が最も古い商品ではない商品が購入された、と判定する。この場合に、情報処理装置20は、店員に対して、賞味期限が最も古い商品ではない商品を倉庫に戻すことを指示してもよい。
【0082】
<情報処理装置20が送信する指示情報の例>
情報処理装置20が、店員へ指示を行う場合に、店員の端末10へ送信する指示情報のフォーマットの一例を説明する。
【0083】
図6は、本実施の形態における指示情報のフォーマットの例を示す図である。
図6に示すフォーマットには、「端末ID」フィールドと、「識別情報」フィールドと、「商品ID」フィールドと、「店員指示」フィールドとが含まれる。
【0084】
端末IDフィールドには、指示対象の端末10を識別する端末IDが含まれる。なお、指示情報を受信する端末10は、店員によって使用される端末10である。
【0085】
識別情報フィールドには、当該フィールドの後に、他のフィールド(例えば、商品IDフィールド)が存在するか否かを示す情報が含まれる。例えば、他のフィールドが後続に存在しない場合、識別情報フィールドには、「0」が設定され、商品IDフィールドが後続に存在する場合、識別情報フィールドには、「1」が設定される。
【0086】
1つの店員指示フィールドは、1つの商品IDフィールドと対応付けられる。1つの店員指示フィールドと、1つの店員指示フィールドに対応づけられる1つの商品IDフィールドとは、纏めて、指示フィールド群と称される。指示フィールド群の数は、指示の数に対応する。
【0087】
商品IDフィールドには、商品を識別する識別情報(以下、商品ID)が含まれる。
【0088】
店員指示フィールドには、店員指示フィールドに対応づけられる商品IDフィールドが示す商品に関連する店員への指示内容が含まれる。店員指示フィールドに対応づけられる商品IDフィールドが示す商品は、指示対象商品と記載される。
【0089】
例えば、店員指示フィールドには、最も古い賞味期限の指示対象商品の陳列を指示する情報、指示対象商品の陳列の確認を指示する情報、最も古い賞味期限ではない賞味期限の指示対象商品を倉庫に戻すことを指示する情報等が含まれる。
【0090】
情報処理装置20は、端末10から取得した賞味期限情報に基づいて、商品の賞味期限情報データベースを更新し、更新後の店舗内の商品の賞味期限情報が示す賞味期限と、通知情報から取得した賞味期限情報が示す賞味期限とを比較して、店員に対する指示を決定する。そして、情報処理装置20は、決定した指示を含む指示情報を店員の端末10へ送信する。
【0091】
指示情報を受信した端末10は、指示情報に基づいた表示を行う。以下では、指示情報に基づいて、端末10がメッセージを表示する場合の表示の例を説明する。
【0092】
<指示情報を受信した端末10の表示例>
図7は、指示情報を受信した端末10の表示の一例を示す図である。
図7には、3つの指示のパターンに対する表示パターンが示される。
【0093】
表示パターン1は、賞味期限が最も古い商品A(賞味期限が7月1日の商品A)を補充していない場合に、賞味期限が最も古い商品Aを補充する指示が表示される例である。
【0094】
表示パターン2は、賞味期限が最も古いものではない商品Aが販売された場合に、賞味期限が最も古い商品Aの陳列を確認する指示が表示される例である。
【0095】
表示パターン3は、賞味期限が最も古いものではない商品Aが販売された場合に、賞味期限が最も古いものではない商品Aを倉庫に戻す指示が表示される例である。表示パターン3は、商品Aが賞味期限の古い順に陳列されているが、賞味期限が最も古いものではない商品Aが販売された場合に、用いられる。
【0096】
<端末10のバリエーション>
決済段階の端末10と、商品補充段階の端末10と、商品入庫段階の端末10とは、互いに区別されてよい。この場合、例えば、商品補充段階の端末10は、商品入庫段階及び決済段階における動作を行わない。また、決済段階の端末10は、商品補充段階及び商品入庫段階における動作を行わない。なお、各段階における動作とは、例えば、各段階での賞味期限情報の検出、及び、賞味期限情報を含む通知情報の送信の動作を含む。
【0097】
また、決済段階の端末10と、商品補充段階の端末10と、商品入庫段階の端末10との少なくとも2つが、互いに兼用であってもよい。例えば、端末10は、決済段階における動作を行うモード(以下、決済モード)と、商品補充段階における動作を行うモード(以下、商品補充モード)と、商品入庫段階における動作を行うモード(以下、商品入庫モード)と、の少なくとも2つのモードを有し、端末10において、モードが切り替えられてもよい。なお、モードの切り替えは、モードの選択、または、モードの設定と記載されてもよい。
