(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025000072
(43)【公開日】2025-01-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/60 20130101AFI20241224BHJP
H04N 7/15 20060101ALI20241224BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20241224BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
G06F21/60
H04N7/15 120
G06F21/32
G06F3/01 510
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099717
(22)【出願日】2023-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】500147023
【氏名又は名称】デジタルアーツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】道具 登志夫
【テーマコード(参考)】
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164UB81S
5C164VA07S
5C164VA13P
5C164VA35P
5E555AA52
5E555BA02
5E555BA13
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB13
5E555BC14
5E555CA42
5E555CB80
5E555DB57
5E555DC11
5E555DC20
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザの端末画面に表示されたデータについて、第三者による不正撮影を防止することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、ユーザ端末20のカメラを介して撮影された、前記ユーザ端末の画面前方の画像を取得するカメラ情報取得部13と、取得された画像内に人物が写る場合に、ユーザの顔情報に基づいて当該人物の顔認証を行う顔認証部14と、画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるか否かを判別する外形抽出部15と、撮影された画像内の人物の体の向きを判別する姿勢判別部16と、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出され、かつ人物の体の向きが前記ユーザ端末の画面の方向にあるときに不正を検出する不正判定部17と、不正が検知された場合に、ユーザ端末の画面上のデータを制御する表示制御部18と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のカメラを介して撮影された、前記ユーザ端末の画面前方の画像を取得するカメラ情報取得部と、
取得された画像内に人物が写る場合に、ユーザの顔情報に基づいて当該人物の顔認証を行う顔認証部と、
前記画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるか否かを判別する外形抽出部と、
撮影された前記画像内の前記人物の体の向きを判別する姿勢判別部と、
顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されて、かつ前記人物の体の向きが前記ユーザ端末の画面の方向にあるときに不正を検出する不正判定部と、
不正が検知された場合に、前記ユーザ端末の画面上のデータを制御する表示制御部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、不正が検知された場合に、前記ユーザ端末において再生されている動画データを停止させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザ端末のカメラを介して撮影された、前記ユーザ端末の画面前方の画像を取得するステップと、
取得された画像内に人物が写る場合に、ユーザの顔情報に基づいて当該人物の顔認証を行うステップと、
前記画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるか否かを判別するステップと、
撮影された前記画像内の前記人物の体の向きを判別するステップと、
顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されて、かつ前記人物の体の向きが前記ユーザ端末の画面の方向にあるときに不正を検出するステップと、
不正が検知された場合に、前記ユーザ端末の画面上のデータを制御するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータを、
ユーザ端末のカメラを介して撮影された、前記ユーザ端末の画面前方の画像を取得する機能、
取得された画像内に人物が写る場合に、ユーザの顔情報に基づいて当該人物の顔認証を行う機能、
前記画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるか否かを判別する機能、
撮影された前記画像内の前記人物の体の向きを判別する機能、
顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されて、かつ前記人物の体の向きが前記ユーザ端末の画面の方向にあるときに不正を検出する機能、
不正が検知された場合に、前記ユーザ端末の画面上のデータを制御する機能、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会社の拠点から離れた遠隔地から会社の業務を行う、いわゆるテレワークと呼ばれる勤務形態が定着しつつある。テレワークにおいて、ネットワークを介してどこからでも業務が可能となるため、業務を行う場所も、自宅のみならず公共のスペースで実施することも可能である。
【0003】
テレワークでは業務の実施場所を柔軟に選択できる一方で、公共のスペース等、第三者が存在するような場所で業務を実施した場合には、業務実施中のPC画面を第三者に盗み見られる、特にスマートフォン、タブレット等の携帯端末を用いてPC画面が不正に撮影されて、業務の情報等が窃取されてしまうおそれがある。
【0004】
従来では、テレワーク実施中に、業務の実施者とは異なる第三者が、カメラに写りこんだ場合にインシデントとして検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、業務の実施者とは異なる第三者が、カメラに写りこんだ場合にインシデントとして検知する方法では、例えば公共のスペースでは、業務の実施者の背後に第三者が常に存在するため、第三者が単に写りこんだ場合であっても不正なインシデントと判断されてしまう場合があり、不正のおそれがない場合であっても検知する恐れがある。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、ユーザの端末画面に表示されたデータについて、第三者による不正撮影を防止することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る情報処理装置は、ユーザ端末のカメラを介して撮影された、前記ユーザ端末の画面前方の画像を取得するカメラ情報取得部と、取得された画像内に人物が写る場合に、ユーザの顔情報に基づいて当該人物の顔認証を行う顔認証部と、前記画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるか否かを判別する外形抽出部と、前記画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出された場合に不正を検知する不正判定部と、不正が検知された場合に、前記ユーザ端末の画面上のデータを制御する表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態により、ユーザの端末画面に表示されたデータについて、第三者による不正撮影を防止することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す構成図。
【
図2】本実施形態に係る、第三者による不正撮影の検知方法を示す模式図。
【
図3】(A)ユーザ端末のカメラで撮影された画像の判定の一例を示す説明図、(B)ユーザ端末のカメラで撮影された画像の判定の他の例を示す説明図、(C)ユーザ端末のカメラで撮影された画像の判定の他の例を示す図であり、第三者により不正撮影と判断される場合の説明図。
【
図4】本実施形態に係る情報処理方法の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。
情報処理装置10は、ユーザ端末20のカメラ21により撮影された画像内の人物の顔認証を行い、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるかを判別し、当該人物の体の向きを判別して、第三者による不正を検知した場合に、ユーザ端末20の画面上のデータを制御するサーバである。データとは、情報処理装置10で保存される各種のデータを意味しており、ファイル、画像データ、動画データ等を意味する。
【0012】
ユーザ端末20は、企業や団体等に属する社員が業務で使用するPC、スマホ、タブレット端末などの端末を示しており、情報処理装置10とネットワークを介して通信可能な端末である。また、ユーザ端末20は、ユーザの頭部に装着されて駆動するヘッドセット端末であってもよい。
【0013】
ユーザ端末20は、カメラ21を備えている。カメラ21は、ユーザ端末20と常時通信可能であり、当該端末の表示画面(ディスプレイ)の前方を撮影する撮像部である。カメラ21は、ユーザ端末20の表示画面に内蔵されてもよいし、ユーザ端末20の表示画面の側面に配置されて、ユーザ端末20の本体に外部から接続されるものでもよい。ユーザ端末20が、ヘッドセット端末である場合には、当該端末を装着するユーザの周囲、特にユーザの背後を撮影するカメラを備える。
【0014】
カメラ21により撮影される画像には、静止画像、動画等が含まれる。取得された画像データは、情報処理装置10に送信される。
【0015】
なお、
図1では、ユーザ端末20(20a,20b,20c)、各ユーザ端末20が備えるカメラ21(21a,21b,21c)を3つで記載しているが、この構成に限定されるものは無く、さらに複数のユーザ端末20、カメラ21が接続されてもよい。
【0016】
本実施形態に係る情報処理装置10の具体的な構成について説明する。
情報処理装置10は、データ送受信部11と、ユーザ情報登録部12と、カメラ情報取得部13と、顔認証部14と、外形抽出部15と、姿勢判別部16と、不正判定部17と、表示制御部18と、を備えている。
【0017】
