(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007180
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 7/06 20060101AFI20250109BHJP
B65H 31/08 20060101ALI20250109BHJP
B65H 11/00 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
B65H7/06
B65H31/08
B65H11/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108406
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 拓実
【テーマコード(参考)】
3F048
3F054
3F063
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AB02
3F048BA10
3F048BA14
3F048BB05
3F048CA08
3F048CC04
3F048DA01
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3F048EB23
3F054AA02
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3F054BC01
3F054BD01
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3F054DA11
3F063AB08
3F063BA02
3F063BA04
3F063BA09
3F063BA10
3F063CD08
(57)【要約】
【課題】媒体を適切に搬送することが可能な媒体搬送装置を提供する。
【解決手段】媒体搬送装置は、媒体を載置する載置台と、載置台に載置された媒体を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出するためのセンサと、搬送部により搬送された媒体を排出する排出部と、載置台の上方に配置され、且つ、排出部により排出された媒体を積載する排出トレイと、排出トレイの媒体排出方向の下流側に接続された延長トレイと、を有し、排出部から排出される媒体を協同して積載する状態において、延長トレイの媒体排出方向の上流側の下端部は、排出トレイの媒体排出方向の下流側の下端部よりも載置台側に配置される。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を載置する載置台と、
前記載置台に載置された媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出するためのセンサと、
前記搬送部により搬送された媒体を排出する排出部と、
前記載置台の上方に配置され、且つ、前記排出部により排出された媒体を積載する排出トレイと、
前記排出トレイの媒体排出方向の下流側に接続された延長トレイと、を有し、
前記排出部から排出される媒体を協同して積載する状態において、前記延長トレイの媒体排出方向の上流側の下端部は、前記排出トレイの媒体排出方向の下流側の下端部よりも前記載置台側に配置される、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記排出トレイの媒体排出方向の下流側に、前記載置台側ほど媒体排出方向の上流側に位置する傾斜面を有する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
媒体を載置する載置台と、
前記載置台に載置された媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出するためのセンサと、
前記搬送部により搬送される媒体を前記センサに案内可能に配置されたガイド部材と、を有し、
前記ガイド部材は、段差を有さないように形成されたガイド面を有する、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項4】
媒体を載置する載置台と、
前記載置台に載置された媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出するためのセンサと、
前記搬送部により搬送された媒体を排出する排出部と、
前記載置台の上方に配置され、且つ、前記排出部により排出された媒体を積載するトレイと、を有し、
前記トレイは、基部と、前記基部の左右の少なくとも一方に接続された付属部とを有し、
前記基部の下端は、前記付属部の下端より前記載置台側に配置され、
前記基部の前記付属部より媒体排出方向の下流側に突出している部分の左右の下端部は、段差を有さないように形成され、
前記付属部の媒体排出方向の下流側の下端部は、段差を有さないように形成されている、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項5】
前記付属部の媒体排出方向の下流側に、媒体排出方向と直交する方向の外側ほど媒体排出方向の上流側に位置する傾斜面を有する、請求項4に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記付属部の媒体排出方向の下流側に、前記載置台側ほど媒体排出方向の上流側に位置する傾斜面を有する、請求項4に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記基部の左右の下端部は、媒体排出方向の両端部にわたって段差を有さないように形成される、請求項4に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
前記付属部の左右の下端部は、段差を有さないように形成される、請求項4に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スキャナ等の媒体搬送装置において、搬送する媒体の浮き上がりが発生する可能性がある。
【0003】
シートの異常形状状態を検知したとき、シート給送手段の作動を停止するシート給送装置が開示されている(特許文献1を参照)。
【0004】
原稿の跳ね上げを検知する、跳ね上げ検知部と、跳ね上げ検知部の検知結果に基づいて、原稿にステイプル処理が施されているか否かについて判定するステイプル判定部と、を備える画像読取装置が開示されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-354346号公報
【特許文献2】特開2017-147605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
媒体搬送装置では、媒体を適切に搬送することが求められている。
【0007】
本発明の目的は、媒体を適切に搬送することを可能とする媒体搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を載置する載置台と、載置台に載置された媒体を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出するためのセンサと、搬送部により搬送された媒体を排出する排出部と、載置台の上方に配置され、且つ、排出部により排出された媒体を積載する排出トレイと、排出トレイの媒体排出方向の下流側に接続された延長トレイと、を有し、排出部から排出される媒体を協同して積載する状態において、延長トレイの媒体排出方向の上流側の下端部は、排出トレイの媒体排出方向の下流側の下端部よりも載置台側に配置される。
【0009】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を載置する載置台と、載置台に載置された媒体を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出するためのセンサと、搬送部により搬送される媒体をセンサに案内可能に配置されたガイド部材と、を有し、ガイド部材は、段差を有さないように形成されたガイド面を有する。
【0010】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を載置する載置台と、載置台に載置された媒体を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出するためのセンサと、搬送部により搬送された媒体を排出する排出部と、載置台の上方に配置され、且つ、排出部により排出された媒体を積載するトレイと、を有し、トレイは、基部と、基部の左右の少なくとも一方に接続された付属部とを有し、基部の下端は、付属部の下端より載置台側に配置され、基部の付属部より媒体排出方向の下流側に突出している部分の左右の下端部は、段差を有さないように形成され、付属部の媒体排出方向の下流側の下端部は、段差を有さないように形成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、媒体搬送装置は、媒体を適切に搬送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図3】第1浮き上がりセンサ112等について説明するための模式図である。
【
図4】(A)、(B)、(C)は、第1浮き上がりセンサ112について説明するための模式図である。
【
図5】第2浮き上がりセンサ115について説明するための斜視図である。
【
図6】(A)、(B)は、延長トレイ106等について説明するための模式図である。
【
図7】延長トレイ106等について説明するための模式図である。
【
図8】延長トレイ106等について説明するための模式図である。
【
図9】延長トレイ106等について説明するための模式図である。
【
図10】(A)、(B)は、延長トレイ106等について説明するための模式図である。
【
図11】媒体の動作について説明するための模式図である。
【
図12】媒体の動作について説明するための模式図である。
【
図13】媒体の動作について説明するための模式図である。
【
図14】媒体の動作について説明するための模式図である。
