(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007198
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】供給装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
B65G1/04 561
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108440
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】足立 将慎
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022CC05
3F022EE01
3F022FF01
3F022JJ19
3F022KK11
3F022MM11
(57)【要約】
【課題】
作業効率の良い供給装置の提供を目的とする。
【解決手段】
ワーク10を載置可能に構成され、その下面には遊嵌突起22および位置決め突起23が複数個設けられた板状のトレー20と、前記トレー20の遊嵌突起22が嵌合可能な遊嵌孔36が形成された保持ステーション33を上下方向所定の間隔を開けて複数段有する貯留ラック30と、前記保持ステーション33上に載置されたトレー20を取り出し、所定の供給位置まで搬送可能な取出しアーム42を有する搬送ユニット40とを備え、前記取出しアーム42には、前記トレー20の位置決め突起23を挟持して当該取出しアーム42に対するトレー20の相対位置を位置決め可能な位置決めチャック43を有していることを特徴とする供給装置による。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを載置可能に構成され、その下面に遊嵌突起および位置決め突起が複数個設けられた板状のトレーと、
前記トレーの遊嵌突起が嵌合可能な遊嵌孔が形成された保持ステーションを上下方向所定の間隔を開けて複数段有する貯留ラックと、
前記保持ステーション上に載置されたトレーを取り出し、所定の供給位置まで搬送可能な取出しアームを有する搬送ユニットとを備えた供給装置において、
前記取出しアームには、前記トレーの位置決め突起を挟持して当該取出しアームに対するトレーの相対位置を位置決め可能な位置決めチャックを有していることを特徴とする供給装置。
【請求項2】
前記位置決めチャックは、そのチャック爪の対向面に前記トレーの位置決め突起と当接して、トレーを適正位置まで摺動させる位置決め凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記遊嵌突起は、先端に向かうにつれて徐々に縮径する略錐体形状に構成されているとともに前記遊嵌孔は、前記遊嵌突起の最大径より大径に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項4】
前記保持ステーションには、搬送ユニット側に向かって開口する通過凹部が形成されており、この通過凹部は前記取出しアームが進入可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項5】
前記取出しアームには、前記トレーを水平方向に摺動自在に保持するフリーベアが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の作業機に板形状のワークを供給する供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トレー上に支持されたワークを下流工程に供給する供給装置として、特許文献1に開示されたものが知られている。この供給装置は、吸着装置によって貯留ラックからワークを取り出して原点位置決め用のテーブルへ一旦載置して位置決めするとともに、その後、吸着装置がワークを再度吸着保持して作業機まで搬送するように構成されている。この供給装置において、前記ワークは、前記原点位置決め用のテーブルに載置されて作業機との位置関係が決定されるため、精密な作業を実施することが可能である。また、ワークが貯留ラックに保持されている間に位置決めしようとすると、貯留ラックの全ての段に位置決め手段を設置する必要があり、装置となる。このため、従来の供給装置のように原点位置決め用のテーブルで位置決めする場合位置決め手段が一つで良く比較的安価に製造可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の供給装置は、原点位置決め用のテーブルにワークを一旦載置し、再度取り出す構成のため、サイクルタイムが長くなり作業効率が悪化するという問題があった。