なお、情報処理装置10を構成する各ユニットの機能は、所定のプログラムコードを、プロセッサを用いて実行することによって実現してもよく、このようなソフトウェア処理に限らず、例えば、ASIC等を用いたハードウェア処理で実現してもよいし、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを組み合わせて実現してもよい。また、情報処理装置10を構成する各ユニットは、別々のサーバで実現されてもよく、例えばユーザ端末20からアクセスされるデータは、情報処理装置10の本体とは別のサーバで保存されてもよい。
【0018】
データ送受信部11は、ユーザ端末20からのアクセス要求に応じてファイル、動画データ等のデータを送信し、ユーザ端末20のカメラ21により撮影された画像データ等を受信する。
【0019】
ユーザ情報登録部12は、ユーザ端末20のユーザを認証するための認証情報を登録している。ユーザそれぞれを識別するためのユーザIDに対応付けて、ログインID、パスワード等を登録している。また、ユーザIDに対応付けて、顔認証に用いるユーザの顔情報を登録している。ユーザ端末20は、情報処理装置10に接続してデータにアクセスする際に、登録された認証情報に基づいて認証されてもよい。
【0020】
また、データのそれぞれに対応付けてアクセス権限を有するユーザを設定してもよい。なお、複数のユーザをグループとして設定して、データのアクセス権限をグループ単位で設定してもよい。
【0021】
カメラ情報取得部13は、ユーザ端末20のカメラ21で撮影される画像を取得する。カメラ情報取得部13は、ユーザ端末20のデータへのアクセスが開始したときに、ユーザ端末20のカメラ21の撮影を開始させ、ユーザ端末20のアクセスが終了するまでカメラ21の撮影を継続させる。カメラ情報取得部13は、カメラ21で撮影される画像を随時取得する。
【0022】
顔認証部14は、カメラ21により取得された画像内において人物の顔を抽出して、抽出した顔と認証用のユーザの顔情報と照合して、顔認証を行う。画像内に複数人の人物が抽出される場合、それぞれの人物に対してユーザの顔情報に基づき顔認証を行う。画像内において顔認証が成功する人物は、データへのアクセス権限を有するユーザとなる一方で、顔認証が成功しない人物はアクセス権限を有しないユーザとなる。顔認証部14は、画像内に顔認証が成功しない人物が存在する場合に、当該人物を含む画像を外形抽出部15に送信する。
【0023】
なお、顔認証の方法については、ユーザに対応付けて予め登録したユーザの顔情報を用いて実行してもよいし、ユーザ端末20に保存されている認証用の顔情報を用いて実行してもよい。
【0024】
また、データを複数人で閲覧する場合には、当該データを閲覧する複数のユーザを予め登録しておき、カメラ21で撮影された画像に対して登録ユーザそれぞれの顔情報に基づいて顔認証を実行してもよい。
【0025】
外形抽出部15は、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が存在するかを判別する。撮像デバイスは、写真や映像を撮影するための光学的な装置、当該装置を内蔵する端末を意味しており、カメラ(デジタルカメラを含む)、カメラが内蔵されたスマートフォン、タブレットなどの携帯端末も含まれる。具体的には、顔認証が成功しない人物が存在する画像について、当該人物から所定の距離(例えば30cm以内)に、撮像デバイスの外形が存在するかを判別する。
【0026】
撮像デバイスの外形に抽出については、撮像デバイスの外形(縦横の大きさ等)を登録しておき、登録された外形と画像とを比較して判定してもよい。また、撮像デバイスの外形を機械学習して、学習したモデルに基づいて画像内における撮像デバイスの外形の有無を判定してもよい。外形抽出部15は、画像内において顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が存在する場合、その画像を姿勢判別部16に送信する。
【0027】
姿勢判別部16は、撮影された画像内の人物の体の向きを判別する。具体的には、画像内において顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が存在する場合、当該人物の体の向きを判別する。人物の体の向きとは、体の前面の方向(体の前面の法線の向き)を意味している。姿勢判別部16は、体の前面の方向が、ユーザ端末20の表示画面の方向に向いているかを判別する。なお、一定時間内(例えば10秒以内)に、体の前面の方向が、ユーザ端末20の表示画面の方向に一回以上向いた場合には、ユーザ端末20の表示画面の方向に向いていると判断してもよい。また、姿勢判別部16は、体の向きを判別する人物が、同じ位置にとどまる時間を計測してもよい。
【0028】
そして、不正判定部17は、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されて、かつ人物の体の向きがユーザ端末20の画面の方向にあるときに不正を検出する。データへのアクセス権限を有していない人物が保有している撮像デバイスが、ユーザ端末20の画面に向けられている判定して、不正撮影のおそれがあると判断する。不正判定部17は、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されて、かつ人物の体の向きがユーザ端末20の画面の方向を向いたと判別されたとき、当該人物が所定時間以上(例えば1分間以上)同じ位置に存在する場合に不正と判断してもよい。
【0029】