【0098】
モードの切り替えは、端末10を使用する店員によって行われてもよい。例えば、端末10が起動された場合に、端末10の表示部が、3つのモードのどのモードで動作するかを選択する選択画面を表示してもよい。店員は、表示された選択画面において、端末10のモードを選択してもよい。
【0099】
また、店員が、端末10のモードを切り替えることを要求する場合、端末10の表示部は、要求に応じて、3つのモードのどのモードで動作するかを選択する選択画面を表示してもよい。例えば、店員の作業を、商品の補充作業からレジでの決済に係る作業へ変える場合に、店員が、端末10を操作して、商品補充モードを選択する。
【0100】
例えば、端末10が、商品補充モードと商品入庫モードとを有し、店員が商品の補充作業を行う場合に、店員が端末10のモードを商品補充モードに設定し、店員が商品の入庫時の作業(例えば、商品を倉庫へ移動する作業)を行う場合に、店員が端末10のモードを商品入庫モードに設定してもよい。
【0101】
端末10が、複数のモードを有して、相互に切り替え可能であることによって、端末10を所有する店員は、作業の切り替えをスムーズに行うことができる。また、各モードの端末を別々に用意する必要がないため、商品管理作業のための設備投資にかかるコストを減らすことができる。
【0102】
<複数のモードを有する端末10の通知情報の例>
上述した複数のモードを有し、モードの切り替えが行われる端末10が、情報処理装置20に送信する通知情報のフォーマットの一例を説明する。
【0103】
図8は、本実施の形態における通知情報のフォーマットの第3の例を示す図である。
図8に示すフォーマットは、
図2に示したフォーマットに、「モード情報」フィールドと、「保管場所情報」フィールドとが追加される。
図8において、
図2と同様のフィールドについては説明を省略する。
【0104】
モード情報フィールドには、端末10のモードを示す情報が含まれる。例えば、端末10が決済モードである場合には、モード情報フィールドには、「01」が設定され、端末10が商品補充モードである場合には、モード情報フィールドには、「10」が設定され、端末10が商品入庫モードである場合には、モード情報フィールドには、「11」が設定される。
【0105】
保管場所情報フィールドには、通知情報に含まれる商品IDの商品を保管する場所が、倉庫であるか、陳列棚であるかを示す情報が含まれる。例えば、商品を保管する場所が、倉庫である場合、保管場所情報フィールドには、「0」が設定され、商品を保管する場所が、陳列棚である場合、保管場所情報フィールドには、「1」が設定される。
【0106】
<その他のバリエーション>
レジ決済の決済段階においては、レジが混雑している場合には、端末10が賞味期限情報を検出しなくてもよい。例えば、複数の面を撮影することが要求される商品では、端末10の撮影に時間を要してしまい、決済に時間がかかる可能性がある。そのため、レジが混雑している場合には、端末10が賞味期限情報を検出しなくてもよい。なお、複数の面を撮影することが要求される商品とは、例えば、画像の特徴が相対的に少ない面に賞味期限が記載されている商品、パッケージの形状、色の特徴が少ない商品、賞味期限の記載が読み取りづらい商品等である。
【0107】
なお、上述した実施の形態では、端末10が賞味期限情報を検出する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、端末10は、情報処理装置20へ商品画像を送信し、情報処理装置20が、商品画像に基づいて、賞味期限情報を検出してもよい。なお、端末10は、情報処理装置20と異なる外部の装置へ商品画像を送信し、商品画像を受信した外部の装置が、商品画像に基づいて、賞味期限情報を検出し、情報処理装置20は、検出された賞味期限情報を外部の装置から取得してもよい。
【0108】
なお、上述した実施の形態では、賞味期限情報と消費期限情報との少なくとも一方が通知される例を示したが、本開示はこれに限定されない。商品の製造年月日(または、製造日時)が通知されてもよい。例えば、
