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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007202
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】光源モジュールおよび光学レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 3/00 20060101AFI20250109BHJP
   F21S 43/20 20180101ALI20250109BHJP
   F21S 41/255 20180101ALI20250109BHJP
   F21S 41/275 20180101ALI20250109BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20250109BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20250109BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20250109BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20250109BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250109BHJP
   F21W 107/00 20180101ALN20250109BHJP
【FI】
G02B3/00 Z
F21S43/20
F21S41/255
F21S41/275
F21S41/143
F21S43/14
F21W103:00
F21W102:13
F21Y115:10
F21W107:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108450
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】綿貫 翔太
(57)【要約】
【課題】レンズ淵付近を容易に光らせることができる光源モジュールおよび光学レンズを提供する。
【解決手段】本発明の一形態に係る光源モジュールは、第1の発光素子と、灯体部品と、光学レンズとを具備する。灯体部品は、底部と筒状部とを有し、軸方向の一端が開口する円筒状部材で形成され、第1の発光素子を収容する。光学レンズは、光出射面である前面部と、周面部と、光入射面部から入射した光を周面部に向けて全反射する第1の全反射面部と、周面部に設けられ第1の全反射面部によって全反射された光を前面部に立ち上げる第2の全反射面部と、を有するレンズ本体と、前面部とは反対側に設けられ灯体部品の一端に設けられた開口部に嵌合する円筒状の環状突起とを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の第1の発光素子と、
底部と筒状部とを有し軸方向の一端が開口する円筒状部材で形成され、前記第1の発光素子を収容する灯体部品と、
前記第1の発光素子から出射した光が入射する光入射面部と、光出射面部である前面部と、周面部と、前記光入射面部から入射した光を前記周面部に向けて全反射する第1の全反射面部と、前記周面部に設けられ前記第1の全反射面部によって全反射された光を前記前面部に立ち上げる第2の全反射面部と、を有するレンズ本体と、
前記前面部とは反対側に設けられ前記灯体部品の一端に設けられた開口部に嵌合する円筒状の環状突起と、
を有する光学レンズと
を具備する光源モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光源モジュールであって、
前記レンズ本体は、前記軸方向からみて前記レンズ本体の中心に設けられ前記前面部から前記光入射面部に近づくにつれ内径が小さくなり側面が段付きの形状である孔部を有し、
前記第1の全反射面部は、前記孔部の側面に形成され、前記光入射面部から入射した光を全反射する第1の全反射面および前記第1の全反射面から前記軸方向に沿って前記光入射面部へ延びる直線部を有する段付き形状である
光源モジュール。
【請求項3】
請求項1に記載の光源モジュールであって、
前記周面部は、前記軸方向と直交する方向からみて、前記前面部から前記光入射面部に向かって狭まる傾斜面を有し、
前記第2の全反射面部は、前記傾斜面に設けられる
光源モジュール。
【請求項4】
請求項1に記載の光源モジュールであって、
前記前面部は、前記第1の発光素子からの出射光を拡散させる構造面を有する
光源モジュール。
【請求項5】
請求項2に記載の光源モジュールであって、
前記灯体部品に収容され、前記前面部に向けて前記レンズ本体を透過する光を出射する1以上の第2の発光素子をさらに具備する
光源モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の光源モジュールであって、
前記第1の発光素子は、前記孔部の底部と対向し、
前記光入射面部は、前記第1の発光素子と対向する集光レンズを有し、
前記第1の発光素子は、前記集光レンズを介して前記孔部の底部を透過する光および前記第1の全反射面部に全反射される光を出射する
光源モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の光源モジュールであって、
前記レンズ本体を前記軸方向と直交する断面形状は、六角形である
光源モジュール。
【請求項8】
請求項6に記載の光源モジュールであって、
前記第1の発光素子は、1つであり
前記第2の発光素子は、前記第1の発光素子の周囲に複数設けられる
光源モジュール。
【請求項9】
請求項5に記載の光源モジュールであって、
前記光入射面部は、前記第1の発光素子と対向する集光レンズを有し、
前記第1の発光素子は、前記集光レンズを介して前記第1の全反射面部に全反射される光を出射する
光源モジュール。
【請求項10】
請求項9に記載の光源モジュールであって、
前記レンズ本体を前記軸方向と直交する断面形状は、四角形である
光源モジュール。
【請求項11】
請求項9に記載の光源モジュールであって、