【
図15】媒体の動作について説明するための模式図である。
【
図16】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図17】記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【
図18】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図19】他の媒体搬送装置200について説明するための模式図である。
【
図20】排出トレイ205等について説明するための模式図である。
【
図21】他の処理回路350の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置、媒体搬送方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙又はカード等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0015】
図1において矢印A1は略鉛直方向(高さ方向)を示し、矢印A2は媒体搬送方向を示し、矢印A3は媒体排出方向を示し、矢印A4は媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3と直交する幅方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3の下流のことをいう。
【0016】
媒体搬送装置100は、第1筐体101、第2筐体102、載置台103、排出トレイ105、延長トレイ106、操作装置107及び表示装置108等を有する。
【0017】
第2筐体102は、第1筐体101の内側に配置され、媒体つまり時、又は、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより第1筐体101に回転可能に係合している。
【0018】
載置台103は、搬送される媒体を載置するように第1筐体101に係合している。載置台103は、第1筐体101の媒体供給側の側面に、高さ方向A1に移動可能に、即ち上昇及び下降可能に設けられる。載置台103は、媒体が搬送されないときは媒体が容易に載置されるように下端の位置に配置され、媒体が搬送されるときは最も上側に載置された媒体が、後述するピックローラと接触する位置まで上昇する。載置台103は、引き出しトレイ104を有し、媒体搬送方向A2の上流側に向けて延長可能に設けられる。なお、引き出しトレイ104は、省略されてもよい。
【0019】
引き出しトレイ104は、載置台103の媒体搬送方向A2の上流側端部から引き出し可能に設けられる。引き出しトレイ104は、小さいサイズ(例えばA5サイズ以下)の媒体が搬送される場合には載置台103内部に収納される。一方、引き出しトレイ104は、大きいサイズ(例えばA5サイズより大きいサイズ)の媒体が搬送される場合には載置台103から引き出され、載置台103を延長するように配置される。引き出しトレイ104は、載置台103と協同して、搬送される媒体を載置する。
【0020】
排出トレイ105及び延長トレイ106は、トレイの一例である。排出トレイ105は、第1筐体101及び第2筐体102の排出口から排出された媒体を積載するように第2筐体102に係合している。排出トレイ105は、載置台103の上方に、載置台103と対向するように、即ち高さ方向A1から見て載置台103と重なるように配置される。排出トレイ105は、サイドガイド105aを有する。サイドガイド105aは、排出トレイ105の上面に、幅方向A4に移動可能に設けられる。サイドガイド105aは、排出トレイ105に積載される媒体の幅に合わせて位置決めされ、媒体の幅方向を規制する。
図1に示す例では、二つのサイドガイド105aが、幅方向A4に間隔を空けて配置されている。サイドガイド105aの数は一つでもよい。
【0021】
延長トレイ106は、排出トレイ105の媒体排出方向A3の下流側に接続される。延長トレイ106は、排出トレイ105の媒体排出方向A3の下流側端部に回転可能に設けられる。延長トレイ106は、小さいサイズ(例えばA5サイズ以下)の媒体が排出される場合には閉じられ、排出トレイ105上に配置(収納)される。一方、延長トレイ106は、大きいサイズ(例えばA5サイズより大きいサイズ)の媒体が排出される場合には開かれ、排出トレイ105を媒体排出方向A3の下流側に向けて延長するように配置される。即ち、延長トレイ106は、排出トレイ105と同様に、載置台103の上方に、載置台103と対向するように、即ち高さ方向A1から見て載置台103と重なるように配置される。延長トレイ106は、排出トレイ105と協同して、第1筐体101及び第2筐体102の排出口から排出された媒体を積載する。
【0022】
操作装置107は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置108は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。なお、表示装置108は、タッチパネル機能付きの液晶ディスプレイでもよい。その場合、操作装置107は、タッチパネルから入力信号を取得するインタフェース回路を有する。
【0023】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0024】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、第1媒体センサ111、第1浮き上がりセンサ112、ガイド部材113、ピックローラ114、第2浮き上がりセンサ115、給送ローラ116、分離ローラ117、第1~第5搬送ローラ118a~e、第1~第6従動ローラ119a~f、第2媒体センサ120、撮像装置121及び排出ローラ122等を有している。
【0025】
なお、ピックローラ114、給送ローラ116、分離ローラ117、第1~第6搬送ローラ118a~e及び/又は第1~第6従動ローラ119a~f及び/又は排出ローラ122のそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数の給送ローラ116、分離ローラ117、第1~第5搬送ローラ118a~e、第1~第6従動ローラ119a~f及び/又は排出ローラ122は、それぞれ幅方向A4に間隔を空けて並べて配置される。
【0026】
第1筐体101の、第2筐体102と対向する面は媒体搬送路の第1ガイド101aを形成し、第2筐体102の、第1筐体101と対向する面は媒体搬送路の第2ガイド102aを形成する。第1ガイド101a及び第2ガイド102aは、いわゆるUターンパスを形成する。
【0027】
第1媒体センサ111は、第1センサの一例である。第1媒体センサ111は、載置台103に、即ち給送ローラ116及び分離ローラ117より上流側に配置され、載置台103に載置された媒体を検出する。第1媒体センサ111は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサにより、載置台103に媒体が載置されているか否かを判別する。第1媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。第1媒体信号は、第1媒体センサ111からの出力信号の一例である。なお、第1媒体センサ111は接触検知センサに限定されず、第1媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0028】
ピックローラ114は、第2筐体102に設けられ、媒体搬送路と略同一の高さまで上昇した載置台103に載置された媒体と接触して、その媒体を下流側に向けて給送する。
【0029】
給送ローラ116は、第2筐体102内に、ピックローラ114より下流側に設けられ、載置台103に載置されてピックローラ114により給送された媒体をさらに下流側に向けて給送する。分離ローラ117は、第1筐体101内に、給送ローラ116と対向して設けられる。分離ローラ117は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、媒体給送方向の反対方向に回転可能に又は停止可能に設けられる。給送ローラ116及び分離ローラ117は、媒体の分離動作を行い、媒体を分離して一枚ずつ給送する。給送ローラ116は、分離ローラ117に対して上側に配置されており、媒体搬送装置100は、いわゆる上取り方式により媒体を給送する。なお、分離ローラ117の代わりに、分離パッドが用いられてもよい。
【0030】
第1~第5搬送ローラ118a~e及び第1~第5従動ローラ119a~eは、給送ローラ116及び分離ローラ117より下流側に、それぞれ相互に対向して設けられ、給送ローラ116及び分離ローラ117により給送された媒体を下流側に向けて搬送する。
【0031】
第2媒体センサ120は、媒体搬送方向A2において第1搬送ローラ118a及び第1従動ローラ119aより下流側且つ第2搬送ローラ118b及び第2従動ローラ119bより上流側に配置され、その配置位置に搬送された媒体を検出する。第2媒体センサ120は、媒体搬送方向A2において給送ローラ116及び分離ローラ117と第1搬送ローラ118a及び第1従動ローラ119aとの間、又は、第2搬送ローラ118b及び第2従動ローラ119bと撮像装置121との間に配置されてもよい。第2媒体センサ120は、媒体搬送路に対して一方の側に設けられた発光器及び受光器と、媒体搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置に設けられた導光管とを含む。発光器は、LED(Light Emitting Diode)等であり、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、フォトダイオード等であり、発光器により照射され、導光管により導かれた光を受光する。第2媒体センサ120は、受光器が受光する光の強度に基づいて、第2媒体センサ120の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第2媒体信号を生成して出力する。