表示制御部18と、不正撮影のおそれがあると判断した場合に、ユーザ端末20において表示されているデータがアクセス不可となるように制御する。具体的には、ユーザ端末20に動画データを送信しているときに、不正撮影と判断した場合、動画データの送信を停止して、当該動画データへの閲覧を不可にする。表示制御部18は、不正撮影と判断した場合に、ユーザ端末20の表示画面の複製や拡張を停止させるように制御してもよい。
【0030】
また、ユーザ端末20の表示画面にデータが表示されている場合に、警告画面に切り替えるように制御してもよい。
【0031】
これにより、ユーザ端末20のユーザが端末画面上でデータを表示や再生をしているときに、第三者がユーザ端末20の画面を撮影するような不正行為があった場合、データを即時にアクセス不可の状態にすることができ、不正行為を未然に防止することができる。また、ユーザ端末20のユーザの後方に存在する不審者を検知することもできる。
【0032】
図2は、本実施形態に係る、第三者による不正撮影の検知方法を示す模式図である(適宜、
図1参照)。ここでは、ユーザ端末20のユーザAが、情報処理装置10に接続して動画データを閲覧しているときに、第三者Xが再生中の動画を撮像デバイス50(スマートフォン)で撮影しようとしている場合について検討する。
【0033】
カメラ情報取得部13は、動画データの再生が開始されたときに、カメラ21からユーザ端末20の表示画面の前方の画像を取得する。カメラ画像には、ユーザAとともに第三者Xも撮影される。このとき、撮影されたカメラ画像に対して、ユーザAの顔情報を用いて顔認証を行う。画像内のユーザAについて顔認証は成功する一方で、第三者Xについて認証は成功しない。
【0034】
そして、顔認証が成功しない第三者Xの近傍に撮像デバイス50の外形が抽出されるかを判定する。第三者Xの近傍に撮像デバイス50の外形が抽出されるため、第三者Xの体の向きを判定する。第三者Xの体の向きが、ユーザ端末20の表示画面の方向に向いている場合に、第三者Xによる不正撮影と判断する。
【0035】
そして、不正撮影と判断した場合に、ユーザ端末20において表示されている動画データを閲覧不可となるように制御する。
【0036】
図3(A)~(C)は、ユーザ端末20のカメラ21で撮影された画像の判定の一例を示す説明図である。ここでは、ユーザ端末20のユーザAが動画データを視聴しており、その背後に第三者Xが存在している場合について検討する。
【0037】
図3(A)の例では、ユーザ端末20のユーザAは顔認証が成功する一方で、第三者Xは顔認証が成功しないが、第三者Xの近傍において撮像デバイスの外形が抽出されないため、不正撮影と判断されない。
【0038】
図3(B)の例では、ユーザ端末20のユーザAは顔認証が成功する一方で、第三者Xは顔認証が成功しない。そして、第三者Xの近傍においてスマートフォンの外形が抽出される。しかし、第三者Xの体の向きはユーザ端末20の表示画面の方向を向いていない。この場合、不正撮影と判断されない。
【0039】
図3(C)は、ユーザ端末20のユーザAは顔認証が成功する一方で、第三者Xは顔認証が成功しない。第三者Xの近傍においてスマートフォンの外形が抽出され、第三者Xの体の向きはユーザ端末20の表示画面の方向を向いている。このため、第三者により不正撮影のおそれがあると判断されて、ユーザ端末20上で表示されているデータは、閲覧ス不可となるように制御される。
【0040】
このように、ユーザ端末20の画面を不正に撮影しようとする第三者の行為を精度よく判定することができ、不正撮影を未然に防止することができる。
【0041】
続いて、本実施形態に係る情報処理装置10の動作について説明する。
【0042】
図4は、本実施形態に係る情報処理方法の一例を示すフローチャートである(適宜、
図1参照)。
【0043】
データ送受信部11は、ユーザ端末20の要求を受けて、画データをユーザ端末20に送信する(S10)。ユーザ端末20は、動画データを再生する(S11)。
【0044】
カメラ情報取得部13は、ユーザ端末20によるデータへのアクセス時に当該端末のカメラ21で撮影された画像を取得する(S12)。
【0045】
顔認証部14は、取得された画像内の人物に対して、ユーザ端末20のユーザの顔情報に基づいて顔認証が成功するかを判定する(S13)。画像内の人物の顔認証が成功する場合には、動画データの送信を継続する(S13:YES)。
【0046】
外形抽出部15は画像内において顔認証が成功しない人物が存在する場合に、当該人物の近傍にスマートフォンの外形が抽出されるか判定する(S13:NO,S14)。人物の近傍にスマートフォンの外形が抽出されない場合、動画データの送信を継続する(S14:NO)。
【0047】
姿勢判別部16は、人物の近傍にスマートフォンの外形が抽出された場合に、当該人物の体の向きはユーザ端末20の表示画面の方向かを判定する(S14:YES,S15)。当該人物の体の向きが、表示画面の方向でない場合、動画データの送信を継続する(S15:NO)。
【0048】
不正判定部17は、当該人物の体の向きがユーザ端末20の表示画面の方向の場合、不正として判断する。表示制御部18は、不正と判断されたとき、ユーザ端末上で表示されている動画データの再生を停止する(S15:YES,S16)。
【0049】
以上述べた実施形態の情報処理装置によれば、ユーザ端末のカメラにより撮影された画像内の人物の顔認証を行い、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるかを判別し、当該人物の体の向きを判別して、第三者による不正を検知した場合に、ユーザ端末20の画面上のデータを制御する。これにより、第三者がユーザ端末の画面を撮影するような不正行為があった場合、データを即時に閲覧不可の状態にすることができ、不正行為を未然に防止することができる。