前記第1の発光素子は、複数であり、
前記第2の発光素子は、前記孔部の底部と対向する位置および前記第1の発光素子の周囲に設けられる
光源モジュール。
【請求項12】
1以上の第1の発光素子から出射した光が入射する光入射面部と、光出射面部である前面部と、周面部と、前記光入射面部から入射した光を前記周面部に向けて全反射する第1の全反射面部と、前記周面部に設けられ前記第1の全反射面部によって全反射された光を前記前面部に立ち上げる第2の全反射面部と、を有するレンズ本体
を具備する光学レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鉄道車両用の照明装置を構成する光源モジュールおよび光学レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両用の照明装置として、例えば、鉄道車両に装備される前照灯や尾灯等が知られている。前照灯は、鉄道に関する関連法規では前部標識灯と称され、夜間等に車両の進行方向である前方を照らして運転手の視認性を向上させ、また夜間車両の前方から点灯を確認できるものである。また、尾灯は、鉄道に関する関連法規では後部標識灯と称され、車両の後方であることを灯火または反射で示して、後方を走る他の車両等に存在を知らせるものである。
【0003】
前照灯や尾灯は、前述した機能の違いにより、主たる構成である配光特性や光色も異なっている。すなわち、前照灯では、前方を遠くまで照らすための遠距離の配光特性が求められ、光色は一般に白色と定められている。また、尾灯では、外部から視認できる程度の近距離の配光特性で足り、光色は赤色と定められている。従って、前照灯や尾灯は、それぞれ別々の灯具によって構成されるのが一般的である。
【0004】
例えば特許文献1には、鉄道車両用の標識灯として複数個のLED電源と有し、その複数個のLED電源は、複数個のLED素子および配線基板と、LED素子からの光を配光制御するレンズと、レンズを保持するホルダと、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-120221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1に記載の照明装置は、光の出射面のうちLED電源と対向しないレンズ淵付近を光らせることが困難であった。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、レンズ淵付近を容易に光らせることができる光源モジュールおよび光学レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態に係る光源モジュールは、1以上の第1の発光素子と、灯体部品と、光学レンズとを具備する。
上記灯体部品は、底部と筒状部とを有し、軸方向の一端が開口する円筒状部材で形成され、上記第1の発光素子を収容する。
上記光学レンズは、上記第1の発光素子から出射した光が入射する光入射面部と、光出射面部である前面部と、周面部と、上記光入射面部から入射した光を上記周面部に向けて全反射する第1の全反射面部と、上記周面部に設けられ上記第1の全反射面部によって全反射された光を上記前面部に立ち上げる第2の全反射面部と、を有するレンズ本体と、上記前面部とは反対側に設けられ上記灯体部品の一端に設けられた開口部に嵌合する円筒状の環状突起と、を有する。
【0009】
上記光源モジュールにおいては、第1の発光素子から出射した光が第1の全反射面部および第2の全反射面部によって全反射されることでレンズ本体の周面部から前面部に向けて光が出射される。これにより、レンズ淵付近を容易に光らせることができる。
【0010】
上記レンズ本体は、上記軸方向からみて上記レンズ本体の中心に設けられ上記前面部から上記光入射面部に近づくにつれ内径が小さくなり、側面が段付きの形状である孔部を有し、
上記第1の全反射面部は、上記孔部の側面に形成され、上記光入射面部から入射した光を全反射する第1の全反射面および上記第1の全反射面から上記軸方向に沿って上記光入射面部へ延びる直線部を有する段付き形状であってもよい。
【0011】
上記周面部は、上記軸方向と直交する方向からみて、上記前面部から上記光入射面部に向かって狭まる傾斜面を有し、
上記第2の全反射面部は、上記傾斜面に設けてもよい。
【0012】
上記前面部は、上記第1の発光素子からの出射光を拡散させる構造面を有してもよい。
【0013】
上記灯体部品に収容され、上記前面部に向けて上記レンズ本体を透過する光を出射する1以上の第2の発光素子をさらに備えてもよい。
【0014】
上記第1の発光素子は、上記孔部の底部と対向し、
上記光入射面部は、上記第1の発光素子と対向する集光レンズを有し、
上記第1の発光素子は、上記集光レンズを介して上記孔部の底部を透過する光および上記第1の全反射面部に全反射される光を出射してもよい。
【0015】
上記レンズ本体を上記軸方向と直交する断面形状は、六角形であってもよい。
【0016】
上記第1の発光素子は、1つであり、
上記第2の発光素子は、上記第1の発光素子の周囲に複数設けられてもよい。
【0017】
上記光入射面部は、上記第1の発光素子と対向する集光レンズを有し、
上記第1の発光素子は、上記集光レンズを介して上記第1の全反射面部に全反射される光を出射してもよい。
【0018】
上記レンズ本体を上記軸方向と直交する断面形状は、四角形であってもよい。
【0019】
上記第1の発光素子は、複数であり、
上記第2の発光素子は、上記孔部の底部と対向する位置および上記第1の発光素子の周囲に設けられてもよい。
【0020】
本発明の一形態に係る光学レンズは、レンズ本体を具備する。
上記レンズ本体は、第1の発光素子から出射した光が入射する光入射面部と、光出射面部である前面部と、周面部と、上記光入射面部から入射した光を上記周面部に向けて全反射する第1の全反射面部と、上記周面部に設けられ上記第1の全反射面部によって全反射された光を上記前面部に立ち上げる第2の全反射面部と、を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の光源モジュールによれば、第1の全反射面部および第2の全反射面部によって第1の発光素子の出射光をレンズ本体の周面部から出射させることが可能となるため、レンズ淵付近を容易に光らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の概略平面図である。