【0032】
なお、導光管の代わりに、ミラー等の反射部材が使用されてもよい。また、発光器及び受光器は、媒体搬送路を挟んで対向して設けられてもよい。また、第2媒体センサ120として、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0033】
撮像装置121は、媒体搬送方向A2において、第1~第2搬送ローラ118a~bより下流側に配置され、第1~第2搬送ローラ118a~b及び第1~第2従動ローラ119a~bにより搬送された媒体を撮像する。撮像装置121は、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置された第1撮像装置121a及び第2撮像装置121bを含む。
【0034】
第1撮像装置121aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置121aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置121aは、搬送される媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0035】
同様に、第2撮像装置121bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置121bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置121bは、搬送される媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0036】
なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置121a及び第2撮像装置121bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0037】
排出ローラ122及び第6従動ローラ119fは、第1~第5搬送ローラ118a~eより下流側に、相互に対向して設けられる。排出ローラ122及び第6従動ローラ119fは、第1~第5搬送ローラ118a~e及び第1~第5従動ローラ119a~eにより搬送された媒体を排出トレイ105及び延長トレイ106に排出する。
【0038】
載置台103に載置された媒体は、ピックローラ114、給送ローラ116がそれぞれ媒体給送方向A11、A12に回転することによって、第1ガイド101aと第2ガイド102aの間を媒体搬送方向A2に向かって搬送される。媒体搬送装置100は、給送モードとして、媒体を分離しながら給送する分離モードと、媒体を分離せずに給送する非分離モードとを有する。給送モードは、利用者により操作装置107又は媒体搬送装置100と通信接続する情報処理装置を用いて設定される。給送モードが分離モードに設定されている場合、分離ローラ117は、矢印A13の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転又は停止する。これにより、分離された媒体以外の媒体の給送が制限される(重送の防止)。一方、給送モードが非分離モードに設定されている場合、分離ローラ117は、矢印A13の反対方向、即ち媒体給送方向に回転する。
【0039】
媒体は、第1ガイド101aと第2ガイド102aによりガイドされながら、第1~第2搬送ローラ118a~bが矢印A14~15の方向に回転することによって、撮像装置121の撮像位置に送り込まれ、撮像装置121によって撮像される。さらに、媒体は、第3~第5搬送ローラ118c~e及び排出ローラ122がそれぞれ矢印A16~19の方向に回転することによって排出トレイ105及び延長トレイ106上に排出される。排出トレイ105及び延長トレイ106は、排出ローラ122及び第6従動ローラ119fにより排出された媒体を積載する。
【0040】
ピックローラ114、給送ローラ116、分離ローラ117、第1~第5搬送ローラ118a~e及び/又は第1~第5従動ローラ119a~eは、搬送部の一例であり、載置台103に載置された媒体を搬送する。排出ローラ122及び/又は第6従動ローラ119fは、排出部の一例であり、搬送部により搬送された媒体を排出する。
【0041】
図3は、第1浮き上がりセンサ112、ガイド部材113及び第2浮き上がりセンサ115について説明するための模式図である。
図3は、第1浮き上がりセンサ112、ガイド部材113及び第2浮き上がりセンサ115等を、媒体搬送方向A2の上流側から見た模式図である。
図3に示す例では、二つのピックローラ114が幅方向A4において相互に間隔を空けて配置され、二つの第2浮き上がりセンサ115が幅方向A4において相互に間隔を空けて配置されている。
【0042】
第1浮き上がりセンサ112は、センサの一例であり、搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出する。
図2に示すように、第1浮き上がりセンサ112は、媒体搬送方向A2において、第2筐体102の上流側の端部に、即ちピックローラ114及び給送ローラ116より上流側に配置される。
図2及び
図3に示すように、第1浮き上がりセンサ112は、高さ方向A1において、載置台103及びピックローラ114より上側且つ排出トレイ105及び延長トレイ106より下側に配置される。
図3に示すように、第1浮き上がりセンサ112は、幅方向A4において、媒体搬送路の略中央部に配置される。第1浮き上がりセンサ112は、幅方向A4において、例えばピックローラ114の外側端部より内側に配置される。
【0043】
ガイド部材113は、搬送部により搬送される媒体の一部が浮き上がった場合に、その媒体の浮き上がった部分を第1浮き上がりセンサ112に案内する。
図2に示すように、ガイド部材113は、第2筐体102の一部を覆うように設けられ、第2筐体102のカバーとして機能する。ガイド部材113は、媒体搬送方向A2において、第2筐体102の上流側の端部に、即ちピックローラ114及び給送ローラ116より上流側に配置される。
図3に示すように、ガイド部材113は、第1浮き上がりセンサ112を囲むように第1浮き上がりセンサ112の周囲に配置される。即ち、高さ方向A3において、ガイド部材113の少なくとも一部は、第1浮き上がりセンサ112より上側及び下側に配置され、幅方向A4において、ガイド部材113の少なくとも一部は、第1浮き上がりセンサ112より外側に配置される。これにより、ガイド部材113は、搬送部により搬送される媒体の一部が浮き上がった場合に、その媒体の浮き上がった部分を第1浮き上がりセンサ112に案内可能に配置される。
【0044】
ガイド部材113は、第1ガイド面113a、第2ガイド面113b及び第3ガイド面113c等を有する。第1ガイド面113a、第2ガイド面113b及び第3ガイド面113cは、それぞれ媒体搬送方向A2の上流側を向くように配置される。第1ガイド面113a、第2ガイド面113b及び第3ガイド面113cは、それぞれ段差を有さないように、即ち媒体搬送方向A2の上流側に突出する突出部を有さないように、平らに形成される。特に、第1ガイド面113a、第2ガイド面113b及び第3ガイド面113cは、面内の各位置が、各位置より第1浮き上がりセンサ112から離れた位置より、媒体搬送方向A2の上流側に突出する突出部を有さないように形成される。
【0045】
第1ガイド面113aは、高さ方向A3において第1浮き上がりセンサ112より上側に配置される。第1ガイド面113aは、搬送部により搬送される媒体の後端が浮き上がって第1ガイド面113aに当接した場合に、その媒体の後端を下方に向けて第1浮き上がりセンサ112まで案内する。
【0046】
第2ガイド面113bは、媒体搬送方向A2の上流側から見て、幅方向A4において第1浮き上がりセンサ112の左側に配置される。第2ガイド面113bは、搬送部により搬送される媒体の一部が浮き上がって第2ガイド面113bに当接した場合に、その媒体の第2ガイド面113bに当接した部分を中央側に向けて第1浮き上がりセンサ112まで案内する。
【0047】
第3ガイド面113cは、媒体搬送方向A2の上流側から見て、幅方向A4において第1浮き上がりセンサ112の右側に配置される。第3ガイド面113cは、搬送部により搬送される媒体の一部が浮き上がって第3ガイド面113cに当接した場合に、その媒体の第3ガイド面113cに当接した部分を中央側に向けて第1浮き上がりセンサ112まで案内する。
【0048】
第1ガイド面113a、第2ガイド面113b及び第3ガイド面113cは、第1浮き上がりセンサ112より媒体搬送方向A2の下流側に位置するように配置されることが望ましい。これにより、第1ガイド面113a、第2ガイド面113b又は第3ガイド面113cにより案内された媒体は、より確実に第1浮き上がりセンサ112に当接する。
【0049】
なお、第1ガイド面113a、第2ガイド面113b及び第3ガイド面113cは、面一となるように設けられ、ガイド部材113は、全体として段差を有さないように平らに形成されてもよい。
【0050】
第2浮き上がりセンサ115は、搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出する。
図2に示すように、第2浮き上がりセンサ115は、媒体搬送方向A2において、ピックローラ114より下流側且つ給送ローラ116より上流側に配置される。
図2及び
図3に示すように、第2浮き上がりセンサ115の下端は、高さ方向A1において、ピックローラ114の下端(ニップ位置)及び給送ローラ116の下端(ニップ位置)より上側に配置される。
図3に示すように、第2浮き上がりセンサ115は、幅方向A4において、第1浮き上がりセンサ112より外側に配置される。第2浮き上がりセンサ115は、幅方向A4において、例えばピックローラ114の外側端部より外側に配置される。第2浮き上がりセンサ115は、幅方向A4において、中央部、例えば二つのピックローラ114の外側端部の間に配置されてもよい。また、第2浮き上がりセンサ115の数は一つ又は三つ以上でもよい。
【0051】
図4(A)、(B)、(C)は、第1浮き上がりセンサ112について説明するための模式図である。