【0005】
そのため、本発明は、作業効率が良く、安価にトレーを位置決め可能な供給装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、ワークを載置可能に構成され、その下面には遊嵌突起および位置決め突起が複数個設けられた板状のトレーと、前記トレーの遊嵌突起が嵌合可能な遊嵌孔が形成された保持ステーションを上下方向所定の間隔を開けて複数段有する貯留ラックと、前記保持ステーション上に載置されたトレーを取り出し、所定の供給位置まで搬送可能な取出しアームを有する搬送ユニットとを備えた供給装置において、前記取出しアームには、前記トレーの位置決め突起を挟持して当該取出しアームに対するトレーの相対位置を位置決め可能な位置決めチャックを有していることを特徴とする。なお、前記位置決めチャックは、そのチャック爪の対向面に前記トレーの位置決め突起と当接して、トレーを適正位置まで摺動させる位置決め凹部が形成されていることが好ましい。また、前記保持ステーションには、搬送ユニット側に向かって開口する通過凹部が形成されており、この通過凹部は前記取出しアームが進入可能に構成されていることが好ましい。さらに、前記遊嵌突起は、先端に向かうにつれて徐々に縮径する略錐体形状に構成されているとともに前記遊嵌孔は、前記遊嵌突起の最大径より大径に構成されていることが好ましい。しかも、前記取出しアームには、前記トレーを水平方向に摺動自在に保持するフリーベアが設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る供給装置は、搬送ユニット上でワークの位置決めを行い、従来の供給装置のように一旦原点位置決め用のテーブルにワークを載置する必要がないため、サイクルタイムが短く作業効率が良いという利点が有る。なお、前記位置決めチャックの対向面に位置決め凹部が形成されており、当該位置決めチャックでトレーの位置決め突起を挟むことにより、トレーを位置決め出来るため、比較的安価なシリンダチャックのみで位置決めすることが可能で装置を安価に製造可能という利点も有する。また、前記保持ステーションに取り出しアームが進入可能な通過凹部が形成されていることにより、取り出しアームがトレーの直下に進入しやすくなる等の利点がある。さらに、前記遊嵌突起が略錐体形状に構成されており、遊嵌突起と遊嵌孔とを嵌合しやすいため、より円滑に保持ステーション上にトレーを返却可能等の利点がある。しかも、取り出しアーム上にフリーベアが設置されており、位置決めする際に前記トレーが取り出しアーム上で水平移動しやすいため、位置決めチャックが比較的安価で弱いチャックであっても良い等の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る供給装置の構造を示す側面図である。
【
図2】本発明に係る供給装置の構造を示す平面図である。
【
図3】本発明に係る供給装置の構造を示す一部断面平面図である。
【
図4】本発明に係る供給装置の動作を示す要部拡大一部切欠き側面図であり、(a)は
図3のA-A線断面側面図であり、(b)は(a)から次の状態に移行した状態を示す一部断面側面図である。
【
図5】本発明に係る供給装置の動作を示す要部拡大一部切欠き側面図であり、(c)は
図4の(b)から次の状態に移行した状態を示す一部断面側面図であり、(d)は(c)から次の状態に移行した状態を示す一部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。本発明に係る供給装置10は、
図1ないし
図5に示すように、円環形状のワークWを多数載置可能なトレー20と、このトレー20を上下方向多段に積層して貯留可能な貯留ラック30と、この貯留ラック30から前記トレー20を取り出して後方に位置する作業機の可動域まで搬送する搬送ユニット40と、搬送ユニット40の駆動を生後する制御ユニットを備える。
【0010】