図4に示した賞味/消費期限情報フィールドのビット数を1ビット拡張し、賞味期限情報と消費期限情報と製造年月日情報とが分類されて通知されてもよい。例えば、賞味/消費期限情報フィールドの上位の2ビットが「00」に設定される場合、3ビット目以降が賞味期限を示す。賞味/消費期限情報フィールドの上位の2ビットが「01」に設定される場合、賞味/消費期限情報フィールドの3ビット目以降が消費期限を示す。賞味/消費期限情報フィールドの上位の2ビットが「10」に設定される場合、賞味/消費期限情報フィールドの3ビット目以降が製造年月日を示す。なお、製造年月日情報と賞味期限情報又は消費期限情報との両方が、通知されてもよい。この場合、
図2又は
図4に示したフォーマットに、製造年月日情報を含むフィールドが追加されてもよい。また、店舗では、食料品以外にも、例えば医薬品など、使用期限がある商品が販売されていることがある。この場合、賞味/消費期限情報の代わりに、使用期限が通知されてもよい。この場合における賞味/消費期限情報フィールドの上位の2ビットの設定値は、該当商品の性質などによって、どの値を設定するかが適時選択されてもよい。例えば、医薬品の場合、使用期限切れの医薬品を使用すると、副作用が発生することが懸念されるため、消費期限の場合と同一の値である「01」に設定されてもよい。
【0109】
なお、商品の中には、賞味期限、消費期限、製造年月日等の記載の方法が、他の商品と異なる商品がある。例えば、海外で製造され、輸入された商品の「年」、「月」、「日」の記載順、「年」の桁数等の記載の方法が、国内で製造された商品の記載の方法と異なる場合がある。このような場合、端末10(又は情報処理装置20)は、商品毎に記載の方法を対応づけて保持してよい。この場合、端末10は、商品画像の画像識別処理によって商品を特定し、特定した商品に対応づけられる記載の方法と商品画像のOCRの処理を施した結果とに基づいて、賞味期限情報、消費期限情報、製造年月日情報等を検出する。
【0110】
情報処理装置20は、賞味期限情報と、賞味期限情報が示す賞味期限までの残り日数との相対関係に基づいて、店員への指示を決定する。例えば、情報処理装置20は、賞味期限までの残り日数が所定の日数以下になった場合に、当該商品の価格を下げる作業(例えば、商品の割引を行うことを示すシールを貼る作業、商品の割引を行うことを示す表示を電子棚札などに行う作業)を店員へ指示する、と決定する。なお、商品の価格を下げる作業の指示のタイミングは、店舗の状況に応じて調整されてもよい。例えば、店舗が混雑し、商品が多く売れる状況においては、商品の価格を下げる作業の指示が保留されてもよい。例示的には、商品が食料品である場合、食事の時間帯には、食料品が多く売れるため、食料品の価格を下げる作業は、食事の時間帯を避けた時間に指示されてよい。
【0111】
端末10は、賞味期限情報を検出できなかった場合、端末10は検出できなかったことを示すアラームを出力してもよい。例えば、アラームの出力は、警告のメッセージの表示、及び、警告音の出力等の少なくとも1つによって行われる。また、情報処理装置20が、賞味期限情報を含む通知情報が通知されなかった場合、端末10にアラームを出力させる応答信号を送信してもよい。また、端末10は、商品補充段階(及び/又は、商品入庫段階)において、アラームを出力し、決済段階においては、アラームを出力しなくてもよい。決済段階において、アラームを出力しないことによって、決済に係る時間を低減でき、顧客へ迷惑をかけてしまうことを回避できる。
【0112】
また、上述した実施の形態では、情報処理装置20が、或る商品の賞味期限の中で最も古い賞味期限に着目して、各処理(例えば、店員への指示)を行う例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、或る商品の2番目以降に古い賞味期限、賞味期限の平均値等、賞味期限に関する他の情報に基づいて各処理が行われてもよい。また、賞味期限に関するどのような情報を用いるかは、店員の業務の状況及び/又は管理者の指示によって変更可能としてもよい。例えば、陳列棚に陳列されている多数の商品の中で1つの商品の賞味期限のみが突出して古い場合、最も賞味期限に着目すると商品の入れ替え等が店員に指示されることになる。しかしながら、この場合、突出して古い賞味期限の商品を除いた、陳列棚に陳列されている商品のほとんどは、賞味期限の相対的に新しい商品であるため、商品の入れ替え等を行わなくとも大勢に影響はない。そのため、情報処理装置20が、最も古い賞味期限に基づく判断により、商品の入れ替え等の作業を店員に指示した場合、店員の作業量が過剰なものとなる。このような場合、最も古い賞味期限を使用するのではなく、賞味期限に関する他の情報を使用するように、判断の方法を切り替えることによって、店舗全体の運営を効率化できることが期待できる。なお、説明の簡略化のため、後述する処理の流れにおいても、最も古い賞味期限に着目した例を説明するが、賞味期限に関する他の情報を使用してもよいことは同様である。