図2】照明装置における第1光源モジュールの配置例を示す斜視図である。
図3】照明装置における第2光源モジュールの配置例を示す斜視図である。
図4】照明装置における第3光源モジュールを示す全体図であり、(A)は斜視図、(B)はZ軸方向から見た正面図、(C)は背面図、(D)は平面図、(E)は右側面図である。
図5】第3光源モジュールの分解斜視図である。
図6】第3光学レンズの全体図であり、(A)は斜視図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)は右側断面図である。
図7】第3光源モジュールの灯体の全体図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は右側断面図である。
図8】光源を収容した上記灯体の正面図である。
図9】照明装置における光源モジュールの背面斜視図である。
図10】第3光源モジュールの断面図であり、(A)は、図4(B)のA‐A断面であり、(B)は、図4(B)のB‐B断面である。
図11】本発明の第2の実施形態に係る照明装置における第4光源モジュールを示す全体図であり、(A)は斜視図、(B)はZ軸方向から見た正面図、(C)は右側面図、(D)は背面図である。
図12】第4光源モジュールの分解斜視図である。
図13】第2の実施形態に係る光源モジュールの背面斜視図である。
図14】第4光源モジュールの断面図であり、(A)は、図11(B)のA‐A断面であり、(B)は、図11(B)のB‐B断面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置100の概略平面図である。図において、X軸、Y軸およびZ軸は相互に直交する3軸方向を示しており、Z軸は、照明装置100の光軸方向に相当する。
【0025】
<第1の実施形態>
[照明装置の全体構成]
本実施形態の照明装置100は、例えば鉄道車両用の前部標識灯あるいは後部標識灯として構成される。照明装置100は、先頭車両の前部あるいは最後尾車両の後部の任意の位置に、光軸方向(Z軸方向)を前方あるいは後方に向けた状態で左右一対となるように取り付けられる。すなわち図1には、上記一対の照明装置のうちの1つが示されている。
【0026】
図1に示すように照明装置100は、複数の光源モジュール10と、これら複数の光源モジュール10を共通に支持するベース部材20とを備える。
【0027】
複数の光源モジュール10は、第1光源モジュール11と、第2光源モジュール12と、第3光源モジュール13とを有する。第1光源モジュール11および第2光源モジュール12は前照灯として機能し、特に、第1光源モジュール11はハイビーム用であり、第2光源モジュールはロービーム用である。第3光源モジュール13は尾灯として機能する。
【0028】
本実施形態において第1~第3光源モジュール11~13は、それぞれ複数個用いられているが、それらの数や配置レイアウトは特に限定されない。なおこれに限られず、各光源モジュールが単数ずつ用いられてもよいし、単数の光源モジュールと複数の光源モジュールが組み合わされてもよい。また複数の光源モジュール10は、3種類の光源モジュール11~13で構成されるが、2種類の光源モジュールで構成されてもよく、例えば、前照灯用の光源モジュールと尾灯用の光源モジュール、あるいは、ロービーム用(前照灯)とハイビーム用(前照灯)の2種類の光源モジュールが用いられてもよい。さらに複数の光源モジュール10は、4種類以上の光源モジュールで構成されてもよい。
【0029】
複数の光源モジュール10は、光軸をZ軸方向に向けてベース部材20上に取り付けられる。ベース部材20は、第1ベース板21と、第2ベース板22と、第3ベース板23との結合体で構成される。第1~第3ベース板21~23はそれぞれ、アルミニウム合金やステンレス鋼などの金属板の折り曲げプレス加工品で構成される。
【0030】
図2は第1光源モジュール11の配置例を示す斜視図、図3は第2光源モジュール12の配置例を示す斜視図である。
【0031】
第1ベース板21は、6つの第1光源モジュール11を支持する。第1ベース板21は、XY平面に平行な第1支持面211(第1の平面部)と、YX平面に直交しY軸方向に対して所定角度傾斜する第2支持面212(第2の平面部)とを有する。図2に示すように、第1平面部211には2つの第1光源モジュール11が取り付けられ、第2平面部212には4つの第1光源モジュール11が取り付けられる。第1光源モジュール11の各々は、光軸方向が第1支持面211と直交する方向に整列するように(Z軸方向と平行となるように)第1ベース板21に支持される。
【0032】
第2ベース板22は、4つの第2光源モジュール12を支持する。第2ベース板22は、第1支持面221と第2支持面222とを有し、これら各支持面221,222はXY平面に平行であり、かつZ軸方向に所定距離シフトした位置に設けられる。図3に示すように、第1支持面221および第2支持面222にはそれぞれ2つの第2光源モジュール12が取り付けられる。第2光源モジュール12の各々は、光軸方向が第1支持面221と直交する方向に整列するように(Z軸方向と平行となるように)第2ベース板22に支持される。
【0033】
第3ベース板23は、図1に示すようにXY平面に平行な板材であり、第1ベース板21および第2ベース板22を共通に支持するベース部材20の本体に相当する。第3ベース板23は、図示しない車体に取り付けられる。第3ベース板23には、第1ベース板21および第2ベース板22の非搭載領域に、8個の第3光源モジュール13が取り付けられる。第3光源モジュール13の各々は、光軸方向が第3ベース板23と直交する方向に整列するように(Z軸方向と平行となるように)第3ベース板23に支持される。
【0034】
(第3光源モジュール)
以下、第3光源モジュール(光源モジュール)13について説明する。図4は第3光源モジュール13を示す全体図であり、(A)は斜視図、(B)はZ軸方向から見た正面図、(C)は背面図、(D)は平面図、(E)は右側面図であり、図5は、第3光源モジュール13の分解斜視図である。