前記トレー20は、水平方向に広がる平面視矩形の板状部材であり、その上面には、多数の嵌合凹部21が前後左右に複数列整列して形成されている。この嵌合凹部21は、前記ワークWが嵌合可能な円形形状に構成されており、嵌合したワークWの一部が上方に突出するようワークWの厚さ寸法より、浅く構成されている。一方、前記トレー20の下面には、前記矩形形状の四隅それぞれに遊嵌突起22が突出形成されているとともに、この遊嵌突起22より中心側には、横方向に所定の間隔を空けて一対の位置決め突起23,23が設けられている。また、前記トレー20は、下面の後端部に反射部材24が装着されており、後方から照射された光を反射可能に構成されている。なお、本実施形態において前記遊嵌突起22は、下方に向かうにつれて徐々に直径が小さくなる略円錐形状に構成されているとともに、前記位置決め突起23,23は、回転自在に構成されたカムフォロアから構成されている。
【0011】
前記貯留ラック30は、
図1に示すように供給装置10の基台11上に設置されるフレーム31を有しており、このフレーム31内には、前後方向に伸びるスライドレール32が左右対称になおかつ上下方向に所定の間隔を開けて複数段設けられている。これらスライドレール32には、当該スライドレール32に沿って摺動可能に構成された保持ステーション33が装着されており、スライドレール32は、この保持ステーション33を前進されてフレーム31から突出可能に構成されている。また、前記スライドレール32の後端部には、前記保持ステーション33の移動経路上に弾性部材等からなるブレーキ34が設けられており、保持ステーション33が当該ブレーキ34と当接する位置にて停止するよう構成されている。これらスライドレール32間の間隔は、後述するトレー20の取り出し時、トレー20が上段の保持ステーション33に保持されたトレー20と干渉しないようトレー20の上下方向寸法より広く十分設定されている。なお、スライドレール32は、保持ステーション33が前方に突出した際、当該保持ステーション33上のトレー20がフレーム31から完全に抜け出るようなストロークに設定されている。
【0012】
前記保持ステーション33は、
図2に示すように前記トレー20より若干狭くなおかつ後方側に開口する通過凹部35が上下方向に貫通形成された平面視コの字形状部材であり、その上面には、前記トレー20の遊嵌突起22が遊嵌可能な遊嵌孔36が形成されている。この遊嵌孔36は、遊嵌突起22の最大径より大径に形成されており、保持ステーション33上にトレー20を載置した際、保持ステーション33とトレー20が水平方向に若干位置ずれしていても遊嵌突起22が遊嵌孔36に嵌まるよう構成されている。また、前記保持ステーション33の上面には、遊嵌孔36より後方に滑り止め部材37が固定されており、後述するトレー20の設置時、トレー20が保持ステーション33から搬送ユニット40側に落下しないよう構成されている。
【0013】
前記搬送ユニット40は、前記基台11上に配置された位置制御機構41およびこの位置制御機構41の駆動を受けて移動する取出しアーム42を備えている。前記位置制御機構41は、前後方向に伸びる直進駆動源411と、この直進駆動源411の駆動を受けて前後方向に往復移動する昇降駆動源412を備えており、前記取出しアーム42は、位置制御機構41の駆動を受けて前後方向および上下方向に移動自在に構成されている。
【0014】
前記取出しアーム42は、前記昇降駆動源412の駆動部から前方に伸びるとともに前記保持ステーション33同士の間隔より薄く構成されており、その途中には、一対の前記位置決めチャック43,43が設けられている。この位置決めチャック43,43は、前記トレー20の位置決め突起23,23を把持可能に配置されるとともに
図3の2点鎖線に示されるように開閉可能な一対のチャック爪431,431を有しており、このチャック爪431の対向面には、くさび形状の位置決め凹部432が形成されている。また、前記取出しアーム42の上面には、摺動部品の一例であるフリーベア44が複数個設置されており、これらフリーベア44は、その上端部が前記チャック爪431,431の上面より若干上方に位置するよう配置されている。さらに、前記取出しアーム42の前端部には、衝突防止手段451として、前方に検出光を照射するとともに、前方からの光を受光可能な光学センサが設けられており、この衝突防止手段451は、前記トレー20の反射部材24に反射した検出光を検出可能に配置されている。しかも、前記位置決めチャック43付近に設けられた有無確認手段452として、上方に検出光を照射するとともに取出しアーム42に載置されたトレー20の下面に反射した当該検出光を受光可能な光学センサも設けられている。