【0113】
<処理の流れ>
次に、端末10及び情報処理装置20のそれぞれの処理の流れの一例を説明する。なお、以下の処理の流れは、一例であり本開示はこれに限定されない。以下に説明する処理の流れの一部の処理が実行されなくてもよいし、以下に説明する処理の流れに含まれない処理が追加されてもよいし、処理の順番が、以下の説明と異なってもよい。
【0114】
図9は、本実施の形態に係る端末10の処理の流れの例を示すフローチャートである。
図9に示すフローチャートは、店員によって使用される端末10の処理の流れを示す。
図9に示すフローチャートは、例えば、端末10の電源がオンになった場合に開始され、端末10の電源がオフになった場合に終了されてもよい。あるいは、
図12に示すフローチャートは、端末10を所有する店員が勤務を開始する旨を端末10に入力した場合に開始され、当該店員が勤務を終了する旨を端末10に入力した場合に終了してもよい。
【0115】
端末10は、情報処理装置20から指示情報を受信したか否かを判定する(S101)。
【0116】
指示情報を受信していない場合(S101にてNO)、フローはS103へ移行する。
【0117】
指示情報を受信した場合(S101にてYES)、端末10は、店員への指示を示す情報を表示する(S102)。
【0118】
端末10は、端末10のモードが商品補充モード又は商品入庫モードであるか否かを判定する(S103)。例えば、端末10は、店員の操作により設定されたモードに基づいて、この判定を行う。
【0119】
端末10のモードが商品補充モード又は商品入庫モードでない場合(S103にてNO)、例えば、端末10が、店員によって商品補充段階及び商品入庫段階とは異なる作業のためのモードである場合、フローは、S101へ戻る。
【0120】
端末10のモードが商品補充モード又は商品入庫モードである場合(S103にてYES)、端末10は、商品画像を取得し、画像識別を行い、商品画像の商品が何であるかを特定する(S104)。なお、商品が複数存在する場合、それぞれの商品の画像識別が行われる。
【0121】
端末10は、商品画像にOCR処理を施し、賞味期限情報を検出する(S105)。なお、商品が複数存在する場合、それぞれの商品の賞味期限情報が検出される。
【0122】
端末10は、情報処理装置20へ送信する通知情報を生成し、情報処理装置20へ通知情報を送信する(S106)。通知情報には、特定された商品を示す商品IDと、当該商品の賞味期限を示す賞味期限情報が含まれる。そして、フローは、S101へ戻る。
【0123】
なお、
図9では、端末10のモードが商品補充モード又は商品入庫モードである例を示すが、端末10のモードが決済モードである場合、
図9のS101~S103が省略され、S104~S107の処理が行われてよい。
【0124】
図10は、本実施の形態に係る情報処理装置20の処理の流れの例を示すフローチャートである。
図10に示すフローチャートは、例えば、情報処理装置20の電源がオンになった場合に開始され、電源がオフになった場合に終了されてもよい。あるいは、
図10に示すフローチャートは、例えば、端末10の電源がオンになった場合に開始され、端末10の電源がオフになった場合に終了されてもよい。あるいは、
図10に示すフローチャートは、端末10を所有する店員が勤務を開始する旨を端末10に入力した場合に開始され、当該店員が勤務を終了する旨を端末10に入力した場合に終了してもよい。
【0125】
情報処理装置20は、端末10から通知情報を受信したか否かを判定する(S201)。
【0126】
端末10から通知情報を受信していない場合(S201にてNO)、フローはS201へ戻る。
【0127】
端末10から通知情報を受信した場合(S201にてYES)、情報処理装置20は、通知情報の送信元の端末10のモードが決済モードであるか否かを判定する(S202)。
【0128】
端末10のモードが決済モードである場合(S202にてYES)、情報処理装置20は、通知情報に含まれる賞味期限情報に基づいて、陳列棚の商品の情報(例えば、データベースの陳列棚の商品の数の情報)を更新する(S203)。
【0129】
情報処理装置20は、賞味期限が最も古い商品が販売されたか否かを判定する(S204)。
【0130】