【0035】
第3光源モジュール13は、光学レンズ53と、灯体63(灯体部品)と、灯体63の内部に収容される1以上の第1の発光素子431Aを有する光源43とを備える。
【0036】
<光学レンズ>
図6は光学レンズ53の全体図であり、(A)は斜視図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)は右側断面図である。
【0037】
光学レンズ53は、透明なガラスあるいはプラスチック材料で形成される。光学レンズ53は、矩形の前面部531と平面的な周面部532とを含む概略直方体形状のレンズ本体530を有する。レンズ本体530は、灯体63(61)の一端からZ方向へ突出し、前面部531および周面部532はそれぞれ光源43からの光を前方(Z軸方向)およびその周囲に出射する光出射面として構成される。またレンズ本体530をZ軸方向と直交する断面形状は、四角形状であり、上記前面部531をZ軸方向からみた形状も四角形状である。前面部531は、光源からの出射光を拡散させる複数の微細な角錐体等が面内に配列された構造面531Aを有する。前面部531の中心部には灯体63(61)側に凹む有底の孔部(円錐部)533が設けられ、その孔部533の底部533Aおよびその周囲(側面)533Bにレンズ面534が設けられ、光源43からの出射光を前面部531および周面部532へ導く導光部としての機能をも有する。
【0038】
光学レンズ53はさらに、灯体63(61)の一端に設けられた開口部613に嵌合する環状突起535を有する。環状突起535は円筒形状であり、前面部531とは反対側のレンズ本体530の背面部に一体的に形成される。環状突起535は、灯体63(61)の開口部613に嵌合する円筒部536と、円筒部536の外周面に沿ってZ軸方向(光軸方向)のまわりに設けられた環状の溝部537とを有する。
【0039】
さらにレンズ本体530の背面部であって環状突起535の外周側には、灯体63(61)の上記一端である開口端部614に当接するXY平面に平行な環状の当接面538が設けられている。当接面538の一部には、灯体63(61)の開口端部614に設けられた係合突起615(図5参照)と係合する係合凹部539が設けられる(図6(C)参照)。係合凹部539は、開口端部614からの係合突起615の高さよりも大きい深さで形成される。また光学レンズの導光部としての機能の詳細な説明については後述する。
【0040】
<灯体>
灯体61は、アルミニウム合金やステンレス鋼などの金属材料で形成される。灯体61は、一端が開口する有底の円筒形状であり、底部611と、筒状部612と、開口部613とを有する(図5参照)。開口部613には光学レンズ53の環状突起535が嵌合することで、開口端部614に光学レンズ53の当接面538が当接する。この際、開口端部614に設けられた係合突起615と当接面538に設けられた係合凹部539との係合作用により、灯体61に対して光学レンズ53がその周方向に位置決めされる。
【0041】
灯体61は、光軸方向(Z軸方向)と直交する方向に筒状部612から環状突起535の溝部537の底部に向かって挿通される複数の締結具S1を含む。締結具S1は、開口部613に対して環状突起535を固定する締結部として構成される。筒状部612には、締結具S1が貫通する複数の挿通孔(ネジ孔)616が設けられる。締結具S1は、軸方向と直交する方向に筒状部612から溝部611の底部に向かって挿通される。挿通孔616の数や場所は特に限定されず、例えば等角度間隔で3箇所以上に設けられる。これにより、第3光学レンズ53の環状突起535が灯体61の開口部613に安定に保持される。
【0042】
灯体61の内部は光源43を収容する空間部を形成する。光源43は、複数の発光素子である赤色LED431A、431Bと、赤色LED431A、431Bを支持する回路基板432とを有する基板ユニットで構成される。回路基板432は概略矩形であり、回路基板432の前面側の中心部には赤色LED431A、431Bが搭載され、回路基板432の背面側には電源供給用のケーブルと接続されるコネクタ部品(不図示)が搭載される。灯体61の筒状部612の内周面には回路基板432の周縁部に係合することで第3光源43をその周方向において位置決めする複数の係合部617が設けられる。
【0043】
図8は、係合部617と光源43との関係を示す灯体61の正面図である。本実施形態では同図に示すように、係合部617は、光源43の回路基板42の上辺の両端部と下辺の中央部に係合するように筒状部612の内周面の3箇所に設けられる。なおこれに限られず、係合部617は、回路基板42の四隅と係合する位置に設けられてもよい。
【0044】
灯体61の底部611には、係合部617により位置決めされた光源43のコネクタ部品が貫通する窓部618が設けられるとともに、底部611の外面側には光源43の放熱性を高めるための放熱フィン619が設けられている。
【0045】
灯体61の底部611および筒状部612は、ベース部材20と接続可能な第1固定部621と第2固定部622とをそれぞれ有する。
【0046】
第1固定部621は、図7(C)に示すように底部611において窓部618の直下に設けられたネジ挿通孔であり、図2に示す第1ベース板21の第1支持面211にネジ固定される。この場合、第1ベース板21には灯体61の放熱フィン619を収容可能な開口が設けられることで、底部611の背面が第1ベース板211に密着される。また、底部611の外面には、図7(C)に示すように、第1ベース板211の上記開口の直上に形成された孔部に嵌合する位置決め突起620が設けられてもよい。これにより灯体61を光軸方向に垂直な第1ベース板21に安定に固定することができる。
【0047】
第2固定部622は、図7(C)に示すように筒状部612の一部に設けられたネジ挿通孔であり、図2に示す第2ベース板21の第2支持面212にネジ固定される。この場合は、灯体61が光軸方向に平行な第2ベース板22に固定することができる。第2固定部622は複数設けられてもよい。この場合は図7(C)に示すように、第1光学レンズ51の環状突起535を灯体61の開口部613に固定する締結具S1が挿通される挿通孔616を第2固定部622として兼用してもよい。