【0015】
前記制御ユニットは、搬送ユニット40および前記作業機等の外部装置に接続されており、これらの駆動を制御可能に構成されている。
【0016】
本実施形態において、前記作業機は、トレー20上からワークWを把持して取り出し可能に構成された把持チャックおよびこの把持チャックを移動させる多関節ロボットを有しており、当該多関節ロボットは、前記搬送ユニット40が取出しアーム42を最後部かつ最上部に移動させた際、当該取出しアーム42上のトレー20がチャックユニットの可動域内となるよう所定の大きさに設定されている。
【0017】
次に、上記のように構成された供給装置10の作用を説明する。
起動信号が入力されると、前記制御ユニットは、前記搬送ユニット40の昇降駆動源412を駆動させ、前記取出しアーム42を所定の保持ステーション33の下方まで昇降させるとともに前記直進駆動源411が駆動し、所定の保持ステーション33の下方に高さに達した取出しアーム42を当該保持ステーション33と下段の保持ステーション33との間に向かって前進させる。前進した取出しアーム42の位置決めチャック43,43が
図3および
図4の(a)に示すようにトレー20の位置決め突起23,23の下方に達すると、制御ユニットは、前記昇降駆動源412を再駆動させ、取出しアーム42をトレー20に向かい上昇させる。このように上昇する取出しアーム42がトレー20を持ち上げ、当該トレー20の遊嵌突起22が保持ステーション33の遊嵌孔36から抜け出る。
【0018】
図4の(b)に示すように前記トレー20の遊嵌突起22が遊嵌孔36から抜け出ると、制御ユニットは、前記位置決めチャック43,43を駆動させて前記チャック爪431,431を閉じる。この時、前記チャック爪431,431は、その対向面にくさび形状の位置決め凹部432が形成されているため、前記位置決め突起23,23が当該位置決め凹部432によって前後方向および横方向に付勢される。これにより、前記トレー20は、位置決め突起23,23が前記位置決めチャック43,43の中心軸と重なる所定の適正位置に位置決め固定される。また、前記取出しアーム42上にフリーベア44が設けられているため、取出しアーム42とトレー20との接触が点接触となり、トレー20が取出しアーム42上で円滑に摺動することが可能となる。これにより、前記位置決めチャック43,43が比較的弱い力のものであってもトレー20を位置決めすることができる。
【0019】
位置決めチャック43,43が閉じて、トレー20が適正位置に位置決め固定されると、制御ユニットは、前記前記直進駆動源411が再駆動してトレー20を載せた取出しアーム42を最後部まで後退させる。これにより、取出しアーム42に載ったトレー20は、フレーム31から前方に抜き出される。その後、制御ユニットは、前記昇降駆動源412が再駆動して、取出しアーム42およびトレー20を前記作業機の可動域まで上昇させる。トレー20が作業機の可動域に達すると、制御ユニットは、前記作業機に駆動信号を出力して作業機に所定の作業を実施させる。
【0020】
上述の作業機によってトレー20上のワークW全てに対して作業が実施されると、制御ユニットは、前記搬送ユニット40を駆動して前記取出しアーム42およびトレー20を、当該トレー20を抜き出した保持ステーション33とその上段の保持ステーション33との間まで下降させる。取出しアーム42が下降すると、前記衝突防止センサが前方に向かい検出光を投光する。万一、トレー20を返却予定の保持ステーション33上にワークWが存在する場合、衝突防止センサが投光した検出光は、トレー20の反射部材24に反射して衝突防止センサに帰ってくる。このため、当該反射光を受光した衝突防止センサは、制御ユニットに停止信号を出力して供給装置10の駆動を一旦停止させる。このため、取出しアーム42が貯留ラック30に保持されたトレー20を衝突することが防止される。
【0021】
一方、衝突防止センサが検出光を受光しない場合、制御ユニットは、前記直進駆動源411を駆動させて、
図5の(c)に示すようにトレー20の前記遊嵌突起22が保持ステーション33の遊嵌突起22上に位置するまで取出しアーム42を前進させる。その後、制御ユニットは、