【0052】
図4(A)に示すように、第1浮き上がりセンサ112は、第1当接部材112a、第2当接部材112b、第1アーム112c、第2アーム112d、馬蹄型センサ112e等を有する。第1当接部材112a及び第2当接部材112bは、媒体搬送方向A2において第1筐体101の上流側の端部に、且つ、幅方向A4において間隔を空けて並べて配置される。第1当接部材112a及び第2当接部材112bは、樹脂部材等であり、媒体搬送方向A2と略直交するように配置される。第1当接部材112a及び第2当接部材112bには、それぞれ第1アーム112c及び第2アーム112dの一端が取り付けられる。第1アーム112c及び第2アーム112dは、それぞれ第1揺動軸112f及び第2揺動軸112gを中心に揺動可能に設けられる。第1アーム112cの他端は、馬蹄型センサ112e内部に配置される。第2アーム112dの他端は、第1アーム112cに対して当接及び離間可能に配置される。
【0053】
馬蹄型センサ112eは、発光器112h及び受光器112iを含む。発光器112h及び受光器112iは、相互に対向するように配置される。発光器112hは、LED等であり、受光器112iに向けて光を照射する。受光器112iは、フォトダイオード等であり、発光器112hにより照射された光を受光する。
【0054】
図4(A)に示すように、第1当接部材112a及び第2当接部材112bに媒体が当接していない場合、第1アーム112cの他端は、発光器112hと受光器112iの間に配置され、発光器112hにより照射された光は、第1アーム112cにより遮られる。一方、
図4(B)に示すように、第1当接部材112aに媒体が当接した場合、第1アーム112cの他端は、発光器112hと受光器112iの間から移動し、発光器112hにより照射された光は、受光器112iにより受光される。また、第2当接部材112bに媒体が当接した場合、第1アーム112cに第2アーム112dが当接し、第1アーム112cは第2アーム112dにより移動する。この場合も、第1アーム112cの他端は、発光器112hと受光器112iの間から移動し、発光器112hにより照射された光は、受光器112iにより受光される。馬蹄型センサ112eは、受光器112iが受光した光の強度に応じて、第1当接部材112a又は第2当接部材112bに媒体が当接しているか否かにより信号値が変化する第1浮き上がり信号を生成して出力する。
【0055】
第1浮き上がりセンサ112において、第1当接部材112a及び第2当接部材112bが幅方向A4において間隔を空けて並べて配置されつつ、各当接部材の移動は単一の馬蹄型センサ112eで検出される。これにより、媒体搬送装置100は、媒体が第1浮き上がりセンサ112に当接したことを効率良く且つ低コストに検出することができる。なお、第1浮き上がりセンサ112において、当接部材の数は一つ又は三つ以上でもよい。また、第1浮き上がりセンサ112において、当接部材毎に馬蹄型センサが設けられてもよい。
【0056】
図4(C)は、搬送される媒体の後端が浮き上がった場合の第1浮き上がりセンサ112の動作について説明するための模式図である。
【0057】
図4(C)は、後端側の複数箇所がステイプルS1で綴じられた複数の媒体M1及びM2が搬送された状態を示す。後端側の複数箇所がステイプルS1で綴じられた媒体M1、M2が搬送される場合、最も上側の媒体M1が給送ローラ116によって給送されつつ、他の媒体M2は分離ローラ117によって載置台103に留まる。そのため、ステイプルS1で綴じられた部分が、最も上側の媒体M1に引っ張られて上方に浮き上がり、第1当接部材112a又は第2当接部材112bの前面に当接する。
【0058】
後端側の一方の角部がステイプルで綴じられた複数の媒体が搬送される場合も同様に、最も上側の媒体が給送ローラ116によって給送されつつ、他の媒体は分離ローラ117によって載置台103に留まる。そのため、ステイプルで綴じられた部分が、最も上側の媒体に引っ張られて上方に浮き上がり、第1当接部材112a又は第2当接部材112bの前面に当接する。
【0059】
図4(A)に示すように、媒体が第1当接部材112a及び第2当接部材112bに当接していない場合、発光器112hにより照射された光は、第1アーム112cにより遮られる。一方、
図4(B)に示すように、搬送される媒体の後端が浮き上がり、第1当接部材112a又は第2当接部材112bの前面に当接した場合、媒体の後端によって第1当接部材112a又は第2当接部材112bが押される。この場合、発光器112hにより照射された光は、第1アーム112cにより遮られることなく、受光器112iにより受光される。即ち、第1浮き上がりセンサ112により生成される第1浮き上がり信号の信号値は、搬送される媒体の浮き上がりが発生しているか否かにより変化し、第1浮き上がりセンサ112は、搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出する。特に、第1浮き上がりセンサ112は、後端側がステイプルで綴じられた媒体を検出することができる。
【0060】
図5は、第2浮き上がりセンサ115について説明するための斜視図である。
【0061】
第2浮き上がりセンサ115は、アーム115a及び馬蹄型センサ115bを有する。
【0062】
アーム115aは、媒体搬送路の上側に、媒体搬送方向A2に延伸するように設けられ、下面が第1ガイド101aと所定距離だけ離間して対向するように配置される。第2浮き上がりセンサ115が複数設けられる場合、各アーム115aは、高さ方向A1において同一の高さに配置される。アーム115aの下流側の端部115cは、上流側の端部115dが揺動するように、第2筐体102に回転可能に取り付けられる。所定距離は、媒体給送時に媒体が撓み得る最大高さにマージンを加えた距離に設定される。これにより、搬送される媒体が浮き上がっていない場合には、媒体はアーム115aに当接することなく搬送される。一方、搬送される媒体が浮き上がった場合には、媒体はアーム115aに接触して、アーム115aを回転させることにより上昇させる。即ち、アーム115aは媒体の浮き上がりに応じて上昇するように配置されている。
【0063】
馬蹄型センサ115bは、発光器115e及び受光器115fを含む。発光器115e及び受光器115fは、相互に対向するように配置される。発光器115eは、LED等であり、受光器115fに向けて光を照射する。受光器115fは、フォトダイオード等であり、発光器115eにより照射された光を受光する。
【0064】
アーム115aに媒体が当接していない場合、アーム115aは、発光器115eと受光器115fの間に配置され、発光器115eにより照射された光は、アーム115aにより遮られる。一方、アーム115aに媒体が当接しアーム115aが上昇した場合、アーム115aは、発光器115eと受光器115fの間から移動し、発光器115eにより照射された光は、受光器115fにより受光される。馬蹄型センサ115bは、受光器115fが受光した光の強度に応じて、媒体によってアーム115aが上昇しているか否かにより信号値が変化する第2浮き上がり信号を生成して出力する。
【0065】
先端側(下流側)の角部がステイプルで綴じられた複数の媒体が搬送される場合、最も上側の媒体が給送ローラ116によって給送されつつ、他の媒体は分離ローラ117によって載置台103に留まろうとする。そのため、媒体のステイプルで綴じられた位置の周辺部分が、アーム115aと当接する位置まで浮き上がる。第2浮き上がりセンサ115により生成される第2浮き上がり信号の信号値は、搬送される媒体の浮き上がりが発生しているか否かにより変化し、第2浮き上がりセンサ115は、搬送部により搬送される媒体の浮き上がりを検出する。特に、第2浮き上がりセンサ115は、先端側がステイプルで綴じられた媒体を検出することができる。
【0066】
図6(A)、(B)は、排出トレイ105及び延長トレイ106について説明するための模式図である。
図6(A)、(B)は、排出トレイ105及び延長トレイ106を上方から見た模式図である。
図6(A)は、延長トレイ106が閉じている状態を示し、
図6(B)は、延長トレイ106が開いている状態を示す。
【0067】
図6(A)、(B)に示すように、延長トレイ106は、排出トレイ105に対して、回転軸106aを中心に回転し、開閉可能に設けられる。延長トレイ106は、
図6(A)に示すように、閉じた状態で、排出トレイ105上に収納される。一方、延長トレイ106は、
図6(B)に示すように、開いた状態で、排出トレイ105を延長するように配置され、排出部から排出される媒体を排出トレイ105と協同して積載する。これにより、媒体搬送装置100は、排出される媒体のサイズに応じて、延長トレイ106を開閉させることができる。媒体搬送装置100は、小さいサイズの媒体が排出される場合には延長トレイ106を閉じることにより、媒体搬送装置100の全体サイズを小さくして利用者の作業スペースを確保することができる。一方、媒体搬送装置100は、大きいサイズの媒体が排出される場合には延長トレイ106を開くことにより、排出される媒体を安定して積載させることができる。
【0068】
延長トレイ106は、基部106b及び付属部106cを有する。幅方向A4において、基部106bは、延長トレイ106の中央部に位置し、付属部106cは、基部106bの左右に接続(配置)される。なお、付属部106cは、基部106bの左右の何れか一方のみに接続(配置)されてもよい。
【0069】
媒体排出方向A3において、付属部106cは基部106bより短く、基部106bは、延長トレイ106が開いた状態で、付属部106cより媒体排出方向A3の下流側に突出している突起部106dを有する。即ち、延長トレイ106が閉じた状態で、延長トレイ106の下流側部分には基部106b及び付属部106cが存在するが、延長トレイ106の上流側部分には基部106bのみが存在する。したがって、延長トレイ106が閉じた状態で、延長トレイ106の上流側部分の幅方向A4の長さは、延長トレイ106の下流側部分の幅方向A4の長さより短い。これにより、サイドガイド105aは、幅方向A4の中央側の位置に配置された場合でも、延長トレイ106と干渉しない。したがって、サイドガイド105aが幅方向A4の中央側に配置された状態で、延長トレイ106が開閉される場合に、延長トレイ106がサイドガイド105aと衝突して損傷することが抑制される。