【0050】
なお、情報処理装置10で実行されるプログラムは、ROM等の記憶回路に予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供するようにしてもよい。また、情報処理装置10で実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。
【0051】
また、カメラ情報取得部13、顔認証部14、外形抽出部15、姿勢判別部16、不正判定部17の各ユニットをユーザ端末20に実装させて、ユーザ端末20に表示されるデータの制御を実行してもよい。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
10…情報処理装置、11…データ送受信部、12…ユーザ情報登録部、13…カメラ情報取得部、14…顔認証部、15…外形抽出部、16…姿勢判別部、17…不正判定部、18…表示制御部、20(20a,20b,20c)…ユーザ端末、21(21a,21b,21c)…カメラ、50…撮像デバイス(スマートフォン)。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のカメラを介して撮影された、前記ユーザ端末の画面前方の画像を取得するカメラ情報取得部と、
取得された画像内に人物が写る場合に、ユーザの顔情報に基づいて当該人物の顔認証を行う顔認証部と、
前記画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるか否かを判別する外形抽出部と、
撮影された前記画像内の前記人物の体の向きを判別する姿勢判別部と、
顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されて、かつ前記人物の体の向きが前記ユーザ端末の画面の方向にあるときに不正を検出する不正判定部と、
不正が検知された場合に、前記ユーザ端末の画面上のデータを閲覧不可にする表示制御部と、を備えて、
前記データを閲覧する複数のユーザを登録可能であり、
前記顔認証部は、登録されたユーザの顔情報に基づいて前記データを閲覧するユーザそれぞれについて顔認証を行う、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、不正が検知された場合に、前記ユーザ端末において再生されている動画データを停止させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザ端末のカメラを介して撮影された、前記ユーザ端末の画面前方の画像を取得するステップと、
取得された画像内に人物が写る場合に、ユーザの顔情報に基づいて当該人物の顔認証を行うステップと、
前記画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるか否かを判別するステップと、
撮影された前記画像内の前記人物の体の向きを判別するステップと、
顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されて、かつ前記人物の体の向きが前記ユーザ端末の画面の方向にあるときに不正を検出するステップと、
不正が検知された場合に、前記ユーザ端末の画面上のデータを閲覧不可にするステップと、を含み、
前記データを閲覧する複数のユーザを登録可能であり、
登録されたユーザの顔情報に基づいて前記データを閲覧するユーザそれぞれについて顔認証を行う、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータを、
ユーザ端末のカメラを介して撮影された、前記ユーザ端末の画面前方の画像を取得する機能、
取得された画像内に人物が写る場合に、ユーザの顔情報に基づいて当該人物の顔認証を行う機能、
前記画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるか否かを判別する機能、
撮影された前記画像内の前記人物の体の向きを判別する機能、
顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されて、かつ前記人物の体の向きが前記ユーザ端末の画面の方向にあるときに不正を検出する機能、
不正が検知された場合に、前記ユーザ端末の画面上のデータを閲覧不可にする機能、として機能させて、
前記データを閲覧する複数のユーザを登録可能であり、
登録されたユーザの顔情報に基づいて前記データを閲覧するユーザそれぞれについて顔認証を行う、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の実施形態に係る情報処理装置は、ユーザ端末のカメラを介して撮影された、前記ユーザ端末の画面前方の画像を取得するカメラ情報取得部と、取得された画像内に人物が写る場合に、ユーザの顔情報に基づいて当該人物の顔認証を行う顔認証部と、前記画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出されるか否かを判別する外形抽出部と、前記画像内において、顔認証が成功しない人物の近傍に撮像デバイスの外形が抽出された場合に不正を検知する不正判定部と、不正が検知された場合に、前記ユーザ端末の画面上のデータを閲覧不可にする表示制御部と、を備えて、前記データを閲覧する複数のユーザを登録可能であり、前記顔認証部は、登録されたユーザの顔情報に基づいて前記データを閲覧するユーザそれぞれについて顔認証を行うことを特徴とする。