図5の(d)に示すように取出しアーム42上に載置されたトレー20の遊嵌突起22の一部が保持ステーション33の遊嵌孔36に挿入する程度に前記昇降駆動源412を若干下降させる。この時、遊嵌孔36が遊嵌突起22より大経に構成されていることおよび遊嵌突起22が略円錐形状に構成されていることにより、遊嵌突起22が遊嵌孔36から多少ずれていても容易に挿入可能となる。このように遊嵌突起22の一部が遊嵌孔36に挿入されると、制御部は、前記位置決めチャック43,43を開きトレー20を開放する。その後、再度昇降駆動源412を下降させてトレー20を取出しアーム42から保持ステーション33に移載する。トレー20の移載後、制御部は、前記直進駆動源411を駆動させて取出しアーム42を当初の位置まで復帰させる。
【0022】
上述のようにトレー20が保持ステーション33に返却された後、トレー20上にワークWを補充する。この時、当該保持ステーション33が前方に引き出し可能であり、トレー20がフレーム31から完全に出るように保持ステーション33のストロークが設定されているため、保持ステーション33上にトレー20を載置したワークWを補充するあるいは、トレー20を保持ステーション33から取り出した後にワークWを補充する何れにしても作業がしやすくなる。また、保持ステーション33から抜き出したトレー20にワークWを補充する場合、当該保持ステーション33の遊嵌孔36がトレー20の遊嵌突起22より大径に構成されているおり、遊嵌突起22が遊嵌穴36に挿入されやすいため、保持ステーション33上でトレー20の精密な位置調整する必要がなくなり容易に設置可能となる。さらに、保持ステーション33に滑り止め部材37が設けられていることによって、トレー20が後方側に滑り落ちることが防止される。このように供給装置10は、保持ステーション33上にトレー20を容易に設置可能である一方、保持ステーション33取り出されたトレー20は、上述のように位置決めチャック43,43によって取出しアーム42上で適正な位置に位置決めされることとなる。この結果、作業機がトレー20からワークWを容易に取り出し可能となる。また、対向面に位置決め凹部432が形成された位置決めチャック43,43を開閉するのみで位置決め可能であるため、複雑な制御等が必要なく容易に制御可能とる。
【0023】
なお、本発明に係る供給装置10は、上述の構成に限定するものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、前記トレー20の大きさおよび形状は、ワークWの大きさおよび個数等によって形成されることが好ましく、前記取出しアーム42は、トレー20の大きさに合わせて適宜調整されることが好ましい。また、前記搬送ユニット40の位置制御機構41は、前述のように直進駆動源411および昇降駆動源412のみに限定されず、取出しアーム42を前後左右(前後方向と直交する方向)上下方向に移動させることが可能な多関節ロボット等であっても何ら問題無い。さらに、前記位置決め凹部432は、少なくとも一つのチャック爪431に設けられていれば良い。
【0024】
また、貯留ラック30は、上記供給装置10のように基台11上に固定されるものに限定されず、フレーム31がキャスター等の移動手段上に設置され、全て保持ステーション33上に載置されたトレー20に対して前述の作業が終了後、第二の貯留ラック30と交換される構成であっても良い。このように貯留ラック30ごと段替えすることも可能となる。なお、貯留ラック30から次段の貯留ラック30へ段替えすると、貯留ラック30を構成する各種部品の寸法公差および貯留ラック30の設置位置のずれ等により、搬送ユニット30に対するトレー20の待機位置が変化する。しかしながら、本件供給装置10は、上述のように保持ステーション33の遊嵌孔36と遊嵌突起22とが位置ずれを許容するよう遊嵌しているため、次段の貯留ラック30に交換しても前段の貯留ラック30と同様に作業可能となる。
【符号の説明】
【0025】
10 … 供給装置
11 … 基台
20 … トレー
21 … 嵌合凹部
22 … 遊嵌突起
23 … 位置決め突起
24 … 反射部材
30 … 貯留ラック30
31 … フレーム
32 … スライドレール
33 … 保持ステーション
34 … ブレーキ
35 … 通過凹部
36 … 遊嵌孔
37 … 部材
40 … 搬送ユニット
41 … 位置制御機構
411… 直進駆動源
412… 昇降駆動源
42 … 取出しアーム
43 … 位置決めチャック
431… チャック爪
432… 位置決め凹部
44 … フリーベア
451… 衝突防止手段
452… 有無確認手段
W … ワーク