賞味期限が最も古い商品が販売された場合(S204にてYES)、フローはS201へ戻る。ここで、賞味期限が最も古い商品が販売された場合とは、或る商品について、通知情報に含まれる賞味期限情報が示す賞味期限よりも古い賞味期限の商品が、倉庫及び陳列棚に存在しない場合であってよい。
【0131】
賞味期限が最も古い商品が販売されていない場合(S204にてNO)、情報処理装置20は、賞味期限が最も古い商品が販売されていない場合の作業を指示する指示情報を生成し、端末10へ送信する(S205)。そして、フローはS201へ戻る。なお、ここで、賞味期限が最も古い商品が販売されていない場合とは、或る商品について、通知情報に含まれる賞味期限情報が示す賞味期限よりも古い賞味期限の商品が、倉庫及び/又は陳列棚に存在する場合であってよい。また、ここで、賞味期限が最も古い商品が販売されていない場合の作業とは、例えば、当該商品の陳列順を確認する作業、及び/又は、当該商品の陳列順を賞味期限が古い順番に並べ替える作業であってよい。あるいは、当該商品の中で、賞味期限が最も古いもの以外の商品を倉庫に戻す作業であってよい。
【0132】
端末10のモードが決済モードではない場合(S202にてNO)、情報処理装置20は、通知情報の送信元の端末10のモードが商品入庫モードであるか否かを判定する(S206)。
【0133】
端末10のモードが商品入庫モードである場合(S206にてYES)、情報処理装置20は、通知情報に含まれる賞味期限情報に基づいて、倉庫の商品の情報(例えば、データベースの倉庫の数の情報)を更新する(S207)。そして、フローはS201へ戻る。
【0134】
端末10のモードが商品入庫モードではない場合(S206にてNO)、例えば、端末10のモードが商品補充モードである場合、情報処理装置20は、賞味期限が最も古い商品を補充するか否かを判定する(S208)。
【0135】
賞味期限が最も古い商品が補充される場合(S208にてYES)、情報処理装置20は、通知情報に含まれる賞味期限情報に基づいて、陳列棚の商品の情報(例えば、商品の数の情報)と倉庫の商品の情報(例えば、倉庫の数の情報)とを更新する(S209)。そして、フローはS201へ戻る。ここで、賞味期限が最も古い商品が補充される場合とは、或る商品について、通知情報に含まれる賞味期限情報が示す賞味期限よりも古い賞味期限の商品が、倉庫に存在しない場合であってよい。
【0136】
賞味期限が最も古い商品が補充されない場合(S208にてNO)、情報処理装置20は、賞味期限が最も古い商品が補充されない場合の作業を指示する指示情報を生成し、端末10へ送信する(S210)。そして、フローはS201へ戻る。なお、ここで、賞味期限が最も古い商品が補充されない場合とは、或る商品について、通知情報に含まれる賞味期限情報が示す賞味期限よりも古い賞味期限の商品が、倉庫に存在する場合であってよい。また、ここで、賞味期限が最も古い商品が補充されない場合の作業とは、例えば、補充する商品を賞味期限が最も古い商品に変更する作業であってよい。そして、フローはS201へ戻る。
【0137】
<装置構成の例>
次に、端末10及び情報処理装置20のそれぞれの装置構成の例を説明する。なお、以下の装置構成は、一例であり本開示はこれに限定されない。以下に説明する装置構成の一部の構成が省略されてもよいし、以下に説明する装置構成に含まれない構成が追加されてもよい。
【0138】
図11は、本実施の形態に係る端末10の構成例を示す図である。
図11に示す端末10は、記憶部101と、画像分析部102と、賞味期限情報検出部103と、通知情報生成部104と、送信部105と、受信部106と、指示情報分析部107と、表示制御部108と、表示部109とを有する。画像分析部102と、賞味期限情報検出部103と、通知情報生成部104と、指示情報分析部107と、表示制御部108との1つ以上は、まとめて、制御部又は処理部と称されてもよい。また、送信部105と受信部106とは、まとめて、通信部と称されてもよい。また、端末10は、情報処理装置と称されてもよい。
【0139】
記憶部101には、店舗にて販売される商品に関する情報が予め記憶されている。商品に関する情報には、商品の画像と、商品の商品IDと、商品の価格と、商品の陳列場所と、当該商品のパッケージにおいて賞味期限が示されている場所に関する情報が含まれる。店舗にて販売される商品であって、記憶部101に情報が予め記憶されている商品は、以下、登録済商品と記載される。
【0140】
画像分析部102は、撮影された商品画像を取得する。商品画像は、例えば、端末10に搭載されたカメラ(