【0070】
図7、
図8、
図9、
図10(A)、(B)は、排出トレイ105及び延長トレイ106について説明するための斜視図である。
図7は、排出トレイ105から取り外した状態の延長トレイ106を下方且つ媒体排出方向A3の下流側から見た模式図である。
図8は、排出トレイ105から取り外した状態の延長トレイ106の下面を下方から見た模式図である。
図9は、排出トレイ105及び延長トレイ106を側方から見た模式図である。
図10(A)は、排出トレイ105及び延長トレイ106を媒体排出方向A3の下流側から見た模式図である。
図10(B)は、排出トレイ105及び延長トレイ106を側方から見た模式図である。
【0071】
図7、
図9及び
図10(A)に示すように、媒体排出方向A3における各位置において、基部106bの下端は、付属部106cの下端より下方、即ち載置台103側に配置されている。また、
図10(A)、(B)に示すように、延長トレイ106の幅方向A4の長さは排出トレイ105の幅方向A4の長さより短く、且つ、延長トレイ106の下端は、排出トレイ105の延伸方向に対して排出トレイ105より下方、即ち載置台103側に配置されている。
【0072】
図7及び
図8に示すように、基部106bの突起部106dの媒体排出方向A3の下流側の端部の側面である側端部106eは、段差を有さないように、即ち媒体排出方向A3の下流側に突出する突出部を有さないように、平らに形成されている。また、基部106bの突起部106dの媒体排出方向A3の下流側の端部の下面である下端部106fは、段差を有さないように、即ち下方に突出する突出部を有さないように、平らに形成されている。
【0073】
また、基部106bの突起部106dの幅方向A4における左右(外側)の端部の側面である側端部106gは、段差を有さないように、即ち幅方向A4の外側に突出する突出部を有さないように、平らに形成されている。特に、側端部106gは、面内の何れかの位置が、その位置より媒体排出方向A3の下流側の位置より幅方向A4の外側に突出しないように形成される。また、基部106bの突起部106dの幅方向A4における左右(外側)の端部の下面である下端部106hは、段差を有さないように、即ち下方に突出する突出部を有さないように、平らに形成されている。特に、下端部106hは、面内の何れかの位置が、その位置より媒体排出方向A3の下流側の位置より下方に突出しないように形成される。なお、基部106bの幅方向A4における左右(外側)の端部の下面である下端部106hは、突起部106dだけでなく、媒体排出方向A3の両端部にわたって段差を有さないように、即ち下方に突出する突出部を有さないように、平らに形成される。
【0074】
また、付属部106cの媒体排出方向A3の下流側の端部の側面である側端部106iは、段差を有さないように、即ち媒体排出方向A3の下流側に突出する突出部を有さないように、平らに形成されている。また、付属部106cの媒体排出方向A3の下流側の端部の下面である下端部106jは、段差を有さないように、即ち下方に突出する突出部を有さないように、平らに形成されている。
【0075】
また、付属部106cの幅方向A4における左右(外側)の端部の側面である側端部106kは、段差を有さないように、即ち幅方向A4の外側に突出する突出部を有さないように、平らに形成されている。特に、側端部106kは、面内の何れかの位置が、その位置より媒体排出方向A3の下流側の位置より幅方向A4の外側に突出しないように形成される。また、付属部106cの幅方向A4における左右(外側)の端部の下面である下端部106lは、段差を有さないように、即ち下方に突出する突出部を有さないように、平らに形成されている。特に、下端部106lは、面内の何れかの位置が、その位置より媒体排出方向A3の下流側の位置より下方に突出しないように形成される。
【0076】
また、基部106bの下面には、媒体排出方向A3に沿って延伸するリブ106mが形成される。リブ106mは、段差を有さないように、即ち幅方向A4の外側に突出する突出部及び下方に突出する突出部を有さないように、平らに形成されている。特に、リブ106mは、リブ内の何れかの位置が、その位置より媒体排出方向A3の下流側の位置より幅方向A4の外側及び下方に突出しないように形成される。同様に、付属部106cの下面には、媒体排出方向A3に沿って延伸するリブ106nが形成される。リブ106nは、段差を有さないように、即ち幅方向A4の外側に突出する突出部及び下方に突出する突出部を有さないように、平らに形成されている。特に、リブ106nは、リブ内の何れかの位置が、その位置より媒体排出方向A3の下流側の位置より幅方向A4の外側及び下方に突出しないように形成される。
【0077】
なお、延長トレイ106と同様に、排出トレイ105において、媒体排出方向A3の下流側の端部の側面及び/又は下面、並びに/又は、幅方向A4における左右の端部の側面及び/又は下面は、段差を有さないように形成されてもよい。また、延長トレイ106と同様に、排出トレイ105の下面に、段差を有さないように形成された、媒体排出方向A3に沿って延伸するリブが設けられてもよい。
【0078】
また、排出トレイ105及び延長トレイ106には、幅方向A4に沿って延伸するリブが設けられない。
【0079】
図11は、搬送される媒体の後端が浮き上がった場合の媒体の動作について説明するための模式図である。
図11は、後端側の複数箇所がステイプルS1で綴じられた複数の媒体M1及びM2が搬送されている状態を示す。
【0080】
後端側の複数箇所がステイプルS1で綴じられた媒体M1、M2が搬送される場合、最も上側の媒体M1が給送ローラ116によって給送されつつ、他の媒体M2は分離ローラ117によって載置台103に留まる。そのため、ステイプルS1で綴じられた部分が、最も上側の媒体M1に引っ張られて上方に浮き上がる。したがって、ステイプルS1で綴じられた部分の周辺が、突起部106dの下流側の側端部106e、又は、突起部106dもしくは付属部106cの各下端部106f、106h、106j、106lに当接する可能性がある。側端部106e及び各下端部106f、106h、106j、106lが段差を有さないことにより、媒体の浮き上がった部分が各端部に引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0081】
図12は、搬送される媒体の後端が浮き上がった場合の媒体の動作について説明するための模式図である。
図12は、後端側の角部がステイプルS2で綴じられた複数の媒体M3及びM4が搬送されている状態を示す。
【0082】
後端側の角部がステイプルS2で綴じられた媒体M3、M4が搬送される場合、ステイプルS2で綴じられた部分が、最も上側の媒体M3に引っ張られて上方に浮き上がる。したがって、ステイプルS2で綴じられた部分の周辺が、突起部106dもしくは付属部106cの各側端部106g、106i、106k、又は、各下端部106h、106j、106lに当接する可能性がある。各側端部106g、106i、106k及び各下端部106h、106j、106lが段差を有さないことにより、媒体の浮き上がった部分が各端部に引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0083】
ステイプルS1又はS2で綴じられた部分の周辺が、リブ106m、106nに当接する可能性もある。リブ106m、106nが段差を有さないことにより、媒体の浮き上がった部分が各リブに引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0084】
また、上記したように、排出トレイ105及び延長トレイ106に幅方向A4に沿って延伸するリブが設けられない。これにより、媒体の浮き上がった部分が幅方向A4に沿って延伸するリブに引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0085】
また、上記したように、基部106bの下端は、付属部106cの下端より下方に配置される。これにより、後端側の角部がステイプルS2で綴じられた媒体M3、M4が搬送される場合、媒体全体が基部106bの下端によって押し下げられるため、綴じられた部分の浮き上がりが抑制され、浮き上がる度合いが小さくなる。そのため、媒体の浮き上がった部分が各端部に引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0086】
また、上記したように、延長トレイ106の下端は、排出トレイ105より下方、即ち載置台103側に配置される。したがって、後端側の角部がステイプルS2で綴じられた媒体M3、M4が搬送される場合、媒体全体が延長トレイ106の下端によって押し下げられる。これにより、媒体排出方向A3において、延長トレイ106より上流側の位置、即ち排出トレイ105が配置される位置においても、綴じられた部分の浮き上がりが抑制され、浮き上がる度合いが小さくなる。そのため、媒体の浮き上がった部分が排出トレイ105の各端部に引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0087】
また、上記したように、基部106bの幅方向A4における左右(外側)の端部の下面である下端部106hは、媒体排出方向A3の両端部にわたって段差を有さないように、即ち下方に突出する突出部を有さないように、平らに形成される。これにより、媒体の浮き上がった部分が下端部106hに引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0088】
図7及び