【0048】
図5に示すように、第3光源モジュール13はさらに、光学レンズ53の環状突起535と光源43との間に装着される環状の弾性部材70と、光源43と灯体61の底部611との間に配置される伝熱シート80とを備える。
【0049】
弾性部材70は、環状突起535の外径および内径とほぼ同一の外径および内径を有する環状の弾性シートであり、環状突起535の先端と光源43(回路基板432)との間に挟持される。弾性部材70は、図8に示すように回路基板432の周縁部(四隅)に密着する。これにより、光学レンズ53を灯体61へ組み付けた際に、灯体61の内部において光源43(回路基板432)を安定に保持することができる。
【0050】
伝熱シート80は、灯体61の底部611の内面とほぼ同一形状の円形シートである。伝熱シート80は、電気絶縁性と熱伝導性を有する材料で構成される。伝熱シート80は、図5に示すように、光源43のコネクタ部品が貫通する開口部81と、光源43をその周方向に位置決めする複数の係合部617を収容する複数の切欠き部82を有する。これにより、回路基板432と底部611との間を良好に密着させることができるため、光源43の放熱性を高めることができる。
【0051】
<光源>
上述したように光源43は、図5に示すように、複数の発光素子である赤色LED431A、431Bと、これら複数の赤色LED431A、431Bを支持する回路基板432とを有する基板ユニットで構成される。回路基板432は概略円形であり、回路基板432の前面側には赤色LED431A、431Bが搭載され、回路基板432の背面側には電源供給用のケーブルと接続されるコネクタ部品が搭載される。回路基板432の周縁部には、灯体63(61)の筒状部612の内周面に設けられた複数の係合部617と係合する複数の切欠き部434が設けられている。
【0052】
[第3の光源モジュールの詳細]
上述したように第3の光源モジュール(光源モジュール)13について説明する。以下、第3の光源モジュール13の光学レンズ53について詳述する。図9は、照明装置100における第3の光源モジュール13の背面斜視図であり、図10は、第3の光源モジュール13の断面図であり、(A)は、図4(B)のA‐A断面であり、(B)は、図4(B)のB‐B断面である。
【0053】
光学レンズ53は、上述したようにレンズ本体530と、環状突起535とを有する。レンズ本体530は、第1の発光素子431Aおよび第2の発光素子431Bから出射した光が入射する光入射面部534aと、上述したように光出射面部である前面部531と、周面部532と、光入射面部534aから入射した光の少なくとも一部を周面部532に向けて全反射する第1の全反射面部5341Bと、周面部532に設けられ第1の全反射面部5341Bによって全反射された光を前面部531に立ち上げる第2の全反射面部5321と、を有する。
【0054】
光入射面部534aは、レンズ本体530において前面部531と反対側であり、第1の発光素子431Aおよび第2の発光素子431Bと対向する位置に形成される。光入射面部534aは、第1の発光素子431Aと対向する位置に設けられる第1の集光レンズ5351と、複数の第2の発光素子431BのうちZ軸方向においてレンズ本体530の中心に位置する第2の発光素子431BとZ軸方向において対向する位置に第2の集光レンズ5352と、複数の第1の発光素子431Aの周囲に設けられた複数の第2の発光素子431BとZ軸方向において対向する光入射凹部5352Bと、複数の光入射凹部5352Bとの間(Z軸方向からみて周方向における)に設けられた光入射対向面5352Aと、を有する(図6図9参照)。
【0055】
ここで、図5図9図10に示すように、本実施形態では第1の発光素子431Aは、Z軸方向からみてレンズ本体530の中心に位置する第2の発光素子431Bの周囲に4つ設けられる。4つの第1の発光素子431Aは、それぞれ第1の集光レンズ5351と対向するように設けられる。第1の集光レンズ5351および第2の集光レンズ5352は、図9図10に示すように、光入射面部534aから第1の発光素子431A側へ突出する凸レンズである。これにより、後述するように第1の発光素子431Aおよび第2の発光素子431Bから出射される光を集光することができる。
【0056】
また図4図6図9に示すように、本実施形態では第2の発光素子431Bは、Z軸方向からみてレンズ本体530の中心(回路基板432の中心)と、上述した第1の発光素子431Aの周囲とに設けられる。回路基板432の中心に設けられた第2の発光素子431Bは、本実施形態では1つであり、第1の発光素子431Aの周囲に設けられた第2の発光素子431Bは本実施形態では4つである。本実施形態では4つの第1の発光素子431Aは、中心に設けられた第2の発光素子431Bを中心とした円の周方向に設けられそれぞれ等間隔である。また4つの第1の発光素子431Aの周囲に設けられた4つの第2の発光素子も同様に、中心に設けられた第2の発光素子431Bを中心とした円の周方向に設けられそれぞれ等間隔である。
【0057】
また図6図9に示すように、複数の光入射対向面5352Aの間に設けられた光入射凹部5352Bは、光入射面部534aから前面部531側へ凹むように形成される。光入射凹部5352Bは、上記周方向に沿って等間隔に設けられ第2の発光素子431Bから出射される光を拡散する機能を有する。
【0058】
もちろん、第1の発光素子431Aおよび第2の発光素子431Bの個数および配置に関しては、これに限られず、種々様々な構成であってよい。例えば第1の発光素子431Aの数が中心に設けられた第2の発光素子431Bの周りに4つではなく8つあり、第1の発光素子431Aの周りの第2の発光素子431Bの数が4つではなく8つであってもよい。
【0059】
回路基板432の中心に設けられた第2の発光素子431Bから出射した光L1は、その第2の発光素子431Bと対向する第1の集光レンズ5352を介してレンズ本体530および孔部533の底部533Aを透過する(図10参照)。ここで、光L1は、第2の発光素子431Bから出射し、底部533Aと直交するZ軸方向に直進し、レンズ本体530を透過する。