図11では省略)、または、端末10と有線あるいは無線により接続するカメラ(
図11では省略)から取得される。なお、ここで撮影される商品は、端末10を所有する店員が陳列を希望する商品、または、端末10を使用する顧客が購入を希望する商品である。ここで、撮影される商品は、分析対象商品と記載される。
【0141】
画像分析部102は、撮影された分析対象商品の商品画像と、記憶部101に記憶されている登録済商品の画像とに基づいて、分析対象商品の商品画像と、登録済商品の画像との類似度を算出する。画像分析部102は、1つの分析対象商品について、登録済商品のそれぞれの類似度を比較し、最も高い類似度に対応する登録済商品を決定する。最も高い類似度が閾値以上である場合、分析対象商品が、最も高い類似度に対応する登録済商品に該当する、と決定する。最も高い類似度が閾値以上ではない場合、画像分析部102は、エラーを出力する。エラーが出力される場合、端末10の表示部106にエラーのメッセージ、及び/又は、分析対象商品の撮影を再度行うことを要求するメッセージが表示される。
【0142】
賞味期限情報検出部103は、撮影された分析対象商品の画像から、分析対象商品の賞味期限情報を検出する。賞味期限情報検出部103は、記憶部101から、分析対象商品に該当する登録済商品のパッケージにおいて賞味期限が示されている場所に関する情報を読み出す。そして、賞味期限情報検出部103は、ОCRにより、パッケージに示されている賞味期限情報を検出する。
【0143】
通知情報生成部104は、分析対象商品の商品ID及び検出された賞味期限情報を含む通知情報を、上述した通知情報のフォーマットに従って生成する。
【0144】
送信部105は、通知情報を情報処理装置20へ送信する。例えば、送信部105は、通知情報を含む送信信号を生成し、送信信号を情報処理装置20へ送信する。
【0145】
受信部106は、情報処理装置20から指示情報を受信する。例えば、受信部106は、指示情報を含む受信信号を受信する。
【0146】
指示情報分析部107は、指示情報から、店員に指示された作業の内容を分析する。
【0147】
表示制御部108は、分析結果に基づいて、表示部109の表示を制御する。例えば、表示制御部108は、指示情報が店員への指示を示すメッセージを表示部109へ表示させる。
【0148】
表示部109は、表示制御部108の制御によって、店員に情報を表示する。
【0149】
図12は、本実施の形態に係る情報処理装置20の構成例を示す図である。
図12に示す情報処理装置20は、受信部201と、通知情報分析部202と、端末モード抽出部203と、賞味期限判定部204と、DB更新部205と、指示情報生成部206と、送信部207と、を有する。通知情報分析部202と、端末モード抽出部203と、賞味期限判定部204と、DB更新部205と、指示情報生成部206との1つ以上は、まとめて、制御部又は処理部と称されてもよい。また、受信部201と送信部207とは、まとめて、通信部と称されてもよい。
【0150】
受信部201は、端末10から、通知情報を含む信号を受信する。
【0151】
通知情報分析部202は、通知情報から、商品の賞味期限情報及び端末10のモード情報を抽出する。
【0152】
端末モード抽出部203は、抽出したモード情報に基づいて、端末モードを判定する。
【0153】
賞味期限判定部204は、賞味期限情報データベースの情報の少なくとも1つに基づいて、店員への指示を決定する。例えば、賞味期限判定部204は、賞味期限情報データベースの情報の少なくとも1つと、抽出された賞味期限情報と、端末モードとに基づいて、店員への指示の要否を判定する。賞味期限判定部204は、店員へ指示を行う場合には、指示内容を決定する。賞味期限判定部204は、店員へ指示を行う場合、指示内容を指示情報生成部206へ出力する。
【0154】
DB更新部205は、賞味期限情報データベースを有する。DB更新部205は、抽出された賞味期限情報と、端末モードに基づいて、賞味期限情報データベースを更新する。例えば、DB更新部205は、賞味期限情報データベースにおいて、倉庫の商品の賞味期限情報と、陳列棚の商品の賞味期限情報とを区別して管理する。
【0155】
指示情報生成部206は、賞味期限判定部204にて決定された指示内容を含む指示情報を生成する。
【0156】
送信部207は、指示情報を端末10へ送信する。例えば、送信部207は、指示情報を含む送信信号を生成し、送信信号を端末10へ送信する。
【0157】