図8に示すように、付属部106cの媒体排出方向A3の下流側の端部の側面である側端部106iは、媒体排出方向と直交する幅方向A4の外側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置するように配置されている。側端部106iは、媒体排出方向と直交する幅方向A4の外側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置する傾斜面の一例であり、延長トレイ106は、付属部106cの媒体排出方向A3の下流側に傾斜面を有している。側端部106iは、側端部106iと、媒体排出方向A3と直交する幅方向A4とがなす角度θ1が0°より大きくなるように、好ましくは10°以上となるように設けられる。
【0089】
ステイプルS2で綴じられた後端側の角部が浮き上がって側端部106iに当接した場合、浮き上がった部分は、傾斜する側端部106iに沿ってスムーズに外側に案内される。これにより、媒体の浮き上がった部分が側端部106iに引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0090】
なお、延長トレイ106と同様に、排出トレイ105において、媒体排出方向A3の下流側の端部の側面は、幅方向A4の外側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置するように配置されてもよい。
【0091】
また、幅方向A4において、延長トレイ106の長さ(一方の付属部106cの外側端部から他方の付属部106cの外側端部までの距離)は、媒体搬送装置100がサポートする最大媒体サイズの2/3以上であることが好ましい。これにより、延長トレイ106に最大媒体サイズの媒体が積載される場合も、積載された媒体の幅方向A4における端部は垂れ下がらない。したがって、ステイプルで綴じられた媒体が搬送中に浮き上がっても、延長トレイ106上に積載された媒体に当接しない。そのため、媒体搬送装置100は、延長トレイ106上に積載された媒体が、浮き上がった媒体のステイプルに接触して損傷することを抑制できる。
【0092】
また、媒体排出方向A3において、排出トレイ105の上流側端部から、付属部106cの下流側端部までの距離は、媒体搬送装置100がサポートする最大媒体サイズより大きいことが好ましい。これにより、ステイプルで綴じられた媒体が搬送中に浮き上がっても、延長トレイ106上に積載された媒体に当接しない。そのため、媒体搬送装置100は、延長トレイ106上に積載された媒体が、浮き上がった媒体のステイプルに接触して損傷することを抑制できる。
【0093】
図9に示すように、付属部106cの媒体排出方向A3の下流側の端部の側面である側端部106iは、突起部106dの下面を基準にして下側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置するように配置されている。即ち、側端部106iは、載置台103側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置するように配置されている。側端部106iは、載置台103側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置する傾斜面の一例であり、延長トレイ106は、付属部106cの媒体排出方向A3の下流側に傾斜面を有している。側端部106iは、側端部106iと突起部106dの下面とがなす角度θ2が90°未満となるように、好ましくは85°以下となるように設けられる。
【0094】
ステイプルS2で綴じられた後端側の角部が浮き上がって側端部106iに当接した場合、浮き上がった部分は、傾斜する側端部106iに沿ってスムーズに下側、即ち載置台103側に案内される。これにより、媒体の浮き上がった部分が側端部106iに引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0095】
同様に、
図9に示すように、排出トレイ105の媒体排出方向A3の下流側の端部の側面である側端部105bは、延長トレイ106の下面を基準にして下側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置するように配置されている。即ち、側端部105bは、載置台103側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置するように配置されている。側端部105bは、載置台103側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置する傾斜面の一例であり、排出トレイ105は、排出トレイ105の媒体排出方向A3の下流側に傾斜面を有している。側端部105bは、側端部105bと延長トレイ106の下面とがなす角度θ3が90°未満となるように、好ましくは85°以下となるように設けられる。
【0096】
ステイプルS2で綴じられた後端側の角部が浮き上がって側端部105bに当接した場合、浮き上がった部分は、傾斜する側端部105bに沿ってスムーズに下側、即ち載置台103側に案内される。これにより、媒体の浮き上がった部分が側端部105bに引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0097】
図10(B)に示すように、排出トレイ105の媒体排出方向A3の下流側の端部の側面には、延長トレイ106と接続する接続部105cが設けられる。一方、延長トレイ106の媒体排出方向A3の上流側の端部には、排出トレイ105と接続する被接続部106oが設けられる。延長トレイ106は、被接続部106oが接続部105cと接続(当接)することにより排出トレイ105の媒体排出方向A3の下流側に接続される。延長トレイ106が開いた状態において、接続部105cは、延長トレイ106の下面を基準にして、被接続部106oより下方に(載置台103側に)突出しないように設けられる。即ち、排出トレイ105及び延長トレイ106が排出部から排出される媒体を協同して積載する状態において、延長トレイ106の媒体排出方向A3の上流側の下端部は、排出トレイ105の媒体排出方向A3の下流側の下端部よりも載置台103側に配置される。
【0098】
図13及び
図14は、搬送される媒体の後端が浮き上がった場合の媒体の動作について説明するための模式図である。
図13及び
図14は、後端側の複数箇所がステイプルS1で綴じられた複数の媒体M1及びM2の後端が浮き上がり、延長トレイ106と排出トレイ105のつなぎ目を通過する様子を示す。
【0099】
上記したように、媒体排出方向A3の下流側に配置される延長トレイ106の被接続部106oが、媒体排出方向A3の上流側に配置される排出トレイ105の接続部105cより下方に(載置台103側に)配置される。即ち、媒体搬送方向A2の上流側に配置される延長トレイ106の被接続部106oが、媒体搬送方向A2の下流側に配置される排出トレイ105の接続部105cより下方に(載置台103側に)配置される。したがって、媒体M1及びM2の後端が延長トレイ106の下面に沿って移動する際に、延長トレイ106と排出トレイ105のつなぎ目に衝突することが抑制される。これにより、媒体の浮き上がった部分が延長トレイ106と排出トレイ105のつなぎ目に引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0100】
図15は、搬送される媒体の後端が浮き上がった場合の媒体の動作について説明するための模式図である。
図15は、後端側の複数箇所がステイプルS1で綴じられた複数の媒体M1及びM2の後端が浮き上がり、ガイド部材113に沿って移動する様子を示す。
【0101】
上記したように、ガイド部材113は、段差を有さないように形成された第1ガイド面113a、第2ガイド面113b及び第3ガイド面113cを有する。これにより、媒体M1及びM2の後端がガイド部材113に沿って案内される際に、ガイド部材113の段差に引っかかって、媒体の損傷が発生すること、及び、第1浮き上がりセンサ112まで到達しないことが抑制される。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりを適切に検出して、媒体の搬送を停止させることにより媒体の損傷の発生を抑制できる。
【0102】
図16は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0103】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ131、インタフェース装置132、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
【0104】
モータ131は、一又は複数のモータを含む。モータ131は、処理回路150からの制御信号によって、ピックローラ114、給送ローラ116、分離ローラ117、第1~第5搬送ローラ118a~e及び/又は排出ローラ122を回転させて媒体を搬送させるとともに、載置台103を移動させる。なお、第1~第6従動ローラ119a~fは、第1~第5搬送ローラ118a~e又は排出ローラ122に従動回転するのでなく、モータ131の駆動力に従って回転するように設けられてもよい。
【0105】
インタフェース装置132は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置132の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。通信部は、有線LAN等の通信プロトコルに従って、有線通信回線を通じて信号の送受信を行うための有線通信インタフェース回路を有してもよい。
【0106】
記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。また、コンピュータプログラムは、サーバ等から配信されて記憶装置140にインストールされてもよい。
【0107】
処理回路150は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0108】