【0060】
また第1の発光素子431Aの周囲に設けられた第2の発光素子431Bから出射した光L1'は、光入射面部534aに入射され、レンズ本体530を透過する。このとき、構造面531Aによって光L1'が拡散される。つまり、Z軸方向からみて第2の発光素子431Bから出射される光L1、L1'は、レンズ本体530の中心とその周囲から出射される。また後述するように第2の発光素子431Bから出射した光L1、L1'は、第1の全反射面部534Aおよび第2の全反射面部5321によって全反射されない。
【0061】
また第1の発光素子431Aから出射した光L2は、図10(B)に示すように、第2の集光レンズ5351によって集光されZ軸方向と平行な方向(第1の全反射面部534Aにむけて)に進む。次に光L2は、第1の全反射面部534Aによってレンズ本体530の周面部532へ全反射され、その全反射された光L2を周面部532に設けられた第2の全反射面部5321によって前面部531にむけて全反射される。
【0062】
第1の全反射面部534Aについて説明する。第1の全反射面部534Aは、Z軸方向からみてレンズ本体530の中心に設けられ前面部531から光入射面部534aに近づくにつれ内径が小さくなるおおよそ円錐形状(より詳しくは段付きの形状)の孔部(円錐部)533の側面533Bに形成される。具体的には、第1の全反射面部534Aは、第1の全反射面5341Aと直線部5342AとがZ軸方向に沿って交互に配置された段付き形状である。
【0063】
図9に示すように、第1の全反射面5341Aは、レンズ本体530の中心に向けて傾斜する傾斜面が複数あり、複数の第1の全反射面5341Aは、前面部531から光入射面部534aに向かうにつれて第1の全反射面5341Aの内径(第1の全反射面5341Aを含む孔部533の内径)が小さくなる。また第1の全反射面5341Aそれぞれの傾斜角度は、それぞれ異なってもよいし、同一であってもよい。
【0064】
また図10に示すように、直線部5342Aは、第1の全反射面5341Aの下端部からZ軸方向に沿って光入射面部534aに延びる側面である。つまり、第1の全反射面5341Aおよび直線部5342Aで段付き形状が形成される。また本実施形態では直線部5342Aは複数あり、前面部531から光入射面部534aに向かうにつれて直線部5342Aの内径(直線部5342Aを含む孔部533の内径)が小さくなる。
【0065】
つまり、上述したように第1の発光素子431Aから出射される光L2を全反射する第1の全反射面部534Aを段付き形状にすることで第1の全反射面5341Aの径方向への広がりを抑制することができる。これにより、光出射面である前面部531(構造面531A)(発光面積)を大きくすることができる。
【0066】
次に第2の全反射面部5321について説明する。第2の全反射面部5321は、X軸方向またはY軸方向からみて、周面部532が有する前面部531から光入射面部534aに向かって狭まる傾斜面532Aに設けられる。図9(B)に示すように、傾斜面532Aは、前面部531から光入射面部534aに向けて傾斜され、第1の発光素子431Aから出射される光L2を前面部531へ立ち上げるように全反射する。
【0067】
これにより、第3の光源モジュール13は、レンズ淵である前面部531の周縁部Sを容易に光らせることができる。つまり、Z軸方向からみて周縁部Sの直下には光源である第1の発光素子431Aおよび第2の発光素子431Bは設けられていないため、周縁部Sを光らせることが困難であった。これに対し、本実施形態によれば、第1の全反射面部534Aおよび第2の全反射面部5321によって出射光L2を全反射させて周縁部Sを光らせることができる。また、光出射面である前面部531の見栄え(デザイン性)をより良くすることができる(一部(周縁部S)で光っていない部分があると見栄えが悪いため)。
【0068】
また図10のシミュレーション結果によると、本実施形態の場合、従来の光源モジュールと比較して全体(周縁部など)をより光らせることができる。また従来の光源モジュールと比較しても少ない発光素子の数でレンズ全体を光らせることができる。
【0069】
また本実施形態では孔部533の中は空気層であったが、これに限られず、低屈折材料(例えばフッ化物(フッ化マグネシウム(屈折率:約1.38)、フッ化カルシウム(同:約1.40)))を充填させてもよい。これによりレンズ本体530との屈折率の差を小さくすることができる(臨界角を大きくなる)ため、上記中心に設けられた第2の発光素子431Bから出射される光L1に対して全反射が生じることを抑制することができる。
【0070】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る第4の光源モジュール14について、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る照明装置における第4光源モジュール(第4の光源モジュール)14を示す全体図であり、(A)は斜視図、(B)はZ軸方向から見た正面図、(C)は右側面図、(D)は背面図である。図12は第4の光源モジュール14の分解斜視図である。図13は第2の実施形態に係る第4の光源モジュール14の背面斜視図であり、図14は第4の光源モジュール14の断面図であり、(A)は、図11(B)のA‐A断面であり、(B)は、図11(B)のB‐B断面である。
【0071】
第4の光源モジュール14は、第3の光源モジュール14と比較して光学レンズ53および光源43の構成のみが異なり、灯体63は第3の光源モジュール13の灯体61と共通の灯体部品で構成される。また、第4の光源モジュール14は、第3の光源モジュール13と同様に、弾性部材70および放熱シート80を備える。ここでは主に、光学レンズ54と光源44について説明する。
【0072】
<光学レンズ>