以上説明した情報処理装置20では、受信部201は、店舗の商品に設定された賞味期限情報(期限に関する期限情報の一例)を取得する。DB更新部205(制御部の一例)は、賞味期限情報に基づいて、陳列棚の商品(店舗において顧客が購入可能な第1の状態で保管されている商品の一例)の賞味期限と、倉庫の商品(店舗において顧客が購入可能ではない第2の状態で保管されている商品の一例)の賞味期限とを区別して管理する。
【0158】
また、情報処理装置20において、受信部201は、商品入庫段階(商品の状態が第1の状態になる段階の一例)と、商品補充段階(商品の状態が第2の状態から第1の状態になる段階の一例)と、決済段階(商品が店舗から消失した段階の一例)とにおいて、賞味期限情報を取得する。
【0159】
また、情報処理装置20において、送信部207は、店舗の店員への指示を示す指示情報を端末10に送信する。賞味期限判定部204(制御部の一例)は、陳列棚の商品の賞味期限と、倉庫の商品の賞味期限との少なくとも一方に基づいて、店員への指示を決定する。
【0160】
また、情報処理装置20において、賞味期限判定部204は、商品補充段階において取得した賞味期限情報が示す商品の賞味期限が、倉庫の商品の賞味期限よりも新しい場合、店員へ、補充する商品(第1の状態にする商品の一例)の変更を指示する。
【0161】
また、情報処理装置20において、賞味期限判定部204は、商品が購入された段階において取得した賞味期限情報が示す商品の賞味期限が、店舗内の商品(第1の状態又は第2の状態で保管されている商品の一例)の賞味期限よりも新しい場合、店員へ、陳列棚の商品の並びの確認を指示する。
【0162】
また、情報処理装置20において、賞味期限判定部204は、商品が購入された段階において取得した賞味期限情報が示す商品の賞味期限が、店舗内の商品の賞味期限よりも新しい場合、店員へ、陳列棚の商品を、倉庫に移動すること(第2の状態に変更することの一例)を指示する。
【0163】
また、情報処理装置20において、受信部201は、店舗の店員が所有する端末10から、端末10のモードが、商品入庫モード(商品の状態が第1の状態になる段階の第1のモードの一例)と、商品補充モード(商品を第2の状態から第1の状態にする段階の第2のモードの一例)との何れかであることを示す情報と、賞味期限情報とを取得する。賞味期限判定部204及び/又はDB更新部205(制御部の一例)は、モードに応じて、賞味期限情報の処理を切り替える。
【0164】
なお、上記実施の形態における「・・・部」は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」であってもよい。
【0165】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0166】
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0167】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0168】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0169】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0170】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0171】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0172】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
【0173】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0174】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0175】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本開示は、無線通信システムに好適である。
【符号の説明】
【0177】
10 端末
20 情報処理装置
101 記憶部
102 画像分析部
103 賞味期限情報検出部
104 通知情報生成部
105、207 送信部
106、201 受信部
107 指示情報分析部
108 表示制御部
109 表示部
202 通知情報分析部
203 端末モード抽出部
204 賞味期限判定部
205 DB更新部
206 指示情報生成部