処理回路150は、操作装置107、表示装置108、第1媒体センサ111、第1浮き上がりセンサ112、第2浮き上がりセンサ115、第2媒体センサ120、撮像装置121、モータ131、インタフェース装置132及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、各センサから受信した各信号に基づいて、各モータの駆動制御、撮像装置121の撮像制御等を行う。処理回路150は、撮像装置121から入力画像を取得し、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信する。
【0109】
図17は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【0110】
図17に示すように、記憶装置140には、制御プログラム141及び判定プログラム142等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路150は、制御部151及び判定部152として機能する。
【0111】
図18は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0112】
以下、
図18に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0113】
最初に、制御部151は、利用者により操作装置107又は情報処理装置を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置107又はインタフェース装置132から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0114】
次に、制御部151は、第1媒体センサ111から第1媒体信号を取得し、取得した第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部151は、処理をステップS101へ戻し、操作装置107又はインタフェース装置132から新たに操作信号を受信するまで待機する。
【0115】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部151は、モータ131を駆動し、媒体を給送及び搬送させる(ステップS103)。制御部151は、載置台103を移動させるためのモータを駆動し、媒体を給送可能な位置に載置台103を移動させる。次に、制御部151は、各ローラを回転させるためのモータを駆動し、ピックローラ114、給送ローラ116、分離ローラ117、第1~第5搬送ローラ118a~e、排出ローラ122及び/又は第1~第6従動ローラ119a~fを回転させる。これにより、制御部151は、載置台103に載置された媒体を給送及び搬送させる。
【0116】
次に、判定部152は、媒体の浮き上がりが発生したか否かを判定する(ステップS104)。判定部152は、第1浮き上がりセンサ112から第1浮き上がり信号を取得する。判定部152は、第1浮き上がり信号の信号値が、第1当接部材112a又は第2当接部材112bに媒体が当接していることを示す場合、後端側がステイプルで綴じられた媒体が搬送されて、媒体の浮き上がりが発生したと判定する。また、判定部152は、第2浮き上がりセンサ115から第2浮き上がり信号を取得する。判定部152は、第2浮き上がり信号の信号値が、媒体によってアーム115aが上昇していることを示す場合、先端側がステイプルで綴じられた媒体が搬送されて、媒体の浮き上がりが発生したと判定する。一方、判定部152は、第1浮き上がり信号の信号値が各当接部材に媒体が当接していることを示さず、且つ、第2浮き上がり信号の信号値が媒体によってアーム115aが上昇していることを示さない場合、媒体の浮き上がりが発生していないと判定する。
【0117】
判定部152により媒体の浮き上がりが発生したと判定された場合、制御部151は、異常処理を実行し(ステップS105)、一連のステップを終了する。制御部151は、異常処理として、モータ131を停止し、媒体の給送及び搬送を停止する。制御部151は、ステイプルで綴じられた媒体が搬送されて、媒体の浮き上がりが発生している場合に、媒体の給送及び搬送を停止することにより、媒体が損傷することを抑制できる。制御部151は、異常処理として、媒体の浮き上がりが発生した旨を表示装置108に表示し、又は、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信し、利用者に警告を通知してもよい。
【0118】
一方、判定部152により媒体の浮き上がりが発生したと判定されていない場合、制御部151は、媒体の撮像が完了したか否かを判定する(ステップS106)。制御部151は、第2媒体センサ120から定期的に第2媒体信号を取得し、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在する状態を示す値から媒体が存在しない状態を示す値に変化した時に、第2媒体センサ120が媒体の後端を検出したと判定する。制御部151は、第2媒体センサ120が媒体の後端を検出してから所定時間が経過した時に、媒体の後端が撮像位置を通過したと判定し、媒体の撮像が完了したと判定する。所定時間は、媒体が第2媒体センサ120から撮像装置121の撮像位置まで移動するのにかかる時間にマージンを加えた時間に設定される。媒体の撮像がまだ完了していない場合、制御部151は、ステップS104へ処理を戻し、ステップS104以降の処理を繰り返す。
【0119】
一方、媒体の撮像が完了した場合、判定部152は、媒体の浮き上がりが発生しなかったと判定する(ステップS107)。
【0120】
次に、制御部151は、撮像装置121から入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信することにより出力する(ステップS108)。
【0121】
次に、制御部151は、第1媒体センサ111から受信する第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS109)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部151は、ステップS104へ処理を戻し、ステップS104以降の処理を繰り返す。
【0122】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部151は、各ローラを停止させるようにモータ131を制御するとともに、載置台103を最も下側の位置まで下降させるようにモータ131を制御し(ステップS110)、一連のステップを終了する。
【0123】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がりを検出する第1浮き上がりセンサ112に媒体を案内する部分を、段差を有さないように形成する。これにより、媒体の浮き上がりが発生した場合に、媒体の浮き上がった部分は、第1浮き上がりセンサ112までスムーズに案内され、第1浮き上がりセンサ112は、媒体をより確実に検出することができる。したがって、媒体搬送装置100は、媒体の浮き上がった部分が損傷する可能性を低減させつつ、媒体の浮き上がりが発生した場合に適切に対応することが可能となり、媒体を適切に搬送することが可能となった。
【0124】
また、ステイプルで綴じられた媒体が搬送される場合でも、媒体の損傷の発生が抑制されるため、利用者は、スキャン実施前にステイプルの有無を確認する必要がなくなり、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。また、屈曲又は湾曲した媒体が搬送される場合でも、その媒体の屈曲又は湾曲した部分が良好に案内されるため、利用者は、スキャン実施前に媒体の屈曲又は湾曲の有無を確認する必要がなくなり、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0125】
図19は、他の実施形態に係る媒体搬送装置200について説明するための模式図である。
【0126】
媒体搬送装置200は、媒体搬送装置100と同様の構成及び機能を有する。但し、媒体搬送装置200は、排出トレイ105及び延長トレイ106に代えて、排出トレイ205、第1延長トレイ206及び第2延長トレイ209を有する。排出トレイ205、第1延長トレイ206及び第2延長トレイ209は、トレイの一例である。また、第1延長トレイ206及び第2延長トレイ209は、延長トレイの一例である。排出トレイ205は、排出トレイ105と同様の構成及び機能を有する。
【0127】
第1延長トレイ206は、排出トレイ205の媒体排出方向A3の下流側に接続される。第1延長トレイ206は、排出トレイ205の媒体排出方向A3の下流側端部から引き出し可能に設けられる。第1延長トレイ206は、小さいサイズ(例えばA5サイズ以下)の媒体が排出される場合には排出トレイ205内部に収納される。一方、第1延長トレイ206は、中程度以上のサイズ(例えばA5サイズより大きいサイズ)の媒体が排出される場合には排出トレイ205から引き出され、排出トレイ205を媒体排出方向A3の下流側に向けて延長するように配置される。
【0128】
第2延長トレイ209は、第1延長トレイ206の媒体排出方向A3の下流側に接続される。第2延長トレイ209は、第1延長トレイ206の媒体排出方向A3の下流側端部から引き出し可能に設けられる。第2延長トレイ209は、中程度のサイズ(例えばA5サイズより大きく且つA4サイズ以下であるサイズ)の媒体が排出される場合には第1延長トレイ206内部に収納される。一方、第2延長トレイ209は、大きいサイズ(例えばA4サイズより大きいサイズ)の媒体が排出される場合には第1延長トレイ206から引き出され、第1延長トレイ206を媒体排出方向A3の下流側に向けて延長するように配置される。
【0129】
排出トレイ205、第1延長トレイ206及び第2延長トレイ209は、載置台103の上方に、載置台103と対向するように、即ち高さ方向A1から見て載置台103と重なるように配置される。第1延長トレイ206及び第2延長トレイ209は、排出トレイ205と協同して、第1筐体101及び第2筐体102の排出口から排出された媒体を積載する。
【0130】
図20は、排出トレイ205、第1延長トレイ206及び第2延長トレイ209について説明するための模式図である。