光学レンズ54は、透明なガラスあるいはプラスチック材料で形成される。光学レンズ54は、矩形の前面部541と平面的な周面部542とを含む概略直方体形状のレンズ本体540を有する。レンズ本体540は、灯体63(61)の一端からZ方向へ突出し、前面部541および周面部542はそれぞれ光源43'からの光を前方(Z軸方向)およびその周囲に出射する光出射面として構成される。またレンズ本体540をZ軸方向と直交する断面形状は、六角形状であり、上記前面部541をZ軸方向からみた形状も六角形状である。前面部541は、光源からの出射光を拡散させる複数の微細な角錐体等が面内に配列された構造面541Aを有する。前面部541の中心部には灯体63(61)側に凹む有底の孔部(円錐部)543が設けられ、その孔部543の底部543Aおよびその周囲(側面)543Bにレンズ面544が設けられ、光源43からの出射光を前面部531および周面部532へ導く導光部としての機能をも有する。
【0073】
光学レンズ54はさらに、灯体63(61)の一端に設けられた開口部613に嵌合する環状突起545を有する。環状突起545は円筒形状であり、前面部541とは反対側のレンズ本体540の背面部に一体的に形成される。環状突起545は、灯体63(61)の開口部613に嵌合する円筒部546と、円筒部546の外周面に沿ってZ軸方向(光軸方向)のまわりに設けられた環状の溝部547とを有する。
【0074】
さらにレンズ本体540の背面部であって環状突起545の外周側には、灯体63(61)の上記一端である開口端部614に当接するXY平面に平行な環状の当接面548が設けられている。当接面548の一部には、灯体63(61)の開口端部614に設けられた係合突起615(図12参照)と係合する係合凹部549が設けられる(図11(D)参照)。係合凹部549は、開口端部614からの係合突起615の高さよりも大きい深さで形成される。また光学レンズの導光部としての機能の詳細な説明については後述する。
【0075】
<光源>
上述したように光源43'は、図12に示すように、複数の発光素子である赤色LED441A、441Bと、これら複数の赤色LED441A、441Bを支持する回路基板442とを有する基板ユニットで構成される。回路基板442は概略円形であり、回路基板442の前面側には赤色LED441A、441Bが搭載され、回路基板442の背面側には電源供給用のケーブルと接続されるコネクタ部品が搭載される。回路基板442の周縁部には、灯体63(61)の筒状部612の内周面に設けられた複数の係合部617と係合する複数の切欠き部444が設けられている。
【0076】
[第4の光源モジュールの詳細]
上述したように第4の光源モジュール(光源モジュール)14について説明する。以下、第4の光源モジュール14の光学レンズ54について詳述する。
【0077】
光学レンズ54は、上述したようにレンズ本体540と、環状突起545とを有する。レンズ本体540は、第1の発光素子441Aおよび第2の発光素子441Bから出射した光が入射する光入射面部544aと、上述したように光出射面部である前面部541と、周面部542と、光入射面部544aから入射した光の少なくとも一部を周面部542に向けて全反射する第1の全反射面部5441Bと、周面部542に設けられ第1の全反射面部5441Bによって全反射された光を前面部541に立ち上げる第2の全反射面部5421と、を有する。
【0078】
光入射面部544aは、レンズ本体540において前面部541と反対側であり、第1の発光素子441Aおよび第2の発光素子441Bと対向する位置に形成される。光入射面部544aは、Z軸方向においてレンズ本体540の中心に位置する第1の発光素子431Aと対向する位置に設けられる集光レンズ5451と、第2の発光素子441BとZ軸方向において対向する複数の光入射対向面5452Bと、複数の光入射対向面5452Aとの間(Z軸方向からみて周方向における)に設けられた光入射凹部5452Bと、Z軸方向からみて集光レンズ5451と複数の光入射対向面5452Bおよび複数の光入射凹部5452Bとの間に設けられた光傾斜面部5452Cと、を有する(図11、13参照)。
【0079】
ここで、図11~13に示すように、本実施形態では第1の発光素子441Aは、Z軸方向からみてレンズ本体540の中心に1つ位置する。1つの第1の発光素子441Aは、第2の集光レンズ5451と対向するように設けられる。第2の集光レンズ5451は、図2図6に示すように、光入射面部544aから第1の発光素子441A側へ突出する凸レンズである。これにより、後述するように第1の発光素子441Aから出射される光を集光することができる。
【0080】
また図11~13に示すように、本実施形態では第2の発光素子441Bは、Z軸方向からみて、上述した第1の発光素子441Aの周囲に8つ設けられる。また本実施形態では図2に示すように、8つの第2の発光素子441Bは第1の発光素子441Aを中心とする円の周方向に沿って設けられ複数の光入射面対向部5452Aと対向する。8つの第2の発光素子441Bは、それぞれ等間隔である。図11図13に示すように、複数の光入射対向部5452Aは、上記周方向に沿って等間隔に設けられXY平面において所定の角度で傾斜し、第2の発光素子441Bから出射される光の屈折する角度を制御する機能を有する。つまり、複数の光入射対向部5452Aは、第2の発光素子441Bから出射される光を屈折させる機能を有する。
【0081】
上述した光傾斜面部5452Cは、図13、14に示すように円環状に設けられ、X軸方向からみて、「ハ」の字状(末広がり状、レンズ本体540の中心に向けて傾斜される形状)である。光傾斜面部5452Cは、第2の発光素子441Bから出射される光が前面部542のうちレンズ本体530の(Z軸方向からみて)中心を光らせるように制御する機能を有する(例えば図14(A)L1'のうち左2本)。
【0082】
また図11図13に示すように、複数の光入射対向面5452Aの間に設けられた光入射凹部5452Bは、光入射面部544aから前面部542側へ凹むように形成される。光入射凹部5452Bは、上記周方向に沿って等間隔に設けられ第2の発光素子441Bから出射される光を集光させる機能を有する。
【0083】
もちろん、第1の発光素子441Aおよび第2の発光素子441Bの個数および配置に関しては、これに限られず、種々様々な構成であってよい。例えば第2の発光素子441Bの数が中心に設けられた第1の発光素子441Aの周りに8つではなく4つあってもよい。
【0084】