図20は、排出トレイ205、第1延長トレイ206及び第2延長トレイ209を媒体排出方向A3の下流側から見た模式図である。
【0131】
図20に示すように、排出トレイ205内部には、媒体排出方向A3に沿って延伸するレール等の案内部205aが形成され、第1延長トレイ206の幅方向A4の外側の端部には、媒体排出方向A3に沿って延伸する突起等の係合部206aが形成される。係合部206aが案内部205aに沿って摺動することにより、第1延長トレイ206は排出トレイ205に対してスライド移動する。同様に、第1延長トレイ206内部には、媒体排出方向A3に沿って延伸するレール等の案内部206bが形成され、第2延長トレイ209の幅方向A4の外側の端部には、媒体排出方向A3に沿って延伸する突起等の係合部209aが形成される。係合部209aが案内部206bに沿って摺動することにより、第2延長トレイ209は第1延長トレイ206に対してスライド移動する。
【0132】
第1延長トレイ206の幅方向A4の長さは排出トレイ205の幅方向A4の長さより短く、且つ、第1延長トレイ206の下端は、排出トレイ205の延伸方向に対して排出トレイ205の下端より下方、即ち載置台103側に配置されている。また、第2延長トレイ209の幅方向A4の長さは第1延長トレイ206の幅方向A4の長さより短く、且つ、第1延長トレイ206の延伸方向に対して第2延長トレイ209の下端は、第1延長トレイ206の下端より下方、即ち載置台103側に配置されている。
【0133】
なお、延長トレイ106と同様に、排出トレイ205、第1延長トレイ206及び/又は第2延長トレイ209において、媒体排出方向A3の下流側の端部の側面及び/又は下面は、段差を有さないように形成されてもよい。また、延長トレイ106と同様に、排出トレイ205、第1延長トレイ206及び/又は第2延長トレイ209において、幅方向A4における左右の端部の側面及び/又は下面は、段差を有さないように形成されてもよい。また、延長トレイ106と同様に、排出トレイ205、第1延長トレイ206及び/又は第2延長トレイ209の下面に、段差を有さないように形成された、媒体排出方向A3に沿って延伸するリブが設けられてもよい。また、延長トレイ106の付属部106cと同様に、排出トレイ205及び/又は第1延長トレイ206において、媒体排出方向A3の下流側の端部の側面は、幅方向A4の外側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置するように配置されてもよい。また、延長トレイ106の付属部106cと同様に、排出トレイ205及び/又は第1延長トレイ206において、媒体排出方向A3の下流側の端部の側面は、載置台103側ほど媒体排出方向A3の上流側に位置するように配置されてもよい。
【0134】
図19に示すように、第1延長トレイ206の媒体排出方向A3の上流側の端部に設けられた被接続部206cが、排出トレイ205の媒体排出方向A3の下流側の端部に設けられた接続部205bと接続することにより、第1延長トレイ206は排出トレイ205の媒体排出方向A3の下流側に接続される。上記したように、第1延長トレイ206の下端は、排出トレイ205の延伸方向に対して排出トレイ205の下端より下方、即ち載置台103側に配置されている。したがって、第1延長トレイ206が引き出された状態において、接続部205bは、第1延長トレイ206の下面を基準にして、被接続部206cより下方に突出しないように形成されている。即ち、排出トレイ205及び第1延長トレイ206が排出部から排出される媒体を協同して積載する状態において、第1延長トレイ206の媒体排出方向A3の上流側の下端部は、排出トレイ205の媒体排出方向A3の下流側の下端部よりも載置台103側に配置される。したがって、媒体の後端が第1延長トレイ206の下面に沿って移動する際に、第1延長トレイ206と排出トレイ205のつなぎ目に衝突することが抑制される。
【0135】
同様に、第2延長トレイ209の媒体排出方向A3の上流側の端部に設けられた被接続部209bが、第1延長トレイ206の媒体排出方向A3の下流側の端部に設けられた接続部206dと接続することにより、第2延長トレイ209は第1延長トレイ206の媒体排出方向A3の下流側に接続される。上記したように、第2延長トレイ209の下端は、第2延長トレイ209の延伸方向に対して第1延長トレイ206の下端より下方、即ち載置台103側に配置されている。したがって、第2延長トレイ209が引き出された状態において、接続部206dは、第2延長トレイ209の下面を基準にして、被接続部209bより下方に突出しないように形成されている。即ち、第1延長トレイ206及び第2延長トレイ209が排出部から排出される媒体を協同して積載する状態において、第2延長トレイ209の媒体排出方向A3の上流側の下端部は、第1延長トレイ206の媒体排出方向A3の下流側の下端部よりも載置台103側に配置される。したがって、媒体の後端が第2延長トレイ209の下面に沿って移動する際に、第2延長トレイ209と第1延長トレイ206のつなぎ目に衝突することが抑制される。
【0136】
以上詳述したように、媒体搬送装置200は、延長トレイが引き出し可能に設けられている場合も、媒体を適切に搬送することが可能となった。
【0137】
図21は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置の処理回路350の概略構成を示す図である。
【0138】
処理回路350は、媒体搬送装置100又は媒体搬送装置200の処理回路150の代わりに使用され、処理回路150の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路350は、制御回路351及び判定回路352等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0139】
制御回路351は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路351は、操作装置107又はインタフェース装置132から操作信号を受信する。また、制御回路351は、第1媒体センサ111から第1媒体信号を、第2媒体センサ120から第2媒体信号を受信する。また、制御回路351は、判定回路352から媒体の浮き上がりが発生したか否かの判定結果を受信する。制御回路351は、受信した各情報に基づいてモータ131を制御するとともに、撮像装置121から入力画像を取得し、インタフェース装置132に出力する。
【0140】
判定回路352は、判定部の一例であり、判定部152と同様の機能を有する。判定回路352は、第1浮き上がりセンサ112から第1浮き上がり信号を、第2浮き上がりセンサ115から第2浮き上がり信号を受信する。判定回路352は、受信した各信号に基づいて、媒体の浮き上がりが発生したか否かを判定し、判定結果を制御回路351に出力する。
【0141】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路350を用いる場合も、媒体を適切に搬送することが可能となった。
【0142】
以上、好適な実施形態について説明してきたが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、排出台及び延長トレイ(第1延長トレイ及び第2延長トレイ)は、載置台103の下方に配置されてもよい。その場合も、ガイド部材113は、搬送部により搬送される媒体を第1浮き上がりセンサ112に案内可能に、第1浮き上がりセンサ112の周囲に配置される。
【0143】
また、第1浮き上がりセンサ112として、測距センサが用いられてもよい。測距センサは、発光器及び受光器を含む。発光器は、載置台103に向けて光(赤外光又は可視光)を照射する。一方、受光器は、発光器により照射され且つ載置台103又は搬送される媒体により反射した光を受光する。測距センサは、発光器が光を照射してから受光器がその光を受光するまでの時間に応じた信号を第1浮き上がり信号として生成する。第1浮き上がり信号の信号値は、測距センサから媒体までの距離に応じて変化するため、搬送される媒体の浮き上がりが発生しているか否かにより変化する。
【0144】
また、第1浮き上がりセンサ112として、超音波センサが用いられてもよい。超音波センサは、載置台103の上方且つ幅方向A4の両端に相互に対向するように配置された超音波発信器及び超音波受信器を含む。超音波発信器は、超音波受信器に向けて超音波を発信する。超音波受信器は、超音波発信器から発信された超音波を受信する。超音波センサは、超音波受信器が受信した超音波の強度に応じた信号を第1浮き上がり信号として生成する。超音波発信器と超音波受信器の間に媒体が存在する場合、超音波発信器から発信された超音波は、その媒体により減衰するため、第1浮き上がり信号の信号値は、搬送される媒体の浮き上がりが発生しているか否かにより変化する。
【0145】
また、第2浮き上がりセンサ115として、測距センサが用いられてもよい。測距センサは、発光器及び受光器を含む。発光器は、媒体搬送路に向けて光(赤外光又は可視光)を照射する。一方、受光器は、発光器により照射され且つ第1ガイド101a又は搬送される媒体により反射した光を受光する。測距センサは、発光器が光を照射してから受光器がその光を受光するまでの時間に応じた信号を第2浮き上がり信号として生成する。第2浮き上がり信号の信号値は、測距センサから媒体までの距離に応じて変化するため、搬送される媒体の浮き上がりが発生しているか否かにより変化する。
【符号の説明】
【0146】
100、200 媒体搬送装置、103 載置台、104 引き出しトレイ、105 排出トレイ、106 延長トレイ、106b 基部、106c 付属部、112 第1浮き上がりセンサ、113 ガイド部材、114 ピックローラ、116 給送ローラ、117 分離ローラ、118a~e 第1~第5搬送ローラ、119a~f 第1~第6従動ローラ、122 排出ローラ、206 第1延長トレイ、209 第2延長トレイ
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
【特許文献1】特開2004-182449号公報
【特許文献2】特開2017-147605号公報