回路基板442の中心に設けられた第1の発光素子441Aから出射した光の一部である光L1は、その第1の発光素子441Aと対向する第2の集光レンズ5451を介してレンズ本体540および孔部543の底部543Aを透過する(図13参照)。ここで、光L1は、第1の発光素子441Aから出射し、底部533Aと直交するZ軸方向に直進し、レンズ本体530を透過する光である。
【0085】
また第1の発光素子441Aの周囲に設けられた第2の発光素子441Bから出射した光L1'は、光入射面部544aに入射され、レンズ本体540を透過する。このとき、構造面541Aによって光L1'が拡散される。つまり、Z軸方向からみて第2の発光素子441Bから出射される光L1、L1'は、レンズ本体540の中心とその周囲から出射される。また後述するように第2の発光素子441Bから出射した光L1、L1'は、第1の全反射面部544Aおよび第2の全反射面部5421によって全反射されない。
【0086】
また第1の発光素子441Aから出射した光の一部である光L2は、図14(B)に示すように、Z軸方向から所定角度傾いた方向に沿って直進し第2の集光レンズ5451によって集光されZ軸方向と平行な方向(第1の全反射面部544Aにむけて)に進む。次に光L2は、第1の全反射面部544Aによってレンズ本体540の周面部542へ全反射され、その全反射された光L2を周面部542に設けられた第2の全反射面部5421によって前面部541にむけて全反射される。光L1'のうち孔部543に入射する光と光L2とは、第1の全反射面部544Aに入射する角度が異なる。つまり、光L2は、第1の全反射面部544Aに入射する角度が第2の集光レンズ5451によって制御されることで全反射される。
【0087】
第1の全反射面部544Aについて説明する。第1の全反射面部544Aは、Z軸方向からみてレンズ本体540の中心に設けられ前面部541から光入射面部544aに近づくにつれ内径が小さくなるおおよそ円錐形状(より詳しくは段付きの形状)の孔部(円錐部)543の側面543Bに形成される。具体的には、第1の全反射面部544Aは、第1の全反射面5441Aと直線部5442AとがZ軸方向に沿って交互に配置された段付き形状である。
【0088】
図14に示すように、第1の全反射面5341Aは、レンズ本体540の中心に向けて傾斜する傾斜面が複数あり、複数の第1の全反射面5441Aは、前面部541から光入射面部544aに向かうにつれて第1の全反射面5441Aの内径(第1の全反射面5441Aを含む孔部543の内径)が小さくなる。また第1の全反射面5341Aそれぞれの傾斜角度は、それぞれ異なってもよいし、同一であってもよい。
【0089】
また図13に示すように、直線部5442Aは、第1の全反射面5441Aの下端部からZ軸方向に沿って光入射面部544aに延びる側面である。つまり、第1の全反射面5441Aおよび直線部5442Aで段付き形状が形成される。また本実施形態では直線部5442Aは複数あり、前面部541から光入射面部544aに向かうにつれて直線部5442Aの内径(直線部5442Aを含む孔部543の内径)が小さくなる。
【0090】
つまり、上述したように第1の発光素子441Aから出射される光L2を全反射する第1の全反射面部544Aを段付き形状にすることで第1の全反射面5441Aの径方向への広がりを抑制することができる。これにより、光出射面である前面部541(構造面541A)(発光面積)を大きくすることができる。
【0091】
次に第2の全反射面部5421について説明する。第2の全反射面部5421は、X軸方向またはY軸方向からみて、周面部542が有する前面部541から光入射面部544aに向かって狭まる傾斜面542Aに設けられる。図13(B)に示すように、傾斜面542Aは、前面部541から光入射面部544aに向けて傾斜され、第1の発光素子441Aから出射される光L2を前面部541へ立ち上げるように全反射する。
【0092】
これにより、第4の光源モジュール14は、第1の発光素子441A1つでレンズ淵である前面部541の周縁部Sを容易に光らせることができる。つまり、Z軸方向からみて周縁部Sの直下には光源である第1の発光素子441Aおよび第2の発光素子441Bは設けられていないため、周縁部Sを光らせることが困難であった。これに対し、本実施形態によれば、第1の全反射面部544Aおよび第2の全反射面部5421によって出射光L2を全反射させて周縁部Sを光らせることができる。また、光出射面である前面部541の見栄え(デザイン性)をより良くすることができる(一部(周縁部S)で光っていない部分があると見栄えが悪いため)。
【0093】
さらに第4の光源モジュール14は、レンズ本体540の形状(Z軸方向からみた)が六角形状である。これにより、上記中心に設けられた第1の発光素子441Aからレンズ淵(周縁部S)までの距離が四角形よりも短くなるため、より周縁部Sを光らせることができる。
【0094】
また本実施形態の場合、従来の光源モジュールと比較して全体(周縁部など)をより光らせることができる。また従来の光源モジュールと比較しても少ない発光素子の数で中心光度をより高くしつつレンズ全体を光らせることができる。
【0095】
本実施において発光素子は赤色であったが、もちろん、これに限られず、他の色であってもよい。また本実施形態では第3の3の光源モジュール13と第4の光源モジュール14は、尾灯用であったが、これに限られず、前照灯用などであってもよい。
【符号の説明】
【0096】
10…光源モジュール
11…第1光源モジュール
12…第2光源モジュール
13…第3光源モジュール
20…ベース部材
21…第1ベース板
22…第2ベース板
23…第3ベース板
43…光源
53…光学レンズ
63…第3灯体
100…照明装置
431A、431B…発光素子
432…回路基板
530…レンズ本体
531…前面部
532…周面部
534…レンズ部
535…環状突起
538…当接面
539…係合凹部
611…底部
612…筒状部
613…開口部
615…係合突起
617…係合部
621…第1固定部
622…第2固定部
図1
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